以下の実施形態に係る通信システムは、基地局装置(セル、スモールセル、サービングセル、コンポーネントキャリア、eNodeB、Home eNodeB、gNodeB、アクセスポイント)および端末装置(UE:User Equipment、端末、移動局、移動端末、加入者ユニット)を備える。該通信システムにおいて、下りリンクの場合、基地局装置は送信装置(送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群)となり、端末装置は受信装置(受信点、受信端末、受信アンテナ群、受信アンテナポート群)となる。上りリンクの場合、基地局装置は受信装置となり、端末装置は送信装置となる。前記通信システムは、D2D(Device-to-Device)通信にも適用可能である。その場合、送信装置も受信装置も共に端末装置になる。なお、基地局装置は、RRH(Remote Radio Head、基地局装置より小型の屋外型の無線部を有する装置、Remote Radio Unit: RRUとも称す)を含むものとする。RRHは、リモートアンテナ、分散アンテナとも呼称する。RRHは、基地局装置の特殊な形態ともいえる。例えば、RRHは信号処理部のみを有し、他の基地局装置によってRRHで用いられるパラメータの設定、スケジューリングの決定などが行われる基地局装置ということができる。
前記通信システムは、人間が介入する端末装置と基地局装置間のデータ通信に限定されるものではなく、MTC(Machine Type Communication)、M2M通信(Machine-to-Machine Communication)、IoT(Internet of Things)用通信、NB−IoT(Narrow Band-IoT)等(以下、MTCと呼ぶ)の人間の介入を必要としないデータ通信の形態にも、適用することができる。この場合、端末装置がMTC端末とも称する。
前記通信システムの無線マルチプルアクセスは、上りリンク及び下りリンクにおいて、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の伝送方式をベースとしたOFDMA(Orthogonal Frequency Multiple Access)を用いることができる。前記通信システムの無線マルチプルアクセスは、DFT‐S‐OFDM(Discrete Fourier Transform- Spread - OFDM)やClustered DFT‐S‐OFDMの伝送方式をベースとしたSC−FDMAを用いることもできる。前記通信システムは、フィルタを適用したFBMC(Filter Bank Multi Carrier)、f−OFDM(Filtered - OFDM)、UF−OFDM(Universal Filtered - OFDM)、W−OFDM(Windowing - OFDM)、スパース符号を用いる伝送方式(SCMA:Sparse Code Multiple Access)などを用いることもできる。さらに、前記通信システムは、DFTプレコーディングを適用し、上記のフィルタを用いる信号波形を用いてもよい。さらに、前記通信システムは、前記伝送方式において、符号拡散、インターリーブ、スパース符号等を施すこともできる。なお、以下の実施形態では、上りリンクはDFT−S−OFDM伝送を用い、下りリンクはOFDM伝送を用いた場合で説明するが、これに限らず、他の伝送方式を適用することができる。
以下の実施形態に係る基地局装置及び端末装置は、無線事業者がサービスを提供する国や地域から使用許可(免許)が得られた、いわゆるライセンスバンド(licensed band)と呼ばれる周波数バンド、及び/又は、国や地域からの使用許可(免許)を必要としない、いわゆるアンライセンスバンド(unlicensed band)と呼ばれる周波数バンドを用いて通信することができる。
本実施形態において、“X/Y”は、“XまたはY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“XおよびY”の意味を含む。本実施形態において、“X/Y”は、“Xおよび/またはY”の意味を含む。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。本実施形態における通信システムは、基地局装置10、端末装置20を備える。カバレッジ10aは、基地局装置10が端末装置20と接続可能な範囲(通信エリア)である(セルとも呼ぶ)。端末装置20は、上りリンクr10において、上りリンク物理チャネル及び上りリンク物理信号を基地局装置10に送信する。基地局装置10は、下りリンクr20において、下りリンク物理チャネル及び下りリンク物理信号を端末装置20に送信する。なお、カバレッジ10aにおいて、基地局装置10は、複数の端末装置20を収容可能であり、収容端末数は、図1に限定されない。
図1の通信システムにおいて、以下の上りリンク物理チャネルが含まれる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理上りリンク制御チャネル
・物理上りリンク共有チャネル
・物理ランダムアクセスチャネル
物理上りリンク制御チャネルは、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)を送信するために用いられる物理チャネルである。
上りリンク制御情報は、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL−SCH:Downlink-Shared Channel)に対する肯定応答(positive acknowledgement、ACK)/否定応答(negative acknowledgement、NACK)を含む。ACK/NACKは、送達確認を示す信号、HARQ−ACK、HARQフィードバックとも称される。上りリンク制御情報は、SR(Scheduling Request)を含むこともできる。
上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を含むこともできる。前記チャネル状態情報は、好適な空間多重数(レイヤ数)を示すランク指標(RI:Rank Indicator)、好適なプレコーダを示すプレコーディング行列指標(PMI:Precoding Matrix Indicator)、好適な伝送レートを指定するチャネル品質指標(CQI:Channel Quality Indicator)などを含む。前記PMIは、端末装置によって決定されるコードブックを示す。該コードブックは、物理下りリンク共有チャネルのプレコーディングに関連する。前記CQIは、所定の帯域における好適な変調方式(例えば、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(quadrature amplitude modulation)、64QAM、256QAMなど)、符号化率(coding rate)とすることができる。
物理上りリンク共有チャネルは、上りリンクデータ(上りリンクトランスポートブロック、UL-SCH)を送信するために用いられる物理チャネルである。物理上りリンク共有チャネルは、下りリンクデータに対するACK/NACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられてもよい。物理上りリンク共有チャネルは、上りリンク制御情報を送信するために用いられてもよい。物理上りリンク共有チャネルは、上りリンクデータに巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を付加して生成してもよい。CRCは、端末装置の識別子(UE ID:User Equipment Identifierとも呼ぶ。)を表す系列を用いてスクランブル(排他的論理和演算、マスク、暗号化とも呼ぶ。)されてもよい。UE IDとして、C−RNTI(Cell - Radio Network Temporary Identifier)、Temporary C−RNTI(T C−RNTI)、SPS C−RNTI(Semi Persistent Scheduling C -RNTI)などが用いられる。例えば、UE IDは、端末装置がセルアップデート手順により新しいセルにアクセスした時に、基地局装置によって、該端末装置に割り当てられる。基地局装置は、各端末装置にUE IDを通知する。UE IDは、ランダムアクセス手順におけるメッセージ2(ランダムアクセス応答、RAR:Random Access Response)/メッセージ4(Contention Resolution)に含めることもできる。UE IDは、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)メッセージに含めることもできる。
物理上りリンク共有チャネルは、RRCメッセージを送信するために用いられる。RRCメッセージは、無線リソース制御層において処理される情報/信号である。RRCメッセージは、端末装置のUE Capabilityを含めることができる。UE Capabilityは、該端末装置がサポートする機能を示す情報である。物理上りリンク共有チャネルは、MAC CE(Control Element)を送信するために用いられる。MAC CEは、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層において処理(送信)される情報/信号である。例えば、パワーヘッドルームは、MAC CEに含まれ、物理上りリンク共有チャネルを経由して報告されてもよい。すなわち、MAC CEのフィールドが、パワーヘッドルームのレベルを示すために用いられる。上りリンクデータは、RRCメッセージ、MAC CEを含むことができる。
物理ランダムアクセスチャネルは、ランダムアクセスに用いるプリアンブルを送信するために用いられる。
上りリンクでは、上りリンク物理信号として上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)が用いられる。上りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。上りリンク参照信号には、復調用参照信号(DMRS: Demodulation Reference Signal)、サウンディング参照信号(SRS: Sounding Reference Signal)が含まれる。
復調用参照信号は、物理上りリンク共有チャネルまたは物理上りリンク制御チャネルの送信に関連する。例えば、基地局装置10は、物理上りリンク共有チャネルまたは物理上りリンク制御チャネルを復調する際の伝搬路補正を行うために復調用参照信号を使用する。復調用参照信号系列は、基地局装置10のセルIDに関連付けて生成されうる。復調用参照信号系列は、サイクリックシフト及びOCC(Orthogonal Cover Code)を施して、生成されうる。
サウンディング参照信号は、物理上りリンク共有チャネルまたは物理上りリンク制御チャネルの送信に関連しない。例えば、基地局装置10は、無線リソース管理測定(RRM測定:Radio Resource Management measurement)などの上りリンクのチャネル状態を測定(CSI Measurement)するためにサウンディング参照信号を使用する。
図1の通信システムでは、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために使用される。
・物理報知チャネル
・物理制御フォーマット指標チャネル
・物理ハイブリッド自動再送要求指標チャネル
・物理下りリンク制御チャネル
・物理下りリンク共有チャネル
物理報知チャネルは、端末装置で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block: MIB, Broadcast Channel: BCH)を報知するために用いられる。MIBは、システム情報である。物理報知チャネルは、ブロードキャストする制御情報を含む。例えば、物理報知チャネルは、下りリンクシステム帯域、システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)、基地局装置によって使用される送信アンテナ数などの情報を含む。
物理制御フォーマット指標チャネルは、下りリンク制御情報を送信可能な領域を通知するために用いられる。例えば、物理制御フォーマット指標チャネルは、下りリンク制御情報を送信するために、各サブフレームの先頭から何個のOFDMシンボルが確保されているか、を示す。
物理ハイブリッド自動再送要求指標チャネルは、物理上りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するために用いられる。端末装置は、予め定められた、または/および、RRC/DCIによって基地局装置から端末装置へ通知される送信タイミングで、ACK/NACKを送信することができる。
物理下りリンク制御チャネルは、下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)を送信するために用いられる。下りリンク制御情報は、用途や送信モードに基づいて、複数のフォーマット(DCIフォーマットとも称する)が定義される。各フォーマットは、用途や送信モードに応じて使われる。下りリンク制御情報は、下りリンクデータ送信のための制御情報(下りリンクデータ送信に関する制御情報)と上りリンクデータ送信のための制御情報(上りリンクデータ送信に関する制御情報)を含む。送信モードは、送信アンテナポート数、ダイバーシチ送信(SFBC:Space-Frequency Block Coding、FSTD:Frequency Switched Transmit Diversity、CDD:Cyclic Division Diversity)ビームフォーミングなどの伝送方法の相違によって、設定される。
下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、物理下りリンク共有チャネルのスケジューリングに用いられる。下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットを、下りリンクグラント(DL Grant、下りリンクアサインメント)とも称する。下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットには、物理下りリンク共有チャネルのリソース割り当てに関する情報、物理下りリンク共有チャネルに対するMCS(Modulation and Coding Scheme)に関する情報、HARQプロセス番号、下りリンクデータの再送に関する情報などの下りリンク制御情報が含まれる。下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、物理上りリンクチャネル(例えば、物理上りリンク制御チャネル、物理上りリンク共有チャネル)や参照信号(例えば、サウンディング参照信号)に対する送信電力制御(TPC;Transmit Power Control)を含めることができる。
