JP6703829B2 - 信号処理装置、レーダ装置、水中探知装置、信号処理方法、および、プログラム - Google Patents

信号処理装置、レーダ装置、水中探知装置、信号処理方法、および、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、信号処理装置、レーダ装置、水中探知装置、信号処理方法、および、プログラムに関する。
たとえば、レーダ装置は、レーダアンテナで受信した到来波を処理することで、到来波が到来する方向(以下、到来方向という)、および到来波の強度を算出する。到来方向をより精度よく算出するための方法として、超解像法が知られている。(たとえば、特許文献1〜5参照)。超解像法として、Capon法、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法などが知られている。
特許文献1に記載の合成開口レーダ装置は、目標画像のクロスレンジ方向各成分を受信し、その後、固有値解析、および評価関数を得る処理を行う。
特許文献2に記載の方向検出装置は、アレーアンテナを有している。アレーアンテナのアンテナ素子毎に、受信回路が設けられている。これらの受信回路は、共分散行列作成部と接続されている。共分散行列作成部は、固有値分解処理部に接続されている。固有値分解処理部は、二次元MUSICスペクトラム描画部に接続されている。
特許文献3に記載の受信装置は、アレーアンテナを有している。アレーアンテナは、複数のセンサ(受信素子)を有している。また、センサ毎に、帯域制限ろ波器、中間周波数変換器、混合器、A/D変換器、およびデジタルフィルタが設けられている。各デジタルフィルタからの出力は、1つの到来方位演算部へ与えられる。到来方位演算部は、MUSIC法を用いて、入射信号の到来方位を算出する。
特許文献4,5に記載の受信装置は、アレーアンテナ装置を用いて、電波到来角を算出する。この算出過程において、MUSIC法が用いられる。
特開2001−116838号公報([要約]) 特開2002−107440号公報([要約]) 特開2003−185726号公報([要約]、[0038]) 特開2004−257753号公報([要約]) 特開2004−361377号公報([要約])
たとえば、MUSIC法では、受信信号に基づく相関行列に固有値分解を行うことで、当該相関行列の固有値を算出する。相関行列は、たとえば、4×4の行列であり、固有値分解に必要な計算負荷が大きい。
同様の課題は、ソナー装置など、到来波を受信する他の装置においても存在する。
そこで、本発明は、機械的に変位する受信装置を用いて得られた受信信号の処理に際して、高い分解能を実現でき、且つ、計算にかかる負荷をより小さくできる、信号処理装置、レーダ装置、水中探知装置、信号処理方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる信号処理装置は、信号群設定部と、積算部と、除算部と、物標検出部と、を備えている。信号群設定部は、所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する。積算部は、前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する。除算部は、前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する。前記物標検出部は、前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する。
(2)ある場合において、複数の前記アンテナパターンの前記中心位置は、前記主走査方向に所定の第1単位進む毎に、前記副走査方向に所定の第2単位だけずれる。
(3)ある場合において、前記アンテナパターン比は、所定の分子アンテナパターン和eを分子とし、所定の分母アンテナパターン和dを分母とする比e/dで特定される比である。前記分子アンテナパターン和は、所定の前記副走査位置において、前記主走査方向における所定の第1領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和である。前記分母アンテナパターン和は、所定の前記副走査位置において、前記主走査方向における所定の第2領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和である。
(4)ある場合において、前記第1領域の長さと前記第2領域の長さは同じに設定されており、前記主走査方向において、前記第1領域の位置と前記第2領域の位置とは、前記第1単位のα倍(αは所定の自然数)分だけずれている。
(5)ある場合において、前記第1領域の長さ、および、前記第2領域の長さは、それぞれ、前記主走査方向における前記第1単位長さのN−1倍(Nは所定の自然数)であり、前記自然数Nは、前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
(6)ある場合において、前記第1領域は、前記受信装置の位置を基準として、前記第1単位だけ離隔した位置から前記第1単位の(N−1)倍離隔した位置までの領域である。
(7)ある場合において、前記第2領域は、前記受信装置の位置を基準として、前記第1単位の1+α倍離隔した位置から、前記第1単位のN−1+α倍離隔した位置までの領域である。
(8)ある場合において、前記信号処理装置は、前記副走査方向における前記物標の探知領域を設定する、領域設定部をさらに備えている。
(9)ある場合において、前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第1積算値aは、下記式(1)で特定される。
Figure 0006703829

但し、N,αはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
(10)ある場合において、前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第2積算値bは、下記式(2)で特定される。
Figure 0006703829

但し、N,αはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
(11)ある場合において、前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第1積算値aは、下記式(3)で特定される。
Figure 0006703829

但し、N,pはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
(12)ある場合において、前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第2積算値bは、下記式(4)で特定される。
Figure 0006703829

但し、N,α,pはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
(13)ある場合において、前記物標検出部は、前記副走査方向において、前記除算値と前記アンテナパターン比とが一致または実質的に一致する位置を、前記物標の存在する位置として検出する。
(14)ある場合において、前記信号処理装置は、前記物標検出部における前記物標の検出結果に基づいて、前記副走査方向の位置と信号強度との関係を表わすスペクトラムを設定する、スペクトラム設定部をさらに備えている。
(15)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるレーダ装置は、送受信装置と、前記信号処理装置とを備える。前記送受信装置は、所定の方位方向を副走査方向として回転し且つ前記方位方向と交差する距離方向に沿って電磁波を順次送受信するアンテナ部が設けられている。前記信号処理装置の前記信号群設定部は、前記アンテナ部を用いて得られた受信信号を用いて、前記第1信号群および前記第2信号群を設定する。
