JP6712559B2 - ネガワット算出方法およびネガワット算出プログラム - Google Patents

ネガワット算出方法およびネガワット算出プログラム Download PDF

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Description

本発明は,電力需要のピークを抑制するデマンドレスポンスにおける電力需要の削減量であるネガワットの算出方法および算出プログラムに関する。さらに詳細には,デマンドレスポンスを実施しなかった場合の電力需要パターンであるベースラインの決定を適切に行うことにより,精度の高いネガワット算出を行う,方法およびプログラムに関するものである。
従来から,料金上のインセンティブの付与とともに節電要請を一部の需要家に対して行うことにより電力需要のピークを抑制するデマンドレスポンスが提案されている。かかるデマンドレスポンスにおいては,節電要請による電力需要の削減量を正確に算定することが重要とされる。電力需要の削減量とは,節電要請をした場合としなかった場合とでの電力需要の差である。このため削減量の算定には,節電要請をしなかった場合の電力需要の経時パターンであるベースラインを定める必要がある。ベースラインの定め方については従来から種々提案されているが,いずれも,節電要請の対象とする需要家自身の過去の電力消費実績に基づくものである。特許文献1に記載されている手法もその例に漏れない。
特許第5954370号公報
しかしながら,前記した従来の技術には問題点があった。決定されるベースラインの信頼性が低いのである。むろん従来の各技術でも,ベースラインの信頼性を高める工夫はされている(例えば特許文献1の[0084]〜[0089])。とはいえ,当該需要家自身の過去の実績のみを用いている以上,データ量が豊富とはいえない。このため,信頼性の向上にも限界があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,信頼性の高い適切なベースラインを決定することにより,効果的なネガワット取引ができるようにした,ネガワット算出方法およびネガワット算出プログラムを提供することにある。
本発明の一態様におけるネガワット算出方法では,デマンドレスポンス参加者とデマンドレスポンス非参加者とを含む電力需要家群に属する個々の需要家についての,節電要請実施日と節電要請非実施日とのうち少なくとも節電要請実施日を含む過去の日の時間帯ごとの電力需要実績パターンを実績記憶部に記憶しておく。そして,デマンドレスポンス参加者である需要家の一部をネガワット算出の対象者として指定するとともに,過去の節電要請実施日であってその対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日をネガワット算出の対象日として指定する算出対象指定ステップと,実績記憶部の記憶内容から,対象者における対象日の電力需要実績パターンを読み出してその代表パターンを対象パターンとする対象パターン指定ステップと,実績記憶部の記憶内容から,対象日の電力需要実績パターンであってその日の節電要請の対象とならなかった複数のものを読み出して参照パターン群とする参照パターン選択ステップと,参照パターン群に属する各参照パターンについてそれぞれ,対象パターンとの間の誤差値を算出する誤差値算出ステップと,参照パタ
ーン群に属する各参照パターンを,算出された誤差値の大きさに基づいて採択群と非採択群とに分けるとともに,採択群に属する参照パターンの最大誤差値が,非採択群に属する参照パターンの最小誤差値より小さくなるようにする参照パターン絞り込みステップと,採択群に属する各参照パターンの平均パターンを算出してベースラインと決定するベースライン決定ステップと,決定されたベースラインと対象パターンとの間の,節電要請対象時間帯における差を算出してネガワットとするネガワット算出ステップとを行う。このうち少なくとも対象パターン指定ステップと,参照パターン選択ステップと,誤差値算出ステップと,参照パターン絞り込みステップと,ベースライン決定ステップと,ネガワット算出ステップとは,演算処理装置を用いて行われる。
本発明の別の一態様におけるネガワット算出プログラムは,デマンドレスポンスにおけるネガワットを,演算処理装置を用いて算出するプログラムであって,前述の実績記憶部の記憶内容を利用するものである。そして,前述の算出対象指定ステップと,前述の対象パターン指定ステップと,前述の参照パターン選択ステップと,前述の誤差値算出ステップと,前述の参照パターン絞り込みステップと,前述のベースライン決定ステップと,前述のネガワット算出ステップとを演算処理装置に行わせる。
