JP6702870B2 - ねじ山付きファスナを締め付ける装置 - Google Patents

ねじ山付きファスナを締め付ける装置 Download PDF

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Description

本出願は、共通の所有者による同時係属中の下記特許出願、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2014年6月13日付けで出願された米国特許出願第62/012,009号、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2014年4月24日付けで出願された国際出願PCT/US2014/035375号、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2014年2月18日付けで出願された米国特許出願第61/940,919号、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2013年12月17日付けで出願された米国特許出願第61/916,926号、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2012年8月9日付で出願された米国特許出願第13/577,995号、(米国特許出願第13/577,995号は、「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2011年2月9日付で出願された国際出願第PCT/IB2011/001019号の優先権を主張し、国際出願第PCT/IB2011/001019号は、双方とも「APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS」と題する2011年1月5日付け及び2010年2月9日付けで出願された米国特許出願第61/430,105号及び米国特許出願第61/302,598号の優先権を主張する)、及び「METHOD FOR TIGHTENING AND LOOSENING THREADED CONNECTORS」と題する2011年5月23日付で出願された米国特許出願第13/113,693号(米国特許出願第13/113,693号は、「WASHER FOR TIGHTENING AND LOOSENING THREADED CONNECTORS」と題する2009年4月23日付で出願された米国特許出願第12/429,040号の分割であり、米国特許出願第12/429,040号は現在、「WASHER FOR TIGHTENING AND LOOSENING THREADED CONNECTORS」と題する2011年12月20日付で発行された米国特許第8,079,795号である)の優先権を主張し、且つ/又は継続特許出願又は一部継続特許出願である。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
ボルト、スタッド、ナット、及びワッシャを含むねじ山付きファスナが知られており、伝統的なボルト締結用途において使用されている。工業用途のメンテナンス及び修理は、これらのねじ山付きファスナを緩めることで始まり、そして締めることで終わる。必然的に、業界はルーティンの、予定外の、且つ/又は非常時のメンテナンス及び/又は修理中の生産損失を低減しようとしている。
ボルトを締め付け且つ/又は緩める2つの方法、すなわちトルク法及びテンション法がある。しかしながら出願人による革新までは、同じ工具を用いて液圧式トルク付与及び液圧式テンション付与を実施することはできなかった。操作者はねじ山付きファスナをトルク付与及びテンション付与するために別々の工具を必要とした。
トルク法の利点は、ほとんどの既存のねじ山付きファスナに適用でき、ナットの事前計算された回転抵抗の5パーセント(5%)以内の精度であり、意図せぬ緩みを回避し、テンション法よりも均一な周囲ボルト荷重を保証し、そして不均一な潤滑剤塗布、ナットの下側又はフランジの上面の外来粒子、及び小さなねじ山損傷を克服する、ことにある。しかしながらトルク法は、両方とも未知であるねじ山摩擦及び面摩擦を被り、ねじ山付きファスナの底部を静止させておくための用途とは別にナットに適用されるバックアップ・レンチを使用することを必要とし、未知の残留ボルト荷重をもたらし、そしてボルトのトーション及び側面荷重を被り、これらは両方ともボルト締結用途に不都合な影響を及ぼす、という欠点を有する。ボルト締結においてトルク法を持続可能且つ正確に用いるためには、ねじ山摩擦及び支承面摩擦を確証し、そしてトーション及び側面荷重を排除することが必要となる。
テンション法の利点は、トーション及び側面荷重がないことにある。しかしながらテンション法は、ボルトをテンショナによって上方に向かって引張ることができるように、ボルトがナットを超えてその周りに少なくともボルトの直径分だけ張り出すことが必要となることにより、しばしばボルトとナットとの交換を必要とし、精度が推定回転抵抗の25%以内であるにすぎず、予測不能な手動のナット着座をもたらし、両方とも未知のねじ山摩擦及び面摩擦を被り、しばしば過剰に引張ってファスナを延伸することがなく、プラーからの荷重の転移に起因して制御不能なファスナ弛緩を招き、そして未知の残留ボルト荷重をもたらすという欠点を有する。ボルト締結においてテンション法を持続可能且つ正確に用いるためには、スタッド/ボルトの引張り及び荷重転移を排除することが必要になる。
トルク動力工具が当業者に知られており、これらは空気圧式、電気式、及び液圧式に駆動されるものを含む。トルク動力工具は、ねじ山付きファスナを締め付け且つ/又は緩めるための回転力、及び等しい逆の反力を生成する。液圧式テンショナは液圧をボルトに加えるためにプラーを使用する。液圧は通常、所望のボルト伸長よりも10%〜20%高くなり、これによってスタッドは過剰に引張られることになる。次いでナットを密着するまで手で締め付け、シリンダにかかる圧力を軽減し、スタッドがばね力によって戻り、そして荷重がブリッジからナットへ転移され、これによりナットはクランプ力で接合部を圧縮する。
トルクに関連して、伝統的な反作用フィクスチャは実現可能且つアクセス可能な定置物体、例えば隣接するファスナに当接することにより、ファスナが前方に向かって回転している間、工具のハウジングが後方に向かって回転するのを阻止する。この当接力はボルト軸線に対して垂直な引張り力、又は側面荷重を、締め付けられるべき又は緩められるべきナットに加える。角ドライブ工具の反力は反作用アームを通して、工具のシリンダ端部を捩り外そうとし、且つ/又はドライブを曲げようとする。なお、同軸的反力転移における出願人の革新はHYTORC(登録商標)AVANTI(登録商標)に見いだされる。従来技術の伝統的な反作用フィクスチャの進化がある特許文献に開示されている(例えば、特許文献1〜7参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
業界は厄介で複雑な液圧式テンショナから離れつつあり、さらにまた、トーション及び側面荷重をファスナに加えることに基づくトルク付与からも離れつつある。実際に機械的テンション付与の評判が極めてよい。
出願人はボルト締結を発展させ、HYTORC NUT(登録商標)機械的テンショナ製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具によって、ボルト締結の数多くの難題を解決した。このテンション付与ナットは、互いに内外に位置する2つのスリーブを有しており、内側スリーブの軸線方向運動だけが可能になるように、内側スリーブはスプラインワッシャと結合されている。内側スリーブはスタッド又はボルトにユニットとして螺合される。独自のドライバが内側スリーブを保持し、外側スリーブを回転させる。スタッドは内側スリーブと共に引き上げられ、そして、液圧式テンショナと同様に、過剰延伸及びばね戻りを伴わずにテンション付与される。内側ナットは荷重下でスタッドのねじ山に対して回転することは決してなく、ボルトのねじ山のゴーリング又は他の損傷の可能性をなくする。
HYTORC NUT(登録商標)は、締め付け中及び弛緩中に工具の作用力及び反力を機械的に利用し、トルクをテンション法におけるような引張り作用ではなく、トーションなしのボルト延伸作用に変換し、正確なボルト荷重較正を可能にするとともに、トルク法と比較して、所望の残留ボルト伸長又は荷重を正確に設定し且つこれを達成し、側面荷重、トーション、荷重転移及び弛緩、反作用アーム、バックアップ・レンチ、プラー及びブリッジを排除し、臨界的な用途のためのボルト伸長測定を排除し、安全性、エラーなしのボルト締結可能性、接合部の信頼性、及び速度を高め、ボルト締結時間を50%超だけ削減し、そして変更なしに全ての接合部上で作業する。これはボルトを引張る代わりに延伸することによってトルク及びテンションを改善し、安全でない、ファスナ及び接合部を損傷する機械的反発を防止する。操作者はどの場所においても降伏点の30%〜90%でボルト荷重を設定して達成する。
HYTORC NUT(登録商標)の進化は例えば出願人の特許文献に開示されている(例えば、特許文献8〜19参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
しかしながら、HYTORC NUT(登録商標)は一連の難題を抱えている。末端使用者は標準的なナットを、精密機械加工、処理、及び潤滑を施されたユニットと交換しなければならない。加えて、内側スリーブはワッシャとの結合点で比較的半径方向に厚い必要がある。このような結合は外側スリーブに加えられる反力全体を保持できるときもある。加えて、HYTORC NUT(登録商標)は高い製造コストがかかり、コストを最小化する伝統的なボルトの末端使用者に販売することはしばしば難しい。さらに、HYTORC NUT(登録商標)のいくつかのバージョンにおいて、ナットは2つのスリーブを有するように形成されなければならず、スリーブの外径が通常のナットの外径と合致しなければならないので、両スリーブの材料は通常のナットよりも少ない。このことは高強度材料の使用を必要とし、これは顧客の一部が材料を変えることを嫌がり、未知のものを恐れる原因となる。HYTORC NUT(登録商標)の他のバージョンでは、ボルトの変更が必要であり、これには高いコストがかかり、業界に容易には受け入れられない。
出願人はボルト締結を発展させ、HYTORC WASHER(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具によって、ボルト締結の数多くの難題を解決した。HYTORC WASHER(登録商標)は、らせん状ねじ山付きファスナのナット及びボルトをトルク付与するための反作用点として使用される反作用ワッシャの最初の例であった。反作用ワッシャはボルト又はスタッドの荷重軌道内に位置決めされ、ひいては常に同一の荷重を受ける。反作用ワッシャシステムにおいて、回転トルクが上側のナット又はボルトに加えられる一方、逆の反作用トルクが反作用ワッシャに付与される。上側のナット又はボルト、及び嵌合する反作用ワッシャは同一の荷重及びトルクを受ける。従って相対運動は摩擦力によってのみ支配される。摩擦係数の低い構成部分は運動する傾向があり、これに対して他の構成部分は比較的固定されたままになる。
HYTORC WASHER(登録商標)自己反作用荷重ワッシャは、伝統的なボルトのねじ山と結合される雌ねじ山セグメントを有している。このワッシャは通常のナットの下側に嵌まり、ボルトの回転を阻止する一方、駆動工具のための反作用点を提供する。このワッシャは独自の二重ソケットで締め付けられる。外側ソケットはワッシャを保持し、そして内側ソケットが通常のナットを回転させ、これによりワッシャを通してスタッドを引き上げる。工具の反力はHYTORC WASHER(登録商標)を定置に保持する保持力に変換される。ボルトの伸長によって軸線方向セグメントがHYTORC WASHER(登録商標)の内側に動かされるまでナットが回転させられるときに、保持力はセグメント、ひいてはボルトを定置に保持する。これはボルトを引張る代わりに延伸することによってトルク及びテンションを改善する。荷重の転移−弛緩、又は機械的反発がないことにより、降伏点の90%までの延伸が可能である。
HYTORC WASHER(登録商標)は、より均一な残留ボルト荷重のための既知の支承面摩擦を提供し、座繰り面の精密機械加工を必要とせず、ボルト締結処置のトーション及び側面荷重を最小化し、ボルトがナットと共に回転するのを防止し、反作用アーム及びバックアップ・レンチの必要なしに真直ぐな軸線方向ボルト延伸を生成し、残留ボルト荷重、及び周囲接合部圧縮の均一性を高め、セットアップ時間を低減し、ボルト締結速度を高め、逆さまの用途においても、ボルトは軸線方向に配向され、ハンズフリーが可能になり、ボルト締結の安全性を高め、そしてファスナ及び接合部の損傷リスクを最小化する。
HYTORC WASHER(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具は、例えば出願人の特許文献に開示されている(例えば、特許文献20〜30参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
しかしながら、HYTORC WASHER(登録商標)は一連の難題を抱えている。このワッシャは不要の高さをボルト締結用途に加える。締め付け時に2つ又は3つ以上のねじ山がナットから突出することを要求する規制に基づき、末端使用者は標準的なスタッド及びボルトをより長いバージョンとしばしば交換しなければならない。加えて、HYTORC WASHER(登録商標)は伝統的なワッシャよりも高い製造コストがかかり、コストを最小化する伝統的なボルトの末端使用者に販売することはしばしば難しい。さらに、HYTORC WASHER(登録商標)は自由に、そしてナット摩擦が高い場合には反対方向に回転する。操作中、HYTORC WASHER(登録商標)は2つの面摩擦を有し、ナットは面摩擦及びねじ山摩擦を有するので、それぞれの摩擦全体は同一に近く、すなわちHYTORC WASHER(登録商標)は回転するかもしれず、或いはナットが回転するかもしれない。このことを回避するために、プレロードが必要とされる。このプレロードは、HYTORC WASHER(登録商標)及びナットの両方が同時に下方に回転させられる場合には達成することができない。最後に側面荷重及びトーションが排除されるにもかかわらず、腐食がねじ山内にまだ蓄積し、これによりねじ山のゴーリングは排除されない。
出願人はさらに工業用ボルト締結を発展させ、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具によって、ボルト締結の数多くの難題を解決した。ねじ山付きコネクタを締め付け且つ緩めるために使用されるこのような自己反作用性の多目的ワッシャはナットと、軸線を有するボルトとを含み、ボルトは、ナットと物体との間にワッシャが介在した状態で物体内に導入されるので、一方の軸線方向側のワッシャの第1支承面はナットと協働し、反対の軸線方向側のワッシャの第2支承面は物体と協働する。ワッシャは、ボルトの直径よりも大きいように構成された半径方向内側の開口と、工具の反力を吸収するように構成された半径方向外側の表面とを有する半径方向外側のボディを含み、ワッシャはさらに、半径方向内側の開口内の外側ボディ内部に半径方向に配置された、ボルトのねじ山と係合可能な半径方向内側のセグメントを含み、このセグメントは、ボディに対して制限付き軸線方向摩擦運動することによって外側ボディに結合可能であり、ワッシャはさらに、半径方向内側のセグメントとナットとの間に配置されるように構成されたスペーサを含み、スペーサもまた半径方向内側の開口内の外側ボディ内部に半径方向に配置されており、そして半径方向内側のセグメントから軸線方向に間隔を置かれている。外側ボディと、半径方向内側のセグメントと、スペーサとは互いに組み立てることができ、そして分解することができ、また共に又は個別に使用することができる。
出願人は、均一且つ正確なボルト伸長が必要である用途のために、半径方向外側のボディと半径方向内側のセグメントとを、ナットと物体との間に共に介在させた状態で使用した。ナットが所与の力で工具によって回転させられると、半径方向外側のボディは工具から所与の力を反対方向で受容する。半径方向外側のボディは静止したままである一方、ボルトのねじ山と係合する半径方向内側のセグメントは、ボルトの回転を積極的に阻止する。ボルトだけが伸長又は弛緩する。この場合、ワッシャは半径方向外側のボディと半径方向内側のセグメントとから成り、テンションワッシャとして機能する。
出願人は、正確なボルト伸長が必要であり、ボルト伸長を制御しなければならない用途のために、半径方向外側のボディと半径方向内側のセグメントとスペーサとを、ナットと物体との間に介在させた状態で使用した。ナットが所与の力で工具によって回転させられると、半径方向外側のボディは工具から所与の力を反対方向で受容する。半径方向外側のボディは静止したままである一方、ボルトのねじ山と係合する半径方向内側のセグメントは、ボルトの回転を積極的に阻止する。ボルトだけが伸長又は弛緩し、同時に半径方向内側のセグメントが軸線方向に動く一方、スペーサはセグメントの軸線方向運動を制限する。この場合、ワッシャは半径方向外側のボディと半径方向内側のセグメントとスペーサとから成り、高精度ワッシャとして機能する。
出願人は、均一且つ正確なボルト伸長が必要でない場合の通常の用途のために、ワッシャの半径方向外側のボディだけを、ナットと物体との間に介在させた状態で使用した。ボディの半径方向外側の面は、工具がナットに回転力を加えた時に、等しい逆の反力を吸収するために使用される。ナットは回転するがしかし半径方向外側のボディは静止したままであり、そしてこの場合、ワッシャは半径方向外側のボディだけから成り、反作用ワッシャとして機能する。
HYTORC SMARTWASHER(登録商標)は、HYTORC WASHER(登録商標)の利点をより低コストでよりフレキシブルなパッケージで提供する。HYTORC SMARTWASHER(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具の進化が、ある特許文献に開示されている(例えば、特許文献31参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
しかしながら、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)は、HYTORC WASHER(登録商標)と同様に一連の難題を抱えている。このワッシャは不要の高さをボルト締結用途に加える。締め付け時に2つ又は3つ以上のねじ山がナットから突出することを要求する規制に基づき、末端使用者は標準的なスタッド及びボルトをより長いバージョンとしばしば交換しなければならない。加えて、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)は伝統的なワッシャよりも高い製造コストがかかり、コストを最小化する伝統的なボルトの末端使用者に販売することはしばしば難しい。とりわけ出願人は、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)の半径方向外側のボディだけが反作用ワッシャとして使用される場合には、均一、正確、且つ精密なボルト伸長は可能でないと考えた。加えて、半径方向外側のボディと共にねじ山付き挿入体を使用すると、均一で正確なボルト伸長がもたらされたが、しかしスタッドの移動はワッシャ厚さに制限される。移動はさらにスペーサの使用によって妨げられる。最後に側面荷重及びトーションが排除されるにもかかわらず、腐食がねじ山内にまだ蓄積し、これによりねじ山のゴーリングは排除されない。
さらに、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)は自由に、そしてナット摩擦が高い場合には反対方向に回転する。操作中、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)は2つの面摩擦を有し、ナットは面摩擦及びねじ山摩擦を有するので、それぞれの摩擦全体は同一に近く、すなわちHYTORC SMARTWASHER(登録商標)が回転するかもしれず、或いはナットが回転するかもしれない。このことを回避するために、プレロードが必要とされる。このプレロードは、HYTORC SMARTWASHER(登録商標)及びナットの両方が同時に下方に回転させられる場合には達成することができない。
コンベンショナルな反作用ワッシャシステムの場合、ナット又はスタッドよりも高い摩擦下で静止したままであるように、ワッシャを選択的に偏倚させるために、潤滑剤を塗布しなければならない。これによりスタッド又はナットは回転し、らせん状の嵌合ねじ山を通して荷重を生成することができる。必要な潤滑剤偏倚は好ましくなく、反作用ワッシャの取り付けプロセスにおけるステップを制御することは難しい。コンベンショナルな反作用ワッシャ上の潤滑剤は少量であっても、反作用ワッシャがナット又はボルトの前で回転又はスリップすることを許すという不都合な作用を有する。らせん状のねじ山を備えたボルト又はナットの前でワッシャが回転すると、システムはボルト荷重を生成することができない。潤滑剤又は摩擦面の不適切な管理はしばしばコンベンショナルな反作用ワッシャの意図的でないスライド又は回転を招く。
従来技術における反作用ワッシャの他の例は、ある特許文献に開示されたものを含む(例えば、特許文献32及び33参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。これらの反作用ワッシャは、ジャムナット及びベルビル・ワッシャの代替物を意味する。それというのも、これらのワッシャは荷重下で弾性変形することによりプレロード又は生きたロードのエネルギーを蓄えるからである。ほとんどの実施態様において、ねじ山付き孔を組み込むことにより、ボルトに加えられる側面荷重を最小化しようとしている。これらの凹面状及び/又は凸面状反作用ワッシャの、物体と接触する面積は、底部ワッシャ面の総表面積と比較して小さい。ねじ山のない孔が1つの実施態様において開示されている。摩擦増強手段は突起、例えば六角ワッシャ形状の尖端、物体表面内に食い込んだ又は掘られた平面状の刻み目状延長部を含む。摩擦増強手段を有さないほぼ平らな反作用ワッシャも開示されている。
出願人は、流体作動式トルク動力工具においてファスナ回転速度を高めようと努力した。HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)は、流体作動式レンチであって、この流体作動式レンチは、シリンダを含む流体作動式ドライブと、ピストンロッド端部を備えたピストンロッドを有する、シリンダ内で往復運動可能なピストンと、複数の歯を備えたラチェットを有するラチェット・メカニズムと、ピストンロッド端部と動作的に結合可能であり且つラチェットの歯と係合可能な少なくとも2つの爪とを有しており、これにより、ピストンの前進行程中、少なくとも2つの爪のうちの1つが少なくとも1つのラチェット歯と係合する一方、少なくとも2つの爪のうちの他の爪が少なくとも1つのラチェット歯を乗り越え(ratchet over)、これに対してピストンの戻り行程中には、少なくとも2つの爪のうちの前記他の爪が少なくとも1つのラチェット歯と係合する一方、少なくとも2つの爪のうちの前記1つの爪が少なくとも1つのラチェット歯を乗り越える。少なくとも2つの爪のうちの少なくとも1つは、ラチェットの歯から解離可能であり、ラチェットの歯の上方に持ち上げることができる。HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)はまた、ドライブとは別個に操作者によって活性化可能な解離ユニットを含み、解離ユニットは、少なくとも1つの爪に作用することにより、この爪をラチェット歯から区別してこれをラチェット歯の上方に持ち上げることができる。このバックラッシュ防止形体は、ラチェットが後方に向かって回転して、蓄積したトーション及び材料の屈曲を解放するのを可能にするので、流体作動式レンチは仕事から離れることができる。HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)は、世界で最初の連続回転式の液圧式レンチである。このレンチはこの工具を市販の他のレンチの最大3倍高速にする。なお、HYTORC NUT(登録商標)、及びHYTORC WASHER(登録商標)はHYTORC(登録商標)XXI(登録商標)と共に使用すると、それらの利点が際立つ。HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)は、出願人の米国特許第6,298,752号に開示されている。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
次いで出願人は、具体的にはHYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具を作成することにより、トルク動力工具における徹底した理解及び革新を手持ち式空気圧式トルク増強工具に適用した。出願人はこれらの工具をHYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)Single Speed、Dual Speed、及びDual Speed Plusの商品名で販売している。ひとたびナットがフランジ面に衝突すると、ナットを締め付けるか又は緩めるための回転の程度は極めて僅かである。顧客はナットをすばやくランダウン又はランアップさせるための高い回転速度を望む。高いランダウン速度及びランオフ速度を提供する周知のインパクト・レンチは、ナットがフランジ面に衝突すると不正確且つ低速に回転するという欠点を有した。逆に、周知の手持ち式トルク出力工具はトルクが正確ではあるものの、ファスナのランアップ及びランダウンの際に比較的低速である。それでもこれらは、ナットがフランジ面で回転すると、インパクト・ガンよりも著しく高速であった。
手持ち式トルク増強工具におけるモータ・ハウジングはギア・ハウジングとは独立しているので、トルクは操作者の腕/手のトルク抵抗を超えることができなかった。さもなければ、工具のモータ・ハウジングは保持することはできず、操作者の手の中でスピンするはずである。数多くのモータ駆動トルク増倍装置が市販されており、これらのいくつかは二重速度メカニズムを有し、またいくつかはボルト先端で反作用し、このことは特殊なボルトを必要とし、そして他のものは反作用アームを備えた。どのようなトルク又は速度が加えられるのであれ、これらのギア・ハウジングは出力シャフトとは反対方向に回転した。高速時には、既存の手持ち式トルク増強工具内の回転する部品は軸受けを必要とした。なぜならば、ギア及び出力シャフトはギア・ハウジング内で高速に回転するからである。このような工具の高トルク・バージョンはあまりにも大きく、あまりにも重い。
HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)製品ラインは、ランダウン又はランアップ速度を有する工具を含む。ギア・ハウジングは内側ギア集成体及び出力ドライブと共に、同じ高い速度で同じ方向に回転する。操作者は単に、回転力をギア及び出力シャフトに1つの方向で加え、これと同時にギア・ハウジングに反対の回転力を加えることから工具を切り換えるだけである。なお、HYTORC NUT(登録商標)及びHYTORC WASHER(登録商標)の製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具は、HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)Dual Speedと適合性がある。例えば、HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)Dual Speedの高速低トルクの実施態様では、ナットを有するドライブ・ソケットと、HYTORC WASHER(登録商標)を有する反作用ソケットとは常に共に、そして同じ高速及び同じ低トルクで回転した。HYTORC WASHER(登録商標)及びナットは、ナットがHYTORC WASHER(登録商標)上に着座するまで、ピンによって1つのユニットとして一体化される。トルクは増大し、ピンは剪断によって分解されるので、ナットは高トルク低速で回転させられる一方、HYTORC WASHER(登録商標)は定置物体、ひいては反作用点になる。HYTORC WASHER(登録商標)と周知のナットとの一体化はもはや受け入れられない。なぜならば破断結合片は摩擦係数に影響を及ぼし、ねじ山のゴーリングを招き、ねじ山界面に有害な望まれない堆積物を残すことがあるからである。
HYTORC WASHER(登録商標)と使用しない場合には、HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)は、ナットの回転中に発生した反力を定置物体に転向するための反作用フィクスチャの使用を必要とした。ランダウン速度は、反作用アームが高速で隣接するナットにたたきつけられるのを回避するために制限されなければならない。さもなければ、操作者の四肢がその経路内にある場合には、事故が発生するおそれがある。反作用アームの当接は、ファスナの締め付け又は弛緩のための低速高トルク・モードにとって必要である。しかし、反作用アームは、やはり事故及びOSHA(労働安全衛生局)によって記録可能な状況を回避するために、高速低トルク操作モードにとっては望ましくない。
出願人は、反作用フィクスチャを有するトルク動力工具、及びHYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)製品ラインにおける徹底した理解及び改善を、手持ち式空気圧式トルク増強工具のさらなる発展に適用した。出願人は、HYTORC(登録商標)FLIP-GUN(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具を作成した。HYTORC(登録商標)FLIP-GUN(登録商標)は、位置決め可能な反作用アームを含む。第1の位置に配置されたときには、トルク増強ユニットは高速低トルク・モードに切り換えられ、そして工具軸線に対して垂直方向にある間、反作用アームは操作者によってハンドルとして使用することできる。反作用アームが工具軸線に対して同軸的な第2位置にあるときには、トルク増強ユニットは低速高トルク・モードに切り換えられると、高トルクを操作者によって吸収することができないため、反作用アームは定置物体に当接し得る。
しばしば適用特性はボルト締結作業に不都合な影響を及ぼし、例えば腐食した、汚れた、よじれた、デブリを含有する、バリが形成された、ゴーリングした、不規則な、方向付けられていない、誤整合の、且つ/又は不均一に潤滑されたスタッド及びナットのねじ山及び表面を含む。このような不都合なボルト締結適用特性によって、しばしば生産損失が深刻になる。必然的に、業界はルーティンの、予定外の、且つ/又は非常時のメンテナンス及び/又は修理中の生産損失を低減しようとしている。
出願人はさらに、具体的にはHYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)製品ライン、及びこれと共に使用するためのドライバ及び工具を作成することにより、手持ち式空気圧式トルク増強工具を革新した。HYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)は、手持ち式の二重モード出力駆動トルク増強工具であり、この工具は工業用ファスナを反作用のない状態で、そして反作用で支援された状態で締め付け且つ緩める際に動作する。この工具は、ファスナを回転させるための回転力を生成するためのモータと、複数の回転力増倍トランスミッタを含む低速/高トルク・モードのための回転力増倍メカニズムと、複数の回転力衝撃トランスミットを含む高速/低トルク・モードのための回転力衝撃メカニズムと、少なくとも1つの増倍トランスミッタと動作的に結合されたハウジングと、低速/高トルク・モード中にハウジングに発生した反力を定置物体へ転移させるための反作用アームとを含み、低速/高トルク・モード中に、少なくとも2つの増倍トランスミッタが互いに相対回転し、そして高速/低トルク・モード中に、少なくとも2つの増倍トランスミッタが、衝撃メカニズムからハンマ動作を達成するように統一される。有利には、HYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)は、操作者の振動暴露を最小化し、高速低トルク・モードにおいて増倍メカニズムと衝撃メカニズムとの協働から生じる高い質量に起因して高い回転慣性を提供し、これにより衝撃メカニズムのトルク出力が増大し、ねじ山及び面の変形、及び/又はねじ山ゴーリングのような極めて不都合なねじ山締結適用特性を克服するために操作者によって吸収可能なトルクよりも高いトルクが必要とされる場合にも、反作用フィクスチャを使用することなしに高速でファスナをランダウン及びランオフさせ、そして接合部に固着した、高トルクを加えられた又は腐食したファスナを緩め、そして第2モードで反作用フィクスチャを使用して所望のより高い、より正確なトルクまでファスナを締め付ける。
衝撃モードは低速/高トルク(増倍)・モード中にはTHRILL(登録商標)において動作することはできない。なぜならば、位置決め可能な反作用アームが定置物体と当接し、そして衝撃メカニズムはトルク増倍モード中にはロックアウトされるからである。しかし注意すべきなのは、高速/低トルク・モード中には、モータからの回転力が増倍メカニズムの初期段を介して出力シャフトへ転移させられ、これにより抵抗をほとんどないしは全く示さないナット又はボルトヘッドをランダウン又はランアップさせることである。ファスナが不都合なボルト締結特性を示し、ひいてはこのような変形を克服するための間欠力を必要とするときに、衝撃メカニズムは活性化する。
HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)、FLIP-Gun(登録商標)及びTHRILL(登録商標)製品ライン、及びこれらと共に使用するためのドライバ及び工具は、例えば出願人の特許文献に開示されている(例えば、特許文献34〜51参照。)。これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
出願人のTHRILL(登録商標)による最近の革新にもかかわらず、側面荷重及びねじ山のゴーリングは未だに、工業用ボルト用途の主な問題であり、市販されている増強工具によっては全く対処されていない。ゴーリングは、しばしば潤滑が不十分であることに起因して、横方向の運動、又はスライド中に金属面間に生じる摩擦と付着との組み合わせによってもたらされる材料摩耗である。特に表面を互いに圧縮する力が大きい場合には、材料がゴーリングすると、部分が接触面から引張られ、隣接面に固着されるれるか又は摩擦溶接さえされる。ゴーリングはしばしば高荷重低速度の用途で発生する。これは材料が1つの表面から接着して引張られるのに伴って材料が可視的に転移することに関与し、材料は隆起塊の形態で他方の表面に固着したままである。ゴーリングは通常、徐々に生じるプロセスではなく、隆起塊がより大きいゴーリングを誘発するのに伴ってすぐに発生し、急速に広がる。
締め付けられてから長時間が経過した腐食ファスナの腐食は通常、ナットとボルト、並びにナットとフランジとの間の螺合したねじ山間で発生する。腐食は、化学物質、熱、湿分、及び潤滑剤を含むいくつかの源に起因し得る。高温用途の場合、例えば締め付け中に塗布された潤滑剤が乾燥し、そして時間とともにねじ山を互いに結合する。さらに容器内及び容器なしの化学反応が電解腐食をしばしば引き起こす。弛緩中、雌ねじ山腐食は、乾燥したグリースをボルトねじ山に沿って押す。定置物体に加えられた反力は、回転させられるべきナットの近い側に等しい力を加える。実際に、工具に関する側面荷重、又は当接力は、そのft.lbs.トルク出力の3倍〜4倍であり得る。なぜならば、反作用アームの当接点は、ドライブの中心から1フィート以上離れている場合には、しばしば半分だからである。この側面荷重によって、ナット及びボルトのねじ山は、荷重が加えられる場所に近い側で巨大な力によって係合するので、乾燥したグリースは、ナットの回転時にその場所に堆積する。ねじ山内の不規則性はしばしば克服することができない。ボルトとナットと間のねじ山の半分しか係合されず、ねじ山はグリップし始める。これにより、ボルトねじ山はゴーリングされ、ナットを取り去るためには著しく高いトルク、ひいては著しく大きい側面荷重が必要となる。このことは、ボルト及びナットのねじ山を破壊するおそれがある。ファスナはしばしば、回転力の全てがねじ山摩擦によって使用される程度まで固着する。このことは、ファスナ又はファスナを回転させる工具の破損をもたらすおそれがある。ファスナを締め付けるために最初に使用されるトルク出力工具は、同じ腐食したファスナを緩めるにはしばしば十分でない。このような腐食したファスナは、締め付けトルクの1倍〜3倍のft.lbs.の弛緩トルク値を必要とする場合があり、付加的なより高出力の工具が必要とされることがある。例えばタービン及びケーシングにおけるような高温ボルト締結用途は、通常は臨界的であり、極めて高い交換コストを伴う、ステンレスの、又は精密製造されたファスナを必要とする。加えて、最近評判が高い精密ねじ山ボルトの使用は、この問題を増大させる。
側面荷重が工具によってファスナに加えられない場合にも、ねじ山のゴーリングがまだ生じるおそれがある。それというのも乾燥したグリースがナットの弛緩中に、螺合するねじ山内に蓄積するからである。このような弛緩は、元の締め付けトルクよりも高いトルクを1つの点で必要とする。このようなトルクは、加えられるとねじ山のゴーリングをもたらす。これはHYTORC NUT(登録商標)を用いた場合にも内側スリーブと外側スリーブとの間に発生する。弛緩トルクを加える前に腐食部分を粉砕するために操作者が大ハンマで腐食したファスナを叩くことが習慣である。このような習慣は危険であり、ナットを超えて延びるボルトねじ山を破壊するおそれがあり、野蛮である。不都合なゴーリングはまた、ナットの面とフランジの面との間にも発生する。それというのも、側面荷重は回転させられるべきナットの垂直方向の配向を変化させるからである。このことはナットの回転摩擦を増大させ、弛緩トルクによって生成されたボルト荷重を予測不能にし、これにより不都合な見場、平行でない接合部閉鎖、システムの漏れ、及び工具、ファスナ、及び接合部の欠陥を招く。
周知のワッシャは、ねじ山付きファスナとナットと接合部との間の表面ゴーリングを低減することができる。それというのも、ワッシャがより硬質の材料から形成されているからである。ASME PCC-1-2010の付録Mには「平滑且つ低摩擦の支承面をナットに提供することによって、無心焼き入れされた鋼ワッシャは、入力されたトルクからボルト・プレロードへの変換を改善すると一般に認識されている。ワッシャはフランジの接触面を、回転するナットによって引き起こされる損傷から保護する。これらはトルク法(手動式又は液圧式)がボルト締め付けのために用いられる場合には重要な考察である。」と述べられている。しかしながら、周知のワッシャは、側面荷重によって形成される表面ゴーリング及びねじ山ゴーリングを最小化且つ/又は排除することはない。また周知のワッシャは、締め付けられるときに動くことがあるので、ワッシャは固定され続けるのではなくナット又はボルトヘッドと共に回転し得る。これはトルク・テンションの関係に影響を及ぼし得る。
典型的なボルト締結システム内にワッシャを取り付ける別の目的は、応力下にあるより広い面積を提供することによって、ボルトヘッド及びナットの下に荷重を分配することである。
さもなければ、ボルトの支承応力は結合材料の支承強度を超えることがあり、これは、ボルトのプレロードの損失、及び材料のクリープを招く。
米国特許4,671,142号 米国特許4,706,526号 米国特許5,016,502号 米国再発行特許RE33,951号 米国特許6,152,243号 米国意匠特許D500060号 米国特許7,765,895号 米国特許第5,318,397号 米国特許第5,499,9558号 米国特許第5,341,560号 米国特許第5,539,970号 米国特許第5,538,379号 米国特許第5,640,749号 米国特許第5,946,789号 米国特許第6,152,243号 米国特許第6,230,589号 米国特許第6,254,323号 米国特許第6,254,323号 米国特許第6,461,093号 米国特許第6,490,952号 米国特許第6,609,868号 米国特許第6,929,439号 米国特許第6,883,401号 米国特許第6,986,298号 米国特許第7,003,862号 米国特許第7,066,053号 米国特許第7,125,213号 米国特許第7,188,552号 米国特許第7,207,760号 米国特許第7,735,397号 米国特許第8,079,795号 米国特許第7,462,007号 米国特許第7,857,566号 米国特許第6,490,952号 米国特許第6,609,868号 米国特許第6,929,439号 米国特許第6,883,401号 米国特許第6,986,298号 米国特許第7,003,862号 米国特許第7,066,053号 米国特許第7,125,213号 米国特許第7,188,552号 米国特許第7,207,760号 米国特許第7,735,397号 米国特許第7,641,579号 米国特許第7,798,038号 米国特許第7,832,310号 米国特許第7,950,309号 米国特許第8,042,434号 米国意匠特許D608,614号 米国特許出願第13/577,995号
必要なことは、工具、ドライバ、及びワッシャの構成、並びに操作の単純化、反作用、曲げ力、及び引張り力の排除、ボルト締結の速度、効率、信頼性、及び反復性の増大を全て低コストで実現することである。従って本発明は、これらの問題を解決するために考え出された。
一例として添付の図面を参照しながら本出願の発明を説明する。
図1Aは、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャの第1実施態様を示す上面斜視図である。 図1Bは、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャの第1実施態様を示す底面斜視図である。 図1Cは、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャの第1実施態様を示す側面斜視図である。 図2Aは、図1A〜1CのZ(登録商標)ワッシャ、及びナットであるZ(登録商標)ファスナを含むねじ山付きファスナによって閉じられるべき接合部を示す上方に向いた斜視図である。 図2A〜2Bは、図1A〜1CのZ(登録商標)ワッシャ、及びナットであるZ(登録商標)ファスナを含むねじ山付きファスナによって閉じられるべき接合部を示す下方に向いた斜視図である。 図3Aは、ゴーリングを最小限に抑えてZ(登録商標)ファスナを締め付け且つ/又は緩めるための、反作用アームなしの動力工具であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンを示す側面図である。 図3Bは、ゴーリングを最小限に抑えてZ(登録商標)ファスナを締め付け且つ/又は緩めるための、反作用アームなしの動力工具であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンを示す斜視図である。 図3Cは、ゴーリングを最小限に抑えてZ(登録商標)ファスナを締め付け且つ/又は緩めるための、反作用アームなしの動力工具であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンを示す側面図及び斜視図である。 図4Aは、締め付けられた接合部及び締め付けられたZ(登録商標)ファスナを示す斜視図及び側面図である。 図4Bは、締め付けられた接合部及び締め付けられたZ(登録商標)ファスナを示す斜視図及び側面図である。 図5Aは、二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットを示す斜視断面図である。 図5Bは、二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットを示す斜視図である。 図5Cは、二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットを示す斜視図である。 図5Dは、二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットを示す側方断面図である。 図6A〜6Eは、Z(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、及びZ(登録商標)ファスナに作用する関連力を示す底面図である。 図6A〜6Eは、Z(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、及びZ(登録商標)ファスナに作用する関連力を示す上面図である。 図6A〜6Eは、Z(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、及びZ(登録商標)ファスナに作用する関連力を示す底面図である。 図6A〜6Eは、Z(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、及びZ(登録商標)ファスナに作用する関連力を示す底面図である。 図6A〜6Eは、Z(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、及びZ(登録商標)ファスナに作用する関連力を示す側面図である。 図7Aは、種々の寸法及び幅のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目を有するZ(登録商標)ワッシャを示す複数の図である。 図7Bは、種々の寸法及び幅のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目を有するZ(登録商標)ワッシャを示す複数の図である。 図7Cは、種々の寸法及び幅のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目を有するZ(登録商標)ワッシャを示す複数の図である。 図7Dは、種々の寸法及び幅のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目を有するZ(登録商標)ワッシャを示す複数の図である。 図7Eは、種々の寸法及び幅のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目を有するZ(登録商標)ワッシャを示す複数の図である。 図8Aは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Bは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Cは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Dは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Eは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Fは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Gは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Hは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Iは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Jは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Kは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8Lは、種々の形状を有するZ(登録商標)ワッシャの種々の実施態様を示す上面図である。 図8D1は、Z(登録商標)ワッシャの別の実施態様を示す斜視上面図である。 図8D2は、Z(登録商標)ワッシャの別の実施態様を示す斜視底面図である。 図8D3は、Z(登録商標)ワッシャの別の実施態様を示す斜視側面図である。 図8D4は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D5は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D6は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D7は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D8は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D9は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図8D10は、種々のタイプ、サイズ、及び位置のZ(登録商標)ワッシャ摩擦係数増大処理手段を示す側方断面図である。 図9Aは、Z(登録商標)ワッシャと共に使用するための別のZ(登録商標)ファスナ及びZ(登録商標)ソケットのタイプを示す側方断面図である。 図9Bは、Z(登録商標)ワッシャと共に使用するための別のZ(登録商標)ファスナ及びZ(登録商標)ソケットのタイプを示す側方断面図である。 図10は、ワッシャの直径がナットの直径よりも小さいような、別のZ(登録商標)ワッシャ及びZ(登録商標)ソケットを示す側方断面図である。 図11Aは、種々の寸法及び幅を有するZ(登録商標)ソケットの種々の実施態様を示す複数の図の中の一つである。 図11Bは、種々の寸法及び幅を有するZ(登録商標)ソケットの種々の実施態様を示す複数の図の中の一つである。 図11Cは、種々の寸法及び幅を有するZ(登録商標)ソケットの種々の実施態様を示す複数の図の中の一つである。 図12Aは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図12Bは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図12Cは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図13Aは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図13Bは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図14Aは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図14Bは、スプラインアダプタ、反作用プレート、及びオフセット・リンクを含むHYTORC(登録商標)トルク工具へのZ(登録商標)システムの適用を示す斜視図である。 図15Aは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す斜視図である。 図15Bは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す斜視図である。 図15Cは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す側面図である。 図15Dは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す斜視図である。 図15Eは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す斜視図である。 図15Fは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す斜視図である。 図15Gは、Z(登録商標)システムへのHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャの適用を示す側面図である。 図16Aは、工具10Aの形態を成す本発明の1実施態様を低速高トルク(「LSHT」)モードで示す斜視図である。 図16Bは、工具10Bの形態を成す本発明の1実施態様を高速低トルク(「HSLT」)モードで示す斜視図である。 図17Aは、工具10Aを「LSHT」モードで示す側方断面図である。 図17Bは、工具10Bを「HSLT」モードで示す側方断面図である。 図18は、工具10Aの回転力増倍集成体200及び振動力集成体300をLSHTモードで示す側方断面図である。 図19は、工具10A及び10Bの駆動工具ハウジング集成体101、駆動工具ハンドル集成体103、及び関連内部構成部分を示す斜視断面図である。 図20は、工具10A及び工具10Bのモード・シフト集成体400を示す斜視図である。 図21Aは、工具10Fの形態を成す本発明の実施態様を示す側方断面図である。 図21Bは、工具10Gの形態を成す本発明の実施態様を示す側方断面図である。 図22Aは、工具10Hの形態を成す本発明の実施態様を示す側方断面図である。 図22Bは、工具10Iの形態を成す本発明の実施態様を示す側方断面図である。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)システム。本発明は、出願人のHYTORC(登録商標)Z(登録商標)システムを保護しようとする。このシステムは、外部反作用当接手段を用いないトルク増倍・振動メカニズムを備えた多重速度/多重トルク・モードを有する工具、このような工具と共に使用するための、インライン同軸作用・反作用をもたらすための力転移手段、このような工具及び力転移手段と共に使用するための、ナットの下にワッシャを取り付けることができる駆動手段及びシフト手段、このような工具、力転移手段、及び駆動手段と共に使用するための連携ワッシャ、並びに、このような工具、力転移手段、駆動手段、及びワッシャと共に使用するための関連付属品に関与する。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)システムは下記のもの、すなわち、多様な形状、サイズ、ジオメトリ、及びセレーションの係合可能な周囲、例えばワッシャ/ファスナの半径係合差異を有する種々のタイプのナット又はボルトヘッドの下に配置されたZ(登録商標)ワッシャと、フランジ面に対して比較的高い摩擦を有し、ナットに対して比較的低い摩擦を有する摩擦的に偏倚された面、例えば種々のタイプ、サイズ、及び位置を有する摩擦係数増大処理手段と、高速ランダウンと較正トルクとを組み合わせた同じ工具内に高出力衝撃メカニズムと精密トルク増倍装置とを組み込んだHYTORC Z(登録商標)ガンと、Z(登録商標)ワッシャに対して反作用するための外側スリーブとナット又はボルトヘッドを回転させるための内側スリーブとを備えた、二重ドライブ同軸作用・反作用を有するHYTORC Z(登録商標)ソケットと、AVANTI(登録商標)及びICE(登録商標)角ドライブ・システム、STELTH(登録商標)制限付きクリアランス・システム、空気圧式jGUN(登録商標)シリーズ、FLASH(登録商標)ガンLITHIUMシリーズ電気的増倍装置などを含むHYTORC(登録商標)のトルク/テンションシステムとの後方適合性のためのHYTORC(登録商標)Z(登録商標)スプラインアダプタ及び反作用プレートと、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャと、接合部の他方の側でナット又はボルトヘッドの下側のカウンタトルクのための二重摩擦支援面を含むHYTORC(登録商標)Dual Friction Washer(登録商標)との組み合わせと、HYTORC(登録商標)のトルク/テンションシステムを使用するときの密なクリアランスのためのHYTORC(登録商標)Z(登録商標)デュアル・ドライブ・オフセット・リンクと、これらから適用されるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)振動メカニズムとを含む。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャ。ボルト締結国際規格は工業用ねじ山付きファスナの下に硬化ワッシャを置くことを要求する。HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャは出願人に占有権のある硬化ワッシャである。このようなワッシャは、締め付け及び/又は弛緩中にファスナのナット又はボルトヘッドの真下で反作用点となる。HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャは、同軸的反作用面、スタッド、及びスタッドと螺合可能なナット、又はスタッドに結合されたスタッド・ヘッドを有する種類の工業用ねじ山付きファスナと共に使用される。これらのワッシャは操作者の手に対する潜在的なピンチ・ポイントをなくする。操作者は反作用させるべき申し分のない定置物体を探す必要がない。真直ぐの同軸的テンション付与は、スタッドの曲げ及び/又は側面荷重をほとんど排除する。これらは平滑で一貫した、低摩擦の表面を提供し、この表面上でナット又はボルトヘッドが回転する。上面は研磨された表面を有しており、この表面に対してナット又はボルトヘッドが回転することになる。これらのワッシャは、摩擦が増強された底面を提供する。この底面に対して工具は反作用することになる。