(16)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる水中探知装置は、送受信装置と、前記信号処理装置とを備える。前記送受信装置は、所定の方位方向を副走査方向として回転し且つ前記方位方向と交差する距離方向に沿って超音波を順次送受信する超音波振動子が設けられている。前記信号処理装置の前記信号群設定部は、前記超音波振動子を用いて得られた受信信号を用いて、前記第1信号群および前記第2信号群を設定する。
(17)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる信号処理方法は、信号群設定ステップと、積算ステップと、除算ステップと、物標検出ステップと、を含んでいる。信号群設定ステップは、所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する。前記積算ステップは、前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する。前記除算ステップは、前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する。前記物標検出ステップは、前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する。
(18)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるプログラムは、信号群設定ステップと、積算ステップと、除算ステップと、物標検出ステップと、をコンピュータに実行させる。前記信号群設定ステップは、所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する。前記積算ステップは、前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する。前記除算ステップは、前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する。前記物標検出ステップは、前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する。
本発明によると、機械的に変位する受信装置を用いて得られた受信信号の処理に際して、高い分解能を実現でき、且つ、計算にかかる負荷をより小さくできる。
本発明の第1実施形態にかかる信号処理装置を備えるレーダ装置の概略構成を示すブロック図である。 レーダ装置の詳細な構成を示すブロック図である。 レーダ装置が自船に設置された状態を示す、模式的な平面図である。 回転アンテナ部におけるビームについてのアンテナパターンのメインローブの一例を示している。 ある距離位置における受信データの包絡線などを示す図である。 アンテナパターン比を説明するための概念図である。 アンテナパターン比を示すグラフである。 表示部に表示される画像の一例を示す図である。 第1実施形態の信号処理装置に代えて、公知のマルチビームフォーマ法によって角度スペクトラムを出力する信号処理装置を用いた場合の、表示部に表示される画像の一例を示す図である。 信号処理装置における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3実施形態にかかる水中探知装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、分解能を高めるための信号処理装置として広く適用することができる。なお、以下では、図中同一または相当部分には、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1実施形態]
[レーダ装置の概略構成]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる信号処理装置3を備えるレーダ装置1の概略構成を示すブロック図である。レーダ装置1は、漁船などの船舶に搭載される。以下、レーダ装置1が搭載される船舶を、自船という。レーダ装置1は、自船の周囲の物標を探知する。
レーダ装置1は、送受信装置2と、信号処理装置3と、操作・表示装置4と、を有している。
送受信装置2は、指向性を有するパルス状の電波を送信信号として送信する。また、送受信装置2は、この送信信号に対するエコー信号を受信する。送受信装置2は、後述するように、単一のアンテナを有している。送受信装置2は、アンテナで受信された受信信号S11をデジタルの受信データx(θ,R)に変換し、この受信データx(θ,R)を信号処理装置3へ出力する。
信号処理装置3は、複数の距離位置のそれぞれにおいて、方位θと信号強度との関係を算出するように構成されている。このような構成により、レーダ装置1は、当該レーダ装置1の周囲に存在する物標を探知する。信号処理装置3は、物標探知結果を示す画像データGを、操作・表示装置4へ出力する。
操作・表示装置4は、操作部5と、表示部6とを有している。操作部5は、レーダ装置1のオペレータによって操作され得る。操作部5は、種々の入力キーなどを備えており、電磁波の送受信、および映像表示などに必要な、種々の設定値などを入力できるように構成されている。操作部5の設定に応じて、角度スペクトラム算出に必要な定数などが設定される構成であってもよい。表示部6は、信号処理装置3から出力された画像データGに応じた映像を表示する。
[レーダ装置の詳細な構成]
図2は、レーダ装置1の詳細な構成を示すブロック図である。図3は、レーダ装置1が自船10に設置された状態を示す、模式的な平面図である。図3は、自船10の周囲に1つの物標11が存在している状態を例示している。
図2および図3を参照して、本実施形態では、平面視において自船10を中心とする時計回り方向を、方位方向D1という。また、平面視において、自船10を中心とする径方向を、距離方向D2という。
送受信装置2は、送信部21と、サーキュレータ22と、回転アンテナ部(受信装置)23と、受信部24と、を有している。
送信部21は、マグネトロンなどを有している。より具体的には、送信部21は、マイクロ波を発振する電子素子としてたとえばD/Aコンバータ、周波数変換器、電力増幅器を有している。送信部21は、定期的にパルス状のレーダ送信信号を生成し、このレーダ送信信号をサーキュレータ22へ出力する。
送信部21からレーダ送信信号が出力されるタイミングを示すデータは、送信部21から信号処理装置3へ出力される。これにより、信号処理装置3は、回転アンテナ部23から出力された電磁波が反射して生じたエコー信号を回転アンテナ部23で受信するまでの時間を、算出できる。その結果、信号処理装置3は、物標11と自船10との間の距離を算出することができる。
サーキュレータ22は、送信部21から出力されたレーダ送信信号を、回転アンテナ部23へ出力するように構成されている。また、サーキュレータ22は、回転アンテナ部23で受信された受信信号S11を、受信部24へ出力する。
回転アンテナ部23は、たとえば、自船10のマスト(図示せず)に設置されている。回転アンテナ部23は、たとえば、スロットアレイアンテナである。
回転アンテナ部23は、全体として、水平方向に細長い形状(長尺形状)に形成されており、自船10の上下方向に延びる回転軸線回りを自転するように構成されている。回転アンテナ部23は、当該回転アンテナ部23の方位θを示す方位信号を、信号処理装置3に出力する。
