JP6725731B1 - トレーニング支援方法及びトレーニング支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
ランニング運動及び自転車運動の少なくとも何れかの運動を行うユーザのトレーニングを支援するための方法であって、
ユーザに対して、前記運動における初期負荷から負荷を徐々に増大させてオールアウトするまでの負荷を与える第1運動動作を提供し、該第1運動動作を行っている前記ユーザの心拍数、並びに、呼気中の酸素及び二酸化炭素の量を計測する第1ステップと、
前記心拍数、並びに、前記酸素及び前記二酸化炭素の量に関する計測データに基づいて、最大心拍数、最大酸素摂取量(VO2max)、無酸素性作業閾値(AT)、及び、有酸素性作業閾値(AeT)を含む前記ユーザの運動能力を算出又は推定する第2ステップと、
前記第1運動動作が終了してから一定時間が経過した前記ユーザに対して、前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数が示現する第2運動動作を提供し、該第2運動動作を行っている前記ユーザの心拍数を監視する第3ステップと、
前記第2運動動作において前記ユーザの心拍数が変動した場合に、該心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数となるように、運動速度を調整する第4ステップと、
前記ユーザの前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数、及び、該ユーザの前記第2運動動作における調整後の運動速度を、該ユーザによる前記運動のトレーニングにおける指標として設定する、又は、該指標として前記ユーザに報知する第5ステップと、
を含むように構成される。
前記運動のトレーニングを行っている前記ユーザの動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、及び、運動速度を、連続的又は断続的かつ定期的又は不定期的に監視する第7ステップと、
前記運動のトレーニングにおいて、以下に示す(1)乃至(4);
(1)前記動脈血酸素飽和度(SpO2)が所定値以上となる条件、
(2)前記心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数以下となる条件、
(3)前記心拍数が前記有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数以上となる条件、
(4)前記心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から該心拍数よりも所定値大きくなる(例えば、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数近傍の上限値程度となる)条件、
のうち少なくとも何れかの条件を満たすように、前記運動速度、及び/又は、前記常圧低酸素濃度環境における酸素濃度を調整する第8ステップとを更に含んでもよい。
(α)心拍数が前記最大心拍数から前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数の間の値となるような強度の運動(インターバルトレーニングやレペティショントレーニングといった高強度トレーニング)、
(β)心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から前記有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数の間の値となるような強度の運動(有酸素能力向上のためのトレーニング)、
(γ)心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から該心拍数よりも所定値大きくなる(例えば、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数近傍の上限値程度となる)ような強度の運動(ATの上昇や同じATでの運動強度(走速度等)の上昇を目的としたトレーニング)、
の少なくとも何れか、又は、少なくも2つ以上の組み合わせを、前記ユーザのトレーニングメニューとして設定、又は、該トレーニングメニューとして該ユーザに報知してもよい。
ユーザに対して、前記運動における初期負荷から負荷を徐々に増大させてオールアウトするまでの負荷を与える第1運動動作を提供する第1運動装置と、
前記第1運動動作を行っている前記ユーザの心拍数を監視する第1監視部と、
前記第1運動動作を行っている前記ユーザの呼気中の酸素及び二酸化炭素の量を計測する計測部と、
前記心拍数、並びに、前記酸素及び前記二酸化炭素の量に関する計測データに基づいて、最大心拍数、最大酸素摂取量(VO2max)、無酸素性作業閾値(AT)、及び、有酸素性作業閾値(AeT)を含む前記ユーザの運動能力を算出又は推定する演算部と、
前記第1運動動作が終了してから一定時間が経過した前記ユーザに対して、前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数が示現する第2運動動作を提供する第2運動装置と、
前記第2運動動作を行っている前記ユーザの心拍数を監視する第2監視部と、
前記第2運動動作において前記ユーザの心拍数が変動した場合に、該心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数となるように、運動速度を調整する調整部と、
