JP6712044B2 - タケコンポスト及び植物の病害防除剤 - Google Patents

タケコンポスト及び植物の病害防除剤 Download PDF

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Description

本発明はタケコンポスト及び植物の病害防除剤に関する。
タケ(竹)は非常に生育が早いがその利用方法は限られている。このため、近年、日本各地で放置された竹林が多くなり、その対策が求められている。タケは栄養分に富むためにこれをコンポスト化できれば、有用な堆肥として使用できる。例えば、特許文献1には、若竹又は筍皮に、放線菌や糸状菌、乳酸菌などの微生物を加えて発酵させた発酵堆肥が、また、特許文献2には、こうして得られた堆肥に若竹又は筍皮の乾燥物を混合した発酵肥料が開示されている。しかしながら、こうした微生物を用いた発酵肥料は発酵後直ちに使用することができず、加熱や自然放置により微生物を死滅させる必要がある。
ところで、野菜くずや食品くずなどの生ゴミのコンポスト化に際して、ミミズを利用する方法はよく知られた方法である。ミミズを用いる場合には、ミミズを取り除けばそのまま堆肥として使用することができ、微生物を用いた場合に比べて簡便な方法であると言える。また、牛糞をミミズの食作用で堆肥化した培土は、病害性ピシウム菌による病害を抑制することが知られており(非特許文献1)、タケのコンポストにも同様の効果が期待できる。
しかしながら、タケは炭素分を多く含むだけでなく、タケを前処理することなくミミズに摂食させるとミミズが死滅し、ミミズによるコンポスト化は不可能と考えられていた。
特開2006−131487号公報 特開2009−220193号公報
Jack, A.L.H.&Nelson, E.B. [Online]、2010年、Suppression of Pythium damping-off with compost and vermicompost. Final report to the Organic Farming Research Foundation.、インターネットURL<http://www.ofrf.org/sites/ofrf.org/files/docs/pdf/Nelson_Final%20report_2008.pdf>
本発明が解決しようとする課題は、ミミズを用いてタケをコンポスト化することである。また、得られたコンポストから植物の病害防除剤を提供することも課題とする。
本発明に係る方法は、タケ類を水に浸漬させた後にミミズの食作用にてコンポスト化する方法である。また、本発明に係る植物の病害防除剤は得られたコンポストの抽出物を有効成分とする。
本発明によると、極めて簡単な方法でタケ類からコンポストを得ることができる。そして、さらに、窒素を多く含む植物と共にコンポスト化することで、植物の生育に必要な窒素、リン、カリウム含有量のバランスが取れた堆肥若しくは培土が提供される。そして、特に立ち枯れ病に有効な植物の病害防除剤が提供される。
図1はタケミミズコンポストのSEM画像である。Bは対照である未処理のタケ粉末を、VBは水浸漬後のタケ粉末を、VBKは水浸漬後のタケ粉末とクズの混合物をそれぞれミミズにより摂食させた後の画像である。 図2はタケミミズコンポストの植物病害(P. ultimum)に対する抑制効果を示す画像である。aはタケ粉末とクズを用いたコンポスト(VBK)で白菜を栽培し、菌を感染させた場合を、bはVBKで栽培し、菌を感染させなかった場合を、cは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させた場合を、dは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させなかった場合を示す。 図3はタケミミズコンポストの植物病害(P. aphanidermatum)に対する抑制効果を示す画像である。aはタケ粉末とクズを用いたコンポスト(VBK)でほうれん草を栽培し、菌を感染させた場合を、bはVBKで栽培し、菌を感染させなかった場合を、cは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させた場合を、dは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させなかった場合を示す。 図4はタケミミズコンポストの植物病害(R. Solani AG1)に対する抑制効果を示す画像である。aはタケ粉末とクズを用いたコンポスト(VBK)できゅうりを栽培し、菌を感染させた場合を、bはVBKで栽培し、菌を感染させなかった場合を、cは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させた場合を、dは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させなかった場合を示す。 