JP6729901B1 - 電話会議システム、電話端末、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
電話会議に参加する複数の電話端末と、
各前記電話端末からの音声データをミキシングし、ミキシングした音声データを各前記電話端末に送信する会議装置と、を備え、
各前記電話端末は、準同型暗号を用いて話者の音声データを暗号化し、暗号化した音声データを前記会議装置に送信し、
前記会議装置は、各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングし、ミキシングした音声データを各前記電話端末に送信し、
各前記電話端末は、前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号する。
準同型暗号を用いて話者の音声データを暗号化する暗号化部と、
前記暗号化した音声データを会議装置に送信すると共に、前記会議装置から、電話会議に参加する各電話端末からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信する通信部と、
前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号する復号部と、
を備える。
コンピュータに、
準同型暗号を用いて話者の音声データを暗号化する手順と、
前記暗号化した音声データを会議装置に送信すると共に、前記会議装置から、電話会議に参加する各電話端末からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信する手順と、
前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号する手順と、
を実行させるためのプログラムである。
最初に、図1を参照して、本実施の形態に係る電話会議システム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る電話会議システム1の構成例を示す図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係る電話会議システム1は、複数台の電話端末10−1〜10−N(Nは2以上の自然数)、及び、会議装置20を備えている。なお、以下の図面において、電話端末10−1〜10−Nは電話端末#n(n=1,・・・,N)と表記することがある。また、以下、どの電話端末10−1〜10−Nであるかを特定しない場合は、電話端末10と呼称することがある。
ここで、準同型暗号について、簡単に説明する。
準同型暗号は、2つの暗号文Enc(m1),Enc(m2)が与えられた場合に、平文や秘密鍵を用いることなく、Enc(m1+m2)やEnc(m1×m2)を計算できる性質を持つ暗号方式である。
各電話端末10は、暗号化されたままでミキシングされた音声データを、スピーカー等から音声出力する直前に復号する。
図2に示されるように、本実施の形態に係る電話端末10は、マイク11、符号化部12、暗号化部13、通信部14、復号部15、音声処理部16、及びスピーカー17を備えている。
符号化部12は、マイク11により集音された話者の音声データを符号化し、符号化音声データを生成する。符号化部12は、例えば、符号化方式として、PCM(Pulse Code Modulation)方式を用いることが可能である。
電話会議に用いるアナログの音声データをPCM方式で符号化する場合、例えば、下記のような形式で音声データの符号化を行うことが考えられる。
・サンプリング周波数:8kHz
・量子化ビット:8bit
よって、サンプリング周波数×量子化ビット=8(kHz)×8(bit)=64(kbps)となる。
通信部14は、暗号化部13により暗号化された話者の暗号化音声データを会議装置20に送信する。
復号部15は、暗号化されたままでミキシングされた暗号化音声データを符号化音声データに復号(すなわち、暗号化の復号)する。
スピーカー17は、音声処理部16により音声処理された音声データを音声出力する。なお、スピーカー17の代わりに、音声出力を行う別の機器を設けても良い。別の機器は、例えば、ハンドセット、イヤホン、ヘッドホン等が考えられる。
図3に示されるように、本実施の形態に係る会議装置20は、通信部21、バッファ22、及びミキシング部23を備えている。
バッファ22は、各電話端末10からの暗号化された暗号化音声データを一時的に格納する。
ミキシング部23は、各電話端末10からの暗号化音声データを、暗号化されたままで、加算によりミキシングする。
通信部21は、ミキシング部23により、暗号化されたままでミキシングされた暗号化音声データを、各電話端末10に送信する。
例えば、会議装置20をコンピュータ30で実現する場合、ストレージ33は、会議装置20が備える各構成要素(通信部21及びミキシング部23等)の機能を実現するプログラムを記憶する。また、メモリ32やストレージ33は、バッファ22の役割も果たす。
ここで、電話会議を成立させるためには、複数台の電話端末10から同じタイミングで発せられた音声の音声データを加算して、1つの音声データにする必要がある。例えば、電話端末10−1向けの音声データとしては、電話端末10−1以外の電話端末10−2,10−3から同じタイミングで発せられた音声の音声データを加算して、1つの音声データにする必要がある。
