JP6730638B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、
遊技媒体投入口(メダル投入口47)と、
前記遊技媒体投入口から投入された遊技媒体(メダル)が通過する通路中に設けられ、遊技媒体を検知し得る検知手段A(通路センサ46)、検知手段B(投入センサ44a)、及び検知手段C(投入センサ44b)(検知手段Bは、検知手段Aより下流側に位置し、検知手段Cは検知手段Bより下流側に位置する)と、
ホッパー(35)と、
前記ホッパーを駆動させて遊技媒体を払い出すときに変位可能な可動片を検知し得る検知手段D(払出しセンサ37a)及び検知手段E(払出しセンサ37b)(検知手段Dは可動片が初期位置にあるときに検知しており、検知手段Eは可動片が変位した後の所定位置にあるときに検知している)と
を備え、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、前記遊技媒体投入口から遊技媒体が投入される場合において、当該遊技媒体に対する検知手段Bと検知手段Cの検知状況が所定条件を満たすと、クレジット数に「1」を加算し得るよう構成されており、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、電源の供給が遮断される事象が発生した時から、当該電源の供給が遮断される事象を検知し、電源断処理を実行する時までの期間の設計値をT1とし、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、前記遊技媒体投入口から遊技媒体が投入される場合において、当該遊技媒体が検知手段Aにより検知される位置に到達した時から、当該遊技媒体が検知手段Bにより検知される位置に到達するまでの期間の設計値をT2とし、
前記ホッパーを駆動させることによって特定数の遊技媒体を払い出す場合において、検知手段Dが可動片を検知しなくなった時から、検知手段Eが可動片を検知したあと再度検知手段Dが可動片を検知して、次の遊技媒体を払い出すために再度検知手段Dが可動片を検知しなくなった時までの期間の設計値をT4としたとき、
T1<T2
T1<T4
となっている。
「ベット」とは、遊技を行うためにメダル(遊技媒体)を賭けることをいう。メダルをベットするには、メダル投入口47から実際のメダルを手入れ投入するか、又は貯留されているメダルをベットするためにベットスイッチ40を操作する。
一方、「クレジット」とは、上記「ベット」とは異なり、スロットマシン10内部にメダルを貯留することをいう。本明細書では、「クレジット」というときは、「ベット」を含まない意味で使用する。
さらに、「投入」とは、メダルをベット又はクレジットすることをいう。
「手入れベット」とは、遊技者が、メダル投入口47からメダルを手入れすることにより、メダルをベットすることをいう。
「手入れクレジット」とは、遊技者が、メダル投入口47からメダルを手入れすることにより、メダルをクレジットすること(クレジットを加算する)ことをいう。
「ベットメダル」とは、ベットされているメダルをいう。
「貯留メダル」とは、クレジット(貯留)されているメダルをいう。
「自動ベット」とは、リプレイが入賞したときに、スロットマシン10の制御処理により、前回遊技でベットされていた数のメダルを自動でベットすることをいう。
「精算」とは、ベットメダル及び/又は貯留メダルを遊技者に対して払い出すことをいう。本実施形態では、精算スイッチ43(後述)が操作されたときに精算処理を実行する。
図1は、本実施形態における遊技機の一例であるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。本実施形態は、第1実施形態〜第5実施形態からなる。そして、図1は、第1実施形態〜第5実施形態に共通するブロック図である。
スロットマシン10に設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備える。
メイン制御基板50は、入力ポート51及び出力ポート52を有し、RWM53、ROM54、メインCPU55等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。メイン制御基板50の外観や、メイン制御基板50が基板ケース56に収納されていることについては、第2実施形態(図9及び図10)で説明する。
図1中、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板50に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板50からその周辺機器に向かう矢印で示している(サブ制御基板80も同様である)。
ROM54は、遊技の進行に必要なプログラムや各種データ(たとえば、データテーブル)等を記憶しておく記憶媒体である。
メインCPU55は、メイン制御基板50上に設けられたCPU(演算機能を備えるIC)を指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。
なお、後述するサブ制御基板80上においても、RWM83、ROM84、及びサブCPU85を含むMPUが搭載される。なお、RWM83及びROM84は、MPU内部に搭載されるもの以外に、外部に備えてもよい。
なお、メダル投入口47から投入されたメダルのメダルセレクタ内での移動については、後述する図2等で説明する。
メダルセレクタ内には、図1に示すように、通路センサ46、ブロッカ45、投入センサ44(一対の投入センサ44a及び44b)が設けられており(ただし、これらに限定されるものではない)、これらは、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
メダル投入口47から投入されたメダルは、最初に、通路センサ46に検知されるように構成されている。
ここで、「操作スイッチ(又は、単に、「スイッチ」)」とは、遊技者(操作者)による操作体の操作に基づいて(外部からの力を受け)、電気信号のオン/オフを切り替える装置(電気回路及び/又は電気部品を含む)を指し、遊技者が操作する操作体の形状を限定するものではない。
なお、これに限らず、2枚ベット用のベットスイッチを設けてもよい。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者に操作される操作スイッチである。
さらに、精算スイッチ43は、スロットマシン10内部にベット及び/又は貯留(クレジット)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者に操作される操作スイッチである。
さらに、制御基板同士が直接ハーネス等で接続されていることに限らず、他の別基板(中継基板等)を介して接続されていてもよい。たとえば、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよい。
クレジット数表示LED76は、スロットマシン10内部に貯留(クレジット)されたメダル枚数を表示するLEDであり、上位桁及び下位桁の2桁から構成されている。
なお、獲得数表示LED78は、払い出されるメダルがないときは、消灯するように制御してもよい。あるいは、上位桁を消灯し、下位桁のみを「0」表示してもよい。
さらにまた、獲得数表示LED78は、AT中に押し順を報知する遊技では、押し順指示情報を表示する(有利な押し順を報知する)LEDとして機能する。よって、本実施形態における獲得数表示LED78は、獲得数、エラー内容、及び押し順指示情報の表示を兼ねるLEDである。ただし、これに限らず、押し順指示情報を表示する専用のLED等を設けてもよいのはもちろんである。
なお、AT中において、有利な押し順の報知は、サブ制御基板80に接続された画像表示装置23によっても実行される。
図柄表示装置は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ33とを含む。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31のたとえば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ33により検知される。リールセンサ33の信号は、メイン制御基板50に電気的に接続されている。そして、インデックスがリールセンサ33を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板50に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
払出しセンサ(光学センサ)37は、本実施形態では、所定距離を隔てて配置された一対の払出しセンサ37a及び37bからなる。そして、メダルが払い出されるときには、そのメダルにより所定の移動部材(後述する図7の可動片39a)が移動する。所定の移動部材の移動によって、払出しセンサ37a及び37bがオン/オフされる。所定時間の範囲内で払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフされたか否かに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
