JP6711983B2 - 光電界センサおよび電磁界計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光電界センサと、この光電界センサを用いた電磁界計測装置に関するものである。
情報通信、電界測定、および電磁妨害測定などでは、伝送時の信号減衰の少なさと測定対象である電磁界に対する非侵襲性という特長から、光電界センサが活発に研究されている(非特許文献1から非特許文献7)。従来の光電界センサは、電気光学結晶表面に作製された導波路によりマッハ−ツェンダー干渉計を形成した構造を有している。この光電界センサでは、電気光学結晶表面に装荷されたプレーナ電極で生じる高周波電界によって引き起こされる結晶中の電気光学効果による光の位相変調を用いて測定している。しかし、この光電界センサは、感度が実用上十分ではなく、導波路構造を作製するのが難しいため、電磁妨害測定の現場ではあまり普及していない。
この光電界センサは、電極付近の高周波電界は結晶の厚さ方向に対して指数関数的に減衰し、その減衰距離は電極ギャップ幅の半分程度(典型的な値は数μm)である(非特許文献8)。このため、電気光学効果による光の位相変調は、ほとんどが電極エッジ近傍の減衰高周波電界によって起こっていると考えられる。電気光学結晶の表面付近の屈折率変化を感度良く検出することができれば、光電界センサを単純な構造で高感度にすることができる。
戸叶祐一,田辺高信,村松良二,近藤充和,佐藤由郎、信学技報、EMCJ94-26、 1 (1994) N. Hidaka, K. Kobayashi, H. Sugama, R. Usui, Y. Tanabe, O. Hashimoto、IEICE Trans. Electron.、E88-C、98 (2005)、10 K. Tajima, R. Kobayashi, N. Kuwabara, M, Tokuda、IEICE Trans. Electron.、E85-C、961 (2002) T. Takahashi、Sensor Mater.、13、461 (2001) W. C. Wang, H. Lotem, R. Forber、Opt. Eng.、45、124402 (2006) 鳥羽良和,佐藤正博,一條淳,大沢隆二,生岩量久、信学論(C)、J91-C、84 (2008) A. Gardelein, S. Le Tacon, E. Tanguy, N. Breuil, T. Razban-HaghiHaghi、Electron. Lett.、43、489 (2007) 西原浩,春名正光,栖原敏明、光集積回路、オーム社、1993年、p120-121 D. Boebel, B. Packross, H. J. Tiziani、Opt. Eng.、30. 1910(1991) M. Born, E. Wolf、Principle of Optics、7th Edn.、Cambridge Univ. Press、1999、p52 M. Born, E. Wolf、Principle of Optics、7th Edn.、Cambridge Univ. Press、1999、p315 西原浩,春名正光,栖原敏明、光集積回路、オーム社、1993年、p111 G. J. Edwards, M. Lawrence、Opt. Quantum Electron.、16、373 (1984) 西原浩,春名正光,栖原敏明、光集積回路、オーム社、1993年、p113 西原浩,春名正光,栖原敏明、光集積回路、オーム社、1993年、p116 R. H. Renard、J. Opt. Soc. Am.、54、87 (1964) R. S. Weis, T. K. Gaylord、Appl. Phys. A、37、191 (1985) 虫明康人、電学誌、69、87 (1949) A. ヤリーブ、光エレクトロニクス 展開編 原書第5版、丸善、2000、p470
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、単純な構造で高感度の光電界センサを提供することを目的とする。
単純な構造で高感度の光電界センサを実現するために、本発明者らは、ニオブ酸リチウムのような電気光学効果を有する物質から構成される基板および薄膜中の光の全反射を用いた光電界センサを提案する。すなわち、本発明の光電界センサは、誘電体と、誘電体上に設けられた電気光学効果を有する物質と、電気光学効果を有する物質上に設けられ、電気光学効果を有する物質が露出するように隙間が形成された導電体とを有し、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で全反射した光と、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光とを干渉させて使用する。本発明の光電界センサにおいて、電気光学効果を有する物質は、電気光学結晶であってもよい。本発明の光電界センサにおいて、導電体上にアンテナをさらに有していてもよく、アンテナがループ部を備えていてもよい。
本発明の電磁界計測装置は、本発明の光電界センサと、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に導入する光を出射する光源と、光源から出射され、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、光源から出射され、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出する検出器とを有する。本発明の電磁界計測装置において、光源から出射される光がレーザ光であることが好ましい。
本発明の電磁界検出方法は、本発明の光電界センサを用い、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に光を導入し、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、導電体の隙間に印加された電界を検出する。
本発明の他の電磁界検出方法は、ループ部を備えるアンテナを有する本発明の光電界センサを用い、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に光を導入し、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、ループ部に印加された磁界を検出する。
