JP6721964B2 - 埋め込み可能な医療デバイス用の密閉封止キャパシタ - Google Patents

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Description

高電圧電解キャパシタは、埋め込み可能な医療デバイスを含めた多くの用途において、エネルギー貯蔵リザーバとして用いられる。これらのキャパシタは、埋め込み可能なデバイスの全体サイズを最小限に抑えることが望ましいので、高エネルギー密度を有する必要がある。これは埋め込み可能な除細動器とも呼ばれる埋め込み可能な心臓電気除細動器(「ICD:implantable cardioverter defibrillator」)で特に言えることであるが、それは除細動パルスを送出するのに使用される高電圧キャパシタが、ICD容積の3分の1程度の大きさを占有する可能性があるからである。広い内部表面積を有するが厚さが非常に小さいのでICD内に容易に組み込むことができるタンタルをベースにした平面アノードを通して、ICDで使用されるキャパシタの全体サイズを最小限に抑えるのに進展があったが、問題は依然存在する。例えば、平面アノードは陽極酸化され、次いで高伝導性であり一般に腐食性である液体電解質溶液を含有するケーシングに封止され、そこでアノードリードはケーシングから延びている。残念ながら、そのような湿式キャパシタは、アノードリードの周りの封止部で電解質がケーシングから漏れたときに、問題に直面する可能性がある。例えば、気体(例えば水素)が動作中に発生し、キャパシタ内に圧力を蓄積させる可能性がある。
上記に照らし、気密密閉封止部(例えば金属−ガラス−金属密閉封止部)がしばしば用いられ、それによってアノードリードは安全に延びることができる。しかし、金属−ガラス−金属密閉封止部自体は、液体電解質によって時々腐食され、漏れる可能性があり、厚さの小さいケーシングは、電解質の漏れを効果的に防止する金属−ガラス−金属密閉封止部の設計を極めて難しくする。
したがって、現在、除細動器など埋め込み可能な医療デバイス用の、改善された密閉封止湿式電解キャパシタが求められている。
本発明の一実施形態によれば、平面アノード、作用電解質、ケーシング、および封止アセンブリを含有する、埋め込み可能な医療デバイス用の湿式電解キャパシタが開示される。平面アノードは、誘電体層でコーティングされた多孔質アノード本体を含み、アノードリードが多孔質アノード本体から延び、作用電解質が平面アノードと電気接触している。平面アノードおよび作用電解質はケーシングの内部に配置され、ケーシングは、アノードリードオリフィスを画定する壁を有する。封止アセンブリは、アノードリードオリフィスでケーシングに接続され、金属ハウジング、エラストマーリング、および金属板を含む。アノードリードオリフィス内に配置されかつケーシングの内部に延びる金属ハウジングは、アノードリードの一部が内部を延びるキャビティを画定する。キャビティ内に配置されたエラストマーリングは、アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有する。金属板もキャビティ内に配置され、アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスも含有する。さらに金属板の下面が、キャビティ内でエラストマーリングに接触している。
本発明の別の実施形態によれば、埋め込み可能な医療デバイス用の湿式電解キャパシタを形成するための方法が開示される。方法は、アノードリードが延びている平面多孔質アノード本体を、アノードリードオリフィスが形成された側壁を有しており、アノードリードオリフィスを通してアノードリードの一部が延びるようになされているケーシング内に配置するステップであって、封止アセンブリがアノードリードオリフィスでアノードリードを取り囲むステップを含む。封止アセンブリは、アノードリードオリフィス内に配置され、かつケーシングの内部に延びる金属ハウジングであって、アノードリードの一部が内部を延びるキャビティを画定する金属ハウジングと;キャビティ内に配置されたエラストマーリングであって、アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有するエラストマーリングと;キャビティ内に配置された金属板であって、この金属板が、アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有し、かつこの金属板の下面がキャビティ内のエラストマーリングに接触している金属板とを含む。方法はさらに、封止アセンブリとアノードリードとの間に密閉封止部を形成するステップを含む。
本発明のその他の特徴および態様を、以下にさらに詳細に述べる。
当業者を対象とする本発明の完全かつ可能な開示を、その最良の形態も含め、添付される図を参照する本明細書の残りの部分でより詳細に述べる。
本発明の湿式電解キャパシタの、一実施形態の斜視図である。 本発明のキャパシタで用いてもよいアノードの実施形態の上面図である。 図2のアノードの正面図である。 図1に示されるキャパシタを形成するための、ケーシング内の図2のアノードのアセンブリを示す斜視図である。 ケーシング内のアノードリードオリフィスで、ケーシングにアノードリードを密閉状態で封止するのに使用される、封止アセンブリの分解斜視図である。 図5の封止アセンブリの分解断面図である。 図5および6の封止アセンブリの組立て斜視図である。 アノードリードが図5〜7の封止アセンブリを使用して密閉状態で封止された後の、ケーシングの一部の断面図である。 キャパシタの組立て中にアセンブリが溶接された場所を示す、図5〜7の封止アセンブリの組立て斜視図である。 金属板がエラストマーリングに溶接された場所を示す、図5〜7の封止アセンブリの組立て断面斜視図である。 金属ハウジングがケーシングに溶接された場所を示す、図5〜7の封止アセンブリの組立て断面斜視図である。
本明細書および図面における参照符号の反復使用は、本発明と同じ、または類似の特徴または要素を表すものとする。
本考察は、単なる例示的な実施形態を記述するものであり、本発明のより広範な態様を限定するものではなく、より広範なその態様は例示的な構成に具体化されることが、当業者に理解されよう。一般に、本発明は、誘電体層でコーティングされた多孔質アノード本体を含む平面アノードと、多孔質アノード本体から延びるアノードリードと、平面アノードに電気接触している作用電解質と、平面アノードおよび作用電解質が内部に配置されており、かつアノードリードオリフィスを画定する壁を有しているケーシングと、アノードリードオリフィスでケーシングに接続されており、かつそのオリフィスの内部をアノードリードの一部が延びている封止アセンブリとを含有する、埋め込み可能な医療デバイス用の湿式電解キャパシタを対象とする。特に、封止アセンブリは、金属ハウジング、金属板、およびエラストマーリングを含む。金属ハウジングはアノードリードオリフィス内に配置され、ケーシングの内部に延び、アノードリードの一部が内部を延びるキャビティを画定する。一方、エラストマーリングは、金属板がそうであるようにキャビティ内に載置され、そこでは金属板の下面がキャビティ内でエラストマーリングに接触している。いくつかの実施形態では、エラストマーリングはキャビティ内に配置することができる先細り部分を有することができ、このキャビティはエラストマーリングを受容するよう相応に先細りになっている。封止アセンブリは、アノードリードを受容し、かつアノードリードオリフィス内を延びる第1の部分と、アノードリードオリフィス内を延びてケーシングの内部に入る第2の部分とを有する隔離チューブを含んでいてもよい。封止アセンブリのそのような配設構成は、アノードリードオリフィスで密閉封止部を生成する。本発明は、埋め込み可能な医療デバイスで使用される湿式電解キャパシタを形成するための方法も対象とする。方法は、アノードリードが延びている平面多孔質アノード本体を、アノードリードオリフィスが形成されておりアノードリードの一部がアノードリードオリフィス内を延びるようになされている、側壁を有するケーシング内に配置するステップであって、この封止アセンブリが、アノードリードオリフィスでアノードリードを取り囲んでいるステップを含む。封止アセンブリは、アノードリードオリフィス内に配置され、かつケーシングの内部に延びる金属ハウジングであって、アノードリードの一部が内部を延びるキャビティを画定する金属ハウジングと;キャビティ内に配置されたエラストマーリングであって、アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有するエラストマーリングと;キャビティ内に配置された金属板であって、この金属板が、アノードリードの一部が内部を通過するオリフィスを含有し、この金属板の下面がキャビティ内のエラストマーリングに接触している金属板とを含む。方法はさらに、封止アセンブリとアノードリードとの間に密閉封止部を形成するステップを含む。本発明者らは、上記にて論じられ、かつ金属ハウジング、金属板、エラストマーリング、および任意選択の隔離チューブを含む封止アセンブリの特定の配設構成、ならびに上記にて論じた封止アセンブリ構成要素を使用してキャパシタのケーシングに形成されたアノードリードオリフィスを封止する方法は、アノードリードがその内部を延びているアノードリードオリフィスから作用電解質が漏れないように、アノードリードの周りに改善された密閉封止部を有する湿式電解キャパシタをもたらすことを見出した。例えば、エラストマーで封止するのに得られた金属の構成要素は、利用される材料により構成要素を非常に厳しい許容差で作製することができるので、アノードリードオリフィスで流体の漏れを防止することができる。さらに、封止アセンブリが小さいサイズであることで、封止アセンブリが利用されるキャパシタのケーシングの厚さを最小限に抑えることができるが、ケーシングが厚すぎると体内へのICDの埋め込みが難しくなるので、厚さを抑えることはICDで使用される湿式電解キャパシタにおいて極めて重要である。一方、金属に対するガラスの封止は、湿式電解キャパシタで使用される場合にそのような漏れを防止する際には、一般に首尾よくいかない。さらに、理論に限定されるものではないが、金属板と組み合わせて金属ハウジングを含むことは、組立て中のエラストマーリングを保護することによって、かつエラストマーリングと作用電解質との間の接触量を低減させることによって、密閉封止の有効性をさらに増強できると考えられる。
次に本発明の様々な実施形態について、より詳細に述べる。
(I. 封止アセンブリ
次に図1および5〜11を参照すると、封止アセンブリ300の一実施形態がより詳細に記述される。封止アセンブリ300は、キャパシタ10のケーシング12に接続され、アノードリード220が内部を安全に延びることができる密閉封止部を提供する。特に封止アセンブリ300は、湿式電解キャパシタ10のケーシング部材14の側壁200に形成され、かつその内部を湿式電解キャパシタ10のアノードリード220が延びるアノードリードオリフィス34を、密閉状態で封止することができる(図1参照)。
一実施形態では、図5〜11に示すように、封止アセンブリ300は、金属板301、エラストマーリング311、および金属ハウジング317を含み、金属板301およびエラストマーリング311はそれぞれオリフィス325および327を含み、これらはアノードリード220および任意選択の隔離チューブ306が内部を延びることができるチャネルを画定する。一方、金属ハウジング317は、エラストマーリング311および金属板301が配置されているキャビティ328を含む。一般に、金属板301は、エラストマーリング311の上面312に接触し、キャビティ328内にエラストマーリング311を保持する蓋として働くことができる。図6および8に示されるように、金属板301は、上面302および下面303を有する。金属板301は内径304および外径305を有することもでき、この内径304はその内部をアノードリード220が延びることができる金属板オリフィス325を画定し、金属板301はキャパシタケーシング12に形成されたアノードリードオリフィス34で、金属ハウジング317のキャビティ328内に配置される。内径304によって画定された金属板オリフィス325は、任意選択の隔離チューブ306とこの隔離チューブ306が取り囲む(存在する場合)アノードリード220とが金属板オリフィス325内を延びることができる限り、約0.001mm〜約3mm、例えば約0.005mm〜約2.5mm、例えば約0.01mmから約2mmの直径を有することができる。さらに、金属板301の内径304は、アノードリード220またはこのアノードリード220を取り囲む隔離チューブ306(存在する場合)との滑り接触が維持されるように、y方向にある金属板301の長さ全体にわたって概ね一定とすることができる。一方、外径305は、金属板301が金属ハウジング317内に滑り嵌めできる限り、任意の直径とすることができる。例えば外径は、約8mm未満、例えば約0.025mm〜約6.5mm、例えば約0.05mm〜約5mm、例えば約0.075mm〜約4mmとすることができる。さらに、金属板301は円形リングまたはディスクとして示されるが、これは必要ではなく、金属板の外径寸法は、その形状が金属板301が内部に配設され、かつそこに金属板301が滑り嵌めをもたらす金属ハウジング317の形状に一致する限り、楕円形、正方形、長方形、三角形などの任意の適切な形状からとすることができる。
