JP6717994B2 - 仮想現実装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被験者がよりリアリティの高い仮想現実を体験できる装置に関するものである。
被験者であるユーザにヘッド・マウント・ディスプレイを装着し、仮想現実を体験させる装置が提供されている。これら装置では、仮想空間内に仮想オブジェクトを配置して、仮想世界をユーザに見せることができる。このような仮想現実装置は、たとえば、テーマパークのアトラクションなどに用いられたり、完成予想の建物の中を仮想的に歩いたりする場合など、広い用途に用いられている。
しかし、仮想現実装置は、視覚的な仮想世界に留まっており、体感を伴うものでないため、リアリティに欠けるという問題があった。この問題を解決するため、体感を与える装置を設け、仮想現実画像と合致するようにユーザに体感を与える装置が提案されている。
たとえば、特許文献1には、仮想空間内の仮想オブジェクトとユーザとのインタラクションを検出し、触覚効果をユーザに与えるシステムが開示されている。このシステムによれば、ユーザに触覚も与えることになるので、よりリアリティの高い仮想現実を提供することができる。
また、特許文献2にも、錯触力覚誘起装置を用いて同様の効果を与えることのできるシステムが開示されている。
特開2016−126772 特開2015−172943
しかしながら、上記のような従来技術においては、体感をユーザに提供する装置を用意しなければならず、装置が複雑化するという問題があった。
また、ユーザの感じる体感は、触覚だけでなく振動や音など多岐にわたっており、これら全ての装置を用意することは困難であることが多かった。
さらにまた、近くを人が通り過ぎた時の風であったり、近くに人がいるという気配であったりというような体感は、装置にて再現することが難しいという問題もあった。
この発明は、少なくとも上記のいずれか一つの問題を解決して、装置を複雑化することなく、被験者がよりリアリティの高い仮想現実を体験できる装置を提供することを目的とする。
この発明に係る仮想現実装置の独立して適用可能な特徴を以下に列挙する。
(1)(2)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザに対して、仮想現実映像を表示する映像表示部と、スタッフに対する指示を表示する指示表示部と、前記映像表示部に対して、仮想現実映像を出力する映像制御手段と、前記指示表示部に対して、前記仮想現実映像によるユーザの体験内容に合わせて、ユーザに現実の体感を与えるために、スタッフがユーザに対して直接または間接的に働きかけるアクションのタイミングを出力する指示制御手段とを備えている。
したがって、仮想現実映像に合致するように、スタッフが適切なタイミングでユーザに対して働きかけを行うことができ、リアリティを高めることができる。
(3)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザが、そのままの姿勢では自ら歩くことができない状態で仮想現実映像を与えられることを特徴としている。
したがって、視線の位置が限定され、仮想現実を見る前の現実と、仮想現実との合致性を高くすることが容易である。
(4)この発明に係る仮想現実装置は、映像表示部が、ユーザに装着されたヘッド・マウント・ディスプレイであることを特徴としている。
したがって、よりリアリティの高い仮想現実映像を提供することができる。
(5)この発明に係る仮想現実装置は、指示制御手段が、映像表示部から出力されている仮想現実映像を同じタイミングで表示するとともに、前記アクションの内容を、アクションタイミングに同期させて前記指示表示部に表示することを特徴としている。
したがって、仮想現実映像に合わせて、適切なアクションを行うことができる。
(6)この発明に係る仮想現実装置は、指示制御手段が、仮想現実映像をユーザからみた複数の方向に分割して指示表示部に表示することを特徴としている。
したがって、ユーザが見る可能性のある映像をより適切に表示することができる。
(7)この発明に係る仮想現実装置は、指示制御手段が、仮想現実映像をユーザの前後左右の場所に分割して表示し、前記アクション内容を、当該アクションを行うべき場所に対応する分割表示に関連づけて指示表示部に表示することを特徴としている。
したがって、スタッフは、いずれの位置でアクションを行えばよいかを適切に知ることができる。
(8)この発明に係る仮想現実装置は、映像制御手段が、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する直前にユーザの見ている現実と同様の仮想現実映像を、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する際の仮想現実映像とすることを特徴としている。
