図1は、この実施の形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、遊技機用枠3とを備えている。その他、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠などを備えている。遊技盤2は、遊技盤面を構成するゲージ盤である。遊技機用枠3は、遊技盤2を固定する台枠である。遊技盤2には、ガイドレールなどによって囲まれた遊技領域が形成されている。発射装置から発射された遊技球(遊技媒体)は、発射通路を通過して、遊技領域に打ち込まれる。遊技機用枠3には、ガラス窓を有するガラス扉枠が回動可能に設けられている。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C、通過ゲート41などが設けられている。その他、遊技領域における遊技盤面には、風車や多数の障害釘、一般入賞口、アウト口などが設けられていればよい。遊技領域の周辺部には遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置にはスピーカ8L、8Rが設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作され、その操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力が調整される。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。下皿を形成する部材にはスティックコントローラ31Aが取り付けられ、上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。
第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5の画面上などでは、特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われる。これらの可変表示は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づいて、あるいは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づいて、実行可能となる。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などを用いて構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動可能に表示(可変表示)される。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)などを用いて構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。
画像表示装置5の画面上には、保留記憶表示エリア5Hが配置されている。保留記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。保留表示は、可変表示に関する情報の保留記憶に対応して表示可能なものであればよい。保留記憶表示エリア5Hとともに、あるいは、保留記憶表示エリア5Hに代えて、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとを用いた保留表示が行われてもよい。
図2は、各種基板や周辺装置などの構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、中継基板15、ドライバ基板19、電源基板92なども搭載されている。その他にも、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が搭載されてもよい。各種制御基板は、導体パターンが形成されて電気部品が実装されるプリント配線板などの電子回路基板だけではなく、電子回路基板に電気部品が実装(搭載)されて特定の電気的機能を実現するように構成された電子回路実装基板を含む概念である。
電源基板92は、外部電源(商用電源)である交流電源からの電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能となるように構成されている。電源基板92は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを、備えている。電源基板92にて生成された電圧は、ドロア中継基板を介して主基板11や演出制御基板12などに供給されてもよい。
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。主基板11では、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種検出用のスイッチから取り込んだ信号が、スイッチ回路110を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。ゲートスイッチ21は、通過ゲート41を通過した遊技球(ゲート通過球)を検出する。ゲートスイッチ21によるゲート通過球の検出に基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能となる。第1始動口スイッチ22Aは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第2始動口スイッチ22Bは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。カウントスイッチ23は、大入賞口を通過(進入)した遊技球を検出する。第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口といった、各種の入賞口を通過した遊技球が検出された場合には、それぞれの入賞口に対応して予め個数が定められた賞球としての遊技球が払い出される。
主基板11では、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号が、ソレノイド回路111を介して普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送される。普通電動役物用のソレノイド81は、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過しにくい状態(または通過しない状態)と通過しやすい状態(または通過する状態)とに変化可能にする。大入賞口扉用のソレノイド82は、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口を遊技球が通過不可能な状態と通過可能な状態とに変化可能にする。主基板11からは、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号が伝送される。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
演出制御基板12は、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号(演出制御コマンド)の受信に基づいて、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ60および演出用LED61といった演出用の電気部品による演出動作を制御可能とする。演出制御基板12には、演出制御用CPU120やROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125などが搭載されている。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、ROM121から読み出した演出制御用のプログラムや固定データ等を用いて、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理を実行する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。
演出制御基板12には、コントローラセンサユニット35Aと、プッシュセンサ35Bとが接続されている。コントローラセンサユニット35Aは、傾倒方向センサと、トリガセンサとを含んでいる。傾倒方向センサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作が行われたときに、複数のセンサを用いて操作桿の傾倒方向を検出可能にする。トリガセンサは、スティックコントローラ31Aの操作桿に設けられたトリガボタンに対する押引操作の有無を検出可能にする。すなわち、コントローラセンサユニット35Aにより、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒動作やトリガボタンに対する押引動作といった、スティックコントローラ31Aを用いた遊技者の動作を検出することができる。プッシュセンサ35Bにより、プッシュボタン31Bに対する押下動作といった、プッシュボタン31Bを用いた遊技者の動作を検出することができる。演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出の実行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウント(生成)される。演出の実行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
演出制御基板12は、第1基板12Aと、該第1基板12Aに対し基板対基板接続される第2基板12Bとを有する。第1基板12Aには、演出制御用CPU120や表示制御部123のグラフィックスプロセッサなどが搭載され、第2基板12Bには、ROM121や画像データメモリといった機種に固有なデータなどが記憶された電気部品が搭載されている。表示制御部123のグラフィックスプロセッサは、演出制御用CPU120の機能を統合したマイクロプロセッサであってもよいし、演出制御用CPU120とは別個のチップとして構成されたマイクロプロセッサであってもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、演出制御基板12に搭載された表示制御部123を構成するグラフィックスコントローラなどが音声信号処理を実行可能であれば、音声制御基板13に帯域フィルタや増幅回路などを搭載すればよい。あるいは、音声制御基板13を省略して、演出制御基板12の基板上に帯域フィルタや増幅回路などを搭載してもよい。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、遊技効果ランプ9などにおける点灯や消灯を行うランプドライバ回路などが搭載されている。ドライバ基板19は、演出制御基板12とは別個に設けられた電気部品駆動用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づいて、演出用モータ60に含まれる各種モータの回動制御や演出用LED61に含まれる各種LEDの点灯制御などを行うためのドライバ回路などが搭載されている。ドライバ基板19からの出力信号は、演出用モータ60に含まれる各モータと、演出用LED61に含まれる各LEDとに向けて伝送される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における遊技機用枠3の右下部位置に設けられた打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、各種の入賞口を通過(進入)した場合に、賞球としての遊技球が払い出される。特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となった場合には、大入賞口が開放されて遊技球が通過(進入)しやすい状態となることで、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態となる。
有利状態は大当り遊技状態に限定されず、時短状態や確変状態といった特別遊技状態が含まれてもよい。その他、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
主基板11では、電源基板92からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理の実行が開始される。遊技制御メイン処理において、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。初期設定が終了すると、割込み許可とした後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的に遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
遊技制御用タイマ割込み処理は、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを含んでいる。スイッチ処理では、各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。メイン側エラー処理では、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、必要ならば警告を発生可能とする。情報出力処理では、ホール管理コンピュータに供給される所定のデータを出力する。遊技用乱数更新処理では、遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。特別図柄プロセス処理では、特別図柄の表示制御や大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理では、普通図柄の表示制御や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理が実行される。始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて選択した処理が実行される。このとき選択可能な処理は、特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理などを含んでいればよい。
始動入賞判定処理では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したか否かを判定し、発生した場合には特図保留記憶数を更新するための設定などが行われる。特別図柄通常処理では、特図ゲームの実行を開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かの判定が行われる。さらに、特別図柄通常処理では、可変表示結果に対応して、特図ゲームにおける確定特別図柄の設定などが行われる。変動パターン設定処理では、可変表示結果などに基づいて、変動パターンの決定などが行われる。特別図柄変動処理では、特別図柄を変動させるための設定や、変動開始からの経過時間を計測するための設定などが行われる。特別図柄停止処理では、特別図柄の変動を停止させ、可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定などが行われる。
大当り開放前処理では、可変表示結果が「大当り」に対応して、大当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定などが行われる。大当り開放中処理では、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すか否かの判定などが行われる。大当り開放後処理では、大入賞口を閉鎖状態に戻した後、ラウンドの実行回数が上限値に達したか否かを判定し、達していなければ次回のラウンドを実行可能とし、達していれば大当り遊技状態を終了させるための設定などが行われる。大当り終了処理では、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出の実行期間に対応した待ち時間が経過するまで待機した後、確変制御や時短制御を開始するための設定などが行われる。
演出制御基板12では、電源基板92からの電力供給が開始されると、演出制御用CPU120が演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、所定の初期化が行われた後、タイマ割込みが発生する毎に、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理が実行される。コマンド解析処理では、主基板11から伝送された演出制御コマンドを解析し、解析結果に応じたフラグがセットされる。演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品を所定の手順に従って制御するために、各種の処理が選択されて実行される。演出用乱数更新処理では、演出用乱数を生成するためのカウント値などをソフトウェアにより更新する。
演出制御プロセス処理では、まず、保留表示更新処理が実行される。保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて選択した処理が実行される。このとき選択可能な処理は、可変表示開始待ち処理、可変表示開始設定処理、可変表示中演出処理、可変表示停止処理、大当り表示処理、大当り中演出処理、エンディング演出処理などを含んでいればよい。
保留表示更新処理では、保留記憶表示エリア5Hの表示を、特図保留記憶数に応じて更新するための設定などが行われる。可変表示開始待ち処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始するか否かの判定などが行われる。可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可変表示を開始するための設定などが行われる。可変表示中演出処理では、飾り図柄の可変表示に対応して、演出用の電気部品を演出制御パターンに従って制御するための設定などが行われる。可変表示停止処理では、飾り図柄の可変表示を停止して可変表示結果となる確定飾り図柄を導出する制御などが行われる。
大当り表示処理では、可変表示結果が「大当り」に対応して、大当りの発生を報知する演出(ファンファーレ演出)を実行するための制御などが行われる。大当り中演出処理では、大当り遊技状態に対応して、演出用の電気部品を演出制御パターンに従って制御するための設定などが行われる。エンディング演出処理では、大当り遊技状態の終了に対応して、エンディング演出の実行を制御するための設定などが行われる。
図3は、パチンコ遊技機1が備える遊技機用枠3の背面図である。遊技機用枠3の背面上部には、球タンク150、ターミナル基板154が設けられている。また、補給通路151、払出装置152、賞球通路153も設けられている。遊技盤2の背面には、遊技制御基板用の基板ケース400、演出制御基板用の基板ケース800、カバー体301が設けられている。基板ケース400は、主基板11を収納する。基板ケース800は、演出制御基板12を収納する。カバー体301は、透明な合成樹脂などを用いて構成され、基板ケース800と基板ケース400の上部とを覆っている。遊技制御基板用の基板ケース400の下方位置には、払出制御基板91と、電源基板92とが、前後に重畳するように設けられている。
図4〜図7を参照して、演出制御基板用の基板ケース800の構造を説明する。図4は、基板ケース800を左後部の斜め上方から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、基板ケース800を右前部の斜め上方から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、ベース部材801を示す6面図である。図7は、カバー部材802を示す6面図である。基板ケース800は、ベース部材801と、カバー部材802とから構成され、演出制御基板12を前後から挟持するように組み付けられる。ベース部材801は演出制御基板12の前面側を覆い、カバー部材802は演出制御基板12の背面側を覆う。
ベース部材801は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板801aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁801b〜801eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。ベース板801aには、ボス803、804、係止バー805、係止フック806、係止孔807、被係止部808、ワンウェイネジ809のネジ穴810、取付孔811、基板支持用リブ812、813、段部814a、814b、リブ815が設けられている。
カバー部材802は、透明な熱可塑性合成樹脂からなり、縦長略長方形状に形成されるベース板821aと、上下及び左右側辺に背面側に向けて立設される側壁821b〜811eとから構成され、背面側に向けて開口する箱状に形成されている。ベース板821aには、ネジ822が螺入されるネジ穴823、位置決め凸部824、ネジ825が螺入されるネジ穴826、位置決め凸部827、係止フック831、係止片832、係止部833、ワンウェイネジ809の取付孔834aが形成された取付片834、音量調整用スイッチ835aを外部に臨ませるスイッチ用開口835、コネクタ用開口836、837が設けられている。
コネクタ用開口836は、ベース板821aの上部右側にて、第1基板12Aに搭載された各種基板側コネクタKCN10を外部に臨ませるために、縦長形状となるように形成されている。各種基板側コネクタKCN10は、レセプタクルKRE1〜KRE4を含んでいればよい。レセプタクルKRE1は、主基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE2は、電源基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE3は、ドライバ基板配線用のコネクタポートである。レセプタクルKRE4は、音声制御基板配線用のコネクタポートである。なお、レセプタクルの配置や接続される配線は、パチンコ遊技機1の仕様に応じて任意に変更されたものであってもよい。
主基板配線用のレセプタクルKRE1は、主基板11との間で電気的に接続される信号配線(主基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。電源基板配線用のレセプタクルKRE2は、電源基板92との間で電気的に接続される信号配線(電源基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。ドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3は、ドライバ基板19との間で電気的に接続される信号配線(ドライバ基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。音声制御基板配線用のレセプタクルKRE4は、音声制御基板13との間で電気的に接続される信号配線(音声制御基板配線)を着脱自在に接続可能な配線接続装置の構成を有している。
図8〜図10は、レセプタクルKRE1の構成例を示している。図8(A)は、左後部の斜め下方から見た状態を示す斜視図である。図8(B)は、左後部の斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図9は、カバー部材802の外部にてレセプタクルKRE1の付近を背面側(後部側)から見た状態を示す背面図である。図10は、レセプタクルKRE1の付近を下方側から見た状態を示す断面図である。レセプタクルKRE1は、差込口OP1が形成されたハウジングと、端子TA01〜TA03とを備えている。
差込口OP1は、主基板配線に設けられたコネクタプラグを差し込んで装着可能な開口部である。端子TA01〜TA03は、例えば銅などの金属を用いて構成され、差込口OP1に主基板配線のコネクタプラグが差し込まれたときに、コネクタプラグに設けられた複数の端子のうちで、対応する位置に配置された端子と接触して電気的に導通する金属部材である。レセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されている。主基板配線では、信号伝送線となる信号ラインの両側を挟む位置で、一対の接地電圧線となる接地ラインが設けられていてもよい。あるいは、主基板配線として同軸ケーブルを用いて、同軸ケーブルの内部導体が端子TA02と電気的に接続され、同軸ケーブルの外部導体が端子TA01、TA03と電気的に接続されるように構成してもよい。
レセプタクルKRE1は、端子配置面となる側面PL1にて、端子TA01〜TA03が外部に引き出され、演出制御基板12(第1基板12A)の基板上に設けられた接続パッドに接合させることができる。端子を接続パッドに接合させる方式は、はんだなどを用いた金属接合方式であってもよいし、導電性樹脂接合や異方性導電部材接合などの接着接合方式であってもよい。側面PL1の背面側となる側面PL2の側には、固定用金具SS01、SS02が設けられている。
基板ケース800のカバー部材802において、コネクタ用開口836のうちで、レセプタクルKRE1に対応して形成された開口領域836aは、他のレセプタクルに対応して形成された開口領域に比べて開口幅が狭くなるように形成されてもよい。レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800から露出する露出部と基板ケース800に被覆されて露出しない被覆部とを有するように形成されている。例えば、端子TA01〜TA03において、対応する接続パッドに接合する先端部は、基板ケース800のカバー部材802に被覆されて露出しない被覆部に含まれていればよい。
基板ケース800のカバー部材802には、部品収容部802aと、開口領域836aにおける内側端面となる内周壁面836bを形成する開口周縁部840とが、勾配部821e1を介して一体形成されていればよい。部品収容部802aは、演出制御基板12の基板上に実装された電気部品の少なくとも一部を収容可能に形成されている。開口領域836aにおいて、内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに遠い側の内周壁面836bとレセプタクルKRE1の側面PL2との間隔が開口幅W1であり、部品収容部802aに近い側の内周壁面836bとレセプタクルKRE1の端子配置面となる側面PL1との間隔が開口幅W2である。そして、開口幅W2は、開口幅W1よりも広くなるように、開口領域836aやレセプタクルKRE1の配置が調整されていればよい。レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03において、対応する接続パッドに接合されて表面実装された実装位置となる先端部は、開口領域836aにおける内周壁面836bを形成する開口周縁部840により被覆される。カバー部材802における開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とにより、レセプタクルKRE1の実装位置に近接して、空間としてのスペースSP1が形成されている。
端子TA01は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP1に接合される。端子TA03は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP2に接合される。また、端子TA01、TA03は、接続パッドGPA1に接合される。接続パッドGPA1は、演出制御基板12に設けられたスルーホールを介して、接地用の配線パターンが形成された配線層LY4に接続されていればよい。図10に示す演出制御基板12の基板断面は、絶縁層LY1と絶縁層LY3との間に配線層LY2が形成され、レセプタクルKRE1が表面実装される側には、例えばポリイミドなどを用いて、保護層LY0が形成されていればよい。このように、演出制御基板12における配線パターンは、演出制御基板12の基板内にて内層部となる絶縁層LY1と絶縁層LY3との間に設けられた配線層LY2に形成されてもよい。あるいは、演出制御基板12における配線パターンは、演出制御基板12の基板上にて表面形成されてもよい。端子TA02は、信号伝送用の配線パターンと電気的に接続された接続パッドに接合される。
レセプタクルKRE1が備える固定用金具SS01は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3に接合される。レセプタクルKRE1が備える固定用金具SS02は、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP4に接合される。このように、端子TA01〜TA03が配置される側面PL1の背面側となる側面PL2の側にて、固定用金具SS01、SS02が、演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3、DP4に接合されるようにすればよい。
主基板11から演出制御基板12に対しては、演出制御コマンドが送信されるところ、そのコマンドを伝送するための主基板配線では、信号伝送線となる信号ラインが1本のみとなる場合がある。これに対応して、演出制御基板12の基板上に表面実装されるレセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02のみを設ける場合も考えられる。この場合には、レセプタクルKRE1の高さに応じた演出制御基板12の基板表面からの突出量に対して、レセプタクルKRE1の横幅や奥行きに応じた演出制御基板12の基板上における接合面の面積が減少しやすくなるので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できなくなるおそれがある。そこで、レセプタクルKRE1では、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されるようにする。これにより、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。また、信号端子となる端子TA02の両側が一対の接地端子となる端子TA01、TA03で挟まれているので、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1において、端子TA01は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP1に接合され、端子TA03は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP2に接合される。また、端子TA01〜TA03の先端部は、基板ケース800のカバー部材802に被覆されるように配置する。このように、端子TA01、TA03がダミーパッドDP1、DP2に接合されているので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。端子TA01〜TA03の先端部が基板ケース800のカバー部材802に被覆されるので、端子と基板面との接合部分といった、表面実装における重要な部位を保護できる適切な基板構成が可能になる。なお、信号端子となる端子TA02については、ダミーパッドに接合されてもよいし、ダミーパッドには接合されないようにしてもよい。信号端子となる端子TA02をダミーパッドには接合されないようにすることで、導体形状の影響による信号劣化を防止してもよい。
レセプタクルKRE1において、端子TA01〜TA03が配置される側面PL1の背面側となる側面PL2の側にて、固定用金具SS01は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP3に接合され、固定用金具SS02は演出制御基板12の基板上に設けられたダミーパッドDP4に接合される。このように、固定用金具SS01、SS02がダミーパッドDP3、DP4に接合されているので、レセプタクルKRE1の表面実装による接合強度を十分に確保できる適切な基板構成が可能になる。なお、固定用金具SS01、SS02などの金属部材を基板上に接合する方法によらず、例えばレセプタクルKRE1のハウジングと同様の合成樹脂などを用いた固定部材を基板上に接着させるといった、任意の固定部材を基板上に接合できるものであればよい。
基板ケース800のカバー部材802における部品収容部802aは、演出制御基板12の基板上に実装された電気部品の少なくとも一部を収容可能に形成され、開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに近い側の開口幅W2が遠い側の開口幅W1よりも広く形成されている。部品収容部802aに近い側は、レセプタクルKRE1において端子TA01〜TA03が外部に引き出される端子配置面となる側面PL1の側となる。これに対し、部品収容部802aに遠い側は、レセプタクルKRE1において端子配置面の背面側となる側面PL2の側となる。したがって、開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、端子配置面となる側面PL1に対応する側の開口幅W2が端子配置面の背面となる側面PL2に対応する側の開口幅W1よりも広く形成されている。このように開口幅が調整されているので、例えばカバー部材802を容易に取り付けたり取り外したり位置合わせができる適切な基板構成が可能になる。また、カバー部材802の取付け時や取外し時にレセプタクルKRE1の端子配置面とカバー部材802とが衝突することによる破損を抑制できる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800のカバー部材802により被覆されず露出する露出部と基板ケース800のカバー部材802により被覆されて露出しない被覆部とが形成される。このように、各端子TA01〜TA03には、露出部とは異なり、被覆されて露出しない被覆部が形成されるので、端子と基板面との接合部分といった、表面実装における重要な部位を保護できる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03において、演出制御基板12の基板上で対応する接続パッドに接合するように表面実装された実装位置は、開口領域836aにおける内周壁面836bを形成するカバー部材802の開口周縁部840により被覆される。そして、カバー部材802の開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とにより、レセプタクルKRE1の実装位置に近接するスペースSP1が形成される。このように、カバー部材802の開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とが位置調整可能に配置されるので、レセプタクルKRE1の実装位置を保護できる適切な基板構成が可能になる。
図11(A)は、主基板配線に対応する伝送経路を示している。図11(A)に示すように、主基板配線用のレセプタクルKRE1にて、端子TA02に供給された信号SCDは、入力ドライバ回路130を介して、演出制御用CPU120に入力される。レセプタクルKRE1の端子TA01、TA03は、接地(グランドラインに接続)されている。
図11(B)は、電源基板配線に対応する伝送経路を示している。電源基板配線用のレセプタクルKRE2は、端子TA11〜TA30を備えている。このうち、レセプタクルKRE2において外側に対応する端子TA11、TA12と端子TA29、TA30とは、いずれも接地(グランドラインに接続)されている。また、端子TA11、TA12、TA29、TA30の他にも、端子TA25、TA26は、接地(グランドラインに接続)されている。レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14には、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20には、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24には、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される。レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28には、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。
電源基板配線用のレセプタクルKRE2に接続された電源基板配線を経由して電源基板92から演出制御基板12に供給された直流34Vの電源電圧VSL2は、そのまま電源電圧VSLとして演出制御基板12から出力され、ドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3に接続されたドライバ基板配線を経由して、ドライバ基板19に供給される。例えば、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、電源電圧VSL2の供給を受ける端子TA13、TA14は、電源ラインLSLに接続され、電源ラインLSLがドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3における所定端子に接続されている。図4に示すように、電源基板配線用のレセプタクルKRE2はドライバ基板配線用のレセプタクルKRE3と隣接して設けられ、電源ラインLSLは演出制御基板12における主要な電気回路や電気部品に接近しない演出制御基板12の端部を通過するように配置されていればよい。
図12は、電源電圧VSLの伝送経路を示している。電源基板92では、変圧回路501、直流電圧生成回路502などを用いて、外部電源である商用電源から直流34Vの電源電圧VSL2が生成される。例えば変圧回路501では、交流24Vの電源電圧が生成される。直流電圧生成回路502は、整流回路や平滑回路を含み、交流24Vの電源電圧を整流、平滑して直流34Vの電源電圧VSL2を生成する。直流34Vの電源電圧VSL2は、フィードバック制御などによる電圧制御が行われていないので、交流24Vの電源電圧の変動により、直流34Vの電源電圧VSL2も変動する。このように、レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14に供給される直流34Vの電源電圧VSL2は、電圧制御が行われていない変動幅(リップル成分)が大きい直流電圧である。これに対し、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20に供給される直流12Vの電源電圧VDD2、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24に供給される直流5Vの電源電圧VCC2、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28に供給される直流12Vの電源電圧VDD3は、いずれも電源基板92において、フィードバック制御による電圧制御が行われ、直流34Vの電源電圧VSLと比較して、変動幅(リップル成分)が少ない直流電圧であればよい。
演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLに対応する電源ラインLSLにはフィルタ回路などの電圧を安定化する安定化回路が介在しない。その一方で、ドライバ基板19では、直流34Vの電源電圧VSLをフィルタ回路511に入力して、電圧を安定化する。また、演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLとは異なる電源電圧に対応する電源ラインにはフィルタ回路などにより電圧を安定化する安定化回路が介在する。
例えば電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される端子TA15〜TA20は、フィルタ回路131aに接続され、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される端子TA21〜TA24は、フィルタ回路131bに接続され、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される端子TA27、TA28は、フィルタ回路131cに接続されている。フィルタ回路131aの出力部は直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSに接続され、フィルタ回路131bの出力部は直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCに接続され、フィルタ回路131cの出力部は直流12Vの電源電圧VDCを供給する電源ラインLDCに接続されている。こうして、フィルタ回路131aはレセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20と直流12Vの電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSとの間に介在し、フィルタ回路131bはレセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24と直流5Vの電源電圧VCCに対応する電源ラインLCCとの間に介在し、フィルタ回路131cはレセプタクルKRE2の端子TA27、TA28と直流12Vの電源電圧VDCに対応する電源ラインLDCとの間に介在する。