さらに、封止アセンブリ300のエラストマーリング311は、上面312および下面313を有する。エラストマーリング311は、内径314と、その上面312の第1の外径315と、その下面313の第2の外径316とを有し、いくつかの実施形態では、第2の外径316は第1の外径315よりも小さくすることができる。内径314は、任意選択の隔離チューブ306およびこの隔離チューブ306が取り囲むアノード220(存在する場合)が内部を延びることができる、エラストマーリングオリフィス327を画定する。例えば、内径314によって画定されたエラストマーリングオリフィス327は、アノードリード220および任意選択の隔離チューブ306がエラストマーリングオリフィス327内を延びることにより、エラストマーリング311が隔離チューブ306との滑り接触を維持して耐密封止を確実なものにすることができる限り、約0.001mm〜約3mm、例えば約0.005mm〜約2.5mm、例えば約0.01mm〜約2mmの直径を有することができる。さらに、エラストマーリング311の内径314は、アノードリード220を取り囲む隔離チューブ306との滑り接触が維持されるように、y方向にあるエラストマーリング311の長さ全体にわたって概ね一定である。一方、いくつかの実施形態では、エラストマーリング311の上面312は、下面313がより小さい第2の外径316を有するように、y方向のエラストマーリング311の長さに沿って先細りする、より大きい第1の外径315を有することができる。そのような先細りは、以下により詳細に論じるように、エラストマーリング311を支持することができかつケーシング12との封止部を生成することができる金属ハウジング317との十分な接触を確実にすることができる。
次に、金属ハウジング317は、上面318および下面319を有することができる。金属ハウジング317は、第1の内径320、第2の内径322、第1の外径321、および第2の外径323を有する。第1の内径320および第2の内径322は、存在する場合にはアノードリード220および隔離チューブ306が内部を延びることができる金属ハウジングキャビティ328を画定する。金属ハウジング317の第1の内径320は、金属板301およびエラストマーリング311を受容し支持すると共に構成要素同士の耐密なまたは滑り嵌めが生成できるように、第2の内径322よりも大きくすることができる。さらに、金属ハウジング317は、金属ハウジング317の所定位置にエラストマーリング311を滑り状態で保持する蓋として働くよう金属板301がエラストマーリング311の上方に配設されたときの耐密封止を確実にするため、エラストマーリング311と金属ハウジング317との間の接触を増大させることができるように、エラストマーリング311に類似した手法で上面318から下面319へと先細りにすることができる。言い換えれば、金属ハウジング317の上面318は、より大きい内径320、およびより大きい第1の外径321を有し、y方向の金属ハウジング317の長さに沿って先細りになって、下面319が、より小さい第2の内径322、およびより小さい第2の外径323を有するようになされている。例えば、任意選択の隔離チューブ306およびアノードリード220を内部に挿通することができる第2の内径322は、耐密封止を確実にするため金属ハウジング317がアノードリード220または隔離チューブ306と滑り接触を維持するように、隔離チューブ306およびこれが取り囲むアノードリード220が金属ハウジングキャビティ328内を延びることができる限り、約0.001mm〜約3mm、例えば約0.005mm〜約2.5mm、例えば約0.01mm〜約2mmの直径を有することができる。一方、第1の内径320は、金属板301およびエラストマーリング311を受容するよう十分に大きいが、同時にレーザ溶接またはスポット溶接などにより構成要素同士で耐密封止をもたらすよう十分に小さい。例えば、第1の内径320は、一般に、金属板301の外径305およびエラストマーリング311の第1の外径315と同じ直径を有する。したがって金属リング317は、図6および8で詳細に示されるように、エラストマーリング311および金属板301を受容するための先細りキャビティ333を有することができる。
さらに、アノードリード220を、金属板301などのその他の封止アセンブリ300構成要素から、ならびにキャパシタ10のケーシング12から絶縁することができる任意選択の隔離チューブ306は、内径309を有し、この内径309は、アノードリード220が内部を延びることができる隔離チューブオリフィス326を画定する。隔離チューブ306は、上端329および下端330も有する。
内径309によって画定される隔離チューブオリフィス326は、アノードリード220が隔離チューブオリフィス326内を延びることができ、かつ耐密封止が確実になるように隔離チューブ306との滑り接触を維持することができる限り、約0.001mm〜約3mm、例えば約0.005mm〜約2.5mm、例えば約0.01mm〜約2mmの直径を有することができる。さらに、隔離チューブ306の内径309は、隔離チューブ306の長さ全体にわたってアノードリード220との滑り接触が維持されるように、y方向の隔離チューブ306の長さ全体にわたって概ね一定である。
上記にて論じた様々な封止アセンブリ300構成要素は、アノードリードオリフィス34でアノードリード220とケーシング12との間に密閉封止をもたらすような手法で、キャパシタ10のアノードリード220を受容するように構成することができる。例えば図6および8を参照すると、エラストマーリング311は、エラストマーリング311の下面313が金属ハウジング317と接触してその下面319に向かうように、金属ハウジング317に挿入することができる。次いで金属板301を、金属板301の下面303がエラストマーリング311の上面312に接触するように、金属ハウジング317に挿入することができる。その後、封止アセンブリ300を、ケーシング12の両側からまたはケーシング13の内部から、ケーシングの側壁14のアノードリードオリフィス34(図1参照)に挿入し、またはプレス嵌めすることができる。次いでアノードリード220を、金属ハウジング317のキャビティ328、エラストマーリングオリフィス327、および金属板オリフィス325に挿通することができる。
さらに、隔離チューブ306を利用する場合、アノードリード220を最初に隔離チューブ306の隔離チューブオリフィス326に挿通することができ、そこでは隔離チューブの内径309により画定された隔離チューブオリフィスは、アノードリード220の直径221を巡って適合するようにかつ締まり嵌めが生成されるよう十分に大きく、その後、アノードリード220および隔離チューブ306は、金属ハウジング317のキャビティ328、エラストマーリングオリフィス327、および金属板オリフィス325内を挿通することができ、そこでは隔離チューブ306は、第1のケーシング部材12の側壁20の外部から外に延びる第1の部分と、エラストマーリング311でケーシング12の内部13内に延びる第2の部分とを有することができる。代替例として、隔離チューブ306は、アノードリード220の挿入前に封止アセンブリ300のオリフィスに挿通することができ、その後、上記にて論じたように、アノードリード220を金属ハウジング317のキャビティ328、エラストマーリングオリフィス327、および金属板オリフィス325に挿通することができる。いずれにしても、アノードリード220および任意選択の隔離チューブ306は、アノードリード220の第1の部分および隔離チューブ306の第1の部分が側壁20の外面27を超えて延び、それと共にアノードリード220の第2の部分および隔離チューブ306の第2の部分がケーシング内に残されるように、側壁20の外面27から延びることができ、この場合隔離チューブ306は、一般にアノードリード220を巡って滑り状態で適合するスリーブとして働くことができる。
封止アセンブリ300が所定位置に配設された後、およびアノードリード220が封止アセンブリ300に挿通され適切に配置された後に、封止アセンブリ300がアノードリードオリフィス34に挿入される特定の手法とは無関係に、金属ハウジング301および第1のケーシング部材14で可能なように、金属板301およびエラストマーリング311を一緒に溶接して、アノードリード220がアノードリードオリフィスで密閉封止されたことを確実にすることができる。図9〜11を参照すると、様々な溶接ポイントの場所が示されている。例えば図9に示されるように、金属板301は、その周辺を巡ってレーザ溶接またはスポット溶接などを介して溶接することができ、この溶接領域335での溶接は、金属板301とエラストマーリング311(図示せず)との間の効果的な封止を確実にする。図10は溶接領域335を示す断面斜視図であり、アノードリードオリフィス34でのアノードリード220の効果的な封止が行われるように、金属板301をエラストマーリング311に溶接することができる。一方、金属ハウジング317は、金属ハウジング317と第1のケーシング部材14の側壁20との間で効果的な封止が確実になるように、溶接領域336で、その周辺を巡ってレーザ溶接またはスポット溶接などを介して溶接することができる。図11は溶接領域336を示す断面斜視図であり、金属ハウジング317は、側壁20の上面27で、第1のケーシング部材14の側壁20に溶接することができる。金属板301をエラストマーリング311に、および金属ハウジング317を側壁20に封止する全体的な効果は、ガラスを概ね含まず、かつガラスと金属との封止に比べてより効果的な封止をもたらすことができる、密閉封止がもたらされることである。
上記にて論じた封止アセンブリ300の構成要素は、効果的な密閉封止を形成することができる限り、任意の材料から作製することができる。例えば金属板301および任意選択の金属ハウジング317は、金属などの伝導性材料から形成されてもよい。例えば金属板301および任意選択の金属ハウジング317は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えばステンレス)、これらの合金(例えば導電性酸化物)、およびこれらの複合体(例えば導電性酸化物でコーティングされた金属)などで作製することができる。ある特定の実施形態では、金属板301および金属ハウジング317はチタンを含むことができる。
一方、隔離チューブ306は、任意の適切な絶縁性材料で作製することができる。例えば絶縁性材料は、20℃の温度で決定された約1×102Ω・m以上、いくつかの実施形態では約1×105Ω・m以上、およびいくつかの実施形態では約1×1015〜約1×1025Ω・mの電気抵抗を有していてもよい。例えばガラス材料は、CaO、Al23、B23、SrO、BaO、LiO2、SiO2、TiO2、Na2O、これらの組合せを含有するガラス組成物などを絶縁性材料として用いてもよい。酸化ホウ素(B23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ランタン(LiO2)を含有し、かつ少なくとも1種のその他の酸化物を含有してもよいバリウムランタンホウ酸ガラス組成物が、特に適切である。そのような組成物は、Browらの米国特許第5,648,302号および第5,104,738号にさらに詳細に記述されている。さらにその他の絶縁性材料は、フルオロポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(「PVE」)、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−パーフルオロアルキビニルエーテル)(「PFA」)、フッ素化エチレン−プロピレンコポリマー(「FEP」)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(「ETFE」)、ポリフッ化ビニリデン(「PVDF」)、ポリクロロトリフルオロエチレン(「PCTFE」)、およびTFEコポリマーであってVF2および/またはHFPを含むものなど);ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリスルホン(例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど);ポリイミド(例えばポリエーテルイミド);およびポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)など、ならびにこれらの混合物などのポリマー材料を含んでもよい。
