JP6728956B2 - 粒子測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子測定装置に関する。
PM2.5などの粒子状物質の分析技術に関心が集まっている。測定対象ガス中の粒子によって散乱されるレーザ光に基づいて粒子の数および大きさを計測するレーザ測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、測定対象ガス中の粒子について成分別に質量を分析する質量分析装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、環境省など官庁による大気中の粒子状物質についての規制基準は、粒子状物質の質量濃度で規定されている。粒子状物質の質量濃度を直接的に測定する自動測定技術として、フィルタ振動法(TEOM:Tapered Element Oscillating Microbalance法)およびβ線吸収法が知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2012−189483号公報
[特許文献2] 国際公開第2011/114587号
種々の測定技術のうちで、レーザ測定装置は、測定の簡便さの点で有利である。レーザ測定装置は、例えばパーティクルカウンタとして広く使われている。しかしながら、レーザ測定装置は、大気中の粒子状物質の質量濃度を直接的に測定することができない。レーザ測定装置の測定結果から粒子状物質の質量濃度を演算することは容易ではなかった。
本発明の第1の態様においては、粒子測定装置を提供する。粒子測定装置は、レーザ測定部と、湿度検出部と、制御部とを備えてよい。レーザ測定部は、測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定してよい。湿度検出部は、レーザ測定部に導入される測定対象ガスの湿度を検出してよい。制御部は、湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置を制御してよい。
粒子測定装置は、演算部を更に備えてよい。演算部は、粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算してよい。
粒子測定装置は、質量分析部を更に備えてよい。質量分析部は、測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析してよい。演算部は、質量分析部によって分析された2以上の物質の比率と、各物質についての密度データとに基づいて、粒子の質量濃度を演算してよい。
演算部は、質量分析部によって分析された硫酸塩と硝酸塩との比率と、硝酸塩と硝酸塩のそれぞれの密度データとに基づいて、粒子の質量濃度を演算してよい。
質量分析部によって分析された硫酸塩の質量と硝酸塩の質量とが予め定められた値以下の場合、演算部は、粒子測定装置が配置された地域の過去データに応じて、粒子中における硫酸塩および硝酸塩以外の物質についての密度データを用いて、粒子の質量濃度を演算してよい。
演算部は、粒子測定装置が配置された地域の過去データに応じた粒子の密度データに基づいて、粒子の質量濃度を演算してよい。
演算部は、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムが予め定められた比で存在する場合の密度データに基づいて、粒子の質量濃度を演算してよい。
粒子測定装置は、乾燥部を更に備えてよい。乾燥部は、レーザ測定部に導入される測定対象ガスを乾燥させてよい。制御部は、湿度の検出結果に応じて、乾燥部を制御してよい。
制御部は、湿度の検出結果に応じて、演算部を制御してよい。
粒子測定装置は、温度検出部を更に備えてよい。制御部は、更に、温度の検出結果に応じて粒子測定装置を制御してよい。
粒子測定装置は、温度調整部を更に備えてよい。温度調整部は、レーザ測定部に導入される測定対象ガスの温度を調整してよい。制御部は、温度調整部を制御してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。 レーザ測定部200の概略構成図である。 質量分析部300の概略構成図である。 レーザ測定部200の受光部218による出力信号の一例を示す図である。 エアロゾル中の粒子1の一例を模式的に示す図である。 粒子1の体積濃度と質量濃度算出値との関係を示す図である。 第1実施形態の粒子測定装置100による処理の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の粒子測定装置100による処理の他の例を示すフローチャートである。 第2実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。 第3実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。 第3実施形態の粒子測定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。 第4実施形態の粒子測定装置100による処理の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態の粒子測定装置100による処理の他の例を示すフローチャートである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。粒子測定装置100は、互いに異なる計測機構を有するレーザ測定部200および質量分析部300を備える。粒子測定装置100は、測定対象ガス中の粒子を多角的に分析する複合分析装置であってよい。本例では、粒子測定装置100は、湿度検出部110、乾燥部120、制御部130、演算部140、および記憶部150を備える。
