JP6717828B2 - 穀物および油糧種子由来の機能的分離物の温和な分別 - Google Patents

穀物および油糧種子由来の機能的分離物の温和な分別 Download PDF

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Description

本発明は、油糧種子、豆類および穀物などの植物源材料から天然のタンパク質を抽出するプロセスに関する。本発明で述べられる天然のタンパク質は、源材料内に未変性の状態で、すなわち溶解性などの食品産業における用途に関する機能的特性が保存され、かつ処理条件によって損なわれていない状態で存在する。本発明で述べられる源材料は植物由来のものであり、有意な量(>5重量%)の天然の油および脂質を典型的に含有する。本発明はさらに、本プロセスを実施する装置、および本発明のプロセスによって得ることができる天然のタンパク質に関する。
世界人口の増加に煽られ、食用タンパク質の世界的な需要は着実に増えている。この傾向は、発展途上国の一人当たりの所得の増加によりさらに強まっている。人間の食物に不可欠な要素として、植物性タンパク質、すなわち植物由来の源材料から得られたタンパク質を使用することが有益であるということが複数の研究において指摘されている。植物性タンパク質の生産は、典型的に、温室効果ガスの排出や土地、水およびエネルギーなどの希少資源の使用の観点から、動物性タンパク質の生産より持続可能である。したがって、植物性タンパク質の使用が増加すれば、将来のより持続可能なタンパク質の供給に大きく貢献するだろう。
植物性タンパク質の主な供給源は、大豆、エンドウ豆、ソラマメなどの豆類、菜種、ヒマワリなどの油糧種子、および小麦やトウモロコシなどの穀物である。植物性タンパク質の人間の食物への使用を増加するために、植物からタンパク質を分離する方法を産業規模で開発する必要がある。問題は、高純度で(すなわち脂肪含有量が少なく、抗栄養因子を含まない)、溶解性、安定した泡沫の形成能力、ゲル形成能力、ならびに吸水および脂肪吸収能力および容量などの望ましい機能的特性が保存された状態で(食用)タンパク質の分離物を得ることである。
油糧種子などの生の植物性タンパク質源から内生の油および脂質を除去する先行技術は、通常、ブタンまたはヘキサンなどの沸点の低い有機溶剤の使用を示唆している。油/脂質の抽出後の生の植物性タンパク質源の残ったタンパク質が豊富な画分内のかかる溶剤の残渣は、その後、時に脱溶媒(トースティング(toasting))と称される、高温および蒸気を使用して溶剤を取り除く、意図的に考案されたステップでの熱の使用によって取り除かれなければならない。残念ながら、かかる劣悪な条件が、タンパク質のその後の抽出性や結果として生じる機能性を大きく制限する場合がある。つまり、一般に適用される脂質/油の抽出方法は、食品産業にとって価値の低い非天然のタンパク質を生み出す。
油糧種子の粉末などの植物性タンパク質源材料を、ヘキサンおよび脱溶媒(トースティング)に供すると、フェノール化合物やフィチン酸塩などの抗栄養因子を含む源材料内に存在するタンパク質の不可逆的相互作用が生じる。これらの相互作用は、タンパク質を分離するその後のプロセスにおいて、これらの抗栄養因子の除去に関する困難を与える。
先行技術で記載された従来型の技術は、タンパク質の機能的特性を損なわずに源材料タンパク質成分から脂質を分離する効果的な方法を提供していないため、植物性タンパク質源材料内の脂質の存在が、処理装置に非常に大きな困難をもたらしている。
攪拌された容器での抽出溶剤と源材料との広範囲の混合および攪拌など、タンパク質を抽出する従来型の技術が適用された場合、油および脂質は、典型的に、タンパク質と共に抽出される。油および脂質は、抽出プロセス中に源材料から放出されると、源材料内に存在するタンパク質によって安定化された乳剤を形成する。大豆粉末の処理に使用されるこうした技術など、タンパク質の分離に関して先行技術で記載された技術を適用することで、タンパク質と共に脂肪の濃縮を生じる。
最終分離物内に存在する脂肪は、それが酸敗臭や、難溶解性、凝結性および変色を含む脂肪に関連する他の問題も引き起こす場合があるので、タンパク質の機能性を著しく損なう。
米国特許出願第005844086A号は、最大10%の脂肪含有量を有するキャノーラ油の油粕からタンパク質を分離するプロセス概念を提案しており、本プロセスは、デカンテーションによって脂肪層を除去する中間プロセスの液体の希釈および冷却と組み合わされた、食塩水中のキャノーラ油の粕からのタンパク質の抽出、圧搾、遠心分離、精密濾過、限外濾過などのステップを含む。かかるプロセスが潜在的にヘキサンで処理されていない油粕に適用される場合はあるが、多ステップのプロセスに起因して産業規模で容易に実施され得る溶液を提供しない。また、マレーのプロセスは、従来型の抽出技術の使用を示唆しているため、有機溶剤を使用する抽出ステップを含み、かつ脱溶媒(トースティング)ステップを含むことに注目すべきである。
国際出願第2013/013949号では、水溶液を含むタンパク質の抽出、濃縮、および水溶性有機溶剤を加えてタンパク質の沈殿物を得るステップを備える、油粕からタンパク質を分離するタンパク質分離プロセスが提供されている。タンパク質の抽出は、水中の生の植物性タンパク質源の懸濁液を提供し、かつ懸濁液を攪拌することによって実行される。攪拌によってタンパク質源に適用されたせん断応力が、源材料からの脂質の放出、およびその後のプロセスステップでの抽出物からの分離が困難な脂肪およびタンパク質の安定した乳剤の形成を誘発する。この現象は、大規模に攪拌された容器内のせん断率が100〜1000/秒のレベルに達することが先行技術[Camperi A.ら、2008年;Carta G、Jungbauer、2010年]で既知であるため、攪拌された容器内の抽出の従来型の技術が産業規模で適用されたときに特に顕著であろう。
国際出願第2014/147068号では、油糧種子を重力で誘起される固液抽出に供するステップと、任意に、結果として生じた中間の水溶性タンパク質溶剤を回収するステップとを備える、油粕からタンパク質を分離するタンパク質分離プロセスが提供される。国際出願第2014/147068号のプロセスに従ってタンパク質分画を分離する多成分システムは、4つのポンプユニットと2つの容器とを備える。比較的大容量の水溶液がタンパク質の分離プロセス中に適用される。
現在の方法および装置は全て、上に例示される欠点のうちの1つ以上を有する。タンパク質の天然の立体構造は、いくつかの従来型の方法では、植物源材料がタンパク質抽出プロセスに供されるとき保存されない。植物源からタンパク質抽出物を回収するプロセス用の装置は、大規模化するのが困難であるか、またはそれが困難な方法で使用されなければならず、いくつかの事例では、多数の部品や大容量の溶剤を必要とする。したがって、本分野は、油糧種子などの植物源からその天然の立体構造でのタンパク質を含むタンパク質抽出物を調製するために、規模拡大可能なプロセスおよびかかる規模拡大可能なプロセスに適した装置を必要とする。本プロセスは、例えば損なわれていない油糧種子の出発材料内にタンパク質の天然の立体構造を残す、緩やかで温和な条件を有するべきである。理想的には、本プロセスは、より少ない溶剤を消費し、かつ理想的には、限定された数の部品、すなわちタンク、ポンプなどを備える。
本発明の第1の態様は、油糧種子の粉末または油粕からのタンパク質抽出物の調製プロセスに関し、本プロセスは、
a)水溶液と油糧種子からの粉砕された粉末または油粕との混合物を容器内に調製することであって、粉砕された粒子が1000μm未満、好ましくは50〜500μmの平均粒子径(d32)を有する、調製することと、
b)容器内に提供された流発生手段を用いて容器内に粉砕された粉末または油粕粒子の流動床を生成し、かつ粉砕された粉末または油粕内に存在するタンパク質の少なくとも一部を水溶液に溶解させることと、
c)容器内に提供された濾過手段を用いて混合物から溶解されたタンパク質の少なくとも一部を流動床状態下で分離し、その結果タンパク質抽出物を得ることと、を備える。
本発明は、油糧種子などの植物源からのタンパク質の温和な未変性の抽出および分離のための改善されたプロセスを提供し、それによってタンパク質が抽出された源材料は、有意な量の内生の油および脂質を含有し得る。本プロセスの目的は、人間による消費を目的とした天然のタンパク質、すなわち天然の食用タンパク質を抽出することである。したがって、本発明のプロセスは天然のタンパク質の機能的特性を保存し、かつ本発明のプロセスは、50℃を超える高温、4未満または10を超える極端なpH、およびタンパク質変性化合物または溶剤の使用などのタンパク質抽出物内のタンパク質の天然の立体構造を損なうプロセスステップを回避する。本発明の一目的は、抽出物内のタンパク質がその天然の立体構造を有する状態で、低い含有量の脂肪および脂質を含むタンパク質の水性抽出物を得ることである。
本発明の第2の態様は、本発明に従った本プロセスによって得ることができるタンパク質抽出物に関する。