Z(登録商標)ワッシャはフランジ面を損傷又は埋め込みから保護し、そして表面積がより大きいことにより接合部の周りにボルト荷重を均一に分配する。これらは、用途毎に多種多様な材料選択肢から多種多様なインチ及びメートル・サイズで製造することができる。これらは寸法、硬さ、及び厚さに対する全てのASME、ASTM及びAPI要件に準拠している。これらは空気圧式、液圧式、電気式、及び手動式のトルク工具と協働する。そして随伴摩擦ワッシャを付加することにより、これは対向ナットがボルトとともに回転するのを防止するためのバックアップ・レンチの必要性をなくする。
Z(登録商標)ワッシャに出願人の関する最近の研究及び開発は、プロトタイプを製造し、厚さ、外側係合サイズ、外側係合ジオメトリ及びセレーション、ファスナ係合側(上側)における低摩擦被膜及び処理手段、フランジ係合側(下側)の摩擦増強手段のサイズ、形状、及び位置、例えば刻み目パターン、底面、上面、内面及び外面の面取りのサイズ及び形状、材料の仕様、及び熱処理仕様を種々に実験的に評価することを含む。
図1Aは、HYTORC(登録商標)トルク/テンションシステムと共に使用するためのHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャ1の第1実施態様を示している。これはワッシャ1の上側、又は支承上面2を示す斜視図である。図1Bは、ワッシャ1の下側、又は支承底面3を示す斜視図である。そして図1Cは、ワッシャ1の縁側、又は支承側面4を示す側面図である。
全般的に、ワッシャ1は内部ボイド5を有する環状形状である。図1に示されているように、ワッシャ1の環状形状は半径方向に延びる、花様形状を成す突出部6を含んでいる。全般的に、支承上面2は平滑であり、ナット又はボルトヘッドに対する表面摩擦は比較的低い。なお、支承上面2上に潤滑剤を使用して支承上面2とナット、ボルトヘッド、又は任意の他のこのようなねじ山付きファスナとの間の表面摩擦を低下させることができる。支承底面3は、フランジ面に対して比較的高い表面摩擦を有するようにテクスチャ化されている。支承底面3は、平滑な内側面3Aと、より高い表面摩擦を有する粗い摩擦増強手段、例えば刻み目7とを有する状態で示されている。半径方向の隆起刻み目パターン7は支承底面3の表面摩擦を増大させる。図示の実施態様では、刻み目付き面7が平滑面3Aを超えて配置されたリング又は環の形態を成している。外側突出部6は、支承底面3と支承側面4との間に形成された所定の角度の斜面8を含んでいる。
ワッシャ1は特に、環半径R1A、突出部半径R1L、刻み目半径R1K、及びボイド半径R1Vを有している。ワッシャ1は高さH1、第1斜面高さH1Bi、第2斜面高さH1Bii、刻み目高さH1K、及び斜面角度°1を有している。
図2Aは、閉じられるべき接合部30を示す上方に向いた斜視図であり、図2Bは、閉じられるべき接合部30を示す下方に向いた斜視図である。接合部30は、ボルトとして当業者に広く知られているファスナ20によって対面関係で締め付けられる第1部材31と第2部材32とを含んでいる。ファスナ20はボルトヘッド22を有する第1端部21と、ねじ山螺合部24を有する第2端部23とを有している。ファスナ20の第2端部23は第1及び第2部材31及び32に設けられた開口33を通して挿入されている。開口は第2部材32の支承面34から第1部材32の支承面35まで延びている。締め付けプロセスに備えて、ワッシャ1を支承底面3が支承面35に向いた状態で第2端部23に被せる。ねじ山付きナット36を第2端部23に被せる。
Z(登録商標)ワッシャは、接合部の一方の側にだけ使用され、その下には他のワッシャを使用するべきではない。次いでボルトとナットとの通常の潤滑を行うことが望ましい。潤滑剤はボルトねじ山、及びナット又はボルトヘッドとZ(登録商標)ワッシャの上面との間にだけ必要であり、そしてワッシャとフランジとの間には使用するべきではない。なお、所与のボルトの正確なトルク値は、使用される潤滑剤に重く依存する。通常は、後ろ側のナット又はボルトヘッドに潤滑剤は必要でない。
典型的な工業用ボルト締結の習慣は、スタッドが締め付けられるときに上端部がナットの上方で2〜3つのねじ山分だけ突出するようにスタッドを調節することである。これは、ナットとスタッドとが完全係合していることを保証する検査を目的としている。通常、スタッドがこれよりも大きく延びる理由はなく、いかなる過剰な長さもフランジの他方の側で調節して、ソケットが妨げなしにナット全体に係合し得るようにするべきである。ねじ山損傷のリスクを軽減し、ナットを容易に取り除くことができるように、スタッドが締め付け後にナットと同一高さになることが高腐食領域内では許容される。ワッシャ1の厚さは理想的であるのが有利である。ワッシャが過度に厚いと、ファスナ・システムが利用できる雄ねじ山は不十分になる。逆に、ワッシャの厚さが不十分な場合、これは高い圧縮荷重下で破損するおそれがある。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)(全般)。同軸的反作用面と、スタッドと、スタッドに螺合可能なナット又はスタッドに結合されたスタッド・ヘッドとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け且つ緩めるための、反作用アームなしのトルク動力工具であって、反作用アームなしのトルク動力工具が、回転力を発生させるためのモータと、回転力を転移させるためのドライブと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中で動作可能な間欠力モードのための振動トランスミッタを含む少なくとも1つの振動力メカニズムとを含む、反作用アームなしのトルク動力工具。
標準的なエア・インパクト・レンチは、高ノイズ及び過剰な振動を伴う制御不能な力でボルトをハンマリングする。HYTORC Z(登録商標)ガンは精密トルク増倍装置であり、この精密トルク増倍装置は標準的なエアインパクト・レンチの制御不能な力、高ノイズ、及び/又は過剰な振動を伴わずに、一貫した測定された出力をボルトにおいて次々に生成する。Z(登録商標)ガンは世界で初めての反作用アームなしの正確なトルクの空気圧式ボルト締結工具である。これは均一且つ正確なボルト荷重を保証する。Z(登録商標)ガンは高出力衝撃メカニズムと精密トルク増倍装置とを、高速ランダウンと較正トルクとを組み合わせた同一工具内に組み込んでいる。これはピストル・グリップ・トリガによって操作され、そして締め付け又は弛緩のための指向性制御スイッチ、高速及び低速のための速度選択ハンドル、及びナットの下側でZ(登録商標)ワッシャと係合する自己反作用性ソケット・ドライブを特徴とする。衝撃メカニズムは腐食又はねじ山の不具合とは無関係にナットをジップ・オン又はジップ・オフする。トルク増倍メカニズムはファスナから抜け出すか、又はファスナを締め付ける。このガンはZ(登録商標)ワッシャと協働するので、外部の反作用アーム、ピンチ・ポイント、及び不正確な側面荷重はない。このガンはいかなるねじ締結作業も、全て1つの工具によって、以前よりも高速に、安全に、そして良好に行う。
Z(登録商標)ガンは二重速度能力を組み込んでいる。この二重速度能力は高速ランダウン・モードから低速トルク付与出力モードへ、そして再びその逆へ単純に素早くシフトすることにより制御される。高速モードにおいて、二重ソケットは1分当たり数百回転数で回転するが、しかしトルクは、工具が操作者の手の中でスピン又は反発しないように制限される。セレクタを上方に向かってシフトさせると、工具は出力/トルク・モードへロックされ、ナット又はボルトは、較正された空気圧流体圧力に基づいて所望のトルクまで自動的に締め付けられる。
有利には、Z(登録商標)ガンは、液圧式、空気圧式、又は電気式のトルク増強工具の工業的な懸念及び問題に対処する。Z(登録商標)ガンは、トルク法及びテンション法の利点を最大化して欠点を排除し、側面荷重及び乾燥した腐食部分の蓄積に起因してねじ山螺合部をゴーリングするおそれのあるHYTORC(登録商標)NUT(登録商標)、HYTORC(登録商標)WASHER(登録商標)、HYTORC(登録商標)AVANTI(登録商標)、HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)、HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)、HYTORC(登録商標)FLIP-Gun(登録商標)、及びHYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)の利点を最大化して欠点を排除し、操作者の振動暴露を最小化し、間欠力モードにおいて増倍メカニズムと衝撃メカニズムとの協働から生じる高い質量に起因して高い回転慣性を提供し、これにより衝撃メカニズムのトルク出力を高め、不都合なねじ山締結適用特性を克服するために操作者によって吸収可能なトルクよりも高いトルクが必要とされる場合にも、反作用アームを使用することなしに高速でファスナをランダウン及びランオフさせ、接合部に固着した、高トルクを加えられた又は腐食したファスナを緩め、そして高抵抗トルク・モードで同軸的反作用面を使用して所望のより高い、より正確なトルクまでファスナを締め付ける。振動力メカニズムはナットが締まっている間に活性化させることによって、ナットを緩める際にナットに全トルクを加える前に乾燥腐食部分を粉砕することができる。その結果、工業用ねじ山付きファスナを緩めるために必要なトルクを低減し、粉砕された乾燥グリースはねじ山部分に蓄積又は集中しない。加えて締め付け及び弛緩中、ナットは接合面に対して平行なままであり、ねじ山は、巨大且つ不規則な側面荷重を被らず、面摩擦及びねじ山摩擦をより一貫したものにする。このことはより均一なトルク荷重、ひいては均一な接合圧縮を確実にすることにより、締め付け時の漏れ、及びガスケット破損を回避する。さらに、工具の使用が単純化され、操作者のエラーのリスクが低減され、操作者の安全性が高められる。
工業用ねじ山付きファスナ20は典型的には、液圧、空気圧、又は電気によって駆動されるトルク工具、テンション工具、及び/又はトルク・テンション工具を使用して締め付けられる。図3A、3B及び3Cは、ゴーリングを最小限に抑えてファスナ20を締め付け且つ/又は緩めるための、反作用アームなしの動力工具10であるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンを示している。工具10は、回転力を発生させるためのモータと、回転力を転移させるためのドライブと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中で動作可能な間欠力モードのための振動トランスミッタを含む少なくとも1つの振動力メカニズムとを含む。なお、工具10は図3A及び3Bの工具10Aとして示されているような高速低トルク(HSLT)モード、及び図3Cの工具10Bとして示されているような低速高トルク(LSHT)モードで動作する。
図3A及び3Bの工具10A、及び図3Cの工具10Bは、ドライブ入力・出力集成体100と、回転力増倍集成体200と、振動力集成体300と、モード・シフト集成体400と、二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15、例えばHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットとを含む。
HSLTモードにおいて、工具10Aはプレロードされたファスナ20上の着座されたナット36と前締め付けされた接合部30との間でワッシャ1を所定の前締め付けトルクまで圧縮し、アンロードされたファスナ20上のナット36と、緩められた接合部30との間でワッシャ1を所定の前締め付けトルクから圧縮軽減し、且つ/又はロードされたファスナ20上の締め付けられたナット36と締め付けられた接合部30との間で加圧されたワッシャ1に振動を与えることによって、ボルトねじ山腐食部分を充分に粉砕する。LSHTモードにおいて、工具10Bはロードされたファスナ20上の締め付けられたナット36と締め付けられた接合部30との間でワッシャ1を所定の締め付けトルクまで加圧し、且つ/又は前弛緩されたファスナ20上の着座されたナット36と前弛緩された接合部30との間でワッシャ1を所定の締め付けトルクから加圧する。
HSLTモードにおいて、工具10Aは、ファスナ20上のナット36、又はナット36及びワッシャ1の両方を1つの方向の回転力によってランダウンさせることによりナット36を着座させ、そして前締め付けされた接合部30上のプレロードされたファスナ20上のワッシャ1を所定の前締め付けトルクまで圧縮し、前弛緩された接合部30上の前弛緩されたファスナ20上の着座されたナット36又は着座されたナット36及び圧縮されたワッシャ1の両方を、反対方向の回転力で所定の前弛緩トルクからランアップさせ、又は加圧されたワッシャ1に被さる締め付けられたナット36に振動(衝撃)を与えることにより、ねじ山腐食部分を充分に粉砕するように振動を加える。LSHTモードにおいて、工具10Bは、前締め付けられた接合部30上のプレロードされたファスナ20上の圧縮されたワッシャ1上の着座されたナット36を、1つの方向の回転力で所定の締め付けトルクまで締め付け、そして反対方向の反力を圧縮されたワッシャ1に加え、又は締め付けられた接合部30上のロードされたファスナ20上の加圧されたワッシャ1に被さる締め付けられたナット36を、反対方向の回転力で所定の締め付けトルクから緩め、そして1つの方向の反力を加圧されたワッシャ1に加える。
動作中、LSHTモードにおける工具10Bは、ナット36を座から外し、所定の前弛緩トルクでワッシャ1を圧縮軽減すると、HSLTモードの工具10Aに切り換わる。動作中、HSLTモードにおける工具10Aは、ナット36を着座させ、所定の前締め付けトルクでワッシャ1を圧縮軽減するか、又はねじ山腐食部分を充分に粉砕すると、LSHTモードの工具10Bに切り換わる。なお、操作者は工具をLSHTモードからHSLTモードへ、又はその逆へ切り換えるためにモード・シフト集成体400を使用する。モード・シフト集成体400は手動スイッチであるが、しかし自動であってもよい。同様に、振動(衝撃)力集成体300の活性化又は非活性化も手動又は自動で行われてよい。なおLSHTモードは、トルク調節型から振動支援型へ、又はその反対へ切り換えることができ、HSLTモードは振動調節型からトルク支援型へ、又はその反対へ切り換えることができる。ワッシャ1が回転を始める又は終える場合にも、振動(衝撃)力集成体300は動作を続けることができる。また、LSHTモードはナット36を緩めるために振動で支援することにより、化学物質、熱、及び/又は潤滑腐食を克服し、そしてボルトねじ山のゴーリングを回避するのを助けることができる。
ファスナにトルクを加えると、面摩擦、ねじ山摩擦、並びにボルト荷重が生成される。摩擦とボルト荷重とは反比例する。摩擦が増大するのに伴って、発生するボルト荷重の量は減少する。ファスナが締め付けられる速度は摩擦の規模、ひいては閉じられるべき接合部内で発生するボルト荷重に際だった影響を及ぼす。有利には、Z(登録商標)ガンは、回転速度が高くなるのに伴って、ねじ山及びヘッド下の摩擦係数が減少するという原理を利用することができる。
Z(登録商標)ガンは例えば次のように動作する。作業がZ(登録商標)ガン-A1を使用して112インチのスタッドを238インチのナットで520ft−lbsのトルクまで締め付けることを必要とすると想定する。Z(登録商標)ガン-A1は300〜1200ft−lbsのトルク範囲のために使用される。Z(登録商標)ガン-A1は標準ドライブ・サイズ34インチの角ドライブを装備しており、11.92インチ×3.29インチ×9.47インチの寸法(L×W×H)を有している。ドライブ出力ハウジングの半径は1.98インチである。ハンドルの高さ及び幅はそれぞれ6.94インチ及び2.12インチである。ランダウン及び最終トルクのRPMはそれぞれ4000〜7である。工具の回転力は、フィルタ/調節器/潤滑器(FRL)によって供給される空気圧によって決定される。操作者はこの値のために相応の圧力/トルク換算表を参考にする。この場合、最終トルクの520ft−lbsは空気圧50psiに対応する。操作者は従ってFRLの空気供給圧力を50psiに設定する。
図3Bによれば、工具10AはHSLTモードにおいてフランジに当接するまでナット36をランダウンさせる。ワッシャ1’は着座されたナット36’と着座された接合部30’との間で圧縮される。ランダウン(HSLT)モードにおいて、シフタ(モード・シフト集成体400)は下方位置にあり、工具10Aは両手で保持される。
図3Cによれば、LSHTモードでトルク付与を開始するために、操作者はシフタ400を自分へ向かって上方位置に引張る。着座されたナット36’は係合され、外側反作用ソケット17は圧縮されたワッシャ1’を完全に取り囲むことを保証する。なお、両手が着座されたナット36’の周りの締め付けゾーンから安全に外れているので、ピンチ・ポイントはない。操作者は工具10Bが失速してもはや内側ドライブ・ソケット16を送ることがなくなるまでトリガを押し下げる。操作者は締め付けられたナット36’’及び加圧されたワッシャ1’’に520ft−lbsのトルクを加え、FRL圧力が位置されている限り、他のいずれのナットも同じ締め付け力を得る。図4A及び4Bは、締め付けられたファスナ20’’と、締め付けられたナット36’’と、加圧されたワッシャ1’’とを含む、締め付けられた接合部30’’を示している。
なお斜面8は、ワッシャ1が接合部におけるフランジとパイプとの間に形成される溶接フィレットをクリアすること、及び他のクリアランス問題を支援する。さらに斜面8は、外側反作用ソケットが、ワッシャ1と係合して回転可能に結合するのを支援する。逆さまのボルト締結用途での使用を可能にするために、斜面8は外側反作用ソケット17に加えられた変更を受け入れることもできる。
操作者は、締め付けられたナット36’’を除去するプロセスを逆転させ、ここではLSHTモードで開始する。時間及び腐食の作用により、ノット及び/又はボルトは締め付けようとするよりも取り外すことが難しくなる。特定のトルク値を達成することは弛緩に際しては重要ではないので、操作者は、FRL空気圧をその最大値まで又は最大値近くまで上昇させ、工具にほぼ全出力を与えることができる。指向性制御が弛緩するように切り換えられる。操作者は工具10Bをその用途に適用し、内側ドライブ・ソケット16を締め付けられたナット36’’上に位置決めし、そして外側反作用ソケット17を加圧されたワッシャ1’’上に位置決めする。操作者は速度セレクタ400を上方に向かって引張り、工具10Bを活性化し、そして続いて、締め付けられたナット36’’をこれが手で回転させることができるようになるまで緩め、加圧されたワッシャ1’’の反作用をオフにする。操作者は速度セレクタ400をHSLT位置へシフトさせることにより、ナット36をランオフさせる。思い出すべきなのは、振動力メカニズムはナットが締まっている間に活性化させることによって、ナットを緩める際にナットに全トルクを加える前に乾燥腐食部分を粉砕し得ることである。その結果、工業用ねじ山付きファスナを緩めるために必要なトルクを低減し、粉砕された乾燥グリースはねじ山部分に蓄積又は集中しない。
なお、図16〜23と関連する本明細書の部分は、HYTORC Z(登録商標)ガンの徹底的な考察を提供する。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケット。Z(登録商標)ワッシャの利点は、二重ドライブ同軸作用・反作用を有するHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットと共に使用すると最適化される。外側スリーブはZ(登録商標)ワッシャに対して反作用し、内側スリーブはワッシャ(の上面)と隣接するナット又はボルトヘッドを回転させる。本発明のいくつかの、そしてHYTORC(登録商標)独自の二重ソケット・システムは、これを正確に行う。何よりも、Z(登録商標)ソケットを有するZ(登録商標)ガンは最速且つ最も容易な形式で、このような反作用なしの技術の利点全てを得る。外側ソケットの部分はZ(登録商標)ワッシャを取り囲み、トルク工具のボディに設けられたスプラインと回転可能に結合する。内側ソケットは工具のドライブに結合し、ナットを回転させる。Z(登録商標)ガン衝撃アクションはナットを急速にランダウンさせ、次いでZ(登録商標)ワッシャに対して反作用しながら、制御型トルク付与モードに無理なくシフトする。外部のピンチ・ポイント又は望まれない側面荷重は存在しない。初めて、制御されたトルクが空気工具によって、速度及びフレキシビリティを犠牲にすることなしに可能になる。これらの独自のソケット集成体は、靱性及び安全性に関する適切なANSI標準の全てを超え、いかなる作業にも適するようにあらゆる種類のインチ及びメートル・サイズがある。
出願人はHYTORC(登録商標)WASHER(登録商標)関連の特許出願においてワッシャに関する重要な特徴を開示した。荷重軌道内に位置決めされたワッシャはナット(又はボルトヘッド)と共に回転するか、又は静止したままであり、決してワッシャは面摩擦及び荷重圧縮に起因してナットと反対方向に回転することはない。出願人による革新は、インラインワッシャの反作用をオフにする効果を決定づけた。ねじ山付き挿入体から得られる摩擦の利点にもかかわらず、HYTORC WASHER(登録商標)はこのような観察により実現可能である。
全般的に、本発明の閉じられるべき接合部はボルトとナットとによって締め付けられる。ボルトは、そのボルトヘッドに隣接する硬化ワッシャを有する状態で、接合部の孔を通して挿入される。ナットは、ジオメトリ的に係合可能な隣接する硬化ワッシャを有する状態で、ボルトに螺合される。内側作用ソケットはナットを回転させて接合部を締め付け、そして外側反作用ソケットは工具の反力をジオメトリ的に係合可能な硬化ワッシャに転移させる。接合部に対する作用トルクが増大するのに伴って、作用トルクの反力が比例的に増大する。回転可能に結合された外側ソケットは、硬化ワッシャとジオメトリ的に係合する。硬化ワッシャは反力に起因する操作者に対する工具の回転をなくする。
図5A、5B及び5Cは、二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体15を示す斜視図である。図5Aは集成断面斜視図である。図5Bは集成斜視図である。図5Cは分解斜視図である。図5Dは、締め付けられた接合部30’’上の二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体15の平面断面図である。
図3A及び3Bに示されているようなHSLTモードにおいて、ソケット集成体15は実質的に、回転力の振動形態をナット36及びワッシャ1へ1つの方向に転移させるためにある。図3Cに示されているようなLSHTモード、つまりその結果が図4A及び4Bに示されているLSHTモードにおいて、ソケット集成体15は実質的に、回転力の増倍形態をナット36へ1つの方向に転移させ、別の方向の対応する反力増倍形態を、定置物体として作用するワッシャ1へ転移させるためにある。
図5Aを参照すると、内側ドライブ・ソケット16は、ナット又はボルトヘッドと係合する手段51を備えた内縁52を含んでいる。外側反作用ソケット17は、ワッシャ外縁4又は外側ソケット係合手段9と係合するためのワッシャ1係合手段61を備えた下側内縁62を有している。内側ドライブ・ソケット16は外側反作用ソケット17の内部に実質的に配置されている。内側ソケットと外側ソケットとは、ソケット結合手段18を介して互いに結合されている。これらのソケットは、工具ハウジングを介して協働的且つ相対的に反対方向に回転可能である。下側内縁62及びそのワッシャ1係合手段61、並びにワッシャ1外縁4及びその外側ソケット係合手段9とは実質的に鉛直である。外側反作用ソケット17は、下側内縁62の底部に向かって内向きに傾斜したテーパ面を有する下側外縁63を含んでいる。内側ソケット16の底面54は外側ソケット17の下側内縁65の上面64上で且つ/又は上面64に被さるように回転する。なお、ソケット結合手段18は、HYTORC(登録商標)の液圧式角ドライブ工具と共に使用するように構成されている。ソケット結合手段18Aは、HYTORC(登録商標)の空気圧式及び電気式トルク・ガン、例えば工具10A(及び10B)と共に使用するように構成されている。
ワッシャ1は特に、環半径R1A、突出部半径R1L、刻み目半径R1K、及び中心孔半径R1Vを有している。ワッシャ1は高さH1W、第1斜面高さH1Bi、第2斜面高さH1Bii、刻み目高さH1K、及び斜面角度°1を有している。ナット36は、六角半径R36N及び高さH36Nを有している。外側反作用ソケット17はワッシャ係合半径R17Wを有している。ワッシャ係合半径R17Wは、ワッシャ/外側ソケットのギャップ幅G1Aを含む。このギャップ幅G1Aは、外側反作用ソケット17がワッシャ1に容易に係合するのを助ける。分離高さH1Lを有するボイド空間19は内側ソケット16と外側ソケット17との間の充分なクリアランスを提供する。内側ソケット16は上面64上で自由に回転することができる。