さらに、エラストマーリング311は、任意の適切なエラストマーで作製することができる。例えば、エラストマーリング311は、電解質による腐食に対して耐性のある(以下に論じる)エラストマーからとすることができ、キャパシタにより発生した最大電圧に耐えるのに十分な誘電強度を有する。一実施形態では、エラストマーは、弾性の低下または損失なしに、約−55℃から約200℃の温度範囲で機能することができる。用いてもよいエラストマーの例には、ブチルゴム、クロロブチルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フルオロエラストマー、例えばVITON(商標)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、およびスチレンブタジエンゴムが含まれる。
上述のような本発明の封止アセンブリは、一般に、当技術分野で周知の様々な技法のいずれかを使用して、湿式電解キャパシタに組み込まれてもよい。この点に関し、湿式電解キャパシタの様々な追加の構成要素を、図1〜4を参照しながらより詳細に論じる。
(II. 平面アノード
平面アノードは、典型的にはバルブ金属組成物から形成される。組成物の比電荷は約2,000μF・V/g〜約80,000μF・V/g、いくつかの実施形態では約5,000μF・V/g〜約40,000μF・V/gまたはそれ以上、いくつかの実施形態では約10,000μF・V/g〜約20,000μF・V/gのように変化し得る。バルブ金属組成物は、バルブ金属(即ち酸化可能な金属)またはバルブ金属をベースにした化合物、例えばタンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、これらの合金、これらの酸化物、およびこれらの窒化物などを含有する。例えばバルブ金属組成物は、ニオブの導電性酸化物、例えばニオブと酸素との原子比1:1.0±1.0、いくつかの実施形態では1:1.0±0.3、いくつかの実施形態では1:1.0±0.1、およびいくつかの実施形態では1:1.0±0.05を有する酸化ニオブを含有していてもよい。酸化ニオブは、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1、およびNbO2であってもよい。そのようなバルブ金属酸化物の例は、Fifeの米国特許第6,322,912号;Fifeらの第6,391,275号;Fifeらの第6,416,730号;Fifeの第6,527,937号;Kimmelらの第6,576,099号;Fifeらの第6,592,740号;およびKimmelらの第6,639,787号;およびKimmelらの第7,220,397号、ならびにSchnitterの米国特許出願公開第2005/0019581号;Schnitterらの第2005/0103638号;Thomasらの第2005/0013765号に記載されている。
平面アノードを形成するには、バルブ金属組成物の粉末を一般に用いる。粉末は、結節状、角張った状態、薄片など、ならびにこれらの混合物のような様々な形状のいずれかの粒子を含有していてもよい。特に適切な粉末は、Cabot Corp.(例えばC255薄片粉末、TU4D薄片/結節状粉末など)およびH.C.Starck(例えばNH175結節状粉末)から入手可能なタンタル粉末である。バルブ金属組成物は、当業者に周知の技法を使用して形成されてもよい。例えば前駆体タンタル粉末は、タンタル塩(例えばフッ化タンタル酸カリウム(K2TaF7)、フッ化タンタル酸ナトリウム(Na2TaF7)、五塩化タンタル(TaCl5)など)を還元剤(例えば水素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)で還元することによって形成されてもよい。
用いられる特定の方法とは無関係に、得られた粉末はキャパシタアノードに形成されるその能力を増強する、ある特性を保有していてもよい。例えば、アノードで用いられる粒子は、概ね平らであってもよい。平坦度は「アスペクト比」によって、即ち粒子の平均直径または幅を平均厚さで割った値(「D/T」)によって一般に定義される。例えば、粒子のアスペクト比は約2〜約100、いくつかの実施形態では約3〜約50、いくつかの実施形態では約4〜約30であってもよい。粒子は約0.5〜約10.0m2/g、いくつかの実施形態では約0.7〜約5.0m2/g、いくつかの実施形態では約1.0〜約4.0m2/gの比表面積を有していてもよい。「比表面積」という用語は、上記にてより詳細に定義される。嵩密度(Scott密度としても公知である)は、典型的には約0.1〜約2グラム毎立方センチメートル(g/cm3)、いくつかの実施形態では約0.2g/cm3〜約1.5g/cm3、いくつかの実施形態では約0.4g/cm3〜約1g/cm3でもある。「嵩密度」は流量計漏斗および密度カップを使用して決定することができる。より詳細には、カップを完全に満たしかつカップの周辺から溢れるまで、サンプルを漏斗を通してカップ内に注いでもよく、その後サンプルをカップの上面と同一平面になるように、振動させることなくへらで平らにしてもよい。平らにしたサンプルを天秤に移し、0.1gに最も近くなるまで計量して、密度値を決定する。そのような装置はElizabeth、New JerseyのAlcan Aluminum Corp.から市販されている。粒子は約0.1〜約100μm、いくつかの実施形態では約0.5〜約70μm、およびいくつかの実施形態では約1〜約50μmの平均サイズ(例えば幅)を有していてもよい。
平面アノードの構成を容易にするために、ある追加の成分を粉末に含めてもよい。例えば粉末は、平面アノード本体が形成されるよう押圧したときに粒子が互いに十分に接着することを確実にするために、結合剤および/または潤滑剤と混合してもよい。適切な結合剤は、例えば、ポリ(ビニルブチラール);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ビニルピロリドン);カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびメチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースポリマー;アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン;ポリエチレングリコール(例えばDow Chemical Co.製のCarbowax);ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン);ポリアミド、ポリイミド、およびポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびフルオロオレフィンコポリマーなどのフルオロポリマー;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(低級アルキルアクリレート)、ポリ(低級アルキルメタクリレート)、および低級アルキルアクリレート及びメタクリレートのコポリマーなどのアクリルポリマー;ステアリンおよびその他のせっけん脂肪酸、植物ろう、マイクロワックス(精製パラフィン)などの、脂肪酸およびワックスを含んでいてもよい。結合剤は、溶媒中に溶解し分散させてもよい。例示的な溶媒は、水およびアルコールなどを含んでいてもよい。利用する場合、結合剤および/または潤滑剤のパーセンテージは、全質量の約0.1質量%〜約8質量%まで変化させてもよい。しかし結合剤および/または潤滑剤は、本発明で必ずしも必要ではないことを理解すべきである。
得られた粉末を、任意の従来の粉末プレスデバイスを使用し、締め固めてペレットを形成してもよい。例えば、ダイおよび1つまたは複数のパンチを含有する単一ステーション締固めプレスであるプレスモールドを使用してもよい。あるいは、ダイおよび単一下方パンチのみ使用するアンビル型締固めプレスモールドを使用してもよい。単一ステーション締固めプレスモールドは、単動式、複動式、フローティングダイ、可動プラテン、対向ラム、ネジ、衝撃、ホットプレス、コイニングまたはサイジングなどの様々な能力を有するカム、トグル/ナックルおよび偏心/クランクプレスなど、いくつかの基本的なタイプとして利用可能である。粉末は、アノードリードワイヤなどのアノードリードの周りで締め固めてもよい。アノードリードは、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタンなどの任意の導電性材料、ならびにこれらの導電性酸化物および/または窒化物から形成されてもよい。さらに、アノードリードは、約0.001mm〜約3mm、例えば約0.005mm〜約2.5mm、例えば約0.01mm〜約2mmの直径を有することができる。
任意の結合剤/潤滑剤は、ある温度(例えば約150℃〜約500℃)で数分間、真空中でペレットを熱でプレスした後に除去されてもよい。あるいは、結合剤/潤滑剤はBishopらの米国特許第6,197,252号に記載されるように、ペレットを水溶液と接触させることによって除去してもよい。その後、ペレットを焼結して多孔質の一体化した塊を形成する。本発明者らは、ある焼結条件が、得られた平面アノードの比電荷の増大ならびに得られたキャパシタの破壊電圧の増大をもたらし得ることを発見した。より詳細にはペレットは、典型的には約5分〜約100分、いくつかの実施形態では約8分〜約15分の時間にわたって、約800℃〜2000℃、一部の実施形態では約1200℃〜約1800℃、一部の実施形態では約1500℃〜約1700℃の温度で焼結される。これは1つまたは複数のステップで行ってもよい。必要に応じて、焼結は、平面アノードへの酸素原子の移送を制限する雰囲気中で行ってもよい。例えば、焼結は、真空、不活性ガス、水素などの還元雰囲気中で行ってもよい。還元雰囲気は、約10Torr〜約2000Torr、いくつかの実施形態では約100Torr〜約1000Torr、およびいくつかの実施形態では約100Torr〜約930Torrの圧力であってもよい。水素およびその他の気体(例えばアルゴンまたは窒素)の混合物を用いてもよい。用いられる場合、薄片粒子は、平面アノードを形成する際にしばしば用いられる高焼結温度および長い焼結時間により良く耐えることができ、低収縮および大きい比表面積を持つ多孔質焼結本体を生成することができる。
焼結により、ペレットは、粒子同士の冶金学的結合の成長に起因して収縮する。収縮は一般にペレットの密度を増大させるので、所望の目標密度をさらに実現するのに、より低いプレス密度(「圧粉」)を用いてもよい。例えば、焼結後のペレットの目標密度は、典型的には約5〜約8グラム毎立方センチメートルである。しかし収縮現象の結果、ペレットはそのような高い密度までプレスされる必要がなく、代わりに約6.0グラム毎立方センチメートル未満、いくつかの実施形態では約4.5〜約5.5グラム毎立方センチメートルの密度にプレスされてもよい。とりわけ、より低い圧粉密度を用いる能力は著しいコスト節約をもたらし、かつ加工効率を増大させることができる。プレス密度は、特にワイヤの長軸に直交した方向に圧縮がなされた場合、ペレット全体にわたって常に均一というわけではないことを理解すべきである。即ちプレス密度は、材料の量をプレスされたペレットの体積で除算することにより決定される。ペレットの体積は、ワイヤの長軸に直交した方向に圧縮された長さに正比例する。密度は、圧縮された長さに逆比例する。したがって圧縮された長さは、ペレットの残りの場所よりも、ワイヤに隣接するような場所において実際に短い。プレス密度は同様にワイヤに隣接するような場所において、より大きい。例えば、ワイヤに隣接するような場所でのペレットの密度は、ペレットの残りの場所におけるペレットのプレス密度よりも、典型的には少なくとも約10%、ある場合には少なくとも約20%大きい。
