<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様書(TS23.401 v12.0.0)の5.3.4.3章に記載された“Network Triggered Service Request”における“Paging”には、端末10が“Service Request Procedure”を開始するタイミングを指定する情報が含まれていない。なお、“Paging”は、モバイル網の外部(例えば、データパケットネットワーク)から、モバイル網内に存在する端末10を呼び出すために用いられる制御信号である。
そのため、MME30は、短い時間内に複数の端末10に対して“Paging”を送信した場合、その後に続く当該複数の端末10からの制御信号(“Service Request”)を短い時間内に受信することになる。よって、MME30は、複数の端末10からの制御信号(“Service Request”)を短い時間内に処理しなければならず、当該MME30の負荷が上昇してしまう。言い換えると、短い時間内に大量の“Paging”が生起された場合、すなわちバースト的に“Paging”が生起された場合、その後に続く制御信号(“Service Request”)もバースト的なトラヒックを形成してしまい、MME30の負荷が大きく増加してしまう。
そこで、第1の実施形態の通信システムでは、複数の端末10ごとに、MME30が送信する“Paging”信号内に制御信号(“Service Request”)を送信するタイミング情報を付加することによって、当該MME30が制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングを分散させ、当該MME30の負荷上昇を抑制する。
そのために、第1の実施形態の通信システムにおけるMME30又は基地局20は、複数の端末に対するページングメッセージの送信を要求された場合、当該複数の端末ごとに制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を決定し、当該複数の端末の各々に送信するページングメッセージに当該複数の端末ごとに決定した遅延時間を格納する。よって、複数の端末の各々が受信するページングメッセージは、例えば、当該複数の端末ごとに異なる遅延時間が格納されることになり、当該複数の端末が制御信号を送信する時間を分散させることができる。なお、MME30や基地局20が決定する複数の端末ごとの遅延時間は、それら全てが互いに異なる必要はなく、例えば全体として分散されていれば一部の遅延時間が互いに重複していてもよい。
なお、WO2013/014847号公報には、Pagingメッセージにタイミング等の情報を格納することが記載されている。
第1の実施形態の通信システムにおけるMME30又は基地局20は、複数の端末に対するページングメッセージの送信を要求されたことに応じて、当該端末ごとに当該制御信号の送信を遅延させる時間を決定し、当該複数の端末の各々に、当該制御信号の送信を遅延させる時間を含むページングメッセージを送信する。MME30又は基地局20は、“Paging”に、端末10が制御信号を送信する時間(タイミング)に関する情報を格納する。MME30又は基地局20は、例えば、“Paging”に、端末10が“Service Request Procedure”を開始する時間(タイミング)を指定する情報を格納する。端末10は、例えば、“Paging”に含まれる時間(タイミング)を指定する情報に基づいて、“Service Request Procedure”を開始する。
そのため、第1の実施形態の通信システムは、例えば、複数の端末10ごとに、MME30に対して制御信号(“Service Request”)を送信するタイミングを変えることによって、MME30が制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングを分散させることが可能となる。したがって、例えば、MME30は、短い時間内に多数の“Paging”を送信した場合であっても、複数の端末10からの制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングを分散できるので、当該MME30の負荷の急激な上昇を抑制することが可能となる。
図1は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の仕様書(TS23.401 v12.2.0)の5.3.4.3章に記載された“Network Triggered Service Request”における、通信システムの動作例を示す。
図1に示すように、P−GW(Packet Data Network Gateway)50は、受信した通信データをS−GW(Serving Gateway)40に転送する。S−GW40は、通信データを受信したことに応じて、MME30に対して、“Down Link Notification”を通知する。
MME30は、“Down Link Notification”への応答として、“Down Link Notification Ack(ACKnowledgement)”をS−GW40に通知する。
MME30は、“Down Link Notification”を受信したことに応じて、基地局20に“Paging (S1AP(S1 Application Protocol))”を送信する。 基地局20は、MME30から“Paging (S1AP)”を受信したことに応じて、端末10に対して、“Paging (RRC(RadioResource Control))”を通知する。
“Paging (RRC)”の受信に応じて、端末10は、EPSベアラの確立手順を開始する(S1−6の“Service Request Procedure”)。
端末10によるEPS(Evolved Packet System)ベアラの確立手順の開始により、端末10、基地局20、MME30、S−GW40及びP−GW50の間で制御信号が交換される。制御信号が各ノード間で交換されることにより、EPSベアラが確立される。端末10は、確立されたEPSベアラを介して通信する。
図2は、第1の実施形態の通信システムの構成例である。図2はLTE(Long Term Evolution)の通信システムが例示するが、本発明の通信システムは図2の例に限定されない。
図2の例において、第1の実施形態の通信システムは、端末10、基地局20、MME30、S−GW40、P−GW50、及びパケットデータネットワーク60を含む。
端末10(UE:User Equipment)は、基地局20に接続し、コアネットワークを介してインターネット等のパケットデータネットワークにアクセスする。コアネットワークは、例えば、MME30やS−GW40、P−GW50で構成される。
端末10は、携帯電話、PC(Personal Computer)、モバイルルータ、スマートデバイス(例えば、家庭の消費電力をモニタするスマートメータ、スマートテレビ、ウェアラブル端末)、M2M(Machine to Machine)デバイス等を含む。M2Mデバイスは、例えば、上記のデバイスに加え、産業機器、車、ヘルスケア機器、家電等を含む。
基地局20やMME30、S−GW40、P−GW50等のネットワークノードは、通信システムが提供する通信サービスに関する様々な信号処理を実行する。例えば、MME30は、端末1の移動管理に関する信号処理を実行する。
基地局20は、例えば、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)に基づいて、端末10との間でデータ通信を実行する機能(User−Plane機能)を有する。また、基地局20は、制御シグナリングを処理する機能(C−Plane機能)を有する。
MME30は、例えば、通信用のセッションの設定・解放、ハンドオーバーの制御等である制御シグナリングを処理する機能(C−Plane機能)や、HSS(Home Subscriber Server)と連携して、通信システムの加入者情報を管理する機能を含む。
S−GW40は、例えば、パケットを処理する機能(User−Plane機能)や、制御シグナリングを処理する機能(C−Plane機能)を含む。
P−GW50は、例えば、パケットを処理する機能(User−Plane機能)や、通信に応じた課金状態を管理する機能(PCEF:Policy and Charging Enforcement Function)、QoS等のポリシーを制御する機能(PCRF:Policy and Charging Rule Function)、通信を傍受するための合法的傍受(LI:Lawful Interception)機能等を含む。
図3は、第1の実施形態におけるMME30の構成例を示す。図3に例示するように、MME30は、制御部310と処理部311とを含む。
制御部310は、C−Planeに相当する機能を備える。通信用のセッションの設定・解放、ハンドオーバーの制御等などの制御シグナリングを処理する機能を有する。制御部310は、処理部311を介して、制御シグナリングを送受信する。
制御部310は、Pagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)の所定のフィールドに、時間(タイミング)に関する情報を設定する機能を備える。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が制御信号の送信を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が、“Service Request Procedure”の開始を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が“Service Request”を送信する時間(タイミング)に関する情報である。
制御部310は、例えば、複数の端末に対するページングメッセージの送信を要求されたことに応じて、当該複数の端末ごとに制御信号の送信を遅延させる時間を決定する。制御部310は、例えば、所定のポリシーあるいは所定のアルゴリズムに基づいて、複数の端末ごとに制御信号の送信を遅延させる時間を決定する。制御部310は、例えば、MME30の負荷状況に応じて、複数の端末ごとに制御信号の送信を遅延させる時間を決定してもよい。
図4は、Pagingメッセージ(“Paging A (S1AP)”)のフォーマット例を示す。図4に例示するように、Pagingメッセージ(“Paging A (S1AP)”)は、タイミングパラメータフィールドA1を含む。タイミングパラメータフィールドA1は、制御部310が制御信号の送信タイミング(制御信号の送信を遅延させる時間)に関する情報を設定する所定のフィールドである。タイミングパラメータフィールドA1は、例えば、Pagingメッセージである制御信号内の所定の位置に設定される。タイミングパラメータフィールドA1が設定される位置は、例えば、Pagingメッセージのヘッダ部分であってもよいし、Pagingメッセージのペイロード部分であってもよい。なお、タイミングパラメータフィールドA1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
