JP6730527B2 - アクチュエーター・デバイスおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエーター・デバイスに関し、詳細には電気活性物質を有するアクチュエーター・デバイスに関する。
電気活性物質(EAM: electroactive material)、特に電気活性ポリマー(EAP: electroactive polymer)は、電気応答性の物質の分野における台頭しつつある物質クラスである。EAPは、センサーまたはアクチュエーターとして機能できる、さまざまな形状に製造するのが簡単にでき、きわめて多様なシステムに簡単に統合できる。
ここ10年で著しく改善されたアクチュエーション応力およびひずみのような特性をもつ物質が開発されている。技術リスクは、製品開発のための受け容れ可能なレベルにまで低下しており、EAPは商業的にも技術的にもますます関心を集めつつある。EAPの利点は、低電力、小さな形状因子、柔軟性、無騒音動作、精度、高分解能の可能性、高速応答時間および巡回的なアクチュエーションを含む。
EAP物質の改善された性能および格別な利点は、新たな応用への適用可能性を生じさせる。
EAPデバイスは、電気的なアクチュエーションに基づいて、コンポーネントまたはフィーチャーの少量の動きが望まれる任意の用途において、使用できる。同様に、この技術は、小さな動きを感知するために使用できる。
EAPの使用は、以前には可能でなかった機能を可能にする、あるいは普通のセンサー/アクチュエーター解決策に比して大きな利点をもたらす。これは、普通のアクチュエーターに比べて、小さな体積または薄い形状因子における、比較的大きな変形および力の組み合わせのためである。EAPは無騒音動作、正確な電子制御、高速応答および可能なアクチュエーション周波数の大きな範囲、たとえば0〜1MHz、最も典型的には20kHz未満をも与える。
電気活性ポリマーを使うデバイスは、電場駆動とイオン駆動物質に細分できる。
電場駆動EAPの例は、圧電性ポリマー、電歪性ポリマー(たとえばPVDFベースのリラクサー・ポリマー)および誘電エラストマーを含む。他の例は、電歪性グラフト・ポリマー、電歪紙、エレクトレット、電気粘弾性エラストマーおよび液晶エラストマーを含む。
イオン駆動EAPの例は、共役系/導電性ポリマー、イオン性ポリマー金属接合体(IPMC: Ionic Polymer Metal Composites)およびカーボンナノチューブ(CNT)である。他の例はイオン性ポリマー・ゲルを含む。
電場駆動のEAMは、直接的な電気機械結合を通じて電場によってアクチュエーションされる。これらは通例、高電場を必要とする(数十メガボルト毎メートル)が低電流である。ポリマー層は通例、駆動電圧をできる限り低く保つために、薄い。
イオン性EAMは、イオンおよび/または溶媒の、電気的に誘起される輸送によってアクチュエーションされる。これらは通例、低電圧だが高電流を必要とする。これらは液体/ゲル電解質媒体を必要とする(ただし、一部の物質系は固体電解質を使っても機能できる)。
どちらのクラスのEAPも、複数のファミリー構成員をもち、それぞれ独自の利点およびと欠点がある。
電場駆動EAPの第一の注目すべきサブクラスは圧電性および電歪性ポリマーである。伝統的な圧電性ポリマーの電気機械性能は限られているが、この性能の改善におけるブレークスルーがPVDFリラクサー・ポリマーをもたらした。これは自発的な電気分極(電場駆動の整列)を示す。これらの物質は、事前にひずみを与えられることができる。ひずみを与えられた方向での改善された性能のためである(事前ひずみは、よりよい分子整列につながる)。ひずみは通例、中程度(1〜5%)なので、通常は金属電極が使われる。他の型の電極(たとえば導電性ポリマー、カーボンブラック・ベースの油、ゲルまたはエラストマーなど)も使用できる。電極は連続的であっても、セグメント分割されていてもよい。
電場駆動のEAPのもう一つの興味深いサブクラスは、誘電エラストマーである。この物質の薄膜がしなやかな電極の間にはさまれて、平行平板コンデンサーを形成してもよい。誘電エラストマーの場合、加えられる電場によって誘起されるマクスウェル応力の結果、膜に対する応力が生じ、厚さにおいて収縮させ、面積において膨張させる。ひずみ性能は典型的には、エラストマーに事前にひずみを与えることによって拡大される(事前ひずみを保持するために枠を必要とする)。ひずみは相当なもの(10〜300%)であることができる。これは、使用できる電極の型も制約する。低いまたは中程度のひずみについては、金属電極および導電性ポリマー電極が考えられ、大きなひずみの領域については、カーボンブラック・ベースの油、ゲルまたはエラストマーが典型的には使われる。電極は連続的であっても、セグメント分割されていてもよい。
イオン性EAPの第一の注目すべきサブクラスは、イオン性ポリマー金属接合体(IPMC)である。IPMCは、溶媒膨潤したイオン交換ポリマー膜を二つの薄い金属またはカーボン・ベースの電極の間にラミネートしたものからなり、電解質の使用を必要とする。典型的な電極材料はPt、Gd、CNT、CP、Pdである。典型的な電解質はLi+およびNa+の水性溶液である。電場が加えられるとき、カチオンは典型的には水と一緒に陰極側に進む。これは、親水性クラスターの再編成およびポリマー膨張につながる。陰極エリアにおけるひずみは、ポリマー基質の残りの部分における応力につながり、その結果、陽極に向かった曲がりが生じる。加えられる電圧を反転させると、曲がりが逆になる。よく知られたポリマー膜はNafion(登録商標)およびFlemion(登録商標)である。
イオン性ポリマーのもう一つの注目すべきサブクラスは、共役系/導電性ポリマーである。共役系ポリマー・アクチュエーターは典型的には、共役系ポリマーの二つの層によってはさまれた電解質からなる。電解質は、酸化状態を変えるために使われる。電解質を通じてポリマーに電位が加えられると、電子がポリマーに加えられるかポリマーから除去されるかして、酸化および還元を駆動する。還元は収縮を生じ、酸化は膨張を生じる。
いくつかの場合には、ポリマー自身が十分な伝導性(次元方向の(dimension-wise))を欠くときには薄膜電極が加えられる。電解質は液体、ゲルまたは固体材料(すなわち高分子量のポリマーと金属塩の錯体)であることができる。最も一般的な共役系ポリマーはポリピロール(PPy)、ポリアニリン(PANi)およびポリチオフェン(PTh)である。
アクチュエーターは、電解質中に懸濁したカーボンナノチューブ(CNT)で形成されてもよい。電解質はナノチューブと二重層をなし、電荷の注入を許容する。この二重層電荷注入は、CNTアクチュエーターにおける主要な機構と考えられる。CNTは電極コンデンサーとして作用する。ここで、該CNTに電荷が注入され、それが電解質のCNT表面への移動によって形成される電気二重層によって釣り合いが取られる。炭素原子の電荷を変えると、C-C結合長の変化が生じる。結果として、単一のCNTの膨張および収縮が観察されることができる。
図1および図2は、EAPデバイスについての二つの可能な動作モードを示している。
デバイスは、電気活性ポリマー層8を、該電気活性ポリマー層8の両側の電極4、6の間にはさんだものを有する。
図1は、クランプされていないデバイスを示している。電気活性ポリマー層に、図のように全方向に膨張させるために電圧が使われる。
図2は、一つの方向にのみ膨張が生じるよう設計されたデバイスを示している。デバイスは担体層10によって支持されている。電気活性ポリマー層が曲がるまたは屈するよう電圧が使われる。
一緒になって、電極、電気活性ポリマー層および担体が、全体的な電気活性ポリマー構造を構成していると考えられてもよい。
この動きの性質は、たとえば、アクチュエーションされたときに膨張する活性層と、受動的な担体層との間の相互作用から生じる。図のように軸のまわりの非対称な曲がりを得るために、たとえば分子配向化(フィルム延伸)が適用されて、動きを一方向に強制してもよい。
一方向での膨張は、EAPポリマーにおける非対称性から帰結してもよく、あるいは担体層の属性における非対称性から帰結してもよく、あるいは両方でもよい。
上記のような電気活性ポリマー構造は、アクチュエーションおよび感知の両方のために使用されうる。最も顕著な感知機構は、力測定およびひずみ検出に基づく。たとえば誘電エラストマーは、外力によって簡単に伸長できる。センサーに低い電圧をかけることによって、ひずみが電圧の関数として測定できる(電圧は面積の関数である)。
電場駆動システムによる感知のもう一つの方法は、容量変化を直接測定することまたはひずみの関数として電極抵抗の変化を測定することである。
圧電性および電歪ポリマー・センサーは、加えられた機械的な応力に応答して電荷を生成できる(結晶性の量が検出可能な電荷を生じるために十分高いとして)。共役系ポリマーはピエゾイオン効果(piezo-ionic effect)(機械的な応力がイオンの運動につながる)を利用できる。CNTは、応力にさらされたときにCNT表面における電荷の変化を経験し、それが測定できる。気体分子(たとえばO2、NO2)と接触するときにCNTの抵抗が変化することも示されており、CNTは気体検出器として使用できる。
機械的なアクチュエーターは一般に、アクチュエーション実行において実現することができる応力‐ひずみ組み合わせの具体的な組を用いて特徴付けられることができる。達成可能な応力‐ひずみ組み合わせのこの範囲は、アクチュエーターの内在的な特性によって制約され、結果として、かかるアクチュエーターについての可能な用途も制限される。
電気活性物質アクチュエーターについては、達成可能な応力‐ひずみ組み合わせの範囲を拡張して、それにより当該技術のための潜在的な用途を広げることが望ましいであろう。この領域における改善はこれまで、一緒に結合された複数のEAPアクチュエーターの組み合わせで形成される、複雑な複合アクチュエーター構造を構築することを通じてのみであった。そのような構造は、製作するのが複雑で、大きな形状因子をもち、制御するためにはかなりの追加的な駆動電子回路を必要とする。これ自身が、これらの解決策についての用途の範囲を制約してしまう。
アクチュエーション性能における制限に加えて、現状技術のEAPアクチュエーターは、達成可能な感知性能でも制限される。EAPアクチュエーターのアクチュエーションの程度は、アクチュエーター駆動信号に低振幅のAC感知信号を重畳させることを通じて検出できることが知られている。しかしながら、こうした方法を使う感知性能は、限られている。特に、EAPの信号対雑音比はいくらか制約になり、結果として、フィードバック測定における高い精度を要求する用途は典型的には、追加的なセンサーが設けられることを要する。
より精密な感知測定を容易にするために、EAPアクチュエーターを、追加的な専用の感知層で増強することが知られている。しかしながら、これはアクチュエーターの複雑さおよび形状因子に上乗せし、頻繁なアクチュエーション・サイクルの結果としての感知層の剥離に起因して、アクチュエーターの寿命の潜在的な悪化につながることもある。
よって、アクチュエーターの変形の度合いに関して、改善されたアクチュエーション性能を提供できるおよび/または改善されたフィードバック感知を提供できるEAMベースのアクチュエーターおよび方法が一般に求められている。
米国特許出願公開第2009/0165877号 特開2000-038643号
より広く、アクチュエーター・デバイスの分野において、アクチュエーション効果を提供するよう種々の仕方で変形できるデバイスを提供するために、受動的なポリマー基質内に磁性粒子を埋め込むことが知られている。だが、そのようなデバイスで達成可能なアクチュエーション動きおよび力の範囲は、限られていることがわかっている。
特許文献1は、微小流体工学システムにおいて使ういくつかのアクチュエーター・デバイスを記載している。ある一組の実施形態では、アクチュエーターは、電場の印加に応答して変形するよう適応される。これらのアクチュエーターは、この効果を容易にするために、電気活性ポリマー物質を有する。別個の一組の実施形態では、アクチュエーターは、磁場の印加に応答するよう適応される。これらのアクチュエーターは、この機能を容易にするために磁性粒子を有していてもよい。
磁気センサーの分野において、磁場強度の感知を可能にするために圧電物質の基質内に埋め込まれた磁性粒子を使うことも知られている。たとえば特許文献2は、圧電性の基質に磁気応答性の粒子を分散させることによって製造される磁気センサーを開示している。磁気エネルギーの変化が磁性粒子における機械的な応答を誘起し、それが圧電性の基質に応力を加える。これらの応力は、結果として誘起される圧電性電流において検出可能である。
本発明者は、好適な修正をすれば、これらの効果のいくつかを、アクチュエーションまたは感知機能を改善するために電気活性物質デバイスの分野に組み込むことが可能でありうることを認識するに至った。
本発明は請求項によって定義される。
本発明は概括的には、向上したアクチュエーションおよび/または感知効果を容易にするために、組み込まれた磁性粒子を有する電気活性物質アクチュエーターに関する。下記で概説する例のどの事項も、有利に組み合わされうる。
本発明のある実施形態によれば、アクチュエーター・デバイスが提供される。本アクチュエーター・デバイスは:
アクチュエーター部材であって、
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
電気活性物質内に分散された軟磁性物質の粒子を含むアクチュエーター部材と;
前記アクチュエーター部材に印加するための構成設定可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段と;
電気的刺激生成手段と;
前記磁場生成手段および前記電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現するよう動作可能なコントローラとを有する。
本発明の実施形態は、電気活性物質部材内に軟磁性粒子を組み込み、それにより電気応答性および磁気応答性両方の特性を組み込むアクチュエーターを提供するという概念に基づいている。これら二つの機能は、一方または他方のみを利用する現状技術のデバイスで達成されるまたは達成可能なものを超えるアクチュエーション効果を提供するために諸実施形態において利用される。
電気活性物質(EAM)は、個別的な例によれば、電気活性ポリマー物質(EAP)である。
前記コントローラは、電気的刺激生成手段および磁場生成手段の協調された制御を提供し、それによりアクチュエーター部材において一つまたは複数の変形形状、構成設定またはアクションを誘起するよう動作可能である。前記コントローラは、たとえば、前記二つの手段の協調された制御を提供し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形形状、構成設定またはアクションのプログラムを誘起するよう動作可能であってもよい。
前記協調された制御は、前記二つの手段を同時に作動させることを含んでいてもよく、および/または前記二つの手段を順次作動させることを含んでいてもよい。前記コントローラはたとえば、少なくとも一つの動作モードによれば、磁場および電場を一緒に活性化させ、それによりアクチュエーター部材において、電気的刺激または磁気的刺激だけを使って達成可能なものと比べて向上した大きさまたは到達範囲などをもつ複合変形を提供するよう構成されてもよい。
追加的または代替的に、前記コントローラは、少なくとも一つの動作モードによれば、前記二つの手段を同時に作動させて、アクチュエーター部材において、単一の刺激手段のみを使って達成可能でありうる形状と比べて追加的な複雑さまたは巧妙さの度合いをもつ個別的な形状または変形パターンを提供するよう構成されてもよい。
たとえば、前記二つの手段が一緒に利用されて、基本的な変形(たとえば、電気的刺激などによって引き起こされる部材全体を通じた一様な曲がり)の上に追加的な局所的変形(たとえばアクチュエーター部材の少なくとも局所的な領域内の粒子の磁気的刺激を通じて誘起される)が重畳されたものから形成される複合アクチュエーション形状を提供してもよい。このようにして、本発明の実施形態は、以前に達成可能であったものを超える新たなアクチュエーション効果を提供することができる。
さらなる例として、一つまたは複数の例によれば、磁場および電場生成手段は、一つまたは複数のアクチュエーション形状または効果を提供するよう、順次的な作動パターンで制御されてもよい。順次制御は、種々の具体的なアクチュエーション形状または構成設定の進行を提供するために利用されうる、および/または波動または振動挙動のような動的なアクチュエーション効果を提供するために使われてもよい。電気的および/または磁気的刺激のそのようなシーケンスは、コントローラが誘起するよう構成される変形パターンのプログラムをなしてもよい。
