以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。また図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成(リールユニット及び制御基板を除く)を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、上部前面扉UD、および下部前面扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また収納箱BX内のリールユニット収納スペースPSの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチES、設定変更スイッチSS、リセットスイッチRS等の各種スイッチが備えられた電源ユニットEUおよびメダルの払出装置としてのホッパーユニットHPが収められている。ホッパーユニットHPは、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステッピングモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。またホッパーユニットHPは、メダル貯蔵タンクMTにおけるメダルの貯蔵量が一定に達すると、余剰メダルが余剰メダル貯蔵タンクBTに送り出されるようになっている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、例えば、リールユニット上部に、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板(図示省略)も収められている。なお本実施の形態では、電源ユニットEUに設定変更スイッチSSやリセットスイッチRSが設けられているが、制御基板上に設定変更スイッチSSやリセットスイッチRSを設けるようにしてもよい。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
上部前面扉UDと下部前面扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、上部前面扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットHPからメダルの払い出し等が行われる。
また上部前面扉UDには、遊技情報表示部DSおよび区間表示器SECが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、BB状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。また区間表示器SECは、内蔵されるLEDの消灯および点灯によって有利区間に滞在しているか否かを報知するものである。
また上部前面扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、上部前面扉UDや下部前面扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカSPが複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また下部前面扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また下部前面扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがホッパーユニットHPからメダル払い出し口MOを通じてメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って遊技情報表示部DSの7セグメント表示器からなるクレジット表示器の表示値を変化させる動作を行う。
図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、電源スイッチESの作動により電源ユニットEUから電力が供給されて起動し、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチSS、リセットスイッチRS、打ち止めスイッチCS等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット(払出装置)HP、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、設定変更手段103、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、RT制御手段173、特典付与手段175、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
設定変更手段103は、設定値記憶手段1910に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更スイッチSSの状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更スイッチSSを構成するキーシリンダに設定キーが挿入されて初期位置から時計回り(あるいは反時計回り)に設定キーが回された状態で電源スイッチESが作動することにより電源ユニットEUから電力が供給されると、設定変更手段103が、遊技機を設定変更モードで起動する。そして本実施形態では、設定1〜設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっており、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また設定変更手段103は、設定変更モードにおいてリセットスイッチRSが作動すると、リセットスイッチRSからの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下により作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶手段1910に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、キーシリンダに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更スイッチSSの状態を変更し設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
また本実施形態では、設定変更スイッチSSを構成するキーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、遊技モードで遊技機を起動する。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理(判定処理の一例)、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190のメイン抽選テーブル記憶手段1911に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、メイン抽選テーブル記憶手段1911に、図4および図5に示すような6種類の内部抽選テーブル(抽選テーブルの一例:内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6)が記憶されている。そして各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられており、具体的には、乱数値に対応付けられた役の種類が異なる複数の当選区間やハズレが対応付けられた不当選区間が設定されている。なお本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に6種類の内部抽選テーブルが用意されており、一部の当選区間の当選確率が設定値に応じて異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。
そして本実施形態の遊技機では、小役として、小役1〜小役11が用意されており、小役の当選区間である小役の当選態様として、打順ベル1〜打順ベル9、共通ベル、スイカA、スイカB、スイカC、チェリー、およびJACが設定されている。
各小役の当選態様について図6を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1〜打順ベル9は、2種類〜4種類の1枚小役(配当が1枚の小役(小役1〜小役5))と、1種類の8枚小役(配当が8枚の小役(小役6):所定の役の一例)とが重複して当選することを示しており、共通ベルは、1種類の13枚小役(配当が13枚の小役(小役9))と、1種類の14枚小役(配当が14枚の小役(小役10))とが重複して当選することを示している。
またスイカA〜スイカCは、1種類の3枚小役(配当が3枚の小役(小役8))と、2種類の1枚小役(小役1〜小役3のうちの2種類)とが重複して当選することを示しており、チェリーは、1種類の2枚小役(配当が2枚の小役(小役7))が単独で当選することを示しており、JACは、5種類の1枚小役(小役1〜小役5)と、1種類の2枚小役(小役7)と、1種類の3枚小役(小役8)と、1種類の8枚小役(小役6)と、1種類の13枚小役(小役9)と、1種類の14枚小役(小役10)と、1種類の15枚小役(配当が15枚の小役(小役11))とが重複して当選することを示している。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1〜リプレイ6が用意されており、リプレイの当選区間であるリプレイの当選態様として、通常リプレイ1〜通常リプレイ3と、打順リプレイ1〜打順リプレイ12とが設定されている。
各リプレイの当選態様について図7を参照しながら具体的に説明すると、通常リプレイ1〜通常リプレイ3は、リプレイ1を含む2種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ1〜打順リプレイ6は、リプレイ1およびリプレイ2を含む2種類〜5種類のリプレイが重複して当選することを示しており、打順リプレイ7〜打順リプレイ12は、リプレイ1およびリプレイ3を含む2種類〜5種類のリプレイが重複して当選することを示している。
また本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5において小役の当選確率が同一であって、内部抽選テーブル1=内部抽選テーブル2=内部抽選テーブル5<内部抽選テーブル3<内部抽選テーブル4の順にリプレイの当選確率が高くなっている。また内部抽選テーブル6では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5よりも高確率で小役が当選し、リプレイが抽選対象とはなっていない。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてレギュラーボーナス(RB)とビッグボーナス(BB)とが用意されており、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4では、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル5および内部抽選テーブル6では、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)がいずれも抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、RB成立状態、RB状態(ボーナス状態の一例)、BB成立状態、およびBB状態(ボーナス状態の一例)が設定可能とされ、RT状態(リプレイの抽選状態)として、非RT状態、RT1状態、RT2状態、およびRT3状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態およびRT状態に応じて内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
なお本実施形態では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5においては内部抽選で小役の当選態様のそれぞれが得られる確率は同一であるが、設定値に応じてスイカBとスイカCの当選確率が異なっている。特に本実施形態では、スイカA、スイカB、スイカCはいずれも3枚小役を含む当選態様であるが、図8(A)に示すように、スイカAは、いずれの設定値においても内部抽選での当選確率は一定であるのに対して、スイカBやスイカCは、設定値に応じて64/65536〜256/65536の範囲で変化し、スイカA〜スイカCの各当選確率を合算すると、いずれかのスイカの当選が内部抽選で得られる確率は、設定値に応じて約1/56.9〜約1/42.7の範囲で変化し、設定1から設定6につれて設定値が高くなるほど、いずれかのスイカの当選が内部抽選で得られる確率が高くなっている。
また本実施形態では、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4においては内部抽選でボーナスの当選態様のそれぞれが得られる確率は同一であるが、設定値に応じてレギュラーボーナス(RB)の当選確率が異なっている。特に本実施形態では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)とを設けているが、図8(B)に示すように、ビッグボーナス(BB)は、いずれの設定値においても内部抽選での当選確率は一定であるのに対して、レギュラーボーナス(RB)は、設定値に応じて128/65536〜256/65536の範囲で変化し、各ボーナスの当選確率を合算すると、いずれかのボーナスが当選する確率は、設定値に応じて約1/341〜約1/204の範囲で変化し、設定1から設定6について設定値が高くなるほど、いずれかのボーナスの当選が内部抽選で得られる確率が高くなっている。
このように本実施形態では、ビッグボーナス(BB)、打順ベル1〜打順ベル9、共通ベル、スイカA、チェリー、JAC、通常リプレイ1〜通常リプレイ3、および打順リプレイ1〜打順リプレイ12の当選区間(第1当選区間の一例)は設定値によっては当選確率が変動しない(設定差が無い)当選区間となっており、レギュラーボーナス(RB)、スイカB、およびスイカCの当選区間(第2当選区間の一例)は設定値に応じて当選確率が変動する(設定差が有る)当選区間となっている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190のメイン抽選テーブル記憶手段1911に記憶されている内部抽選テーブルを参照(比較)して役に当選したか否かを判定する。具体的には、取得した乱数値が内部抽選テーブルに設定された複数の当選区間または不当選区間のうちいずれの区間に属するかを、予め定められた判定順序に従って一の当選区間または不当選区間ずつ判定する。そして本実施形態では、内部抽選テーブルには、図4および図5に示すように、判定順序と、各当選区間および不当選区間のそれぞれに対する判定値とが予め設定されており、乱数判定処理では、内部抽選テーブルに設定された判定順序で、各当選区間または不当選区間ごとに設定された判定値を用いて、取得した乱数値が当該区間に属するか否かを一の当選区間または不当選区間ごとに判定する。なお本実施形態では、判定順序は、設定値によっては当選確率が変動しない当選区間(ビッグボーナス(BB)、打順ベル1〜打順ベル9、共通ベル、スイカA、チェリー、JAC、通常リプレイ1〜通常リプレイ3、打順リプレイ1〜打順リプレイ12)に続いて設定値に応じて当選確率が変動する当選区間(レギュラーボーナス(RB)、スイカB、スイカC)を判定する順序に設定されている。また本実施形態では、設定値によっては当選確率が変動しない当選区間群と設定値に応じて当選確率が変動する当選区間群の記憶領域が、それぞれまとまって記憶されていることにより明確に区別されている。
また本実施形態では、図4および図5において判定値を記号で表記しているが、図4および図5中において同一の記号は同一の数値であることを意味しており、例えば、内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4のそれぞれにおけるビッグボーナス(BB)の判定値A1は同一の数値となっている。また異なる記号であっても同一の数値である場合もあり、例えば、打順ベル1〜打順ベル9のそれぞれの判定値B1〜B9は同一の数値となっており、同様に、打順リプレイ1〜打順リプレイ6のそれぞれの判定値H1〜H6は同一の数値となっており、また打順リプレイ7〜打順リプレイ12のそれぞれの判定値H7〜H12は同一の数値となっている。そして本実施形態では、各内部抽選テーブルにおける判定値の総和は、乱数発生手段110が発生させる乱数の総数(例えば、65536)と一致するように設計されており、判定値について一例を示すと、本実施形態では、図8(A)に示すように、スイカAの判定値D1は1024となっており、スイカBの判定値D2およびスイカCの判定値D3はそれぞれ設定1では64で設定6では256となっており、図8(B)に示すように、ビッグボーナス(BB)の判定値A1は64となっており、レギュラーボーナス(RB)の判定値A2は設定1では128で設定6では256となっている。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段1912に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがあり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。レギュラーボーナス(RB)が当選した場合にも同様で、ひとたびレギュラーボーナス(RB)が当選すると、レギュラーボーナス(RB)の抽選フラグの当選状態が、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまで持ち越され、レギュラーボーナス(RB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選が行われる。すなわち抽選フラグ設定処理では、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図9に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、黒7図柄「黒7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ダミー図柄「DUM」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。
またリール制御手段130は、優先度により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内(または0コマ〜1コマの範囲内)に存在する5コマ分(または2コマ分)の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われ、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数となる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、打順ベル1〜打順ベル9のそれぞれに対して正解打順が設定されており、正解打順とは異なる押下順序が不正解打順として扱われる。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順に対応している場合には正解打順であることが確定し、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、各リールを停止させる段階で最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、8枚小役(小役6)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、1枚小役(小役1〜小役5)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