レーザ測定部200は、測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定する。本明細書において粒子の体積情報の測定には、粒子の体積を取得すること、または粒子の体積濃度を取得することが含まれる。一方、質量分析部300は、測定対象ガスの流路において測定対象ガス中の粒子を捕集した上で、当該捕集した粒子を脱離させる。質量分析部300は、当該脱離成分を分析することによって、測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析する。本例においては、測定対象ガスは、大気である。しかし、本例と異なり、測定対象ガスは、車両などの排気ガスであってもよい。
粒子測定装置100は、流路L1および流路L2を備える。流路L1の一端は、大気導入口10に接続される。流路L1の他端側は、乾燥部120に接続される。乾燥部120には流路L2の一端が接続される。流路L2の他端は、分岐点12において、流路L3と流路L4とに分岐してよい。流路L1および流路L2は、大気導入口10から分岐点12までの導入配管を構成する。大気導入口10から取り込まれた測定対象ガスは、流路L1および流路L2を介してレーザ測定部200および質量分析部300に導入される。
湿度検出部110は、レーザ測定部200に導入される測定対象ガスの湿度を検出する。本明細書において、湿度は、相対湿度または絶対湿度を意味する。本例では、湿度検出部110は、分岐点12よりも上流側に設けられている。したがって、本例では、湿度検出部110は、レーザ測定部200および質量分析部300に導入される測定対象ガスの湿度を検出する。ここで、「上流側」とは、大気導入口10に近い側を意味する。湿度検出部110は、高分子膜の水分の吸収および放出にともなう誘電率変化から相対湿度を測定する高分子膜湿度センサであってよい。但し、湿度検出部110の検出原理は限定されず、湿度検出部110は、相対湿度または絶対湿度を測定してよい。湿度検出部110は、乾燥部120からレーザ測定部200までの流路L2またはL3に設けられてよく、分岐点12より下流側の流路L3に設けられてよい。
乾燥部120は、レーザ測定部200に導入される測定対象ガスを乾燥させる。すなわち、乾燥部120は、測定対象ガスを除湿する。本例では、乾燥部120は、分岐点12よりも上流側に設けられている。したがって、本例では、乾燥部120は、レーザ測定部200および質量分析部300に導入される測定対象ガスを乾燥させる。これにより、除湿された測定対象ガスをレーザ測定部200のみならず質量分析部300にも供給することができる。
乾燥部120における除湿方法として、加熱法、拡散管法、または希釈法を採用することができる。加熱法は、大気導入口10からレーザ測定部200までの導入配管の少なくとも一部をヒータにより加熱して相対湿度を下げる。導入配管に対する加熱温度が高いほど相対湿度が低下する。一方、拡散管法は、吸湿性の高分子膜で作製したチューブを利用する。チューブの内側および外側にそれぞれ測定対象ガスおよび乾燥空気を流通させることによって、測定対象ガス中の水分を選択的に吸収して排出する。乾燥空気の流量が多くなるほど絶対湿度および相対湿度が低下する。
希釈法は、清浄乾燥ガスにより測定対象ガスを希釈することによって、絶対湿度および相対湿度を下げる。希釈倍率が高くなるほど、絶対湿度および相対湿度が低下する。希釈法を採用する場合には、希釈された測定対象ガス内の粒子の濃度を測定することになる。したがって、演算部140は、設定された希釈倍率を予め記憶部150に記憶しておき、希釈倍率に基づいて、測定結果から希釈前の本来の濃度を算出してよい。
制御部130は、他の各部と通信可能に接続されてよい。制御部130は、レーザ測定部200および質量分析部300を制御する機能を有していてもよい。制御部130は、湿度検出部110から、湿度の検出結果を取得する。制御部130は、湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置100を制御する。本例では、制御部130は、乾燥部120を制御する。本発明において、制御部130は、相対湿度または絶対湿度の検出結果に応じて、測定対象ガスの相対湿度または絶対湿度を制御してよい。
演算部140は、レーザ測定部200による測定結果、および質量分析部300による測定結果を取得する。演算部140は、レーザ測定部200による粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する。本例では、演算部140は、質量分析部300によって分析された2以上の物質の比率と、各物質についての密度データとに基づいて、粒子の質量濃度を演算する。演算処理の内容については、後述する。本明細書において、密度データは、基準体積当たりの質量であってよく、水の密度を基準とした密度比である比重であってもよい。
記憶部150は、粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算するために必要な各種のデータを記憶してよい。例えば、記憶部150は、エアロゾル中の粒子の成分を構成する硝酸塩および硫酸塩の密度データを格納する。
図2は、レーザ測定部200の概略構成図である。レーザ測定部200は、パーティクルカウンタであってよい。本例では、レーザ測定部200は、遮光容器202、射出ノズル204、回収ノズル208、レーザ照射部213、コリメートレンズ214、反射ミラー215、および受光部218を備える。遮光容器202は、壁部によって囲まれた容器であってよい。遮光容器202は、外部から遮光された領域を提供する。射出ノズル204は、遮光容器202の壁部の一部を貫通するように配置されている。射出ノズル204の先端には、ガスを射出する射出口206が設けられる。