一方、払出しセンサ37の少なくとも1つがオン信号を出力し続けたままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。
なお、これらの動作の詳細については、後述する図6〜図8で説明する。
図1に示すように、メイン制御基板50のメインCPU55は、以下の役抽選手段61等を備える。本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61により当選番号が決定されると、その当選番号に基づいて、入賞及びリプレイ条件装置番号、並びに役物条件装置番号が決定され、当該遊技で作動可能となる入賞及びリプレイ条件装置、並びに役物条件装置が定まることとなる。このため、役抽選手段61は、条件装置番号の決定(抽選又は選択)手段、当選役決定(抽選又は選択)手段等とも称される。
ここで選択される押し順指示番号の「押し順」とは、遊技者にとって有利な押し順(正解押し順)を意味する。たとえば押し順ベルの当選時には、高目ベルを入賞させる押し順(正解押し順)を指す。また、リプレイ重複当選時は、有利なRTに昇格させる押し順又は不利なRTに転落させない押し順を指す。
そして、AT中に、押し順ベル又は押し順リプレイに当選したときは、メイン制御基板50は、上述した獲得数表示LED78に、押し順指示番号に対応する押し順指示情報、具体的には「=*」(「*」=1、2、・・)のような情報を表示する。このように、有利な押し順を有する条件装置の作動時に、押し順指示情報を表示する機能は、指示機能とも称される。
また、AT中に、押し順ベル又は押し順リプレイに当選したときは、メイン制御基板50は、遊技の開始時(スタートスイッチ41が操作され、当選番号が決定された後)に、サブ制御基板80に対し、押し順指示番号に対応するコマンドを送信する。
サブ制御基板80は、当該コマンドを受信したときは、正解押し順を画像表示装置23で画像表示する。
ここで、当選番号に対応する演出グループ番号が予め定められている。そして、演出グループ番号選択手段64は、スタートスイッチ41が操作されることにより当選番号が決定すると、当該遊技の当選番号に対応する演出グループ番号を選択し、メイン制御基板50は、選択した演出グループ番号をサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、受信した演出グループ番号に基づいて、当選役に関する演出を出力する。演出グループ番号は、上記の押し順指示番号と異なり、毎遊技選択され、メイン制御基板50からサブ制御基板80に送信される。
さらに、リール制御手段65は、役抽選手段61により当選番号の決定が行われた後、今回遊技における当選フラグのオン/オフを参照して、当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42の操作を検知したときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、ストップスイッチ42が操作されたときは、MB作動中の所定のリール31(たとえば、中リール31)を除き、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、MB作動中の所定のリール31を除き、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動図柄数が4図柄に設定されている。
すなわち、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選番号に対応する役の図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選番号に対応する役の図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技(たとえば、押し順ベル当選時)では、ストップスイッチ42の押し順や、ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する役に係る図柄の引込み停止制御を行う。
ここで、入賞判定手段66は、実際に、役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止したか否かを検知することはない。具体的には、当該遊技で作動した条件装置と、ストップスイッチ42の押し順及び/又はストップスイッチ42の操作タイミングとから、リール31が実際に停止する前に有効ラインに停止する図柄組合せを予め判断するか、又はリール31の停止後に有効ラインに停止した図柄組合せを予め判断する。
制御コマンドとしては、たとえばベットスイッチ40が操作されたときの情報、スタートスイッチ41が操作されたときの情報、押し順指示番号(AT中、かつ正解押し順を有する当選番号に当選したときのみ)、演出グループ番号、RT(遊技状態)情報、ストップスイッチ42が操作されたときの情報、入賞した役の情報等が挙げられる。
ここで、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されており、メイン制御基板50(制御コマンド送信手段71)は、パラレル通信によってサブ制御基板80に一方向で、演出の出力に必要な情報(制御コマンド)を送信する。
なお、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、パラレル通信に限らず、シリアル通信であってもよく、シリアル通信とパラレル通信とを併用してもよい。
サブ制御基板80には、入力ポート81又は出力ポート82を介して、図1に示すような以下の演出ランプ21等の演出用周辺機器が電気的に接続されている。ただし、演出用の周辺機器は、これらに限られるものではない。
RWM83は、サブCPU85が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM84は、演出用データとして、演出に係る抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておく記憶媒体である。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(正解押し順、当該遊技で作動する条件装置に対応する演出等)や、遊技情報(役物作動時や有利区間(AT)中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
なお、図2(及び後述する図4)において、投入センサ44a及び44bとして表示した略正方形の部分全体が、それぞれ投入センサ44a及び44bの受発光範囲(センサの目)であるものとする(それぞれ投入センサ44a及び44bの筐体ではない。)。
なお、「上流側」とはメダル投入口47側を示し、「下流側」とは投入センサ44b側(ホッパー35側)を指すものとする。メダルMの位置でいえば、上流側から下流側に向かって、M1→M2→M3→M4となる。
さらに、M3の位置は、投入センサ44aによってメダルMが検知された瞬間(オン)の位置を示す。また、M4の位置は、投入センサ44bによってメダルMが検知されなくなった瞬間(オフ)の位置を示している。
さらに、図2では表れていないが、メダル置き部47bとメダルガード部47aとが交差する部分には、1枚のメダルMを流下可能な開口部を有している。2枚のメダルMを重ねた状態では前記開口部からメダルMが落下しないが、1枚のメダルMの厚みのときは前記開口部からメダルMが流下するように形成されている。このため、遊技者は、たとえば重ねた複数枚のメダルMをメダル置き部47b上に載置し、その複数枚のメダルMをメダルガード部47aの方向に押し当てつつ、押し当て力を強めたり弱めたりすることで、メダル置き部47b上に載置したメダルMを1枚ずつ前記開口部からメダルセレクタ内に落とし込むことが可能となっている。
これに対し、ブロッカ45がオン状態であるときは、前記開口部がブロッカ45によって塞がれているので、メダル通路内を流下するメダルMは、ブロッカ45上を通過し、投入センサ44a及び44b側に移動可能となる。
まず、メダルMがM2の位置、すなわちメダルセレクタを正面から見たときに、メダルMが視認不可能となった瞬間から、メダルMがM4の位置、すなわち投入センサ44bに検知されなくなる瞬間の位置に到達するまで(図2中、点線で移動軌跡を示す。)の時間を、時間T2に設定している。なお、メダルMがM1に位置しているときにそのメダルMから(初速度「0」で)手を離し、下方に放った場合の値である。よって、メダルMがM2に位置するときの速度は、「0」を超える。
そして、メダルMがM3に位置する瞬間(投入センサ44aに検知された瞬間)から、M4に位置する瞬間(投入センサ44bに検知されなくなった瞬間)までの時間を、時間T3に設定している。
図3は、本実施形態のうち、第1実施形態(A)を説明するためのタイムチャートを示す図である。
図3は、スロットマシン10の電源がオフにされたとき(たとえば、電源スイッチ11がオフにされたときや、停電が発生したとき)の電圧レベルを示すものである。
図3において、電源が正常にオン状態になっているときの電圧を供給レベルV0とする。供給レベルV0の状態では、スロットマシン10は、正常に作動する。
電源断が発生したとき(時刻S11;供給レベルV0)から、電源断を検知するまで(時刻S12;電源断検知レベルV1)までの時間T0は、少なくとも20割込み(1割込み時間2.235ms×20割込み=44.7ms)以上となるように設計されている。
