JP6728955B2 - アンテナ間位相差検出回路、基地局無線装置及びアンテナ間位相差検出方法 - Google Patents
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一方、端末装置から基地局無線装置が受信する受信信号(上り信号)については、例えば、アンテナ61が受信した上り信号は、BPF27、サーキュレータ23、LNA(Low Noise amplifier)26、TRX20を通過してBBP10にて処理される。また、例えば、アンテナ63が受信した上り信号は、BPF37、サーキュレータ33、LNA36、TRX30を通過してBBP10にて処理される。アンテナ62、64で受信した上り信号についても同様である。この基地局無線装置は、TDD方式で制御され、上り信号の受信時と下り信号の送信時では、BBP10がSW43、44、45、46を切り替えることで信号の通過経路を選択する。
なお、特許文献1の方法では、送信信号に係る送信波の反射波を選択したアンテナで受信し、その受信波に係る受信信号と送信信号から位相値を算出するが、精度よく位相値を算出するためには、適切に反射物(ターゲット)を設置する等の工夫が必要になる。
以下、本発明の一実施形態によるアンテナ間位相差検出回路を図1〜図7を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態によるアンテナ間位相差検出回路の最小構成を示す図である。
図1に示す通り、アンテナ間位相差検出回路は、位相差電圧信号出力部55と、第一位相差算出部11とを少なくとも備えている。
位相差電圧信号出力部55は、複数のアンテナと接続され、それら複数のアンテナのうち基準となるアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第一送信信号と、基準となるアンテナ以外の他の一つのアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第二送信信号とを入力し、それら2つの信号の位相差に応じた位相差電圧信号を出力する。
第一位相差算出部11は、予め定められた位相差電圧信号と位相差との関係と、位相差電圧信号出力部55が出力した位相差電圧信号とに基づいて、第一送信信号と第二送信信号との位相差を算出する。
なお、第一送信信号が通過する経路に接続されたアンテナを第一アンテナ、第二送信信号が通過する経路に接続されたアンテナを第二アンテナとした場合、第一送信信号と第二送信信号との位相差のことを、第一アンテナと第二アンテナの位相差のように記載する場合がある。
この図において、基地局無線装置100は、BBP10と、TRX20と、TRX30と、PA21と、PA22と、PA31と、PA32と、サーキュレータ23と、サーキュレータ24と、サーキュレータ33と、サーキュレータ34と、LNA25と、LNA26と、LNA35と、LNA36と、BPF27と、BPF28と、BPF37と、BPF38と、スイッチ43と、スイッチ44と、スイッチ45と、スイッチ46と、アンテナ61と、アンテナ62と、アンテナ63と、アンテナ64と、ATT(Attenuator)51と、DIV/COMB52と、可変移相器53と、ミキサ54と、LPF(Low pass filter)56と、ADC(Analog to digital converter)57と、スイッチ58と、DIV/COMB59とを備える。また、BBP10は、第一位相差算出部11と、第二位相差算出部12とを備える。
BBP10は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro-Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)などを備えている。BBP10は、ベースバンド信号の生成や各種信号処理、TDD方式に基づく通信制御、各アンテナ間の位相差の算出および位相調整処理などを行う。
TRX20およびTRX30は、ベースバンド信号の周波数をアップコンバートして送信信号(RF信号)を生成し、増幅等の処理を行ってアンテナ61等から送出する。また、TRX20およびTRX30は、アンテナ61等が受信し、増幅等された受信信号(RF信号)をベースバンド信号の周波数にダウンコンバートする。
本実施形態では、下り信号におけるアンテナ間の位相差を算出するにあたり、基準となるアンテナ(基準アンテナ)を設定し、基準アンテナと他のアンテナとの位相差を算出する。図2に示す構成例では、基準アンテナをアンテナ61とし、第一位相差算出部11が、アンテナ61とアンテナ62の位相差、アンテナ61とアンテナ63の位相差、アンテナ61とアンテナ64の位相差、をそれぞれ算出する。