処理部311は、Pagingメッセージを基地局20に対して送信する。
図5は、第1の実施形態における基地局20の構成例を示す。図5に例示するように、基地局20は、制御部210と、通信部211とを含む。
制御部210は、いわゆるC−Planeに相当する機能を有する。C−Planeは、通信システムで伝送される制御信号を処理する機能を有する。
制御部210は、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに、時間(タイミング)に関する情報を設定する機能を備える。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が、“Service Request Procedure”の開始を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が所定の制御信号の送信を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が“Service Request”の送信を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。
制御部210は、例えば、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)に含まれる時間(タイミング)に関する情報に基づいて、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに、時間(タイミング)に関する情報を設定する。制御部210は、例えば、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)に含まれる時間(タイミング)に関する情報を読み取り、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに、読み取った時間(タイミング)に関する情報をマッピング(反映)してもよい。
図6は、Pagingメッセージ(“Paging (RRC)”)のフォーマット例を示す。図6に例示するように、Pagingメッセージ(“Paging (RRC)”)は、タイミングパラメータフィールドa1を含む。タイミングパラメータフィールドa1は、制御部210が時間(タイミング)に関する情報を設定する所定のフィールドである。タイミングパラメータフィールドa1は、例えば、Pagingメッセージである制御信号内の所定の位置に設定される。タイミングパラメータフィールドa1が設定される位置は、例えば、Pagingメッセージのヘッダ部分であってもよいし、Pagingメッセージのペイロード部分であってもよい。なお、タイミングパラメータフィールドa1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
制御部210は、例えば、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)に含まれるタイミングに関する情報を、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに格納してもよい。
通信部211は、いわゆるUser−Planeに相当する機能を有する。User−Planeは、通信システムで伝送されるデータを処理する機能を有する。
図7は、第1の実施形態における端末10の構成例を示す。図7に例示するように、端末10は、例えば、処理部110と、通信部111とを含む。処理部110は、基地局20から端末10に送られたメッセージを受信するとともに、端末10が基地局20に対して通知するメッセージを生成する。通信部111は、基地局20から任意のメッセージを受信するとともに、生成されたメッセージを基地局20に送信する。
処理部110は、基地局20から受信したPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)に含まれる時間(タイミング)に関する情報に基づいて、所定の制御信号を送信する時間(タイミング)を遅延させる。処理部110は、例えば、“Service Request Procedure”を開始する時間(タイミング)を遅延させる。処理部110は、例えば、“Service Request”を送信する時間(タイミング)を遅延させる。
処理部110は、例えば、基地局20から受信したPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)に含まれる時間(タイミング)に関する情報を読み取り、“Service Request”の生起を読み取った時間(タイミング)だけ遅らせる。
なお、通信部111が、制御信号(例えば、“Service Request”)を送信する時間(タイミング)を遅延させてもよい。
図8は、第1の実施形態の通信システムの動作例を示すシーケンス図である。図8は、3GPPの仕様書(TS23.401 v12.2.0)の5.3.4.3章に記載された“Network Triggered Service Request”に、本発明の技術を適用した動作例を示す。
P−GW50は、受信した“Downlink Data”を、S−GW40に転送する(S1−1)。
S−GW40は、“Downlink Data”の受信に応じて、“Downlink Data Notification”をMME30に送信する(S1−2)。
MME30の制御部310は、“Downlink Data Notification”の受信に応じて、“Downlink Data Notification Ack(ACKnowledgement)”をS−GW40に送信する(S1−3)。
MME30の制御部310は、“Downlink Data Notification”の受信に応じて、複数の端末10ごとに制御信号の送信を遅延させる時間を決定し、当該複数の端末の各々に送信する“Paging A”のタイミングパラメータフィールドA1に、当該複数の端末ごとに決定した時間(タイミングパラメータ)を設定し(S1−4)、当該“Paging A”を基地局20に送信する(S1−5)。なお、“Paging A”は、S1AP上のPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)である。
基地局20の制御部210は、“Paging A”の受信に応じて、タイミングパラメータフィールドA1のタイミングパラメータを、“Paging a”のタイミングパラメータフィールドa1に反映(マッピング)する(S1−6)。なお、“Paging a”は、RRCプロトコル上のPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)である。
基地局20の通信部211は、“Paging a”を、複数の端末10の各々に送信する(S1−7)。なお、通信部211は、“Paging a”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の処理部110は、例えば、基地局20から受信した“Paging a”が当該端末10宛であった場合、“Paging a”に含まれる時間(タイミング)に関する情報に基づいて、制御信号を送信する時間(タイミング)を遅延させる(S1−8)。
上記のとおり、第1の実施形態の通信システムは、複数の端末に対するページングメッセージの送信を要求された場合、当該複数の端末ごとに制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を決定し、当該複数の端末の各々に送信するページングメッセージに当該複数の端末ごとに決定した遅延時間を格納する。
よって、複数の端末の各々が受信するページングメッセージは、例えば、当該複数の端末ごとに異なる遅延時間が格納されることになり、当該複数の端末が制御信号を送信する時間を分散することができる。なお、上述したように、MME30や基地局20が決定する複数の端末ごとの遅延時間は、それら全てが互いに異なる必要はなく、例えば全体として分散されていれば一部の遅延時間が互いに重複していてもよい。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、MME30又は基地局20が、制御信号の送信を遅延させる時間を、当該複数の端末ごとに所定の時間幅からランダムに決定する場合の実施形態である。なお、第2の実施形態の技術は、第1の実施形態、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
第2の実施形態の通信システムは、図2に例示する第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。
図9は、第2の実施形態のMME30の構成例である。図9に示すように、MME30は、制御部320と、処理部321とを含む。なお、処理部321は、図3に例示するMME30の処理部311と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部320は、例えば、予め定められた複数の遅延時間の候補から、ランダムに選択した時間(値)を、複数の端末10ごとの遅延時間として決定する。
制御部320は、例えば、乱数発生器を備え、乱数発生器により生成された数字に基づき時間(値)を計算し、複数の端末10ごとの遅延時間として決定してもよい。制御部320は、例えば、所定の時間幅に取り得る値の範囲を限定したうえで、乱数発生器により生成された数字に基づき時間(値)を当該取り得る値の範囲内で計算し、複数の端末10ごとの遅延時間として決定してもよい。
制御部320は、例えば、複数の端末ごとに、当該制御信号の送信を遅延させる時間の上限値と下限値とから定まる時間幅からランダムに決定してもよい。当該制御信号の送信を遅延させる時間の上限値と下限値とは、予め定められていてもよいし、ページングメッセージの送信を要求する他の装置(図示していない)から通知されてもよい。
制御部320は、例えば、Pagingメッセージ(“Paging B (S1AP)”)の所定のフィールドに、決定した時間(遅延時間)を設定する機能を備える。制御部320は、例えば、Pagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)の所定のフィールドに、複数の端末10ごとに、制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる遅延時間(値)を設定する。