なお遊技状態がRB成立状態やBB成立状態である場合には、ボーナスよりも小役の入賞が優先されるため、打順ベルが当選して正解打順に沿って停止操作が行われれば8枚小役が入賞し、不正解打順に沿って停止操作が行われても1枚小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示する際にレギュラーボーナス(RB)やビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるように優先度が求められる。ただし、チェリーの当選時においては、チェリーに対応する2枚小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させることができずにレギュラーボーナス(RB)やビッグボーナス(BB)の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させることができる押下検出位置が存在しているため、RB成立状態やBB成立状態においてチェリーが当選した場合には小役が入賞せずにレギュラーボーナス(RB)やビッグボーナス(BB)が入賞する場合がある。
またRB成立状態やBB成立状態での打順ベルの当選時には押下順序に応じて優先される小役の種類が変わるように停止位置を決定するようにしてもよく、例えば、RB成立状態やBB成立状態での打順ベルの当選時には押下順序に関わらずに有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が最大となる停止位置となるように優先度を求めて、8枚小役の入賞よりも1枚小役の入賞を優先して停止位置を決定するようにしてもよい。このようにRB成立状態やBB成立状態で8枚小役よりも1枚小役を優先的に入賞させるようにすれば、RB成立状態やBB成立状態でのメダルの獲得期待値をより低く抑えられるため、RB成立状態でレギュラーボーナス(RB)をできるだけ早く入賞させる動機付けを与えたり、BB成立状態でビッグボーナス(BB)をできるだけ早く入賞させる動機付けを遊技者に与えたりすることができる。
またRB成立状態およびBB成立状態の一方の遊技状態では打順ベルの当選時にいずれも押下順序でも8枚小役を入賞させ、他方の遊技状態では打順ベルの当選時にいずれの押下順序でも1枚小役を入賞させるように停止位置を決定するようにしてもよく、このようにすれば、8枚小役や1枚小役の入賞頻度によっていずれのボーナスが当選しているかを推定する指標を遊技者に与えることができるようになる。すなわちRB成立状態とBB成立状態とにおいて打順ベルの当選時における停止位置の決定に対する制御則が異なるようにしてもよい。
また本実施形態では、共通ベルやJACが当選した場合には、メダルの払出数に応じて優先度を求めるようにロジック演算が行われ、共通ベルの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても14枚小役(小役10)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、JACの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても15枚小役(小役11)を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
またロジック演算では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス315によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段1913に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されていてもよい。
そして内部抽選で打順ベル1〜打順ベル9のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図10に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順(特定の操作順序の一例)が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。
そして本実施形態では、図10に示すように、打順ベル1〜打順ベル9のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、8枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、1枚小役のいずれかが入賞する場合と、いずれの小役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なおBB成立状態で打順ベルが当選した場合でも、ボーナスよりも小役の入賞を優先しているため、正解打順では8枚小役が入賞し、不正解打順では1枚小役がする場合といずれの役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。なお本実施形態では、BB成立状態における打順ベルの当選時において最初の停止操作が行われた時点で必ずいずれかの小役の入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させるようにすることでビッグボーナス(BB)の入賞が回避されるようになっているため、打順ベルに含まれる8枚小役および1枚小役のいずれも入賞しない場合であってもビッグボーナス(BB)が入賞することはない。
また本実施形態では、スイカA〜スイカCが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、3枚小役を1枚小役に優先して入賞させるように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、3枚小役を入賞させることができない場合に1枚小役を可能な限り入賞させるように停止位置が決定され、停止操作の態様によってはいずれの小役も入賞しない場合がある。なお本実施形態では、図20に示すように、3枚小役が入賞する場合に、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段からなる右下がり無効ラインにスイカ図柄A「WMA」やスイカ図柄B「WMB」によって構成されるスイカ揃いの図柄組合せが表示される右下がりスイカ揃いの停止態様が出現する。
なお本実施形態では、スイカAとスイカBとスイカCとにおいて3枚小役である小役8が共通して含まれている一方で、2種類の1枚小役の組合せが互いに異なっているが、スイカAとスイカBとには小役1が共通して含まれており、スイカBとスイカCとには小役3が共通して含まれており、スイカAとスイカCとには小役2が共通して含まれているため、スイカA、スイカB、スイカCのいずれかが当選している場合に、3枚小役の入賞を逃した場合であっても、その際の停止態様によっていずれの当選態様であるかが識別できないようになっている。
また本実施形態では、共通ベルやJACが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、共通ベルの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても14枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、JACの当選時においては、いずれの押下順序で停止操作が行われても15枚小役が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、打順リプレイ1〜打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図11に示すように、それぞれの打順リプレイに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。
そして本実施形態では、図11に示すように、打順リプレイ1〜打順リプレイ6のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ2が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
また本実施形態では、図11に示すように、打順リプレイ7〜打順リプレイ12のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ3が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されており、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、リプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
なお本実施形態では、通常リプレイ1〜通常リプレイ3のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、いずれの場合においても押下順序に関わらずにリプレイ1が入賞するように押下検出位置に対する停止位置が設定されている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段1914に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図12および図13に示すように、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、リプレイ1〜リプレイ6、小役1〜小役11の入賞の有無やRT変動ブランクの表示の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞判定時処理が実行される。入賞判定時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われ、有効ライン上に所定の図柄組合せが表示された場合にはRT制御手段173によってRT状態を変動させるRT移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニットHP(払出装置)に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニットHPは、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニットHPには、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニットHPから実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニットHPによって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図14(A)に示すように、通常状態、RB成立状態(ボーナス成立状態の一例)、RB状態(ボーナス状態の一例)、BB成立状態(ボーナス成立状態の一例)、およびBB状態(ボーナス状態の一例)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはRB成立状態およびBB成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合にはRB成立状態へ移行し、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはBB成立状態へ移行する。また通常状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4のいずれかをRT状態に応じて参照して内部抽選が行われる。
RB成立状態は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RB成立状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)がいずれも抽選対象から除外され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル5を参照した内部抽選が行われる。
またRB成立状態では、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまでレギュラーボーナス(RB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、レギュラーボーナス(RB)の入賞に基づいて遊技状態をRB成立状態からRB状態へ移行させる。
RB状態は、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RB状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、小役の当選確率が内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブル6を参照した内部抽選が行われる。すなわちRB状態では、通常状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またRB状態では、RB状態での小役の入賞回数と遊技回数とにより終了条件が成立したか否かを判断し、小役の入賞回数が所定回数(例えば、8回)となるか、RB状態での遊技回数が所定回数(例えば、12回)となると、いずれかの条件が成立したことに基づいて遊技状態移行制御手段170は、RB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
BB成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB成立状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)がいずれも抽選対象から除外され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル5を参照した内部抽選が行われる。
またBB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、ビッグボーナス(BB)の入賞に基づいて遊技状態をBB成立状態からBB状態へ移行させる。
BB状態は、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、小役の当選確率が内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル5よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブル6を参照した内部抽選が行われる。すなわちBB状態では、通常状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またBB状態では、BB状態でのボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、250枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、BB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
RT制御手段173は、図14(B)に示すように、非RT状態(非リプレイタイム状態)、RT1状態(第1リプレイタイム状態)、RT2状態(第2リプレイタイム状態)、およびRT3状態(第3リプレイタイム状態)の間でRT状態を移行させるRT移行制御処理を行う。本実施形態では、RT状態に応じてリプレイの抽選態様が異なり、具体的には、リプレイの当選確率、抽選対象となるリプレイの種類、および重複して当選するリプレイの組合せの少なくとも1つが異なっている。すなわちRT状態が変動した場合に変動前と変動後とにおいて一部または全部のリプレイの当選確率が異なる場合がある。RT状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、RT状態を別のRT状態へ移行させることができる。
非RT状態は、複数種類のRT状態の中で初期状態に相当するRT状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。また非RT状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1〜通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル1を参照した内部抽選が行われる。なお本実施形態では、RB状態やBB状態の終了に伴って遊技状態が通常状態に復帰する際に非RT状態に設定され、また遊技状態が通常状態である場合に非RT状態以外のRT状態において1枚小役が入賞するとRT状態が非RT状態に移行するようになっている。
RT1状態は、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT1状態からはRT2状態および非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、RT1状態においてリプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ2が入賞した場合)にはRT2状態へ移行し、RT1状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行する。またRT1状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ1〜打順リプレイ6が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブル2を参照した内部抽選が行われる。
RT2状態は、リプレイ2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT2状態からはRT3状態、非RT状態、およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT2状態においてリプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(リプレイ3が入賞した場合)にはRT3状態へ移行し、RT2状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT2状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT2状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として打順リプレイ7〜打順リプレイ12が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.5に設定されている内部抽選テーブル3を参照した内部抽選が行われる。
RT3状態は、リプレイ3の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行するRT状態であって、RT3状態からは非RT状態およびRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、RT3状態において1枚小役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示された場合(1枚小役が入賞した場合)には非RT状態へ移行し、RT3状態においてRT変動ブランクをしめす図柄組合せが有効ライン上に表示された場合にはRT1状態へ移行する。またRT3状態では、図4および図5に示す内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のうち、リプレイの当選態様として通常リプレイ1〜通常リプレイ3が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.0に設定されている内部抽選テーブル4を参照した内部抽選が行われる。なお通常状態においてRT3状態に滞在している場合に参照される内部抽選テーブル4では内部抽選の結果がハズレとなることはないように役と乱数値との対応関係が設定されている。