上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、物理上りリンク共有チャネルの送信に関する制御情報を端末装置に通知するために用いられる。上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットを、上りリンクグラント(UL Grant、上りリンクアサインメント)とも称する。上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットは、物理上りリンク共有チャネルのリソース割り当てに関する情報、物理上りリンク共有チャネルのMCSに関する情報、上りリンクデータ(物理上りリンク共有チャネル)の再送に関する情報、物理上りリンクチャネルに対する送信電力制御、復調用参照信号のためのサイクリックシフトに関する情報、下りリンクのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information、受信品質情報とも称する。)要求(CSI request)、HARQプロセス番号などの上りリンク制御情報を含むことができる。なお、上りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットに含まれる1又は複数の情報は、下りリンクデータ送信のためのDCIフォーマットに含めることもできる。
物理下りリンク制御チャネルは、下りリンク制御情報に巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を付加して生成される。物理下りリンク制御チャネルにおいて、CRCは、端末装置の識別子(UE ID)を用いてスクランブルされる。例えば、CRCは、セル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI:Cell- Radio Network Temporary Identifier)などを用いて、スクランブルされる。
物理下りリンク共有チャネルは、下りリンクデータ(下りリンクトランスポートブロック、DL-SCH)を送信するために用いられる。物理下りリンク共有チャネルは、システムインフォメーションメッセージ(SIB:System Information Block)を送信するために用いられる。SIBは、セル内における複数の端末装置に対して共通(セル固有)に送信することができる。端末装置スペシフィック(ユーザ固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のSIBを使用して送信されうる。なお、システムインフォメーションメッセージの一部又は全部は、RRCメッセージに含めることができる。
物理下りリンク共有チャネルは、RRCメッセージを送信するために用いられる。基地局装置から送信されるRRCメッセージは、セル内における複数の端末装置に対して共通(セル固有)であってもよい。セル内の端末装置に共通な情報は、セル固有のRRCメッセージを使用して送信されうる。基地局装置から送信されるRRCメッセージは、ある端末装置に対して専用のメッセージ(dedicated signalingとも称する)であってもよい。端末装置スペシフィック(ユーザ固有)な情報は、ある端末装置に対して専用のRRCメッセージを使用して送信されうる。
物理下りリンク共有チャネルは、MAC CEを送信するために用いられる。RRCメッセージおよび/またはMAC CEを、上位層の信号(higher layer signaling)とも称する。物理下りリンク共有チャネルは、基地局装置が各端末装置に情報データを送信するために用いられる。
物理下りリンク共有チャネルは、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を付加して生成される。CRCは、端末装置の識別子(UE ID)を用いてスクランブルされる。端末装置は、同一の該UE IDを用いてスクランブルされた下りリンク制御情報に基づいて、物理下りリンク共有チャネルを検出(復調、復号など)する。
図1の下りリンクでは、下りリンク物理信号として同期信号(SS:Synchronization Signal)、下りリンク参照信号(DL RS:Downlink Reference Signal)が用いられる。下りリンク物理信号は、上位層から出力された情報を送信するためには使用されないが、物理層によって使用される。
同期信号は、端末装置が、下りリンクの周波数領域および時間領域の同期を取得/追跡ために用いられる。例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)とSSS(Secondary Synchronization Signal)の2つの同期信号が用いられる。端末装置は、PSSを用いて、シンボル同期を取得する。端末装置は、SSSを用いて、フレーム同期を取得する。PSS及びSSSはセルIDに関連づけられる。端末装置は、PSS及びSSSを用いて、セルIDを取得することができる。基地局装置下りリンク参照信号は、端末装置が、下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行なうために用いられる。例えば、下りリンク参照信号は、物理報知チャネル、物理下りリンク共有チャネル、物理下りリンク制御チャネルを復調するために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置が、RRM測定などの下りリンクのチャネル状態情報を算出(measurement)するために用いることもできる。また、各種チャネルを復調するために用いられる参照信号とmeasurementするために用いられる参照信号は異なってもよい(例えば、各種チャネルを復調するために用いられる参照信号はLTEにおけるDMRS:Demodulation Reference Signalが用いられ、measurementにはCSI−RSが用いられる。各種チャネルを復調するために用いられる参照信号とmeasurementするために用いられる参照信号は同一であってもよい。(例えば、CRS:Cell-specific Reference Signal)。
下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を総称して、下りリンク信号とも称する。また、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を総称して、上りリンク信号とも称する。また、下りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルとも称する。また、下りリンク物理信号および上りリンク物理信号を総称して、物理信号とも称する。
BCH、UL−SCHおよびDL−SCHは、トランスポートチャネルである。MAC層で用いられるチャネルを、トランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(TB:Transport Block)、または、MAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliverする)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理などが行なわれる。
図1において、基地局装置10及び端末装置20は、上りリンク/下りリンクにおいて、グラントベースのマルチプルアクセスをサポートする(グラントベースマルチプルアクセス、スケジュールドマルチプルアクセスとも呼ばれる)。下りリンクにおいて、基地局装置10は、端末装置20に対して下りリンクグラントで通知される物理リソース(リソース割り当てに関する情報で通知)やMCSを用いて、下りリンク物理チャネルを送信する。上りリンクにおいて、端末装置20は、基地局装置10によって上りリンクグラントで指示された物理リソース(リソース割り当てに関する情報で通知)やMCSなどを用いて、上りリンク物理チャネルを送信する。物理リソースは、時間領域(OFDMシンボル又はSC−FDMAシンボル)と周波数領域(サブキャリア)で定義されるリソースである。
基地局装置10及び端末装置20は、上りリンク/下りリンクにおいて、グラントフリーマルチプルアクセス(グラントレスマルチプルアクセス、コンテンションベースマルチプルアクセスとも呼ばれる)をサポートすることもできる。例えば、上りリンクのグラントフリーマルチプルアクセスにおいて、端末装置20は、基地局装置10から上りリンクグラントの受信に依らず(上りリンクグラントの受信なしで)、上りリンクデータ(上り物理リンクチャネルなど)を送信する。基地局装置10は、グラントフリーマルチプルアクセスをサポートすることを示す情報を、報知チャネル(MIB)/RRCメッセージ/システムインフォメーション(例えば、SIB)を用いて、端末装置20に通知することができる。端末装置20は、グラントフリーマルチプルアクセスをサポートすることを示すUE Capabilityを、基地局装置10に通知することができる。
上りリンクグラントフリーマルチプルアクセスにおいて、端末装置20は、上りリンクデータを送信する物理リソースをランダムに選択するようにしてもよい。例えば、端末装置20は、利用可能な複数の物理リソースの候補がリソースプールとして基地局装置10から通知される。該リソースプールは、報知チャネル/RRCメッセージ/システムインフォメーションで通知される。端末装置20は、前記リソースプールからランダムに物理リソースを選択する。
上りリンクグラントフリーマルチプルアクセスにおいて、前記上りリンクマルチアクセスリソースは、署名リソース(Multi Access Signature Resource)と前記物理リソース(Multi Access Physical Resource)で定義される。物理リソースと署名リソースは、各端末装置が送信した上りリンク物理チャネルを特定することに用いられうる。前記署名リソースの候補は、前記リソースプールに含まれる。端末装置20は、前記リソースプールから署名リソースを選択する。署名リソースは、複数のマルチアクセス署名群(マルチアクセス署名プールとも呼ばれる)のうち、少なくとも1つのマルチアクセス署名で構成される。マルチアクセス署名は、各端末装置が送信する上りリンク物理チャネルを区別(同定)する特徴(目印、指標)を示す情報である。マルチアクセス署名は、空間多重パターン、拡散符号パターン(Walsh符号、OCC;Orthogonal Cover Code、データ拡散用のサイクリックシフト、スパース符号など)、インターリーブパターン、復調用参照信号パターン(参照信号系列、サイクリックシフト)、送信電力、等が含まれる。グラントフリーマルチプルアクセスにおいて、端末装置は、選択した1つ又は複数のマルチアクセス署名を用いて、上りリンクデータを送信する。
基地局装置10は、サブキャリア間隔f_scsをもつOFDMを用いて、下りリンク信号を端末装置20に送信する。端末装置20は、サブキャリア間隔f_scsをもつDFT−s−OFDMを用いて、上りリンク信号を基地局装置10に送信する。図1の通信システムでは、上りリンク及び下りリンク各々において、複数のサブキャリア間隔f_scsが定義される。例えば、サブキャリア間隔f_scsは、n_scs×f_scs_oで定義される。f_scs_oはリファレンスとなるサブキャリア間隔[Hz]である。n_scsは、2a 、又は2(-a)である(aは自然数)。n_scsは、ab(aは自然数、bは1又は−1)と定義してもよい。
図2は、本実施形態に係る通信システムの無線フレーム構成の一例を示す図である。サブキャリア間隔がn倍になると、OFDMシンボル長は1/nとなる。図2は、f_scs_o=15kHzにおいて、n_scs=1(f_scs=15kHz)及びn_scs=4(f_scs=60kHz)の例である。f_scs_o=15kHzのOFDMシンボル長は、f_scs=60kHzの1/4となる。なお、DFT−s−OFDMを用いる場合、サブキャリア間隔がn倍になると、SC−FDMAシンボル長は1/nとなる(図2において、OFDMシンボル長がSC−FDMAシンボル長に置き換わる)。
下りリンク及び上りリンクにおいて、1つの無線フレームは、複数のサブフレームから構成される。図2は、1つの無線フレームが10個のサブフレームから構成される例である。サブフレーム長は、サブキャリア間隔によらず、一定に設定される。例えば、無線フレーム長が10msの場合、サブフレーム長は、サブキャリア間隔によらず、1msで一定とする。サブフレーム長は、リファレンスサブキャリア間隔f_scs_o=15kHzのOFDMシンボル長を基準に設定される。図2では、サブフレーム長は、f_scs_o=15kHzにおける14個のOFDMシンボルの区間とする例である(図12(A))。f_scs=60kHzの場合、1つのサブフレームは、56個のOFDMシンボルから構成される(図12(B))。
1つのスロットは、基地局装置10及び端末装置20が物理チャネルの送信に用いるサブキャリア間隔において生成される複数のOFDMシンボルから構成される。スロットを構成するOFDMシンボル数は、サブキャリア間隔によらず、一定である(各サブキャリア間隔におけるスロット長は、OFDMシンボル数によって定まる)。図2では、1つのスロットが7つのOFDMシンボルから構成される例である。f_scs=15kHzにおけるスロット長は、f_scs=60kHzのスロット長の4倍となる。
1つのミニスロットは、基地局装置10及び端末装置20が物理チャネルの送信に用いるサブキャリア間隔において生成される複数のOFDMシンボル(例えば、2つ、4つ)から構成される。ミニスロットを構成するOFDMシンボル数は、サブキャリア間隔によらず、一定である(各サブキャリア間隔におけるミニスロット長は、OFDMシンボル数によって定まる)。ミニスロットを構成するOFDMシンボル数は、スロットを構成するOFDMシンボル数より少ない。各サブキャリア間隔において、ミニスロット長はスロット長より短い。図2は、1つのミニスロットが2つのOFDMシンボルから構成される例である。f_scs=15kHzにおけるミニスロット長は、f_scs=60kHzのミニスロット長の4倍となる。
基地局装置10は、スロット/ミニスロットを構成するOFDMシンボル数を設定することができる。基地局装置10は、スロット/ミニスロットを構成するOFDMシンボル数を、各サブキャリア間隔で独立に設定することができる。スロット/ミニスロットを構成するOFDMシンボル数において、基地局装置10は、サブキャリア間隔毎に、異なるOFDMシンボル数を設定してもよい。基地局装置10は、スロット/ミニスロットを構成するOFDMシンボル数をシグナリングし、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報で端末装置20に通知するようにしてもよい。
本実施形態に係る通信システムでは、物理チャネルをマッピングするため所定のリソース割り当てユニットが定義される。リソース割り当てユニットは、サブキャリア数及びOFDMシンボル数(DFT−S−OFDMを用いる場合、SC−FDMAシンボル数)で定義される。例えば、基地局装置10は、上りリンクグラント及び下りリンクグラントにおけるリソース割り当てに関する情報を、リソース割り当てユニット数で通知することができる。各サブキャリア間隔におけるリソース割り当てユニットのサブキャリア数が同一に設定された場合、サブキャリア間隔によってリソース割り当てユニットの周波数帯域幅が異なる。例えば、リソース割り当てユニットにおいて、f_scs=60kHzにおける周波数帯域幅は、f_scs=15kHzの周波数帯域幅の4倍となる。
