以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
図1は、実施形態の二つの電子機器1の正面側からの斜視図である。二つの電子機器1は、それぞれ、例えば、タブレット型のパーソナルコンピュータとして構成されている。二つの電子機器1は、筐体2に収容された一部の部品を除いて互いに同様に構成されている。以後、二つの電子機器1を区別する場合には、二つの電子機器1を第一電子機器1Aおよび第二電子機器1Bとも称する。なお、電子機器1は、上記例には限定されず、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、クラムシェル型(ノートブック型)のパーソナルコンピュータ、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機、映像表示制御装置、情報記憶装置等であってもよい。
本実施形態では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、電子機器1の厚さ方向(前後方向)に沿い、Y方向は、電子機器1の短手方向(横幅方向)に沿い、Z方向は、電子機器1の長手方向(縦幅方向)に沿う。また、以下の説明では、X方向は前方、X方向の反対方向は後方とも称され、Y方向は左方、Y方向の反対方向は右方とも称され、Z方向は上方、Z方向の反対方向は下方とも称される。
図2は、実施形態の電子機器1の正面側からの例示的な分解斜視図である。図1および図2に示されるように、電子機器1は、筐体2を備えている。筐体2には、ディスプレイユニット3や回路基板4(図2)、電子部品21(図4)等の部品が収容されている。
筐体2の形状は、扁平な略直方体の箱形である。筐体2は、ディスプレイユニット3の表示画面3aが露出する前壁11と、前壁11とは反対側に位置された後壁12と、前壁11と後壁12とに亘った複数の側壁13〜16と、を有している。すなわち、前壁11と、後壁12と、複数の側壁13〜16とは、筐体2に含まれている。
前壁11は、矩形枠状に形成されている。前壁11の前面11aおよび表示画面3aは、透明部材17によって覆われている。前壁11の前面11aは、筐体2の前面を構成する。
後壁12は、前壁11とX方向に間隔をあけて設けられて、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びている。後壁12の形状は、正面視で四角形、具体的には正面視で長方形である。
側壁13,15は、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに略平行に設けられている。側壁14,16は、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに略平行に設けられている。
筐体2は、フロントカバー18とリヤカバー19とを含む複数の部材の組み合わせによって構成されている。フロントカバー18は、前壁11と、側壁13〜16のそれぞれの一部と、を含む。リヤカバー19は、後壁12と、側壁13〜16のそれぞれの一部と、を含む。フロントカバー18とリヤカバー19は、爪やネジ等によって互いに結合されている。フロントカバー18は、ディスプレイユニット3等とともにフロントユニットを構成し、リヤカバー19は、回路基板4等とともにリヤユニットを構成している。
図3は、実施形態の電子機器1(第一電子機器1A)におけるフロントユニットの例示的な背面図である。図4は、実施形態の電子機器1(第一電子機器1A)におけるフロントユニットの背面側からの例示的な分解斜視図である。図5は、図3のV-V断面図である。
図3〜図5に示されるように、フロントカバー18の前壁11には、電子部品21が固定構造30によって固定されている。第一電子機器1Aと第二電子機器1Bとで、互いに異なる部品は、電子部品21および固定構造30に含まれる固定部品32である。固定構造30は、電子部品の固定構造の一例である。固定構造30は、電子部品固定構造や固定組立体や固定装置とも称される。
第一電子機器1Aの、電子部品21、固定構造30、および固定部品32を、電子部品21A、固定構造30Aおよび固定部品32Aとも称し、第二電子機器1Bの、電子部品21、固定構造30、および固定部品32を、電子部品21B、固定構造30Bおよび固定部品32B(図14,15等)とも称する。