電源ラインLSLは、直流34Vの電源電圧VSLを供給するために設けられている。電源ラインLDSは、直流12Vの電源電圧VDSを供給するために設けられている。電源ラインLCCは、直流5Vの電源電圧VCCを供給するために設けられている。電源ラインLDCは、直流12Vの電源電圧VDCを供給するために設けられている。したがって、フィルタ回路が介在しない電源ラインLSLは、フィルタ回路が介在する電源ラインLDS、LCC、LDCのいずれと比較しても、高い電源電圧を供給するために設けられている。
レセプタクルKRE2では、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される6つの端子TA15〜TA20、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される4つの端子TA21〜TA24、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される2つの端子TA27、TA28が設けられる一方で、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される2つの端子TA13、TA14が設けられる。そのため、レセプタクルKRE2では、電源電圧が供給される端子のうちで、フィルタ回路に接続された端子TA15〜TA20、TA21〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されていない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなる。なお、それぞれの電源電圧に対応した端子数は、電源容量や負荷電流に応じて設定したものであればよい。
レセプタクルKRE2では、端子TA15〜TA20に直流12Vの電源電圧VDD2が供給され、端子TA21〜TA24に直流5Vの電源電圧VCC2が供給され、端子TA27、TA28に直流12Vの電源電圧VDD3が供給される一方で、端子TA13、TA14に直流34Vの電源電圧VSL2が供給される。そして、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20と直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSとの間にはフィルタ回路131aが介在し、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24と直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCとの間にはフィルタ回路131bが介在し、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28と直流12Vの電源電圧VDCを供給する電源ラインLDCとの間にはフィルタ回路131cが介在する。これに対し、レセプタクルKRE2の端子TA13、TA14と直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLとの間にはフィルタ回路が介在しない。このように、フィルタ回路が介在する電源ラインLDS、LCC、LDCは、直流12Vあるいは直流5Vといった複数種類の電源電圧を供給可能であり、フィルタ回路が介在しない電源ラインLSLは、直流34Vという一種類の電源電圧を供給可能である。レセプタクルKRE2では、端子TA13、TA14が端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されている。あるいは、レセプタクルKRE2では、端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちで、例えば端子TA15〜TA24のように、端子TA13、TA14よりも内側に配置された端子が含まれている。
レセプタクルKRE2では、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30との間に、端子TA13〜TA24、TA27、TA28が配置される。端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、いずれも電源電圧が供給される端子であり、各種の電源電圧に接続される電源電圧端子となる。これに対し、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30とは、いずれも電源電圧が供給されない端子であり、接地電圧に接続される接地端子となる。したがって、レセプタクルKRE2では、接地端子となる端子TA11、TA12と端子TA29、TA30との間に、電源電圧端子となる端子TA13〜TA24、TA27、TA28が配置される。
レセプタクルKRE2では、端子TA11、TA12と、端子TA25、TA26との間に、端子TA13、TA14と、端子TA15〜TA24とが配置され、端子TA25、TA26と、端子TA29、TA30との間に、端子TA27、TA28が配置される。端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2が供給される端子であり、電源電圧VSL2に接続される電源電圧端子である。端子TA15〜TA20は、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される端子であり、電源電圧VDD2に接続される電源電圧端子である。端子TA21〜TA24は、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される端子であり、電源電圧VCC2に接続される電源電圧端子である。端子TA27、TA28は、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される端子であり、電源電圧VDD3に接続される電源電圧端子である。そのため、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される電源電圧端子としての端子TA13、TA14と、直流34Vの電源電圧VSL2以外の電源電圧に接続される電源電圧端子としての端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちの一部である端子TA15〜TA24とが、接地端子となる端子TA11、TA12と端子TA25、TA26との間に配置される。また、直流34Vの電源電圧VSL2以外の電源電圧に接続される電源電圧端子としての端子TA15〜TA24、TA27、TA28のうちで、他の一部である端子TA27、TA28が、接地端子となる端子TA25、TA26と端子TA29、TA30との間に配置される。
端子TA27、TA28に供給される直流12Vの電源電圧VDD3は、降圧コンバータ回路132により直流1.05Vの電源電圧を生成するために用いられる。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。したがって、レセプタクルKRE2では、電源電圧に接続される端子TA13〜TA24、TA27、TA28のうちで、変動幅(リップル成分)が比較的に大きい直流34Vの電源電圧VSL2に接続される端子TA13、TA14は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった特定のマイクロプロセッサに供給する電源電圧の生成に用いられる直流12Vの電源電圧VDD3に接続されるTA27、TA28から最も離れて配置される。
演出制御基板12では、直流34Vの電源電圧VSL2を安定化してから電源電圧VSLとして出力する場合も考えられる。しかしながら、演出制御基板12では直接的な用途のない直流34Vの電源電圧VSL2を安定化する回路素子の設置は、部品点数や基板容積の増大を招き、電力損失や製造コストも増加する。また、特別な回路素子の設置により、演出制御基板12のリユースや共通化が困難になるおそれもある。そこで、電圧制御が行われていない直流34Vの電源電圧VSL2は、そのまま電源電圧VSLとして演出制御基板12から出力され、ドライバ基板19にてフィルタ回路511に入力して電圧を安定化する。これにより、部品点数や基板容積の増大、電力損失や製造コストの増加を防止する適切な基板構成が可能になる。また、演出制御基板12のリユースや共通化が容易に行われる適切な基板構成が可能になる。また、電源ラインLSLは、演出制御基板12における主要な電気回路や電気部品から離れて配置されることにより、変動幅(リップル成分)が大きい直流電圧によるノイズの悪影響を防止する適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12において、直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLは、直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDS、直流5Vの電源電圧VCCを供給する電源ラインLCC、直流12Vの電源電圧VDSを供給する電源ラインLDSのいずれと比較しても、高い電源電圧となる直流34Vを供給する。一般的に、高い電源電圧を安定化する安定化回路は、低い電源電圧を安定化する安定化回路よりも、回路素子の容積や電力損失が大きなものになりやすく、回路素子の値段が高価なものになりやすい。そこで、高い電源電圧となる直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLにはフィルタ回路が介在しないことにより、基板容積の増大、電力損失や製造コストの増加を防止する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、2つの端子TA13、TA14には直流34Vの電源電圧VSLが供給される。これに対し、レセプタクルKRE2において、6つの端子TA15〜TA20には直流12Vの電源電圧VDD2が供給され、4つの端子TA21〜TA24には直流5Vの電源電圧VCC2が供給され、2つの端子TA27、TA28には直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。したがって、演出制御基板12では、レセプタクルKRE2にて電源電圧が供給される端子のうちで、フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなる。このように端子数が設定されているので、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途や電源容量などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、電源電圧が供給される端子のうちで、演出制御基板12にてフィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28は、直流12Vの電源電圧VDD2を供給可能な端子TA15〜TA20と、直流5Vの電源電圧VCC2を供給可能な端子TA21〜TA24と、直流12Vの電源電圧VDD3を供給可能な端子TA27、TA28とを、含んでいる。これに対し、レセプタクルKRE2において、電源電圧が供給される端子のうちで、演出制御基板12ではフィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2を供給可能であり、他の種類の電源電圧は供給しない。そのため、フィルタ回路が介在する電源ラインであるか、フィルタ回路が介在しない電源ラインであるかに応じて、供給可能な電源電圧の種類数が異なっている。より具体的には、フィルタ回路が介在する電源ラインは、直流12Vの電源電圧VDD2、直流5Vの電源電圧VCC2、直流12Vの電源電圧VDD2といった、複数種類の電源電圧を供給可能であり、フィルタ回路が介在しない電源ラインは、直流34Vの電源電圧VSLという一種類の電源電圧を供給可能である。このように、電源ラインに対応して供給可能な電源電圧の種類数が異なるので、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。
また、フィルタ回路が介在しない電源ラインに接続された端子TA13、TA14は、フィルタ回路が介在する電源ラインに接続された端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されている。このような端子の配置により、例えば演出制御基板12にて電圧を安定化する対象となる電源電圧の用途などに応じて、配線設計の自由度を向上させる適切な基板構成が可能になる。加えて、端子TA13、TA14に供給された直流34Vの電源電圧VSL2を、そのまま電源電圧VSLとしてドライバ基板19に対して出力するための配線長を短縮する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、各種の電源電圧に接続される電源電圧端子となる。これに対し、レセプタクルKRE2において、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30とは、いずれも接地電圧に接続される接地端子となる。そして、端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、端子TA11、TA12と、端子TA29、TA30との間に配置されている。このような端子の配置により、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。また、電源電圧を遮蔽して、ノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、端子TA15〜TA24、TA27、TA28は、直流34Vの電源電圧VSL2とは異なる電源電圧に接続される第1電源電圧端子となる。その一方で、レセプタクルKRE2において、端子TA13、TA14は、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される第2電源電圧端子となる。また、レセプタクルKRE2において、端子TA11、TA12は接地電圧に接続される第1接地端子となり、端子TA25、TA26は接地電圧に接続される第2接地端子となり、端子TA29、TA30は接地電圧に接続される第3接地端子となる。そして、レセプタクルKRE2では、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14と、第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24とが、第1接地端子に含まれる端子TA11、TA12と、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26との間に配置され、第1電源電圧端子に含まれる端子TA27、TA28が、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26と、第3接地端子に含まれる端子TA29、TA30との間に配置される。このような端子の配置により、ノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。特に、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26を、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14および第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24と、第1電源電圧端子に含まれるTA27、TA28との間に配置させることで、さらにノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。また、電源電圧を効率よく遮蔽して、さらにノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。加えて、直流34Vの電源電圧VSL2に接続される端子TA13、TA14は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった特定のマイクロプロセッサに供給する電源電圧の生成に用いられる直流12Vの電源電圧VDD3に接続されるTA27、TA28から離れて配置されるので、特定のマイクロプロセッサがノイズの影響を受けにくい適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20にて供給された電源電圧VDD2から、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐される。このような分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐された後に、フィルタ回路131aにより電源電圧VDSを安定化する。電源電圧VDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる直流12Vの電源電圧である。電源電圧VDSは、増幅回路521に供給され、音声信号を出力するために用いられる直流12Vの電源電圧である。このように、フィルタ回路131aは、1の電源電圧VDD2を、電源電圧VDLと電源電圧VDSとに分岐した後に、電源電圧VDSを安定化する。演出制御基板12には、増幅回路521が設けられ、スピーカ8L、8Rに供給される音声信号を出力可能としてもよい。
図13(A)は、電源電圧VDSを供給するための配線における配線長の関係を示している。演出制御基板12において、電源電圧VDSを増幅回路521に供給するための電源ラインLDSは、分岐点DB1からフィルタ回路131aの入力部までの配線長LL1を有する配線と、フィルタ回路131aの出力部から増幅回路521の入力部までの配線長LL2を有する配線とを、含んでいればよい。そして、配線長LL2は、配線長LL1よりも短くなるように、演出制御基板12における配線や回路の配置が調整されていればよい。このように、フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2は、電源電圧VDSを分岐点DB1にて分岐させてからフィルタ回路131aまでの配線長LL1よりも短くなる。なお、増幅回路521やフィルタ回路131aは、演出制御基板12に設置されるものに限定されず、音声制御基板13に設置されてもよい。
図13(B)は、増幅回路521やフィルタ回路131aを音声制御基板13に設置した場合における電源電圧VDSの伝送経路を示している。電源基板92では、変圧回路501、直流電圧生成回路502などを用いて、外部電源である商用電源から直流12Vの電源電圧VDD2が生成される。直流12Vの電源電圧VDD2は、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、端子TA15〜TA20に供給される。演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA15〜TA20にて供給された電源電圧VDD2から、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐された後、そのまま電源電圧VDSとして演出制御基板12から出力され、音声基板配線用のレセプタクルKRE4に接続された音声制御基板配線を経由して、音声制御基板13に供給されてもよい。例えば、電源基板配線用のレセプタクルKRE2において、電源電圧VDD2の供給を受ける端子TA15〜TA20は、電源ラインLDSに接続され、電源ラインLDSが音声制御基板配線用のレセプタクルKRE4における所定端子に接続されていればよい。演出制御基板12において、直流12Vの電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSにはフィルタ回路などの電圧を安定化する安定化回路が介在しなくてもよい。その一方で、音声制御基板13では、直流12Vの電源電圧VDSをフィルタ回路131aに入力して、電圧を安定化する。こうして安定化された電源電圧VDSを増幅回路521に供給すればよい。
音声制御基板13には、音声制御用IC522、音声データROM523などが設けられてもよい。音声制御用IC522は、演出制御基板12の演出制御用CPU120などから出力された指令(音番号データなど)に応じて、音声や効果音を生成するための信号処理を実行する。音声データROM523は、音番号データに応じた制御データを記憶している。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の可変表示期間)における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。なお、音声制御基板13に設けられる各種の構成を、演出制御基板12に設けられるように構成し、音声制御基板13を備えないものであってもよい。
音声制御用IC522などにより生成された音声信号を増幅して、スピーカ8L、8Rなどに出力可能な増幅回路521は、電源電圧に変動が生じると、出力される音声信号に歪みが生じるといった、音質に悪影響が及ぶおそれがある。そこで、直流12Vの電源電圧VDSは、フィルタ回路131aにより安定化した後に、増幅回路521に供給される。演出制御基板12において、1の電源電圧VDD2を、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLと、増幅回路521に供給するための電源電圧VDSとに分岐した後に、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給する。このように、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給することで、増幅回路521を安定して動作させる適切な基板構成が可能になる。
増幅回路521に供給するための電源電圧VDSに対応する電源ラインLDSにおいて、フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2は、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐されてからフィルタ回路131aに入力するまでの配線長LL1よりも短くなる。このように、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給するまでの配線長を短くすることで、ノイズの影響を受けにくく、増幅回路521を安定して動作させる適切な基板構成が可能になる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA21〜TA24にて供給された電源電圧VCC2から、電源電圧VCLが分岐される。電源電圧VCLが分岐された後に、フィルタ回路131bにより電源電圧VCCを安定化する。電源電圧VCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる直流5Vの電源電圧である。電源電圧VCCは、例えば演出制御用CPU120といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる直流5Vの直流電源である。このように、フィルタ回路131bは、1の電源電圧VCC2を、電源電圧VCLと電源電圧VDDとに分岐した後の電源電圧VDDを安定化する。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28にて供給された電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、電源電圧VDCを供給可能に分岐させる。電源電圧VDCは、電源断の発生を監視するために用いられる直流12Vの電源電圧である。また、電源電圧VDD3は、フィルタ回路131cにより安定化した後に、降圧コンバータ回路132に入力される。降圧コンバータ回路132は、1入力2出力の直流電圧を変換する回路である。図11に示す降圧コンバータ回路132は、直流12Vの電源電圧VDD3をフィルタ回路131cにより安定化した電圧が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とに変換して出力する。降圧コンバータ回路132の出力部は、直流1.05Vの電源電圧を供給する電源ラインL10と、直流3.3Vの電源電圧を供給する電源ラインL33とに接続されている。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123に含まれるグラフィックスプロセッサといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、レギュレータ回路133にも入力される。レギュレータ回路133は、例えばLDO(Low Drop-Out)レギュレータなどのシリーズレギュレータといったリニア方式の安定化電源回路であればよく、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧に変換して出力する。レギュレータ回路133の出力部は、直流1.5Vの電源電圧を供給する電源ラインL15に接続されている。直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。
図14は、フィルタ回路131a〜131cの構成例を示している。図14(A)は、電源電圧VDSに対応するフィルタ回路131aの構成例を示している。図14(B)は、電源電圧VCCに対応するフィルタ回路131bの構成例を示している。図14(C)は、電源電圧VDCに対応するフィルタ回路131cの構成例を示している。
図14(A)に示すフィルタ回路131aは、三端子コンデンサ85a、バイパスコンデンサC10、C11、電解コンデンサC1を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC10、C11は、電解コンデンサC1と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品であり、デカップリングコンデンサともいう。電解コンデンサC1は、バイパスコンデンサC10、C11と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85aの入力端子(IN)は、フィルタ回路131aの入力部となり、直流12Vの電源電圧VDD2が供給される。三端子コンデンサ85aの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131aの出力部となり、電圧が安定化された直流12Vの電源電圧VDSを供給する。三端子コンデンサ85aの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85aの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC10、47μFのバイパスコンデンサC11、1000μFの電解コンデンサC1が、接続されている。
図14(B)に示すフィルタ回路131bは、三端子コンデンサ85b、バイパスコンデンサC12、C13、電解コンデンサC2を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC12、C13は、電解コンデンサC2と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。電解コンデンサC2は、バイパスコンデンサC12、C13と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85bの入力端子(IN)は、フィルタ回路131bの入力部となり、直流5Vの電源電圧VCC2が供給される。三端子コンデンサ85bの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131bの出力部となり、電圧が安定化された直流5Vの電源電圧VCCを供給する。三端子コンデンサ85bの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85bの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC12、47μFのバイパスコンデンサC13、1000μFの電解コンデンサC2が、接続されている。
図14(C)に示すフィルタ回路131cは、三端子コンデンサ85c、バイパスコンデンサC14、電解コンデンサC3を用いて構成されていればよい。バイパスコンデンサC14は、電解コンデンサC3と比較して、高周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。電解コンデンサC3は、バイパスコンデンサC14と比較して、低周波のノイズを防止するノイズ対策用の電気部品である。三端子コンデンサ85cの入力端子(IN)は、フィルタ回路131cの入力部となり、直流12Vの電源電圧VDD3が供給される。三端子コンデンサ85cの出力端子(OUT)は、フィルタ回路131cの出力部となり、電圧が安定化された直流12Vの電源電圧VDCを供給する。三端子コンデンサ85cの接地端子(GND)は、接地(グランドラインに接続)されている。三端子コンデンサ85cの出力端子と接地端子との間には、0.1μFのバイパスコンデンサC14、1000μFの電解コンデンサC3が、接続されている。
フィルタ回路131a〜131cは、各電源経路の電圧を安定化する安定化回路として機能する。例えばフィルタ回路131aは、電源ラインLDSにより供給される直流12Vの電源電圧VDSを安定化する。フィルタ回路131bは、電源ラインLCCにより供給される直流5Vの電源電圧VCCを安定化する。フィルタ回路131cは、電源ラインLDCにより供給される直流12Vの電源電圧を安定化する。演出制御基板12には、フィルタ回路131a〜131cの他にも、各種電源電圧におけるノイズの発生を防止するノイズ防止回路が設けられてもよい。
図15は、演出制御基板12に設けられるノイズ防止回路の構成例を示している。図15(A)は、電源電圧VDLというLED用DC12V(直流12V)に対応するノイズ防止回路135aの構成例を示している。図15(B)は、電源電圧VCLというLED/モータ用DC5V(直流5V)に対応するノイズ防止回路135bの構成例を示している。図15(C)は、電源電圧VCCというIC用DC5V(直流5V)や直流3.3Vの電源電圧というIC用DC3.3V(直流3.3V)に対応するノイズ防止回路135cの構成例を示している。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aは、直列接続されたコンデンサC20および抵抗R20と、直列接続されたコンデンサC21および抵抗R21と、直列接続されたコンデンサC22および抵抗R22とを用いて構成されていればよい。これらの構成は、いずれも電源電圧VDLを供給する電源ラインLDLと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC20、C21、C22は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。抵抗R20、R21、R22は、いずれも22Ωの抵抗値を有するものであればよい。
図15(B)に示すノイズ防止回路135bは、直列接続されたコンデンサC23および抵抗R23と、直列接続されたコンデンサC24および抵抗R24とを用いて構成されていればよい。これらの構成は、いずれも電源電圧VCLを供給する電源ラインLCLと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC23、C24は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。抵抗R23、R24は、いずれも22Ωの抵抗値を有するものであればよい。
図15(C)に示すノイズ防止回路135cは、コンデンサC25〜C28を用いて構成されていればよい。コンデンサC25は、電源電圧VCCを供給する電源ラインLCCと接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC26、C27、C28は、いずれも直流3.3Vの電源電圧を供給する電源ラインL33と接地電圧を提供する接地端子(グランドライン)とに接続されていればよい。コンデンサC25〜C28は、いずれも0.1μFのバイパスコンデンサであればよい。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aでは、コンデンサC20、C21、C22に加え、抵抗R20、R21、R22が用いられている。図15(B)に示すノイズ防止回路135bでは、コンデンサC23、C24に加え、抵抗R23、R24が用いられている。その一方で、図15(C)に示すノイズ防止回路135cでは、コンデンサC25〜C28が用いられ、抵抗は用いられていない。このように、ノイズ防止回路135a、135bでは、ノイズ防止回路135cとは異なる回路素子として、抵抗R20、R21、R22や、抵抗R23、R24が、用いられている。
図15(A)に示すノイズ防止回路135aにより安定化される電源電圧VDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる。電源ラインLDLは、例えば演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLを供給する。図15(B)に示すノイズ防止回路135bにより安定化される電源電圧VCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するために用いられる。電源ラインLCLは、例えば演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDといった、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VCLを供給する。図15(C)に示すノイズ防止回路135cにより安定化される電源電圧VCCと直流3.3Vの電源電圧は、例えば演出制御用CPU120やROM121あるいは表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するために用いられる。電源ラインLCCは、例えば演出制御用CPU120といった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するための電源電圧VCCを供給する。電源ラインL33は、例えばROM121あるいは表示制御部123の画像データメモリといった、特定の制御回路を含む電気回路を駆動するための直流3.3Vの電源電圧を供給する。このように、モータやLEDなど特定の電気部品を駆動するための電源電圧に対応するノイズ防止回路135a、135bでは、CPUやROMなど特定の電気回路を駆動するための電源電圧に対応するノイズ防止回路135cとは異なる回路素子として、抵抗R20、R21、R22や、抵抗R23、R24が、用いられている。
演出用モータ60に含まれる特定のモータや演出用LED61に含まれる特定のLEDのような電流駆動型の回路素子を用いた負荷回路では、負荷回路の過渡現象により過大な突入電流が発生して、電気部品が破損してしまうおそれがある。そこで、ノイズ防止回路135aでは、コンデンサC20に抵抗R20を直列接続し、コンデンサC21に抵抗R21を直列接続し、コンデンサC22に抵抗R22を直列接続する。また、ノイズ防止回路135bでは、コンデンサC23に抵抗R23を直列接続し、コンデンサC24に抵抗R24を直列接続する。なお、電源電圧VDLが安定しているときには、コンデンサC20、C21、C22が充電状態となり、抵抗R20、R21、R22は非導通状態となるので、電力損失の発生を防止できる。電源電圧VCLが安定しているときには、コンデンサC23、C24が充電状態となり、抵抗R23、R24は非導通状態となるので、電力損失の発生を防止できる。その一方で、演出制御用CPU120やROM121あるいは表示制御部123の画像データメモリなどの半導体集積回路では、例えばCMOS回路といった、電圧駆動型の回路素子が用いられ、入力インピーダンスが比較的に大きくなる。そのため、回路の過渡現象による突入電流は発生しにくい。そのため、ノイズ防止回路135cでは、コンデンサC25〜C28を用いる一方で、抵抗を用いる必要はない。こうして、電源電圧を供給する対象となる回路や電気部品の特性に応じて異なる回路素子を用いたノイズ防止回路を構成することにより、基板容積の増大や製造コストの増加を防止しつつ、ノイズの発生を防止する適切な基板構成が可能になる。
図16は、電源電圧VDCを用いる電源監視回路140を示している。演出制御基板12では、電源電圧VDCが電源断の発生を監視するために用いられる。電源監視回路140は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力可能な電源監視手段を実現する回路である。例えば電源監視回路140は、電源電圧VDCが所定値(例えば10V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、電源電圧VDCが所定値以下になった期間が、予め定められた待機時間以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。電源監視回路140から出力された電源断信号は、演出制御用CPU120へと伝送される。
電源断信号を出力するための監視対象となる電源電圧VDCは、直流1.05Vの電源電圧や直流3.3Vの電源電圧、直流1.5Vの電源電圧を生成するために用いられる。直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123に含まれるグラフィックスプロセッサといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123に含まれる画像データメモリといった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、所定の電気回路を駆動するために用いられる。こうした電気回路に供給される電源電圧の生成に用いられる電源電圧VDCを監視対象とすることにより、電気回路の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことができるので、各種電気回路における誤動作を防止できる。
演出制御基板12では、レセプタクルKRE2の端子TA27、TA28にて供給された電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、降圧コンバータ回路132に入力する。降圧コンバータ回路132は、入力電圧を用いて、直流1.05Vの電源電圧と、直流1.05Vよりも高い直流3.3Vの電源電圧とを生成する。直流3.3Vの電源電圧は、レギュレータ回路133に入力される。レギュレータ回路133は、入力電圧を用いて、直流1.5Vの電源電圧を生成する。直流1.5Vの電源電圧は、直流1.05Vよりも高いが直流3.3Vよりも低い電源電圧となる。このように、降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて、直流1.05Vの電源電圧と、直流1.05Vよりも高い直流1.5Vの電源電圧と、直流1.5Vよりも高い直流3.3Vの電源電圧とを生成することができ、降圧コンバータ回路132は、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力する一方で、レギュレータ回路133は、直流1.5Vの電源電圧を出力する。