回転アンテナ部23は、方位方向D1に沿って変位するように構成されている。また、回転アンテナ部23は、方位方向D1と交差する距離方向D2に沿って電磁波(信号)を順次送受信するように構成されている。なお、方位方向D1は、本発明の「副走査方向」の一例であり、距離方向D2は、本発明の「主走査方向」の一例である。
前述したように、回転アンテナ部23は、スロットアレイアンテナなどであり、高い指向性を有する送信信号を送信する。また、回転アンテナ部23は、受信信号S11を受信するように構成されている。受信信号S11は、送信信号の反射信号としてのエコー信号と、ノイズ信号と、を含んでいる。
図4は、回転アンテナ部23におけるビームについてのアンテナパターンAP1のメインローブP11の一例を示している。図2〜図4を参照して、回転アンテナ部23は、実質的にメインローブP11で信号を受信し、この信号を受信信号S11として出力する。メインローブP11は、自船10回りの方位θと、回転アンテナ部23で送受信されるビームの信号強度との関係を示している。方位θpは、回転アンテナ部23からの信号送信方向の角度である。方位θpは、メインローブP11の中心位置である。メインローブP11は、方位θpで、ピークを示している。メインローブP11の信号強さは、方位θpから遠ざかるに従い、小さくなっている。メインローブP11は、方位方向D1における一端から他端まで、所定の角度幅(θ−θ)を有している。図4では、所定の距離位置Rj=αにおけるメインローブP11を示している。
回転アンテナ部23は、所定の単位方位間隔Δθ(たとえば、方位方向D1における0.1度)毎に、電磁波の送信と受信とを繰り返す。本実施形態では、レーダ装置1が電磁波を送信してから次の電磁波を送信するまでの動作を「スイープ」という。送受信装置2は、1スイープ毎に、受信信号S11を受信部24へ出力する。なお、単位方位間隔Δθは、回転アンテナ部23の回転速度と、レーダ送信信号のパルス信号の繰返周波数に依存する。
受信部24は、回転アンテナ部23から受信信号S11を取り込み、この受信信号S11を増幅した後に中間周波数に変換する処理などを行う。その結果として、受信部24は、受信信号S11を受信データx(θ,R)に変換する。本実施形態では、受信部24は、1つのみ設けられている。この点、複数の受信素子が備えられ且つ受信素子毎に受信部が設けられるアレイアンテナ装置とは、異なる構成である。本実施形態では、受信部24の数は、回転アンテナ部23の特性に拘らず、1つである。
受信部24は、LNA(ローノイズアンプ)25と、ミキサ26と、とAMP(リニアアンプ)27と、A/Dコンバータ28と、局部発振器29とを有している。
LNA25は、レーダ受信信号S11を増幅するように構成されている。LNA25で増幅された受信信号S11は、ミキサ26へ出力される。ミキサ26は、局部発振器29から出力されたローカル信号と、受信信号S11とをミキシングすることで、レーダ受信信号S11の周波数を、中間周波数に変換する。周波数変換された受信信号S11’は、AMP27へ出力される。
AMP27は、中間周波数に変換されたレーダ受信信号S11’を対数増幅し、包絡線信号を生成する。A/Dコンバータ28は、AMP27が出力したレーダ受信信号S11’’をIQ検波などでサンプリングする。これにより、A/Dコンバータ28は、レーダ受信信号S11’’を、複素デジタル信号に変換する。即ち、A/Dコンバータ28は、レーダ受信信号S11’’を、デジタルの受信データx(θ,R)に変換する。受信データx(θ,R)は、信号強度(振幅値)を示す。また、θ,Rは、それぞれ、方位方向D1の位置と、距離方向D2における位置(経過時間に相当)とを示す。経過時間は、たとえば、回転アンテナ部23が電磁波を送信してから受信信号S11を受信するまでの時間をいう。
送受信装置2は、一回のスイープによって、方位方向D1の位置が同じである複数の受信信号S11を受信する。送受信装置2は、複数回のスイープによって、方位方向D1の位置が異なる複数の受信信号S11を取得する。
上記の構成により、送受信装置2は、距離方向D2において、所定の単位距離間隔ΔR毎に離散した位置での信号を検出した信号としての受信データx(θ,R)を生成する。単位距離間隔ΔRは、本発明の「第1単位」の一例である。また、この受信データx(θ,R)は、方位方向D1において、単位方位間隔Δθ毎に離散した位置での信号を検出した信号である。単位方位間隔Δθは、本発明の「第2単位」の一例である。
図5は、ある距離位置Rj=Nにおける受信データx(θ,R)の包絡線などを示す図である。なお、以下では、1つの距離位置Rにおける受信データxについて説明し、距離位置Rの記載は省略する。図2、および、図5に示すように、送受信装置2は、たとえば、θ=θの位置に物標11が存在している場合に、図5に示すような受信データx(θ)を出力する。なお、実際には、受信信号S11は、方位方向D1において単位方位間隔Δθ毎に離散した値であるけれども、図5では、方位方向D1に連続した包絡線として示している。
信号処理装置3は、送受信装置2から出力された受信データx(θ)を用いて、超解像処理を行う。即ち、信号処理装置3は、回転アンテナ部23の解像度を超える解像度で、物標11などを探知するように構成されている。
[信号処理装置の構成]
信号処理装置3は、方位領域設定部31と、受信データ抽出部32と、信号群設定部33と、積算部34と、除算部35と、物標検出部36と、記憶部37と、表示用処理部38と、を有している。
方位領域設定部31は、本発明の「領域設定部」の一例である。方位領域設定部31は、方位方向D1における物標11の探知範囲を設定するように構成されている。本実施形態では、信号処理装置3は、自船10を中心とする方位方向D1における所定の探知領域AR1を単位として、超解像処理(高分解能処理)を行う。探知領域AR1の方位範囲は、方位方向D1における1つのメインローブP11の一端の方位θと他端の方位θとの差(θ−θ)未満であってもよいし、差(θ−θ)以上であってもよい。本実施形態では、探知領域AR1の一端の方位はθleftであり、探知領域AR1の他端の方位はθrightである。方位方向D1における探知領域AR1の幅は、アンテナパターン(ステアリングベクトル)AP1などに基づいて設定される。方位領域設定部31で設定された探知領域AR1を特定するデータは、受信データ抽出部32へ出力される。
受信データ抽出部32は、送受信装置2における複数回のスイープ動作によって得られた複数の受信データxから、信号処理装置3での物標検出に用いる受信データを読み出すように構成されている。受信データ抽出部32は、受信データxを受信部24から読み出す。
抽出された受信データxの集合は、信号処理装置3における処理用データであり、下記のように表わされる。
x=[x,x,x,…]
なお、Tは、転置を表している。
また、Nは、所定の自然数であり、後述する第1信号群xf(第2信号群xs)の設定に用いられる受信データxのサンプリング数に相当し、受信データ抽出部32で設定される。なお、Nの値は、信号処理装置3の工場出荷時に設定されてもよいし、自船10の周囲の環境に応じて適宜変更されてもよい。
図5に示す処理用データxの包絡線は、物標11の存在している方位θの周辺において、信号強度が大きくなっていることを示している。但し、当該信号強度は、方位θで明確なピークになっているわけではなく、方位θの周辺において、滑らかに起伏している。本実施形態では、方位領域設定部31は、物標11が存在する方位θを含む探知領域AR1を設定した場合を説明する。受信データ抽出部32は、処理用データxを、信号群設定部33に出力する。
[信号群設定部の構成]
信号群設定部33は、受信データ抽出部32で抽出された処理用データxを用いて(受信信号S1を用いて)、所定の第1信号群xfおよび当該第1信号群xfとは方位方向D1に関する位置が異なる所定の第2信号群xsを設定するように構成されている。第1信号群xfおよび第2信号群xsは、以下の式で表わされる。