したがって、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感が少なくなる。
(9)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザが、仮想現実映像の出力を開始する少なくとも直前には、自らの外観を覆い部材で覆われた状態とさせられており、映像制御手段が、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する際に、前記覆い部材で覆われた人が写された仮想現実映像を出力することを特徴としている。
したがって、ユーザの着用している服にかかわらず、現実と仮想現実との合致性を高くすることができる。
(10)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザが部屋の中の所定位置におかれた状態で、前記映像制御手段が、前記仮想現実映像の出力を開始し、仮想現実映像は、当該部屋の前記所定位置からの映像であることを特徴としている。
したがって、現実と仮想現実との合致性を高くすることができる。
(11)この発明に係る仮想現実装置は、映像制御手段が前記仮想現実映像の出力を開始する際、前記ユーザは部屋の中の所定位置におかれた椅子またはベッド上に拘束されていることを特徴としている。
したがって、ユーザの視線や姿態に制限をかけて、現実と仮想現実との合致性をさらに高くすることができる。
(12)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザによって握られている間は第1の状態であり、離すと第2の状態となる緊急停止スイッチと、緊急停止スイッチが第2の状態になると、緊急停止出力部から緊急停止の旨を出力するよう制御する緊急停止制御手段とをさらに備えている。
したがって、ユーザが意識的に緊急停止させない場合にのみ、緊急停止が回避されるような装置を提供することができる。
(13)(14)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザに対して、仮想現実映像を表示する映像表示部と、前記映像表示部に仮想現実映像を出力する映像制御手段とを備えた仮想現実装置において、前記映像制御手段は、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する直前にユーザの見ている現実と同様の仮想現実映像を、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する際の仮想現実映像とすることを特徴としている。
したがって、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感が少なくなる。
(15)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザが、前記仮想現実画像の出力を開始する少なくとも直前には、自らの外観を覆い部材で覆われた状態とさせられており、映像制御手段は、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する際に、前記覆い部材で覆われた人が写された仮想現実映像を出力することを特徴としている。
したがって、ユーザの着用している服にかかわらず、現実と仮想現実との合致性を高くすることができる。
(16)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザが部屋の中の所定位置におかれた状態で、前記映像制御手段が、前記仮想現実映像の出力を開始し、記仮想現実映像は、当該部屋の前記所定位置からの映像であることを特徴としている。
したがって、現実と仮想現実との合致性を高くすることができる。
(17)この発明に係る仮想現実装置は、映像制御手段が前記仮想現実映像の出力を開始する際、ユーザは部屋の中の所定位置におかれた椅子またはベッド上に拘束されていることを特徴としている。
したがって、ユーザの視線や姿態に制限をかけて、現実と仮想現実との合致性をさらに高くすることができる。
(18)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザに仮想現実を提供するための仮想現実装置であって、所定の位置にユーザが案内される導入室と、導入室に案内されたユーザの目に装着され、仮想現実映像を表示するヘッド・マウント・ディスプレイと、開放可能な遮蔽部材によって導入室と遮蔽されて設けられた作業室と、作業室に設けられ、スタッフに対する指示を表示するディスプレイとを備えた仮想現実装置において、ユーザが導入室においてヘッド・マウント・ディスプレイを装着した後に、遮蔽部材を開放してユーザを作業室に案内し、スタッフがユーザに対して直接または間接的に働きかけるための指示を、前記作業室のディスプレイに表示するよう構成したことを特徴としている。