図10は、Pagingメッセージ(“Paging B (S1AP)”)のフォーマット例を示す。図10に例示するように、“Paging B”は、時間指定フィールドB1を含む。時間指定フィールドB1は、制御部320が端末10に制御信号(“Service Request”)を送信させる遅延時間(値)を設定する所定のフィールドである。時間指定フィールドB1は、例えば、端末10が制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる時間(値)を含む。時間指定フィールドB1は、例えば、“Paging B”内の所定の位置に設定される。時間指定フィールドB1は、例えば、“Paging B”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging B”のペイロード部分であってもよい。なお、時間指定フィールドB1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
図11は、Pagingメッセージ(“Paging b (RRC)”)のフォーマット例を示す。“Paging b”は、基地局20の制御部210が端末10に送信するRRC上のPagingメッセージである。図11に示すように、“Paging b”は、時間指定フィールドb1を含む。時間指定フィールドb1は、端末10が制御信号(“Service Request”)を送信する遅延時間(値)を設定する所定のフィールドである。時間指定フィールドb1は、例えば、端末10が制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる時間(値)を含む。時間指定フィールドb1は、例えば、“Paging b”内の所定の位置に設定される。時間指定フィールドB1は、例えば、“Paging B”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging B”のペイロード部分であってもよい。なお、時間指定フィールドB1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
図12は、第2の実施形態の通信システムの動作例を示すシーケンス図である。なお、図12のS2−1乃至S2−3は、図8に示す第1の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部320は、“Downlink Data Notification”の受信に応じて、例えば、複数の端末10ごとに制御信号の送信を遅延させる時間を決定する(S2−4)。
制御部320は、複数の端末の各々に送信する“Paging B”の時間指定フィールドB1に、当該複数の端末ごとに決定した遅延時間を設定し(S2−5)、処理部321を介して、当該“Paging B”を基地局20に送信する(S2−6)。なお、“Paging B”は、S1AP上のPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)である。
基地局20の制御部210は、“Paging B”の受信に応じて、当該“Paging B”の時間指定フィールドB1に設定された遅延時間に基づいて、“Paging b”の時間指定フィールドb1に値を設定する(S2−7)。なお、“Paging b”は、RRC上のPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)である。
基地局20の通信部211は、“Paging b”を、複数の端末10の各々に送信する(S2−8)。
端末10の処理部100は、基地局20から受信したPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の時間指定フィールドb1に設定された値を読み取り、“Service Request”の生起を読み取った時間だけ遅らせる(S2−9)。処理部100は、例えば、基地局20から受信した“Paging b”に含まれる遅延時間に基づいて、当該遅延時間だけ、制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる。
上記のとおり、第2の実施形態の通信システムにおいて、MME30又は基地局20が、制御信号の送信を遅延させる時間を、当該複数の端末ごとに所定の時間幅からランダムに決定する。よって、当該通信システムは、例えば、複数の端末10ごとに、所定の制御信号(“Service Request”)を送信するタイミングを変えることによって、MME30が制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングを分散させることが可能となる。したがって、例えば、MME30は、短い時間内に複数の“Paging”を送信した場合であっても、端末10からの所定の制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングを分散できるので、当該MME30の負荷の上昇を抑制することが可能となる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態は、Pagingメッセージに、端末10のサービスクラスを設定する場合の実施形態である。なお、第3の実施形態の技術は、第1又は第2の実施形態、および、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
サービスクラスは、時間(タイミング)に関する情報を指し示すポインタである。ここで、時間(タイミング)に関する情報は、実施形態1及び2と同様に、例えば、端末10が制御信号の送信を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が、“Service Request Procedure”の開始を遅延させる時間(タイミング)に関する情報である。時間(タイミング)に関する情報は、例えば、端末10が“Service Request”を送信する時間(タイミング)に関する情報である。サービスクラスは、例えば、当該通信の優先度を示す記号/数値であってもよいし、取り得る遅延時間の範囲を定めた記号/数値であってもよい。
第3の実施形態において、端末10は、例えば、サービスクラスと時間(タイミング)に関する情報とを対応付けて記憶しており、MME30が指定したサービスクラス(Pagingメッセージに含まれるサービスクラス)に対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて、制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる。第3の実施形態では、Pagingメッセージにサービスクラスを設定することで、当該Pagingメッセージに格納する情報量を削減することが可能となる。
第3の実施形態の通信システムは、図2に示す第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。なお、以下では、サービスクラスに対応付けられた時間(タイミング)に関する情報が、端末10が制御信号の送信を遅延させる時間(端末10の遅延時間:値)である場合を例として説明する。
図13は、第3の実施形態におけるMME30の構成例である。図13に例示するように、MME30は、処理部331と、制御部330と、記憶部332とを備える。なお、処理部331は、図3に例示する第1の実施形態のMME30の処理部311と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部330は、例えば、端末10が制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)に関する情報を決定する機能を備える。制御部330は、例えば、端末10が制御信号の送信を遅延させる時間(端末10の遅延時間:値)を決定する。
制御部330は、決定した端末10の遅延時間に基づいて、記憶部332を参照して、Pagingメッセージに設定するサービスクラスを決定する。記憶部332は、端末10の遅延時間と、サービスクラスとを対応付けて記憶する。制御部330は、記憶部332を参照して、決定した端末10の遅延時間に対応するサービスクラスを検索し、検索結果で得られたサービスクラスを、Pagingメッセージに設定する。
図14は、第3の実施形態におけるPagingメッセージ(“Paging C (S1AP)”)のフォーマット例を示す。図14に例示するように、“Paging C (S1AP)”は、クラス指定フィールドC1を含む。クラス指定フィールドC1は、制御部330が決定した遅延時間に対応するサービスクラスを設定するフィールドである。
なお、クラス指定フィールドC1は、例えば、“Paging C (S1AP)”のメッセージ内の所定の位置に設定される。クラス指定フィールドC1が設定される位置は、例えば、“Paging C (S1AP)”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging C (S1AP)”のペイロード部分であってもよい。なお、クラス指定フィールドC1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
図15は、Pagingメッセージ(“Paging c (RRC)”)のフォーマット例を示す。図15に示すように、“Paging c(RRC)”は、クラス指定フィールドc1を含む。クラス指定フィールドc1は、基地局20の制御部210が、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging C (S1AP)”)に基づいて、端末10の遅延時間に対応するサービスクラスを設定するフィールドである。
制御部210は、例えば、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)に含まれる端末10の遅延時間に対応するサービスクラスを読み取り、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに、読み取った端末10の遅延時間に対応するサービスクラスをマッピング(反映)してもよい。なお、図15に示すPagingメッセージのフォーマット例は、PagingメッセージがRRCプロトコル上のものであること以外は、図14に示すPagingメッセージのフォーマット例と同様であるので、詳細な説明は省略される。
図16は、第3の実施形態における端末10の構成例である。図16に例示するように、端末10は、記憶部132と、処理部130と、通信部131とを含む。なお、通信部131は、図7に示す第1の実施形態の端末10の通信部111と同様であるので、詳細な説明は省略される。
記憶部132は、サービスクラスと、当該サービスクラスに対応する端末10の遅延時間とを対応付けて記憶する。なお、対応する遅延時間等の情報は秒単位、分単位、時間単位など任意の単位(例えば、ms単位などでもよい)で指定してもよい。
処理部130は、基地局20から受信した“Paging c (RRC)”に含まれるサービスクラスに基づいて、制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する機能を有する。処理部130は、記憶部132を参照して、“Paging c (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する端末10の遅延時間を決定する。