第1信号群xf=[x,x,x,…xN−1
第2信号群xs=[x1+α,x2+α,x3+α,…xN−1+α
なお、係数αは、自然数であり、適宜設定される。係数αは、たとえば、1に設定される。係数αが大きいほど、第1信号群xfの処理用データxと第2信号群xsの処理用データxとの重複度合いが小さくなる。
信号群設定部33は、設定した第1信号群xfを特定するデータと、第2信号群xsを特定するデータとを、積算部34に出力する。
[積算部の構成]
積算部34は、第1信号群xfおよび第2信号群xsを基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出するように構成されている。具体的には、方位方向D2に沿って検出された受信データxについて、積算部34は、第1積算値aを、以下の式(1)によって算出する。
Figure 0006703829
また、積算部34は、第2積算値bを、以下の式(2)によって算出する。
Figure 0006703829
したがって、係数αが1のとき、第1積算値aおよび第2積算値bは、下記のように表わすことができる。
a=x +x +…+xN−1
b=x+x+…+xN−1
積算部34は、算出した第1積算値aを特定するデータおよび第2積算値bを特定するデータを、除算部35へ出力する。
除算部35は、a/bの除算処理を行う。すなわち、除算部35は、除算値a/bを算出する。除算部35は、除算値a/bを特定するデータを、物標検出部36へ出力する。
物標検出部36は、方位方向D1における物標11の位置、および、物標11からの反射信号(受信データx)の信号強度を検出するように構成されている。具体的には、物標検出部36は、除算部35で算出された除算値a/bと、アンテナパターン比e/dとに基づいて、物標11の位置を検出する。アンテナパターン比e/dの詳細は、後述する。物標検出部36は、アンテナパターン比e/dを、記憶部37から読み出す。
記憶部37は、アンテナパターン比記憶部371と、ビームパターン記憶部372とを有している。
アンテナパターン比記憶部371は、回転アンテナ部23のアンテナパターンAP1(メインローブP11)に基づく比を、アンテナパターン比e/dとして記憶している。本実施形態では、アンテナパターン比e/dは、距離方向D2に沿って回転アンテナ部23から遠ざかるに従い方位方向D1の位置がずらされた複数のアンテナパターンAP1の比である。
図6は、アンテナパターン比e/dを説明するための概念図である。図6において、横軸方向は、方位方向D1を示しており、縦軸方向は、距離方向D2を示している。図2、図5、および、図6を参照して、自船10からの距離Rj=1でのアンテナパターンAP1におけるメインローブP11の強度は、h (θ),h (θ),…h (θ),…h (θ)で表わされる。同様に、自船10からの距離Rj=Nである位置でのアンテナパターンAP1におけるメインローブP11の強度は、h (θ),h (θ),…,h (θp+N−1),…,h (θM+N−1)で表わされる。
アンテナパターン比記憶部371は、距離Rj=1から、信号処理装置3で探知可能な距離Rj=jmaxまでの各メインローブP11の強度を記憶している。
このように、アンテナパターン比記憶部371は、図6に示すようなメインローブP11の強度の分布を記憶している。複数のメインローブP11のそれぞれの中心位置は、自船10から距離方向D2に単位距離間隔ΔRだけ遠ざかる毎に、単位方位間隔Δθだけ方位方向D1にずれている。
そして、アンテナパターン比記憶部371は、図6に示すメインローブP11の強度分布に基づいて規定される、各方位θにおけるアンテナパターン比e/dを記憶している。アンテナパターン比e/dは、距離方向D2に沿って回転アンテナ部23から遠ざかるに従い方位方向D1の中心位置が方位方向D1の下流側にずらされた複数のメインローブP11(アンテナパターンAP1)に基づいて設定される。アンテナパターン比e/d(Hθ)は、、下記式で表わされる。
Figure 0006703829
すなわち、アンテナパターン比e/dは、分子アンテナパターン和eを分子とし、且つ、分母アンテナパターン和dを分母とする比e/dである。
上記式から明らかなように、分子アンテナパターン和eは、所定の方位θにおいて、自船10からの距離RがRj=1〜Rj=N−1における、単位距離間隔ΔR毎の各点での、メインローブP11の信号強さの和である。なお、自船10からの距離RがRj=1〜Rj=N−1である領域を、本実施形態では、第1領域という。
また、分母アンテナパターン和dは、所定の方位θにおいて、自船10からの距離RがRj=1+α〜Rj=N−1+αにおける、単位距離間隔ΔR毎の各点での、メインローブP11の信号強さの和である。なお、自船10からの距離RがRj=1+α〜Rj=N−1+αである領域を、本実施形態では、第2領域という。
上記の説明から明らかなように、距離方向D2における第1領域の長さと第2領域の長さは同じに設定されている。また、距離方向D2において、第1領域の位置と第2領域の位置とは、単位距離間隔ΔRのα倍だけずれている。さらに、距離方向D2における第1領域の長さ、および、第2領域の長さは、それぞれ、単位距離間隔ΔRの(N−1)倍に設定されている。
さらに、第1領域は、回転アンテナ部23の位置を基準として、単位距離間隔ΔRだけ離隔した位置から単位距離間隔ΔRの(N−1)倍離隔した位置までの領域である。また、第2領域は、回転アンテナ部23の位置を基準として、単位距離間隔ΔRの(1+α)倍離隔した位置(h1+αの位置)から、単位距離間隔ΔRの(N−1+α)倍離隔した位置までの領域である。
図7は、アンテナパターン比e/dを示すグラフである。アンテナパターン比e/dのグラフは、図5に記載されているグラフと同内容である。図2、および、図7を参照して、本実施形態では、前述したように、探知領域AR1は、所定の角度範囲に設定される。また、単位方位間隔Δθは、所定の単位方位に設定される。
なお、本実施形態では、アンテナパターン比e/dが、アンテナパターン比記憶部371に記憶されている形態を例に説明している。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、アンテナパターン比記憶部371は、図6に示すアンテナパターンAP1の強度分布のみを記憶しておいてもよい。この場合、物標検出部36は、上記の分布を用いて、アンテナパターン比e/dを算出する。
アンテナパターン比記憶部371は、上記アンテナパターン比e/dを特定するデータを、物標検出部36に出力する。
物標検出部36は、アンテナパターン比e/dと、除算値a/bとを用いて、物標11(一つの物標)を検出するように構成されている。具体的には、物標検出部36は、除算値a/bと一致または実質的に一致するアンテナパターン比e/dを検索する。すなわち、物標検出部36は、除算値a/bと同じか、または、除算値a/bに最も近いいアンテナパターン比e/dを検索する。
なお、以下では、除算値a/bと同じか、または、除算値a/bに最も近いアンテナパターン比e/dのことを、最近アンテナパターン比e/dという。そして、物標検出部36は、方位方向D1において、最近アンテナパターン比e/dで特定される位置を、物標11の存在している方位であると検出する。
たとえば、図7では、最近アンテナパターン比e/dで特定される位置θについて、i=所定値tである場合を示している。よって、この場合、物標検出部36は、方位θi=tに物標11が存在していることを検出する。また、物標検出部36は、物標11が検出された位置での当該物標11からの受信信号の強度を算出する。物標検出部36は、たとえば、除算値a/bとアンテナパターン比e/dとが一致または最も近くなるときの方位θ=tにおけるメインローブP11の強さを用いて、物標11についての信号強度を算出する。