本発明の第3の態様は、油糧種子の粉末または油粕からタンパク質抽出物29を調製する装置1に関し、本装置は、下部20’および上部20’’を有する密閉容器20、20aを備え、かつ容器の下部に、水溶液31用分配装置32が配置され、分配装置が第1の方向で容器の下部から容器の上部への水溶液の流れを生成するように配置され、かつ容器が、水溶液用分配装置の上に配置された少なくとも1つの濾過ユニット21をさらに備え、濾過ユニットが実質的に平坦なフィルタ要素を備え、その表面が第1の方向に対して平行であり、かつ4μm〜200μm、好ましくは4〜100μmの範囲の開口径および20%〜50%の空き領域を有するフィルタを備え、かつ濾過ユニットが濾過ユニットの浸透物用の少なくとも1つの出口22を備える。
本発明は、油糧種子、豆類および穀物の粉末または油粕などの植物由来の源材料からの抽出物を調製するプロセスに関し、本プロセスは、
a)粉砕された源材料と水との混合物を容器内に調製し、
b)意図的に設計された流れ分配装置システムを用いて容器の基部に水を供給し、そうすることで水の上向流の流れの中に懸濁された源材料の流動(膨張)床を生成し、
c)床の底に存在する最も粗くて濃い画分と床の上部に存在する油および脂質が豊富な軽い画分とを含む、本システムで生じる力の均衡を反映した材料の成層を有する状態で、容器内の材料がその大きさや密度に起因して明確な画分に分かれるまで水の流れを継続させ、
d)源材料によって形成された床内に浸漬された濾過装置を用いて溶解されたタンパク質を含有する抽出物を容器から引き出すことを備える。
濾過装置は、溶解されたタンパク質を含有する抽出物から、脂肪(油)、脂質、外皮などの源材料の(不溶性)残渣を分離する。残留固形物と関連する脂質相は、実質的に容器(被保持物)内に残り、かつ源材料内のタンパク質に対する脂質の割合と比較した場合、濾過装置(浸透物)の濾液側に回収された抽出物は、低減された含有量の油および脂質を有する。つまり、タンパク質抽出物、すなわち濾液は、容器内の出発材料と比較してタンパク質が豊富である。典型的に、本発明のプロセスを用いて得られたタンパク質抽出物の脂質含有量は、乾燥重量換算で10重量%未満、好ましくは0.5重量%〜4重量%、またはそれ未満であり、本発明のプロセスを用いて得られたタンパク質抽出物のタンパク質含有量は、乾燥重量換算で少なくとも35重量%、好ましくは少なくとも45重量%、またはそれ以上である。
次に、濾液(浸透物)側に回収されたタンパク質抽出物は、好ましくは、非タンパク質窒素化合物、フェノール成分、フィチン酸、炭水化物、グルコシノレートおよび塩などの可溶性化合物を除去する濃縮ステップおよび洗浄ステップに供される。本作業は、技術上既知の適した限外濾過(UF)技術を用いることで達成され得、本プロセスで使用されるUF膜は十分「密で」あり、すなわちタンパク質を被保持物側に保持するのに十分大きい孔を有し、膜の切断側より小さい分子は膜を通過することができ、UFユニットの浸透物側に回収される。
タンパク質抽出物を含むUFステップ後に得られたタンパク質濃縮物は、好ましくは、技術上既知の、かつ例えば[Owusu−apenten R.、2004年]に記載されるような、オズボーンスキームに従ったタンパク質の画分に適した技術のいずれかの適用によるタンパク質画分への分離を含む、さらなるステップで有利に処理される。
菜種タンパク質では、2つの主要なタンパク質画分が、水溶性であるアルブミンナピンであり、かつ食塩水に溶解可能なグロブリンクルシフェリンである。ナピンとクルシフェリンとの両方が70容量%エタノールに溶解しない。
天然のナピンおよびクルシフェリンを含有するUF後に得られたタンパク質濃縮物のイオン強度を低減することが、主に溶剤内にアルブミン画分を残しながら、グロブリン画分の沈殿を誘発することを当業者は知っている。オズボーンスキームで想定されるような、例えば最大約70容量%の濃縮エタノールなどの水溶性溶剤の追加が、溶液内にプロラミン(すなわち70容量%エタノールに溶解可能なタンパク質)を残しながら、アルブミンおよびグロブリンを沈殿させ得ることを当業者は知っている。ナピンおよびクルシフェリンはプロラミンの種類に属さないため、それらはかかるタンパク質画分を含有する水溶液にエタノールを加えた際に沈殿され得る。
タンパク質は、本プロセスで使用される水または溶剤を除去する技術上既知の適した技術によって溶液から分離される。タンパク質の沈殿物および水性タンパク質濃縮物が、技術上既知のスプレー乾燥、真空乾燥、凍結乾燥によって乾燥される。
したがって、本発明の第1の態様は、油糧種子の粉末または油粕からタンパク質抽出物を調製するプロセスに関し、本プロセスは、
a)水溶液と油糧種子からの粉砕された粉末または油粕との混合物を容器内に調製することであって、粉砕された粒子が1000μm未満、好ましくは50μm〜500μmの平均粒子径(d32)を有する、調製することと、
b)容器内に提供された流発生手段を用いて容器内に粉砕された粉末または油粕粒子の流動床を生成し、かつ粉砕された粉末または油粕内に存在するタンパク質の少なくとも一部を水溶液に溶解させることと、
c)容器内に提供された濾過手段を用いて混合物から溶解されたタンパク質の少なくとも一部を流動床状態下で分離し、その結果タンパク質抽出物を得ることと、を備える。
必要に応じて、本発明によるプロセスでは、粉砕された粒子が800μm〜1000μmの平均粒子径(d32)を有する。
本発明によるプロセスでは、200μm未満の平均粒子径(d32)を有する粉砕された粒子が等しく好ましい。
出発材料をより小さい大きさに粉砕することが源材料からのタンパク質の物質移動および抽出に有益であり得ることを当業者であれば理解しているだろう。同じ理由が、源材料内に存在するトリグリセリドおよびリン脂質などの脂質の放出にも当てはまる。したがって、油体が源材料(菜種中など)の自然の部分である脂質を含む油体の過度の破砕を防ぎながら、タンパク質に関する受容可能な抽出収率を達成するような方法で研削(粉砕)条件を最適化することが、本発明の一部である。発明者らは、0〜200μmの範囲の大きさに粉砕された材料を含む本発明による抽出のプロセスを行うことで、タンパク質の抽出は改善されるが、粗抽出物に対する脂質の比較的増加した放出を犠牲にしていることを発見した。同じプロセス条件下で異なる範囲の大きさ(800〜1000μm)に粉砕された同じ植物源材料(菜種粕)でもタンパク質の効率的な抽出を生じるが、同時に被保持物側の脂質の保持率が大きく改善される。
特定の適用された粒子径(範囲)が濾過ユニットのフィルタの目詰まりを誘発しないとき、粉砕された植物源材料の任意の粒子径が本発明のプロセスでの適用に便利であることは、本発明の一部である。上に提供された範囲の粒子径の分布を有する粉砕された油糧種子の粉末を用いた実験の例示は、フィルタの目詰まりを誘発しない本発明によるタンパク質抽出物を明らかにした。適用可能な粒子径に関する本発明の好ましい態様について、下に提供された実施例を参照されたい。
本発明者らは、油糧種子の粉末の大部分の源において、水が本発明のプロセス内で水溶液として適用可能であることを発見した。また、本発明のプロセスの水溶液として例えば0.1M、または2重量%ほどの高さのNaCl溶液が好ましい。有機溶剤を含む水の水溶液からなる流動床も本発明のプロセスにおいて好ましい。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスでは、水溶液が水、または水と20容量%未満の水溶性有機溶剤との混合物から選択され、水溶性有機溶剤が、アルコールおよびケトン、好ましくはエタノールもしくはアセトン、またはそれらの混合物から選択される。
必要とされる場合、保存剤が、本発明のプロセスの水溶液に加えられ得る。実際に、本発明のプロセスは、水溶液が無機塩および/または保存剤をさらに含む場合にも等しく適用可能である。本発明のプロセスで得ることができるタンパク質抽出物の可食性に関する安全要件が、適した無機塩または保存剤の選択を制限する。典型的に、NaClが本発明による水溶液の無機塩として選択される。
本発明によるプロセスでは、必要があれば、水溶液が、無機塩、アスコルビン酸などの保存剤、またはそれらの混合物から選択された少なくとも1つの添加物をさらに含む。特に好ましい無機塩が、NaClであり、好ましくは水溶液が約2重量%のNaCl溶液である。
一般に、植物源由来のタンパク質、例えば、油糧種子内のタンパク質は、4〜10の範囲のpHを有する環境において安定した天然の立体構造を有する。典型的には、例えば油糧種子から抽出されたタンパク質は、約6.5〜7.5、好ましくは7辺りのpHを有する溶剤においてその天然の立体構造を保存する。
したがって、水溶液のpHは、好ましくは、本発明によるプロセスにおいて4〜10、好ましくは6〜8、より好ましくは6.5〜7.5、最も好ましくは約7の範囲である。
実施例の項では、菜種、ヒマワリ、および大豆に対する本発明のプロセスを用いたタンパク質抽出の結果が提供される。粒子の形態で提供された場合、かつ流動床の適用に適している場合、タンパク質を含む任意の植物性材料に対する本発明のプロセスが等しく適している。本発明のプロセスは、油糧種子由来の植物性材料に特に適している。
好ましくは、本発明によるプロセスでは、粉砕された粉末または油粕が、菜種、ヒマワリ、亜麻、リノーラ、ココナッツ、からし種の粉末、綿実、穀物、小麦、ライ麦、オート麦、米、糠、またはエンドウ豆もしくはソラマメなどの豆類から調製されている。当然ながら、他の源の油粕が本発明のプロセスに等しく適用可能である。