図17は、第3の実施形態の通信システムの動作例を示す。なお、図17のS3−1乃至S3−3は、図8に例示する第2の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部330は、例えば、端末10が制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間に関する情報(端末10の遅延時間)を決定し、決定した端末10の遅延時間に基づいて、記憶部332を参照して、Pagingメッセージに設定するサービスクラスを決定する(S3−4)。
制御部330は、決定した端末10の遅延時間に対応するサービスクラスを検索し、検索結果で得られたサービスクラスを、Pagingメッセージ“Paging C (S1AP)”に設定する(S3−5)。制御部330は、サービスクラスを含むPagingメッセージ“Paging C (S1AP)”を、基地局20に対して送信する(S3−6)。
基地局20の制御部210は、“Paging C (S1AP)”の受信に応じて、当該“Paging C (S1AP)”のクラス指定フィールドC1を、“Paging c (RRC)”のクラス指定フィールドc1に反映する(S3−7)。
基地局20の通信部211は、“Paging c (RRC)”を、端末10に送信する(S3−8)。なお、通信部211は、“Paging c (RRC)”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の処理部130は、記憶部132を参照して、“Paging c (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する端末10の遅延時間を決定する(S3−9)。
端末10の処理部130は、決定した“端末10の遅延時間”に基づいて、当該遅延時間分だけ、基地局20に対する制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる(S3−10)。
上記のとおり、第3の実施形態の通信システムは、Pagingメッセージにサービスクラスを設定することで、当該Pagingメッセージに格納する情報量を削減することが可能となる。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態は、Pagingメッセージに含まれる端末10のサービスクラス(ポインタ)が、“基準となる遅延時間(値)”であり、端末10が、受信したPagingメッセージに含まれる“基準となる遅延時間(値)”に基づいて、所定の制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する場合の実施形態である。なお、第4の実施形態の技術は、第1の実施形態乃至第3の各実施形態、及び、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
本発明の第4の実施形態において、MME30や基地局20から送信されるPagingメッセージに含まれるサービスクラスには、端末10が所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を算出(決定)するために用いる“基準となる遅延時間”が対応付けられている。端末10は、Pagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”の周辺(前後)において、所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を決定する。
MME30や基地局20が、例えば、複数の端末10に対して一斉に、同一の“基準となる遅延時間”に対応するサービスクラスを含むPagingメッセージを送信した場合であっても、複数の端末10ごとに所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)が決定される。すなわち、所定の制御信号(“Service Request”)を送信するタイミングは、端末ごとに異なることとなる。したがって、MME30が複数の端末10から所定の制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングが分散されるので、当該MME30の負荷上昇を抑制することが可能となる。
第4の実施形態の通信システムは、図2に例示する第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。また、第4の実施形態において、Pagingメッセージの構成は、図14及び図15に示す第3の実施形態のPagingメッセージC又はPagingメッセージcと同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。また、第4の実施形態において、MME30の構成例は、図13に示す第3の実施形態のMME30の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。また、第4の実施形態において、基地局20の構成例は、図5に示す第1の実施形態の基地局20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
図18は、第4の実施形態の端末10の構成例を示す図である。図18に例示するように、端末10は、記憶部142と、制御部143、処理部140、通信部141を含む。
なお、通信部141は、図7に例示する第1の実施形態の端末10の通信部111と同様であるので、詳細な説明は省略される。
記憶部142は、サービスクラスと、当該サービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”とを対応付けて記憶する。なお、“基準となる遅延時間”は秒単位、分単位、時間単位など任意の単位(例えば、ms単位などでもよい)で指定してもよい。
制御部143は、基地局20から受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”に基づいて、所定の制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する。制御部143は、例えば、基地局20から受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”を読み取り、所定の制御信号を送信する時間(端末10の遅延時間)を決定する。制御部143は、例えば、受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”の周辺(前後)で、所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(値)を決定する。制御部143は、受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”から、所定の時間幅においてランダムに決定した時間(値)を、所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(値)とする。
制御部143は、例えば、乱数発生器を備え、受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”と、乱数発生器により生成された数字とに基づき、タイミングを指定する時間(値)を計算し、端末10の遅延時間として決定する。制御部143は、例えば、受信した“Paging”に含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”の前後の所定の時間幅に取り得る値の範囲を限定したうえで、乱数発生器により生成された数字に基づき、タイミングを指定する時間(値)を当該取り得る値の範囲内で計算し、端末10の遅延時間として決定する。
なお、端末10の処理部140が、制御部143の機能を備え、端末10の遅延時間を決定してもよい。この場合、端末10の構成は、図16に例示する第3の実施形態の端末10の構成例と同様となる。
端末10の処理部140は、制御部143が決定した“端末10の遅延時間”に基づいて、当該遅延時間分だけ、基地局20に対する制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる。
図19は、第4の実施形態の通信システムの動作例を示す。なお、図19のS4−1乃至S4−3は、図8に例示する第1の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部330は、“Downlink Data Notification”の受信に応じて、例えば、端末10が所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を算出(決定)するために用いる“基準となる遅延時間”を決定する(S4−4)。
制御部330は、決定した“基準となる遅延時間”に基づいて、“Paging C”のクラス指定フィールドC1に当該“基準となる遅延時間”に対応するサービスクラスを設定し(S4−5)、処理部301を介して、当該“Paging C”を基地局20に送信する(S4−6)。なお、“Paging C”は、S1AP上のPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)である。
基地局20の制御部210は、“Paging C”の受信に応じて、当該“Paging C (S1AP)”のクラス指定フィールドC1を、“Paging c (RRC)”のクラス指定フィールドc1に反映する(S4−7)。なお、“Paging c”は、RRC上のPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)である。
基地局20の通信部211は、“Paging c”を、端末10に送信する(S4−8)。なお、通信部211は、“Paging c”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の制御部143は、受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“基準となる遅延時間”から、所定の時間幅においてランダムに決定した時間(値)を、制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(値)として決定する(S4−9)。
端末10の処理部140は、制御部143が決定した遅延時間に基づいて、当該遅延時間分だけ、基地局20に対する制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる(S4−10)。