電源電圧VDD3を、フィルタ回路131cにより安定化した後に、分岐させた直流12Vの電源電圧VDCは、電源断の発生を監視する電源監視回路140に供給される。したがって、降圧コンバータ回路132の入力電圧は、直流12Vの電源電圧VDCと共通であり、降圧コンバータ回路132の入力電圧が電源監視回路140の監視対象になる。なお、電源電圧VDCを分岐させた後において、降圧コンバータ回路132の入力側に、所定容量(例えば47μF)のバイパスコンデンサが接続されてもよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、電圧値が最も小さい低電圧となる直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。なお、直流1.05Vの電源電圧は、表示制御部123のグラフィックスプロセッサに供給されるものに限定されず、例えば演出制御用CPU120その他に任意のマイクロプロセッサに供給されてもよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、電圧値が最も大きく高電圧となる直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121や表示制御部123の画像データメモリなどに供給される。ROM121は、直流1.5Vの電源電圧により駆動する電気部品よりも先に起動可能であればよい。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133を用いて生成される電源電圧のうち、直流1.05Vよりも高く直流3.3Vよりは低い直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122に供給される。RAM122は、例えばDDR(Double Data Rate)方式で記憶や読出が可能な一時記憶メモリであり、SIMM(Single In-line Memory Module)やDIMM(Dual In-line Memory Module)といった、メモリモジュールとして機能する基板を構成する。このようなRAM122を構成する基板は、演出制御基板12に着脱自在に接続可能な別基板として構成されてもよい。この場合、直流1.5Vの電源電圧は、演出制御基板12とは異なる基板に供給されることになる。
降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133に代えて、1入力3出力の降圧コンバータ回路を用いた場合には、特別な専用回路が必要になり、製造コストが増加するおそれがある。また、単一の回路における発熱量が増大して、電気回路が破損してしまうおそれがある。そこで、降圧コンバータ回路132では、フィルタ回路131cにより安定化した電源電圧VDD3(電源電圧VDCでも同様)が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力する。レギュレータ回路133では、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧を出力する。これにより、製造コストの増加を防止するとともに、電気回路での発熱を分散する適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132に供給される電圧と同一または略同一の電源電圧VDCは、電源監視回路140に供給され、電源断の発生が監視される。こうして、降圧コンバータ回路132およびレギュレータ回路133による各種電源電圧の生成に用いられる電源電圧VDCを、電源監視回路140の監視対象とするので、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、パチンコ遊技機1における演出を実行するために重要な電気回路の動作状態が不安定となる以前に、電源断の発生を検出する適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給される。降圧コンバータ回路132から直流1.05Vの電源電圧を出力させることで、電源断が発生した場合に、レギュレータ回路133から出力させた構成よりも長時間が経過するまで直流1.05Vの電源電圧を維持することができる。これにより、電源断が発生した場合に、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、パチンコ遊技機1における演出を実行するために重要な電気回路の動作を可能な限り継続させる適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121に供給され、レギュレータ回路133から出力される直流1.5Vの電源電圧により駆動するRAM122などの電気部品よりも先に起動可能となる。これにより、電源投入された場合に、例えば演出制御用CPU120によりROM121の記憶データを即座に読出できる適切な基板構成が可能になる。
レギュレータ回路133から出力された直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、演出制御基板12とは異なる基板として構成されたものに供給されてもよい。このように、演出制御基板12とは異なる基板に供給される直流1.5Vの電源電圧を、降圧コンバータ回路132とは異なるレギュレータ回路133から出力させることで、製造コストの増加を防止するとともに、電気回路での発熱を分散する適切な基板構成が可能になる。
(特徴部30AKに関する説明)
図17は、本実施形態の特徴部30AKに関し、主基板11における一方の基板面(表面)にて、CPU103とRAM102とを接続する配線のパターンが形成された部分の構成例を示している。主基板11では、例えばRAM102とCPU103といった、複数の電気部品を複数の信号配線により接続するために、複数の信号配線を構成する配線のパターンが形成されている。CPU103は、パチンコ遊技機1における遊技の制御に関して、所定の処理を実行可能に構成された電気部品であり、RAM102はCPU103による処理の実行に関する情報を記憶可能に構成された電気部品である。
複数の信号配線を構成する配線のパターンに対し、それらの周囲あるいは信号配線間における領域にて、1または複数のグランド導体が配置されている。グランド導体は、基準グランドや特性インピーダンス調整用グランドとして機能し、グランド電圧に維持される。図17に示す構成例では、複数のグランド導体として、複数の信号配線の周囲における領域にグランド導体30AK10Gおよびグランド導体30AK11Gが配置され、複数の信号配線間における領域にグランド導体30AK20Gが配置されている。このように、複数の信号配線を構成する配線のパターンが設けられていない空白領域となる空域部分には、1または複数のグランド導体が設けられていてもよい。これにより、複数の信号配線から放射される電磁波ノイズや信号配線間での電磁波ノイズによる電磁妨害を、防止あるいは抑制できる。
なお、複数の信号配線の周囲および信号配線間における双方の領域に複数のグランド導体が配置されるものに限定されず、複数の信号配線の周囲または信号配線間における一方の領域にのみグランド導体が配置されるものであってもよい。あるいは、このようなグランド導体が配置されないものであってもよい。
図18は、図17に示した複数の信号配線を構成する配線のパターンについて、より詳細に説明するための領域や区間を示している。図18に示す領域30AK01Rは、複数の信号配線がCPU103に接続される側の端部における領域である。図18に示す領域30AK10Rは、複数の信号配線がいずれも直線形状または略直線形状で互いに平行または略平行な第1形状となる領域であり、図18に示す領域30AK11Rと領域30AK12Rは、少なくとも一部の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状で他の信号配線と平行および略平行ではない第2形状となる領域である。図18に示す区間30AK0SCでは、複数の信号配線のうち一部の信号配線が最短または略最短の距離で接続する短距離パターンと短距離パターンに含まれない信号配線が短距離パターンよりも長い距離で接続する長距離パターンとが配置されている。
図19は、図18に示された領域30AK01Rの拡大図である。図19に示す領域30AK01Rにおいて、複数の信号配線を構成する配線のパターンは、パターン30AK10D〜30AK13Dと、パターン30AK10CKと、パターン30AK10CSと、パターン30AK10RSと、パターン30AK10A〜30AK14Aとを含んでいる。
図20は、図19に示された配線のパターンに対応して、信号種類、信号同期の有無、蛇行形状の有無についての設定例を示している。図20に示す信号種類は、各配線のパターンが構成する信号配線で伝送される電気信号の内容(用途)を示している。図20に示す信号同期は、他の信号配線で伝送される電気信号に対する同期の有無を示している。図20に示す蛇行形状は、RAM102とCPU103との間を接続する各配線のパターンについて、直線形状および略直線形状とは異なる蛇行形状となる部分が設けられているか否かを示している。蛇行形状は、ミアンダ形状やジグザグ形状、あるいは折返し形状とも称され、所定区間における信号配線の延設方向に対し、信号配線が繰り返し折り曲げられることにより、例えば延設方向に直交あるいは略直交する方向に折返し往復する形状であればよい。
図20に示す設定例において、配線のパターン30AK10D〜30AK13Dは、いずれもデータ信号を伝送するための信号配線を構成する。各信号配線で伝送されるデータ信号は、例えばクロック信号および他の信号配線で伝送されるデータ信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10CKは、クロック信号を伝送するための信号配線を構成する。クロック信号は、例えばデータ信号やアドレス信号、チップセレクト信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10CSは、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する。チップセレクト信号は、例えばクロック信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。配線のパターン30AK10RSは、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する。リセット信号は、他の信号配線で伝送される信号とは同期しない非同期で伝送される。配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、いずれもアドレス信号を伝送するための信号配線を構成する。各信号配線で伝送されるアドレス信号は、例えばクロック信号および他の信号配線で伝送されるアドレス信号といった、他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送される。
他の信号配線で伝送される信号と同期して伝送されるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号のうちデータ信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10D〜30AK13Dには、蛇行形状がない配線のパターン30AK10Dが含まれている。配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線で伝送されるデータ信号とは異なるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターンは、少なくとも一部分が直線形状および略直線形状とは異なる形状としての蛇行形状となっている。
配線のパターン30AK10Dが構成するデータ信号を伝送するための信号配線は、他のデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線に比べて、RAM102とCPU103における接続端子間の距離が長くなっている。そこで、配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線で伝送されるデータ信号とは異なるデータ信号、クロック信号、チップセレクト信号、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターンは、少なくとも一部分が蛇行形状となることにより、各信号配線の配線長が同一または略同一となる。その一方で、配線のパターン30AK10Dには蛇行形状を設ける必要がない。
このように、同期信号を伝送するための信号配線のうち複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、例えば蛇行形状となる配線部分といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる配線部分を含まないように、配線のパターンが形成されていればよい。逆にいうと、直線形状または略直線形状などの形状となる一方で蛇行形状のような直線形状および略直線形状とは異なる形状を含まない配線のパターンが構成する信号配線は、蛇行形状のような直線形状および略直線形状とは異なる形状を含む配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。あるいは、同期信号を伝送するための信号配線のうち複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、例えば蛇行形状となる配線部分といった、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる配線部分を含まないように、配線のパターンが形成されていればよい。逆にいうと、他の信号配線と平行または略平行な形状となる一方で蛇行形状のような平行および略平行な形状とは異なる形状を含まない配線のパターンが構成する信号配線は、蛇行形状のような他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状を含む配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。これにより、各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差(スキュー)が発生することを、防止あるいは抑制できる。複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることにより、複数の信号配線で伝送される信号の信頼性を向上させることができる。
配線のパターン30AK10RSには、蛇行形状が設けられていない。配線のパターン30AK10RSは、非同期信号であるリセット信号を伝送するための信号配線を構成する。リセット信号などの非同期信号を伝送する場合には、他の信号配線で伝送される信号との遅延時間差を考慮する必要がない。そこで、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10RSのように、非同期信号が伝送される信号配線を構成する配線のパターンには蛇行形状を設けない。配線のパターンに蛇行形状を設けないようにすれば、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
蛇行形状を設けない配線のパターンとして、グランド電圧に維持されるダミー配線を構成する配線のパターンが配置されてもよい。例えば配線のパターン30AK10RSが構成する信号配線では、リセット信号が伝送されることに代えて、グランド電圧に維持されてもよい。配線のパターン30AK10RSは、データ信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10D〜30AK13D、クロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CK、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSで構成される一群のパターンと、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aで構成される一群のパターンとの間に配置されている。配線のパターン30AK10RSのような他の信号配線間に配置される信号配線をグランド電圧に維持されるダミー配線とすることにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。蛇行形状を設けない配線のパターンとしては、グランド電圧に維持されるダミー配線に代えて、あるいはグランド電圧に維持されるダミー配線とともに、電源電圧に維持される配線のパターンが配置されてもよい。例えば配線のパターン30AK10RSが構成する信号配線では、リセット信号が伝送されることに代えて、電源電圧に維持されてもよい。なお、電源電圧に維持される配線のパターンは、他の信号配線を構成する配線のパターンと近接して配置すると、それぞれの信号配線どうしの電磁結合などにより、電磁波ノイズが発生するおそれがある。そこで、電源電圧に維持される配線のパターンを配置する場合には、グランド電圧に維持される配線のパターンを配置する場合と比較して、信号配線からの距離が長くなるように、各配線のパターンが形成されてもよい。これにより、信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図21は、図18に示された領域30AK10Rの拡大図である。領域30AK10Rには、配線のパターン30AK10CK、30AK10CS、30AK10RS、30AK10A〜14Aが形成されている。これらの配線のパターンは、領域30AK10Rにおいて、複数の信号配線がいずれも直線形状または略直線形状で互いに平行または略平行な形状となるように形成されている。このように、領域30AK10Rでは、複数の信号配線を構成する配線のパターンがいずれも直線形状または略直線形状となるように形成され、複数の信号配線が互いに平行または略平行な形状となるように配線のパターンが形成されている。
図22は、図18に示された領域30AK11Rの拡大図である。領域30AK11Rには、領域30AK10Rと同じく、配線のパターン30AK10CK、30AK10CS、30AK10RS、30AK10A〜14Aが形成されている。これらの配線のパターンは、領域30AK11Rにおいて、少なくとも1の信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されている一方で、他の信号配線が直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。図22に示す領域30AK11Rにおいて、例えばクロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CK、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSは、複数の折り曲げ部を含むものの、いずれも直線形状または略直線形状となるように形成されている。また、図22に示す領域30AK11Rにおいて、リセット信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10RSは、折り曲げ部を含まない直線形状または略直線形状となるように形成されている。これに対し、図22に示す領域30AK11Rにおいて、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、複数の折り曲げ部により蛇行形状が形成され、直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。
蛇行形状が形成される部分では、例えば複数の折り曲げ部を介することにより、信号配線が本来の延設方向に対して直交する方向へと屈曲されていればよい。各折り曲げ部では、信号配線が直角よりも大きい角度(鈍角)をなすように折り曲げられることにより、信号配線の延設方向が変更された配線のパターンが形成されていればよい。この場合に、各折り曲げ部における折り曲げ量は、直角よりも小さい角度となるように、信号配線が折り曲げられる。蛇行形状が形成される部分では、第1延設方向と、この第1延設方向に対して直交または略直交する第2延設方向とに、信号配線を延設可能とし、第1延設方向の信号配線を構成する配線のパターンと、第2延設方向の信号配線を構成する配線のパターンとの間には、複数の折り曲げ部が設けられていればよい。このように、信号配線の折り曲げ量が所定角度よりも小さい角度となる複数の折り曲げ部を介して信号配線の延設方向が変更される。折り曲げ量を小さくすることにより、折り曲げ部における配線のパターン幅が大きく変化してしまうことを抑制し、伝送路の特性インピーダンスが急変することを防止して、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
各信号配線では、折り曲げ部の位置が他の信号配線における折り曲げ部の位置から所定長より長い距離となるように、複数の折り曲げ部が配置されていればよい。所定長は、例えば2mm〜5mmの範囲に含まれる一定長といった、基板設計上の観点から予め定められた長さであればよい。信号配線の折り曲げ部では、特性インピーダンスの変化などにより、電磁波ノイズが発生しやすくなる。複数の信号配線に含まれる1の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部は、複数の信号配線に含まれる他の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部と接近して配置されると、各信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けやすくなるおそれがある。そこで、複数の信号配線に含まれる1の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部と、複数の信号配線に含まれる他の信号配線を構成する配線のパターンが形成する折り曲げ部とが、所定長より長い距離となるように間隔をあけて配置することにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
また、領域30AK11Rでは、少なくとも1の信号配線が平行および略平行とは異なる形状となるように形成されている。図22に示す領域30AK11Rにおいて、例えばクロック信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CKと、チップセレクト信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10CSは、いずれも複数の折り曲げ部を介しながら、全体として互いの信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されている。これに対し、図22に示す領域30AK11Rにおいて、アドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aは、複数の折り曲げ部により蛇行形状が形成されているので、全体として互いの信号配線が平行または略平行とは異なる形状となるように形成されている。
図22に示す領域30AK11Rでは、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、平行および略平行な形状とは異なる蛇行形状などの形状となっている。この領域30AK11Rにおいて、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPには、少なくとも信号配線と同一の基板上で導体が設けられていない。スペース領域30AK0SPは、例えばアドレス信号を伝送するための信号配線を構成する配線のパターン30AK10A〜30AK14Aのうち領域30AK11Rにて蛇行形状が設けられた配線のパターン30AK10A〜30AK13Aに近接している。スペース領域30AK0SPには導体が設けられていないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。蛇行形状となる配線のパターンに近接する領域に導体が設けられている場合には、信号配線から電磁波が放射される可能性があり、信号配線と導体との電磁結合などにより、電磁波ノイズが発生するおそれがある。そこで、例えばスペース領域30AK0SPのように、蛇行形状が設けられた配線のパターンに近接する領域には導体が設けられないことで、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図23は、多層配線基板として形成された主基板11の構成例を示す断面図である。図23に示す主基板11は、合成樹脂を重ねて形成された多層構造を有し、各層の表面または内層には様々な配線のパターンを形成可能とされている。このような多層構造を有する主基板11に形成された配線のパターンを介して、例えばRAM102とCPU103といった、複数の電子部品が電気的に接続される。図23に示す主基板11の多層構造は、表面層30AK1Sと、グランド層30AK1Lと、電源層30AK2Lと、配線層30AK3Lと、電源層30AK4Lと、裏面層30AK2Sとを含んでいる。
主基板11における一方の基板面となる表面には、表面層30AK1Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが形成されている。主基板11における他方の基板面となる裏面には、裏面層30AK2Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pが形成されている。主基板11の表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK10Pは、主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホール30AK1Hを介して、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pと電気的に接続されている。主基板11の表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK11Pは、主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホール30AK2Hを介して、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pと電気的に接続されている。このように、主基板11には、一方の基板面となる表面に設けられた表面層30AK1Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pと、他方の基板面となる裏面に設けられた裏面層30AK2Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pとを、電気的に接続可能なスルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hが設けられている。
図23に示すRAM102とCPU103を接続する複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長は、表面層30AK1Sに形成された配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pと、裏面層30AK2Sに形成された配線のパターン30AK20Pとが構成する信号配線の配線長だけでなく、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hの長さを含めて、同一または略同一となる。図23に示す多層構造を有する主基板11において、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hの長さを含めて、各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差が発生することを、防止あるいは抑制できる。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることにより、複数の信号配線で伝送される信号の信頼性を向上させることができる。
図23に示す多層構造を有する主基板11において、表面層30AK1Sに隣接する導体層として、グランド層30AK1Lが設けられている。グランド層30AK1Lには、1または複数のグランド導体が配置され、グランド導体はグランド電圧に維持される。表面層30AK1Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pは、少なくともいずれか一方のパターンにおいて、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されていればよい。このような表面層30AK1Sに隣接する導体層としてのグランド層30AK1Lでは、信号の伝送が行われない。配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが形成された表面層30AK1Sに隣接する導体層で信号の伝送が行われないので、配線のパターン30AK10Pおよびパターン30AK11Pが構成する複数の信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けにくくなり、他の信号配線に電磁波ノイズの影響が及ぶことも、防止あるいは抑制できる。
図23に示す多層構造を有する主基板11の裏面層30AK2Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン30AK20Pが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されてもよい。このような裏面層30AK2Sに隣接する導体層としての電源層30AK4Lでは、信号の伝送が行われない。電源層30AK4Lには、1または複数の電源導体が配置され、電源導体は電源電圧に維持される。配線のパターン30AK20Pが形成された裏面層30AK2Sに隣接する導体層で信号の伝送が行われないので、配線のパターン30AK20Pが構成する複数の信号配線で伝送される信号が電磁波ノイズの影響を受けにくくなり、他の信号配線に電磁波ノイズの影響が及ぶことも、防止あるいは抑制できる。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線が設けられる層に隣接する導体層では信号の伝送が行われないないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。
図23に示す多層構造を有する主基板11の配線層30AK3Lにおいて信号配線を構成する配線のパターンが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で複数の信号配線が平行および略平行な形状とは異なる形状となる領域を含むように形成されてもよい。このような配線層30AK3Lに隣接する導体層としての電源層30AK2Lや電源層30AK4Lでは、信号の伝送が行われない。主基板11のような多層配線基板において複数の信号配線が設けられる配線層30AK3Lに隣接する導体層では信号の伝送が行われないことにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害の防止あるいは抑制が図られる。ただし、多層配線基板に設けられた内層の導体層である配線層30AK3Lにおいて信号配線を構成する配線のパターンが蛇行形状などの形状となる領域を含むように形成された場合には、信号配線の断線などによる障害が発生した場合に、配線層30AK3Lにおける信号配線の状態を基板の外部から確認することが困難になるおそれがある。これに対し、主基板11の表面層30AK1Sや裏面層30AK2Sといった、主基板11が備える一方の基板面や他方の基板面において信号配線を構成する配線のパターンが蛇行形状などの形状となる領域を含むように形成された場合には、信号配線の断線などによる障害が発生した場合に、表面層30AK1Sや裏面層30AK2Sにおける信号配線の状態を基板の外部から確認しやすい適切な基板構成が可能になる。
主基板11の表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sを貫通するスルーホールは、図23に示すスルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hに限定されず、より多くのスルーホールが設けられ、複数の信号配線における各信号配線の配線長を同一または略同一にするために用いられてもよい。複数の信号配線を構成する配線のパターンのうちには、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hのようなスルーホールを介することなく、例えば主基板11の表面層30AK1Sのみに信号配線が配置されるように形成されたパターンが含まれてもよい。配線のパターン30AK10Dが構成するデータ信号を伝送するための信号配線といった、複数の電気部品における接続端子間の距離が他の接続端子間の距離と比べて長くなる信号配線は、スルーホール30AK1Hおよびスルーホール30AK2Hのようなスルーホールを介することなく、主基板11の表面層30AK1Sのみに信号配線が配置されてもよい。逆にいうと、表面層30AK1Sなど1の導体層にてスルーホールを介することなく形成された配線のパターンが構成する信号配線は、表面層30AK1Sおよび裏面層30AK2Sなど複数の導体層にてスルーホールを介して電気的に接続可能となるように形成された配線のパターンが構成する信号配線と比較して、複数の電気部品における接続端子間の距離が長い。
複数の信号配線が隣接して設けられる場合には、図22に示したスペース領域30AK0SPのように、小さな空白領域が形成される。この空白領域にスルーホールを設け、例えばグランド層30AK1Lといった他の導体層と電気的に接続されるように、銅などの導電材料が埋設されたスルーホール電極を有する構成とすることも考えられる。空白領域にスルーホール電極のような導体が設けられる構成では、例えば空白領域における電界分布を安定させるために、多数のスルーホール電極が配置される場合もある。この場合には、主基板11の表面層30AK1Sのみでなく、裏面層30AK2Sにも、例えばバンプといった、スルーホール電極に対応する構造物が配置され、基板上における配線パターンの設計が制約されるという不都合が生じるおそれがある。また、多層配線基板に設けられた内層の導体層であるグランド層30AK1Lや電源層30AK2L、30AK4Lなどでは、スルーホール電極が設けられる場合に、そのスルーホール電極の周囲では導体層のパターンを除去することになり、グランド層30AK1Lや電源層30AK2L、30AK4Lなど内層の導体層におけるパターンが分断され、導体層におけるパターンの設計が困難になるという不都合が生じるおそれがある。さらに、スルーホール電極に代えて、例えばダミーパッドのような導体が空白領域に設けられ、他の導体層とは接続されないような構成では、この導体が外部からの電磁波ノイズによる影響を受けたり、この導体が複数の信号配線に電磁波ノイズの影響を及ぼしたりして、電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。これに対し、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPには、導体が設けられないことにより、これらの不都合が生じることを、防止あるいは抑制できる。
その他、図22に示したスペース領域30AK0SPのように、複数の信号配線が隣接して設けられる場合に形成される空白領域には、例えば基板固定用のネジ穴といった、基板の構成材料とは異なる材料が用いられる構造物が設けられないようにしてもよい。基板固定用のネジ穴が設けられた場合には、ネジ止めにより基板を固定した場合に、ネジの構成材料が外部からの電磁波ノイズによる影響を受け、他の信号配線にも電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。また、基板に含まれる絶縁層とは誘電率が異なる合成樹脂や誘電材料を用いた構造物、あるいは基板に含まれる導体層とは電気伝導率が異なる合成樹脂や金属材料を用いた構造物が、複数の信号配線に近接した空白領域に設けられた場合には、これらの構造物が外部からの電磁波ノイズによる影響を受けたり、これらの構造物が複数の信号配線に電磁波ノイズの影響を及ぼしたりして、電磁妨害などの悪影響を与える不都合が生じるおそれがある。これに対し、信号配線を構成する配線のパターンに近接するスペース領域30AK0SPなどの空白領域には、基板の構成材料とは異なる材料を用いた構造物が設けられないことにより、これらの不都合が生じることを、防止あるいは抑制できる。
図18に示す区間30AK0SCでは、データ信号を伝送するための複数の信号配線を形成する配線のパターン30AK10D〜30AK13Dのうち1のパターン30AK13Dが、蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる形状で他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる信号配線の部分を含むように形成されている。これに対し、少なくともパターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dは、区間30AK0SCにて、蛇行形状を含むことなく、直線形状または略直線形状で互いの信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されている。したがって、パターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dは、信号配線が区間30AK0SCを最短または略最短で接続するパターンとなる。これに対し、パターン30AK12Dおよびパターン30AK13Dは、信号配線が区間30AK0SCをパターン30AK10Dおよびパターン30AK11Dよりも長い距離で接続するパターンとなる。
区間30AK0SCにて、パターン30AK13Dが構成する信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となっている部分では、他のパターン30AK10D〜パターン30AK12Dが構成する信号配線は直線形状または略直線形状となるように形成されている。このように、複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち1の配線のパターンにより構成される信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となっている部分では、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されてもよい。1の配線のパターンにより構成される信号配線が蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分は、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となる部分と重複しないように形成されてもよい。蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分が、複数の信号配線について重複しないように配線のパターンが形成されることにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図24は、複数の信号配線が蛇行形状となる部分が重複しない配線のパターンについて、他の形成例を示している。図24に示す領域30AK20Rでも、複数の信号配線を構成する配線のパターンのうち1の配線パターンにより構成される信号配線が蛇行形状となっている部分では、他の配線のパターンにより構成される信号配線が直線形状または略直線形状となるように形成されている。そして、第1配線のパターンにより構成される第1信号配線が蛇行形状となる部分である第1蛇行部が終了すると、第1配線のパターンとは異なる第2配線のパターンにより構成される第2信号配線が蛇行形状となる部分である第2蛇行部が開始されるように、複数の信号配線を構成する配線のパターンが形成されている。第1蛇行部では、第1信号配線以外の信号配線を構成する配線のパターンとして、第2信号配線を構成する第2配線のパターンを含めた配線のパターンは、各パターンにより構成される信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されていればよい。第2蛇行部では、第2信号配線以外の信号配線を構成する配線のパターンとして、第1信号配線を構成する第1配線のパターンを含めた配線のパターンは、各パターンにより構成される信号配線が平行または略平行な形状となるように形成されていればよい。第1蛇行部が終了してから第2蛇行部が開始されるので、第1蛇行部は第2蛇行部と重複しないように配置されている。これにより、多数の信号配線について蛇行形状などの直線形状および略直線形状とは異なる形状となる部分を設けた場合でも、配線のパターンを配置する基板面積の増大が可及的に抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