例えば、図2〜3を参照すると、アノードワイヤ220を含有する平面アノード200の一実施形態が示されている。アノードワイヤは、平面アノード200から長手方向(「y」方向)に延びる。アノードワイヤ220を平面アノード200に埋め込むために、プレスモールドに粉末を部分的に充填してもよく、次いでアノードワイヤをプレスモールドに挿入してもよい。その後、モールドに粉末を充填し、アセンブリ全体をペレットに圧縮する。
得られた平面アノードは、得られたキャパシタの電気性能および体積効率が改善されるように、その全長および全幅と比較して小さい全厚を有することができる。例えば、図2を参照すると、長さ「L」は第1の端部60から第2の端部62までの、アノード200の全長を表す。ある場合には、アノード200の長さ「L」は約1mm〜約80mm、例えば約10mm〜約60mm、例えば約20mm〜約50mmに及んでもよい。一方、再び図2を参照すると、アノードの幅「W」は、約0.5mm〜約60mm、例えば約1mm〜約40mm、例えば約5〜約30mmであってもよい。さらに図3を参照すると、典型的には、アノードの厚さ「H」は約5mm以下であり、例えば約0.05mm〜約4mm、例えば約0.1mm〜約3.5mm、例えば約0.2mm〜約2mmである。一般に、いくつかの実施形態では、アノードの長さ「L」と平面アノードの厚さ「H」との比は約5〜約50、いくつかの実施形態では約6〜約40、いくつかの実施形態では約7から約30に及ぶことができる。さらに、アノードの幅「W」とアノードの厚さ「H」との比は約4〜約35、いくつかの実施形態では約5〜約25、いくつかの実施形態では約6〜約20に及ぶことができる。
さらに、図2では「D字形」として示されているが、平面アノードは、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形など、任意のその他の所望の形状を保持してもよいことも理解すべきである。4個超の角を持つ多角形形状(例えば六角形、八角系、七角形、五角形など)が、それらの比較的広い表面積により特に望まれると考えられる。例えば、さらに図1および4を参照すると、図2〜3に示される平面アノード200を含むキャパシタ10の一実施形態が示される。1つの平面アノードしか示されていないが、例えばZiarniakらの米国特許第7,483,260号に記載されているような多数のアノード(例えば積層)を用いてもよいことを理解すべきである。
さらに、平面アノードの特定の幾何形状とは無関係に、平面アノードは、誘電体層が平面アノードの上面および/または内部に形成されるように、焼結アノードを陽極により酸化する(「陽極酸化する」)ことによって形成された誘電体も含有する。例えば、タンタル(Ta)アノードは、五酸化タンタル(Ta25)に陽極酸化されてもよい。典型的には、陽極酸化は、アノードを電解質中に浸漬するなどによって溶液をアノードに最初に付着させることにより行われる。水性溶媒(例えば水)および/または非水性溶媒(例えばエチレングリコール)を用いてもよい。伝導度を高めるために、溶媒中で解離してイオンを形成することが可能な化合物を用いてもよい。そのような化合物の例には、例えば、電解質に関して以下に記述するような酸が含まれる。例えば、酸(例えばリン酸)は、陽極酸化溶液の約0.01質量%〜約5質量%、いくつかの実施形態では約0.05質量%〜約0.8質量%、およびいくつかの実施形態では約0.1質量%〜約0.5質量%を構成してもよい。必要に応じて、酸のブレンドを用いてもよい。
電流は、陽極酸化溶液を通過して誘電体層を形成する。形成電圧の値は、誘電体層の厚さを管理する。例えば電源は、必要な電圧に到達するまで、定電流モードで最初に設定してもよい。その後、電源を定電位モードに切り換えて、望まれる誘電体の厚さがアノードの表面全体にわたって形成されることを確実にしてもよい。当然ながら、パルスまたはステップ定電位法などのその他の公知の方法を用いてもよい。陽極酸化溶液の温度は約10℃〜約200℃、いくつかの実施形態では約20℃〜約150℃、いくつかの実施形態では約30℃〜約100℃に及んでもよい。得られる誘電体層は、アノードの表面およびその細孔内に形成されてもよい。用いられる場合、粉末の特定の性質により、得られるアノードは、本発明でしばしば用いられる高い形成電圧であっても高い比電荷を実現させることができる。例えば、上述の範囲内で、アノードは依然として約2,000μF・V/g〜約20,000μF・V/g、いくつかの実施形態では約5,000μF・V/g〜約15,000μF・V/gまたはそれ以上、およびいくつかの実施形態では約8,000〜約12,000μF・V/gの比電荷とすることができる。
(III. カソード
封止アセンブリおよび平面アノードに加え、様々な技法のいずれかを使用して構成され得るカソードもキャパシタでは用いられる。一実施形態では、カソードは、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えばステンレス)、これらの合金(例えば導電性酸化物)、およびこれらの複合体(例えば導電性酸化物でコーティングされた金属)などの、任意の金属を含んでいてもよい、電気化学的に活性な材料でコーティングされた金属基板を含有する。チタンおよびタンタルならびにこれらの合金は、本発明で使用するのに特に適切である。基板の幾何学的構成は、容器、缶、箔、シート、スクリーン、メッシュの形をとるなど、当業者に周知のように一般には様々であってもよい。必ずしも必要ではないが、例えば一実施形態では、金属基板は、平面アノードが開示されたキャパシタケーシングを形成することができ、そのようなケーシングは、D字形または平面アノードの形状に概ね対応する任意の形状を有することができる。例えば、円筒形、長方形、三角形、角柱形など、任意の幾何学的構成を本発明で用いてもよいことを理解すべきである。
基板はその表面積を増大させるため、かつそこに電気化学的に活性な材料が接着可能になる程度を増大させるため、粗面化してもよい。例えば一実施形態では、表面は、その表面に腐食性物質の溶液(例えば塩酸)を付着させることなどによって、化学的にエッチングされる。表面は、電気分解を受けるように腐食性物質の溶液に電圧を印加することなどにより、電気化学的にエッチングされてもよい。電圧は、基板の表面で「スパーキング」を開始するよう、十分高いレベルにまで上昇させてもよいが、これは基板からエッチング除去するのに十分高い局所表面温度を生成すると考えられている。この技法は、参照によりその全体が全ての目的で本明細書に組み込まれるDreissigらの米国特許第8,279,585号により詳細に記述されている。化学的または電気化学的な粗面化技法に加え、機械的粗面化を用いてもよい。例えば一実施形態では、金属基板の表面は、その表面の少なくとも一部に対して研磨媒体(例えば砂)の流れを噴射することにより、研磨ブラストを行ってもよい。
電気化学的に活性な材料は、腐食を抑制するために、かつ電圧が上昇したときに熱障壁としても作用するように、カソード基板に付着させてもよい。電気化学的に活性な材料は、1つまたは複数の層から形成されてもよい。そのような(1つまたは複数の)層で用いられる材料は、様々であってもよい。様々な公知の電気化学的に活性な材料のいずれかが、一般に用いられてもよい。1つの適切な材料は、酸化または還元後にπ共役されて導電率を有するような(例えば導電率は、酸化後に少なくとも約1μScm-1)伝導性ポリマーである。そのようなπ共役伝導性ポリマーの例には、例えば、ポリ複素環(例えばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなど)、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、およびポリフェノレートなどが含まれる。
置換ポリチオフェンは、特に良好な機械的堅牢性および電気性能を有するので、伝導性ポリマーとして使用するのに特に適切である。理論により制限されるものではないが、高電圧(例えば形成電圧よりも高い)に至るキャパシタの充電は、電解質のイオンを、そのような置換ポリチオフェンを含有するコーティング内に強制的に押し遣ると考えられる。これは、伝導性ポリマーを「膨潤」させ、イオンを表面付近に保持し、それによって電荷密度を高める。ポリマーは一般に非晶質および非結晶質であるので、高電圧に関連した熱を放散させ、かつ/または吸収することもできる。放電によって、置換ポリチオフェンが「緩和」し、電解質中のイオンをコーティングから外に移動させることも考えられる。そのような膨潤および緩和メカニズムを通して、金属基板付近の電荷密度は、電解質との化学反応なしに増大することができる。したがって、機械的堅牢性および良好な電気性能を、活性炭または金属酸化物(例えば酸化ルテニウム)などから作製されたような従来の伝導性コーティングの必要性なしに提供することができる。事実、優れた結果は、金属基板上の主要材料としてコーティングを使用して実現することができる。即ちコーティングは、金属基板上に存在する(1種または複数の)材料の少なくとも約90質量%、いくつかの実施形態では少なくとも約92質量%、いくつかの実施形態では少なくとも約95質量%を構成してもよい。それにも関わらず、その他の伝導性コーティングを本発明のいくつかの実施形態で使用してもよいことを理解すべきである。
ある特定の実施形態において、置換ポリチオフェンは、下記の一般構造を有する。
Figure 0006721964
(式中、
Tは、OまたはSであり;
Dは、置換されていてもよいC1−C5アルキレンラジカル(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレンなど)であり;
7は、直鎖状または分枝状の、置換されていてもよいC1−C18アルキルラジカル(例えば、メチル、エチル、n−またはiso−プロピル、n−、iso−、sec−、またはtert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルなど);置換されていてもよいC5−C12シクロアルキルラジカル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなど);置換されていてもよいC6−C14アリールラジカル(例えば、フェニル、ナフチルなど);置換されていてもよいC7−C18アラルキルラジカル(例えば、ベンジル、o−、m−、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、2−6、3−4−、3,5−キシリル、メシチルなど);置換されていてもよいC1−C4ヒドロキシアルキルラジカルまたはヒドロキシルラジカルであり;
qは、0〜8の整数であり、いくつかの実施形態では0〜2、いくつかの実施形態では0であり;
nは、2〜5,000であり、いくつかの実施形態では4〜2000であり、いくつかの実施形態では5〜1,000である)。ラジカル「D」または「R7」に関する置換基の例には、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、アミノ、アルデヒド、ケト、カルボン酸エステル、カルボン酸、カーボネート、カルボキシレート、シアノ、アルキルシラン、およびアルコキシシラン基、およびカルボキシルアミド基などが含まれる。
特に適切なチオフェンポリマーは、「D」が置換されていてもよいC2−C3アルキレンラジカルのものである。例えば、ポリマーは、置換されていてもよいポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であって、下記の一般構造を有するものでよい。
Figure 0006721964
上述のような伝導性ポリマーを形成するための方法は、当技術分野で周知である。例えば、Merkerらの米国特許第6,987,663号は、モノマー前駆体から置換ポリチオフェンを形成するための様々な技法について記述する。モノマー前駆体は、例えば下記の構造を有する。
Figure 0006721964
(式中、
T、D、R7、およびqは上記にて定義される)。特に適切なチオフェンモノマーは、「D」が、置換されていてもよいC2−C3アルキレンラジカルのものである。例えば、置換されていてもよい3,4−アルキレンジオキシチオフェンは、一般構造を有するものを用いてもよい。
Figure 0006721964