以下に、第一電子機器1Aの電子部品21および固定構造30と、第二電子機器1Bの電子部品21および固定構造30と、について詳細に説明する。以下の説明では、第一方向D1および交差方向D2が用いられる。第一方向D1は、前壁11の内面11bと交差(直交)する方向であり、X方向の反対方向である。交差方向D2は、第一方向D1と交差(直交)する方向であり、筐体2の短手方向(横幅方向、左右方向)と同じ方向である。内面11bは、面の一例である。
図6は、実施形態の第一電子機器1Aにおける電子部品21Aの背面側からの例示的な斜視図である。図7は、実施形態の第一電子機器1Aにおける電子部品21Aの正面側からの例示的な斜視図である。
図6および図7に示される電子部品21Aは、例えば、人体の静脈を検出する静脈認証用のセンサモジュールである。なお、電子部品21Aは、静脈認証用のセンサモジュールに限定されない。例えば、電子部品21Aは、メモリや無線通信モジュール等であってもよい。
電子部品21は、筐体22と、検出回路部23と、を有している。筐体22は、矩形筒状に形成されている。図6に示されるように、筐体22の下端部、すなわち第一方向D1の端部22bは、平坦な複数の端面22ba,22bb,22bc,22bdを含む。端部22bは、電子部品21Aの第一方向D1の端部を構成している。端面22baと端面22bbとは、Z方向に間隔をあけて互いに略平行に設けられている。端面22ba,22bbは、それぞれ、第一方向D1を向くとともに、交差方向D2に延びている。端面22bbは、凹部によって二つに分割されている。端面22bcと端面22bdとは、交差方向D2(Y方向)に間隔をあけて互いに略平行に設けられている。端面22bc,22bdは、それぞれ、第一方向D1を向くとともに、Z方向に延びている。端面22ba,22bbは、接触部や接触面とも称される。
また、図7に示されるように、筐体22の上端部、すなわち第一方向D1の反対方向の端部は、端面22aを含む。端面22aは、矩形枠状に形成され、第一方向D1の反対方向を向いている。端面22aは、接触部や接触面とも称される。
検出回路部23は、筐体22に収容されている。検出回路部23の上端部、すなわち第一方向D1の反対方向の端部には、平坦な端面23aが設けられている。検出回路部23における端面23aを含む一部は、筐体22から第一方向D1方向の反対方向に突出している。端面23aは、第一方向D1の反対方向を向いている。端面23aは、電子部品21Aの第一方向D1の反対方向の端部を構成している。端面23aは、前壁11に設けられた貫通孔11c(図1)から筐体22の外部に露出している。検出回路部23は、端面23aにかざされる人体の静脈を検出可能である。検出回路部23は、ケーブル24を介して回路基板4と接続されている。
図3〜図5に示されるように、固定構造30Aは、筐体側部分31と、固定部品32と、ネジ35と、を備えている。
図8は、実施形態の第一電子機器1Aにおけるフロントカバー18の一部の背面側からの例示的な斜視図である。図8に示されるように、筐体側部分31は、二つの接触部31aと、二つの筒部31bと、第一突起31cと、二つの第二突起31dと、有している。
各接触部31aは、前壁11の内面11bに含まれ、内面11bにおける貫通孔11cの周囲に設けられている。各接触部31aは、二つの接触部31aは、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。各接触部31aは、交差方向D2に延びるとともに、第一方向D1を向いている。図5に示されるように、接触部31aには、電子部品21Aの筐体22における端面22aが重ねられている。すなわち、接触部31aは、端面22aと接触している。なお、図5には、一方の接触部31aが示され他方の接触部31aが示されていないが、当該他方の接触部31aも端面22aと接触している。
図8に示されるように、各筒部31bは、内面11bにおける貫通孔11cの周囲に設けられ、内面11bから第一方向D1に突出している。二つの筒部31bは、互いに間隔をあけて交差方向D2に並べられており、二つの筒部31bの間に貫通孔11cが設けられている。具体的には、二つの筒部31bは、交差方向D2と直交する所定の仮想平面P1に関して対称に設けられている。