前記ユーザの前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数、及び、該ユーザの前記第2運動動作における調整後の運動速度を、該ユーザによる前記運動のトレーニングにおける指標として設定する、又は、該指標として前記ユーザに報知する設定報知部とを備える。
まず、図1を用いて、本開示の一例が適用される場面の一例について説明する。図1は、本実施形態に係るトレーニング支援システム1の適用場面の一例の概略を模式的に示す平面図である。本実施形態に係るトレーニング支援システム1は、例えばユーザUに第1運動動作及び第2運動動作を提供するためのトレッドミル2と、ユーザUに装着された呼気収集マスクMに適宜のチューブを介して接続された呼吸代謝計測装置3と、トレッドミル2及び呼吸代謝計測装置3に接続された制御装置4と、トレッドミル2を走行中のユーザUが万一トレッドミル2から脱落又は転落した場合に、ユーザUを支えて保護するためのハーネス装置5とを備える。
次に、図2を用いて、本実施形態に係るトレーニング支援システム1のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係るトレーニング支援システム1のハードウェアの構成の一例を模式的に示す平面図である。なお、図2の例では、呼吸代謝計測装置3を二重に図示しているが、これは、前述の如く、呼吸代謝計測装置3と制御装置4が協働してユーザUの各種の運動能力を算出又は推定することを示す。
次に、図3を用いて、本実施形態に係るトレーニング支援システム1の機能構成の一例を説明する。図3は、本実施形態に係るトレーニング支援システム1の機能構成の一例を模式的に示す平面図である。なお、図3の例でも、呼吸代謝計測装置3を二重に図示しているが、これは、前述のとおり、呼吸代謝計測装置3と制御装置4が協働してユーザUの各種の運動能力項目を算出又は推定することを示す。また、図3には、説明の便宜上、ユーザUを併せて表示する。
・そのデータからユーザUの運動能力を算出又は推定する演算部420
・第1運動動作及び第2運動動作においてユーザUの心拍数を計測及び監視する第1及び第2監視部430
・第2運動動作においてユーザUの運動速度を調整する調整部440
・ユーザUの無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数、及び、第2運動動作における調整後の運動速度を、そのユーザUによるランニングのトレーニングにおける指標として設定するとともに、その指標をユーザUに報知する設定報知部450
次いで、図4を用いて、トレーニング支援システム1を用いたトレーニング支援方法における動作例及びその作用効果について説明する。図4は、本動作例に係るトレーニング支援方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は、本開示の技術思想の範囲内において可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順は、実施形態や各構成例に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である(他の動作例において同様である。)。
第1ステップS1では、第1段階として、ユーザUに第1運動動作を実施してもらう。この場合、ランニング(運動)における初期負荷から負荷を徐々に増大させてオールアウトするまでの負荷をユーザUに与えられる。また、その際、第1運動動作を行っているユーザUの心拍数、並びに、呼気中の酸素及び二酸化炭素の量を計測する。なお、第1ステップS1においては、ユーザUによるランニングの経験値に応じて、第1運動動作における初期負荷、及び/又は、負荷の増大度合いを調整するようにしてもよい。例えば、ランニングの経験値が低いユーザの初期負荷を、経験値が比較的高いユーザよりも軽減(例えば歩行から開始)することにより、運動能力のより正確な計測を実施することができる。他の例としては、初心者ユーザUは走速度が上昇すると短時間でオールアウトする傾向にあるため、例えば時速3km程度の速度から開始する一方で、上級者ユーザUは走速度を上げても慣れているため、例えば時速5km程度の速度から開始し、速度の増大度合いを例えば30秒単位で時速0.5kmずつ増加させるといった例が挙げられる。
第2ステップS2では、心拍数、並びに、酸素及び二酸化炭素の量(の変化)に関する計測データに基づいて、最大心拍数、最大酸素摂取量(VO2max)、無酸素性作業閾値(AT)、及び、有酸素性作業閾値(AeT)を含む前記ユーザの運動能力を算出又は推定する。前述のとおり、無酸素性作業閾値(AT)、及び、有酸素性作業閾値(AeT)、並びに、それらに相当する心拍数は、周知の解放回路法等により測定された呼気中の酸素量(濃度)や二酸化炭素量(濃度)、又は、呼気量と脈拍数との関係から導出することができる。
第3ステップでは、ユーザUに一定時間休息してもらい(完全に休息するか軽い動き程度。時間は特に制限はないが、数分から数十分程度でもよく、計測の効率の観点から十分程度でもよい。)。それから、第2段階として、ユーザUに第2運動動作を実施してもらう。この場合、ユーザUは、第1運動動作において算出又は推定された無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数が示現する運動速度で、一定時間ランニングを実施し、その間、ユーザUの心拍数をモニターする。