メイン制御基板50上には、(図示しない)電圧監視装置(電源断検出回路)が設けられている。そして、電源電圧が所定値である電源断検知レベルV1以下になったときには、入力ポート51における所定のビットに電源断検知信号が入力され、その信号の入力があったか否かを検知することにより電源断を検知する。
図3の例では、時刻S13で、電圧レベルがメインCPU55の駆動電圧限界V2となり、その後、Lowに低下する例を示している。メイン制御基板50は、電圧が駆動電圧限界V2未満になると電源断処理を実行することができないので、電源断が時刻S11で発生したときは、少なくとも時刻S13までに、電源断処理を終了できるように設定している。
なお、割込み処理では、以下のような処理を実行する。まず、電源断を検知したか否かを判断し、電源断を検知したときは、(通常の割込み処理に移行せずに)電源断処理に移行する。電源断処理では、まず、出力ポート52をオフにする。出力ポート52をオフにする処理により、ブロッカ45がオフとなる。さらに、スタックポインタの保存処理、電源断処理済みフラグ(正常な電源断が行われたか否かを判断するためのフラグ)のセット処理、RWM53のチェックサムの実行処理、RWM53の書き込み禁止処理等を順次実行した後、リセット待ち状態(ループ処理状態)となる。このリセット待ち状態は、設計上、何も処理を行わない状態となっている。
したがって、図3に示すように、電源断を検知した割込み処理(時刻S12)の次の割込み処理で、電源断処理が実行され、ブロッカ45がオフにされる。
なお、電源断を検知した割込み処理の次の割込み処理で電源断処理を実行することに限らず、電源断を検知した割込み処理内で電源断処理を実行してもよい。この場合には、「T1=S12−S11」となる。
この場合、本実施形態では、「T2>T1」の関係を満たすように設計している。
また、メダルMがM2に位置する瞬間に電源断が発生した場合において、時間T1が経過したとき(電源断処理時)に、図2中、メダルMがM3の位置よりも上流側に位置するときは、そのメダルMは、投入センサ44a及び投入センサ44bのいずれにも検知されることなく、電源がオフになる。
この場合、「T2’>T1」の関係を満たすように設計することが好ましい。
上記の関係に設計した場合において、メダルMがM2に位置する瞬間に電源断が発生すると、メダルMがM3に到達した時点では、電源断処理が実行されることによりブロッカ45がオフ状態となっている。したがって、そのメダルMは、投入センサ44aに検知されることなくメダル通路外に送出され、メダル返却口に送られるようになる。
従来は、メダルMがM2に位置する瞬間に電源断が発生すると、その電源断を検知してブロッカ45をオフにしたときには、メダルMは、すでに投入センサ44bの位置を通過していた。したがって、電源断が発生した後に、メダルの「1」加算処理(ベット処理又はクレジット処理)が実行されていた。しかし、電源断が発生した後にメダル加算処理を実行することは好ましくない。電源断の発生後は、遊技の進行に係るすべての処理を速やかに停止すべきだからである。
そこで、第1実施形態(A)のように構成すれば、遊技者がメダル投入口47からメダルMを投入し、メダルMがM2に位置する瞬間(投入直後)に電源断が発生したとしても、メダルの「1」加算処理が実行されないようにしたので、スロットマシン10の機能を高めることができる。
第1実施形態(B)は、投入センサ44a及び44bと、電源断との関係を定めたものである。
図4は、メダルMが投入センサ44aにより検知されてから、投入センサ44bにより検知されなくなるまでの過程を示す正面図である。図4中、矢印方向は、メダルMの進行(流下)方向を示している。
図4(a)は、メダルMが投入センサ44aにより検知された瞬間の図を示している。このとき、投入センサ44aはオフからオンになった瞬間であり、投入センサ44bはオフのままである。なお、この位置は、図2中、M3に相当する。
なお、図4では、投入センサ44a及び44bとメダルMとが重なった場合であっても、投入センサ44a及び44bとメダルMとの双方を実線で示しているが、メダルMと投入センサ44a及び44bの位置関係を表すものではない。投入センサ44a及び44bは、メダルMに対し、図4の紙面の垂直方向において手前側に配置されていてもよく、奥側に配置されていてもよい。
ここで、メダルMの直径は、たとえば、一般仕様では25ミリメートル(いわゆる25パイ(φ))であり、特殊仕様では30ミリメートル(いわゆる30パイ(φ))である。したがって、図4(c)の状態になることが可能に、投入センサ44aと44bとの間の距離を設定する必要がある。ここで、後述するように、図4(c)の状態、すなわち投入センサ44a及び44bの双方がオンとなっている(メダルMを検知している)時間が所定の範囲内であるか否かにより、メダル投入エラーと判定するか否かを定めている。よって、投入センサ44aと44bとの間の距離は、投入センサ44a及び44bの双方がオンとなっている時間をどのように設定するかによっても異なる。
次に、投入センサ44bがメダルMを検知した(オフからオンになった)瞬間(図4(b))の時刻をS22とする。さらにまた、投入センサ44aがメダルMを検知しなくなった(オンからオフになった)瞬間(図4(d))の時刻をS23とする。さらに、投入センサ44bがメダルMを検知しなくなった(オンからオフになった)瞬間(図4(e))の時刻をS24とする。
上述した条件1〜条件3のすべてを満たす場合には、メダルMの通過は正常であると判断し、少なくとも1つの条件を満たさないときは、メダル通過エラーとする。
ここで、投入監視カウンタは、上述した通路センサ46がメダルMを検知したときに「+1」となり、投入センサ44a及び44bをメダルが正常に通過したとき(投入センサ44a及び44bの双方が、オフ→オン→オフとなったとき。よって時刻S24のとき。)に「−1」されるカウンタである。すなわち、正常時には、「1」と「0」とを繰り返す。
一方、通路センサ46がメダルMを検知せず、投入センサ44a及び44bのみがメダルの通過を検知したときは、投入監視カウンタは「−1」となり、メイン制御基板50は、メダル通過エラーと判断する。
なお、投入監視カウンタは、ブロッカ45がオフ状態からオン状態になるときは、クリアされる。
なお、ベット数が規定数となり、かつ、クレジット数が最大数の「50」に到達したときは、メイン制御基板50は、ブロッカ45をオフ状態にする。これにより、メダル投入口47からメダルMが投入されても、そのメダルMは返却される。換言すれば、その場合には、メダルMが投入されても投入センサ44a及び44bに検知されることはない。
そして、例1では、電源断が発生した時刻S21から、時間T1経過後に電源断を検知している。ここで、例1では、「T1>T3」に設定されている。したがって、電源断が発生した瞬間に投入センサ44aがメダルMを検知した場合において、電源断処理を開始するときは、すでにメダルMの「1」加算処理を実行した後である。
また、時間T3の最大時間は、113割込みに相当し、「252.555ms」である。
そして、例1では、必ず、時刻S24の経過後に電源断処理が実行されるように設定する。このため、たとえば、電源断の発生(時刻S21)から電源断処理が実行されるまでの時間T1は、114割込み以上となるように設定する。
時刻S21からS24までの時間T3は、上述したように、最小時間で4割込みに相当する。したがって、「T1<T3」の関係を満たすためには、電源断の発生から3割込み以内で電源断処理を実行する必要がある。しかし、電源断の発生から3割込み以内で電源断処理を実行するように設定することは困難であるので、時間Tcの最小時間が4割込みよりも長くなるように設定する。たとえば時間Tcの最小時間を15割込みに設定することが挙げられる。そして、電源断の発生(時刻S21)から電源断処理までの時間T1を10割込み程度に設定すれば、時刻S21で電源断が発生したときに、時刻S24になる前に電源断処理を実行することが可能となる。
第1実施形態(C)は、払出しセンサ37a及び37bと電源断との関係を定めたものである。
払い出すべきメダルをクレジットに加算するときはホッパーモータ36を駆動せずに、メイン制御基板50のRWM53内に設けられたクレジット数の記憶領域を更新する。さらに、当該記憶領域に記憶されたクレジット数に対応する数となるように、クレジット数表示LED76で示す値を更新する。
なお、メダルMが、図6中、実線で示す位置(M1)に配置され、固定軸38a及び可動軸38bの双方に接する状態では、固定軸38aと可動軸38bとの間は、メダルMの直径よりも狭い。よって、この時点では、メダルMは、固定軸38aと可動軸38bとの間を通り抜けることはできない。
可動片39aが図中、時計回りに付勢されると、図6の可動軸38bは、図中、固定軸38a側に付勢される。
可動片39aがばね39bによって図7中、時計回りに付勢され、かつ可動片39aにばね39bの引張力以外の力が作用していない状態では、可動片39aは、所定のストッパ(図示せず)により、図7(a)の位置で停止している。
なお、図7中、払出しセンサ37a及び37bは、いずれも、センサの筐体を図示しており、受発光部(センサの目)については図示を省略する。この点において、受発光部(センサの目)のみを図示した図2及び図4の投入センサ44a及び44bと相違する。