よって、磁性粒子のEAP物質との組み合わせが、効果的に、アクチュエーター部材の変形を制御することにおける追加的な自由度を提供する。これは、有利には、より複雑なまたはより機械的に強力なアクチュエーション動きおよび効果を達成するために使われてもよい。
電気的刺激生成手段は、例としては、アクチュエーター部材の少なくともあるセクションを通じた電場を加えるための一組の電極であってもよい。該手段は代替的には、アクチュエーター部材の少なくともあるセクションを通じた電流を提供するためのアクチュエーター部材に電気的に結合可能な電流源を含んでいてもよい。
磁場生成手段は、例としては、制御可能な磁石(すなわち電磁石)であってもよい。該手段は、追加的または代替的に、磁場を確立するための巡回電を搬送するための伝導コイルを含んでいてもよい。いくつかの例では、コイルは、アクチュエーター部材の少なくともあるセクションのまわりに巻かれてもよい。代替例では、コイルはアクチュエーター部材のあるセクションに隣接して配置されてもよい。
すべての例において、磁場生成手段は、構成設定可能な磁場強度パターンの場、つまりより一般的には、アクチュエーター部材の少なくともあるセクションを通じて延在する空間を通じて構成設定可能なベクトル場の量をもつ磁場を生成するよう動作可能であってもよい。ベクトル磁場はしばしば、空間の特定の領域における磁場の方向性を示す磁力線の集合によって表現される。磁場の磁力線は、本発明の実施形態に基づいて構成設定可能であってもよい。
本発明の一つまたは複数の実施形態によれば、アクチュエーター部材を通じて、非一様な変形パターンが実現されることができる。すなわち、局所的に変化する変形パターンである。
よって、一つまたは複数の実施形態によれば、
磁場生成手段が、アクチュエーター部材を通じた適用のための非一様な磁場強度の磁場を生成するよう構成されてもよい;および/または
軟磁性物質の粒子がアクチュエーター部材内に不均一に分散されてもよい;
それにより、いずれの場合にも、アクチュエーター部材を通じた非一様な変形パターンを達成できる。
たとえば、所与の次元方向に沿って非一様な磁場強度をもつ磁場を生成することによって、非一様な変形パターンが達成されてもよく、該非一様性は所与の次元方向に沿ったものである。
非一様な変形パターンとは、具体例では、非一様な表面盛り上がりパターンまたは非一様な表面プロファイルを意味してもよい。
一つまたは複数の実施形態によれば、コントローラは、アクチュエーター部材における変形パターンのあらかじめ定義された集合のいずれかを誘起するよう動作可能であってもよい。コントローラは、たとえば、アクチュエーター部材において、複数の異なるアクチュエーション・モードまたは構成のいずれかを実現するためのプログラム命令を含むメモリを有していてもよい。これらのプログラム命令は、電気的刺激生成手段および磁場生成手段を協調された仕方で制御するための具体的な設定またはコマンド組み合わせを含んでいてもよい。これらのプログラム命令は、一緒に動作する、またはたとえば順次に別個に動作するよう、電気的刺激生成手段および磁場生成手段を制御するための命令を含んでいてもよい。
一つまたは複数の例によれば、コントローラは、アクチュエーター部材の変形を制御するためのあらかじめ決定された制御スケジュールを実行するよう動作可能であってもよく、制御スケジュールは、電気的刺激生成手段および磁場生成手段両方を制御するための諸段階を含み、任意的には、制御スケジュールは、一つまたは複数の入力パラメータに依存する段階を含む。
入力パラメータは、一つまたは複数の例によれば、一つまたは複数のユーザー入力コマンドを含んでいてもよい。ユーザー入力コマンドは、一つまたは複数のユーザー・インターフェース・ユニットから受領されてもよく、実行されるべき特定の一つまたは複数の制御モードを示すまたは実現されるべき一つまたは複数の変形パターンを示すコマンドを含んでいてもよく、あるいは単に(一連の制御モードのいずれかでの)アクチュエーターの作動または作動停止をトリガーするために使われてもよい。
追加的または代替的に、入力パラメータは、一つまたは複数のセンサー装置または感知要素から取得または受領されるパラメータを含んでいてもよい。感知要素は、たとえば下記で詳述される例に基づいてより詳細に記載されるようなアクチュエーションの度合いを決定するためのコンポーネントなどを含んでいてもよい。
「軟(soft)」磁性物質という用語は、可逆な磁化を示す磁性材料を広く指す。一般に、磁場にさらすと磁化される特性をもつが、磁場を取り除くと該磁化を失う。これは、加えられた外部磁場がないときでも持続または永久磁化を示すいわゆる硬(hard)磁性物質と対照的である。
一つまたは複数の具体例によれば、軟磁性物質の粒子は:軟強磁性物質、常磁性物質および超常磁性物質のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
一つまたは複数の集合の実施形態によれば、軟磁性物質は、磁場生成手段による磁場の印加に応答してアクチュエーター部材の収縮または膨張を実現するための磁歪性物質であってもよい。
これらの実施形態の具体例では、磁場生成手段は、アクチュエーター部材を通じた印加のための一様磁場強度の磁場を生成するよう構成されてもよい。一様磁場強度とは、位置に無関係な、特にアクチュエーター部材のボディーの広がりを通じて同じ磁場強度をもつことを意味する。一様磁場は他には、均一磁場としても知られることがある。
一様磁場強度の磁場の存在時には、磁歪性粒子は磁気的な引力も反発力も経験しないが、形状またはサイズにおいて変化または変形するよう磁気的に刺激される。粒子のこの変形の結果、周囲の電気活性物質基質の、よって全体としてのアクチュエーター部材の、対応する変形を生じる。巨視的には、これらの磁気的に誘起された変形の結果、アクチュエーター部材の膨張または収縮が生じる。
本発明のいずれかの実施形態におけるさらなる例では、磁場生成手段は、アクチュエーター部材を通じた印加のための非一様な磁場強度の磁場を生成するよう構成されてもよい。非一様な磁場強度とは、位置に依存して変化する、特にアクチュエーター部材のボディーを通じて変化する磁場強度を意味する。
より具体的には、今の場合、磁場は、磁場生成手段から離れる方向(単数または複数)において、たとえば磁場生成手段からの距離の関数として、磁場強度の低下を示しうる。非一様な場は、他には、空間的に不均一な磁場として知られることがある。
(一様または非一様の)任意の磁場の存在時に、軟磁性物質は、前記印加された磁場と平行で同じ向きの磁化を示すよう刺激される。特に非一様な磁場の存在時には、任意の磁化された粒子は、その二つの「磁極」に作用する力の不均衡の結果として、正味の力を経験する。軟磁性物質の今の場合、各粒子の磁化が、印加された磁場と平行かつ同じ配向である場合には、各粒子は、その粒子の位置における磁場の(正の)勾配の方向に正味の力を経験する。(今の例のように)磁場が磁場生成手段から離れる方向に強度が減少している場合には、各軟磁性粒子は、磁場生成手段のほうに向かう引力を経験する。
よって、今述べている例による非一様な磁場を加えることによって、磁性粒子は、磁場生成手段のほうに向かう引力を経験する。特定の磁場強度パターンの磁場を誘発するよう磁場生成手段を適切に制御することによって、アクチュエーター部材における特定の変形パターンが実現できる。特に、アクチュエーター部材は、諸例において、磁場生成手段の方向に曲がるまたは歪むよう誘導されうる(特にアクチュエーター部材が両端でクランプされている場合)。
よって、一つまたは複数の実施形態によれば、コントローラは、所与の方向においてアクチュエーター部材の少なくともあるセクションにおける曲がりを誘起するよう動作可能であってもよい。それは、前記所与の曲がりの方向に反平行な方向にアクチュエーター部材を通じて延在する磁力線をもつ非一様な磁場強度の磁場を生成するよう磁場生成手段を制御することによる。
一つまたは複数の実施形態によれば、磁性粒子は、電気活性物質においてポリマー小滴内に懸濁されてもよい。ポリマー小滴は、電気活性物質よりも低い粘性をもつ。この場合、小滴は、磁場の印加時に、アクチュエーター部材の任意の電気的に誘起された変形に従うが、EAP基質を通じて移動はしない。二つの物質は不混和性であってもよい。そのような小滴の提供の効果は、アクチュエーター部材内における、EAP基質の変形に対する抵抗の低下であってもよい。これは、EAPの変形の際、ポリマー粒子は、周囲のEAPに対して有意な抵抗を招くことなく変形することができるからである。これは、磁性粒子がEAP基質に直接埋め込まれている系と対照的である。後者の場合、EAP分子が粒子の表面に沿って移動(剪断変形)しなければならないので、粒子はEAPの変形に対して、部分的な抵抗をはたらかせる。小滴に対しても剪断変形は起こるが、これらの小滴の粘性はEAPポリマーの粘性より有意に低いので、変形に対する部分的抵抗は小さくなる。
一つまたは複数の集合の実施形態によれば、非一様な変形パターンを達成するよう、軟磁性物質の粒子が、アクチュエーター部材において不均一に分散されてもよい。
具体的には、粒子は、諸例において、アクチュエーター部材内で、一組の空間的に離散的な集中部において配置されてもよい。好ましくは、これらの場合、電気活性物質は、磁場生成手段の磁場による磁力がはたらいたときに該物質を通じた粒子の移動を妨げるような粘性のものである。
磁場生成手段は、これらの場合、前記一組の空間的に離散的な集中部の各集中部を通じて、異なる諸磁場強度をもつ磁場を生成するよう動作可能であってもよい。コントローラは、異なる諸磁場強度の前記磁場を生成するよう磁場生成手段を制御するよう、特定の制御モードに従って構成されてもよい。このようにして、アクチュエーター部材の異なる局所的なセクションまたは領域が、異なる度合いまたは異なるパターンもしくは構成で変形するよう誘導されうる。
よって、これらの実施形態においては、より複雑で込み入ったアクチュエーション・パターンおよびアクションが達成可能である。特に、変形に対するこの局在化された制御が、電気的に刺激される変形と組み合わされる場合、幅広い範囲の可能な変形パターンならびにアクチュエーション動きおよびアクションが実現可能である。よって、これは、提供されるアクチュエーター部材のための潜在的な応用の範囲を有意に拡大するとともに、すでに確立されている用途の範囲内でのその性能を向上させもする。
本発明のあるさらなる側面に基づく例では、アクチュエーター部材を利用するアクチュエーション方法が提供される。該アクチュエーター部材は:
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
電気活性物質内に分散された軟磁性物質の粒子を含み;
当該方法は:
構成設定可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段および電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現することを含む。
諸例では、アクチュエーター・デバイスが提供される。本アクチュエーター・デバイスは:
アクチュエーター部材であって、
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
該アクチュエーター部材の少なくともあるセクションが所与の方向に磁化を示すように順序付けられた、電気活性物質内に分散された硬磁性物質の粒子を含むアクチュエーター部材と;
前記アクチュエーター部材の少なくともあるセクションを通じて印加するための構成設定可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段と;
電気的刺激生成手段と;
前記磁場生成手段および前記電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現するよう動作可能なコントローラとを有する。
これらの例は、上記の例と同様の概念、つまり、電気活性物質部材のボディー内に磁気応答性の粒子を組み込むということに基づいているが、これらの例は、軟磁性粒子ではなく硬磁性粒子を使う。硬磁性粒子は上記で説明したように、外的に印加される磁場に依存しない持続的または永久磁化を示すことを特徴とする。これは、新規で興味深いアクチュエーション・パターンおよび効果を達成するようアクチュエーター部材の変形を制御するための、幅広い範囲の新しい可能性および選択肢を導入する。
上記の諸例のように、協調された制御は、前記二つの手段を同時に作動させることを含んでいてもよく、および/または前記二つの手段を順次的に作動させることを含んでいてもよい。
コントローラは、たとえば、アクチュエーター部材における変形パターンのあらかじめ定義された集合のいずれかを誘起するよう動作可能であってもよい。
コントローラは、例の一つまたは複数の集合によれば、アクチュエーター部材の変形を制御するためのあらかじめ決定された制御スケジュールを実行するよう動作可能であってもよく、制御スケジュールは、電気的刺激生成手段および磁場生成手段両方を制御するための諸段階を含み、任意的には、前記制御スケジュールは、一つまたは複数の入力パラメータに依存する段階を含む。入力パラメータは、ユーザー入力コマンドであってもよい。
一つまたは複数の具体例によれば、硬磁性物質の粒子は:硬強磁性物質;フェライト材料、SmCoおよびNdFeBのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
先述した例のように、硬磁性物質は、磁場生成手段による磁場の印加に応答してアクチュエーター部材の収縮または膨張を実現するための磁歪性物質であってもよい。
これらの実施形態のある特定的な部分集合では、磁場生成手段は、アクチュエーター部材を通じた印加のための一様または非一様な磁場強度の磁場を生成するよう構成されてもよい。
これらの用語は上記で定義したように理解される。
一様磁場強度の磁場の存在時には、磁歪性粒子は磁気的な引力も反発力も経験しないが、形状またはサイズにおいて変化または変形するよう磁気的に刺激される。粒子のこの変形の結果、周囲の電気活性物質基質の、よって全体としてのアクチュエーター部材の、対応する変形を生じる。巨視的には、これらの磁気的に誘起された変形の結果、アクチュエーター部材の膨張または収縮が生じる。
(たとえば磁場生成手段から離れる方向に強度が減少する)非一様磁場強度の磁場の存在時には、硬磁性物質は正味の力を経験する。力の方向は、自分自身の磁化の方向に依存する。特に、硬磁性粒子の磁化が印加された磁場と平行かつ同じ配向である場合には、磁性粒子は、その粒子の位置の点における磁場の(正の)勾配の方向に正味の力を経験する。磁場強度が磁場生成手段から離れる方向に減少する場合には、粒子はこの場合、磁場生成手段のほうに向かう引力を経験する。
逆に、硬磁性粒子の磁化が磁場の全般的な方向と逆向きである場合には、粒子は、その粒子の位置における磁場と逆向きの磁力を経験する。ここでもまた、磁場が磁場生成手段から離れる方向に減少するとすると、磁性粒子はこの場合、磁場生成手段から離れるほうに押しやる反発力を経験する。
よって、たとえば、粒子の偏向の方向が印加磁場の方向に依存して変えられるので、双方向的な変形が達成可能になる。特に、アクチュエーター部材の種々のセクションが、前記セクションを通じて磁場生成手段によって生成される磁力線の向きに依存して、磁場生成手段に向かうまたは磁場生成手段から離れる方向に偏向するよう制御されうる。
より具体的には、コントローラは、アクチュエーター部材の前記少なくとも一つのセクションの磁化の方向と反平行な方向においてアクチュエーター部材の曲がりを実現するよう構成されていてもよい。それは、前記磁化と実質的に同じ向きにアクチュエーター部材を通じて延在する磁力線をもつ非一様な磁場強度の磁場を生成するよう磁場生成手段を制御することによる。
追加的または代替的に、コントローラは、アクチュエーター部材の前記少なくとも一つのセクションの磁化の方向と平行な向きにおいてアクチュエーター部材の曲がりを実現するよう構成されていてもよい。それは、磁化の向きと実質的に反対の向きにアクチュエーター部材を通じて延在する磁力線をもつ非一様な磁場強度の磁場を生成するよう磁場生成手段を制御することによる。