なお、任意の好適な係合ジオメトリ、例えば参照することにより本明細書中に援用されるHYTORC(登録商標)の特許及び特許出願に開示されたものが役立つ。しかし“FASTENING SOCKETS, WASHERS AND FASTENERS USED WITH THE WASHERS AND THE FASTENING SOCKETS”と題する2014年1月21日付けで発行された米国特許第8,631,724号に注目されたい。この原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。’724特許の外側ソケット係合手段はワッシャの外面と係合するのではなく、単に「外縁部分」と係合するにすぎず、これにより故障の確率を高める。
工具10Aの外側反作用ソケット17はHSLTモードではアイドル状態であり、不活性である。これは回転力増倍集成体200のハウジングとはスプライン係合されない。振動力集成体300の衝撃及び/又は振動力トランスミッタが、出力ドライブ・シャフトにスプライン係合される。出力ドライブ・シャフトは内側ドライブ・ソケット16を回転させることにより、ファスナ20上でナット36をランアップ又はランダウンさせる。しかしながら、工具10Bの外側反作用ソケット17は、ナット36の下側でワッシャ1と回転可能に結合され、ジオメトリ的に係合される。ナット36’が着座されると、圧縮されたワッシャ1’は定置物体として役立ち、この定置物体によって、回転力増倍集成体200のハウジングは反作用ソケット17を介して反作用する。回転力増倍集成体300のハウジングが静止状態で保持された状態で、回転力増倍トランスミッタは回転力出力ドライブ・シャフトを介して、着座されたナット36’’を締め付ける。
本発明の反作用ソケット集成体を有する任意の実施態様の動作中、ドライブ・ソケットはナット又はボルトヘッドを回転させる。このような工具の1実施態様の動作中、反作用ソケットはHSLTモード中では静止したままである。このような工具の別の実施態様の動作中、反作用ソケットはHSLTモード中ではドライブ・ソケットと同じ方向に回転するが、しかしLSHTモードでは静止したままである。またこのような工具の別の実施態様の動作中、反作用ソケットはHSLTモードでは静止したままであるか、又はドライブ・ソケットとは反対方向に回転するが、しかしLSHTモードでは静止したままである。
換言すれば、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中、ナット又はボルトヘッドと常に動作的に結合される。そして反作用ソケットは高抵抗トルク・モード中、反力を同軸的反作用面へ転移させるためにハウジング及び同軸的反作用面と動作的に結合され、低抵抗トルク・モード中又は間欠力モード中、ハウジング及び同軸的反作用面と動作的に結合され、又は低抵抗トルク・モード中又は間欠力モード中、ハウジングと動作的に結合され、且つ同軸的反作用面から動作的に解離される。
換言すれば、本発明のトルク出力工具は、ナット又はボルトヘッドを回転させるために二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体のドライブ・ソケットと結合するためのドライブ手段と、反力をワッシャに送るために二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体の反作用ソケットと結合するための反作用手段と、ドライブ手段と反作用手段との間の結合手段と、高速低トルク・モードと低速高トルク・モードとを含む少なくとも2つの動作モードとを含み、ドライブ手段と反作用手段との間の結合手段が高速低トルク・モードで活性化されると反作用ソケットは1つの方向に回転させられるが、しかし結合手段が高トルク低速モードで非活性化されるとワッシャを回転させない。
そして換言すれば、本発明のトルク出力工具は、ドライブ・ソケットをナット又はボルトヘッドに結合するためのドライブ手段と、反作用ソケットをワッシャに結合するための第1反作用手段及び第2反作用手段と、少なくとも2つの動作モード、すなわち高速低トルク・モード及び低速高トルク・モードとを含み、ドライブ・ソケットは両モード中にドライブ手段によって回転させられることによりナット又はボルトヘッドを回転させ、反作用ソケットはナット又はボルトヘッドの下側でワッシャに結合し、本発明のトルク出力工具はさらに、前記ワッシャが高規模の反力を吸収する間、前記反作用ソケットが低速高トルク・モードで回転するのを阻止する第1反作用手段と、操作者が低規模の反力を吸収する間、前記反作用ソケットが高速低トルク・モードで回転するのを阻止する第2反作用手段とを含む。この場合、スプラインアダプタを収容する回転力増倍集成体が第1反作用手段である。スプラインアダプタを有するモード・シフト集成体切り換えアームが第2反作用手段である。
本発明の二重ソケット、具体的には反作用スリーブ(ソケット)は、HYTORC(登録商標)の電気式、液圧式、及び空気圧式のトルク/テンションシステムとともに使用するように開発された。工具反作用システムと周囲の高速環境との間に最大限のクリアランスを提供するために、反作用スリーブの外径を最小化することが必要であった。反作用スリーブの外径を最小化するためには、作用ソケットの外径を最小化することも必要であった。
全般的には、本発明のスリーブ、ソケット、及びアダプタ・リングには数多くの部品ジオメトリが考え出された。HYTORC(登録商標)研究開発センターにおいてあらゆる可能な構成部分をプロトタイプ製造し、実験的に評価した。品質試験は、数え切れないほどのサイクルにわたって部品に特定の適用荷重を施すことを含んだ。材料及び熱処理の種々の選択肢も実験的に評価した。
なお、図16〜23と関連する本明細書の部分では、HYTORC Z(登録商標)ソケットが付加的に考察される。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャ−ファスナ半径方向係合差異。従来技術の反作用フィクスチャを備えたトルク工具の場合、反作用トルクは作用トルクと等しく、且つ作用トルクとは逆である。反作用アームによって加えられる反力は、近くの定置物体において遙かに大きい。反力は距離、すなわち反作用アーム長によって増倍される。実際に、工具の側面荷重、又は反作用当接力は、例えばドライブの回転力軸線から1/2フィードの距離にある当接点ではそのトルク出力の2倍〜4倍であり得る。このより大きい反力はその1つの場所にだけ集中する。必然的に、反作用アームは短ければ短いほど小さな反作用当接力を、ドライブの回転力軸線により近い当接点に転移させる。当然ながら、極端に短い反作用アームはトルク工具出力と同様の、しかし僅かに大きい規模の反作用当接力を転移させる。なぜならば、当接点がドライブの回転力軸線に極端に近いからである。
ねじ山の不規則性は不都合なねじ締結特性をもたらす。数ある欠点の中でも、側面荷重は、ナット及びボルトのねじ山を近くの側で巨大な力と関与させる。ここでは力は、ナットが回転すると、乾燥したグリースがその場所に蓄積するように加えられる。多くの場合、総ねじ山表面積の僅かな部分だけがボルトとナットとの間で係合する。このことはボルトねじ山にゴーリングを引き起こさせる。これにより、ナットを緩めるためには著しく高いトルク、ひいては著しく大きい側面荷重が必要となる。このような事象連鎖はボルト及びナットのねじ山を破壊する。回転力の全てがねじ山摩擦によって用いられる地点で、ファスナはロックアップするか、又は固着する。このことはファスナ又はファスナを回転させる工具の破損を招くおそれがある。
トルク出力工具は同じ腐食ファスナを緩めるためには多くの場合、不充分である。このような腐食ファスナは、締め付けトルクの2倍〜4倍高い弛緩トルク値を必要とし、弛緩を発生させるためにはより高出力の工具を必要とする。例えばタービン及びケーシングにおけるような高温ボルト締結用途は、通常は臨界的であり、極めて高い交換コストを伴う、ステンレスの、又は精密製造されたファスナを必要とする。加えて、最近評判が高い精密ねじ山ボルトの使用は、この問題を増大させる。
同様に、反作用トルクは、HYTORC(登録商標)二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体における作用トルクと等しく、且つ作用トルクとは逆である。しかし反力増強特性もまた適用可能である。HYTORC WASHER(登録商標)、及びHYTORC SMARTWASHER(登録商標)に関連する出願人の特許開示内容を再び参照すると、これらのワッシャはナットの半径とほぼ同様の半径を有した。これらのワッシャに加えられる反力は、等しく且つ逆の反作用トルクと同様の規模を有した。このことはなぜHYTORC WASHER(登録商標)及びSMARTWASHER(登録商標)が時々ナット又はボルトヘッドと共に回転したかを説明する助けとなる。
工業用ボルト締結の当業者は、比較的類似するファスナ構成部分サイズを用いる必要性を認識した。通常のボルト締結動作において、トルク付与されるのがボルトヘッドであるのか又はナットであるのかは重要でない。このことはもちろん、ボルトヘッド及びナット面が同じ直径を有しており、同じ摩擦係数をもたらすために接触面が同じであることを想定している。これらが同じでないのならば、このことは重要である。例えばナットはフランジを有し、ボルトヘッドはこれを有していない。ナットが締め付けられるが、しかしボルトヘッドは後で締め付けられると想定して締め付けトルクが決定される場合、ボルトは過剰ローディングされるおそれがある。典型的には、トルクの50%を用いて締め付け面下の摩擦を克服する。従って摩擦半径が小さければ小さいほど、より高いトルクがボルトのねじ山内に入ることになり、ひいては過剰に締め付けられる。逆も真ならば、つまりボルトヘッドが締め付けられ、次いでナットが後で締め付けられると想定してトルクが決定される場合、ボルトは締め付けが不足することになる。
丁度、極端に長い反作用アームが極端に大きい反力を近くの定置物体に加えるのと同様に、極端に短い反作用アームはトルク工具出力と同様の、しかし僅かに大きい規模の反作用当接力を加える。この意味では、外側反作用ソケット17は360°反作用アームと考えることができる。360°反作用アームは、トルク工具出力と同様の、しかし僅かに大きい規模の反作用当接力をワッシャ1の外縁4の周りに無限に加える。実際には、外側反作用ソケット17はより大きい反作用当接力をナット36の下側の反作用ワッシャ1に加える。これは、ナット36(内側ドライブ・ソケット16とジオメトリ的に係合する)よりも僅かに大きいワッシャ1(外側反作用ソケット17とジオメトリ的に係合する)を有することだけで達成することができる。ワッシャに関する出願人の基本的観察はこの新しい観察と相俟って、反作用するべき静止状態のワッシャを保証する。
図5Dを参照すると、加圧されたワッシャ1’’の外縁4は、締め付けられたナット36’’の外縁37を超えて延びている。特に、ワッシャ外縁4によって受容された別の方向94に作用する反力92は、ナット36によって受容された1つの方向93に作用する作用トルク91よりも大きい。加圧されたワッシャ1’’は、工具10Bの反力92を吸収するので、工具10Bは作用トルク91を着座されたナット36’に加え、そして僅かに大きいがしかし逆の反力92をワッシャ外縁4に加える。着座されたナット1’は回転するが、しかし圧縮されたワッシャ1’は静止したままである。このような相対位置決め、つまりワッシャ外縁4が回転中心、又は回転力軸線A10からナット外縁37よりも大きく離れていることが本発明の1つの革新的特徴である。反力92は回転力軸線A10から距離R1Aだけ離れた外側ソケット17の有効梃子腕を通して作用する。有効梃子腕はワッシャ1を静止状態に保持する傾向がある。外側多角形係合部分の半径に差異がある結果、ワッシャ1は、ファスナ20が締め付けられるか又は緩められるのに伴って、ナット36と共に回転するのではなく接合部30上で定置のまま留まる。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャの摩擦係数増大処理手段。図6を参照すると、この図は、摩擦係数増大処理手段60を有するように形成された支承底面3を示す底面図である。ナット36は平滑な支承上面2に隣接して示されている。摩擦力は粗い接触面3とフランジ面30との係合部分よりも、ナット36とワッシャ1との間の平滑な接触面2及び38の係合部分の方が低い。従ってナット36は回転する傾向があり、そしてワッシャ1は静止状態のままである傾向がある。
図6B、6C、6D及び6Eはこの現象を説明している。図6Bは、ナット36がトルク付与され、ワッシャ1の支承上面2に押し付けられるのを示している。ナット1の支承上面2及び支承底面38は平滑である。締め付けプロセス中、ナット36とワッシャ1との間の摩擦力71rは1つの方向92に作用する。ナット36の圧縮力Fnは、回転力軸線A10に沿ってワッシャ1に下方に向かって作用する。半径rは有効摩擦半径であり、又は回転力軸線A10からナット36の支承底面38の摩擦領域73rの中心までの距離である。
図6Cは、ワッシャ1が接合部30の支承面35に押し付けられているのを示している。支承面35とワッシャ1の支承底面3とは摩擦的に且つ荷重を伴って係合される。締め付けプロセス中、ワッシャ1と接合部30との間の摩擦力72Rは別の方向93に作用する。接合部30の圧縮力Fbは、回転力軸線A10に沿ってワッシャ1に上方に向かって作用する。半径Rは有効摩擦半径であり、又は回転力軸線A10からワッシャ1の支承底面3の摩擦領域74Rの中心までの距離である。
図6Dは、図6B及び6Cの組み合わせを示している。図6EはFn及びFbを示している。ファスナ20上に締まるナット36によって生成された圧縮力Fcはワッシャ1の両側で等しいので、Fn=Fb=Fcである。摩擦力(FR)=μ*Fcであり、式中、μは摩擦係数である。なお摩擦係数増大処理手段60の有効摩擦半径、又はRは、ナット36の有効摩擦半径、又はrよりも大きいので、Fc*R>Fc*rである。これは、ナット36とワッシャ1との間の摩擦を克服するためのトルクが、ワッシャ1の摩擦係数増大処理手段60と接合部30との間の摩擦を克服することになるトルクよりも小さいことを意味する。
図6Aの例に戻ると、摩擦係数増大処理手段60が例えば、内径R7を有する半径方向隆起刻み目パターン7として示されている。半径方向隆起刻み目パターン7は、ナット36の圧縮領域の下方にまだある状態で、トルク(TRMAX)を最大化するために、ほぼ最大半径RMAXで実現可能であるものと同じ距離で回転力軸線A10から離れた位置に位置決めされて示されている。クランプ力が増大するのに伴って、刻み目パターン7はフランジ面35の材料上に固定され、これによりワッシャ1がナット36と共に回転しようとする試みに抵抗する。摩擦係数μは一定のままであり、一定の圧縮力Fcで乗算されることにより、一定の摩擦力(Fb)をもたらす。反作用トルク(TR)はF*Rである。最大トルクはほぼ最大の半径、RMAXで達成することができるので、TRMAX=F*RMAXである。換言すれば、ワッシャ1の有効摩擦半径Rはナット36の有効摩擦半径rよりも大きい。全般的に、本発明のZ(登録商標)ワッシャの有効摩擦半径はナット又はボルトヘッドの有効摩擦半径よりも大きい。なお、伝統的なボルト締結用途、及び関連する力を記述するための力学原理(静力学、動力学など)は当業者によく知られている。
別の方法で説明すると、反作用トルクが加えられている間の、スライド又は回転に対するワッシャ1の抵抗は、荷重及び摩擦係数の関数である。下記表現は反作用ワッシャにおけるスライド力と、摩擦と、荷重と、トルクとの関係を示す。
スライド力抵抗=(摩擦係数)×(荷重)
R=μ*FN
式中、FR=力(抵抗)、μ=摩擦係数、及びFN=法線力(重力又は荷重)である。
ねじ山付きファスナにおいて、摩擦を克服し、スライド又は回転を生成するための力は、加えられたトルク及び摩擦半径の関数である。従って、スライドを生成するための力は次のように表現することができる。
S=(トルク)/(摩擦半径)
S=T/rF
式中、FR=力(スライド)、T=トルク、及びrF=有効摩擦半径である。従ってファスナにおいて、
S=FR
T/rF=μ*FN、従って
T=μ*rF*FN
である。
上記表現は、トルク下でのスライドに対する抵抗が摩擦面の摩擦係数、荷重、及び半径の関数であることを示している。この有効摩擦半径は通常、中心孔半径と支承外側面半径との平均として求められる。摩擦半径が増大するのに伴って、スライド又は回転に対する抵抗も増大する。従ってナット又はボルトの摩擦半径に対するワッシャ摩擦半径の増大手段が、ワッシャをナット又はボルトに対して固定することが明らかである。これらは等しく且つ逆のトルク力であるので、反作用ワッシャ、及びナット又はボルトは常に、同一の適用ボルト荷重トルク力を有することになる。同様の材料及び潤滑剤が全体に適用されると、摩擦係数はファスナにおいて同一である。従って、ワッシャ支承面の摩擦半径を増大させることによって、ワッシャが全ての締め付け状況においてナット又はボルトに対して固定されたままになることを保証することができる。
ワッシャ摩擦半径は、支承面を外方に向かって偏倚させることによって増大させられる。これは、最も内側の領域を無視して最も外側の支承面領域に表面フィーチャを加えることにより実現することができる。高い荷重、及び嵌合面の典型的な埋め込みにより、摩擦半径を効果的に増大させるためには、僅かな選択的表面コンディショニングしか必要とならない。
摩擦係数増大処理手段、例えば隆起刻み目フィーチャの位置及び占有面積、並びにナット又はボルトヘッドのフットプリントとの関係は、Z(登録商標)システムの効果を保証する。ワッシャの底面は、外方に向かって位置決めされた摩擦係数増大処理手段を含んでいる。この手段は、接合部の表面との係合のための摩擦部分を画定する。摩擦部分は底面の外周部分の周りに配置されており、ワッシャボディの全幅よりも小さな幅まで内方に向かって延びている。摩擦増強面はボルト荷重を維持することによってナットをロックアップする傾向があり、これにより意図しない弛緩を防止する。換言すれば、ワッシャの底面を粗面化することにより、ファスナの締め付け時又は弛緩時に接合部とワッシャとの間の著しい摩擦を保証する。ワッシャと接合部との間に発生する摩擦力は顕著であり、この摩擦力の作用により、ローディング時、及びアンローディングの初期段階中のワッシャの望ましくない回転を信頼性高く防止する。
意外なことに、摩擦増強面7がワッシャ1の底面3を完全に占有するか、或いは底面3の中心孔に、又は中心孔の比較的近くに位置決めされる場合には、実験的に反復可能な性能は得られない。大抵の場合、この形態では実験に失敗し、ワッシャ1はナット36と共に回転する。
Z(登録商標)ワッシャのコンセプトは、摩擦係数増大処理手段を有する外側リングだけでも同様に機能する。平滑な内側部分、すなわち内側面3Aと粗面化された外側部分との両方を有する必要はない。しかしワッシャの下側の種々異なる表面テクスチャは、底面全体に、そしてワッシャの下側と上側との間に摩擦的な偏倚を施すのを助ける。
本出願は、摩擦領域が外方に向かってシフトされた反作用タイプのワッシャ、例えばナットに対して半径方向外側に摩擦を偏倚する反作用ワッシャを定義し、主張し、そして保護しようとしている。これは新規且つ非自明の摩擦面半径方向シフトをもたらし、ワッシャがナットの前でスピンすることを防止する。摩擦偏倚のない従来技術の反作用タイプのワッシャは、特に硬質の表面上に使用される場合、スピンする傾向があった。これらは性能的には最低限度であり、理想的な表面上で理想的な条件においてしか機能しない。反作用タイプのワッシャのスピンはフランジ面の損傷、非効率的な工業用ボルト締結作業及びシステム・メンテナンス作業、及び経済損失を招き、好ましくなかった。本発明の摩擦係数増大処理手段が外側に位置決めされたワッシャは、傷のないフランジ面を維持し、工業用ボルト締結作業及びシステム・メンテナンス作業の効率を高め、経済損失を最小化する。
図5Dに戻ると、ワッシャ/ファスナの半径方向係合差異、つまりワッシャ1の外縁4が回転中心、又は回転力軸線A10からナット36の外縁37よりも大きく離れていることが、本発明の摩擦係数増大処理手段の別の実施態様として役立つ。より長い係合半径を有するより大きいワッシャ/フランジ表面積は、より短い係合半径を有するより小さなナット/ワッシャ表面積にわたって面摩擦を増大させる。
別の方法で説明すると、本発明のボルト締結用途では、ワッシャ−フランジ表面積相互作用によって発生する摩擦トルクは、ナット−ワッシャ表面積相互作用によって発生する摩擦トルクよりも大きい。ワッシャは定置のままなので、工具のハウジングに保持ソケットを回転不能に取り付けることができる。保持ソケットはワッシャの外側多角縁と係合される一方、締め付け工具はナットと作用可能に係合する。ワッシャは締め付け時にはナットの下側で圧縮され、工具のハウジングはワッシャに対して回転しないように固定される。ワッシャは、工具ハウジングの反作用モーメント及び反力を吸収する。反作用モーメント及び反力は締め付けトルクとは逆であり、工具ハウジングはこれを圧縮されたワッシャに送る。外部の反作用手段は必要ない。
図7A、8B及び7Cは、種々のワッシャ寸法、及び摩擦係数増大処理手段、例えば筋状の刻み目の幅を示している。図7Aは、比較的小さなサイズのM14ボルトと共に使用するための内側ボイド、又は中心孔57Aを有するワッシャ17Aを示している。筋状の刻み目77Aが支承下面37Aの表面積の大部分を取り囲んでいる。とはいえ、支承下面37Aはボイド57Aに隣接して平滑な内側面3A7Aを有している。実際には平滑な内側面3A7Aが、ファスナ20を受容するボイド57Aと、筋状の刻み目77Aとの間に形成されている。ワッシャ17Aは内側半径rin7A、外側半径rout7A、内側刻み目半径rinK7A、外側刻み目半径routK7A、及び突出部半径rL7Aを有している。類似の寸法を適用することもできるが、しかし図7B及び7Bには示されていない。
思い出すべきなのは、HYTORC WASHER(登録商標)及びHYTORC SMARTWASHER(登録商標)が、ボルト締結用途に不要の高さを加えたことである。本発明のZ(登録商標)ワッシャの厚さは典型的にはその外径よりも小さい。例えば図に開示されたワッシャの外径D1Aに対する厚さH1Wの平均比は約0.08であり、0.04〜0.12であってよい。他の比も本発明のZ(登録商標)ワッシャを表す。他の比は次のものを含む。すなわち、ナットの高さH36Nに対するワッシャの高さH1Wの平均比が約0.170であり、0.10〜0.30であってよく、ナットの直径D36に対するワッシャの直径D1Aの平均比が約1.10であり、0.80〜1.40であってよい。これらの比は説明を目的として示したにすぎない。
なお、Z(登録商標)システムの摩擦偏倚の重要な特徴を定量化することは難しい。例えば、ワッシャ及びナット(又はボルトヘッド)の相対表面積は、Z(登録商標)システムを用いた摩擦偏倚結果を最小限にしかもたらさない。実際に、比較的小さなねじ山付きファスナは、比較的大きなねじ山付きファスナよりも種々異なる比を有する場合がある。
最も有益なデータはワッシャ及びねじ山付きファスナの有効摩擦半径の計算を伴う。Z(登録商標)ワッシャは極めて信頼性高く機能する。なぜならば、摩擦係数増大処理手段が中心孔から外縁へ向かって選択的に偏倚されているからである。ワッシャの有効摩擦半径はねじ山付きファスナの有効摩擦半径よりも大きい。例えば底面に半径方向筋状の摩擦係数増大処理手段を有するワッシャの有効摩擦半径はその筋の中心である。なお、この考察は、Z(登録商標)ワッシャの使用により、ボルト荷重がナット又はボルトヘッドの下で均一に分配される理想的な事例を正しく想定している。
なお、摩擦増強は多くの用途において必要でない場合があるものの、これらは相対ワッシャ/ファスナ表面積又は係合半径、相対ファスナ/接合部材料硬度、及び相対ファスナ/接合部表面処理、例えば潤滑剤(モリコートなど)又は塗膜(塗料など)とは無関係に全ての用途においてワッシャが静止したまま留まることを保証する。摩擦増強は、スタッド及び/又はナット上に存在する荷重が極めて僅かであるか又は全くない締め付けプロセス開始時にインパクトが強い。この摩擦偏倚はワッシャ保持をいつでも開始する。
或いは、摩擦係数増大処理手段は、粗面部、多角形面、スプライン、刻み目、スパイク、溝、スロット、突出点、スコアリング、又は他のこのような突起を含む。他の選択肢は、プレス嵌め突起、同心的又はらせん状のリング、半径方向リッフル又は歯列、ワッフル・パターンなどを含む。外側表面領域が、強制的にフランジ面とより攻撃な相互作用を有するようにする任意の動作、例えば刻み目付け、サンディング、ブラスティング、ミリング、機械加工、鍛造、鋳造、フォーミング、シェイピング、粗面化、スタンピング、彫刻、パンチング、曲げ、又は単なる内側領域の除去を選択的に行うことで充分である。なお、このような摩擦係数増大処理手段の組み合わせを利用してもよい。ワッシャ1(外側反作用ソケット17と係合する)がナット36(内側ドライブ・ソケット16と係合する)よりも僅かに大きい場合、摩擦係数増大処理手段は、必要とされない場合があり、ワッシャ底面の周りの任意の場所に位置決めされてよく、又はワッシャ底面の周りのナット又はボルトヘッドの有効摩擦半径を実質的に超えて位置決めされてよい。本発明の特性を得るためには、ワッシャ底面は平らであれば充分である。しかしながら、対向する摩擦面は外方に向かってテーパされていてもよく、これにより摩擦リングの外縁は内縁よりも厚い。しかし必要な場合には、ワッシャ、ひいてはその底面は湾曲を有することもできる。接合部に向かって凸面状の湾曲を有すると、特に良好な結果が得られる。これは、2008年12月9日付けで発行された“Reactive Biasing Fasteners”と題する米国特許第7,462,007号に開示されている。原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。しかし、本発明のワッシャは細長いボルトに軸線方向の偏倚力を与えることはない。
全般的に、工業用ボルト締結のための本発明の反作用ワッシャは、トルク付与装置との回転結合を可能にする外形と、不連続であり且つ中心孔から外方の領域内で選択的に偏倚される支承摩擦下面領域とを含む。これらの表面摩擦フィーチャは、中心孔の半径近くの領域部分を除いて、ワッシャの下面に選択的に形成される。これらの表面摩擦フィーチャは、刻み目付け、サンディング、ブラスティング、ミリング、機械加工、鍛造、鋳造、フォーミング、シェイピング、粗面化、スタンピング、彫刻、パンチング、曲げを介して形成されてよい。表面摩擦フィーチャは、反作用ワッシャ孔の近くの材料を単に除去することによって形成されてもよい。表面摩擦フィーチャは、孔から外方の領域内に形成された不連続な面、及び/又はテクスチャを有するように形成され、且つ/又は単独で、ランダムに、任意の列配列で位置決めされてもよい。
別のZ(登録商標)ワッシャ・ジオメトリ。図8A〜8Lはワッシャ1の別の形状を示している。本発明のワッシャは、相応の適宜の又はほぼ同一のジオメトリで成形された外側ソケットの内縁(及びその対応係合手段)と回転不能に係合するのに適した任意のジオメトリで成形された外縁(及びその対応係合手段)を有してよい。Z(登録商標)ワッシャ1の標準の商業的形状は「花パターン」ワッシャである。花パターンは、内方に向かって延びる凹面状部分と外方に向かって延びる凸面状部分とを含み、これらの部分は、ワッシャの中心点でセンタリングされる仮想基準円の周りで半径方向に交互に繰り返し提供されている。図8B、8E、8G、8H、及び8Iは、このような花状ワッシャの明らかな派生物である。なお、図8Kは多面形状係合を示し、そして図8Jはスプライン係合を示している。これら双方は、係合歯数を増大させて成形された花と考えることができる。
他の好適なジオメトリは、三角形、曲線三角形、正方形、長方形、平行四辺形、菱形、台形、不等辺四辺形、凧形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、外側突起を有する円形、楕円形、又は卵形のような形状を含む。なお、任意の適宜の形状を有する外縁は、本発明のZ(登録商標)ソケットとの係合を容易にするために、角を有するのではなく湾曲していてよい。