また、下り信号における位相差検出回路は、ATT51と、DIV/COMB52と、可変移相器53と、Vectorモジュレータ55a(ミキサ54、LPF56)と、ADC57と、第一位相差算出部11と、を含んで構成される。
DIV/COMB52は、アンテナ62〜64端の何れかに注入されたアップコンバート後の位相差検出信号をVectorモジュレータ55aへ出力する。
可変移相器53は、アンテナ61端に注入された位相差検出信号の位相を、所定の値だけ変化させる。例えば、可変移相器53は、入力した位相差検出信号の位相を固定的に90度変化させてもよい。
ミキサ54は、可変移相器53を介して入力したアンテナ61端に注入された位相差検出信号と、DIV/COMB52を介して入力したアンテナ62〜64端の何れかに注入された位相差検出信号との混合信号を出力する。ミキサ54が出力する混合信号は、両信号の位相差に応じた電圧値を含む信号(位相差電圧信号)である。
ADC57は、LPF56によって直流成分だけが抽出されたアナログの位相差電圧信号をデジタル信号に変換する。Vectorモジュレータ55aは、基地局無線装置100が出力する周波数に対応しており、2つのRF信号の差を数十MHzのIF〜DCの範囲で出力する。ADC57は、数マイクロ秒の間に出力される位相差検出信号に対するVectorモジュレータ55aの位相差電圧信号を取り込む目的で使用するため、サンプリング速度が、数MHz〜数十MHz程度の一般的なADCを用いることができる。また、ADC57に入力する信号は、Vectorモジュレータ55aに入力した2つのRF信号の位相差DC電圧であることからADC57とBBP10を高速なインターフェースで接続する必要がない。ADC57は、変換後のデジタルの位相差電圧信号をBBP10へ出力する。
DIV/CONV59は、スイッチ58とアンテナ61〜64との間に設けられ、アンテナ61〜64と接続されている。DIV/CONV59は、スイッチ58がDIV/CONV59側に切り替えられた場合に、位相差検出信号を、アンテナ61〜64端へ接続された各経路に分配する分配器である。各経路に分配された位相差検出信号は、各アンテナ端に注入される。
図3は、本発明の第一の実施形態によるアンテナ間位相差検出方法を説明する第一の図である。
図3の左図は、あるGP間にアンテナ61とアンテナ62に対して出力した位相差検出信号が、ATT51及びDIV/COMB52を介してVectorモジュレータ55aに入力された場合に、Vectorモジュレータ55aが出力した位相差電圧信号の時間推移を示している。位相差電圧信号には、2つのアンテナ61、62各々のアンテナ端から注入された信号の位相差に応じた電圧値が含まれる。また、図示するように、位相差電圧信号にはAC成分が含まれる。
図3の右図は、LPF56通過後の位相差電圧信号の時間推移を示している。図示するように、LPF56を通過させることで、位相差電圧信号内のAC成分が除去され、DC成分のみを含む信号となる。ADC57は、DC成分だけを含む位相差電圧信号を取得し、デジタル信号に変換してBBP10に出力する。BBP10は、ADC57が出力した位相差電圧信号(電圧値:V2)を取得する。BBP10の記憶部(図示せず)には、予め実験や計算等に基づいて算出された位相差電圧信号と位相差との関係を規定したテーブルや関数等が記録されている。第一位相差算出部11は、BBP10が取得した位相差電圧信号(電圧値:V2)を用いて、このテーブルを参照する等してV2に対応する位相差φ2を求める。これにより、アンテナ61とアンテナ62間の位相差を算出する。
A×sin(α+90) × B×sin(β)
=(A×B/2)×{cos(α−β−90)−cos(α+β+90)}
両信号の位相が合うとα=βであるため、この式は、
(A×B/2)×{cos(−90)−cos(2×α+90)}
=(−A×B/2)×{cos(2×α)×cos(90)−
sin(2×α)×sin(90)}
=(A×B/2)×sin(2×α)
と変形できる。LPF56で平滑化すると、2倍波成分が除去されるため、両信号の位相が等しい(α=β)場合、ADC57の入力は振幅A、Bに関わらずゼロになる。この性質を利用して、可変移相器53によって90度の位相差を付けるように構成することで、Vectorモジュレータ55aから2つの信号の位相差のみに対応した電圧値を出力させることができる。なお、可変移相器53をDIV/CONV52側に設け、DIV/CONV52の出力信号に対して、可変移相器53が90度の位相差を付けるように構成してもよい。