上記のいずれかの態様ではまず,ネガワット算出の対象者と対象日とを指定する。対象者は,デマンドレスポンス参加者である需要家の一部である。1人であってもよい。対象日は,過去の節電要請実施日であって対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日である。対象者および対象日が指定されると,実績記憶部の記憶内容から,対象者における対象日の電力需要実績パターンが読み出されてその代表パターンが対象パターンとされる。次に,実績記憶部の記憶内容から,対象日の電力需要実績パターンであってその日の節電要請の対象とならなかったものが複数個読み出される。これらが参照パターン群とされる。そして,各参照パターンについてそれぞれ,対象パターンとの間の誤差値が算出される。すると,参照パターン群の各参照パターンが,採択群と非採択群とに分けられる。すなわち,誤差値の大きさに基づいて,採択群に属する参照パターンの最大誤差値が,非採択群に属する参照パターンの最小誤差値より小さくなるようにされる。すると,採択群に属する各参照パターンの平均パターンが算出され,これがベースラインとして決定される。そして,ベースラインと対象パターンとの間の,節電要請対象時間帯における差が算出される。これが対象者全員を代表するネガワットとされる。
上記のいずれかの態様ではさらに,誤差値算出ステップで,各参照パターンおよび対象パターンにおける,節電要請対象時間帯を除いた時間帯のみ,もしくは,節電要請対象時間帯およびその前後のあらかじめ定めた長さの時間帯を除いた時間帯のみ,を誤差値算出の対象とすることがより好ましい。このようにすると,節電要請対象時間帯もしくは節電要請対象時間帯およびその前後の時間帯は,誤差値算出の対象外とされる。
本構成によれば,信頼性の高い適切なベースラインを決定することにより,効果的なネガワット取引ができるようにした,ネガワット算出方法およびネガワット算出プログラムが提供されている。
本形態に係るシステム構成を示すブロック図である。 ネガワットの概念を示すグラフである。 デマンドレスポンス参加者についての電力需要実績ファイルの内容の例を示す図表である。 デマンドレスポンス非参加者についての電力需要実績ファイルの内容の例を示す図表である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電力供給インフラにおいて,一部の需要家に対して節電要請を行うことによる電力需要のピークを抑制するデマンドレスポンスに本発明を適用したものである。さらにいえば,節電要請による電力需要の削減量であるネガワットの算出が,本発明の適用対象である。
本形態を適用するシステム構成のブロック図を図1に示す。図1のシステムは,演算処理装置1と,需要家実績メモリ2と,ネガワットメモリ3とを有して構成されている。これにより,電力供給事業者5と需要家6とにより構成される電力供給インフラ4におけるデマンドレスポンスを管理するようになっている。ただし本形態としては,デマンドレスポンスのうち,ネガワットの算出の部分に重点をおいて説明する。ネガワットは,図2に示すように,ベースラインからデマンドレスポンスによる節電要請をした場合の実績需要を引いた差である。ベースラインは,節電要請をしなかった場合に想定される電力需要である。
図1中の需要家実績メモリ2には,需要家6ごとに過去の電力需要実績が記録されている。具体的には,全需要家6が,デマンドレスポンス参加者群(図3)とデマンドレスポンス非参加者群(図4)とに分けられており,それぞれのファイルに過去の電力需要実績が記録されている。
すなわち,図3のデマンドレスポンス参加者の電力需要実績ファイルには,参加者である需要家のIDごとに,過去の1日ごとの電力需要実績パターンが記録されている。また,記録されている各日付については,その日が節電要請の実施日であったか否かの区別も記録されている。ただし,節電要請実施日であっても,すべてのデマンドレスポンス参加者がその日に節電要請の対象となったとは限らない。節電要請の対象となった電力需要実績パターンには,図3中では左上に丸印が付されている。そして,図4のデマンドレスポンス非参加者の電力需要実績ファイルには,非参加者である需要家のIDごとに,過去の1日ごとの電力需要実績パターンが記録されている。