一つまたは複数の例によれば、コントローラは、アクチュエーター部材の少なくとも二つの隣接するセクションにおいて逆向きの曲がりを実現するよう構成されていてもよい。それは、アクチュエーター部材の磁化の向きに対してそれぞれ逆の平行な向きにおいて、前記隣接するセクションを通じて延在する磁力線をもつアクチュエーター部材を通じた非一様な磁場強度の磁場を生成し、印加するよう磁場生成手段を制御することによる。これらの例によれば、近接するセクションは、磁場生成手段に関してそれぞれ異なる方向に偏向または変形(たとえば曲がり)を示すよう制御されうる。これは、それぞれのセクションを通じて異なる方向性をもつ磁場を加えることによって達成される。
具体例では、コントローラは、前記それぞれの隣接するセクションのそれぞれについての磁場を順次アクティブ化し、それにより、アクチュエーター部材において波のような動きを実現するよう構成されてもよい。一組の近接するセクションの各セクションの逆向きの偏向を、一括して同時にではなく、一時に一つずつ順次、アクティブ化するよう制御することにより、波打つまたはくねる動きが達成可能である。そのような波動動きは、幅広い用途で有用または有利でありうる。たとえば微小流体工学システムにおいて、流体を推進するもしくは動かすため、ある種の機械的な「潤滑」効果を達成するため、あるいはアクチュエーター部材の波打つ表面と関わる任意の固体または流体の推進または動きを達成するためである。
一つまたは複数の部分集合の例によれば、硬磁性物質の粒子は、非一様な変形パターンを達成するよう、アクチュエーター部材において不均一に分散されてもよい。
具体的には、粒子は、たとえば、アクチュエーター部材内で、一組の空間的に離散的な集中部(concentration)において配置されてもよい。
磁場生成手段は、これらの場合、前記一組の空間的に離散的な集中部の各集中部を通じて、異なる諸磁場強度をもつ磁場を生成するよう動作可能であってもよい。コントローラは、異なる諸磁場強度の前記磁場を生成するよう磁場生成手段を制御するよう、特定の制御モードに従って構成されてもよい。このようにして、アクチュエーター部材の異なる局所的なセクションまたは領域が、異なる度合い、異なる方向または異なるパターンもしくは構成で変形するよう誘導されうる。
よって、これらの例においては、より複雑で込み入ったアクチュエーション・パターンおよびアクションが達成可能である。特に、変形に対するこの局在化された制御が、電気的に刺激される変形と組み合わされる場合、幅広い範囲の可能な変形パターンならびにアクチュエーション動きが実現可能である。よって、これは、提供されるアクチュエーター部材のための潜在的な応用の範囲を有意に拡大するとともに、すでに確立されている用途の範囲内でのその性能を向上させもする。
さらなる例は、アクチュエーター部材を利用するアクチュエーション方法を提供する。該アクチュエーター部材は:
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
該アクチュエーター部材の少なくともあるセクションが所与の方向に磁化を示すように順序付けられた、電気活性物質内に分散された硬磁性物質の粒子を含み;
当該方法は:
構成設定可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段および電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現することを含む。
さらなる例によれば、アクチュエーター・デバイスが提供される。本アクチュエーター・デバイスは:
アクチュエーター部材であって、ある厚さをもち、
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
電気活性物質内に分散された磁性物質の粒子を含む、アクチュエーター部材と;
前記アクチュエーター部材の少なくともあるセクション内のまたは該セクションに近接した磁場の強度を検出するよう適応された磁場センサーと;
前記磁場センサーからの出力に基づいて、前記アクチュエーター部材の形の変化の指標を決定するよう適応されたコントローラとを有する。
これらの例は、ある種の内在的な感知機能を有するアクチュエーター・デバイスを提供するために電気活性物質部材内に埋め込まれた磁性粒子を使うことに基づく。具体的には、今の例は、アクチュエーター部材の形状の変化のある側面の正確な指標をリアルタイムで、アクチュエーター部材の電気的刺激を受けて提供するよう制御可能である。よって、例は、少なくともいくつかの場合によれば、アクチュエーター部材の変形の度合いに関するリアルタイム・フィードバックを提供できる(アクチュエーター部材の形状の変化において具現される)。これらの感知機能は、たとえば、上記の本発明の諸実施形態に有利に組み込まれる。これについては以下の段落で、より詳細に述べる。
一つまたは複数の例に基づくコントローラは、アクチュエーター部材の厚さの変化の指標を決定するよう適応されてもよい。アクチュエーター部材はたとえば、向かい合う主要表面を含む層状構造を有していてもよい。この場合、厚さは、二つの主要表面の間に延在し、それぞれに対して法線方向の、アクチュエーター部材の寸法として理解される。しかしながら、より一般には、厚さは、アクチュエーター部材の任意の寸法を指しうるが、より典型的には、これらの例に基づいて提供される任意のアクチュエーター部材の三つの次元方向の寸法のうち、より小さいもの、あるいは最小のものを指しうる。
これらの例の概念は、アクチュエーター部材の厚さにおける変化の測定に関係して後述されるが、さらなる例では、それらの概念は、形状変化の他の側面の決定に容易に応用されうることを理解しておくべきである。これらは、限定しない例として、アクチュエーター部材の幅、高さまたは長さの変化またはアクチュエーター部材の曲率もしくはトポロジーの変化を含みうる。形状変化はさらなる例では、アクチュエーター部材の全体的なプロファイルまたは輪郭における変化を含んでいてもよい。これはたとえば、後述する決定方法または段階を、アクチュエーター部材の複数の異なるセクションに適用し、結果を処理して、アクチュエーター部材の全体的な形状またはプロファイルがどのように変化したかを判別することによって達成されうる。
少なくとも一つの部分集合の例によれば、コントローラは、磁場センサーからの前記出力に基づいて、磁場強度における変化を決定し、前記磁場強度の前記決定された変化に基づいて、アクチュエーター部材の形状の前記変化を決定するよう適応されてもよい。この決定は、たとえばこれら二つの値の間の既知の直接的または間接的な関係に基づいていてもよい。該決定は、それら二つの値を関係付ける方程式または表式に基づいていてもよく、あるいは代替例ではたとえば、前記決定を実行するためにコントローラにとってアクセス可能なルックアップテーブルの使用に基づいていてもよい。
少なくとも一つの部分集合の例によれば、コントローラはさらに、アクチュエーター部材への電気的刺激の印加および/またはアクチュエーター部材への磁場の印加によって、アクチュエーター部材の変形を誘起するよう構成されてもよい。これらの例に基づくコントローラは、よって、アクチュエーターのアクチュエーションおよび感知挙動の両方を制御するよう構成される。アクチュエーター部材のアクチュエーション制御は、磁気的に刺激された変形および/または電気的に刺激された変形を含みうる。感知フィードバックは、たとえば、電気的および/または磁気的手段による変形の制御と協調して、コントローラによって得られてもよい。より具体的には、コントローラは、アクチュエーター部材の形状の前記変化を判別するのと同時に、前記変形を誘起するよう動作可能であってもよい。
前記電気的刺激の印加は、アクチュエーター・デバイス内に電気的刺激生成手段をさらに含めることを通じて達成されてもよい。あるいはまた、コントローラは、外部の電気的刺激生成手段と動作上結合されるまたは結合可能であるのでもよい。刺激は、たとえば、電流であってもよく、あるいはさらなる例では電場であってもよい。
一つまたは複数の例によれば、コントローラは、前記決定された形状変化に依存して、アクチュエーター部材において誘起された形状または変形の程度を制御するよう適応されてもよい。よって、今記述している例の内在的な感知機能は、アクチュエーター部材の変形の制御を直接通知するために使用されうる。たとえば、コントローラは、少なくとも一つの制御モードでは、アクチュエーター部材の特定の閾値厚さ(または他の寸法もしくは形状閾値)が満たされるまで、印加されるアクチュエーション電圧を増やし続けるよう構成されてもよい。閾値が満たされた時点で、コントローラは、こうして達成された変形レベルを維持するために、電圧をその固定レベルに維持するよう構成されてもよい。さらなる例は、下記の諸セクションで、より詳細に述べられる。
今述べている一組の例のすべてにおいて、コントローラは、少なくとも、アクチュエーター部材の形状(たとえば厚さ)における変化の指標を提供するよう構成される。該指標は、いくつかの例では、その形状の変化のある側面の数値的な決定であっていてもよい。あるいはまた、該指標は、形状の変化の代理指標もしくは指示を提供しうる他の何らかの変数またはパラメータであっていてもよい。
いくつかの例では、コントローラは、磁場センサーからの出力に基づいて、アクチュエーター部材の厚さの指標を同定するよう適応されてもよい。これらの例においては、単に厚さの変化の指標ではなく、アクチュエーター部材の全厚さまたは絶対的な厚さの指標が得られる。これは、絶対的な厚さの数値的な尺度であってもよく、あるいはまた厚さに直接的もしくは間接的に相関した他の何らかの値もしくはパラメータであってもよい。
上記のように、この一組の例において提供される感知機能は、有利には、本発明の上記の実施形態に、あるいは上記のいずれかの例に組み合わされるまたは組み込まれるのでもよい。特に、磁性粒子は、本発明に基づく軟磁性粒子、あるいは硬磁性粒子であってもよく、磁歪性粒子を含んでいてもよい。これらの選択肢のそれぞれに関係する具体例をここで手短かに概説する。
少なくともある一組の例によれば、粒子は硬磁性物質の粒子であってもよく、コントローラは、検出された磁場強度とアクチュエーター部材形状との間の既知の直接的または間接的な関係に基づいて、アクチュエーター部材の形状の変化の前記指標を決定するよう適応される。
具体例では、コントローラは、メモリを有していてもよく、前記メモリに記憶された、あらかじめ定義されたルックアップテーブルによってアクチュエーター部材の形状の変化の前記指標を決定するよう適応されてもよい。該ルックアップテーブルは、アクチュエーター部材形状(たとえば厚さ)の値を、それぞれの検出された磁場強度と関連付けて格納している。
あるいはまた、コントローラは、所与の時間区間にわたる検出された磁場強度の変化を決定するよう構成されてもよく、該ルックアップテーブルは、形状変化の値を、ある範囲の可能な検出された磁場強度変化と関連付けて格納する。その際、磁場強度の測定された変化がルックアップテーブル内で同定されてもよく、こうして、対応する形状変化が決定されてもよい。
少なくとも一つの部分集合の例によれば、粒子は磁歪性磁性物質の粒子であってもよく、コントローラは、アクチュエーター部材の示される磁化の判別された変化に基づいて、形状の変化の前記指標を決定するよう適応される。磁歪性粒子は典型的には、力またはひずみの印加に応答して予測可能な仕方で変化または揺動する磁化(永久磁化または磁場によって誘導される磁化)を示すことを特徴とする。磁場センサーを使って、示される磁化の変化をモニタリングすることによって、アクチュエーター部材の既知の材料特性に基づいて、たとえば既知の弾性に基づいて、またはさもなくばアクチュエーター形状変化とアクチュエーター部材物質のボディー内での誘導される応力との間の既知の関係に基づいて、形状の変化の指標を決定することが可能である。
よって、コントローラは、アクチュエーター部材形状の変化と、粒子によって誘起される磁化の変化との間の既知の関係に基づいて、形状の変化の前記指標を決定するよう構成される。
少なくとも一つの部分集合の例によれば、粒子は、軟磁性物質の粒子であってもよく、コントローラは、磁場センサーからの前記出力に基づいて、アクチュエーター部材を通じた透磁率の変化を決定し、透磁率の前記決定された変化に基づいて、アクチュエーター部材の形状の変化の前記指標を決定するよう適応される。
具体的には、アクチュエーター部材厚さの変化は、一つまたは複数の例によれば、関係式
μ=αNd/<g> (1)
に基づいて決定されてもよい。ここで、αは物質依存の定数であり、Nは厚さに垂直な単位断面積あたりの粒子数であり、dは厚さに平行な方向での各粒子の寸法であり、<g>は厚さに平行な方向での粒子間の平均相互距離である。
アクチュエーター部材が(たとえば電気的な刺激の印加を通じて)厚さと平行な方向に変形される場合、粒子が互いに、より密接するよう圧縮される(圧縮の場合)または互いからさらに引き離される(膨張の場合)につれて、相互距離ギャップの大きさ<g>が変化する。相互距離ギャップのこの変化が、上記の関係式(1)に従って透磁率のもたらされる変化において、測定可能である。
具体的な検出される透磁率の変化は、コントローラによって、ルックアップテーブルを使ってアクチュエーター部材形状(たとえば厚さ)の対応する変化に関係付けられてもよい。あるいはまた、コントローラによって、決定された<g>の変化(μの測定された変化から導出される)および<g>とアクチュエーター形状との間の既知の関係に基づいて、計算されてもよい。これは、問題となっている特定のアクチュエーター部材に特有の、実験的に導出された関係であってもよく、あるいはまた、理論的に導出された関係であってもよい。
一つまたは複数の例によれば、粒子は、円対称でない(non-circularly symmetric)断面を有していてもよい。より一般には、粒子は、1より大きなアスペクト比を有していてもよい。すなわち、幅寸法よりも大きな長さ寸法をもつ断面を有していてもよい。この非対称性は、示される透磁率の変化に関し、加えられた変形に対する物質の感度を高める助けとなる。すなわち、形状における、より小さな変化が、透磁率の変化に関する、より大きな応答につながる。これは、決定されるアクチュエーター形状の変化の精度を改善しうる。
透磁率は、たとえば、外部磁場Bの印加に応答してアクチュエーター部材を通じて誘起される補助的な磁場Hを測定することによって決定されてもよい。透磁率はBとHの商から直接導かれる(すなわち、B=μH)。
よって、アクチュエーター・デバイスは、一つまたは複数の例では、アクチュエーター部材を通じて磁場を印加するための磁場生成手段をさらに有していてもよく、磁場センサーは、アクチュエーター部材を通じた前記印加された磁場の強さを検出するよう構成される。磁場は、たとえば磁気記録ヘッドまたはホール・センサーによって測定可能であってもよい。
諸例では、コントローラは、前記磁場生成手段に動作上結合されてもよく、アクチュエーター部材に前記磁場を印加するよう前記手段を制御するよう適応されてもよい。
さらに、具体例では、電気活性物質は、磁場生成手段の磁場による磁力がはたらいたときに物質を通じた粒子の移動を妨げるのに十分な粘性を有していてもよい。これは、アクチュエーター部材を通じた粒子の一貫した分布を保証し、それにより、透磁率の測定された変化が、アクチュエーター部材形状の対応する変化と、信頼できる仕方で関係付けられることができることを保証する。
今述べている一組の例の任意のものによれば、磁性物質の粒子は、アクチュエーター部材内に不均一に分散され、一組の空間的に離散的な粒子集中部(concentration)を形成してもよく、磁場センサーは、前記空間的に離散的な集中部の各集中部を通じた磁場強度を独立して検出するための手段を有する。
これは、アクチュエーター部材の異なるセクションの形状(たとえば厚さ)の変化が独立して測定されうる、より微妙なまたは巧妙な感知機能を可能にしうる。これはたとえば、アクチュエーター部材が、非一様な変形パターンに従って変形可能であるよう適応される場合に特に有利でありうる。これらの場合、アクチュエーター部材の種々のセクションが異なる特定の形状または構成を取るよう制御可能であり、それにより、より巧妙な全体的な変形パターンを提供してもよい。ここで、たとえばこれら個々のセクションの各セクションを通じた厚さの変化を感知することは、たとえばアクチュエーター部材を制御するためのフィードバックを提供することにおいて、特に有利でありうる。
追加的または代替的に、そのような複合感知機能は、アクチュエーター部材形状の、より複雑な諸側面の変化、たとえば部材の全体的なプロファイルの変化の決定を可能にしうる。部材の一連の連続するセクションのそれぞれがたとえば厚さまたは長さをどのように変えるかをモニタリングすることにより、部材の全体的な概形またはプロファイルがどのように変化するかを決定することが可能である。
さらなる例は、アクチュエーター部材の形状の変化を感知する方法をも提供する。該アクチュエーター部材は:
電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
電気活性物質内に分散された磁性物質の粒子を含み;
本方法は:
前記アクチュエーター部材の少なくともあるセクション内のまたは該セクションに近接した磁場の強度を検出するよう適応された磁場センサーから入力を受領し;
前記磁場センサーからの前記入力に基づいて、前記アクチュエーター部材の形状の変化の指標を決定することを含む。
ここで、付属の図面を参照して、例をより詳細に述べる。
クランプされていない既知の電気活性ポリマー・デバイスを示す図である。 裏打ち層によって制約されている既知の電気活性ポリマー・デバイスを示す図である。 例示的なアクチュエーター・デバイスを概略的に示す図である。 さらなる例示的なアクチュエーター・デバイスを概略的に示す図である。 図4の例示的なアクチュエーター・デバイスの、複数の磁場ではなく単一の磁場による作動を概略的に示す図である。 ポリマー小滴中に懸架され、EAP基質内に分散された磁性粒子を概略的に示す図である。 例示的なアクチュエーター部材のセクションを概略的に示す図である。 例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 さらなる例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 磁歪性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 軟磁性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 軟磁性粒子を含むさらなる例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 軟磁性粒子を含むさらなる例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 硬磁性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 硬磁性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。 磁歪正粒子を含む例示的なアクチュエーター部材を概略的に示す図である。
本発明は、たとえば電気活性ポリマーを有する電気活性物質アクチュエーターであって、向上されたアクチュエーションおよび/または感知効果を容易にするための埋め込まれた磁性粒子をもつものに関する。
例は、埋め込まれた軟磁性粒子を有するEAMアクチュエーター部材を含み、電気的刺激および磁場を該アクチュエーター部材に加える手段をさらに含むアクチュエーター・デバイスを提供する。コントローラが、これら二つの手段を協調された仕方で制御し、それによりアクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現するよう適応される。
例は、埋め込まれた硬磁性粒子を有するEAMアクチュエーター部材を含み、電気的刺激および磁場を該アクチュエーター部材に加える手段をさらに含むアクチュエーター・デバイスを提供する。コントローラが、これら二つの手段を協調された仕方で制御し、それによりアクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現するよう適応される。
例は、埋め込まれた磁性粒子を有するEAMアクチュエーター部材を含み、アクチュエーター部材のボディー内またはボディーに近接した磁場の強度を検出するための磁場センサーをさらに含むアクチュエーター・デバイスを提供する。コントローラが、磁場センサーからの出力に基づいて、アクチュエーター部材の形状の変化の指標を決定するよう構成される。コントローラは、特に、アクチュエーター部材の厚さの変化を決定してもよい。具体例では、決定された形状変化は、アクチュエーター部材の変形パターンを制御することにおけるフィードバックとして使われてもよい。
図3は、第一の例示的なアクチュエーター・デバイスを示している。本デバイスは、厚さ16をもち、複数の分散された磁性粒子を組み込んでいる電気活性ポリマー物質を有するアクチュエーター部材12を有する。アクチュエーター部材は、それぞれのクランプ18によってそれぞれの端部でクランプされる。二つのクランプは、アクチュエーター部材の横方向の膨張があればそれを、面外への曲がりまたは変形になるよう案内する。
アクチュエーター部材12に近接して、アクチュエーター部材のボディーを通じて延在する磁力線をもつ磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段22が配置されている。磁場生成手段は、伝導性コイルまたは巻き線の形の、ソレノイドのような制御可能な電磁石を有していてもよい。磁場生成手段は代替的に、永久磁石であってもよいが、これは、印加される磁場強度を変化させるために(あるいは磁場の印加を完全に止めるために)アクチュエーター部材のほうに/から磁石を物理的に再配置するためのさらなる手段を必要とするので、あまり好ましくないかもしれない。
磁場生成手段は図3ではアクチュエーター部材からずれたところに示されているが、さらなる例では、磁場生成手段はアクチュエーター部材と接触して配置されてもよい。一つまたは複数の例によれば、磁場生成手段は、アクチュエーター部材12の少なくともあるセクションのまわりに巻かれたコイルを有していてもよい。
アクチュエーター・デバイスはさらに、アクチュエーター部材12の向かい合う主要表面に取り付けられた一対の電極26を有する。電極は、例として、前記主要表面のそれぞれにラミネートされてもよい。あるいはまた、他のいかなる固定または安定手段が使われてもよい。電極をアクチュエーター部材に結合する好適な手段は、当業者にはすぐ明白になるであろう。
一対の電極26は、アクチュエーター部材12の電気活性ポリマー物質に対する電気的刺激を生成し、印加し、それによりアクチュエーター部材の変形を誘起する電気的刺激生成手段を提供する。具体的には、電極は、アクチュエーター部材の厚さ16を通じて電場を印加するよう動作可能である。この場合、電気活性ポリマー物質は、電場駆動電気活性ポリマー物質、たとえばエラストマーまたは他の好適な電場駆動の電気活性ポリマー物質であってもよい(好適な例は上記で、また下記のさらなる部分でも概説した)。
この特定の例では、電気的刺激生成手段は一対の電極26の形で提供されているが、さらなる例では、追加的または代替的に、電流を印加するための手段が提供されてもよい。これはたとえば、アクチュエーター部材上の個別の点の対においてアクチュエーター部材に電気的に結合された電気的な接点の対を含みうる。これらの場合、電気活性ポリマー物質は、上記で、または下記のさらなる部分に記載される例に基づくイオン性電気活性ポリマーであってもよい。
アクチュエーター・デバイスはさらに、磁場生成手段22および一対の電極26と動作上結合され、アクチュエーター部材12において一つまたは複数の変形パターンのプログラムを実現するよう、協調された仕方で前記二つの手段を制御するよう動作可能なコントローラ30を有する。図3の特定の例では、コントローラは、磁場生成手段および一対の電極と電気的に結合され、それぞれの手段への制御可能な電流または電圧の送達を通じてそれら二つの手段の制御を実装するよう適応される。電場生成手段に送達される電流または電圧を制御することによって、印加される場の大きさが変えられる。電極対26に送達される電圧を制御することによって、アクチュエーター部材12の厚さ16を通じて誘起される電場の強さも制御されうる。
さらなる例では、磁場生成手段22はさらに、別個の専用の電源を設けられてもよく、コントローラ30は、手段22によって生成される磁場の強さまたは場のパターンを、動作結合(operative coupling)を通じた制御コマンドの送信を通じて、制御するよう適応される。
今述べている例によれば、EAP物質内に分散される磁性粒子は軟磁性物質の粒子である。しかしながら、図3に示されるアクチュエーター・デバイス構造は、軟磁性粒子または硬磁性粒子を有するアクチュエーター部材12と完全に両立できることを理解しておくべきである。硬磁性粒子を組み込んでいる具体例は、のちにより詳細に述べる。
今の例についてのアクチュエーター部材12は、軟磁性粒子をブレンドされた電気活性ポリマー物質を有し、よってEAP複合材をなす。軟磁性粒子は、外部的に印加される磁場によって可逆的に磁化可能であり、外部印加された場を取り除くと(ほとんど即座に)磁化を失う粒子として理解される。軟磁性粒子は具体例では、たとえば軟強磁性粒子、常磁性粒子または超常磁性粒子であってもよい。
図3(a)は、アイドルな、アクチュエーションされていない状態でのアクチュエーター部材12を示す。
図3(b)は、磁場生成手段22によってアクチュエーター部材に磁場32が印加されたときのアクチュエーター部材12を示す。今の例では、磁場生成手段は、非一様な磁場強度をもつ磁場、特に、磁場生成手段の極から離れる方向に磁場強度が減少する場を印加するよう構成される。
先のセクションで述べたように、軟(常)磁性物質に何らかの磁場を加えると、該物質は磁化されて、加えられた磁場の方向と(場の源22の磁化と)同じ配向の向きをもつ磁化を取得する。今の例では、それぞれの磁性粒子が、印加された磁場と同じ配向の向きに磁化される。
印加された磁場が場の源に向かう向きに配向された磁場強度勾配をもつ場合、これは、このようにして磁化された磁性物質と印加された磁場の源との間の正味の磁気的引力を誘起する。これは、非一様な磁場が磁化された各粒子の二つのそれぞれの極の間に大きさ勾配を示し、よって、それぞれにおいて感じられる引力および反発力における不均衡につながるからである。磁場は、粒子の誘導された「S」極(図3の視点からは上)におけるほうが、N極におけるよりも強い。よって、S極における引力(磁気源22のN極に引きつけられる)のほうがN極における反発力(磁気源22のN極によって反発される)より強い。よって、磁場生成手段22のほうに向かう正味の引力がある。
図3(b)に示されるように、磁場32の印加に際して、前記粒子と磁場生成手段22との間の、こうして誘起される引力は、アクチュエーター部材の変形を誘起する。具体的には、アクチュエーター部材において、磁場生成手段の方向に曲がり36が誘起される。
図3(c)は、アクチュエーター部材の厚さ16を通じた磁場および電場の同時印加に際してのアクチュエーター部材12を示している。図のように、これら二つの刺激の組み合わせは、アクチュエーター部材12の同様の曲がりを誘起するが、振幅または大きさは、磁気的な刺激単独を通じて誘起される場合に比べて、有意に増大している。電極26による電場の印加は、(クランプ18のため)電気活性ポリマー物質の、面外への変形を誘起する。この電気的に誘起される変形が、磁気的な変形と組み合わさって、向上された全体的なアクチュエーション応答を生じる。
ここで、磁場生成手段についてのいくつかの異なる制御モードを、付属の図面を参照して、より詳細に述べる。純粋に明確のため、これらの例示的な制御モードを例解するために呈示される図面では、電気的刺激生成手段およびコントローラは示されていないが、それぞれの付属の図面および例において、記載される例示的制御モードを具現するアクチュエーター・デバイスは実際には前記の描かれていない特徴を有しており、コントローラはすべての場合において、電子的刺激生成手段および磁場生成手段両方の協調された制御によって一つまたは複数の変形パターンを実現するよう構成されることを理解しておくべきである。協調された制御は、上記で説明したように、同時のおよび/または順次の制御を含みうる。
図3の例では、軟磁性粒子が、アクチュエーター部材を通じて実質的に均一に分散されて提供されている。しかしながら、さらなる例では、磁性粒子は不均一に分布させられてもよい。これは、たとえば、非一様な変形パターンの実現を可能にしうる。
図4(a)は、第一の例を示している。ここで、磁性粒子は、中心領域42に局所的に集中していて、周囲の領域は磁性粒子をもたない。結果として、磁場32をアクティブ化すると、この中心領域42のみが磁場生成手段22のほうへの引力を経験する。これは、より局在化された形の変形を誘起する。特に、誘起される曲がりまたは歪みは、アクチュエーター部材全体を通じて均等に広がるのではなく、アクチュエーター部材の、より小さな中心セクションのみに広がるまたはカバーする。
追加的または代替的に、図4(a)に示される粒子の配置は、磁場が、図3および図4の例に示したように狭い局在化された領域のみを通じて加えられるのではなく、たとえアクチュエーター部材12の長さ全体を通じて均一に加えられる場合でも、アクチュエーター部材の曲がりが磁気的に誘起されることを可能にする。
図4(b)は、中心でない局所的集中部42に集められた軟磁性粒子を有する例示的なアクチュエーター部材を示している。図のように、これは、アクチュエーター部材の変形の刺激が、アクチュエーター部材の左端のセクションに局在化されることを可能にする。例では、これは、電極(図示せず)を使ったアクチュエーター部材の電気的刺激などと組み合わされて、それにより複合的な変形パターンを提供してもよい。該複合的な変形パターンは、アクチュエーター部材の全体的な、実質的に均一の曲がりまたは歪みが、図4(b)に示されるように磁気的に誘起される局在化された変形36と組み合わされることで形成される。
図4(a)の例と同様に、局在化された磁場32が図に示されているが、この例は、アクチュエーター部材12の長さ全体を通じて均一に印加される磁場に完全に適合する。
図4(c)は、アクチュエーター部材12の長さを通じて、三つの均等に離間した領域42に局所的に集中している磁性粒子を含む、さらなる例を示している。それぞれの局所的領域42の間にそれぞれのクランプ18が設けられる。図のように、それぞれの局所的領域42を通じて延在する磁場を印加するよう動作可能な磁場生成手段22が提供される。別個の局所的磁場32がそれぞれの領域に印加されてもよく(図4(c)に示されるように)、あるいは単一の磁場がアクチュエーター部材の長さ全体を通じて均等に適用されて、局所的領域42のそれぞれをカバーしてもよい。この後者の場合は、参照のために図5に示されている。この場合、複数の局在化される磁場が刺激される図4(c)の配置よりも、収束が有意に少ないことがありうることが注意される。
三つの局所的領域42を通じた磁場(単数または複数)の印加に際して、各領域を通じて、局所的に集中した変形が誘起され、それにより、アクチュエーター部材12の長さに沿って三つのこぶまたは突起の配置からなる複合的な変形パターンを誘起する。他の例と同様に、これは、アクチュエーター部材におけるEAP物質の電気的な刺激と組み合わされてもよく、それにより図4(c)に示される三つの局所的なこぶが、アクチュエーター部材の長さ全体を通じて均等に延在するアクチュエーター部材の、より広い全体的な曲がりまたは歪みの上に重畳されたものからなる複合的な変形パターンを提供してもよい。
三つのセクションが磁気的に刺激されるのは、同時に、別個に、あるいはたとえば動的な仕方で順次にでありうる。これらのセクションの独立した刺激は、三つのセクションのそれぞれを通じた印加のために別個の局所的な磁場が生成される図4(c)の配置の提供を要求することがある。等価だが、アクチュエーター部材の異なるセクションについて変わる場の強さをもつ磁場を生成できる、単一の磁場生成手段が設けられてもよい。
上記の諸実施形態において、電気活性ポリマー基質は、埋め込まれた磁性粒子がEAP基質物質を通じて移動するのを妨げるような粘性をもつものと想定される。粘性は、磁場生成手段22によって粒子に加えられる磁力が、ポリマー基質の粘性抵抗に打ち勝つには不十分であるようなものである。これは、電気活性ポリマーが比較的高い弾性率(たとえばヤング率)をもつ場合には、典型的には成り立つ。
一つまたは複数の部分集合の例によれば、磁性粒子は、EAP基質よりも低い粘性をもつ、弾性変形可能なポリマー小滴に囲まれてもよい。これは、図6に概略的に示されている。図6は、磁性粒子がポリマー小滴48に懸濁されて提供されるアクチュエーター部材の例示的な領域を示している。小滴は周囲のEAP基質46内に埋め込まれている。
ポリマー小滴はEAP基質全体を通じて分散され、各小滴は一つまたは複数の剛性の磁性粒子の集合を含む。EAPの電気的な刺激に際して(図6の右に示される)、ポリマー小滴は、その形状を弾性的に変化させることを通じて、EAP基質の誘起される変形に従うが、その相対的により低い粘性のため、ポリマー基質を通じて移動はしない。二つのポリマーは特に、不混和性であるべきである。