同様に、会議装置20は、電話端末10−2向けの暗号化音声データとして、暗号化音声データEnc(D1+D3)を生成し、また、電話端末10−3向けの暗号化音声データとして、暗号化音声データEnc(D1+D2)を生成する(ステップS104)。
以降、電話会議が終了するまで、上記の動作が繰り返し行われる。
つまり、楕円曲線には、下記の性質がある。
n,P→Q=nP:容易
Q=nP→n,P:困難
本例では、楕円曲線の上記の性質を利用する。
このとき、電話端末10−1は、符号化音声データD1に対して乱数r1を選択し、選択した乱数r1と公開鍵(P,Q)とを用いて、符号化音声データD1を暗号化し、以下の数式(1)で表される暗号化音声データEnc(D1)を生成する。
Enc(D1)=(r1P,D1+r1Q)・・・(1)
ここで、楕円曲線の性質により、他人はr1Pからr1を求めることができない。
電話端末10−1は、暗号化音声データEnc(D1)を順次生成し、会議装置20に順次送信する。
ここで、電話会議を成立させるためには、複数台の電話端末10から同じタイミングで発せられた音声の音声データを加算して、1つの音声データにする必要がある。例えば、電話端末10−3向けの音声データとしては、電話端末10−3以外の電話端末10−1,10−2から同じタイミングで発せられた音声の音声データを加算して、1つの音声データにする必要がある。
Enc(D1)=(r1P,D1+r1Q)・・・(2)
Enc(D2)=(r2P,D2+r2Q)・・・(3)
Enc(D1)+Enc(D2)=((r1+r2)P,D1+D2+(r1+r2)Q)・・・(4)
Enc(D1)+Enc(D2)=(r’P,D1+D2+r’Q)・・・(5)
Enc(D1)+Enc(D2)=Enc(D1+D2)・・・(6)
同様に、会議装置20は、電話端末10−2向けの暗号化音声データEnc(D1+D3)を生成して、電話端末10−2に送信し、また、電話端末10−1向けの暗号化音声データEnc(D2+D3)を生成して、電話端末10−1に送信する。
例えば、一般的な暗号文c=(C1,C2)を、秘密鍵xを用いて復号すると、以下の数式(7)が成立する。
Dec(c)=C2−xC1・・・(7)
なお、秘密鍵xは、電話会議に参加する電話端末10が保持するものであり、セキュリティ確保という観点では、電話会議のたびに異なる秘密鍵を使用することが望ましい。
また、公開鍵(P,Q)と秘密鍵xとの関係式として、以下の数式(8)が成立する。
Q=xP・・・(8)
Enc(D)=(rP,D+rQ)・・・(9)
Enc(D)を、秘密鍵x及び公開鍵(P,Q)を用いて復号すると、以下の数式(10)が成立する。
Dec(Enc(D))=(D+rQ)−x(rP)=D+r(xP)−xrP=D・・・(10)
同様に、電話端末10−2は、暗号化音声データEnc(D1+D3)を復号して、音声出力し、また、電話端末10−1は、暗号化音声データEnc(D2+D3)を復号して、音声出力する。
以降、電話会議が終了するまで、上記の動作が繰り返し行われる。
続いて、図6を参照して、上述の実施の形態を概念的に示した電話会議システム1Aの構成について説明する。図6は、上述の実施の形態を概念的に示した電話会議システム1Aの構成例を示す図である。
電話端末40−1は、暗号化部41、通信部42、及び、復号部43を備えている。
通信部42は、暗号化部41により暗号化された音声データを会議装置50に送信すると共に、会議装置50から、各電話端末40からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信する。通信部42は、図2に示した通信部14に対応する。
復号部43は、会議装置50からのミキシングされた音声データを復号する。復号部43は、図2に示した復号部15に対応する。
なお、電話端末40−2〜40−Nは、電話端末40−1と同様の構成を備えている。
会議装置50は、通信部51及びミキシング部52を備えている。
通信部51は、各電話端末40から、準同型暗号を用いて暗号化された話者の音声データを受信する。通信部51は、図3に示した通信部21に対応する。
ミキシング部52は、各電話端末40からの音声データを、暗号化したままミキシングする。ミキシング部52は、図3に示したミキシング部23に対応する。
通信部51は、ミキシング部52によりミキシングされた音声データを各電話端末40に送信する。
(付記1)
電話会議に参加する複数の各電話端末から、準同型暗号を用いて暗号化された話者の音声データを受信する通信部と、
各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングするミキシング部と、を備え、
前記通信部は、前記ミキシング部によりミキシングされた音声データを各前記電話端末に送信する、
会議装置。
(付記2)
前記ミキシング部は、各前記電話端末からの音声データを、暗号化したまま、加算によりミキシングする、
付記1に記載の会議装置。
(付記3)
前記準同型暗号は、加法準同型暗号又は完全準同型暗号である、
付記1又は2に記載の会議装置。
(付記4)
前記準同型暗号は、楕円ElGamel暗号を用いた加法準同型暗号である、
付記1又は2に記載の会議装置。
(付記5)
電話会議に参加する複数の電話端末と、会議装置と、を備える電話会議システムの制御方法であって、