特典付与手段175は、図15に示すように、非AT状態、AT準備状態、AT状態、およびAT終了待機状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、AT終了判定カウンタ1915の値に基づいてAT状態の終了条件の成否を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。本実施形態では、AT準備状態やAT状態に滞在している場合には、演出制御手段180によって、打順ベルの当選時に正解打順を報知することにより8枚小役(小役6:所定の役の一例)の入賞を補助する入賞補助演出が行われ、非AT状態に滞在している遊技よりもメダルが獲得しやすいアシストタイム遊技を行うことができるようになっている。
また特典付与手段175は、図16に示すように、通常区間、内部中待機区間、および有利区間を設定可能とし、通常区間では演出状態を非AT状態に固定してAT抽選(特定抽選の一例)を行い、AT抽選に当選したことによって有利区間を開始して有利区間であることを条件に演出状態をAT状態に設定可能としている。そして特典付与手段175は、通常区間の遊技において、遊技状態が通常状態である場合に、内部抽選で共通ベル、スイカA、チェリー、ビッグボーナス(BB)のいずれかが当選したことに基づいて(内部抽選で取得された乱数値が複数の第1当選区間のうち所定の当選区間に属する場合の一例)、AT抽選を行う。AT抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段1911に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、AT抽選の契機となる内部抽選での各当選態様(共通ベル、スイカA、チェリー、ビッグボーナス(BB))に対応づけられた内部抽選用の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられており、内部抽選のために取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応づけられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。
また本実施形態では、AT抽選の抽選状態として当選確率が約1/256(初期確率の一例)の低確率状態と当選確率が約1/64の高確率状態とを設定可能となっており、AT抽選では抽選状態に応じたAT抽選テーブルが参照されるようになっている。すなわち抽選状態が高確率状態である場合には抽選状態が低確率状態である場合よりも当選確率が高くなるように設定されたAT抽選テーブルが参照される。なお内部抽選での当選態様に応じてAT抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。この場合には低確率状態と高確率状態とにおいてAT抽選の当選確率が同一、または低確率状態の方が高確率状態よりもAT抽選の当選確率が高くなる当選態様が存在していてもよく、AT抽選の当選に割り当てられる乱数値の総数が「高確率状態>低確率状態」の関係となっていれば当選態様毎のAT抽選の当選確率は任意に定めることができる。また本実施形態では、各抽選状態におけるAT抽選の当選確率は設定値の影響を受けて変動することはない。
そして特典付与手段175は、通常区間においてAT抽選に当選すると、AT抽選に当選したことに基づいて有利区間を開始させ、演出状態を非AT状態からAT準備状態を経由してAT状態に移行させて、有利区間においてアシストタイム遊技を行わせる。なおビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選した場合には、AT抽選の当選情報をBB状態の終了まで保持し、BB状態が終了して遊技状態が通常状態に復帰することを契機に演出状態をAT準備状態に設定し、AT準備状態を経由してAT状態へ移行させる。
そして本実施形態では、AT準備状態において、演出制御手段180によって、RT状態をRT3状態へ導くように入賞補助演出が実行される。
例えば、AT抽選の当選時において非AT状態において滞在している可能性の高いRT状態であるRT1状態に滞在している場合には、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時にリプレイ2を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT2状態に誘導し、RT2状態では打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時にリプレイ3を入賞させることができるように、正解打順を報知する入賞補助演出を実行してRT状態をRT3状態に誘導する。
なお本実施形態では、AT準備状態において演出制御手段180によって打順ベルの当選時に正解打順を報知する入賞補助演出が行われるが、AT準備状態において非RT状態に滞在している場合にはRT状態をRT1状態に変動させるためにRT変動ブランクを示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるべく不正解打順で停止操作が行われる必要がある。このため、非RT状態に滞在している状況でAT抽選に当選した場合には、AT準備状態であっても非RT状態に滞在している間は打順ベルの当選時に入賞補助演出は実行されないようになっている。
そして特典付与手段175は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT3状態に移行したことに基づいて、演出状態をAT準備状態からAT状態へ移行させる。なおAT準備状態からAT状態への移行は、AT準備状態に設定されている場合にRT状態がRT2状態に移行したことに基づいて行われるようにしてもよいし、AT準備状態に設定されている場合にRT2状態において打順リプレイ7〜打順リプレイ12のいずれかが当選したことに基づいて、当該遊技の終了時にAT状態へ移行させるようにしてもよい。
またAT状態において遊技者の操作ミスによりRT状態が非RT状態やRT1状態に転落した場合には、AT状態に滞在している限りはRT状態をRT3状態へ復帰させるように入賞補助演出が行われる。ただしAT状態においてRT状態が非RT状態に転落した場合には、RT状態をRT1状態に誘導するために、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるまで打順ベルの当選時の入賞補助演出は行われない。
また特典付与手段175は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT状態の終了条件となる遊技回数である50回に相当する値「50」を、AT終了判定カウンタ1915に設定し、AT状態では、1回のアシストタイム遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、AT終了判定カウンタ1915の値から1回分のアシストタイム遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。またAT状態においては遊技者の操作ミスによりRT状態が非RT状態やRT1状態に転落したことによってRT状態をRT3状態へ復帰させる過程においてもAT終了判定カウンタ1915のデクリメント更新は継続される。
そして特典付与手段175は、AT終了判定カウンタ1915の記憶値が初期値「0」に達すると、AT状態の終了条件が成立したと判断され、特典付与手段175は、演出状態をAT終了待機状態に設定し、AT終了待機状態においてRT状態が非RT状態またはRT1状態に移行すると演出状態を非AT状態に復帰させる。本実施形態では、AT状態の終了後のAT終了待機状態では演出制御手段180による打順ベルの当選時の入賞補助演出が行われなくなるため、1枚小役の入賞またはRT変動ブランクを示す図柄組合せの表示によってRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落しやすくなる。なおAT状態の終了後の演出状態としてはAT終了待機状態を設けずに非AT状態へ復帰するようにしてもよい。またAT終了待機状態から非AT状態への復帰条件は、例えば、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われたことや、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるか、1枚小役が入賞すること等としてもよい。
また特典付与手段175は、AT状態において、内部抽選で得られた小役の当選態様が、スイカA、チェリー、または共通ベルであった場合(内部抽選で取得された乱数値が複数の第1当選区間のうち所定の当選区間に属する場合の一例)に、内部抽選での役の当選態様に応じてAT終了判定カウンタ1915の値に所与の加算値を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。本実施形態では、AT終了判定カウンタ1915の値に加算値を上乗せすることによって有利区間におけるアシストタイム遊技の実行回数を増やすことができるようになっている。
上乗せ抽選では、内部抽選のために取得した乱数値をメイン抽選テーブル記憶手段1911に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じて上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選テーブルでは、上乗せ抽選の契機となる当選態様に対応づけられた乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応づけられており、上乗せ抽選で取得した乱数値が上乗せ抽選テーブルにおいて当選に対応づけられている場合に、上乗せ抽選に当選したと判定される。また本実施形態では、複数種類の上乗せ抽選テーブルから内部抽選での役の当選態様に応じた上乗せ抽選テーブルが選択されるようになっており、上乗せ抽選の当選確率が「スイカA<チェリー<共通ベル」の順序で高くなるようになっている。また上乗せ抽選に当選した際の加算値は、「チェリー<共通ベル<スイカA」の順序で大きな加算値が選ばれるようになっている。なお内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選の当選確率の関係や、内部抽選での役の当選態様と上乗せ抽選に当選した際の加算値の関係は、前述したものに限られず、任意に定めることができる。なお本実施形態では、上乗せ抽選の当選確率や上乗せ抽選に当選した場合における加算値については設定値によっては変化しないようになっている。
また特典付与手段175は、AT状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいてAT終了判定カウンタ1915のデクリメント更新を中止してAT状態を中断し、BB状態の終了後からAT準備状態を経由してRT状態がRT3状態に移行することに伴ってAT状態が再開されるようになっている。そして本実施形態では、有利区間においてAT状態での遊技を行っている状況においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、BB状態の終了後にAT状態への復帰が確定しているため有利区間が維持されるようになっている。
また特典付与手段175は、AT状態においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合にも、ビッグボーナス(BB)が当選した場合と同様に、レギュラーボーナス(RB)の当選に基づいてAT終了判定カウンタ1915のデクリメント更新を中止してAT状態を中断し、RB状態の終了後からAT準備状態を経由してRT状態がRT3状態に移行することに伴ってAT状態を再開させる。なお本実施形態では、設定値に応じてレギュラービッグボーナス(RB)の当選確率が変動する関係で、レギュラーボーナス(RB)の当選やRB状態の開始および終了が有利区間の開始や終了とは関わらないようになっており、有利区間においてAT状態での遊技を行っている状況においてレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、RB状態においても有利区間は維持され、RB状態の終了後も有利区間の終了条件が成立しない限り有利区間が維持されるようになっている。
また特典付与手段175は、AT状態に移行する際に、AT抽選の抽選状態を変動可能とする遊技回数である32回に相当する所定値「32」を、確率変動カウンタ1916に設定し、AT状態の終了後におけるAT終了待機状態や非AT状態での遊技において、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、確率変動カウンタ1916の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。
そして特典付与手段175は、通常区間ではAT抽選の抽選状態を低確率状態で固定する一方で、有利区間においては確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)ではない場合に、RT状態に応じてAT抽選の抽選状態を設定し、RT状態が非RT状態またはRT1状態のいずれかである場合にはAT抽選の抽選状態を低確率状態に設定し、RT状態がRT2状態またはRT3状態のいずれかである場合にはAT抽選の抽選状態を高確率状態に設定する。
そして本実施形態では、確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)に達すると、有利区間が終了するようになっているが、確率変動カウンタ1916が初期値に達するまでの遊技においてAT抽選に当選してAT状態に移行する場合には、そのAT状態に移行する際に確率変動カウンタ1916の値が再び所定値「32」に設定される。
また本実施形態では、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでの遊技においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が中断され、BB状態の終了時までビッグボーナス(BB)の当選時における確率変動カウンタ1916の値が保持されるが、そのビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたAT抽選で当選すれば、BB状態の終了後にAT準備状態を経てAT状態に移行する際に確率変動カウンタ1916の値が再び所定値「32」に設定され、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたAT抽選に当選しなかった場合には、BB状態の終了後に演出状態が非AT状態に復帰することに伴って有利区間が終了する。
また本実施形態では、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでの遊技においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が中断され、RB状態の終了時までレギュラーボーナス(RB)の当選時における確率変動カウンタ1916の値が保持され、RB状態の終了後には演出状態が非AT状態に復帰するとともにレギュラーボーナス(RB)の当選による中断時の値から確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が再開される。
また特典付与手段175は、有利区間の終了に基づいて、演出状態に関わる制御情報を初期化する初期化処理を行う。特に本実施形態では初期化処理によって演出状態が非AT状態に初期化されるとともに、AT終了判定カウンタ1915および確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)に初期化されて通常区間に復帰するようになっている。
また本実施形態では、図16に示すように、通常区間および有利区間の他に、内部中待機区間を設定可能とし、特典付与手段175は、通常区間においてAT抽選に当選したことに基づいて有利区間を開始するが、ビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞せずにビッグボーナス(BB)が当選した状態が持ち越された場合には内部中待機区間を経由して有利区間を開始する。そして本実施形態では、AT準備状態、AT状態、およびAT終了待機状態は有利区間である場合に限って設定可能となっている。また本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)が当選しても、レギュラーボーナス(RB)の当選がAT抽選の実行契機とはなっていないため、レギュラーボーナス(RB)が当選してもレギュラーボーナス(RB)が入賞せずにレギュラーボーナス(RB)が当選した状態が持ち越されても内部中待機区間には移行しないようになっている。
なお本実施形態では、通常区間においてAT抽選が当選した遊技においてクリアカウンタ1917の値を所定値(例えば、1)に設定して、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にクリアカウンタ1917の値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新を行い、クリアカウンタ1917の値がしきい値(例えば、1500)を超えたこと(クリアカウンタの値が「1501」に達したこと)に基づいて有利区間の終了条件が成立するようになっている。本実施形態においてクリアカウンタ1917の更新は各遊技における回転中のリールが全て停止した後に行われるようになっているが、各遊技において予め定まっていれば、いずれの契機でクリアカウンタ1917の更新を行うようにしてもよく、例えば、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を更新契機とするようにしてもよい。また有利区間においては、有利区間の終了条件に該当しない限りは、AT準備状態やAT準備状態等の各演出状態への移行が発生してもクリアカウンタ1917の更新が行われる。なおビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選したが、ビッグボーナス(BB)が入賞せずに内部中待機区間を経由して有利区間が開始する場合には、内部中待機区間においてはクリアカウンタ1917の更新は行われずに有利区間の開始とともにクリアカウンタ1917の更新が開始される。
そして本実施形態では、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合に有利区間の終了に伴って初期化処理が実行されて通常区間に復帰する。このため、AT状態に滞在している状況においてクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、初期化処理によってAT状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化されるとともにAT終了判定カウンタ1915の値が初期値(例えば、0)に初期化される。またAT準備状態に滞在している状況においてクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合にも、初期化処理によってAT準備状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化されるとともにAT終了判定カウンタ1915の値が初期値(例えば、0)に初期化され、AT終了待機状態に滞在している状況においてクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、非AT状態への復帰条件を満たしていなくても初期化処理によってAT終了待機状態が強制終了して演出状態が非AT状態に初期化されるとともに確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)に初期化される。
なお初期化処理では、前述した演出状態、AT終了判定カウンタ1915、および確率変動カウンタ1916の初期化のみならずクリアカウンタ1917の初期化も行われ、具体的にはクリアカウンタ1917の値が初期値(例えば、0)に初期化される。また本実施形態では、BB状態の終了時に演出状態が非AT状態に復帰する場合にも有利区間の終了条件が成立したと判断され、有利区間の終了に伴って初期化処理が実行される。