射出ノズル204は、分岐点12から供給流路L3を通じて導入される試料ガスを射出口206から射出してよい。回収ノズル208は、射出ノズル204と対向する位置において遮光容器202の壁部の一部を貫通するように配置されている。回収ノズル208の先端には、試料ガスを吸入して回収する回収口210が設けられる。回収ノズル208は、その回収口210が射出ノズル204の射出口206に対向するように配置される。
射出ノズル204および回収ノズル208は、図2に示される場合に限られない。射出ノズル204および回収ノズル208は、それぞれが2重のノズル構造を有していてもよい。射出ノズル204は、被計測粒子を含む試料ガスを吐出するとともに、その外側を清浄なシースエアで包み込むことによって、試料ガスをビーム状に形成してよい。この場合、回収ノズル208は、試料ガスとシースエアとを分離して回収してよい。
レーザ照射部213の照射口と受光部218とは遮光容器202内に設けられる。レーザ照射部213は、射出ノズル204と回収ノズル208との間の粒子計測領域212に向けてレーザ光216を照射する。受光部218は、レーザ光216が計測対象の粒子にあたって生じる散乱光220を受光する。受光部218は、散乱光220の受光強度に応じて電気出力信号を出力する。受光部218は、受光した散乱光220をパルス状の出力信号に変換する光電変換素子を含んでよい。
図3は、質量分析部300の一例を示す概略構成図である。質量分析部300は、減圧容器302を有する。減圧容器302は、外部に対して減圧された領域を提供するための減圧チャンバであってよい。減圧容器302は、隔壁によって複数の減圧容器303、減圧容器304、および減圧容器305に区切られていてよい。本例の減圧容器303、304、および305は、それぞれ吸引部54によって減圧されるようになっている。吸引部54は、減圧容器302内の減圧状態を保つための真空ポンプである。
質量分析部300は、粒子線生成部310および捕集体320を有する。粒子線生成部310は、エアロゾル中の粒子の粒子線316を射出する。粒子線生成部310は、例えばエアロダイナミックレンズである。粒子線生成部310は、減圧容器302の気密性を保ちつつ減圧容器302の壁部を貫通する。粒子線生成部310は、管状構造体の内壁から内側に伸びる複数の絞り機構である複数のオリフィス312を備えてよい。粒子線生成部310の一端には、粒子線射出口314が設けられている。
捕集体320は、粒子線316中の粒子を捕集する。捕集体320は、粒子線316が照射される捕集面322を有する。捕集体320は、捕集面322から予め定められた厚さの部分までは少なくともメッシュ状構造を有している。捕集体320は、粒子線316が射出される位置に配置される。
質量分析部300は、更に、エネルギー線照射部330および分析器340を有する。エネルギー線照射部330は、捕集体320に捕集された粒子に向けてエネルギー線331を照射して、捕集体320に捕集された粒子を気化、昇華、または反応させて脱離成分を生じさせる。エネルギー線331は、照射口332から照射され、減圧容器302の壁部等の一部に設けられた透光窓334を通過して減圧容器302内の捕集体320に到達する。本例では、エネルギー線照射部330は、COレーザを照射する。生じた脱離成分は、導管342によって導かれる。脱離成分は、イオン化領域においてイオン化されて、分析器340に導入されてよい。
分析器340は、質量分析器本体である。分析器340は、イオン化されて供給された粒子の成分の質量に応じて分析信号を出力する。分析器340は、電気信号として受信された分析信号に基づいて、粒子に含まれる2つ以上の成分及び成分別の質量を分析する。分析器340は、粒子状物質中の硫酸塩および硝酸塩等の各成分の質量を算出してよい。分析信号から粒子の成分及び成分別の質量を導出する処理は、従来の質量分析計などと同様であるので詳しい説明を省略する。
次に、以上のように構成される粒子測定装置100による処理について説明する。図4は、レーザ測定部200の受光部218による出力信号の一例を示す図である。図4において、横軸は時間であり、縦軸が出力信号値である電圧値を示す。本例の受光部218は、一つの粒子に対応して一つのパルス波形を出力する。したがって、受光部218によって出力されるパルス波形の数が粒子数に対応する。
一方、出力信号値は、散乱光強度に対応する。散乱光強度は、レイリー散乱およびミー散乱の原理によって理論的に根拠づけられており、粒子径に依存する。したがって、出力信号値、すなわちパルス波形の波高値が粒子径rに対応する。実際には、粒子径rが既知であるポリスチレンラテックス標準粒子をレーザ測定部200が測定することで、出力信号値と粒子径rとが対応づけられる。粒子が球状であると仮定することによって、粒子の体積は、(4/3)πr(πは円周率)で表される。したがって、出力信号値は、粒子の体積に対応する。
出力信号数と出力信号値との積は、単位時間当たりの粒子数と粒子体積との積に対応する。したがって、出力信号数と出力信号値との積により、単位時間あたりの測定対象ガス中の粒子の総体積、すなわち汚染度が算出される。この汚染度を、測定対象ガスの流速で除算することによって、粒子の体積濃度(μm/m)が算出される。演算部140は、粒子の密度を粒子の体積濃度(μm/m)に乗算することよって、粒子の質量濃度(μg/m)を算出することができる。
但し、粒子の質量濃度を算出する順序は、上記の順序に限られない。まず、算出された粒子体積に密度をかけて、粒子質量が導出されてもよい。そして単位時間あたりに検出された粒子質量の総和を、測定対象ガスの流量で除算することによって、粒子の質量濃度(μg/m)が算出されてよい。