同様に、払出しセンサ37bは、可動片39aを検知していない状態がオフ状態(たとえば図7(a))であり、可動片39aを検知するとオン状態(たとえば図7(c))となるように設定されている。
図7(a)の状態では、払出しセンサ37aは可動片39aを検知しておりオンの状態であり、かつ、払出しセンサ37bは可動片39aを検知しておらずオフの状態である。
図8では、メダルの払出し処理が開始されており、ホッパーモータ駆動信号がオン状態であるものとする。
図8において、時刻S31より前は、図7(a)に示す状態である。時刻S31に到達すると、図7(b)に示す状態となり、払出しセンサ37aがオフ状態となる(払出しセンサ37bはオフ状態である。)。次に、時刻S32に到達すると、払出しセンサ37bがオン状態となる。この状態は、図7(c)に示す状態である。図8中、時刻S31からS32までの時間をTdとする。
たとえば、図8において、時間Tdは、29.055ms(13割込み)未満に設定している。したがって、払出しセンサ37aがオフ状態となった後、12割込み目までに払出しセンサ37bがオン状態となったときは正常であると判断するが、12割込み目までに払出しセンサ37bがオン状態とならなかったときは、メダル払出しエラーとする。
まず、時刻S31のタイミング、すなわち払出しセンサ37aがオフ状態になったタイミングで電源断が発生したと仮定する。この場合、図3の例では、20割込みで電源断を検知する例を説明したが、図8の例(第1実施形態(C))では、少なくとも時刻S34を経過した後(時刻S31から時間T1の経過時)に電源断を検知し、電源断処理を実行するように設定する。
これに対し、第1実施形態(C)では、メダルの払出し処理中に電源断が発生しても、メダルを正しく払い出すことができる。
第2実施形態は、メイン制御基板50の基板ケースに形成されるゲート跡に関するものである。
従来技術では、基板ケースのゲート跡の形状、大きさ、及び位置等は、金型製作時に金型設計者によって、専ら、金型製造上の都合から決定されていた。
しかし、ゲート跡は、凹凸面となるため、たとえばゲート跡を狙って穴が開けられても、目視では判別できない(気づかない)場合があった。
そこで、第2実施形態では、基板ケースのゲート跡を利用してゴト行為が行われてしまうことを防止する。
基板ケース56は、上カバー57と下カバー58とから構成され、いずれも、透明樹脂による(射出)成型品である。よって、内部にメイン制御基板50を収容したときは、基板ケース56の外側から、メイン制御基板50の状態を、目視で鮮明に確認することができる。
たとえば、スタートスイッチ41の故障確認用LEDは、スタートスイッチ41がオフのときは消灯しており、スタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作されてセンサがオンを検知しているとき)に、オン(点灯)となるLEDである。
さらにまた、通路センサ46、投入センサ44a及び44bの故障確認用LEDは、各センサごとに合計で3個設けられ、メダルを検知していないときは消灯しており、メダルを検知すると、点灯するLEDである。
そして、管理者は、たとえばスタートスイッチ41を操作し、メイン制御基板50に実装されたスタートスイッチ41の故障確認用LEDの点灯/消灯を確認することで、スタートスイッチ41の故障(通電)の有無を確認することができる。他のスイッチ又センサについても同様である。
さらにまた、メイン制御基板50の四隅には、ねじを通すためのねじ穴50aが形成されている。
一方、下カバー58の下面内側の四隅には、ねじ止めするためのボス58cが形成されている。メイン制御基板50が下カバー58に載置されると、ねじ穴50aとボス58cとが重なり、ねじ穴50aからねじを通してボス58cにねじ止めすることで、メイン制御基板50を下ケース58に固定することができる。
これにより、メイン制御基板50のセキュリティ性を担保することができる。
図9では、ゲート跡57bは、2か所に設けているが、これに限らず、何か所に設けてもよい。
基板ケース56(上カバー57、下カバー58)が図9に示すような形状である場合、その金型は、図9中、上下方向に分割する金型とすることが低コストである。また、多数個取りの金型とする場合には、ピンゲートを用いることが好ましく、樹脂(湯)の流動性の観点から、成型品の中央寄りにゲートを設けることが好ましい。したがって、第2実施形態において、上カバー57や下カバー58のゲート位置は、図9中、側面ではなく、上面に形成している。
以上のことから、上カバー57のゲート跡57bは、上面外側に設けている。
また、上記と同様の理由により、下カバー58のゲート跡58bについても、下面の外側(図9中、見えている面と反対側の面)に設けている。なお、図9では、下カバー58のゲート跡58bは、上カバー57のゲート跡57bと同様に2か所に設けているが、1か所に設けてもよく、あるいは3か所以上設けてもよい。
図10(a)に示すように、メイン制御基板50を基板ケース56内に収容した状態では、2つのゲート跡57bから上カバー57の垂直方向(メイン制御基板50側)(真下)には、型番表示、管理情報表示LED74、設定値表示LED73、メインCPU55(ソケット)が位置しないように設定している。なお、上述したように、メイン制御基板50上には、RWM53、ROM54、故障確認用LEDも搭載されるが、これらの真上にもゲート跡57bが位置しないようにすることが好ましい。
メイン制御基板50は、スロットマシン10が市場に設置された後も、不正改造等が行われていないかどうかを目視により確認する必要がある。特に、メインCPU55等(RWM53、ROM54を含む。以下同じ。)が適合しているものであるか否かや、ゴト行為によって改変されていないかどうか等を確認する必要がある。さらに、メイン制御基板50は、基板ケース56内に収容され、かつ、基板ケース56は、上述したように封印されているため、基板ケース56の外側から目視でメイン制御基板50を確認する必要がある。
そして、メイン制御基板50を内部に収容した基板ケース56は、スロットマシン10の筐体内部において、たとえば背面内側などに取り付けられる。設定値表示LED73や管理情報表示LED74によって表示されている数値が見やすい位置に取り付けるためである。
これに対し、ゲート跡57bは、樹脂を切断した凹凸面である。このため、ゲート穴57bに穴を開けられ、その後にたとえば樹脂材料などによってその穴が封止されると、ゲート跡57bに穴が開けられたか否かを目視で容易に判別できない場合がある。このため、ゲート跡57bを利用したゴト行為が行われる可能性がある。
ゲート跡57bの外側は、その中心部に突起57dを有し、その外周部に、円筒状に沈み込むように形成されたくぼみ部57cを有する。ゲートと成型品との境目は、成型時には繋がっており、成形品を金型から切り離すときに、この境目をカッターで切断する。よって、突起57dの上端面は、カッターによる切断面である。ゲートと成型品との境目の切断は、成型機により射出時に自動で切断する方法と、後工程で切断する方法とがある。
そこで、図10(c)の例2では、ゲート跡57bを設けた上面外側の反対側(内側)に、突部57eを設け、くぼみ部57cの部分だけ肉厚が薄くなることを防止している。突部57eを設けて肉厚が薄くなる部分を設けなければ、くぼみ部57cに穴を開けるというゴト行為を困難にすることができる。
そして、メイン制御基板50を下カバー58に固定したときに、下カバー58のゲート跡58bの垂直方向に、メイン制御基板50のメインCPU55等のピン位置が位置しないように設定する。下カバー58のゲート跡58bに穴を開けて、メインCPU55等のピンにアクセスできないようにするためである。
なお、下カバー58のゲート跡58bを、図10(c)に示す形状とした場合に、図10(c)の突部57eは、メイン制御基板50のピン側を向くことになるが、メイン制御基板50の下面側から突出するピンと突部57eとが干渉(接触)しないように形成することは、勿論である。
また、上カバー57のゲート跡57bと、下カバー58のゲート跡58bとが垂直方向において重なっている場合には、一方のカバーを見るだけで、他方のカバーのゲート跡の位置がわかるようになってしまう。これを防止するためにも、上カバー57のゲート跡57bと、下カバー58のゲート跡58bとが垂直方向において重ならないようにしている。
第3実施形態は、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対してコマンドを送信する場合において、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間の通信が一時的に不能となったとき(断線後、通信が復帰したときや、ノイズの影響で通信が失敗したとき等)の処理に関するものである。
上述したように、メイン制御基板50の制御コマンド送信手段71は、サブ制御基板80に対し、押し順指示番号や、操作されたストップスイッチ42の情報等のコマンドを送信する。そして、サブ制御基板80は、メイン制御基板50から受信したコマンドに基づいて、演出を出力し、遊技中は、操作スイッチの操作に合わせて演出を更新していく。