磁性粒子をポリマー小滴内に包んで提供することの効果は、EAP基質の変形に対する抵抗の緩和でありうる。これは、EAPの変形に際して、ポリマー粒子は、周囲のEAPに有意な抵抗を加えることなく変形できるためである。これは、磁性粒子がEAP基質内に直接埋め込まれている系とは対照的である。この場合、EAP分子が粒子の表面に沿って移動(剪断変形)しなければならないので、粒子は、EAPの変形に対して部分的な抵抗を及ぼす。小滴に対する剪断変形も起こるが、これらの小滴の粘性はEAPの粘性より有意に低いので、変形に対する部分的な抵抗は少なくなる。
上記のように、本発明の実施形態によれば、磁場生成手段および電場生成手段の両方の協調した制御を通じて、広い範囲の変形形状および効果が実現できる。これは、たとえば、二つの手段を同時に作動させて、複合的なアクチュエーション・パターンを提供することを含んでいてもよい。加えられる磁場の方向に依存して、電場効果および磁場効果は、同じ方向または逆方向に適用されうる。両者が同じ方向に適用される場合には、強められたまたは増強された変形応答が達成できる。両者が逆方向に適用される場合には、アクチュエーター部材の種々のセクションにおいて逆向きの曲がりが誘起される、双方向的なアクチュエーション・パターンが達成されうる。
電場および磁場が同時に加えられる場合、向上された振幅の変形応答を生じるためには、誘起される磁力が帯電した電極によって誘起される静電力より大きいことが保証されるべきであることを注意しておく。
上記の実施形態の任意のものについて、磁性粒子の濃度および/または変形可能なポリマー小滴の濃度は、アクチュエーター部材における変形応答を強めるまたは弱めるために、変えられてもよい。粒子の濃度は、アクチュエーター部材を通じて非一様に変えられてもよく、それにより非一様な変形応答パターンを提供するようアクチュエーターをチューニングしてもよい。
本発明の基づく諸例は、改善されたパフォーマンス機能をもつEAPアクチュエーターを提供する。具体的には、この側面に基づく例示的アクチュエーターは、磁気的および電子的に誘発された変形を組み合わせることを通じて、より大きなアクチュエーション力を提供できる、および/または、電子的および磁気的刺激両方を協調して用いることを通じて、より広い範囲の種々のアクチュエーション動きおよび変形形状を提供できる。各刺激手段によって誘起される変形は重ね合わされてもよく、あるいは順次的に制御されてもよい。
適切にクランプすることによって、異なる領域において異なる形状またはアクチュエーション・アクションを示すアクチュエーター部材が誘起されることができる。たとえば、図4(c)に示されるように三つの領域をもつアクチュエーター部材である。これは四つ、五つまたは任意の数の領域に拡張されうる。各領域は、磁気的刺激を通じて、独立して制御されてもよい。それらのセクションは、一緒にまたは順次に刺激するよう制御されてもよい。上記のいずれかの例によれば、アクチュエーター部材の異なる領域またはセクションの独立した磁気的刺激を容易にするために、複数の磁場生成手段22が設けられてもよい。磁場生成手段が、アクチュエーター部材12の同じ側に、あるいは異なる方向性をもつ磁場の印加を可能にするよう異なる複数の側に設けられてもよい。異なる領域に異なる方向の場を加えることによって、それら異なる領域は、異なる方向に変形するよう誘起されうる。よって、双方向性が達成可能である。
ここで、代替的な例示的なアクチュエーター・デバイスについて、付属の図面を参照して述べる。これらの例は、分散された硬磁性粒子をもつEAPアクチュエーター部材を含み、アクチュエーター部材に電気的刺激および磁場を印加する手段をさらに含むアクチュエーター・デバイスを提供する。これら二つの手段を協調された仕方で制御し、それによりアクチュエーター部材において一つまたは複数の変形パターンのプログラムを実現するよう適応される。
上記のように、図3に示されるデバイス・アーキテクチャーは、この一組の代替例において好適に用いられてもよい。図3に表現されている具体例は軟磁性粒子を有するが、これらの粒子を硬磁性物質の粒子で置き換えることは、本側面と完全に整合するアクチュエーター部材を与える。よって、読者は、好適な例示的なアクチュエーター・デバイスの構造の詳細な記述については、上記の図3に関する記述を参照されたい。
今の例に基づくアクチュエーター部材は、硬磁性物質の粒子が分散されているEAP物質を有する。本稿の目的のためには、硬磁性物質は、(外部磁場の事前の印加によって)不可逆的に磁化されており、磁場を除去してもその磁化を失わない(すなわち有意な残留磁化をもつ)物質であると理解される。硬磁性粒子は、限定しない例として、強磁性物質、たとえばフェライトおよび金属、たとえばSmCoまたはNdFeBのような金属から作られてもよい。硬磁性粒子を形成するための他の好適な物質は、当業者にはすぐに明白になるであろう。
分散された硬磁性粒子をもつアクチュエーター部材を提供するには、硬磁性粒子が電気活性ポリマーにブレンドされて、EAP複合材を形成してもよい。この複合材が、アクチュエーター部材12の本体を形成するために使用されてもよい。アクチュエーター部材の一様かつ一貫した磁化を保証するために、磁性粒子は磁化のプロセスを必要とする。これは、粒子の磁気モーメントを一様な方向に揃えるために、強い磁場の印加を通じて達成される。
この磁化は、粒子をブレンドする前に実行されてもよいが、それは、粒子間の磁気的引力のため、粒子の凝集(clumping)につながりうる。それはさらに、EAP物質を通じた粒子の一様なブレンドを難しくする。よって、より好ましくは、粒子の磁化は、EAP複合材のブレンド後、粒子がEAP内ですでに位置を固定されてから実行される。この場合のEAPは、分散された磁性粒子が磁場の印加に応答してEAPを通じて移動するのを妨げるよう十分に高い粘性をもつべきである。
粒子を磁化するために、ブレンドおよび形成後にアクチュエーター部材に外部磁場が印加されて、磁気モーメントを一貫した方向に揃える。磁場は、粒子の保持場の強さよりも大きな磁場強度をもつべきである。好ましい場合では、均一な(すなわち磁場強度が一様な)磁場が粒子を磁化するために使われる。そうすれば、(すべての点で同じ磁場強度が経験されるため)アクチュエーター部材の全体を通じて、より均一な磁化につながるからである。しかしながら、印加される磁場強度が粒子を磁気飽和させるほど十分高い場合には、非一様な磁場強度の磁場を使った磁化も考えられてもよい。
一つまたは複数の例によれば、意図的に非一様な磁場が、アクチュエーター部材を磁化する際にアクチュエーター部材に加えられてもよい。部材を通じて非一様な磁化パターンを誘起するためである。非一様な磁化を提供することによって、アクチュエーター部材のアクチュエーション挙動に変化をつけることができる。具体的には、特定の領域の変形応答が局所的な磁化の大きさに依存する。種々の領域を通じた磁化の強さを変えることによって、異なる領域は、一様な磁場の印加に対して、より大きなまたはより小さな程度、応答しうる。これは、単に一様磁場の印加に応答して、興味深い複雑な変形パターンを作り出すことを可能にしうる。
具体例では、他の領域が一様に磁化される一方、いくつかの領域は磁化されないままにされてもよい。これは、印加された磁場によって、磁化された諸領域が、磁化されていない領域を中心としてまたは磁化されていない領域のまわりに変形するという、ヒンジ式またはジョイント式の変形応答を提供しうる。磁化された粒子のエリアは、諸例では、非磁化粒子のエリアによって離間されてもよい。一つまたは複数の例によれば、アクチュエーター部材の異なるエリアは、異なる極性または方向性の磁化を与えられて、二つの隣接する領域はたとえば逆方向に磁化されてもよい。
上記のように、今述べている諸例に基づくアクチュエーター・デバイスの基本構造は、上記の図3の例解から理解されうる。しかしながら、(磁気的および電子的手段によって)アクチュエーター部材において変形パターンを誘発するための制御モードは、一般には、軟磁性粒子を有する例で利用されたものとは異なりうる。今の諸例に基づくアクチュエーター部材を制御するためのモードおよび手段について、ここで詳細に述べる。
図7は、例示的なアクチュエーター部材12を磁気的に操作するための単純な第一の手段を概略的に示している。この図は、分散された硬磁性粒子をもつ例示的なアクチュエーター部材12の小さなセクションを示している。これらの粒子は、アクチュエーター部材に(図7の視点から)上向きの全体的な磁化を与えるために一様に整列される。これらの粒子は(上記の実施形態とは異なり)磁場の継続的な印加に依存しない永久残留磁化をもつので、今の諸例では、印加される磁場の方向性を制御することを通じて、種々の所望される方向に変形するよう、アクチュエーター部材を制御することが可能である。
このことは、図7に示される二つの構成において例解される。左側の構成では、磁場生成手段22は、アクチュエーター部材12に分散された粒子の磁化と同じ配向の磁化をもつ(非一様な磁場強度の)磁場を印加するよう制御される。この場合、印加される磁場は、粒子に対して、引力(すなわち、磁場生成手段22の方向)をはたらかせる。電気活性ポリマーの粘性は、この例によれば、ポリマー基質を通じた粒子の移動を妨げるよう十分に高い。結果として、印加された磁場によって及ぼされる引力は、磁場生成手段22に向かう向きにアクチュエーター部材の曲がりを誘起する。
図7の右側の構成では、磁場生成手段は、アクチュエーター部材12内の粒子の磁化に対して逆向きの磁化をもつ非一様な磁場強度の磁場を印加するよう制御されるまたは構成される。この場合、印加された磁場は、粒子に対して反発力(すなわち、磁場生成手段22から離れる方向)をはたらかせる。結果として、この磁場の印加は、磁場生成手段22から離れる方向へのアクチュエーター部材12の少なくとも示されているセクションの曲がりにつながる。
よって、印加された磁場の方向を制御することによって、例示的なアクチュエーター部材12の一つまたは複数のセクションに誘起される曲がり(または他の形の変形)の方向を制御することが可能であることがわかる。
いずれの場合にも、非一様な磁場強度の磁場が印加される。磁場は特に、磁場生成手段22から離れる方向に磁場強度が減少する。磁化された物体に外部磁場が及ぼす磁力は一般に関係式
Figure 0006730527
によって与えられうる。磁場が磁場生成手段からの増大する距離の関数として磁場強度が減少する場合、磁場生成手段に向かう方向にmBの正の勾配を生じる(アクチュエーター部材を通じて一様な磁化を仮定する)。磁性粒子に及ぼされる磁力の具体的な方向は、それぞれの場合において、粒子の磁化の方向に対する、印加される磁場の方向に依存する。
磁場生成手段が小さい場合、あるいは少なくとも磁場生成手段がその空間的広がりの中に含まれるまたは限定される場を生成できる場合、アクチュエーター部材の局所的に絞られた変形が達成されることができる。
この概念は図8に概略的に示されている。この例におけるアクチュエーター部材12は、その長さ全体を通じて一様な磁化をもって用意されている。アクチュエーター部材の各セクション52、54における磁化の方向は同じである。
図8(a)では、第一の磁場生成手段22がアクチュエーター部材12の第一のセクション52を通じて、粒子の磁化と逆向きに磁場32を印加し、第二の磁場生成手段22がアクチュエーター部材の第二のセクション54を通じて、粒子の磁化と同じ配向の向きに磁場32を印加する。結果として、第一のセクション52における粒子は反発力を経験し、第一のセクションを第一の磁場生成手段から離れるほうに変形させ、第二のセクション54における粒子は引力を経験し、第二のセクションを第二の磁場生成手段のほうに変形させる。その結果、アクチュエーター部材において波状のまたは波打っている変形パターンが生じる。
図8(b)は、同様の制御方式を示している。ここでは、二つの磁場の方向性が反転されており、第一のセクション52が下向きに変形され、第二のセクション54が上向きに変形されている。
二つの磁場生成手段22の方向性を時間の関数として繰り返し切り換えることによって、動的な波状のまたは蛇行する変形効果が達成されうる。
二つの磁場の方向性を変えることに加えて、二つの磁場の強度も、時間の関数としてまたは静的に、変えられてもよい。二つの隣り合うセクションのそれぞれにおいて異なる変形の度合いを達成するためである。結果として、ほとんど無制限の範囲の異なる双方向的な変形パターンが達成可能である。
さらに、図8には二つのセクションしか示されていないが、当業者は、この概念が、それぞれ独立して制御可能な磁場を与えられる任意の数の異なるセクションを有するアクチュエーター部材に拡張されうることを容易に理解するであろう。これは、各セクションについて独立した磁場生成手段を提供することによって、あるいは異なる横方向位置において異なる強さをもつ磁場を生成できる磁場生成手段を提供することによって、容易にされうる。
多数、たとえば10以上の独立して制御可能なセクションに拡張されるときには、連続する各セクションについての磁場の順次のアクティブ化を通じて、アクチュエーター部材に沿った進行する波パターンを生成することが可能である。そのような進行波は、たとえばアクチュエーター部材上に流体流を生成するためなどに有利に使用されうる。これはたとえば、ポンプとして使用されることができる。この種の波打つ変形モードは、たとえば流体を推進するまたは動かす微小流体システムのために特に有用である。
図9は、図8の例示的な制御モードに対する変形を示している。ここでは、(横方向に)一様な磁場がアクチュエーター部材を通じて印加されており、二つの隣接するセクション52、54に分散された粒子がそれぞれ異なる配向の磁化をもつ。結果として、横方向に一様な磁場32を印加すると、アクチュエーター部材12の二つの隣接するセクション52、54のそれぞれは、異なるそれぞれの方向に変形する。
図9(b)に示されるように、印加される磁場32の方向性を切り換えることによって、二つの隣接するセクション52、54のそれぞれの変形方向は反転されることができる。よって、この例でも、図8の例で達成される動的な波打つ動きは、単一の横方向に一様な磁場32の方向性を繰り返し切り換えることによって、達成可能である。
さらなる変形効果も、諸例に基づいて、アクチュエーター部材12の電気活性ポリマー基質内での粒子の非一様な分布を提供することを通じて、達成可能である。これらの達成可能な効果は、図4の例を参照して図示し、上記したものに対応する。局所的な集中部において磁性粒子を配置することによって、局在化された変形効果が実現可能である。
図4を参照するに、硬磁性粒子を中心領域42に集中させることによって、中心に局在化された曲がりまたは変形が実現可能である。さらに、印加される磁場32の極性が、諸例に基づき反転されて、それにより、アクチュエーター部材のこの中央セクション42の曲がりの異なる方向を達成してもよい。磁場方向は、繰り返し反転されて、それによりたとえば振動運動を達成することができる。同じ原理は、図4(b)に示されるような中心でないセクション42に関しても適用可能である。
追加的または代替的に、図4(c)に示されるように、粒子の複数の局所的な集中部を提供することによって、局在化された変形が局所的領域42のアレイにわたって実現されることができる。隣接する領域のそれぞれの間にクランプを設けることによって、局所的な変形効果が向上されうる。さらに、諸例に基づき、各個別セクションの曲がりの方向性は、所与の領域において印加される磁場の方向を変えることを通じて、独立して制御されてもよい。結果として、広い範囲の異なる変形パターンが達成可能である。
上記の諸例を記述するにあたっては、アクチュエーター部材の磁気的変形についての制御のみが詳細に記載されてきた。しかしながら、今の諸例の任意のものの実装において、磁気的変形効果が、電気的に誘起される変形効果と協調して、あるいはそれと相補的に適用されることは理解される。図3に示されるように、諸例において、印加される電場の形で電気活性ポリマーに電気的な刺激を加えるために、アクチュエーター部材の向かい合う主要表面に取り付けられた一対の電極が設けられてもよい。
電気的に誘起される変形は、磁気的に誘起される変形と同時に適用されてもよく、あるいはコントローラ30は、複雑な静的なもしくは時間変化する変形パターンを達成するために、二つの刺激の協調された順次制御を実施するよう構成されてもよい。すべての場合において、二つの刺激手段(電子的および磁気的)の協調された制御が、異なる変形アクション、形状および効果の、有意に向上された範囲および広さを可能にする。