上記のとおり、第4の実施形態の通信システムは、MME30や基地局20が、例えば、複数の端末10に対して一斉に、同一の“基準となる遅延時間”に対応するサービスクラスを含むPagingメッセージを送信した場合であっても、複数の端末10ごとに所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)が決定される。したがって、MME30が複数の端末10から所定の制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングが分散されるので、当該MME30の負荷上昇を抑制することが可能となる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態は、Pagingメッセージに含まれる端末10のサービスクラス(ポインタ)が“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)であり、端末10が当該所定の時間幅(上限値と下限値との範囲内)から、制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する場合の実施形態である。なお、第5の実施形態の技術は、第1乃至第4の各実施形態、および、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
第5の実施形態において、MME30や基地局20が、例えば、複数の端末10に対して一斉に、“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)に対応するサービスクラスを含むPagingメッセージを送信した場合であっても、複数の端末10ごとに所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)が決定される。すなわち、所定の制御信号(“Service Request”)を送信するタイミングは、端末ごとに異なることとなる。したがって、MME30が複数の端末10から所定の制御信号(“Service Request”)を受信するタイミングが分散されるので、当該MME30の負荷上昇を抑制することが可能となる。
なお、MME30や基地局20は、例えば、Pagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)を、端末10ごとに設定してもよい。また、MME30や基地局20は、例えば、Pagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)を、端末10のグループごとに設定してもよい。端末10のグループは、例えば、端末10の属性に基づいて決定され、同一種類の属性の端末10(例えば、同一種類の複数のMTCデバイス)は同一のグループに含まれる。なお、端末10の属性は、例えば、端末10が提供可能なサービスの種類や、端末10の優先度などに基づいて決定してもよい。
第5の実施形態の通信システムは、図2に例示する第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。また、第5の実施形態において、Pagingメッセージの構成は、図14及び図15に示す第3の実施形態のPagingメッセージC又はcと同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。また、第5の実施形態において、基地局20の構成例は、図5に示す第1の実施形態の基地局20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
図20は、第5の実施形態のMME30の構成例である。図20に示すように、MME30は、記憶部352と、制御部350と、処理部351とを含む。なお、処理部351は、図3に例示する第1の実施形態のMME30の処理部301と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部350は、例えば、端末10が制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)に関する情報を決定する機能を備え、端末10が制御信号の送信を遅らせる時間(端末10の遅延時間)の上限値と下限値とを決定する。制御部350は、例えば、端末の種別や、ネットワークの混雑状況に応じて、端末10の遅延時間の上限値と下限値とを決定する。制御部350は、例えば、予め定められた値を、端末10の遅延時間の上限値と下限値として決定してもよい。制御部350は、例えば、所定の時間幅からランダムに決定した値(2値)を、上限値と下限値として決定してもよい。なお、制御部350が、上限値と下限値とを決定する方法は、これらの例に限られず、どのような方法であってもよい。
制御部350は、例えば、Pagingメッセージ(“Paging D (S1AP)”)の所定のフィールドに、端末10が制御信号の送信を遅らせる時間(端末10の遅延時間)の上限値と下限値とに対応するサービスクラスを設定する。
図21は、第5の実施形態における端末10の構成例である。図21に例示するように、端末10は、記憶部152と、制御部153、処理部150、通信部151を含む。なお、通信部151は、図7に例示する第1の実施形態の端末10の通信部111と同様であるので、詳細な説明は省略される。
記憶部152は、サービスクラスと、当該サービスクラスに対応する“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)とを対応付けて記憶する。なお、“所定の時間幅”に関する情報(上限値と下限値)は秒単位、分単位、時間単位など任意の単位(例えば、ms単位などでもよい)で指定してもよい。
制御部153は、基地局20から受信した“Paging c (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する端末10の遅延時間の上限値と下限値とに基づいて、制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する機能を有する。制御部153は、例えば、乱数発生器を備え、受信したPagingメッセージに含まれるサービスクラスに対応する上限値と下限値とで定められる範囲内で当該乱数発生器が生成した数字に基づいて、端末10の遅延時間を決定する。なお、制御部153が、受信したPagingメッセージに含まれる上限値と下限値とに基づいて、端末10の遅延時間を決定する方法は、例えば所定のアルゴリズムに従うなど、どのような方法であってもよい。
なお、端末10の処理部150が、制御部153の機能を備え、端末10の遅延時間を決定してもよい。この場合、端末10の構成は、図16に例示する第3の実施形態の端末10の構成例と同様となる。
端末10の処理部150は、制御部153が決定した“端末10の遅延時間”に基づいて、当該遅延時間分だけ、基地局20に対する制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる。
図22は、第5の実施形態の通信システムの動作例を示す。なお、図22のS5−1乃至S5−3は、図8に示す第1の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部350は、端末10が制御信号の送信を遅らせる時間(端末10の遅延時間)の上限値と下限値とを決定する(S5−4)。制御部350は、例えば、Pagingメッセージ(“Paging C (S1AP)”)のクラス指定フィールドC1に、決定した端末10の遅延時間の上限値と下限値に対応するサービスクラスを設定する(S5−5)。
MMEの制御部350は、処理部321を介して、“Paging C (S1AP)”を基地局20に送信する(S5−6)。
基地局20の制御部210は、“Paging C (S1AP)”の受信に応じて、当該“Paging C (S1AP)”のクラス指定フィールドC1を、“Paging c (RCC)”のクラス指定フィールドc1に反映する(S5−7)。
基地局20の通信部211は、“Paging c (RCC)”を、端末10に送信する(S5−8)。なお、通信部211は、 “Paging c (RCC)”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の制御部153は、基地局20から受信した “Paging c (RCC)”に含まれるサービスクラスに対応する端末10の遅延時間の上限値と下限値とに基づいて、制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する(S5−9)。
端末10の処理部150は、制御部153が決定した“端末10の遅延時間”に基づいて、当該遅延時間分だけ、基地局20に対する制御信号(“Service Request”)の送信を遅らせる(S5−10)。
上記のとおり、第5の実施形態の通信システムは、MME30が決定した端末10の遅延時間の上限値と下限値とに基づいて、端末10側で、当該上限値と下限値との範囲内において、所定の制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延時間)を決定することができる。したがって、MME30は、当該複数の端末10からの制御信号を分散して受信することが可能となる。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態は、Pagingメッセージに、第3〜第5の実施形態で説明したサービスクラスの他に、呼び出し対象となる複数の端末が属するグループを示す情報を設定する場合の実施形態である。なお、第6の実施形態の技術は、第1乃至第5の各実施形態、および、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
第6の実施形態の端末10は、例えば、提供可能なサービスに応じて、複数のグループにグループ分けされる。例えば、同一のM2Mサービスを提供可能な複数の端末10は、同一のグループにグループ分けされる。例えば、同一の属性である複数の端末10(例えば、同一種類の複数のMTCデバイス)は、同一のグループにグループ分けされる。なお、複数の端末10は、例えば、同一のサービスであっても、契約者ごとにグループを分けられてもよい。また、複数の端末10は、例えば、オペレータ(移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)や仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator))ごとにグループを分けられてもよい。
第6の実施形態では、MME30が、同一グループの複数の端末を呼び出し対象として指定するPagingメッセージを送信でき、複数の端末を呼び出す場合に送信するPagingメッセージの数を削減することが可能となる。