以上のように、演算部140は、レーザ測定部200による粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する。エアロゾル中の粒子についての密度データにおける精度は、演算される粒子の質量濃度の精度に影響を与える。そして、粒子の密度データは、粒子成分の比率、および湿度によって影響を受ける。本発明によれば、粒子成分の比率、および湿度による影響を勘案して粒子の質量濃度を演算することができる。
図5は、エアロゾル中の粒子1の一例を模式的に示す図である。図5に示されるとおり、エアロゾル中の粒子1は、複数の粒子成分を含んでいる。粒子1は、硫酸塩2、硝酸塩4、ブラックカーボン6、およびその他成分8を含んでよい。測定対象である硫酸塩2の代表的な物質の一つである硫酸アンモニウム((NHSO)の密度は、20°Cにおいて、1.769g/cmである。同様に、硝酸塩4の代表的な物資の一つである硝酸カリウム(KNO)の密度は、2.05g/cmである。非結晶でありアモルファス構造を持つ炭素の密度は、室温付近で、1.8g/cm以上2.05g/cm未満である。
図6は、粒子1の体積濃度と質量濃度算出値との関係を示す図である。図6は、演算部140が、粒子1の密度としてポリスチレンラテックス標準粒子の密度を用いて質量濃度を計算した場合と、実際のエアロゾル中の粒子1における質量濃度とを示している。ポリスチレンラテックス標準粒子の密度は、1.05g/cmである。実際のエアロゾル中の粒子1が、硝酸カリウム(密度2.05g/cm)および硫酸アンモニム(密度1.769g/cm3)を成分として有する場合には、実際の粒子1の密度の代わりに便宜的に標準粒子の密度を用いて計算すると、質量濃度の計算結果に2倍程度の差が生じ得る。
一方、演算部140が、粒子1の密度として、粒子1に含まれる複数の粒子成分のうちの一成分についての密度のみを用いて、粒子1全体の質量濃度を演算する場合も、他の成分の密度との差に起因して誤差要因となり得る。例えば、演算部140が、硝酸カリウムの密度2.05g/cmのみを用いて、粒子1の質量濃度を演算する場合には、粒子1中に存在し得る硫酸アンモニウムの密度1.769g/cmとの差に起因して、誤差が生じ得る。具体的には、最大で、(2.05g/cm−1.769g/cm)/2.05g/cm×100%=13%の誤差が生じ得る。同様に、演算部140が、粒子1の密度として、硫酸アンモニウムの密度1.769g/cmのみを用いて、粒子1の質量濃度を演算する場合には、粒子1中の硫酸アンモニウムの密度2.05g/cmとの差に起因して、誤差が生じ得る。
図7は、第1実施形態の粒子測定装置100による処理の一例を示すフローチャートである。除湿された測定対象ガスに対して、レーザ測定部200は測定を実行する。レーザ測定部200は、測定対象ガス中の粒子1によって散乱されたレーザ光に基づいて測定対象ガス中の粒子1の体積情報を測定する。具体的には、体積情報は、受光部218による出力信号の出力信号値と出力信号数とから得られる。演算部140は、レーザ測定部200から、空気中の粒子1の体積情報を取得する(ステップS101)。
本例では、レーザ測定部200による測定のとき、制御部130は、測定対象ガスが一定の湿度範囲となるように、乾燥部120を制御する。例えば、制御部130は、測定対象ガスが、相対湿度30%以上40%以下となるように、乾燥部120を制御する。PM2.5等の粒子状物質は、湿度の影響を受けやすい。粒子状物質は、湿度が高くなると、膨潤して体積が大きくなる。本例では、湿度の影響を低減するために、体積情報を測定するレーザ測定部200に導入される測定対象ガスが除湿される。したがって、湿度が、粒子1の体積および密度に与える影響を軽減することができる。
演算部140は、質量分析部300による分析結果から、2つ以上の粒子成分の比率を取得する(ステップS102)。具体的には、質量分析部300は、粒子成分のうち、2つ以上の粒子成分のそれぞれの質量を計測する。但し、質量分析部300は、粒子状物質に含まれる全ての粒子成分を分析する場合に限られず、予め測定対象とされた2つ以上の粒子成分を分析してよい。演算部140は、計測された質量から2つ以上の粒子成分の質量の比率を算出する。
演算部140は、2つ以上の粒子成分の各物質についての密度データを記憶部150から読み出す(ステップS103)。記憶部150には、粒子成分の候補となる各物質の密度が密度データとして事前に記憶されてよい。制御部130によって測定対象ガスが一定の湿度範囲に制御されている場合、この一定の湿度範囲における各物質の密度が密度データとして記憶されてよい。これにより、演算部140は、湿度の影響による影響を軽減することができる。
演算部140は、ステップS102で取得された比率とステップS103で読み出された各密度データとを用いて、粒子1の体積情報から粒子1の質量濃度を算出する(ステップS104)。具体的には、演算部140は、各物質の比率に各物質の密度データを乗じて総和を算出することによって、粒子1の密度を算出してよい。換言すれば、演算部140は、質量分析部300によって得られた質量の比率によって重みづけされた粒子1の密度を算出する。
演算部140は、以上のように算出された粒子1の密度を用いて、粒子1の質量濃度を算出する。既に、ステップS101において体積情報として体積濃度が与えられているならば、演算部140は、体積濃度に、算出された粒子1の密度を乗算することによって、粒子1の質量濃度(μg/m)を算出することができる。一方、ステップS101において体積情報として、観測された粒子1毎の粒子体積が与えられている場合には、粒子体積に粒子1の密度を乗算して、粒子1の質量が導出される。この場合、単位時間あたりに検出された粒子1の質量の総和を、測定対象ガスの流速で除算することによって、粒子1の質量濃度(μg/m)が算出される。