なお、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間が断線したときであっても、たとえばAT中であれば、メイン制御基板50は、指示機能の作動により、獲得数表示LED78に、押し順指示情報を表示する。これにより、遊技者は、サブ制御基板80が正常に機能していない場合であっても、押し順指示情報見て、正解押し順でストップスイッチ42を操作することができる。
さらに、遊技者は、獲得数表示LED78に表示された押し順指示情報と、画像表示装置23に画像表示された演出内容(正解押し順)とを対比することができるので、両者の情報が矛盾しているときは、サブ制御基板80による画像表示に不具合が発生していることを知ることができる。
そこで、第3実施形態では、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間の通信が断線した後、復帰したときは、極力、遊技者に誤解を与えないようにしつつ、演出に違和感を与えないような演出を出力する。
パターン1〜パターン5では、いずれも、「N」遊技目の途中で通信不能となり(断線が生じ)、「N+1」遊技目の途中で通信が復帰した例を示している。
また、図11のメイン動作において、「ベット」とは、ベットスイッチ40が操作され、規定数が有効にベットされたときを意味する。また、「スタート」とは、規定数がベットされた後、スタートスイッチ41が操作されることにより遊技を開始したことを意味する。さらにまた、たとえば「右停止」とは、右ストップスイッチ42が操作されたこと(右リール31が停止すること)を意味する。
さらにまた、たとえば「右停止演出」とは、右ストップスイッチ42が操作された旨のコマンドを受信したときに、右ストップスイッチ42が操作された(右リール31が停止した)ことについての演出を意味する。
なお、図示しないが、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に、正解押し順「右左中」に対応する押し順指示情報を表示する(指示機能の作動)。
そして、パターン1では、右リール31が停止した後、断線が発生し、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間の通信が不能になった例を示している(サブ断線)。すなわち、遊技の途中で通信が不能になった例である。
これにより、遊技者が2番目のストップスイッチ42である左ストップスイッチ42を操作すると、そのコマンドがサブ制御基板80に送信される。サブ制御基板80は、このコマンドを受信すると、受信したコマンドに対応するように画像表示を更新する。すなわち、左停止が行われた旨を画像表示する(左停止演出)。ここで、サブ制御基板80は、既に表示していた演出の続き、すなわち「N」遊技目の演出として更新を行う。
なお、「N+1」遊技目に、正解押し順を有する役に当選し、かつ、その正解押し順が右左中以外の場合であっても、パターン1の状況下では、上記のように演出が出力される。すなわち、「N+1」遊技目において、遊技者が操作した押し順が右左中であるときは、その押し順が不正解押し順に相当する場合であっても、後述するパターン2のような押し順失敗演出は出力されない。
また、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対し、遊技終了時に、獲得枚数のコマンドを送信し、サブ制御基板80は、AT中の獲得枚数を併せて画像表示する場合がある。このような場合には、サブ制御基板80は、「N」遊技目の終了時、すなわち断線中には獲得枚数のコマンドを受信できないので、「N」遊技目の終了時は、「N−1」遊技目終了時の獲得枚数を表示したままとなる。そして、通信が復帰し、「N+1」遊技目の終了時に獲得枚数のコマンドを受信したときは、サブ制御基板80は、「N+1」遊技目終了時の獲得枚数となるように画像表示を更新する。
パターン2において、「N」遊技目におけるメイン動作及びサブ表示は、パターン1と同様であるので説明を省略する。
次に、「N+1」遊技目では、右左中の順でストップスイッチ42を操作するが、左第二停止後に、通信が復帰するものとする。
そして、パターン1と同様に「N+2」遊技目を開始すると、「N+2」遊技目の開始時のコマンドがサブ制御基板80に送信される。これにより、サブ制御基板80は、「N+2」遊技目の演出を開始する。
パターン3は、「N+1」遊技目において、第一停止右、第二停止中の後、通信が復帰した例を示している。したがって、「N+1」遊技目において、通信が復帰した後は、第三停止である左停止のコマンドをサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、「N」遊技目の「左中表示」を出力しているので、この状態で左停止のコマンドを受信すると、正解押し順と判断する。したがって、サブ制御基板80は、左停止演出(押し順正解演出)を出力し、次に、中表示を出力する。
メイン制御基板50は、毎遊技、遊技開始時に、ATの残り遊技回数のコマンドをサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、メイン制御基板50から、ATの残り遊技回数のコマンドを受信すると、ATの残り遊技回数の表示を更新する。なお、AT中において、残り遊技回数の表示は、単独で行われるものではなく、パターン3の押し順演出とともに出力される。
サブ制御基板80は、「N」遊技目の開始時に、メイン制御基板50から受信したコマンドに基づいて、AT中の残り遊技回数(残り10ゲーム)を表示する。
そして、「N」遊技目の途中で断線し、その断線状態が「N+1」遊技目の開始時も継続すると、メイン制御基板50は、「N+1」遊技目の開始時(スタート時)に、サブ制御基板80に対し、AT中の残り遊技回数(9ゲーム)のコマンドを送信するための処理を実行するものの、サブ制御基板80は、(断線のために)当該コマンドを受信できない。このため、「N+1」遊技目では、「N」遊技目の「残り10ゲーム」を表示したままとなる。
メイン制御基板50は、「N」遊技目の開始時(スタートスイッチ41が操作されたとき)に、サブ制御基板80に対し、AT中の残り遊技回数(残り1ゲーム)のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、このコマンドを受信すると、(それまでの残り2ゲームの表示から)残り1ゲームの表示に更新する。
「N」遊技目の右停止後に断線が発生した場合において、メイン制御基板50は、「N+1」遊技目の開始時(スタートスイッチ41が操作されたとき)に、AT中の残り遊技回数が0ゲームである旨のコマンドをサブ制御基板80に送信するが、サブ制御基板80は、当該コマンドを受信できない(パターン4と同じ)。よって、「N+1」遊技目の開始時には、ATの残り1ゲームである旨の表示が継続される。
しかし、パターン5の例では、サブ制御基板80は、AT中の残り遊技回数が0ゲームである旨のコマンドを受信していないので、AT終了演出は出力されない。したがって、「N+1」遊技終了時も、ATの残り1ゲームである旨の演出が出力された状態となる。
なお、AT終了時には、のめり込み防止のため、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊技機です。」等の画像表示を行う。しかし、パターン5の場合は、「N+1」遊技目の終了時にサブ表示が正常に復帰していないので、当該画像表示を行うことができない。そこで、この対策としては、サブ制御基板80側で遊技履歴を管理しておき、ATの終了をまたいで次回遊技(図11の例では、「N+2」遊技目)に移行したときは、その遊技のスタート時に、当該画像表示を行うことが挙げられる。
たとえば「N」遊技目に断線が発生し、「N+a」遊技目(a=「2」以上)に通信が復帰したときは、「N+a−1」遊技目までは、「N」遊技目の断前直前の演出が出力され続ける。そして、通信が復帰する「N+a」遊技目では、通信が復帰した後に受信したコマンドに基づいて、出力を継続していた「N」遊技目の演出の続きを実行する。次に、「N+a+1」遊技目の開始時に、「N+a+1」遊技目の開始時の演出(正しい演出)に更新する。
モータ32は、リール31の回転及び停止を行う場合に、加速、定速、減速、及び停止処理を行うが、これらは、いずれも励磁状態である。そして、モータ32の回転を停止させたときに、所定時間(後述する時間T11)、4相同時に励磁をかけた状態(以下、「4相励磁状態」という。)とする。
第4実施形態は、ストップスイッチ42の停止ボタン42aの動作と、モータ32の停止時における4相励磁状態との時間関係に関するものである。
図12は、第4実施形態において、停止ボタン42aの動作と検知センサ42eとの関係を示す断面図である。なお、図12は、図面の見やすさの観点から、ハッチングを省略している。また、図12は、第4実施形態を説明するための模式図であり、実際の製品が図12のような構造になっていることを意味するものではない。図12では、停止ボタン42aが押し込まれてから元に戻るまでの過程を(a)→(b)→(c)→(d)の順で図示している。図中、上側が遊技者側であり、下側がスロットマシン10の内側である。図中、フロントドア12よりも上方が遊技者から見える側である。
さらにまた、検知センサ42eが移動片42dを検知するラインを、点線で示している。移動片42dの先端が当該点線と接触した瞬間が、検知センサ42eが移動片42dを検知した瞬間であるものとする。
