JP6716527B2 - 電力線搬送通信システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電力線搬送通信システムに関する。
空港フィールドにおいて、RWSL(Runway Status Light,滑走路状態表示灯)やSTBL(Stop Bar Light,ストップバー灯)などの各種誘導灯の断芯などの故障状態を監視・点灯制御するシステムがある。
空港フィールドにおいては、誘導灯の灯火ごとの制御用配線を不要にするため電力線を伝送路とする電力線搬送通信が採用されており、同期方法及び遅延時間が課題となっている。この課題に対応するために、ノイズの振幅と時間軸方向の幅において、交流電圧の正サイクルと負サイクルとでほぼ同一であることに着目し、データ信号の送信時に、搬送波送信部で、データ信号が交流電圧の正側あるいは負側のいずれかの半サイクルにだけ重畳されるように搬送波を出力する方式が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方式は、交流波のゼロクロスを起点とした同期であり、受信部の遅延や補正に対応していない。
他の方法としては、各モデムが、商用電源のゼロクロス点に基づいて生成される基準タイミングを取得し、この基準タイミングによって設定される基準区間の中で、基準タイミングを境にした前区間(区間A)で1組のベストエフォート型モデムが通信を行い、基準タイミングを境にした後区間(区間B)を時分割によって設定した2つの区間で2組の帯域保証型モデムがそれぞれ通信を行う方式も知られている(特許文献2)。しかしながら、この方式は、帯域を保証するものであり、空港のような特殊な環境下における基準タイミングずれや、モデム間の遅延や補正を考慮する必要があるため通信が成立しない。
特開2001−086042号公報 特開2007−028492号公報
空港において設置される灯火監視・制御対象となる各種誘導灯及び伝送局において、伝送局間の通信距離により同期及び遅延時間の誤差が変化するため、電力線搬送通信で正常に伝送できない課題がある。
本発明の実施形態は、上記のような問題を解決するものであり、電源回路や近傍の隣接回路から重畳するノイズを考慮して伝送局間の位相遅延を補正し、精度のよい電力線搬送通信装置及び同期及び遅延時間補正方法をした電力線搬送通信システムを提供する。
本発明の実施形態における電力線搬送通信システムは、定電流交流電源の電力線に、交流器を経由して複数の伝送局及び灯火監視制御装置から構成される電力線搬送通信システムであって、前記伝送局は、前記灯火監視制御装置から遅延補正のコマンドが送信される親伝送局と、前記親伝送局から電力線搬送通信で前記コマンドが送信される子伝送局とからなり、前記伝送局は、受信信号から定電流交流電源のゼロクロス点に同期する位相検出部と、予め記憶された時間を指定時間として設定する指定時間算出部と、予め記憶された時間幅を通信区間として設定する通信区間算出部と、前記通信区間においてサンプリングデータを任意の時間幅又はサンプリング数、時間間隔又はサンプリング間隔で任意の周波数の信号強度を算出する信号強度算出部と、前記子伝送局において前記親伝送局から受信した遅延補正のコマンド後のゼロクロスに対応する信号を基に遅延補正用の応答信号を注入する信号注入位置設定部と、前記親伝送局にて前記子伝送局より受信した前記応答信号に基づいて、前記信号強度のなかから所定の閾値を超えたタイミングを、前記親伝送局と前記各子伝送局間の遅延時間の調整を前記各子伝送局にて行うための遅延時間として算出する遅延時間算出部と、を備えることを特徴とする。
第1の実施形態のシステム全体の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の伝送局の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の復調処理部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における受信信号における指定時間及び通信区間を示す図である。 第1の実施形態における時系列の信号強度テーブルを示す図である。 信号強度と遅延信号の基準となるポイントを示すグラフである。 第1の実施形態の遅延算出工程のフローチャートである。 第1の実施形態の遅延算出工程のシークエンスである。 第1の実施形態の遅延補正用の応答信号の注入方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態の遅延補正用の応答信号の注入方法を示すシークエンスである。 