したがって、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着する前に、作業室を見せないようにして、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感を少なくなるようにしている。
(19)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザに仮想現実を提供するための仮想現実装置であって、所定の位置にユーザが案内される作業室と、作業室に案内されたユーザの目に装着され、仮想現実映像を表示するヘッド・マウント・ディスプレイと、作業室に設けられたディスプレイとを備えた仮想現実装置において、ユーザがてヘッド・マウント・ディスプレイを装着した後に、スタッフが、ディスプレイに表示されたユーザに対して直接または間接的に働きかけるための指示を見ることができる状態にするよう構成したことを特徴としている。
したがって、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着する前に、スタッフに対する指示をユーザに見せないようにして、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感を少なくなるようにしている。
(20)この発明に係る構造物は、ユーザに仮想現実を提供するのための構造物であって、ヘッド・マウント・ディスプレイを装着していないユーザが入室し、その後ヘッド・マウント・ディスプレイを装着する導入室と、導入室に隣接し、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着した後に開かれる扉もしくは仕切部材によって、導入室と分離された作業室とを備えた構造物である。
したがって、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着する前に、作業室を見せないようにして、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感を少なくなるようにしている。
(21)この発明に係る構造物は、ユーザに仮想現実を提供するのための構造物であって、ヘッド・マウント・ディスプレイを装着していないユーザが入室し、その後ヘッド・マウント・ディスプレイを装着する作業室と、作業室に設けられ、開放可能な遮蔽部材によって遮蔽されたディスプレイとを備えた構造物である。
したがって、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着する前に、ディスプレイを見せないようにして、ユーザが仮想現実世界へ入る際の違和感を少なくなるようにしている。
(22)この発明に係る仮想現実装置は、ユーザに対して、仮想現実映像を表示する映像表示部と、前記映像表示部に対して、仮想現実映像を出力する映像制御手段と、ユーザによって握られている間は第1の状態であり、離すと第2の状態となる緊急停止スイッチと、緊急停止スイッチが第2の状態になると、緊急停止出力部から緊急停止の旨を出力するよう制御する緊急停止制御手段とを備えている。
したがって、ユーザが意識的に緊急停止させない場合にのみ、緊急停止が回避されるような装置を提供することができる。
「映像制御手段」は、実施形態においては、ステップS2がこれに対応する。
「指示制御手段」は、実施形態においては、ステップS3がこれに対応する。
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
この発明の一実施形態による仮想現実装置の全体構成を示す図である。 導入室20と作業室30の構成を示す図である。 導入室20の内部を示す図である。 デッドマンスイッチ27の外観を示す図である。 仮想現実装置のハードウエア構成である。 仮想現実プログラム52のフローチャートである。 仮想現実映像の例である。 指示映像の例である。 指示が表示された状態の指示映像の例である。 指示が表示された状態の指示映像の例である。 指示が表示された状態の指示映像の例である。 指示が表示された状態の指示映像の例である。 他の実施形態によるユーザの拘束例である。 他の実施形態による作業室30の例である。
1.全体構成