筒部31bの内周面には、雌ネジ部31baが形成されている。筒部31bは、ボスとも称される。
図8に示されるように、第一突起31cは、内面11bにおける貫通孔11cの周囲に設けられ、内面11bから第一方向D1に突出している。第一突起31cは、二つの接触部31aおよび貫通孔11cのZ方向に位置されている。また、図3に示されるように、第一突起31cは、交差方向D2において仮想平面P1と離れて位置されている。すなわち、第一突起31cは、交差方向D2において二つの筒部31bのうち一方に寄せられている。第一突起31cは、円筒状に形成されている。
図8に示されるように、二つの第二突起31dは、内面11bにおける貫通孔11cの周囲に設けられ、内面11bから第一方向D1に突出している。二つの第二突起31dは、互いに間隔をあけて交差方向D2に並べられており、二つの第二突起31dの間に貫通孔11cが設けられている。具体的には、二つの第二突起31dは、仮想平面P1に関して対称に設けられている。また、二つの第二突起31dは、それぞれ、二つの筒部31bとZ方向に並べられている。
図9は、実施形態の第一電子機器1Aにおける固定部品32Aの背面側からの例示的な斜視図である。図10は、実施形態の第一電子機器1Aにおける固定部品32Aの正面側からの例示的な斜視図である。図11は、実施形態の第一電子機器1Aにおける固定部品32Aの例示的な側面図である。
図9〜図11に示されるように、固定部品32Aは、第一部材33と、第一部材33に固定された絶縁性のシート34Aと、を有している。
図12は、実施形態の第一電子機器1Aにおける第一部材33の背面側からの例示的な斜視図である。図12に示されるように、第一部材33は、板状に形成されている。第一部材33は、鋼板(金属材料)によって構成されている。なお、第一部材33は、合成樹脂材料等によって構成されてもよい。
第一部材33は、押さえ部33aと、複数の接続部33bと、二つの被固定部33cと、を有している。
押さえ部33aは、平坦な板状に形成されている。押さえ部33aの厚さ方向は、第一方向D1に沿っている。換言すると、第一方向D1は、押さえ部33aの厚さ方向に沿っている。ここで、上述の仮想平面P1は、例えば、押さえ部33aの交差方向D2の中心を通り交差方向D2と直交する面である。図5に示されるように、上記構成の押さえ部33aは、前壁11の接触部31aの第一方向D1に位置され、接触部31aとによって電子部品21Aを挟んでいる。押さえ部33aは、挟み部とも称される。
押さえ部33aは、当該押さえ部33aの厚さ方向に互いに離間した一対の面33m,33nを有している。面33mには、固定部品32の識別のための識別情報33gaが形成されている、識別情報33gaは、例えば「L」である。また、面33nには、識別情報33gb(図21)が形成されている。識別情報33gbは、例えば「S」である。識別情報33ga,33gbは、例えば刻印されたものである。固定部品32Aは、面33m(識別情報33ga)が第一方向D1を向く姿勢で前壁11に固定されている。面33nは、電子部品21の端部22bにおける端面22ba,22bbを第一方向D1側から押さえている。また、面33mは、電子部品21の端面22bc,22bdと離間している。
また、押さえ部33aには、切欠33dと、二つの第二開口部33eと、第三開口部33fと、が設けられている。切欠33dは、押さえ部33aのZ方向の端部に設けられている。
二つの第二開口部33eは、それぞれが、貫通孔であり、第一方向D1に押さえ部33aを貫通している。二つの第二開口部33eは、互いに交差方向D2に離間している。二つの第二開口部33eの間に切欠33dが設けられている。二つの第二開口部33eは、仮想平面P1に関して対称に設けられている。図3に示されるように、二つの第二開口部33eのうち一つ(Y方向側の第二開口部33e)には、第一突起31cが入れられている。また、図9に示されるように、二つの前記第二開口部33eのうち他の一つ(Y方向の反対方向側の第二開口部33e)は、シート34によって覆われている。なお、第二開口部33eは、切欠であってもよい。