図8D1、8D2、及び8D3は、種々の出力工具と共に使用するための図8DのZ(登録商標)ワッシャ18Dの実施態様を示している。ワッシャ18Dのそれぞれ上面、底面、及び側方の斜視図、並びに断面図が示されている。全般的には、ワッシャ18Dは「8D」下付文字を除いて図1A、1B及び1Cに示されたものと同様の寸法及び特徴を有する環状六角形状を有している。ワッシャ18Dの六角形状は、半径方向に延びる側方コーナー68Aを含む。これらの側方コーナーは六角形様形状を形成する。全般的に、支承上面28Dは平滑であり表面摩擦がより低く、そして支承底面38Dは摩擦増強手段又は底面コーナー78Dを有しており,表面摩擦がより高い。なお、支承上面上には潤滑剤を使用して、支承上面28Dとねじ山付きナット36、又は任意のその他のこのようなねじ山付きファスナとの間の表面摩擦を低減することができる。半径方向の底面コーナー78Dは支承底面38Dの表面摩擦を高める。図示していない側方コーナー68Dは、支承上面28Dと支承側面48Dとの間に形成された、所定の角度を成す斜面88Dを含んでいてよい。このような斜面88Dは、テーパ面と係合歯とを含む外縁部分を形成することができる。テーパ面は外向きに、支承底面38D及び支承側面48Dに向かって徐々に傾斜している。
ワッシャ18Dは特に、環半径R8A、突出部半径R8L、刻み目半径R81K、及びボイド半径R8Vを有している。ワッシャ1は高さH8、第1斜面高さH8Bi、第2斜面高さH8Bii、刻み目高さH8K、及び斜面角度°8を有している。このような斜面88Aは、ワッシャ18Aがフランジの角半径をクリアすること、及び他のクリアランス問題を支援する。さらに斜面8は、外側反作用ソケットが、ワッシャ1と係合して回転可能に結合するのを支援する。逆さまのボルト締結用途を可能にするために、斜面8は外側反作用ソケット17に加えられた変更を受け入れることもできる。
Z(登録商標)ワッシャの摩擦係数増大処理手段の別の配置。図8D4〜8D10は、フランジ面に対する摩擦が比較的高く、そしてナットに対する摩擦が比較的低い、摩擦偏倚面の種々の反復を有するワッシャ18Dを示している。換言すれば、種々のタイプ、サイズ、及び場所の摩擦係数増大処理手段を有するワッシャ18Dが示されている。なお、これらのバリエーションはワッシャ18Dを用いて示されているが、しかし本発明において開示された全ての反作用ワッシャに当てはまる。図8D4は摩擦増強手段を有さず、単に平滑な底面を有するものとして示されている。図8D5は、中心孔に近接した材料を除去することによってワッシャの底面内部に埋め込まれた状態で形成された摩擦増強手段とともに示されている。図8D6は、底面の外縁部分に形成された比較的細い筋状の摩擦増強手段を示している。図8D7は、底面の内縁と外縁部分とから等距離のところに形成された比較的太い筋状の摩擦増強手段を示している。図8D8は、底面の外縁から1X、そして内縁から2Xの距離のところに形成された幅1Xの比較的細い筋状の摩擦増強手段を示している。図8D9は摩擦増強手段を示しており、この場合、鋭いエッジを有する下方に向かって傾斜するリングが底面の外縁に形成されている。湾曲して示されたワッシャ18D5は、細長いボルトに軸線方向の偏倚力を与えない。或いはワッシャ18D5は、鋭いエッジを除いて高さに変化がなくてもよい。
図8D10に示されているように、本発明のワッシャは、外側反作用ソケットとの積極的なロック係合のための形態を備えていてもよい。このような積極的なロック係合手段はワッシャ18Dの外縁に形成された凹部である。外側反作用ソケットは、ハンズフリー操作を可能にするための対応係合手段を含み、そしてナットが着座されると、逆さまのボルト締結用途でハンズフリー操作が行われる。
従来技術の摩擦面を有する工業用ボルト締結のための反作用様式ワッシャの開示では、このような摩擦面の場所の重要性も占有範囲の重要性も論じられていない。出願人の発見によれば、摩擦係数増大処理手段は、ボルト近くのワッシャ内側半径、又はワッシャの下面全体に配置されると、ワッシャの運動、又はナットと共に回転を引き起こす傾向がある。これらの戦略は辛うじて成功し、ワッシャが静止するときもあった。換言すれば、ワッシャ下面のより広い部分、全体、及び/又は内側部分にわたるより多くの摩擦処理は、より小さな且つ/又は外側部分にわたる摩擦処理よりも効果が著しく劣る。
Z(登録商標)ワッシャと使用するための別のファスナ及びZ(登録商標)ソケットのタイプ。図9Aは、盲孔内に螺合したボルトヘッド20Aを有するボルト、及び二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体15と共に使用するためのワッシャ18Dを示している。図9Bは、盲孔内に螺合した穴付きボルト20B、及び改変型二重ドライブ同軸作用・反作用ソケット集成体15Cと共に使用するためのワッシャ18Dを示している。種々のファスナ・ジオメトリは、図9Bに示されているような相応の設計変更を有するZ(登録商標)システムの工具、部品、及び付属品と使用してよい。改変型ソケット集成体15Cは、作用ソケット16ではなく雄ファスナ・ドライブ係合手段16Cを含む。
低減されたZ(登録商標)ワッシャ表面積。図10は、加圧されたワッシャ110A’’の外縁410Aが締め付けられたナット36’’の外縁37から縮小していることを除けば図5Dと同様である。特に、ワッシャ外縁410Aによって受容される別の方向94に作用する反作用トルク力9210Aは、ナット36によって受容される1つの方向93に作用する作用トルク力91よりも小さい。加圧されたワッシャ110A’’は、工具10Bの反作用トルク力9210Aを吸収するので、工具10Bは着座されたナット36’に作用トルク91を加え、ワッシャ外縁410Aにはより低い反力9210Aを加える。ワッシャ110Aがナット36と共に回転するのを防止するためには、アグレッシブな摩擦増強手段710Aが必要である。着座されたナット36’は回転するが、しかしワッシャ110A’は静止したままである。このような相対位置決め、つまり摩擦増強手段710A、ひいては110Aの有効摩擦半径が回転中心、又は回転力軸線A10からナット36の有効摩擦半径よりも大きく離れていることが本発明の1つの革新的特徴である。反力9210Aは回転力軸線A10からほぼ距離R10Aだけ離れた外側ソケット17Aを通して作用する。外側ソケット17はワッシャ110Aを静止状態に保持する傾向がある。有効摩擦半径に差異がある結果、ワッシャ110Aは、ファスナ20が締め付けられるか又は緩められるのに伴って、ナット36と共に回転するのではなく接合部30上で定置のまま留まる。なお、内側ソケット16の底面54は外側ソケット17Aの下側内縁65Aの上面64上で且つ/又は上面64に被さるように回転する。この場合、内側ソケット16及び外側ソケット17Aは、上面64Aの表面積がより大きいので付加的な面摩擦を被ることがある。
換言すれば、ナット又はボルトヘッドの外縁と共に終わるか、又は外縁から短くなっている外縁を有するワッシャは、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)と共に使用することができる。このような事例において、ワッシャの有効摩擦半径がナット又はボルトヘッドの有効摩擦半径よりも大きいことを保証するためには、アグレッシブな摩擦係数増大処理手段でワッシャの底面が形成されることが必要である。ワッシャの外縁によって受容される反力が、ナット又はボルトヘッド外縁によって受容される作用トルクにほぼ等しいか又はこれよりも低い場合でも、アグレッシブな摩擦増強手段によってよい結果が生じ得る。これらの状況において、このようなアグレッシブな摩擦増強手段は、粗面部、多角形面、スプライン、刻み目、スパイク、溝、スロット、突出点、又は他のこのような突起を含んでよい。アグレッシブな摩擦係数増大処理手段をR20を超えてオフセットすることも、なおもこの事例における重要なフィーチャである。なお、改変型外側ソケット17Aはワッシャ1と係合し、回転可能に結合するように高度なデザインを必要とする。また改変型外側ソケット17Aは、逆さまのボトル締結用途を可能にする。
別のZ(登録商標)ソケット・サイズ。図11A、11B、及び11Cは、真直ぐな壁を有する外側ソケット1711Aと、テーパ壁を有する外側ソケット1711B及び1711Cとを含む、種々の反作用ソケット・サイズを示している。これらのバリエーションは、種々異なるサイズのねじ山付きファスナ及びHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャが同じZ(登録商標)ガンと共に使用されるのを可能にする。必要に応じて他の形態を使用してもよい。
HYTORC(登録商標)トルク工具に適用されるZ(登録商標)システム。HYTORC(登録商標)は、通常クリアランス、低クリアランス、及びオフセット・リンク・ボルト締結用途のための一連の電気、液圧、及び空気圧動作式トルク出力工具モデルにZ(登録商標)システムを適合させるスプラインアダプタ、及び反作用プレートを開発した。図12Aは、図5A、5B、5C及び5Dに関連して論じたような、ソケット結合手段、又はスプラインアダプタ18及び18Aを示す。スプラインアダプタ18Aは、HYTORC(登録商標)空気圧式及び電気式トルクガン、例えばやはり図12Bに示されているようなZ(登録商標)10A(及び10B)と共に使用するように設計されている。これは内側及び外側にスプライン係合部分を有する環状環として成形されている。二重ドライブ・ソケット15の内側ドライブ・ソケット16と外側反作用ソケット17とは、そして工具ハウジング及び/又は他の周知且つ/又は独自の手段を通してソケット結合手段18Aを介して、LSHTモードでは互いに且つ相対回転可能に協働的に結合される。
図12Cに示されているように、スプラインアダプタ18は出願人の液圧式トルク工具、例えばHYTORC(登録商標)ICE(登録商標)10C及びHYTORC(登録商標)AVANTI(登録商標)10D、及びその他のこのような工具と共に使用し得るように構成されている。これは、異なる半径を有する互いに融合された上側部分と下側部分とを備えた段状の環リングとして成形されている。上側リングは、工具10C及び10Dのスプライン付き反作用支持部分19A及び19Bと回転不能に係合するための、半径がより短い内側スプライン付き係合部を有している。下側リングは、外側反作用ソケット16に設けられたスプライン部分と回転不能に係合するための、半径がより長い外側スプライン付き係合部を有している。二重ドライブ・ソケット15Aの内側ドライブ・ソケット16及び外側反作用ソケット17は、工具ハウジング及び/又は他の周知且つ/又は独自の手段を通してソケット結合手段18Aを介して、互いに且つ相対回転可能に協働的に結合される。
図13A及び13Bは、主に低クリアランス・ボルト締結用途のために構成されたHYTORC(登録商標)STEALTH(登録商標)10Eと共に使用するためのZ(登録商標)反作用パッド17Bを示している。反作用パッド17Bは、STEALTH(登録商標)10Eの寸法に適合させるように成形されており、そしてピン又はねじを介して工具ハウジングに回転不能に取り付けられる。Z(登録商標)パッド17BはZ(登録商標)ワッシャ1に回転不能に係合する。
HYTORC(登録商標)オフセット・リンクに適用されるZ(登録商標)システム。Z(登録商標)システムの利点は、独自の二重ドライブ交換可能オフセット・リンク、例えば装置80によって達成することができる。リンク80は、HYTORC(登録商標)独自の同軸作用・反作用トルク工具、例えばHYTORC(登録商標)ICE(登録商標)10C液圧式トルク工具又はHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガン10B(又は10A)空気圧式トルク増倍工具によって動力を供給される。他のこのような工具は、HYTORC(登録商標)独自のjGUN(登録商標)Single Speed、jGUN(登録商標)Dual Speed Plus、AVANTI(登録商標)10D及び/又はSTEALTH(登録商標)10Eを含む。他のこのような独自の二重ドライブ交換可能オフセット・リンクは、下記共通の所有者による同時係属中の特許明細書に充分に開示され、これらの原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。“APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS”と題する2014年4月24日付けで出願された国際出願PCT/US2014/035375号、及び“APPARATUS FOR TIGHTENING THREADED FASTENERS”と題する2014年2月18日付けで出願された米国特許出願第61/940,919号。
図14A及び14Bは、ねじ山付きファスナ(図示せず)をZ(登録商標)ワッシャ1上で締め付けるか又は緩めるためにHYTORC(登録商標)ICE(登録商標)10Cからのトルクを伝達及び増倍するためのオフセット・ドライブ・リンク集成体80の上面及び底面斜視図である。リンク80は、駆動力入力集成体81と、駆動力出力集成体82と、反力集成体83とを含む。
一般に、締め付け動作中、Z(登録商標)ワッシャ1の刻み目付き底面は、閉じられるべき接合部上に位置する一方、締め付けられるべきナット又はボルトヘッドの底面はZ(登録商標)ワッシャ1の平滑な上面上に位置している。Z(登録商標)ワッシャ1の外縁は、反力集成体83の外側反作用ソケットの凹部と回転不能に係合し、この凹部内で反作用する。その間に駆動力出力集成体82の内側ソケットはZ(登録商標)ワッシャ1上でナット又はボルトヘッドを締め付ける。
オフセット・ドライブ・リンク集成体が、例えば突出するねじ山、制限されたクリアランス、及び障害物により以前には到達できなかったファスナへのアクセスを可能にし、以前は使用できなかった電気式、液圧式、手動式、及び/又は空気圧式に駆動される装置を実用的にし、以前は使用できなかった先端材料、例えば航空機グレードのアルミニウムを実現可能にし、モジュール構成部分、例えば六角レデューシング及びインクリーシング・ドライブブシュ、雄・雌ドライブ・アダプタを、ボルト締結用途の特徴に見合うように形成し、正確でカスタマイズされたトルク増倍をもたらし、駆動力及び反力の印加を制御し、腐食、ねじ山及び面の変形を克服し、ボルトねじ山の摩耗を回避し、側面荷重を無効にし、対称的な接合圧縮のために、バランスがとれたボルト荷重を保証し、リンクと工具との使用を単純化し、操作者のエラーのリスクを最小化し、そしてボルト締結安全性を最大化すると有利である。
HYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャと共に使用されるHYTORC(登録商標)Z(登録商標)システム。図15A〜15Gによれば、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)システムの使用中、動作時の相対摩擦条件に応じてバックナット又はボルトヘッドが回転するのを防止することが必要な場合がある。必要な場合には、操作者はバックナット又はボルトヘッド22の下側にHYTORC(登録商標)独自の両面摩擦ワッシャ85を挿入する。その2つの摩擦増強面86及び87はボルトヘッド22が、特に荷重がボルト24に加えられ始めるとすぐに回転するのを防止する。全般的に、Z(登録商標)ワッシャ1に関連する摩擦に関する考察は、摩擦増強面86及び87にも当てはまる。Z(登録商標)ワッシャ1の下側支承面3におけるのと同様の利点が、面83及び87上に摩擦増強手段を戦略的に配置することにより達成される。
換言すれば、HYTORC(登録商標)独自のワッシャシステム、又は二重カウンタトルク・ワッシャシステムは、外部反力係合手段と、締め付けられるべき又は緩められるべきナット又はボルトヘッドの下側で使用するための1つの摩擦面とを有する第1ワッシャ(例えばZ(登録商標)1)、及び接合部の他方の側でナット又はボルトヘッドの下側で使用するための2つの摩擦面を有する第2ワッシャ(例えば両面摩擦ワッシャ85)を含む。この二重カウンタトルク・ワッシャシステムは、スタッド又はボルトが共に回転するのを阻止することにより、ファスナのねじ山摩擦及び面摩擦を制御してトルクからボルト荷重へのより良好な変換を達成する。なお、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャに関して考察されたいかなる摩擦係数増大処理手段も、HYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャ85に当てはまる。
なお、この二重カウンタトルク・ワッシャシステムは、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)システムの任意の部分、任意の組み合わせ、又は全てと共に使用することができる。思い出すべきなのは、トルクの摩擦が未知であり、テンションのボルトの緩みが未知であることである。このワッシャシステムは一組で制御不能の面摩擦及び制御不能の側面荷重を排除し、これによりトルク及びテンションのボルト荷重精度を改善する。
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガン(詳細)。一例として図16A及び16Bを参照すると、これらの図面は、本来HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンとして図3A〜3Cに示された工具10A及び10Bを示す斜視図である。工具10A及び10Bは、駆動力入力・出力集成体100と、回転力増倍集成体200と、振動力集成体300と、モード・シフト集成体400と、二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15、又はHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケットとを含む。
一例として図17Aを参照すると、これは、工具10Aを「LSHT」モードで示す側方断面図である。図17Bを参照すると、これは、工具10Bを「HSLT」モードで示す側方断面図である。
図17A及び17Bは、工具10A及び10Bのドライブ入力・出力集成体100を示している。ドライブ入力構成部分は、駆動力生成メカニズム102と、ハンドル集成体103と、切り換えメカニズム104とを含有する駆動工具ハウジング101を含むことができる。駆動力生成メカニズム102は1つの方向93にトルク回転力91を生成することによりナット36を回転させ、そして液圧式、空気圧式、電気式、又は手動式モータを含むモータ駆動手段として形成されたものとして示されている。駆動工具ハウジング101は概ね、操作者によって保持されるハンドル集成体103を備えた円筒体として示されている。ハンドル集成体103は、駆動力生成メカニズム102を不動作位置と動作位置との間で、及びその逆に切り換えるための切り換えメカニズム104を含む。回転力入力シャフト121は、駆動力入力・出力集成体100の駆動力入力構成部分を、回転力増倍集成体200及び振動力集成体300と結合し、そして前記集成体の間に回転力91を転移させる。回転力出力シャフト122は駆動部分123を含む。駆動部分は例えば角ドライブとして形成することができる。回転力出力シャフト122は駆動力入力・出力集成体100の駆動力出力構成部分を、回転力増倍集成体200及び振動力集成体300と結合し、回転力91の増倍形態又は振動形態を前記集成体及び二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15の間に転移させる。1つの動作モードでは、反力スプラインアダプタ443は反対方向94のトルク反力92を受容する。
図18は、工具10Aの回転力増倍集成体200及び振動力集成体300をLSHTモードで示す側方断面図である。図18はまた駆動力入力・出力集成体100の部分を示している。他の図には示されていない構成部分には、回転力出力シャフト軸受け191が含まれる。図19は、工具10A及び工具10Bの駆動工具ハウジング集成体101、駆動工具ハンドル集成体103、及び関連内部構成部分を示す斜視断面図である。図示された構成部分は、ハンドル・リアカバー131と、リアカバー131及びハウジング101の後部に隣接するガスケット137と、モータ集成体102と、ドエルピン135によって所定の場所に保持された外側空気弁133及び内側空気弁134を有する空気弁集成体132とを含む。リアカバー131はハウジング101の後部に取り付けられ、BHCSトルクねじ136によってハウジング101内のこのような構成部分を保持している。トリガ集成体150は切り換えメカニズム104と、ばね151と、トリガ・シャフト・ブッシュ152と、トリガ・ロッド153とを含む。ハンドル103は、制御弁157及びドエルピン156を備えた制御弁集成体と、円錐ばね161と、調節器弁スペーサ162と、1つは制御弁集成体155と内部調節器ハウジング164との間に形成され、1つは内部調節器ハウジング164と底部プレート173との間に形成されたOリング163とを含む。底部プレート173とノイズ・フィルタ172との間には網目スクリーン171が形成されている。穴付きボルト174はこのような構成部分、及びガスケット176を有する底部プレート173をハンドル集成体103に結合する。エア・フィッティング715が底部プレート173から突出しており、内部調節器ハウジング164に結合している。ハンドル押しボタン集成体180(図示せず)は操作者が回転力方向を変えるのを可能にし、押しボタンハンドル挿入体181と、押しボタンラック182と、ばね183と、コネクタ184とを含む。
回転力増倍集成体200は、複数の回転力増倍トランスミッタ集成体を含む、実質的にLSHTモードのための、回転力増倍メカニズム・ハウジング201内の回転力増倍メカニズム210を含んでいる。図17A及び17Bにおいて示された実施態様では、回転力増倍集成体200は5つの増倍トランスミッタ集成体211,212,213,214及び215を含んでいる。言うまでもなく、数多くの周知のタイプの力増倍メカニズムがある。全般的に、回転力増倍トランスミッタ集成体211〜215は、回転力増倍メカニズム210、複合エピサイクリック・ギア・システムを形成する。複合エピサイクリック・ギア・システムは、中心の太陽歯車の周りを回る複数の外側遊星歯車を含んでよい。遊星歯車は可動キャリア上に取り付けられていてよく、これらのキャリア自体は太陽歯車に対して回転することができる。このような複合エピサイクリック・ギア・システムは、遊星歯車と噛み合う外側リングギアを含んでよい。単純エピサイクリック・ギア・システムは1つの太陽と、1つのリングと、1つのキャリアと、1つの遊星集合とを有している。複合エピサイクリック・ギア・システムは、噛み合い遊星構造、段階遊星構造、及び/又は多段遊星構造を含むことができる。単純エピサイクリック・ギア・システムと比較して、複合エピサイクリック・ギア・システムの利点は、より大きい減速比、より高いトルク対重量比、及びよりフレキシブルな形態である。
回転力増倍トランスミッタ集成体211〜215はギアケージ、遊星歯車、遊星歯車、リングギア、太陽歯車、揺動歯車、サイクロイド歯車、エピサイクリック・ギア、コネクタ、スペーサ、シフト・リング、保持リング、ブシュ、軸受け、キャップ、伝動歯車、伝動シャフト、位置決めピン、駆動ホイール、ばね、又はこれらの任意の組み合わせ又は部分を含んでよい。回転力増倍トランスミッタ、例えば211−215は他の同様の構成部分を含んでよい。なお、回転力入力シャフト121を回転力増倍トランスミッタと考えてもよく、具体的にはこれは回転力増倍トランスミッタ211の第1段モータ太陽歯車である。回転力倍増集成体はよく知られており、開示され説明されている。一例が出願人の米国特許第7,950,309号に開示され説明されている。この原稿全体は参照することにより本明細書中に援用される。
図18は、回転力増倍集成体200の部分を、図17A及び17Bよりも詳細に示す図である。図18に示され図17A及び17Bに示されていない回転力増倍集成体200の構成部分は、ロックナット250と、ロックワッシャ249と、軸受け241と、ハウジング・アダプタ247と、軸受けスペーサ252と、内側保持リング243と、軸受け242と、ギアボックス・コネクタ248と、上側及び下側の内側保持リング251と、上側及び下側の玉軸受け246と、二重シールされた軸受け244と、内側保持リング245とを含む。
振動力集成体300は、1つ又は複数の振動トランスミッタを含む、実質的にHSLTモードのための、振動力メカニズム・ハウジング301内の振動力メカニズム310を含んでいる。図17A及び17Bに示された実施態様では、振動力集成体300は2つの振動トランスミッタ、特に衝撃トランスミッタ311及び312を含んでいる。言うまでもなく、種々の周知の振動力メカニズムがあり、そしてしばしば、アンビル及び回転ハンマから成る衝撃力メカニズムを伴う。ハンマはモータによって回転させられ、アンビルは回転抵抗を有する。それぞれの衝撃はハンマ力を与える。このハンマ力は出力ドライブに送られる。
全般的には、振動力集成体は振動力メカニズム、例えば超音波力トランスミッタを含む超音波力メカニズム、質量不均衡力トランスミッタを含む質量不均衡力メカニズム、又は時間依存性外乱(荷重、変位、又は速度)力トランスミッタを含む任意の他の時間依存性外乱(荷重、変位、又は速度)メカニズムを含んでよい。さらなる振動力集成体は、ハンマ、アンビル、コネクタ、スペーサ、シフト・リング保持リング、ブシュ、軸受け、キャップ、伝動ギア、伝動シャフト、位置決めピン、駆動ホイール、ばね、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。振動トランスミッタ、例えば311及び312は、他の周知の同様の構成部分を含んでもよい。図18はまたドエルピン320を示している。
全般的には、工具10A及び10BのRPMは、トルク出力が増大するのに伴って低下する。振動力メカニズム310の活性化又は非活性化は或いは、RPMが低下するか又は所定の数値を超えると、力メカニズム310が無効又は有効になるようになっていてもよい。HSLTモードにおいて、振動力メカニズム310はナットに回転力を提供する。LSHTモードにおいて、振動力メカニズム310は工具の1つの部分から別の部分へ回転力を送るための延長部として作用する。なお、振動力メカニズム310は工具モータに近接して、又は工具出力ドライブに近接して、又はこれらの間のいずれかの場所に配置することができる。
HSLTモードでは、振動力メカニズム310は常に回転力を受容して回転し、ハウジングは回転力を受容してもしなくてもよく、そしてトルク出力は比較的低いので、ハウジングは反作用する必要はない。なお、図17A及び17Bの実施態様では、振動力メカニズム310は高速モード、例えばHSLTモードでのみ動作可能である。すなわち、トルク増強メカニズムが動作可能である低速時、例えばLSHTモードにおいて、衝撃はなく且つ/又は振動は最小限である。HSLTモード中、少なくとも2つの増倍トランスミッタは単一であり、ハンマと回転することにより、衝撃メカニズムからのハンマ動作を支援する。なお、ファスナが腐食、ねじ山及び面の変形、及び/又はねじ山ゴーリングをほとんど又は全く示さない場合、振動力メカニズム310はHSLTモードでは必要でない場合がある。
スライド作用モード・シフト集成体400は実質的に、工具10AをLSHTモードからHSLTモードへ、そして工具10BをHSLTモードからLSHTモードへシフトするためのものである。図17A及び17Bに示された実施態様において、スライド動作モード・シフト集成体400はシフタ・ベース401と、シフタ・カラー442と、スプライン・シフタ・スイベル443と、シフタ・スプライン・リング445と、外部シフト・リング456と、内部シフト集成体450とを含む。内部シフト集成体450は、図17A及び17Bに示されているように、内部シフト・ブシュ452と、内部シフト・リング453と、結合玉軸受け454とを含む。
