ここに示す実施形態は、多数のファイバーを含む医用パッチ(biomedical patch)の使用により、生体組織を修理すること又は医用材料(biomedical material)を補強することを、促進する。そのようなファイバーは、非常に小さな断面直径(例えば1〜3000ナノメーター)を有しており、よって、ナノファイバー及び/又はマイクロファイバーと言われている。医用パッチは、硬膜に関連してここで説明され、外科用メッシュとして使用するが、ここに示す実施形態は、どんな生体組織にも適用できる。しかも、医用パッチとして述べられているが、整列されたファイバーを有する構造体は、他の目的にも使用できる。したがって、ここに示す実施形態は、医用パッチに限定されない。
実施においては、ここで提供された医用パッチは、細胞増殖を促進し、補強を提供し、「膜」、「足場」、「マトリックス」、「メッシュ」、「インプラント」、又は「基質」と言われる。種々の密度を有する医用パッチは、ここで述べられているように、例えば硬膜のような組織の治癒及び/又は再生を、従来デザインを用いて構成された既存のパッチよりも、非常に早く促進する。
硬膜は、脳及び脊髄を囲む髄膜の最外層を含む膜質結合組織であり、硬膜静脈洞をカバーして支持している。外科用メッシュは、脳神経外科、整形外科、又は再建外科の、手術において、切れたり損傷したり切除されたりした硬膜を、修理、拡張、補強、又は置換するために、しばしば必要とされる。
多くの努力が行われてきたが、硬膜修理に適した外科用メッシュを発展させる試みは、限られた成功しか挙げられていなかった。自家移植(例えば、大腿筋膜、側頭筋膜、頭蓋骨膜)は、重篤な炎症反応や免疫反応を誘発しないので、好ましい。自家移植の潜在的欠点としては、防水閉鎖実現の困難性、瘢痕組織の形成、大きな硬膜欠陥の閉鎖に対する移植材料の不十分な利用性、感染リスクの増大、ドナー側の疾病、及び追加の手術部位の必要性がある。同種移植材料及び異種移植材料は、グラフト溶解、不溶化(encapsulation)、異物反応、免疫学的反応、痙縮、瘢痕化、癒着形成、及び免疫抑制療法由来の毒性誘発副作用のような、有害事象と、しばしば関係している。硬膜代用品としての凍結乾燥されたヒト硬膜は、クロイツェルト・ヤコブ病のような、特にプリオンを含む、伝染病の源として、報告されている。
合成の外科用メッシュ材料に関して、シリコーンのような非吸収性合成ポリマー及び発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、異物反応の長期間刺激に起因した肉芽組織形成の誘発を含む、重篤な合併症を、しばしば引き起こす。コラーゲン、フィブリン、及びセルロースを含む、天然吸収性ポリマーは、感染及び疾病伝播のリスクを、示す。結果として、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コー−3−ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)、PLA−PCL−PGA三元共重合体、及びヒドロキシエチルメタクリレートヒドロゲルのような、合成吸収性ポリマーは、硬膜修理のための生分解性インプラント材料として、注目を集めている。ここで述べる方法及びシステムは、これらの材料、及び/又は、医用ポリマーで、実行でき、医用ポリマーは、非吸収性又は吸収性又は合成由来を、問わない。
術後の硬膜の上出来な再生及び/又は修理を促進するために、合成外科用メッシュ又は医用パッチは、i)医用パッチの表面への硬膜線維芽細胞(硬膜に存在する初代細胞タイプ)の接着、ii)医用パッチの周辺からパッチの中心への硬膜線維芽細胞の移動、iii)既存組織の補強又は置換、iv)最小免疫反応、v)硬膜(dural membrane/dura matter)の防水閉鎖、vi)術後及び組織再生/ネオデュラリゼーション(neoduralization)中の天然硬膜の機械的支持、vii)硬膜欠陥の迅速閉鎖、viii)使いやすさの増大、を進展させるべきである。
電界紡糸(electrospinning)は、多数のポリマーからナノスケールファイバーを製造できる実現技術である。電界紡糸されたナノファイバーは、一般に、ランダム配向された不織布マットとして、集められる。一軸方向又は放射状に整列されたナノファイバーのアレイは、ある条件下で得られる。しかしながら、従来のナノファイバー足場は、術後の幾つかの医用又は外科用の応用に必要な、最適な機械的及び生物学的な特性を、欠いている。
ナノファイバー足場の強度を増大するために、足場を特定パターンに特注生産することが非常に有益である。しかも、ナノファイバー材料の多層は、層の意図的分解が許容される方法で融合/結合されている場合には、細胞透過及び/又は組織統合を許容しながら、強度も提供できる。