3GPPの仕様書(TS23.401 v12.2.0)の5.3.4.3章に記載された“Network Triggered Service Request”における“Paging”では、MME30は、端末10ごとに、Pagingメッセージを送信する。そのため、MME30は、同一グループに属する複数の端末10を一度に呼び出したい場合であっても、当該複数の端末10ごとにPagingメッセージを送信する必要がある。そのため、MME30は、例えば同一グループに属する端末10が多数存在する場合、当該多数の端末10ごとにPagingを送信しなければならず、当該MME30の負荷が上昇する要因となる。
第6の実施形態では、上述の通り、MME30が同一グループの複数の端末を呼び出し対象とするPagingメッセージを送信できるので、同一グループに属する端末10が多数存在する場合であっても、当該多数の端末10ごとにPagingを送信する必要がなくなり、当該MME30の負荷の上昇を防止することができる。
第6の実施形態の通信システムは、図2に例示する第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。また、第6の実施形態において、基地局20の構成例は、図5に示す第1の実施形態の基地局20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
図23は、第6の実施形態のMME30の構成例である。図23に示すように、MME30は、記憶部362と、制御部360と、処理部361とを含む。なお、処理部361は、図3に例示する第1の実施形態における端末10の処理部311と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部360は、例えば、Pagingメッセージ(“Paging E (S1AP)”)の所定のフィールドに、端末10が属するグループを示す情報を設定する機能を備える。
端末10が属するグループを示す情報は、例えば、当該端末10が享受する所定のサービスを特定可能な情報である。端末10が属するグループを示す情報は、例えば、当該端末10の優先度を示す情報(例えば、LAPI(Low Access Priority Indicator))である。端末10が属するグループを示す情報は、例えば、所定のMTC(Machine Type Communication)デバイスであることを示す情報である。端末10が属するグループを示す情報は、任意のサービスにおいて同一の扱いを受ける端末群であることを示す情報である。端末10が属するグループを示す情報は、ユーザの要求に応じて、任意のルールによりグループ分けされた端末群であることを示す情報である。端末10が属するグループを示す情報は、例えば、端末10が加入するオペレータ(MNOやMVNO)を識別可能な情報(例えば、PLMN(Public Land Mobile Network))である。
なお、制御部360は、Pagingメッセージ(“Paging D (S1AP)”)の所定のフィールドに、端末10のサービスクラスを設定する機能を備える。なお、制御部360がPagingメッセージに時間(タイミング)に関する情報に対応するサービスクラスを設定する処理は、図13に例示する第3の実施形態におけるMME30の制御部330と同様の処理であるため、詳細な説明は省略される。
図24は、第6の実施形態におけるPagingメッセージ(“Paging D (S1AP)”)のフォーマット例を示す。図24に例示するように、“Paging D (S1AP)”は、クラス指定フィールドC1と、グループ識別子フィールドD1とを含む。クラス指定フィールドC1は、制御部360が例えば遅延時間に関する情報に対応するサービスクラスを設定する所定のフィールドである。グループ識別子フィールドD1は、制御部360が決定した呼び出し対象となるグループを示す情報を設定するフィールドである。
なお、クラス指定フィールドC1及びグループ識別子フィールドD1は、例えば、“Paging D (S1AP)”のメッセージ内の所定の位置に設定される。クラス指定フィールドC1及びグループ識別子フィールドD1が設定される位置は、例えば、“Paging D (S1AP)”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging D (S1AP)”のペイロード部分であってもよい。なお、クラス指定フィールドC1及びグループ識別子フィールドD1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。また、クラス指定フィールドC1及びグループ識別子フィールドD1は、“Paging D(S1AP)”のメッセージ内において、必ずしも隣り合った位置(フィールド)である必要はなく、互いに離れた位置(フィールド)であってもよい。
図24の例では、クラス指定フィールドC1及びグループ識別子フィールドD1が異なるフィールドに設定されているが、同一のフィールドに設定されていてもよい。
図25は、Pagingメッセージ(“Paging d (RRC)”)のフォーマット例を示す。図25に示すように、“Paging d (RRC)”は、グループ識別子フィールドd1を含む。グループ識別子フィールドd1は、基地局20の制御部210が、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging D (S1AP)”)に含まれるグループ識別子フィールドD1に基づいて、端末10が属するグループを示す情報を設定するフィールドである。また、“Paging d (RRC)”は、クラス指定フィールドc1を含む。クラス指定フィールドc1は、基地局20の制御部210が、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging D (S1AP)”)に含まれるクラス指定フィールドC1に基づいて、端末10のサービスクラスを設定する情報を設定するフィールドである。制御部210は、例えば、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging (S1AP)”)に含まれるグループを示す情報及びサービスクラスを読み取り、端末10に送信するPagingメッセージ(“Paging (RRC)”)の所定のフィールドに、読み取ったグループを示す情報及びサービスクラスをマッピング(反映)してもよい。なお、図25に示すPagingメッセージのフォーマット例は、PagingメッセージがRRCプロトコル上のものであること以外は、図24に示すPagingメッセージのフォーマット例と同様であるので、詳細な説明は省略される。
図26は、第6の実施形態における端末10の構成例である。図26に例示するように、端末10は、記憶部162、制御部163、処理部160、通信部161と、を含む。
なお、通信部161は、図7に例示する第1の実施形態の端末10の通信部111と同様であるので、詳細な説明は省略される。
処理部160は、基地局20から受信した“Paging d (RRC)”に含まれる端末10のグループを示す情報に基づいて特定されるグループが、自装置が所属するグループと一致することに応じて、制御信号(“Service Request”)を送信する。この場合において、処理部160は、“Paging d (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて決定される遅延時間(制御信号の送信を遅延させる時間)だけ、制御信号の送信を遅延させる。
処理部160は、基地局20から受信した“Paging d (RRC)”に含まれる情報に基づいて呼び出し対象として特定されるグループが、自装置が所属するグループと一致するか否かに応じて、当該“Paging d (RRC)”に反応するか否かを決定してもよい。例えば、処理部160は、“Paging d (RRC)”に含まれる呼び出し対象として特定されるグループが、自装置のグループと一致することに応じて、“Paging d (RRC)”に反応すると決定する。
制御部163は、“Paging d (RRC)”に反応すると決定したことに応じて、当該“Paging d (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する。なお、処理部160が、“Paging d (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定してもよい。
制御部163又は処理部160が制御信号を送信する時間(値)を決定する方法は、図16に例示する処理部130や、図18に例示する制御部143と同様であるので、詳細な説明は省略される。
図27は、第6の実施形態の通信システムの動作例を示す。なお、図27のS6−1乃至S6−3は、図8に示す第1の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部360は、例えば、端末10が“Service Request”を送信する時間(タイミング)に関する情報に対応するサービスクラスと、端末10のグループを示す情報とを、Pagingメッセージに設定する(S6−4)。制御部360は、サービスクラスと、端末10が属するグループを示す情報とを含むPagingメッセージ“Paging D (S1AP)”を、基地局に対して送信する(S6−5)。
基地局20の制御部210は、“Paging D (S1AP)”の受信に応じて、当該Paging D (S1AP)のクラス指定フィールドC1とグループ識別子フィールドD1とを、“Paging d (RRC)”のクラス指定フィールドc1とグループ識別子フィールドd1とに反映する(S6−6)。
基地局20の通信部211は、“Paging d (RRC)”を、端末10に送信する(S6−7)。なお、通信部211は、“Paging d (RRC)”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の処理部160は、基地局20から受信した“Paging d (RRC)”に含まれる呼び出し対象として特定されるグループが、自装置のグループと一致するか否かに応じて、当該“Paging d (RRC)”に反応するか否かを決定する(S6−8)。
制御部163は、“Paging d (RRC)”に反応すると決定したことに応じて、当該“Paging d (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する(S6−9)。
処理部160は、決定した時間(値)に、当該制御信号を送信する(S6−10)。なお、“Paging d (RRC)”に含まれる情報から特定されるグループに所属する複数の端末10が、当該“Paging d (RRC)”に反応し、制御信号(“Service Request”)を送信する(S6−10乃至S6−12)。
上記のとおり、第6の実施形態の通信システムは、Pagingメッセージに呼び出し対象となる複数の端末が属するグループを示す情報を設定するので、MME30が、同一グループの複数の端末を呼び出し対象として指定するPagingメッセージを送信でき、送信するPagingメッセージの数を削減することが可能となる。