上記の本発明の任意の実施形態によれば、あるいは上記で詳述したさらなる諸例によれば、磁性粒子は磁歪性粒子であってもよい。磁歪性粒子は、磁気エネルギーを機械エネルギーに、あるいは逆に機械エネルギーを磁気エネルギーに変換または転換することを特徴とする。磁歪性物質の磁化に際して、物質はひずみ、すなわち単位長さ当たりのその長さの変化を示す。逆に、磁性物質における外的に誘起されたひずみ(すなわち、外力の印加を通じて誘起されたもの)は物質の磁気状態における変化につながり、それにより物質を通じて示される磁場の変化を誘起する。磁歪性粒子のこの磁気的状態と機械的状態との間の双方向的な結合がもたらす転換機能が、アクチュエーションおよび形状変化の感知の両方のために使用されうる。
磁歪性粒子は、軟磁性物質または硬磁性物質から形成されてもよく、よって、下記の例は本発明の任意の実施形態または上記の任意の例への適用に適合する。
磁歪性粒子を使う磁気的に誘起された変形の簡単な例が図10に示されている。例示的なアクチュエーター部材12は、中に磁歪性粒子が分散された電気活性ポリマー物質を含む。
上の図は、磁場印加の前のアイドル状態にあるアクチュエーター部材12を示している。この第一の状態における例示的な磁性粒子62の磁気的特性が概略的に示されている。この例示的な粒子は、例示的な一組の磁区を有するものとして描かれている。各磁区は、異なる相対的整列をもつ磁気双極子を有する。四つの正確に垂直な配向に整列された粒子を含む四つの磁区が示されているだけだが、これは単に概略的な図示であって、現実には、もっと多くあってもよく、通例は、種々の方向に整列された双極子を含む、非常に多数の(たいていは微視的な)磁区が粒子内にあるであろう。
印加される磁場がない場合(粒子62の場合のように)、種々の磁区を通じた磁気双極子はランダムな方向をもち、よって、巨視的には、双極子モーメントは打ち消し合って、各粒子はゼロの正味磁化を示す。
図10の下の図は、均一な磁場(アクチュエーター部材の広がりを通じて一様であり場所の関数として変化しない磁場強度をもつ磁場)の印加の際のアクチュエーター部材を示している。均一な磁場は、制御可能な電磁石または他のコイルもしくはソレノイドといった、好適な磁場生成手段(図示せず)によって加えられる。
印加される磁場の影響のもとで、種々の磁歪性粒子の磁区の磁気双極子が共通の方向(印加された磁場に平行)に整列しはじめる。粒子64は、低強度の磁場を印加した際の例示的な粒子の磁区を概略的に表わし、粒子66は、高強度の磁場を印加した際の磁区を表わしている。後者の時点で、粒子内のすべての磁区の双極子が整列しており、事実上、すべて共通の方向に整列した双極子からなる単一の均一な磁区となっている。
そのようなアクチュエーター部材12に何らかの均一な磁場が加えられると、引力も反発力も経験されないが、磁歪性粒子は印加された磁場に応答して形状変化する。特に、磁歪性粒子の体積が変化する。刺激されていない状態において球状である粒子を想定すると、磁場の印加により、粒子はわずかに変形して楕円体形になる。巨視的には、これは、小さいが大きめの力をもつアクチュエーションを提供するために使用されうる。
磁歪性粒子の具体的な型に依存して、磁場の印加の際、アクチュエーター部材において長さの増大または長さの減少が得られる。具体的には、物質に依存して、正の磁歪効果または負の磁歪効果という二つの異なる種類のうちの一方の磁歪効果が達成されてもよい。これら異なる効果は、所与の磁場の印加に対して、異なる関連した変形応答をもつ。
図10の例では、負の磁性物質の粒子が示されている。垂直方向に整列された磁場の印加の結果、粒子の、水平方向に整列された変形(または圧縮)が生じる。結果として、アクチュエーター部材の厚さ16の全体的な縮小が生じる。
この変形応答は、均一または不均一な磁場を使って達成可能であることを注意しておく。よって、これらの例は、磁気的に誘発されるアクチュエーションが不均一磁場の印加に際してのみ達成できる(非磁歪性粒子の使用に関する)上記の例とは異なる。
図10の特定の例では、均一な磁場72がアクチュエーター部材12に印加され、それにより磁性粒子における体積変化を誘起する。物質型に依存して、アクチュエーター部材における長さの増大または長さの減少が達成されうる。図10の特定の例では、長さの増大が示されている。結果として、アクチュエーター部材の電気活性ポリマー基質は、アクチュエーター部材の厚さ16に垂直な方向に膨張する。膨張は、小さな振幅だが大きな力のアクチュエーション力を提供するために利用されうる。
上記のように、低強度の磁場の印加に対する例示的な粒子の変形応答が64において示されている。見て取れるように、横方向への粒子のわずかな膨張がある。
さらなる例では、磁場の影響のもとで収縮するよう適応された磁歪性物質が使われてもよい。この場合、電気活性ポリマー基質はやはり小さな振幅だが高い力で、対応して収縮する。これら両方の種類の物質を単一のアクチュエーター部材内で組み合わせることが、たとえば、アクチュエーター部材の異なるセクションがそれぞれ膨張または収縮しうる双方向的な駆動を可能にしうる。
一つまたは複数のさらなる例によれば、磁歪性粒子はアクチュエーター部材を通じて非一様に分布させられ、それにより磁歪性粒子の、一組の局所的な集中部を提供してもよい。これは、図4の例に関係して述べたものと同様の、局在化された変形効果が達成可能である効果を可能にしうる。たとえば、図4(c)のように三つの相異なる集中部の組に粒子を集中させることにより、前記局在化された領域42のそれぞれにおいて、異なる膨張または収縮効果が誘発されうる。特に、粒子の高い濃度をもつ領域では、ポリマー基質のいかなる膨張または収縮も、より大きくなり、よって、局所的な変形効果が生じる。任意の所望される変形配位を作り出すために、設計により、電気活性ポリマー・ブレンドにおける粒子の不均一性が導入されてもよい。
一つまたは複数のさらなる例によれば、粒子の一様なまたは非一様な分布が、構造化された磁場と組み合わせて利用されてもよく、それによりアクチュエーター部材の異なる局所的領域に異なる変形効果を達成しうる。具体的には、構造化された磁場は異なる局所的領域において異なる磁場強度または方向を有していてもよく、それにより局所的に変化する変形効果を実現しうる。
磁歪性粒子の使用は、本発明の記載された任意の実施形態または上記で概説した任意の例と有利に組み合わされてもよい。
さらなる一組の例は、EAP内に分散された磁性粒子の磁気的特性をモニタリングすることを通じて、EAPアクチュエーター部材の状態の変化の感知に関する。
これらの例によれば、埋め込まれた磁性粒子をもつEAPアクチュエーター部材を含み、アクチュエーター部材のボディー内のまたは該ボディーに近接する磁場の強度を検出するための磁場センサーをさらに含むアクチュエーター・デバイスが提供される。コントローラが、磁場センサーからの出力に基づいて、アクチュエーター部材の形状の変化の指標を決定するよう構成される。個別的実施形態では、形状における決定された変化は、アクチュエーター部材の変形パターンを制御する際にフィードバックとして使われてもよい。
少なくとも一組の実施形態に基づくコントローラは、特に、アクチュエーター部材の厚さの変化の指標を決定するよう適応される。アクチュエーター部材はたとえば、向かい合う主要表面を含む層状構造を有していてもよい。この場合、厚さは、二つの主要表面の間に延在し、それぞれに対して法線方向の、アクチュエーター部材の寸法として理解される。しかしながら、より一般には、厚さは、アクチュエーター部材の任意の寸法を指しうるが、より典型的には、今述べている諸例に基づいて提供される任意のアクチュエーター部材の三つの次元方向の寸法のうち、より小さいもの、あるいは最小のものを指しうる。
下記では、特にアクチュエーター部材の厚さにおける変化の測定に関係する具体例が記述されるが、さらなる諸例では、同様の概念が、形状変化の他の側面の決定に容易に応用されうることを理解しておくべきである。これらは、限定しない例として、アクチュエーター部材の幅、高さまたは長さの変化またはアクチュエーター部材の曲率もしくはトポロジーの変化を含みうる。形状変化はさらなる諸例では、アクチュエーター部材の全体的なプロファイルまたは輪郭における変化を含んでいてもよい。
本概念は、硬磁性粒子、軟磁性粒子および/または磁歪性粒子を含むアクチュエーター部材に適用されうる。これらの事例のそれぞれに関する具体例をここで詳細に述べる。
本概念を分散された軟磁性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材に適用したものが図11ないし図13に示されている。本概念は、この場合、分散された軟磁性粒子を含むアクチュエーター部材の透磁率をモニタリングすることに基づく。
フェライト粒子(透磁率は容易に1000を超えられる)のような高い透磁率をもつ粒子については、電気活性ポリマー複合体の透磁率(μ)は
μ=αNd/<g>
に比例すると想定されうる。ここで、αは比例パラメータ、Nはアクチュエーター部材の厚さに垂直な単位表面積当たりの粒子の数(ここで、厚さは、前セクションで述べた意味に理解される)、dはアクチュエーター部材の厚さと平行な各粒子の平均寸法、<g>は厚さと平行な方向におけるアクチュエーター部材の磁性粒子間の平均相互距離である。
分散された磁性粒子の長さdがアクチュエーター部材の厚さと平行な方向に増加させられる(すなわち粒子に不均等なアスペクト比を与える)場合、任意の所与の<g>についての示される透磁率の全体的な大きさは有意に増す。これは、分散された磁性粒子をもつ例示的なアクチュエーター部材12を示す図11に概略的に示されている。左側の図では、粒子は高さおよび幅の次元方向において実質的に対称的であり、小さなd 82および大きなギャップ距離<g>をもつ。
右側の図は、有意に膨張した高さ寸法d 82をもつ粒子をもつアクチュエーター部材を示しており、結果として相互距離ギャップ<g>は有意に小さくなっている。これらの変化の結果として、透磁率μは100倍増大する。これらの数値は単に例解のために与えられており、増大した高さ寸法dを与えるための粒子のいかなる等価な適応も等しく適用可能である。
これらの高さ拡大された楕円体粒子の提供は、一連のよく知られたプロセスのどれを通じて達成されてもよい。そのような粒子を形成する手段は当業者には(特にコロイド化学者なら誰でも)すぐに明白となるであろう。
図11に示される粒子の一様な整列は、アクチュエーター部材12に対して比較的大きな、均一な磁場を適用し、一方でその温度を高めてそれにより電気活性ポリマー基質の粘性抵抗力を減少させることによって達成されうる。粒子を整列させるために不均一場も使われてもよいが、これは粒子に対して正味の並進力をはたらかせることになり、EAP基質内での粒子の分散を乱すことになる。均一な磁場の使用はこの困難を回避する。
ひとたび要求された整列が達成されたら、粒子をその場に固定するために、温度は今一度下げられてもよく、印加磁場が除去されてもよい。
高い固有透磁率をもつ物質の粒子を考えるとき、アクチュエーター部材12の有効透磁率はほぼd/<g>に比例する。図11の右側の図のように粒子が適切に整列されたとき、相互空間ギャップ<g>は典型的には、粒子の「高さ」寸法dよりも有意に小さい。比d:gについての典型的な値はたとえば10:1であってもよい。結果として、アイドルな、アクチュエーションされていない状態におけるアクチュエーター部材の有効透磁率はμ=α*N*10にほぼ比例しうる。
電極26(アクチュエーター部材の向かい合う主要表面に配置されている)の間に電圧が加えられると、アクチュエーター部材12を通じて電場が確立され、それによりアクチュエーター部材の厚さの減少が誘発される。磁性粒子が電気活性ポリマー基質より硬い場合は、厚さにおけるこの圧縮は、粒子がより密集するよう強制し、それにより平均相互空間距離<g>を減らす。
このことは、複数の分散された軟磁性粒子82をもつ例示的なアクチュエーター部材12を示す図12に概略的に示されている。電極26の間に電圧を加えると、アクチュエーター部材は厚さにおいて収縮するよう誘導され、それにより、図12の右側の図に示されるアクチュエーションされた状態になる。図のように、粒子間の相互空間ギャップdは有意に減少している。
具体的には、ギャップがそのサイズの半分に減少させられる場合、透磁率μは二倍になり、μ=α*N*20にほぼ比例しうる。ギャップがそのもとのサイズの十分の一にまで減少させられる場合、透磁率は10倍に増大し、α*N*100にほぼ比例しうる。粒子間のギャップが完全にふさがれる(すなわち、粒子の間のEAPが完全に押しつぶされて粒子間のギャップがゼロになる)ほど十分に部材12の圧縮が大きいとすると、透磁率は粒子の本来的な(intrinsic)透磁率に戻り、μ=α*N*μintrinsicにほぼ比例する。上記のように、これは場合によっては1000を超える値であることができる。
よって、アクチュエーター部材の厚さの変化は(電気的に誘起された変形であれそれ以外であれ)、アクチュエーター部材の示される透磁率の測定可能な変化に直接つながる。アクチュエーター部材の構造が図11および図12の例に基づく場合、厚さにおける小さな変化は、示される透磁率における大きな変化(たとえば数桁の変化)につながる。よって、アクチュエーター部材12の透磁率における変化を測定することによって、厚さの変化が定量的に導出されることができる。
アクチュエーター部材の透磁率は、たとえば、さらに設けられる磁気センサー、たとえば磁気記録ヘッドまたはホール・センサーによって測定されてもよい。たとえば、アクチュエーター・デバイスはさらに、アクチュエーター部材を通じた小さな(たとえば均一な)磁場を印加するための磁場生成手段を有していてもよく、透磁率は、アクチュエーター部材を通じた示される補助場の変化を測定することによって測定される(すなわち、一般的な関係B=μHを使う)。均一な磁場を加えることによって、この感知機能は、不均一磁場を使ってアクチュエーター部材の磁気的に誘起された変形があったとしてもそれに干渉することなく、提供されうる。このようにして、本稿に記載される厚さ感知は、上記の本発明に関係して述べた例示的なアクチュエーター実施形態の任意のものに有利に組み込まれうる。
図12のアクチュエーター・デバイスは、磁気センサー(および任意的には磁場生成手段)が動作上結合されうるコントローラ(図示せず)を有していてもよい。コントローラは、アクチュエーター部材の透磁率をモニタリングするよう、あるいはアクチュエーター部材を通じた磁場強度をモニタリングするようセンサーを制御するよう構成されうる。測定される磁場強度に基づいて、コントローラは、アクチュエーター部材を通じた透磁率の変化または透磁率の絶対値の変化を計算するよう構成されてもよい。
たとえば、測定されたまたは決定された透磁率(または透磁率変化)は、記憶されているルックアップテーブルを使って対応する厚さ変化に変換されてもよい。ルックアップテーブルは、アクチュエーター・デバイスに含まれる、たとえばコントローラに含まれるメモリに記憶されていてもよい。ルックアップテーブルは、ある範囲の異なる可能な測定または決定される透磁率値に対応すると知られている関連する厚さ変化値を格納していてもよい。あるいはまた、厚さの変化は、理論的な関係を使って、コントローラによって計算されてもよい。
具体例では、測定された透磁率値または決定された厚さ変化値は、コントローラによって、アクチュエーター部材の磁気的および/または電気的刺激を制御することにおいて使用されてもよい。このようにして、部材厚さの測定された変化が、アクチュエーター部材のアクチュエーションの程度または形状について制御を通知するために使用されてもよい。よって、上記の感知機能は、アクチュエーター部材の変形を制御する際に、一種の直接的なフィードバックとして使用されうる。
一つまたは複数の例によれば、磁性粒子はアクチュエーター部材12を通じて非一様に分布させられてもよい。例が図13に概略的に示されている。図13は、アクチュエーター部材のEAP基質を通じて分布させられた軟磁性粒子の、三つの空間的に離間した局所的な集中部42を含むアクチュエーター部材を示している。図のように粒子の不均質性を与えることによって、アクチュエーター部材の異なる局所的セクションにおけるアクチュエーター厚さの感知が可能にされうる。特に、それぞれの局所的な集中部42を通じた磁場または透磁率を感知するために別個の専用の磁気センサーが設けられてもよい。このようにして、透磁率の、よって厚さ変化の独立した局所的な測定が達成されうる。
本概念を分散された硬磁性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材に適用したものが図14および図15に示されている。本概念は、この場合、アクチュエーター部材の限られた横方向のストレッチを通じて示される磁化の強さをモニタリングすることに基づく。厚さが変化すると、アクチュエーター部材の単位表面積当たりの体積が変化し、それにより、任意の固定した長さを通じた磁化に寄与する永久磁化粒子の数が変わる。これが、付随する磁場センサーによって感知され、厚さの変化があればその程度の指標を提供するために使われることができる。