図4の左図は、例えば、次のGP間にアンテナ61とアンテナ63に対して出力した位相差検出信号に対する、Vectorモジュレータ55aが出力した位相差電圧信号の時間推移を示している。図4の右図は、LPF56通過後の位相差電圧信号(電圧値:V3)の時間推移を示している。
第一位相差算出部11は、上記と同様にして、取得した位相差電圧信号(電圧値:V3)を用いて、テーブル等を用い、V3に対応する位相差φ3を求める。これにより、アンテナ61とアンテナ63間の位相差φ3を算出する。
図5の左図は、例えば、さらに次のGP間にアンテナ61とアンテナ64に対して出力した位相差検出信号に対するVectorモジュレータ55aが出力した位相差電圧信号の時間推移を示している。図4の右図は、LPF56通過後の位相差電圧信号(電圧値:V4)の時間推移を示している。
第一位相差算出部11は、同様に取得した位相差電圧信号(電圧値:V4)を用いて、テーブル等を用い、V4に対応する位相差φ4を求める。これにより、アンテナ61とアンテナ64間の位相差φ4を算出する。
図6は、本発明の第一の実施形態によるアンテナ間位相差検出処理の一例を示す第一のフローチャートである。
前提として、位相差の算出は、アンテナ61とアンテナ62間、アンテナ61とアンテナ63間、アンテナ61とアンテナ64間の順に算出することが定められているとする。
また、アンテナ61の経路に出力された位相差検出信号を位相差検出信号610、アンテナ62の経路に出力された位相差検出信号を位相差検出信号620などと呼ぶ。また、アンテナ61とアンテナ62間の位相差電圧信号を位相差電圧信号61−62、アンテナ61とアンテナ62間の位相差を位相差61−62などと呼ぶ。
BBP10が全アンテナ間の位相差を算出したことを判定すると(ステップS15;Yes)、アンテナ間位相差検出処理を終了する。
図7は、本発明の第一の実施形態によるアンテナ間位相差検出処理の一例を示す第二のフローチャートである。
説明の便宜のため、下り信号の位相差検出については考えず、BBP10は、GPを迎えると、そのGP間に上り信号におけるアンテナ間の位相差検出処理を行うとする。また、例えば、DIV/COMB59がアンテナ61の経路に出力した位相差検出信号を位相差検出信号610と呼ぶ。他のアンテナについても同様である。また、アンテナ61とアンテナ62間の位相差を位相差61−62などと呼ぶ。他のアンテナ間についても同様である。
以下、本発明の第二の実施形態によるアンテナ間位相差検出回路を、図8を参照して説明する。図8は、本発明の第二の実施形態によるアンテナ間位相差検出回路の一例を示す図である。図8に示すように、本実施形態によるアンテナ間位相差検出回路では、下り信号における位相差検出回路が、ATT51と、DIV/COMB52と、可変移相器53と、位相差電圧信号出力部55A(ミキサ54)と、ADC57と、第一位相差算出部11と、を含んで構成される。つまり、第二実施形態の位相差電圧信号出力部55Aは、可変移相器53を備えていない点で第一実施形態と異なる。第二の実施形態による基地局無線装置100Aのその他の構成は、第一の実施形態の基地局無線装置100と同様である。
下り信号のアンテナ間位相差検出処理において、ATT51およびDIV/COMB52に、対応するアンテナ端から注入されたアップコンバート後の位相差検出信号が入力されるまでの処理は、第一の実施形態と同様である。次に、位相差電圧信号出力部55Aは、ATT51からの位相差検出信号610と、DIV/COMB52からの位相差検出信号620〜640の何れかを入力信号とし、これら2つの入力信号の位相差に応じた位相差電圧信号をLPF56に出力する。以降の処理は、第一実施形態と同様である。また、上り信号のアンテナ間位相差検出処理は第一の実施形態度と同様である。
第二の本実施形態によれば、第一の実施形態に比べ、さらに回路構成を簡素化することができる。
10、10A・・・BBP
11・・・第一位相差算出部
12・・・第二位相差算出部
20、30・・・TRX
21、22、31、32・・・PA
23、24、33、34・・・サーキュレータ
25、26、35、36・・・LNA
27、28、37、38・・・BPF
43、44、45、46、58・・・スイッチ
61、62、63、64・・・アンテナ
51・・・ATT
52、59・・・DIV/COMB
53・・・可変移相器
54・・・ミキサ
55、55A・・・位相差電圧信号出力部