一方、ストッパ42bは、フロントドア12の内側(筐体内部)に設けられており、停止ボタン42aが押し込まれたときに停止ボタン42aと当接し、それ以上の停止ボタン42aの移動を禁止する部分である。
なお、検知センサ42eがオフ状態からオン状態になるタイミングを示す図12(b)の状態と、検知センサ42eがオン状態からオフ状態になるタイミングを示す図12(d)の状態は、一般には同一であるが、わずかにズレが生じても特に問題はない。
図13(a)において、停止ボタン42aが無負荷状態の初期位置(図12(a))にあり、停止ボタン42aの押し込みを開始した瞬間の時刻をS41とする。停止ボタン42aが押し込まれ、検知センサ42eがオフからオンになったとき、すなわち図12(b)の状態になったときの時刻をS42とする。さらにその位置から停止ボタン42aが押し込まれ、停止ボタン42aが最深部に到達したとき(図12(c)の状態となったとき)の時刻をS43とする。以上の時刻S41、S42、及びS43は、遊技者の押し込み速度に依存するものであり、一定ではない。停止ボタン42aをゆっくりと押し込めば、時刻S41からS43までの時間は長くなり、停止ボタン42aを早く押し込めば、時刻S41からS43までの時間は短くなる。
停止ボタン42aの押し込みが解除されると、上述したように、コイルばね42cのばね力によって停止ボタン42aが初期位置に戻ろうとする力が作用する。なお、停止ボタン42aの押し込みを解除した瞬間から、停止ボタン42aの操作者は、停止ボタン42aに接触しないものとする。
そして、検知センサ42eがオンからオフになった時、すなわち図12(d)の状態となったときの時刻をS45とする。ここで、時刻S44からS45になるまでの時間をT11とする。
ここで、本実施形態におけるモータ32は、4相ステッピングモータであり、モータ32(リール31)の回転中は、たとえば1・2相励磁を行う(なお、1・2相励磁に限られるものではない)。したがって、モータ32の回転中も、1つの励磁状態である。そして、モータ32の回転駆動を停止させるときは、4相励磁状態とする。
なお、リール31を所定位置に移動させた後に、バウンドストップを行う場合(停止位置でリール31が振動するように見せる場合)には、4相励磁状態ではなく、たとえば3相励磁状態とすることも可能である。
リール31の停止位置を保持するために、モータ32を4相励磁状態に制御するが、そのように制御しているときは、通常時より多くの負荷がかかるため、スロットマシン10全体の負荷が大きくなってしまう。そこで、この負荷を下げるために、1つのモータ32の4相励磁状態を終了した後、次の停止ボタン42aの操作受付けを可能とするためである。
ここで、時刻S42の時点からリール31の停止制御が開始されると、190ms以内でリール31が停止する。上述したように、リール31の図柄数が「21」であるときの停止制御時における移動コマ数数が5コマ以内(最小1コマ)、又はリール31の図柄数が「20」であるときの停止制御時における移動コマ数が4コマ以内(最小1コマ)であるので、時刻S42の時点から、約「40」〜「190」ms以内でリール31が停止する。
一方、検知センサ42eがオフ状態からオン状態になった時点から、停止ボタン42eが最深部に到達し、停止ボタン42eの押し込み力が解除されるまでの時間(時刻S42からS44までの時間)は、「40」〜「180」ms程度である。このため、モータ32の4相励磁状態が開始される時刻と、停止ボタン42aの押し込みが解除される時刻S44とは、近い時刻(ほぼ同時刻)である。
このように、4相励磁状態の終了前に検知センサ42eがオフ状態になるように設計すれば、4相励磁状態を終了した時点で、次の停止ボタン42aの操作受付けを許可することができる。これにより、遊技を高速で進行することが可能となる。
そして、例2では、例1と同様に、最深部に到達している停止ボタン42aの押し込みが解除される瞬間(時刻S44)から4相励磁状態が開始されるものとし、モータ32の4相励磁状態が終了した後に、検知センサ42eがオフになるように設計した。このため、検知センサ42eがオフになった時は、次の停止ボタン42aの操作受付け可能となるように設定可能である。
以上のように、例1及び例2のいずれも、それぞれ制御上のメリットを有する。
なお、図13の例1及び例2では、4相励磁状態の開始から終了までの時間T12が異なる例を示した。しかし、たとえば4相励磁時間T12が一定値である場合には、「T11<T12」とすれば、4相励磁状態を終了した時点で次の停止ボタン42aの受付けが可能となる。よって、4相励磁時間T12が一定値である場合には、例1の方がより高速で遊技を消化可能となる。
第5実施形態は、電源のオン/オフと、プログラムの起動等との関係に関するものである。
図14は、第5実施形態における制御の概略をタイムチャートで示す図である。
図14中、(a)は、メインプログラム(メイン制御基板50のプログラム)の起動後に電源断が発生したときの状態を示す図である。電源は、時刻S51の時にオンとなり、その後、時刻S55の時にオフになるものとする。
時刻S51で電源が投入されると(図1中、電源スイッチ11がオンにされると)、メイン制御基板50及びサブ制御板80のいずれにも電源の供給が開始され、メイン制御基板50及びサブ制御板80の電圧レベルが徐々に高くなり、供給レベルV0(電源がオンであるときのレベル)に到達する。なお、図14中、電圧の供給レベルV0、電源断検知レベルV1、駆動電圧限界V2は、図3(第1実施形態(A))と同様である。
また、時刻S55で電源断が発生したときは、図3と同様に時間T0(20割込み)で電圧が電源断検知レベルV1となり、電源断が検知される(時刻S56)。さらに、電源断の検知後、図3と同様に、たとえば1割込み後に、電源断処理が実行される。電源断処理は、時刻S57で終了するものとする。
その後、時刻S58に達すると、電圧が駆動電圧限界V2を下回り、プログラム(処理)を実行できない。このため、時刻S58に達する前に、電源断処理が終了するように制御する。
そして、図14(a)に示すように、メインプログラムを起動した後に電源断が発生した場合において、設定キースイッチがオフであるときは、電源断復帰処理を完遂した後に、電源断処理を実行する。これにより、正常にプログラムを終了することができる。
これに対し、メインプログラムを起動した後に電源断が発生した場合において、設定キースイッチがオンであるときは、設定変更処理を開始することなく電源断処理を実行する。電源断が発生した後に設定変更処理を実行すると、不具合が発生するおそれがあるためである。
さらにまた、メインプログラムの起動後は、その後に電源断が発生したとしても、割込み起動までは必ず実行する。割込み処理において電源断を検知するためである。なお、第1実施形態(A)と同様に、たとえば「N」割込み目に、電源断が発生したと判断される電圧低下(電源断検知レベルV1)を検知し、次の「N+1」遊技目でも当該電圧低下を検知したときは、「N+1」割込み目で電源断を検知する(電源断と判断する)。そして、「N+2」割込み目から、電源断処理を実行する。
なお、図14(a)において、電源投入(時刻S51)から、電圧が供給レベルV0に到達するまで(時刻S52)までの時間T21は、電源断の発生(時刻S55)から電圧がLowレベルになるまでの時間T24よりも短くなるように設定されている。
また、時間T23(電圧が供給レベルV0に達した時からメインプログラムが起動するまでの時間)は、時間T24よりも短くなるように設定されている。
なお、図14(b)の例において、再度、電源が投入されたときは、正常に起動することができる。
また、図14では図示していないが、サブプログラムが起動した直後(時刻S53の後)であって、時刻S54より前(メインプログラムが起動する前)のタイミングで電源断が発生することが考えられる。
上記タイミングで電源断が発生した場合には、サブプログラムは、サブプログラムの電源断処理を実行する。そして、サブ制御基板80に供給される電圧が駆動電圧限界V2になる前にサブプログラムの電源断処理を終了することが可能となっている。
また、上記タイミングでの電源断は、メインプログラムの起動前の電源断であるので、上述したようにメインプログラムは起動しない。
(1)本実施形態では、通路センサ46を設けている。通路センサ46は、メダル投入判定の精度をより高めるとともに、不正対策としても有効だからである。しかし、通路センサ46を設けなくてもよく、一対の投入センサ44a及び44bのみを設けてもよい。
(3)図2において、ブロッカ45は、メダル通路の下面側に配置したが、これに限られるものではない。投入センサ44aによってメダルMが検知される前に、メダルMをメダル通路外に送出することができる機能を有するものであればよい。
また、図2に示すように、投入センサ44a及び44bは、正面から見て、メダルMの中心位置よりもやや上部を検知するように図示したが、実際の製品がこのようになっていることを意味するものではない。投入センサ44a及び44bは、通過するメダルMを確実に検知できるように配置されていれば、どのように配置されていてもよい。
あるいは、メダルMがM2に位置する瞬間に電源断が発生したときは、メダルMが投入センサ44bに到達するまでに電源断処理を実行するようにしてもよい。この場合には、メダルMは、投入センサ44aには検知されるが、投入センサ44bには検知されずに電源断処理が実行される。