この実施形態の単純な例が図14に示されている。左側の図は、非アクティブな(アクチュエーションされていない)状態における分散された硬磁性粒子をもつ例示的なアクチュエーター部材12を示す。右側の図は、電極96、98の間で、厚さ16を通じて電場を印加した際のアクチュエーター部材を示している。電場はアクチュエーター部材のEAP物質を変形するよう刺激し、それにより厚さの減少につながる。
アクチュエーター部材12に近接して、アクチュエーター部材内またはアクチュエーター部材に近接した位置における磁場強度をモニタリングまたは測定するよう動作可能な磁場センサー92が配置されている。
図14に概略的に示されているように、アクチュエーター部材12の電気的刺激に際して、磁気センサー92の感知領域102内に位置する磁性粒子の数が減少する。結果として、アクチュエーター部材のこの特定の横方向セクションによって示される全磁場強度は、測定可能な仕方で減少する。磁場センサー92によって感知される磁場強度の変化をモニタリングすることによって、アクチュエーター部材の厚さの変化が検出およびモニタリングされうる。
磁場センサー92がコントローラ(図14には示さず)に動作上結合されていてもよい。コントローラは、感知された磁場強度に基づいて、アクチュエーター部材の厚さの任意の変化の指標を決定するよう構成されている。これは具体例では、コントローラのローカル・メモリ内に記憶されているまたはコントローラにとってアクセス可能である事前決定されたルックアップテーブルによって達成されうる。ルックアップテーブルは、一組の測定された磁場強度のそれぞれに相関付けられたアクチュエーター部材厚さ値を格納している。これらの値はたとえば、それぞれの個別的なアクチュエーター部材について実験的に導出されてもよく、あるいは特定の仕様のすべてのアクチュエーター部材に属すると知られている標準的な値であってもよい。厚さ変化値は代替的に、コントローラによって、既知の理論的関係に基づいて決定されてもよい。
アクチュエーター部材の厚さの決定された変化は、今述べている諸例において、アクチュエーター12を制御するための変位フィードバックを提供するために使われてもよい。たとえば、厚さ測定がアクチュエーター部材の電気的刺激を制御することにおいてコントローラに情報を与えるための直接的または間接的なフィードバックを提供する制御ループが確立されてもよい。たとえば、事前決定されたルックアップテーブルを介してまたは他の仕方で、コントローラは、所望される厚さに達するまで、電極96、98の間に加えられる電圧を増大するよう構成されてもよい。所望の厚さに達したら電圧はそのまま一定値にされる。
アクチュエーター厚さと感知される磁場強度の変化との間の厳密な関係は、多様な要因に依存する:磁場センサー92によって感知される永久粒子の数、これらの粒子のセンサーへの距離、そしてまたアクチュエーターのアクチュエーションによって誘起される変形の特定の形状――たとえば、アクチュエーターの曲がりは、磁性粒子とセンサーとの間の平均距離における電圧依存の変化につながりうる。
このことは、図15に概略的に示されている。図15は、分散された硬磁性粒子をもち、両端で一組のクランプ18によってクランプされている例示的なアクチュエーター部材12を示している。アクチュエーター部材が電気的に刺激されると、クランプのため曲がりが誘起され、その結果、磁性粒子と磁場センサー92との間の距離が増す。これは典型的には、感知される磁場強度の低下につながりうる。これを考慮に入れるために、コントローラは、電気的な変形の結果として生起する場の強度の期待される変化を、事前決定された仕方で補償するよう構成されてもよい。これを容易にするために、コントローラは、電極96、98および磁場センサーの両方に動作上結合されていてもよく、それにより、任意の時点において、アクチュエーター部材に印加されている具体的な電圧を知ることができる。次いでそれが、補償される磁場強度値を計算することにおいて使用されうる。
今の諸例のどれについても、電気的および磁気的アクチュエーション効果は、磁性粒子濃度、粒子直径および/または粒子形状を変えることによって定量的にチューニングされてもよい。
本概念が分散された磁歪性粒子を含む例示的なアクチュエーター部材に適用されたものが図16に概略的に示されている。本概念はこの場合も、アクチュエーター部材における磁性粒子によって示される磁化の強度をモニタリングすることに基づく。アクチュエーター部材の刺激および結果として生じる変形に際して、変形によってアクチュエーター部材に誘起されるひずみに依存する大きさの応力が、EAP基質内に誘起される。これらの応力は磁歪性粒子に加わる。上記で論じたように、磁歪性粒子は、加えられた応力に応答して予測可能な仕方でその磁化を変化させる性質をもつ。よって、アクチュエーター部材の少なくともあるセクションを通じた示される磁化をモニタリングすることによって、アクチュエーター部材の厚さの変化(すなわち、誘起されるひずみの成分)が決定およびモニタリングされることができることがわかる。
例が図16に概略的に示されている。図16は、磁歪性粒子が中に分散されている電気活性ポリマー物質でできた例示的なアクチュエーター部材12を示している。左側の図は、初期のアクチュエーションされていない状態でのアクチュエーター部材を示す。ある例示的な磁性粒子の磁気的特性が62によって概略的に示されている。これは、この初期状態では、粒子の正味磁化がゼロである(磁気双極子がランダムな方向に向いている)ことを示している。アクチュエーター部材の変形に際して、磁性粒子の形状は変形され、62の、より球状の形から、63の、より楕円体状の形に変わる。結果として、粒子は、正味の磁化(63に示される)を獲得するよう誘導される。今の例については、粒子は、正の磁歪性物質であると想定される。結果として、粒子は、アクチュエーター部材の水平方向の変形に対して、対応する水平方向の磁化(今の例では図16の視点から右から左の方向)をもって応答する。磁化の方向について、次のことも注意しておく:磁気双極子が水平面内にある限り、好まれる方向はない。粒子密度が十分大きいときは、磁気双極子配向が水平面内である方向に整列するよう、相互の影響があることがある。設計または動作においてこのことを考慮に入れることができる。
図16に示される特定の粒子形状は単に概念の例解のために呈示されており、さらなる諸例では、記載される例の主張される効果を減じることなく、粒子は任意の所望される形状をもちうる。
示される磁化の変化は、設けられる磁場センサーによって測定されうる。これは、限定しない例として、導体巻き線(磁気記録ヘッドにおけるような)またはたとえばホール・センサーまたは磁気抵抗センサーであってもよい。磁場強度を測定するために好適な他の現状技術の磁気センサーは当業者にはすぐに明白であろう。
磁場センサーは、検出された磁場強度に基づいて、アクチュエーター部材12の厚さ16の値または厚さの変化を決定するよう動作可能なコントローラと動作上結合されてもよい。厚さ変化は、たとえば、コントローラのローカル・メモリ内に記憶されているまたはコントローラにとってアクセス可能である事前決定されたルックアップテーブルによって決定されうる。ルックアップテーブルは、一組の測定された磁場強度のそれぞれに相関付けられたアクチュエーター部材厚さ値を格納している。これらの値はたとえば、それぞれの個別的なアクチュエーター部材について実験的に導出されてもよく、あるいは特定の仕様のすべてのアクチュエーター部材に属すると知られている標準的な値であってもよい。厚さ変化値は代替的に、コントローラによって、既知の理論的関係に基づいて決定されてもよい。
上記の諸例のように、アクチュエーター部材の厚さの決定された変化は、たとえば、アクチュエーター12を制御するための変位フィードバックを提供するために使われてもよい。たとえば、厚さ測定がアクチュエーター部材の電気的刺激を制御することにおいてコントローラに情報を与えるための直接的または間接的なフィードバックを提供する制御ループが確立されてもよい。
先述した実施形態と同様に、測定される磁場強度は、磁性粒子と磁場センサーとの間の距離を含むいくつかの要因に依存する。この距離は、アクチュエーター部材が電気的な刺激に際して曲がるよう適応されている場合、印加される場電圧(または電流)の関数として変わりうる。コントローラはたとえば、たとえば先の例に関係して述べた諸方法に従って、そのような電圧依存の場強度変化を補償するよう適応されてもよい。
やはり先の例に関係して論じたように、決定された厚さ変化は、アクチュエーター部材の変形の制御を通知することにおいて、コントローラによって利用されてもよい。決定された厚さ変化は、たとえば、(上記のような)アクチュエーターのアクチュエーション挙動を制御することにおけるフィードバック・ループの一部として使われてもよい。
上記で論じたように、磁歪性粒子は、硬磁性物質または軟磁性物質の粒子でありうる。よって、今述べている一組の例は、具体的な事例では、本発明の任意の上記の実施形態または上記で概説したさらなる例に組み合わされ、あるいは組み込まれてもよい。
今の諸例の任意のものに基づき、アクチュエーター部材の形状の変化の感知は、電気的刺激または磁気的刺激によってアクチュエーター部材の変形を誘発するのと同時に実行されてもよい。磁気的感知および磁気的に誘発された変形を同時に行なうためには、形状(たとえば厚さ)変化の決定は、アクチュエーター部材を通じてアクティブに加わっている既知の磁場を補償することを必要とすることがある。
たとえば、分散された硬磁性粒子の場合、アクチュエーター部材を通じたいかなる測定される磁場強度も、典型的には、変形を誘発するために加えられている磁場を含みうる。(上記の諸例で述べたように、部材を通じた示される磁場強度の変化をモニタリングすることを通じて)形状変化をモニタリングするためには、測定された磁場強度から、既知のアクティブに加えられている磁場の大きさを減算するまたは他の仕方で消去することが必要であるだけである。軟磁性粒子または磁歪性粒子を埋め込まれたアクチュエーター部材における形状変化を測定する場合にも、同様の補償方式が適用されることができる。
今の諸例の任意のものに基づいて、部材のアクチュエーションを(電気的にまたは磁気的に)刺激することによって引き起こされるアクチュエーター部材の形状(たとえば厚さ)の変化の決定が達成可能でありうる。これは、特に、アクチュエーションに先立って部材の形状の指標を決定し、その後、部材のアクチュエーション後に形状の指標を決定することによって達成されうる。上記で論じたように、アクチュエーション前後の検出された磁場強度に基づいて、アクチュエーター部材の形状の指標(たとえば、厚さ、高さまたは幅の指標)を決定するために、ルックアップテーブルまたは計算方法が使われてもよい。これら二つの値を比較する(たとえば一方を他方から引く)ことによって、形状変化の指標が達成できる。
本明細書の上記の詳細な記述では、本発明に基づくデバイスおよびシステムの構築および動作はEAPについて記述されてきたが、本発明は実のところ他の種類のEAM(電気活性物質)に基づくデバイスについて使われることができる。よって、そうでないことが示されるのでない限り、上記のEAP物質は他のEAM物質で置き換えることができる。そのような他のEAM物質は当技術分野において知られており、当業者はどこで見出し、どのように適用するかを知っているであろう。いくつかの選択肢について、下記に述べる。
電場駆動のEAMは、有機または無機物質であることができ、有機であれば、単一の分子、オリゴマーまたはポリマーであることができる。電場駆動のEAMは一般に圧電性であり、可能性としては強誘電性であり、よって、自発的な永久分極(双極子モーメント)を有する。代替的に、電場駆動のEAMは電歪性であり、よって駆動されるときにのみ分極(双極子モーメント)を有し、駆動されないときには有さない。代替的に、電場駆動のEAMは誘電リラクサー物質である。そのようなポリマーは、これに限られないが、次のサブクラスを含む:圧電性ポリマー、強誘電性ポリマー、電歪性ポリマー、リラクサー強誘電性ポリマー(たとえばPVDFベースのリラクサー・ポリマーまたはポリウレタン)、誘電エラストマー、液晶エラストマー。他の例は、電歪性グラフト・ポリマー、電歪紙、エレクトレット、電気粘弾性エラストマーおよび液晶エラストマーを含む。
自発分極がないというのは、電歪性ポリマーが、非常に高い動作周波数であっても、ほとんどまたは全くヒステリシス損を示さないということを意味する。しかしながら、かかる利点は温度安定性を代償として得られるものである。リラクサーは、温度がほぼ10°C以内に安定化されることができる状況において最もよく機能する。これは一見、きわめて限定的であるように思われるかもしれないが、電歪体が高周波数および非常に低い駆動電場ですぐれていることを考えると、用途は、特化した微小アクチュエーターにおいてである傾向がある。そのような小さなデバイスの温度安定化は比較的単純であり、しばしば、全体的な設計および開発プロセスにおける軽微な問題を呈するだけである。
リラクサー強誘電性物質は、良好な実用のために十分に高い、すなわち同時の感知およびアクチュエーション機能のために有利な電歪定数(electrostrictive constant)をもつことができる。リラクサー強誘電性物質は、印加される駆動場(すなわち電圧)がゼロのときは非強誘電性であるが、駆動中は強誘電性になる。よって、非駆動時には、物質中に電気機械結合は存在しない。駆動信号が加えられるときに、電気機械結合がゼロでなくなり、上記の手順に従って、駆動信号の上に小振幅の高周波数信号を加えることを通じて測定できる。さらに、リラクサー強誘電性物質は、ゼロでない駆動信号での高い電気機械結合と、良好なアクチュエーション特性との、類を見ない組み合わせから裨益する。
無機リラクサー強誘電性物質の最も一般的に使われる例は:ニオブ酸鉛マグネシウム(PMN)、ニオブ酸鉛マグネシウム‐チタン酸鉛(PMN-PT)およびジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)である。だが他の例も当技術分野において知られている。
PVDFベースのリラクサー強誘電体ベースのポリマーは、自発電気分極を示し、ひずみを与えた方向における改善された性能のために、あらかじめひずみを与えられることができる。下記の物質の群から選択されるいずれであってもよい。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン(PVDF-TrFE)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐クロロフルオロエチレン(PVDF-TrFE-CFE)、ポリフッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐クロロトリフルオロエチレン(PVDF-TrFE-CTFE)、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、ポリウレタンまたはそれらの混合物。
電流駆動EAMおよびEAPは、共役ポリマー、イオン性ポリマー金属接合体(IPMC: Ionic Polymer Metal Composites)、イオン性ゲルおよびポリマー・ゲルを含む。
イオン駆動EAPの例は、共役ポリマー、カーボンナノチューブ(CNT)・ポリマー複合材料およびイオン性ポリマー金属接合体(IPMC: Ionic Polymer Metal Composites)である。
誘電エラストマーのサブクラスは、これに限られないが、次のものを含む:
アクリレート、ポリウレタン、シリコーン。
共役ポリマーのサブクラスは、これに限られないが、次のものを含む:
ポリピロール、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン、ポリ(p-フェニレンスルフィド)、ポリアニリン。
上記の物質は純物質としてまたは基質中に懸濁された物質として組み込まれることができる。基質材料はポリマーを含むことができる。
EAM物質を含むいかなるアクチュエーション構造にも、加えられる駆動信号に応答してのEAP層の挙動に影響するために、追加的な受動層が設けられてもよい。