第4ステップでは、第2運動動作を実施しているユーザUの心拍数が変動した場合(大抵のユーザの場合、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数よりも上昇する傾向にある。)、トレッドミル2の運動速度を低下させて、心拍数がその無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数に戻るように調整する。換言すれば、ランニング頻度が少ないユーザや持久系能力の低いユーザは、第1運動動作による測定後に疲労状態が比較的長く続く傾向にあるので、第2運動動作時には、第1運動動作で算出した無酸素性作業閾値(AT)での運動強度でも、心拍数が上昇し易い。
そして、第5ステップS5では、ユーザUの無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数、及び、ユーザUの第2運動動作における調整後の運動速度を、そのユーザUによるランニングのトレーニングにおける指標として設定し、その結果をユーザに報知して、計測を終了する。
次に、図5を用いて、トレーニング支援システム1を用いたトレーニング支援方法における他の動作例及びその作用効果について説明する。図5は、本動作例に係るトレーニング支援方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。本動作例は、第5ステップS5の実行に続いて第6ステップS6乃至第8ステップS8を実行すること以外は、動作例1における処理手順と同等の構成を有する。なお、第6ステップS6乃至第8ステップS8は、第5ステップS5を実施した直後でもよいし、例えば後日実施してもよい。
第6ステップS6では、ユーザUに対して、ランニングのトレーニングとして常圧低酸素濃度環境下での運動(いわゆる低酸素トレーニング)を提供する。その際、そのトレーニングにおける運動速度の目安値を、第5ステップS5で設定した指標に基づいて決定する。具体的には、トレーニングを開始する運動速度を、第5ステップS5で設定された調整後の運動速度、又は、当該速度よりもやや遅い速度とすることができる。ここでの低酸素トレーニングは、ユーザ個々の運動能力が異なるため、設定された指標もユーザによって異なるので、個室の常圧低酸素濃度環境、又は、低酸素濃度の常圧空気を個々のユーザに提供できるいわゆる低酸素マスクを用いた環境で行うことが望ましい。また、常圧低酸素濃度環境として、公知の例えば膜分離方式を用いた低酸素発生装置により、標高1000m程度乃至5000m程度に相当する酸素濃度を実現することができる。なお、トレッドミルでのランニングは、無端回転ベルトが回動しているため、傾斜なしで走行すると上方向に飛び跳ねるだけで走行感覚が得られてしまうので、屋外での走行と同じ感覚を得るには、例えば1%から2%の傾斜で走行することが望ましい。
第7ステップS7では、低酸素トレーニングを行っているユーザUの動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、及び、運動速度を、連続的又は断続的かつ定期的又は不定期的にモニターする。例えば、低酸素トレーニングを30分から40分程度行う場合、例えば10分から15分毎に動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、及び、運動速度をチェックすることにより、動脈血酸素飽和度(SpO2)が所定値(例えば80%から90%又は85%)を下回った場合に、運動速度や酸素濃度を調整するいった管理を行い、より安全なトレーニングを実施することができる。また、次回以降の低酸素トレーニングは、前回と同等の管理数値で実施し、心拍数や動脈血酸素飽和度(SpO2)が下がるようであれば、走速度を上げたり酸素濃度を下げたり(標高を上げたり)といった調整を行ってもよい。
さらに、第8ステップS8では、好ましくは、以下の(1)乃至(4)に示す条件のうち少なくとも何れかの条件を満たすように、より好ましくは(1)乃至(3)に示す条件を満たすように、或いは、(1)及び(4)の条件を満たすように、低酸素トレーニングにおける運動速度、及び/又は、酸素濃度を調整する。
(1)動脈血酸素飽和度(SpO2)が所定値(例えば80%乃至90%又は85%等)以上となる条件
(2)心拍数が無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数以下となる条件
(3)心拍数が有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数以上となる条件
(4)前記心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から該心拍数よりも所定値大きくなる(例えば、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数近傍の上限値程度となる)条件
本動作例は、運動の種類がランニング運動及び自転車運動の両方を組み合わせて連続して実施する運動(トライアスロンやデュアスロン)である場合、運動の競技において実施する順番が早い方の運動について第1ステップ及び第2ステップを実施した後、運動の競技において実施する順番が遅い方の運動について第3ステップを実施する。なお、第1ステップS1乃至第3ステップS3は、動作例1で説明したステップと同等である。