第1の実施形態の遅延補正工程のシークエンスである。 遅延時間が異なる場合の親伝送局が受信する応答信号の一例を示す図である。 遅延時間を調整した場合の親伝送局が受信する応答信号の一例を示す図である。 時系列に配列された信号強度を微分した場合の波形を示すグラフである。 受信信号よりノイズを差し引く遅延時間算出方法における波形を示すグラフである。 算出したS/Nをグラフ化したものである。 ゼロクロスを基準にして複数の受信信号の信号強度を時系列で重ね合わせた波形を示すグラフである。 遅延補正コマンドをユニキャスト化した場合のシークエンスを示す図である 遅延時間とデータの正解率との相関を示すグラフである。 遅延時間とデータ変動との相関を示すグラフである。 他の実施形態におけるブロードキャストによる遅延時間補正シークエンスを示す図である。 他の実施形態におけるユニキャストによる遅延時間補正シークエンスを示す図である。
以下、本発明に係る電力線搬送通信システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
[1.第1の実施形態]
本実施形態に係る電力線搬送通信システムは、図1にシステム構成例を示す。電力系統から供給される交流電源100と、灯火及び伝送局への電源供給源となる定電流電源装置101と、電源装置の起動・停止や照度制御、親伝送局104との灯火の監視・制御を行う灯火監視制御装置102と、灯火器106の点灯制御及び断芯検出を行う子伝送局105と、前記伝送局を相互接続する交流器107と、伝送路としても利用する電源供給路108から構成される。
また、フィルタ103は親伝送局104と子伝送局105の間で電源供給路108を利用して送受する伝送信号が定電流電源装置101へ流入することを防止するとともに、伝送信号が各伝送局で送受可能なように調整される。空港フィールドにおいて、本構成例のシステムがRWSLやSTBLなどの各種誘導灯毎、滑走路毎、誘導路毎に数多く配置し、灯火監視制御装置102は、複数の回路を制御することもできる。
図2に伝送局の機能構成例を示す。親伝送局104は、灯火管制制御装置102との通信部111があり、子伝送局105には灯火制御部120があるが、電力線通信を行うための基本的な構成は、同一である。以下、各機能の概要について説明する。
パラメータ情報110は、各伝送局の送信出力や受信ゲイン、通信するタイミング情報、各伝送局、通信区間で割り当てられる通信可能時間、伝送時に利用する搬送周波数、シンボル数、シンボル速度などに関するものである。親伝送局104の場合、上位の灯火監視制御装置102との通信部111を有し、上位装置からの制御情報や、子伝送局105の監視情報、応答情報を送受する。
一方、制御部112は、データ送受信を調停する。また、子伝送局105において、灯火器106が接続されている場合、制御部112は、灯火の断芯検出などの監視や灯火を制御する。
データ送信部113は、親伝送局104から子伝送局105に対するコマンドや制御情報、子伝送局105から親伝送局104に対する応答情報に誤り検出や訂正用の各種FEC符号を付加し、通信フレームを生成する。変調処理部114は、通信フレームのデータ配列からパラメータ情報を利用し、変調データを生成する。例えば、位相変調方式の場合、1bit〜複数bit単位で規定したシンボルを、シンボル毎に対応した位相、時間間隔、搬送周波数でデータ生成する。
信号送信部115は、デジタルデータをアナログデータに変換し伝送路へ送出する。また、信号送信部115は、位相検出部116から得られる電源波形の位相を照合し、ゼロクロス点に基づいて、パラメータ情報に従った送信出力、通信するタイミング情報、通信区間で送出する。この際、信号送信部115は、指定時間と遅延時間の和を全遅延時間としてゼロクロス点からの受信信号の信号注入開始位置とする。つまり、本願請求項における信号注入位置設定部として機能する。また、信号送信部115は、伝送するデータ量により、1回の送信タイミングで全ての情報が送出できない場合、複数のタイミングで送出することもできる。例えば、全データ量を1回で送出できるデータ量で除算した回数で、送出することもできる。