図3と図4とで,記録されている電力需要実績パターンの日付は共通である。なお,電力需要実績パターンは,1日のうちの時間帯ごとの電力需要実績のパターンである。時間帯の単位は特に限定されないが,30分〜2時間の範囲内が望ましい。本形態では1時間であるものとする。
図1に戻って,演算処理装置1には,対象指定機能,参照パターン選択機能,誤差値算出機能,参照パターン絞り込み機能,ベースライン決定機能,ネガワット算出機能,の各機能が設けられている。これらの機能はむろん,プログラム化されて演算処理装置1内に格納されている。これにより,需要家実績メモリ2の記録内容に基づいて,ベースラインを決定しさらにネガワットを算出するようになっている。算出されたネガワットは,ネガワットメモリ3に記憶される。この,ベースラインの決定およびネガワットの算出は,図3のデマンドレスポンス参加者のファイルに記憶されている実績パターンのうち,実際に節電要請の対象となったものについてそれぞれ行われる。
演算処理装置1によるベースラインの決定およびネガワットの算出は,次の手順で行われる。
1.対象となる電力需要実績パターンの指定

2.ベースラインの基となる参照パターン群の選択

3.各参照パターンについての誤差値の算出

4.参照パターン群の絞り込み

5.絞り込まれた参照パターン群に基づくベースラインの決定

6.決定されたベースラインに基づくネガワットの算出
まず,「1.対象となる電力需要実績パターンの指定」について説明する。この指定は,ネガワット算出の対象となる対象者および対象日を指定することである。対象者は当然,図3に示したデマンドレスポンス参加者のファイルに登載されている需要家の一部である。1人でもよいし複数でもよい。そして対象日は,節電要請実施日(図3中で「DRあり」の日)であって,指定された対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日である。指定された各対象者がその日に節電要請の対象となったか否かは,図3では,各パターンの左上に丸印が付されているか否かで分かる。なお,図3に示してはいないが,節電要請の対象となった時間帯も,参加者ファイルには記録されている。
対象者と対象日とが決まれば,ネガワット算出の対象となる電力需要実績パターンが決まったことになる。そこで当該パターンが需要家実績メモリ2から読み出される。その平均その他の代表パターンが「対象パターン」となる。対象者が1人の場合にはその電力需要実績パターンがそのまま「対象パターン」となる。ここでの対象者や対象日の指定については,操作者の手動によるものであってもよいし,演算処理装置1で自動的に指定するものであってもよい。一般的には,図3中の電力需要実績パターンであって丸印が付されているものすべてを,1つずつ順に対象パターンとしていくことが望ましい。すなわち,すべての対象パターンに対してそれぞれ,ベースラインの決定およびネガワットの算出をしていくことが望ましい。むろん,ベースラインの決定およびネガワットの算出がすでに済んでいるものについては,再度対象パターンとする必要はない。
次に,「2.ベースラインの基となる参照パターン群の選択」について説明する。このステップでは,上記で指定された「対象パターン」に対するベースラインを決定するための基本となる電力需要実績パターンを選択する。選択されるのは,対象パターンと同一の日付に係る電力需要実績パターンであって,節電要請の対象とならなかったものである。対象パターンと日付が同一であるものが選ばれる理由は,日の属性(曜日,季節,特異事象の有無・種類)が,対象パターンの日付と同一であるものが,ベースラインの基本として好ましいからである。また,節電要請の対象とならなかったものが選ばれるのは,ベースラインの意味が,節電要請がされなかった場合に想定される電力需要実績パターンであるからである。
このためこのステップでは,図4のデマンドレスポンス非参加者のファイルから,該当日の複数の電力需要実績パターンを選択する。該当する電力需要実績パターンをすべて選択してもよいし,ある程度絞り込んで選択してもよい。絞り込んで選択する場合でも,選択する電力需要実績パターンの個数は1万件程度あることが望ましい。個々の需要家の個性の影響をなるべく消すためである。選択された電力需要実績パターンが読み出され,「参照パターン」となる。