(式中、R7およびqは、上記にて定義される)。ある特定の実施形態において、「q」は0である。3,4−エチレンジオキシチオフェンの1つの商用として適切な例は、Clevios(商標)Mという名称でHeraeus Cleviosから入手可能である。その他の適切なモノマーは、Blohmらの米国特許第5,111,327号およびGroenendaalらの第6,635,729号にも記載されている。これらのモノマーの誘導体は、例えば上記モノマーのダイマーまたはトリマーであるものが用いられてもよい。モノマーの高級分子誘導体、即ちテトラマー、ペンタマーなどは、本発明で使用するのに適切である。誘導体は同一の、または異なるモノマー単位で構成されてもよく、純粋な形で、または互いのおよび/またはモノマーとの混合物として使用されてもよい。これらの前駆体の酸化または還元形態を用いてもよい。
チオフェンモノマーは、酸化触媒の存在下で化学的に重合されてもよい。酸化触媒は、典型的には、鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(IV)、マンガン(VII)、ルテニウム(III)陽イオンなどの、遷移金属陽イオンを含む。ドーパントは、伝導性ポリマーに過剰な電荷を提供し、かつポリマーの伝導性を安定化するのに用いられてもよい。ドーパントは、典型的には、スルホン酸のイオンなどの無機または有機陰イオンを含む。ある実施形態において、前駆体液体で用いられる酸化触媒は、陽イオン(例えば遷移金属)および陰イオン(例えばスルホン酸)を含むので、触媒およびドーピング機能の両方を有する。例えば、酸化触媒は、例えば、鉄(III)ハロゲン化物(例えばFeCl3)、またはFe(ClO4)もしくはFe2(SO43などの他の無機酸の鉄(III)塩、有機酸および有機ラジカルを含む無機酸の鉄(III)塩を含む、遷移金属塩であってもよい。有機ラジカルを持つ無機酸の鉄(III)塩の例には、例えば、C1−C20アルカノールの硫酸モノエステルの鉄(III)塩(例えばラウリル硫酸の鉄(III)塩)が含まれる。同様に、有機酸の鉄(III)塩の例には、例えば、C1−C20アルカンスルホン酸(例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、またはドデカンスルホン酸)の鉄(III)塩;脂肪族パーフルオロスルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、またはパーフルオロオクタンスルホン酸)の鉄(III)塩;脂肪族C1−C20カルボン酸(例えば2−エチルヘキシルカルボン酸)の鉄(III)塩;脂肪族パーフルオロカルボン酸(例えばトリフルオロ酢酸またはパーフルオロオクタン酸)の鉄(III)塩;C1−C20アルキル基によって置換されてもよい芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、またはドデシルベンゼンスルホン酸)の鉄(III)塩;シクロアルカンスルホン酸(例えばカンファースルホン酸)の鉄(III)塩などが含まれる。これらの上述の鉄(III)塩の混合物を使用してもよい。鉄(III)−p−トルエンスルホネート、鉄(III)−o−トルエンスルホネート、およびこれらの混合物が特に適切である。鉄(III)−p−トルエンスルホネートの1つの商用として適切な例は、Clevious(商標)Cという名称でHeraerus Cleviousから入手可能である。
様々な方法を、伝導性ポリマー層を形成するのに利用してもよい。一実施形態では、酸化触媒およびモノマーを順次または一緒に付着させ、重合反応が基板上でin situで生ずるようにする。適切な付着技法には、スクリーン印刷、浸漬、電気泳動コーティング、および噴霧を含めてもよく、伝導性ポリマーコーティングを形成するのに使用されてもよい。一例として、モノマーを最初に酸化触媒と混合して、前駆体溶液を形成してもよい。混合物が形成されたら、これを基板に付着せてもよく、次いで重合させて、伝導性コーティングが表面上に形成されるようにしてもよい。あるいは、酸化触媒およびモノマーを順次付着させてもよい。一実施形態において、例えば、酸化触媒を有機溶媒(例えばブタノール)に溶解し、次いで浸漬溶液として付着させる。次いで基板を乾燥して、そこから溶媒を除去してもよい。その後基板を、モノマーを含有する溶液に浸漬してもよい。重合は、典型的には、使用される酸化剤および所望の反応時間に応じて、約−10℃〜約250℃、いくつかの実施形態では約0℃〜約200℃の温度で行われる。上述のような適切な重合技法は、Bilerの米国特許第7,515,396号でより詳細に記述されている。そのような(1種または複数の)伝導性コーティングを付着するためのさらにその他の方法は、Sakataらの米国特許第5,457,862号、Sakataらの第5,473,503号、Sakataらの第5,729,428号、およびKudohらの5,812,367号明細書に記述されている。
in situ付着に加え、伝導性ポリマー層は、伝導性ポリマー粒子の分散体の形で付着させてもよい。それらのサイズは様々であってもよいが、典型的には、粒子は、基板への接着に利用可能な表面積が大きくなるように小さい寸法を保持することが望まれる。例えば、粒子は約1〜約500nm、いくつかの実施形態では約5〜約400nm、いくつかの実施形態では約10〜約300nmの平均直径を有していてもよい。粒子のD90値(D90値以下の直径を有する粒子は、固体粒子の全ての合計体積の90%を構成する)は、約15μm以下、いくつかの実施形態では約10μm以下、いくつかの実施形態では約1nm〜約8μmであってもよい。粒子の直径は、超遠心分離、レーザ回折などの公知の技法を使用して決定されてもよい。
望む場合には、上述の付着ステップの1つまたは複数を、コーティングの所望の厚さを達成するまで繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、コーティングの比較的薄い層のみが一度に形成される。コーティングの合計目標となる厚さは、一般に、キャパシタの所望の性質に応じて変化してもよい。典型的には、得られる伝導性ポリマーコーティングは、約0.2μm〜約50μm、いくつかの実施形態では約0.5μm〜約20μm、いくつかの実施形態では約1μm〜約5μmの厚さを有する。コーティングの厚さは、基板上の全ての場所で必ずしも同一である必要はないことを理解すべきである。しかし、基板上のコーティングの平均厚さは、一般に、上述の範囲内に包含される。
伝導性ポリマー層は修復されてもよい。修復は、伝導性ポリマー層がそれぞれ付着された後になされてもよく、またはコーティング全体が付着された後になされてもよい。いくつかの実施形態では、伝導性ポリマーは、その部分を電解質溶液に浸漬し、その後、電流が事前に選択されたレベルに低減するまで定電圧を溶液に印加することによって修復することができる。望む場合には、そのような修復は多数のステップで実現することができる。例えば電解質溶液は、モノマー、触媒、およびドーパントをアルコール溶媒(例えば、エタノール)に溶かした希釈溶液とすることができる。望む場合には、コーティングは、様々な副生成物および過剰な試薬などを除去するために洗浄されてもよい。
(IV. 作用電解質
キャパシタは、一般に、溶液(例えば水性または非水性)、分散体、ゲルなどの液体の形をとることができる作用電解質(図示せず)も含む。作用電解質はケーシング内に配設され、平面アノードとカソードとの間に接続経路を提供する電気的に活性な材料である。望む場合には、平面アノードに、最初に電解質(図示せず)を含浸させ、その後、ケーシング内に配置してもよい(以下に論じる)。電解質は、生成の後段でキャパシタに添加してもよい。様々な適切な電解質は、参照によりその全体が全ての目的で本明細書に組み込まれるEvansらの米国特許第5,369,547号および第6,594,140号に記載されている。
典型的には電解質は、任意の公知の導電率計(例えばOakton Con Series 11)を使用して25℃の温度で決定された、約1〜約100ミリジーメンス毎センチメートル(「mS/cm」)、いくつかの実施形態では約5〜約80mS/cm、いくつかの実施形態では約15mS/cm〜約70mS/cm、およびいくつかの実施形態では約20〜約60mS/cmのイオン伝導度を有するので、イオン伝導性である。記述された範囲内で、電場は、誘電体が著しい電荷の分離をもたらすのに十分な長さ(Debye長)だけ、少なくとも電解質中に延びることができるので、強力である。これは誘電体のポテンシャルエネルギーを電解質にまで延ばし、その結果得られたキャパシタは、誘電体の厚さによって予測されるよりもさらに大きいポテンシャルエネルギーを貯蔵できるようになる。言い換えれば、キャパシタは誘電体の形成電圧に近い、またはさらに超える電圧まで充電することができる。キャパシタに充電することができる電圧と形成電圧との比は、例えば、約0.80〜約2.00、いくつかの実施形態では約0.85〜約1.50、いくつかの実施形態では約0.86〜約1.20であってもよい。例として、キャパシタが充電される電圧は、約150V〜約300V、いくつかの実施形態では約180V〜約260V、いくつかの実施形態では約200V〜約240Vであってもよい。形成電圧は同様に、約180V〜約320V、いくつかの実施形態では約200V〜約280V、いくつかの実施形態では約220V〜約250Vに及んでもよい。作用電解質も比較的中性であり、したがって約4.5〜約8.0、いくつかの実施形態では約5.0〜約7.5、いくつかの実施形態では約5.5〜約7.0、いくつかの実施形態では約6.0〜約6.5のpH値を有する。とりわけ、そのようなpHは、水性電解質中に存在する水素イオンがカソード材料と相互作用して最大キャパシタンスを、したがって、エネルギー密度を実現する能力を高めることができる。
所望のイオン伝導度は、ある濃度範囲にある(1種または複数の)イオン化合物(例えば酸、塩基、および塩など)を選択することによって実現されてもよい。ある特定の実施形態では、弱有機酸の塩が、電解質の所望の伝導度を実現するのに有効であってもよい。塩の陽イオンは、アルカリ金属(例えばLi+、Na+、K+、Rb+、またはCs+)、アルカリ土類金属(例えばBe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、またはBa2+)、遷移金属(例えばAg+、Fe2+、Fe3+など)などの1原子陽イオン、ならびにNH4 +などの多原子陽イオンを含んでいてもよい。1価のアンモニウム(NH4 +)、ナトリウム(K+)、およびリチウム(Li+)は、本発明で使用するのに特に適切な陽イオンである。塩の陰イオンを形成するのに使用される有機酸は、25℃で決定された場合に典型的には約0〜約11の、いくつかの実施形態では約1〜約10の、いくつかの実施形態では約2〜約10の第1の酸解離定数(pKa1)を有するという意味で「弱」である。カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、酒石酸(例えばデキスト酒石酸、メソ酒石酸など)、クエン酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、桂皮酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸;およびこれらのブレンドなど、任意の適切な弱有機酸が本発明で使用されてもよい。アジピン酸(pKa1 4.43およびpKa2 5.41)、α−酒石酸(pKa1 2.98およびpKa2 4.34)、メソ−酒石酸(pKa1 3.22およびpKa2 4.82)、シュウ酸(pKa1 1.23およびpKa2 4.19)、乳酸(pKa1 3.13、pKa2 4.76、およびpKa3 6.40)など、塩の形成で使用するのに多塩基酸(例えば二塩基、三塩基など)が特に望ましい。
実際の量は、用いられる特定の塩、電解質に使用される(1種または複数の)溶媒へのその溶解度、およびその他の成分の存在に応じて変化してもよいが、そのような弱有機酸塩は、典型的には、約0.1〜約40質量%、いくつかの実施形態では約0.2〜約35質量%、いくつかの実施形態では約0.3〜約30質量%、およびいくつかの実施形態では約0.5〜約25質量%の量で電解質中に存在する。