各前記電話端末が、準同型暗号を用いて話者の音声データを暗号化し、暗号化した音声データを前記会議装置に送信するステップと、
前記会議装置が、各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングし、ミキシングした音声データを各前記電話端末に送信するステップと、
各前記電話端末が、前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号するステップと、
を含む、制御方法。
(付記6)
電話端末の制御方法であって、
準同型暗号を用いて話者の音声データを暗号化するステップと、
前記暗号化された音声データを会議装置に送信すると共に、前記会議装置から、電話会議に参加する各電話端末からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信するステップと、
前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号するステップと、
を含む、制御方法。
(付記7)
会議装置の制御方法であって、
電話会議に参加する複数の各電話端末から、準同型暗号を用いて暗号化された話者の音声データを受信するステップと、
各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングするステップと、
前記ミキシングされた音声データを各前記電話端末に送信するステップと、
を含む、制御方法。
(付記8)
コンピュータに、
電話会議に参加する複数の各電話端末から、準同型暗号を用いて暗号化された話者の音声データを受信する手順と、
各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングする手順と、
前記ミキシングされた音声データを各前記電話端末に送信する手順と、
を実行させるためのプログラム。
10−1〜10−N 電話端末
11 マイク
12 符号化部
13 暗号化部
14 通信部
15 復号部
16 音声処理部
17 スピーカー
20 会議装置
21 通信部
22 バッファ
23 ミキシング部
30 コンピュータ
31 プロセッサ
32 メモリ
33 ストレージ
34 入出力インタフェース(入出力I/F)
35 通信インタフェース(通信I/F)
40−1〜40−N 電話端末
41 暗号化部
42 通信部
43 復号部
50 会議装置
51 通信部
52 ミキシング部
Claims (8)
- 電話会議に参加する複数の電話端末と、
会議装置と、を備え、
各前記電話端末は、話者の音声データを、標本化及び量子化した上で、準同型暗号を用いて暗号化し、暗号化した音声データを前記会議装置に送信し、
前記会議装置は、各前記電話端末からの音声データを、暗号化したままミキシングし、ミキシングした音声データを各前記電話端末に送信し、
各前記電話端末は、前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号し、
各前記電話端末は、話者の音声データを量子化する際、予め設定された量子化ビット数よりも少ない量子化ビット数で量子化を行う、
電話会議システム。 - 前記会議装置は、各前記電話端末からの音声データを、暗号化したまま、加算によりミキシングする、
請求項1に記載の電話会議システム。 - 前記準同型暗号は、加法準同型暗号又は完全準同型暗号である、
請求項1又は2に記載の電話会議システム。 - 前記準同型暗号は、楕円ElGamel暗号を用いた加法準同型暗号である、
請求項1又は2に記載の電話会議システム。 - 話者の音声データを、標本化及び量子化する符号化部と、
前記符号化部により標本化及び量子化された話者の音声データを、準同型暗号を用いて暗号化する暗号化部と、
前記暗号化部により暗号化された音声データを会議装置に送信すると共に、前記会議装置から、電話会議に参加する各電話端末からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信する通信部と、
前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号する復号部と、
を備え、
前記符号化部は、話者の音声データを量子化する際、予め設定された量子化ビット数よりも少ない量子化ビット数で量子化を行う、
電話端末。 - 前記準同型暗号は、加法準同型暗号又は完全準同型暗号である、
請求項5に記載の電話端末。 - 前記準同型暗号は、楕円ElGamel暗号を用いた加法準同型暗号である、
請求項5に記載の電話端末。 - コンピュータに、
話者の音声データを、標本化及び量子化する符号化手順と、
前記標本化及び量子化された話者の音声データを、準同型暗号を用いて暗号化する手順と、
前記暗号化された音声データを会議装置に送信すると共に、前記会議装置から、電話会議に参加する各電話端末からの音声データが暗号化されたままミキシングされた音声データを受信する手順と、
前記会議装置からのミキシングされた音声データを復号する手順と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記符号化手順では、
話者の音声データを量子化する際、予め設定された量子化ビット数よりも少ない量子化ビット数で量子化を行う、
プログラム。
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