JP6717705B2 - 電力システム - Google Patents

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Description

本発明は、再生可能エネルギー以外の電力供給設備の逆潮流を検出可能な電力システムに関する。
低圧受電の需要者は、電力会社からの電気(商用電力)の供給を受けて構内の負荷設備(一般用電気工作物)で電気を使用する。また、太陽光発電設備等、再生可能エネルギー発電設備を構内に設け、負荷設備を動作させるとともに(例えば、特許文献1)、電力会社に余った電力を売電することも可能である。
特開2013−247737号公報
上述したように、太陽光発電設備等の再生可能エネルギー発電設備で発電された電気エネルギーは電力会社に売電できる。ただし、再生可能エネルギー発電設備で発電された電気エネルギーは優遇された有利な価格で売電できるのに対し、再生可能エネルギー発電設備以外の電力供給設備には有利な価格が適用されていない。そのため、構内に、再生可能エネルギー発電設備と再生可能エネルギー以外の電力供給設備とを併設する場合において、再生可能エネルギー発電設備で発電された電気エネルギーを有利な価格で売電するためには、その電気エネルギーが再生可能エネルギー発電設備で発電されたものであり、再生可能エネルギー以外の電力供給設備から供給されたものではないこと、すなわち、再生可能エネルギー以外の電力供給設備からは逆潮流が生じていないことを明示しなくてはならない。
そこで、単相3線式の電力供給設備では、接続線のR相、T相それぞれの電流値およびN相に対する相間電圧値を求め、電流値と相間電圧値の積に基づいて、再生可能エネルギー以外の電力供給設備から逆潮流が生じているか否か判定することが考えられる。
また、今後は、省エネルギー機器が普及し、構内の電力需要が減少すると、必ずしも単相3線式の電力供給設備を要さず、例えば、単相3線の片方に相当する単相2線のみに接続される小出力の電力供給設備を設置することが考えられる。しかし、かかる小出力の電力供給設備では、接続されている単相2線の相間電圧値を検出できるものの、接続されていない他方の単相2線の相間電圧値は検出できない。したがって、R相、T相両方の、電流値と相間電圧値との積を求めることができず、逆潮流の判定ができなくなってしまう。
本発明は、このような課題に鑑み、単相2線にのみ接続される電力供給設備であっても、逆潮流を適切に検出可能な電力システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の電力システムは、電力系統に接続された引き込み線である単相3線の中性線に対する2つの電圧線のうち、いずれか一方の単相2線に接続された電力供給設備と、一方の単相2線の相間電圧値を測定する電圧計と、一方および他方の単相2線それぞれの電流値を測定する電流計と、一方の単相2線における電流値と一方の単相2線における相間電圧値とを乗じた値と、他方の単相2線における電流値と所定の想定値とを乗じた値とを加算し換算電力を導出する電力導出部と、換算電力に基づいて逆潮流か否か判定する逆潮流判定部と、を備え、電力導出部は、他方の単相2線における電流の方向に応じて、相間電圧値として取り得る規定最小電圧値および規定最大電圧値のいずれかを想定値とすることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の電力システムは、電力系統に接続された引き込み線である単相3線の中性線に対する2つの電圧線のうち、いずれか一方の単相2線に接続された電力供給設備と、電力供給設備内に設けられ、一方の単相2線の相間電圧値を測定する電圧計と、一方および他方の単相2線それぞれの電流値を測定する電流計と、一方の単相2線における電流値と一方の単相2線における相間電圧値とを乗じた値と、他方の単相2線における電流値と所定の想定値とを乗じた値とを加算し換算電力を導出する電力導出部と、換算電力に基づいて逆潮流か否か判定する逆潮流判定部と、を備えることを特徴とする
電力系統に接続され、他方の単相2線における相間電圧値を測定可能な電力メータを備え、電力導出部は、電力メータが測定した相間電圧値を想定値としてもよい。
電力導出部は、電力メータが測定した相間電圧値を統計的に処理し、他方の単相2線における電流の方向に応じて、統計的に導き出した実測最小電圧値および実測最大電圧値のいずれかを想定値としてもよい。
本発明によれば、単相2線にのみ接続される電力供給設備であっても、逆潮流を適切に検出することが可能となる。
第1の実施形態における電力システムの接続関係を示した説明図である。 非再生電力供給設備の課題を説明するための説明図である。 第2の実施形態における電力システムの接続関係を示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:電力システム100)