(特徴部42AKに関する説明)
図25は、本実施形態の特徴部42AKに関し、配線のパターンにより構成される複数の信号配線が形成された部分の構成例を示している。図25に示す配線のパターンは、例えば主基板11にて、RAM102とCPU103といった、複数の電気部品を接続する複数の信号配線を構成するものであればよい。図25に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、2つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。図25(A)は配線間隔W1が配線間隔W2よりも狭いW1<W2の場合を示し、図25(B)は配線間隔W1が配線間隔W2よりも広いW1>W2の場合を示している。配線間隔W1は、同一の信号配線が蛇行形状となる部分における配線のパターンによる配線間隔である。配線間隔W2は、平行または略平行に隣接して互いに異なる信号配線を構成する配線のパターンどうしによる配線間隔である。
図25(A)に示す2つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン42AK10と、配線の第2パターン42AK11とを含んでいる。配線の第1パターン42AK10および配線の第2パターン42AK11は、それらの配線のパターンにより構成される信号配線の形状に応じて、配線部42AK1Zと、配線部42AK2Zとが含まれるように、各信号配線を形成している。
配線部42AK1Zでは、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第2形状部42AK10Mを形成し、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第1形状部42AK11Lを形成している。配線部42AK2Zでは、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第1形状部42AK10Lを形成し、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第2形状部42AK11Mを形成している。第1形状部42AK10L、42AK11Lは、信号配線が直線形状または略直線形状の第1形状となるように形成されている。第2形状部42AK10M、42AK11Mは、信号配線が蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる第2形状となるように形成されている。なお、第2形状部42AK10M、42AK11Mは、蛇行形状に限定されず、直線形状および略直線形状とは異なる任意の形状となるように形成されていればよい。
このように、配線の第1パターン42AK10および配線の第2パターン42AK11により構成される複数の信号配線は、配線部42AK1Zにて、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部42AK11Lに対応して、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が、第1形状部42AK11Lとは異なる蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK10Mを含んでいる。すなわち、配線部42AK1Zでは、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線における第1形状部42AK11Lに対応して、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第2形状部42AK11Mを含んでいる。
また、配線の第1パターン42AK10および配線の第2パターン42AK11により構成される複数の信号配線は、配線部42AK2Zにて、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部42AK10Lに対応して、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が、第1形状部42AK10Lとは異なる蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK11Mを含んでいる。すなわち、配線部42AK2Zでは、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線における第1形状部42AK10Lに対応して、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第2形状部42AK11Mを含んでいる。
図25(A)に示す信号配線が蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK10Mおよび第2形状部42AK11Mは、第2形状部42AK10Mが配線部42AK1Zに含まれ、第2形状部42AK11Mが配線部42AK2Zに含まれるように形成されている。これにより、第2形状部42AK10Mおよび第2形状部42AK11Mは、それぞれの配置が互いに重複しない。加えて、各信号配線の配線長は同一または略同一となるように形成されている。このような第2形状部42AK10Mと第2形状部42AK11Mとが含まれるように、配線の第1パターン42AK10および配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が形成されているので、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図25(B)に示す2つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第3パターン42AK12と、配線の第4パターン42AK13とを含んでいる。配線の第3パターン42AK12および配線の第4パターン42AK13は、それらの配線のパターンにより構成される信号配線の形状に応じて、配線部42AK3Zと、配線部42AK4Zとが含まれるように、各信号配線を形成している。
配線の第3パターン42AK12および配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線は、配線部42AK3Zにて、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部42AK13Lに対応して、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線が、第1形状部42AK13Lとは異なる蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK12Mを含んでいる。すなわち、配線部42AK3Zでは、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線における第1形状部42AK13Lに対応して、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線が第2形状部42AK12Mを含んでいる。
また、配線の第3パターン42AK12および配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線は、配線部42AK4Zにて、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部42AK12Lに対応して、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が、第1形状部42AK12Lとは異なる蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK13Mを含んでいる。すなわち、配線部42AK4Zでは、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線における第1形状部42AK12Lに対応して、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が第2形状部42AK13Mを含んでいる。
図25(B)に示す信号配線が蛇行形状などの第2形状となる第2形状部42AK12Mおよび第2形状部42AK13Mは、第2形状部42AK12Mが配線部42AK3Zに含まれ、第2形状部42AK13Mが配線部42AK4Zに含まれるように形成されている。これにより、第2形状部42AK12Mおよび第2形状部42AK13Mは、それぞれの配置が互いに重複しない。加えて、各信号配線の配線長は同一または略同一となるように形成されている。このような第2形状部42AK12Mと第2形状部42AK13Lとが含まれるように、配線の第3パターン42AK12および配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が形成されているので、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図25(A)に示す構成例では、配線間隔W1よりも配線間隔W2の方が広くなるように、各信号配線が形成されている。例えば第2形状部42AK10Mや第2形状部42AK11Mでは、折り曲げ部により折り返された同一の信号配線が配線間隔W1で往復する蛇行形状を形成しているのに対し、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線と配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線とが互いに平行または略平行であるときに隣接する信号配線どうしの配線間隔W2は、配線間隔W1よりも広くなるように、各信号配線が形成されている。このように、同一の信号配線における配線間隔W1よりも隣接する信号配線どうしの配線間隔W2の方が広くなるので、1の信号配線にて発生した短絡などによる悪影響が、他の信号配線にて伝送される信号に及ぶことを、防止あるいは抑制できる。
図25(B)に示す構成例では、配線間隔W1よりも配線間隔W2の方が狭くなるように、各信号配線が形成されている。例えば第2形状部42AK12Mや第2形状部42AK13Mでは、折り曲げ部により折り返された同一の信号配線が配線間隔W1で往復する蛇行形状を形成しているのに対し、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線と配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線とが互いに平行または略平行であるときに隣接する信号配線どうしの配線間隔W2は、配線間隔W1よりも狭くなるように、各信号配線が形成されている。このように、同一の信号配線における配線間隔W1よりも隣接する信号配線どうしの配線間隔W2の方が狭くなるので、1の信号配線の内部における短絡よりも、1の信号配線と他の信号配線との間における短絡の方が、発生しやすくなる。1の信号配線と他の信号配線との間で発生した短絡は、各信号配線に設けられたテストポイントを用いて容易に検出することができる。例えば各信号配線に設けられたテストポイントにテストプローブを接触させて信号配線の電気特性検査を行うことにより、1の信号配線と他の信号配線との間で発生した短絡を検出することができる。
図25(A)に示すように、一方では、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第1形状部42AK11Lを形成している配線部42AK1Zに対応して、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第2形状部42AK10Mを形成している。他方では、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第1形成部42AK10Lを形成している配線部42AK1Zに対応して、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第2形状部42AK11Mを形成している。図25(B)に示すように、一方では、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が第1形状部42AK13Lを形成している配線部42AK3Zに対応して、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線が第2形状部42AK12Mを形成している。他方では、配線の第3パターン42AK12により構成される信号配線が第1形状部42AK12Lを形成している配線部42AK4Zに対応して、配線の第4パターン42AK13により構成される信号配線が第2形状部42AK13Mを形成している。各配線のパターンにより構成される各信号配線の対応関係は、例えば主基板11などの基板面に垂直な方向からみて、上下関係、左右関係、あるいは所定距離未満の範囲内といった、予め定めた任意の位置範囲内にある信号配線であれば成立し、そのような位置範囲内にない信号配線であれば不成立となる関係であればよい。
図25(A)や図25(B)に示す例では、1の配線のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して他の配線のパターンにより構成される信号配線が第2形状を形成している配線部と、他の配線のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して1の配線のパターンにより構成される信号配線が第2形状を形成している配線部とにおいて、配線間隔W1が共通であり配線間隔W2も共通となるように、各信号配線が形成されている。より具体的には、図25(A)に示す配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線における第1形状部42AK11Lに対応して、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線が第2形状部42AK10Mを形成している配線部42AK1Zと、配線の第1パターン42AK10により構成される信号配線における第1形状部42AK10Lに対応して、配線の第2パターン42AK11により構成される信号配線が第2形状部42AK11Mを形成している配線部42AK2Zとにおいて、配線間隔W1が共通(一定)であり配線間隔W2も共通(一定)となるように、各信号配線が形成されている。これにより、基板面における配線のパターン設計が容易になる。また、複数の信号配線における形状の相違が抑制されるので、各信号配線における特性インピーダンスのばらつきを抑制して、複数の信号配線における信号品質の均質化が図られる。
なお、1の配線のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して他の配線のパターンにより構成される信号配線が第2形状を形成している配線部と、他の配線のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して1の配線のパターンにより構成される信号配線が第2形状を形成している配線部とでは、配線間隔W1と配線間隔W2の一方または双方が相違するように、各信号配線が形成されてもよい。例えば図25(A)に示す配線部42AK1Zと配線部42AK2Zとにおいて、配線間隔W2は共通とする一方で、配線間隔W1は配線部42AK1Zよりも配線部42AK2Zの方が広くなるように、各信号配線が形成されてもよい。こうした場合には、基板面における配線のパターン設計を柔軟に行うことができる。
図26は、配線のパターンにより構成される複数の信号配線における第2形状部が異なる方向に形成されている構成例を示している。図26(A)に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、3つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。図26(B)に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、4つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。
図26(A)に示す3つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン42AK20、配線の第2パターン42AK21、配線の第3パターン42AK22を含んでいる。配線の第1パターン42AK20により構成される信号配線は、第2形状部42AK20Mを形成する部分を含んでいる。配線の第2パターン42AK21により構成される信号配線は、第2形状部42AK21Mを形成する部分を含んでいる。配線の第3パターン42AK22により構成される信号配線は、第2形状部42AK22Mを形成する部分を含んでいる。第2形状部42AK20Mおよび第2形状部42AK21Mは、例えば左右方向といった、第1方向に折返し往復する蛇行形状を有している。これに対し、第2形状部42AK22Mは、例えば上下方向といった、第1方向とは異なる第2方向に折返し往復する蛇行形状を有している。なお、それぞれの第2形状部は、蛇行形状に限定されず、直線形状および略直線形状とは異なる任意の形状となるように形成されていればよい。
このように、配線の第1パターン42AK20により構成される信号配線における第2形状部42AK20Mは、配線の第2パターン42AK21により構成される信号配線における第2形状部42AK21Mと共通(平行)な第1方向に形成されている。これに対し、配線の第3パターン42AK22により構成される信号配線における第2形状部42AK22Mは、配線の第1パターンにより構成される第2形状部42AK20Mや配線の第2パターンにより構成される第2形状部42AK21Mが形成される第1方向とは異なる第2方向に形成されている。複数の信号配線において異なる方向に第2形状部が形成されるようにしたことにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図26(B)に示す4つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第4パターン42AK23、配線の第5パターン42AK24、配線の第6パターン42AK25、配線の第7パターン42AK26を含んでいる。配線の第4パターン42AK23により構成される信号配線は、2つの第2形状部42AK23M1、42AK23M2を形成する部分を含んでいる。配線の第5パターン42AK24により構成される信号配線は、1つの第2形状部42AK24Mを形成する部分を含んでいる。配線の第6パターン42AK25により構成される信号配線は、1つの第2形状部42AK25Mを形成する部分を含んでいる。配線の第7パターン42AK26により構成される信号配線は、2つの第2形状部42AK26M1、42AK26M2を形成する部分を含んでいる。図26(B)に示す複数の第2形状部のうち、第2形状部42AK23M1、42AK25M、42AK26M2は、例えば上下方向といった、第1方向に折返し往復する蛇行形状を有している。これに対し、第2形状部42AK23M2、42AK24M、42AK26M1は、例えば左右方向といった、第1方向とは異なる第2方向に折返し往復する蛇行形状を有している。
図26(B)に示すように、配線のパターンにより構成される複数の信号配線には、1つの第2形状部を形成する部分を含む信号配線と、複数の第2形状部を形成する部分を含む信号配線とがあってもよい。あるいは、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、各信号配線が1つの第2形状部を形成する部分のみを含んでいてもよい。あるいは、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、各信号配線が複数の第2形状部を形成する部分を含んでいてもよい。図26(B)に示す配線の第4パターン42AK23により構成される信号配線における第2形状部42AK23M1は、配線の第6パターン42AK25により構成される信号配線における第2形状部42AK25Mや配線の第7パターン42AK26により構成される信号配線における第2形状部42AK26M2と共通(平行)な第1方向に形成されている。また、配線の第4パターン42AK23により構成される信号配線における第2形状部42AK23M2は、配線の第5パターン42AK24により構成される信号配線における第2形状部42AK24Mや配線の第7パターン42AK26により構成される信号配線における第2形状部42AK26M1と共通(平行)な第2方向に形成されている。これに対し、第2形状部42AK23M2、42AK24M、42AK26M1は、第2形状部42AK23M1、42AK25M、42AK26M2が形成される第1方向とは異なる第2方向に形成されている。
配線の第4パターン42AK23により構成される信号配線は、第1方向に形成される第2形状部42AK23M1と、第2方向に形成される第2形状部42AK23M2とを含んでいる。配線の第7パターン42AK26により構成される信号配線は、第2方向に形成される第2形状部42AK26M1と、第1方向に形成される第2形状部42AK26M2とを含んでいる。このように、同一の配線のパターンにより構成される1の信号配線であっても、異なる方向に形成される複数の第2形状部を含んでいてもよい。また、1の配線のパターンにより構成される信号配線は、他の配線のパターンにより構成される信号配線における第2形状部と、共通(平行)な方向に形成されている第2形状部および異なる方向に形成されている第2形状部を含んでもよい。1または複数の信号配線において異なる方向に第2形状部が形成されるようにしたことにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図27は、配線のパターンにより構成される複数の信号配線が異なる配線幅に形成されている構成例を示している。図27に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、4つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。図27(A)は信号配線の全体で配線幅が異なる場合を示し、図27(B)は信号配線の一部で配線幅が異なる場合を示している。
図27(A)に示す4つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン42AK30、配線の第2パターン42AK31、配線の第3パターン42AK32、配線の第4パターン42AK43を含んでいる。配線の第1パターン42AK30により構成される信号配線は、第2形状部42AK30Mを形成する部分を含んでいる。配線の第2パターン42AK31により構成される信号配線は、第2形状部42AK31Mを形成する部分を含んでいる。配線の第3パターン42AK32により構成される信号配線は、第2形状部42AK32Mを形成する部分を含んでいる。配線の第4パターン42AK33により構成される信号配線は、第2形状部42AK33Mを形成する部分を含んでいる。
配線の第1パターン42AK30により構成される信号配線は、配線の第2パターン42AK31により構成される信号配線と、配線幅が同一または略同一となるように形成されている。配線の第3パターン42AK32により構成される信号配線は、配線の第4パターン42AK33により構成される信号配線と、配線幅が同一または略同一となるように形成されている。これに対し、配線の第1パターン42AK30により構成される信号配線および配線の第2パターン42AK31により構成される信号配線は、配線の第3パターン42AK32により構成される信号配線および配線の第4パターン42AK33により構成される信号配線と比較して、信号配線の全体において配線幅が広くなるように形成されている。このように、配線の第1パターン42AK30と配線の第2パターン42AK31は配線幅が広い信号配線を構成し、配線の第3パターン42AK32と配線の第4パターン42AK33は配線幅が狭い信号配線を構成している。
配線の第1パターン42AK30により構成される信号配線と、配線の第2パターン42AK31により構成される信号配線とでは、例えば第1種類の差動信号といった、共通する種類の電気信号が伝送されてもよい。また、配線の第3パターン42AK32により構成される信号配線と、配線の第4パターン42AK33により構成される信号配線とでは、例えば第1種類とは異なる第2種類の差動信号といった、共通する種類の電気信号が伝送されてもよい。その一方で、配線の第1パターン42AK30により構成される信号配線や配線の第2パターン42AK31により構成される信号配線と、配線の第3パターン42AK32により構成される信号配線や配線の第4パターン42AK33により構成される信号配線とでは、互いに相違する種類の電気信号が伝送されてもよい。このように、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、伝送される電気信号の種類に応じて異なる配線幅となるように形成されていてもよい。あるいは、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、伝送される電気信号の種類が共通する場合に、同一または略同一の配線幅となるように形成されていてもよい。なお、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、伝送される電気信号の種類が共通する場合であっても、異なる配線幅となるように形成された信号配線を含んでいてもよい。あるいは、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、伝送される電気信号の種類が異なる場合であっても、同一または略同一の配線幅となるように形成された信号配線を含んでいてもよい。複数の信号配線が異なる配線幅に形成されるようにしたことにより、各信号配線における特性インピーダンスを容易に調整して、電気信号の種類などに応じた適切な伝送が可能になる。
図27(B)に示す4つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第5パターン42AK34、配線の第6パターン42AK35、配線の第7パターン42AK36、配線の第8パターン42AK37を含んでいる。配線の第5パターン42AK34により構成される信号配線は、第2形状部42AK34Mを形成する部分を含んでいる。配線の第6パターン42AK35により構成される信号配線は、第2形状部42AK35Mを形成する部分を含んでいる。配線の第7パターン42AK36により構成される信号配線は、第2形状部42AK36Mを形成する部分を含んでいる。配線の第8パターン42AK37により構成される信号配線は、第2形状部42AK37Mを形成する部分を含んでいる。
配線の第5パターン42AK34により構成される信号配線と、配線の第6パターン42AK35により構成される信号配線は、一部の配線幅が他の部分における配線幅とは異なるように構成されている。例えば配線の第5パターン42AK34により構成される信号配線における第2形状部42AK34Mは、同一の信号配線における他の部分と比較して、配線幅が広くなるように形成されている。配線の第6パターン42AK35により構成される信号配線における第2形状部42AK35Mは、同一の信号配線における他の部分と比較して、配線幅が広くなるように形成されている。このように、配線の第5パターン42AK34は、第2形状部42AK34Mにて配線幅が広い信号配線を構成し、第2形状部42AK34M以外の部分では配線幅が狭い信号配線を構成している。配線の第6パターン42AK35は、第2形状部42AK35Mにて配線幅が広い信号配線を構成し、第2形状部42AK35M以外の部分では配線幅が狭い信号配線を構成している。なお、第2形状部にて配線幅が広い信号配線を構成するものに限定されず、直線形状または略直線形状となる第1形状部にて配線幅が広い信号配線を構成するものであってもよい。
配線の第5パターン42AK34により構成される信号配線は、第2形状部42AK34Mの配線幅が他の部分よりも広くなることにより、同一の信号配線において配線幅が異なるように形成されている。配線の第6パターン42AK35により構成される信号配線は、第2形状部42AK35Mの配線幅が他の部分よりも広くなることにより、同一の信号配線において配線幅が異なるように形成されている。これに対し、配線の第7パターン42AK36により構成される信号配線や配線の第8パターン42AK37により構成される信号配線は、同一の信号配線において配線幅が同一または略同一となるように形成されている。1または複数の信号配線において一部が異なる配線幅に形成されるようにしたことにより、各信号配線における特性インピーダンスを容易に調整して、電気信号の種類などに応じた適切な伝送が可能になる。
図28は、配線のパターンにより構成される複数の信号配線における第2形状部が対応して形成されている構成例を示している。図28に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、2つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。図28(A)は2つの信号配線が略平行に蛇行する場合を示し、図28(B)は2つの信号配線が離れる方向に蛇行する場合を示している。
図28(A)に示す2つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン42AK40と、配線の第2パターン42AK41とを含んでいる。配線の第1パターン42AK40と、配線の第2パターン42AK41は、例えば上下方向といった、共通(平行)な方向に折返し往復する蛇行形状を有している。この蛇行形状において、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて突出する場合に、配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて突出する。その後に、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて復帰する場合に、配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて復帰する。また、この蛇行形状において、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて突出する場合に、配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて突出する。その後に、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて復帰する場合に、配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて復帰する。こうして、配線の第1パターン42AK40と、配線の第2パターン42AK41は、略同一の配線間隔を維持しつつ略平行に折返し往復する蛇行形状の信号配線を形成している。なお、蛇行形状に限定されず、直線形状および略直線形状とは異なる任意の形状となるように形成されていればよい。
このように、配線の第1パターン42AK40により構成される信号配線は、配線の第2パターン42AK41により構成される信号配線と平行または略平行に形成され、直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。複数の信号配線において平行または略平行でありながら、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる第2形状部が形成されるようにしたことにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図28(B)に示す2つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第3パターン42AK42と、配線の第4パターン42AK43とを含んでいる。配線の第3パターン42AK42と、配線の第4パターン42AK43は、例えば上下方向といった、共通(平行)な方向に折返し往復する蛇行形状を有している。この蛇行形状において、配線の第3パターン42により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第4パターン42AK43により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて突出する場合に、配線の第4パターン42AK43により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第3パターン42AK42により構成される信号配線から離れる方向へと屈曲されて突出する。これらの突出による突起から、配線の第3パターン42AK42により構成される信号配線が延設方向DR1に対して配線の第4パターン42AK43により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて復帰する場合に、配線の第4パターン42AK43により構成される信号配線は、延設方向DR1に対して、配線の第3パターン42AK42により構成される信号配線に近づく方向へと屈曲されて復帰する。こうして、配線の第3パターン42AK42と、配線の第4パターン42AK43は、配線間隔を変化させつつ互いに離れる方向に突出してから近づく方向に復帰するという、折返し往復する蛇行形状の信号配線を形成している。
このように、配線の第3パターン42AK42により構成される信号配線は、配線の第4パターン42AK43により構成される信号配線と共通(平行)な方向に形成され、直線形状および略直線形状とは異なる形状となるように形成されている。複数の信号配線が離れる方向に屈曲されて突出し近づく方向に屈曲されて復帰するなど、直線形状および略直線形状とは異なる形状となる第2形状部が形成されるようにしたことにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図29は、配線のパターンにより構成される複数の信号配線に回路部品が接続されるように実装された構成例を示している。図29(A)に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、4つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。これら4つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン42AK50、配線の第2パターン42AK51、配線の第3パターン42AK52、配線の第4パターン42AK53を含んでいる。配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線は、第1形状部42AK51Lを形成する部分と、第2形状部42AK51Mを形成する部分とを含んでいる。配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線は、第1形状部42AK52Lを形成する部分と、第2形状部42AK52Mを形成する部分とを含んでいる。
図29(A)に示す配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線における第2形状部42AK51Mには、配線の第1パターン42AK50により構成される信号配線と接続された回路部品42AK1Rが、配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線と接続されるように実装される。回路部品42AK1Rは、例えば抵抗素子といった回路素子であればよい。回路部品42AK1Rは、抵抗素子とともに、あるいは抵抗素子に代えて、例えばコンデンサやコイルといった受動素子を、一部または全部に含んでいてもよい。回路部品42AK1Rは、抵抗素子、コンデンサ、コイルといった受動素子に代えて、あるいは受動素子とともに、ダイオード、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタなどのトランジスタ、サイリスタといった能動素子を、一部または全部に含んでいてもよい。回路部品42AK1Rは、例えばフィルタ回路、ノイズ防止回路、その他のICチップといった、機能回路を構成するものであってもよい。回路部品42AK1Rは、配線の第1パターン42AK50により構成される信号配線が特定の電源電圧に維持される場合に、配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線に対して特定の電源電圧を供給可能にするプルアップ抵抗として機能してもよい。あるいは、回路部品42AK1Rは、配線の第1パターン42AK50により構成される信号配線がグランド電圧に維持される場合に、配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線に対してグランド電圧を供給可能にするプルダウン抵抗として機能してもよい。あるいは、回路部品42AK1Rは、極性切替部により抵抗素子をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗とに切替可能とした機能回路であってもよい。
図29(B)は、回路部品42AK1Rの接続部分を示す拡大図である。図29(B)に示す第2形状部42AK51Mにおいて、配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線が折り曲げ部を介して折り返される3つの折返し部が示されている。これら3つの折返し部は、第1折返し部42AK51M1、第2折返し部42AK51M2、第3折返し部42AK51M3を含んでいる。回路部品42AK1Rは、第2折返し部42AK51M2にて、配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線と、配線の第1パターン42AK50により構成される信号配線とに、接続されるように実装されている。図29(B)に示す第2折返し部42AK51M2では、折り曲げ部を介して折り返された同一の信号配線が配線間隔W3で往復する形状を形成している。これに対し、第1折返し部42AK51M1や第3折返し部42AK51M3では、折り曲げ部を介して折り返された同一の信号配線が配線間隔W4で往復する形状を形成している。また、第1折返し部42AK51M1と第2折返し部42AK51M2との間隔や、第2折返し部42AK51M2と第3折返し部42AK51M3との間隔も、配線間隔W4となるように形成されている。配線間隔W3は、配線間隔W4よりも広くなるように、信号配線が形成されている。このように、回路部品42AK1Rが実装される第2折返し部42AK51M2における配線間隔W3は、第2形状部42AK51Mにて回路部品42AK1Rが実装されない部分における配線間隔W4よりも広くなるので、回路部品42AK1Rを容易に実装して、信号配線における伝送特性などを適切に調整することができる。
なお、回路部品42AK1Rが実装される第2折返し部42AK51M2における配線間隔W3は、第2形状部42AK51Mにて回路部品42AK1Rが実装されない部分における配線間隔W4よりも広くなるものに限定されず、配線間隔W3が配線間隔W4と同一または略同一のものでもよいし、配線間隔W3が配線間隔W4よりも狭くなるように形成されていてもよい。また、回路部品42AK1Rは、第2折返し部42AK51M2にて配線の第2パターン42AK52により構成される信号配線と接続されるように実装されるものに限定されず、第1折返し部42AK51M1または第3折返し部42AK51M3にて、配線の第2パターン42AK52により構成される信号配線と接続されるように実装されるものであってもよい。
このように、図29(A)などに示す配線の第2パターン42AK51により構成される信号配線における第2形状部42AK51Mにて、配線の第1パターン42AK50により構成される信号配線と接続されるように実装された回路部品42AK1Rを備えている。第2形状部に回路部品が実装されることにより、信号配線における伝送特性などを適切に調整することができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