リソース割り当てユニットのOFDMシンボル数は、サービス品質QoS(Quality of Service)、TTI(Transmission Time Interval)、や用途(eMBB,mMTC、uRLLC)によって、異なる設定を用いることができる。リソース割り当てユニットは、時間ドメインにおいて、サブフレーム単位/スロット単位/ミニスロット単位で設定することができる。リソース割り当てユニットがサブフレーム単位で設定される場合、リソース割り当てユニットを構成するOFDMシンボル数は、14個となる。本実施形態に係る通信システムは、スロットを、基地局装置10及び端末装置20が物理チャネル(例えば、物理データ共有チャネル、物理制御チャネル)をマッピングする最小単位としてもよい。この場合、リソース割り当てユニットを構成するOFDMシンボル数は、スロットを構成するOFDMシンボル数と一致する。本実施形態に係る通信システムは、ミニスロットを、端末装置20が物理チャネル(例えば、物理データ共有チャネル、物理制御チャネル)をマッピングする最小単位としてもよい。この場合、リソース割り当てユニットを構成するOFDMシンボル数は、ミニスロットを構成数OFDMシンボル数と一致する。
基地局装置10は、システム帯域毎に、サブキャリア間隔を設定することができる。基地局装置10は、端末装置20に対する上りリンク及び下りリンク物理チャネルのサービス品質QoS、TTIや用途(eMBB,mMTC、uRLLC)によって、各システム帯域に用いるサブキャリア間隔を設定してもよい。TTIは、スケジューリングの最小時間単位である。eMBB(enhanced Mobile Broadband)は高い周波数利用効率で大容量通信を行うことを用途とする。mMTC(massive Machine Type Communication)は多数端末を収容し、各端末に対して小さいデータを伝送することを用途とする。uRLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)は高信頼かつ低遅延で通信することを用途する。
本実施形態に係る通信システムは、物理チャネルの送信に用いる周波数バンド毎に、サブキャリア間隔を設定することもできる。例えば、2つの周波数バンドを用いる場合、高い周波数バンドにおけるサブキャリア間隔は、低い周波数バンドおけるサブキャリア間隔より大きく設定される。基地局装置10及び端末装置20は、周波数バンドに基づくサブキャリア間隔を用いて、物理チャネルを送信する。
基地局装置10は、1つのシステム帯域に、複数のサブキャリア間隔を設定することができる。図3は、本実施形態に係る通信システムの物理リソースの例を示す図である。図3は、1つのシステム帯域内に、サブキャリア間隔f_scs=15kHz及び30kHzが周波数分割多重(FDM;Frequency Division Multiplexing)される例である。システム帯域における両端に割り当てるサブキャリア間隔が、内側に割当てるサブキャリア間隔より小さい場合である。リソースエレメントは、1つのサブキャリアと1つのOFDMシンボル(又はSC―FDMAシンボル)からなる領域である。リソース割り当てユニットAは、サブキャリア間隔が15kHzの領域において、物理チャネルをマッピングする単位である。リソース割り当てユニットBは、サブキャリア間隔が30kHzの領域において、物理チャネルをマッピングする単位である。リソース割り当てユニットA及びリソース割り当てユニットBは、スロット単位(OFDMシンボル数=7)で時間ドメインを設定した例である。この場合、リソース割り当てユニットAのタイムスロット長は、リソース割り当てユニットBのタイムスロット長の2倍となる。サブキャリア間隔が30kHzの領域では、リソース割り当てユニットAのタイムスロット区間において、2つの物理チャネルをマッピングすることができる。
基地局装置10は、Qosや用途によって、端末装置20に対する上りリンク及び下りリンク物理チャネルをマッピングするリソースをスケジュールする。例えば、図3では、端末装置20がeMBBの用途で上りリンク物理チャネルを送信する場合、基地局装置10は、サブキャリア間隔f_scs=15kHzの領域におけるリソース割り当てユニットAを、端末装置20に割り当てる。端末装置20がURLLCの用途で上りリンク物理チャネルを送信する場合、基地局装置10は、サブキャリア間隔f_scs=30kHzの領域におけるリソース割り当てユニットBを端末装置20に割り当てる。
基地局装置10は、システム帯域を構成する各サブキャリア間隔の帯域幅を設定することができる。基地局装置10は、各サブキャリア間隔の帯域幅の設定情報を、報知チャネル/RRCメッセージ/SIBを用いて、端末装置20に通知する。各サブキャリア間隔の帯域幅の設定情報を通知するための物理チャネル(サブキャリア間隔フォーマット指標チャネル)を専用に定義してもよい。各サブキャリア間隔の帯域幅の設定情報は、上りリンク及び下りリンク各々、独立して設定することができる。なお、1つのシステム帯域内において、各サブキャリア間隔の帯域幅は、通信システムにおいて予め設定しておいてもよい。
図1の通信システムの上りリンク/下りリンクにおいて、複数のサブキャリア間隔が用いられる。基地局装置10は、複数のサブキャリア間隔のうちの何れか用いて、端末装置20に下りリンク信号を送信する。端末装置20は、複数のサブキャリア間隔のうちの何れかを用いて、基地局装置10に上りリンク信号を送信する。
端末装置20は、複数のサブキャリア間隔を用いた伝送をサポートすることを示すUE Capabilityを基地局装置10に通知する。端末装置20は、サポートするサブキャリア間隔を示す情報を、UE Capabilityに含めて、基地局装置10に通知することができる。基地局装置10は、端末装置20に対して、上りリンク及び下りリンクにおける物理チャネルで用いるサブキャリア間隔を通知する。前記サブキャリア間隔は、報知チャネル/RRCメッセージ/システムインフォメーション/DCIを用いて、通知される。例えば、端末装置20は、受信した同期信号(PSS/SSS)がマッピングされているリソースエレメントのサブキャリア間隔をリファレンスサブキャリア間隔と解釈する。基地局装置10は、複数のサブキャリア間隔を用いた伝送をサポートする端末装置20に対して、RRCメッセージ/システムインフォメーションを用いて、端末装置20が上りリンク/下りリンクで使用可能(設定可能)な複数のサブキャリア間隔の候補(サブキャリア間隔セット)を通知する(複数のサブキャリア間隔を用いた伝送をサポートしない端末装置には、該サブキャリア間隔セットを送信しないようにしてもよい)。例えば、下りリンクサブキャリア間隔セット={sc15、sc30、sc60、sc120}を端末装置が受信した場合、そのサブキャリア間隔セットは、下りリンクにおいて、15kHz、30kHz、60kHz、120kHzの4つのサブキャリア間隔を使用して下りリンク信号が送信される可能性があることを示す。サブキャリア間隔セットは、使用可能なOFDMシンボル長(又はSC−FDMAシンボル長)の候補を示しているともいえる。上りリンクグラントフリーマルチプルアクセスの場合、端末装置20は、前記サブキャリア間隔セットから選定した1つのサブキャリア間隔を用いて、上りリンク信号を送信する。
グラントベースマルチプルアクセスの場合、基地局装置10は、各物理下りリンク共有チャネルで用いるサブキャリア間隔を、前記サブキャリア間隔セットから選定する。基地局装置10は、前記選定した1つのサブキャリア間隔を下りリンク制御情報で通知する。端末装置20は、前記サブキャリア間隔に関する情報を含む下りリンク制御情報に基づいて、該物理下りリンク共有チャネルがマッピングされたリソースのサブキャリア間隔を特定する。なお、基地局装置10は、システムインフォメーションを用いて、前記サブキャリア間隔セットをセル固有に送信してもよい。この場合、複数のサブキャリア間隔を用いた伝送をサポートする端末装置は、前記サブキャリア間隔セットをシステムインフォメーションから読む(複数のサブキャリア間隔を用いた伝送をサポートする端末装置は、前記サブキャリア間隔セットを読まない)。
本実施形態に係る通信システムは、上りリンク及び下りリンクで異なるサブキャリア間隔を設定することを許容する。例えば、物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACK送信に用いられるサブキャリア間隔は、前記物理下りリンク共有チャネルの送信に用いられたサブキャリア間隔と異なる設定をすることができる。前記サブキャリア間隔セットは、上りリンク及び下りリンク共通の設定情報とすることができる。前記サブキャリア間隔セットは、上りリンク及び下りリンク各々、独立の設定情報としてもよい。下りリンク制御情報に含まれる前記キャリア間隔に関する情報は、上りリンク及び下りリンク共通に、キャリア間隔を示す制御情報とすることができる。下りリンク制御情報に含まれる前記キャリア間隔に関する情報は、上りリンク及び下りリンク各々、独立に通知する制御情報としてもよい(下りリンク制御情報において、上りリンクのキャリア間隔を示すフィールドと下りリンクのキャリア間隔を示すフィールドを別々に設ける)。
図4は、本実施形態に係るACK/NACK送信タイミングの一例を示す図である。下りリンクタイムスロットは、下りリンクにおいて、物理チャネルがマッピングされるタイムスロット(リソース割り当てユニットの時間ドメイン)である。上りリンクタイムスロットは、上りリンクにおいて物理チャネルがマッピングされるタイムスロットである。上りリンクタイムスロット及び下りリンクタイムスロットの単位は、前記スロット/ミニスロットを基準に設定される。1つの下りリンク物理チャネル(例えば、1つのトランスポートブロック)は、下りリンクのタイムスロット単位でマッピングされる。1つの上りリンク物理チャネルは、上りリンクのタイムスロット単位でマッピングされる。図4は、下りリンクのサブキャリア間隔が15kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が60kHzに設定される例である。すなわち、下りリンクのタイムスロット長は、上りリンクのタイムスロット長より長い。n_DLは、物理下りリンク共有チャネルがマッピングされる下りリンクタイムスロットである。
図4において、基地局装置10は、下りリンクのデータ送信に用いたサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、そのデータに対するACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、下りリンクのデータ送信に用いたサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、そのデータに対するACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。n_ULは、ACK/NACKを送信する上りリンクのタイムスロットである。なお、下りリンクのデータ送信に用いたサブキャリア間隔のタイムスロットは、下りリンクのデータ送信に用いたOFDMシンボル長と読み替えることもできる。
物理下りリンク共有チャネルがタイムスロットn_DLで送信されたとする(網掛け部)。この場合、前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKは、n_DL+kのタイムスロットの範囲内で送信される。図4は、k=3の例である(右上がり斜線部)。基地局装置10は、ACK/NACKを送信する遅延時間k(スロットタイミングk)を、RRCメッセージ/DCIを用いて、端末装置20に通知する。基地局装置は、前記遅延時間kを、各サブキャリア間隔において設定することができる。基地局装置は、前記遅延時間kを、上りリンク及び下りリンク各々で、設定することができる。なお、図4では、n_DL+3の区間に含まれる先頭の上りリンクタイムスロットでACK/NACKを送信する例であるが、n_DL+3の区間内の最後尾やその他の上りリンクタイムスロットを用いてもよい。例えば、n_DL+3の区間のいずれの上りリンクタイムスロットでACK/NACKを送信するかは、UE ID、送信アンテナポート番号、下りリンクリソース割り当て位置等と関連付けられえる。これにより、ACK/NACKを送信する上りリンクタイムスロットをランダム化できる。また、下りリンクと上りリンクで同一の周波数を使用する時間分割多重においても同様に下りリンクのデータ送信に用いたサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、そのデータに対するACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントしてもよい。この場合、遅延時間kのタイムスロットが上りリンクで使用できるとは限らないため、遅延時間k以上で最も早いタイミングで使用できる上りリンクのタイムスロットでACK/NACKを送信してもよい。
図5は、本実施形態に係るACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図5は、下りリンクのサブキャリア間隔が60kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が15kHzに設定される例である。すなわち、下りリンクのタイムスロット長は、上りリンクのタイムスロット長より短い。図5では、物理下りリンク共有チャネル(網掛け部)に対するACK/NACKの送信タイミングは、下りリンクタイムスロットn_DL+kの区間と設定される。図5は、ACK/NACKを受信する遅延時間k=3と設定された例とする。下りリンクタイムスロットn_DL+3の区間は、物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_DLと同一の上りリンクタイムスロットの区間内であるため(上りリンクタイムスロットn_ULの区間内)、ACK/NACKを下りリンクタイムスロットn_DL+3の区間内に送信できない。この場合、前記ACK/NACKは、上りリンクタイムスロットn_ULの次の上りリンクタイムスロットn_UL+1で送信される(右上がり斜線部)。よって、タイムスロットn_DL+kの区間内に対応する上りリンクタイムスロットn_ULでACK/NACKを送信できない場合、前記ACK/NACKは、上りリンクタイムスロットn_UL以降の所定のタイミングで送信される。なお、図5の例では、k<4の場合において、前記ACK/NACKは、同様に、上りリンクタイムスロットn_UL+1で送信される。