また特典付与手段175は、通常区間においてビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選し、そのビッグボーナス(BB)が入賞した場合にもクリアカウンタ1917の値を所定値(例えば、1)に設定して有利区間を発生させる。ただし本実施形態では、ビッグボーナス(BB)については適切なタイミングで停止操作を行わなければ入賞させることができないため、通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選し、そのビッグボーナス(BB)の当選に基づくAT抽選に当選してもビッグボーナス(BB)が入賞しなかった場合には内部中待機区間に移行し、ビッグボーナス(BB)の入賞に伴って有利区間が開始するようになっている。一方で、通常区間においてビッグボーナス(BB)に当選しても、AT抽選に当選しなかった場合には、有利区間が発生することはなく、遊技状態がBB成立状態やBB状態であっても通常区間が維持され、また通常区間においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合にはAT抽選が行われることはなく、遊技状態がRB成立状態やRB状態であっても通常区間が維持される。そして本実施形態では、遊技状態がRB成立状態やBB成立状態である場合および遊技状態がRB状態やBB状態である場合には、通常区間であってもAT抽選は実行されないようになっている。また本実施形態では、有利区間においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、そのビッグボーナス(BB)によって移行するBB状態は原則として有利区間に設定され、有利区間においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には、そのレギュラーボーナス(RB)によって移行するRB状態は原則として有利区間に設定されるようになっている。すなわち通常区間でビッグボーナス(BB)が当選した場合には、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選した場合に限ってBB状態を有利区間に設定する一方で、有利区間でビッグボーナス(BB)が当選した場合には、有利区間の終了条件が成立していない限り、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態を有利区間に設定する。また通常区間でレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には、有利区間に移行することがなく、有利区間でレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には、有利区間の終了条件が成立していない限り、そのレギュラーボーナス(RB)の入賞によって移行するRB状態を有利区間に設定する。なお、有利区間においてビッグボーナス(BB)が当選してもビッグボーナス(BB)が入賞する前に有利区間の終了条件が成立して初期化処理が行われた場合には、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態は通常区間に設定され、有利区間においてBB状態に移行しても、BB状態の終了条件が成立する前に有利区間の終了条件が成立して初期化処理が行われた場合には、初期化処理後は遊技状態をBB状態としつつ通常区間に切り替わることになる。また有利区間においてレギュラーボーナス(RB)が当選してもレギュラーボーナス(RB)が入賞する前に有利区間の終了条件が成立して初期化処理が行われた場合には、そのレギュラーボーナス(RB)の入賞によって移行するRB状態は通常区間に設定され、有利区間においてRB状態に移行しても、RB状態の終了条件が成立する前に有利区間の終了条件が成立して初期化処理が行われた場合には、初期化処理後は遊技状態をRB状態としつつ通常区間に切り替わることになる。
また本実施形態では、内部中待機区間である場合にはAT抽選の実行を禁止し、内部抽選でAT抽選の実行契機となる当選態様が得られた場合であっても各抽選は実行されないようになっている。ただし内部中待機区間においてもAT抽選を実行するように構成してもよいが、その場合にはAT抽選の結果を無効とすることが好ましい。
また本実施形態では、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた状況においてBB成立状態に滞在している場合でも有利区間が終了して初期化処理が行われるが、この場合には有利区間終了後の通常区間の遊技において既に当選していたビッグボーナス(BB)を入賞させることができなかった場合に、そのビッグボーナス(BB)の入賞が有利区間への移行を伴うものではないので通常区間が維持され内部中待機区間には移行しない。
また本実施形態では、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた状況においてBB状態に滞在している場合においてもBB状態の終了条件が成立しているか否かに関わらずに有利区間を終了させて初期化処理が行われて通常区間に移行するが、通常区間においてBB状態ではAT抽選が行われないようになっているため、BB状態に滞在している状況において有利区間が終了して初期化処理が行われた場合にはBB状態の終了後の演出状態は必ず非AT状態となる。なお有利区間の終了に伴う初期化処理によっては遊技状態の初期化は行われないため、BB状態に滞在している状況において初期化処理が行われた場合に初期化処理が行われるまでに消化したBB状態の遊技での払出数等の情報は初期化処理によっては初期化されることはなく、そのBB状態での遊技がBB状態の終了条件が成立するまで行われる。
また本実施形態では、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた状況においてRB状態に滞在している場合においてもRB状態の終了条件が成立しているか否かに関わらずに有利区間を終了させて初期化処理が行われて通常区間に移行するが、通常区間においてRB状態ではAT抽選が行われないようになっているため、RB状態に滞在している状況において有利区間が終了して初期化処理が行われた場合にはRB状態の終了後の演出状態は必ず非AT状態となる。なお有利区間の終了に伴う初期化処理によっては遊技状態の初期化は行われないため、RB状態に滞在している状況において初期化処理が行われた場合に初期化処理が行われるまでに消化したRB状態の遊技での払出数等の情報は初期化処理によっては初期化されることはなく、そのRB状態での遊技がRB状態の終了条件が成立するまで行われる。
また本実施形態では、通常区間でのAT抽選の当選により有利区間が開始されて有利区間内において演出状態をAT状態に設定してアシストタイム遊技を行うようになっているが、AT状態が終了してもAT状態の終了後からカウントが開始される確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでは有利区間が維持されるようになっている。すなわち本実施形態では、AT状態の終了後も有利区間が継続するため、演出状態が非AT状態に復帰しても有利区間に滞在している場合が存在するようになっている。
また特典付与手段175は、有利区間が開始されたことに基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを点灯して有利区間に滞在していることを報知し、有利区間の終了に基づいて区間表示器SECに内蔵されているLEDを消灯する制御を行っている。そして本実施形態では通常区間および内部中待機区間では区間表示器SECに内蔵されているLEDは消灯されているようになっているため、区間表示器SECの点灯状態を確認することで有利区間に滞在しているか否かを判断できるようになっている。
そして本実施形態では、特典付与手段175が、クリアカウンタ1917の値に基づいて有利区間に滞在していることの報知である有利区間報知を開始または終了させるようになっている。例えば、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ1917に所定値(例えば、1)が設定された場合に、クリアカウンタ1917の値が初期値「0」より大きくなったことに基づいて有利区間報知を開始させ、有利区間が終了して通常区間に移行することに伴ってクリアカウンタ1917の値が初期値「0」に初期化された場合に、クリアカウンタ1917の値が初期値「0」となったことに基づいて有利区間報知を終了させる。
なお本実施形態では、有利区間報知に関して、有利区間が開始されると区間表示器SECに内蔵されているLEDが点灯して即座に有利区間に滞在していることが報知されるようになっているが、有利区間の開始から所定の遊技回数(例えば、32回)が消化されるまでは有利区間であることを報知しない非報知区間とするようにしてもよい。また区間表示器SECは、本実施形態のように専用に設ける必要はなく、遊技情報表示部DSにおける、メダルのクレジット数を表示するクレジット表示器やメダルの払出数を表示する払出表示器などと兼用するようにしてもよい。例えば、クレジット表示器や払出表示器が7セグメント表示器で構成されている場合に、小数点等を表示するドット表示部の点灯・消灯を切り替えるによって有利区間に滞在しているか否かを示し、通常区間ではドット表示部を消灯し、有利区間ではドット表示部を点灯することで有利区間報知とするようにしてもよい。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段1918に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。遊技において実行される演出の内容は、サブ抽選テーブル記憶手段1919に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選の結果等に応じて参照して決定される。
そして演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態およびAT状態である場合において、打順ベルの当選時に正解打順を報知して8枚小役の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。ただし、演出状態がAT準備状態であってもRT状態が非RT状態である場合や、AT状態において打順ベルの当選時に遊技者の操作ミスにより1枚小役が入賞してRT状態が非RT状態に転落した場合には、遊技状態をRT1状態に誘導するべくRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されるまで打順ベルが当選しても入賞補助演出は行わないようになっている。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、RT状態がRT1状態に滞在している状況では、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時において正解打順を報知してリプレイ2の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させ、RT状態がRT2状態に滞在している状況では、打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時において正解打順を報知してリプレイ3の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態であっても打順ベルの当選時における遊技者の操作ミスによってRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されてRT状態がRT1状態に転落している場合には、AT状態に滞在していることを条件として、打順リプレイ1〜打順リプレイ6の当選時において正解打順を報知してリプレイ2の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。またAT状態においてRT状態が非RT状態やRT1状態に転落してRT状態をRT3状態へ復帰させる過程においてRT2状態に滞在している場合には、AT状態に滞在していることを条件として、打順リプレイ7〜打順リプレイ12の当選時において正解打順を報知してリプレイ3の入賞を補助する入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御が行われる。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニットHPなどは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
以下、図17〜図19を参照しながら、本実施の形態の手法について説明する。なお図17〜図19は本実施の形態の処理を説明する図である。
まず通常区間中の処理である通常区間処理について説明すると、通常区間処理では、図17に示すように、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると(ステップS100でY)、内部抽選を行う内部抽選処理が行われる(ステップS101)。内部抽選処理では、図18(A)に示すように、抽選テーブル選択処理が行われ(ステップS110)、乱数判定処理が行われ(ステップS111)、抽選フラグ設定処理が行われる(ステップS112)。
抽選テーブル選択処理では、遊技状態およびRT状態に応じて内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル6のいずれか1つが選択される。乱数判定処理では、図18(B)に示すように、乱数発生手段110から乱数値Xが取得される(ステップS120)。このとき取得された乱数値Xは記憶手段190の特定抽選用乱数記憶領域(図示省略)に上書きして記憶される。なお特定抽選用乱数記憶領域に記憶された内部抽選用の乱数値XはAT抽選や上乗せ抽選において用いられる。そして判定順序Nが初期値(例えば、0)に設定され(ステップS121)、選択された内部抽選テーブルを参照して判定順序がN番目に設定されている当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が、乱数発生手段110が発生させる乱数の下限値(例えば、0)より小さくなった場合に(ステップS124でY)、乱数値Xが今回取得された乱数値Yの当選区間または不当選区間(判定順序がN番目の当選区間または不当選区間)に属すると判定される。すなわち今回取得された乱数値Yの当選区間の役に当選したまたはハズレ(不当選区間)となったと判定される。一方、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)以上となった場合には(ステップS124でN)、判定順序Nに一定値(例えば、1)が加算されて判定順序Nが更新され(ステップS125)、内部抽選テーブルを参照して判定順序がN番目に設定されている当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、更新された乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが再び更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)より小さくなるまで乱数値Xから判定値Yを減算して乱数値Xを更新する処理が繰り返し行われる(ステップS122〜ステップS125)。そして抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグが非当選状態から当選状態に設定される。
そして図17に示すように、内部抽選処理が行われると(ステップS101)、AT抽選を行うAT抽選処理が行われる(ステップS102)。AT抽選処理では、図18(C)に示すように、通常状態において内部抽選で共通ベル、スイカA、チェリー、ビッグボーナス(BB)のいずれかが当選した場合に(ステップS130でY)、抽選テーブル選択処理が行われ(ステップS131)、乱数判定処理が行われる(ステップS132)。AT抽選処理の抽選テーブル選択処理では、AT抽選の抽選状態に応じていずれか1つのAT抽選テーブルが選択される。AT抽選テーブルでは、図示は省略するが内部抽選テーブルと同様に、当選が対応付けられた当選区間と、ハズレが対応付けられた不当選区間が設定されているとともに、判定順序と、当選区間および不当選区間のそれぞれに対する判定値とが予め設定されている。そしてAT抽選処理の乱数判定処理では、図18(B)に示すように、記憶手段190の特定抽選用乱数記憶領域から内部抽選のために取得された乱数値Xが取得され(ステップS120)、判定順序Nが初期値(例えば、0)に設定され(ステップS121)、選択されたAT抽選テーブルを参照して判定順序がN番目に設定されている当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が、乱数発生手段110が発生させる乱数の下限値(例えば、0)より小さくなった場合に(ステップS124でY)、乱数値Xが今回取得された乱数値Yの当選区間または不当選区間(判定順序がN番目の当選区間または不当選区間)に属すると判定される。一方、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)以上となった場合には(ステップS124でN)、判定順序Nが更新され(ステップS125)、判定順序がN番目の当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、更新された乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが再び更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)より小さくなるまで乱数値Xから判定値Yを減算して乱数値Xを更新する処理が繰り返し行われる(ステップS122〜ステップS125)。そしてAT抽選の結果が記憶手段190の所定の記憶領域に記憶される(ステップS133)。
そして図17に示すように、AT抽選処理が行われると(ステップS102)、各リールを回転させ、ストップボタンに対する停止操作に基づいて対応するリールを停止させるリール制御処理(ステップS103)が行われ、入賞判定処理が行われ(ステップS104)、入賞判定の結果に基づいて入賞判定時処理が行われる(ステップS105)。
入賞判定時処理が行われると(ステップS105)、有利区間移行処理が行われる(ステップS106)。有利区間移行処理では、共通ベル、スイカAもしくはチェリーの当選時にAT抽選に当選した場合、またはビッグボーナス(BB)の当選時のAT抽選に当選して当該遊技においてビッグボーナス(BB)が入賞した場合に、クリアカウンタ1917の値が所定値(例えば、1)に設定され、遊技区間が有利区間に設定され、区間表示器SECに内蔵されているLEDを点灯して有利区間報知が開始される。
有利区間移行処理が行われると(ステップS106)、AT移行処理が行われる(ステップS107)。AT移行処理では、AT抽選に当選した場合に、演出状態がAT準備状態に移行され、AT終了判定カウンタ1915に50回に相当する値「50」が設定される。