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態は、Pagingを所定の端末10に送信した場合に、SCS80が当該所定の端末10に対応するUser−Plane上のパケットを、当該所定の端末10のベアラ(Bearer)の設定が完了するまで保持(保留)する場合の実施形態である。なお、第7の実施形態の技術は、第1乃至第6の実施形態、および、後述の実施形態のいずれにも適用可能である。
3GPPの仕様書(TS23.401 v12.2.0)の5.3.4.3章に記載された“Network Triggered Service Request”の手続きにおいて端末10に送信すべきパケットをモバイル網が受け取った場合、まずはS−GW40まで転送される。その後、S−GW40は、当該パケットを受け取ったことに応じて即座にMME30に対して“Downlink Data Notification”を通知し、通知を受けたMME30がPagingメッセージを送信する。そのため、モバイル網上に存在する複数の端末10に対し、例えばリアルタイム性を要求しない同一の情報を配信する場合などにおいては、MME30に対し集中してPagingメッセージの送信を要求することになり、当該MME30の負荷が上昇する要因となる。
第7の実施形態は、例えば、上述したリアルタイム性を要求しない同一の情報を複数の端末10に配信する場合においては、各々の端末10に対して即座に情報を配信する必要性が低いこともあるため、SCS80を設け、各々の端末10へタイミングを調整しながら情報の配信を行うことで、MME30の負荷上昇を抑制することができる。
第7の実施形態は、SCS80がMME30に対してPagingメッセージの送信を要求し、当該SCS80が端末10に送信すべきパケットについて、S−GW40への転送を保留する。そして、端末10のベアラの設定が完了した後に、S−GW40に当該パケットを転送する。したがって、S−GW40は、パケットを受け取った場合であっても、端末10のベアラがすでに設定されているため、MME30に対してPagingメッセージの送信を要求することなく、当該ベアラを用いて端末10にパケットを転送することができる。したがって、MME30は、S−GW40がパケットを受け取ったことに起因する“Pagingメッセージの送信”を行う必要がなくなり、当該MME30の負荷の上昇を防止することができる。 第7の実施形態では、SCS80は、例えば、外部のアプリケーション等から所定の属性の複数の端末10に対するデータの送信要求を受信し、当該要求に応じて、MME30に対して当該複数の端末10宛のPagingメッセージの送信を要求する。この場合、MME30は、複数の端末が属するグループを示す情報を含むPagingメッセージを送信してもよいし、第1又は第2の実施形態のように複数の端末ごとにPagingメッセージを送信してもよい。なお、以下では、MME30が、複数の端末が属するグループを示す情報を含むPagingメッセージを送信する例により説明するが、第7の実施形態において、MMEが送信するPagingメッセージの構成例は、図4に示すPagingA、図10に示すPagingB、図14に示すPagingC、図24に示すPagingDのいずれかと同様の構成であってもよい。また、第7の実施形態において、基地局20が送信するPagingメッセージの構成例は、図6に示すPaging a、図11に示すPaging b、図15に示すPaging c、図25に示すPaging dのいずれかと同様の構成であってもよい。
図28は、第7の実施形態の通信システムの構成例である。図28に例示するように、第7の実施形態における通信システムは、MTC−IWF(MTC−Interworking Function)70と、SCS(Service Capability Server)80とを含む。なお、第7の実施形態における通信システムにおいて、S−GW40などの他のネットワークノードは、図2に示す第1の実施形態におけるS−GW40などのネットワークノードと同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。また、第7の実施形態において、基地局20の構成例は、図5に示す第1の実施形態の基地局20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
3GPPの仕様書(TS23.682 v12.2.0)には、MTC−IWF70は、例えば、SCS80から受け付ける制御シグナリングを処理する機能(C−Plane機能)やSCS80とモバイル網をセキュアに接続する機能を有することが記載されている。MTC−IWF70は、例えば、HSSと連携して制御シグナリングの認証を行う機能や、モバイル網内の適切な機能を起動するように制御シグナリングの変換を行う機能、また、MTCサービスの使用状況に応じて課金のための情報を生成する機能を備える。
SCS80は、例えば、モバイル網と1以上のMTCアプリケーションをホストするサーバとを接続し、MTCアプリケーションがUEとの通信を可能とするため、制御シグナリングを処理する機能(C−Plane機能)、またデータ通信を行う機能(User−Plane機能)を備える。SCS80は、例えば、MTCデバイスを起動するための制御シグナリング(Device Trigger Request)を送出する機能を備える。SCS80は、例えば、MTCサービスがモバイルネットワークの提供するサービスを簡単に使用可能とするためにAPI(Appilcation Programing Interface)を提供してもよい。
第7の実施形態におけるSCS80は、端末10が制御信号の送信を遅延させる時間を計算する機能や,計算した端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)をMTC−IWF70に通知する機能を有する。
図29は、SCS80の構成例を示す図である。図29に例示するように、SCS80は、制御部800と、信号処理部801とを備える。制御部800は、例えば、外部からの要求に応じて、端末10が制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間を計算する。制御部800は、例えば、複数の端末10のうち、制御信号の送信を遅延させる端末10のグループを特定する。制御部800は、例えば、信号処理部801を介して、計算した端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子をMTC−IWF70に通知する。
制御部800は、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子をMTC−IWF70に通知したことに応じて、当該特定した端末10に関するパケットの送信を保留する。制御部800は、例えば、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を通知したことに応じて、所定の通知を受信するまで、当該特定した端末10に関するパケットの送信を保留する。制御部800は、例えば、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を通知したことに応じて、当該特定した端末10に関するベアラ(Bearer)の設定が完了した旨の通知を受信するまで、当該特定した端末10に関するパケットの送信を保留する。
制御部800は、例えば、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を通知したことに応じて、当該特定した端末10に関するパケットを、所定の記憶部に格納する。制御部800は、特定した端末10に関するベアラの設定が完了した旨の通知を受信したことに応じて、所定の記憶部に格納した当該特定した端末10に関するパケットの送信を開始する。所定の記憶部は、例えば、パケットを一時的に記憶するメモリなどであってもよいし、パケットを所定の時間記憶可能なハードディスクなどであってもよい。
制御部800は、MTC−IWF70からベアラの設定が完了した端末10のIPアドレスを通知されたことに応じて、当該ベアラの設定が完了した端末10に関するパケットの送信を開始する。制御部800は、例えば、通知された端末10のIPアドレス宛てに、当該端末10に関するパケットを送信する。制御部800は、例えば、信号処理部811を介して、端末10に関するパケットを転送する。
第7の実施形態におけるMTC−IWF70は、SCS80から受信した端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を、MME30に通知する機能を有する。
図30は、MTC−IWF70の構成例を示す図である。図30に例示するように、MTC−IWF70は、制御部700と、信号処理部701とを備える。
制御部700は、SCS80から受信したC−Plane上の制御信号を認証する。制御部700は、認証結果に応じて、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を“Paging Request”に設定する。信号処理部701は、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子が設定された“Paging Request”をMME30に通知する。
第7の実施形態のMTC−IWF70の制御部710は、MME30からベアラの設定が完了した端末10のIPアドレスを通知されたことに応じて、当該通知された端末10のIPアドレスを、信号処理部711を介してSCS80に通知する。
図31は、第7の実施形態におけるMME30の構成例を示す図である。図31に示すように、MME30は、制御部370と、処理部371と、記憶部372とを含む。
記憶部372は、端末10のIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と、当該端末10のIPアドレスとを対応付けて記憶する。なお、IMSIは、端末の識別情報である。
制御部370は、記憶部372を参照して、ベアラの設定が完了した端末10のIMSIから、当該端末10のIPアドレスを特定する。制御部370は、特定した端末10のIPアドレスを、処理部371を介して、MTC−IWF70に通知する。
なお、制御部370の他の機能は、上記の各実施形態におけるMME30の制御部310、320、330、350、360のいずれかと同様であるので、詳細な説明は省略される。同様に、処理部371の他の機能は、上記の各実施形態におけるMME30の処理部311、321、331、351、361のいずれかと同様であるので、詳細な説明は省略される。さらに、記憶部372の他の機能は、上記の各実施形態におけるMME30の記憶部332、352、362のいずれかと同様であるので、詳細な説明は省略される。