絞り込む場合の絞り込み方については,無作為抽出でよい。後述する別途の絞り込みステップで,対象者と近い属性(家族形態,住居形態等)の需要家のパターンに絞り込まれるからである。ただし,需要家の属性に基づく絞り込みを当ステップにて行うことを禁止するものではない。むろんそのためには,図3および図4中に,需要家をその属性で分類
する何らかのデータを付加しておく必要がある。また,図4の非参加者ファイルばかりでなく,図3の参加者ファイルからも参照パターンを選択するようにしてもよい。ただし,図3から選択されるパターンは,該当日のものであってかつ,前述の丸印が付されていないものに限られる。
これにて,「対象パターン」とそれに対する「参照パターン」群が揃ったことになる。そこで次に,「3.各参照パターンについての誤差値の算出」について説明する。当ステップでは,選択された各参照パターンが,対象パターンにどれ程似ているかの格付けを行う。
そこで,対象パターンと参照パターンとをそれぞれ,ベクトルで表現する。すなわち,対象パターンをX,参照パターンをYi(iは複数の参照パターンを個別に識別するための番号)とすると,X,Yiは次式で表される。ここで「j」は1日の電力需要実績パターンを時間帯に区切ったときの時間帯の番号である。各ベクトルの成分はそれぞれの時間帯における電力需要値である。
Figure 0006712559
そうすると,XとYiとの誤差値Eiを,次式で計算することができる。当式中の「Σ」は,「j」についての総和を意味する。また「m」は,1以上の正の数であれば別段限定はないが,通常は「2」を用いれば十分である。つまり誤差値Eiは,対象パターンと参照パターンとの,時間帯ごとの電力需要値の差の絶対値もしくはその冪乗値の総和である。
Figure 0006712559
このようにして計算される誤差値Eiは,値が小さければ小さいほど,参照パターンYiが対象パターンXに似ていることを示す。逆に誤差値Eiの値が大きい場合には,参照パターンYiが対象パターンXに似ていないことを示す。つまり誤差値Eiの大小により,参照パターンYiと対象パターンXとの類似性が格付けされたといえる。また,参照パターンYiが対象パターンXに似ているということは,参照パターンYiの需要家の属性が対象パターンXの需要家の属性に近いということであると考えられる。むろん上記の誤差値Eiの算出は,すべての「i」についてそれぞれなされる。
ここで,上記の誤差値Eiの計算に当たっては,「j」のうちデマンドレスポンスによる節電要請の対象となった時間帯に相当するものを,「Σ」の総和から除外するとよりよい。当該時間帯では,対象パターンXは節電要請の影響を受けているが,参照パターンYiは受けていない。よってこの時間帯では,参照パターンYiの需要家の属性が対象パターンXの需要家の属性に近いものであったとしても,両者間で電力需要値が大きく異なると考えられるからである。このためこの時間帯の電力需要値は,参照パターンYiと対象パターンXとの類似性の評価のためにはあまり適していないのである。そのため,この時間帯を外して誤差値Eiを計算した方が,類似性をより適切に評価できるのである。
さらにいえば,節電要請の対象時間帯のみならず,その前後のある程度の時間帯(例えば1時間程度,あらかじめ定めておけばよい)も誤差値Eiの計算から除外すればさらによい。節電要請の対象時間帯の前後の時間帯では,節電要請の対象となった需要家において,通常と異なる電力消費行動をしていた可能性があるからである。
続いて,「4.参照パターン群の絞り込み」について説明する。当ステップでは,誤差値Eiを計算した「参照パターン」群について,数を減らす絞り込みを行う。すなわち,参照パターン群を,ベースラインの決定に実際に使う採択群と,実際には使わない非採択群とに分ける。むろん,採択群に入れられる参照パターンは誤差値Eiが小さいものであり,非採択群に入れられる参照パターンは誤差値Eiが大きいものである。つまり,採択群における誤差値Eiの最大値が,非採択群における誤差値Eiの最小値より小さくなるようにする。これにより参照パターン群を,対象パターンの需要家に属性的に近い需要家のもののみに絞り込むのである。この絞り込みを行うことで,次ステップで決定されるベースラインの精度が向上するのである。