物標検出部36は、物標11の検出結果を特定するデータを、表示用処理部38へ出力する。
表示用処理部38は、物標検出部36で生成された、物標11の検出結果を特定するデータを基に、表示部6に表示される画像データGを生成するように構成されている。
表示用処理部38は、スペクトラム設定部381を有している。
スペクトラム設定部381は、物標11の検出結果に基づいて、方位θと信号強度との関係を示すスペクトラムSP(θ)を設定する。
より具体的には、物標検出部36から出力される、物標11の位置を特定するデータは、方位方向D1における一点(方位θ)についてのみ物標11が存在することを示している。しかしながら、実際には、物標11は、方位方向D1にある程度の幅を有している。そこで、スペクトラム設定部381は、方位方向D1において、物標11が検出された位置を中心として、所定の信号強度の分布を有するスペクトラムSP(θ)を設定する。
スペクトラム設定部381は、まず、ビームパターン記憶部372に記憶されているパターンPTのデータを読み出す。ビームパターン記憶部372は、たとえば、3つのパターンPT(PT1,PT2,PT3)のデータを記憶している。
パターンPT1は、回転アンテナ部23に関するメインローブP11の包絡線形状と同様の正弦波状のパターンである。パターンPT2は、矩形波のパターンである。パターンPT3は、三角波のパターンである。
パターンPT1,PT2,PT3のビーム幅は、それぞれ、方位方向D1に所定の長さを有している。これにより、表示部6で方位方向D1に十分な幅を持つエコー像を表示させることが可能である。
スペクトラム設定部381は、パターンPT1,PT2,PT3の何れかを選択する。この場合、スペクトラム設定部381は、たとえば、予めオペレータによって設定されたパターンPTを選択する。
このとき、スペクトラム設定部381は、パターンPT1のピークの大きさおよび方位を、物標検出部36で特定される大きさおよび方位θに設定する。
スペクトラム設定部381は、このパターンPT1を特定する画像データGを生成し、表示部6に出力する。
表示部6は、たとえば、PPI(Plan Position Indicator)装置である。表示部6は、信号処理装置3から出力された画像データGに基づき、当該表示部6の表示画面に画像を表示する。一の距離Rについての画像データGは、方位方向D1に沿う画像1ライン分の濃淡データになる(スペクトラムSP(θ)で示される信号強度が、その色と対応する)。自船10の周囲の全周に亘って、目的の距離RまでのスペクトラムSP(θ)を取得すれば、角度−距離の2次元濃淡画像を形成できる。たとえば、信号処理装置3が、角度−距離の2次元濃淡画像のデータを座標変換することで、東西距離−南北距離の2次元画像データを生成することができる。これにより、図8に示されているような画像が、表示部6に表示される。
図8は、表示部6に表示される画像の一例を示す図である。図2および図8を参照して、表示部6の表示画面には、物標11に対応する物標像e11が示されている。図8から明らかなように、物標像e11は、方位方向D1の幅が適度に確保されている。このため、表示部6において、物標11を示す物標像e11は、より自然な態様で表示される。
なお、図9は、信号処理装置3に代えて、公知のマルチビームフォーマ法によって角度スペクトラムを出力する信号処理装置を用いた場合の、表示部に表示される画像の一例を示す図である。図8および図9は、点線の間隔が短いほど、角度スペクトラムの信号強度が大きいことを示している。図8および図9から明らかなように、公知の信号処理装置を用いて得られた物標像e11’は、方位方向D1にぼやけており、方位方向D1に必要以上に広い。この場合、方位方向D1における分解能は、低い。これに対して、信号処理装置3を用いて得られた物標像e11の輪郭は、より明確である。
[信号処理装置における処理の流れ]
次に、信号処理装置3における処理の流れの一例について、図10を参照しつつ説明する。図10は、信号処理装置3における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。なお、フローチャートを参照して説明する場合は、フローチャート以外の図も適宜参照する。
物標11の探知処理においては、まず、信号処理装置3の方位領域設定部31が、探知領域AR1を設定する(ステップS101)。次に、受信データ抽出部32が、受信部24から、受信データx〜xN−1+αを読み出す(ステップS102)。次に、信号群設定部33が、処理用データx〜xN−1+αを用いて、第1信号群xfおよび第2信号群xsを設定する(ステップS103)。
次に、積算部34が、第1積算値aおよび第2積算値bを算出する(ステップS104)。その後、除算部35が、除算値a/bを算出する(ステップS105)。
次に、物標検出部36は、除算値a/bと、アンテナパターン比e/dとが一致または実質的に一致する方位θを検出する(ステップS106)。この際、物標検出部36は、公知の方法を用いて、方位θを迅速に検出することができる。物標検出部36において、物標11の位置θと、当該物標11に対応する信号強度とが検出された後、スペクトラム設定部381は、表示用処理を行う(ステップS107)。
具体的には、スペクトラム設定部381は、ビームパターン記憶部372からパターンPT1,PT2,PT3の何れかを読み出す。次いで、スペクトラム設定部381は、物標検出部36で検出された物標11の位置θをピークとする、スペクトラムSP(θ)を設定する。スペクトラム設定部381は、当該スペクトラムSP(θ)を特定するデータを画像データGとして設定し、当該画像データGを表示部6へ出力する。
信号処理装置3は、一の距離R毎に、上記の処理を繰り返すことで、単位距離間隔ΔR毎の画像データGを生成する。操作・表示装置4の表示部6は、これらの画像データGを基に、自船10を中心とする、二次元のエコー画像を表示する。
[プログラム]
本実施形態にかかるプログラムは、コンピュータに、信号処理装置3の処理を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施形態における信号処理装置3と、信号処理方法と、を実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、方位領域設定部31、受信データ抽出部32、信号群設定部33、積算部34、除算部35、物標検出部36、および、表示用処理部38として機能し、処理を行う。なお、CPU以外に、DSP、SPU、ASIC、FPGA、PALなどが用いられてもよい。また、コンピュータのROM(Read Only Memory)は、記憶部37として機能する。なお、信号処理装置3は、このようにソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。また、本実施形態にかかるプログラムは、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録された状態で流通されてもよいし、有線または無線を用いた通信回線によって流通されてもよい。