続いて有利区間中の処理である有利区間処理について説明すると、有利区間処理では、図19(A)に示すように、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われると(ステップS200でY)、内部抽選処理が行われ(ステップS201)、演出状態が非AT状態またはAT終了待機状態である場合に(ステップS202でY)、AT抽選処理が行われ(ステップS203)、演出状態がAT状態である場合には(ステップS202でN、ステップS204でY)、AT処理が行われ(ステップS205)、上乗せ抽選を行う上乗せ抽選処理が行われる(ステップS206)。AT処理では、AT終了判定カウンタ1915の値から1回分のアシストタイム遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新が行われる。また上乗せ抽選処理では、図19(B)に示すように、共通ベル、スイカA、チェリーのいずれかが当選した場合に(ステップS220でY)、抽選テーブル選択処理が行われ(ステップS221)、乱数判定処理が行われる(ステップS222)。上乗せ抽選処理の抽選テーブル選択処理では、役の当選態様(内部抽選の結果)に応じていずれか1つの上乗せ抽選テーブルが選択される。上乗せ抽選テーブルでは、図示は省略するが内部抽選テーブルと同様に、当選が対応付けられた当選区間と、ハズレが対応付けられた不当選区間が設定されているとともに、判定順序と、当選区間および不当選区間のそれぞれに対する判定値とが予め設定されている。そして上乗せ抽選処理の乱数判定処理では、図18(B)に示すように、記憶手段190の特定抽選用乱数記憶領域から内部抽選のために取得された乱数値Xが取得され(ステップS120)、判定順序Nが初期値(例えば、0)に設定され(ステップS121)、選択された上乗せ抽選テーブルを参照して判定順序がN番目に設定されている当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が、乱数発生手段110が発生させる乱数の下限値(例えば、0)より小さくなった場合に(ステップS124でY)、乱数値Xが今回取得された乱数値Yの当選区間または不当選区間(判定順序がN番目の当選区間または不当選区間)に属すると判定される。一方、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)以上となった場合には(ステップS124でN)、判定順序Nが更新され(ステップS125)、判定順序がN番目の当選区間または不当選区間の判定値Yが取得され(ステップS122)、更新された乱数値Xから判定値Yが減算されて乱数値Xが再び更新され(ステップS123)、演算結果(更新された乱数値X)が下限値(例えば、0)より小さくなるまで乱数値Xから判定値Yを減算して乱数値Xを更新する処理が繰り返し行われる(ステップS122〜ステップS125)。そして上乗せ抽選に当選した場合に、AT終了判定カウンタ1915の値に所与の加算値が上乗せされる(ステップS223)。
そして図19(A)に示すように、AT抽選処理または上乗せ抽選処理が行われると(ステップS203、ステップS206)、リール制御処理(ステップS207)が行われ、入賞判定処理が行われ(ステップS208)、入賞判定時処理が行われる(ステップS209)。
入賞判定時処理が行われると(ステップS209)、有利区間処理が行われる(ステップS210)。有利区間処理では、クリアカウンタ1917の値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、1)を加算するインクリメント更新が行われる。
有利区間処理が行われると(ステップS210)、演出状態移行処理が行われる(ステップS211)。演出状態移行処理では、AT抽選に当選した場合に、演出状態がAT準備状態に移行され、AT終了判定カウンタ1915に50回に相当する値「50」が設定され、AT準備状態においてRT状態がRT3状態に移行した場合に、演出状態がAT状態に移行され、AT状態においてAT終了判定カウンタ1915の記憶値が初期値「0」に達した場合に、演出状態がAT終了待機状態に移行され、AT終了待機状態においてRT状態が非RT状態またはRT1状態に移行した場合に、演出状態が非AT状態に移行される。
演出状態移行処理が行われると(ステップS211)、クリアカウンタ1917の値がしきい値(例えば、1500)を超えた場合に初期化処理が行われる(ステップS212)。
以上に述べたように本実施形態では、通常区間においては演出状態が常に非AT状態に設定されており、内部抽選の結果に応じてAT抽選が行われるが、通常区間でのAT抽選の抽選状態は常に低確率状態に設定され、当選確率は約1/256に固定されている。そして本実施の形態では、通常区間においてAT抽選に当選すると有利区間が開始し、有利区間において演出状態をAT状態に設定可能となっているが、AT状態が終了しても即座に有利区間が終了することはなく、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するか、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えるまで有利区間が継続し、演出状態が非AT状態に転落しても有利区間に滞在している状況が発生する。すなわち本実施の形態では、非AT状態において通常区間に滞在している場合と有利区間に滞在している場合とが存在する。このように有利区間に滞在しつつ演出状態が非AT状態である場合にも、内部抽選の結果に応じてAT抽選が行われるが、通常区間とは異なり、AT抽選の抽選状態が低確率状態と高確率状態との間で変動するようになり、高確率状態では低確率状態よりも当選確率が高く約1/64の当選確率でAT抽選が行われる。すなわち本実施の形態では、通常区間がAT抽選の当選確率が固定された区間となり、有利区間がAT抽選の当選確率が変動する区間となっている。
そして本実施の形態では、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えることによって有利区間が終了することになると、演出状態がAT状態であった場合にAT終了判定カウンタ1915の値がしきい値に達していなくても初期化処理によって強制的にAT状態を終了させて演出状態を非AT状態に初期化する。なお演出状態がAT準備状態であってもクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、AT状態に移行することなく強制的にAT準備状態を終了させて初期化処理によって演出状態が非AT状態に初期化される。すなわち本実施の形態では、クリアカウンタ1917の値に基づいて初期化処理を行うことが遊技者に有利な状況が徒に長期間継続しないようにしている。なおクリアカウンタ1917のしきい値は、有利区間におけるメダルの獲得枚数(メダルの投入数と払出数との差)が所定数を超えないように設定することができ、本実施の形態では有利区間におけるメダルの獲得枚数が3000枚を超えないように設定している。具体的には、クリアカウンタ1917のしきい値は3000枚/傾斜値で算出される遊技回数に相当する値となっている。ここで傾斜値はアシストタイム遊技およびボーナス遊技による1遊技当りのメダルの純増加枚数の期待値であり、本実施の形態では設定1〜設定6の6段階の設定値のうち最も出玉率の期待値が高い設定6において傾斜値は2枚となっている。このため、本実施の形態の有利区間の遊技回数は1500回(=3000枚/2枚)となり、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ1917に「1」を設定してから1500回分の遊技回数をカウントしたら有利区間を終了するようにしきい値を設定している。このように有利区間の期間はメダルの獲得枚数の上限数や傾斜値に依存し、これらの設計次第で任意に設定することができる。なおクリアカウンタ1917のしきい値については、有利区間での最大遊技回数が1500回以内であれば任意の値とすることができ、傾斜値によらない固定値とするようにしてもよい。
また本実施の形態では、遊技状態がBB状態である場合には通常状態よりも小役の当選確率を高めたボーナス遊技を行うことができるようになっており、また有利区間において演出状態がAT状態である場合には打順ベルの当選時に正解打順が報知されることによって非AT状態よりも8枚小役を入賞させやすいアシストタイム遊技を行うことができるようになっており、BB状態でのボーナス遊技と有利区間におけるAT状態でのアシストタイム遊技とによって、遊技者が手持ちのメダルを増やしていく遊技性を提供する。そして本実施の形態では、有利区間においてBB状態に滞在している状況でクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、そのBB状態に関して終了条件が成立しているか否かに関わらずに有利区間を終了させて初期化処理を実行してアシストタイム遊技を行うことができない通常区間に復帰させるようになっている。このように本実施の形態では、アシストタイム遊技を行うことができる有利区間の継続に制限を設け、特にクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合にはBB状態の途中であっても初期化処理を行って通常区間に復帰させるようになっているため、有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を大幅に超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防いでいる。
特に本実施の形態では、通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にAT抽選を行って有利区間を開始するか否かを決定し、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選しなかった場合にはビッグボーナス(BB)の当選時からビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行するBB状態が終了するまでは通常区間を維持し、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選した場合にはビッグボーナス(BB)の入賞に伴って有利区間を開始させてクリアカウンタ1917の更新を開始する。すなわち本実施の形態では、アシストタイム遊技を行うことができる有利区間への移行に関連付いたビッグボーナス(BB)の当選については、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態においてクリアカウンタ1917の値を更新するようにしたことによって、有利区間でのメダルの獲得量を好適に調整して射倖性を抑えることができるようになる。
また本実施の形態では、有利区間においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、ビッグボーナス(BB)の当選後も必ず有利区間が継続し、ビッグボーナス(BB)によって移行するBB状態は必ず有利区間に設定されてクリアカウンタ1917の値が更新されるようになっている。このようにすれば、有利区間において当選したビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態で獲得されたメダルも有利区間で獲得されたメダルに含まれることになるので、有利区間において設計上の獲得期待値である3000枚を大幅に超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防ぐことができる。
また本実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合にビッグボーナス(BB)を抽選対象とした内部抽選が行われ、図14(A)に示すように、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいてBB成立状態に移行し、ビッグボーナス(BB)の入賞に基づいてBB状態へ移行するようになっているが、図16に示すように、通常区間において遊技状態が通常状態である場合にはAT抽選を行う一方で、遊技状態がBB成立状態やBB状態である場合には通常区間であってもAT抽選を実行しないようにしている。例えば、BB成立状態では、内部抽選でチェリー、スイカA、または共通ベルの当選態様が得られる場合があるが、これらの当選態様が得られた場合であっても遊技状態がBB成立状態であることによってAT抽選が実行されることはなく、BB状態では、チェリー、スイカA、共通ベル、およびビッグボーナス(BB)のいずれの当選態様も得られることはないためAT抽選が実行されることはない。すなわち通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選した以降は、そのビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選しなかった場合、当選しているビッグボーナス(BB)を入賞させてビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態を終了させるまで有利区間への移行機会を得ることができないため、ビッグボーナス(BB)を抽選対象として設けつつアシストタイム遊技を行うことができる遊技機において当選したビッグボーナス(BB)を積極的に入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。またBB状態では、小役の当選確率を高めたボーナス遊技を行わせるため、一部の小役の当選態様によってAT抽選を行う仕様ではBB状態においてもAT抽選を行うようにすると、通常区間でのAT抽選の当選確率が実質的に変動してしまうことになるが、本実施の形態では、遊技状態がBB状態である場合には通常区間であってもAT抽選を行わないようにすることで通常区間でのAT抽選の当選確率を一定として遊技の公平性を担保することができる。
なおBB成立状態ではAT抽選の契機となる当選態様が得られないためにAT抽選が行われないようにしてもよく、例えば、通常状態でのビッグボーナス(BB)の当選時にのみAT抽選を行うように構成すれば、BB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が当選する当選態様を得ることがないためAT抽選が行われないようにすることができる。またBB状態では通常状態でも得ることができる当選態様を得る場合が存在するが、遊技状態が通常状態ではないため(BB状態であるため)にAT抽選が行われないようにしてもよい。例えば、BB状態でもスイカA、チェリー、共通ベルの当選態様が得られるように内部抽選テーブルを設けて、BB状態での内部抽選でスイカA、チェリー、共通ベルが当選しても遊技状態が通常状態ではないためにAT抽選が行われないようにすることができる。
また有利区間であってもBB成立状態では、クリアカウンタ1917の値は更新されるが、AT抽選や上乗せ抽選などが行われないようにすることが好ましい。このようにすれば、有利区間においてビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでAT抽選や上乗せ抽選を受けることができないままクリアカウンタ1917の更新が続くため、有利区間で当選したビッグボーナス(BB)を積極的に入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。
さらに本実施の形態では、有利区間の終了に基づいて遊技状態がBB状態の途中であっても初期化処理を行うことで射倖性を抑止しつつ、AT抽選の当選確率が固定された区間とAT抽選の当選確率が変動する区間を設けるという新たな遊技性を提供して遊技者の関心を惹きつけることができる。
また本実施の形態では、通常状態において通常区間に滞在している場合にAT抽選を実行するようになっているが、通常状態では、RT状態に応じて抽選対象となるリプレイの種類やリプレイの当選確率などが異なっている一方で、小役(打順ベル1〜打順ベル9、スイカA、スイカB、スイカC、チェリー、共通ベル)や、ビッグボーナス(BB)の当選確率はRT状態の変動に関わらず一定となっており、RT状態の変動によっては当選確率が変動しない当選態様をAT抽選の実行契機として採用し、特に通常区間では、内部抽選でスイカA、チェリー、共通ベル、またはビッグボーナス(BB)の当選が得られた場合にAT抽選を行うようにしている。すなわち本実施の形態では、通常区間において、RT状態の変動によっては当選確率が変動しない当選態様が得られた場合に限ってAT抽選を行うことができるようにしたことによって、いずれのRT状態に滞在している状況で遊技者の入れ替わりが発生してもAT抽選を受ける機会を公平に付与することができるようになっている点において、通常区間での遊技者の入れ替わり時の公平性を担保することができる。
また本実施の形態では、設定1〜設定6の6段階の設定値の間で設定値を設定可能とし、一部の当選態様について内部抽選で得られる確率が設定値に応じて変動するようになっているが、通常区間でのAT抽選の実行契機となる当選態様であるスイカA、チェリー、共通ベル、およびビッグボーナス(BB)は、いずれも設定値によっては当選確率が変動しない当選態様となっている。特に本実施の形態では、3枚小役を含むスイカの当選態様としてスイカA、スイカB、スイカCを設けており、3枚小役の入賞時には、図20に示すように、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段からなる右下がりの無効ライン(入賞判定に用いられないライン)にスイカ図柄A「WMA」やスイカ図柄B「WMB」によって構成される図柄組合せが表示される右下がりスイカ揃いの停止態様が出現するようになっているが、スイカAについてはいずれの設定値においても当選確率が同一である一方でスイカB、スイカCについては設定値に応じて当選確率が変動するようになっている。
すなわち本実施の形態では、スイカ揃いの停止態様が出現する確率は、設定値に応じて変動するが、スイカ揃いの停止態様が出現する場合であってもスイカAの当選時にのみAT抽選が行われているため、設定値に応じて3枚小役の出現率を変動させても通常区間において設定値の影響を受けずに一定の確率でAT抽選を行っていずれの設定値においても有利区間に移行する機会を等しく与えつつ、3枚小役の入賞時における通常区間でのAT抽選の当選期待度を設定値に応じて変動させることができるようになっている。また本実施の形態では、有利区間において演出状態がAT状態である場合にスイカAの当選時には上乗せ抽選を行うが、スイカBやスイカCの当選時には上乗せ抽選を行わないようにしている。すなわち、本実施の形態では、設定値によっては当選確率が変化しない当選態様を上乗せ抽選の実行契機となる当選態様として設定しているため、いずれの設定値においても有利区間では上乗せ抽選の機会を等しく与えることができるようになっている。
このように本実施の形態によれば、内部抽選で3枚小役を含む当選態様が得られる確率を設定値に応じて変化させつつアシストタイム遊技に関連付いたメダルの獲得性能が設定値に応じて変化させないようにするとともに、3枚小役の入賞を示す右下がりスイカ揃いの停止態様の出現が通常区間から有利区間への移行に対する期待やAT状態での上乗せに対する期待に繋がり、右下がりスイカ揃いの停止態様の出現時にAT抽選や上乗せ抽選の当選期待度が設定値に応じて異なる遊技仕様を実現することができる。
また本実施に形態によれば、設定値に応じて3枚小役の入賞に対する期待値が変化するので、スイカBやスイカCの設定値に応じた当選確率の違いが設定値毎の出玉率に影響する一方で、スイカAについては設定値の変化によって当選確率は変化しないようになっているがAT抽選や上乗せ抽選の実行契機として機能する。すなわち本実施の形態によれば、設定値に応じて一部の当選態様が得られる確率が変動するようにしているが、設定値によっては当選確率が変動しない当選態様を通常区間から有利区間の移行に関わるAT抽選や、有利区間でのアシストタイム遊技の実行回数を増やすための上乗せ抽選の実行契機となるようにしたことによって、設定値に応じて出玉率を変化させつつ、通常区間から有利区間の移行に関わるAT抽選や、有利区間でのアシストタイム遊技の実行回数を増やすための上乗せ抽選の当選確率を一定にした仕様を実現することができる。
また本実施に形態によれば、内部抽選の乱数判定処理では、設定値によっては当選確率が変動しない当選態様(当選区間)に続いて設定値に応じて当選確率が変動する当選態様を判定し、通常区間において設定値によっては当選確率が変動しないビッグボーナス(BB)、スイカA、チェリー、共通ベルのいずれかが得られた場合にAT抽選を行い、有利区間におけるアシストタイム遊技において設定値によっては当選確率が変動しないスイカA、チェリー、共通ベルのいずれかが得られた場合に上乗せ抽選を行うようにしているので、設定値によっては当選確率が変動しない当選態様でのみAT抽選や上乗せ抽選が行われることを処理上において明確にすることができる。
なお本実施の形態では、設定1〜設定6にかけてスイカの当選態様が得られる確率が高くなっていき、設定値が高いほどスイカの入賞を示すスイカ揃いの停止態様の出現率が高くなるが、AT抽選や上乗せ抽選の実行契機となるスイカAの当選確率は設定値によらず一定であり、スイカAの当選に基づくAT抽選や上乗せ抽選の当選確率も設定値によらず一定であるため、結果として設定値が低くなるほどスイカ揃いの停止態様の出現時におけるAT抽選や上乗せ抽選の当選期待度は高くなる。