信号受信部119は、電源波形に重畳する伝送信号を抽出し、デジタルデータに変換する。また、電源波形の情報を位相検出部116へ送る。位相検出部116は、電源波のゼロクロス点を基準にした位相を検出する。復調処理部118は、パラメータ情報110と位相検出部116から得られるタイミングのデータから復調データを生成する。例えば、一定間隔でシンボルを抽出し、フーリエ変換等で信号強度と位相を検出し、変調前の通信フレームのデータを復元する。データ受信部117は、通信フレームから誤り検出・訂正の処理を行い、通信フレームの異常有無やコマンド、制御情報、応答情報を制御部112へ送る。また、子伝送局105の場合には、灯火制御部120が受信した制御情報をもとに灯火の点灯・消灯制御を行う。
(復調処理部)
復調処理部118は、伝送局間の位相遅延を補正し、精度のよい電力線搬送通信を行うために遅延時間を考慮した補正を行うことで、各伝送局間における同期をとる。図3は、復調処理部118の構成を示すブロック図である。図3に示すように、復調処理部118は、指定時間算出部121、通信区間算出部122、信号強度算出部123、及び遅延時間算出部124を備える。
指定時間算出部121は、位相検出部116において検出したゼロクロスのタイミングから任意の指定時間の算出を行う。指定時間は、予め、パラメータ情報110に記憶されているもの指定時間と設定しても良い。
通信区間算出部122は、算出した指定時間から任意の時間幅を通信区間として算出する。例えば、予めパラメータ情報110に記憶されている時間幅を通信区間と設定しても良い。図4は、指定時間算出部121、通信区間算出部122が設定する指定時間及び通信区間を示す波形である。図4に示すように、電源波形のある部分が通信区間となる。その通信区間は、ゼロクロス点より一定の時間位相がずれている。そのずれを示すのが指定時間である。また、通信区間は、サンプリング数が時間幅で区切られているとともに、時間幅のサンプリング間隔も設定されている。復調処理部118には、これらの情報をあらかじめ記憶しておいても良い。
信号強度算出部123は、パラメータ情報110で示される指定時間から想定する通信区間の受信信号を検波し、検波した受信信号の信号強度の算出を行う。信号強度算出部123は、位相検出部116において検出したゼロクロスのタイミングを基に、通信区間を設定し、受信信号の検波を行う。そして、検波した信号について、図5に示すような時系列の信号強度テーブルを作成する。データを復号化することを目的としてないので、本来のシンボル速度に応じた検波にする必要はない。そして、その中で一定の閾値をとなる信号強度を超えたポイントの検出を行うことで、信号強度の算出を行う。図6は、信号強度を時系列順にプロットし、それらをつなげたグラフである。
遅延時間算出部124は、信号強度算出部123が検出した一定以上の信号強度となるポイントを基に、遅延時間の算出を行う。図6においては、初めて信号強度が閾値を超えるポイントに対応する時間が遅延時間となる。遅延時間とする候補が複数ある場合には、初めて閾値を超えたポイント、信号強度変化がピークとなったポイントなどを基準に遅延時間を算出することができる。すなわち、遅延時間算出部は、ゼロクロスを基準にした受信信号を時系列で重ね合わせ、信号強度を平均値や標準偏差、最大値等を用いて、前記方式の遅延時間算出方法を採用することで、ゼロクロス変動など軽微な信号の変動に惑わされることなく、統一的な遅延時間を算出することができる。
[1−2.作用]
以下では、本実施形態に係る電力線搬送通信システムの動作について説明する。電力線搬送通信システムの動作は、大きく分けて以下の2つの工程からなる。
(1) 灯火制御監視装置内の親局及び子伝送局間での遅延補正工程
(2)算出した遅延時間を考慮した電力線搬送通信工程
以下では、(1)の遅延補正工程について詳述する。この遅延補正工程には、(a)遅延を算出する遅延算出工程と(b)遅延を踏まえて補正を行う補正工程が含まれる。
(a)遅延算出工程
図7は、遅延算出工程のフローチャートであり、図8は、遅延算出工程のシークエンスである。図7に示すように、遅延算出工程においては、初めに灯火監視制御装置102から親伝送局104に遅延補正のコマンドを送信し、親伝送局104は子伝送局105に対し、電力線搬送通信でコマンドを送信する(STEP101)。親伝送局104から子伝送局105に対するコマンドの送信は、接続されているすべての端末に対し相手を特定せずにデータを送るブロードキャストで行われる。
次に、親伝送局104からの信号を受信した子伝送局105は、子伝送局105はアドレスなどの規定の順番に従い、遅延補正用の応答信号を注入する(STEP102)。この際、応答信号には、各子伝送局105を区別するための識別子を付されていても良い。応答信号は、コマンドと同様に電力線搬送通信で子伝送局105から親伝送局104へ伝達される。