図1に、この発明の一実施形態による仮想現実装置の全体構成を示す。この実施形態では、仮想現実を体験するユーザ2は、椅子4に座らされてベルト(図示せず)などで拘束されている。また、ユーザ2は、映像表示部であるヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)6を装着させられている。映像制御手段8は、HMD6に対し、仮想現実映像を出力する。したがって、ユーザ2は、HMD6により、仮想現実映像を見ることになる。
椅子4のそばには、スタッフ10が配置されている。スタッフ10は、ユーザのみている仮想現実映像に合わせて、ユーザ2に対する働きかけ(椅子4を揺らす、風を当てるなど)を行う。スタッフ10による働きかけが、仮想現実映像と合致するように、指示制御手段12は、スタッフ10に対する指示を出力する。指示表示部14は、この指示を表示する。したがって、スタッフ10は、指示表示部14に表示された指示をみて、ユーザ2に対する働きかけを行うことができる。このようにして、ユーザ2に対し、仮想現実映像とともに振動などを与えて、リアリティのある仮想現実世界を体験させることができる。
図2に、仮想現実装置を実装したセット(構造物)の構造を示す。導入室20と作業室30が設けられている。導入室20には、入口ドア22が設けられている。導入室20と作業室30との間には、分離ドア24が設けられている。分離ドア24に代わりに、カーテンやついたてなどを用いるようにしてもよい。
導入室20には、移動可能なキャスター付きの椅子4、セットとしての雰囲気を出すための机28、棚29などが設置されている。この実施形態では、仮想現実としてユーザにお化け屋敷を体験させようとするものであるから、机28、棚29は、お化け屋敷の雰囲気を出すための小道具となっている。なお、図示していないが、導入室20の壁には、恐怖心をあおるポスターなどが貼り付けられている。
分離ドア24を開けると、椅子4を、作業室30に移動させることができる。作業室30には、スタッフに対する指示を表示するモニタ32、コンピュータ34、作業のための道具が置かれたラック36が設けられている。
図3に、導入室20の内部を示す。中央部に入口ドア22が見えている。また、棚やポスターなどが見えている。
2.仮想現実体験
以下、ユーザに対する仮想現実体験の提供を説明する。この実施形態では、ユーザがHMDを装着するまでの準備段階と、HMDを装着してからの本段階とに分けて実施される。
2.1準備段階
ユーザは、スタッフに案内されて入口ドア22から導入室20に入る。この際、ユーザは、図3に示すような現実の内装を見て、お化け屋敷にいるかのような感じを受けることになる。
続いて、スタッフがユーザを、椅子4に座らせ、身体(手足を含めて)をベルトなどで拘束する。この際、スタッフは、ユーザに対し、握っているとOFFであり、離すとONとなる緊急停止スイッチ27(図4参照)を渡し、右手もしくは左手に握らせる。
仮想現実体験において、ユーザがこれに耐えられなくなり、体験を中止したいと思った場合には、この緊急停止スイッチ27の握りをやめることにより、緊急停止させることができる。
さらに、スタッフは、図1の一点鎖線に示すように、ユーザに対して白いシーツを掛け、HMDおよびヘッドセットを装着させる。なお、この実施形態では、完全クローズ型のHMD(現実の景色が一切見えないタイプのHMD)を用いている。スタッフは、ユーザがHMDを確実に装着したのを確認してから、仮想現実映像の再生を開始するスイッチ(たとえばHMDに設けられている)を押下する。また、スタッフは、ユーザがHMDを確実に装着したのを確認してから、分離ドア24を開ける。これにより、スタッフは、開けたドア越しに、モニタ32の指示を見ることができる。
2.2本段階
開始スイッチが押下されると、コンピュータ34により、ユーザの装着しているHMDに対して仮想現実映像が出力され、作業室30のモニタ32にスタッフへの指示が出力される。
図5に、システムのハードウエア構成を示す。コンピュータ34のCPU40には、メモリ42、モニタ32、ハードディスク44、HMD46、ヘッドセット47、緊急停止スイッチ27、開始スイッチ48が接続されている。ハードディスク44には、オペレーティングシステム50、仮想現実プログラム52、仮想現実映像・音声54、指示映像56などが記録されている。
仮想現実プログラム52は、OS50と協働してその機能を発揮するものである。
仮想現実プログラム52のフローチャートを、図6に示す。CPU40は、開始スイッチ48が押されたかどうかを判断する(ステップS1)。前述のように、スタッフは、ユーザに白いシーツを被せ、ユーザがHMD46、ヘッドセット47を装着したことを確認してから、開始スイッチ48を押す。