以上説明したように、信号処理装置3によると、物標11の算出に際しては、除算部35は、第1信号群xfおよび第2信号群xsを基に算出された第1積算値aおよび第2積算値bを用いて、除算値a/bを算出する。そして、物標検出部36が、アンテナパターン比e/d、および、除算値a/bに基づいて、物標11を検出する。このような構成であれば、信号処理装置3は、手間のかかる演算としての多数次の行列を演算する必要がなく、物標11の検出に係る計算負荷を、格段に小さくできる。しかも、信号処理装置3は、演算負荷の大きい固有値分解を行う必要がなく、物標11の検出に係る計算負荷を、より小さくできる。よって、信号処理装置3は、物標11の検出に必要な演算時間と、演算用メモリの容量とを、より小さくできる。また、物標検出部36は、アンテナパターン比e/dと除算値a/bとに基づいて物標11を検出する。このような物標検出手法は、超解像法を用いた物標検出法に基づく手法である。本実施形態では、信号処理装置3は、1つの回転アンテナ部23による複数回のスイープによって得られた受信信号S11(受信データx)を、アレイアンテナによって得られた受信信号と同様に扱うことができる。これにより、信号処理装置3は、アレイアンテナによって得られた受信信号に対する超分解能処理と同様の処理を、1つの回転アンテナ部23によって得られた受信信号S11(受信データx)に行うことができる。よって、物標検出部36は、物標11を高い分解能で検出することができる。以上の次第で、信号処理装置3は、機械的に変位する回転アンテナ部23を用いて得られた受信信号S11の処理に際して、高い分解能を実現でき、且つ、計算にかかる負荷をより小さくできる。
また、本実施形態では、信号処理装置3での処理によって、高分解能化を達成する構成である。すなわち、本実施形態は、回転アンテナ部23の全長を長くすることで送信ビーム幅を狭くして高分解能化を達成する構成ではない。このため、回転アンテナ部23として、全長の比較的短いアンテナを用いることができる。これにより、小型であることから安価な回転アンテナを、回転アンテナ部23として用いることができる。さらに、全長の短い回転アンテナ部23が採用されることで、小型船舶など、設置スペースに制限がある箇所への回転アンテナ部23の設置を実現できる。
また、信号処理装置3によると、アンテナパターン比e/dの算出に用いられる複数のアンテナパターンAP1の中心位置は、単位距離間隔ΔR進む毎に、単位方位間隔Δθずれる。このような構成により、物標検出部36における物標検出の分解能を、より高くできる。
また、信号処理装置3によると、分子アンテナパターン和eは、方位θにおいて、距離方向D2における第1領域内で単位距離間隔ΔR毎の位置でアンテナパターンAP1の強度を加算した総和である。また、分母アンテナパターン和dは、方位θにおいて、距離方向D2における第2領域内で単位距離間隔ΔR毎の位置でアンテナパターンAP1の強度を加算した総和である。このような構成により、物標検出部36における物標検出の分解能を、より高くできる。
また、信号処理装置3によると、第1領域の長さと第2領域の長さは同じに設定されている。さらに、距離方向D2において、第1領域の位置と第2領域の位置とは、単位距離間隔ΔRのα倍分だけずれている。このような構成により、物標検出部36における物標検出の分解能を、より高くできる。
また、信号処理装置3によると、第1領域の長さ、および、第2領域の長さは、それぞれ、距離方向D2における単位距離間隔ΔRのN−1倍(Nは自然数)である。また、自然数Nは、第1信号群xfの設定(第2信号群xsの設定)に用いられる受信信号S11(受信データx)のサンプリング数である。このような構成により、物標検出部36における物標検出の分解能を、より高くできる。
また、信号処理装置3によると、第1領域は、回転アンテナ部23の位置を基準として、単位距離間隔ΔRだけ離隔した位置から、単位距離間隔ΔRの(N−1)倍離隔した位置までの領域である。また、第2領域は、回転アンテナ部23の位置を基準として、単位距離間隔ΔRの1+α倍離隔した位置から、単位距離間隔ΔRのN−1+α倍離隔した位置までの領域である。このような構成により、物標検出部36における物標検出の分解能を、より高くできる。
また、信号処理装置3によると、方位領域設定部31が物標11の探知領域AR1を設定する。このような構成により、物標検出部36は、探知領域AR1内における物標11の有無を検出すればよい。よって、物標11の検出にかかる演算負荷を、より少なくできる。
また、信号処理装置3によると、積算部34は、第1積算値aおよび第2積算値bを、前述した式(1),(2)を用いて算出する。このような構成により、信号処理装置3は、物標11の位置をより正確に検出するための除算値a/bを算出することができる。
また、信号処理装置3によると、物標検出部36は、方位方向D1において、除算値a/bとアンテナパターン比e/dとが一致または実質的に一致する位置を、物標11の存在する位置として検出する。このような構成によると、物標検出部36は、簡易な演算処理で、物標11を検出できる。よって、物標11の検出にかかる計算負荷は、十分に小さい。
また、信号処理装置3によると、スペクトラム設定部381は、物標検出部36における物標11の検出結果に基づいて、方位方向D1の位置と信号強度との関係を表わすスペクトラムSP(θ)を設定する。このような構成により、表示部6の表示画面において、物標11に対応する位置には、方位方向D1に幅を持った物標像e11(エコー像)が表示される。これにより、信号処理装置3は、物標11の形状に対応した、より自然な態様の物標像e11を、表示部6に表示させることができる。
[第2実施形態]
以下では、第1実施形態の構成と異なる構成について主に説明し、第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、積算部34は、下記式(3)、(4)を用いて第1積算値aおよび第2積算値bを算出する。
Figure 0006703829

Figure 0006703829

なお、pは、自然数であり、積算部34の計算負荷を考慮すると、好ましくは、p=1または2である。
第2実施形態によると、信号処理装置3の積算部34は、第1積算値aおよび第2積算値bを、前述した式(3),(4)を用いて算出する。このような構成により、信号処理装置3は、物標11の位置をより正確に検出するための除算値a/bを算出することができる。
また、上記のp=1に設定することにより、信号処理装置3の積算部34の演算負荷をより低減することができる。
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態にかかる水中探知装置100の構成を示すブロック図である。図11を参照して、水中探知装置100は、超音波探知装置であり、たとえば、自船に備えられる。水中探知装置100は、水中の物標を探知するために用いられる。本実施形態において、水中探知装置100は、サーチライトソナーであり、自船を中心とする所定の単位方位間隔毎に、超音波の送受信を繰り返す。
水中探知装置100は、送受信装置2Bと、信号処理装置3Bと、操作・表示装置4Bと、を備えている。
送受信装置2Bは、超音波を送受信する機能を有している。送受信装置2Bは、自船の船底に配置された取り付けられた受信装置としての超音波振動子101を、1つ有している。超音波振動子101は、鉛直軸線回りの方位方向を副走査方向として、自転するように構成されている。超音波振動子101は、自転した状態で、方位方向と交差する距離方向に向かって超音波を水中に送信するとともに、水中からのエコーを受信する。送受信装置2Bは、このエコー信号に基づく受信信号を電気信号に変換することで、受信データxB(θ,R)を生成する。
このように、送受信装置2Bは、自船回りの各方位において、距離方向D1に沿う超音波を順次送受信する。この受信データxB(θ,R)は、単位方位間隔Δθ毎に生成される。この受信データxB(θ,R)は、信号処理装置3Bへ出力される。信号処理装置3Bは、受信データxB(θ,R)を基に、画像データGBを生成する。信号処理装置3Bは、この画像データGBを、操作・表示装置4Bへ出力する。操作・表示装置4Bは、画像データに基づく画像を表示する。