スライド・アクションモード・シフト集成体400は、手動集成体(シーケンシャル・マニュアル、非同期、又はプレセレクタ)、又は自動集成体(マニュマティック、半自動、電気液圧、サクソマット、デュアル・クラッチ、又は連続可変)、トルクコンバータ、ポンプ、遊星歯車、クラッチ、ベルト、弁、コネクタ、スペーサ、シフト・リング保持リング、ブシュ、軸受け、カラー、ロックボール、キャップ、伝動ギア、伝動シャフト、シンクロナイザ、位置決めピン、駆動ホイール、ばね、又はこれらの任意の組み合わせ又は部分を含んでよい。モード・シフト構成部分は他の周知の同様の構成部分を含んでもよい。言うまでもなく、種々の周知のモード・シフト集成体があり、そしてしばしばカラー、リング、及びロックボールから成るシフト構成部分に関与する。
図18は、スライド作用モード・シフト集成体400の部分を、図17A及び17Bよりも詳細に示す図である。図18に示され図17A及び17Bに示されていないシフト集成体400の付加的な構成部分は、内側保持リング451,457及び459と、下側及び上側ブシュ446及び447と、シフタ・リング反作用プラグ458とを含む。図20は、工具10A及び工具10Bのモード・シフト集成体400を示す斜視図である。図20は、モード・シフト集成体400の実質的な外側部分を示している。他の図面には示されていない構成部分は、ロック・シャフト・キャップ402と、ハンドル挿入体403と、ハンドル・グリップ404と、プル・ハンドル405と、アクチュエータ・リンク及びシフタ・ピン406と、ピボット・ピン407と、シフタ延長ブラケット410と、SHCS411と、シフタ・ファスナ集成体430と、下側及び上側シフタ・リンク441と、波形ばね448と、ホルダ・スプライン490とを含む。
図5A〜5Dに戻ると、これらは、工具10A及び工具10Bの二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15、並びに工具10C及び工具10Dの二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15Aを示す斜視断面図である。
LSHTモードにおいて、二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15は実質的に、回転力91の増倍形態をナット36へ1つの方向93に転移させ、別の方向94の反力92の対応増倍形態を、定置物体として作用するZ(登録商標)ワッシャ1へ転移させるためにある。HSLTモードにおいて、二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15は実質的に、回転力91の振動形態をナット36又はナット36及びワッシャ1へ1つの方向に転移させるためにある。図17A及び17Bに示された実施態様では、二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体15は内側ドライブ・ソケット16と外側反作用ソケット17とを含む。外側反作用ソケット17は、LSHTモード中に反作用スプライン・シフタ・スイベル443と回転不能に係合可能である。言うまでもなく、回転力及び反力をねじ山付きファスナ、並びにそのナット及びそのワッシャに転移させる種々の周知の係合メカニズムがある。これらのメカニズムには、キャステレーション、スプライン、及び他のジオメトリが含まれる。
工具10AはLSHTモードにおいて次のように動作する。操作者はシフタ・ベース401を後方位置に向かって引張る。結合/ロック玉軸受け454が回転力増倍メカニズム・ハウジング201から解離し、反力スプライン・シフタ・スイベル443内部のシフタ・スプライン・リング445と係合する。シフタ・ベース401は回転力増倍メカニズム・ハウジング201と連結される。回転力増倍トランスミッタ211〜215はロック解除され、互いに自由に回転することができる。また操作者がシフタ・ベース401を後方位置に向かって引張ることにより、シフト集成体の振動(衝撃)力スプライン・リング453を振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301と係合させる。このことは振動(衝撃)力トランスミッタ311及び312、ひいては振動(衝撃)力集成体をロックアップする。そしてこのことは、回転力出力ドライブシャフト120が、回転力増倍トランスミッタ215の第5ギアケージによって駆動されるのを可能にする。第5ギアケージは振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301とスプライン係合される。スプライン・シフタ・スイベル443は反作用ソケット17とスプライン係合される。そして反作用ソケット17はナット36の下側でワッシャ1とジオメトリ的に係合される。ナット36の着座時に、圧縮されたロック・ディスク・ワッシャ1が定置物体として役立つ。この定置物体によって、回転力増倍メカニズム・ハウジング201は反作用ソケット17の反作用をオフにする。回転力増倍メカニズム・ハウジング201が静止状態で保持された状態で、回転力増倍トランスミッタ211〜215は回転力出力ドライブ・シャフト120を介して、着座されたナット36を締め付ける。
全般的に、工具10Bの動作は衝撃メカニズム310の活性化又は非活性化を必要とする。スライド作用モード・シフト集成体400は、増倍メカニズム210、衝撃メカニズム310、増倍メカニズム210の部分(例えば複数の増倍トランスミッタの1つ)、衝撃メカニズム310の部分(例えば複数の衝撃トランスミッタの1つ)、又はこれらの任意の組み合わせの間で工具10Aをシフトすることができる。
工具10BはHSLTモードにおいて次のように動作する。操作者はシフタ・ベース401を前方位置に向かって押す。結合/ロック玉軸受け454が回転力増倍メカニズム・ハウジング201及び振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301と係合する。シフタ・スプライン・リング445は反力スプライン・シフタ・スイベル443内部から解離し、これによりこれをアイドル状態にし、不活性にする。従って、反作用ソケット17はアイドル状態であり不活性である。なぜならば、これは回転力増倍メカニズム・ハウジング201とスプライン係合されないからである。結合/ロック玉軸受け454が振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301と係合した状態で、回転力増倍トランスミッタ211〜215はロックアップされ、互いに相対回転することができない。従って、回転力増倍集成体200は回転力入力シャフト121を介して単一の質量として回転する。モータ102は、回転力増倍トランスミッタ211の第1段太陽モータ歯車を含む回転力入力シャフト121を回転させる。また操作者がシフタ・ベース401を前方位置に向かって押すことにより、シフト集成体の振動(衝撃)力スプライン・リング453を振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301から解離する。このことは振動(衝撃)力トランスミッタ311及び312、ひいては振動(衝撃)力集成体300をロック解除する。振動(衝撃)力メカニズム・ハウジング301は回転力増倍トランスミッタ215の第5ギアケージとスプライン係合される。振動(衝撃)力トランスミッタ312(アンビル)は、回転力出力ドライブ・シャフト120にスプライン係合される。回転力出力ドライブ・シャフト120は振動(衝撃)力トランスミッタ311(ハンマ)の衝撃によってナット36をスタッド23上でランアップ又はランダウンさせる。
図3A〜3C及び4A〜4Bに戻ると、全般的に、そしてナット36の斜視図から、工具10AはLSHTモードにおいてナット36を締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩める。そして工具10BはHSLTモードにおいてナット36をランアップ、ランダウン、又はランアップ且つランダウンさせる。全般的に、そしてワッシャ1の斜視図から、工具10AはLSHTモードにおいて、ロードされたスタッド23’’上の締め付けられたナット36’’と締め付けられた接合部30’’との間でワッシャ1’’を所定の締め付けトルクまで加圧し、且つ/又は前弛緩されたスタッド23’’上の着座されたナット36’と前弛緩された接合部30’との間でワッシャ1’を所定の締め付けトルクから圧縮する。全般的に、そしてナット36の斜視図から、HSLTモードにおいて、工具10Bはプレロードされたスタッド23’上の着座されたナット21’と前締め付けされた接合部30’との間でワッシャ1’を所定の前締め付けトルクまで圧縮し、スタッド23上のナット36と、緩められた接合部30との間でワッシャ1を所定の前締め付けトルクから圧縮軽減し、又はロードされたスタッド23’’上の締め付けられたナット21’’と締め付けられた接合部30’’との間で加圧されたワッシャ1’’に振動を与えることによって、ボルトねじ山腐食部分を充分に粉砕する。なお「’」及び「’’」を有する参照番号は同様の力規模を表す。
HSLTモードにおいて、工具10Bは、スタッド23上のナット36、又はナット36及びワッシャ1の両方を1つの方向93の回転力91によってランダウンさせることによりナット36’を着座させ、そして前締め付けされた接合部30’上のプレロードされたスタッド23’上のワッシャ1’を所定の前締め付けトルクまで圧縮し、前弛緩された接合部30’上の前弛緩されたスタッド23’上の着座されたナット36又は着座されたナット36’及び圧縮されたワッシャ1’の両方を、反対方向94の回転力92で所定の前弛緩トルクからランアップさせ、又は加圧されたワッシャ1’’に被さる締め付けられたナット36’’に振動(衝撃)を与えることにより、ねじ山腐食部分を充分に粉砕するように振動を加える。LSHTモード中、工具10Aは、前締め付けられた接合部30’上のプレロードされたボルト23’上の圧縮されたワッシャ1’上の着座されたナット36’を、1つの方向93の回転力91で所定の締め付けトルクまで締め付け、そして反対方向93の反力92を圧縮されたワッシャ1’に加え、又は締め付けられた接合部30’’上のロードされたスタッド23’’上の加圧されたワッシャ1に被さる締め付けられたナット36’’を、反対方向94の回転力92で所定の締め付けトルクから緩め、そして1つの方向93の反力91を加圧されたワッシャ1’’に加える。なお「’」及び「’’」を有する参照番号は同様の力規模を表す。
動作中、工具10Aは、LSHTモードにおけるナット36を座から外し、所定の前弛緩トルクでワッシャ1を圧縮軽減すると、HSLTモードの工具10Bに切り換わる。動作中、工具10Bはナット36を着座させ、所定の前締め付けトルクでワッシャ1を圧縮軽減するか、又はねじ山腐食部分を充分に粉砕すると、HSLTモードから、LSHTモードの工具10Aに切り換わる。なお、操作者は工具をLSHTモードからHSLTモードへ、又はその逆へ切り換えるためにモード・シフト集成体400を使用するが、しかしこのようなスイッチは他の周知の同様の構成部分を含んでよい。モード・シフト集成体400は手動スイッチであるが、しかし自動であってもよい。同様に、振動(衝撃)力集成体300の活性化又は非活性化も手動又は自動で行われてよい。LSHTモードは、トルク調節型から振動支援型へ、又はその反対へ切り換えることができ、HSLTモードは振動調節型からトルク支援型へ、又はその反対へ切り換えることができる。ワッシャ1が回転を始める又は終える場合にも、振動(衝撃)力集成体300は動作を続けることができる。また、LSHTモードはナット36を緩めるために振動で支援することにより、化学物質、熱、及び/又は潤滑腐食を克服し、そしてボルトねじ山のゴーリングを回避するのを助けることができる。
なお、工業用ファスナをゴーリングを低減した状態で締め付けそして緩める本発明による動力工具は、回転力増倍メカニズム・ハウジング201が回転力増倍トランスミッタ211〜215の少なくとも1つと動作的に結合されており、LSHTモード中、増倍トランスミッタ211〜215の少なくとも2つが互いに相対回転し、そしてHSLTモード中、増倍トランスミッタ211〜215の少なくとも2つが、回転力衝撃メカニズム310によって与えられるハンマ動作を支援するように統一される、ことを特徴とすることもできる。HSLTモード中、回転力出力ドライブ・シャフト120、及びハウジングを含む回転力増倍集成体200の組み合わせは、同じ方向の単一の質量として回転する。これにより、腐食、ねじ山変形、及び面変形を克服し、ボルトのねじ山のゴーリングを回避するために衝撃メカニズムのトルク出力を向上させる慣性が形成される。
回転力を発生させるためのモータ102と、回転力91を転移させるためのドライブ(122及び123)と、回転力増倍トランスミッタ211〜215を含む、LSHTモードのための回転力増倍メカニズム・ハウジング201内の回転力増倍メカニズム210と、振動トランスミッタ311,312を含むHSLTのための振動力メカニズム310と、ナット36と動作的に結合されたドライブ・ソケット16と、LSHTモード中にワッシャ1に反力92を転移させるためにワッシャ1と動作的に結合され、そしてHSLTモード中にワッシャ1と動作的に結合されるか、又はワッシャ1から動作的に解離される反作用ソケット17とを有する種類の動力工具(10A及び10B)によって、ナット36と、ワッシャ1と、スタッド23とを有する種類の工業用ファスナ20で、ゴーリングを最小限に抑えた状態で2つの部分を互いに締め付け、そして緩める方法が開示される。このような方法は、締め付けることが、ワッシャ1をスタッド自由端25に置き、スタッド自由端25上のワッシャ1にナット36を被せ、HSLTモードでは、スタッド自由端25上のナット36又はナット36及びワッシャ1を所定の前締め付けトルクまでランダウンさせることにより、ナット36を着座させてワッシャ1を圧縮し、HSLTモードをLSHTモードに切り換え、そしてLSHTモードでは、着座されたナット36を所定の締め付けトルクまで、締め付けるようにトルク付与し、そして締め付けられたナット36と締め付けられた接合部30との間でワッシャ1を加圧し、そして緩めることが、締め付けられたナット36及び加圧されたワッシャ1に工具10Aを被せ、加圧されたワッシャ1に被さる締め付けられたナット36をLSHTモードでは所定の弛緩トルクまで、緩めるようにトルク付与し、LSHTモードからHSLTモードへ切り換え、そしてHSLTモードでは、スタッド自由端上の着座されたナット36又は着座されたナット36及び圧縮されたワッシャ1をランアップさせる
ことを含む。緩める方法はさらに、HSLTモードで、加圧されたワッシャ1に被さる締め付けられたナット36を振動させることにより、振動を加えてボルトねじ山腐食部分を粉砕し、そしてHSLTモードからLSHTモードへ切り換えることを含む。
上記工具10A及び10B、並びに下記工具10F、10G、10H及び10Iは、全般的に、同軸的反作用面と、スタッドと、スタッドに螺合可能なナット又はスタッドに結合されたスタッド・ヘッドとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるためのトルク動力工具として記述することができる。工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、回転力を発生させるためのモータと、回転力を転移させるためのドライブと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中で動作可能な間欠力モードのための振動トランスミッタを含む少なくとも1つの振動力メカニズムとを含む。
或いは、上記工具10A及び10B、並びに下記工具10F、10G、10H及び10Iは、ナット、ワッシャ、及びスタッドを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け且つ緩めるための動力工具として記述することができる。工具は、回転力を発生させるためのモータと、回転力を転移させるためのドライブと、連続トルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、間欠トルクモード、間欠力モード、又は間欠トルクモード及び間欠力モードの両方のための振動トランスミッタを含む振動力メカニズムとを含む。
図21Aを一例として参照すると、これは、本発明の実施態様を工具10Fとして示す断面図である。工具10Fは、スタッドと、スタッドに螺合可能なナットとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナ801を、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるための動力工具である。工具10Fは、ドライブ入力・出力集成体810と、回転力増倍集成体820と、振動力集成体830と、モード・シフト集成体840と、ドライブ出力ソケット・反作用アーム集成体850とを含む。
図21Bを一例として参照すると、これは、本発明の実施態様を工具10Gとして示す断面図である。工具10F及び10Gは、参照番号の重複によって示されているように類似している。工具10Gは、同軸的反作用面、例えばHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャ1と、スタッドと、スタッドに螺合可能なナットとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナ802を、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるための、反作用アームなしの動力工具である。工具10Gは、ドライブ入力・出力集成体810と、回転力増倍集成体820と、振動力集成体830と、モード・シフト集成体840と、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケット15と同様の二重ドライブ出力・反作用アーム集成体855とを含む。
工具10F及び10Gは、1つ又は複数のギア段を有する回転力増倍メカニズムを含む。振動力メカニズムが、ハンマ及びアンビルを有する回転力衝撃メカニズムと、超音波力トランスミッタを含む超音波力メカニズム、質量不均衡力トランスミッタを含む質量不均衡力メカニズム、又は時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)力トランスミッタを含む任意の他の時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)メカニズムから成る間欠力メカニズム860とを含む。工具10Fは、間欠力メカニズム860を含む改変型HYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)ガンである。工具10Gは、間欠力メカニズム860を含む改変型HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンである。
図22Aを一例として参照すると、これは、本発明の実施態様を工具10Hとして示す断面図である。工具10Hは、スタッドと、スタッドに螺合可能なナットとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナ901を、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるための動力工具である。工具10Hは、ドライブ入力・出力集成体910と、回転力増倍集成体920と、振動力集成体960と、モード・シフト集成体940と、ドライブ出力ソケット・反作用アーム集成体950とを含む。
図22Bを一例として参照すると、これは、本発明の実施態様を工具10Iとして示す断面図である。工具10H及び10Iは、参照番号の重複によって示されているように類似している。工具10Iは、同軸的反作用面、例えばHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ワッシャ1と、スタッドと、スタッドに螺合可能なナットとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナ901を、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるための、反作用アームなしの動力工具である。工具10Iは、ドライブ入力・出力集成体910と、回転力増倍集成体920と、振動力集成体960と、モード・シフト集成体950と、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケット15と同様の二重ドライブ出力・反作用アーム集成体955とを含む。
工具10H及び10Iは、1つ又は複数のギア段を含む回転力増倍メカニズムを含む。振動力メカニズム960は、超音波力トランスミッタを含む超音波力メカニズム、質量不均衡力トランスミッタを含む質量不均衡力メカニズム、又は時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)力トランスミッタを含む任意の他の時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)メカニズムを含む。工具10Hは、間欠力メカニズム960を含むHYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)Dual Speed Plusである。工具10Iは、間欠力メカニズム960と、HYTORC(登録商標)Z(登録商標)ソケット15と同様の二重ドライブ出力・反作用ソケット集成体955とを含むHYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)Dual Speed Plusである。
工具10A、10B、10G、及び10Iに加えて、ドライブ・ソケットはナットと動作的に結合される。反作用ソケットは、高抵抗トルク・モード中に、同軸的反作用面に反力を転移させるためにハウジング及び同軸的反作用面と動作的に結合されてよい。或いは反作用ソケットは、低抵抗トルク・モード又は間欠力モード中に、ハウジング及び同軸的反作用面と動作的に結合されるか、又はハウジングと動作的に結合され、且つ同軸的反作用面から動作的に解離されてもよい。ドライブ・ソケットは内側ソケットとして示され、そして反作用ソケットは外側ソケットとして示されている。
下記考察は工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iに関する。なお、説明しやすさのために、「ナット」又は「ファスナ」に言及するときはいつもこれは、スタッドに取り付けられたスタッド・ヘッド、スタッド上且つ又スタッドに被さるナット及びワッシャ、スタッドに取り付けられたスタッド・ヘッド及びスタッドに被さるワッシャの可能性を含む。なお、任意の適宜のファスナ・ジオメトリ、例えばアレンキー結合、穴付きショルダねじ(SSC)ヘッド、穴付きボタンねじ(SHBS)ヘッド、六角穴付きボルト(HHCS)ヘッド、丸頭すり割り付きねじ(RHSS)ヘッド、平頭トルクスねじ(FHTS)ヘッド、穴付きセットねじ(SSS)ヘッド、又は穴付きボルト(SHCS)ヘッドを本発明と共に用いることができる。
これらの考察では、同軸的反作用面をワッシャとして記述する。しかしながらいくつかの事例では、ワッシャは締め付けられるべき又は緩められるべき接合部と一体的に形成されるか又は接合部に結合されてよい。他の事例では、同軸的反作用面はナットを超えて延びるスタッド部分である。さらに他の事例では、同軸的反作用アームは、ゴーリングを最小限にして締め付け及び弛緩を行うために、実現可能且つアクセス可能な定置物体に当接してよい。
ワッシャ1は全体的に、反作用トルクを提供するために刻み目付き底面を備えた花状ワッシャとして示されている。図8A〜8Lによれば、本発明の反作用ソケット、プレート、及びリンクと回転不能に係合する外形はほとんどいずれのものでも適する。また、面摩擦を増大させる表面フィーチャもほとんどいずれのものでも適する。外形の例は、五角形、六角形、八角形など、刻み目、切り欠き、プレス孔、キャステレーションなどのような任意の適宜のジオメトリ形状を含む。表面摩擦増強フィーチャの例は、パターン、仕上げ面、処理面、塗膜、めっき、粗面などを含む。本発明によれば、ナット及び/又はボルトヘッドの着座前にも、同軸的反作用面は、工具の反作用を転移させるべき、実現可能且つアクセス可能な同軸的定置物体となる。
全般的に、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、間欠力モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具はナット、又はナット及びワッシャを1つの方向の間欠回転力によってランダウンさせてよい。工具はナット、又はナット及びワッシャを反対方向の間欠回転力によってランアップさせてよい。或いは、工具は反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、振動を加えるための間欠振動力、又はその両方によって、ナット、又はナット及びワッシャ、又はスタッド・ヘッド及びワッシャに衝撃、振動、又は衝撃及び振動の両方を施してよい。
より具体的には、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、間欠力モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具はナット、又はナット及びワッシャ1つの方向の間欠回転力によってランダウンさせることにより、有意な不都合なボルト締結適用特性を有する制限的に回転可能な状態から、所定の前締め付けトルク状態へナットを着座させ、そして締め付けられるべき接合部と、着座されたナットとの間でワッシャを圧縮してよい。工具はナット、又はナット及びワッシャを反対方向の間欠回転力によってランアップさせることにより、所定の前締め付けトルク状態から有意な不都合なボルト締結適用特性を有する制限的に回転可能な状態へ、ナットを座から外し、そして緩められるべき接合部と、座から外されたナットとの間のワッシャを圧縮軽減してよい。或いは、工具は不十分に粉砕されたねじ山腐食状態から充分に粉砕されたねじ山腐食状態になるように、反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、振動を加えるための間欠振動力、又はその両方によって、ナット、又はナット及びワッシャに衝撃、振動、又は衝撃及び振動の両方を与えてよい。例えば工具は超音波発生器、例えば振動力メカニズム960を介して超音波を生成することができる。
しばしば間欠力(衝撃、振動、超音波など)は、ナットとフランジ面との間でワッシャをしっかりと圧縮するためにランダウン時に必要である。衝撃によるこのような圧縮がないと、ワッシャは、2つのワッシャ面の2つの摩擦に起因する反作用を受け取らない場合がある。適切に圧縮されると、ナットに当接するワッシャ面が、工具のトルク出力による時計回りの回転摩擦を受容し、そして反力による等しい逆の反時計回りの回転摩擦を受容する。このようなものとして、フランジ面に当接するワッシャ面からの回転摩擦は、ワッシャが回転するのを防止する。換言すれば、工具は、ワッシャを定置に保持する一方、ナットを回転させるように構成されている。これにより、通常の側面荷重及びナット間の表面の差異がなくなる。トルクのファスナ荷重への変換を改善するために、ねじ山摩擦及び面摩擦がより良好に制御される。