56・・・LPF
57・・・ADC
58・・・スイッチ
Claims (6)
- 複数のアンテナと接続され、前記複数のアンテナのうち、基準となるアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第一送信信号と、前記基準となるアンテナ以外の他の一つのアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第二送信信号とを入力し、それら2つの信号の位相差に応じた位相差電圧信号を出力する位相差電圧信号出力部と、
予め定められた位相差電圧信号と位相差との関係と、前記位相差電圧信号出力部が出力した位相差電圧信号とに基づいて、前記第一送信信号と前記第二送信信号との位相差を算出する第一位相差算出部と、
を備え、
前記位相差電圧信号出力部は、位相検出手段と、前記第一送信信号または前記第二送信信号の位相を変化させる可変移相器と、を備える、
アンテナ間位相差検出回路。 - 前記可変移相器は、前記第一送信信号または前記第二送信信号の位相を90度変化させる、
請求項1に記載のアンテナ間位相差検出回路。 - 請求項1から請求項2の何れか1項に記載の送信信号のアンテナ間位相差検出回路と、
受信信号のアンテナ間位相差検出回路と、
を備え、
前記受信信号のアンテナ間位相差検出回路は、
前記複数のアンテナと接続され、位相差の検出に用いる位相差検出信号を前記複数のアンテナに分配して入力する分配器と、
送信信号が通過する経路の途中に設けられ、前記位相差検出信号を、前記送信信号が通過する経路から前記分配器に接続された経路へ切り替えるスイッチと、
前記複数のアンテナ端から分配して注入された前記位相差検出信号を取得し、各アンテナ端から注入された信号間の位相差を算出する第二位相差算出部と、
を備えるアンテナ間位相差検出回路。 - 複数のアンテナと、
前記複数のアンテナと接続され、前記複数のアンテナのうち、基準となるアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第一送信信号と、前記基準となるアンテナ以外の他の一つのアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第二送信信号とを入力し、それら2つの信号の位相差に応じた位相差電圧信号を出力する位相差電圧信号出力部と、
予め定められた位相差電圧信号と位相差との関係と、前記位相差電圧信号出力部が出力した位相差電圧信号とに基づいて、前記第一送信信号と前記第二送信信号との位相差を算出する第一位相差算出部、を備え、前記第一位相差算出部が算出した位相差に基づいて、ベースバンド信号の位相を補正するベースバンド処理部と、
を備え、
前記位相差電圧信号出力部は、位相検出手段と、前記第一送信信号または前記第二送信信号の位相を変化させる可変移相器と、を備える、基地局無線装置。 - 前記ベースバンド処理部が出力したベースバンド信号をアップコンバートして送信信号を生成し、前記アンテナを介して受信した受信信号をダウンコンバートしてベースバンド信号を生成する送受信部であって、前記ベースバンド処理部が出力した位相差の検出に用いる位相差検出信号をアップコンバートする送受信部と、
前記アップコンバート後の位相差検出信号を、前記複数のアンテナに分配して入力する分配器と、
前記アップコンバート後の位相差検出信号の経路を、前記送信信号が通過する経路から前記分配器に接続された経路へ切り替えるスイッチと、
前記複数のアンテナ端のうち少なくとも一つから注入された前記アップコンバート後の位相差検出信号を前記送受信部によってダウンコンバートした信号を入力し、前記位相差検出信号との位相差を算出する第二位相差算出部と、
をさらに備える請求項4に記載の基地局無線装置。 - 複数のアンテナと接続され、前記複数のアンテナのうち、基準となるアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第一送信信号と、前記基準となるアンテナ以外の他の一つのアンテナから送出される送信信号の経路を通過する第二送信信号とのうち何れか1つの信号の位相を変化させて、それら2つの信号を入力し、入力した前記2つの信号の位相差に応じた位相差電圧信号を出力し、
予め定められた位相差電圧信号と位相差との関係と、前記出力された位相差電圧信号と
に基づいて、前記第一送信信号と前記第二送信信号との位相差を算出する、
アンテナ間位相差検出方法。
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