EAPデバイスのアクチュエーション構成または構造(actuation arrangement or structure)は、電気活性物質の少なくとも一部に制御信号または駆動信号を提供するための一つまたは複数の電極をもつことができる。好ましくは、該構成は二つの電極を有する。EAPは二つ以上の電極の間にはさまれてもよい。このようにはさむことが必要とされるのは、エラストマー誘電物質を有するアクチュエーター構成についてである。そのアクチュエーションが、中でも、駆動信号のために互いに引きつけ合う電極によって加えられる圧縮力に起因するからである。前記二つ以上の電極は、エラストマー誘電物質に埋め込まれることもできる。電極はパターン化されていてもパターン化されていなくてもよい。
基板がアクチュエーション構成の一部であってもよい。基板は、EAPおよび電極の集合体に電極と電極の間で、あるいはそれらの電極のうちの外側にある一つに、取り付けられることができる。
電極は、EAP物質層の変形に追随するよう、伸張可能であってもよい。これはEAP物質にとって特に有利である。電極に好適な材料も知られており、たとえば、金、銅もしくはアルミニウムのような薄い金属膜または有機伝導体、たとえばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン(PANI)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、たとえばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホナート)(PEDOT:PSS)からなる群から選択されうる。たとえばアルミニウム被覆を使って、金属化ポリエチレンテレフタラート(PET)のような金属化ポリエステル・フィルムが使われてもよい。
いくつかの構成は、電気活性物質層のそれぞれの側に電極層を有していてもよい。たとえばインターディジット型の櫛形電極を使って、一方の側にのみ電極を設けることも可能である。
異なる層のための材料はたとえば、異なる層の弾性率(ヤング率)を考慮に入れて選択される。
デバイスの電気的または機械的な挙動を適応させるために、上記で論じたものに対する追加的な層が使用されてもよい。たとえば追加的なポリマー層である。
上記の例は、電気活性物質(特にポリマー)と他の粒子(一般に「充填材」と称される)を組み合わせる複合材物質を利用する。
そのような複合材物質が製造できる仕方および電気活性物質の物理的および電気的特性に対する影響について、これから論じる。
誘電エラストマー電気活性物質の例がまず呈示される。これらは二つの電極の間にはさまれて、誘電電気活性ポリマー・アクチュエーターを作り出す。シリコーン・ゴムが、主要な、応用されるエラストマー群である。変形は、正負に帯電した電極の間の引力の結果である。
シリコーン中の粒子の混合は、工業規模で広く使われる。例として、超音波トランスデューサー・レンズが、音響インピーダンスおよび摩耗耐性を増すために鉄および酸化ケイ素で充填されたシリコーン(PDMS: Polydimethylsiloxane[ポリジメチルシロキサン])で作られる。ルチル(TiO2)を含むPDMS(シリコーン)複合体は、屈折率を増すためまたは白い反射性物質を作り出すために、広く使われている。
誘電電気活性ポリマーの性能に関し、セラミックのような非伝導性の硬質粒子と混合することは、二つの主要な有意な効果がある。第一に、物質の硬さが増し、同じひずみレベルを得るために、より大きな力が必要になる。もう一つの効果は、複合材の誘電定数が変化するということである(一般に、充填材の誘電定数は、3に近いシリコーンの誘電定数より高い)。電圧に依存するひずみ効果が正であるか負であるかは、粒子の誘電定数および粒子サイズに依存する。より多くの小さな粒子は、硬さに対してより大きな効果をもつ。
このことは、非特許文献1において論じられている。例として、粒子添加は誘電定数を増すが、硬さをも増す。
このように、誘電電気活性ポリマーの特性に影響するためにエラストマーに充填材を混合することは既知である。
シリコーン・エラストマーは一般に、二つの成分を混合することによって調製される。その一方はPtまたは過酸化物硬化触媒(peroxide curing catalyst)を含んでいる。それら異なる成分は、高速混合器において混合されることができる。同じプロセスにおいて、充填材が加えられることができ、あるいは一方または両方の成分に充填材がすでに事前に混合されていてもよい。充填材物質は一般に、処理の間に蒸発する溶媒において適用される。高速混合器において混合した後または混合中に、一般に、空気(および溶媒)包有物を除去するために真空が加えられる。この後、混合物はキャスティングされ、硬化されることができる。硬化温度および時間はポリマー等級に依存するが、典型的には約80°Cで10分間である。たいていの粒子は、(たとえば硫黄含有物質のように)触媒を無効化しない限り、シリコーンに適合する。過酸化物硬化シリコーン(peroxide curing silicones)はそれほど敏感ではない。
シリコーンは、射出成形されることができる(LSR: liquid silicone rubber[液体シリコーン・ゴム])。二つの成分は、(静的な)混合器を通過後、LSR射出成形機のスクリューの上に射出される。充填材粒子は一方または両方の成分に事前混合されていてもよい。前記物質は、冷たいスクリューによって搬送され、厚い金型中に射出され、そこで温度に依存して高速に硬化する。LSRは非常に低い粘性をもつので、非常に薄いセクションが実現できる。典型的な硬化温度は180°Cに近く、時間は約30秒ないし1分である。
薄膜の形でもシリコン・ゴム複合体成分を生産するために、キャスティングおよび射出成形のほかに、いくつかの他の成形技術が利用可能である。例は、押し出し(箔およびプロファイル)、箔のローリング、多層のラミネーションおよびローリング、ドクターブレード・フィルムキャスティング、スピンコーティングおよびスクリーン印刷である。
充填は、製造ポイントでローカルに実行されることができる。それはたとえば、マルチショット射出成形(2ショットまたは上乗せ成形)、シリコーン供給および上乗せキャスティングまたはシリコーン積層式製造(すなわち3D印刷)を使うことによる。
圧電性ポリマー複合材の例を次に呈示する。
PVDF(基質ポリマー)およびPZTのようなセラミック粒子を含む圧電性ポリマー複合材が研究されてきた。溶媒流延およびスピンコーティングのような製造技術が好適である。また、冷間および熱間プレス技法が好適である。PVDFを溶解させた後、粘性混合物が得られるまで溶媒を蒸発させ、次いで、充填材粒子の混入が実行されてもよい。よく分散した粒子サイズ分布および手つかずのポリマー基質をもつPVDFポリマー・ベース複合材が実現されうる。
次に、リラクサー電歪性ポリマー・アクチュエーターの例が呈示される。
これらは、中程度のひずみで比較的高い力を与えることのできる半結晶性ターポリマーのクラスである。よって、これらのアクチュエーターは幅広い範囲の潜在的な用途をもつ。リラクサー電歪性ポリマーは「通常の」PVDFポリマーから、適正な欠陥修正を用いることによって、開発された。リラクサー電歪性ポリマーは:フッ化ビニリデン(VDF)、トリフルオロエチレン(TrFE)および1,1-クロロフルオロエチレン(CFE)またはクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含む。
VDF-TrFEと共重合される1,1-クロロフルオロエチレン(CFE)のような化学的モノマーの形の欠陥の添加は、通常の強誘電相をなくし、150MV/mで7%より大きな電気機械ひずみおよび0.7J/cm3の弾性エネルギー密度をもつリラクサー強誘電体につながる。さらに、P(VDF-TrFE)共重合体の高電子照射により欠陥を導入することにより、該共重合体も「通常の」強誘電P(VDFTrFE)から強誘電性リラクサーに変換されることができる。
前記物質は、非特許文献2に記載されるように、ポリマー合成によって形成されてもよい。この文献は、懸濁重合プロセスと酸素活性化される開始剤との組み合わせを開示している。これらのフィルムは、溶液をガラス基板上に注いで、次いで溶媒を蒸発させることによって形成されることができる。
所望される充填材は、フィルムキャスティングの前に溶媒に加えられることができる。キャスティング後、複合材はアニーリングされて、溶媒を除去し、結晶性を増すことができる。結晶化レートは、充填材濃度および粒子サイズ分布に依存して低減することができる。伸張は分子鎖を整列させる。伸張は、粒子が分子鎖をピン留めすることができるので、より難しくなる。誘電定数は、あるひずみに達するための必要とされるアクチュエーション電圧を低減するたいていの添加物については、増大する。物質の硬さは増し、ひずみを低減する。
製造プロセスは、このように、ポリマー溶液を形成し、粒子を加え、混合し、その後、キャスティング(たとえばテープ・キャスティング)することに関わり、キャスティングは潜在的にはラミネーションと組み合わされてもよい。代替はスピンコーティング、プレスなどである。
濃度の局所的変動は、供給(dispensing)およびまたは3D溶媒印刷を使って実現できる。10ないし20μmの間の層厚さがたとえば3D印刷プロセスで可能である。
すべての例において、充填材の添加は一般に、破壊電圧に対する効果がある。ある電気活性ポリマーで到達できる最大ひずみは、印加できる最大電圧によって決定される。その最大電圧が絶縁破壊電圧(または絶縁耐力)である。
ポリマーの破壊電圧は、加えられる外場のもとでのポリマー分子の解離に関係している。ポリマー基質に充填材粒子を加えることは、破壊電圧に有意な影響をもつことができる。特に、より大きな粒子は、局所的に場を高めることができる。よって、ポリマーをサブミクロン範囲の粒子と混合することは、電圧破壊に対する、より低い負の効果をもつ。さらに、ポリマー‐充填材界面構造は、電圧破壊に強く影響することができる。
粒子の集塊化は、破壊電圧を低減させるもう一つの効果である。しかしながら、粒子表面を修正し、集塊化を防止し、界面構造を改善することにより、電圧破壊レベルの負の効果は低減されることができる。しかしながら、充填されたポリマーは、充填されていないポリマーよりも低い絶縁破壊強度を得ることになり、より低いアクチュエーションひずみにつながる。
結論として、誘電電気活性ポリマーについては、粒子との混合は、幅広い範囲の工業的な混合および成形技術を使って達成できる。硬さに対する効果、よってアクチュエーターのためのストローク低減を限定的にしておくために、より小さな濃度が好ましい。所与の体積濃度について、硬さに対する効果を限定的にしておくために、小さすぎない粒子も好ましい。硬さの上昇を補償するために、軟らかいベース・ポリマーが選択されることができる。増大した誘電定数は、低下した電圧でのアクチュエーションを可能にすることができる。絶縁耐力を維持するために、粒子サイズおよび濃度は制限されるべきであり、ポリマー‐充填材界面および粒子分散を改善するために施策が講じられることができる。局所的な濃度変動が印刷されることができる。
リラクサー型電気活性ポリマーについても、粒子との混合が可能である。粒子濃度およびサイズの、硬さおよび絶縁耐力に対する影響に関する同様の傾向は、上記した効果と同様である。粒子は、重合後に加えられることができる。溶解したポリマーは、テープ・キャスティングおよびスピンコーティングのようなさまざまな技術を使って成形されることができる。局所的な濃度変動も可能である。
特許請求される発明を実施する際に、図面、本開示および付属の請求項の吟味から、開示される実施形態に対する他の変形が当業者によって理解され、実施されることができる。請求項において、単語「有する/含む」は、他の要素やステップを排除しない。単数表現は複数を排除しない。ある種の施策が互いに異なる従属請求項において記載されているというだけの事実が、これらの施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。
請求項に参照符号があったとしても、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (14)

  1. アクチュエーター・デバイスであって:
    アクチュエーター部材であって、
    電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
    前記電気活性物質内に分散された軟磁性物質の粒子を含む、アクチュエーター部材と;
    前記アクチュエーター部材に印加するための制御可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段と;
    電気的刺激生成手段と;
    前記磁場生成手段および前記電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現するよう動作可能なコントローラとを有する、
    アクチュエーター・デバイス。
  2. 前記磁場生成手段が、前記アクチュエーター部材を通じた印加のための非一様な磁場強度の磁場を生成する
    よう構成されており;および/または
    軟磁性物質の前記粒子が前記アクチュエーター部材内に不均一に分散されており;
    それにより、いずれの場合にも、前記アクチュエーター部材を通じた非一様な変形パターンを達成する、
    請求項1記載のアクチュエーター・デバイス。
  3. 前記協調された制御が、前記磁場生成手段および前記電気的刺激生成手段を同時に作動させることを含む、請求項1または2記載のアクチュエーター・デバイス。
  4. 前記協調された制御が、前記磁場生成手段および前記電気的刺激生成手段を順次に作動させることを含む、請求項1または2記載のアクチュエーター・デバイス。
  5. 前記コントローラが、前記アクチュエーター部材の変形を制御するためのあらかじめ決定された制御スケジュールを実行するよう動作可能であり、該制御スケジュールは、前記電気的刺激生成手段および前記磁場生成手段の両方を制御するための諸段階を含む、請求項1ないし4のうちいずれか一項記載のアクチュエーター・デバイス。
  6. 軟磁性物質の前記粒子は:軟強磁性物質、常磁性物質および超常磁性物質のうちの少なくとも一つを含む、請求項1ないし5のうちいずれか一項記載のアクチュエーター・デバイス。
  7. 前記軟磁性物質は、前記磁場生成手段による磁場の印加に応答して前記アクチュエーター部材の収縮または膨張を実現するための磁歪性物質である、請求項1ないし6のうちいずれか一項記載のアクチュエーター・デバイス。
  8. 前記磁場生成手段は、前記アクチュエーター部材を通じた印加のための非一様な磁場強度の磁場を生成するよう構成されている、請求項7記載のアクチュエーター・デバイス。
  9. 前記コントローラは、所与の方向において前記アクチュエーター部材の少なくともあるセクションにおける曲がりを誘起するよう動作可能であり、該曲がりを誘起することは、前記所与の曲がりの方向に反平行な方向に前記アクチュエーター部材を通じて延在する磁力線をもつ非一様な磁場強度の磁場を生成するよう前記磁場生成手段を制御することによる、請求項記載のアクチュエーター・デバイス。
  10. 前記粒子は、前記電気活性物質内においてポリマー小滴内に懸濁されており、前記ポリマー小滴は、前記電気活性物質よりも低い粘性をもつ、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のアクチュエーター・デバイス。
  11. 不均一な変形パターンを達成するよう、軟磁性物質の前記粒子が、前記アクチュエーター部材において不均一に分散される、請求項1ないし10のうちいずれか一項記載のアクチュエーター・デバイス。
  12. 軟磁性物質の前記粒子は、前記アクチュエーター部材内で、一組の空間的に離散的な集中部において配置される、請求項11記載のアクチュエーター・デバイス。
  13. 前記磁場生成手段は、前記一組の空間的に離散的な集中部の各集中部を通じて、異なる諸磁場強度をもつ磁場を生成するよう動作可能である、請求項12記載のアクチュエーター・デバイス。
  14. アクチュエーター部材を利用するアクチュエーション方法であって、前記アクチュエーター部材は:
    電気的刺激の印加に応答して変形するよう適応された電気活性物質;および
    前記電気活性物質内に分散された軟磁性物質の粒子を含み;
    当該方法は:
    制御可能な磁場強度パターンの磁場を生成するよう動作可能な磁場生成手段および電気的刺激生成手段を協調された仕方で制御し、それにより前記アクチュエーター部材における一つまたは複数の変形パターンを実現することを含む、
    方法。
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