なお、上記において、メダルM2の位置を、M1の位置で手を離した瞬間、又はM1とM2との間の所定位置としてもよい。
(8)図3の第1実施形態(A)において、電源断が発生したときに、電圧が供給レベルV0から維持レベルV1に到達するまでの時間T0を20割込みとしたが、これに限られることなく、電源の性能によって、種々設定することが可能である。
払出しセンサ37aオン、払出しセンサ37bオフ(時刻S31’)
払出しセンサ37aオン、払出しセンサ37bオン(時刻S32’)
払出しセンサ37aオフ、払出しセンサ37bオン(時刻S33’)
払出しセンサ37aオフ、払出しセンサ37bオフ(時刻S34’)
の経過をたどる。
そして、時刻S31’からS34’までの時間が、時間T1(電源断の発生から電源断処理を実行するまでの時間)より短くなるように設定する。
たとえば、「N」遊技目開始時の獲得枚数が「200」枚であり、「N+1」遊技目開始時の獲得枚数が「209」枚であり、「N+2」遊技目開始時の獲得枚数が「218」枚であったと仮定する。また、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、毎遊技の開始時に、獲得枚数に関するコマンドを送信するものとする。
そして、図11に示す例と同様に、「N」遊技目の途中で断線が発生し、「N+1」遊技目の途中で通信が復帰したと仮定する。
メイン制御基板50は、払出し処理があったときは、サブ制御基板80に対し、獲得枚数を示すコマンドを送信する。ここで、「N」遊技目の途中で断線が発生したときは、サブ制御基板80は、「N」遊技目の獲得枚数を受信することができない。「N」遊技目の断線直前では、サブ制御基板80は、AT中の獲得枚数として「100」と表示していたものとする。また、AT中の「N」遊技目及び「N+1」遊技目は、いずれも10枚を獲得するものとする。
この場合、「N」遊技目の終了時におけるAT中の獲得枚数は、本来は「110」となるはずであるが、「100」のままである(断線しているため)。そして、「N+1」遊技目の途中に通信が復帰したと仮定する。これにより、サブ制御基板80は、「N+1」遊技目の払出し処理時に受信した獲得枚数のコマンドに基づいて、AT中の獲得枚数を正常な値に戻すことが可能となる。ここで、「N+1」遊技目の払出し処理時に正常な値に戻してもよく、あるいは、図11の例と同様に、「N+2」遊技目のスタート時に正常な値に戻してもよい。さらには、「N+1」遊技目の払出し処理時に「110」に更新し、「N+2」遊技目のスタート時に「120」に更新してもよい。
たとえば、始動口の場合、遊技球が入賞センサに検知された瞬間に電源断が発生したときは、電源断処理が実行される前に、排出センサによって遊技球を検知できるように設定する。これにより、遊技球が入賞センサに検知された瞬間に電源断が発生しても、賞球を正しくカウントすることができる。よって、入賞口に遊技球が入賞したにもかかわらず、賞球が払い出されないことを防止することができる。アタッカーのV入賞センサと排出センサとについても上記と同様である。
このようなカジノマシンや封入式遊技機(メダルレス遊技機)であっても、第1実施形態を除き、本願発明を適用することができる。
本願の当初明細書等に記載した発明(当初発明)は、たとえば以下の当初発明1〜4を挙げることができ、それぞれ、当初発明が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。ただし、本明細書に記載した発明は、当初発明1〜4に限ることを意味するものではない。
(a)当初発明1が解決しようとする課題
当初発明は、電源断が発生した後に、遊技媒体に係る処理を実行しないようにした遊技機に関するものである。
従来の遊技機において、電源断処理としてバックアップ処理を実行する前にブロッカをオフにすることで、バックアップ処理の実行中にメダルが投入されても、そのメダルをブロッカを介して遊技者に返却することで、そのメダルの加算処理を行わないようにした技術が知られている(たとえば、特開2015−173832号公報)。
しかし、たとえばメダル投入口からメダルが投入された瞬間に電源断が発生したような場合には、電源断処理が実行される前にメダルがブロッカを通過してしまい、そのメダルがカウントされてしまう可能性があった。なお、電源断の発生後に、メダルの加算処理(メダルベット処理やメダルクレジット処理)を実行することは、制御上、好ましくない。
当初発明が解決しようとする課題は、遊技媒体投入口から遊技媒体が投入されたときと略同時に電源断が発生したときであっても、遊技媒体の加算処理が実行されないようにすることである。
当初発明(第1実施形態(A))は、
遊技媒体投入口(メダル投入口47)と、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体(メダル)の通路(メダル通路)中に設けられ、遊技媒体の通過を許可する状態(オン状態)又は遊技媒体の通過を不許可にする状態(オフ状態)に制御可能なブロッカ(45)と、
遊技媒体投入口から投入された遊技媒体の通路中に設けられ、遊技媒体を検知可能な検知手段A(投入センサ44a)及びB(投入センサ44b)(検知手段Bは、検知手段Aより下流側に位置する)と
を備え、
遊技媒体の通過を許可する状態に前記ブロッカを制御している状況にて電源の供給が遮断される事象が発生した時から、当該電源の供給が遮断される事象を検知して、遊技媒体の通過を不許可にする状態に前記ブロッカを制御するまでの時間をT1(図2及び図3中、T1)とし、
遊技媒体の通過を許可する状態に前記ブロッカを制御している状況にて遊技媒体が前記遊技媒体投入口から遊技機内部に向けて放たれる場合において、当該遊技媒体が遊技機正面から視認不可能となった時(図2中、M2の位置)から、当該遊技媒体を検知手段Bが検知して、当該遊技媒体を検知手段Bが検知しなくなるまで(図2中、M4の位置)の時間をT2(図2及び図3中、T2)としたとき、
T1<T2
となるようにする
ことを特徴とする。
当初発明によれば、遊技媒体が遊技媒体投入口から遊技機内部に向けて放たれ、その遊技媒体が遊技機正面から視認不可能となった時に電源断が発生した場合に、その遊技媒体を検知手段Bが検知しなくなるまでに、電源の供給が遮断される事象を検知して遊技媒体の通過を不許可にする状態にブロッカを制御するので、遊技媒体は、少なくとも検知手段Bに検知されることはない。
よって、その遊技媒体は、検知手段A及びBによって正常に検知されないので、遊技媒体の加算処理(ベット処理やクレジット処理)は実行されない。したがって、遊技媒体が遊技機正面から視認不可能となった時に電源断が発生した場合、すなわち、遊技機内部に遊技媒体が放たれた直後に電源断が発生した場合であっても、その遊技媒体を受け付けないようにすることができる。これにより、電源断の発生後に、遊技媒体の加算処理が実行されないようにすることができる。
(a)当初発明2が解決しようとする課題
当初発明は、制御基板を内部に収容した基板ケースを備える遊技機において、基板ケースのゲート跡に関するものである。
従来の遊技機において、メイン制御基板を内部に収容した基板ケースが知られている。ここで、基板ケースは、一般に、成型によって形成されているので、基板ケースにはゲート跡が残る。そして、このゲート跡を目印とする技術が提案されている(たとえば、特開2017−042270号公報)。
しかし、基板ケースのゲート跡は、樹脂の切断部分を有することから、外部から見て不鮮明である。このため、ゲート跡を開口し、メイン制御基板の内部にアクセスされるおそれがあるという問題がある。
当初発明が解決しようとする課題は、基板ケースのゲート跡を利用したゴト行為を抑制することである。
当初発明(第2実施形態)は、
演算機能を備えた所定のIC(メインCPU55)と、
一方の面(上カバー57の上面と対向する面)に前記所定のICを搭載した制御基板(メイン制御基板50)と、
複数の面(上面、側面等)を有しており、前記制御基板を収容する基板ケース(上カバー57及び下カバー58からなる基板ケース56)と
を備え、
前記基板ケースは、内部が視認可能に形成され、
前記基板ケースの外側であり、かつ前記制御基板の前記一方の面と対向している面(上カバー57の上面外側)に、前記基板ケースの成型時のゲート跡(57b)を配置し、
前記ゲート跡から前記対向している面の垂直方向には、前記制御基板の前記所定のICが位置しないようにする
ことを特徴とする。
当初発明によれば、基板ケースのゲート跡の垂直方向には、制御基板の所定のICが位置しないので、ゲート跡を不正に開口し、所定のICにアクセスすることを防止することができる。
また、制御基板の所定のICの垂直方向には、基板ケースのゲート跡が存在しないので、ゲート跡に遮られることなく所定のICを目視で確認することができる。これにより、所定のICに対して不正が行われていないか否かを目視で容易に確認することができる。
(a)当初発明3が解決しようとする課題
当初発明は、メイン制御基板とサブ制御基板との間の通信において、断線が発生した後、断線から通信が復帰したときの処理に関するものである。
従来の遊技機において、メイン制御基板からサブ制御基板に対してコマンドを送信し、サブ制御基板は、受信したコマンドに基づいて、画像表示装置等を制御する遊技機が知られている。