多くのポリマーは、電界紡糸用に利用可能である。ここで述べる幾つかの実施形態では、硬膜代用品用のナノファイバーは、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)から電界紡糸されたポリマーとして製造される。ポリ(ε−カプロラクトン)は、FDAに認可された半結晶性ポリエステルであり、非毒性分解産物を伴う生理学的条件下で、そのエステル結合の加水分解によって分解できる。このポリマーは、薬物伝達キャリア、縫合糸、又は癒着バリアの、製造用材料として、人体において広く利用され研究されて来ている。ここで述べるように、電界紡糸されたPCLナノファイバーは、外科用メッシュとして有用な足場を作るのに使用できる。
ここに示す実施形態は、新タイプの人工組織代用品の製造を促進するものであり、それは、ポリマーナノファイバー材料を含み、新たな電界紡糸法によって形成される。このポリマー材料は、不織ナノファイバー(例えば、1〜3000ナノメーターの直径を有するファイバー)を含み、そのナノファイバーは、配列され又は組織化され、材料シート内で材料シートを横切るパターンに整列される。
図1は、空間的に配列され又は組織化されたファイバーの構造体を製造するための、代表的な電界紡糸システム100、を示す斜視略図である。システム100は、多数の補強構造物112を含む所定パターン110を有する、コレクター105を、備えている。システム100は、また、スピナレット120を備えている。
システム100は、1つ以上のコレクター105と1つ以上のスピナレット120との間に、電位を作り出すように、構成されている。一実施形態では、コレクター105及び構造物112は、第1の強度及び極性で帯電されるように、構成されている。例えば、コレクター105及び構造物112は、1つ以上のコンダクタ135を介して1つ以上の電源130に、電気接続している。電源130は、コレクター105及び構造物112を、コンダクタ135を介して、第1の強度及び極性で帯電させるように、構成されている。
図1に示された実施形態では、コレクター105は、パターン110を備えている。パターン110は、コレクター105が実質的に矩形であるように、構造物112によって形成された、格子パターンである。他の実施形態では、コレクター105は、円形、楕円形、卵形、正方形、及び/又は三角形、又はこれらに限定されない、形状を、有してもよい。一実施形態では、構造物112は、リブ114、継ぎ目(seam)116、及び、ポリマーファイバーを受け及び/又は集めるように構成された表面部118を、含んでいる。一実施形態では、リブ114は、実質的に円筒形であり、5μm〜100cmの外周を有しており、継ぎ目116は、5μm〜100cmの厚さを有する実質的に矩形のものであり、表面部118は、リブ114及び/又は継ぎ目116の間に形成された、空の又は特徴空間(feature space)119を充填してなるものである。一実施形態では、表面部は、5μm〜10cmの厚さを有している。代表的な実施形態では、構造物112は、鋼鉄、アルミニウム、錫、銅、銀、金、プラチナ、及びそれらの合金又は混合物、又はこれらに限定されない、金属物質の少なくとも一部から、できている。一実施形態では、構造物112は、コレクター105に塗布されたコーティングを含んでいる。コーティングは、陽極酸化、化学コーティング、材料コーティング(導電性又は非導電性)、及び傾斜コーティング、又はこれらに限らないコーティングを、含む。傾斜コーティングは、ファイバーの連続傾斜(continuous gradients)を作り出すのを促進する。しかしながら、構造物112(例えば、リブ114、継ぎ目116、及び表面部118)は、どんな形状でもよく、また、ここで述べるようなパッチの製造を促進する、どんな材料から、作られてもよい。
代表的な実施形態では、パターン110は、構造物112を空間的に組織化することによって形成される。一実施形態では、構造物112(例えば、リブ114及び継ぎ目116)は、特徴空間119が構造物112間で10μm〜10cmの範囲で形成されるように、ノード115で相互連結されている。一実施形態では、パターン110は、多種の距離が構造物112間で形成されるように、多数の空間119を、含んでいる。パターンは、対称、繰り返し、及び非対称であるように、形成できる。代表的な実施形態では、コレクター105の形状は、コレクター上に形成された医用パッチが追加の支持特性及び/又は補強特性を含むのを、可能にする。その追加の支持特性及び/又は補強特性は、帯電した構造物112上に高密度ファイバー堆積を作り出すことによって、及び、特徴空間119の上に低密度ファイバー堆積を有することによって、実現される。
例えば、ダイアモンド形状アレイパターン110を含むダイアモンド形状コレクター105は、ダイアモンド形状コレクター105上に製造されるダイアモンド形状パッチが矩形形状パッチ又は円形形状パッチとは異なる機械的特性を有するのを、可能とする。その機械的特性は、引張強度、引き裂き抵抗、末端歪み(terminal strain)、故障メカニズム又は故障率、及び/又は、一軸強度が他に比して大きいような、制御された異方特性であり、又は、これらに限らない。
一実施形態では、パターン110は、コレクター面127を画定し、スピナレット120は、コレクター面127から直角に可変距離だけ離れている。例えば、スピナレット120は、コレクター面127から直角に50μm〜100cmの距離だけ離れている。或いは、スピナレット120は、ここで述べるようなパッチを作り出すのを促進する態様で、水平に及び斜めに又はこれに限らず、コレクター105から離れてもよい。