本発明によれば、電気光学効果を有する物質上に導波路を形成する必要がないため、光電界センサが容易に製作できる。また、本発明の光電界センサは、アンテナの交換により、測定対象や受信周波数特性を容易に変更できる。
本発明の実施形態に係る光電界センサの断面図で、理論モデルを示す図。 本発明の実施形態に係る光電界センサの断面図で、レーザ光の偏光の方向、ニオブ酸リチウム結晶軸の方向、エバネッセント波の伝搬方向、および高周波電界方向の幾何学的関係を示す断面図。 平行光を入射したときの本発明の実施形態に係る光電界センサの断面図。 拡散光を入射したときの本発明の実施形態に係る光電界センサの断面図。 本発明の実施形態に係る光電界センサの組立図。 本発明の実施形態に係る光電界センサに用いるダイポールアンテナの平面図。 本発明の実施形態に係る光電界センサに用いるボウタイ形状のアンテナの平面図。 本発明の実施形態に係る電磁界計測装置の模式図。 実施例の光電界センサから出射した光のビームプロファイル。 実施例の光電界センサの周囲の高周波信号の強度分布を示すグラフ。 ダイポールアンテナを備える実施例の光電界センサの高周波受信スペクトル(レーザパワー5mW)。 ボウタイ形状のアンテナを備える実施例の光電界センサの高周波受信スペクトル(レーザパワー5mW)。 ボウタイ形状のアンテナを備える実施例の光電界センサの高周波受信スペクトル(レーザパワー20 mW)。 実施例の光電界センサの受信周波数特性示すグラフ。
以下、本発明の光電界センサ、電磁界計測装置、および電磁界検出方法について、図面を参照しながら実施形態および実施例に基づいて説明する。なお、図面は、光電界センサおよび電磁界計測装置、これらを構成する部材、ならびにこれらの周辺部材を模式的に表したものであり、これらの実物の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。また、重複説明は適宜省略する。
図1から図4は、本発明の実施形態に係る光電界センサを模式的に示している。図1は、本実施形態の光電界センサの理論モデルを示している。図2は、本実施形態の光電界センサにおいて、レーザ光の偏光の方向、ニオブ酸リチウム結晶軸の方向、エバネッセント波の伝搬方向、および高周波電界方向の幾何学的関係を示している。図3は、本実施形態の光電界センサにおいて、平行光を入射した例を示している。図4は、本実施形態の光電界センサにおいて、拡散光を入射した例を示している。
本実施形態の光電界センサは、誘電体と、電気光学効果を有する物質と、導電体とを備えている。また、本実施形態の光電界センサは、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で全反射した光と、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光とを干渉させて使用する。誘電体としてはガラスプリズムや空気などが挙げられるが、屈折率が電気光学効果を有する物質と異なっているか、コーティング等で誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で光の一部が反射する条件が整っていれば、誘電体は特に限定されない。電気光学効果を有する物質は誘電体上に設けられている。誘電体が空気などの気体の場合には、電気光学効果を有する物質の下方は空間となる。電気光学効果を有する物質は、電界が加えられると屈折率が変化する物質をいい、例えば、ニオブ酸リチウム、酸化亜鉛、タンタル酸リチウム、チタン酸バリウム、およびリン酸二水素アンモニウム(ADP)などの電気光学結晶や電気光学ポリマーが挙げられる。
導電体は、電気光学効果を有する物質上に設けられ、電気光学効果を有する物質が露出するように隙間が形成されている。すなわち、導電体は、この隙間を隔てて、電気的に接続されていない2以上の導電部材(以下、この各導電部材を「電極」ということがある)から構成されている。隙間の形状としては、長方形や正方形などが挙げられるが、特に限定されない。電気光学効果を有する物質に入射した光がこの隙間との界面で全反射するとき、この隙間にエバネッセント波が発生する。
光電界センサは、導電体上にアンテナをさらに備えていてもよいし、導電体自体にアンテナ機能を持たせてもよい。アンテナの形状としては、ダイポール形状やボウタイ(いわゆる蝶ネクタイ)形状が挙げられるが、特に限定されない。導電体自体にアンテナ機能を持たせる場合は、隙間を導電体中心に設けることが好ましい。アンテナはループ部を備えていてもよい。詳しくは後述するが、ループ部を備えるアンテナを有する光電界センサを用いれば、ループ部に印加された磁界が検出できる。
まず、本実施形態の光電界センサの基本構造と動作原理について、電気光学効果を有する物質がニオブ酸リチウム結晶である場合を例に説明する。エバネッセント波の伝搬方向をニオブ酸リチウム結晶のz軸に一致させたとき、ニオブ酸リチウム結晶中の異常光はTM波(transverse magnetic wave)に一致し、常光はTE波(transverse electric wave)に一致する。導電体は、隙間の高周波電界の方向が、結晶のz軸の方向およびエバネッセント波の伝搬方向と一致するように、電気光学結晶上に設けられることが好ましい。このような配置によって、ニオブ酸リチウム結晶で最も大きいz軸の電気光学係数を用いることができ、より大きな屈折率変調が起こることが期待できる。
本実施形態の光電界センサは、斜入射干渉計を形成していると考えられる(非特許文献9)。本実施形態の光電界センサでは、ニオブ酸リチウム結晶と導電体の隙間の界面(以下「上界面」ということがある)で反射した光と、誘電体とニオブ酸リチウム結晶の界面(以下「下界面」ということがある)で反射した光の間で位相差が生じる。導電体の隙間に印加された高周波電界がニオブ酸リチウム結晶表面の屈折率変調を引き起こし、その結果、エバネッセント波に偏光に応じた付加的な位相シフトが生じる。
導電体の隙間に電界が印加されていないとき、上界面で反射した光と下界面で反射した光の間の位相差は、TM波とTE波で、それぞれ次のように与えられる(非特許文献10および非特許文献11)。