図1は、第1の実施形態における電力システム100の接続関係を示した説明図である。かかる図1では電力の移動を実線で、情報を含む信号を破線の矢印で示している。電力システム100は、引き込み線12を通じて、電力系統14から電気(商用電力)の供給を受ける。かかる電力システム100は、需要家単位で構成され、その範囲としては、一般用電気工作物(低圧受電の需要家)であれば、家屋等に限らず、病院、工場、ホテル、レジャー施設、商業施設、マンションといった建物単位や建物内の一部分であってもよい。
また、電力システム100は、電力メータ112と、分電盤114と、再生可能エネルギー発電設備116と、第1個別遮断器118と、再生可能エネルギー発電設備以外の電力供給設備(以下、単に、「非再生電力供給設備120」という)と、第2個別遮断器122とを含んで構成される。
電力メータ(電力量計)112は、電力系統14に引き込み線12を介して接続され、引き込み線12と電力システム100との間に流れる(消費および売電)電流値を計測する。
分電盤114は、電力メータ112に接続され、契約容量を示すサービス遮断器(サービスブレーカ)114a、漏電の検出に応じて電気の供給を遮断する漏電遮断器(漏電ブレーカ)114b、および、複数の分岐回路130それぞれに設けられ許容電流値(例えば20A)を超過すると電気の供給を遮断する配線用遮断器(安全ブレーカ)114cを有する。また、漏電遮断器114bの2次側(漏電遮断器114bと配線用遮断器114cの間)には、電圧線に対応する各相(R相、T相)の電流値を計測する電流計114dが設けられている。なお、ここでは、分電盤114の構成としてサービス遮断器114aを挙げているが、サービス遮断器114a自体を設置しなくてもよく、また、電力メータ112に設けてもよい。
再生可能エネルギー発電設備116は、過電流および漏電を防止する第1個別遮断器118を介して漏電遮断器114bの1次側に共締めで接続され、他のエネルギーを電気エネルギーに変換して電気を生成し、生成した電気を電力系統14より優先して、電気的エネルギーを消費する負荷設備16に供給する。かかる再生可能エネルギー発電設備としては、例えば、太陽光発電機、風力発電機、水力発電機、地熱発電機、太陽熱発電機、大気中熱発電機等を用いることができる。したがって、生成した電気エネルギーを引き込み線12に逆潮流させ、売電することも可能である。
非再生電力供給設備120は、過電流を防止する第2個別遮断器122を介して、分電盤114における複数の分岐回路130のいずれかに接続され、発電部Gにおいて他のエネルギーを電気エネルギーに変換して電気を生成し、再生可能エネルギー発電設備116と同様に、生成した電気を電力系統14より優先して負荷設備16に供給する。かかる非再生電力供給設備120としては、燃料電池、蓄電池、内燃力発電等を用いることができる。また、非再生電力供給設備120は、自機に接続された単相2線の相間電圧値を測定する電圧計120aと、発電部Gからの電力供給(出力)を遮断する解列部120bと、非再生電力供給設備120全体を制御する制御ユニット120cを有している。
ところで、非再生電力供給設備120は、単相3線(200V)に接続して用いるのが一般的である。この場合、配線用遮断器114cに代えて連系遮断器(200V)を設け、その連系遮断器に非再生電力供給設備120を接続したり、また、漏電遮断器114bの1次側から別途の個別遮断器(200V)を介して非再生電力供給設備120を接続しなければならない。
ただし、今後は、省エネルギー機器が普及し、電力システム100の電力需要が減少すると、必ずしも単相3線式の電力供給設備を要さない、本実施形態のような、単相3線のN相(中性線)に対するR相(電圧線)、T相(電圧線)のうち、いずれか一方の単相2線(R相とN相、もしくは、T相とN相)のみに接続される小出力の非再生電力供給設備120が設置されることとなる。このように単相2線で運用できれば、連系遮断器等を介在しなくとも、図1のように、既存の分岐回路130を利用して屋外コンセントに非再生電力供給設備120を接続することが可能となり、電力システム100内の配線を簡素化できる。