ただし、本実施の形態とは異なり、設定値が高くなるほどAT抽選や上乗せ抽選の当選期待度が高くなるように構成することもでき、例えば、図21(A)に示すように、2枚小役(小役7)を含むチェリーの当選態様として、チェリーA、チェリーB、チェリーCを設けて、これらを通常状態、RB成立状態、およびBB成立状態での内部抽選での当選態様として設定する。チェリーA、チェリーB、チェリーCの当選態様は2枚小役と1枚小役との重複当選する態様であるから、これらの当選態様が得られた場合には、2枚小役を優先的に入賞させ、2枚小役を入賞させることができない場合に1枚小役が入賞する場合があるように各リールの停止位置が決定される。
そして通常状態、RB成立状態、およびBB成立状態では、各チェリーの当選態様が内部抽選で得られる確率は変化しないようにする。この場合に、チェリーAを通常区間におけるAT抽選や有利区間における上乗せ抽選の実行契機となる当選態様として設定する一方で、チェリーBやチェリーCについてはAT抽選や上乗せ抽選の実行契機とならないように設定して、図21(B)に示すように、チェリーAについてはいずれの設定値においても当選確率が変化せず、チェリーBとチェリーCとについては設定値に応じて当選確率が変化するように構成する。すると、図21(B)に示す例では設定値が高くなるほど、内部抽選でいずれかのチェリーの当選態様が得られる確率が低くなっており、これにより設定値が高いほど2枚小役の入賞時における通常区間でのAT抽選や有利区間での上乗せ抽選の当選期待度が高くなるようにすることができる。
なお本実施の形態では、設定値に応じて当選確率が変化する所定の役の入賞時におけるAT抽選や上乗せ抽選の当選期待度が変化するようになっていたが、必ずしもAT抽選や上乗せ抽選の当選期待度が変化するように構成しなくてもよい。
例えば、8枚小役(小役6)と2枚小役(小役8)が重複して当選する当選態様として打順不問ベルを設けて、打順不問ベルについては設定値に応じて当選確率が変化して設定値が高いほど内部抽選で打順不問ベルが得られる確率が高くなるようにする。そして打順不問ベルが当選した場合には、AT抽選や上乗せ抽選が行われることはなく、いずれの態様で停止操作が行われても必ず8枚小役が入賞するようにする。すなわち打順不問ベルによっては2枚小役が入賞することはないようにする。一方で、2枚小役が単独当選するチェリー(2枚小役が入賞可能となる当選態様であれば、単独当選ではなくてもよい)については設定値によっては当選確率が変化しないようにして通常区間ではチェリー当選時にAT抽選が行われ、有利区間ではチェリー当選時に上乗せ抽選が行われるようにする。このように内部抽選で2枚小役を含む当選態様として、設定値に応じて当選確率が変化する打順不問ベルと、設定値によっては当選確率が変化しないチェリーとを設けた場合に、8枚小役の入賞時には、AT抽選や上乗せ抽選の当選の期待が持てず、2枚小役の入賞時には、AT抽選や上乗せ抽選の当選の期待が持てるという仕様とすることができる。
また本実施の形態では、ボーナスを複数種類設けて一部のボーナスは入賞すると有利区間に移行する契機となり得るが、残りのボーナスは入賞しても有利区間に移行する契機とならないようにしている。具体的には、レギュラーボーナス(RB)とビッグボーナス(BB)とを設けて、レギュラーボーナス(RB)の当選時には通常区間においてAT抽選が行われず、ビッグボーナス(BB)の当選時には通常区間においてAT抽選が行われ、AT抽選に当選することによって有利区間に移行するように構成した。このようにすると通常区間でレギュラーボーナス(RB)に当選しても、RB成立状態やRB状態では通常区間であってもAT抽選が行われないため、通常区間において当選したレギュラーボーナス(RB)が入賞しても有利区間には移行せずに、レギュラーボーナス(RB)の入賞によって移行するRB状態は通常区間に設定され、通常区間でビッグボーナス(BB)に当選するとともにAT抽選に当選すると、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態は有利区間に設定される。
なお本実施の形態では、レギュラーボーナス(RB)の当選確率が設定値に応じて変動する関係で、有利区間においてレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合にはRB状態であっても有利区間を維持するようになっているが、レギュラーボーナス(RB)の当選確率に設定差が無いようにした場合には、有利区間でのレギュラーボーナス(RB)の当選または入賞を有利区間の終了条件としてRB状態を必ず通常区間に設定するように構成することもできる。
そして本実施の形態のように複数種類のボーナスを設けて、一部のボーナスについては有利区間に移行する契機となり得るが、残りのボーナスは有利区間に移行する契機とならないようにした場合、図8(B)に示すように、有利区間に移行する契機とならないレギュラーボーナス(RB)については、設定値に応じて内部抽選での当選確率が変動してもよいが、有利区間に移行する契機となり得るビッグボーナス(BB)については、設定値によっては内部抽選での当選確率が変動しないようにすることによって、ボーナスに関して設けた設定値に応じた当選確率の違いによって設定値に応じて出玉率を変化させつつ有利区間への移行率に設定差が生じないようにすることができる。また本実施の形態では、当選確率に設定差のあるレギュラーボーナス(RB)が当選しても有利区間において上乗せ抽選を行わず、当選確率に設定差のない当選態様が得られた際に上乗せ抽選を行うようにしているので、有利区間において上乗せの機会を設定値によらずに均等に与えることができ、アシストタイム遊技に関連付いた有利度合いが設定値に応じて変化しないようにすることができる。
また本実施の形態では、ボーナスとして設けられているレギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)がそれぞれ単独当選するようになっている場合を例にとって説明をしたが、ボーナスと小役とが重複して当選する当選態様やボーナスとリプレイとが重複して当選する当選態様など同じボーナスを含む当選態様を複数種類として、これらの同じボーナスを含む複数種類の当選態様のうち、一部の当選態様については設定値に応じて当選確率が変化し、残りの当選態様については設定値によっては当選確率が変化しないようにして、設定値が高くなるほどボーナスの当選確率が高くなるように設定するようにしてもよい。この場合にも設定値によっては当選確率が変化しないボーナスの当選態様を得た場合にはAT抽選や上乗せ抽選を実行可能とする一方で、設定値に応じて当選確率が変化するボーナスの当選態様を得た場合には、AT抽選や上乗せ抽選を実行しないようにする。このようにすれば、設定差のあるボーナスの当選態様についてはアシストタイム遊技に関連付いたメダルの獲得性能に影響を与えないが、ボーナス自体のメダルの獲得性能によって遊技機のメダルの獲得性能に設定差を設けることができる。例えば、レギュラーボーナス(RB)が単独で当選する単独当選態様とレギュラーボーナス(RB)が通常リプレイ1と重複して当選する重複当選態様とを設けて、単独当選態様は設定値に応じて当選確率が変化するがAT抽選や上乗せ抽選の実行契機はならない一方で、重複当選態様は設定値によっては当選確率が変化せずにAT抽選や上乗せ抽選の実行契機となるようにすれば、レギュラーボーナス(RB)の当選確率を設定値によって変化させつつ、レギュラーボーナス(RB)を含む当選態様において有利区間への移行に係る抽選や有利区間でのアシストタイム遊技の実行回数を増やすための抽選を実行することができるようになる。なおこのような例においても、内部抽選の乱数判定処理では、レギュラーボーナス(RB)の重複当選態様を含む設定値に応じて当選確率が変動する当選態様よりも、レギュラーボーナス(RB)の単独当選態様を含む設定値によっては当選確率が変動しない当選態様を優先して判定するようにすることができる。
また本実施の形態では、通常区間では有利区間報知を行わず、有利区間では有利区間報知を行うことによって有利区間に滞在しているか否かを識別可能とする区間表示器SECを備えており、具体的には、有利区間において区間表示器SECに内蔵されるLEDの点灯状態を通常区間とは異ならせることで有利区間に滞在していることが報知され、有利区間でAT抽選が実行され得る状況においては遊技者が通常区間または有利区間のいずれに滞在していることを把握できるようになっている。このため、AT抽選の当選確率が変動する有利区間において遊技者の入れ替わりが起きることを防いで遊技の公平性を担保することができる。
特に本実施の形態では、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたAT抽選に当選した場合に、そのビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行するBB状態の終了後において有利区間を継続してアシストタイム遊技を行わせるようになっており、BB状態において通常区間または有利区間のいずれに滞在しているのかを区間表示器SECの点灯状態によって識別できるため、BB状態の終了後にアシストタイム遊技を行うことができるのにも関わらずにBB状態の終了に伴って遊技者の入れ替えが起きてしまうような事態を防ぐことができ、遊技の公平性を担保することができる。
なお本実施の形態では、AT抽選の抽選状態を低確率状態と高確率状態の2種類としたが、AT抽選の抽選状態を3種類以上として有利区間では通常区間では選択されない複数種類の抽選状態の間で変動可能としてもよい。例えば、高確率状態に加えて高確率状態よりさらにAT抽選に当選しやすい超高確率状態(例えば、当選確率が約1/32)などを設けることができ、有利区間では抽選等によって高確率状態と超高確率状態とが切り替わるようにするようにしてもよい。
また有利区間ではRT状態に応じてAT抽選の抽選状態を設定するのではなく、抽選状態移行抽選を行って抽選状態を変化させるようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカA、共通ベルの当選時に抽選状態移行抽選を行って低確率状態または高確率状態を選択するようにしてもよい。また内部抽選で当選した役に応じて抽選状態を移行させたりするようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカA、共通ベルの当選時には高確率状態に設定し、ハズレ時に低確率状態に設定するようにしてもよい。また打順ベルの当選時に正解打順で停止操作が行われると高確率状態に設定し、不正解打順で停止操作が行われると低確率状態に設定するようにしてもよい。また高確率状態としてチェリー当選時に当選しやすい第1高確率状態、スイカA当選時に当選しやすい第2高確率状態、共通ベルの当選時に当選しやすい第3高確率状態などを設けて、チェリー当選時に第1高確率状態に移行し、スイカA当選時に第2高確率状態に移行し、共通ベルの当選時に第3高確率状態に移行し、同一の抽選契機が続くとAT抽選に当選しやすいというような構成としてもよい。
また本実施の形態では、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達したことによって初期化処理を実行していたが、確率変動カウンタ1916を設けずにAT状態の終了後にAT抽選に当選することなく所定のRT状態に移行したことを条件に初期化処理を実行するようにしてもよい。
例えば、非RT状態への移行を初期化処理の条件とした場合には、AT終了待機状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると非AT状態に移行するが、クリアカウンタ1917がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、AT抽選に当選することなく1枚役の入賞によって非RT状態に移行した際に初期化処理が実行される。このようにすればAT状態の終了後も非AT状態かつRT1状態である場合には有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また例えば、RT1状態への移行を初期化処理の条件とした場合には、AT終了待機状態において1枚役が入賞すると非AT状態に移行するが、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、AT抽選に当選することなくRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことによってRT1状態に移行した際に初期化処理が実行される。このようにすればAT状態の終了後も非AT状態かつ非RT状態である場合には有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また本実施の形態では、確率変動カウンタ1916の値は1回の遊技が行われる毎に一定値ずつが減算され、遊技回数をカウントするものであったが、AT状態への移行回数をカウントするものであってもよい。例えば、通常区間でのAT抽選の当選時にAT状態への移行可能回数として「3」を設定し、AT状態が終了する際に確率変動カウンタ1916の値から一回分のAT状態への移行に相当する一定値「1」を減算する。このようにすると3回目のAT状態の終了時に確率変動カウンタ1916の値が初期値「0」に達して有利区間が終了し、有利区間の終了によって初期化処理が実行され、AT状態に3回移行するまでは非AT状態であっても有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また本実施の形態では、AT状態において上乗せ抽選に当選した場合にAT終了判定カウンタ1915の値に対して上乗せを行ったが、上乗せ抽選に当選した場合に確率変動カウンタ1916の値に対して上乗せを行うようにしてもよい。このようにすればAT状態の終了後において初期化処理が実行されるまでの期間が延長されることになるため、再びAT状態へ移行する機会を得やすくなる遊技仕様とすることができる。なおAT終了判定カウンタ1915の値に対する上乗せを行う上乗せ抽選(以下、第1上乗せ抽選)とは別に確率変動カウンタ1916の値に対する上乗せを行う上乗せ抽選(以下、第2上乗せ抽選)を行うようにしてもよく、第1上乗せ抽選が行われる当選態様と第2上乗せ抽選が行われる当選態様とは同一であってもよいし異なっていてもよい。
また本実施の形態では、AT状態に移行する毎に確率変動カウンタ1916の値が所定値に再設定されるようになっていたが、確率変動カウンタ1916の値は有利区間でのAT抽選の当選時に更新が中断されて、その値が持ち越されてAT状態の終了後に中断時の値から更新が再開されるようになっていてもよい。
また本実施の形態において、特典付与手段175が、AT準備状態またはAT状態において打順ベルや打順リプレイが当選した場合に、打順ベル(打順ベルの当選時)または打順リプレイ(打順リプレイの当選時)の種類に応じた正解打順を示す遊技情報(識別記号)、内部抽選の結果を示す遊技情報(識別記号)、または当選役を示す遊技情報(識別記号)を遊技情報表示部DSに表示させる制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技情報表示部DSにおける、メダルのクレジット数を表示するクレジット表示器やメダルの払出数を表示する払出表示器などにリールの回転中において遊技情報を表示させることができる。なおクレジット表示器や払出表示器を、停止操作に関する操作指示情報などを表示させる指示表示器として兼用する場合に、区間表示器SECも兼用させるようにしてもよい。例えば、クレジット表示器や払出表示器が7セグメント表示器で構成されている場合に、数字等を表示する7セグメントの表示態様によって操作指示情報を示し、小数点等を表示するドット表示部の点灯・消灯によって有利区間に滞在しているか否かを示すようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT抽選や上乗せ抽選については内部抽選用の乱数値を使用して当否を決定するようにしたが、内部抽選で所定の抽選結果を得た場合にAT抽選や上乗せ抽選について専用の乱数値を取得して、取得した乱数値に当選またはハズレのいずれかを対応づけた抽選テーブルを参照して当否を決定するようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT状態においてAT終了判定カウンタ1915をデクリメント更新することとしたが、インクリメント更新するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ1915の値を初期値「0」に初期化し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ1915の値に1回分の遊技に相当する一定値「1」を加算するインクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ1915の値がしきい値(例えば、50:50回の遊技回数に相当する値)に達したことに基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)に、AT終了判定カウンタ1915の値から所与の値を減算する更新を行う(AT終了判定カウンタ1915が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ1915の値を更新する)ようにしてもよいし、所与の値をしきい値に加算してAT状態の終了条件となるしきい値を再設定(更新)する(AT終了判定カウンタ1915が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ1915のしきい値を更新する)ようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT終了判定カウンタ1915はAT状態の遊技回数をカウントするものであったが、AT終了判定カウンタ1915の値をメダルの投入数と払出数とに応じて更新し、メダルの払出数からメダルの投入数を差し引いたいわゆる差枚数でAT状態の終了を管理するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT状態の終了条件となる差枚数である100枚のメダルに相当する値「100」をAT終了判定カウンタ1915に設定し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をAT終了判定カウンタ1915の値に加算するインクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をAT終了判定カウンタ1915の値から減算するデクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ1915の値がしきい値(例えば、0)に達したこと(しきい値未満となったこと)に基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)にAT終了判定カウンタ1915の値に所与の加算値を上乗せする(AT終了判定カウンタ1915が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ1915の値を更新する)ようにしてもよい。
また例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ1915の値を初期値「0」に初期化し、AT状態では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をAT終了判定カウンタ1915の値から減算するデクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をAT終了判定カウンタ1915の値に加算するインクリメント更新を行い、AT終了判定カウンタ1915の記憶値がしきい値(例えば、100:100枚の差枚数に相当する値)に達したこと(しきい値以上となったこと)に基づいてAT状態を終了させるようにしてもよい。またこの例では、上乗せ抽選に当選した場合(所定条件が成立した場合)に、AT終了判定カウンタ1915の値から所与の値を減算する更新を行う(AT終了判定カウンタ1915が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ1915の値を更新する)ようにしてもよいし、所与の値をしきい値に加算してAT状態の終了条件となるしきい値を再設定(更新)する(AT終了判定カウンタ1915が現在の値からしきい値に達するまでにカウントするカウント数が多くなるようにAT終了判定カウンタ1915のしきい値を更新する)ようにしてもよい。