本動作例は、動作例1での計測結果及び指標の設定結果に基づいて、ユーザUに適したトレーニングメニューを提供(提案)する例である。すなわち、ユーザUの運動能力データに基づいて、以下に示す(α)乃至(γ)の少なくとも何れか、又は、少なくも2つ以上の組み合わせを、更に好ましくは、全ての組み合わせを、ユーザUのトレーニングメニューとして設定、又は、トレーニングメニューとしてユーザUに報知する。この場合、例えば一週間毎に、トレーニングの原則に則り、種々の心拍値ゾーンでのトレーニングプランを組み合わせてユーザに提案することができる。また、特に、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数が示現する運動速度を、設定した適正な指標に基づいて決定することにより、更に一層効果的なトレーニングが可能となる。
(β)心拍数が無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数の間の値となるような強度の運動(有酸素能力向上のためのトレーニング)
(γ)心拍数が無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数からその心拍数よりも所定値大きくなる(例えば、無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数近傍の上限値程度となる)ような強度の運動(ATの上昇や同じATでの運動強度(走速度等)の上昇を目的としたトレーニング)
以下、本開示のシステム及び方法により、実際に低酸素トレーニングを定期的に実施したユーザの運動能力の変化について参考例として説明する。但し、本開示は以下の参考例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の参考例における運動能力の計測は、呼吸代謝計測装置3として、ウェアラブル呼吸代謝計測システム(K5:COSMED社製)と計測用トレッドミルを使用して行った。
ユーザU1氏は、約3年間の低酸素トレーニング(8回/月)を実行し、運動能力は、VO2max(68→78)、AT相当心拍数(153bpm→157bpm)、AeT相当心拍数(121bpm→127bpm)、及びフルマラソンの予測タイム(3時間2分→2時間48分)がいずれも向上し、さらに、フルマラソン自己ベストタイムを3時間07分から2時間41分へと更新した。低酸素トレーニングの一例は以下のとおりであり、走速度が変わらずとも酸素濃度が低く(標高が高く)なっても、動脈血酸素飽和度(SpO2)が下がらず、かつ、心拍数は低下していることから、有酸素能力の向上が認められた。
・2017年5月:酸素濃度17.0%、走速度10km/時、SpO292%、心拍数120bpm、トレッドミル傾斜2%
・2018年11月:酸素濃度16.1%、走速度9km/時、SpO297%、心拍数110、トレッドミル傾斜3%
・2019年5月:標高15.5%、走速度10km/時、SpO296%、心拍数108bpm、トレッドミル傾斜5%
ユーザU2氏は、約1年間の低酸素トレーニング(8回/月)を実行し、運動能力は、VO2max(56→65)、AT相当心拍数(142bpm→158bpm)、AeT相当心拍数(120bpm→122bpm)、及びフルマラソンの予測タイム(3時間28分→3時間3分)がいずれも向上し、さらに、フルマラソン自己ベストタイムを3時間29分から3時間7分へと更新した。低酸素トレーニングの一例は以下のとおりであり、走速度が速くなり酸素濃度が低く(標高が高く)なっても、動脈血酸素飽和度(SpO2)は変わらず、かつ、心拍数は低下していることから、有酸素能力の向上が認められた。
・2018年7月:酸素濃度16.7%、走速度11.5km/時、SpO293%、心拍数131bpm
・2019年1月:酸素濃度15.7%、走速度12km/時、SpO293%、心拍数123bpm
ユーザU3氏は、約1.5年間の低酸素トレーニング(8回/月)を実行し、運動能力は、VO2max(45→59)、AT相当心拍数での走行可能速度(6分40秒/km→4分41秒/km)、及びフルマラソンの予測タイム(4時間41分→3時間17分)が大幅に向上した。低酸素トレーニングの一例は以下のとおりであり、同じ酸素濃度(同じ標高)で走速度を上げても、動脈血酸素飽和度(SpO2)が下がりにくくなっていることから、有酸素能力の向上が認められた。
・2018年10月:酸素濃度16.7%、走速度10km/時、SpO288%、心拍数151bpm
・2019年5月:酸素濃度16.7%、走速度11km/時、SpO290%、心拍数155bpm
ユーザU4氏は、約1年間の低酸素トレーニング(4回/月)を実行したが、フルマラソンの予測タイムは3時間30分から3時間36分へと若干下落した。低酸素トレーニングの一例は以下のとおりであり、トレーニング時に動脈血酸素飽和度(SpO2)の値が下がりすぎてしまい、走速度を調整してもっと遅くする必要があると思われる。おそらく、SpO2が下がりすぎて過度の高負荷になってしまったことが、フルマラソンの予測タイムの下落に繋がったと推察される。
・2018年10月:酸素濃度16.7%、走速度10km/時、SpO282%、心拍数101bpm