全般的に、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、高抵抗トルク・モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具は、ナットを1つの方向の低速高トルク回転力で締め付け、そしてワッシャに反対方向の反力を加えてよい。且つ/又は、工具はナットを前記反対方向の低速高トルク回転力で緩め、そしてワッシャに前記1つの方向の反力を加えてよい。
より具体的には、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、高抵抗トルク・モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具は、ナットを1つの方向の低速高トルク回転力でトルクアップすることにより、所定の前締め付けトルク状態から所定の締め付けトルク状態へナットを締め付け、そしてワッシャに反対方向の反力を加えることにより、緩められた接合部と、締め付けられたナットとの間でワッシャを加圧してよい。且つ/又は工具は、ナットを反対方向の低速高トルク回転力でトルクダウンすることにより、所定の締め付けトルク状態から所定の前締め付けトルク状態へナットを緩め、そしてワッシャに前記1つの方向の反力を加えることにより、緩められた接合部と、緩められたナットとの間でワッシャを圧力軽減してよい。
全般的には、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、低抵抗トルク・モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具は、ナット、又はナット及びワッシャを1つの方向の高速低トルク回転力によってランダウンさせてよい。且つ/又は工具は、ナット、又はナット及びワッシャを反対方向の高速低トルク回転力によってランアップさせてよい。
より具体的には、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、低抵抗トルク・モード中に下記のもののいずれかを行うことができる。工具は、ナット、又はナット及びワッシャを1つの方向の高速低トルク回転力によってランダウンさせることにより、有意でない不都合なボルト締結適用特性を有する自由に回転可能な状態から、所定の前締め付けトルク状態へナットを着座させ、そして締め付けられるべき接合部と、着座されたナットとの間でワッシャを圧縮してよい。且つ/又は工具は、ナット、又はナット及びワッシャを反対方向の高速低トルク回転力によってランアップさせることにより、所定の前締め付けトルク状態から有意でない不都合なボルト締結適用特性を有する自由に回転可能な状態へ、ナットを座から外し、そして緩められるべき接合部と、座から外されたナットとの間のワッシャを圧縮軽減してよい。
全般的には、工具10A、10B、10F、10G、10H及び10Iは、ナットを高抵抗トルク・モードで締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めてよい。工具は、ナット、又はナット及びワッシャにランアップ、ランダウン、又は衝撃を間欠トルク・モード又は低抵抗トルク・モードで施してよい。工具はナットを着座させ、そしてワッシャを所定の前締め付けトルク状態で圧縮したとき、且つ/又はねじ山腐食部が充分に粉砕されたときに、間欠トルク・モードから高抵抗トルク・モードへ切り換わってよい。工具は、ナットを座から外し、ワッシャを所定の前弛緩トルク状態で圧縮軽減したときに、高抵抗トルク・モードから間欠トルク・モード、及び/又は低抵抗トルクへ切り換わってよい。工具は、ナットを着座させ、そしてワッシャを所定の前締め付けトルク状態で圧縮したときに、低抵抗トルク・モードから高抵抗トルク・モードへ切り換わってよい。
動作中、工具は、高抵抗トルク・モードから間欠トルク・モードへ、高抵抗トルク・モードから低抵抗トルク・モードへ、低抵抗トルク・モードから間欠トルク・モードへ、低抵抗トルク・モードから高抵抗トルク・モードへ、間欠トルク・モードから高抵抗トルク・モードへ、又は間欠トルク・モードから低抵抗トルク・モードへ切り換わることができる。
衝撃メカニズム又はトルク増倍メカニズムの活性化又は非活性化は手動又は自動で行われてよい。このように、切り換えメカニズムは手動式又は自動式であってよい。さらに、切り換えメカニズム、ひいては任意のモード、又はモードと及び対応メカニズムとの組み合わせは、ファスナ上の観察された荷重に従って自動的に活性化されてよい。例えば、本発明のゴーリングが最小化された出力工具は、締め付けられたファスナ内の腐食を粉砕するために、そして高速でナットをランアップ又はランダウンさせるために、振動及び/又は衝撃を必要とすることがある。トルクで締め付けられたナットは、単なる振動及び/又は衝撃で回転することはできない。操作者はトルクで締め付けられたナット内の乾燥した腐食部分を粉砕するために振動及び/又は衝撃を活性化することを必要とする場合がある。これはトルク増倍メカニズムとは独立して、又はこのメカニズムと組み合わせて行うことができる。上述のように、潤滑剤が乾燥又は消失する、腐食部分が存在する、そしてスタッドがまだローディングされ延伸されているのに伴って、ナットを緩めるのに必要なトルクは初期締め付けトルクよりも大きい。換言すれば、スタッドをアンローディングして非延伸状態にするためにはより高いトルク値がかかる。ひとたびナットが緩められると、これは低抵抗トルク・モード及び/又は間欠トルク・モード中、より高い速度で回転させ、又はランアップさせることができる。しかしながら、腐食し、且つ/又は損傷又は欠陥のあるスタッドねじ山上でナットを解放しなければならない場合がある。しばしば、これは、トルク増倍メカニズムと組み合わせた振動及び/又は間欠力を必要とする。ランダウン時、ナットは、低抵抗トルク・モード及び/又は間欠トルク・モード中により高速で回転させられる。ここで低抵抗トルク・モードだけでは、腐食し且つ/又は損傷又は欠陥のあるスタッドねじ山を克服するには不充分なこともある。同様にしばしば、これは振動又は間欠力及び/又はトルク増倍メカニズムと組み合わせた間欠力を必要とする。本発明はこれらの問題を解決する。
全般的に、同軸的反作用面と、スタッドと、スタッドに螺合可能なナット又はスタッドに結合されたスタッド・ヘッドとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、反作用アームなしのトルク動力工具によって、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩める方法であって、反作用アームなしのトルク動力工具が、回転力を発生させるためのモータと、回転力を転移させるためのドライブと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中で動作可能な間欠力モードのための振動トランスミッタを含む少なくとも1つの振動力メカニズムとを含む、方法が開示される。締め付ける方法が、ナット、スタッド・ヘッド、ナット及び同軸的反作用面、又はスタッド・ヘッド及び同軸的反作用面を1つの方向にランダウンさせ、そして同軸的反作用面の反対方向の反作用をオフにしながら、ナット又はスタッド・ヘッドを前記1つの方向に締め付けるようにトルク付与することを含む。緩める方法が、同軸的反作用面の前記1つの方向の反作用をオフにしながら、ナット又は前記スタッド・ヘッドを前記反対方向で緩めるようにトルク付与し、ナット、スタッド・ヘッド、ナット及び同軸的反作用面、又はスタッド・ヘッド及び同軸的反作用面を反対方向にランアップさせることを含む。
下記考察は、工業用ねじ山付きファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付けそして緩めるための、反作用アームなしの本発明によるトルク動力工具の形態に関する。なお、類似の用語、例えば増強装置、増倍装置、及び増倍、並びに衝撃(impact)、及び衝撃(impaction)は相互に置き換え可能である。
より具体的には、衝撃モードの1つの実施態様では、工具ハウジング及びギア段は静止したままであるのに対して、衝撃はラトリング(rattle)する。衝撃メカニズムがモータから隔たっている場合、モータからのシャフトは増倍装置の中心を通って衝撃メカニズムへ延び、そしてそこから出力ドライブへ延びる。衝撃メカニズムがモータのすぐ後ろに、そして増倍装置の前にある場合、モータは衝撃メカニズムを駆動し、シャフトは衝撃メカニズムから増倍装置の中心を通って出力ドライブへ延びる。
衝撃モードの別の実施態様の場合、工具ハウジングとギア段とは一致して回転する一方、ギア段をロックアップすることによって衝撃はラトリングする。このことは、太陽歯車とリングギアとを結合し、太陽歯車とギアケージと結合し、又はギアケージと遊星段のリングギアと結合することによって達成することができる。いずれの場合にも、ギアケージとハウジングとは、モータから衝撃メカニズムへの、又は衝撃メカニズムから工具の出力ドライブへの1つの回転延長部のように作用する。
衝撃モードの別の実施態様の場合、工具ハウジングは静止したままであり、ギアケージは一致して回転する一方、ギアケージを互いにロックアップすることによって衝撃はラトリングする。衝撃メカニズムがモータから隔たっている場合、ギアケージは、モータから衝撃メカニズムへの、ハウジング内部の延長部のように作用する。衝撃メカニズムがモータのすぐ後ろに、そして増倍装置の前にある場合、ギアケージは衝撃メカニズムから工具の出力ドライブへのハウジング内部の延長部のように作用する。
全般的に、LSHTモード中には、少なくとも2つの増倍トランスミッタが互いに相対回転する。増倍ボードでは、工具ハウジングは常に太陽歯車及び増倍装置の出力シャフトとは反対方向に回転する。この理由から工具ハウジングは反作用しなければならない。トルクが増倍装置によって増強されると、回転速度は遅いので、衝撃メカニズムは無効になる。衝撃メカニズムが増倍装置の後ろで、工具の出力ドライブの近くに配置されている場合、衝撃メカニズムは最後の太陽歯車と共に回転するならば衝撃を与えない。衝撃メカニズムが増倍装置の前で、モータの近くに配置されている場合、衝撃メカニズムは高い速度で回転し、ロックされる必要がある。
衝撃メカニズムがモータから隔たっている1実施態様では、次のことが行われる。衝撃メカニズムは静止したままであるのに対して、増倍装置は回転し、モータからの出力シャフトはトルク増倍のための増倍装置に延び、そして最後の太陽歯車は衝撃メカニズムを介して出力ドライブに延びる。衝撃メカニズムがモータのすぐ後ろで、増倍装置の前に位置するときには、モータからの出力シャフトは衝撃メカニズムを介してトルク増倍のための増倍装置に延び、最後の太陽歯車は出力ドライブに延びる。
別の実施態様では、衝撃メカニズムは力付与増倍装置の最後の太陽歯車の速度で回転する。衝撃メカニズムがモータから隔たっている場合には、モータからの出力シャフトはトルク増倍のための増倍装置に延び、最後の太陽歯車は衝撃メカニズムを回転させ、衝撃メカニズムは工具の出力シャフトを回転させる。衝撃メカニズムがモータのすぐ後ろで、増倍装置の前に位置するときには、増倍装置を回転させるために衝撃メカニズムを回転させることは、結果として衝撃をもたらす。これは回避しなければならない。他方において、衝撃ハウジングでハンマをロックすること、又はアンビルでハンマをロックすることにより、衝撃メカニズムをロックすることができる。衝撃メカニズムは、モータ出力ドライブと増倍装置の最初の太陽歯車との間の延長部として作用する。
増倍装置の最後の太陽歯車の速度は、衝撃メカニズムを動作させるのに充分に高くてよい。工具の出力シャフトの衝撃は、衝撃ハウジングでハンマを、アンビルでハンマを、工具ハウジングで衝撃ハウジングを、又は工具ハウジングでハンマをロックすることにより回避することができる。
LSHTモードの特定の実施態様では、増倍メカニズムはモータの近くで衝撃メカニズムの前にある。モータは増倍メカニズムを迂回し、そして出力ドライブに向いたピンによって、増倍メカニズムの少なくとも1つの部分を介してその出力を拡張する。LSHTモードの別の特定の実施態様では、衝撃メカニズムはモータの近くで増倍メカニズムの前にある。衝撃メカニズムは出力ドライブに向いたピンによって、増倍メカニズムの少なくとも1つの部分を介してその出力を拡張する。
工業用ファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付けそして緩めるための本発明による動力工具は本明細書中では、2つ又は3つのモード、つまり低速高トルク・モード、高速低トルク・モード、及び間欠力モードを有するものとして記載されている。言うまでもなく、本明細書中に記載された少なくとも2つのモードは一例にすぎない。さらなるモードを1つ又は他のモード、及び/又は入力手段、及び/又は出力手段に加えることができる。言うまでもなく、本発明は2つの速度だけに限定されるのではなく多様な速度を有することができる。例えば、周知のトルク増強工具は通常、空気又は電動モータによって出力される。このようなモータの力出力及び回転速度はしばしば、モータの部分となり得る遊星歯車などによって増減される。しばしば周知のトルク増強工具は、工具モータ回転速度を増大させるための増強手段のうちの1つ又はいくつかを一時的に排除する。他の周知のトルク増強工具は、シャフト回転速度の増減のために、独立した構成部分として、又はモータに隣接して、ギア増速及び/又は減速メカニズムを使用する。本発明は、このようなギア増速及び/又は減速メカニズムを独立した構成部分として、増倍トランスミッタ及び増倍メカニズム210の部分として、又は振動トランスミッタ及び振動メカニズム310の部分として含むこともできる。実際に、増倍集成体200は、複数の増倍集成体ハウジング内に含まれる複数の増倍トランスミッタを有するように構成することができる。
言うまでもなく、上記エレメントのそれぞれを、又は2つ又は3つ以上を共に、上記タイプのものとは異なる他のタイプの構造に有用に適用することもできる。前記説明、又は下記特許請求の範囲、又は添付の図面に開示され、開示された機能を果たすための具体的な形態として又は手段に関して表現された特徴、又は開示された結果を得るための方法又はプロセスは、必要に応じて別々に又はこれらの特徴を任意に組み合わせて、本発明を多様な形で実現するために利用することができる。なお、明細書中、符号付きの構成部分の説明には僅かな差異がある場合がある。
流体動作式工具において具体化されたものとして本発明を例示し説明してきたが、本発明の思想を逸脱することなしに種々の改変及び構造的変更を加えることができるため、本発明は、示された詳細に限定されるものではない。
さらなる分析なしに、前記のものは本発明の趣旨を充分に明らかにするので、従来技術の観点から本発明の全体的又は特定の態様の本質的な特徴を実際に構成する特徴を省くことなしに、他者が現在の知識を応用することにより、種々の用途にこれを容易に適合させることができる。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及びこれらのバリエーションは、本明細書及び特許請求の範囲において使用される時には、指定された特徴、工程、又は整数が含まれることを意味する。これらの用語は他の特徴、工程、又は構成部分の存在を排除するものとして解釈してはならない。
本発明の第1の態様では、
ねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容するための反作用ワッシャにおいて、
動力工具との回転結合を可能にするジオメトリ形状を有する外縁と、
中心孔から外方に向かう領域内で偏倚された摩擦係数増大処理手段を有する底面とを含む、反作用ワッシャが提供される。
本発明の第2の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が前記外縁に向かって選択的に偏倚されている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第3の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が前記外縁に向かう領域内で不連続的に偏倚されている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第4の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が前記中心孔の半径又は該半径の近くには配置されていない、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第5の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段は、刻み目付け、サンディング、ブラスティング、ミリング、機械加工、鍛造、鋳造、フォーミング、シェイピング、粗面化、スタンピング、彫刻、パンチング、曲げ、中心孔近くのワッシャ材料の除去、又はこれらの任意の組み合わせによって形成される、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第6の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が粗面部、多角形面、スプライン、刻み目、スパイク、溝、スロット、突出点又は突出コーナー、他のこのような突起、又は任意のこれらの組み合わせを含む、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第7の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が、単独で、ランダムに、列状に、又はこれらの任意の組み合わせで形成されている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第8の態様では、
締め付けソケット集成体と共に使用するために、前記ワッシャの有効摩擦半径が、前記ねじ山付きファスナの有効摩擦半径よりも大きく、該締め付けソケット集成体が、
ナット又はボルトヘッドと係合する手段を備えた内縁を有する内側ソケットと、
前記反作用ワッシャの外縁と係合するための反作用ワッシャ係合手段を備えた内縁を有する外側ソケットとを含み、
該内側ソケットが該外側ソケットの内部に実質的に配置されており、そして該内側ソケットと該外側ソケットとが協働的又は選択的に且つ相対的に反対方向に回転させられるのを可能にするメカニズムによって、該内側ソケットと該外側ソケットとが互いに結合されている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第9の態様では、
前記ワッシャ外縁がねじ山付きファスナの外縁をかなり超えて延びる、第8の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第10の態様では、
前記ワッシャ外縁によって受容された反作用当接力が、前記ねじ山付きファスナの外縁によって受容された作用トルクよりも僅かに大きい規模である、第9の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第11の態様では、
前記摩擦係数増大処理手段が、前記ワッシャの底面の周りに、ナット又はボルトヘッドの有効摩擦半径をかなり超えて位置決めされている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第12の態様では、
前記底面が、前記ボルトを受容するための中心孔と、前記摩擦係数増大処理手段との間に形成された平滑面を含む、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第13の態様では、
前記ワッシャの外縁が前記ナット又は前記ボルトヘッドの外縁と共に終わっているか、又は前記ボルトヘッドの外縁から縮小している、第8の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第14の態様では、
前記ワッシャの外縁、及び該外縁のほぼ鉛直の係合手段が外側ソケットの内縁、及び該内縁のほぼ鉛直の係合手段と係合する、第8の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第15の態様では、
前記ワッシャの外縁、及び該外縁の係合手段が、外側ソケットの内縁、及び該内縁の、任意の好適な対応ジオメトリで成形された係合手段と回転可能に結合するように任意の好適なジオメトリで成形されている、第8の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第16の態様では、
前記好適なジオメトリが、
前記ワッシャの中心点の周りに半径方向に交互に繰り返し設けられた、内方に向かって延びる凹面状部分、及び外方に向かって延びる凸面状部分、又は、
三角形、曲線三角形、正方形、長方形、平行四辺形、菱形、台形、不等辺四辺形、凧形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、外側突起を有する円形、楕円形、又は卵形のような任意のジオメトリを含む、第15の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第17の態様では、
前記外縁と前記底面との間に形成されたテーパ型底縁部分を含み、該テーパ型底縁部分が、前記ねじ山付きファスナの外縁に対して内方に向かって、そして前記外縁に対して下方に向かって延びている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第18の態様では、
前記外縁と前記底面との間に形成されたテーパ型底縁部分を含み、該テーパ型底縁部分が、前記ナット又は前記ボルトヘッドの外縁に対して内方に向かって延びている、第8の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第19の態様では、
均一で正確なボルトの伸長を達成し得る、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第20の態様では、
前記工具がナット又はボルトヘッドに回転力を加え、前記ワッシャの外縁に等しいがしかし逆の反力を加えたときに、該ナット又は該ボルトヘッドは回転するがしかし該ワッシャは静止したままであるように、該工具の反力を吸収するために使用される、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第21の態様では、
ワッシャの半径方向外縁は、前記ナット又は前記ボルトヘッドが前記工具によって回転させられている間、前記ワッシャを定置に保持するために該工具によって係合されるように構成されており、そしてまた該ワッシャの反対の軸線方向側が、いかなる条件下でも該ワッシャと共に回転するのを回避するために物体の摩擦干渉を生成するように形成されていて、これにより前記ワッシャは定置のままであり、そして一方の軸線方向側が該ナットの面摩擦を制御するようになっている、第1の態様に記載の反作用ワッシャが提供される。
本発明の第22の態様では、
締め付けソケット集成体であって、
ナット又はスタッド・ヘッドと係合する手段を備えた内縁を有する内側ソケットと、
第1〜21の態様のいずれか1つに記載の反作用ワッシャの外縁と係合するための反作用ワッシャ係合手段を備えた内縁を有する外側ソケットとを含み、
該内側ソケットが該外側ソケットの内部に実質的に配置されており、そして該内側ソケットと該外側ソケットとが協働的且つ相対的に反対方向に回転させられるのを可能にするメカニズムによって、該内側ソケットと該外側ソケットとが互いに結合されている、締め付けソケット集成体が提供される。
本発明の第23の態様では、
前記外側ソケットの内縁、及び該内縁の係合手段と、前記ワッシャの外縁、及び該外縁の係合手段とがほぼ鉛直である、第22の態様に記載の締め付けソケット集成体が提供される。
本発明の第24の態様では、
前記外側ソケットが、底部内縁の底部に向かって内側へ傾斜するテーパ面を有する外側底縁を含む、第22の態様に記載の締め付けソケット集成体が提供される。
本発明の第25の態様では、
前記外側ソケットがHYTORC(登録商標)Z(登録商標)反作用パッドとして形成されている、第22の態様に記載の締め付けソケット集成体が提供される。
本発明の第26の態様では、
HYTORC(登録商標)Z(登録商標)オフセット・リンク内に組み込まれた第22の態様に記載の締め付けソケット集成体であって、該HYTORC(登録商標)Z(登録商標)オフセット・リンクが、駆動力入力集成体と、駆動力出力集成体として形成された内側ソケットと、反力集成体として形成された外側ソケットとを含んでいる、第22の態様に記載の締め付けソケット集成体が提供される。
本発明の第27の態様では、
物体を締め付けるためのねじ山付きファスナであって、
スタッドと、
該スタッドと螺合可能な締め付ける又は緩めるべきナット、又は該スタッドと結合された、締め付ける又は緩めるべきスタッド・ヘッドとを含み、
第1〜21の態様のいずれか1つに記載の反作用ワッシャが該物体のうちの1つと該ナット又は該ボルトヘッドとの間に配置されている、物体を締め付けるためのねじ山付きファスナが提供される。
本発明の第28の態様では、
前記物体のうちの他の物体と、回転させられないようになっている別のファスナ部分との間に配置されたHYTORC(登録商標)両面摩擦ワッシャを含み、前記摩擦ワッシャが、該他のファスナ部分の回転を防ぐために第6の態様に記載の摩擦係数増大処理手段を有するようにそれぞれが形成された上面と底面とを有している、第27の態様に記載ねじ山付きファスナが提供される。
本発明の第29の態様では、
第22〜26の態様のいずれか1つに記載の締め付けソケット集成体によって締め付けられ且つ/又は緩められるようになっている、第27又は28の態様に記載のねじ山付きファスナが提供される。
本発明の第30の態様では、
第27〜29の態様のいずれか1つに記載のねじ山付きファスナを引き締め、緩め、又は引き締め且つ緩めるための、反作用アームなしのトルク動力工具であって、該反作用アームなしのトルク動力工具が、
回転力発生メカニズムと、
該回転力を転移させるためのドライブと、
第22〜26の態様のいずれか1つに記載の締め付けソケット集成体とを含む、反作用アームなしのトルク動力工具が提供される。
本発明の第31の態様では、
電気式、液圧式、又は空気圧式に駆動される、第30の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第32の態様では、
HYTORC(登録商標)ICE(登録商標)、HYTORC(登録商標)AVANTI(登録商標)、HYTORC(登録商標)STEALTH(登録商標)、HYTORC(登録商標)XXI(登録商標)、HYTORC(登録商標)jGUN(登録商標)、HYTORC(登録商標)FLIP-Gun(登録商標)、HYTORC(登録商標)THRILL(登録商標)ガン、又はHYTORC(登録商標)Z(登録商標)ガンを含む、第30の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第33の態様では、
物体を締め付けるシステムにおいて、
第27〜29の態様のいずれか1つに記載のねじ山付きファスナと、
第30〜32の態様のいずれか1つに記載のトルク動力工具とを含む、物体を締め付けるシステムが提供される。
本発明の第34の態様では、
同軸的反作用面と、スタッドと、該スタッドに螺合可能なナット又は該スタッドに結合されたスタッド・ヘッドとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩めるための、反作用アームなしのトルク動力工具であって、該反作用アームなしのトルク動力工具が、