図29(A)に示す配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線における第1形状部42AK52Lには、配線の第4パターン42AK53により構成される信号配線と接続された回路部品42AK2Rが、配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線と接続されるように実装される。回路部品42AK2Rは、例えば抵抗素子といった回路素子であればよい。回路部品42AK2Rは、抵抗素子とともに、あるいは抵抗素子に代えて、例えばコンデンサやコイルといった受動素子を、一部または全部に含んでいてもよい。回路部品42AK2Rは、抵抗素子、コンデンサ、コイルといった受動素子に代えて、あるいは受動素子とともに、ダイオード、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタなどのトランジスタ、サイリスタといった能動素子を、一部または全部に含んでいてもよい。回路部品42AK2Rは、例えばフィルタ回路、ノイズ防止回路、その他のICチップといった、機能回路を構成するものであってもよい。回路部品42AK2Rは、配線の第4パターン42AK53により構成される信号配線が特定の電源電圧に維持される場合に、配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線に対して特定の電源電圧を供給可能にするプルアップ抵抗として機能してもよい。あるいは、回路部品42AK2Rは、配線の第4パターン42AK53により構成される信号配線がグランド電圧に維持される場合に、配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線に対してグランド電圧を供給可能にするプルダウン抵抗として機能してもよい。あるいは、回路部品42AK2Rは、極性切替部により抵抗素子をプルアップ抵抗とプルダウン抵抗とに切替可能とした機能回路であってもよい。
このように、図29(A)に示す配線の第3パターン42AK52により構成される信号配線における第2形状部42AK52Mとは異なる第1形状部42AK52Lにて、配線の第4パターン42AK53により構成される信号配線と接続されるように実装された回路部品42AK2Rを備えている。第2形状部とは異なる部分に回路部品が実装されることにより、信号配線における伝送特性などを適切に調整することができる。また、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
回路部品42AK1Rや回路部品42AK2Rが実装される部分における配線幅は、回路部品42AK1Rや回路部品42AK2Rが実装されない部分とは異なる配線幅となるように、各信号配線が形成されてもよい。例えば回路部品42AK1Rや回路部品42AK2Rが実装される部分における配線幅は、回路部品42AK1Rや回路部品42AK2Rが実装されない部分の配線幅よりも広くなるように、各信号配線が形成されてもよい。このように、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、回路部品が実装される部分に対応して、実装されない部分とは異なる配線幅となるように形成されてもよい。回路部品が実装される部分に対応して異なる配線幅に形成されるようにしたことにより、各信号配線における特性インピーダンスを容易に調整して、信号配線による適切な伝送が可能になる。
図25(A)や図25(B)に示すような第1形状部42AK10L、42AK11L、42AK12L、42AK13Lおよび第2形状部42AK10M、42AK11M、42AK12M、42AK13Mを有する信号配線が形成されている場合に、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、例えば図26に示すように、第2形状部が異なる方向に形成されてもよく、例えば図27に示すように信号配線の全体または一部で異なる配線幅に形成されてもよく、例えば図28に示すように第2形状部が略平行または離れる方向に対応して形成されてもよく、例えば図29に示すように第2形状部または第2形状部とは異なる部分に接続される回路部品が実装されてもよく、これらの一部または全部を組み合わせて形成されてもよい。
(特徴部43AKに関する説明)
図30は、本実施形態の特徴部43AKに関し、配線のパターンにより構成される複数の信号配線における第2形状部に接続確認用の特定導体部となるテストポイントが設けられている構成例を示している。図30に示す構成例では、複数の信号配線を構成する配線のパターンとして、2つの信号配線を構成する配線のパターンが示されている。これら2つの信号配線を構成する配線のパターンは、配線の第1パターン43AK10と、配線の第2パターン43AK11とを含んでいる。配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線は、第1形状部43AK10Lを形成する部分と、第2形状部43AK10Mを形成する部分とを含んでいる。配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線は、第1形状部43AK11Lを形成する部分と、第2形状部43AK11Mを形成する部分とを含んでいる。第1形状部43AK10L、43AK11Lは、信号配線が直線形状または略直線形状の第1形状となるように形成されている。第2形状部43AK10M、43AK11Mは、信号配線が蛇行形状といった、直線形状および略直線形状とは異なる第2形状となるように形成されている。なお、第2形状部43AK10M、43AK11Mは、蛇行形状に限定されず、直線形状および略直線形状とは異なる任意の形状となるように形成されていればよい。
配線の第1パターン43AK10および配線の第2パターン43AK11により構成される複数の信号配線は、少なくとも一部が、例えば図25(A)に示した配線の第1パターン42AK10および配線の第2パターン42AK11と同様に、あるいは図25(B)に示した配線の第3パターン42AK12および配線の第4パターン42AK13と同様に、形成されていればよい。例えば、配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部43AK11Lに対応して、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線が、第1形状部43AK11Lとは異なる蛇行形状などの第2形状部43AK10Mを含んでいればよい。また、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状となる第1形状部43AK10Lに対応して、配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線が、第1形状部43AK10Lとは異なる蛇行形状などの第2形状部43AK10Mを含んでいればよい。
配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線における第2形状部43AK10Mには、接続確認用の特定導体部として、テストポイント43AK10TPが設けられている。配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線における第2形状部43AK11Mには、接続確認用の特定導体部として、テストポイント43AK11TPが設けられている。テストポイント43AK10TP、43AK11TPは、例えばはんだ、または銅箔といった、金属材料を用いて形成されていればよい。テストポイント43AK10TP、43AK11TPは、例えば円形に形成された場合の直径W6が、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線や配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線における配線幅W5よりも、大きく(広く)なるように形成されている。なお、テストポイント43AK10TP、43AK11TPは、円形に形成されるものに限定されず、例えば方形状や短冊状といった、任意の形状に形成されたものであればよい。テストポイント43AK10TP、43AK11TPがどのような形状であっても、その平均的な形状が、信号配線における配線幅よりも大きく(広く)なるように形成されたものであればよい。テストポイント43AK10TP、43AK11TPが設けられることにより、複数の信号配線における特性インピーダンスのばらつきが抑制できるようにしてもよい。これにより、複数の信号配線における信号品質の均質化が図られる。
例えばテストポイント43AK10TPとテストポイント43AK11TPとにテストプローブを接触させることにより、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線と配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線との間において、短絡の発生の有無を検査することができる。なお、テストポイント43AK10TP、43AK11TPの他にも、接続確認用の特定導体部となるテストポイントが設けられてもよい。一例として、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線には、テストポイント43AK10TPの他にもテストポイントが設けられてもよい。このテストポイントと、第2形状部43AK10Mに設けられたテストポイント43AK10TPとに、テストプローブを接触させることにより、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線において、断線の発生の有無を検査することができる。短絡や断線について、発生の有無を検査できるとともに、あるいは、それらの検査に代えて、例えばオシロスコープを用いて信号波形の確認や検査を行うことができるように構成されてもよい。
このように、図30に示す信号配線が蛇行形状などの第2形状となる第2形状部43AK10Mにはテストポイント43AK10TPが設けられ、第2形状部43AK11Mにはテストポイント43AK11TPが設けられている。信号配線における第2形状部にテストポイントを設けることにより、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。また、テストポイント43AK10TP、43AK11TPは金属材料を用いて形成され、信号配線の配線幅よりも広くなるように形成されている。このような信号配線の配線幅より大きく(広く)なるようにテストポイントが形成されることにより、テストプローブを容易に接触させて、信号配線の電気特性検査を行うことができる。また、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
図30に示すようなテストポイント43AK10TP、43AK11TPが設けられた場合に、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、例えば図26に示すように、第2形状部が異なる方向に形成されてもよく、例えば図27に示すように信号配線の全体または一部で異なる配線幅に形成されてもよく、例えば図28に示すように第2形状部が略平行または離れる方向に対応して形成されてもよく、例えば図29に示すように第2形状部または第2形状部とは異なる部分に接続される回路部品が実装されてもよく、これらの一部または全部を組み合わせて形成されてもよい。
(特徴部44AKに関する説明)
図31は、本実施形態の特徴部44AKに関し、多層配線基板として構成された主基板11において、一面に第2形状を含む信号配線が設けられ、他面に接続確認用の特定導体部となるテストポイントが設けられている場合の構成例を示している。図31に示す特徴部44AKの少なくとも一部は、図23に示した構成例と同様に形成されていればよい。例えば特徴部44AKについても、合成樹脂を重ねて形成された多層構造を有していればよい。図31に示す主基板11の多層構造は、表面層44AK1Sと、グランド層44AK1Lと、電源層44AK2Lと、配線層44AK3Lと、電源層44AK4Lと、裏面層44AK2Sとを含んでいる。
主基板11における一方の基板面となる表面には、表面層44AK1Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン44AK10Pおよびパターン44AK11Pが形成されている。主基板11における他方の基板面となる裏面には、裏面層44AK2Sが設けられ、信号配線を構成する配線のパターン44AK20Pが形成されている。主基板11の表面層44AK1Sに形成された配線のパターン44AK10Pは、主基板11の表面層44AK1Sおよび裏面層44AK2Sを貫通するスルーホール44AK1Hを介して、裏面層44AK2Sに形成された配線のパターン44AK20Pと電気的に接続されている。主基板11の表面層44AK1Sに形成された配線のパターン44AK11Pは、主基板11の表面層44AK1Sおよび裏面層44AK2Sを貫通するスルーホール44AK2Hを介して、裏面層44AK2Sに形成された配線のパターン44AK20Pと電気的に接続されている。このように、主基板11には、一方の基板面となる表面に設けられた表面層44AK1Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン44AK10Pおよびパターン44AK11Pと、他方の基板面となる裏面に設けられた裏面層44AK2Sにおいて信号配線を構成する配線のパターン44AK20Pとを、電気的に接続可能なスルーホール44AK1Hおよびスルーホール44AK2Hが設けられている。
表面層44AK1Sに形成された配線のパターン44AK10Pは、例えば図30に示した配線の第1パターン43AK10および配線の第2パターン43AK11と同様に、第1形状部や第2形状部を形成する部分を含むように、複数の信号配線が形成されていればよい。図30に示す配線の第1パターン43AK10および配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線は、配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状の第1形状となる第1形状部43AK11Lに対応して、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線が、第1形状部43AK11Lとは異なる蛇行形状などの第2形状部43AK10Mを含んでいればよい。また、配線の第1パターン43AK10により構成される信号配線が、直線形状または略直線形状となる第1形状部43AK10Lに対応して、配線の第2パターン43AK11により構成される信号配線が、第1形状部43AK10Lとは異なる蛇行形状などの第2形状部43AK10Mを含んでいればよい。
そして、図30に示した第2形状部43AK10Mに設けられたテストポイント43AK10TPおよび第2形状部43AK11Mに設けられたテストポイント43AK11TPに対応して、図31に示すテストポイント44AK10TPが、配線のパターン44AK10Pにより構成される信号配線に設けられていればよい。テストポイント44AK10TPは、スルーホール44AK1Hを介して、例えば裏面層44AK2Sに形成された配線のパターン44AK20Pといった、異なる導体層と接続されていればよい。なお、テストポイント44AK10TPは、裏面層44AK2Sに形成された配線のパターン44AK20Pに限定されず、例えば配線層44AK3Lに形成された配線のパターンといった、テストポイント44AK10TPが設けられる表面層44AK1Sとは異なる任意の導体層と接続されたものであればよい。テストポイントが設けられる層とは異なる導体層とテストポイントがスルーホールを介して接続されることにより、信号配線や導体層の電気特性検査を容易に行うことができる。また、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
表面層44AK1Sに形成された配線のパターン44AK11Pについても、第1形状部や第2形状部を形成する部分を含むように、複数の信号配線が形成されていればよい。このように、配線のパターン44AK11Pにより構成される複数の信号配線は、主基板11の表面層44AK1Sといった、基板の一面にて、直線形状および略直線形状とは異なる第2形状部を含むように形成されている。これに対し、裏面層44AK2Sには、テストポイント44AK11TPが設けられている。テストポイント44AK11TPは、例えば配線のパターン44AK20Pにより構成される信号配線に設けられ、スルーホール44AK2Hを介して、表面層44AK1Sに形成された配線のパターン44AK11Pといった、異なる導体層と接続されていればよい。テストポイント44AK10TP、44AK11Pが設けられることにより、複数の信号配線における特性インピーダンスのばらつきが抑制できるようにしてもよい。これにより、複数の信号配線における信号品質の均質化が図られる。基板の一面に第2形状部を含む信号配線が設けられ、基板の他面にテストポイントが設けられることにより、信号配線や導体層の電気特性検査を容易に行うことができる。また、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
例えばテストポイント44AK10TPにテストプローブを接触させることにより、配線のパターン44AK10Pにより構成される複数の信号配線において、短絡の発生の有無を検査することができればよい。また、例えばテストポイント44AK10TPとテストポイント44AK11TPとにテストプローブを接触させることにより、裏面層44AK2Sに形成された配線のパターン44AK20Pにより構成される信号配線や、スルーホール44AK1Hにおいて、断線の発生の有無を検査することができればよい。その他、配線のパターン44AK10Pにより構成される複数の信号配線における断線の発生の有無、配線のパターン44AK11Pにより構成される複数の信号配線における短絡や断線の発生の有無、配線のパターン44AK20Pにより構成される複数の信号配線における短絡の発生の有無、スルーホール44AK1Hにおける短絡の発生の有無、スルーホール44AK2Hにおける短絡や断線の発生の有無を、検査可能にするテストポイントが設けられていてもよい。
接続確認用の特定導体部となるテストポイントは、テストプローブを接触させるために専用の電極パッドが設けられたものに限定されず、例えば信号配線における特性インピーダンスの調整用に回路部品などを接続可能に設けられ電極パッドといった、任意の電極パッドを用いて構成されたものであればよい。このようなテストポイントなどの特定導体部は、多層配線基板に設けられたスルーホールにより、多層配線基板に含まれる複数の層のうち複数の信号配線およびテストポイントが設けられる層とは異なる導体層と、電気的に接続されることにより、多層配線基板における電気特性検査を適切に行うことができる。例えば裏面側の基板面といった、配線のパターンが形成された一方の基板面とは異なる他方の基板面に、テストポイントなどの特定導体部が設けられることにより、多層配線基板における電気特性検査を適切に行うことができる。また、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
図31に示すようなテストポイント44AK10TP、44AK11TPが設けられた場合に、配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、例えば図26に示すように、第2形状部が異なる方向に形成されてもよく、例えば図27に示すように信号配線の全体または一部で異なる配線幅に形成されてもよく、例えば図28に示すように第2形状部が略平行または離れる方向に対応して形成されてもよく、例えば図29に示すように第2形状部または第2形状部とは異なる部分に接続される回路部品が実装されてもよく、これらの一部または全部を組み合わせて形成されてもよい。
(特徴部45AKに関する説明)
以下、図面を参照しつつ、特徴部45AKに係る遊技機の基板ケース45AK10と、この基板ケース45AK10に収容されている基板45AK50及びヒートシンク45AK40とについて詳細に説明する。図32は、本発明の実施形態に係る遊技機の基板ケース45AK10、基板45AK50、及びヒートシンク45AK40を後方からみた分解斜視図である。図33は、本発明の実施形態に係る遊技機の基板ケース45AK10、基板45AK50、及びヒートシンク45AK40を前方からみた分解斜視図である。以下の説明において、理解を容易にするために、図32等に示した前後方向を規定し、基板ケース45AK10等を前方から見たときの上下左右方向を、基板ケース45AK10等の上下左右方向として説明する。
基板ケース45AK10は、前方を構成する前ケース45AK20と、後方を構成する後ケース45AK30とが組み合わされて構成されている。基板ケース45AK10の内部には、CPU、ROM、コネクタ等の電子部品を搭載した基板45AK50、及びヒートシンク45AK40を収容するための収容空間が形成されている。
前ケース45AK20は、例えば、熱可塑性を有する合成樹脂からなり、平面視して略長方形状に形成されている。前ケース45AK20は、後方が開放された箱状をなしている。前ケース45AK20の上縁には、上方に突出した2つの突出部45AK21が形成されている。また、前ケース45AK20の下縁には、下方に突出した2つの突出部45AK22が形成されている。
後ケース45AK30も前ケース45AK20と同様に、例えば、熱可塑性を有する合成樹脂からなり、平面視して略長方形状に形成されている。後ケース45AK30は、後面を形成するベース板45AK30aと、ベース板45AK30aから前方に立設した上壁45AK30b、右壁45AK30c、下壁45AK30d、及び左壁45AK30eと、を有している。これにより、後ケース45AK30は、前方が開放された箱状をなしており、その収容部は前ケース45AK20のものよりも深い。後ケース45AK30の上壁45AK30bには、前ケース45AK20に形成された突出部45AK21が挿通される挿通孔45AK31aを有する係止部45AK31が2つ形成されている。また、後ケース45AK30の下壁45AK30dには、前ケース45AK20に形成された突出部45AK22が引掛けられる係止部45AK38(図33)が2つ形成されている。
前ケース45AK20と後ケース45AK30とを組み合わせる場合には、まず、前ケース45AK20の突出部45AK21を、後ケース45AK30の挿通孔45AK31aに挿入する。そして、前ケース45AK20の下部を後ケース45AK30に押し付けて、前ケース45AK20の突出部45AK22を後ケース45AK30の係止部45AK38に引掛ける。これにより、前ケース45AK20と後ケース45AK30とが組み合わされ、内部に基板45AK50等の収容空間が形成される。
また、後ケース45AK30には、上壁45AK30bに複数の空気孔45AK32が形成され、下壁45AK30dに複数の空気孔45AK33(図33)が形成されている。これにより、基板ケース45AK10には、上下方向に沿った空気の通り道が確保されている。また、後ケース45AK30のベース板45AK30aには、基板45AK50の位置決めをするための4つの挿入凸部45AK36と、基板45AK50をねじ止めするためのねじ穴45AK37a〜45AK37eと、ヒートシンク45AK40の四隅を抑えて位置決めするための4つの位置決め部45AK34と、4つの位置決め部45AK34に位置決めされたヒートシンク45AK40に当接して支持する6つの支持部45AK35と、が形成されている。
挿入凸部45AK36は、ベース板45AK30aの四隅に形成されている。挿入凸部45AK36のそれぞれは、基板45AK50に形成された挿入孔45AK50aに挿入される円柱状の凸部である。
4つの位置決め部45AK34のそれぞれは、アングル状をなしており、直交した面でヒートシンク45AK40の角部に当接することが可能なように配置されている。
支持部45AK35は、図33の拡大図に示すように、ベース板45AK30aの切欠き45AK30f内に配置されており、ベース板45AK30aよりも前方に突出した突出部45AK35aを有している。支持部45AK35は、一端のみがベース板45AK30aに支持された片持ちの状態にある。そのため、支持部45AK35は、突出部45AK35aに後方への応力が作用すると弾性変形して後方へと変位する。一方、突出部45AK35aに後方への応力が作用しなくなると、支持部45AK35は前方へと戻り元の状態に復帰する。
ヒートシンク45AK40は、例えば、伝熱性に優れたアルミニウムを加工してなる。ヒートシンク45AK40は、矩形状のベース板45AK41と、ベース板45AK41に立設した矩形状の5つのフィン45AK42とを備えている。フィン45AK42のそれぞれは上下方向に延び、左右方向に平行に配列されている。
基板45AK50は、例えば、CPU、ROM、コネクタ等の各種電子部品が搭載されたプリント基板である。基板45AK50には、後ケース45AK30に形成された挿入凸部45AK36に対応する位置に設けられた4つの挿入孔45AK50aと、基板45AK50を固定するためのねじ45AK81a〜45AK81eが挿通されるねじ挿通孔45AK55a〜45AK55eとが形成されている。
さらに基板45AK50には、発熱性の電子部品45AK60と、非発熱性の電子部品45AK51及び電子部品45AK52と、が設けられている。電子部品45AK60、電子部品45AK51、及び電子部品45AK52は、矩形状をなしている。特に、電子部品45AK60は、略正方形状をなしている。また、非発熱性の電子部品のうち、電子部品45AK52は、電子部品45AK51よりも高さが高い(厚みがある)。すなわち、図32においては、電子部品45AK52は、電子部品45AK51よりも後方に大きく突出している。ここで、発熱性の電子部品とは、電子部品の誤動作を防止するために放熱対策が必要なほどの熱を発生させる電子部品のことをいう。一方、非発熱性の電子部品とは、放熱対策を行わなくてもよい程度しか熱を発生させない、あるいは全く熱を発生させない電子部品のことをいう。
非発熱性の電子部品のうち、高さの低い電子部品45AK51は、発熱性の電子部品45AK60よりも上方に配置されている。非発熱性の電子部品のうち、高さの高い電子部品45AK52は、発熱性の電子部品45AK60の右方に配置されている。また、非発熱性の電子部品45AK51及び電子部品45AK52の向きは、平面視した場合に各辺が矩形状の基板45AK50の辺と平行となるように配置されている。一方、発熱性の電子部品45AK60は、平面視した場合に各辺が矩形状の基板45AK50の辺と平行とならないように配置されている。発熱性の電子部品45AK60には、該電子部品45AK60とヒートシンク45AK40との間に介在して、発せられて熱をヒートシンク45AK40に伝える熱伝導シート45AK70が貼付されている。熱伝導シート45AK70は、電子部品45AK60のおおよそ全体を覆う。
熱伝導シート45AK70は、両面が粘着するタイプの公知の熱伝導シート、シリコーン、非シリコーン、あるいはセラミックを主原料とした柔軟な熱伝導シートから採用することができる。熱伝導シート45AK70は、電子部品45AK60とヒートシンク45AK40との間に介在して、両者を接着する。
(ヒートシンク45AK40及び基板45AK50の取り付けについて)
次に、基板ケース45AK10に、ヒートシンク45AK40及び基板45AK50を取り付けるための手順について説明する。図34は、基板ケース45AK10にヒートシンク45AK40及び基板45AK50を取り付ける様子を取り付け順((a)〜(b))で示した断面図である。また、図35は、図34に続いて基板ケース45AK10にヒートシンク45AK40及び基板45AK50を取り付ける様子を取り付け順((a)〜(b))で示した断面図である。なお、図34及び図35に示す図は、図33中の断面線A−Aで切断した断面図である。
図34(a)に示すように、まず、後ケース45AK30をテーブル等に載置し、ヒートシンク45AK40を後ケース45AK30に設置する。ヒートシンク45AK40は、フィン45AK42が上下方向に沿うように、図34(b)に示すように、ベース板45AK30aに形成された位置決め部45AK34に四隅を合わせて載置する。これにより、後ケース45AK30に対するヒートシンク45AK40の位置決めをすることができる。このとき、ヒートシンク45AK40のフィン45AK42b及びフィン45AK42dは、支持部45AK35の突出部45AK35aに当接した状態にある。
続いて、図34(b)に示すように、電子部品45AK60に熱伝導シート45AK70を貼付した基板45AK50を、後ケース45AK30に設置する。その際、図33に示す基板45AK50に形成された挿入孔45AK50aに、後ケース45AK30に形成された挿入凸部45AK36を挿入して、図35(a)に示すように、基板45AK50を後ケース45AK30に載置する。このように、挿入孔45AK50aに挿入凸部45AK36が挿入されることにより、後ケース45AK30に対する基板45AK50の位置決めがされる。
続いて、図35(a)に示すように、ねじ45AK81a〜45AK81e(図35(a)では、ねじ45AK81eのみを図示)を基板45AK50に挿通し、対応するねじ孔45AK37a〜45AK37eに締め付ける。これにより、支持部45AK35に支持されていたヒートシンク45AK40及び基板45AK50は、後ケース45AK30に向けて押し付けられる。これにより、図35(b)に示すように、支持部45AK35は弾性変形し、その先端は距離Lだけ後方に変位する。このように弾性変形した支持部45AK35は、当接するヒートシンク45AK40を前方に押圧する。一方、ねじ45AK81a〜45AK81eは、ヒートシンク45AK40を介して前方に押圧されている基板45AK50を押さえ込む。これにより、ヒートシンク45AK40と熱伝導シート45AK70とが密着するとともに、電子部品45AK60と熱伝導シート45AK70とが密着する。このような構成により、電子部品45AK60から発せられた熱は、熱伝導シート45AK70を介してヒートシンク45AK40に伝わり、ヒートシンク45AK40から放熱される。
(特徴部45AKの効果等について)
特徴部45AKに係る遊技機の効果について、図面を参照しながら説明する。図36は、ヒートシンク45AK40と電子部品45AK60との関係を説明するための平面図である。また、図37は、基板ケース45AK10内における空気の流れを説明するための説明図である。なお、図36は、ヒートシンク45AK40をフィン45AK42側からみた図であるため、電子部品45AK60はかくれ線である破線で図示している。また、ヒートシンク45AK40と電子部品45AK60との間には、熱伝導シート45AK70が介在して熱を伝導させているが、便宜上、熱伝導シート45AK70の図示を省略して、電子部品45AK60の全面からヒートシンク45AK40に熱が伝導するものとする。なお、二点鎖線で示した電子部品45AK61は、電子部品45AK60と比較するために示した比較例である。
図36に示すように、平面視した場合に、矩形状の電子部品45AK60は、その辺45AK60a〜45AK60dが、矩形状のヒートシンクの辺45AK40a〜45AK40dと平行とならないように配置されている。すなわち、各辺をヒートシンクの辺45AK40a〜45AK40dと平行となるように配置した電子部品45AK61を、中心点Oを中心に所定角度θだけ回転させることで、電子部品45AK60の配置とすることができる。所定角度θは例えば略45°である。なお、電子部品45AK60が略正方形状であるため、電子部品45AK60の対角線は上下左右方向を向く。電子部品45AK60をこのような配置とすることで、電子部品45AK60の頂点45AK60fをフィン45AK42bよりも右側(図中左側)に、電子部品45AK60の頂点45AK60eをフィン45AK42dよりも左側(図中右側)に配置することができる。一方、ヒートシンク45AK40と向きが一致するように配置された比較例の電子部品45AK61においては、いずれの部位も、フィン45AK42bよりも右側(図中左側)に、あるいはフィン45AK42dよりも左側(図中右側)に位置していない。これにより、電子部品45AK60は、フィン45AK42b及びフィン45AK42dに多くの熱を伝えることができ、放熱する際にフィン45AK42bとフィン45AK42dとを有効利用することができる。これにより、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。なお、上記では、ヒートシンク45AK40に対する電子部品45AK60の配置態様について記載したが、これは当然に、電子部品45AK60に対するヒートシンク45AK40の配置態様として記載したとしても技術的に同等である。
また、電子部品45AK60から発せられた熱は、ヒートシンク45AK40に伝わって放熱されるものだけでなく、その一部は電子部品45AK60から直接上方に放熱される。このように電子部品45AK60から直接上方に放熱される量は、電子部品45AK60の左右方向の長さが長いほどより大きくなる。ここで、図36に示すように、電子部品45AK60の左右方向の幅W1は、比較例である電子部品45AK61の左右方向の幅W2よりも大きい。そのため、電子部品45AK60の配置とした方が、電子部品45AK60から発せられた熱をより多く直接上方に向けて放熱させることができる。これにより、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
また、図37に示すように、後ケース45AK30の下部には空気が流入するための空気孔45AK33が形成され、後ケース45AK30の上部には空気を排出するための空気孔45AK32が形成されている。これにより、基板ケース45AK10内には、上下方向に沿った空気の通り道が確保されている。空気孔45AK33から流入した空気(矢印Y1)は上方へと移動する。上方へと移動した空気は、やがて、ヒートシンク45AK40に形成されたフィン45AK42の間を通り抜ける(矢印Y2)。このときに、ヒートシンク45AK40の熱が奪われ、空気が暖められる。暖められた空気は、ヒートシンク45AK40の上方に配置された高さの低い電子部品45AK51の間を通り(矢印Y3)、あるいは、高さの低い電子部品45AK51の後方を通り(矢印Y4)、上方へと移動する。やがて上方へと移動した空気は、後ケース45AK30の上部に形成された空気孔45AK32から排出される(矢印Y5)。このように、ヒートシンク45AK40の上方に、高さの低い電子部品45AK51を配置することで、電子部品45AK51間だけでなく、電子部品45AK51の後方に空気を通すことができる。一方、高さの高い電子部品45AK52は、ヒートシンク45AK40の上方及び下方には配置せずに、右方(図中左側)に配置している。これにより、下方から上方へと移動する空気の流れを阻害することなく、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
また、電子部品45AK51の長手方向を、上下方向に一致させていることにより、電子部品45AK51間を大きくとることができる。これにより、上方に移動する空気の流れを阻害することなく、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
また、ヒートシンク45AK40を、左右方向に平行に配列されたフィン45AK42が上下方向を向くように配置している。これにより、下方から上方に向けて移動する空気を、上下方向に沿ったフィン45AK42の間に通すことができる。これにより、上方向に移動する空気の流れを阻害することなく、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
また、電子部品45AK60とヒートシンク45AK40との間に介在した熱伝導シート45AK70を、両面が粘着する柔軟な熱伝導シートとしている。そのため、熱伝導シート45AK70を、電子部品45AK60とヒートシンク45AK40とに隙間なく密着させることができる。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を、熱伝導シート45AK70を介してヒートシンク45AK40にスムーズに伝えることができる。
また、後ケース45AK30には、発熱性の電子部品45AK60にヒートシンク45AK40を押圧する支持部45AK35が設けられている。これにより、ヒートシンク45AK40及び電子部品45AK60は熱伝導シート45AK70を押圧し、熱伝導シート45AK70に隙間なく密着する。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を、熱伝導シート45AK70を介してヒートシンク45AK40にスムーズに伝えることができる。
また、図32、33に示すように、基板45AK50は複数のねじ45AK81a〜45AK81eによって後ケース45AK30に取り付けられる。複数のねじ45AK81a〜45AK81eのうち、ねじ45AK81d及びねじ45AK81eは、電子部品45AK60の近傍のねじ挿通孔45AK55d及びねじ挿通孔45AK55eに挿通され、後ケース45AK30に締め付けられる。このように、電子部品45AK60の近傍で、ねじ45AK81d及びねじ45AK81eを後ケース45AK30に締めつけることで、電子部品45AK60に接着されたヒートシンク45AK40を後ケース45AK30に向けて確実に押さえつけることができる。これにより、ヒートシンク45AK40と電子部品45AK60との接着を確実なものとすることができる。
また、支持部45AK35は、ベース板45AK30aの切欠き45AK30f内に配置されており、支持部45AK35と切欠き45AK30fとの間には、若干の隙間t(図34(a))が設けられている。この隙間tから、ヒートシンク45AK40に伝わった熱を基板ケース45AK10の外部へ逃がすことができる。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を効率的に放熱することができる。
また、基板45AK50が後ケース45AK30に設置されていない場合、支持部45AK35は、突出部45AK35aを除き後ケース45AK30のベース板45AK30aと面一にある。一方、後ケース45AK30に基板45AK50が設置されると、支持部45AK35は、後方に撓んでベース板45AK30aとの間でずれが生じる。このように、支持部45AK35とベース板45AK30aとの間に生じるずれにより、隙間tから熱を逃がしやすくすることができる。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を効率的に放熱することができる。
(その他の特徴部に関する説明)
例えば図17などに示した複数の電気部品を複数の信号配線により接続する配線のパターンは、主基板11や演出制御基板12といった制御基板に設けられることに代えて、あるいは制御基板に設けられるとともに、複数の制御基板どうしを接続する基板間の接続部材や、制御基板と他の電気部品とを接続する基板回路間の接続部材、複数の電気部品どうしを接続する回路間の接続部材、その他、これらの接続部材の一部または全部を組み合わせた複数の接続部材に、設けられてもよい。接続部材は、一部または全部がリジッドプリント配線板として構成されたものであってもよいし、一部または全部がフレキシブルプリント配線板として構成されたものであってもよい。こうした接続部材において、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、他の信号配線と平行でない第2形状となる特定配線部とを含むように、配線のパターンが形成されてもよい。また、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となるように、配線のパターンが形成されてもよい。これにより、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
接続部材は、例えばL字形状といった、折り曲げ部を含む形状であってもよいし、折り曲げ部を含まない直線形状であってもよい。接続部材が折り曲げ部を含む形状である場合に、折り曲げ部は、所定角度を有する角形状であってもよいし、所定曲率を有する円弧形状であってもよい。配線のパターンは、接続部材の両面に形成されてもよいし、接続部材の片面に形成されてもよい。接続部材が多層プリント配線板として構成される場合に、配線のパターンは、接続部材の表面層に形成されてもよいし、接続部材の内部層に形成されてもよい。このような接続部材が用いられる場合に、複数の信号配線が平行配線部と特定配線部とを含むように形成されることにより、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