スピナレット120は、第1の強度及び/又は極性とは反対の第2の強度及び/又は極性でポリマー140を帯電させながら供給するように、構成されている。図1に示されるように、スピナレット120は、1つ以上のコンダクタ145によって1つ以上の電源130に電気接続されている。電源130は、コンダクタ145を介して1つ以上のスピナレット120を第2の強度及び/又は極性で帯電させるように、構成されている。幾つかの実施形態では、電源130は、直流、及び/又は、静電電圧又は時変電圧(例えば、1〜50kVの間)を供給する。一実施形態では、コンダクタ145は、正電気を帯びており、コレクター105も正電気を帯びている。全ての実施形態では、電源130は、電流、電圧、及び/又は電力を調節可能に、構成されている。
一実施形態では、スピナレット120は、ポリマー140を溶液形態で含んでいる供給機構(dispensing mechanism)150に、連結されている。その実施形態では、供給機構150は、供給ポンプ155によって手動操作される。或いは、供給機構150は、ここで述べるようなナノファイバーを供給するように構成された機構によって、自動操作できる。代表的な実施形態では、スピナレット120は、ナノファイバーを供給するための金属針を有しており、金属針の開口は、10μm〜3mmの直径を有している。
供給機構150がポリマー140を加圧するので、スピナレット120は、ポリマー140をジェット又はストリーム160として供給する。一実施形態では、ストリーム160は、スピナレット120から水平ストリーム又は横向きストリームで供給される。ストリーム160は、スピナレット120の開口直径と略等しい直径を、有している。ストリーム160は、テイラーコーンを形成しながらコレクター105に向かって降りる。例えば、ストリーム160は、重力の影響で落ちたり、ファイバーと構造物112とに分布した電荷によって下方に引かれる。ストリーム160が降下するので、ポリマー140は、1つ以上の固体ポリマーファイバー165を形成する。代表的な実施形態では、ファイバー165は固体であるが、ファイバー165は、コア又はシェル、多孔性、及び同軸、又はこれらに限らない、構造を、有してもよい。或いは、ポリマー140の堆積は、溶媒電界紡糸、フォース電界紡糸、メルト電界紡糸、押出、及びメルトブロー、又はこれらに限らない、ファイバーデポジション法によって、実現できる。
幾つかの実施形態では、導電性又は非導電性の材料で構成されたマスク164が、コレクター105に付与されて、ファイバー165の堆積を操作している。例えば、マスク164は、ファイバー165がマスク164の真下のコレクター105上に堆積しないように、スピナレット120とコレクター105との間に配置される。更に、マスク164は、スピナレット120がコレクター105上のファイバー密度の空間的変動を促進しながらポリマー140を供給している間に、スピナレットとコレクターとの間における位置を調節することによって、時変マスクとして、使用できる。マスク164は、円形状で示されているが、マスク164は、システム100と共に使用するのに適した、どんな形状(例えば、矩形又は半円形)及びサイズを、有してもよい。或いは又は追加的に、コレクター105上のファイバー165の堆積は、スピナレット120に対するコレクター105の位置を調節することによって、又は、スピナレット120と、コレクター105を構成する電極と、の間に付与される電位を、空間的に変化させることによって、操作できる。例えば、コレクター105の一方の側をスピナレット120の真下に配置することは、ガウス分布において、コレクター105の反対の側に堆積されるよりも多くのファイバー165をその一方の側に堆積させる。コレクター105上に形成されるファイバーの空間的分布を調節するために、幾つかの実施形態では、集束装置138が、特定の特別領域にファイバーの堆積を集束するのに、使用される。その実施形態では、集束装置138は、スピナレット120と同様の極性で帯電しており、ファイバー堆積が開口の下の空間で実質的に起こるのを可能とする開口を、含んでいる。集束装置138は、ここで述べるように、スピナレット120からのナノファイバーを受けること、及び、受けたナノファイバーをコレクター105上に堆積すること、を可能とする形状を、有している。
図2は、電界紡糸システム100(図1)から取り出されたコレクター105の略図であり、コレクター105は、その上に堆積されてパッチ170を形成する多数のファイバー165を、有している。ファイバー165は、構造物112(図1)の位置に対応するように、方向付けられている。
パッチ170は、明確性のために、図2においては、少数のファイバー165で示されている。幾つかの実施形態では、パッチ170は、コレクター105上に分配された、数千の、数万の、数十万の、又はそれより多い、ファイバー165を、含んでいる。数百万のファイバー165でも、パッチ170は、可撓性及び/又は柔軟性のような、予想通りの特性を、保持する。それ故、予想通りの特性は、硬膜の表面のような、平坦ではない生体組織表面へのパッチ170の付与を、促進する。