本例によれば、湿度によって粒子状物質が膨潤することによる測定結果への影響が防止される。また、演算部140は、質量分析部300による質量分析結果による物質の比率を用いて、粒子状物質に含まれる成分の比率に応じた粒子1の密度を算出する。そして、演算部140は、算出された密度を用いて粒子1の体積情報から粒子1の質量濃度を演算する。したがって、粒子1の体積情報から粒子1の質量濃度を算出するときの誤差要因を軽減することができる。
具体的には、便宜的に、標準粒子の密度を用いて計算する場合と比較して質量濃度の誤差が低減される。また、複数の粒子成分のうちの一つの成分、例えば、硫酸アンモニウムの密度1.769g/cmのみを用いて粒子1の質量濃度を演算する場合と比べても、質量濃度の誤差を低減することができる。
図8は、第1実施形態の粒子測定装置100による処理の他の例を示すフローチャートである。ステップS201の処理は、図7のステップS101の処理と同様である。演算部140は、質量分析部300による分析結果から、質量分析部300によって分析された硫酸塩2と硝酸塩4との比率を取得する(ステップS202)。本例の質量分析部300は、粒子状物質に含まれる全ての粒子成分を分析するのではなく、硫酸塩2としての硫酸アンモニウムと硝酸塩4としての硝酸カリウムの質量を分析する。したがって、本例の質量分析部300は、硫酸塩2および硝酸塩4以外の他の物質については、分析対象としないでよい。
演算部140は、硫酸塩2としての硫酸アンモニウムと硝酸塩4としての硝酸カリウムの密度データを記憶部150から読み出す(ステップS203)。記憶部150には、硫酸塩2としての硫酸アンモニウムの密度と、硝酸塩4としての硝酸カリウムの密度とが、密度データとして事前に記憶されてよい。
演算部140は、硫酸塩2の質量測定値と、硝酸塩4の質量測定値とを質量分析部300から取得する(ステップS204)。本例では、硫酸塩2としての硫酸アンモニウムと硝酸塩4としての硝酸カリウムの各質量測定値が取得される。演算部140は、質量分析部300によって得られた硫酸塩2の質量測定値と硝酸塩4の質量測定値とが、予め定められた値以下であるか判断する(ステップS205)。例えば、演算部140は、硫酸塩2の質量測定値と硝酸塩4の質量測定値との総和が、予め定められた値以下であるか判断してよい。
硫酸塩2の質量測定値と硝酸塩4の質量測定値とが予め定められた値より大きい場合(ステップS205:NO)、演算部140は、質量分析部300によって分析された硫酸塩2と硝酸塩4との比率と、硫酸塩2と硝酸塩4のそれぞれの密度データとに基づいて、粒子1の質量濃度を算出する(ステップS206)。硫酸塩2の質量測定値と硝酸塩4の質量測定値とが予め定められた値より大きい場合は、硫酸塩2および硝酸塩4以外の測定対象外物質の含まれている比率が予め定められた水準より低いと考えられる。したがって、測定対象外物質の密度の違いを考慮しなくても質量濃度の誤差は大きくならない。
具体的には、演算部140は、硫酸塩2と硝酸塩4の比率と各密度データとを用いて粒子1の密度を算出する。硫酸塩2と硝酸塩4の比率に硫酸塩2と硝酸塩4の密度データを乗じて総和を算出することによって、粒子1の密度が算出される。例えば、硫酸塩2としての硫酸アンモニウム(密度1.769g/cm)と硝酸塩4としての硝酸カリウム(密度2.05g/cm)の比率が5:3である場合、粒子1の密度は、以下のように算出される。
粒子の密度=1.769×(5/(3+5))+2.05×(3/(3+5))=1.1056+0.7687=1.874(g/cm
演算部140は、以上のように算出された粒子1の密度を用いて、粒子1の質量濃度を算出する。一方、質量分析部300によって得られた硫酸塩2の質量測定値と硝酸塩4の質量測定値とが、予め定められた値以下である場合には(ステップS205:YES)、硫酸塩2および硝酸塩4以外の測定対象外物質の粒子1中に占める比率が予め定められた水準より高いと判断される。したがって、演算部140は、粒子測定装置100が配置された地域の過去データを記憶部150から取得する。過去データは、例えば、フィルタ法、フィルタ振動法(TEOM)、またはβ線吸収法などにより、測定されたデータであってよい。
演算部140は、過去データ中において、粒子全体における硫酸塩2および硝酸塩4以外の測定対象外物質の粒子成分が粒子全体に占める比率と、測定対象外物質の密度データを取得する(ステップS207)。例えば、演算部140は、測定対象外物質の粒子成分が粒子全体に占める比率として、測定対象外物質が過去に占めた最大の比率を取得する。演算部140は、粒子測定装置100が配置された地域の過去データに応じて、粒子1中における硫酸塩2および硝酸塩4以外の物質についての密度データを用いて、粒子1の質量濃度を演算する(ステップS208)。具体的には、演算部140は、硫酸塩2、硝酸塩4、その他の測定対象外物質の粒子成分の比率と、各密度データとを用いて、粒子1の体積情報から粒子1の質量濃度を算出する(ステップS208)。
例えば、過去データ中において、硫酸塩2および硝酸塩4以外の測定対象外物質の粒子成分が占め得る最大の比率が40%である場合であって、測定対象外物質の密度が1.6(g/cm)である場合、粒子1の密度は、以下のように計算される。但し、以下の計算では、硫酸塩2としての硫酸アンモニウム(密度1.769g/cm)と硝酸塩4としての硝酸カリウム(密度2.05g/cm)の比率が測定結果から5:3であると判明している場合を例にとった。
粒子の密度=1.6×0.4+1.769×0.6×(5/(3+5))+2.05×0.6×(3/(3+5))=1.746(g/cm
演算部140は、以上のように算出された粒子1の密度を用いて、粒子1の質量濃度を算出する。このように、硫酸塩2および硝酸塩4以外の測定対象外物質の粒子1中に占める比率が予め定められた水準より高いと思料される場合には(ステップS205:YES)、測定対象外物質の占め得る比率と、測定対象外物質の密度とを過去データから取得することによって(ステップS207およびステップS208)、測定対象外物質の影響を考慮できる。この場合も、硫酸塩2および硝酸塩4の比率については、質量分析部300による分析結果を採用することができ、実際の測定値を反映させることができる。