本発明者らは、植物由来のタンパク質を含み、かつ食品加工技術の適用に適したその天然の立体構造を有するタンパク質を含む、タンパク質抽出物の提供方法を発見した。当業者は油糧種子から油を抽出する共通の方法、すなわち本発明のプロセスにおいて油糧種子が例えばヘキサン抽出および/またはトースティングに供される方法に対するタンパク質の変性効果を認識しているため、好ましくは、これらの劣悪な油抽出ステップに供されなかった粉砕された油糧種子が適用される。
したがって、粉砕された粉末または油粕が冷間圧搾される、本発明によるプロセスが非常に好ましい。
したがって、粉砕された粉末または油粕が非ヘキサン処理される、本発明によるプロセスも非常に好ましい。
本発明のプロセスによって得られたタンパク質抽出物内の天然のタンパク質の溶解性は、抽出中に適用された水溶液のイオン強度によってある程度決定される。本発明者らは、抽出中の水溶液が0.05〜0.6のイオン強度を有するとき、保存が長持ちする天然の立体構造を有する高度に安定したタンパク質抽出物を得た。例えば(下記の実施例内の好ましい実施形態を参照)、0.1Mまたは2重量%のNaCl溶液を有する良好な結果を得た。
好ましくは、本発明によるプロセスでは、水溶液のイオン強度が、モル濃度単位、すなわち水1kg当たりの溶質の総モル数として表される0.05〜0.6であり、より好ましくは0.3〜0.4である。最も好ましくは、水溶液のイオン強度が、約0.34である。2重量%NaCl溶液は、約0.34のイオン強度を有する。
本発明によるプロセスで得られたタンパク質抽出物内のタンパク質など、自然に折り畳まれたタンパク質の安定性は、溶解されたタンパク質を含む水溶液の温度によって部分的に決定される。本発明のプロセスでは、天然の立体構造を有するタンパク質抽出物が、周囲温度以下で水溶液を適用したときに典型的に回収される。タンパク質抽出物内の天然の立体構造が保存される限り、植物性材料の源に応じた、より高い温度が等しく適している。当然ながら、本発明のプロセスを用いて回収されたかかるタンパク質の天然の立体構造は、タンパク質生化学の当業者に既知の慣用的な分析方法を適用して容易にアクセス可能である。したがって、本発明のプロセスに適した、例えば最適温度は、保存された天然のタンパク質の立体構造に関して容易に決定される。
本発明によるプロセスは、好ましくは、50℃未満、より好ましくは5℃〜30℃、よりいっそう好ましくは10℃〜25℃、最も好ましくは12℃〜16℃のステップb)およびc)中の温度を有する。
食品産業は、植物源由来の自然に折り畳まれたタンパク質を分離する迅速で規模拡大可能なプロセスを待望している。本発明は、迅速で規模拡大可能なタンパク質抽出方法を提供するだけでなく、さらに、本発明のプロセスは、例えば、植物源材料、もしくは脂肪および油内に存在する非食用成分に関するタンパク質が豊富なタンパク質抽出物も提供する。したがって、本発明のプロセスは、タンパク質が豊富なタンパク質抽出物を提供する。
好ましくは、本発明によるプロセスであって、ステップc)のタンパク質が、流発生手段による水溶液の流れの選択されたせん断速度および選択された空塔平均速度によって、流動床状態下で選択的に分離され、その結果濃縮タンパク質抽出物を得る。
本発明のプロセスのうちの重要な態様は、本発明によるプロセスにおいて植物源材料由来の可溶化されたタンパク質と濾過ユニットのフィルタとを含む接線方向に流れる水溶液に関して適用された、低せん断速度である。本発明のプロセスでは、タンパク質を含む溶剤に低せん断速度だけを大幅に適用することが、タンパク質の天然の立体構造の保存に寄与する。
したがって、また好ましくは、本発明によるプロセスであって、ステップc)において、濾過手段を用いた前記分離が、20/秒未満、好ましくは1〜10/秒、最も好ましくは約10/秒の低せん断速度下にある
重要なことに、例えば攪拌、振とうなどを示唆するタンパク質の変性プロセスのステップが本発明のプロセスでは完全に無く、本発明によるタンパク質抽出物内のタンパク質の天然の立体構造の保存にさらに寄与する。攪拌、振とうなどの回避が、個体粒子から水溶液への油滴(脂質、脂肪)の放出を回避することにも大幅に寄与する。これは、フィルタを通る(目詰まりを防ぐ)可溶化されたタンパク質の自由な流れを強化するのに特に有益であり、かつタンパク質抽出物内のタンパク質のさらなる濃縮物(油滴が浸透物に進入することを防ぐことによって)を得るのに特に有益である。
上述の通り、本発明によるプロセスは、上に提供された明細書を満たす限り、事実上任意の植物源のタンパク質を抽出するのに適している。本プロセスは、これより、油糧種子などの脂質が豊富な植物性材料からのタンパクの抽出に特に適している。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスでは、粉砕された粉末または油粕の粒子が、5重量%を超える脂質を含む。
上述の通り、本発明のプロセスは、好ましくはタンパク質含有量が豊富なタンパク質抽出物を提供する。当然ながら、生の出発植物性材料のタンパク質含有量は、回収可能なタンパク質抽出物の濃縮の収率および程度に影響を与える。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスであって、粉砕された粉末または油粕の粒子が、5〜60重量%のタンパク質、より好ましくは10〜40重量%のタンパク質を含む。
低せん断応力が水溶液内の油糧種子の粒子から溶解したタンパク質に適用されることは、本発明によるプロセスに特有の利点である。かかる低せん断応力は、例えば容器の下部に配置された流発生手段によって生成された上向流によって水溶液に適用される。水溶液のかかる上向流のさらなる利点は、かかる粒子の質量および/または密度に関して粉砕された粉末または油粕の粒子の勾配の提供である。典型的に、比較的高い重量または密度を有する容器の粒子の底側面近くに残り得、より軽い粒子は水溶液の流れの方向で容器の縦方向に沿って分布し得る。
典型的に、水溶液の空塔平均速度を調整することによっても、容器の上端近くで終わる油滴を有することがこれより可能であり、外皮などのより重い粒子は容器の底側面のより近くに留まり得る。それに伴って、流れは、フィルタの目詰まりを回避し、かつタンパク質が濾過ユニットの浸透物側への進入を阻止する範囲で選択される。当然ながら、流率も、濾過ユニット内のフィルタの開口径に関して微調整される。本発明のプロセスでは、適した空塔平均速度が1秒当たり0.1〜10mmの範囲にあり、かつフィルタの適した開口径が4〜200μmの範囲および20%〜50%の空き領域にあり、好ましくは、フィルタが40〜100μmの範囲および30〜40%の空き領域の開口径を有する
本発明によるプロセスでは、粉砕された粉末または粕の粒子の流動床を生成する流発生手段が、粒子の流動床を生成する、水溶液の上向流を形成するように容器の下部に配置される。
好ましくは、本発明によるプロセスでは、流発生手段による水溶液の流れが、1秒当たり0.1〜10mm、より好ましくは1秒当たり0.5〜5mmの空塔平均速度を有する。
好ましくは、本発明のプロセスでは、濾過手段が、4〜200μmの範囲および20%〜50%の空き領域の開口径を有するフィルタを備え、より好ましくはフィルタが、10〜100μmの範囲および30〜40%の空き領域の開口径を有し、最も好ましくはフィルタが、40〜100μmの範囲および30〜40%の空き領域の開口径を有する。
タンパク質がその天然の立体構造を失う傾向は、一般に、疎水表面に曝されるときよりも親水性表面に曝されるときの方が大きい。
したがって、本発明によるプロセスでは、濾過手段が、好ましくは、親水性表面から作製されたフィルタを備える。
タンパク質の分離および精製での生物学に適用可能な親水性表面は技術上既知である。天然のタンパク質の構造の維持に親和性がある典型的な表面は、タンパク質のクロマトグラフィー技術に共通して適用される、例えば、ステンレス鋼、テフロン(登録商標)、およびプラスチックである。
好ましくは、本発明によるプロセスでは、親水性材料から作製されたフィルタが、ステンレス鋼から作製される。
本発明者らは、粉砕された植物性粒子からのタンパク質の抽出中、最適な低せん断速度条件を提供するために、水溶液の流れに対して接線方向に配置された濾過手段を提供することが特に適していることを発見した。自然の折り畳みが、本発明による濾過手段および接線流のかかる配列で達成可能な低せん断速度を適用するときに最適に保存されることが発見された。
本発明によるプロセスは、流発生手段によって生成された水溶液の流れに対して接線方向に好ましくは配置される、濾過手段を有する。
下記の実施例は、乾燥重量換算で10%以下の脂質を含むタンパク質抽出物を提供する、本発明の好ましい実施形態を示す。油滴(脂質、脂肪を含む)は、概して、約10μmの直径を有する。本発明者らは、浸透物内のタンパク質抽出物を、遠心分離ステップおよび/または10μm未満、より好ましくは約4μm、最も好ましくは約1μmの開口径を有するフィルタを備える濾過手段を用いた第2の濾過ステップに供することによって、タンパク質抽出物内の油滴の大部分が除去されることを発見した。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスでは、本プロセスは、タンパク質抽出物が、遠心分離ステップおよび/または10μm未満、より好ましくは約4μm、最も好ましくは約1μmの開口径を有するフィルタを備える濾過手段を用いた第2の濾過ステップに供され、その結果タンパク質抽出物内の脂質画分の少なくとも一部がタンパク質抽出物から廃棄される、ステップd)をさらに備える。