ファイバー165の整列は、種々の密度を有するパッチ170を、示す。パッチ170は、補強又は構造的完全性が所定の場所に提供されるのを、可能とする。例えば、ファイバーの大きな堆積が、構造的補強を提供する、部分167のような、種々の場所に、起こる。したがって、システム100は、個別の、生物医学的応用又は臨床的及び非臨床的応用のための、特注による材料を作り出すことを、可能とする。
代表的な実施形態では、ファイバー165は、1〜3000nmの直径を有している。一実施形態では、ファイバーは、約220nm(例えば215nm〜225nm)の直径を有する。ファイバー165の直径、パッチ170の厚さ、及び/又はパッチ170内のファイバー密度は、パッチ170の耐久性(例えば、引張強度、縫合糸引き抜き強さ、順応性など)に影響する。それ故、ファイバー165の直径、パッチ170の厚さ、及び/又はパッチ170内のファイバー密度は、材料の最終用途の要件に従って選択できる。パッチ170は、厚さ及び/又はファイバー密度、分布様式、ポリマー組成、及び/又はパッチ170の層の数、を変えることによって、種々の機械的特性を伴って製造される。パッチ170の層の数は、電界紡糸システム100を比較的長期間又は短期間だけ作動させたり、ポリマー溶液を変えたり、化学組成を変えたり、コレクター105を変えたり、コレクターデザインを変えたり、及び/又はファイバー堆積の態様を変えたり、することによって、変わる。
図3は、コレクター105上に堆積された多数の電界紡糸ファイバーを含む、パッチ170の、図305である。図4は、コレクター105上に堆積された多数の電界紡糸ファイバーを含む、パッチ170の、図405である。代表的な実施形態では、コレクター105は、構造物112の上及び実質的に近くに、ファイバーの増大した堆積を、それぞれ提供する。その追加支持及び/又は補強の特性は、帯電した構造物112上に高密度ファイバー堆積領域を作り出すこと、及び、特徴空間119の上に低密度ファイバー堆積領域を有すること、によって実現される。コレクター105は、図3に示された格子パターン及び図4に示された六角形又はハニカムパターンのような、どんなパターン又はパターンの組み合わせを、含むことができる。
図1〜4に示されるように、ファイバー165は、固体、コア/シェル、同軸、又は多孔性でもよい。幾つかの実施形態では、ファイバー165のサイズ及び/又は構造は、スピナレット120の形態及び/又はサイズによって、及び/又はポリマー溶液によって、定まる。ポリマー溶液は、粘度、溶液調製の溶媒又は方法、電圧又は電荷、スピナレット120とコレクター105との間の距離、及び堆積速度を、含む。図5は、固体ファイバースピナレット120Aの図である。固体ファイバースピナレット120Aは、中心線182を画定する截頭円錐体180を、備えている。供給端184では、円錐体180は、環帯186を備えている。環帯186は、円形開口190Aを画定しており、ポリマー140は、開口190Aを通って供給される。固体ファイバースピナレット120Aで製造されたファイバー165は、固体組成を有している。
図6は、同軸ファイバースピナレット120Bの図である。スピナレット120Aと同様に、同軸ファイバースピナレット120Bは、供給端184に、環帯186を有する截頭円錐体180を備えている。同軸ファイバースピナレット120Bは、環帯186内に配置された中心体188Bを備えている。環帯186及び中心体188Bは、環状開口190Bを画定している。したがって、ポリマー140が同軸ファイバースピナレット120Bによって供給されると、ファイバー165は、空洞を囲む外壁を有する同軸組成を、有する。同軸ファイバースピナレット120Bによって供給されたファイバー165の外壁は、環帯186の内径に相当する外径、及び、中心体188Bの直径に相当する内径を、画定する。したがって、同軸ファイバー165の外径及び内径は、環帯186及び中心体188Bの直径を調節することによって、調節できる。
ファイバースピナレット120A、120Bは、生物学的作用物質、成長因子、及び/又は薬物(例えば、化学療法物質)のような、物質を、パッチ170中に組み込むのを、促進する。例えば、物質は、パッチ170の同軸ファイバー165によって画定された空洞内に、堆積できる。一実施形態では、ポリマー140は、多孔質ファイバー165及び/又は半可溶性ファイバー165を作り出すために、選択され、物質は、空洞からファイバー165を通って供給される。他の実施形態では、ポリマー140は、分解可能であり、物質は、ファイバー165が生体内で分解するように供給される。例えば、ファイバー165は、1秒〜12ヵ月までの1秒以内に分解するように、構成できる。一実施形態では、物質のバースト放出は、システムに入る時に起こり、溶出は、所定期間に渡って起こる。ポリマー140の分解速度は、ポリマー140内の構成要素であるポリマーの比率を調節する、材料のバルク内に作用物質を投入する、ファイバーの表面に対して作用物質を機能的にする、及び/又はポリマーの分解によって又はポリマーからの作用物質の拡散によって作用物質を放出する、のような、投入方法及び/又は放出方法によって、操作できる。別の実施形態では、物質は、固体ファイバー165によって送達される。例えば、固体ファイバー165は、物質を溶液で含んだポリマー140から作り出すことができる。固体ファイバー165が分解するとき、物質は、周囲組織内へ放出される。