しかし、非再生電力供給設備120を単相2線にのみ接続する場合、以下の課題が生じる。具体的に説明すると、上述した再生可能エネルギー発電設備116等の電力供給設備で発電された電気エネルギーは、負荷設備16に供給して余った電気エネルギーを電力会社に売電できる。ただし、再生可能エネルギー発電設備116で発電された電気エネルギーは優遇された有利な価格で売電できるのに対し、再生可能エネルギー発電設備以外の電力供給設備である非再生電力供給設備120には有利な価格が適用されていない。したがって、電力システム100に、再生可能エネルギー発電設備116と非再生電力供給設備120とを併設する場合において、再生可能エネルギー発電設備116で発電された電気エネルギーを有利な価格で売電するためには、その電気エネルギーが再生可能エネルギー発電設備116で発電されたものであり、非再生電力供給設備120から供給されたものではないこと、すなわち、非再生電力供給設備120からは逆潮流が生じていないことを明示しなくてはならない。
図2は、非再生電力供給設備120の課題を説明するための説明図である。仮に、単相3線式の非再生電力供給設備を接続する場合、図2(a)のように、単相3線のR相(電圧線)、T相(電圧線)それぞれの電流値I、Iと、N相(中性線)に対する相間電圧値V、Vを求める。そして、それぞれの相(R相、T相)に関し、電流値と相間電圧値の積(I×V、I×V)を求め、その和(I×V+I×V)から非再生電力供給設備の電力が逆潮流しているか否かを判定できる。しかし、本実施形態のように、単相2線式の非再生電力供給設備120を接続する場合、図2(b)のように、接続されている単相2線の相間電圧値(ここでは、R相の相間電圧値V)を検出できるものの、接続されていない他方の単相2線の相間電圧値(ここでは、T相の相間電圧値V)は検出できない。
ここで、非再生電力供給設備120からの逆潮流を検知すべく、接続している相(連系相)のみの逆潮流を判定することが考えられる。すなわち、電流計114dによってR相、T相いずれもの電流値I、Iを測定し、いずれか一方でも逆潮流となる方向(図2の破線矢印と異なる方向)に流れている場合、解列部120bを通じて非再生電力供給設備120からの電力供給を遮断すれば、非再生電力供給設備120からの逆潮流を確実に防止することが可能となる。しかし、この場合、両相の合計では、非再生電力供給設備120からの逆潮流が生じていない、本来、電力供給を遮断する必要のない状況においても、電力供給を遮断する場合が生じるので、非再生電力供給設備120を有効に活用できない問題がある。
そこで、本実施形態では、測定不能な他方の単相2線の相間電圧値を推定することで、単相3線式の電力供給設備と実質的に等しい条件で逆潮流を判定する。以下、図2(b)を用いて、その判定態様を詳述する。
電流計114dは、例えば変流器(CT)で構成され、一次巻線を配した貫通体(鉄心、コア)それぞれに、R相、T相の配線を挿通(クランプ)し、その電流値を計測値に変成して制御ユニット120cに送信する。ここでは、説明の便宜上、単にR相、T相に挿通する例を挙げているが、正確には、図1におけるサービス遮断器114aと漏電遮断器114bとを接続する配線に設けられることが一般的である。
ここでは、電力系統14から見て、再生可能エネルギー発電設備116が下流に位置し、そのさらに下流に、負荷設備16および非再生電力供給設備120が位置する。したがって、再生可能エネルギー発電設備116と非再生電力供給設備120との間に電流計114dを配置することで、再生可能エネルギー発電設備116と非再生電力供給設備120とを切り離して考えることができ、非再生電力供給設備120のみの潮流態様を把握することが可能となる。
電圧計120aは、例えば計器用変圧器(VT)で構成され、N相に対するR相の相間電圧値を制御ユニット120cに送信する。ここでは、電圧計120aが非再生電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。
制御ユニット120cは、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成される。ここでは、制御ユニット120cが非再生電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。また、制御ユニット120cは、プログラムを動作させることで、電力導出部140、逆潮流判定部142としても機能する。
電力導出部140は、電流計114dからR相、T相それぞれの電流値I、Iを取得するとともに、電圧計120aからR相の相間電圧値Vを取得する。そして、電力導出部140は、T相の相間電圧値の所定の想定値VTAを参照し、単相3線に換算した電力(以下、単に「換算電力」という)を導出する。具体的に、電力導出部140は、R相に関する電力(I×V)と、T相に関する想定電力(I×VTA)とを求め、その和(I×V+I×VTA)を導出して単相3線の換算電力とする。