開始スイッチ48が押されると、CPU40は、仮想現実映像・音声54を読み出して、HMD46およびヘッドセット47に出力する(ステップS2)。したがって、HMD46には仮想現実映像が映し出され、ヘッドセット47からは仮想現実映像に対応する音声が出力される。
仮想現実映像の冒頭部分は、導入室20において、椅子4に拘束されている人物が見ている映像となっている。したがって、ユーザは、先ほどまで見ていた現実の風景と、仮想現実映像の合致性が高いことから、スムースに仮想現実世界に没入することができる。
この合致性を高めるために、仮想現実映像の冒頭部分は、現実の導入室20の内装や机28、棚29、壁の色、ポスターなどと合致するように制作している。また、仮想現実映像において、案内した現実のスタッフが映像として現れるようにしている。この際、着用している服装や靴なども、仮想現実画像と現実とが同じになるようにしている。なお、仮想現実映像に現れるスタッフと、現実のスタッフを同一人物にできない場合には、できるだけ外観の類似した人物とすることが好ましい。
さらに、ユーザについては、どのような服を着用しているかは予測不可能である。したがって、スタッフの場合のように、現実と仮想現実を合致させることが困難となる。そこで、この実施形態では、ユーザの着用している服を隠すように、仮想現実と同じ白いシーツを被せるようにしている。このようにすれば、仮想現実映像として、白いシーツを被せられた映像を用意しておくことで、現実と仮想現実映像とを合致させることが容易となる。
なお、HMD46には加速度センサが内蔵されており、CPU40は、この加速度センサの出力を受けて、ユーザがいずれの方向を向いているかを判断し、当該方向の仮想現実映像を出力するようにしている。したがって、ユーザが前後左右に顔を動かすことにより、その方向の仮想現実映像がHMD46に映し出されることになる。
図7に、ユーザが前を向いている場合の、仮想現実画像を示す。椅子4に座らされたユーザを覆っているシーツ100やスタッフ10の仮想現実映像が見えている。
続いて、CPU40は、指示映像56を読み出して、ユーザに提示されている仮想現実映像と同期するように、モニタ32に出力する(ステップS3)。両者を同期させる方法としては、両映像に連続的にタイムスタンプを付しておき、このタイムスタンプに従って再生を行って同期を取ることなどで実現できる。なお、連続的なタイムスタンプではなく、所定間隔(ひとまとまりの映像ごと)にタイムスタンプを設けて同期を取るようにしてもよい。
モニタ32は、作業室30に設けられている。したがって、作業室30にいるスタッフは、モニタ32に表示される指示を見ることができる。また、前述のように分離ドア24を開けることによって、導入室20にいるスタッフも指示を見ることができる。
モニタ32に表示された指示映像の例を、図8に示す。画面が四分割され、各領域には前後左右の文字が表示されている。「前」はユーザが前を向いている場合にユーザが見る仮想現実映像、「後」はユーザが後ろを向いている場合にユーザが見る仮想現実映像、「左」はユーザが左を向いている場合にユーザが見る仮想現実映像、「右」はユーザが右を向いている場合にユーザが見る仮想現実映像である。
スタッフは、この指示映像を見て、ユーザが現在どのような仮想現実映像を見ているのかを把握することができる。各領域の下には、指示表示部60、62、64、66が設けられている。この指示表示部60、62、64、66には、スタッフに対する指示が文字で表示される。「前」画像領域に対応する指示表示部60には、スタッフがユーザの前側から行う働きかけの指示が表示される。「後」画像領域に対応する指示表示部62には、スタッフがユーザの後ろ側から行う働きかけの指示が表示される。同様に、「左」画像領域に対応する指示表示部64、「右」画像領域に対応する指示表示部66には、それぞれ、スタッフがユーザの左側、右側から行う働きかけの指示が表示される。
続いて、CPU40は、ユーザが緊急停止スイッチ27をオンにしたかどうか、すなわち、握りを緩めたかどうかを判断する(ステップS4)。ユーザが緊急停止スイッチ27をオンにすると、CPU40は、HMD46に対する仮想現実映像の出力およびヘッドセット47に対する音声の出力を停止する。さらに、指示映像56の出力も停止し、モニタ32に緊急停止である旨の表示を行う(ステップS6)。
緊急停止スイッチ27がオンでなければ、CPU40は、仮想現実映像・音声54を最後まで再生したかどうかを判断する(ステップS56)。最後まで再生していれば、処理を終了する。まだ、再生すべき仮想現実映像・音声54が残っていれば、ステップS2以下を繰り返して実行する。