電解質は、水(例えば、脱イオン水)などの水性溶媒を含有するという点で、典型的には水性である。例えば、水(例えば、脱イオン水)は、電解質の約20質量%〜約95質量%、いくつかの実施形態では約30質量%〜約90質量%、いくつかの実施形態では約40質量%〜約85質量%を構成してもよい。2次溶媒を、溶媒混合物を形成するのに用いてもよい。適切な2次溶媒には、例えば、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ジプロピレングリコールなど);グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、イソプロピルグリコールエーテルなど);アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、およびブタノール);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールエーテルアセテート、酢酸メトキシプロピル、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなど);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリル/カプリン脂肪酸アミド、およびN−アルキルピロリドン);およびスルホキシドまたはスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびスルホラン)などを含めてもよい。そのような混合物は、典型的には、溶媒系の約40質量%〜約80質量%、いくつかの実施形態では約50質量%〜約75質量%、およびいくつかの実施形態では約60質量%〜約70質量%の量で水を含有し、溶媒系の約20質量%〜約60質量%、いくつかの実施形態では約25質量%〜約50質量%、およびいくつかの実施形態では約30質量%〜約40質量%の量で2次溶媒を含有する。同様に、そのような混合物が用いられる場合、水は、典型的には電解質の約30質量%〜約70質量%、いくつかの実施形態では約35質量%〜約65質量%、およびいくつかの実施形態では約40質量%〜約60質量%を構成し、2次溶媒は、電解質の約5質量%〜約40質量%、いくつかの実施形態では約10質量%〜約35質量%、およびいくつかの実施形態では約15質量%〜約30質量%を構成してもよい。
1種または複数の酸またはpH調節剤も、所望のpHおよび伝導度の値を実現するのを助けるのに用いられる。適切な酸には、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸などの無機酸;アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、桂皮酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸などのカルボン酸を含めた有機酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸などのスルホン酸;ポリ(アクリル)またはポリ(メタクリル)酸およびこれらのコポリマー(例えばマレイン−アクリル、スルホン−アクリル、およびスチレン−アクリルコポリマー)、カラギーン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸などのポリマー酸;および同様のものなどを含めてもよい。EDTAは、電解質のpH値を低減できるだけではなく粒子中に存在し得る任意の金属不純物の金属不純物封鎖剤として働くこともできるので、ゲル化電解質が使用される場合に特に適切と考えられる。
酸の合計濃度は変化してもよいが、典型的には電解質の約0.01質量%〜約10質量%、いくつかの実施形態では約0.05質量%〜約5質量%、およびいくつかの実施形態では約0.1質量%〜約2質量%の量で存在する。ある特定の実施形態では、無機酸および有機酸の混合物など、異なる酸の混合物を用いてもよい。そのような実施形態では、無機酸(例えばリン酸)は、電解質の約0.005質量%〜約5質量%、いくつかの実施形態では約0.01質量%〜約3質量%、およびいくつかの実施形態では約0.05質量%〜約1質量%を構成してもよく、有機酸(例えばEDTA)は同様に、電解質の約0.005質量%〜約5質量%、いくつかの実施形態では約0.01質量%〜約3質量%、およびいくつかの実施形態では約0.05質量%〜約1質量%を構成してもよい。
電解質は、キャパシタの電気性能を改善するのを助けるその他の成分を含有していてもよい。例えば、通常ならキャパシタの膨張を引き起こし最終的には故障する可能性のある、電解キャパシタのカソードでの水素ガスの発生を抑制するのを助けるために、電解質中に減極剤を用いてもよい。用いられる場合、減極剤は通常、電解質の約1〜約500ppm、いくつかの実施形態では約10〜約200ppm、およびいくつかの実施形態では約20〜約150ppmを構成する。例えば、減極剤は通常、電解質の約0.01質量%〜約5質量%、いくつかの実施形態では約0.05質量%〜約2質量%、およびいくつかの実施形態では約0.1質量%〜約1質量%を構成する。
適切な減極剤には、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、2−ニトロアセトフェノン、3−ニトロアセトフェノン、4−ニトロアセトフェノン、2−ニトロアニソール、3−ニトロアニソール、4−ニトロアニソール、2−ニトロベンズアルデヒド、3−ニトロベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、2−ニトロベンジルアルコール、3−ニトロベンジルアルコール、4−ニトロベンジルアルコール、2−ニトロフタル酸、3−ニトロフタル酸、および4−ニトロフタル酸などの、ニトロ芳香族化合物を含めてもよい。本発明で使用するのに特に適切なニトロ安息香酸減極剤は、1個または複数のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなど)で置換された、ニトロ安息香酸、その無水物または塩である。そのようなアルキル置換ニトロ安息香酸化合物の特定の例には、例えば、2−メチル−3−ニトロ安息香酸;2−メチル−6−ニトロ安息香酸;3−メチル−2−ニトロ安息香酸;3−メチル−4−ニトロ安息香酸;3−メチル−6−ニトロ安息香酸;4−メチル−3−ニトロ安息香酸;およびその無水物または塩などが含まれる。
ある特定の実施形態では、作用電解質は、連続相および分散相を含有する固体または半固体コロイド状懸濁体と一般に定義される、粘弾性「ゲル」の形をとることができ、これらの相の少なくとも1つは固体であり、これらの相の少なくとも1つは液体である。例えばヒドロゲルは、無機酸化物粒子が架橋して連続相を形成し、かつ溶媒が、架橋網状構造内に捕えられた分散相として水を含有する場合に、形成されてもよい。その正確な形とは無関係に、キャパシタ内の粘弾性ゲルは、室温で容易に流動できないように半固体または固体の形をとる。この性質は、応力の正弦波時間変動が剪断率の正弦波時間変動と位相を異にする度合である粘弾性位相角δによって表すことができる。理想的な弾性固体に関する位相角δは0°(位相内)であり、理想的な粘性液体に関する位相角δは90°(位相外)である。本発明において、ゲル化電解質は、典型的には0°〜約20°、いくつかの実施形態では0.1°〜約5°、およびいくつかの実施形態では約0.2°〜約2°の位相角δを示す。ゲルの粘弾性挙動を表すことができる別のパラメータは、応力の「位相内」成分(固体様挙動を表す)を最大歪みで除算することによって決定される貯蔵弾性率G’である。典型的には、本発明のゲル化電解質は、約5kPa以上、いくつかの実施形態では約10kPa以上、およびいくつかの実施形態では約15〜約50kPaの貯蔵弾性率を示す。位相角および貯蔵弾性率は、コーンプレート構成を有するレオメータを用いた動的振動試験(例えば周波数10Hzおよび圧力5Pa)により室温(例えば25℃)で決定することができる。
高伝導度および中性pH値の組合せを実現するために、ゲル作用電解質は、キャパシタに関する所望の粘度および電気的性質を実現するのを助けるため、無機酸化物粒子と併せて、上記にて論じた弱有機酸塩、溶媒系、およびpH調節剤(酸)の組合せを含有することができる。電解質中の無機酸化物粒子の量は、必要とされるゲル化度、ならびに電解質中のその他の成分の特定の性質および濃度に応じて変化してもよい。しかし典型的には、無機酸化物粒子は電解質の約0.5質量%〜約20質量%、いくつかの実施形態では約1質量%〜約15質量%、およびいくつかの実施形態では約1.5質量%〜約10質量%を構成する。
粒子は、所望の結果に応じて様々な形態、形状、およびサイズを保持してもよい。例えば粒子は、球、結晶、棒、ディスク、チューブ、ストリングなどの形状をとってもよい。粒子の平均サイズは約1,000nm未満、いくつかの実施形態では約1〜約500nm、いくつかの実施形態では約2〜約200nm、およびいくつかの実施形態では約4〜約50nmであってもよい。本明細書で使用される粒子の平均サイズは、その平均の長さ、幅、高さ、および/または直径を指す。粒子は、典型的には高い比表面積も有し、例えば約50平方メートル毎グラム(m2/g)〜約1000m2/g、いくつかの実施形態では約100m2/g〜約600m2/g、およびいくつかの実施形態では約150m2/g〜約400m2/gである。「比表面積」という用語は一般に、吸着ガスとして窒素を用いた、Bruanauer, Emmet, および Teller, Journal of American Chemical Society, Vol. 60, 1938, p. 309の物理的ガス吸着(B.E.T.)法によって決定された表面積を指す。試験は、吸収可能で不活性なキャリアガス(例えばヘリウム)の流動混合物の熱伝導度の変化を感知することによって、固体表面に吸着された吸着可能な窒素ガスの量を測定する、QUANTACHROME Corporation、Syosset、NYから入手可能なMONOSORB(登録商標)比表面積分析器で実施されてもよい。さらに粒子は、比較的非多孔質または固体であってもよい。即ち、粒子は、約0.5ミリリットル毎グラム(ml/g)未満、いくつかの実施形態では約0.4ml/g未満、いくつかの実施形態では約0.3ml/g未満、およびいくつかの実施形態では約0.2ml/g〜約0.3mg/lの細孔容積を有していてもよい。理論により限定するものではないが、そのような小さいサイズ、高表面積、および固体の性質を有する粒子は、ゲル化率を改善し、かつ得られた懸濁液の均一性および安定性を高めることができると考えられる。
無機酸化物粒子は、これらに限定されないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化銅など、ならびにこれらの組合せを含む様々な材料から形成されてもよい。粒子はヒュームドプロセス、沈殿などを使用して形成されてもよい。しかし、それらのより高い表面積およびより小さい粒度により、ヒュームド粒子が本発明での使用に特に適切である。例えばヒュームドシリカは、水素酸素フレーム中での四塩化ケイ素の蒸気相加水分解によって生成することができる非晶質SiO2である。三次元分枝鎖凝集体が、一次粒子の融合からフレーム中で生成される。冷却中、これらの凝集体は、上述の範囲内の粒度を有する微粉末に凝集する。ヒュームドシリカは、酸性条件下で反応して架橋網状構造を形成することができるシラノール基を保持する。得られたシロキサン架橋は、結合がそれぞれの場合にほぼ同じ強度のものである、メタンにおける炭素と水素との結合と同様の、ケイ素の各原子が4個の酸素原子に結合して四面体構造を形成しているケイ素と酸素との化合物である。この構造は、一般に二酸化物およびシリケートで見出され、SiO4基は鎖中または環内部に生ずる。シロキサン架橋を生成することにより、電解質の液相を捕えたゲルが形成される。商用として適切なヒュームドシリカ粒子は、例えば、CAB−O−SIL(登録商標)という名称でCabot Corporationから入手可能なものであってもよい。
作用電解質の成分は、キャパシタ内へのそれらの組込みの前および/または後のいずれかで、様々な異なる方法で一緒に組み合わせることができる。ある特定の実施形態では、電解質を、アノードおよび/またはカソード(上記にて論じた)に接触させて配設する前に、ゲル化してもよい。例えば、電解質の成分が最初に一緒に組み合わされる場合、電解質は、分散相として粒子を含有するゾルの形をとってもよい。しかしそのようなゾルは、いくつかの方法によってゲル化を誘発するように触媒することができる。例には、ゾルのpHおよび/または温度を、ゲル化が生ずる点まで調節することが含まれる。あるいはゾルは、ゲル化が誘発されるように、制御された形のエネルギー(例えば熱、超音波、紫外光、電子ビーム放射など)に曝されてもよい。超音波エネルギー(例えば超音波プローブ)の使用は、電解質のpHまたは温度を変化させる必要性を最小限に抑えるので、特に望ましい。