図5及び図6に示されるように、環帯186は、中心線182に対して垂直である。代替実施形態では、環帯186は、中心線182に対して斜め(例えば、鋭角又は鈍角に配向されている)である。ファイバー165の外径は、環帯186の内径によって定めることができる。
図7は、多層医用パッチ435の図である。パッチ435は、多数の対称的空間的組織化ファイバー420を有する医用パッチ層、及び、増大密度部分430のような種々の密度425を有する、多数の空間的組織化ファイバーを、有する医用パッチ層、を含んでいる。図7に示されるように、医用パッチ層420、425は、結合(例えば、融合、結合、接着、オーバーレイ)されて、補強ファイバー層を有する多層医用パッチ435を製造する。ファイバー層の、どんな組み合わせ、数、又はタイプでも、医用パッチ435を作り出すのに結合できる。パッチ、特に層420と層425とを結合することは、標準的なランダム組織化ファイバーのみを有する医用パッチよりも潜在的に大きな耐久性(例えば、引張強度)を呈しながら医用パッチの中心への細胞移動を促進する、医用パッチを、提供するのを促進する。パッチ435は、種々の、密度及び/又は厚さ(個別でも全体でも)、ファイバー組織化、ポリマー組成、表面コーティング、及び作用物質及び/又は薬物の濃度のタイプを、有する、層で、形成できる。
幾つかの実施形態では、多くの医用パッチ層410〜425は、多層医用パッチを作り出すのに結合できる。例えば、図1〜4によれば、ファイバーの第1セットをコレクター105上に堆積した後に、ファイバーの第1セットが完全に固まり又は硬化するのを待って、ファイバーの第2セットをコレクター105上に堆積する。ファイバーの第2セットは、コレクター105上のファイバー165の第1セットの上に直接に堆積できる。或いは、ファイバー165の第1セットは、コレクター105から移動され、ファイバー16の第2セットが、導電性表面162及び/又はコレクター105上に堆積され、そして移動され、ファイバー165の第1セット上に接着され/覆う。その実施形態は、所定の場所におけるパッチの構造又は機械的補強の増大、及び、2次元的層及び積み重なった3次元的層、によって与えられた、細胞移動/細胞活性の追加の空間的制御を、促進する。幾つかの実施形態では、ナノファイバー中間層(例えば、ヒドロゲル又はポリマー足場)は、医用パッチ層400及び/又は医用パッチ層410の間に、配置できる。
代表的な実施形態では、各層は、層が特殊な環境条件又は一時的条件の下で剥離したり分離したりするように、共に融合又は結合している。そのような制御された層間剥離は、ナノファイバー材料の機械的安定性の最大化、及び、ナノファイバーの隣接する層間の生物相互作用(例えば、細胞内殖、組織統合、細胞暴露など)を、もたらす。代表的な実施形態では、層を融合又は結合する方法は、加熱、機械的ストレス/圧力の付与、接着剤の付与、化学処理、架橋、及び機能化を、含むが、これらに限らない。
一実施形態では、隣接する層は、各層がパッチ435内で実質的に同様の速度で剥離又は分離するように、同様に又は可変的に、融合、接着、又は結合される。或いは、層は、各層が異なる速度で剥離するように、種々の方法で融合できる。図8は、種々の融合強度を時間と共に有するパッチ440、445、450の層間剥離を示している。代表的な実施形態では、軽度化学処理又は架橋、低圧物理的積層、又は低温熱処理のような、又はこれらに限らない、低強度接着455が、パッチ440の層を融合するのに使用される。同様に、中等度化学架橋、長期熱処理、中等度機械的エンタングルメント(entanglement)、中等度接着剤の付与、又は高圧物理的積層、又はこれらに限らない、中等度強度接着460が、パッチ445の層を融合するのに使用され、大規模化学架橋、大規模高温熱処理、大規模機械的エンタングルメント、ファイバー織り交ぜ又は編み込み、又はアグレッシブ接着剤の付与、又はこれらに限らないような、高強度接着465が、パッチ450の層を融合するのに使用される。代表的な実施形態では、パッチ440、445、450の分離470は、1日〜30日又はこれに限らない、短時間後に、示され、パッチ440、445、450の分離475は、30日〜3年又はこれに限らない、長時間後に、示される。示されているように、パッチ440は、加速分離として作用する短期間後に、実質的に分離され(470)、パッチ445は、遅延分離として作用する長期間後に、実質的に分離され(475)、パッチ450は実質的には分離しない。