親伝送局104は応答信号を受信し、受信した信号から前記方式の遅延時間算出方法で遅延時間算出部124により遅延時間を算出する(STEP103)。遅延時間は、親伝送局104と各子伝送局105間について算出される。親伝送局104は、親伝送局104と各子伝送局105間の遅延時間の情報を灯火制御装置へ送信する(STEP104)。
(遅延補正用の応答信号を注入方法)
以下に、STEP102の遅延補正用の応答信号を注入方法について詳細に説明する。図9は、遅延補正用の応答信号を注入方法におけるフローチャートであり、図10は、遅延補正用の応答信号を注入方法におけるシークエンスを更に詳細にしたシークエンスである。
前記STEP101〜STEP104の工程以前に、各子伝送局105は、コマンドを受信した際の遅延時間算出の対象となる信号の位置、応答信号の注入回数を設定しておく。以下では、説明のために、子伝送局1は、コマンド受信後1〜3のゼロクロスに対応する信号を基に応答信号を注入する。子伝送局2は、コマンド受信後4〜6のゼロクロスに対応する信号を基に応答信号を注入し、子伝送局nは、コマンド受信後(2n−1)〜(2n+1)のゼロクロスに対応する信号を基に応答信号を注入すると設定しているものとする。
親伝送局104からコマンドを受信した子伝送局は、ゼロクロス毎にカウンタをインクリメントする(SETP111)。そして、カウンタが、子伝送局においてあらかじめ設定した信号注入回数となった場合には(STEP112のYES)、応答信号を注入する。一方、カウンタの回数が設定値で未満の場合には(STEP112のNO)、応答信号を注入しない。
子伝送局は、検出したゼロクロスに基づき、カウンタの値をインクリメントする。これにより、予め設定させたコマンドのゼロクロス点を基準とし応答信号を注入する。また、親伝送局104は、どの子伝送局がどのタイミングで応答信号を注入するかの情報を保持しておく。このようにすることで、親伝送局104においてどの伝送局が注入した信号かを識別でき、全ての伝送局に対して伝送局毎に遅延時間を補正することができる。また、例では各伝送局の信号注入回数は3回としているが回数は限定しない。各子伝送局がコマンドのどのゼロクロスのタイミングで応答信号を注入するや、応答信号注入の回数はコマンドに含めてもよい。
(b)遅延補正工程
図11は、遅延補正工程のシークエンスである。遅延補正工程では、算出した遅延時間を各子伝送局に伝送することで、親伝送局104において受信する各子伝送局からの信号の遅延時間の調整を行う。
すなわち、算出した遅延時間は、各子伝送局で異なることが多い。そのため、子伝送局においてなんらかの遅延時間の補正や補償を行わない場合には、あるコマンドに対して子伝送局が同じタイミングで応答信号を注入しても、親伝送局104が同じタイミングで応答信号を受信することはない。例えば、子伝送局1の遅延時間t1、子伝送局2の遅延時間t2・・・子伝送局nの遅延時間nとすると、それぞれの遅延時間は異なるため、図12に示すように、異なるタイミングで親伝送局104が受信することになる。そのため、親伝送局104は、どの子伝送局が送信したタイミングかゼロクロスカウンタ等により、常にシークエンスを監視して把握することが必要になってくる。
本実施形態では、図11に示すように親伝送局104で算出した遅延時間を各子伝送局へ送信し、受信した子伝送局がその遅延時間に応じて送信タイミングを一定に調整することにより図13に示すように、親伝送局104は一定の遅延時間で復調することが可能となる。
[1−3.効果]
本実施形態の電力線搬送通信システムは、以下のような効果を奏することが可能となる。
(1)電力線搬送通信システムにおける各伝送局は、受信信号から定電流交流電源のゼロクロス点に同期する位相検出部と、同期タイミングからの任意の指定時間を算出する指定時間算出部と、指定時間から任意の時間幅を通信区間として算出する通信区間算出部と、通信区間においてサンプリングデータを任意の時間幅又はサンプリング数、時間間隔又はサンプリング間隔で任意の周波数の信号強度を算出する信号強度算出部と、信号強度に対し閾値を超えたタイミングを遅延時間として算出する遅延時間算出部と、指定時間と前記遅延時間の和を全遅延時間として前記ゼロクロス点からの受信信号の信号注入開始位置とする信号注入位置設定部とを備える。遅延信号のうち閾値を超えたタイミングを遅延時間とすることで、伝送局間の位相遅延の補正を行うことが可能となるため、精度のよい電力線搬送通信を行うことが可能となる。