このような構成によると、水中探知装置100は、受信信号S11の処理に際して、高い分解能を実現でき、且つ、計算にかかる負荷をより小さくできる。
なお、第3実施形態では、超音波振動子の数が1である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、複数の超音波振動子と、これらの超音波振動子が受信した信号の位相を一致させる整相器と、を設けてもよい。
なお、第3実施形態では、超音波探知装置の一例として、水中探知装置100を例に説明した。しかしながら、この形態に限定されない。本発明は、超音波探知装置としての魚群探知機に適用されてもよい。
以上、本発明の実施形態について複数説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られない。本発明は、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。たとえば、次のように変更して実施してもよい。
(1)上述の各実施形態では、信号処理装置に種々の構成が備えられる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。信号処理装置は、少なくとも、信号群設定部と、積算部と、除算部と、物標検出部とを備えていればよい。
(2)また、上述の各実施形態では、信号群設定部33が第1信号群xfと第2信号群xsを設定した後、積算部34が第1積算値aおよび第2積算値bを算出する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。信号処理装置3において、受信データ抽出部32から与えられた受信データxを用いて、直接第1積算値aおよび第2積算値bを算出する積算部が設けられてもよい。この場合、当該積算部は、本発明の「信号群設定部」と「積算部」の双方を兼ねることとなる。すなわち、本発明においては、「信号群設定部」と「積算部」とは、別々の概念ではあるけれども、実際の処理においては、「信号群設定部」における処理と「積算部」における処理とが同時に行われてもよい。
(3)また、各上記実施形態において、送受信装置2から出力された受信データxにフィルタ処理を施すことで、ノイズ信号(強度が所定値未満の受信信号)を除去する、フィルタ処理部が設けられてもよい。また、物標検出部と表示用処理部との間にフィルタ処理部が設けられてもよい。
(4)また、上述の各実施形態のうち、レーダ装置では、回転アンテナ部が、方位方向において1回に1つの受信信号を出力する形態を例に説明した。この限りにおいて、回転アンテナ部は、アレイアンテナであってもよいし、アレイアンテナでなくてもよい。また、上述の実施形態のうち、水中探知装置では、超音波振動子が方位方向において1回に1つの受信信号を出力する形態を例に説明した。この限りにおいて、超音波振動子は、アレイであってもよいし、アレイでなくてもよい。
(5)また、上述の各実施形態では、信号処理装置が、レーダ装置または水中探知装置に適用された形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、信号処理装置は、超音波などを利用する医療機器、通信機器、ネットワーク機器、または、GNSS(Global Navigation Satellite System)システムの利用者受信機など、他の機器に備えられていてもよい。
本発明は、信号処理装置、レーダ装置、水中探知装置、信号処理方法、および、プログラムとして、広く適用することができる。
1 レーダ装置
2,2B 送受信装置
3,3B 信号処理装置
11 物標
23 回転アンテナ部(受信装置、アンテナ部)
31 方位領域設定部(領域設定部)
33 信号群設定部
34 積算部
35 除算部
36 物標検出部
100 水中探知装置
101 超音波振動子(受信装置、アンテナ部)
381 スペクトラム設定部
AP1 アンテナパターン
AR1 探知領域
D1 方位方向(副走査方向)
D2 距離方向(主走査方向)
/d アンテナパターン比
S11 受信信号
xf 第1信号群
xs 第2信号群
ΔR 単位距離間隔(第1単位)
Δθ 単位方位間隔(第2単位)

Claims (16)

  1. 所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する、信号群設定部と、
    前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する積算部と、
    前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する除算部と、
    前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する、物標検出部と、
    を備え
    複数の前記アンテナパターンの前記中心位置は、前記主走査方向に所定の第1単位進む毎に、前記副走査方向に所定の第2単位だけずれ、
    前記アンテナパターン比は、所定の分子アンテナパターン和eを分子とし、所定の分母アンテナパターン和dを分母とする比e/dで特定される比であり、
    前記分子アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第1領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であり、
    前記分母アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第2領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であることを特徴とする、信号処理装置。
  2. 請求項に記載の信号処理装置であって、
    前記第1領域の長さと前記第2領域の長さは同じに設定されており、
    前記主走査方向において、前記第1領域の位置と前記第2領域の位置とは、前記第1単位のα倍(αは所定の自然数)分だけずれていることを特徴とする、信号処理装置。
  3. 請求項に記載の信号処理装置であって、
    前記第1領域の長さ、および、前記第2領域の長さは、それぞれ、前記主走査方向における前記第1単位長さのN−1倍(Nは所定の自然数)であり、
    前記自然数Nは、前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数であることを特徴とする、信号処理装置。
  4. 請求項3に記載の信号処理装置であって、
    前記第1領域は、前記受信装置の位置を基準として、前記第1単位だけ離隔した位置から前記第1単位の(N−1)倍離隔した位置までの領域であることを特徴とする、信号処理装置。
  5. 請求項または請求項に記載の信号処理装置であって、
    前記第2領域は、前記受信装置の位置を基準として、前記第1単位の1+α倍離隔した位置から、前記第1単位のN−1+α倍離隔した位置までの領域であることを特徴とする、信号処理装置。
  6. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記副走査方向における前記物標の探知領域を設定する、領域設定部をさらに備えていることを特徴とする、信号処理装置。
  7. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第1積算値aは、下記式(1)で特定されることを特徴とする、信号処理装置。
    Figure 0006703829

    但し、N,αはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
  8. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第2積算値bは、下記式(2)で特定されることを特徴とする、信号処理装置。