図9及び図10は、図8に示されたパッチ440のような多層ナノファイバー材料で修理された硬膜の組織学的断面500、502である。図9によれば、パッチ440は、術後の2週間、硬膜504中に挿入されているものとして示されている。再生硬膜組織(「ネオデュラ(neodura)」)は、移植されたナノファイバー材料440の上及び回りに伸びて、示されている。再生硬膜繊維芽細胞は、ナノファイバー材料440のバルクを貫通して示されており、移植されたナノファイバー構成物の進行性細胞化を示している。多層ナノファイバー材料440の移植後2週間で、移植組織の組織学的検査によれば、層間剥離は無い。ナノファイバー材料440は、低度から中度の細胞内殖を有する、材料の均一ブロックとして、観察されるが、1層のナノファイバー層やナノファイバー層の分離は、観察されない。図10は、術後6週間のパッチ440の制御された層間剥離、及び、天然硬膜組織及び/又は再生硬膜組織504内のパッチの統合を、示している。再生硬膜組織(「ネオデュラ」)504は、移植されたナノファイバー材料440の上及び回りに伸びて、示されている。更に、再生硬膜組織(「ネオデュラ」)は、ナノファイバー材料の層間剥離された層の中間に伸びて、示されている。再生硬膜繊維芽細胞は、ナノファイバー材料440のバルクを著しく貫通して示されており、移植されたナノファイバー構成物の堅調な細胞化及び統合を示している。移植構成物内のナノファイバーの各層の層間剥離が、移植組織の組織学的検査によって見られる。ナノファイバー材料440は、ナノファイバー単層の隣接表面に沿って延びている再生硬膜組織の薄層によって、分離された、2つの異質層として、観察される。術後の移植材料の制御された層間剥離の証拠は、材料を天然組織に固定するのに利用された縫合糸の近くに材料の多層が融合したままである、という観察によって、明確に示される。
図11及び図12は、図8に示されたパッチ450のような多層ナノファイバー材料で修理された再生硬膜の組織学的断面506、508である。図11によれば、パッチ450は、術後の2週間、硬膜504中に挿入されているものとして示されている。再生硬膜組織(「ネオデュラ(neodura)」)504は、移植されたナノファイバー材料450の上及び回りに伸びて、示されている。再生硬膜繊維芽細胞は、ナノファイバー材料450のバルクを貫通して示されており、移植されたナノファイバー構成物の細胞化を示している。移植組織の組織学的検査によれば、層間剥離は無い。ナノファイバー材料450は、低度から中度の細胞内殖を有する、材料の均一ブロックとして、観察されるが、1層のナノファイバー層やナノファイバー層の分離は、観察されない。図12は、パッチ450の層が術後6週間でパッチ450の回りで再生された硬膜組織504として実質的に融合したままであるのを高強度接着が可能としていることを、示している。再生硬膜組織(「ネオデュラ」)504は、移植されたナノファイバー材料450の上及び回りに伸びて、再び示されている。硬膜繊維芽細胞は、ナノファイバー材料450のバルクを実質的に貫通しており、移植されたナノファイバー構成物の堅調な細胞化を示している。ナノファイバーパッチ440とは違って、長期移植後の移植組織の組織学的検査によれば、ナノファイバーパッチ450の層間剥離は無い。ナノファイバー材料450は、1層のナノファイバー層の分離又は観察が無い、細胞内殖を示す、堅調な複合材料として、観察される。
図13は、種々の割合でのパッチ600、602、604内の層の分離を示している。各パッチ600、602、604は、第1層606、第2層608、第3層610、及び第4層612を、含んでいる。なお、パッチ600、602、604は4層を備えて示されているが、パッチは何層で製造されてもよい。パッチ600によれば、低強度接着455が層606、608、610を融合するのに使用され、高強度接着465が層610、612を融合するのに使用されている。短期間後、層606、608、610の分離614が起こり、層は実質的に融合されたままである。パッチ602に示されるように、高強度接着465が層608、610、612を融合するのに使用されるが、中強度接着460は、層606、608を融合するのに使用される。層608、610、612間の分離は実質的には起こらないが、層606、608の分離616は、長期間後に起こる。パッチ604によれば、高強度接着465が、層間の分離が実質的には起こらないように、層606、608、610、612間で使用される。
多層医用パッチは、硬膜移植だけでなく他の再生医療用途にも有用である。ファイバーの連続層は、順序(例えば、放射状整列、補強、又はランダム配向)、密度(例えば、ファイバー密度の、低い、高い、又は混合)、パターン又は補強、及び組成(ポリマー)を、変えることで作り出すことができ、それらは、特殊な細胞が人工医用パッチの選択層を浸透し装着するのを、可能とする。例えば、高いファイバー密度を含む医用パッチは、一般に、細胞の移動及び浸透を阻止するが、低いファイバー密度を含む医用パッチは、一般に、細胞の移動及び浸透を増進する。そのような追加支持特性及び/又は補強特性は、細胞透過を妨げる高密度ファイバー堆積を作り出すことによって、及び、細胞の透過及び/又は内殖を促進する低密度ファイバー堆積領域を有することによって、実現される。