図12に示されるように、第三開口部33fは、貫通孔であり、押さえ部33aを第一方向D1に貫通している。第三開口部33fは、押さえ部33aの交差方向D2の中心から離れて設けられている。第三開口部33fは、一つである。なお、第三開口部33fは、切欠であってもよい。
図9,図10、および図12に示されるように、押さえ部33aの交差方向D2の両端部に、接続部33bが二つずつ設けられている。押さえ部33aの交差方向D2の一端部の接続部33bと、押さえ部33aの交差方向D2の他端部の接続部33bとは、押さえ部33aから互いに離れるように延びている。各接続部33bは、押さえ部33aから交差方向D2に離れるにつれて面33mから面33nに向かう方向(図12の例では、X方向)に位置するように設けられている。
図12に示されるように、二つの被固定部33cは、押さえ部33aの交差方向D2の両端部に、接続部33bを介して接続されている。各被固定部33cは、平坦な板状に形成されている。二つの被固定部33cは、仮想平面P1に関して対称に設けられている。各被固定部33cは、第一方向D1の位置が押さえ部33aと異なるとともに、交差方向D2に接続部33bから交差方向D2に延びている。すなわち、各被固定部33c交差方向D2の位置も押さえ部33aと異なる。
各被固定部33cには、第一開口部33hと第五開口部33iとが一つずつ設けられている。すなわち、第一部材33には、二つの第一開口部33hと二つの第五開口部33iが設けられている。二つの第一開口部33hおよび二つの第五開口部33iは、それぞれ、仮想平面P1に関して対称に設けられている。
各第一開口部33hは、貫通孔であり、被固定部33cを、被固定部33cの厚さ方向すなわち第一方向D1、に貫通している。図5に示されるように、二つの第一開口部33hは、それぞれ、二つの筒部31bと重ねられている。なお、第一開口部33hは、切欠であってもよい。
各第五開口部33iは、貫通孔であり、被固定部33cを、被固定部33cの厚さ方向すなわち第一方向D1、に貫通している。図3に示されるように、二つの第五開口部33iには、それぞれ、二つの第二突起31dが入れられている。なお、第五開口部33iは、切欠であってもよい。
また、第一部材33には、二つの開口部33jが設けられている。二つの開口部33jは、押さえ部33aの交差方向D2の端部と被固定部33cとに亘って設けられている。
図13は、実施形態の第一電子機器1Aにおけるシート34Aの背面側からの例示的な斜視図である。シート34Aは、当該シート34Aの厚さ方向に離間した一対の面34m,34nを有している。一対の面34m,34nのうち一方、具体的には面34mは、接着面であり、一対の面34m,34nのうち他方、具体的には面34nは、非接着面である。面34mは、接着層によって構成されている。接着面である面34mが押さえ部33aの一対の面33m,33nの一方、具体的には面33nに接着している。これにより、シート34Aが押さえ部33aの面33nに固定されている。シート34Aは、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹材料によって構成された基材の一面に接着材が塗布された構成である。また、シート34Aは、着色されている。すなわち、シート34Aは、色を有している。シート34Aの色は、黒や白、赤等の種々の色から適宜設定されうる。
また、シート34Aは、第一部分34aと、第二部分34bと、を有している。第一部分34aは、略矩形状に形成されている。第二部分34bは、第一部分34aのZ方向の端部からZ方向に突出している。第二部分34bは、第一部分34aのZ方向の端部における交差方向D2の中心から、交差方向D2に離れて設けられている。第二部分34bが、二つの第二開口部33eのうち他の一つ(Y方向の反対方向側の第二開口部33e)を覆っている(図9,図10)。なお、シート34Aは、押さえ部33aと電子部品21Aとの間に介在していてもよいし、介在していなくてもよい。
また、図13に示されるように、第一部分34aには、第四開口部34cが設けられている。第四開口部34cは、第一部分34aを第一方向D1に貫通している、第四開口部34cは、第一部分34aの交差方向D2の中心から離れて設けられている。第四開口部34cは、切欠である。図10に示されるように、第四開口部34cは、第三開口部33fと重ねられている。