接続部材は、例えばフレックスリジッド配線板といった、可撓性を有するフレックス部と、非可撓性のリジッド部とを含んで構成される場合に、フレックス部とは異なるリジッド部にて信号配線と接続されるように構成された回路部品を備えてもよい。これにより、回路部品の脱落を防止できる。また、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
接続部材は、例えばフレキシブルプリント配線板あるいはフレックスリジッド配線板といった可撓性を有するフレックス部を含むように構成された場合には、例えば一面としての表面と、他面としての裏面との間に、信号配線を電気的に接続可能なスルーホールあるいはビアといった貫通部が設けられてもよい。この場合に、フレックス部には貫通部が設けられないようにしてもよい。あるいは、フレックス部のうちでも接続時に折り曲げられる折り曲げ部に、貫通部が設けられないようにしてもよい。これにより、信号配線が断線する可能性を低減できる。また、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
第1部品と第2部品とを複数の信号配線により電気的に接続する配線のパターンは、第1部品と接続される場合に、複数の信号配線が第1配線間隔で接続され、第2部品と接続される場合に、複数の信号配線が第1配線間隔とは異なる第2配線間隔で接続されるように、形成されてもよい。このような配線のパターンは、複数の信号配線が第1配線間隔と第2配線間隔とを調整する間隔調整部を含むように形成されてもよい。また、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となるように、配線のパターンが形成されてもよい。これにより、配線間隔を調整可能として、複数の部品を適切に接続することができる。また、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
第1部品と第2部品は、いずれもレセプタクルやコネクタといった配線接続部品であってもよいし、いずれもプロセッサやメモリといった電気部品であってもよいし、一方が配線接続部品であり他方が電気部品であってもよい。これにより、各種部品が接続される場合に、配線間隔を調整可能として、複数の部品を適切に接続することができる。また、配線のパターンを配置する接続部材における面積の増大が抑制されて、構成の小型化を図ることができる。
(変形および応用に関する説明)
この発明は上記の実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば上記実施の形態で示した特徴のうちで、適切な基板構成を可能にする少なくとも1の特徴を備えたものであればよい。また、上記実施の形態では説明していない構成であっても、上記実施の形態で説明した構成を備える場合と同様または類似の課題に含まれる少なくとも1つの課題を解決し、あるいは上記実施の形態で説明した構成を備える場合と同様または類似の目的や作用効果に含まれる少なくとも1つの目的や作用効果を達成できるものであれば、上記実施の形態で説明した構成とともに、あるいは上記実施の形態で説明した構成に代えて、備えられているものであってもよい。
上記実施の形態では、複数の電気部品を電気的に接続する複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状および略直線形状とは異なる形状であって、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状として、蛇行形状、ミアンダ形状、ジグザグ形状、折返し形状と称される形状となる部分を含むものとして説明した。これに対し、直線形状および略直線形状とは異なる形状や、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状は、湾曲形状あるいは渦巻き形状といった、蛇行形状とは異なり信号配線の配線長を延長可能あるいは調整可能な任意の形状であればよい。複数の電気部品を電気的に接続する複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線について、その配線長を延長可能な形状となる部分を含むことにより、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長を同一または略同一とし、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を防止あるいは抑制できればよい。
複数の信号配線により電気的に接続される複数の電気部品は、主基板11に搭載されたRAM102およびCPU103に限定されず、パチンコ遊技機1などの遊技機が備える任意の電気部品であればよい。例えば複数の電気部品として、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120およびRAM122が、複数の信号配線により電気的に接続され、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状および略直線形状とは異なる形状であって、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となるように、配線のパターンが形成されてもよい。この場合に、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における演出の制御に関して、所定の処理を実行可能に構成された電気部品であり、RAM122は演出制御用CPU120による処理の実行に関する情報を記憶可能に構成された電気部品である。あるいは、上記実施の形態におけるRAM102に代えてROM101といった、CPU103による処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。あるいは、演出制御用CPU120に代えて表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサといった、演出制御用CPU120とは異なる演出に関する処理を実行可能な電気部品であってもよい。さらに、RAM122に代えてROM121といった、演出制御用CPU120による処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。また、RAM122に代えて画像データメモリといった、演出制御用CPU120あるいは表示制御部123のグラフィックスプロセッサによる処理の実行に関する情報を記憶可能な電気部品であってもよい。
演出制御基板12は、上記実施の形態における主基板11と同様に、多層配線基板として構成されてもよい。上記実施の形態における複数の信号配線は、例えば演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120および表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサといった、複数の処理装置が電気的に接続されるように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。あるいは、複数の信号配線は、表示制御部123が備えるグラフィックスプロセッサと、映像信号用の入出力ポートといった、複数の電気部品が電気的に接続されるように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。このような複数の電気部品が接続される複数の信号配線には、例えばフィルタ回路やバッファ回路といった、複数の電気部品とは異なる任意の電気回路が介在するように、配線のパターンが形成されたものであってもよい。複数の信号配線では、例えば画像表示装置5におけるR(赤)、G(緑)、B(青)の表示色について、それぞれのレベル(RGB値)を示すデジタル映像信号が、パラレル信号方式で伝送されてもよい。あるいは、複数の信号配線では、遊技の制御や演出の制御に関する信号が、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式といったパラレル信号方式で伝送されてもよい。これらのパラレル信号方式では、複数の信号配線において同期した信号伝送が要求されることがある。そこで、上記実施の形態のように、蛇行形状などの形状となる部分が設けられるように配線のパターンを形成することにより、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となり、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させることができる。
なお、パラレル信号方式で伝送される信号に限定されず、例えば画像表示装置5に供給される映像信号や、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ60および演出用LED61といった演出用の電気部品に供給される制御信号が、シリアル信号方式で伝送される場合に、クロック信号を伝送するための信号配線と、データ信号を伝送するための信号配線とが、上記実施の形態における複数の信号配線に含まれてもよい。さらに、映像信号や制御信号がシリアル信号方式で伝送される場合に、差動信号伝送方式により信号を伝送するための信号配線が、上記実施の形態における複数の信号配線に含まれてもよい。
例えば配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線のように、複数の電気部品における接続端子間の距離が他の信号配線よりも長い信号配線についても、直線形状および略直線形状とは異なる形状であり、他の信号配線と平行および略平行な形状とは異なる形状となる部分が含まれるように、配線のパターンが形成されてもよい。複数の電気部品における接続端子間の距離が他の信号配線よりも短い信号配線であっても、基板上における配線パターンの設計によっては、配線長が他の信号配線よりも長くなることがある。このような場合に、複数の信号配線のうち蛇行形状などの形状となる部分が含まれる信号配線と、そのような部分が含まれない信号配線との選択は、基板上における配線パターンの設計に応じて任意に変更されてもよい。
配線のパターンにより構成される複数の信号配線は、配線長が互いに同一または略同一に形成されたものに限定されず、遅延時間差(スキュー)を調整可能な任意の構成と組み合わせて形成されたものであってもよい。例えば複数の信号配線のうち、1の信号配線に対応して配置された誘電体の比誘電率を、他の信号配線に対応して配置された絶縁体などの比誘電率とは異ならせることにより、信号の伝播速度を変化させることにより、各信号配線における遅延時間差(スキュー)を調整可能に構成されたものと組み合わせて、少なくとも1の信号配線が直線形状および略直線形状の第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部を含むものであってもよい。
上記実施の形態では、図37に示すように、上下左右方向に辺を傾斜させて配置した電子部品は、発熱性の電子部品45AK60と、電子部品45AK60の周辺に設けられた電子部品45AK62である。しかしながら、発熱性の電子部品45AK60のみを傾斜させた配置とし、その他の電子部品は傾かせない配置としてもよい。また、電子部品45AK60の全てを傾かせる配置としてもよい。
また、発熱性の正方形状の電子部品に対するヒートシンクの傾斜角度は、45°に限定されない。すなわち、電子部品と接触した範囲をフィンの配列方向において十分に確保できるヒートシンクの配置であれば、傾斜角度の程度は特に限定されない。
また、発熱性の電子部品の形状は、略正方形である必要はなく、長方形状であってもよい。長方形状の電子部品を採用する場合であっても、電子部品の対角線が延びる向きに対して、フィンが配列された方向が一致するようにヒートシンクを配置することで、電子部品から発せられた熱の放熱効果を高めることができる。
また、発熱性の電子部品に貼付された熱伝導シートは、電子部品から発せられた熱を伝導するに十分な範囲に設けられていればよい。例えば、電子部品の全体を覆う範囲に設けてもよいし、発熱する範囲のみ(電子部品の一部の範囲のみ)に設けるようにしてもよい。なお、熱伝導シートは、電子部品の全体を覆う場合に設ける場合であっても基板の配線と接触しない大きさとすることが好ましい。
(他の実施形態1について)
図38は、他の実施形態1に係る遊技機の基板ケースにヒートシンク及び基板を取り付ける様子を示した断面図である。なお、他の形態に関する以下の説明では、上記の形態と異なる点を中心に説明する。なお、上記形態と同一の部材については、同一の符号を付すものとし、その説明は省略する。図38に示すように、後ケース45AK130には、図33に示す支持部45AK35の代わりに、ヒートシンク45AK40のフィン45AK42と当接し支持するばね45AK135が設けられている。ばね45AK135は、圧縮コイルばねであるが、その他、ばね座金等の板ばねを採用することができる。また、後ケース45AK130には、ヒートシンク45AK40の熱を外部に放出するための複数の空気孔45AK138が形成されている。なお、ヒートシンク45AK40及び基板45AK50の後ケース45AK130の取り付けかたについては、上記の形態と同様である。すなわち、ヒートシンク45AK40を位置決め部45AK134に合わせて載置する。このとき、ばね45AK135上にはフィン45AK42が載せられる。続いて、熱伝導シート45AK70が電子部品45AK60に貼付された基板45AK50を、挿入凸部45AK136に差し込むことで位置合わせをして、ヒートシンク45AK40上に載置する。続いて、ねじ45AK81eを基板45AK50に挿通して、ねじ孔45AK37eに締結する。これにより、ばね45AK135は、フィン45AK42に押圧されて縮むとともに、フィン45AK42を基板45AK50に向けて押圧する。これにより、熱伝導シート45AK70を、ヒートシンク45AK40及び電子部品45AK60に密着させることができる。
(他の実施形態2について)
また、図39は、他の実施形態2に係る遊技機の基板ケースにヒートシンク及び基板を取り付ける様子を示した断面図である。図39に示すように、後ケース45AK230には、上記実施形態とは異なり、支持部45AK35(図33)やばね45AK135(図38)のようなフィン45AK242を支持する部材は設けられていない。なお、後ケース45AK230には、ヒートシンク45AK240の熱を外部に放出するための複数の空気孔45AK238が形成されている。
基板45AK250には、ねじ45AK251を通すためのねじ挿通孔45AK252が形成されている。また、ヒートシンク45AK240には、ねじ45AK251を締めつけるためのねじ孔45AK243が形成されている。ねじ45AK251を、基板45AK250に形成されたねじ挿通孔45AK252に挿通し、ヒートシンク45AK240に形成されたねじ孔45AK243に締め付けることにより、ヒートシンク45AK240と基板45AK250とを一体化することができる。この時、ねじ45AK251を十分に締め付けることにより、ヒートシンク45AK240が基板45AK250側に引き寄せられる。これにより、熱伝導シート45AK270を、ヒートシンク45AK240及び電子部品45AK260に密着させることができる。
レセプタクルKRE1は、演出制御基板12の基板上にて表面実装されるものに限定されず、例えば主基板11の基板上といった、任意の基板上にて表面実装されるものであればよい。各種の電源電圧は、演出制御基板12に供給されるものに限定されず、例えば主基板11あるいは払出制御基板といった、任意の制御基板に供給されるものであってもよい。各種の電気回路や電気部品も、演出制御基板12に配置されるものに限定されず、例えば主基板11あるいは払出制御基板といった、任意の制御基板に配置されるものであってもよい。
この発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(課題解決手段および効果に関する説明)
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機1などの遊技機では、レセプタクルKRE1のような配線接続装置において、信号端子となる端子TA02の両側を挟む位置で、一対の接地端子となる端子TA01、TA03が演出制御基板12の基板上に表面実装されることにより、適切な基板構成が可能になる。
端子TA01、TA03がダミーパッドDP1、DP2に接合され、端子TA01〜TA03の先端部が基板ケース800のカバー部材802に被覆されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1には、ダミーパッドDP3、DP4に接合される固定用金具SS01、SS02が側面PL2の側に設けられることにより、適切な基板構成が可能になる。
開口領域836aにおける内周壁面836bとレセプタクルKRE1との間隔は、部品収容部802aに近い側の開口幅W2が遠い側の開口幅W1よりも広く形成されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03は、それぞれ開口領域836aにて基板ケース800のカバー部材802により被覆されず露出する露出部と基板ケース800のカバー部材802により被覆されて露出しない被覆部とが形成されることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE1の端子TA01〜TA03が表面実装された実装位置は開口周縁部840により被覆され、開口周縁部840と演出制御基板12の基板面とが実装位置に近接するスペースSP1を形成することにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、演出制御基板12では直流34Vの電源電圧VSL2がそのまま電源電圧VSLとして出力され、ドライバ基板19にてフィルタ回路511に入力して電圧を安定化することにより、適切な基板構成が可能になる。
直流34Vの電源電圧VSLを供給する電源ラインLSLにはフィルタ回路が介在しないことにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2において、フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28の端子数が、フィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14の端子数よりも多くなることにより、適切な基板構成が可能になる。
フィルタ回路131a〜131cのいずれかに接続される端子TA15〜TA24、TA27、TA28は複数種類の電源電圧を供給可能であり、演出制御基板12ではフィルタ回路に接続されない端子TA13、TA14は一種類の電源電圧を供給可能であり、端子TA13、TA14は端子TA15〜TA24などよりも外側に配置されていることにより、適切な基板構成が可能になる。
電源電圧端子である端子TA13〜TA24、TA27、TA28は、接地端子である端子TA11、TA12と、接地端子である端子TA29、TA30との間に配置されていることにより、適切な基板構成が可能になる。
レセプタクルKRE2では、第2電源電圧端子に含まれる端子TA13、TA14と、第1電源電圧端子に含まれる端子TA15〜TA24とが、第1接地端子に含まれる端子TA11、TA12と、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26との間に配置され、第1電源電圧端子に含まれる端子TA27、TA28が、第2接地端子に含まれる端子TA25、TA26と、第3接地端子に含まれる端子TA29、TA30との間に配置されることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、演出制御基板12において、1の電源電圧VDD2を、特定の電気部品を駆動するための電源電圧VDLと、増幅回路521に供給するための電源電圧VDSとに分岐した後に、フィルタ回路131aを用いて安定化した電源電圧VDSを増幅回路521に供給することにより、適切な基板構成が可能になる。
フィルタ回路131aから増幅回路521までの配線長LL2を、分岐点DB1にて電源電圧VDLが分岐されてからフィルタ回路131aに入力するまでの配線長LL1よりも短くすることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、ノイズ防止回路135a、135bでは、ノイズ防止回路135cとは異なる回路素子である抵抗を用いることにより、適切な基板構成が可能になる。
ノイズ防止回路135a、135bはモータやLEDなど特定の電気部品を駆動するための電源電圧に対応して設けられ、ノイズ防止回路135cはCPUやROMなど特定の電気回路を駆動するための電源電圧に対応して設けられることにより、適切な基板構成が可能になる。
あるいは、降圧コンバータ回路132では、フィルタ回路131cにより安定化した電源電圧VDD3が入力されて、直流1.05Vの電源電圧と、直流3.3Vの電源電圧とを出力し、レギュレータ回路133では、直流3.3Vの電源電圧が入力されて、直流1.5Vの電源電圧を出力することにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132に供給される電圧と同一または略同一の電源電圧VDCは、電源監視回路140に供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流1.05Vの電源電圧は、例えば表示制御部123のグラフィックスプロセッサといった、特定のマイクロプロセッサに供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
降圧コンバータ回路132から出力された直流3.3Vの電源電圧は、例えばROM121に供給され、レギュレータ回路133から出力される直流1.5Vの電源電圧により駆動するRAM122などの電気部品よりも先に起動可能となることにより、適切な基板構成が可能である。
レギュレータ回路133から出力された直流1.5Vの電源電圧は、例えばRAM122といった、演出制御基板12とは異なる基板として構成されたものに供給されることにより、適切な基板構成が可能になる。
(特徴部30AKの課題解決手段および効果に関する説明)
例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば領域30AK10Rなど、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、例えば領域30AK11Rなど、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、他の信号配線と平行ではない第2形状となる特定配線部とを含み、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となる。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
例えば配線のパターン30AK10Dが構成する信号配線など、第2形状を含まない信号配線は、複数の電気部品における接続端子間の距離が、例えば配線のパターン30AK11D〜30AK13Dが構成する信号配線など、第2形状を含む信号配線よりも長くてもよい。これにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板を小型化するために適切な基板構成が可能になる。
例えばスペース領域30AK0SPなど、第2形状となる信号配線に近接する所定領域には、導体が設けられていなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
基板には、例えばスルーホール30AK1H、30AK2Hなど、基板の一面に設けられた信号配線と基板の他面に設けられた信号配線とを電気的に接続可能なスルーホールが設けられ、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長は、スルーホールにより接続された信号配線について、スルーホールの長さを含めて同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
基板は、例えば表面層30AK1S、グランド層30AK1L、電源層30AK2L、配線層30AK3L、電源層30AK4L、裏面層30AK2Sなど、複数の層を含み、複数の層のうち第2形状となる信号配線が設けられる層に隣接するグランド層30AK1Lなどの導体層では、信号の伝送が行われなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
複数の電気部品として、例えばCPU103など、所定の処理を実行可能な処理手段と、例えばRAM102など、処理の実行に関する情報を記憶可能な記憶手段とが接続されてもよい。これにより、複数の電気部品として処理手段や記憶手段に接続された複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば領域30AK10Rなど、複数の信号配線が平行または略平行な第1形状となる平行配線部と、例えば領域30AK11Rなど、複数の信号配線が第1形状とは異なる第2形状となる特定配線部とを含み、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、例えば配線のパターン30AK10Dなど、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、直線形状または略直線形状を含む第1形状となる第1パターンと、例えば配線のパターン30AK11D〜30AK13Dなど、複数の信号配線のうち第1パターンに含まれない他の信号配線が、第1形状とは異なる第2形状となる第2パターンとを含み、第1パターンおよび第2パターンは、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
あるいは、例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図17に示すように、複数の信号配線を構成するパターンが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、パターンは、複数の信号配線のうち少なくとも1の信号配線が、区間30AK0SCなどの所定区間を最短または略最短の距離で接続する配線のパターン30AK10D、30AK11Dなどの第1パターンと、複数の信号配線のうち第1パターンに含まれない他の信号配線が、所定区間を第1パターンよりも長い距離で接続する配線のパターン30AK12D、30AK13Dなどの第2パターンとを含み、第1パターンおよび第2パターンは、複数の信号配線に含まれる各信号配線の配線長が、同一または略同一となってもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
第1パターンは、複数の電気部品における接続端子間の距離が、第2パターンよりも長くてもよい。これにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板を小型化するために適切な基板構成が可能になる。
例えばスペース領域30AK0SPなど、第2パターンに近接する所定領域には、導体が設けられていなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
基板は、例えば表面層30AK1S、グランド層30AK1L、電源層30AK2L、配線層30AK3L、電源層30AK4L、裏面層30AK2Sなど、複数の層を含み、複数の層のうち第2パターンに含まれる信号配線が設けられる層に隣接するグランド層30AK1Lなどの導体層では、信号の伝送が行われなくてもよい。これにより、複数の信号配線での電磁波ノイズによる電磁妨害が防止あるいは抑制される適切な基板構成が可能になる。
(特徴部42AKの課題解決手段および効果に関する説明)
例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図25(A)に示すように、複数の信号配線を構成するパターンとして、例えば配線の第1パターン42AK10と配線の第2パターン42AK11などの第1パターンと第2パターンとが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、第1パターンおよび第2パターンのうち一方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第1形状部42AK10Lなど、直線または略直線の第1形状となる第1形状部に対応して、第1パターンおよび第2パターンのうち他方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第2形状部42AK11Mなど、第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部を含み、例えば第1形状部42AK11Lなど、他方のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して、例えば第2形状部42AK10Mなど、一方のパターンにより構成される信号配線が第2形状部を含む。これにより、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板を小型化するために適切な基板構成が可能になる。
第1パターンと第2パターンは、各信号配線の配線長が同一または略同一となるように形成されていてもよい。これにより、複数の信号配線で伝送される信号の遅延時間差を減少させる適切な基板構成が可能になる。
例えば図26に示すように、第2形状部は、第1パターンにより構成される信号配線と第2パターンにより構成される信号配線とで異なる方向に形成されてもよい。これにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができ、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
例えば図27に示すように、第2形状部は、第1パターンにより構成される信号配線と第2パターンにより構成される信号配線とで異なる配線幅に形成されてもよい。これにより、各信号配線における特性インピーダンスを容易に調整して、電気信号の種類などに応じた適切な伝送が可能になる。
例えば図28(A)に示すように、第2形状部は、第1パターンにより構成される信号配線と第2パターンにより構成される信号配線とが平行または略平行に形成される平行配線部を含んでもよい。これにより、基板面における配線のパターン設計を容易かつ柔軟に行うことができ、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
例えば図29(A)および図29(B)に示すように、第1パターンまたは第2パターンにより構成される信号配線における第2形状部にて、他のパターンにより構成される信号配線と接続されるように実装された回路部品42AK1Rなどの回路部品を備えてもよい。これにより、信号配線における伝送特性などを適切に調整することができ、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
例えば図29(A)に示すように、第1パターンまたは第2パターンにより構成される信号配線における第2形状部とは異なる第1形状部42AK52Lなどの配線部に接続されるように実装された回路部品42AK2Rなどの回路部品を備えてもよい。これにより、信号配線における伝送特性などを適切に調整することができ、配線のパターンを配置する基板面積の増大が抑制されて、基板の小型化を図ることができる。
(特徴部43AKの課題解決手段および効果に関する説明)
例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図30に示すように、複数の信号配線を構成するパターンとして、例えば配線の第1パターン43AK10と配線の第2パターン43AK11などの第1パターンと第2パターンとが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、第1パターンおよび第2パターンのうち一方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第1形状部43AK10L、43AK11Lなど、直線または略直線の第1形状となる第1形状部に対応して、第1パターンおよび第2パターンのうち他方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第2形状部43AK10M、43AK11Mなど、第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部を含み、例えばテストポイント43AK10P、43AK11Pなど、第2形状部に接続確認用の特定導体部が設けられている。これにより、配線のパターンを適切に配置でき、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
特定導体部は、例えばはんだ、あるいは銅箔などの金属材料を用いて形成され、例えば図30に示す配線幅W5<直径W6のように、第1パターンまたは第2パターンにより構成される信号配線の配線幅よりも広くなるように形成されていてもよい。これにより、信号配線の電気特性検査を容易に行うことができ、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
基板は、例えば図31に示す表面層44AK1S、グランド層44AK1L、電源層44AK2L、配線層44AK3L、電源層44AK4L、裏面層44AK2Sなど、複数の層を含み、特定導体部は、複数の層のうち特定導体部が設けられる層とは異なる導体層と、例えばスルーホール44AK1H、44AK2Hなどのスルーホールにより接続されてもよい。これにより、信号配線や導体層の電気特性検査を容易に行うことができ、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
(特徴部44AKの課題解決手段および効果に関する説明)
例えばパチンコ遊技機1など、遊技が可能な遊技機であって、例えば図30に示すように、複数の信号配線を構成するパターンとして、例えば配線の第1パターン43AK10と配線の第2パターン43AK11などの第1パターンと第2パターンとが形成され、複数の信号配線によりRAM102やCPU103などの複数の電気部品が接続された主基板11などの基板を備え、第1パターンおよび第2パターンのうち一方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第1形状部43AK10L、43AK11Lなど、直線または略直線の第1形状となる第1形状部に対応して、第1パターンおよび第2パターンのうち他方のパターンにより構成される信号配線が、例えば第2形状部43AK10M、43AK11Mなど、第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部を含み、例えば図31に示す表面層44AK1Sなど、基板の一面に、例えば配線のパターン44AK10P、44AK11Pにより構成される信号配線などの第2形状部を含む信号配線が設けられ、例えば裏面層44AK2Sなど、基板の他面に、例えばテストポイント44AK11TPなど、接続確認用の特定導体部が設けられている。これにより、信号配線や導体層の電気特性検査を容易に行うことができ、配線のパターンを適切に配置するとともに、各種の構造物を適切に配置して、基板面積の増大が抑制され、基板の小型化を図ることができる。
(特徴部45AKの課題解決手段および効果に関する説明)
図36に示すように、平面視した場合に、矩形状の電子部品45AK60は、その辺45AK60a〜45AK60dが、矩形状のヒートシンクの辺45AK40a〜45AK40dと平行とならないように配置されている。これにより、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
各辺をヒートシンクの辺45AK40a〜45AK40dと平行となるように配置した電子部品45AK61を、中心点Oを中心に所定角度θだけ回転させることで、電子部品45AK60の配置とすることができる。所定角度θは例えば略45°である。これにより、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
ヒートシンク45AK40を、左右方向に平行に配列されたフィン45AK42が上下方向を向くように配置している。これにより、下方から上方に向けて移動する空気を、上下方向に沿ったフィン45AK42の間に通すことができ、上方向に移動する空気の流れを阻害することなく、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
電子部品45AK60とヒートシンク45AK40との間に介在した熱伝導シート45AK70を、両面が粘着する柔軟な熱伝導シートとしている。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を、熱伝導シート45AK70を介してヒートシンク45AK40にスムーズに伝えることができ、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
後ケース45AK30には、発熱性の電子部品45AK60にヒートシンク45AK40を押圧する支持部45AK35が設けられている。これにより、電子部品45AK60から発生した熱を、熱伝導シート45AK70を介してヒートシンク45AK40にスムーズに伝えることができ、電子部品45AK60から発生した熱の放熱効果を高めることができる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、複数の信号配線を構成する第1パターン(例えば配線の第1パターン42AK10など)と第2パターン(例えば配線の第2パターン42AK11など)とが形成され(例えば図25(A)を参照)、前記複数の信号配線により複数の電気部品(例えばRAM102とCPU103など)が接続された基板(例えば主基板11など)を備え、前記第1パターンおよび前記第2パターンのうち一方のパターンにより構成される信号配線が、直線または略直線の第1形状となる第1形状部(例えば第1形状部42AK10Lなど)に対応して、前記第1パターンおよび前記第2パターンのうち他方のパターンにより構成される信号配線が、前記第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部(例えば第2形状部42AK11M)を含み、前記他方のパターンにより構成される信号配線における前記第1形状部(例えば第1形状部42AK11Lなど)に対応して、前記一方のパターンにより構成される信号配線が前記第2形状部(例えば第2形状部42AK10Mなど)を含み、さらに、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、前記注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図53(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図56(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図51に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、適切な基板構成が可能になる。また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
なお、複数の信号配線を構成する第1パターンと第2パターンとが形成され、第1パターンおよび第2パターンのうち一方のパターンにより構成される信号配線が、直線または略直線の第1形状となる第1形状部に対応して、第1パターンおよび第2パターンのうち他方のパターンにより構成される信号配線が、第1形状とは異なる第2形状となる第2形状部を含み、他方のパターンにより構成される信号配線における第1形状部に対応して、一方のパターンにより構成される信号配線が第2形状部を含むように構成される基板は、遊技機に搭載される複数の基板(例えば、主基板11、9031、演出制御基板12、9080、音声制御基板13、9070、ランプ制御基板14、払出制御基板9037)のうちの一部の基板(例えば、主基板11、9031と演出制御基板12、9080)としてもよいし、遊技機に搭載される複数の基板のすべての基板としてもよい。また、注意喚起の実行に係る制御基板(例えば、主基板11、9031と演出制御基板12、9080)の信号配線を上記した構成にすれば、注意喚起に係る制御基板を適切な基板構成とすることができる。