全体としては、多層ファイバー材料を形成する能力は、ここで述べるように、硬膜だけでなく、皮膚、心臓弁尖、心膜、及び/又は他の生体組織のような、他の生体組織の、天然多層構造を、繰り返すように構成された医用パッチの構成において、極めて有益である。しかも、医用パッチの1つ以上の層は、結果として生じるナノファイバー材料が移植後に完全に再吸収するように、生体吸収性ポリマーから製造できる。これらの足場を製造するのに利用されたポリマーの化学組成を操作することは、移植後の医用パッチの分解及び/又は再吸収の速度の特異的制御を、可能とする。
図14は、図1に示されたシステム100を用いることによって空間的に組織化されたファイバーの構造体を製造するための、代表的方法700のフローチャートである。方法700の一実施形態が図14に示されているが、図示された作業のいずれも省略でき、作業は、図示されたものとは異なる順序で実行できる。代表的な実施形態では、方法700は、第1の強度及び/又は極性(例えば、負の帯電又は接地)で帯電させる(705)コレクター105を、備えている。スピナレット120は、第1の強度及び/又は極性とは反対の第2の強度及び/又は極性(例えば、正の帯電)で帯電させる(710)。ポリマー(例えば、液体ポリマー)は、スピナレット120から供給される(715)。代表的な実施形態では、供給された(715)ポリマーは、コレクター105上に集められて(720)、構造体又はパッチを作り出す構造物112の、上又は実質的に近くに、多数のポリマーファイバーを形成する。供給された(615)ポリマーが集められ(720)、構造体が作り出された後に、構造体は、後処理725を受ける。その後処理725は、積層;層スタッキング(layer stacking);結合及び/又は融合;化学処理;及び生物学的作用物質、成長因子、及び/又は薬物の付与;又はこれらに限らない処理を、含むことができる。
図15は、図14に示された方法700によって製造された構造体又はパッチ層を融合又は結合するための、代表的方法750のフローチャートである。方法750は、第1、第2、第3パッチ層を提供する(755)ことを、含んでいる。第1パッチ層は、第1結合技術を用いることによって第2パッチ層に結合されている(760)。結合された(760)第1、第2パッチ層は、第1結合技術とは異なる第2結合技術を用いることによって第3パッチ層に結合されている(765)。代表的な実施形態では、結合技術は、加熱、機械的なストレス/圧力の付与、化学処理、架橋、及び機能化、又はこれらに限らない技術を、含んでいる。方法750は、第2パッチ層に結合された第1パッチ層を示しているが、多層(例えば、3、5、6層)は同時に結合できる。更に、処理を繰り返して、方法750によって製造された構造体に層を追加してもよい。
図16は、図14、15に示された方法700、750によって製造された構造体を用いることによって基質の欠陥を修理するための、代表的方法800のフローチャートである。一実施形態では、方法800は、欠陥を有する基質物質を提供すること(805)を、含んでいる。欠陥は、ボイド(void)、組織欠損、傷、損傷(insult)、及び/又は生体組織の機能低下をもたらす他の状態を、含む。代表的な実施形態では、基質は、生体組織である。或いは、基質は、濾過媒体、布地、膜媒体、及びコーティング、又はこれらに限らないもの、を含む、基質でもよい。一実施形態では、提供された(805)欠陥は、下層組織(例えば、腫瘍)へのアクセスを提供するための外科的切開によって作り出されたボイドを、含む。別の実施形態では、ボイドは、壊死組織(例えば、皮膚細胞)を切除することによって作り出される(805)。代表的な実施形態では、欠陥をカバーすることができる1つ以上のパッチが、選択される(810)。例えば、多数の医用パッチが、大きな及び/又は複雑な(例えば、不規則な形状)欠陥のために、選択できる(810)。代表的な実施形態では、略円形の欠陥の直径よりも大きな直径を有する医用パッチが、選択される(810)。或いは、パッチは、欠陥に適合させるために、手術前又は手術中に、選択され(810)、カスタマイズされる。パッチの選択810においては、どんな、サイズ、形状、及び/又は幾何学性の、構造体を、用いてもよい。
一実施形態では、成長因子及び/又は薬物(例えば、化学療法薬)のような物質が、医用パッチに付与される(815)。代表的な実施形態では、成長因子及び/又は薬物が、手術前に付与される(815)。しかしながら、成長因子及び/又は薬物は、手術中及び手術後又はこれらに限らない時に、付与してもよい(815)。一実施形態では、医用パッチは、物質に浸されて、物質が、医用パッチの同軸ファイバー内の空洞を占有すること、又はファイバーを備えたポリマーを医用パッチにドープ(dope)すること、又は医用パッチ内のファイバーの表面をコートすること、を可能とする。