図5はタケミミズコンポストの植物病害(R. Solani AG4)に対する抑制効果を示す画像である。aはタケ粉末とクズを用いたコンポスト(VBK)できゅうりを栽培し、菌を感染させた場合を、bはVBKで栽培し、菌を感染させなかった場合を、cは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させた場合を、dは市販の育苗培土で栽培し、菌を感染させなかった場合を示す。 図6はタケミミズコンポスト抽出液の植物病害に対する抑制効果(健全な育苗率)を示すグラフである。(a)はP. aphanidermatum、(b)はR. solani AG1、(c)はR. solani AG4に対する効果を示す。 図7はタケミミズコンポスト抽出液の植物病害(P. ultimum)に対する抑制効果を示す画像である。上下段それぞれ左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。各列上段は育苗の状態を示す画像であり、各列下段は苗の根の状態を示す画像である。 図8はタケミミズコンポスト抽出液の植物病害(P. aphanidermatum)に対する抑制効果を示す画像である。上下段それぞれ左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。各列上段は育苗の状態を示す画像であり、各列下段は苗の根の状態を示す画像である。 図9はタケミミズコンポスト抽出液の植物病害(R. solani AG1)に対する抑制効果を示す画像である。上下段左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。各列上段は育苗の状態を示す画像であり、各列下段は苗の根の状態を示す画像である。 図10はタケミミズコンポスト抽出液の植物病害(R. solani AG4)に対する抑制効果を示す画像である。上下段左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。各列上段は育苗の状態を示す画像であり、各列下段は苗の根の状態を示す画像である。 図11は図7〜10に対する対照を示す画像であって、菌無接種の場合を示す。上下段左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。各列上段は育苗の状態を示す画像であり、各列下段は苗の根の状態を示す画像である。 は抽出時における曝気がタケミミズコンポスト抽出液の防除作用に与える影響を示す画像である。上段は曝気した場合(播種後3日目)を、下段は曝気しなかった場合(播種後4日目)を示す。各段左から順に無菌化されていないタケミミズコンポスト抽出液(VBP Tea)、無菌化されたタケミミズコンポスト抽出液(Filtered VBP Tea)、蒸留水(DW)を与えた場合を示す。
本発明に係るタケミミズコンポスト(以下、本明細書において「タケコンポスト」と言う。)は、水に浸漬したタケ類をミミズに摂食させてコンポスト化したものである。本発明において、タケ類とは、木本にならないササのような草本を含む広義のタケを意味する。用いられるタケ類の種類は問われないが、好ましくは木本類に分類される狭義のタケである。狭義のタケ類として、例えば、マダケ(Phyllostachys bambusoides)、モウソウチク(Phyllostachys heterocycla pubescence)、ハチク(Phyllostachys nigra)、ホテイチク(Phyllostachys aurea)が例示される。ササとして、例えば、ヤダケ(Pseudosasa japonica)やメダケ(Pleioblastus simonii)が例示される。また、タケ類は、食用となるいわゆる筍や、筍が生長して食用とならなくなり、およそ枝の枝が出る前の状態にあるいわゆる若竹、若竹が成長して竹質が固くなったいわゆる親竹の何れでもよい。
タケ類は破砕物、好ましくはミミズが摂食可能な大きさ、具体的には篩目が1〜2mmである篩を通過できる大きさに粉砕物(粉末)にして水に浸漬される。また、タケ類は伐採後、乾燥させることなく用いることもできるが、浸漬前に予め乾燥させることが好ましい。乾燥させることで、ミミズに対する生育阻害成分が除去されやすくなるからである。タケ類は1〜30℃の水、必要に応じて50℃程度にまで加温された水に浸漬される。浸漬時間は適宜定められるが、概ね1〜48時間程度、好ましくは24〜48時間程度である。水量も適宜定められ、少なくともタケ類の5倍量、好ましくは10倍量である。浸漬後、タケ類は水と分離される。