(2)また、遅延時間の算出方法としては、閾値を信号強度の波高値のパーセンテージで設定することにより、得られる信号強度に応じた閾値を設定することもできる。つまり、受信信号は利用する搬送周波数や距離に依存して信号強度が変化するため、信号強度の立ち上がりが鈍くなり、閾値によっては、前記方式で算出された遅延時間では正確でないことが想定される。この場合には、閾値を、信号強度波高値のパーセンテージで設定することにより、より正確な遅延時間を算出することができる。閾値を波高の80%と設定した場合、図6に示すように、波高の80%部分に閾値を設け、信号強度がこの閾値を超えるポイントを遅延時間算出の基準とする。
(3)本実施形態では、遅延時間算出部は、算出した信号強度の中から所定の閾値を超えたタイミングを遅延時間として算出したが、遅延時間の算出方法はこれに限らない。例えば、時系列に配列された信号強度を微分し、時間軸の任意の特定区間内における信号強度変化のピーク位置の時間を遅延時間として算出しても良い。図14は、時系列に配列された信号強度を微分した場合の波形を示すグラフである。図14に示すように、ピークの位置に対応する時間を遅延時間とすることができる。この信号強度の算出方法を採用しても精度のよい電力線搬送通信を行うことが可能となる。
また、通信区間の長さによってノイズ等の影響による信号強度変化が予想される。つまり、検索範囲内にピークが複数現れる可能性がある。その場合は、検索範囲の一部をマスクし、ピーク位置の検索範囲を限定することにより、不要波を抑制し信号注入時の立ち上がりを正確に算出することができる。これにより、正確な位相遅延の補正を行うことができ精度のよい電力線搬送通信を行うことが可能となる。
(4)また、信号強度が所定の閾値を超えたタイミングとした遅延時間と、時系列に配列された信号強度を微分し信号強度変化のピーク位置より算出した遅延時間のいずれか大きいほうを遅延時間として算出することもできる。このようなにすることで、例えば、考慮できる固定的な遅延時間以下で算出された遅延や、遅延として想定しえない遅延をマスクすることにより、より精度の高い遅延時間を算出することができる。
(5)また、受信信号から予め記憶してあるノイズを差し引いた信号強度から遅延時間を算出することもできる。すなわち、電力線には、電源や隣接回路に起因するノイズが発生している。このため、ノイズがあると信号立ち上がりを正確に算出することができない場合がある。そこで、予めノイズを記憶しておく。図15は、受信信号よりノイズを差し引く遅延時間算出方法における波形を示すグラフである。図15(a)は、ノイズが重畳された受信信号の波形であり、図15(b)は、ノイズのみ波形である。図15(a)の波形から図15(b)の波形を差分することで図15(c)の波形を算出する。つまり、図15(c)の波形からは、ノイズの影響が除去されたことになる。これにより、ノイズを除去した信号波形をもとに前記方式の遅延時間算出方法を採用することで、より精度の高い遅延時間を算出することでできる。
また、図15(a)の波形と図15(b)の波形からS/Nを算出する。S/Nは、図15(a)の波形/図15(b)の波形より算出することができる。図16は、算出したS/Nをグラフ化したものである。図16に示すように、一部にS/N比が悪化する場所が発生することがある。S/Nを算出することで通信区間内のS/Nが低い箇所が特定でき、この領域を避けて通信をすることも可能である。
(6)また、ゼロクロスを基準にして複数の受信信号の信号強度を時系列で重ね合わせ、重ね合わせた信号強度の平均値や標準偏差、最大値をもとにして前記遅延時間を算出しても良い。受信信号には各種要因により軽微な変化が生じる。しかしながら、ゼロクロス点が変動することで遅延時間の算出結果に影響が出てくることがある。そこで、図17に示すように、ゼロクロスを基準にして複数の受信信号の信号強度を時系列で重ね合わせることで、受信信号に発生した軽微な変化の影響に惑わされることなく、統一的な遅延時間を算出することができる。
(7)また、親伝送局104は、遅延補正のコマンドを、配下の子伝送局に対してブロードキャストで送信する。各子伝送局は、受信した遅延補正のコマンドに対応した応答信号を親伝送局104に送信する。そして、親伝送局104は、前記応答信号に基づいて前記親伝送局104と配下の子伝送局間すべての遅延時間の算出を行う。これにより、親局からの1回の遅延補正のコマンドで、親伝送局104とその配下の子伝送局間の遅延時間の算出が可能となる。