    Figure 0006703829

    但し、N,αはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
  9. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第1積算値aは、下記式(3)で特定されることを特徴とする、信号処理装置。
    Figure 0006703829

    但し、N,pはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
  10. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記副走査方向に沿って検出された前記受信信号をx(kは、前記副走査方向における位置を特定する変数)とした場合、前記第2積算値bは、下記式(4)で特定されることを特徴とする、信号処理装置。
    Figure 0006703829

    但し、N,α,pはそれぞれ自然数であり、Nは前記第1信号群の設定に用いられる前記受信信号のサンプリング数である。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記物標検出部は、前記副走査方向において、前記除算値と前記アンテナパターン比とが一致または実質的に一致する位置を、前記物標の存在する位置として検出することを特徴とする、信号処理装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記物標検出部における前記物標の検出結果に基づいて、前記副走査方向の位置と信号強度との関係を表わすスペクトラムを設定する、スペクトラム設定部をさらに備えていることを特徴とする、信号処理装置。
  13. 所定の方位方向を副走査方向として回転し且つ前記方位方向と交差する主走査方向に沿って電磁波を順次送受信するアンテナ部が設けられた、送受信装置と、
    請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載の信号処理装置と、を備え、
    前記信号群設定部は、前記アンテナ部を用いて得られた受信信号を用いて、前記第1信号群および前記第2信号群を設定することを特徴とする、レーダ装置。
  14. 所定の方位方向を副走査方向として回転し且つ前記方位方向と交差する主走査方向に沿って超音波を順次送受信する超音波振動子が設けられた、送受信装置と、
    号処理装置と、を備え、
    前記信号処理装置は、
    前記超音波振動子を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する、信号群設定部と、
    前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する積算部と、
    前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する除算部と、
    前記主走査方向に沿って前記送受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた前記超音波振動子の複数のビームパターンに基づくビームパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する、物標検出部と、
    を含み、
    複数の前記ビームパターンの前記中心位置は、前記主走査方向に所定の第1単位進む毎に、前記副走査方向に所定の第2単位だけずれ、
    前記ビームパターン比は、所定の分子ビームパターン和eを分子とし、所定の分母ビームパターン和dを分母とする比e/dで特定される比であり、
    前記分子ビームパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第1領域内で前記第1単位毎の位置で前記ビームパターンの強度を加算した総和であり、
    前記分母ビームパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第2領域内で前記第1単位毎の位置で前記ビームパターンの強度を加算した総和であることを特徴とする、水中探知装置。
  15. 所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する、信号群設定ステップと、
    前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する積算ステップと、
    前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する除算ステップと、
    前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する、物標検出ステップと、
    を含み、
    複数の前記アンテナパターンの前記中心位置は、前記主走査方向に所定の第1単位進む毎に、前記副走査方向に所定の第2単位だけずれ、
    前記アンテナパターン比は、所定の分子アンテナパターン和eを分子とし、所定の分母アンテナパターン和dを分母とする比e/dで特定される比であり、
    前記分子アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第1領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であり、
    前記分母アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第2領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であることを特徴とする、信号処理方法。
  16. 所定の副走査方向に沿って変位し且つ前記副走査方向と交差する主走査方向からの信号を順次受信する受信装置を用いて得られた受信信号を用いて、所定の第1信号群および当該第1信号群とは前記副走査方向に関する位置が異なる所定の第2信号群を設定する、信号群設定ステップと、
    前記第1信号群および前記第2信号群を基に、所定の第1積算値aおよび当該第1積算値aとは異なる所定の第2積算値bを算出する積算ステップと、
    前記第1積算値aを前記第2積算値bで除した除算値a/bを算出する除算ステップと、
    前記主走査方向に沿って前記受信装置から遠ざかるに従い前記副走査方向の中心位置がずらされた複数のアンテナパターンに基づくアンテナパターン比、および、前記除算値a/bを用いて物標を検出する、物標検出ステップと、
    をコンピュータに実行させ、
    複数の前記アンテナパターンの前記中心位置は、前記主走査方向に所定の第1単位進む毎に、前記副走査方向に所定の第2単位だけずれ、
    前記アンテナパターン比は、所定の分子アンテナパターン和eを分子とし、所定の分母アンテナパターン和dを分母とする比e/dで特定される比であり、
    前記分子アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第1領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であり、
    前記分母アンテナパターン和は、所定の前記副走査方向の位置において、前記主走査方向における所定の第2領域内で前記第1単位毎の位置で前記アンテナパターンの強度を加算した総和であることを特徴とする、プログラム。
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