本発明によるタンパク質抽出物は、好ましくは、直接または上に概説されたような油廃棄ステップ後に、さらなる精製ステップに供される。好ましくは、タンパク質抽出物は、好ましくは食品産業におけるタンパク質の使用と親和性がある、小分子の有機溶剤などの溶剤の追加を含むタンパク質の沈殿ステップに供される。適した溶剤は、例えばメタノール、エタノール、およびアセトンであり、エタノールが特に好ましい。溶剤は、典型的に、本発明により、70以上の最終重量%、例えば70〜95重量%までタンパク質抽出物に加えられる
本発明によるプロセスは、ステップd)(タンパク質抽出物が遠心分離ステップおよび/または第2の濾過ステップに供されないとき)をさらに備え、またはステップe)(タンパク質抽出物が遠心分離ステップおよび/または第2の濾過ステップに供されるとき)であって、メタノール、エタノール、またはアセトンがタンパク質抽出物に加えられ、その結果、タンパク質の沈殿物が形成されるステップと、タンパク質の沈殿物が液体画分から分離されるさらなるステップとをさらに備える。
好ましくは、本発明によるプロセスにおいてタンパク質抽出物内のタンパク質を沈殿させるためにタンパク質抽出物に加えられた有機溶剤がエタノールである。
食物製品への適用において、記載されたような溶剤の追加の際に得られた沈殿タンパク質は、好ましくは、タンパク質の自然の折り畳みを保存するための技術上既知のタンパク質を乾燥させる任意の適した方法を適用する際に引き続いて乾燥される。
したがって、本発明によるプロセスでは、さらなるステップで、タンパク質の沈殿物は、タンパク質の沈殿物が液体画分から分離された後に乾燥される。
溶剤、例えば、エタノールの追加の際のタンパク質の沈殿は、比較的高いタンパク質濃度で促進される。したがって、タンパク質がタンパク質の濃縮物に溶剤を追加する際に沈殿される前に、最初に技術上既知のタンパク質濃縮ステップにタンパク質抽出物を供することは、本発明のプロセスの一部である。また、好ましくは、タンパク質抽出物は、小分子の汚染物質を廃棄することによって、本発明によりさらに精製され得る。本発明によるタンパク質抽出物内のタンパク質を濃縮および併せて精製するための適した便利な方法は、透析濾過の適用によるものである。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスでは、任意の後続のステップの前に、ステップc)で得られたタンパク質抽出物が、好ましくは限外濾過を使用することによって透析濾過される。
タンパク質抽出物が、好ましくは10分〜200分以内に4時間の時間内に得ることができることは、本発明のプロセスの重要な成果である。本発明者らは、大部分の適用において、同時に可能な限り低い脂質の回収を保ちながら、最適なタンパク質の回収を有するタンパク質抽出物が、約20分〜120分間、最も多くの場合約60分で本発明のプロセスを適用することによって得られることを発見した。すなわち、タンパク質抽出物では、タンパク質の回収が乾燥重量換算で30%を超え、脂質の回収は、乾燥重量換算で6%未満、最も多くの場合、乾燥重量換算で3%未満である。上述のように、脂質含有量は、便利なことに、後続の遠心分離ステップおよび/または10μm以下の孔を含むフィルタを使用したさらなる濾過ステップの適用時にさらに低下する。
本発明のプロセスでは、ステップc)で、好ましくは、溶解されたタンパク質の少なくとも一部が、10分〜200分、好ましくは20分〜120分、より好ましくは約60分で分離される。
したがって、好ましくは、本発明によるプロセスは、ステップc)でタンパク質抽出物を提供し、タンパック質抽出物の脂質含有量が、乾燥重量換算で10重量%未満、好ましくは乾燥重量換算で6重量%未満、より好ましくは乾燥重量換算で0.5重量%〜4重量%であり、かつステップc)では、タンパク質抽出物のタンパク質含有量が、乾燥重量換算で少なくとも30重量%であり、好ましくは乾燥重量換算で少なくとも35重量%、より好ましくは乾燥重量換算で少なくとも40重量%、最も好ましくは乾燥重量換算で少なくとも45重量%である。
本発明者らは、タンパク質の立体構造を天然の状態で保存した、例えば油糧種子の粕または粉末の源からタンパク質抽出物を得るための便利で規模拡大可能なプロセスを発見しただけでなく、本発明者らは、本発明による食品産業に適用可能なタンパク質濃縮物も発見した。
したがって、本発明の第2の態様は、本発明によるプロセスによって得ることができるタンパク質抽出物である。
好ましくは、本発明によるタンパク質抽出物の脂質含有量が、乾燥重量換算で10重量%未満、好ましくは乾燥重量換算で6重量%未満、より好ましくは乾燥重量換算で0.5重量%〜4重量%である。
上述の通り、本発明のタンパク質抽出物の脂質含有量が、さらなる濾過または遠心分離の適用時に容易にさらに低下する。
低脂肪含有量を有するタンパク質抽出物が、本発明のプロセルおよび本発明のタンパク質抽出物のいくつかの利点のうちの1つである。低脂肪含有量に起因して、タンパク質は本発明のタンパク質抽出物内に豊富である。典型的に、タンパク質抽出物のタンパク質含有量が、本発明により少なくとも35重量%である。本発明の典型的な実施形態について、下記に提供された実施例を参照されたい。
好ましくは、本発明のタンパク質抽出物のタンパク質含有量が、乾燥重量換算で少なくとも30重量%、好ましくは乾燥重量換算で少なくとも35重量%、より好ましくは乾燥重量換算で少なくとも40重量%、最も好ましくは乾燥重量換算で少なくとも45重量%である。好ましくは、本発明のタンパク質抽出物のタンパク質含有量が少なくとも50重量%である。
したがって、好ましくは、本発明によるタンパク質抽出物が提供され、タンパク質抽出物の脂質含有量が、乾燥重量換算で10重量%未満、より好ましくは乾燥重量換算で6重量%未満、最も好ましくは乾燥重量換算で0.5重量%〜4重量%であり、かつタンパク質抽出物のタンパク質含有量が、乾燥重量換算で少なくとも30重量%、好ましくは乾燥重量換算で少なくとも35重量%、より好ましくは乾燥重量換算で少なくとも40重量%、最も好ましくは乾燥重量換算で少なくとも45重量%である。
本発明のプロセスは、食品産業にとって価値のあるタンパク質を含むタンパク質抽出物の提供に特に適している。植物源材料が例えばタンパク質の変性条件に供されていない粕または粉末などの油糧種子の材料であるとき、本発明のプロセスによって得られたタンパク質は、典型的に、好ましくは、食用タンパク質である。
したがって、本発明によるタンパク質抽出物は、好ましくは、食用タンパク質を含有する。
本発明者らは、本発明によるタンパク質抽出物を得るために、本発明のプロセスの適用に適した装置も提供する。
本発明の第3の態様は、油糧種子の粉末または油粕からタンパク質抽出物を調製する装置に関し、本装置は、下部および上部を有する密閉容器を備え、かつ容器の下部に、水溶液用分配装置が配置され、分配装置が第1の方向で容器の下部から容器の上部への水溶液の流れを生成するように配置され、かつ容器が、水溶液用分配装置の上に配置された少なくとも1つの濾過ユニットをさらに備え、濾過ユニットが実質的に平坦なフィルタ要素を備え、その表面が第1の方向に対して平行であり、かつ4μm〜200μm、好ましくは4μm〜100μmの範囲の開口径および20%〜50%の空き領域を有するフィルタを備え、かつ濾過ユニットが濾過ユニットの浸透物用の少なくとも1つの出口を備える。
本装置の好ましい実施形態が、図1に提供される。
好ましくは、本発明による装置のフィルタは、金網である。
本発明者らは、浸透物内の低脂肪の回収に関する最適なタンパク質の濃縮が、1〜200μm、好ましくは4〜100μmの範囲の開口径を有するフィルタ、より好ましくは40μm〜100μm、最も好ましくは約40μmの開口または約100μmの開口を有するフィルタを適用する際に達成されることを発見した。かかるフィルタを用いると、油滴が浸透物の外に有用に保たれ、かつフィルタの目詰まりが最小に保たれる。
好ましくは、本発明による装置が、40μm〜100μmの範囲の開口径を有するフィルタを有する。
本発明の装置は、植物源材料から抽出されたタンパク質に対して最小の応力を提供するために、任意の攪拌を回避するように解釈される。本発明による装置のフィルタの目詰まりを防ぐことも本発明の一部である。目詰まりは、植物源材料の粒子径に対して適合された開口径を有するフィルタと組み合わせて、特に低いせん断速度の流れ、すなわち、1秒当たり0.1〜10mmの空塔平均速度を有する流れを適用することによってすでに最小レベルに保たれている。本発明者らは、これより、タンパク質の抽出中に、密閉容器を振動させ、かつ/または濾過ユニットを振動させる振動手段をさらに備える。時にフィルタの開口が目詰まりを起こし始めると、振動が閉塞粒子を開口から放出し得る。
本発明による装置は、好ましくは、容器および/または濾過ユニットを振動させる振動手段を備え、その結果、作動中にフィルタの目詰まりが回避され、かつ水溶液の攪拌が回避される。