ユーザU5氏は、約1年間の低酸素トレーニング(4回/月)を実行したが、フルマラソンの予測タイムは2時間49分から3時間00分へと下落した。低酸素トレーニングにおいて、動脈血酸素飽和度(SpO2)の値が常に90%を下回っている状態で走行しており、疲労の蓄積によってパフォーマンスが低下したものと推察される。
Claims (6)
- ランニング運動及び自転車運動の少なくとも何れかの運動を行うユーザのトレーニングを支援するためのシステムであって、
ユーザに対して、前記運動における初期負荷から負荷を徐々に増大させてオールアウトするまでの負荷を与える第1運動動作を提供する第1運動装置と、
前記第1運動動作を行っている前記ユーザの心拍数を監視する第1監視部と、
前記第1運動動作を行っている前記ユーザの呼気中の酸素及び二酸化炭素の量を計測する計測部と、
前記心拍数、並びに、前記酸素及び前記二酸化炭素の量に関する計測データに基づいて、最大心拍数、最大酸素摂取量(VO2max)、無酸素性作業閾値(AT)、及び、有酸素性作業閾値(AeT)を含む前記ユーザの運動能力を算出又は推定する演算部と、
前記第1運動動作が終了してから一定時間が経過した前記ユーザに対して、前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数が示現する第2運動動作を提供する第2運動装置と、
前記第2運動動作を行っている前記ユーザの心拍数を監視する第2監視部と、
前記第2運動動作において前記ユーザの心拍数が変動した場合に、該心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数となるように、運動速度を調整する第1調整部と、
前記ユーザの前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数、及び、該ユーザの前記第2運動動作における調整後の運動速度を、該ユーザによる前記運動のトレーニングにおける指標として設定する、又は、該指標として前記ユーザに報知する設定報知部と、
を備えるトレーニング支援システム。 - 前記ユーザによる前記運動の経験値に応じて、前記第1運動動作における初期負荷、及び/又は、前記負荷の増大度合いを調整する第2調整部を更に備える、
請求項1記載のトレーニング支援システム。 - 前記ユーザに対して、前記運動のトレーニングとして常圧低酸素濃度環境下での当該運動を提供する第3運動装置と、
前記運動のトレーニングにおける運動速度の目安値を前記指標に基づいて決定する速度目安値決定部と、
前記運動のトレーニングを行っている前記ユーザの動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、及び、運動速度を、連続的又は断続的かつ定期的又は不定期的に監視する第3監視部と、
前記運動のトレーニングにおいて、前記ユーザの前記動脈血酸素飽和度(SpO2)が所定値以上となるように、かつ、前記ユーザの前記有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数に基づいて、前記運動速度、及び/又は、前記常圧低酸素濃度環境における酸素濃度を調整する第3調整部と、
を更に備える請求項1又は2記載のトレーニング支援システム。 - 前記ユーザに対して、前記運動のトレーニングとして常圧低酸素濃度環境下での当該運動を提供する第3運動装置と、
前記運動のトレーニングにおける運動速度の目安値を前記指標に基づいて決定する速度目安値決定部と、
前記運動のトレーニングを行っている前記ユーザの動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、及び、運動速度を、連続的又は断続的かつ定期的又は不定期的に監視する第3監視部と、
前記運動のトレーニングにおいて、前記ユーザの前記動脈血酸素飽和度(SpO2)が所定値以上となるように、かつ、前記ユーザの前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数に基づいて、前記運動速度、及び/又は、前記常圧低酸素濃度環境における酸素濃度を調整する第4調整部と、
を更に備える請求項1又は2記載のトレーニング支援システム。 - 前記ユーザによる前記運動の経験値、又は、前記常圧低酸素濃度環境下でのトレーニングの経験値に応じて、前記常圧低酸素濃度環境における酸素濃度、及び/又は、前記運動速度を調整する第5調整部を更に備える、
請求項3又は4記載のトレーニング支援システム。 - 前記ユーザの前記運動能力に基づいて、以下に示す(α)乃至(γ);
(α)心拍数が前記最大心拍数から前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数の間の値となるような強度の運動、
(β)心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から前記有酸素性作業閾値(AeT)に相当する心拍数の間の値となるような強度の運動、
(γ)心拍数が前記無酸素性作業閾値(AT)に相当する心拍数から該心拍数よりも所定値大きくなるような強度の運動、
の少なくとも何れか、又は、少なくも2つ以上の組み合わせを、前記ユーザのトレーニングメニューとして設定、又は、該トレーニングメニューとして該ユーザに報知する、トレーニングメニュー設定報知部を更に備える、
請求項1乃至5の何れか記載のトレーニング支援システム。
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