TM波

TE波

ここで、n'はニオブ酸リチウム結晶の屈折率を、hはニオブ酸リチウム結晶の厚さを、θ'は下界面での反射角を、λ0は入射光の真空中の波長をそれぞれ示している。
ニオブ酸リチウム結晶のような一軸結晶の場合、常光、すなわちTE波に対する屈折率はn'=n0である。結晶中を伝搬する異常光、すなわちTM波に対する屈折率は、光の伝搬方向と結晶の主軸の間でなす角度に依存して変化する(非特許文献12)。


ここで、n0=nx=ny、ne=nz、φ=π/2-θであり、nxはx軸に対応した結晶の主屈折率を、nyはy軸に対応した結晶の主屈折率を、nzはz軸に対応した結晶の主屈折率をそれぞれ示している。ニオブ酸リチウム結晶では、典型的なレーザ波長である785 nmの光に対して、n0=nx=ny=2. 2573であり、ne=nz=2.1777である。なお、本実施形態の光電界センサに用いる結晶に応じて、レーザ光の波長を適宜変えてもよい。
セルマイヤーの分散公式(非特許文献13)から、



ここで、
は、μmを単位とした光の波長である。
印加された高周波電界によって引き起こされる結晶の屈折率変化は、それぞれ下記で表される(非特許文献14)。



ここで、Δn0とΔneはn0とneのそれぞれ変化を、r13とr33は電気光学結晶の電気光学係数を、Ee zは電気光学結晶のz軸方向に沿った成分の印加高周波電界強度をそれぞれ示している。
電気光学結晶表面の屈折率変化を介して、電極間に印加された高周波電界によってエバネッセント波が変調を受けると仮定すると、位相変化は次のように計算できる(非特許文献15)。



ここで、δzとδxは、TM波とTE波のそれぞれの位相変化である。
そして、相互作用長leとloがグース−ヘンシェンシフトによって決められると仮定すると、leとloは下記のように表される(非特許文献16)。

TM波

TE波
図3および図4に示す光電界センサでは、電極間に印加された高周波電界によって引き起こされる光の強度変化は、次のように、高周波電界印加時のセンサ出射光の干渉度合と、高周波電界未印加時のセンサ出射光の干渉度合の差を計算することで導出される。