逆潮流判定部142は、電力導出部140が導出した単相3線の換算電力に基づいて逆潮流か否か判定する。具体的に、逆潮流判定部142は、換算電力が負の整定値以下であれば、逆潮流が生じたとして、解列部120bを通じて非再生電力供給設備120からの電力供給を遮断する(出力を0とする)。なお、ここでは、解列部120bが非再生電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。また、ここでは、電力供給を遮断もしくは出力を0にする例を挙げているが、逆潮流が生じないように出力を低下させるとしてもよい。
かかる構成により、単相2線にのみ接続される非再生電力供給設備120であっても、単相3線の換算電力を求めることができ、非再生電力供給設備120の逆潮流を適切に検出することが可能となる。
ところで、電気事業法において電力会社から供給される電力の相間電圧値は、101V±6Vの範囲内と定められている。したがって、T相の相間電圧値は、95V(規定最小電圧値)〜107V(規定最大電圧値)の範囲内でしか変動しない。そこで、相間電圧値として取り得る範囲であり、さらに、引き込み線12の電圧降下(例えば2V)を考慮して、上述したT相の相間電圧値の想定値VTAを選択することができる。
また、電力導出部140は、他方であるT相の電流の方向に応じて、想定値を決定するとしてもよい。例えば、T相の電流が逆潮流となる方向(図2の破線矢印と異なる方向)に流れているとする。このとき、T相の相間電圧値Vは、規定最小電圧値(95V)から規定最大電圧値(107V)の範囲で変動し得るので、T相に関する電力は、(電流値I×規定最小電圧値)から(電流値I×規定最大電圧値)の範囲で変動することとなる。ここでは、安全側である(電流値I×規定最大電圧値)の値をとることで逆潮流が生じないことを明示する。すなわち、電力導出部140は、T相の電流が逆潮流となる方向に流れている場合、想定値VTAとして規定最大電圧値を設定する。
同様に、電力導出部140は、T相の電流が逆潮流とならない方向(図2の破線矢印と等しい方向)に流れている場合、想定値VTAとして、安全側である規定最小電圧値を設定する。
かかる構成により、単相2線にのみ接続される非再生電力供給設備120を単相3線として換算した場合の最も安全側での換算電力を求めることができ、非再生電力供給設備120の逆潮流をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
また、ここでは、図2(b)のように、R相側の単相2線に非再生電力供給設備120を接続する例を挙げて説明したが、図2(c)に示すように、T相側の単相2線に非再生電力供給設備120を接続した場合も同等の計算により逆潮流を検出できる。
すなわち、電力導出部140は、電流計114dからR相、T相それぞれの電流値I、Iを取得するとともに、電圧計120aからT相の相間電圧値Vを取得する。そして、電力導出部140は、R相の相間電圧値の想定値VRAを参照し、R相に関する電力(I×VRA)と、T相に関する想定電力(I×V)とを求め、その和(I×VRA+I×V)を導出して単相3線の換算電力とする。そして、逆潮流判定部142は、電力導出部140が導出した単相3線の換算電力が負の整定値以下であれば、逆潮流が生じたとして、解列部120bを通じて非再生電力供給設備120からの電力供給を遮断もしくは出力を低下させる。
かかる構成によっても、単相2線にのみ接続される非再生電力供給設備120を単相3線として換算した場合の最も安全側での換算電力を求めることができ、非再生電力供給設備120の逆潮流をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
(第2の実施形態:電力システム200)
図3は、第2の実施形態における電力システム200の接続関係を示した説明図である。かかる電力システム200では、電力導出部240の処理が第1の実施形態と異なるが、他の構成要素については第1の実施形態と実質的に等しい。
第2の実施形態において、電力導出部240は、想定値を固定的に選択せず、当該電力システム200の任意の機器から相間電圧値に関する情報を取得し、その情報に基づいて想定値を随時決定する。例えば、図3の例において、電力導出部240は、電力メータ112における相間電圧値、具体的には、非再生電力供給設備120が接続されている相とは異なる相の相間電圧値を取得し、その相間電圧値を想定値とする。
かかる構成により、本来の相間電圧値に近い値を想定値とし、より厳密に換算電力を求めることができるので、非再生電力供給設備120の逆潮流をより適切に検出することが可能となる。
ただし、電力メータ112の相間電圧値の更新頻度によっては、本来の相間電圧値と異なる値を参照することになってしまう。例えば、電力メータ112が数十秒に1回のみ更新される場合、参照する相間電圧値が数十秒前の相間電圧値となる場合がある。そこで、電力導出部240は、かかる電力メータ112における相間電圧値を蓄積して、それを統計的に処理して想定値を決定してもよい。