代表的な実施形態では、パッチは、欠陥の少なくとも一部を、カバーし、修理し、補強し、及び/又は満たすために、生体組織に、付与(例えば、上に置かれる)される(820)。例えば、医用パッチは、硬膜組織、心臓組織、及び/又は欠陥を含む生体組織に、付与される(820)。一実施形態では、医用パッチの外周は、全欠陥が医用パッチで覆われるように、欠陥の外周を超えて延びている。幾つかの実施形態では、医用パッチは、多数の縫合糸、接着剤、及び/又は医用パッチを生体組織に取り付ける他の手段(インレー(inlay))によって、生体組織に結合される(825)。代替実施形態では、医用パッチは、例えば医用パッチへの生体細胞の接着(オンレー(onlay))によって、生体組織に融合するのが、単に可能である。別の実施形態では、医用パッチは、重なり無しで、組織の縁に直接に結合される。一実施形態では、医用パッチは、創傷/欠陥、又は欠陥の全体を覆う損傷、又は欠陥を満たすことない損傷の、頂部上に、置かれる。
一実施形態では、医用パッチが、生体組織に、付与されて(820)任意に結合された(825)後に、生体組織がカバーされる(830)。或いは、パッチは、部分的にカバーしてもよい。そのような実施形態では、非透過性又は透過性であるバッキング(backing)が、パッチに結合される。一実施形態では、欠陥を覆っている他の組織(例えば、真皮及び/又は表皮)が修理(例えば、縫合閉じ)される。他の実施形態では、1つ以上の保護層が生体組織の上に付与される。例えば、ゲル、軟膏、及び/又は抗菌剤のような、保護物質と共に又は保護物質無しに、包帯が、植皮に付与される。一実施形態では、保護層は、カバー、膜組織、包帯、メッシュ、及び、ここで述べたような追加の医用パッチのようなナノファイバー構造、又は、これらに限らないものを、備えている。
ここで述べられた実施形態は、硬膜の、修理、置換、又は拡張を、含む、種々の外科手術によって、使用可能であり、それらは、経蝶形骨洞手術(例えば、下垂体腺腫の外科的除去)、種々のタイプの頭蓋底手術、及び/又は頭蓋腫瘍又は脊椎腫瘍(例えば、髄膜腫及び/又は星状細胞腫)の外科的除去であり、又はこれらに限らない。一実施形態では、医用パッチは、骨折(例えば、複雑骨折)に付与される。他の実施形態では、医用パッチは、皮膚の欠陥(例えば、火傷)に付与される。
更に、その実施形態は、硬膜代用品、植皮(例えば、真皮又は表皮)用の医用パッチ、気管修理用の医用パッチ、人工心臓弁尖用の足場、消化管の外科的修理(例えば、腹部ヘルニア又は潰瘍)用の人工メッシュ、心臓欠陥の外科的修理用の人工メッシュを、提供する。ここで述べられた実施形態は、生体組織(例えば、心筋細胞又は心臓組織、筋肉、皮膚、結合組織、腸組織、胃組織、骨、消化管、及び粘膜)による医用パッチの移動を可能にするために十分に可撓性を有する心臓パッチを、提供することを、促進する。
幾つかの実施形態では、医用パッチは、修理されている生体組織の厚さよりも、大きい又は小さい、厚さを、有している。空間的に組織化されたポリマーファイバーを有する医用パッチは、組織修理の労力を低減すること、組織治癒に要する時間を改善すること、人獣共通感染症のリスクを低減し又は取り除くこと、を促進する。更に、そのような医用パッチは、製造するのが比較的簡単であり、形状、サイズ、及び化学組成を、特注する(customization)のが可能であり、効用及び非免疫原性を改良する。しかも、空間的に組織化されたポリマーファイバーを有する医用パッチは、布様組成の故に優れた取扱特性を示し、自家移植組織を取得するための再手術の必要性を取り除き、拘縮及び癒着のリスクを公知製品と比較して低減する。更に、ここで述べられたパッチは、臨床応用及び非臨床応用又はこれらに限らないような、種々の用途において、補強、強化、積層、及び/又は密封を、促進する。
上記の記述は、多くの特徴を含んでいるが、これらは、本発明の開示の範囲を限定するように解釈されるものではなく、現在の好ましい実施形態の幾つかを単に例示するものである。同様に、本発明の精神又は範囲を逸脱しない他の実施形態を、創出してもよい。例えば、図示された例は、臨床応用で使用されているが、上述したナノファイバー構造体は、濾過、布地、膜技術、及びコーティングのような、非臨床応用を、有することができる。異なる実施形態の特徴は、組み合わせて使用してもよい。それ故、本発明の範囲は、上述の記載によるよりは、添付の請求項及びそれらの法的等価物によってのみ、示され、限定される。ここで述べられたように、本発明の意味及び範囲に入る、本発明に対する追加、削除、及び変更は、これらによって包含される。
ここで使用されているように、単数で列挙され「1つの」の単語で続行される、要素又はステップは、明確に排除することが記載されていない限り、複数の要素又はステップを排除しないように解釈される。しかも、本発明の「一実施形態」という記載は、列挙された特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するように解釈されるものではない。
上述の説明は、種々の実施形態を開示するために実施例を使用しており、それらは、ベストモードを含んでおり、当業者がそれらの実施形態を実行するのを可能とするが、任意の装置又はシステムを作成して使用すること、及び、任意の具体化された方法を実行することを、含んでいる。特許的範囲は、請求項によって画定され、当業者に想起される他の実施例を含む。そのような他の実施例は、請求項の文言とは異ならない構成要素を有しているならば、又は、請求項の文言とは実質的に異ならず等価な構成要素を含んでいるならば、請求項の範囲内のものである。