本発明のプロセスで使用する本発明の装置の多くの利点のうちの1つが、その簡便で容易な規模拡大性である。実施例では、実施形態が本発明による原形「ALSEOS」装置を備え、本装置が1.6、1.9および約31Lの規模で適切に作動する。密閉容器の容量が100L以上に容易に規模拡大されることは、これより本発明の重要な利点である。
したがって、好ましくは、本発明による装置が、0.1m〜100m、好ましくは1m〜20m、より好ましくは1m〜10mの容量を有する容器を有する。
本発明者らは、本発明による装置においてフィルタの総面積と密閉容器の容量との間の割合を慎重に選択することが、振とう物の量を最小レベルで保ちながら、タンパク質抽出物内のタンパク質の効率的な蓄積に有益に寄与し、かつ迅速な、すなわち20〜200分内での抽出にも寄与することを発見した。当然ながら、本発明者らは、かかる最適に選択された割合と共に、フィルタの開口径もタンパク質の構造を変性させないように適した、最適速度、タンパク質抽出の効率性、最低せん断速度などに適合される、本発明の装置を開発した。
したがって、本発明による装置は、好ましくは、フィルタの総面積と密閉容器の容量との間の割合で、2m〜20m/m、好ましくは5m〜15m/mを有する。
本発明による装置は、水溶液の接線流が粒子から可溶化されたタンパク質に対して可能な限り低いせん断応力を加え、同時に可溶化されたタンパク質が低容量で便利な時間内にタンパク質抽出物を得るのにまだ好ましい方法で、本発明のプロセスに対して解釈される。このため、本発明者らは、0.05m〜10mの内容積を有する濾過ユニットを好ましくは適用することが、本発明の装置に対して有益であることを発見した。
したがって、好ましくは、本発明による装置は、0.05m〜10mの内容積を有する
本発明による装置が単一のフィルタからなる濾過ユニットを備えることは、本発明の一部である。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、本装置が、1を超えるフィルタ、例えば、最大200のフィルタ、または12のフィルタを備える濾過ユニットを解釈する際に簡便で容易な規模拡大が可能であることを発見した。実施例および図に提供された、この点に関する本発明の実施形態も参照されたい。好ましくは、本発明の濾過ユニットが、互いに対して平行に配向された複数のフィルタを備える(本発明の一例、図1Cを参照のこと)。したがって、本発明の装置は、密閉容器の容量を一定に保ちながら、1つを超えるフィルタを適用することによって抽出時間を短縮する手段を提供する。したがって、本発明の装置は、密閉容器の容量を増加しながら、濾過ユニットのフィルタの数を併せて増やすことによって、本装置の反転を増加させる手段も提供する。
好ましくは、本発明による装置が、2〜200、好ましくは5〜100、好ましくは10〜50の濾過ユニットを備える容器を有する。
本発明によるタンパク質抽出物を調製するプロセスに対する本発明による装置、およびかかる装置の一部の例を提供する。Aは、本発明によるタンパク質抽出物を調製する装置1である。本装置は、下部20’および上部20’’と、水溶液31を含む第2の容器24を有する出口25を介して接続された入口23とを有する密閉容器20を備え、かつかかる密閉容器が、密閉容器の上部近くに配置される出口22を有する濾過ユニット21を備える。濾過ユニットの出口22がポンプ26と接続し、かかるポンプが、タンパク質抽出物29を回収するため、第3の容器28と接続した入口27と接続される。密閉容器20は、油糧種子の粉末などの粉砕された植物性タンパク質の源材料を含む水溶液の混合物を含む。Bは、本発明によるタンパク質抽出物を調製する装置1の密閉容器20の例である。密閉容器は筒状形状を有する。濾過ユニット21は、平坦なフィルタおよび直角プリズムの形状を有する。Cは、直角プリズムの形状を有する密閉容器20aの一例である。密閉容器は、1つ以上の濾過ユニット、本例では21−1、21−2、・・・、21−12と番号付けされた12の濾過ユニットを備える。組み合わされた濾過ユニットは、示されるように、濾過ユニットの上側面近くの各側面で回収装置の管47と接続し、各回収装置の管は出口22を有する。密閉容器20aは、密閉容器の底側面に配置された底分配装置板32を備える。Dは、密閉装置20aの2つの濾過ユニット21−1および21−2のクローズアップ側面図(図1Cを参照)である。底分配装置の板32の入口25が示される。矢印40、41および43は、1秒当たり0.1mm(40)、1秒当たり0.5mm(41)、および1秒当たり1mmのu0(43)の流動床の示された位置での局所の空塔平均速度uを示す。矢印40、41および43、および底分配装置の板から始まる垂直矢印は、濾過ユニットに沿った接線流を示す。フィルタに沿った垂直矢印は、フィルタを通る水溶液(可溶化されたタンパク質を含む)のクロスフローを示す。Eは、支持有孔シート33(例えば、2mmの厚さのステンレス鋼、孔は直径2mm、23パーセントの開口面積を有する)を備える濾過ユニット21の一部の例であって、シートの表面が金網布34の層を含む両側面に積層される。Fは、タンパク質抽出物を回収する出口22を備える、濾過ユニット21をさらに備える、水溶液の入口25を備える密封容器20の例である。底から上までのより小さい矢印44は、密閉容器の被保持物側Aでの低減した流れを示す。底から上までのより大きい矢印45は、濾過ユニットの浸透物側での増加した流れを示す。フィルタ近くの密閉容器の水平矢印は、粉砕された粉末または油粕の粒子と水溶液30との混合物由来の可溶化されたタンパク質を含む水溶液のクロスフローを示す。底近くの密閉容器の垂直矢印は、水溶液の接線流を示す。矢印46は、作動時、すなわち流動床状態下の密閉容器の水溶液のレベルを示す。Gは、水溶液内の粉砕された粉末または油粕の粒子の粒子径の勾配30を含む、浸透物側の出口22を有する濾過ユニット21のクローズアップ図である。流動床内の水溶液の粒子径は、濾過ユニットの底側面近くのより大きい粒子30’’から濾過ユニットの上側面近くのより小さい粒子径30’までの範囲にある。典型的に、油(脂肪、脂質)の液滴は、水溶液と比較すると、その低密度に起因して濾過ユニットの上側面近くにある。濾過ユニットは、約30%の空き領域を有する、例えば限外濾過布(金網)である。密封容器の被保持物側での水溶液の減少した接線流49は、底から上までより小さい垂直矢印を用いて示される。垂直矢印50は、濾過ユニットのフィルタの被保持物側(R)から浸透物側(P)までの可溶化されたタンパク質を含む水溶液のクロスフローを示す。濾過ユニットの出口22は、クランプ48を介して回収装置の管47に接続される。さらに、フィルタユニットが、好ましくは、同様の接続手段を使用して回収装置の管に接続される。本発明の原形ALSEOS装置において、好ましくは、回収装置の管は、約40mmの内径を有する。濾過ユニットの浸透物側は、好ましくは、油滴(脂質、脂肪)が実質的に無く、すなわち、脂質画分が10w/w%(乾燥重量換算で)未満、および好ましくはそれより低い。 Aは、ALSEOS1.0の浸透物の流量プロファイル(実験#1.1〜1.4)である。Bは、ALSEOS1.0の浸透物の流量プロファイル(実験#1.5〜1.11)である。 本発明によるALSEOS装置の上部から底部までの実験#2.1で観察された画分である。
本発明は、下記の非制限的な実施例をさらに用いて図示され得る。
全ての例で、出発材料ならびに粗抽出物(本発明によるALSEOS装置を用いて得られた)および上澄み(先行技術による従来型のプロセスを使用した攪拌されたタンク内に得られた)の試料が、下に記載された分析方法に従って分析された。
粗抽出物および上澄みの試料の分析方法
タンパク質含有量
タンパク質含有量が、AOCS公定法991.20 Nitrogen(Total)Milkに従ったケルダール法によって決定された。6.25の換算係数を使用してタンパク質(%(w/w))の量を決定した。
乾燥物の含有量
乾燥物の含有量が、乾燥器の方法によって決定された。カバー、バゲット、および20グラム(0.1gの位まで記録された重量)の予め計量された砂(水、塩酸で洗浄され、かつ焼成された海砂)を含む容器が、105℃±2℃の温度に予め加熱された乾燥器に配置され、一定の重量が記録されるまで約2時間乾燥された。この時、容器が密閉され、デシケーターに移され、室温まで冷却され、計量された(重量が0.001gの位まで記録された)。2g±0.001gの試料が、計量され、容器に配置された。容器はカバーが掛けられ、105℃±2℃の温度で保持された乾燥器に挿入された。容器のカバーが除去され、3時間乾燥された。容器を3時間乾燥した後、容器は蓋をされ、デシケーターに移され、室温まで冷却された(30〜45分の冷却時間)。この時間の後、乾燥された試料および砂を含む容器が計量された。乾燥物の含有量X(%)が式

の計算によって計算され、
aが、乾燥前の試験試料および砂を含む容器の質量(g)であり、
bが、乾燥後の試験試料および砂を含む容器の質量(g)であり、
cが、砂を含む容器の質量(g)である。
最終結果は、0.2%を超えて異ならない、少なくとも2つの測定値の算術平均である。結果は0.1まで四捨五入された。
脂肪含有量
脂肪含有量が、PN−ISO2446:2010によるガーバー法(参照:Milk−Determination of fat content−Gerber butyrometer、1〜18頁)によって決定された。