図9は、第2実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。本例の粒子測定装置100は、温度調整部160、温度検出部162、および制御部130を除いて、図1から図8に示された第1実施形態の粒子測定装置100と同様の構成を備える。したがって、同様の構成についての繰り返しの説明は省略する。
粒子測定装置100は、温度調整部160および温度検出部162を更に備える。温度検出部162は、レーザ測定部200に導入される測定対象ガスの温度を検出する。本例では、温度検出部162は、分岐点12よりも上流側に設けられている。したがって、本例では、温度検出部162は、レーザ測定部200および質量分析部300に導入される測定対象ガスの温度を検出する。温度検出部162は、湿度検出部110の上流側に設けられていてもよく、下流側に設けられていてもよい。
温度調整部160は、レーザ測定部200に導入される測定対象ガスの温度を調整する。本例では、温度調整部160は、分岐点12よりも上流側に設けられている。但し、乾燥部120が温度調整部160より上流側に設けられていてもよい。温度調整部160は、流路L11によって大気導入口10に接続されてよく、流路L12によって、乾燥部120と接続されてよい。本例では、流路L11、L12、および流路L2は、大気導入口10から分岐点12までの導入配管を構成する。温度調整部160と、乾燥部120とは、導入配管のいずれかの位置に設けられてよい。また、乾燥部120における除湿方法として加熱法を採用する場合には、乾燥部120が温度調整部160の機能を兼ねてよい。
制御部130は、更に、温度検出部162による温度の検出結果に応じて粒子測定装置100を制御する。本例では、制御部130は、温度調整部160を制御する。制御部130は、測定対象ガスが一定の温度範囲となるように、温度調整部160を制御してよい。例えば、制御部130は、測定対象ガスが、20°C以上21°C以下となるように、温度調整部160を制御する。
PM2.5等の粒子状物質は、温度の影響を受ける。粒子状物質は、線膨張係数を有しており、温度が高くなると、熱膨張して体積が大きくなる。本例では、温度の影響を低減するために、体積情報を測定するレーザ測定部200に導入される測定対象ガスの温度が調整される。したがって、温度が、粒子1の体積および密度に与える影響を軽減することができる。温度が調整された測定対象ガスに対して、レーザ測定部200は測定を実行する。
図10は、第3実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。本例の粒子測定装置100は、第1実施形態および第2実施形態の粒子測定装置100と比べて、乾燥部120および温度調整部160が省略されている。また、第1実施形態および第2実施形態の粒子測定装置100の場合と比べて、制御部130による制御内容が異なる。これらの点を除いて、本例の粒子測定装置100は第1実施形態および第2実施形態の粒子測定装置100と同様の構成を有する。したがって、同様の構成について繰り返しの説明は省略する。
制御部130は、湿度の検出結果に応じて、演算部140を制御する。具体的には、制御部130は、湿度の検出結果に応じて、演算部140が使用する密度データを調整する。また、本例の制御部130は、さらに、温度の検出結果に応じて、演算部140を制御する。この場合、制御部130は、温度の検出結果に応じて、演算部140が使用する密度データを調整する。粒子状物質内の粒子成分は、温度および湿度によって密度が異なる。制御部130は、実際の粒子成分の密度に近くなるように、粒子状物質内の粒子成分の密度を温度および湿度に応じて調整する。
図11は、第3実施形態の粒子測定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図11のステップS301からステップS303の処理は、図7に示す第1実施形態の粒子測定装置100におけるステップS101からステップS103の処理と同様である。したがって、同様の処理についての繰り返しの説明を省略する。
制御部130は、湿度に応じて演算部140を制御する(ステップS304)。具体的には、制御部130は、湿度に応じて、演算部140で使用される密度データを調整する。記憶部150には、粒子成分の候補となる各物質の密度と湿度の関係を示すテーブルが予め記憶されていてよく、各湿度における密度の計算式が予め定められていてもよい。制御部130は、湿度検出部110による湿度検出結果を取得して、検出された湿度に対応した各物質の密度を密度データとして読み出してよい。制御部130は、湿度のみならず、湿度と温度とに応じて、演算部140で使用される密度データを調整してもよい。
演算部140は、ステップS302で取得した比率とステップS304で調整された密度データとを用いて、粒子1の体積情報から粒子1の質量濃度を算出する(ステップS305)。本例によれば、乾燥部120および温度調整部160を有しておらず、レーザ測定部200へ導入される測定対象ガスの湿度が変化する場合であっても、湿度に応じて演算部140が制御される。したがって、湿度による密度への影響を考慮して、粒子1の質量濃度を演算することができる。同様に、レーザ測定部200へ導入される測定対象ガスの温度が変化する場合であっても、温度に応じて演算部140が制御される。したがって、温度による密度への影響を考慮して、粒子1の質量濃度を演算することができる。