図5に示されるように、固定部品32A(第一部材33)は、二つのネジ35によって二つの筒部31bに固定されている。固定部品32A(第一部材33)は、面33m(識別情報33ga)が第一方向D1を向き、押さえ部33aが被固定部33cよりも第一方向D1に位置された第一姿勢で、筒部31bに固定されている。ネジ35は、頭部35aと頭部35aから延びた軸部35bとを有し、軸部35bの外周面には雄ネジ部が形成されている。軸部35bが被固定部33cの第一開口部33hと筒部31b内とに入れられた状態で、軸部35bの雄ネジ部が筒部31bの雌ネジ部31baと結合している。そして、頭部35aと筒部31bの先端面とに被固定部33cが挟まれている。これにより、被固定部33cが筒部31bに固定されている。二つのネジ35と二つの筒部31bとは、固定部36を構成している。ネジ35は、固定具の一例である。なお、固定具は、ネジ35以外であってもよい。
図14は、実施形態の第二電子機器1Bにおけるフロントユニットの例示的な背面図である。図15は、図14のXV-XV断面図である。図14および図15に示されるように、第二電子機器1Bは、第一電子機器1Aと同様に、フロントカバー18の前壁11に、電子部品21Bが固定構造30Bによって固定されている。以下、電子部品21Bおよび固定構造30Bについて、電子部品21Aおよび固定構造30Aと異なる点を主に説明する。
図16は、実施形態の第二電子機器1Bにおける電子部品21Bの背面側からの例示的な斜視図である。図17は、実施形態の第二電子機器1Bにおける電子部品21Bの正面側からの例示的な斜視図である。図16および図17に示される電子部品21Bは、電子部品21Aと第一方向D1の厚さ(高さ)が異なる。電子部品21の第一方向D1の厚さは、端面22ba,22bb,22bc,22bdと端面23aとの第一方向D1の間隔とも言える。電子部品21Bの第一方向D1の厚さは、電子部品21Aの第一方向D1の厚さよりも小さい。電子部品21Bの他の寸法は、電子部品21Aの他の寸法と同様である。
図14および図15に示されるように、固定構造30Bは、固定構造30Aと同様に、筐体側部分31と、固定部品32Bと、ネジ35と、を備えている。固定構造30Bの筐体側部分31は、固定構造30Aの筐体側部分31と同じである。また、固定構造30Bにおいても、固定構造30Aと同様に、二つのネジ35と二つの筒部31bとは、固定部36を構成している。
図18は、実施形態の第二電子機器1Bにおける固定部品32Bの背面側からの例示的な斜視図である。図19は、実施形態の第二電子機器1Bにおける固定部品32Bの正面側からの例示的な斜視図である。図20は、実施形態の第二電子機器1Bにおける固定部品32Bの例示的な側面図である。
図18〜図22に示されるように、固定部品32Bは、固定部品32Aと同様に、第一部材33と、第一部材33に固定された絶縁性のシート34Bと、を有している。なお、シート34Aとシート34Bとを区別せずに説明する場合には、シート34を用いる場合がある。固定部品32Bは、面33n(識別情報33gb)が第一方向D1を向く姿勢で前壁11に固定されている。
図21は、実施形態の第二電子機器1Bにおける第一部材33の背面側からの例示的な斜視図である。図21に示されるように、第二電子機器1Bの第一部材33の形状は、第一電子機器1Aの第一部材33の形状と同じである。すなわち、第二電子機器1Bの第一部材33と、第一電子機器1Aの第一部材33とは、同一部材である。ただし、図20,21に示されるように、第二電子機器1Bの第一部材33(固定部品23B)は、面33n(識別情報33gb)が第一方向D1を向き、押さえ部33aが被固定部33cよりも第一方向D1の反対方向(X方向)に位置された第二姿勢で、筒部31bに固定されている。すなわち、第二電子機器1Bの第一部材33は、第一電子機器1Aの第一部材33と逆向きの姿勢で筒部31bに固定されている。これにより、第二電子機器1Bでは、第一部材33の面33nが、電子部品21の端部22bにおける端面22ba,22bbを第一方向D1側から押さえている(図15)。なお、図15では、端面22bbは図示さていない。固定部品32Bの第一部材33は、固定部品32Aの第一部材33をZ方向に沿う軸(不図示)回りに180度回転させたものと同じである。また、図14に示されるように、二つの第二開口部33eのうち一つ(Y方向側の第二開口部33e)には、第一突起31cが入れられている。また、図9に示されるように、二つの前記第二開口部33eのうち他の一つ(Y方向の反対方向側の第二開口部33e)は、シート34によって覆われている。