出発材料の分析方法
脂肪含有量、ソックスレー法
試料がモルタルに置かれ、臼を用いて均一の質量に粉砕された。約5g±0.001gの調製された試料が、三角フラスコで計量された。45cmの沸騰騰している蒸留水が加えられた。攪拌後、55cmの25%HClが加えられた。フラスコが還流凝縮器と組み合わされ、加熱され、15分間還流された。この後、冷却器が100cmの沸騰している蒸留水ですすがれた。三角フラスコの内容物が濾紙に定量で移された。フィルタの残渣が塩化物を洗い流すために60℃の蒸留水で洗浄された(HNO溶剤AgNOを使用した酸性化で検査する)。その後、その内容物を含むフィルタが時計皿に置かれ、乾燥された。乾燥されたフィルタが円筒濾紙に移された。円筒濾紙および濾紙が半自動のSoxtec Avanti055に配置された。抽出プロセスが本装置の指示に従って実行された。
抽出周期は3段階からなる。
−第1段階のプロセス:40〜60℃の沸騰温度で15分間継続して石油エーテル内の試料を予め加熱処理する。
−第2段階のプロセス:主な抽出を45分間継続して行う。
−第3段階のプロセス:脂肪の回収を20分間継続して行う。
試料を含むアルミニウム容器が、100〜102℃の温度まで1時間加熱された乾燥器で乾燥された。その後、容器がデシケーターに移され、およそ30〜45分間冷却に供された。この後、試料を含むアルミニウム容器が計量された(0.0001gの位まで計量された)。
試料内の脂肪含有量(X)が式

に従って、%として計算され、
aが、乾燥後の試料を含むアルミニウム容器の質量(g)であり、
bが、乾燥後のアルミニウム容器の質量(g)であり、
cが、試料の質量(g)である。
最終結果は、0.2%を超えて異ならない、少なくとも2つのXの算術平均であるべきである。
水分含有量
試料(2±0.5g)が105℃の温度で水分分析計(RadWag WPS 110S)に配置された。水分含有量が、乾燥前後の試料の重量の差から決定された。
例1
本発明によるALSEOS1.0原形を用いた菜種粕由来のタンパク質抽出物の調製。
本例では、本発明のタンパク質抽出プロセスが、本発明によるALSEOS1.0原形装置(カラム体積=1.57Lまたは1.96L、図1Fを参照)を用いて行われた。フィルタ要素21が、空き領域(開口部50%)および直径5mmの孔を有する孔開きステンレス鋼から作製されたチューブまたは管の形態にある。管の直径は16mmであり、長さは800mmである。この辺りでフィルタ布が包装される。フィルタ布はステンレス鋼の金網から作製される。異なる開口径、4μm、40μm、および100μmを有する異なる布が例で適用された。開口部(布の空き領域)は、これらの布地の全てに対して約30%だった。フィルタ要素が、50mmの内径を有し、分配装置の板32を含むカラム(ホウケイ酸ガラス)に配置される。
2つのカラムが使用された。
ALSEOS1.0ID50mm;H=850mm;VOL=1.56L
ALSEOS1.0ID50mm;H=1000mm;VOL=1.97L
本装置の動作原理は、植物由来の粉砕された材料からの流動床の形成であり、そこから粗抽出物が流動床の懸濁液に浸漬された濾過ユニットを用いて引き出される。植物源は、菜種粕、大豆粕、およびヒマワリ粕だった。タンパク質の回収および脂肪の回収が分析された。
手順
プロセス条件が表1に要約される。
ALSEOS装置に投入する前に、出発材料は、混合粉砕機(Vorwerk社製のThermomix)で粉砕され、ふるいにかけられて、表1で所与のような所望の粒子径の分布を得た。次に、予め処理された出発材料が、約10分未満の期間、容器内に塩水溶液(2%NaCl(w/w)、液体/固体(L/S)の割合=4+/−2%)を含む、スプーンを使用して、緩やかに混合された。その間、懸濁液のpHが標的pH=7.0(6.8〜7.2)に達するまで調整された。
1)懸濁液が、カラムの底から最大5cmまで塩水溶液を予め充填された、カラムに装填された。カラムがカラム体積のおよそ1/3まで予め充填されると、塩水溶液の流れが、分配装置を通してカラムの底で始まった。
2)ALSEOSの塩水溶液の流れおよびALSEOSからの浸透物(抽出物)の流出が、蠕動ポンプによって制御された。循環式サーモスタットが、システム全体で温度を制御した。
3)抽出時間の持続時間が、表1に所与のように登録された。流れ割合プロファイルを得るために、時間的な重量測定値がとられた(ALSEOS1.57Lのカラム体積について図2A、およびALSEOS1.96Lのカラム体積について図2B)。
4)粗抽出物が試料採取され、乾燥物(%w/wとして表される)、総タンパク質濃度(ケルダールNx6.25)、および脂肪の濃度について分析された。
5)抽出物の0.5カラム体積(CV)が回収された後(約30分後)、1CV回収後(約65分後)、1.5CV回収後(約165分後)、および2CV回収後(約199分後)、粗抽出物の追加の試料が、実験#1.11でとられた。
先行技術による、攪拌された容器を用いた実験
本発明による装置で行われたプロセスが、植物源、すなわち粉砕された粕由来の粒子の(激しいまたは緩やかな)攪拌を適用した、攪拌された容器におけるタンパク質抽出(実験1.12および1.13)の従来型のモードと比較された。
手順
プロセス条件が表2に要約される。
1)菜種粕が、混合粉砕機(Vorwerk社製のThermomix)で粉砕され、ふるいにかけられ、表2で示されるような所望の粒子径の分布を生成した。
2)抽出実験では、100gの粉砕された菜種粕が使用された。
3)材料が、400gの抽出媒体(塩水溶液NaCl2%w/w溶液)に懸濁された。抽出媒体の温度が、各実験前に、プロセス温度に調整された。懸濁液のpHが、pH7.0(範囲:6.8〜7.2)に調整された。「激しい攪拌」、すなわちアンカーミキサー(実験1.12)を用いた1.290rpmでの攪拌の条件、対、「緩やかな攪拌」、すなわちアンカーミキサーを用いた5rpmでの攪拌の条件の下で、1Lで被覆されたRadley’s社製のガラス反応器内で抽出が行われ、ちょうど粒子を懸濁状態にした(実験1.13)。
4)プロセスの持続時間および温度が、表2で示されるような各実験に対して調整された。
5)抽出後、材料が500mLの遠心分離用瓶に移され、3000gで10分間、ベッカム遠心分離機(SER90E、ロータ型JA10)で遠心分離された。
6)遠心分離後、抽出物が、緩やかに、すなわち瓶の上部に形成された上部の脂肪層をかき乱すことなく注がれた。
7)重量測定値が、質量の収支計算についてとられた。
8)注がれた上澄みが、試料採取され、乾燥物の%、総タンパク質濃度(ケルダールNx6.25)、および脂肪濃度について分析された。
結果
表3は、実験1.1〜1.13で使用された出発材料の特徴を要約する。プロセスの差が表4に要約される。

粗抽出物および上澄みから得られた分析データおよび実験1.1〜1.13に対するプロセス回収が表5に要約される。
ALSEOS1.0装置で行われた実験による結論
1)得られた結果は、概して、ALSEOSプロセスおよび装置の利点を示している。タンパク質の収率は高く、油/脂質はフィルタの被保持物側で主に保持される。出発材料に存在するタンパク質の約50%が実験の一部において浸透物内に回収されたことが証明された。同時に、出発材料に存在する脂肪の大部分が、被保持物側に保持された。脂肪とタンパク質の割合として表された割合は、出発材料(約0.5)よび浸透物(約0.1)では有意に低い。
2)タンパク質抽出物が、本発明による試験プロセス条件に対して得られた。浸透物の安定した流れが、プロセス時間全体を通して維持された。これは、ALSEOS装置の良好な流体力学的性能を示している。4μmのフィルタの網の開口径が適用された、実験♯1.5において、流れが24分のプロセス時間期限の間に観察された。これは、より長いプロセス時間が必要とされるとき網の開口径を最適化する必要があり、網の開口径が、濾過装置の汚染を防ぐために、出発材料の特定の粒度分布特性に適用されるべきであることを示している。当業者であれば、フィルタ領域の増加がフィルタの網のより安定したプロセスおよびより少ない汚染も促進することを知っている。
3)菜種粕において、最高のタンパク質回収(55.7%)が、実験11で、浸透物の2つのカラム体積が回収された、<1000μmの粒子径、100μmのフィルタの網の開口径、および15℃の抽出温度、203分の抽出時間という条件に対して得られた。その透明度は、120分のより短い接触時間を除いて同じプロセス条件を用いた例えば例1.6で得られたタンパク質回収と比較した、塩水溶液を含む出発材料の増加された接触時間の追加の値を示している。
4)全ての事例で、脂肪の回収が10%未満であり、これは脂肪の90%が被保持物側に保持されたことを意味する。
5)最小の脂肪の回収が、実験1.1で、800〜1000μmの粒子径、100μmのフィルタの網の開口径、および15℃の抽出温度、60分の抽出時間というプロセス条件に対して得られた。
6)実験1.1での脂肪の回収は、菜種粕が0〜200μmのより小さい粒子径に粉砕された、実験1.2と比較して低かった。しかしながら、実験1.2では、より高いタンパク質の回収(48.7%)が実験1.1(35.2%)と比較して得られた。これは、タンパク質の回収に対する質量の移動の条件が、粒子がより小さいとき好ましいことを示している。しかしながら、最も好ましくは菜種粕の粉砕が、脂肪の放出を可能にするものである、菜種粕内の油体も破壊するため、より小さい粒子径が抽出中の脂肪の放出に有利である。