電解質は、様々な異なる方法でキャパシタに組み込むことができる。例えば一実施形態では、電解質は、アノードおよびカソードが所望の構成内に配置された後にキャパシタに添加されるだけである。これは、例えば注入口を使用して実現されてもよい。アノードには、このアノードをキャパシタ内に配設する前に電解質に浸漬することなどにより、電解質が事前に含浸されていてもよい。アノードへの電解質の含浸は、アノードと電解質との間の接触の程度をさらに高めることができる。いずれの場合も、電解質は、キャパシタ内に精密に組み込むことができるように、低い初期粘度および易流動性を有することができる。例えばゲルの場合、電解質は、25℃の温度でBrookfield LVT粘度計(スピンドル#3 60rpmで)を使用して決定されるように、約1〜約40cP、いくつかの実施形態では約2〜約30cP、およびいくつかの実施形態では約3〜約10cpの初期粘度(例えばゲル化が開始された後、1時間以下)を有していてもよい。同様にゲルは、約50°〜90°、いくつかの実施形態では約60°〜90°、およびいくつかの実施形態では約80°〜90°の初期位相角δ、ならびに約1kPa以下、いくつかの実施形態では約0.1kPa以下、およびいくつかの実施形態では0〜約0.01kPaの初期貯蔵弾性率G’を有していてもよい。
しかし、キャパシタに組み込んだ後、電解質は、上述の目標範囲内の粘度、位相角δ、および/または貯蔵弾性率G’などに粘度が上昇するまでゲル化し続けてもよい。この「半固体」または「固体」遷移は、例えば約1〜約100時間、いくつかの実施形態では約10〜約80時間、およびいくつかの実施形態では約20〜約60時間など、比較的ゲル化が誘発された後に生じてもよい。遷移は、アノードがキャパシタに組み込まれ、かつカソードと接触して配設される前および/または後に生じてもよい。望む場合には、良好な電気接触が含浸済みアノードとカソードとの間に存在することを確実にするために、追加の「充填」電解質を添加してもよい。この充填電解質は本発明により形成されてもよく、またはその他の公知の成分から形成されてもよい。
封止アセンブリ、平面アノード、カソード、および作用電解質の特定の特徴とは無関係に、平面アノード200およびその他の成分は一般に、ケーシング12の内部に配置され、その一部はキャパシタのカソードとして働いてもよい。さらに、電気化学的に活性な材料(図示せず。)を、ケーシング12の少なくとも一部に付着させて腐食を抑制し、かつ電圧が上昇したときに熱障壁として作用させてもよい。一実施形態では、ケーシング12の少なくとも一部は一般に、電気化学的に活性な材料(カソード)でコーティングされた、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、これらの合金(例えば、導電性酸化物)、これらの複合体(例えば、導電性酸化物でコーティングされた金属)、およびこれらと同様のものなどの、任意の金属を含んでいてもよい金属から形成される。チタンおよびタンタル、ならびにこれらの合金が、本発明の使用に特に適切である。その他の実施形態では、ケーシングの一部は非金属材料から形成されてもよい。基板の幾何学的構成は、一般に、容器、ケーシング、箔、シート、スクリーン、メッシュなど、当業者に周知のように変化してもよい。例えば一実施形態では、金属基板は、D字形を有する平面ケーシングを形成する。しかし、本発明では、正方形、円形、長方形、三角形、角柱形など、任意の幾何学的構成を用いてもよいことを理解すべきである。ケーシングは、ケーシングと同じまたは異なる材料から形成されていてもよい、アノードおよび電解質を覆う蓋を含むこともできる。
ケーシングの特定の特徴とは無関係に、かつ本発明の電気化学的に活性なカソード材料を含んでいてもよいか否かに関わらず、アノードをケーシングに組み込む特定の手法は様々な技法を使用して実現されてもよい。図4に示されるように、アノード200は、第1のケーシング部材14および第2のケーシング部材16で作製されたケーシング12内に配置されていてもよい。第1のケーシング部材14は、縁部22に延びる外面27および内面28を有する周囲の側壁20に接合された、対面壁18を有することができる。一方、第2のケーシング部材16は平板の形状をとることができ、周囲の縁部26を有する第2の対面壁24を含有することができる。ケーシング部材14および16は、重なり合う縁部22および26を溶接(例えばレーザ溶接)することによって一緒に密閉封止されていてもよく、これらの縁部は、アノード200および封止アセンブリ300が望み通りにケーシング12内に組み込まれた後に、互いに接触している。特定の構成とは無関係に、ケーシング12は約8mm未満、例えば約0.075mm〜約7mm、例えば約0.1mm〜約6mm、例えば約0.2mm〜約5mmの厚さ「H2」を有することができる。さらに、ケーシング部材14および/または16は、上記セクションIIIでカソードに関して記述された金属基板に類似していてもよく、その内面に、伝導性ポリマーコーティング(図示せず)などの電気化学的に活性なカソード材料が堆積されてもよいようになされている。あるいは、別の金属基板を、ケーシング部材14および/または16に隣接して位置付けてもよく、カソードとして働くように導電性ポリマーコーティングを付着させてもよい。それにも関わらず、ケーシング部材14および16を一緒に溶接する前に、アノードリード封止アセンブリ300を、アノードリード220および第1のケーシング部材14の側壁20の周りに組み立てて、セクションIを参照しながら上記にて詳細に論じたアノードリードオリフィス34に密閉封止を生成する。
上記にて論じたように、ケーシング内にアノードを組み立て、封止(例えば溶接)した後、作用電解質を、図1に示される注入口120を通して、または任意のその他の適切な手段によってケーシング12内に導入してもよい。充填は、注入口120が作用電解質のリザーバ内に延びるように、キャパシタ10を真空チャンバ内に配設することによって実現されてもよい。チャンバが排気されると、圧力はキャパシタ10内で低減する。真空が解除されると、キャパシタ10内の圧力は再度平衡になり、電解質が注入口120を通ってキャパシタ10内に引き込まれる。
上記にて論じた構成要素に加え、図示しないが、アノードと伝導性ポリマーでコーティングされたカソードとを互いに絶縁するのを容易にする1つまたは複数のセパレータを用いてもよい。この目的に適切な材料の例には、例えば、多孔質ポリマー材料(例えばポリプロピレン、ポリエチレンなど)、多孔質無機材料(例えばガラス繊維マット、多孔質ガラス紙など)、イオン交換樹脂材料などが含まれる。特定の例には、イオン性パーフルオロ化スルホン酸ポリマー膜(例えばthe E.I.DuPont de Nemeours & Co.製のNafion(商標))、スルホン化フルオロカーボンポリマー膜、ポリベンズイミダゾール(PBI)膜、およびポリエーテルエーテルケトン(PEEK)膜が含まれる。アノードとカソードとの間の直接接触は防止されるが、セパレータは、電極への電解質のイオン電流の流れを可能にする。
その特定の構成とは無関係に、本発明のキャパシタは優れた電気的性質を示してもよい。例えばキャパシタは、周波数120Hzおよび室温(例えば25℃)で決定された場合、高い体積効率、例えば約50,000μF・V/cm3〜約300,000μF・V/cm3、いくつかの実施形態では約60,000μF・V/cm3〜約200,000μF・V/cm3、およびいくつかの実施形態では約80,000μF・V/cm3〜約150,000μF・V/cm3を示してもよい。体積効率は、一部の形成電圧にそのキャパシタンスを乗算し、次いでその積をその部分の体積で除算することによって決定される。例えば形成電圧は、520μFのキャパシタンスを有する部分に関して175Vであってもよく、その結果、積は91,000μF・Vになる。その部分が約0.8cm3の体積を占有する場合、この結果は約113,750μF・V/cm3の体積効率になる。
キャパシタは、高パルス用途での使用に適切になるように高エネルギー密度を示してもよい。エネルギー密度は一般に、方程式E=1/2・CV2(式中、Cはキャパシタンス(単位farad、F)であり、Vはキャパシタの作用電圧(単位volt、 V)である)により決定される。キャパシタンスは、例えば、キャパシタンス計(例えばKelvin Leadsを持ち、2Vバイアスおよび1VシグナルであるKeithley 3330 Precision LCZ計)を使用して、動作周波数10〜120Hz(例えば120Hz)および温度25℃で測定されてもよい。例えばキャパシタは、約2.0ジュール毎立方センチメートル(J/cm3)以上、いくつかの実施形態では約3.0J/cm3、いくつかの実施形態では約3.5J/cm3〜約10.0J/cm3、およびいくつかの実施形態では約4.0〜約8.0J/cm3のエネルギー密度を示してもよい。キャパシタンスは同様に、約1ミリファラド毎平方センチメートル(「mF/cm2」)以上、いくつかの実施形態では約2mF/cm2以上、いくつかの実施形態では約5〜約50mF/cm2、およびいくつかの実施形態では約8〜約20mF/cm2であってもよい。キャパシタは、比較的高い「破壊電圧」(キャパシタが故障する電圧)、例えば約180V以上、いくつかの実施形態では約200V以上、およびいくつかの実施形態では約210V〜約260Vを示してもよい。
等価直列抵抗(「ESR」)−電子回路で充放電するときにキャパシタが抵抗器のように作用する程度−は、2Vバイアスおよび1Vシグナルで、周波数120Hzで測定した場合、約15,000mΩ未満、いくつかの実施形態では約10,000mΩ未満、いくつかの実施形態では約5,000mΩ未満、およびいくつかの実施形態では約1〜約4,500mΩであってもよい。さらに、絶縁体を通して1つの導体から隣接する導体に流れる電流を一般に指す漏れ電流は、比較的低いレベルで維持することができる。例えば、本発明のキャパシタの正規化漏れ電流の数値は、いくつかの実施形態では約1μA/μF・V未満、いくつかの実施形態では約0.5μA/μF・V未満、およびいくつかの実施形態では約0.1μA/μF・V未満であり、但し、μAはマイクロアンペアであり、μF・Vはキャパシタンスと定格電圧との積である。漏れ電流は、漏れ試験計(例えば、MC 190漏れ試験、Mantracourt Electronics LTD、UK)を使用して、温度25℃でかつある定格電圧で、約60〜約300秒の充電時間後に測定されてもよい。そのようなESRおよび正規化漏れ電流値は、高温で、かなりの長い時間を経た後にさらに維持されてもよい。例えばその値は、約100時間以上、いくつかの実施形態では約300時間〜約2500時間、およびいくつかの実施形態では約400時間〜約1500時間(例えば500時間、600時間、700時間、800時間、900時間、1000時間、1100時間、または1200時間)にわたり、約100℃〜約250℃、いくつかの実施形態では約100℃〜約200℃(例えば100℃、125℃、150℃、175℃、または200℃)に及ぶ温度で維持されてもよい。
本発明の電解キャパシタは、これらに限定されないが、埋込み型除細動器、ペースメーカー、心臓電気除細動器、神経刺激装置、薬物投与デバイスなどの医療デバイス;自動車用途;RADARシステムなどの軍事用途;ラジオ、テレビなどの消費者向け電気製品;および同様のものを含む様々な用途で使用されてもよい。例えば一実施形態では、キャパシタは、療法上高電圧(例えば約500V〜約850Vの間、または望ましくは約600V〜約900Vの間)の治療を患者に施すよう構成された埋込み型医療デバイスで用いられてもよい。デバイスは、密閉封止され生物学的に不活性な容器またはハウジングを含有していてもよい。1つまたは複数のリードが、血管を介してデバイスと患者の心臓との間で電気的に結合される。心臓活動を感知しかつ/または心臓に電圧を供給するのに、心臓電極が設けられる。リードの少なくとも一部(例えばリードの端部)は、心臓の1つまたは複数の心室および心房に隣接、または接触して設けられてもよい。デバイスはキャパシタバンクを含有していてもよく、このキャパシタバンクは直列に接続されており、かつデバイスの内部または外部のバッテリに結合されて、このキャパシタバンクにエネルギーを供給する2つ以上のキャパシタを典型的に含有する。一部は高伝導度であることに起因して、本発明のキャパシタは優れた電気的性質を実現することができ、したがって埋込み型医療デバイスのキャパシタバンクで使用するのに適切とすることができる。
その特定の構成とは無関係に、本発明のキャパシタは優れた電気的性質を示してもよい。例えばキャパシタは、周波数120Hzおよび室温(例えば25℃)で決定された場合、高体積効率、例えば約50,000μF・V/cm3〜約300,000μF・V/cm3、いくつかの実施形態では約60,000μF・V/cm3〜約200,000μF・V/cm3、およびいくつかの実施形態では約80,000μF・V/cm3〜約150,000μF・V/cm3を示してもよい。体積効率は、一部の形成電圧にそのキャパシタンスを乗算し、次いで積をその部分の体積で除算することによって決定される。例えば、形成電圧は、520μFのキャパシタンスを有する部分に関して175Vであってもよく、その結果、積は91,000μF・Vになる。その部分が約0.8cm3の体積を占有する場合、これは約113,750μF・V/cm3の体積効率をもたらす。