一方、物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_DLがACK/NACKを送信する上りリンクタイムスロットn_ULの区間に含まれない場合(図5では、k>3の場合)、すなわち、下りリンクタイムスロットn_DL+kの区間が物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_DLと異なる上りリンクタイムスロット区間内である場合、前記ACK/NACKは、上りリンクタイムスロットn_ULで送信される。なお、図4及び図5は、下りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間をカウントする例であるが、上りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間でも、同様に適用することができる。
図6は、本実施形態に係るACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図6(A)は、下りリンクのサブキャリア間隔が15kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が60kHzに設定される例である。図6(B)は、下りリンクのサブキャリア間隔が60kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が15kHzに設定される例である。n_DLは、物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである(網掛け部)。n_ULは、前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである(右上がり斜線部)。
図6において、基地局装置10は、ACK/NACKの送信に用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、前記ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、ACK/NACK送信に用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、前記ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。なお、ACK/NACKの送信に用いるサブキャリア間隔のタイムスロットは、ACK/NACKの送信に用いたOFDMシンボル長と読み替えることもできる。
前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_ULは、n_DLのエンドポイントを含む上りリンクタイムスロット(n_UL−k)からk番目の上りリンクタイムスロットである(n_UL−k番目の上りリンクタイムスロット区間が下りリンクスロットn_DLと重複する)。図6は、k=3の場合の例である。なお、図6は、下りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間をカウントする例であるが、上りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間でも、同様に適用することができる。
図7は、本実施形態に係るACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図7(A)は、下りリンクのサブキャリア間隔が15kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が60kHzに設定される例である。図7(B)は、下りリンクのサブキャリア間隔が60kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が15kHzに設定される例である。n_DLは、物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである(網掛け部)。n_ULは、前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである(右上がり斜線部)。
図7において、基地局装置10は、上りリンク及び下りリンクのうちサブキャリア間隔の大きい方(OFDMシンボル長の小さい方)のタイムスロットを基準(単位)に、前記ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、上りリンク及び下りリンクのうちサブキャリア間隔の大きい方のタイムスロットを基準に、前記ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図7は、k=3の例である。
図7(A)では、上りリンクのサブキャリア間隔が下りリンクよりも大きい。この場合、上りリンクのタイムスロットを基準に、遅延時間kが設定される。前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_ULは、タイムスロットn_DLと重複する上りリンクのタイムスロットn_UL−k(図7(B)ではk=3)を基準に、k番目の上りリンクタイムスロットである。すなわち、前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_ULは、n_DLのエンドポイントを基準にk番目の上りリンクタイムスロットである。
図7(B)では、下りリンクのサブキャリア間隔が上りリンクよりも大きい。この場合、下りリンクのタイムスロットを基準に、遅延時間kが設定される。図7(B)において、図5と同様に、下りリンクタイムスロットn_DL+kの区間(k=3)は、物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_DLと同一の上りリンクタイムスロット区間内であるため(上りリンクタイムスロットn_UL)、前記ACK/NACKは、上りリンクタイムスロットn_ULの次の上りリンクタイムスロットn_UL+1で送信される(右上がり斜線部)。なお、物理下りリンク共有チャネルが送信されたタイムスロットn_DLがACK/NACKを送信する上りリンクタイムスロットn_ULの区間に含まれない場合(図7では、k>3の場合)、前記ACK/NACKは、上りリンクタイムスロットn_ULで送信される。なお、図7は、下りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間をカウントする例であるが、上りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間でも、同様に適用することができる。
図8は、本実施形態に係るACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図8(A)は、下りリンクのサブキャリア間隔が15kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が60kHzに設定される例である。図8(B)は、下りリンクのサブキャリア間隔が60kHz、上りリンクのサブキャリア間隔が15kHzに設定される例である。n_DLは、物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである(網掛け部)。n_ULは、前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである(右上がり斜線部)。
図8において、基地局装置10は、上りリンク及び下りリンクのうちサブキャリア間隔の小さい方(OFDMシンボル長の大きい方)のタイムスロットを基準(単位)に、前記ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、上りリンク及び下りリンクのうちサブキャリア間隔の小さい方のタイムスロットを基準に、前記ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図7は、k=3の例である。
図8(A)では、下りリンクのサブキャリア間隔が上りリンクよりも小さい。この場合、下りリンクのタイムスロットを基準に、遅延時間kが設定される。前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKは、n_DL+kのタイムスロットの範囲内で送信される。図8では、n_DL+3の区間に含まれる先頭の上りリンクタイムスロットn_ULでACK/NACKを送信する例であるが、図4と同様に、n_DL+3の区間内の最後尾やその他の上りリンクタイムスロットを用いてもよい。
図8(B)では、上りリンクのサブキャリア間隔が下りリンクよりも小さい。この場合、上りリンクのタイムスロットを基準に、遅延時間kが設定される。前記物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを送信するタイムスロットn_ULは、タイムスロットn_DLと重複する上りリンクのタイムスロットn_UL−k(図8(B)ではk=3)を基準に、k番目の上りリンクタイムスロットである。なお、図8は、下りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間をカウントする例であるが、上りリンクデータに対するACK/NACK送信の遅延時間でも、同様に適用することができる。
基地局装置10は、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて、上りリンク及び下りリンクの伝送に用いるサブキャリア間隔を通知する。端末装置20は、前記サブキャリア間隔に基づいて、該上りリンク及び下りリンクの物理チャネルがマッピングされたリソースのサブキャリア間隔を特定する。あるいは端末装置20は、同期信号(Primary Synchronization Signal、Secondary Synchronization Signal、Tertiary Synchronization Signalの一部の組み合わせ、もしくは全て)のサブキャリア間隔に基づいて、該上りリンク及び下りリンクの物理チャネルがマッピングされたリソースのサブキャリア間隔を特定してもよい。端末装置20は、前記サブキャリア間隔から上りリンクタイムスロット及び下りリンクのタイムスロットの単位を特定することができる。図4から図8において、端末装置20は、前記サブキャリア間隔を特定した結果に基づいて、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を解釈する。基地局装置10は、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて通知するサブキャリア間隔によって、暗黙的に示唆する。
基地局装置10は、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて、上りリンク及び下りリンクの伝送に用いるOFDMシンボル長(SC−FDMAシンボル長)を通知することもできる。端末装置20は、前記サOFDMシンボル長から上りリンクタイムスロット及び下りリンクのタイムスロットの単位を特定してもよい。基地局装置10は、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて通知するOFDMシンボル長によって、暗黙的に示唆することもできる。なお、基地局装置10は、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、明示的に通知することもできる。
図9は、本実施形態に係る端末装置20の構成を示す概略ブロック図である。端末装置20は、受信アンテナ202、受信部(受信ステップ)204、上位層処理部(上位層処理ステップ)206、制御部(制御ステップ)208、送信部(送信ステップ)210、送信アンテナ212を含んで構成される。受信部204は、無線受信部(無線受信ステップ)2040、デマッピング部(多重分離ステップ)2042、復調部(復調ステップ)2044、及び復号部(復号ステップ)2046を含んで構成される。送信部210は、符号化部(符号化ステップ)2100、変調部(変調ステップ)2102、DFT部(DFTステップ)2104、拡散部(拡散ステップ)2106、マッピング部(マッピングステップ)2108、無線送信部(無線送信ステップ)2110、上りリンク参照信号生成部(上りリンク参照信号生成ステップ)2112を含んで構成される。
受信部204は、受信アンテナ202を介して基地局装置10が送信した下りリンク信号(下りリンク物理チャネル、下りリンク物理信号)を受信し、各下りリンク信号を分離、復調、復号する。受信部204は、下りリンク信号から分離した物理下りリンク制御チャネルを、復調、復号後に制御部208に出力する。受信部204は、下りリンク物理チャネルの復号結果を上位層処理部206に出力する。
無線受信部2040は、受信アンテナ202を介して受信した下りリンク信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調(直交検波)し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部2040は、変換したディジタル信号からCP(Cyclic Prefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した下りリンク信号に対して高速フーリエ変換を行い(OFDM変調に対する復調処理)、周波数領域の信号を抽出する。
デマッピング部2042は、前記抽出した周波数領域の下りリンク信号に含まれる下りリンク物理チャネル(物理下りリンク制御チャネル、物理下りリンク共有チャネル、物理報知チャネル、サブキャリア間隔フォーマット指標チャネル等)及び下りリンク参照信号、同期信号等を、分離抽出する。デマッピング部2042は、下りリンク参照信号を用いたチャネル測定機能(チャネル測定部)を含む。デマッピング部2042は、前記チャネル測定結果を用いた下りリンク信号のチャネル補償機能(チャネル補償部)を含む。デマッピング部は、下りリンク物理チャネルを復調部2044に出力する。
復調部2044は、各下りリンク物理チャネルの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた、または下りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて復調処理を行なう。
復号部2046は、復調された各下りリンク物理チャネルの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は下りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号処理を行う。下りリンク物理チャネルの復号結果は、上位層処理部206及び制御部208へ出力される。
制御部208は、物理報知チャネル/物理下りリンク共有チャネル等に含まれる報知情報/システムインフォメーション/RRCメッセージ等を受信部204/上位層処理部206から取得する。報知情報/システムインフォメーション/RRCメッセージ等は、上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔セット/各サブキャリア間隔の帯域幅情報/リソース割り当てユニットの時間ドメインの単位(スロット、ミニスロット、サブフレーム)の設定情報/遅延時間k/OFDMシンボル長等の下りリンク送信に関する設定情報及び上りリンク送信に関する設定情報を含むことができる。下りリンク送信に関する設定情報は、基地局装置が端末装置へ送信する下りリンク信号の設定に関する情報である。上りリンク送信に関する設定情報は、端末装置が基地局装置へ送信する上りリンク信号の設定に関する情報である。サブキャリア間隔セット/各サブキャリア間隔の帯域幅情報/リソース割り当てユニットの時間ドメインの単位の設定情報/遅延時間k/OFDMシンボル長等は、上りリンク及び下りリンクで独立した設定情報とすることができる。