7)40μmのフィルタの網の開口径を有し、かつ100μmのフィルタの網の開口径を有するフィルタを備える本発明の装置は共に、本発明によるプロセスに特に適しており、これらのフィルタを有する装置は、高タンパク質回収および適した流体力学と組み合わされた、すなわち密なフィルタの網の開口径(実験1.5では4μm)と比較して汚染しにくい、低脂肪回収を提供する。
8)実験1.11では、タンパク質回収時の抽出媒体を含む菜種粕の延長された接触時間という利点が見られる。この実験では、粗抽出物は、回収された粗抽出物の量が0.5CV(30分の接触時間に対応する)、1CV(65分の接触時間)、1.5CV(165分の接触時間)、および2CV(199分の接触時間)に達したときに引き出された。タンパク質の回収は、次のように増加した。16.9%(0.5CV)、42.7%(1CV)、50.8%(1.5CV)、および55.7%(2CV)。
攪拌された容器を用いた実験により解明された結論
1)脂肪の回収は、ALSEOS1.0装置を用いた全ての実験を実験1.1において3.2%である最低と比較して、10%未満だった。緩やかな混合を有する従来型の攪拌されたタンクが使用されたとき(実験1.13)、脂肪の回収は3.1%であり、比較可能であった。
これは、攪拌されたタンクの事例における、低脂肪回収が抽出後に行われた遠心分離ステップに起因していた場合のALSEOSの利点を示している。ALSEOSの事例では、遠心分離は必要なく、比較可能な脂肪回収を得た。この現象を説明するために、それが脂肪の存在下でのタンパク質の共抽出中の液体相への脂肪の放出に寄与するせん断力であることを理解することが最も重要である。ALSEOSでのせん断のレベルは、油糧種子の抽出のプロセスが行われ得る、技術上既知の全ての装置の中で限りなく低い。攪拌された容器のせん断率は、100〜100/秒の範囲にあり、本発明による膨張(流動)床での<10/秒のせん断率と比較され、したがって、本発明の例で例示された原形ALSEOS装置において同様である。技術上既知の浸透抽出を目的とした従来型の充填床のせん断率は、10〜100/秒の範囲にある[Carta G,Jungbauer,2010年]。
産業規模で、攪拌されたタンクの容器での条件は、激しい混合(実験1.12)を提供することによる小規模の容器で模倣された条件にむしろ似ている。これは、攪拌された容器での最大せん断率が、文献[Camperi A.など,2008年;Villadsen J,Liden G;2003年]で報告されたように、反応器の平均せん断率より1桁高いことが予想されるためである。
2)本発明による例1.2(ALSEOS1.0装置)で得られた脂肪の回収を例1.12(攪拌された容器、激しい混合)で得られた脂肪の回収と比較すると、ALSEOS装置を用いて提供される、低せん断抽出の利点は、実験1.2での低脂肪回収、9.7%の脂肪の回収、対、実験1.12での68.6%の脂肪の回収という観点で証明される。
実験材料
全ての出発材料が室温で保存された。粉砕後、予め処理された材料が冷蔵庫(2〜8℃)で保存された。粗抽出物および上済みの試料が冷凍され(−20℃)、分析試験前に解凍された。
主な機器
ALSEOS1.0(実験# 実験1.5〜1.4):カラムKronLab、容量1.57L(YMC−ECO50/750M0VK)および100μm、40μm、および4μmのフィルタの網の開口径を有するALSEOS1.0(実験# 実験1.5〜1.11)、容量1.96L(YMC−ECO50/999M0VK)
蠕動ポンプ(実験# 実験1.1〜1.4):Ismatec社製のヘッドポンプMS/CA4〜12を含むEcoline
蠕動ポンプ(実験# 実験1.5〜1.11):Lead Fluid社製のヘッドポンプDG−4を含むBT−100S
サーモスタット(実験# 実験1.1〜1.4):LabTech社製のRH40−25Aの循環器
サーモスタット(実験# 実験1.5〜1.11):Huber Unichiller社製の150Tw−H
被覆されたガラス反応器(実験# 実験1.12〜1.13):Radley’s社製のRS100のオーバーヘッド攪拌器(PTFEアンカー)を含む反応器ReadyLab1L
遠心分離機(実験# 実験1.12〜1.13):Beckman社製のロータ型JA10を含むSER90E
例2
ALSEOS2.0、本発明の装置を用いた菜種粕由来のタンパク質抽出物の調製
本例では、本発明のタンパク質抽出プロセスが、ALSEOS2.0原形装置(カラム体積=31.4L、本発明によるフィルタの網の開口径100μm)を用いて行われた。
ALSEOS2.0(31.4L)原形において、フィルタ要素は、フィルタ布(図1E)によってカバーされた(両側面)枠の形態にあった。カラム直径は、200mmであり、高さは1000mmであった。カラム体積は約30Lだった。同じフィルタ布4μmおよび100μmがALSEOS1.0に対して適用された(例1を参照)。本装置の動作原理は、菜種粕由来の流動床の形成である。
手順
プロセス条件が表6に要約される。ALSEOS原形のタンパク質抽出装置(カラム)が、水(水道水、約15℃の温度、塩は加えない)を予め充填された。水の装置への入口は、カラムの底の分配装置の板を通してであった。流速が約30L/hだった。菜種粕が混合器(Zelmer ZSB、1400B)で粉砕され、ふるいにかけられて<2000μmの径を得た。1.5kgの粉砕された菜種粕が、約8kgの水を含むバケツ内で予め混合された。攪拌を避けるために、緩やかな旋回が、約1分間、密閉バケツの遊星運動によって(手で)適用された。次に、バケツの内容物が、漏斗を介して、かつカラムの上蓋の玉弁を通してALSEOS原形カラムに注がれた。粉砕された1.5kgの菜種粕の第2の部分が、同様の方法で調製され、ALSEOS原形カラムに注がれた。粕のスラリーを容器に投入中、水がALSEOS原形カラムに継続的に供給された。水の供給の供給量は、約30L/hであった。液体レベルがカラムの上蓋に近づいたとき、容器の通気弁が開いたまま保たれ、カラム(約5L)の内容物の一部が廃棄物容器に排出されることを可能にした。その後、通気弁は密閉され、カラム装置からの液体に対する出口だけが濾過手段のフィルタの浸透物側上にある。ALSEOS装置からの濾液(浸透物)が、個別の濾液容器に回収された。
濾液(粗抽出物)の試料が、乾燥重量、総タンパク質、および脂肪含有量に対して分析された。
結果
フィルタの被保持物側に保持された材料の分別が観察され、「軽い」画分(脂質が豊富な比較的低い粒子密度)がALSEOSカラム(密閉容器)の上部に蓄積し、「重い」画分(より少ない脂質およびより多い外皮を含有する比較的高い粒子密度)がカラムの底部に存在した。


例3
本発明によるプロセスに対する本発明の装置
図1は、本発明による装置の実施形態を提供する。本発明の装置の詳細については、図1の記載を参照されたい。
典型的に、図1Bに提供されたような本発明の装置では、金網の布が、好ましくは4〜100μm、より好ましくは40〜100μmの開口径を有し、好ましくは約30%の空き領域を有する、好ましくはステンレス鋼から作製された(金属、プラスチック)枠の周りに巻かれた布を用いて適用される。本発明の原形ALSEOS装置において、好ましくは、密閉容器が、例えば0.2mの内径(ID)、および好ましくは約1mの高さを有する(例えば筒状の)クロマトグラフィーのカラムである。図1Dに例示されたような本発明の装置では、濾過ユニットのフィルタが、好ましくは実質的に垂直に配置される。本発明の好ましい実施形態では、本発明の装置は、平行なフィルタを備える一連の平行に配置された濾過ユニットを備え、各々が少なくとも1つの回収装置の管に接続される。図1Cおよび1Fを参照されたい。
本発明による例示された装置を用いた本発明のプロセスの好ましい動作では、粉砕された油糧種子から作製された膨張床が、上向流の水に懸濁される。タンパク質抽出物(浸透物)が、金網を通るクロスフローを介してフィルタの垂直に配置されたパネルに引き出された。金網は、水および溶質に浸透可能であり、好ましくは油滴(脂質、脂肪)の浸透物への進入を阻害する。密閉容器の被保持物側で、径および/または密度に基づく粒子の分離が、接線流の液体の空塔速度の低減に起因して観察される。微/軽い粒子が、密閉容器の上側面近くに配置され、粗/高密度の粒子が、底側面近くに残る(図1G)。
図1Eは、金網のフィルタを含む、本発明の装置の濾過ユニットの典型的な部分を示す。
例4
本発明の装置を用いた、本発明によるプロセスを含むタンパク質抽出物の提供
下記の表9および表10では、粉砕された菜種の粉末を用いた実験に対する実験の詳細および結果が提供される。
実験1.11(例1に記載される)において、本発明による1.96リットルのALSEOS原形(ALSEOS1.0)装置が適用された。
実験1.11では、タンパク質の抽出が、菜種の圧搾中の温度が73℃未満に維持された油産出プロセスから生成された、緩やかに処理された菜種粕を用いて行われた。
実験2.1(例2に記載される)において、本発明による31.4リットルのALSEOS原形(ALSEOS2.0)装置が適用された。実験1.11では、タンパク質抽出が、菜種の圧搾中の温度が100℃を超えた油産出プロセスにより生成された、劣悪に処理された菜種粕を用いて行われた。