キャパシタは、高パルス用途で使用するのに適切なものにすることが可能な高エネルギー密度を示してもよい。エネルギー密度は、一般に、方程式E=1/2・CV2(式中、Cはキャパシタンス(単位farad、F)であり、Vはキャパシタの作用電圧(単位volt、V)である)により決定される。キャパシタンスは、例えば、キャパシタンス計(例えばKelvin Leadsを持ち、2Vバイアスおよび1VシグナルであるKeithley 3330 Precision LCZ計)を使用して、10〜120Hz(例えば120Hz)の動作周波数および25℃の温度で測定されてもよい。例えば、キャパシタは、約2.0ジュール毎立方センチメートル(J/cm3)以上、いくつかの実施形態では約3.0J/cm3、いくつかの実施形態では約3.5J/cm3〜約15.0J/cm3、およびいくつかの実施形態では約4.0〜約12.0J/cm3のエネルギー密度を示してもよい。キャパシタンスは、同様に、約1ミリファラド毎平方センチメートル(「mF/cm2」)以上、いくつかの実施形態では約2mF/cm2以上、いくつかの実施形態では約5〜約50mF/cm2、およびいくつかの実施形態では約8〜約20mF/cm2であってもよい。キャパシタは、比較的高い「破壊電圧」(キャパシタが故障する電圧)、例えば約180V以上、いくつかの実施形態では約200V以上、およびいくつかの実施形態では約210V〜約260Vを示してもよい。
等価直列抵抗(「ESR」)−電子回路で充放電するときにキャパシタが抵抗器のように作用する程度−は、2Vバイアスおよび1Vシグナルで、周波数120Hzで測定した場合、約15,000mΩ未満、いくつかの実施形態では約10,000mΩ未満、いくつかの実施形態では約5,000mΩ未満、およびいくつかの実施形態では約1〜約4,500mΩであってもよい。さらに、絶縁体を通して1つの導体から隣接する導体に流れる電流を一般に指す漏れ電流は、比較的低いレベルで維持することができる。例えば、本発明のキャパシタの正規化漏れ電流の数値は、いくつかの実施形態では約1μA/μF・V未満、いくつかの実施形態では約0.5μA/μF・V未満、およびいくつかの実施形態では約0.1μA/μF・V未満であり、但し、μAはマイクロアンペアであり、μF・Vはキャパシタンスと定格電圧との積である。漏れ電流は、漏れ試験計(例えばMC 190漏れ試験、Mantracourt Electronics LTD、UK)を使用して、温度25℃でかつある定格電圧で、約60〜約300秒の充電時間後に測定されてもよい。そのようなESRおよび正規化漏れ電流値は、高温で、かなりの長い時間を経た後にさらに維持されてもよい。例えばその値は、約100時間以上、いくつかの実施形態では約300時間〜約2500時間、およびいくつかの実施形態では約400時間〜約1500時間(例えば500時間、600時間、700時間、800時間、900時間、1000時間、1100時間、または1200時間)にわたり、約100℃〜約250℃、いくつかの実施形態では約100℃〜約200℃(例えば100℃、125℃、150℃、175℃、または200℃)に及ぶ温度で維持されてもよい。
本発明の電解キャパシタは、これらに限定されないが、埋込み型除細動器、ペースメーカー、心臓電気除細動器、神経刺激装置、薬物投与デバイスなどの医療デバイス;自動車用途;RADARシステムなどの軍事用途;ラジオ、テレビなどの消費者向け電気製品;および同様のものを含む様々な用途で使用されてもよい。例えば一実施形態では、キャパシタは、療法上高電圧(例えば約500V〜約850Vの間、または望ましくは約600V〜約900Vの間)の治療を患者に施すよう構成された埋込み型医療デバイスで用いられてもよい。デバイスは、密閉封止され生物学的に不活性な容器またはハウジングを含有していてもよい。1つまたは複数のリードが、血管を介してデバイスと患者の心臓との間で電気的に結合される。心臓活動を感知しかつ/または心臓に電圧を供給するのに、心臓電極が設けられる。リードの少なくとも一部(例えばリードの端部)は、心臓の1つまたは複数の心室および心房に隣接してまたは接触して設けられてもよい。デバイスはキャパシタバンクを含有していてもよく、このキャパシタバンクは直列に接続されており、かつデバイスの内部または外部のバッテリに結合されて、このキャパシタバンクにエネルギーを供給する2つ以上のキャパシタを典型的に含有する。一部は高伝導度であることに起因して、本発明のキャパシタは優れた電気的性質を実現することができ、したがって埋込み型医療デバイスのキャパシタバンクで使用するのに適切とすることができる。
本発明の、これらおよびその他の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者が行ってもよい。さらに、様々な実施形態の態様は、全体的または部分的の両方で交換してもよいことを理解すべきである。さらに、当業者なら、先の記述が単なる例であり、そのような添付される特許請求の範囲でさらに記述される本発明を限定するものではないことが理解されよう。
10 キャパシタ
12 ケーシング
14 第1のケーシング部材
16 第2のケーシング部材
18 対面壁
20 側壁
24 対面壁
26 縁部
34 アノードリードオリフィス
120 注入口
200 アノード
220 アノードリード
300 封止アセンブリ
301 金属板
306 隔離チューブ
311 エラストマーリング
317 金属ハウジング

Claims (24)

  1. 誘電体層でコーティングされた多孔質アノード本体を含む平面アノードであって、アノードリードが前記多孔質アノード本体から延びている平面アノードと、
    前記平面アノードに電気接触している作用電解質と、
    前記平面アノードおよび前記作用電解質が配置されている内部を有するケーシングであって、アノードリードオリフィスを画定する壁を有するケーシングと、
    前記アノードリードオリフィスで前記ケーシングに接続された封止アセンブリであって、
    前記アノードリードオリフィス内に配置され、かつ前記ケーシングの内部に延びている金属ハウジングであり、前記アノードリードの一部が内部を延びているキャビティを画定する金属ハウジング、
    前記キャビティ内に配置されたエラストマーリングであり、前記アノードリードの一部が内部を延びているオリフィスを含有するエラストマーリング、および
    前記キャビティ内に配置された金属板であり、前記金属板が、前記アノードリードの一部が内部を延びているオリフィスを含有し、前記金属板の上面が、前記ケーシングから露出し、前記金属板の下面が、前記キャビティ内で前記エラストマーリングに接触している金属板
    を含む封止アセンブリと
    を含む、埋め込み可能な医療デバイス用湿式電解キャパシタ。
  2. 前記封止アセンブリが、前記アノードリードの一部を受容する隔離チューブをさらに含み、前記隔離チューブは、前記ケーシングの外に延びる第1の部分と、前記アノードリードオリフィスを通って前記ケーシングの内部に延びる第2の部分とを有する、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  3. 前記隔離チューブが絶縁性材料を含む、請求項2に記載の湿式電解キャパシタ。
  4. 前記エラストマーリングと前記金属ハウジングの前記キャビティとがそれぞれ先細り部分を有し、前記エラストマーリングの先細り部分は、前記キャビティの先細り部分で前記キャビティ内に位置付けられる、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  5. 前記金属ハウジングが、チタンまたはその合金を含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  6. 前記金属板が、チタンまたはその合金を含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  7. 電気化学的に活性なカソード材料が、前記ケーシングの少なくとも一部に配設される、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  8. 前記電気化学的に活性なカソード材料が、伝導性ポリマーを含む、請求項7に記載の湿式電解キャパシタ。
  9. 前記伝導性ポリマーが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である、請求項8に記載の湿式電解キャパシタ。
  10. 前記ケーシングが、チタンまたはその合金を含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  11. 前記多孔質アノード本体が、タンタル、ニオブ、またはそれらの導電性酸化物を含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  12. 前記アノードリードがタンタルを含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  13. 前記平面アノードの少なくとも一部を取り囲むセパレータをさらに含む、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  14. 前記封止アセンブリが、前記アノードリードオリフィスで密閉封止をもたらす、請求項1に記載の湿式電解キャパシタ。
  15. 請求項1に記載の湿式電解キャパシタを含む、埋め込み可能な心臓電気除細動器。
  16. 埋め込み可能な医療デバイスで使用される湿式電解キャパシタを形成するための方法であって、
    アノードリードが延びている平面多孔質アノード本体を、アノードリードオリフィスが形成された側壁を有しており前記アノードリードオリフィスを通して前記アノードリードの一部が延びるようになされているケーシング内に配置するステップであり、封止アセンブリが前記アノードリードオリフィスで前記アノードリードを取り囲み、前記封止アセンブリは、前記アノードリードオリフィス内に配置され、かつ前記ケーシングの内部に延びる金属ハウジングであって、前記アノードリードの一部が内部に延びるキャビティを画定する金属ハウジングと、前記キャビティ内に配置されたエラストマーリングであって、前記アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有するエラストマーリングと、前記キャビティ内に配置された金属板であって、前記金属板が、前記アノードリードの一部が内部を延びるオリフィスを含有し、前記金属板の上面は前記ケーシングから露出し、前記金属板の下面は前記キャビティ内で前記エラストマーリングに接触している金属板とを含むステップと、
    前記封止アセンブリと前記アノードリードとの間に密閉封止を形成するステップと
    を含む方法。
  17. 前記金属板と前記金属ハウジングとが溶接されたときに、前記金属板および前記エラストマーリングが、前記密閉封止を生成する請求項16に記載の方法。
  18. 前記金属ハウジングを前記ケーシングに溶接するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記封止アセンブリが、前記アノードリードの一部を受容する隔離チューブをさらに含み、前記隔離チューブは、前記ケーシングの外に延びる第1の部分と、前記アノードリードオリフィスを通って前記ケーシングの内部に延びる第2の部分とを有する、請求項16に記載の方法。
  20. 前記隔離チューブが絶縁性材料を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記金属ハウジングがチタンまたはその合金を含む、請求項16に記載の方法。
  22. 前記金属板がチタンまたはその合金を含む、請求項16に記載の方法。
  23. 前記ケーシングの少なくとも一部が、電気化学的に活性なカソード材料でコーティングされる、請求項16に記載の方法。
  24. 作用電解質を前記ケーシング内に導入するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
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