制御部208は、物理下りリンク制御チャネルに含まれる下りリンク制御情報を受信部204から取得する。下りリンク制御情報は、下りリンク送信に関する制御情報と上りリンク送信に関する制御情報を含む。下りリンク送信に関する制御情報は、基地局装置が端末装置へ送信する下りリンク信号の設定に関する情報である。上りリンク送信に関する制御情報は、端末装置が基地局装置へ送信する上りリンク信号の設定に関する情報である。下りリンク送信に関する制御情報は、物理下りリンク共有チャネルがマッピングされるリソースのサブキャリア間隔に関する情報/物理下りリンク共有チャネルがマッピングされるリソース割り当て/物理下りリンク共有チャネルのMCS等を含む。
上りリンク送信に関する制御情報は、上りリンク物理チャネルをマッピングするリソースのサブキャリア間隔に関する情報/上りリンク物理チャネルをマッピングするリソースの割り当て/上りリンク物理チャネルのMCS/ACK/NACKを送信のための遅延時間k等を含むことができる。制御部208は、下りリンク制御情報に含まれる下りリンクデータ送信に関する制御情報/下りリンク受信に関する設定情報を用いて、受信部204に含まれる各ブロックの制御を行う。制御部208は、下りリンク制御情報に含まれる上りリンク送信に関する制御情報/上りリンク送信に関する設定情報を用いて、送信部210に含まれる各ブロックの制御を行う。
例えば、制御部208は、RRCメッセージによって取得したサブキャリア間隔セット及び下りリンク制御情報によって取得したサブキャリア間隔に関する情報により、下りリンクのサブキャリア間隔及び上りリンクのサブキャリア間隔を取得する。次に、制御部208は、図4から図8の基準により、前記下りリンク及び上りリンクのサブキャリア間隔を比較する。制御部208は、比較結果から、ACK/NACKを含む物理上りリンク制御チャネルを送信するタイムスロット基準を解釈し、マッピング部に入力する。
制御部208は、下りリンク及び上りリンクのOFDMシンボル長を用いて、ACK/NACKを含む物理上りリンク制御チャネルを送信するタイムスロット基準を解釈し、マッピング部に入力してもよい。この場合、制御部208は、RRCメッセージ/下りリンク制御情報によって取得したOFDMシンボル長を用いて、図4から図8の基準により、下りリンク及び上りリンクのOFDMシンボル長を比較する。
前記ACK/NACKを含む物理上りリンク制御チャネルを送信するタイムスロット基準は、基地局装置10から指示された図4から図8のいずれかの基準を用いてもよい。また、前記ACK/NACKを含む物理上りリンク制御チャネルを送信するタイムスロット基準は、通信システムにおいて、予め定めておいてもよい。なお、送信部210が物理上りリンク制御チャネルを送信する場合、制御部208は、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control information)を生成し、送信部210に出力する。なお、制御部208の機能の一部は、上位層処理部206に含めることができる。
上位層処理部206は、媒体アクセス制御(MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP)層、無線リンク制御(RLC)層、無線リソース制御(RRC)層の処理を行う。上位層処理部206は、自端末装置がサポートしている端末装置の機能に関する情報(UE capability)を送信部210に出力する。例えば、上位層処理部206は、前記端末装置の機能に関する情報(UE Capability)をRRC層でシグナリングする。
前記端末装置の機能に関する情報は、その端末装置が所定の機能をサポートするかどうかを示す情報、またはその端末装置が所定の機能に対する導入およびテストの完了を示す情報を含む。所定の機能をサポートするかどうかは、所定の機能に対する導入およびテストを完了しているかどうかを含む。端末装置が所定の機能をサポートする場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信する。端末装置が所定の機能をサポートしない場合、その端末装置はその所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信しないようにしてよい。すなわち、その所定の機能をサポートするかどうかは、その所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)を送信するかどうかによって通知される。なお、所定の機能をサポートするかどうかを示す情報(パラメータ)は、1または0の1ビットを用いて通知してもよい。
例えば、前記端末装置の機能に関する情報は、サポートしているサブキャリア間隔を示す情報(サブキャリア間隔セットを含む)/サポートしている周波数バンドに関する情報を含む。サポートしているサブキャリア間隔を示す情報は、サポートしている周波数バンドに関する情報と関連付けることができる。例えば、基地局装置10は、端末装置20が送信した周波数バンドに関する情報により、サポートしているサブキャリア間隔を特定することができる。
上位層処理部206は、自端末装置の各種設定情報の管理をする。上位層処理部206は、前記各種設定情報を制御部208/送信部210に入力される。上位層処理部206は、下りリンク物理チャネルから取得した上りリンク送信に関する設定情報/下りリンク送信に関する設定情報を制御部208に入力する。上位層処理部206は、上りリンク送信に関する設定情報/下りリンク送信に関する設定情報を用いて、受信部204/送信部210の各ブロックを制御するための設定パラメータを算出し、制御部208に入力する。上位層処理部206は、基地局装置10に通知する設定情報(UE Capability、BSR;Buffer Status Report、パワーヘッドルームレポートなど)を生成し、送信部210に入力する。
上位層処理部206は、ユーザの操作等によって生成された上りリンクデータ(例えば、DL−SCH)を、送信部210に出力する。上位層処理部206は、ユーザの操作を介さず(例えば、センサにより取得されたデータ)に生成された上りリンクデータを、送信部210に出力することもできる。前記上りリンクデータには、UE IDを格納するフィールドを有しても良い。上位層処理部206は、前記上りリンクデータにCRCを付加する。前記CRCのパリティビットは、前記上りリンクデータを用いて生成される。前記CRCのパリティビットは、自端末装置に割当てられたUE IDでスクランブル(排他的論理和演算、マスク、暗号化とも呼ぶ)される。
送信部210は、グラントベースマルチプルアクセスにおいて上りリンクデータが発生した場合、基地局装置10にスケジューリングリクエスト(SR;Scheduling Request)やBSRなどの上りリンクリソースの割り当てを要求するための情報を生成する。送信部210は、下りリンク制御情報に含まれる上りリンクの送信に関する制御情報/上りリンクの送信に関する設定情報に基づいて、物理上りリンク共有チャネル、物理リンク制御チャネルを送信する。送信部210は、グラントフリーマルチプルアクセスにおいて上りリンクデータが発生した場合、上りリンクグラントの受信なしで、物理上りリンク共有チャネルを送信する。送信部210は、制御部208から入力されるサブキャリア間隔に関する情報に従って、前記物理上りリンク共有チャネルを送信する。
符号化部2100は、予め定められた/制御部208が設定した符号化方式を用いて、上位層処理部206から入力された上りリンクデータ、ACK/NACK等を含む上りリンク制御情報を符号化する(リピティションを含む)。符号化方式は、畳み込み符号化、ターボ符号化、LDPC(Low Density Parity Check)符号化、Polar符号化、等を適用することができる。前記符号化は、符号化率1/3に加え、低い符号化率1/6や1/12などのマザーコードを用いてもよい。変調部2102は、符号化部2100から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等(π/2シフトBPSK、π/2シフトQPSKも含んでもよい)の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
拡散部2106は、制御部208から拡散符号系列の設定が入力された場合、その設定に従って、変調部2102から出力される系列に対して拡散符号系列を乗算する。例えば、拡散部2106は、グラントフリーマルチプルアクセスにおける署名リソースに拡散符号が設定された場合、その設定に基づいて、拡散処理が行われる。署名リソースとしてインターリーブが設定された場合、拡散部2106は、インターリーブ部に置換えることができる。インターリーブ部は、DFT部から出力される系列に対して、制御部208から入力されるインターリーブパターンの設定に従ってインターリーブ処理を行う。その他の署名リソースが適用された場合でも、同様に置換えることができる。なお、拡散処理は、DFT処理後の系列に対して行ってもよい。
DFT部2104は、拡散処理部2106から出力される拡散後の変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)処理をする。ここで,前記変調シンボルにゼロのシンボル列を付加して、DFTを行うことでIFFT後の時間信号にCPの代わりにゼロ区間を使う信号波形としても良い。また、変調シンボルにGold系列やZadoff−Chu系列などの特定の系列を付加して、DFTを行うことでIFFT後の時間信号にCPの代わりに特定パターンを使う信号波形としても良い。ただし,信号波形をOFDMとする場合は、DFTを適用しない。
上りリンク参照信号生成部2112は、制御部208から入力される復調用参照信号の設定情報に従って、復調用参照信号を生成する。復調用参照信号の設定情報は、基地局装置10を識別するための物理セル識別子(PCI:physical cell identity、Cell IDなどと称される)、上りリンク参照信号をマッピングするサブキャリア数(帯域幅)、OFDMシンボル数、サイクリックシフト、OCC系列等が含まれる。復調用参照信号の設定情報は、上りリンク送信に関する制御情報/上りリンク送信に関する設定情報から取得される。
マッピング部2108は、上りリンク送信に関する制御情報に含まれるリソース割り当て/サブキャリア間隔に関する情報/遅延時間kに従って、上りリンク物理チャネル(DFT部2104の出力信号)、上りリンク参照信号をリソースエレメントにマッピング(時間/周波数/空間多重)する。例えば、マッピング部2108は、前記サブキャリア間隔に関する情報から解釈されたタイムスロット基準に基づいて、ACK/NACKを含む物理上りリンク制御チャネルを上りリンクタイムスロットn_ULに対するマッピングする。
無線送信部2110は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、DFT−s−OFDM方式の変調を行い、SC−FDMAシンボルを生成する。無線送信部2110は、サブキャリア間隔の設定に従って、逆高速フーリエ変換を行う。例えば、サブキャリア間隔f_scs=15kHzにおいて、IFFTポイント数2048を用いる場合、無線送信部2110は、サブキャリア間隔f_scs=60kHzにおいて、IFFTポイント数が512を用いる。なお、逆高速フーリエ変換によって、複数のサブキャリア間隔のSC−FDMAシンボルが生成されればよく、生成方法に拘泥されない。
無線送信部2110は、前記SC−FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部2110は、前記ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、余分な周波数成分を除去し、アップコンバートにより搬送周波数に変換し、電力増幅し、送信アンテナ212を介して基地局装置10にDFT−S−OFDM信号を送信する。無線送信部2110は、上りリンク送信に関する制御情報に含まれる端末装置送信電力の設定に従って、前記電力増幅を行う。
図10は、本実施形態における基地局装置10の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置10は、上位層処理部(上位層処理ステップ)102、送信部(送信ステップ)104、送信アンテナ106、制御部(制御ステップ)108、受信アンテナ110、受信部(受信ステップ)112を含んで構成される。送信部104は、符号化部(符号化ステップ)1040、変調部(変調ステップ)1042、マッピング部(マッピングステップ)1044、下りリンク制御チャネル生成部(下りリンクチャネル信号生成ステップ)1046、下りリンク参照信号生成部(下りリンク参照信号生成ステップ)1048及び無線送信部(無線送信ステップ)1050を含んで構成される。受信部112は、無線受信部(無線受信ステップ)1120、伝搬路推定部(伝搬路推定ステップ)1122、デマッピング部(デマッピングステップ)1124、等化部1126(等化ステップ)、IDFT部1128(IDFTステップ)、逆拡散部1130(逆拡散ステップ)、復調部1132(復調ステップ)及び復号部1134(復号ステップ)を含んで構成される。
上位層処理部102は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層などの物理層より上位層の処理を行なう。上位層処理部102は、送信部104および受信部112の制御を行なうために必要な情報を生成し、制御部108に出力する。上位層処理部102は、下りリンクデータ(例えば、DL−SCH)、報知情報(例えば、BCH)、システムインフォメーション、RRCメッセージなどを送信部104に出力する。
上位層処理部102は、端末装置の機能(UE capability)等の端末装置に関する情報を、端末装置20から(受信部112を介して)受信する。端末装置の機能は、サポートするサブキャリア間隔を示す情報、などが含まれる。上位層処理部102は、BSR、パワーヘッドルームレポートなどの上位層の信号を端末装置20から受信する。
上位層処理部102は、ブロードキャストするシステムインフォメーション(MIB、SIB)を生成、又は上位ノードから取得する。上位層処理部102は、前記ブロードキャストするシステムインフォメーションを送信部104に出力する。なお、SIBの一部は、端末装置固有に送信することができる。