次に浸漬した後のタケ類をミミズに摂食させる。摂食のためには、タケ類が入った容器にミミズを投入するだけでよい。タケ類を摂食するミミズであればミミズの種類は問われず、例えばシマミミズ、アブラミミズ、フトミミズが例示され、有機腐敗物を主食とするシマミミズが好適に用いられる。ミミズの投入量も適宜定められるが、それは概ねタケ類の質量に対して0.1〜10%程度、好ましくは1〜5%である。
タケ類とミミズが入った容器は、ミミズの投入量によっても異なるが、1〜6ヶ月程度、好ましくは2〜3ヶ月程度放置される。放置される環境は、ミミズが生育できる環境であればよく、例えば、15〜30℃程度の暗所である。また放置の間、過度の乾燥を防ぐために、適宜、水が供給される。
本願発明では必要に応じて植物も併用される。ミミズを死滅させることがない限り、併用される植物の種類も制約されない。本願発明では、窒素含量の高い植物が好ましく用いられる。タケ類の炭素含量が多いため、窒素含量の高い植物を用いることで、得られたコンポスト中の炭素量と窒素量の含有比(C/N比)を好適な範囲にするためである。窒素含量の高い植物としては、好ましくは植物中の炭素量に対して窒素量が3%以上、好ましくは5%以上、望ましくは8%以上である植物である。具体的にはマメ科植物が例示される。マメ科植物として、クズやカワラケツメイ、イナゴマメ、エビスグサ、センナ、ハカマカズラ、ハナズオウ、タマリンド、アカシア、アラビアゴムノキ、オジギソウ、ネムノキ、ヒヨコマメ、ルイボス、キングウッド、ハマエンドウ、スイートピー、ヒラマメ、エンドウ、ヤハズエンドウ、ソラマメ、レンゲ、フジ、ナタマメ、ダイズ、フジマメ、インゲンマメ、アズキ、エンジュ、ムラサキツメクサ、シロツメクサ、カラスノエンドウ、コメツブツメクサ、ミヤコグサ、ツルマメ、アレチヌスビトハギ、ヘアリーベッチ、クロタラリア、セスバニアが例示される。用いられる植物は、これら可食部であっても、葉や茎などの可食に適さない部分の何れでもよく、また可食後のいわゆる生ゴミであってもよい。
併用される植物も、好ましくはミミズが接触可能な程度の大きさ、具体的には篩目が2〜3mmである篩を通過できる大きさに粉砕された後、上記水に浸漬した後のタケ粉末と混合される。植物は、伐採後乾燥させることなく用いることができ、水に浸漬することも特段必要とされない。タケ粉末と植物の混合比は適宜定められるが、好ましくは炭素量と窒素量の含有比(C/N比)が堆肥として好ましい範囲とされる70〜100、好ましくは約90となるように混合する。例えば、クズを混合する場合、タケ粉末100質量部に対してクズを概ね3〜5質量部で混合される。植物を併用する場合も、植物を併用しない場合と同様の条件でコンポスト化できる。
水に浸漬した後のタケ粉末や、これと植物との混合物からミミズの食作用により得られたタケコンポストは、堆肥として土壌に混合して用いられるだけでなく、そのまま農業用や園芸用の培土としても好適に用いられる。
また、本願発明に係るタケコンポストは、植物の病害、特に苗立枯病の病害防除剤としても使用し得る。対象となる苗立枯病は、ピシウム菌による苗立枯病であり、リゾクトニア菌により苗立枯病であり、フザリウム菌による苗立枯病であり得る。病害防除剤としての使用は、得られたコンポストを培土として使用することで足り、培土の一部としてコンポストを混合することで足りる。このような培土に苗や種を植えることで病害の予防に効果を発揮する。また、苗立枯病が発生した苗の周辺の土壌にコンポストを混ぜ込む、コンポストを少なくとも一部に含む培土に、苗立枯病が発生した苗を植え替えることで病害の抑制に効果を発揮し得る。
本願発明に係る植物の病害防除剤は、上記で得られるタケコンポストを溶媒で抽出した抽出物を含む。抽出に用いられる抽出溶媒は親水性溶媒や親油性溶媒のいずれでもよい。「親水性溶媒」や「親油性溶媒」は当業者が通常用いる意味で用いられる。抽出溶媒は、例えば水であり、炭素数1〜4のアルコールであり、グリセリンなどの多価アルコールであり、アセトンなどのケトンであり、ヘキサンなどの炭化水素であり、ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素であり得る。好ましくは水と親水性溶媒との混液、より好ましくは水である。抽出はタケコンポストと抽出溶媒と接触させることができればよく、例えば抽出溶媒にタケコンポストを投入した後攪拌する方法が示される。接触時におけるタケコンポストと抽出溶媒の量比も適宜当業者が決定しうる事項である。また、接触時に、抽出溶媒とタケコンポストの混合物中に空気を送り込んで曝気を行うことでもよいが、曝気は必須ではない。その後、好ましくはろ紙などのフィルターでろ過して抽出液を得る。抽出液はそのまま植物の病害防除剤として利用できる他、抽出液を濃縮したり、凍結乾燥などの方法により粉末状にしてもよい。また、抽出物に製剤化に必要な成分が加えられて病害防除用の組成物として提供され得る。組成物の剤型は特に限定されず、例えば液剤であり、乳化剤であり、顆粒剤であり、粉剤であり得る。当該組成物中の抽出物含有量は当業者が適宜決定し得る事項であり、剤型の種類、用法用途により適宜調整され得る。本発明に係る植物の病害防除剤は、一般の農薬と同様に使用され得る。例えば、野菜の種子と接触させる、栽培土壌や発芽した芽や葉などに散布することで用いられる。