また本実施の形態では、有利区間に移行することに伴ってクリアカウンタ1917に所定値(例えば、1)を設定し、有利区間では、クリアカウンタ1917の値が「1」の状態から更新を開始することとしたが、クリアカウンタ1917の値が初期値「0」の状態から更新を開始し、クリアカウンタ1917の値がしきい値である「1500」に達したことに基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また本実施の形態では、有利区間においてクリアカウンタ1917をインクリメント更新することとしたが、デクリメント更新するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、有利区間の終了条件となる遊技回数である1500回に相当する値「1500」をクリアカウンタ1917に設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にクリアカウンタ1917の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行い、クリアカウンタ1917の記憶値がしきい値(例えば、0)に達したことに基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また本実施の形態では、クリアカウンタ1917は1回の遊技が行われる毎に更新され、クリアカウンタ1917の値は有利区間での遊技回数に相当するものであったが、クリアカウンタ1917の値をメダルの投入数と払出数とに応じて更新するようにしてもよい。このようにすれば、メダルの払出数からメダルの投入数を差し引いたいわゆる差枚数(獲得数)で有利区間を終了させるか否かを管理することができる。
例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、有利区間の終了条件となる差枚数である3000枚のメダルに相当する値「3000」をクリアカウンタ1917に設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をクリアカウンタ1917の値に加算するインクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をクリアカウンタ1917の値から減算するデクリメント更新を行い、クリアカウンタ1917の値がしきい値(例えば、0)に達したこと(しきい値未満となったこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
また例えば、AT抽選に当選したことに基づいて、クリアカウンタ1917に所定値(例えば、3)を設定し、有利区間では、1回の遊技が行われる毎にメダルの投入数(規定投入数)に相当する値をクリアカウンタ1917の値から減算するデクリメント更新を行い、小役が入賞してメダルが払い出された場合にメダルの払出数に相当する値をクリアカウンタ1917の値に加算するインクリメント更新を行い、クリアカウンタ1917の値がしきい値(例えば、3000:3000枚の差枚数に相当する値)に達したこと(またはしきい値を超えたこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。なおこの例では、AT抽選の当選時にクリアカウンタ1917に所定値を設定しないようにして、有利区間では初期値「0」からクリアカウンタ1917の更新を行い、しきい値である「3000」に達したこと(または「3000」を超えたこと)に基づいて有利区間を終了させるようにしてもよい。
またAT終了判定カウンタ1915およびクリアカウンタ1917においてメダルの差枚数をカウントする場合には、リプレイが入賞した場合にはメダルの払出数を「0」として扱い、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技(再遊技)ではメダルの投入数を「0」として扱ってカウンタを更新させないことが望ましい。
また本実施の形態では、通常区間においてビッグボーナス(BB)の当選時にAT抽選を行うようにしたが、通常区間においてビッグボーナス(BB)の当選時にはAT抽選を行わずに、有利区間においてBB状態である場合にAT抽選が行われるようにしてもよい。具体的に説明すると、通常区間においてビッグボーナス(BB)に当選した場合にはAT抽選が行われないため、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態では通常区間に滞在することになるが、有利区間においてビッグボーナス(BB)に当選すると、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えていなければ、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態において有利区間に滞在し、この場合にBB状態の遊技においてAT抽選を実行可能とする。この場合に、BB状態での参照される内部抽選テーブルでは、チェリーやスイカA等の当選態様を設けておき、これらの当選態様を得た場合にAT抽選を行わせるようにすることができる。なおレギュラーボーナス(RB)については設定値に応じて当選確率が変動するため、有利区間においてRB状態に滞在することになっても、このRB状態においてはAT抽選を行わない。このようにすると、通常区間でのBB状態ではAT抽選を受けることができないが、有利区間でのBB状態ではAT抽選を受けることができるという遊技仕様を提供することができる。なお有利区間でアシストタイム遊技を行っている状況でビッグボーナス(BB)が当選した場合には、そのビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行するBB状態ではAT抽選の代わりに上乗せ抽選を行うようにしてもよく、一方で、有利区間でアシストタイム遊技を行っている状況でレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には、そのレギュラーボーナス(RB)の入賞に伴って移行するRB状態では上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。そして有利区間でのBB状態においてクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、BB状態の終了条件を満たしていなくても有利区間が終了して初期化処理が行われ、通常区間に復帰することになり、BB状態において、初期化処理前は有利区間に滞在していることによってAT抽選を受けることができていても、初期化処理後は通常区間に滞在していることによってBB状態においてAT抽選を受けることができなくなるため、有利区間が徒に長期に亘って継続することを防ぐことができる。
また本実施の形態では、BB状態において小役の当選確率を高めるようにしたが、BB状態において内部抽選の結果に関わらずに全ての小役の抽選フラグが強制的に当選状態に設定され、BB状態の遊技では第1リールR1〜第3リールR3のいずれか1つ以上に関して、引き込み範囲が他のリールよりも狭くなるようにしてボーナス遊技を行わせるようにしてもよい。
この場合には、遊技状態がBB状態である場合には、第1リールR1および第2リールR2については、ストップボタンB1,B2の押下時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するが、第3リールR3については、ストップボタンB3が押下された時点から75ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止する。そしてストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中の第3リールR3を停止させる場合には、回転している第3リールR3の停止位置は、ストップボタンB3の押下時点から第3リールR3が停止するまでに要するコマ数が0コマ〜1コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、BB状態において押下操作が行われたストップボタンB3に対応する回転中の第3リールR3の外周面上において、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、ストップボタンB3に対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜1コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンB3に対応する回転中の第3リールR3を停止させる制御を行う。
この態様では、BB状態において毎回の遊技において小役が必ず当選した状態となる遊技を行うことができるようにして、BB状態での遊技と有利区間におけるアシストタイム遊技とによって遊技者が手持ちの遊技媒体を増やしていく遊技性を提供する。そして、この態様においても、アシストタイム遊技を行うことができる有利区間の継続に制限を設け、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合にはBB状態の途中であっても所定の初期化処理を行って通常区間に復帰させるようにすれば、有利区間において設計上の獲得期待値を大幅に超えてメダルを過剰に獲得できてしまうことを防ぐことができるため、好適にメダルの獲得性能を調整して射倖性を抑えることができるようになる。
またRB状態やBB状態において打順ベルが当選するように内部抽選テーブルを設けて、有利区間である場合にはRB状態やBB状態において打順ベルの当選時に入賞補助演出を行って正解打順を報知し、通常区間である場合にはRB状態やBB状態において打順ベルの当選時に入賞補助演出を行うことを禁止して正解打順を報知しないようにしてもよい。
また本実施の形態では、AT終了判定カウンタ1915の値に基づくAT状態の終了条件が成立した場合にAT終了待機状態を経て非AT状態に移行するようにしたが、AT終了待機状態を設けない態様としてもよく、AT状態の終了条件が成立した場合にはRT状態に関わらずに非AT状態に移行させるようにしてもよい。
また本実施の形態では非AT状態においてAT抽選を行ってAT状態へ移行させるか否かを決定するように構成したが、演出状態としてCZ状態を設けて、非AT状態ではAT抽選を行わずにCZ状態(特別演出状態の他の一例)へ移行させるか否かを決定し、CZ状態においてAT抽選を行って、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態をAT状態へ移行させるようにしてもよい。なおCZ状態を設ける場合であっても通常区間においては演出状態が非AT状態に固定され、有利区間である場合にCZ状態が設定可能であり、非AT状態がCZ状態を含むものではない。
図22は、演出状態としてCZ状態を設けた実施の態様における遊技機の機能ブロック図である。
この態様では、記憶手段190にCZ終了判定カウンタ1920をさらに備え、特典付与手段175が、演出状態が非AT状態である場合にAT抽選の代わりに内部抽選の結果に応じてCZ抽選(特定抽選の他の一例)を行い、CZ抽選に当選したことによって図23に示すように演出状態をCZ状態に移行させ、CZ状態において内部抽選の結果に応じてAT抽選を行ってAT状態に移行させるか否かを決定する。なおCZ抽選の実行契機とAT抽選の実行契機とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。以下では、CZ抽選の実行契機を、共通ベル、スイカA、チェリー、ビッグボーナス(BB)の当選時とし、AT抽選の実行契機を、打順ベル、ビッグボーナス(BB)の当選時として説明する。なおCZ抽選については内部抽選において共通ベル、スイカA、チェリー、ビッグボーナス(BB)に対応づけられた乱数値に対して当選またはハズレが対応づけられたCZ抽選テーブルを参照して当否が決定され、AT抽選については内部抽選において打順ベル、ビッグボーナス(BB)に対応づけられた乱数値に対して当選またはハズレが対応づけられたAT抽選テーブルを参照して当否が決定される。すなわちCZ抽選においても内部抽選用の乱数値が用いられる。
またこの態様では、CZ抽選の抽選状態として当選確率が約1/32(初期確率の一例)の低確率状態と当選確率が約1/8の高確率状態とを設定可能となっており、CZ抽選では抽選状態に応じたCZ抽選テーブルが参照されるようになっている。すなわち抽選状態が高確率状態である場合には抽選状態が低確率状態である場合よりも当選確率が高くなるように設定されたCZ抽選テーブルが参照される。なお内部抽選での当選態様に応じてCZ抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。この場合には低確率状態と高確率状態とにおいてCZ抽選の当選確率が同一、または低確率状態の方が高確率状態よりもCZ抽選の当選確率が高くなる当選態様が存在していてもよく、CZ抽選の当選に割り当てられる乱数値の総数が「高確率状態>低確率状態」の関係となっていれば当選態様毎のCZ抽選の当選確率は任意に定めることができる。
そして特典付与手段175は、CZ抽選に当選するとCZ終了判定カウンタ1920に終了条件となる遊技回数(例えば、8回)に相当する所定値(例えば、8)を設定し、CZ状態での遊技を1回行う毎にCZ終了判定カウンタ1920の値から一定値(例えば、1)を減算する。そしてCZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値(例えば、0)に達すると、CZ状態の終了条件が成立して演出状態が非AT状態に復帰する。一方、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値に達するまでにAT抽選に当選した場合にもCZ状態の終了条件が成立し、この場合にはCZ終了判定カウンタ1920の値を「0」にするとともにCZ状態の終了後にAT準備状態に移行する。なおCZ状態では打順ベルの当選時に入賞補助演出を行うようになっているが、打順リプレイに係る入賞補助演出は行われないようになっている。すなわちCZ状態は簡易的なAT状態という位置づけのものである。またCZ状態では、打順ベルの当選時には約1/8でAT抽選に当選し、ビッグボーナス(BB)の当選時には必ずAT抽選に当選するようになっている。
また特典付与手段175は、AT抽選に当選することなくCZ状態が終了した場合には、CZ状態の終了時に確率変動カウンタ1916にCZ抽選の抽選状態を変動可能とする遊技回数である32回に相当する所定値「32」を、確率変動カウンタ1916に設定し、CZ状態の終了後における非AT状態での遊技において、1回の遊技が行われる毎に、例えば、スタートレバーSLが押下されたことを契機として、確率変動カウンタ1916の値から1回分の遊技に相当する一定値「1」を減算するデクリメント更新を行う。
そして特典付与手段175は、確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)ではない場合に、RT状態に応じてCZ抽選の抽選状態を設定し、RT状態が非RT状態またはRT1状態のいずれかである場合にはCZ抽選の抽選状態を低確率状態に設定し、RT状態がRT2状態またはRT3状態のいずれかである場合にはCZ抽選の抽選状態を高確率状態に設定する。
そして本例では、図24に示すように通常区間でのCZ抽選の当選によって有利区間が開始し、CZ状態の終了後に確率変動カウンタ1916の値が初期値(例えば、0)に達すると有利区間が終了し、有利区間の終了に基づいて特典付与手段175によって初期化処理が行われるようになっており、確率変動カウンタ1916が初期値に達するまでの遊技においてCZ抽選に当選してCZ状態に移行する場合には、そのCZ状態がAT抽選に当選することなく終了する際に確率変動カウンタ1916の値が再び所定値「32」に設定されるようになっている。
特に本例では、図24に示すように、通常区間においてCZ抽選に当選して有利区間に移行させると有利区間においてAT抽選を受けてアシストタイム遊技を行う権利を獲得するための遊技を行わせるようになっており、通常区間においては滞在している遊技状態に関わらずにAT抽選が行われることはなく、通常区間において遊技状態が通常状態である場合にはCZ抽選を行うが、遊技状態がBB成立状態やBB状態である場合には通常区間であってもCZ抽選を実行しないようにし、内部中待機区間ではCZ抽選およびAT抽選がいずれも実行されないようになっている。すなわち通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選した以降は、そのビッグボーナス(BB)の当選時に行われたCZ抽選に当選しなかった場合、ビッグボーナス(BB)を入賞させてビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態を終了させるまで有利区間への移行機会を得ることができないため、ビッグボーナス(BB)を抽選対象として設けつつアシストタイム遊技を行うことができる遊技機において当選したビッグボーナス(BB)を積極的に入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。またBB状態では、小役の当選確率を高めたボーナス遊技を行わせるため、一部の小役の当選態様によってCZ抽選を行う仕様ではBB状態においてもCZ抽選を行うようにすると、通常区間でのCZ抽選の当選確率が実質的に変動してしまうことになるが、本実施の形態では、遊技状態がBB状態である場合には通常区間であってもCZ抽選を行わないようにすることで通常区間でのCZ抽選の当選確率を一定として遊技の公平性を担保することができる。
なおBB成立状態ではCZ抽選の契機となる当選態様が得られないためにCZ抽選が行われないようにしてもよく、例えば、通常状態でのビッグボーナス(BB)の当選時にのみCZ抽選を行うように構成すれば、BB成立状態では、ビッグボーナス(BB)が当選する当選態様を得ることがないためCZ抽選が行われないようにすることができる。またBB状態では通常状態でも得ることができる当選態様を得る場合が存在するが、遊技状態が通常状態ではないため(BB状態であるため)にCZ抽選が行われないようにしてもよい。例えば、BB状態でもスイカA、チェリー、共通ベルの当選態様が得られるように内部抽選テーブルを設けて、BB状態での内部抽選でスイカA、チェリー、共通ベルが当選しても遊技状態が通常状態ではないためにCZ抽選が行われないようにすることができる。
また有利区間であってもBB成立状態では、クリアカウンタ1917の値は更新されるがCZ抽選などが行われないようにすることが好ましい。このようにすれば、有利区間においてビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでCZ抽選を受けることができないが、クリアカウンタ1917の更新は続けられるため、有利区間で当選したビッグボーナス(BB)を積極的に入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。また有利区間であってもRB成立状態では、クリアカウンタ1917の値は更新されるがCZ抽選などが行われないようにすることが好ましい。このようにすれば、有利区間においてレギュラーボーナス(RB)に当選する、RB状態が終了するまではCZ抽選を受ける機会を得ることができないが、クリアカウンタ1917の更新は続けられるため、有利区間で当選したレギュラーボーナス(RB)を積極的に入賞させる動機付けを遊技者に与えることができる。
また本例では、通常状態において通常区間に滞在している場合にCZ抽選を実行するようになっているが、通常状態では、RT状態に応じて抽選対象となるリプレイの種類やリプレイの当選確率などが異なっている一方で、小役(打順ベル1〜打順ベル9、スイカA、スイカB、スイカC、チェリー、共通ベル)や、ビッグボーナス(BB)の当選確率はRT状態の変動に関わらず一定となっており、RT状態の変動によっては当選確率が変動しない当選態様をCZ抽選の実行契機として採用し、特に通常区間では、内部抽選でスイカA、チェリー、共通ベル、またはビッグボーナス(BB)の当選が得られた場合にCZ抽選を行うようにしている。すなわち本例では、通常区間において、いずれのRT状態に滞在している状況で遊技者の入れ替わりが発生してもCZ抽選を受ける機会を公平に付与することができるようになっている点において、通常区間での遊技者の入れ替わり時の公平性を担保することができる。