TM波

TE波

ここで、I1,TMとI1,TEは上境界で反射されたレーザ光強度であり、I2,TMとI2,TEは下境界で反射されたレーザ光強度である。光電界センサで検出される高周波信号強度は光の強度変化に比例するものと考えられる。
図5は、本実施形態の光電界センサの組立図である。本実施形態の光電界センサは、以下の方法で作製できる。まず、光学接着剤(Norland Products Inc.(Cranbury, New Jersey)、NOA63)を用いて、yカットニオブ酸リチウム結晶(厚さ:0.5mm)を、BK7直角プリズム(波長785nmの光の屈折率:1.511)に接合する。ニオブ酸リチウム結晶のz軸はこのプリズムの斜辺に一致している。
つぎに、銀ペースト(藤倉化成、ドータイトD-550)を用いて、FR−4基板に銅を貼り付けた部材(松下電工、誘電体厚1.6mm、銅箔厚35μm)である平面アンテナを、このニオブ酸リチウム結晶上に取り付け、光電界センサが得られる。得られた光電界センサは、ナイロンねじによって、デルリン(登録商標)製の架台に締結される。このため、電極間に印加される高周波電界の周波数に応じて、アンテナエレメントを容易に交換することができる。本実施形態では、銀ペーストを用いて銅箔を貼り付けることで、電気光学効果を有する物質上に導電体を設けたが、これに代えて、金を蒸着することによって電気光学効果を有する物質上に導電体を設けてもよいし、カーボン導電性テープを貼り付けることによって電気光学効果を有する物質上に導電体を設けてもよい。
本発明の実施形態に係る電磁界計測装置は、本実施形態の光電界センサと、光源と、検出器とを備えている。光源は、電気光学効果を有する物質と導電体の隙間との界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に導入する光を出射する。検出器は、光源から出射され、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、光源から出射され、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出する。光源から出射される光として、レーザ光が使用できる。本実施形態の電磁界計測装置では、自由空間を伝搬するコリメートされたレーザ光を入射しているが、これに代えて光ファイバーを用いた光入射も可能である。
本発明の実施形態に係る電磁界検出方法は、本実施形態の光電界センサを用い、電気光学効果を有する物質と導電体の界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に光を導入し、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、導電体の隙間に印加された電界を検出する。具体的には、導電体の隙間に印加された電界の強弱に応じて変化する干渉光の強弱を検出することで、この印加電界を検出する。この電界には、電磁波により誘起されたもの、導電体の隙間に印加された交流電圧、およびパルス電圧によって誘起されたものが含まれる。
また、本発明の他の実施形態に係る電磁界検出方法は、ループ部を備えるアンテナを有する本発明の光電界センサを用い、電気光学効果を有する物質と導電体の界面で全反射するように、導電体と反対側から電気光学効果を有する物質内に光を導入し、誘電体と電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、電気光学効果を有する物質と隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、ループ部に印加された磁界を検出する。具体的には、
ループ部に印加された磁界によって導電体の隙間に発生した電界を検出することで、磁界を検出する。
上記の方法によって、図6および図7に示す2種類のアンテナを備える光電界センサを作製し、電磁波測定に供して、その受信周波数特性を測定した。図6はダイポールアンテナの平面図で、図7はボウタイ形状のアンテナの平面図である。図6に示すように、ダイポールアンテナの長さは255mmで幅は40mmである。銅箔部分の長さは255mmで幅は4mmである。図7に示すように、ボウタイ形状のアンテナの長さは255mmで幅は255mmである。銅箔部分の中心には幅100μmの隙間が形成されている。