上記より,参照パターン群全体を誤差値Eiの大小により昇順に並べたときに,誤差値Eiの小さい方から順にある程度の個数までの参照パターンが採択群に属することとなる。ここで,どこまでの参照パターンを採択群に入れるかについては,種々の決定手法があり,特に限定はない。ただ望ましくは,採択群に属する参照パターンの個数は,参照パターン群の総数に対する比率としては0.1〜0.3倍程度が望ましい。個数そのものとしては1000程度以上あることが望ましい。個数が少なすぎると個々の需要家の個性の影響を消しきれないおそれがある一方,多すぎると対象パターンの需要家の属性に似ていない属性の需要家による参照パターンが混入してしまう。いずれも,次ステップで決定されるベースラインの精度を下げる要因となるからである。
例えば,採択群に属する参照パターンの個数そのものをあらかじめ定めておくことができる。あるいは,採択群に属する参照パターンの個数を,参照パターン群の総数に対する比率で規定することもできる。また,誤差値Eiに閾値を定めておき,閾値以下の誤差値Eiを持つ参照パターンを採択群に入れる,ということも可能である。閾値としては,あらかじめ定めておく他,実際に算出された誤差値Ei全体についての平均値その他の代表値をもって充てることもできる。さらには,参照パターン群全体を誤差値Eiの大小により昇順に並べ,隣接する誤差値Ei間の較差が最も広いところを境目とする,という手法も可能である。これらの手法のいくつかを併用することもできる。
次に,「5.絞り込まれた参照パターン群に基づくベースラインの決定」について説明する。当ステップでは,採択群に属する参照パターンYiの平均をとり,これをベースラインとする。すなわち,各参照パターンYiの時間帯ごとの電力需要値を,時間帯ごとに平均するのである。こうして得られた時間帯ごとの平均電力需要値により構成される電力需要パターンが,ベースラインとして決定される。すなわち,ベースラインのベクトル表示Bおよびその各成分は,次式のように表される。ここで当式中の「Σ」は,「i」のうち採択群に属する参照パターンのものについての総和を意味する。そして「M」は採択群に属する参照パターンの個数である。
Figure 0006712559
なお,前述の誤差値の算出のステップのところで,誤差値Eiの算出に関して,節電要請の対象時間帯,もしくは対象時間帯およびその前後の所定の長さの時間帯を除外してもよいと述べた。誤差値Eiの算出をそのようにして行った場合であっても,当ステップでは節電要請の対象時間帯を含めた全時間帯についてベースラインBを決定する。次ステップのネガワットの算出のためには,節電要請の対象時間帯でこそベースラインBが必要となるからである。
続いて,「6.決定されたベースラインに基づくネガワットの算出」について説明する。当ステップでは,対象パターンXとベースラインBとの差を求め,その結果をネガワットWとする。ネガワットWは次式で与えられる。ここで当式中の「Σ」は,「j」のうち節電要請の対象となった時間帯に相当するものについての総和を意味する。
Figure 0006712559
こうして算出されるネガワットWは負値であり,対象パターンXにおいて,節電要請があったことにより節電できたと評価できるワット数を示す。算出されたネガワットWは,対応する対象日および対象需要家を特定する情報とともに,ネガワットメモリ3に記憶される。本形態で上記のように計算されるネガワットWは極めて精度が高いものである。精度が高い理由は,ベースラインBの精度が高いことによる。ベースラインBの精度が高い理由は,誤差値Eiに基づき適切に絞り込まれた参照パターン群に基づいて決定されていることにある。すなわち,個々の需要家の個性の影響を消しつつ,かつ,対象パターンXの需要家に属性が似ている需要家による参照パターンのみに基づいてベースラインBを決定しているからである。対象者が複数である場合には,対象者全体を代表するネガワットが算出される。
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,ネガワットの算出のためのベースラインの決定を,算出の対象日の電力需要実績パターンであってその対象日の節電要請の対象とならなかった複数のものに基づいて行っている。すなわち,算出対象の需要家とは別の需要家の電力需要実績パターンではあるが,対象日は同一であり,また件数は十分多い。さらに,誤差値による絞り込みを行うことで,算出対象の需要家とは属性が異なる需要家による電力需要実績パターンをベースラインの決定から排除している。このようにして決定した信頼性の高いベースラインを,ネガワットの算出に用いることとしている。