図12は、第4実施形態の粒子測定装置100の概略構成図である。本例の粒子測定装置100は、第1実施形態から第3実施形態の粒子測定装置100と異なり、質量分析部300を有しない。本例では、制御部130は、図1に示される1実施形態の場合と同様に、乾燥部120を制御する。但し、制御部130は、図10に示される場合のように、演算部140を制御するように構成されてもよい。この場合、制御部130は、演算部140で使用される密度データを湿度に応じて調整してよい。
図13は、第4実施形態の粒子測定装置100による処理の一例を示すフローチャートである。ステップS401の処理は、図7のステップS101の処理と同様である。演算部140は、粒子測定装置100が配置された地域の粒子成分についての過去データに応じた粒子1の密度データを取得する(ステップS402)。演算部140は、対象地域の過去の硫酸塩2としての硫酸アンモニウムと硝酸塩4としての硝酸カリウムとの比率に各密度を掛けた値を過去データに応じた粒子1の密度データとして取得してよい。過去データは、硫酸塩2と硝酸塩4の比率が導出できる測定データであれば、測定方法によらず採用することができる。過去データは、記憶部150に予め記憶されてよい。
演算部140は、粒子測定装置100が配置された地域の過去データに応じた粒子1の密度データに基づいて、粒子1の質量濃度を演算する。具体的には、過去の測定において硫酸アンモニウム硝酸カリウムとの比率から算出された粒子1の密度を用いて(ステップS402)、ステップS401の体積情報から粒子1の質量濃度を算出する(ステップS403)。
例えば、硫酸塩2としての硫酸アンモニウム(密度1.769g/cm)と硝酸塩4としての硝酸カリウム(密度2.05g/cm)の比率が5:3である場合、粒子1の密度は、以下のとおり計算される。
粒子の密度=1.769×(5/(3+5))+2.05×(3/(3+5))=1.1056+0.7687=1.874(g/cm
複数の測定法を組み合わせることによって、硫酸塩2としての硫酸アンモニウム(密度1.769g/cm)が50%、硝酸塩4としての硝酸カリウム(密度2.05g/cm)が30%、その他の測定対象外物質が20%含まれることが判明した場合には、1.769×(50/100)+2.05×(30/100)+d×(20/100)の計算式によって、粒子1の密度が計算されてよい。但し、dは、その他の測定対象外物質の密度である。測定対象外物質の密度dは、過去の実測値を用いてもよく、便宜上、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムの平均値などを用いてもよい。
図14は、第4実施形態の粒子測定装置100による処理の他の例を示すフローチャートである。ステップS501の処理は、図7のステップS101の処理と同様である。演算部140は、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムが予め定められた比で存在する場合の密度データを取得する(ステップS502)。例えば、演算部140は、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムが1:1で存在すると仮定した場合の密度を密度データとして取得する。硫酸アンモニウムと硝酸カリウムが1:1で存在すると仮定した場合の密度は、(1.769+2.05)/2=1.91g/cmとなる。但し、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムの存在比率は、1:1の場合に限られない。演算部140は、他の存在比率を仮定して密度を取得してもよい。
演算部140は、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムが予め定められた比で存在する場合の密度データに基づいて、粒子1の質量濃度を演算する(ステップS503)。具体的には、演算部140は、ステップS502で算出した密度を用いて、体積情報から粒子1の質量濃度を演算する。
図13および図14に示される処理によっても、便宜的に標準粒子の密度を用いて計算する場合、および粒子成分に含まれる複数の成分のうちの一成分の密度のみを用いて粒子全体の質量濃度を演算する場合に比べれば、硫酸アンモニウムと硝酸カリウムの双方の密度を考慮しているので、粒子1の質量濃度を演算する場合の誤差を低減できる。
本明細書における各実施形態は、適宜組み合わせることができる。以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1・・粒子、2・・硫酸塩、4・・硝酸塩、6・・ブラックカーボン、8・・その他成分、10・・大気導入口、12・・分岐点、54・・吸引部、100・・粒子測定装置、110・・湿度検出部、120・・乾燥部、130・・制御部、140・・演算部、150・・記憶部、160・・温度調整部、162・・温度検出部、200・・レーザ測定部、202・・遮光容器、204・・射出ノズル、206・・射出口、208・・回収ノズル、210・・回収口、212・・粒子計測領域、213・・レーザ照射部、214・・コリメートレンズ、215・・反射ミラー、216・・レーザ光、218・・受光部、220・・散乱光、300・・質量分析部、302・・減圧容器、303・・減圧容器、304・・減圧容器、305・・減圧容器、310・・粒子線生成部、312・・オリフィス、314・・粒子線射出口、316・・粒子線、320・・捕集体、322・・捕集面、330・・エネルギー線照射部、331・・エネルギー線、332・・照射口、334・・透光窓、340・・分析器、342・・導管

Claims (9)

  1. 粒子測定装置であって、
    測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて前記測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定するレーザ測定部と、