図9に、再生が進んだ際の指示映像を示す。ここでは、椅子の脚に足を当てるように指示がなされている。なお、この指示は、「前」画面領域に対応する指示表示部60に表示されているので、スタッフは、椅子の前に回って、椅子の脚に、足を当てればよいということがわかる。
また、図9に示すように、指示を示す文字の前に数(図においては「9」)が表示されている。これは、スタッフに対して、9秒後に、このアクションをすることを指示するものである。図10に示すように、仮想現実映像において、人が椅子4の前側に移動している。このタイミングで、数字が「0」となり、椅子の脚に足を当てる。これによって、ユーザは、映像や音だけでなく、振動を介しても仮想現実世界をリアリティを持って体験することができる。
また、図11に示すように、スタッフに対してユーザの前に回って、うちわなどで風を送るような指示も出される。これは、仮想現実映像において、この瞬間に、分離ドア24が開かれることに対応したものである。
その後、スタッフによって椅子4が押されて、作業室26に移動させられる。この間も、仮想現実映像では、お化け屋敷内を移動する映像が流され、スタッフにより移動の際の振動などが与えられる。作業室26に移動した後も、以上と同様にして、ユーザに仮想現実を体験させる。
また、この実施形態では、指示映像56には音声を含めないようにしている。したがって、スタッフは、ユーザが現在どのような映像を見ているかは分かるものの、どのような音声を聞いているかを知ることができない。そこで、図12に示すように、仮想現実映像・音声54にてユーザに与えている音声を、文字にして示すようにしている。図12では、仮想現実映像・音声54により、ユーザがヘッドセット47から、右側の耳元で「それでは行きましょうか」の音を聞いていることを、スタッフは知ることができる。なお、「それでは行きましょうか」の後ろに付された数字は、その音声が出力されるまでの秒数である。
3.その他
(1)上記実施形態では、モニタ32に指示を表示するようにしている。しかし、モニタ32の代わりに各スタッフがHMD(現実も見えるタイプ)を装着し、これに指示を表示するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、モニタ32に、ユーザの聞いている仮想現実音声を文字として表示するようにしている。このようにすることで、体験を待っているユーザに、不用意に音声が漏れることがないという利点がある。しかし、このような問題が無いのであれば、仮想現実音声をスピーカから出力して、スタッフが聞けるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、椅子4にユーザを拘束した状態で、仮想現実世界を体験させるようにしている。しかし、図13に示すようにストレッチャー5にユーザを拘束した状態でも適用することができる。ストレッチャー5の代わりにベッドを用いてもよい。また、ジェットコースターなどの乗物にユーザを拘束した状態等の場合にも適用することができる。
また、ユーザを拘束することで、ユーザからの視界が限定され、現実の風景と仮想現実の風景との合致性を高くすることが容易となる。しかし、そのようなことが問題とならない場合には、ユーザを拘束しなくともよい。
(4)上記実施形態では、導入室20と作業室30を分けて設けている。これは、ユーザがHMDを装着する前にモニタ32の指示映像を見てしまうと、リアリティがなくなってしまうからである。
しかし、スタッフがモニタの代わりにHMDを装着するようにすれば、作業室30のみで実施することが可能である。
また、図14に示すようにして作業室30のみで実施するようにしてもよい。この例では、作業室30にカーテン25を設け、モニタ32を隠すようにしている。ユーザがHMDを装着した後に、このカーテン25を開けて、スタッフがモニタ32の指示を見ることが可能なようにする。
さらに、図14の作業室30において、カーテン25を設けない構成としてもよい。この場合、ユーザが作業室30に入ってきた時には、モニタ32には何も写さないか、あるいは指示映像以外の映像(たとえば、仮想現実に関連した映像)を写しておくようにする。ユーザが作業室30に入ってHMDを装着した後に、モニタ32にスタッフに対する指示を映し出すようにする。
(5)上記実施形態では、指示画面を4つの領域に分けて表示している。しかし、3個以下、5個以上の領域に分けて表示するようにしてもよい。
また、指示画面として、ユーザが見ている方向の画面のみを表示するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、握ると緊急停止せず、握りを緩めると緊急停止するよう構成されたスイッチを緊急停止スイッチとして用いている。これにより、気を失った場合であっても、緊急停止をさせることができる。