タンパク質の回収データ(表10)から、100℃を超える温度で予め処理された菜種粕(実験2.1)が、本発明によるプロセスの適用前に、温和な温度条件にのみ供された菜種粕(実験1.11)と比較して、比較的低いタンパク質の回収を提供することが分かる。
実験2.1の低い回収は、抽出媒体に塩が加えられなかったという事実によって部分的に説明され得る。タンパク質の溶解性は、抽出媒体のイオン強度によって良い影響を受けることが知られている[Rodrigues I.M.など,2012年]。抽出媒体内の塩濃度の効果が、先行技術のプロセス条件:pH6.8〜7.2、粉砕された菜種粕0〜200μmの径分布、15℃の抽出温度、120分の抽出時間、緩やかな混合強度に従って、攪拌されたタンク内内で行われた抽出を含むさらなる実験で調査された。タンパク質の回収は、塩が加えられなかったとき(27.4%)と比較した場合、2%w/wのNaClが抽出媒体(34.7%)に存在したときに、より高かった。
菜種粕への熱による予めの処理の効果が、先行技術のプロセス条件:pH6.8〜7.2、粉砕された菜種粕800〜1000μmの径分布、15℃の抽出温度、120分の抽出時間、抽出媒体内の2%w/wのNaCl、緩やかな混合強度に従って、攪拌されたタンク内で行われた抽出を含むさらなる実験で調査された。第1の事例では、温度が73℃を超えなかった油産出プロセスによって得られた菜種粕が使用され、第2の事例では、100℃より高い温度で予め処理された菜種粕が適用された。前者の事例では、タンパク質の回収が、後者の事例(38.4%)と比較した場合、より高く(47.9%)、低温度での予めの処理に有利である、予めの処理温度の影響を示した。
これらのデータは、油産出プロセスで使用された温度が、タンパク質の抽出に対する出発材料の適合性に影響を与えることを示している。
これは、菜種粕(種が油産出において機械的に圧搾されたときに得られる副産物)が、菜種の粉末(油が化学的に、加熱処理(温度>>100℃)によって意図的に考案されたトースティングステップで本プロセスからさらに除去されなければならない、例えばヘキサンによって抽出されたときに得られる副産物)よりタンパク質の抽出により適していることを確認する。
略号の使用
ALSEOS、油糧種子由来のタンパク質の水性低せん断抽出、ca.約、DW、乾燥重量、g、グラム、H、高さ、ID、内径、L、リットル、L/S、液体と固体の割合、mim、分、P、浸透物、R、被保持物、RT、室温、周囲温度、UF、限外濾過、μm、マイクロメートルまたはμm、VOL、容量(容量%で、のように)、重量%、重量パーセントw/w、重量割合

参考文献
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−Rodrigues I.M.et al.2012,Isolation and valorisation of vegetable proteins from oilseed plants:Methods,limitations and potential,Journal of Food Engineering,Volume 109,Issue 3,Pages 337−346
−Villadsen J,Liden G;Bioreactor Engineering Principles,Chapter 11,p 500,Springer 2003,ISBN 987−1−4613−5230−3

Claims (15)

  1. 油糧種子の粉末または油粕からのタンパク質抽出物の調製プロセスであって、
    a)水溶液と油糧種子からの粉砕された粉末または油粕との混合物を容器内に調製することであって、前記粉砕された粒子が1000μm未満の平均粒子径(d32)を有する、調製することと、
    b)前記容器内に提供された流発生手段を用いて前記容器内に前記粉砕された粉末または油粕粒子の流動床を生成し、前記粉砕された粉末または油粕内に存在するタンパク質の少なくとも一部を前記水溶液に溶解させることと、
    c)前記容器内に提供された濾過手段を用いて前記混合物から前記溶解されたタンパク質の少なくとも一部を流動床状態下で分離し、その結果タンパク質抽出物を得ることと、を備える、プロセス。
  2. 前記粉砕された粒子が、800μm〜1000μmの平均粒子径(d32)を有する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記粉砕された粒子が、200μm未満の平均粒子径(d32)を有する、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記水溶液が、水、または水と20容量%未満の水溶性有機溶剤との混合物から選択され、前記水溶性有機溶剤が、アルコールおよびケトン、好ましくはエタノールもしくはアセトン、またはそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記粉砕された粉末または油粕が、大豆、菜種、ヒマワリ、亜麻、リノーラ、ココナッツ、からし種の粉末、綿実、穀物、小麦、ライ麦、オート麦、米、糠、またはエンドウ豆もしくはソラマメなどの豆類から調製されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記粉砕された粉末または油粕が非ヘキサン処理される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. ステップc)で、濾過手段を用いた前記分離が、20/秒未満、好ましくは1〜10/秒の低せん断速度下にある、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記粉砕された粉末または油粕粒子が、5重量%を超える脂質を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記粉砕された粉末または油粕粒子が、5〜60重量%のタンパク質、好ましくは10〜40重量%のタンパク質を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記プロセスは、前記タンパク質抽出物が、遠心分離ステップおよび/または10μm未満、好ましくは約4μm、好ましくは約1μmの開口径を有するフィルタを備える濾過手段を使用した第2の濾過ステップに供され、その結果前記タンパク質抽出物内の脂質画分の少なくとも一部が前記タンパク質抽出物から廃棄される、ステップd)をさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記プロセスが、メタノール、エタノールもしくはアセトンが前記タンパク質抽出物に加えられ、その結果タンパク質の沈殿物が形成され、前記タンパク質の沈殿物が液体画分から分離されるステップe)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス、または、前記プロセスが、メタノール、エタノールもしくはアセトンが前記タンパク質抽出物に加えられ、その結果タンパク質の沈殿物が形成され、前記タンパク質の沈殿物が液体画分から分離されるステップe)と、をさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
  12. ステップc)で、前記タンパク質抽出物の前記脂質含有量が、乾燥重量換算で10重量%未満、好ましくは乾燥重量換算で6重量%未満、より好ましくは乾燥重量換算で0.5重量%〜4重量%であり、かつステップc)において、前記タンパク質抽出物のタンパク質含有量が、乾燥重量換算で少なくとも30重量%、好ましくは乾燥重量換算で少なくとも35重量%、より好ましくは乾燥重量換算で少なくとも40重量%、最も好ましくは乾燥重量換算で少なくとも45重量%である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 油糧種子の粉末または油粕からタンパク質抽出物(29)を調製する装置(1)であって、下部(20’)および上部(20’’)を有する密閉容器(20)を備え、前記容器の前記下部に、水溶液(31)の分配装置(32)が配置され、前記分配装置が第1の方向で前記容器の前記下部から前記容器の前記上部への水溶液の流れを生成するように配置され、かつ前記容器が、前記水溶液の前記分配装置の上に配置された少なくとも1つの濾過ユニット(21)をさらに備え、前記濾過ユニットが、実質的に平坦なフィルタ要素を備え、その表面が前記第1の方向に対して平行であり、かつ4μm〜200μm、好ましくは4μm〜100μmの範囲の開口径および20%〜50%の空き領域を有するフィルタを備え、かつ前記濾過ユニットが前記濾過ユニットの浸透物用の少なくとも1つの出口(22)を備える、装置。
  14. フィルタが40μm〜100μmの範囲の開口径を有する、請求項13に記載の装置。
  15. 前記フィルタの総面積と前記密閉容器の容量との間の割合が、2m/m〜20m/m、好ましくは5m/m〜15m/mである、請求項13又は14に記載の装置。
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