また、遅延補正コマンドは、ブロードキャストする必要はない。例えば、遅延補正コマンドをユニキャスト化することもできる。ユニキャスト化することにより、伝送局を個別に遅延補正をすることができる。図18は、遅延補正コマンドをユニキャスト化した場合のシークエンスを示す図である。ユニキャスト化することで、通信量の削減や親伝送局104での処理の削減を実現することが可能となる。
(8)親伝送局104は、算出した遅延時間を配下の子伝送局に送信し、子伝送局の送信タイミングを調整し、親伝送局104の遅延時間を一定にしても良い。このようにすることで、親伝送局104は一定の遅延時間で復調することが可能となる
(9)親伝送局104は、算出した遅延時間をそのまま子伝送局にたいして送信しても良いし、調整を行った遅延時間を送信することもできる。本実施形態では、遅延時間を周波数の信号強度から算出しており、実際のデータを送受した際に誤差が発生する可能性がある。そこで、補正時に実際のデータを送受信し、データの正解率により遅延時間を増減、微調整する。図19は、遅延時間とデータの正解率との相関を示すグラフである。図19に示すように、データ正解率が最も高くなるポイントに対応する遅延時間を遅延時間として算出する。これにより、より精度の高い遅延時間を算出することでできる。このデータ正解率は通常運用中も常に監視し、悪化するようであれば再補正のタイミングにも活用できる。
また、遅延時間の算出には、データ正解率だけでなく、変調方式に応じたものを利用してもよい。例えば、図20に示すうように、遅延時間が変わることでデータ変動が生じるものであれば利用でき、FSK変調では搬送周波数の変動、PSK変調では位相角度の変動、PSK変調ではシンボル間の位相差の変動がミニマムになるポイントに遅延時間を増減、微調整することにより同様の効果が得られる。
[6.他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、親伝送局104と子伝送局の遅延時間の補正、そのタイミングについて記載したがこれに限らない。例えば、遅延時間の変動要因として、上位装置及び灯火監視制御装置102の指令による定電流電源装置101の輝度変更に伴う制御も考えられる。従来の親伝送局104は、輝度情報を受け取らない。よって、灯火監視制御装置102から定電流電源装置101へ輝度変更を指令、実行してしまうため、親伝送局104と子伝送局の間で輝度変更により遅延時間が適正でない。そこで、図21のシークエンスに示すように、親伝送局104は、定電流電源装置101を制御する灯火監視制御装置102又はその上位装置から輝度変更に関する情報を取得し、事前に輝度に応じた遅延時間を子伝送局に対し指示することにより、適切に補正することもできる。この時の補正は、即時性の観点から輝度に応じて事前に取得しておいた遅延時間を用いて指示してもよい。各伝送局の遅延時間の補正が完了後、灯火監視制御装置102から定電流電源装置101へ輝度変更を行うことにより整合のとれた伝送が実現できる。本実施形態においても、遅延補正コマンドをブロードキャストするのではなく、図22に示すようにユニキャストすることも可能である。
100...系統交流電源
101...定電流電源装置
102...灯火監視制御装置
103...フィルタ
104...親伝送局
105...子伝送局
106...灯火器
107...交流器
108...電源供給路
110...パラメータ情報
111...監視制御装置通信部
112...制御部
113...データ送信部
114...変調処理部
115...信号送信部
116...位相検出部
117...データ受信部
118...復調処理部
119...信号受信部
120...灯火制御部

Claims (13)

  1. 定電流交流電源の電力線に、交流器を経由して複数の伝送局及び灯火監視制御装置から構成される電力線搬送通信システムであって、
    前記伝送局は、前記灯火監視制御装置から遅延補正のコマンドが送信される親伝送局と、前記親伝送局から電力線搬送通信で前記コマンドが送信される子伝送局とからなり、
    前記伝送局は、
    受信信号から定電流交流電源のゼロクロス点に同期する位相検出部と、
    予め記憶された時間を指定時間として設定する指定時間算出部と、
    予め記憶された時間幅を通信区間として設定する通信区間算出部と、