さらに、適切な基板構成が可能になり、また、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90100等)を備え、前記注意喚起手段は、少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、前記有利状態が終了したとき(たとえば、エンディング期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、のめり込み防止画像90131を表示する等)であり、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで異なる態様によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、客待ちデモ状態のときには、図53(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図56(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する、図51に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図40はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図41は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図42参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図42参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図42参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図42参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図42参照)が設けられていればよい。図40に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、十字キースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図40に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図41の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。また、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、時短状態に制御されるが、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図41に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変大当りは、次回の大当りが発生するという条件が成立するまで終了しないようにしてもよい。
図42は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図42には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図43は、各乱数を示す説明図である。図43においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム´1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図44は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図44(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図44(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図44(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図44(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図44(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図44(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図44(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図44(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図44(B)、および、図44(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図44(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図44(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図44(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図44(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図44(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図44(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図44(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図44(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図44(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
図45は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図45に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図45のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。コマンド9000(H)は、遊技機に関する電力供給が開始されたときに送信される初期化を指定(電源投入時の初期画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9200(H)は、遊技機に関する電力供給が再開されたときに送信される停電の復旧を指定(停電復旧画面を表示することを指定)するコマンドである。コマンド9F00(H)は、客待ちのデモンストレーション表示を指定(客待ちデモ状態であることを指定)するコマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、客待ちデモ指定コマンドを受信後、所定期間経過後に遊技者が遊技を行なっていない非遊技中(客待ち状態)であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。なお、変動表示中や大当り遊技状態中等の遊技の進行中に停電復旧した場合には、停電したときの遊技の進行状況に対応した状態で復旧される。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に遊技機の動作について説明する。図46は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ90560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560のCPU9056は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単に「S」と示す)901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行なう(S901〜S905)。
次いで、CPU9056は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(S906)。S906でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S907)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、CPU9056は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPU9056は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S908)。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S908では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S9010〜S9013の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9041〜S9042の処理)を行なう。たとえば、電力供給停止時の状態に戻すために、バックアップRAMにバックアップしていた特別図柄プロセスフラグ、異常状態を示すフラグ、遊技停止状態を示すフラグ等のデータを読み出す。このように、バックアップしていた各種データが読み出されると、そのデータを用いて電力供給停止時の状態からパチンコ遊技機901の遊技制御が開始される。そして、S9014に移行する。
S9014において、CPU9056は、乱数回路90503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。そして、CPU9056は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S9015)。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU9056は、まず、割込禁止状態にして(S9016)、初期値用乱数更新処理(S9018)と、表示用乱数更新処理(S9018)とを実行して、再び割込許可状態にする(S9019)。すなわち、CPU9056は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
なお、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、変動パターン種別を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。表示用乱数とは、特別図柄表示器の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示用乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数等が用いられる。
また、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のS9024,S9025でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S9017,S9018の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で初期値用乱数や表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S9017,S9018の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
図47は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図47に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図48は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図49は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図50は、図49に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[注意喚起について]
この実施の形態では、遊技者に対して各種の注意喚起が実行される。注意喚起としては、遊技者に対して遊技についての様々な注意をパチンコ遊技機901を用いて報知する制御が行なわれる。たとえば、注意喚起として、過度な遊技を抑制させるための報知が行なわれる。この実施の形態では、演出表示装置909の画面上に各種の注意喚起に対応する画像が表示される。なお、このような注意喚起は、画像を表示するだけではなく音を出力することともに実行されるようにしてもよい。以下では、注意喚起として演出表示装置909に表示される注意喚起表示の一例について具体的に説明する。
[のめり込み防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技者に対してパチンコ遊技機901やスロットマシンへの遊技に対してのめり込み過ぎることを防止するための表示としてののめり込み防止表示がある。のめり込み防止表示では、たとえば、「パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字と文字の周りを囲む画像とが表示される。また、のめり込み防止画像には、文字の内容は同じであるが文字の周りを囲む画像や表示面積が異なる複数種類態様の画像が設けられている。このようなのめり込み防止表示により、遊技者に対して遊技にのめり込むことを抑制または注意、遊技者に対して遊技に大金を注ぎ込むことを抑制または注意が行なわれる。
[取り忘れ防止表示について]
注意喚起表示としては、遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのプリペイドカード等の取り忘れに関するカード取り忘れ防止の表示としての取り忘れ防止表示がある。取り忘れ防止表示では、たとえば、「プリペイドカードの取り忘れや盗難にご注意ください。」という文字とともにカードの排出を示す画像が表示される。なお、カードではなく遊技に使用可能な遊技球等の遊技用価値の大きさを特定可能な情報として残高情報等が記録された遊技用記録媒体としてのコイン等の別の形状のものを対象として注意喚起を実行してもよい。
[その他の注意喚起表示について]
その他の注意喚起表示として「18歳未満の遊技は法令により禁止されています。」という18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示、「不正行為は犯罪です。」という不正行為を抑制するための注意喚起表示、「攻略法を装った詐欺にご注意ください。」という詐欺行為を抑制するための注意喚起表示等が文字と画像とにより表示される。なお、その他の注意喚起表示は、上記に示すもの以外であってもよく、たとえば、パチンコ遊技機901の外枠等に可動式の役物を設けた場合に、当該可動式の役物の動きにより、けがをしないように注意するものであってもよい。
[表示タイミングついて]
上記のような注意喚起表示は、所定期間に亘り遊技を実行していない場合に移行される客待ちデモ状態中、大当り遊技状態が終了したときのエンディング期間中、演出内容を変更するためのメニュー画面の表示期間中等の各表示期間において表示される。注意喚起表示は、表示の種類や表示期間に応じて様々な表示態様で表示される。このような、注意喚起表示について以降に説明する。
図51は、客待ちデモ状態中および大当り終了後の各種表示について説明するための図である。図51(a)は、客待ちデモ状態中(以下、単にデモ中とも称する)におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。また、図51(b),(c)は、大当り終了後のエンディング期間中におけるのめり込み防止表示を含む各種表示について説明するための図である。図51(b)は、1回目の大当り終了後の表示を示し、図51(c)は、大当りが連続したときの2回目以降の大当り終了後の表示を示している。
この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信後に所定期間経過すると非遊技中であると判定し、デモンストレーション画面の表示を実行する。客待ちデモ指定コマンドは、始動入賞が発生せず第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがない場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側から演出制御用マイクロコンピュータ90100側に送信される。デモ状態は、新たな始動入賞の発生等の遊技が開始されたことに伴って終了する。
図51(a)に示すように、デモ中には、演出表示装置909の画面上に最終のハズレの停止図柄である3図柄(たとえば、「375」等の3つの数字図柄等)の表示が15秒間表示された後に、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間表示される。その後、注意喚起表示として、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが6秒間表示される。詳細な表示内容については、図53で後述する。
また、図51(a)に示すように、パチンコ遊技機901を初期化した場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から画面上の表示が始まる。それに対し、客待ちデモ中に停電により電力供給が停止され再開する停電復旧があった場合には、デモ状態の最初の画面である3図柄表示から演出が開始されるのではなく、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とが実行されるタイミングから画面上の表示が始まる。
次に、図51(b)に示すように、1回目の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。エンディング表示では、エンディングの背景画像が10秒間表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示が実行され、その後、大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す確変回数表示(時短回数表示)が表示される。また、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにプリペイドカード取り忘れ防止表示とのめり込み防止表示とが表示される。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示(製造者情報とも称する)とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
また、図51(c)に示すように、2回目以降の大当り終了後のエンディング期間中において、エンディング表示がされる。ここで、2回目以降の大当りとは、最初の大当りを含む大当り終了後の100回の変動表示中(確変状態中や時短状態中)に再度大当りとなったときの大当りである。このような連続した2回目以降の大当りでは、1回目の大当りと同じように、エンディング表示として、10秒間エンディングの背景画像が表示されている間に大当り中に選択された大当り終了後の演出モードについての情報であるモード表示と大当り終了後の確変回数(時短回数)を示す情報である確変回数表示(時短回数表示)とが表示される。しかし、1回目の大当りとは異なり、エンディング表示の終了2秒前からは、エンディング表示とともにのめり込み防止表示が表示されるが、プリペイドカード取り忘れ防止表示は表示されない。その後、パチンコ遊技機901の製造者を示すメーカーロゴ表示とともに、のめり込み防止表示が2秒間表示される。
図51に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短いため、大当りが終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
[節電モードついて]
次に、節電モードについて説明する。この実施の形態では、所定時間客待ちデモ状態が継続したときは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度を低く抑えて省電力状態とする節電モードが実行される。節電モードは、図51で示した3図柄表示の15秒、機能紹介ムービーの39秒、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との6秒の合計60秒のデモ状態が3回実行された後に移行される。つまり、客待ちデモ状態が開始されてから3分経過後に節電モードへと移行する。また、節電モードは、遊技を開始することを条件に終了する。たとえば、節電モードは、遊技球を遊技領域907に打込んだことにより終了する。また、節電モードは、プッシュボタン90120やスティックコントローラ90122を遊技者が操作することにより終了する。なお、節電モードは、ハンドルにセンサが設けられている場合に、当該センサに触れることで遊技者の操作を検知することにより終了するようにしてもよい。
このような、節電モードは、遊技店員によりON/OFFの設定が可能となっている。節電モードの設定方法は、たとえば、演出制御基板9080に機械的なハードスイッチを設け、このハードスイッチが特定の態様となっている状態で電源投入されると、設定画面が表示されるようにすればよい。ここで、特定の態様とは、0〜9、A〜Fの項目にスイッチを切替可能なもので、たとえば、項目Fに設置されている状態である。項目Fに設置された状態で電源投入がされると節電モードが実行するか否かの設定画面が表示される。その後、ハードスイッチを0〜5のいずれかにすれば遊技者が音量調整可能な状態となり(0が最少音、5が最大音)、6〜Bのいずれかにすれば遊技者が音量調整できず音量が固定される状態となる(6が最少音、Bが最大音)。なお、光量調整は、どの状態でも設定可能である。光量調整のみの場合であれば、メニュー画面を開いたとしても音量調整はできないようになる。また、C〜Eが選択されている場合は、0と同じ状態である。
図52は、客待ちデモ状態中および節電モード中の各種表示について説明するための図である。図52(a)は、客待ちデモ状態中から節電モード中へ移行する際の各種表示を示している。また、図52(b)は、客待ちデモ状態中において、特に、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示との表示態様について示している。
図52(a)に示すように、客待ちデモ状態として3図柄表示、機能紹介ムービー、その他注意喚起表示とのめり込み防止表示とを1セットとするデモ状態が3回実行された後に節電モードに移行される。節電モードでは、演出表示装置909の液晶のバックライトの輝度が低下するため画面が暗くなる。よって、節電モード中は、暗い画面において3図柄表示が15秒実行された後、機能紹介ムービーが39秒実行されることとなる。しかしながら、節電モード中は、機能紹介ムービーの後にその他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが表示されることはない。節電モード中は、機能紹介ムービーの後に再び3図柄表示へと移行される。
そして、節電モードが終了したときには、最初に表示される画面においてのめり込み防止表示が5秒間表示される。その後、始動入賞による図柄の変動表示が開始されなければ、再度3図柄表示から始まるデモ状態に移行する。
次に、その他注意喚起表示と、のめり込み防止表示との表示態様について図52(b)により説明する。その他注意喚起表示としては、前述した18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示等がある。ここでは、説明の都合上、複数種類のその他注意喚起表示のうち、18歳未満の遊技を禁止する注意喚起表示を注意喚起A、不正行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起B、詐欺行為を抑制するための注意喚起表示を注意喚起Cとして説明する。
図52(b)に示すように、その他注意喚起表示とのめり込み表示とは6秒間の間に表示と消去とが実行される。ここで、表示の単位として1F(フレーム)を用いる。この実施の形態では、1Fが1/30秒に相当する。まず、複数のその他注意喚起表示のうち注意喚起Aが15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、142Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Aは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Bは、6Fの非表示期間の後、注意喚起Aのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、136Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Bは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
注意喚起Cは、12Fの非表示期間の後、注意喚起Aおよび注意喚起Bのフェードイン期間の途中から15F(0.5S)のフェードイン期間に亘りフェードインし、130Fの表示期間に亘り表示される。その後、注意喚起Cは、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。
のめり込み防止表示は、35Fの非表示期間の後、注意喚起A、注意喚起Bおよび注意喚起Cのフェードイン期間の終了後に10Fのフェードイン期間に亘りフェードインし、112Fの表示期間に亘り表示される。その後、のめり込み防止表示は、9F(0.3S)のフェードアウト期間に亘りフェードアウトし、14Fの非表示期間に亘り非表示となる。のめり込み防止表示のフェードイン期間は、他の注意喚起表示よりも短く設定されている。このようにすれば、最終ののめり込み防止表示を他の注意喚起よりも早く出現させることができ、表示にメリハリを付けることができる。
図52(b)に示すように、注意喚起A、注意喚起B、注意喚起Cおよびのめり込み防止表示は、順番にフェードインし、重なる期間において表示された後、同じタイミングでフェードアウトする表示制御を行なわれる。なお、他の注意喚起のフェードイン期間とのめり込み防止のフェードイン期間は重なっていないが、重なるようにフェードインされてもよい。
このように、のめり込み防止表示と他の注意喚起表示とを同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示することができる。これによれば、複数の注意喚起を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。
また、のめり込み防止表示をその他の注意喚起表示と同一の期間に表示可能であり、その他の注意喚起表示をフェードインさせた後、のめり込み防止表示をフェードインさせ、その他の注意喚起表示とのめり込み防止表示とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[客待ちデモ状態中の画面]
次に、演出表示装置909の画面で表示される各種表示について説明する。図53は、客待ちデモ状態中における画面を示す図である。図53(a)に示すように、客待ちデモ状態の開始時には、左,中,右の演出図柄9091〜9093が画面中央部ではずれ表示結果となる態様で表示される。このような3図柄表示は、15秒間に亘り表示される。次いで、図53(b)に示すように、パチンコ遊技機901の遊び方や演出等の機能を紹介する映像としての機能紹介ムービーが39秒間に亘り表示される。
次いで、図53(c)〜(f)にかけて、3つの他の注意喚起表示90130が左から順番にフェードインする。他の注意喚起表示90130は、画面中央上側に表示される。その後、図53(g),(h)に示すように、他の注意喚起表示90130の下方にのめり込みを防止するためののめり込み防止画像90131がフェードインする。その後、図53(i)に示すように、他の注意喚起表示90130およびのめり込み防止画像90131が同じタイミングでフェードアウトする。そして、図53(j)に示すように、フェードアウト後に所定期間画面が非表示となる。
図53に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図53に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90131を他の注意喚起表示90130と同一の期間に表示可能であり、他の注意喚起表示90130をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90131をフェードインさせ、他の注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
[メニュー画面]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ状態中において、演出表示装置909で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)のアイコン画像で提示する表示画面である。メニュー画面は、階層構造となっている。主な設定項目が一覧形式で表示可能な最初の画面から1つの項目を選択すると、選択された項目ごとに詳細な設定が可能となる。たとえば、主な設定項目として、遊技を実行するときの演出に対応するキャラクタの選択、音量・光量調整、演出のカスタマイズの選択等が可能である。
メニュー画面では、前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラ90122が傾倒操作されることに応じて、上下方向および左右方向に項目の選択が可能であり、プッシュボタン90120が操作されると選択していた項目に決定される。1つ前の画面に戻る場合には、「戻る」の項目でプッシュボタン90120を操作すればよい。
[メニュー操作中の画面]
図54は、メニュー操作中における画面を示す図である。図54(a),(b)に示す客待ちデモ状態中の画面から、プッシュボタン90120を操作することにより、図54(c)のメニュー画面90132が表示される。メニュー画面90132には、選択可能な複数の項目が表示されているが図面を省略する。メニュー画面90132の下方には、のめり込み防止画像90131が表示される。
ここで、メニュー画面90132は複数の画像の階層構造で構成されている。そして、メニュー画面90132のいずれの階層でものめり込み防止画像が表示される。なお、メニュー画面90132の表示階層毎にのめり込み防止画像の表示態様を異ならせてもよい。このようにすれば、メニュー画面90132に表示される内容に応じた態様でのめり込み防止画像を表示することができる。
また、この実施の形態では、注意喚起を実行する前後の演出状態に応じてのめり込み防止画像の表示態様が異なる。具体的には、のめり込み防止画像による注意喚起を実行する前の演出状態として、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。また、後述するように、のめり込み防止画像による注意喚起を実行した後の演出状態として、大当り遊技中において選択した確変中のモードの違いによりエンディング時ののめり込み防止画像の表示態様が異なるようになっている。
図54(c)におけるメニュー画面で、スティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120とによりキャラクタ選択の項目に決定された場合には、図54(d)の画面が表示される。ここで、図54(d)のデフォルトの表示態様は、いずれのキャラクタも設定されていない状態の表示態様である。図54(d)に示すように、複数種類のキャラクタとしてキャラクタXとキャラクタYとのうちいずれかが選択可能な画面が表示される。キャラクタの選択画面においても、のめり込み防止画像90131が表示される。このときののめり込み防止画像90131は、図54(c)の表示態様と同じである。また、こののめり込み防止画像90131がデフォルトの表示態様である。なお、図54(c)のときののめり込み防止画像の表示態様と図54(d)のときののめり込み防止画像の表示態様とは表示態様が異なるようにしてもよい。表示態様が異なるとは、たとえば、違う位置に表示されるもの、違う位置で異なる表示がされるもの(一方に比べて縮小表示されるもの)等である。
図54(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタXが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図54(e)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90133が表示される。図54(e)ののめり込み防止画像90133は、図54(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
また、図54(d)の後に、遊技者がプッシュボタン90120を操作し、キャラクタYが選択されたとする。その後に各種メニューのうち音量・光量調整画面が選択された場合には、図54(f)に示すように、音量・光量調整アイコンの下方にのめり込み防止画像90134が表示される。図54(f)ののめり込み防止画像90134は、図54(c),(d)に示すのめり込み防止画像90131、および、図54(e)に示すのめり込み防止画像90133とは異なる態様で表示される。なお、音量や光量は、スティックコントローラ90122の左右の動作により小・中・大のいずれかの項目が選択された後、プッシュボタン90120を操作することにより選択された音量や光量に決定される。
ここで、いずれのキャラクタも選択せず、デフォルトの表示態様のままであった場合には、図54(c),(d)に示すようなデフォルトののめり込み防止画像90131が音量・光量調整アイコンの下方に引き続き表示される。
図54(e),(f)の状態からスティックコントローラ90122の操作とプッシュボタン90120との操作によりメニュー画面を終了すると、図54(g)の画面となる。図54(g)では、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。このように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。その後、始動入賞が生じなければ、図54(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。なお、図54(g)に示すのめり込み防止画像が、選択したキャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。また、大当り遊技状態中の表示が、キャラクタの種類に応じて異なるようにしてもよい。
ここで、メニュー画面においてのめり込み防止表示がされないものであれば、客待ちデモ状態中にメニュー画面を開くことでのめり込み防止表示が途切れてしまうと、のめり込み防止表示を見る機会が減ってしまう。そこで、この実施の形態では、メニュー画面の階層のいずれの階層にものめり込み防止表示を表示することで、のめり込み防止表示を見る機会を増加させることができる。さらに、メニュー画面の終了時には、画面の中央で大きくのめり込み防止表示が表示されるので、のめり込み防止表示に遊技者を注目させることができる。
なお、メニュー画面の終了時には、通常の客待ちデモ状態で最後の方に設定されているのめり込み防止表示を最初に表示させる制御を行なうことで、メニュー画面の終了時に最初にのめり込み防止表示が表示されるようにしてもよい。
また、メニュー画面中に選択されたキャラクタを判定する判定手段を備えるようにすればよい。メニュー画面中に選択されたキャラクタ情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたキャラクタを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
また、遊技者の操作に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるのではなく、遊技中の演出状態に応じてのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、特定の演出状態への移行抽選に当選し、当該特定の演出状態となったことに応じて、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。より具体的には、所定の抽選や所定のゲーム数により背景変化するものにおいて、背景変化前と背景変化後とでのめり込み防止に関する注意喚起表示の態様が異なるようにしてもよい。
[節電モード中の画面]
次に節電モード中における画面について説明する。図55は、節電モード中における画面を示す図である。客待ちデモ状態として図55(a)に示す3図柄表示、図55(b)に示す機能紹介ムービーが実行された後に、図55(c)に示す注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示される。このような、図55(a)〜(c)のデモ状態が3回実行された後に図55(d)に示す節電モードへと移行する。
節電モード中は、画面の輝度が低下するが、客待ちデモ状態中の演出は継続される。図55(d)に示すように、画面の輝度が低下している状態において3図柄表示が実行された後に、図55(e)に示す機能紹介ムービーが実行される。節電モード中は、その後に注意喚起表示90130とのめり込み防止画像90131とが表示されることはなく、図(f)に示す画面の輝度が低下している状態における3図柄表示が実行された後に、図55(g)に示す機能紹介ムービーが実行され、以下繰返される。
図55(g)に示す状態から節電モード中からプッシュボタン90120が操作されることにより節電モードが終了すると、図55(h)の画面へと移行する。図55(h)では、画面の輝度が元の明るさに戻るとともに、のめり込み防止画像90135が演出表示装置909の画面の中央で大きく表示される。その後、始動入賞が生じなければ、図55(a)に示す客待ちデモ状態の画面となる。
[大当り終了後の画面]
次に大当り終了後の画面について説明する。図56は、大当り終了後における画面を示す図である。図56(a)は、大当り遊技中の画面を示している。大当り遊技中は、15ラウンドのラウンド遊技が実行され、ラウンド遊技終了後に図56(b)に示すエンディング期間に亘ってエンディングの背景画像示すエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138は、図示しないキャラクタ等が背景として表示されるエンディング映像である。エンディング画像90138のフェードイン後、モード情報がフェードインし、その後、大当り後の確変回数情報(または時短回数情報)がフェードインする。モードには、AモードとBモードとが設けられており、大当り遊技中にいずれのモードにするかの選択が可能となっている。各モードによって、大当り終了後に実行される確変状態や時短状態で実行される演出が異なる。
エンディング期間には、エンディング画像とは別に、画面の左下隅の目立たない位置に残高情報が記憶されたプリペイドカードの取り忘れ防止画像90137が表示され、その下方にのめり込み防止画像90136が表示される。エンディング期間では、エンディング画像、および、モードや確変回数情報が表示された後に、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示される。取り忘れ防止画像90137およびのめり込み防止画像90136の表示の詳細については、図56(c)〜(f)において説明する。なお、目立たない位置とは、画面の中央よりも端側の位置等の中央から外れた位置である。また、エンディング期間におけるのめり込み防止画像90136の文字の内容は、客待ちデモ状態におけるのめり込み防止画像90131の文字の内容と同じである。
図56(c)に示すように、エンディング期間においては、プリペイドカードの取り忘れ防止画像90137がのめり込み防止画像90136よりも先にフェードインする。その後、図56(d)に示すように、のめり込み防止画像90136がフェードインする。そして、図56(e)に示すように、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが所定時間表示される。その後、図56(f)に示すように、同じタイミングで取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とがフェードアウトする。