このため,本実施の形態により算出されたネガワットを用いることで,デマンドレスポンスにえけるネガワット取引を円滑に行うことができる。また,節電要請の対象となった多くの電力需要実績パターンに対して本実施の形態によりそれぞれネガワットを算出しておくことが望ましい。こうすることで,今後節電要請を行う場合に期待できるネガワット総量の予測精度も向上し,節電要請の対象需要家の選定もより適切に行うことができる。このようにして,信頼性の高い適切なベースラインを決定することにより,効果的なネガワット取引ができるようにした,ネガワット算出方法およびネガワット算出プログラムが実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,本実施の形態では,図3の説明において,節電要請実施日であっても,すべてのデマンドレスポンス参加者がその日に節電要請の対象となったとは限らない,ということとした。しかしこのようなデマンドレスポンスシステムに限らず,節電要請実施日にはすべてのデマンドレスポンス参加者を節電要請の対象とするようなデマンドレスポンスシステムであっても本発明の適用は可能である。その場合には,「参照パターン群の選択」は,図4の非参加者ファイルのみから行われることとなる。
また,本実施の形態では,ベースライン決定後のネガワットWの算出を,節電要請の対象となった時間帯についてのみ行っている。しかしこれに限らず,節電要請の対象時間帯およびその前後の所定の長さの時間帯について行うこととしてもよい。前述のように節電要請の対象時間帯の前後の時間帯では,通常と異なる電力消費行動がされていた可能性が
あり,その分を含めたものが節電要請に起因する真の節電量である,と考えることもできるからである。また,図3および図4において,節電要請実施日のみが記録されているような形態であっても,本発明の実施は可能である。
[予備請求項]
デマンドレスポンスにおけるネガワットを算出するネガワット算出装置であって,
デマンドレスポンス参加者とデマンドレスポンス非参加者とを含む電力需要家群に属する個々の需要家についての,節電要請実施日と節電要請非実施日とのうち少なくとも節電要請実施日を含む過去の日の時間帯ごとの電力需要実績パターンを記憶する実績記憶部と,
デマンドレスポンス参加者である需要家の一部をネガワット算出の対象者として指定するとともに,過去の節電要請実施日であって前記対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日をネガワット算出の対象日として指定する算出対象指定部と,
前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象者における前記対象日の電力需要実績パターンを読み出してその代表パターンを対象パターンとする対象パターン指定部と,
前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象日の電力需要実績パターンであってその日の節電要請の対象とならなかった複数のものを読み出して参照パターン群とする参照パターン選択部と,
前記参照パターン群に属する各参照パターンについてそれぞれ,前記対象パターンとの間の誤差値を算出する誤差値算出部と,
前記参照パターン群に属する各参照パターンを,算出された誤差値の大きさに基づいて採択群と非採択群とに分けるとともに,前記採択群に属する参照パターンの最大誤差値が,前記非採択群に属する参照パターンの最小誤差値より小さくなるようにする参照パターン絞り込み部と,
前記採択群に属する各参照パターンの平均パターンを算出してベースラインと決定するベースライン決定部と,
決定されたベースラインと前記対象パターンとの間の,節電要請対象時間帯における差を算出してネガワットとするネガワット算出部とを有することを特徴とするネガワット算出装置。
1 演算処理装置
2 需要家実績メモリ
3 ネガワットメモリ

Claims (4)

  1. デマンドレスポンス参加者とデマンドレスポンス非参加者とを含む電力需要家群に属する個々の需要家についての,節電要請実施日と節電要請非実施日とのうち少なくとも節電要請実施日を含む過去の日の時間帯ごとの電力需要実績パターンを実績記憶部に記憶しておき,
    デマンドレスポンス参加者である需要家の一部をネガワット算出の対象者として指定するとともに,過去の節電要請実施日であって前記対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日をネガワット算出の対象日として指定する算出対象指定ステップと,