本願発明に係る病害防除剤が対象とする植物病害は上記のとおり、好ましくは苗立枯病である。対象となる苗立枯病は、ピシウム菌による苗立枯病であり、リゾクトニア菌により苗立枯病であり、フザリウム菌による苗立枯病であり得る。
以下、本願発明について下記の実施例に基づいて説明するが、本願発明は下記の実施例に限られないのは言うまでもない。
〔タケコンポストの作製〕
筍(大阪府河内長野市産)を最大径が約2mm程度の粉末に加工した。このタケ粉末に約10倍量の水を加え、室温(約25℃)で24時間放置した後、上澄みを除去して水に浸漬したタケ粉末を得た。プラスチック製のコンテナにタケ粉末(水分含量80%)10kgを入れ、シマミミズ(Eisenia foetida)100gを入れた。また、タケ粉末10kgに対してそれぞれ、油かす、最大径が約2mm程度の粉末に加工したクズ、鶏糞堆肥、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムを加えた5つのコンテナにそれぞれ混合物10kgに対してシマミミズ100gを加えた。油かす、鶏糞、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムは、それぞれ混合物の炭素/窒素比が等しく(約90に)なるように加えられた。
各コンテナに蓋をして、28℃±2℃の室内に2ヶ月放置した。ほぼ2日に1回その表面に水を噴霧し、被堆肥化物の含水量を約80%に保った。2ヶ月後、コンテナ中の堆肥化物をサンプリングし(5箇所)、各サンプル中のミミズの生育数を調べて、その死亡率を求めた。また、死亡率が低かったタケ粉末のみのコンポスト(VB)と、それにクズを加えたコンポスト(VBK)と、対照である未処理(未水洗)のタケ粉末(B)の化学的特性(硝酸態窒素、アンモニウム態窒素、無機態窒素、リン酸含量、カリウム含量、カルシウム含量)及び物理的特性(pH及びEC(イオン量))を求めた。それらの結果を表1及び表2に示した。また、得られたコンポストを電子顕微鏡(SEM)により観察した。その画像を図1に示した。なお表1中のCNSは、市販されている育苗培土である愛菜1号(片倉チッかリン社製)を示す。
SEM画像から分かるように、水に浸漬したタケ粉末は、クズの添加の有無にかかわらず、ミミズの食作用による団粒化が見られ、対照である未処理のタケ粉末に比べて均質な団粒構造が観察された。また、市販の育苗培土に比べると、タケ粉末を用いた2種類のコンポストの各アンモニア態窒素含量は低く、各硝酸態窒素含量は高く、良好なコンポストであると言える。
〔タケコンポストによる病害防除効果〕
実施例1で得られたタケコンポストVBKを用いて数種の野菜を栽培して、タケコンポストによる病害防除効果を調べた。白菜の苗、きゅうりの苗、ほうれん草の苗に、それぞれ2種のピシウム菌(P. ultimum var. ultimumとP. aphanidermatum)及び2種のリゾクトニア菌(Rhizoctonia solani AG1とR. solani AG4)を感染させた。感染は、菌をそれぞれ感染させたベントグラスの種をVBKと混合することで行われた。このVBKを培土として育苗を行い、その一部を感染数の計測に供した。白菜ときゅうりについては種蒔き6日後の苗各5株を、ほうれん草については種蒔き12日後の苗5株を、それぞれ菌を感染させたVBKを入れた1つのポットに移植し、夜間12時間(温度25℃)、昼間12時間(温度28℃)の環境下で、肥料を与えずに育苗した。また、市販の育苗培土(CNS)を用いて同様の育苗を行った。5つのポットについてJPM Ver.8を用いた統計的処理(SAS Institute, Cary, NC, USA)を行い、平均値と標準偏差を求めた。これらの結果を表3〜6及び図2〜5に示した。なお、画像には代表的なものだけを示した。
これらの結果、VBKにはいわゆる苗立枯病の病原菌であるピシウム菌及びリゾクトニア菌に対する防除効果があると言える。また、病原菌を感染させなかった場合でも、コンポスト以外の肥料を与えることなく、市販の育苗用培土とほぼ同様な育苗が行え、培土としても利用できることが確認された。
〔タケコンポスト抽出液による病害防除効果〕
(タケコンポスト抽出液の作製)