また本例では、スイカの当選態様としてスイカAとスイカBとスイカCとを設け、スイカAについてはいずれの設定値においても当選確率が同一である一方でスイカBとスイカCとについては設定値に応じて当選確率が変動するようになっているため、スイカ揃いの停止態様が出現する確率は、設定値に応じて変動するが、スイカ揃いの停止態様が出現する場合であってもスイカAの当選時にのみCZ抽選が行われているため、設定値に応じて3枚小役の出現率を変動させても通常区間において設定値の影響を受けずに一定の確率でCZ抽選を行いつつ、3枚小役の入賞時における通常区間でのCZ抽選の当選期待度を設定値に応じて変動させることができるようになっている。
このようにCZ状態を経由してAT状態へ移行するように構成しても、内部抽選で3枚小役を含む当選態様が得られる確率を設定値に応じて変化させつつアシストタイム遊技に関連付いたメダルの獲得性能が設定値に応じて変化させないようにするとともに、3枚小役の入賞を示す右下がりスイカ揃いの停止態様の出現が通常区間から有利区間への移行に対する期待に繋がり、右下がりスイカ揃いの停止態様の出現時にCZ抽選の当選期待度が設定値に応じて異なる遊技仕様を実現することができる。
また、この態様では、通常区間においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にCZ抽選を行って有利区間を開始するか否かを決定し、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたCZ抽選に当選しなかった場合にはビッグボーナス(BB)の当選時からビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行するBB状態が終了するまでは通常区間を維持し、ビッグボーナス(BB)の当選時に行われたCZ抽選に当選した場合にはビッグボーナス(BB)の入賞に伴って有利区間を開始させてクリアカウンタ1917の更新を開始する。すなわち図22〜図24に示す例でも、有利区間への移行に関連付いたビッグボーナス(BB)の当選については、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態においてクリアカウンタ1917の値を更新するようにしたことによって、有利区間でのメダルの獲得量を好適に調整して射倖性を抑えることができるようになる。
そして本例でも、ボーナスの当選態様としてレギュラーボーナス(RB)とビッグボーナス(BB)とを設け、ビッグボーナス(BB)についてはいずれの設定値においても当選確率が同一である一方でレギュラーボーナス(RB)については設定値に応じて当選確率が変動するようになっており、ビッグボーナス(BB)の当選を通常区間におけるCZ抽選や有利区間におけるAT抽選の実行契機とする一方で、レギュラーボーナス(RB)の当選では、CZ抽選やAT抽選などを行わないようにしている。このため本例によっても、当選確率に設定差を設けたレギュラーボーナス(RB)によって設定値に応じて出玉率を変化させつつ、通常区間から有利区間への移行率や有利区間におけるAT状態への移行率は設定値によっては変化しないようになって、アシストタイム遊技に関連付いた有利度合いが設定値に応じて変化しないようにすることができる。
また、この態様では、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでの遊技においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が中断され、BB状態の終了時までビッグボーナス(BB)の当選時における確率変動カウンタ1916の値が保持されるが、そのビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたCZ抽選で当選すれば、BB状態の終了後にCZ状態に移行し、そのCZ状態がAT抽選に当選することなく終了する際に確率変動カウンタ1916の値が再び所定値「32」に設定され、ビッグボーナス(BB)の当選に基づいて行われたCZ抽選に当選しなかった場合には、BB状態の終了後に演出状態が非AT状態に復帰することに伴って有利区間が終了し、有利区間の終了に基づいて特典付与手段175が初期化処理を行って確率変動カウンタ1916の値を初期値に初期化する。
なお、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでの遊技においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合にも確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が中断され、RB状態の終了時までレギュラーボーナス(RB)の当選時における確率変動カウンタ1916の値が保持されるが、レギュラーボーナス(RB)の当選時にはCZ抽選が行われないためRB状態の終了後には演出状態が非AT状態に復帰するとともにレギュラーボーナス(RB)の当選による中断時の値から確率変動カウンタ1916のデクリメント更新が再開される。
また、この態様では、初期化処理において、AT終了判定カウンタ1915や確率変動カウンタ1916のみならず、CZ終了判定カウンタ1920も初期化され、有利区間が終了して通常区間に移行することに伴ってCZ終了判定カウンタ1920の値が初期値(例えば、0)に初期化される。
また、この態様においては、図23に示すように、特典付与手段175が、AT準備状態、AT状態、またはAT終了待機状態に滞在している状況においてクリアカウンタ1917の値がしきい値「1500」を超えた場合(クリアカウンタ1917の値が「1501」に達した場合)には、上記実施形態の場合と同様に有利区間の終了に伴う初期化処理によって非AT状態へ復帰させ、CZ状態に滞在している状況においてクリアカウンタ1917の値がしきい値「1500」を超えた場合にも、有利区間の終了に伴う初期化処理によって非AT状態へ移行させるようになっている。
また図23に示すように、この態様では、非AT状態からAT状態に至るまでには必ずCZ状態を経由することになり、特典付与手段175は、図24に示すように、通常区間に滞在している場合に通常区間においてCZ抽選に当選したことに基づいて有利区間を発生させ、CZ状態が終了してもクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えていなければ確率変動カウンタ1916の値が初期値に達するまでは有利区間を維持することによりCZ状態が終了しても有利区間を維持したまま演出状態が非AT状態に滞在している場合が存在する。そして通常区間における非AT状態ではCZ抽選の抽選状態が低確率状態に固定されている一方で、有利区間における非AT状態ではCZ抽選の抽選状態がRT状態に応じて低確率状態と高確率状態との間で変動し、これにより、射倖性を抑えつつCZ抽選の当選確率が固定された区間とCZ抽選の当選確率が変動する区間とを設けることができる。なおAT状態に移行するためには必ずCZ状態を経由するのではなく、非AT状態においてもAT抽選を行ってCZ状態を経由せずにAT状態へ移行させる場合を設けるようにしてもよい。
またこの態様では、CZ状態において打順ベルが当選した場合に、打順ベルの種類に応じた遊技情報(識別記号)を遊技情報表示部DSに表示させ、当該遊技情報が示す(または示唆する)押下順序(正解打順)を演出制御手段180が入賞補助演出によって報知するようにしてもよい。
また例えば、非AT状態においてもAT抽選を行う場合に、CZ終了判定カウンタ1920の記憶値がしきい値に達して非AT状態に移行する場合に低確率状態、高確率状態、超高確率状態のうちからAT抽選の抽選状態を抽選等により設定し、CZ状態の終了後の非AT状態においてAT抽選の抽選状態が低確率状態に滞在していることを有利区間の終了条件としてもよい。この場合には、CZ終了判定カウンタ1920の値に基づくCZ状態の終了条件が成立して非AT状態に移行する場合に、AT抽選の抽選状態が高確率状態または超高確率状態に設定された場合には、有利区間を継続させて非AT状態においてAT抽選の抽選状態が低確率状態に設定された時点で有利区間を終了させ、一方、非AT状態に移行する場合に、AT抽選の抽選状態が低確率状態に設定された場合には、非AT状態への移行とともに有利区間を終了させるようにしてもよい。
またこの態様では、CZ状態においてCZ状態を継続させるか否かを決定する継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合にはCZ状態を継続させ、継続抽選の結果がハズレとなった場合にはCZ状態を終了させて演出状態を非AT状態に復帰させるようにしてもよい。例えば、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値に達したことに基づいて継続抽選を行い、継続抽選に当選した場合にはCZ終了判定カウンタ1920に所定値(例えば、8)を再設定してCZ状態を継続させるようにしてもよいし、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値に達した以降の遊技においてAT抽選に当選するか継続抽選の結果がハズレとなるまで継続抽選を毎遊技行うようにしてもよいし、CZ状態において継続抽選を毎遊技行うようにしてもよい。
また例えば、CZ抽選に当選したことに基づいてRT状態をRT2状態に誘導するように入賞補助演出を実行し、RT状態がRT2状態に移行したことに基づいて演出状態をCZ状態に移行させ、RT状態においてCZ状態での遊技を行わせ、CZ状態ではCZ終了判定カウンタ1920の記憶値がしきい値に達するまでは打順ベルの当選時に入賞補助演出を行い、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値に達した以降は打順ベルの当選時に入賞補助演出を行わないようにしてRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落したこと(特定の図柄組合せが有効ライン上に表示されたこと)に基づいてCZ状態を終了させるようにしてもよいし、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値に達していなくてもRT状態が非RT状態またはRT1状態に転落した場合にもCZ状態を終了させるようにしてもよい。なおこの例では、CZ状態用のRT状態を別途用意し、当該RT状態においてCZ状態での遊技を行わせるようにしてもよい。
なお図22〜図24に示した例では、CZ抽選の抽選状態を低確率状態と高確率状態の2種類としたが、CZ抽選の抽選状態を3種類以上として有利区間では通常区間では選択されない複数種類の抽選状態の間で変動可能としてもよい。例えば、高確率状態に加えて高確率状態よりさらにCZ抽選に当選しやすい超高確率状態(例えば、当選確率が約1/2)などを設けることができ、有利区間では抽選等によって高確率状態と超高確率状態とが切り替わるようにするようにしてもよい。
また有利区間ではRT状態に応じてCZ抽選の抽選状態を設定するのではなく、抽選状態移行抽選を行って抽選状態を変化させるようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカA、共通ベルの当選時に抽選状態移行抽選を行って低確率状態または高確率状態を選択するようにしてもよい。また内部抽選で当選した役に応じて抽選状態を移行させたりするようにしてもよい。例えば、チェリー、スイカA、共通ベルの当選時には高確率状態に設定し、ハズレ時に低確率状態に設定するようにしてもよい。また打順ベルの当選時に正解打順で停止操作が行われると高確率状態に設定し、不正解打順で停止操作が行われると低確率状態に設定するようにしてもよい。また高確率状態としてチェリー当選時に当選しやすい第1高確率状態、スイカA当選時に当選しやすい第2高確率状態、共通ベルの当選時に当選しやすい第3高確率状態などを設けて、チェリー当選時に第1高確率状態に移行し、スイカA当選時に第2高確率状態に移行し、共通ベルの当選時に第3高確率状態に移行し、同一の抽選契機が続くとCZ抽選に当選しやすいというような構成としてもよい。
また図22〜図24に示す例では、確率変動カウンタ1916の値が初期値に達したことによって有利区間を終了させ、その有利区間の終了によって初期化処理を実行していたが、確率変動カウンタ1916を設けずにCZ状態の終了後にCZ抽選に当選することなくRT状態が変動したことを条件に有利区間を終了させ、その有利区間の終了によって初期化処理を実行するようにしてもよい。このようにすればCZ状態の終了後も非AT状態において有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
例えば、CZ状態の終了時点において非RT状態に滞在していた場合には、CZ状態の終了後の遊技において1枚役が入賞してもRT状態は変動しないため、クリアカウンタ1917がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことよってRT1状態に移行した際に有利区間が終了して初期化処理が実行される。
また例えば、CZ状態の終了時点においてRT1状態に滞在していた場合には、CZ状態の終了後の遊技においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されてもRT状態は変動しないため、クリアカウンタ1917がしきい値を超えていなければ有利区間が継続し、RT変動ブランクを示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことよってRT1状態に移行した際やリプレイ2の入賞によってRT2状態に移行した際に有利区間が終了して初期化処理が実行される。
また図22〜図24に示す例では、確率変動カウンタ1916の値は1回の遊技が行われる毎に一定値ずつが減算され、遊技回数をカウントするものであったが、CZ状態への移行回数をカウントするものであってもよい。例えば、通常区間でのCZ抽選の当選時にCZ状態への移行可能回数として「3」を設定し、CZ状態が終了する際に確率変動カウンタ1916の値から一回分のCZ状態への移行に相当する一定値「1」を減算する。このようにすると3回目のCZ状態の終了時に確率変動カウンタ1916の値が初期値「0」に達して有利区間が終了すると初期化処理が実行され、CZ状態に3回移行するまでは非AT状態であっても有利区間に滞在している状況を発生させることができる。
また図22〜図24に示す例では、CZ状態が終了する毎に確率変動カウンタ1916の値が所定値に再設定されるようになっていたが、確率変動カウンタ1916の値は有利区間でのCZ抽選の当選時に更新が中断されて、その値が持ち越されてAT抽選に当選することなくCZ状態が終了した場合に、そのCZ状態の終了後に中断時の値から更新が再開されるようになっていてもよい。
また図22〜図24に示す例では、CZ抽選について内部抽選用の乱数値を使用して当否を決定するようにしたが、内部抽選で所定の抽選結果を得た場合にCZ抽選について専用の乱数値を取得して、取得した乱数値に当選またはハズレのいずれかを対応づけた抽選テーブルを参照して当否を決定するようにしてもよい。
また図22〜図24に示す例では、CZ状態においてCZ終了判定カウンタ1920をデクリメント更新することとしたが、インクリメント更新するようにしてもよい。例えば、CZ抽選に当選したことに基づいて、CZ終了判定カウンタ1920の値を初期値「0」に初期化し、CZ状態では、1回の遊技が行われる毎にCZ終了判定カウンタ1920の値に1回分の遊技に相当する一定値「1」を加算するインクリメント更新を行い、CZ終了判定カウンタ1920の値がしきい値(例えば、32:32回の遊技回数に相当する値)に達したことに基づいてCZ状態を終了させるようにしてもよい。
また通常区間では設定値によっては内部抽選での当選確率が変化しないビッグボーナス(BB)の当選時にCZ抽選を行わないが、有利区間ではそのビッグボーナス(BB)の当選時にCZ抽選が行われ、そのCZ抽選に当選するとBB状態においてAT抽選が行われるようにしてもよい。具体的に説明すると、通常区間においてビッグボーナス(BB)に当選した場合にはCZ抽選が行われないため、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態では通常区間に滞在することになるが、有利区間においてビッグボーナス(BB)に当選すると、クリアカウンタ1917の値がしきい値を超えていなければ、そのビッグボーナス(BB)の入賞によって移行するBB状態において有利区間に滞在し、ビッグボーナス(BB)の当選時にCZ抽選に当選していればBB状態の遊技においてAT抽選を実行可能とする。この場合に、BB状態での参照される内部抽選テーブルでは、チェリーやスイカA等の当選態様を設けておき、これらの当選態様を得た場合にAT抽選を行わせるようにすることができる。なおレギュラーボーナス(RB)については設定値に応じて当選確率が変動するため、有利区間においてRB状態に滞在することになっても、このRB状態においてはCZ抽選を行わない。このようにすると、通常区間でのBB状態ではAT抽選を受けることができないが、有利区間でのBB状態ではビッグボーナス(BB)の当選時にCZ抽選に当選すればAT抽選を受けることができるという遊技仕様を提供することができる。なお有利区間でアシストタイム遊技を行っている状況でビッグボーナス(BB)が当選した場合には、そのビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行するBB状態ではAT抽選の代わりに上乗せ抽選を行うようにしてもよく、一方で、有利区間でアシストタイム遊技を行っている状況でレギュラーボーナス(RB)が当選した場合には、そのレギュラーボーナス(RB)の入賞に伴って移行するRB状態では上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。そして有利区間でのBB状態においてクリアカウンタ1917の値がしきい値を超えた場合には、BB状態の終了条件を満たしていなくても有利区間が終了して初期化処理が行われ、通常区間に復帰することになり、ビッグボーナス(BB)の当選時にCZ抽選に当選したBB状態において、初期化処理前は有利区間に滞在していることによってAT抽選を受けることができていても、初期化処理後は通常区間に滞在していることによってBB状態においてAT抽選を受けることができなくなるため、有利区間が徒に長期に亘って継続することを防ぐことができる。なお有利区間においてビッグボーナス(BB)に当選するとCZ抽選を行うことなくBB状態ではAT抽選を受けられるようにしてもよく、この場合であってもレギュラーボーナス(RB)については有利区間で当選してもCZ抽選を行わず、かつRB状態においてもAT抽選が行われないようにしてもよい。
また本実施の形態では、通常区間において、小役の当選態様であるスイカA、チェリー、共通ベルの当選時や、ボーナスの当選態様であるビッグボーナス(BB)の当選時において有利区間の移行に関わる抽選を行うようにしたが、RT状態の変動や設定値の変動によっては内部抽選での当選確率が変動しないリプレイの当選態様を設けて、そのようなリプレイの当選態様が得られた場合に有利区間の移行に関わる抽選(AT抽選、CZ抽選)や、有利区間におけるアシストタイム遊技の実行回数を増やすための抽選(上乗せ抽選)を行うようにしてもよい。
例えば、図25に示すように、遊技状態が通常状態である場合に、RT状態に応じて参照される内部抽選テーブル1〜内部抽選テーブル4において、通常リプレイ1がいずれのRT状態でも同一確率で当選するとともに通常リプレイ1の当選確率が設定値によっては変化しないようにして、通常区間において遊技状態が通常状態である場合に通常リプレイ1が当選した場合に有利区間の移行に関わる抽選等を行うようにすることができる。すなわち有利区間の移行に関わる抽選の実行契機となる当選態様が、RT状態の変動によっては当選確率が変動しないようになっていれば、小役の当選態様やボーナスの当選態様のみならずリプレイの当選態様であってもよく、一方で、RT状態の変動によって当選確率が変動するリプレイの当選態様(例えば、通常リプレイ2など)が通常区間において得られた場合には有利区間の移行に関わる抽選等が行われないようにすればよい。