図22は、実施形態の第二電子機器1Bにおけるシート34Bの背面側からの例示的な斜視図である。図19および図22に示されるシート34Bの形状は、仮想平面P1に関してシート34Aの形状と対称である。また、シート34Bは、接着面と非接着面との関係がシート34Aと逆である。シート34Bでは、面34nが接着面であり、面34mが非接着面である。そして、接着面である面34nが押さえ部33aの一対の面33m,33nの一方、具体的には面33mに接着している。これにより、シート34Aが押さえ部33aの面33mに固定されている。すなわち、シート34Bは、シート34Aとは逆向きの姿勢で押さえ部33aに固定されている。シート34Bの第二部分34bは、二つの第二開口部33eのうち他の一つ(Y方向の反対方向側の第二開口部33e)を覆っている(図18,図19)。また、シート34Bの色は、シート34Aと異なっていてもよいし、同じであってもよい。なお、上記以外のシート34Bの形状は、シート34Aと同じである。
次に、電子部品21の厚さと第一部材33の形状との関係について、図11および図20を参照して説明する。電子部品21Aの第一方向D1の厚さと電子部品21Bの第一方向D1の厚さとの差分をTとする。この場合、第一部材33において、押さえ部33aの面33nと、被固定部33cにおける面33nと同じ側の面33caとの第一方向D1の間隔Eは、T/2(Tの半分)に設定されている。
上記構成では、接触部31a(図5,図15)と筒部31b(図5,図15)の第一方向D1の先端面との間の第一方向D1の距離は、電子部品21Aの第一方向D1の厚さと電子部品21Bの第一方向D1の厚さとの平均値に設定されている。
以上のように、本実施形態では、固定構造30は、前壁11と、接触部31aと、第一部材33と、固定部36と、を備えている。前壁11は、内面11b(面)を有し筐体2に設けられている。接触部31aは、内面11bに設けられ、電子部品21と接触している。第一部材33は、接触部31aに対して第一方向D1に位置され接触部31aとによって電子部品21を挟んだ板状の押さえ部33aと、押さえ部33aと接続され、第一方向D1の位置および交差方向D2の位置が押さえ部33aと異なる板状の被固定部33cと、を有している。固定部36は、被固定部33cを前壁11に固定している。
このような構成によれば、例えば、第一部材33Aと同形状の別の第一部材33Bを第一部材33と逆の姿勢で用いることにより、電子部品21Aと第一方向D1の厚さが異なるとともに当該別の第一部材33Bによって押さえることが可能な別の電子部品21Bを、当該別の第一部材33Bによって固定することができる。よって、他の固定構造30(固定構造30Aまたは固定構造30B)と部材等の共通化がしやすい新規な構成の固定構造30(固定構造30Bまたは固定構造30A)を得ることができる。
また、本実施形態では、例えば、被固定部33cには、当該被固定部33cを第一方向D1に貫通した第一開口部33hが設けられている。固定部36は、第一方向D1に突出し第一開口部33hが重ねられた筒部31bと、第一開口部33hおよび筒部31b内に入れられ、第一部材33を筒部31bに固定したネジ35(固定具)と、を有している。筒部31bと第一開口部33hとの少なくとも一方は、押さえ部33aを通り交差方向D2と直交する仮想平面P1に関して対称に二つ設けられている。
このような構成によれば、例えば、第一部材33の2つの姿勢を選択的に設定することができる。
また、固定構造30では、例えば、筒部31bと第一開口部33hとは、それぞれ、仮想平面P1(平面)に関して対称に二つ設けられている。
このような構成によれば、例えば、筒部31bと第一開口部33hとが、それぞれ、一つずつしか設けられていない構成に比べて、第一部材33を筐体2により強固に固定することができる。