実施例1で得られたタケコンポストVBK2Lに対し蒸留水3Lをプラスチック容器(10L)に入れ、観賞魚用の空気ポンプ1台で空気を送り込みながら室温(約20℃)で24時間静置した。次に、ろ紙(ワットマンNo.1)でろ過し、その濾過物を再度同じ方法でろ過し(つまり2回ろ過を繰り返し)、タケコンポスト抽出液(VBP tea)を得た。さらに、タケコンポスト抽出液をポアサイズ0.45μmのフィルターを通し、無菌化したタケコンポスト抽出液(Filtered VBP tea)を得た。
(病害防除試験)
粒状ロックウールにきゅうりを播種した後、タケコンポスト抽出液(VBP tea)と無菌化したタケコンポスト抽出液(Filtered VBP tea)を与え、ピシウム菌(P. aphanidermatum及びリゾクトニア菌(Rhizoctonia solani AG1)を接種した。接種4日後の苗の成長から、健全な育苗率を求めた。また、接種4日後に苗を粒状ロックウールから取り出し、その根からピシウム菌とリゾクトニア菌を分離し、これらに感染していることを確かめた。これらの結果を図7〜12に示した。これらの結果から、タケコンポストのピシウム菌に対する防除作用は、タケコンポスト中に含まれる菌によるものではなく、タケをコンポストにする過程で生産される化合物によるものと推察される。
(抽出中における曝気が防除効果に与える影響)
抽出中における曝気が病害防除効果に与える影響を調べた。実施例1で得られたタケコンポストVBKを、空気を送り込まないで実施例3と同様に操作して、曝気していないタケコンポスト抽出液(Non-aerated VBP tea)及び無菌化したタケコンポスト抽出液(Non-aerated Filtered VBP tea)を作製した。これらの抽出液を用いて実施例3と同様にして、タケコンポスト抽出液の防除効果を確認した。接種3日後又は4日後に苗を粒状ロックウールから取り出し、その根の状態を肉眼で観察した。これらの結果を図12に示した。曝気した場合の方が曝気しない場合よりも効果が高いように見えるが、上段の曝気しない場合は播種3日目の様子であり、下段の曝気した場合播種4日目の様子であることを考慮すると、曝気による明確な差はないものと言える。
本願発明によると、タケの再資源化が図れるだけでなく、野菜の生育にも適した培養土が提供される。さらには、新たな植物病害防除剤が提供される。

Claims (12)

  1. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬後に水を分離して得られたタケ類の粉末をミミズに摂食させる工程を含むタケコンポストの製造方法。
  2. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬後に水を分離して得られたタケ類の粉末とタケ以外の植物の混合物をミミズに摂食させる工程を含むタケコンポストの製造方法。
  3. 前記タケ類以外の植物はマメ科植物である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記マメ科植物はクズである請求項3に記載の製造方法。
  5. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬後に水を分離して得られたタケ類の粉末をミミズに摂食させて得られたタケコンポスト。
  6. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬後に水を分離して得られたタケ類の粉末とタケ以外の植物の混合物をミミズに摂食させて得られたタケコンポスト。
  7. 請求項5又は6に記載のタケコンポストを培土として使用する方法。
  8. 請求項5又は6に記載のタケコンポストを用いて苗立枯病を防除する方法。
  9. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬後に水を分離して得られたタケ類の粉末とタケ以外の植物の混合物をミミズに摂食させてコンポストを作製する工程と、
    作製されたコンポストを抽出溶媒で抽出する工程を含む苗立枯病の病害防除剤の製造方法。
  10. 前記タケ類以外の植物はマメ科植物である請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記マメ科植物はクズである請求項10に記載の製造方法。
  12. タケ類の粉末を1〜50℃の水に浸漬する工程と
    浸漬した水を排除した後に得られたタケ類の粉末とタケ類以外の植物の混合物をミミズに摂食させて得られたタケコンポストの抽出溶媒による抽出物を有効成分とする苗立枯病の病害防除剤。
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