図8は、実施例の電磁界計測装置を示している。この電磁界計測装置を用いて、光電界センサの高周波電界受信特性を測定した。レーザ光(波長785nm)は自由空間を伝搬し光電界センサに入射される。電気光学結晶表面上のスポット径は4mmであった。レーザ光はプリズム表面に垂直に入射され、電気光学結晶の上界面では、TM波の入射角が29.1°で、TE波の入射角が28.3°になっていると見積もられる。計算された上界面でのTM波の臨界角は27.1°で、TE波の臨界角は26.3°である。
レーザ光の偏光方向は1/2波長板によって変えられる。光電界センサから出射した光は、検出器であるアバランシェフォトダイードモジュール(C5658、浜松ホトニクス、有効エリア:φ0.5mm、周波数特性:50kHz〜1GHz)によって検出され、解析器であるEMIレシーバ(ローデ・シュワルツ、ESIB26)により解析される。EMIレシーバの動作条件は、分解能帯域幅(RBW)100 Hz、ビデオ帯域幅(VBW) 100 Hz、周波数スパン1kHz、掃引時間1.5sで、max-holdモードで検出した。 APDの位置におけるレーザ光は直径約2cmとなっていた。
信号発生器を接続したパワーアンプにより駆動したログペリオディックアンテナから、光電界センサに電波を送信した。信号発生器の周波数は、300MHzから1GHzの範囲で1%ステップで掃引した。参照用電界センサを用いた予備実験により、センサを置く位置で1V/mの電界強度が発生するように、信号発生器の出力レベルが調整されている。印加する電波の偏波は水平偏波であった。
光電界センサの斜入射干渉計としての動作を検証するため、アバランシェフォトダイードを水平方向に移動させながら、高周波信号の強度分布をEMIレシーバで測定した。同時に、CCD(幅8.8mm、高さ6.6mm)を用いて、アバランシェフォトダイードの位置におけるビームプロファイルを測定した。入射レーザ光(5mW、スポット径4mm)はTM偏光である。ダイポールアンテナを用いて、光電界センサに照射した高周波電界の周波数をこのアンテナの最大感度周波数である563.2MHzとした。光電界センサとアバランシェフォトダイードモジュールとの距離は1.9mであった。
得られた結果を図9と図10に示す。図9は、光電界センサから出射した光のビームプロファイルである。図10は、光電界センサの周囲の高周波信号の強度分布を示している。図9では、入射したレーザ光が若干拡散していたため、空間的な干渉縞が得られたものと考えられる。ビームプロファイルの平坦な部分はCCDモジュールの飽和により生じている。
ここで、ニオブ酸リチウム結晶を平面基板と考えると、出射光付近の明縞間の間隔dは次で与えられる。



ここで、n'はニオブ酸リチウム結晶の屈折率を、DはセンサからAPDまでの距離(1.9m)を、θ'mとθ'm-1は明縞が現れる屈折角を、θ0はビームの入射角(29.1°)である。計算において、θ'はθ0の付近で変化させる。図10において、2番目のピークと3番目のピークの間の空間的距離は約1.43mmであり、これは計算によって得られた値の1.45mm〜1.47mmによく一致している。
この結果は、光電界センサが斜入射干渉計として動作していることを示唆している。図11から図13は、アバランシェフォトダイードの特性を含む光電界センサの受信周波数特性を示している。「TM」と「TE」はレーザの偏光を示している。「RF OFF」のデータは、測定されたバックグラウンドノイズレベルである。TE偏光とTM偏光が観測された高周波信号のSN比は、実際の使用に供することができるものである。本実施例では、相互作用長は、TM波とTE波に対して、それぞれ1.783μmと0.3531μmと見積もられる。
図11と図12において観測された「TM」と「TE」の間の高周波信号強度の差11.53dBと11.25dB(3.77と3.65の比に相当)は、