回転力を発生させるためのモータと、
該回転力を転移させるためのドライブと、
低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する回転力増倍トランスミッタを含む、ハウジング内の回転力増倍メカニズムと、
低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モード中で動作可能な間欠力モードのための振動トランスミッタを含む少なくとも1つの振動力メカニズムとを含む、反作用アームなしのトルク動力工具が提供される。
本発明の第35の態様では、
前記回転力増倍メカニズムが1つ又は複数のギア段を含み、
前記振動力メカニズムが、
ハンマ及びアンビルを有する回転力衝撃メカニズムと、
超音波力トランスミッタを含む超音波力メカニズム、
質量不均衡力トランスミッタを含む質量不均衡力メカニズム、又は、
時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)力トランスミッタを含む任意の他の時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)メカニズムとを含む、第34の態様に記載動力工具が提供される。
本発明の第36の態様では、
前記回転力増倍メカニズムが1つ又は複数のギア段を含み、
前記振動力メカニズムが、
超音波力トランスミッタを含む超音波力メカニズム、
質量不均衡力トランスミッタを含む質量不均衡力メカニズム、又は、
時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)力トランスミッタを含む任意の他の時間依存性外乱(荷重、変位、回転、又は速度)メカニズムとを含む、第34の態様に記載動力工具が提供される。
本発明の第37の態様では、
前記回転力増倍メカニズムが、低抵抗から高抵抗までの全てのトルク・モードに対応する1つ又は複数のギア段を含み、そして、
前記振動力メカニズムが、間欠トルク・モードに対応するハンマ及びアンビルを含む回転力衝撃メカニズムである、第34の態様に記載動力工具が提供される。
本発明の第38の態様では、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドと動作的に結合されたドライブ・ソケットと、
高抵抗トルク・モード中に、前記同軸的反作用面に反力を転移させるために前記ハウジング及び前記同軸的反作用面と動作的に結合される反作用ソケット、又は、
低抵抗トルク・モード又は間欠力モード中に、
前記ハウジング及び前記同軸的反作用面と動作的に結合されるか、
又は前記ハウジングと動作的に結合され、且つ前記同軸的反作用面から動作的に解離される反作用ソケットとを含む、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第39の態様では、
前記同軸的反作用面が、締め付けられるべき接合部と一体的に形成されるか又は該接合部に結合され、
前記ナットと動作的に結合されたドライブ・ソケットと、
高抵抗トルク・モード中に、前記スタッドに反力を転移させるために前記ハウジング及び前記スタッドと動作的に結合される反作用メカニズムとを含む、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第40の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記間欠力モード中に前記工具は、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを1つの方向の間欠回転力によってランダウンさせ、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを反対方向の間欠回転力によってランアップさせ、
該反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、振動を加えるための間欠振動力、又は該反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、及び振動を加えるための間欠振動力によって、前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャに衝撃、振動、又は衝撃及び振動の両方を施し、又は、
これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第41の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記間欠力モード中に前記工具は、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを1つの方向の間欠回転力によってランダウンさせることにより、有意な不都合なボルト締結適用特性を有する制限的に回転可能な状態から、所定の前締め付けトルク状態へ該ナットを着座させるか又は該スタッド・ヘッドを着座させ、そして締め付けられるべき接合部と、該着座されたナット又は該着座されたスタッド・ヘッドとの間で前記ワッシャを圧縮し、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを反対方向の間欠回転力によってランアップさせることにより、所定の前締め付けトルク状態から有意な不都合なボルト締結適用特性を有する制限的に回転可能な状態へ、前記ナットを座から外すか又は前記スタッド・ヘッドを座から外し、そして緩められるべき接合部と、該座から外されたナット又は該座から外されたスタッド・ヘッドとの間の前記ワッシャを圧縮軽減し、
不十分に粉砕されたねじ山腐食状態から充分に粉砕されたねじ山腐食状態になるように、該反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、振動を加えるための間欠振動力、又は該反対方向に振動及び回転を加えるための間欠回転力、及び振動を加えるための間欠振動力によって、前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャに衝撃、振動、又は衝撃及び振動の両方を与え、又は、
これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第42の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記高抵抗トルク・モード中に前記工具は、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを1つの方向の低速高トルク回転力で締め付け、そして該ワッシャに反対方向の反力を加え、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを該反対方向の低速高トルク回転力で緩め、そして該ワッシャに前記1つの方向の反力を加え、又は、これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第43の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記高抵抗トルク・モード中に前記工具は、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを1つの方向の低速高トルク回転力でトルクアップすることにより、所定の前締め付けトルク状態から所定の締め付けトルク状態へ前記ナットを締め付けるか又は前記スタッド・ヘッドを締め付け、そして該ワッシャに反対方向の反力を加えることにより、緩められた接合部と、該締め付けられたナット又は該締め付けられたスタッド・ヘッドとの間で該ワッシャを加圧し、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを該反対方向の低速高トルク回転力でトルクダウンすることにより、所定の締め付けトルク状態から所定の前締め付けトルク状態へ前記ナットを緩めるか又は前記スタッド・ヘッドを緩め、そして該ワッシャに前記1つの方向の反力を加えることにより、緩められた接合部と、該緩められたナット又は該緩められたスタッド・ヘッドとの間で該ワッシャを圧力軽減し、又は、
これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第44の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記低抵抗トルク・モード中に前記工具は、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを1つの方向の高速低トルク回転力によってランダウンさせ、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを反対方向の高速低トルク回転力によってランアップさせ、又は、
これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第45の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記低抵抗トルク・モード中に前記工具は、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを1つの方向の高速低トルク回転力によってランダウンさせることにより、有意でない不都合なボルト締結適用特性を有する自由に回転可能な状態から、所定の前締め付けトルク状態へ該ナットを着座させるか又は該スタッド・ヘッドを着座させ、そして締め付けられるべき接合部と、該着座されたナット又は該着座されたスタッド・ヘッドとの間で前記ワッシャを圧縮し、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャを反対方向の高速低トルク回転力によってランアップさせることにより、所定の前締め付けトルク状態から有意でない不都合なボルト締結適用特性を有する自由に回転可能な状態へ、前記ナットを座から外すか又は前記スタッド・ヘッドを座から外し、そして緩められるべき接合部と、該座から外されたナット又は該座から外されたスタッド・ヘッドとの間の前記ワッシャを圧縮軽減し、又は、
これらの任意の組み合わせを行う、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第46の態様では、
前記工具が前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを高抵抗トルク・モードで締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩め、前記工具が、前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャにランアップ、ランダウン、又は衝撃のうちの1つ、2つ、又は3つを前記間欠トルク・モード又は前記低抵抗トルク・モードで施す、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第47の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを着座させ、そして前記ワッシャを所定の前締め付けトルク状態で圧縮したとき、
前記ねじ山腐食部が充分に粉砕されたとき、又は、
これらの任意の組み合わせが生じたときに、前記工具が前記間欠トルク・モードから前記高抵抗トルク・モードへ切り換わる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第48の態様では、
前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを座から外し、前記ワッシャを所定の前弛緩トルク状態で圧縮軽減したときに、前記工具が前記高抵抗トルク・モードから前記間欠トルク・モード、又は低抵抗トルクへ切り換わる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第49の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを着座させ、そして前記ワッシャを所定の前締め付けトルク状態で圧縮したときに、前記工具が前記低抵抗トルク・モードから前記高抵抗トルク・モードへ切り換わる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第50の態様では、
前記回転力増倍メカニズムが複数の回転力増倍トランスミッタを含み、そして前記振動力メカニズムが複数の振動トランスミッタを含む、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第51の態様では、
前記ハウジングが少なくとも1つの増倍トランスミッタと動作的に結合されており、
高抵抗トルク・モード及び低抵抗トルク・モード中に、少なくとも2つの増倍トランスミッタが互いに相対回転し、そして、
前記間欠トルク・モード中に、少なくとも2つの増倍トランスミッタが、衝撃メカニズムからハンマ動作を達成するように統一される、第50の態様に記載動力工具が提供される。
本発明の第52の態様では、
前記高抵抗トルク・モードを、トルク調節型から振動支援型へ、又はその逆に切り換えることができ、
前記低抵抗トルク・モードを、トルク調節型から振動支援型へ、又はその逆に切り換えることができ、そして
前記間欠トルク・モードを、振動調節型からトルク支援型へ、又はその逆に切り換えることができる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第53の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記ワッシャが回転を開始又は終了しても前記振動メカニズムが動作を続けることができる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第54の態様では、
前記高抵抗トルク・モードは、締め付け中は振動支援型ではないが、しかし、化学物質、熱、及び/又は潤滑剤による腐食を克服し、ボルトのねじ山のゴーリングを回避するために弛緩する時には振動支援型であってよい、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第55の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、そして間欠トルク・モード中に、前記ドライブ、及び前記統一された増倍トランスミッタと前記ハウジングとの組み合わせが、同じ方向に回転する、第51の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第56の態様では、
前記間欠トルク・モード中に、前記ドライブ、及び前記統一された増倍トランスミッタと前記ハウジングとの組み合わせが前記複数の回転力衝撃トランスミッタと同じ方向に回転することにより、腐食、ねじ山変形、及び面変形を克服し、ボルトのねじ山のゴーリングを回避するために衝撃メカニズムのトルク出力を向上させる慣性が形成される、第51の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第57の態様では、
前記衝撃メカニズムの活性化又は非活性化が手動又は自動で行われる、第51の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第58の態様では、
前記高抵抗トルク・モードから前記間欠トルク・モードへ、
前記高抵抗トルク・モードから前記低抵抗トルク・モードへ、
前記低抵抗トルク・モードから前記間欠トルク・モードへ、
前記低抵抗トルク・モードから前記高抵抗トルク・モードへ、
前記間欠トルク・モードから前記高抵抗トルク・モードへ、又は、
前記間欠トルク・モードから前記低抵抗トルク・モードへ、
前記工具をシフトするスイッチを含む、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第59の態様では、
前記スイッチが自動式又は手動式である、第58の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第60の態様では、
超音波回転力、超音波振動力、又は上記の両方を発生させる、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第61の態様では、
前記ドライブ・ソケットが内側ソケットであり、前記反作用ソケットが外側ソケットである、第38の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第62の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、前記ナット及び前記ワッシャ、又は前記スタッド・ヘッド及び前記ワッシャが前記高抵抗トルク・モード中に同時に係合することにより、側面荷重を排除し、より均一な接合圧縮を保証するためにより均一なボルト荷重をもたらし、工具の使用を単純化し、操作者のエラーのリスクを軽減し、そして操作者の安全性を改善する、第38の態様に記載の動力工具が提供される。
本発明の第63の態様では、
前記高抵抗トルク・モードが低速高トルク・モードであり、前記低抵抗トルク・モードが高速低トルク・モードである、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第64の態様では、
前記同軸的反作用面がワッシャであり、該ワッシャが、締め付けられるべき接合部と一体的に形成されるか又は該接合部に結合され、又は、
前記工業用ねじ山付きファスナが、前記ナットを有する種類のものであり、前記同軸的反作用面が前記スタッドである、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第65の態様では、
前記工業用ねじ山付きファスナが、アレンキー結合、穴付きショルダねじ(SSC)ヘッド、穴付きボタンねじ(SHBS)ヘッド、六角穴付きボルト(HHCS)ヘッド、丸頭すり割り付きねじ(RHSS)ヘッド、平頭トルクスねじ(FHTS)ヘッド、穴付きセットねじ(SSS)ヘッド、又は穴付きボルト(SHCS)ヘッドを含むスタッド・ヘッドを有する種類のものである、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第66の態様では、
前記工具が電気式、液圧式、空気圧式、又はこれらの任意の組み合わせで駆動される、第34〜37の態様のいずれか1つに記載の動力工具が提供される。
本発明の第67の態様では、
同軸的反作用面と、スタッドと、該スタッドに螺合可能なナット又は該スタッドに結合されたスタッド・ヘッドとを有する種類の工業用ねじ山付きファスナを、第34〜66の態様のいずれか1つに記載の反作用アームなしのトルク動力工具によって、ゴーリングを最小限に抑えて締め付け、緩め、又は締め付け且つ緩める方法であって、
締め付けることが、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記同軸的反作用面、又は前記スタッド・ヘッド及び前記同軸的反作用面を1つの方向にランダウンさせ、
前記同軸的反作用面の反対方向の反作用をオフにしながら、前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを該1つの方向に締め付けるようにトルク付与することを含み、
緩めることが、
前記同軸的反作用面の該1つの方向の反作用をオフにしながら、前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを該反対方向で緩めるようにトルク付与し、
前記ナット、前記スタッド・ヘッド、前記ナット及び前記同軸的反作用面、又は前記スタッド・ヘッド及び前記同軸的反作用面を該反対方向にランアップさせることを含む、方法が提供される。
本発明の第68の態様では、
締め付けることが、
前記同軸的反作用面を、締め付けられるべき接合部に被せ、
前記同軸的反作用面に、前記ナット又は前記スタッド・ヘッドを被せ、
高抵抗トルク・モードに切り換えることを含み、
緩めることが、
該締め付けられたナット又は該締め付けられたスタッド・ヘッド、及び該加圧された同軸的反作用面に前記工具を被せ、そして、
LSHTモードからHSLTモードへ切り換えることを含む、第67の態様に記載の方法が提供される。
本発明の第69の態様では、
添付の図面を参照しながら本明細書中で説明され、添付の図面に示された任意の新規の特徴、又は該特徴の新規の組み合わせが提供される。

Claims (20)

  1. ねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容するための反作用ワッシャにおいて、
    動力工具との回転結合を可能にするジオメトリ形状を有する外縁と、
    中心孔から外方に向かう領域内で偏倚された摩擦係数増大処理手段を有する底面とを含み、
    前記摩擦係数増大処理手段が前記外縁に向かって偏倚されており、
    前記ワッシャの有効摩擦半径が、前記ねじ山付きファスナの有効摩擦半径よりも大きい、反作用ワッシャ。
  2. 前記ワッシャの外縁がねじ山付きファスナの外縁を超えて延びる、請求項1に記載の反作用ワッシャ。
  3. 前記反作用ワッシャがねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容する時に、前記ワッシャの外縁によって受容された反作用当接力が、前記ねじ山付きファスナの外縁によって受容された作用トルクよりも大きい規模であるように前記反作用ワッシャが構成されている、請求項2に記載の反作用ワッシャ。
  4. ねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容するための反作用ワッシャにおいて、
    動力工具との回転結合を可能にするジオメトリ形状を有する外縁と、
    中心孔から外方に向かう領域内で偏倚された摩擦係数増大処理手段を有する底面とを含み、
    前記摩擦係数増大処理手段が前記外縁に向かって偏倚されており、
    前記反作用ワッシャがナット又はボルトヘッドであるねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容する時に、前記摩擦係数増大処理手段が、前記ワッシャの底面の周りに、前記ナット又はボルトヘッドの有効摩擦半径を超えて位置決めされているように前記反作用ワッシャが構成されている、反作用ワッシャ。
  5. 前記底面が、ボルトを受容するための中心孔と、前記摩擦係数増大処理手段との間に形成された平滑面を含む、請求項1に記載の反作用ワッシャ。
  6. 前記ワッシャの外縁、及び該外縁のほぼ鉛直の係合手段が外側ソケットの内縁、及び該内縁のほぼ鉛直の係合手段と係合する、請求項1に記載の反作用ワッシャ。
  7. 前記ジオメトリ形状が、
    前記ワッシャの中心点の周りに半径方向に交互に繰り返し設けられた、内方に向かって延びる凹面状部分、及び外方に向かって延びる凸面状部分、又は、
    三角形、曲線三角形、正方形、長方形、平行四辺形、菱形、台形、不等辺四辺形、凧形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、外側突起を有する円形、楕円形、又は卵形のような任意のジオメトリを含む、請求項1に記載の反作用ワッシャ。
  8. ねじ山付きファスナを締め付けるか又は緩めることに起因して発生するカウンタトルクを受容するための反作用ワッシャにおいて、
    動力工具との回転結合を可能にするジオメトリ形状を有する外縁と、
    中心孔から外方に向かう領域内で偏倚された摩擦係数増大処理手段を有する底面とを含み、
    前記摩擦係数増大処理手段が前記外縁に向かって偏倚されており、
    前記反作用ワッシャが、前記外縁と前記底面との間に形成されたテーパ型底縁部分を含み、該テーパ型底縁部分が、前記ねじ山付きファスナの外縁に対して内方に向かって、そして前記外縁に対して下方に向かって延びている、反作用ワッシャ。
  9. 前記外縁と前記底面との間に形成されたテーパ型底縁部分を含み、該テーパ型底縁部分が、ナット又はボルトヘッドの外縁に対して内方に向かって延びている、請求項1に記載の反作用ワッシャ。
  10. 締め付けソケット集成体であって、
    ナット又はスタッド・ヘッドと係合する手段を備えた内縁を有する内側ソケットと、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の反作用ワッシャの外縁と係合するための反作用ワッシャ係合手段を備えた内縁を有する外側ソケットとを含み、
    該内側ソケットが該外側ソケットの内部に実質的に配置されており、そして該内側ソケットと該外側ソケットとが協働的且つ相対的に反対方向に回転させられるのを可能にするメカニズムによって、該内側ソケットと該外側ソケットとが互いに結合されている、締め付けソケット集成体。
  11. 前記外側ソケットの内縁、及び該内縁の係合手段と、前記ワッシャの外縁、及び該外縁の係合手段とがほぼ鉛直である、請求項10に記載の締め付けソケット集成体。
  12. 前記外側ソケットが、底部内縁の底部に向かって内側へ傾斜するテーパ面を有する外側底縁を含む、請求項10に記載の締め付けソケット集成体。
  13. 前記外側ソケットが反作用パッドとして形成されている、請求項10に記載の締め付けソケット集成体。
  14. フセット・リンク内に組み込まれた請求項10に記載の締め付けソケット集成体であって、該オフセット・リンクが、駆動力入力集成体と、駆動力出力集成体として形成された内側ソケットと、反力集成体として形成された外側ソケットとを含んでいる、請求項10に記載の締め付けソケット集成体。
  15. 物体を締め付けるためのねじ山付きファスナであって、
    スタッドと、
    該スタッドと螺合可能な締め付ける又は緩めるべきナット、又は該スタッドと結合された、締め付ける又は緩めるべきスタッド・ヘッドとを含み、
    請求項4に記載の反作用ワッシャが該物体のうちの1つと該ナット又は該ボルトヘッドとの間に配置されている、物体を締め付けるためのねじ山付きファスナ。
  16. 前記物体のうちの他の物体と、回転させられないようになっている別のファスナ部分との間に配置された両面摩擦ワッシャを含み、前記摩擦ワッシャが、該他のファスナ部分の回転を防ぐために請求項4に記載の摩擦係数増大処理手段を有するようにそれぞれが形成された上面と底面とを有している、請求項15に記載のねじ山付きファスナ。
  17. 請求項10〜14のいずれか1項に記載の締め付けソケット集成体によって締め付けられ且つ/又は緩められるようになっている、請求項15又は16に記載のねじ山付きファスナ。
  18. 請求項15〜17のいずれか1項に記載のねじ山付きファスナを引き締め、緩め、又は引き締め且つ緩めるための、反作用アームなしのトルク動力工具であって、該反作用アームなしのトルク動力工具が、
    回転力発生メカニズムと、
    該回転力を転移させるためのドライブと、
    請求項10〜14のいずれか1項に記載の締め付けソケット集成体とを含む、反作用アームなしのトルク動力工具。
  19. 電気式、液圧式、又は空気圧式に駆動される、請求項18に記載の動力工具。
  20. 物体を締め付けるシステムにおいて、
    請求項15〜17のいずれか1項に記載のねじ山付きファスナと、
    請求項18又は19に記載のトルク動力工具とを含む、物体を締め付けるシステム。
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