なお、スイッチを押すことで緊急停止をするようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ユーザ2が完全クローズのHMD46を装着するようにしている。しかし、現実の外界も見ることのできるHMDを装着するようにしてもよい。さらに、仮想現実映像をHMD46ではなく、外部のディスプレイに表示するようにしてもよい。
(8)上記実施形態では、覆い部材として白いシーツを用いているが、他の色のシーツを用いるようにしてもよい。また、シーツではなく布、服、スキーウエア、ダイビングスーツなどを覆い部材として用いるようにしてもよい。さらに、ユーザを箱などに入れるようにして、箱を覆い部材として用いるようにしてもよい。
上記いずれの場合も、現実に用いる覆い部材と、仮想現実にて提供する覆い部材とは視覚的に同じ(同様の)ものとすることが好ましい。
(9)上記実施形態では、スタッフのユーザに対する働きかけとして、うちわで仰ぐなどを用いているが、お箸で触れる、ティッシュを落とす、ストローで撫でる、水をかける、袋に入れた塩袋を足に置く、ドライヤーの風を当てるなどの働きかけを行うようにしてもよい。また、スタッフが側にいることで、人の気配を与えるという働きかけを行ってもよい。

Claims (7)

  1. ユーザに仮想現実を提供するのための構造物であって、
    ヘッド・マウント・ディスプレイを装着していないユーザが入室し、その後ヘッド・マウント・ディスプレイを装着する導入室と、
    導入室に隣接し、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着した後に開かれる扉もしくは仕切部材によって、導入室と分離された作業室と、
    を備えた構造物であって、
    当該作業室には、ヘッド・マウント・ディスプレイを装着したユーザに、現実の体感を与えるため、スタッフがユーザに対して直接または間接的に働きかけるアクションのタイミングを表示する表示指示部が設けられていることを特徴とする構造物。
  2. ユーザに仮想現実を提供するのための構造物であって、
    ヘッド・マウント・ディスプレイを装着していないユーザが入室し、その後ヘッド・マウント・ディスプレイを装着する導入室と、
    導入室に隣接し、ユーザがヘッド・マウント・ディスプレイを装着した後に開かれる扉もしくは仕切部材によって、導入室と分離された作業室と、
    を備えた構造物であって、
    前記ヘッド・マウント・ディスプレイからは、最初に、覆い部材で覆われた人が写された仮想現実画像が出力され、
    前記導入室には、前記ユーザがヘッドマウントディスプレイを装着する直前に当該ユーザの外観を覆うための前記覆い部材が載置されていることを特徴とする構造物。
  3. 請求項2の構造物において、
    当該作業室には、ヘッド・マウント・ディスプレイを装着したユーザに、現実の体感を与えるため、スタッフがユーザに対して直接または間接的に働きかけるアクションのタイミングを表示する表示指示部が設けられていることを特徴とする構造物。
  4. ユーザに仮想現実を提供するのための構造物であって、
    ヘッド・マウント・ディスプレイを装着していないユーザが入室し、その後ヘッド・マウント・ディスプレイを装着する作業室と、
    作業室に設けられ、開放可能な遮蔽部材によって遮蔽され、ユーザ入室後に開放される表示指示部であって、ヘッド・マウント・ディスプレイを装着したユーザに、現実の体感を与えるため、スタッフがユーザに対して直接または間接的に働きかけるアクションのタイミングが表示される表示指示部と
    を備えた構造物。
  5. 請求項1〜4のいずれかの構造物において、
    前記導入室には、ユーザを拘束するための椅子またはベッドが用意されていることを特徴とする構造物。
  6. 請求項1、3、4または5のいずれかの構造物において、
    前記表示指示部は、前記ヘッド・マウント・ディスプレイから出力されている仮想現実映像を同じタイミングで表示するとともに、前記アクションの内容を、アクションタイミングに同期させて表示することを特徴とする構造物。
  7. 請求項1、3、4、5または6のいずれかの構造物において、
    ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する直前にユーザの見ている現実と同様の仮想現実映像を、ユーザに対し前記仮想現実映像の出力を開始する際の仮想現実映像とすることを特徴とする構造物。
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