    前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象者における前記対象日の電力需要実績パターンを読み出してその代表パターンを対象パターンとする対象パターン指定ステップと,
    前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象日の電力需要実績パターンであってその日の節電要請の対象とならなかった複数のものを読み出して参照パターン群とする参照パターン選択ステップと,
    前記参照パターン群に属する各参照パターンについてそれぞれ,前記対象パターンとの間の誤差値を算出する誤差値算出ステップと,
    前記参照パターン群に属する各参照パターンを,算出された誤差値の大きさに基づいて採択群と非採択群とに分けるとともに,前記採択群に属する参照パターンの最大誤差値が,前記非採択群に属する参照パターンの最小誤差値より小さくなるようにする参照パターン絞り込みステップと,
    前記採択群に属する各参照パターンの平均パターンを算出してベースラインと決定するベースライン決定ステップと,
    決定されたベースラインと前記対象パターンとの間の,節電要請対象時間帯における差を算出してネガワットとするネガワット算出ステップとを有することを特徴とするネガワット算出方法。
  2. 請求項1に記載のネガワット算出方法であって,前記誤差値算出ステップでは,
    前記各参照パターンおよび前記対象パターンにおける,
    節電要請対象時間帯を除いた時間帯のみ,もしくは,
    節電要請対象時間帯およびその前後のあらかじめ定めた長さの時間帯を除いた時間帯のみ,
    を誤差値算出の対象とすることを特徴とするネガワット算出方法。
  3. デマンドレスポンスにおけるネガワットを,演算処理装置を用いて算出するネガワット算出プログラムであって,
    デマンドレスポンス参加者とデマンドレスポンス非参加者とを含む電力需要家群に属する個々の需要家についての,節電要請実施日と節電要請非実施日とのうち少なくとも節電要請実施日を含む過去の日の時間帯ごとの電力需要実績パターンを記憶する実績記憶部の記憶内容を利用し,
    デマンドレスポンス参加者である需要家の一部をネガワット算出の対象者として指定するとともに,過去の節電要請実施日であって前記対象者の全員が節電要請の対象となった日の1日をネガワット算出の対象日として指定する算出対象指定ステップと,
    前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象者における前記対象日の電力需要実績パターンを読み出してその代表パターンを対象パターンとする対象パターン指定ステップと,
    前記実績記憶部の記憶内容から,前記対象日の電力需要実績パターンであってその日の節電要請の対象とならなかった複数のものを読み出して参照パターン群とする参照パターン選択ステップと,
    前記参照パターン群に属する各参照パターンについてそれぞれ,前記対象パターンとの間の誤差値を算出する誤差値算出ステップと,
    前記参照パターン群に属する各参照パターンを,算出された誤差値の大きさに基づいて
    採択群と非採択群とに分けるとともに,前記採択群に属する参照パターンの最大誤差値が,前記非採択群に属する参照パターンの最小誤差値より小さくなるようにする参照パターン絞り込みステップと,
    前記採択群に属する各参照パターンの平均パターンを算出してベースラインと決定するベースライン決定ステップと,
    決定されたベースラインと前記対象パターンとの間の,節電要請対象時間帯における差を算出してネガワットとするネガワット算出ステップとを演算処理装置に行わせることを特徴とするネガワット算出プログラム。
  4. 請求項3に記載のネガワット算出プログラムであって,前記誤差値算出ステップでは,
    前記各参照パターンおよび前記対象パターンにおける,
    節電要請対象時間帯を除いた時間帯のみ,もしくは,
    節電要請対象時間帯およびその前後のあらかじめ定めた長さの時間帯を除いた時間帯のみ,
    を誤差値算出の対象とすることを特徴とするネガワット算出プログラム。
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