    前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置を制御する制御部と、
    前記粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する演算部と、
    前記測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析する質量分析部とを備え、
    前記演算部は、前記質量分析部によって分析された2以上の物質の比率各物質についての密度データを乗じて総和を算出することによって前記粒子の密度を算出し、前記算出された粒子の密度と前記体積情報に基づいて、前記粒子の質量濃度を演算する、粒子測定装置。
  2. 前記演算部は、前記質量分析部によって分析された硫酸塩と硝酸塩との比率硝酸塩と硝酸塩のそれぞれの密度データを乗じて総和を算出することによって前記粒子の密度を算出し、前記算出された粒子の密度と前記体積情報に基づいて、前記粒子の質量濃度を演算する、請求項1に記載の粒子測定装置。
  3. 粒子測定装置であって、
    測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて前記測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定するレーザ測定部と、
    前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置を制御する制御部と、
    前記粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する演算部と、
    前記測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析する質量分析部と、を備え、
    前記演算部は、前記質量分析部によって分析された2以上の測定対象物質の比率と、各物質についての密度データとに基づいて、前記粒子の質量濃度を演算し、
    前記質量分析部によって分析された2以上の前記測定対象物質の質量が予め定められた値以下の場合、前記演算部は、前記粒子測定装置が配置された地域の過去データに応じて、粒子中における測定対象外の物質についての密度データを用いて、前記粒子の質量濃度を演算する、粒子測定装置。
  4. 粒子測定装置であって、
    測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて前記測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定するレーザ測定部と、
    前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置を制御する制御部と、
    前記粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する演算部と、
    前記測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析する質量分析部と、を備え、
    前記演算部は、前記質量分析部によって分析された硫酸塩と硝酸塩との比率と、硝酸塩と硝酸塩のそれぞれの密度データとに基づいて、前記粒子の質量濃度を演算するものであり、
    前記演算部は、前記粒子測定装置が配置された地域の過去データに応じて、粒子中における前記硫酸塩および前記硝酸塩以外の物質についての密度データを用いて、前記粒子の質量濃度を演算する、粒子測定装置。
  5. 粒子測定装置であって、
    測定対象ガス中の粒子によって散乱されたレーザ光に基づいて前記測定対象ガス中の粒子の体積情報を測定するレーザ測定部と、
    前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの湿度を検出する湿度検出部と、
    前記湿度の検出結果に応じて、粒子測定装置を制御する制御部と、
    前記粒子の体積情報の測定値から粒子の質量濃度を演算する演算部と、
    前記測定対象ガス中の粒子に含まれる2以上の物質の質量を分析する質量分析部と、を備え、
    前記演算部は、前記質量分析部によって分析された硫酸塩と硝酸塩との比率と、硝酸塩と硝酸塩のそれぞれの密度データとに基づいて、前記粒子の質量濃度を演算するものであり、
    前記質量分析部によって分析された前記硫酸塩の質量と前記硝酸塩の質量とが予め定められた値以下の場合、前記演算部は、前記粒子測定装置が配置された地域の過去データに応じて、粒子中における前記硫酸塩および前記硝酸塩以外の物質についての密度データを用いて、前記粒子の質量濃度を演算する、粒子測定装置。
  6. 前記レーザ測定部に導入される前記測定対象ガスを乾燥させる乾燥部を更に備え、
    前記制御部は、湿度の検出結果に応じて、前記乾燥部を制御する、
    請求項1からの何れか1項に記載の粒子測定装置。
  7. 前記制御部は、湿度の検出結果に応じて、前記演算部を制御する、
    請求項からの何れか1項に記載の粒子測定装置。
  8. 前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記制御部は、更に、前記温度の検出結果に応じて前記粒子測定装置を制御する、
    請求項1からの何れか1項に記載の粒子測定装置。
  9. 前記レーザ測定部に導入される測定対象ガスの温度を調整する温度調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記温度調整部を制御する、
    請求項に記載の粒子測定装置。
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