    前記通信区間においてサンプリングデータを任意の時間幅又はサンプリング数、時間間隔又はサンプリング間隔で任意の周波数の信号強度を算出する信号強度算出部と、
    前記子伝送局において前記親伝送局から受信した遅延補正のコマンド後のゼロクロスに対応する信号を基に遅延補正用の応答信号を注入する信号注入位置設定部と、
    前記親伝送局にて前記子伝送局より受信した前記応答信号に基づいて、前記信号強度のなかから所定の閾値を超えたタイミングを、前記親伝送局と前記各子伝送局間の遅延時間の調整を前記各子伝送局にて行うための遅延時間として算出する遅延時間算出部と、
    を備えることを特徴とする電力線搬送通信システム。
  2. 前記閾値は、信号強度の波高値のパーセンテージとすることを特徴とする請求項に記載の電力線搬送通信システム。
  3. 前記遅延時間算出部は、時系列に配列された信号強度を微分し、時間軸の任意の特定区間内における信号強度変化のピーク位置の時間を遅延時間として算出することを特徴とする請求項1に記載の電力線搬送通信システム。
  4. 前記遅延時間算出部は、信号強度のピーク位置の検索範囲を制限し、不要波を抑制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力線搬送通信システム。
  5. 前記遅延時間算出部は、信号強度が所定の閾値を超えたタイミングとした遅延時間と、時系列に配列された信号強度を微分し信号強度変化のピーク位置より算出した遅延時間のいずれか大きいほうを前記全遅延時間とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
  6. 前記遅延時間算出部は、前記受信信号から予め記憶してあるノイズを差し引いた信号強度から遅延時間を算出することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
  7. 前記遅延時間算出部は、ノイズが含まれる受信信号と予め記憶してあるノイズとからS/Nを算出し、S/Nが悪化する時系列箇所を特定することを特徴とする請求項に記載の電力線搬送通信システム。
  8. 前記遅延時間算出部は、ゼロクロスを基準にして複数の受信信号の信号強度を時系列で重ね合わせ、重ね合わせた信号強度の平均値や標準偏差、最大値をもとにして前記遅延時間を算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
  9. 前記伝送局は、親伝送局と子伝送局とからなり、
    前記親伝送局は、遅延補正のコマンドを、配下の子伝送局に対してブロードキャストで送信し、
    各子伝送局は、受信した遅延補正のコマンドに対応した応答信号を親伝送局に送信し、
    前記親伝送局は、前記応答信号に基づいて前記親伝送局と配下の子伝送局間すべての遅延時間の算出を行うことを特徴する請求項1乃至のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
  10. 前記親伝送局は、遅延補正のコマンドを、配下の子伝送局に対してユニキャストで送信し、
    各子伝送局は、受信した遅延補正のコマンドに対応した応答信号を親伝送局に送信し、
    前記親伝送局は、前記応答信号に基づいて前記親伝送局と子伝送局間の遅延時間の算出を行うことを特徴する請求項に記載の電力線搬送通信システム。
  11. 前記親伝送局は、算出した遅延時間を配下の子伝送局に送信し、子伝送局の送信タイミングを調整し、親伝送局の遅延時間を一定にすることを特徴とする請求項または請求項10に記載の電力線搬送通信システム。
  12. 前記親伝送局は、算出した遅延時間を実際のデータ正解率やデータ変動を用いて更に調整することを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
  13. 前記親伝送局は、
    上位装置又は灯火監視制御装置から定電流電源装置への制御に関する情報を取得し、
    前記上位装置又は灯火監視制御装置へ応答し、
    前記制御情報に応じて遅延時間を算出、又は事前に算出した遅延時間を各伝送局へ配信又は設定変更することにより、定電流電源装置の制御と整合することを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載の電力線搬送通信システム。
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