例えば、電力導出部240は、電力メータ112における、過去の任意の期間(年、月、週、日、時間等)分の相間電圧値を蓄積し、その間の最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求める。ここで、T相の相間電圧値Vは、実測最小電圧値から実測最大電圧値の範囲で変動しているので、T相に関する電力は、(電流値I×実測最小電圧値)から(電流値I×実測最大電圧値)の範囲で変動することとなる。
ここで、電力導出部240は、T相の電流が逆潮流となる方向(図2の破線矢印と異なる方向)に流れている場合、想定値VTAとして、安全側である実測最大電圧値を設定する。また、電力導出部240は、T相の電流が逆潮流とならない方向(図2の破線矢印と等しい方向)に流れている場合、想定値VTAとして、安全側である実測最小電圧値を設定する。
かかる構成により、単相2線にのみ接続される非再生電力供給設備120を単相3線として換算した場合の最も安全側での換算電力を求めることができ、非再生電力供給設備120の逆潮流をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、電力メータ112から制御ユニット120cに対し、相間電圧値を送信する例を挙げて説明したが、電力メータ112がスマートメータであった場合、その機能、例えば、HEMS(Home Energy Management System)を通じて電力メータ112から制御ユニット120cに送信してもよい。
また、上述した実施形態では、過去の任意の期間分の相間電圧値を蓄積し、その間の最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求める例を挙げて説明したが、統計的に導き出した、例えば、統計的な偏差から、実効的な最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求めるとしてもよい。
本発明は、再生可能エネルギー以外の電力供給設備の逆潮流を検出可能な電力システムに利用することができる。
12 引き込み線
14 電力系統
100、200 電力システム
112 電力メータ
114d 電流計
116 再生可能エネルギー発電設備
120 非再生電力供給設備(再生可能エネルギー以外の電力供給設備)
120a 電圧計
140、240 電力導出部
142 逆潮流判定部

Claims (4)

  1. 電力系統に接続された引き込み線である単相3線の中性線に対する2つの電圧線のうち、いずれか一方の単相2線に接続された電力供給設備と、
    前記一方の単相2線の相間電圧値を測定する電圧計と、
    前記一方および他方の単相2線それぞれの電流値を測定する電流計と、
    前記一方の単相2線における電流値と前記一方の単相2線における相間電圧値とを乗じた値と、前記他方の単相2線における電流値と所定の想定値とを乗じた値とを加算し換算電力を導出する電力導出部と、
    前記換算電力に基づいて逆潮流か否か判定する逆潮流判定部と、
    を備え
    前記電力導出部は、前記他方の単相2線における電流の方向に応じて、相間電圧値として取り得る規定最小電圧値および規定最大電圧値のいずれかを前記想定値とすることを特徴とする電力システム。
  2. 電力系統に接続された引き込み線である単相3線の中性線に対する2つの電圧線のうち、いずれか一方の単相2線に接続された電力供給設備と、
    前記電力供給設備内に設けられ、前記一方の単相2線の相間電圧値を測定する電圧計と、
    前記一方および他方の単相2線それぞれの電流値を測定する電流計と、
    前記一方の単相2線における電流値と前記一方の単相2線における相間電圧値とを乗じた値と、前記他方の単相2線における電流値と所定の想定値とを乗じた値とを加算し換算電力を導出する電力導出部と、
    前記換算電力に基づいて逆潮流か否か判定する逆潮流判定部と、
    を備えることを特徴とする電力システム。
  3. 前記電力系統に接続され、前記他方の単相2線における相間電圧値を測定可能な電力メータを備え、
    前記電力導出部は、前記電力メータが測定した相間電圧値を前記想定値とすることを特徴とする請求項に記載の電力システム。
  4. 前記電力導出部は、前記電力メータが測定した相間電圧値を統計的に処理し、前記他方の単相2線における電流の方向に応じて、統計的に導き出した実測最小電圧値および実測最大電圧値のいずれかを前記想定値とすることを特徴とする請求項3に記載の電力システム。
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