上位層処理部102は、物理下りリンク共有チャネルにマッピングされる下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション(SIB)、RRCメッセージ、MAC CEなどを生成、又は上位ノードから取得し、送信部104に出力する。上位層処理部102は、これらの上位層の信号に上りリンク送信に関する設定情報/下りリンク送信に関する設定情報の一部又は全部を含めることができる。上位層処理部102は、これらの設定情報を制御部108/送信部104に出力する。上りリンク送信に関する設定情報/下りリンク送信に関する設定情報は、上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔に関する情報/各サブキャリア間隔の割り当て帯域幅情報を含めることができる。
上位層処理部102は、端末装置20が使用可能なサブキャリア間隔セットを決定する。上位層処理部102は、物理チャネル(物理下りリンク共有チャネル、物理上りリンク共有チャネルなど)の符号化率、変調方式(あるいはMCS)、サブキャリア間隔、ACK/NACKの上りリンクタイムスロット(遅延時間k)および送信電力などを決定する。上位層処理部102は、前記符号化率、変調方式、サブキャリア間隔、ACK/NACKの上りリンクタイムスロットや送信電力を、送信部104/制御部108/受信部112に出力する。上位層処理部102は、物理チャネルの用途(eMBB,mMTC、uRLLC)/伝搬路の周波数変動/時間変動/使用周波数帯によって上りリンク及び下りリンクの送信のために用いるサブキャリア間隔及びリソース割り当てユニットの時間ドメインにおける単位(サブフレーム/スロット/ミニスロット)を設定する。上位層処理部102は、リソース割り当てユニットの時間ドメインにおける単位を、上りリンク及び下りリンクで同一に設定することができる。
制御部108は、上位層処理部102から入力された各種設定情報に基づいて、送信部104および受信部112の制御を行なう。制御部108は、BSR,パワーヘッドルームレポート等に基づいて、上りリンクデータのスケジューリングを行う。制御部108は、端末装置20に送信される上りリンクグラントの内容(各端末装置のための上りリンクデータのリソース割り当て、サブキャリア間隔、ACK/NACKの上りリンクタイムスロット、MCSなど)を生成する。制御部108は、前記上りリンクグラントの内容に基づいて、受信部112の制御を行う。制御部108は、上位層処理部102から入力された下りリンク送信に関する設定情報及び上りリンク送信に関する設定情報に基づいて、下りリンク制御情報を生成し、送信部104に出力する。下りリンク制御情報には、上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔に関する制御情報を含めることができる。なお、制御部108の機能は、上位層処理部102に含めることができる。
送信部104は、端末装置20のために、上位層処理部102から入力された報知情報、下りリンク制御情報、下りリンク共有チャネル等を符号化および変調し、物理報知チャネル、物理下りリンク制御チャネル、物理下りリンク共有チャネルを生成する。符号化部1040は、予め定められた/上位層処理部102が決定した符号化方式を用いて、報知情報、下りリンク共有チャネルを符号化する(リピティションを含む)。符号化方式は、畳み込み符号化、ターボ符号化、LDPC(Low Density Parity Check)符号化、Polar符号化、等を適用することができる。変調部1042は、符号化部1040から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の予め定められた/上位層処理部102が決定した変調方式で変調する。
下りリンク制御チャネル生成部1046は、制御部108から入力される下りリンク制御情報にCRCを付加する。さらに、下りリンク制御チャネル生成部1046は、前記下りリンク制御情報に対して符号化、変調を施し、物理下りリンク制御チャネルを生成する。下りリンク参照信号生成部1048は、下りリンク参照信号を生成する。
マッピング部1044は、変調された各下りリンク物理チャネルの変調シンボル、物理下りリンク制御チャネルと下りリンク参照信号をリソースエレメントにマッピングする。マッピング部1044は、物理下りリンク共有チャネル、物理下りリンク制御チャネルを、各端末装置に割当てられた物理リソースにマッピングする。マッピング部1044は、下りリンクのサブキャリア間隔の設定に基づいて、物理下りリンク共有チャネル、物理下りリンク制御チャネル等を物理リソースにマッピングする。
無線送信部1050は、多重された各下りリンク物理チャネルの変調シンボルを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)してOFDMシンボルを生成する。無線送信部1050は、各下りリンク物理チャネルの送信に用いるサブキャリア間隔に基づいて、逆高速フーリエ変換を行う。無線送信部1050は、前記OFDMシンボルにサイクリックプレフィックス(cyclic prefix: CP)を付加してベースバンドのディジタル信号を生成する。さらに、無線送信部1050は、前記ディジタル信号をアナログ信号に変換し、フィルタリングにより余分な周波数成分を除去し、搬送周波数にアップコンバートし、電力増幅し、送信アンテナ106に出力してOFDM信号を送信する。
無線受信部1120は、受信アンテナ110を介して受信した上りリンクの信号を、ダウンコンバートによりベースバンド信号に変換し、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交検波し、直交検波されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1120は、変換したディジタル信号からCPに相当する部分を除去する。無線受信部1120は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。無線受信部1120は、各上りリンクの信号がマッピングされているサブキャリア間隔に基づいて、高速フーリエ変換を行う。各上りリンクの信号がマッピングされているサブキャリア間隔は、制御部108から通知される。
伝搬路推定部1122は、復調用参照信号を用いて、上りリンク物理チャネルの信号検出のためのチャネル推定を行う。伝搬路推定部1122は、前記復調用参照信号系列を用いて、基地局装置10と端末装置20の間のチャネル状態(伝搬路状態)を測定する。
デマッピング部1124は、無線受信部1120から入力される周波数領域の信号から、端末装置毎に上りリンク物理チャネル(物理上りリンク共有チャネル、物理上りリンク制御チャネルなど)及び上りリンク物理信号(同期信号など)を抽出する。デマッピング部1124は、制御部108から入力される上りリンクスケジューリング情報に基づいて、端末装置毎の上りリンク物理チャネルを抽出する。デマッピング部1124は、ACK/NACK送信のための上りリンクタイムスロットの設定(遅延時間k)及びサブキャリア間隔から解釈されるACK/NACKのタイムスロット単位に基づいて、ACK/NACKを含む上りリンク物理チャネルを抽出する。デマッピング部1124は、ACK/NACK送信のための上りリンクタイムスロットの設定(遅延時間k)及びOFDMシンボル長から解釈されるACK/NACKのタイムスロット単位に基づいて、ACK/NACKを含む上りリンク物理チャネルを抽出してもよい。以下、等化部1126、IDFT部1128、逆拡散部1130、復調部1132、復号部1134は、各端末装置の上りリンクデータ毎に処理を行う。
等化部1126は、伝搬路推定部1122から入力される伝搬路推定結果を用いて、デマッピング部1124から入力される端末装置毎の信号に対して伝搬路補償を行う。例えば、等化部1126は、周波数領域の信号に対してMMSE規範に基づく等化重みを乗算する。
IDFT部1128は、等化後の各端末装置の周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する。なお、IDFT部1128は、端末装置20のDFT部2104で施された処理に対応する。
逆拡散部1130は、IDFT後の各端末装置の時間領域の信号に対して、拡散符号系列を乗算する(逆拡散処理)。端末装置20において、DFT後の信号に対して拡散処理が行われている場合、IDFT前の信号に対して、逆拡散処理が施される。なお、端末装置20において、インターリーブが施されている場合、デインターリーブ処理が行われる。
復調部1132には、予め通知されている、又は予め決められている各端末装置の変調方式の情報が制御部108から入力される。復調部1132は、前記変調方式の情報に基づき、逆拡散後の信号に対して復調処理を施し、ビット系列のLLR(Log Likelihood Ratio)を出力する。
復号部1134には、予め通知されている、又は予め決められている符号化率の情報が制御部108から入力される。復号部1134は、前記復調部1132から出力されたLLRの系列に対して復号処理を行う。
上位層処理部102は、復号部1134から各端末装置の復号後の上りリンクデータ(硬判定後のビット系列)を取得する。上位層処理部102は、各端末装置の復号後の上りリンクデータに含まれるCRCに対して、各端末に割当てたUE IDを用いて、デスクランブル(排他的論理和演算)を行う。上位層処理部102は、デスクランブルによる誤り検出の結果、上りリンクデータに誤りが無い場合、端末装置の識別を正しく完了し、該端末装置から送信された上りリンクデータを正しく受信できたと判断する。
以上のように、本実施形態に係る通信システムは、上りリンクと下りリンク間で異なるシンボル長を用いて基地局装置と端末装置が通信を行う。これにより、情報データに対するACK/NACKは、情報データと異なるサブキャリア間隔(すなわち、情報データと異なるOFDMシンボル長)を用いて送信される。該ACK/NACKの送信タイミング(遅延時間k)は、前記サブキャリア間隔又はOFDMシンボル長に基づいて選択されたタイムスロット単位でカウントされる。これにより、情報データとその情報データに対するACK/NACKのタイムスロット長の差異が調整されうる。さらに、複数のタイムスロットの基準を設けることにより、基地局装置及び端末装置の用途等によって、柔軟に情報データとその情報データに対するACK/NACKのタイムスロット長の差異が調整されうる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、キャリアアグリゲーションにおいて、各セル(コンポーネントキャリア)/上りリンク及び下りリンクで、異なるサブキャリア間隔が設定される例である。図11は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。本実施形態における通信システムは、基地局装置10、11及び端末装置20を備える。カバレッジ10a、11aは各々、基地局装置10、11が端末装置20と接続可能な範囲(通信エリア)である(セル、コンポーネントキャリアとも呼ぶ)。カバレッジ10aのエリアはPcell(Primary Cell、第1のコンポーネントキャリア)を構成する。カバレッジ11aのエリアはScell(Secondary Cell、第2のコンポーネントキャリア)を構成する。端末装置20は、Pcellの上りリンクr10及びScellの上りリンクr11を用いて、キャリアアグリゲーションによって上りリンク信号を送信することができる。端末装置20は、Pcellの下りリンクr20及びScellの下りリンクr21を用いて、キャリアアグリゲーションによって、下りリンク信号を送信することができる。なお、図11では、Pcell及びScellは異なる基地局装置によって構成されるが、1つの基地局装置がPcell及びScellを構成してもよい。図11の基地局装置10及び基地局装置11は、図10で説明した構成を備える。端末装置20は、図9で説明した構成を備える。以下、第1の実施形態との相違点/追加点を主に説明する。なお、カバレッジ10a、11aは、複数の端末装置20を収容可能であり、収容端末数は、図11に限定されない。キャリアアグリゲーションを行うコンポーネントキャリア数(Scellの数)は、図11に限定されない。
本実施形態に係る通信システムは、各コンポーネントキャリア(Pcell、Scell)に、異なるサブキャリア間隔を設定することができる。Pcellを構成する基地局装置10は、端末装置毎に、コンポーネントキャリアに包括的に(共通に)サブキャリア間隔セットの設定を行う。この場合、Scellにおいて、Pcellで設定された上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔セットと同一のサブキャリア間隔セットが設定される。端末装置20及びScellを構成する基地局装置11は、Pcellにおいて設定されたサブキャリア間隔セットを、Scellにおいても使用する。さらに、基地局装置10は、Pcell及びScellにおける上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔セット各々を、包括的に(共通に)設定することができる。この場合、コンポーネントキャリアによらず、上りリンク及び下りリンク各々のサブキャリア間隔セットは同一に設定される。
基地局装置10は、Scellに関する設定情報を、RRCメッセージ等の下りリンク物理チャネルを用いて端末装置20に通知する。Scellに関する設定情報は、追加するScellのセルID/周波数バンド/サブキャリア間隔セットを含むことができる。Scellに関する設定情報にサブキャリア間隔セットが含まれる場合、Pcell及びScellの両方において、サブキャリア間隔セットを更新するようにしてもよい。なお、該サブキャリア間隔セットは、使用可能なOFDMシンボル長(又はSC−FDMAシンボル長)の候補の設定、更新を示しているともいえる。
Pcellを構成する基地局装置10は、各端末装置に対して、コンポーネントキャリア(Pcell、Scell)毎に、サブキャリア間隔セットの設定を行うこともできる。この場合、コンポーネントキャリア毎(Pcell、Scell毎)に、異なるサブキャリア間隔セットが設定されうる。各Scellにおけるサブキャリア間隔セットは、Scellに関する設定情報で、端末装置に通知される。さらに、各Scellにおけるサブキャリア間隔セットは、上りリンク及び下りリンクで、独立してサブキャリア間隔セットを設定されてもよい。なお、Scellにおけるサブキャリア間隔セットは、各々のコンポーネントキャリアにおける下りリンク物理チャネルによって、端末装置に通知するようにしてもよい。
端末装置20は、Pcell/Scellにおいて、下りリンク制御情報を受信する。下りリンク制御情報は、前記サブキャリア間隔セットから選択された1つのサブキャリア間隔に関する情報を含む。端末装置20は、下りリンク制御情報に含まれるサブキャリア間隔に関する情報に基づいて、下りリンク物理チャネルの受信及び上りリンク物理チャネルがマッピングされるサブキャリア間隔を決定する。Pcellを構成する基地局装置10は、Scellの上りリンク及び下りリンクで用いるサブキャリア間隔に関する情報を、端末装置20へ通知することができる。Scellを構成する基地局装置11は、Pcellの上りリンク及び下りリンクで用いるサブキャリア間隔に関する情報を、端末装置20へ通知することができる。下りリンク制御情報に含まれるサブキャリア間隔に関する情報は、下りリンク物理チャネルの受信及び上りリンク物理チャネルがマッピングされるOFDMシンボル長(SC−FDMAシンボル長)を示しているともいえる。