TM波

TE波

から計算された比(ΔITM/ΔITE)である3.675とよく一致した。ここで、ニオブ酸リチウム結晶の電気光学係数は、r13=8.6pm/Vおよびr33=30.8pm/V(非特許文献17)と仮定した。
図14は、観測された光電界センサの感度の周波数特性を示している。感度の算出において、バックグランドノイズは移動平均法を用いて平滑化している。ボウタイ形状のアンテナを備える光電界センサは、ダイポールアンテナを備える光電界センサと比較して、より広帯域に感度を有している。この結果から、ボウタイ形状のアンテナは自己補対アンテナ(非特許文献18)として動作していることが示唆された。ボウタイ形状のアンテナを備える光電界センサに20mWレーザを入射した時に、435.7MHzにおいて最大検出感度33.48 dBが得られた。印加電界強度(120 dBμV/m=1V/m)から最大検出感度を単純に差し引くことで、最小検出可能電界強度86.52 dBμV/m (21.18 mV/m)が見積もられた。
実施例の光電界センサは、放射イミュニティ測定の電界モニタとしては十分利用可能である。単純な構造と短い相互作用長によって得られた今回の結果は、本実施形態の電界センサが高周波電界の高感度検出の高い可能性を有していることを示している。特に、短い相互作用長は結晶中の短い通過時間のため、より高い周波数を持つ高周波電界測定や短パルス電圧測定に優位であると考えられる(非特許文献19)。
本発明の光電界センサは強電界測定、パルス電圧測定、光磁界センサなど種々の応用に対して優位性を持っている。

Claims (8)

  1. 誘電体と、
    前記誘電体上に設けられた電気光学効果を有する物質と、
    前記電気光学効果を有する物質上に設けられ、電気的に接続されていない2以上の導電部材と、
    を有する光電界センサであって、
    前記2以上の導電部材によって、前記電気光学効果を有する物質上に隙間が形成されており、
    前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で全反射した光と、前記誘電体と前記電気光学効果を有する物質の界面で反射した光とを干渉させて使用する光電界センサ。
  2. 請求項1において、
    前記電気光学効果を有する物質が電気光学結晶である光電界センサ。
  3. 請求項1または2において、
    前記導電部材上にアンテナをさらに有する光電界センサ。
  4. 請求項3において、
    前記アンテナがループ部を備えている光電界センサ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の光電界センサと、
    前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で全反射するように、前記導電部材と反対側から前記電気光学効果を有する物質内に導入する光を出射する光源と、
    前記光源から出射され、前記誘電体と前記電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、前記光源から出射され、前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で反射した光との干渉光を検出する検出器と、
    を有する電磁界計測装置。
  6. 請求項5において、
    前記光源から出射される光がレーザ光である電磁界計測装置。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の光電界センサを用いた電磁界検出方法であって、
    前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で全反射するように、前記導電部材と反対側から前記電気光学効果を有する物質内に光を導入し、
    前記誘電体と前記電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、前記隙間に印加された電界を検出する電磁界検出方法。
  8. 請求項4に記載の光電界センサを用いた電磁界検出方法であって、
    前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で全反射するように、前記導電部材と反対側から前記電気光学効果を有する物質内に光を導入し、
    前記誘電体と前記電気光学効果を有する物質の界面で反射した光と、前記電気光学効果を有する物質と前記隙間の界面で反射した光との干渉光を検出して、前記ループ部に印加された磁界を検出する電磁界検出方法。
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