また、本実施形態では、例えば、固定構造30は、固定構造30内面11bに設けられ、第一方向D1に突出した第一突起31cと、押さえ部33aに固定されて電子部品21と接触したシート34と、を備えている。押さえ部33aには、それぞれが第一方向D1に押さえ部33aを貫通し、互いに交差方向D2に離間した二つの第二開口部33eが設けられている。二つの第二開口部33eのうち一つには、第一突起31cが入れられ、二つの第二開口部33eのうち他の一つは、シート34によって覆われている。
このような構成によれば、例えば、第一部材33の姿勢を間違えた状態で、第一部材33を組み付けようとした場合には、第一突起31cとシート34とが干渉して、第一部材33を組み付けることができない。すなわち、第一部材33の誤組を抑制することができる。よって、例えば、電子部品21A,21Bに誤組防止の突起等の構成を設ける必要がない。すなわち、電子部品21A,21Bにおいて、厚さ(外形寸法)以外の部分を共通化することができる。
また、本実施形態では、例えば、押さえ部33aは、押さえ部33aの厚さ方向に互いに離間した一対の面33m,33nを有している、シート34は、シート34の厚さ方向に互いに離間した一対の面34m,34nを有し、一対の面34m,34nのうち一方は接着面である。シート34は、押さえ部33aの一対の面33m,33nのうち一方に記接着面(面34mまたは面34n)が接着した場合には、二つの第二開口部33eのうちの一方を塞ぎ、押さえ部33aの一対の面33m,33nのうち他方に接着面(面34mまたは面34n)が接着した場合には、二つの第二開口部33eのうちの他方を塞ぐように構成されている。
このような構成によれば、少なくとも、シート34Aの接着面以外の部分と、別のシート34Bの接着面以外の部分との共通化がしやすい。これにより、例えば、シート34Aの基材とシート34Bの基材を作成する金型を共通化することができる。
また、本実施形態では、例えば、押さえ部33aには、押さえ部33aを第一方向D1に貫通し押さえ部33aの交差方向D2の中心から離れた第三開口部33fが設けられている。シート34には、シート34を第一方向D1に貫通し第三開口部33fと重ねられた第四開口部34cが設けられている。
このような構成によれば、例えば、第一部材33にシート34を貼り付ける際に、シート34の表裏を間違えて貼り付けようとした場合には、第三開口部33fがシート34によって覆われる(隠れる)ため、作業員が間違えに気づきやすい。すなわち、第一部材33に対するシート34の誤組を抑制することができる。
また、本実施形態では、例えば、前記シート34は、色を有している。
このような構成によれば、例えば、第一部材33にシート34を貼り付ける際に、シート34の表裏を間違えて貼り付けようとした場合に、第三開口部33fがシート34によって覆われたことを、作業員が気づきやすい。
また、本実施形態では、例えば、固定構造30は、内面11bに設けられ、第一方向D1に突出し、仮想平面P1に関して対称に設けられた二つの第二突起31dを備えている。被固定部33cには、それぞれが被固定部33cを第一方向D1に貫通し、仮想平面P1に関して対称に設けられ二つの第二突起31dに入れられた二つの第四開口部34cが設けられている。
このような構成によれば、例えば、筐体2への第一部材33の取付けの際に、第一部材33の位置決めがしやすい。よって、筐体2への第一部材33の取付性が向上する。
なお、上記実施形態では、固定部品32Bの第一部材33が、固定部品32Aの第一部材33をZ方向に沿う軸(不図示)回りに180度回転させたものと同じである例が示されたが、これに限定されない。例えば、固定部品32Bの第一部材33が、固定部品32Aの第一部材33をY方向に沿う軸(不図示)回りに180度回転させたものと同じである構成であってもよい。
また、上記実施形態では、固定部36が筒部31bとネジ35とを有した例が示されたが、これに限定されない。例えば、固定部36は、爪による引っ掛けや、接着剤等によって電子部品21を前壁11(筐体2)に固定する構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。