端末装置20は、Pcell及びScellで送信する物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、物理上りリンク制御チャネルで送信する。基地局装置10は、Pcell及びScellの物理上りリンク制御チャネルのうち一方又は両方で、前記ACK/NACKを送信するかを、端末装置20にRRCメッセージ/下りリンク制御情報を用いて通知する。基地局装置10は、前記Pcell及びScellで送信する物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcell又はScellにおける物理上りリンク制御チャネルで一括的に通知するように指示することができる。
図12は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの一例を示す図である。図12では、基地局装置10が、Pcellの下りリンク及び上りリンクのサブキャリア間隔を15kHzに、Scellの下りリンク及び上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzに設定した例である。図12(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図12(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図12(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。なお、Scellにおける上りリンクのタイムスロットは、図12(B)と同様である。
端末装置20は、Pcell下りリンク及びScellの下りリンクにおいて、キャリアアグリゲーションによって、下りリンク物理下りリンク共有チャネルを受信する。下りリンクタイムスロット長は、下りリンクのリソース割り当てユニットの時間ドメインに相当する。下りリンク物理下りリンク共有チャネル(例えば、下りリンクトランスポートブロック)は、下りリンクタイムスロット毎に割り当てられる。図12は、Pcellの下りリンクで1つの下りリンクトランスポートブロックが送信され、Scellの下りリンクで2つの下りリンクトランスポートブロックが送信される例である(網掛け部)。端末装置20は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_UL1は、Pcellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。
図12において、基地局装置10は、ACK/NACKを送信するコンポーネントキャリアで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、ACK/NACKを送信するコンポーネントキャリアで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図12はk=3の例である。図12では、ACK/NACKはPcellで送信されるため、基地局装置10及び端末装置20は、Pcellの上りリンクのタイムスロット(すなわち、サブキャリア間隔15kHzにおけるOFDMシンボル長)を基準に、遅延時間kを解釈する。n_UL1‐kのエンドポイントは、端末装置20がn_UL1においてACK/NACKを送信する物理下りリンク共有チャネルの受信を完了するタイミングに相当する。なお、下りリンクと上りリンクで同一の周波数を使用する時間分割多重にも適用可能である。例えば、Pcellの下りリンクと上りリンクのサブキャリア間隔を15kHz、Scellの下りリンクと上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzの場合に、端末装置はPcellのサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。
図13は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図13では、基地局装置10が、Pcellの下りリンク及びScellの上りリンクのサブキャリア間隔を15kHzに、Scellの下りリンク及びPcellの上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzに設定した例である。図13(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図13(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図13(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。なお、Scellにおける上りリンクのタイムスロットは、図13(A)と同様である。
端末装置20は、Pcellの下りリンク及びScellの下りリンクにおいて、キャリアアグリゲーションによって、下りリンク物理下りリンク共有チャネルを受信する。図13は、Pcellの下りリンクで1つの下りリンクトランスポートブロックが送信され、Scellの下りリンクで4つの下りリンクトランスポートブロックが送信される例である(網掛け部)。端末装置20は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_UL1は、Pcellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。
図13において、基地局装置10は、ACK/NACKを送信するコンポーネントキャリアで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、ACK/NACKを送信するコンポーネントキャリアで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図13はk=3の例である。図13では、ACK/NACKはPcellで送信されるため、基地局装置10及び端末装置20は、Pcellの上りリンクのタイムスロット(すなわち、サブキャリア間隔60kHzにおけるOFDMシンボル長)を基準に、遅延時間kを解釈する。n_UL1‐kのエンドポイントは、端末装置20がn_UL1においてACK/NACKを送信する物理下りリンク共有チャネルの受信を完了するタイミングに相当する。
図14は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図14では、基地局装置10が、Pcellの下りリンク及びPcellの上りリンクのサブキャリア間隔を15kHzに、Scellの下りリンク及びScellの上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzに設定した例である。図14(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図14(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図14(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。図14(D)は、Scellにおける上りリンクタイムスロットを示す。
端末装置20は、Pcell下りリンク及びScellの下りリンクにおいて、キャリアアグリゲーションによって、下りリンク物理下りリンク共有チャネルを受信する。図14は、Pcellの下りリンクで1つの下りリンクトランスポートブロックが送信され、Scellの下りリンクで4つの下りリンクトランスポートブロックが送信される例である(網掛け部)。端末装置20は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Scellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_UL2は、Scellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。n_UL1は、基地局装置10が前記ACK/NACKをPcellで送信することを選択した場合における上りリンクタイムスロットである。
図14において、基地局装置10は、Pcellで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、Pcellで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。すなわち、一括ACK/NACKがマッピングされるコンポーネントキャリアによらず、Pcellで用いるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、遅延時間kが設定される。図14はk=3の例である。図14では、Pcellの上りリンクのタイムスロットは、サブキャリア間隔15kHzによって定まるタイムスロット長である。よって、基地局装置11及び端末装置20は、サブキャリア間隔15kHzによって定まるタイムスロット長を基準に、遅延時間kを解釈する。端末装置20は、前記上りリンクタイムスロットn_UL1区間内で、前記ACK/NACKを送信する。図14(D)では、ACK/NACKを送信するタイムスロットn_UL2が、n_UL1区間内の先頭のScell上りリンクのタイムスロットに設定された場合である。なお、n_UL1‐kのエンドポイントは、端末装置20が物理下りリンク共有チャネルの受信を完了するタイミングに相当する。図14では、n_UL1区間内の先頭のScell上りリンクタイムスロットでACK/NACKを送信する例であるが、n_UL1区間内の最後尾やその他の上りリンクタイムスロットを用いてもよい。例えば、n_UL1区間内のいずれのScell上りリンクタイムスロットでACK/NACKを送信するかは、UE ID、送信アンテナポート番号、下りリンクリソース割り当て位置等と関連付けられえる。これにより、ACK/NACKを送信する上りリンクタイムスロットをランダム化できる。
図15は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図15では、基地局装置10が、Pcellの下りリンク及びPcellの上りリンクのサブキャリア間隔を15kHzに、Scellの下りリンク及びScellの上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzに設定した例である。図15(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図15(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図15(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。なお、Scellにおける上りリンクタイムスロットは、図15(B)と同様である。
端末装置20は、Pcell下りリンク及びScellの下りリンクにおいて、キャリアアグリゲーションによって、物理下りリンク下りリンク共有チャネルを受信する。図15は、Pcellの下りリンクで1つの下りリンクトランスポートブロックが送信され、Scellの下りリンクで4つの下りリンクトランスポートブロックが送信される例である(網掛け部)。端末装置20は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_UL1は、Pcellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。
図15において、基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルを送信したコンポーネントキャリアのうち、サブキャリア間隔が小さい方(又はOFDMシンボル長が大きい方)のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、物理下りリンク共有チャネルを送信したコンポーネントキャリアのうち、サブキャリア間隔が小さい方(又はOFDMシンボル長が大きい方)のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図15はk=3の例である。図15では、Pcellの下りリンクのサブキャリア間隔は、Scellの下りリンクのサブキャリア間隔より小さい(Scellの下りリンクのOFDMシンボル長は、Pcellの下りリンクのOFDMシンボル長より大きい)。よって、基地局装置11及び端末装置20は、Pcellの下りリンクサブキャリア間隔15kHzによって定まるタイムスロット長を基準に、遅延時間kを解釈する。なお、n_UL1‐kのエンドポイントは、端末装置20が物理下りリンク共有チャネルの受信を完了するタイミングに相当する。
図16は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図16では、基地局装置10が、Pcellの下りリンク及びPcellの上りリンクのサブキャリア間隔を15kHzに、Scellの下りリンク及びScellの上りリンクのサブキャリア間隔を60kHzに設定した例である。図16(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図16(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図16(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。なお、Scellにおける上りリンクタイムスロットは、図16(B)と同様である。
端末装置20は、Pcell下りリンク及びScellの下りリンクにおいて、キャリアアグリゲーションによって、物理下りリンク下りリンク共有チャネルを受信する。図16は、Pcellの下りリンクで1つの下りリンクトランスポートブロックが送信され、Scellの下りリンクで4つの下りリンクトランスポートブロックが送信される例である(網掛け部)。端末装置20は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_DL2は、キャリアアグリゲーションによってScellで送信される下りリンク物理下りリンク共有チャネルのうち、最後に送信される下りリンクタイムスロットである(n_DL2のエンドポイントは、n_DL1のエンドポイントと一致する)。n_UL1は、Pcellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。
図16において、基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルを送信したコンポーネントキャリアのうち、サブキャリア間隔が大きい方(又はOFDMシンボル長が小さい方)のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定する。端末装置20は、物理下りリンク共有チャネルを送信したコンポーネントキャリアのうち、サブキャリア間隔が大きい方(又はOFDMシンボル長が小さい方)のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを送信する遅延時間kをカウントする。図16はk=3の例である。図16では、Scellの下りリンクのサブキャリア間隔は、Pcellの下りリンクのサブキャリア間隔より大きい(Scellの下りリンクのOFDMシンボル長は、Pcellの下りリンクのOFDMシンボル長より小さい)。よって、基地局装置11及び端末装置20は、Scellの下りリンクサブキャリア間隔60kHzによって定まるタイムスロット長(n_DL2のタイムスロット長)を基準に、遅延時間kを解釈する。