図56(a)〜(f)では、エンディング画像90138、モード情報、確変回数情報(または時短回数情報)、取り忘れ防止画像90137、のめり込み防止画像90136の順でフェードインし、これらの画像がフェードアウトした後に図56(g)の表示となる。図56(g)では、パチンコ遊技機1の製造者を示すメーカロゴ表示としての製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90131が表示される。
このような1回目の大当りの後、図56(h)に示すように、確変状態中や時短状態中に連続して大当り表示結果となったときには、図56(i)に示す大当り遊技中に制御される。連続した2回目の大当りでは、大当り遊技中にBモードが選択されたものとする。そのような場合、図56(j)に示すように、エンディング期間に亘ってエンディング画像90138が表示される。エンディング画像90138では、図示しないエンディング画像が表示される。また、エンディング画像90138の後にBモードの情報、100回の確変回数(時短回数)の情報とが表示される。しかしながら、2回目の大当り遊技の終了後には、1回目の大当り遊技の終了後のときのように、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが画面の左下に小さく表示される。なお、2回目以降の大当り遊技の終了後には、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136との両方が表示されないようにしてもよい。
そして、エンディング画像90138の表示が消去された後に、図56(k)の表示となる。図56(k)では、製造者画像90139が画面中央に表示されるとともに、製造者画像90139の下方にのめり込み防止画像90140が表示される。のめり込み防止画像90140は、図56(g)に示すのめり込み防止画像90131とは異なる態様で表示される。このような、のめり込み防止画像の表示態様の違いは、遊技者が大当り遊技中に選択したモードの種類によるものである。なお、図56(g)ののめり込み防止画像90131や図56(k)ののめり込み防止画像90140は、客待ちデモ状態中に表示されるのめり込み防止画像90131よりも表示面積が小さくなるようにしてもよい。
また、大当り遊技中に選択されたモードを判定する判定手段を備えるようにすればよい。大当り遊技中に選択されたモード情報は、たとえば、RAM90103に記憶され、その情報を元に演出制御用マイクロコンピュータ90100(演出制御用CPU90101)が設定されたモードを判定し、のめり込み防止に関する注意喚起表示の態様を異ならせるようにすればよい。
図56に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
また、図56に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
なお、取り忘れ防止画像90137をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。また、取り忘れ防止画像90137を表示し続ける場合には、1回目の大当りの後は、エンディング画像90138の表示から製造者画像90139の表示にかけて取り忘れ防止画像90137を表示するが、連続した2回目の大当り以降では、エンディング画像90138の表示中は取り忘れ防止画像90137を表示するが製造者画像90139を表示する際に取り忘れ防止画像90137を表示しないようにしてもよい。また、のめり込み防止画像90136をエンディング画像90138が表示された後、製造者画像90139が消去されるまで表示し続けるようにしてもよい。のめり込み防止画像を表示し続ける場合には、エンディング画像90138が製造者画像90139に切替るときにも共通ののめり込み防止画像を表示し続けるようにすればよい。
また、エンディング期間中に表示される各種の画像は、1つの画像の表示が完全に終了した後に次の画像が表示されるようにしてもよい。また、画像がフェードインするタイミングが一部重なるものと重ならないものがあってもよい。また、エンディング画像90138、モード情報および確変回数情報は同時に表示されるようにし、その後、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせてもよい。
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときには、図53(h)に示すように演出表示装置909の画面の下部にのめり込み防止画像90131を大きく表示し、エンディング期間では、図56(b)に示すように演出表示装置909の画面の左下隅にのめり込み防止画像90136を小さく表示する制御を行なっている。このようにすれば、大当りが終了したときに過度にのめり込み防止の注意喚起を実行することで、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能である。そして、図51に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短くなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図53(h),図56(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示面積が小さくなるように設定されている。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図53(h),図56(b)に示すように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像が遊技者に対して目立たない画面の隅に表示される。このようにすれば、大当り遊技状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
この実施の形態では、図56に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、のめり込み防止画像90136と取り忘れ防止画像90137との表示タイミングを異ならせて表示する制御が行なわれる。このようにすれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。よって、遊技者は、複数の注意喚起表示に関する情報を的確に認識することが可能となる。
この実施の形態では、図56に示すように、のめり込み防止に関する注意喚起表示であるのめり込み防止画像90136を取り忘れ防止画像90137と同一の期間に表示可能であり、取り忘れ防止画像90137をフェードインさせた後、のめり込み防止画像90136をフェードインさせ、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる制御が行なわれる。このようにすれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
この実施の形態では、図51,図56に示すように、エンディング期間に表示されるエンディング画像90138および製造者画像90139が表示されている期間に亘ってのめり込み防止画像90131,のめり込み防止画像90136が表示される。このようにすれば、全ての情報を別々で表示することでエンディング期間が間延びすることを防ぎ、大当り遊技状態が終了した後の限られた期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図51,図56に示すように、モード情報や確変回数情報が表示された後に、のめり込み防止画像90136がされる。このようにすれば、先に遊技に関する情報を表示することで、遊技者を表示に注目させることができ、大当り遊技状態が終了した後の期間において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図56(g)に示すように、エンディング画像90138の後に遊技機の製造者を示す製造者画像90139を表示し、その下方にのめり込み防止画像90131を表示する。このようにすれば、製造者情報を表示させつつ、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図56に示すように、取り忘れ防止画像90137の後にのめり込み防止画像90136をフェードインし、製造者画像90139に切替ることに関連して取り忘れ防止画像90137の表示は終了するが、のめり込み防止画像90131は、製造者画像90139の表示が終了するまで継続して表示される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図51,図56(j)に示すように大当りが連続した場合には、取り忘れ防止画像90137は1回目の大当りのときにしか表示しないが、のめり込み防止画像90136は大当り毎に表示する制御を行なっている。これによれば、大当り遊技状態に連続して制御されたときにおいて好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図54(e),(f)に示すように、メニュー画面90132においていずれかのキャラクタの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行する前の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図56(b),(k)に示すように、大当り遊技中において確変中のモードの違いによりのめり込み防止画像の表示態様が異なるように制御される。このようにすれば、注意喚起を実行した後の演出状態とのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様との関係について考慮することで、好適に注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、スティックコントローラ90122やプッシュボタン90120の操作に応じて設定されたキャラクタやモードに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、大当り遊技中において選択した確変中のモードによりのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるように制御される。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。なお、後述する第2実施形態のように、大当り中に楽曲(楽曲に対応する映像)の選択が可能なものであってもよい。このような場合には、大当り中に選択した楽曲(楽曲に対応する映像)によってのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されたときに設定されているキャラクタに応じてのめり込み防止画像の表示態様を異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の好みに応じた好適な注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図51に示すように、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像が表示されるまでの実行時間が異なるように制御されていた。より具体的には、客待ちデモ遊技中において、停電復旧したときと、初期化したときとで、のめり込み防止画像の表示が開始されるまでの時間が異なる。このようにすれば、好適なタイミングでのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図54に示すように、のめり込み防止画像を音量・光量調整アイコンとは重ならない位置に表示するように制御される。このようにすれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
この実施の形態では、図54に示すように、メニュー画面90132は複数の画像による階層構造で構成されている。そして、のめり込み防止画像はメニュー画面90132のいずれの階層にも表示されるように制御される。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図54(g)に示すように、メニュー画面90132の表示を終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図52(a),図55に示すように、節電モード中に画面輝度が低下した輝度低下画像が演出表示装置909に表示されているときには、のめり込み防止画像を表示しないように制御される。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
この実施の形態では、図55(h)に示すように、節電モードを終了することに基づいて、最初にのめり込み防止画像90135が表示されるように制御される。このようにすれば、遊技者がのめり込み防止に関する注意喚起を見逃すことがなく、状況に合わせて注意喚起を好適に実行することができる。
この実施の形態では、図55(b)に示すように、客待ちデモ状態中において、機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。そして、図55(e),(g)に示すように、節電モード中において、のめり込み防止画像以外の機能紹介ムービーを演出表示装置909に表示可能である。このようにすれば、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、操作手段としてスティックコントローラ90122やプッシュボタン90120が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板9080に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図57は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図57により、大当り中の演出について説明する。図57(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置909の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像90170、Bの楽曲に対応する第2選択画像90171、Cの楽曲に対応する第3選択画像90172、Dの楽曲に対応する第4選択画像90173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像90170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像90170〜第4選択画像90173の右側には、映像領域90175が表示される。映像領域90175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像90170が選択されている状態で、映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が特定部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置909の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像90176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像90177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図57(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図57(b)を用いて説明する。図57(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図57(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図57(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域90175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像90176および決定画像90177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図57(c)の状態から、3ラウンド開始時には図57(d)に示すように、画面中央の映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像90176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図57(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図57(e)の楽曲選択画面では、図57(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像90170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像90170は縁取りされて表示される。また、図57(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像90177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、図57(f)に示すように、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図57(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図57(g)のようになる。図57(g)では、図57(f)において「戻る」で示す第1選択画像90170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域90175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図57(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図57(h)のようになる。図57(h)では、図57(f)において「B」で示す第2選択画像90171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域90175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図57(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図57(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図57(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図57(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図57(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしまう虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図57に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図57(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図57(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図57に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図57に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図57(a),(b)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図57(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図57(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13の固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
また、選択された楽曲の種類によって、大当り終了後のエンディング期間において、のめり込み防止画像の表示態様が異なるようにしてもよい。
図58は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図57に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S90601)。演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S90601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90602)。演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90602において、演出制御用CPU90101は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S90602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S90603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90604)。一方、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90604において、演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S90605)。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90605の後のS90606において、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する(S90606)。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S90607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S90608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90601において、演出制御用CPU90101は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90610)。演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S90610でN)、楽曲変更画面を表示する(S90611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S90612)。
S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S90612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S90613)。演出制御用CPU90101は、変更操作がないと判定した場合には(S90613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S90616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、変更操作があると判定した場合には(S90613でY)、画面フラグをセットし(S90614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S90615)、S90617へ移行する。S90612において、演出制御用CPU90101は、画面変更フラグがセットされていと判定した場合には(S90612でY)、S90613からS90615の処理を行なわずに、S90617へ移行する。
S90617では、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90618)。S90617において、演出制御用CPU90101は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90617でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。演出制御用CPU90101は、選択操作があると判定した場合には(S90618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90619)。そして、S90620へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、選択操作がないと判定した場合には(S90618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90620では、演出制御用CPU90101は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、決定操作があると判定した場合には(S90620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S90621)。S90620において、演出制御用CPU90101は、決定操作がないと判定した場合には(S90620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。S90621において、初期楽曲に決定された場合には(S90621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S90621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S90623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
なお、3Rから最終ラウンドの間において何回も楽曲変更が可能となるようにしてもよい。具体的には、S90610およびS90624の処理を実行しないようにすればよい。
[変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起が音の出力や光の発光により実行されてもよい。そして、のめり込み防止に関する注意喚起が実行される状況により表示態様のみではなく音や光の態様が異なるようにしてもよい。なお、表示を変えずに音と光とのみの態様変えてもよいし、音は同じであるが、表示と光との組合わせの態様を変えてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起を客待ちデモ状態中や大当り遊技状態のタイミング以外のタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、変動表示中にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。このような場合には、のめり込み防止に関する注意喚起を複数変動に亘って出すものでもよいし、一変動内のみで出すようなものでもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起を出すタイミングとして、時短終了後の1回転目のタイミングや、電源が投入された朝一番のタイミングや、変動表示が1000回実行されたときのタイミングであってもよい。
前述した実施の形態では、遊技者あるいは店側でのめり込み防止に関する注意喚起を実行する頻度、タイミング、場面等を変更できるようにしてもよい。たとえば、元々のめり込み過ぎるまで遊技をすることがないという遊技者にとっては、のめり込み防止に関する注意喚起を不快に感じる恐れがある。よって、遊技者がプッシュボタン90120等の操作手段を用いメニュー画面からのめり込み防止に関する注意喚起の実行を制限できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示を先にフェードインさせた後に、他の注意喚起表示をフェードインさせるようにしてもよい。このようにすれば、のめり込み防止に関する注意喚起表示の表示期間を長くとることができる。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインした後に、のめり込み防止に関する注意喚起表示をフェードインさせる表示制御を行なっていた。しかしながら、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインさせた後に、いずれか一方の表示を先にフェードアウトしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同一のタイミングでフェードインした後に、同一のタイミングでフェードアウトするようにしてもよい。また、のめり込み防止に関する注意喚起表示と他の注意喚起表示とを同時にフェードイン(またはフェードアウト)するときと、異なるタイミングでフェードイン(またはフェードアウト)するときとで表示態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。そして、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とは一度消去された後に、製造者画像90139とともにのめり込み防止画像90131が再び表示されていた。しかしながら、エンディング画像90138が表示されているときに表示されたのめり込み防止画像は、製造者画像90139の表示が終了するまで表示し続けるようにしてもよい。具体的には、のめり込み防止画像を表示したままで、エンディング画像90138と取り忘れ防止画像90137の表示から製造者画像90139の表示に切替わるようにすればよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138とともに、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とが表示された後に、製造者画像90139が表示される場合を説明した。しかし、大当り遊技状態の終了時にエンディング画像90138を表示した後に、製造者画像90139を表示し、その後、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示してもよい。そして、大当りが連続した場合には、2回目以降の大当りにおいて製造者画像90139を表示した後に、取り忘れ防止画像90137とのめり込み防止画像90136とを表示しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短い場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示期間が短いようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示期間を長くすることにより、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さい場合について説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示面積が小さくなるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間において、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときと大当り終了後のエンディング期間のときとで、のめり込み防止画像の素材として同じ素材を用いるようにしてもよい。このようにすれば、データ容量を削減することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示される場合を説明した。しかしながら、大当り終了後のエンディング期間のときよりも客待ちデモ状態のときの方が、のめり込み防止画像の表示位置が目立たない位置で表示されるようにしてもよい。このようにすれば、エンディング期間のときの表示位置を目立たせることができ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中は、画面の隅で常にのめり込み防止に関する注意喚起が実行されるようにしてもよい。また、前述した実施の形態では、始動入賞が発生しデモ状態が終了したときには、すぐにのめり込み防止に関する注意喚起を終了してもよいし、始動入賞が発生した後の所定期間のめり込み防止に関する注意喚起を実行した後に終了するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、大当りのエンディング期間において、図53(h)に示したような他の注意喚起表示が実行されるようにしてもよい。このような場合であっても、まずエンディング画像としてエンディング映像を表示し、モードの表示や大当り後の確変回数(または時短回数)といった遊技に関する情報を表示した後に、他の注意喚起表示が表示されるようにすればよい。また、他の注意喚起表示は、製造者画像90139が表示された後に表示されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図51,図56に示すように、1回目の大当りでは、取り忘れ防止画像90137と、のめり込み防止画像90136とが表示され、連続した2回目以降の大当りでは、取り忘れ防止画像90137が表示されず、のめり込み防止画像90136のみが表示される場合について説明した。しかしながら、1回目の大当りと2回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものではなく、2回目までの大当りと3回目以降の大当りとで注意喚起の態様が異なるものでもよく、大当りが所定回数連続したことを条件として注意喚起の態様が異なるものでもよい。たとえば、大当りが5回までは、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、大当りが5回以上連続したときは、取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136も表示されないように制限してもよい。
前述した実施の形態では、確変状態には制御されるが出玉を得られない突然確変大当りを設けてもよい。そして、突然確変大当りに制御された場合には、1回目の大当りまたは連続した大当りに関係なく取り忘れ防止画像90137とともにのめり込み防止画像90136を表示しないようにしてもよい。このように、不利な大当りに当選したときには、有利な大当りに当選したときと異なる態様としてもよい。
前述した実施の形態では、確変大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示せず、のめり込み防止画像90136のみを表示し、通常大当りのときには、取り忘れ防止画像90137を表示するとともに、のめり込み防止画像90136を表示してもよい。このように、大当りの種類により注意喚起の態様を異ならせるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を演出表示装置909に表示可能であった。しかしながら、のめり込み防止画像は、文字の内容が全く同じものに限らず、表現が類似しており同じ情報を伝えるものであれば別の態様であってもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、メニュー画面におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なっていた。しかしながら、大当り遊技状態に制御される前に選択したキャラクタの種類により、大当り遊技状態終了後のエンディング期間におけるのめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。また、通常遊技状態において複数種類の演出モードを設定可能とし、その設定されたモードに応じて、客待ちデモ状態中やエンディング期間中ののめり込み防止に関する注意喚起の実行態様が異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、注意喚起としてのめり込み防止画像の表示態様と、のめり込み防止の表示に対応する音の出力とが含まれているようにしてもよい。そして、遊技者が選択したモードによってのめり込み防止画像として共通の画像を表示し、のめり込み防止の表示に対応する音として異なる音を出力するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、のめり込み防止画像の表示の有無を設定可能なスイッチを設けてもよい。たとえば、このようなスイッチは、演出制御基板9080の所定位置に設けるようにすればよい。そして、スイッチをONした状態で電源が投入されることにより、節電モードを実行するか否かの設定と、のめり込み防止画像の表示の有無の設定が実行できるようにすればよい。このようにすれば、遊技店側において好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。なお、のめり込み防止画像の表示の有無とは別に、のめり込み防止画像の表示の大小や表示位置を変更できる操作手段が別途設けられていてもよい。
前述した実施の形態では、図51に示すように、初期化時には、客待ちデモ状態の最初のタイミングである3図柄表示の頭からの画面が表示され、停電復旧時には、客待ちデモ状態の途中のタイミングであるその他注意喚起表示とのめり込み防止表示が実行されるタイミングの画面から表示される場合について説明した。しかし、初期化時と停電復旧時とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行するタイミングが異なっていればよく、別のタイミングであってもよい。たとえば、初期化時に通常背景を15秒程度表示し、その後、客待ちデモ状態を開始させ、最後のタイミングでのめり込み防止表示が実行されてもよい。また、停電復旧時には、その他注意喚起表示を実行することなくのめり込み防止表示が実行されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図53の客待ちデモ状態中の方が、図54のメニュー画面の表示中よりものめり込み防止表示を画面の中央で大きく表示するようにしてもよい。このようにすれば、状況に合わせのめり込み防止に関する注意喚起を好適に実行することができる。なお、メニュー画面の表示中の方が客待ちデモ状態中よりものめり込み防止表示の表示面積が大きくなるようにしてもよい。また、客待ちデモ状態中とメニュー画面の表示中とで、のめり込み防止表示の表示位置が異なることにより遊技者からの見えやすさが異なるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、画面輝度を低下させた節電モード中においても客待ちデモ状態中の演出が継続されていた。しかしながら、節電モード中は客待ちデモ状態中の演出を実行しないようにしてもよい。
前述した実施の形態では、客待ちデモ状態中において、のめり込み防止画像を常に表示するようにしてもよい。このような場合に、節電モード中において、のめり込み防止画像の表示を消去するようにしてもよい。このようにすれば、節電モード中にさらにのめり込み防止画像を表示しないようにすることで、節電モード中に可動意欲が著しく低下することを防止することができる。
前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図57(e)に示すように、現在実行されている項目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、客待ちデモ状態中と、ビッグボーナスやATといった遊技者にとって有利な有利状態が終了したときとに、のめり込み防止表示が実行されるようにすればよい。また、スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。