ここで、サブ制御基板は、前回受信したコマンドと今回受信したコマンドとを対比し、受信したこれらのコマンドの整合性に基づいて、コマンド受信異常と判断する技術が知られている(たとえば、特開2014−226503号公報)。
しかし、メイン制御基板からサブ制御基板にコマンドを送信する場合において、メイン制御基板とサブ制御基板との間で断線が発生する場合があった。そして、通信が復帰したときに、サブ制御基板が正常な演出を出力できなくなるおそれがある。
当初発明が解決しようとする課題は、メイン制御基板とサブ制御基板との間で断線が発生した後、通信が復帰したときの演出を適正なものとすることである。
当初発明(第3実施形態)は、
メイン制御基板(50)と、
前記メイン制御基板から受信した情報に基づいて、演出を制御するサブ制御基板(80)と
を備え、
前記サブ制御基板は、前記メイン制御基板から、操作されたストップスイッチ(42)の情報を受信可能とし、
前記サブ制御基板は、所定の遊技状態(AT)では、操作されたストップスイッチの情報を受信したことに基づいて、そのストップスイッチの操作に対応する演出を出力可能とし、
前記サブ制御基板は、
前記所定の遊技状態における「N」遊技目で所定のストップスイッチが操作された場合において、当該所定のストップスイッチが操作された情報を受信したときは、当該所定のストップスイッチの操作に対応する所定演出(所定のストップスイッチに対応するリールが停止時の演出)を出力し、その後、「N」遊技目における残りすべてのストップスイッチが操作される前に前記メイン制御基板からの情報が受信不能となり、その後、「N+a」遊技目で前記メイン制御基板からの情報が受信可能となり、その後、「N+a」遊技目で、前記所定のストップスイッチとは異なる特定のストップスイッチが操作された情報を受信したときは、当該特定のストップスイッチの操作に対応する演出であって前記所定演出に関連する演出(所定演出に続く演出であって、特定のストップスイッチに対応するリールが停止時の演出)を出力し、その後、「N+a+1」遊技目で所定の情報を受信したときは、当該所定の情報に基づいて、「N+a+1」遊技目の演出を出力する
ことを特徴とする。
当初発明によれば、「N+a」遊技目の途中で通信が復帰したときは、それまで出力していた「N」遊技目の所定演出に関連する演出を出力するので、「N+a」遊技目では、「N」遊技目に続く演出を出力することができる。そして、「N+a+1」遊技目に移行したときに正常な演出に復帰するので、「N+a」遊技目の途中で、通信の復帰によって演出が突然変化することをなくすことができる。これにより、断線の発生前後において、違和感のない演出を出力することができる。
(a)当初発明4が解決しようとする課題
当初発明は、ストップスイッチを高速で操作可能とする遊技機に関するものである。
従来の遊技機では、ストップスイッチが操作されると、そのストップスイッチに対応するリールを、抽選結果に対応する所定位置に停止させる。また、リールを所定位置に停止させた後、所定時間、モータを励磁状態とする。ここで、操作したストップスイッチがオン状態であるときや、モータを励磁状態にしているときは、次のストップスイッチの操作を受け付けないようにしている。
ここで、最初のストップスイッチが操作されてから、リールステータスが停止状態となるまでは、2番目のストップスイッチが操作されても、その停止操作を受け付けないようにした技術が知られている(たとえば、特開2017−093576号公報参照)。
しかし、前述の従来の技術において、ストップスイッチが操作された後、次のストップスイッチの操作が受付け可能となるまでの時間が長いと、遊技を高速で消化することができないという問題がある。
当初発明が解決しようとする課題は、ストップスイッチを高速で操作可能とすることである。
当初発明(第4実施形態)は、
リール(31)と、
前記リールを回転させるためのモータ(32)と、
ストップボタン(停止ボタン42a)の操作が検知されたことに基づいて、前記モータを駆動制御して前記リールの回転を停止させるリール制御手段(65)と、
内部抽せん手段(役抽選手段61)と
を備え、
前記ストップボタンを最深部(図12(c)に示す位置)まで押し込むまでの間に前記ストップボタンの操作を検知するセンサ(検知センサ42e)がオンとなり、前記ストップボタンの押し込みを解除すると前記ストップボタンが付勢力によって初期位置(図12(a)に示す位置)に移動可能とし、かつ、前記ストップボタンが初期位置に移動するまでの間に前記センサがオフとなるように構成されており、
前記内部抽せん手段が所定の結果を決定した遊技において、前記リール制御手段によりすべてのリールが回転している状況下で、所定のタイミングで所定のリールに対する前記ストップボタンの操作がなされ、当該所定のリールに対する前記ストップボタンの前記センサのオンを検知した後、当該所定のリールを停止させるための励磁状態(4相励磁状態)とし、当該励磁状態としてから所定時間(図13中、T12)が経過したときは、当該励磁状態を終了するように構成されており、
最深部まで押し込まれた前記ストップボタンの押し込みが解除された瞬間から前記センサがオフになるまでの時間をT1(図13中、T11)とし、前記所定時間をT2としたとき、
T1<T2
となるようにする
ことを特徴とする。
当初発明によれば、リールの停止時におけるモータの励磁状態の開始と、最深部まで押し込まれたストップボタンの押し込みが解除された瞬間とが同時であると仮定したときに、センサがオフになった後に励磁状態が終了する。したがって、モータの励磁状態が終了したタイミングで、次のストップボタンの操作を受付け可能にすることができる。
11 電源スイッチ
21 演出ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
33 リールセンサ
35 ホッパー
36 ホッパーモータ
37a、37b 払出しセンサ
38a 固定軸
38b 可動軸
39a 可動片
39b ばね
40a 1ベットスイッチ
40b 3ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
42a 停止ボタン
42b ストッパ
42c コイルばね
42d 移動片
42e 検知センサ
43 精算スイッチ
44a、44b 投入センサ
45 ブロッカ
46 通路センサ
47 メダル投入口
47a メダルガード部
47b メダル置き部
50 メイン制御基板(メイン制御手段)
50a ねじ穴
51 入力ポート
52 出力ポート
53 RWM
54 ROM
55 メインCPU
56 基板ケース
57 上カバー
57a かしめ部
57b ゲート跡
57c くぼみ部
57d 突起
57e 突部
58 下カバー
58a かしめ部
58b ゲート跡
58c ボス
61 役抽選手段
62 当選フラグ制御手段
63 押し順指示番号選択手段
64 演出グループ番号選択手段
65 リール制御手段
66 入賞判定手段
67 払出し手段
71 制御コマンド送信手段
73 設定値表示LED
74 管理情報表示LED
75 表示基板
76 クレジット数表示LED
78 獲得数表示LED
80 サブ制御基板(サブ制御手段)
81 入力ポート
82 出力ポート
83 RWM
84 ROM
85 サブCPU
91 演出出力制御手段
Claims (1)
- 遊技媒体投入口と、
前記遊技媒体投入口から投入された遊技媒体が通過する通路中に設けられ、遊技媒体を検知し得る検知手段A、検知手段B、及び検知手段C(検知手段Bは、検知手段Aより下流側に位置し、検知手段Cは検知手段Bより下流側に位置する)と、
ホッパーと、
前記ホッパーを駆動させて遊技媒体を払い出すときに変位可能な可動片を検知し得る検知手段D及び検知手段E(検知手段Dは可動片が初期位置にあるときに検知しており、検知手段Eは可動片が変位した後の所定位置にあるときに検知している)と
を備え、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、前記遊技媒体投入口から遊技媒体が投入される場合において、当該遊技媒体に対する検知手段Bと検知手段Cの検知状況が所定条件を満たすと、クレジット数に「1」を加算し得るよう構成されており、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、電源の供給が遮断される事象が発生した時から、当該電源の供給が遮断される事象を検知し、電源断処理を実行する時までの期間の設計値をT1とし、
ベット数が「3」であり、クレジット数が所定値(所定値はクレジット数の上限値未満の値)である状況にて、前記遊技媒体投入口から遊技媒体が投入される場合において、当該遊技媒体が検知手段Aにより検知される位置に到達した時から、当該遊技媒体が検知手段Bにより検知される位置に到達するまでの期間の設計値をT2とし、
前記ホッパーを駆動させることによって特定数の遊技媒体を払い出す場合において、検知手段Dが可動片を検知しなくなった時から、検知手段Eが可動片を検知したあと再度検知手段Dが可動片を検知して、次の遊技媒体を払い出すために再度検知手段Dが可動片を検知しなくなった時までの期間の設計値をT4としたとき、
T1<T2
T1<T4
となっている遊技機。
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