基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルが送信されたPcell及びScellのサブキャリア間隔(又はOFDMシンボル長)によって、ACK/NACKの通知手段を変えることができる。基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルが送信されたPcell及びScellのサブキャリア間隔(又はOFDMシンボル長)が同一の場合、Pcell又はScellにおける物理上りリンク制御チャネルで一括的にACK/NACK(グループACK/NACK)を通知する。基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルが送信されたPcell及びScellのサブキャリア間隔(又はOFDMシンボル長)が異なる場合、Pcellで送信された物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKは、Scellで送信された物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKと独立して送信される。(物理下りリンク共有チャネルが送信されたPcell及びScellのサブキャリア間隔が異なる場合、一括的にACK/NACKを通知することが禁止される)。端末装置20は、一括ACK/NACK又は独立したACK/NACKによって、上りリンク制御情報のフォーマットを変えることができる。一括ACK/NACKに用いる上りリンク制御情報のフォーマットは、独立したACK/NACKのフォーマットより、ビット数が多い(又はフィールド数が多い)。
図17は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図17では、基地局装置10が、Pcell及びScellの下りリンクのサブキャリア間隔を15kHzで同一に設定した例である。Pcell及びScellの上りリンクのサブキャリア間隔は60kHzに設定されている。図17(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図17(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図17(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。なお、Scellにおける上りリンクタイムスロットは、図16(C)と同様である。
図17では、Pcell及びScellで同一のサブキャリア間隔を用いて、キャリアアグリゲーションが設定されている(網掛け部)。このため、基地局装置10は、一括ACK/NACK送信及び独立したACK/NACK送信のいずれかを選択できる。図17(C)は、Pcell及びScellにおいて受信した前記下りリンク物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKを、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで一括的に送信する(右上がり斜線部)。基地局装置10は、RRCメッセージ/下りリンク制御情報によって、いずれのACK/NACK送信を用いるかを、端末装置に通知することができる。n_DL1は、Pcellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_DL2は、Scellの下りリンク物理下りリンク共有チャネルが送信される下りリンクタイムスロットである。n_UL1は、Pcellにおいて前記ACK/NACKが送信される上りリンクタイムスロットである。
図17において、基地局装置10は、物理下りリンク共有チャネルを送信したコンポーネントキャリアのうち、サブキャリア間隔が小さい方のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定したとする。この場合、Pcell及びScellのサブキャリア間隔は同一であるため、基地局装置及び端末装置は、両コンポーネントキャリア共通の下りリンクのタイムスロットを基準に遅延時間kを解釈する。端末装置20は、Pcellの下りリンクのタイムスロットn_DL1+kの区間内で、一括ACK/NACKを送信する。図17はk=3の例である。
図18は、本実施形態に係るキャリアアグリゲーションにおけるACK/NACK送信タイミングの別例を示す図である。図18では、基地局装置10が、Pcell及びScellの下りリンクのサブキャリア間隔が異なる例である。図18(A)は、Pcellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図18(B)は、Scellにおける下りリンクタイムスロットを示す。図18(C)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。図18(D)は、Pcellにおける上りリンクタイムスロットを示す。
図18では、Pcell及びScellで異なるサブキャリア間隔を用いて、キャリアアグリゲーションが設定されている(網掛け部)。この場合、一括ACK/NACKが禁止される。Pcellで送信された物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKは、Pcellの物理上りリンク制御チャネルで送信される。Scellで送信された物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKは、Scellの物理上りリンク制御チャネルで送信される。各コンポーネントキャリアで送信される物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKが独立して送信される場合、基地局装置10は、各コンポーネントキャリアで設定されるサブキャリア間隔のタイムスロットを基準(単位)に、該ACK/NACKを受信する遅延時間k(図18はk=3)が設定することができる。図18では、Pcellで送信されるACK/NACKのタイムスロットn_UL1は、Pcell上りリンクタイムスロットを基準に設定される例である。Scellで送信されるACK/NACKのタイムスロットn_UL2は、Scell上りリンクタイムスロットを基準に設定される例である。なお、各コンポーネントキャリアで送信される物理下りリンク共有チャネルに対するACK/NACKが独立して送信される場合、基地局装置10は、図12から図16で説明したタイムスロット基準を用いて、該ACK/NACKを受信する遅延時間kを設定することができる。
図12から図18において、端末装置20は、Pcell及びScell、さらに上りリンク及び下りリンクのサブキャリア間隔(又はOFDMシンボル長)を特定した結果に基づいて、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を解釈する。基地局装置10は、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて通知するサブキャリア間隔によって、暗黙的に示唆する。
基地局装置10は、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて、Pcell及びScell、さらに上りリンク及び下りリンクの伝送に用いるOFDMシンボル長(SC−FDMAシンボル長)を通知することもできる。端末装置20は、前記サOFDMシンボル長からPcell及びScellにおける上りリンクタイムスロット及び下りリンクのタイムスロットの単位を特定してもよい。基地局装置10は、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて通知するOFDMシンボル長によって、暗黙的に示唆することもできる。なお、基地局装置10は、RRCメッセージ/システムインフォメーション/下りリンク制御情報を用いて、ACK/NACK送信する遅延時間kのカウントに用いるタイムスロットの基準を、明示的に通知することもできる。
以上のように、本実施形態に係る通信システムは、キャリアアグリゲーションを行う各コンポーネントキャリア及び上りリンクと下りリンク間で異なるシンボル長を用いて基地局装置と端末装置が通信を行う。これにより、情報データに対するACK/NACKは、その情報データと異なるサブキャリア間隔を用いて送信される。該ACK/NACKの送信タイミング(遅延時間k)は、各コンポーネントキャリアにおける前記サブキャリア間隔又はOFDMシンボル長に基づいて選択されたタイムスロット単位でカウントされる。これにより、情報データとその情報データに対するACK/NACKのカウンタの差異が調整されうる。さらに、複数のタイムスロットの基準を設けることにより、基地局装置及び端末装置の用途等に基づいて、柔軟に情報データとその情報データに対するACK/NACKのタイムスロット長の差異が調整されうる。
なお、複数のScellを用いたキャリアアグリゲーションにおいても、本実施形態に係るACK/NACK送信のタイムスロット単位の設定を適用することができる。また、Dual Connectivity(以下、DC)においても、本実施形態に係るACK/NACK送信のタイムスロット単位の設定を適用してもよい。本実施形態に係るPcell及びScellの各々を、DCにおけるMCG(Master Cell Group)及びSCG(Secondary Cell Group)と置換えて、本実施形態に係るACK/NACK送信のタイムスロット単位の設定を適用することができる。本実施形態に係るPcell及びScellの各々を、DCにおけるPScell(Primary Scell)及びScellと置換えて、本実施形態に係るACK/NACK送信のタイムスロット単位の設定を適用することもできる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、1つの端末装置が、同一時間において、複数のサブキャリア間隔のリソース割り当てユニットを用いて、下りリンク信号を受信する例である。例えば、図3において、基地局装置10が、リソース割り当てユニットA及びリソース割り当てユニットBを用いて(時間ドメインにおいて重複するリソース割り当てユニットを用いて)、下りリンク信号を端末装置20に送信する。端末装置20は、リソース割り当てユニットA及びリソース割り当てユニットBにマッピングされた各物理下りリンク共有チャネル(下りリンクトランスポートブロック)に対して、一括的にACK/NACKを送信する。本実施形態に係る基地局装置10は、図10で説明した構成を備える。端末装置20は、図9で説明した構成を備える。以下、第1の実施形態との相違点/追加点を主に説明する。
本実施形態に係る通信システムにおいて、図12から図18におけるACK/NACKの送信タイミングを準用することができる。例えば、下りリンクにおいて、図3の物理リソースの構成を用いて、基地局装置10が端末装置20に下りリンク物理チャネルを送信する。この場合、図3におけるサブキャリア間隔15kHzの領域は、図12から図18におけるPcellの下りリンクと置き換えられえる。また、図3におけるサブキャリア間隔30kHzの領域は、図12から図18におけるScellの下りリンクと置き換えられえる。図3におけるリソース割り当てユニットAは、図12から図18におけるPcellの下りリンクタイムスロットと置き換えられえる。図3におけるリソース割り当てユニットBは、図12から図18におけるScellの下りリンクタイムスロットと置き換えられえる。
さらに、上りリンクにおいて、図3の物理リソースの構成を用いて、端末装置20が基地局装置10に物理下りリンク制御チャネルを送信する。該物理下りリンク制御チャネルは、ACK/NACKが含まれる。この場合、図3におけるサブキャリア間隔15kHzの領域は、図12から図18におけるPcellの上りリンクと置き換えられえる。また、図3におけるサブキャリア間隔30kHzの領域は、図12から図18におけるScellの上りリンクと置き換えられえる。図3におけるリソース割り当てユニットAは、図12から図18におけるPcellの上りリンクタイムスロットと置き換えられえる。図3におけるリソース割り当てユニットBは、図12から図18におけるScellの上りリンクタイムスロットと置き換えられえる。
本実施形態において、図12のACK/NACKの送信タイミングを適用した場合で具体的に説明する。基地局装置10が、図3におけるリソース割り当てユニットA及びリソース割り当てユニットBで、物理下りリンク共有チャネルを送信するとする。この場合、リソース割り当てユニットAに割当てた物理下りリンク共有チャネルは、図12(A)におけるPcell下りリンクの網掛け部に相当する。また、リソース割り当てユニットBに割当てた物理下りリンク共有チャネルは、図12(B)におけるScell下りリンクの網掛け部に相当する。
端末装置20が、図3におけるリソース割り当てユニットAで、ACK/NACKを送信するとする。この場合、リソース割り当てユニットAに割当てたACK/NACKは、図12(C)におけるPcell上りリンクの右上がり斜線部に相当する。なお、同様に、本実施形態の基地局装置10及び端末装置20は、図13から図18ACK/NACKの送信タイミングを適用することができる。
以上のように、本実施形態に係る通信システムは、同一時間において、複数のサブキャリア間隔のリソース割り当てユニットを用いて、基地局装置と端末装置が通信を行う。これにより、基地局装置は1つの端末装置に対して、同一時間において、異なるサブキャリア間隔を用いて情報データを送信する。前記情報データに対するACK/NACKは、その情報データと異なるサブキャリア間隔を用いて送信されうる。該ACK/NACKの送信タイミング(遅延時間k)は、各リソース割り当てユニットにおける前記サブキャリア間隔又はOFDMシンボル長に基づいて選択されたタイムスロット単位でカウントされる。これにより、情報データとその情報データに対するACK/NACKのカウンタの差異が調整されうる。さらに、複数のタイムスロットの基準を設けることにより、基地局装置及び端末装置の用途等に基づいて、柔軟に情報データとその情報データに対するACK/NACKのタイムスロット長の差異が調整されうる。
本発明の一態様に関わる装置で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであっても良い。
さらに「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、ディジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。