図32は、第7の実施形態におけるMME30が送信するPagingメッセージの構成例である。図32に例示するように、“Paging E (S1AP)”は、タイミングパラメータフィールドA1と、グループ識別子フィールドD1とを含む。タイミングパラメータフィールドA1は、図4に示す第1の実施形態のタイミングパラメータフィールドA1と同様であるので、詳細な説明は省略される。グループ識別子フィールドD1は、図24に示す第6の実施形態のグループ識別子フィールドD1と同様であるので、詳細な説明は省略される。
なお、タイミングパラメータフィールドA1及びグループ識別子フィールドD1は、例えば、“Paging E (S1AP)”のメッセージ内の所定の位置に設定される。
タイミングパラメータフィールドA1及びグループ識別子フィールドD1が設定される位置は、例えば、“Paging E (S1AP)”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging E (S1AP)”のペイロード部分であってもよい。なお、タイミングパラメータフィールドA1及びグループ識別子フィールドD1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。また、タイミングパラメータフィールドA1及びグループ識別子フィールドD1は、“Paging E(S1AP)”のメッセージ内において、必ずしも隣り合った位置(フィールド)である必要はなく、互いに離れた位置(フィールド)であってもよい。図32の例では、タイミングパラメータフィールドA1及びグループ識別子フィールドD1が異なるフィールドに設定されているが、同一のフィールドに設定されていてもよい。
図33は、第7の実施形態における基地局20が送信するPagingメッセージの構成例である。図33に例示するように、 “Paging e (RRC)”は、タイミングパラメータフィールドa1と、グループ識別子フィールドd1とを含む構成であってもよい。タイミングパラメータフィールドa1は、図6に示す第1の実施形態のタイミングパラメータフィールドa1と同様であるので、詳細な説明は省略される。グループ識別子フィールドd1は、図25に示す第6の実施形態のグループ識別子フィールドd1と同様であるので、詳細な説明は省略される。
なお、タイミングパラメータフィールドa1及びグループ識別子フィールドd1は、例えば、“Paging e (RRC)”のメッセージ内の所定の位置に設定される。タイミングパラメータフィールドa1及びグループ識別子フィールドd1が設定される位置は、例えば、“Paging e (RRC)”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging e (RRC)”のペイロード部分であってもよい。なお、タイミングパラメータフィールドa1及びグループ識別子フィールドd1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。また、タイミングパラメータフィールドa1及びグループ識別子フィールドd1は、“Paging e (RRC)”のメッセージ内において、必ずしも隣り合った位置(フィールド)である必要はなく、互いに離れた位置(フィールド)であってもよい。図33の例では、タイミングパラメータフィールドa1及びグループ識別子フィールドd1が異なるフィールドに設定されているが、同一のフィールドに設定されていてもよい。
図34は、第7の実施形態における端末10の構成例である。図34に例示するように、端末10は、記憶部173、制御部172、処理部170、通信部171と、を含む。
なお、通信部171は、図7に例示する第1の実施形態の端末10の通信部111と同様であるので、詳細な説明は省略される。
処理部170は、基地局20から受信した“Paging e (RRC)”に含まれる端末10のグループを示す情報に基づいて特定されるグループが、自装置が所属するグループと一致することに応じて、制御信号(“Service Request”)を送信する。この場合において、処理部170は、“Paging e (RRC)”に含まれるサービスクラスに対応する時間(タイミング)に関する情報に基づいて決定される遅延時間(制御信号の送信を遅延させる時間)だけ、制御信号の送信を遅延させる。
処理部170は、基地局20から受信した“Paging e (RRC)”に含まれる情報に基づいて呼び出し対象として特定されるグループが、自装置が所属するグループと一致するか否かに応じて、当該“Paging e (RRC)”に反応するか否かを決定してもよい。例えば、処理部170は、“Paging e (RRC)”に含まれる呼び出し対象として特定されるグループが、自装置のグループと一致することに応じて、“Paging e (RRC)”に反応すると決定する。
制御部172は、“Paging e (RRC)”に反応すると決定したことに応じて、当該“Paging e (RRC)”に含まれる時間(タイミング)に関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定する。なお、処理部170が、“Paging e (RRC)”に含まれる時間(タイミング)に関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定してもよい。
制御部172又は処理部170が制御信号を送信する時間(値)を決定する方法は、図16に例示する処理部130や、図18に例示する制御部143と同様であるので、詳細な説明は省略される。
図35は、第7の実施形態におけるシステムの動作例を示すシーケンス図である。
SCS80の制御部800は、“Downlink Data”を受信したことに応じて(S7−1)、端末10が制御信号(“Service Request”)の送信を遅延させる時間(遅延制御パラメータ)と、制御信号の送信を遅延させる端末10のグループ(グループ識別子)とを決定する(S7−2)。なお、本発明の実施形態7において、“Downlink Data”は、例えば、複数の端末10に送信するデータであってもよい。
SCS80の制御部800は、信号処理部801を介して、端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子が設定された“Paging Request”をMTC−IWF70に通知する(S7−3)。
MTC−IWF70の制御部700は、“Paging Request”を受信したことに応じて、所定の認証処理を実行し(S7−4)、認証結果に応じて、当該端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を反映したPaging Requestを、MME30に転送する(S7−5)。
MMEの制御部370は、“Paging Request”の受信に応じて、“Downlink Data Notification ACK”をMTC−IWF70に応答する(S7−6)。
MME30の制御部370は、MTC−IWF70から端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を含む“Paging Request”を受信したことに応じて、当該端末10の遅延時間(遅延制御パラメータ)及び特定した端末10のグループ識別子を、Pagingメッセージに設定(反映)する(S7−7)。制御部370は、タイミングに関する情報と、端末10が属するグループを示す情報とを含むPagingメッセージ“Paging E (S1AP)”を、基地局に対して送信する(S7−8)。
基地局20の制御部210は、“Paging E (S1AP)”の受信に応じて、当該Paging E (S1AP)のタイミングパラメータフィールドA1とグループ識別子フィールドE1とを、“Paging e (RRC)”のタイミングパラメータフィールドa1とグループ識別子フィールドe1とに反映する(S7−9)。
基地局20の通信部211は、“Paging e (RRC)”を、端末10に送信する(S7−10)。なお、通信部211は、“Paging e (RRC)”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の処理部170は、基地局20から受信した“Paging e (RRC)”に含まれる呼び出し対象として特定されるグループが、自装置のグループと一致するか否かに応じて、当該“Paging e (RRC)”に反応するか否かを決定する(S7−11)。
処理部170は、“Paging e (RRC)”に反応すると決定したことに応じて、当該“Paging e (RRC)”に含まれるタイミングに関する情報に基づいて制御信号(“Service Request”)を送信する時間(値)を決定し、当該決定した時間だけ制御信号の送信を遅延させる(S7−12の“リクエスト生起を遅らせる”)。
なお、S7−11及びS7−12においては、“Paging e (RRC)”に含まれる情報から特定されるグループに所属する複数の端末10が、当該“Paging e (RRC)”に反応し、制御信号(“Service Request”)を送信する。
MME30の制御部370は、所定の端末10に関するベアラの設定が完了したことに応じて(S7−13の“Service Request Procedure”)、当該所定の端末10のIMSIから、当該端末10のIPアドレスを特定する(S7−14)。制御部370は、例えば、記憶部372を参照して、ベアラの設定が完了した端末10のIMSIから、当該端末10のIPアドレスを特定する。
制御部370は、特定したIPアドレスを、処理部371を介してMTC−IWF70に通知する(S7−15の“Bearer Setup Complete Response”)。MTC−IWF70は、通知された端末10のIPアドレスを、SCS80に転送する(S7−15)。
SCS80の制御部800は、通知された端末10のIPアドレス宛てに、当該端末10に関するパケットを送信する(S7−16)。その結果、通信データが、所定の端末10に転送される(S7−17の“Downlink Data”)。この場合において、所定の端末10のベアラの設定が完了しているため、S−GW40は、MME30に対してページングメッセージの送信の要求を行うことなく、通信データを当該所定の端末10に転送する。
第7の実施形態において、複数の端末10からの制御信号(Service Request)の送信のタイミングは分散され、それに伴って当該複数の端末10におけるベアラの設定の完了のタイミングも分散される。したがって、図35に示すように、S7−13乃至S7−17は、同一グループの端末10毎に分散して実行される。
なお、図36のように、第7の実施形態のシステムにおけるネットワークノード(MME30、SGW40、PGW50)、MTC−IWF70、SCS80の機能は、仮想マシンにより運用可能である。
図36は、第7の実施形態のシステムの他の構成例である。図36に示すように、第7の実施形態のシステムは、端末10、基地局20、仮想ネットワークノード(仮想MME30A、仮想SGW40A、仮想PGW50)、仮想MTC−IWF70A、仮想SCS80Aを含む。なお、各仮想ネットワークノード(仮想MME30A、仮想SGW40A、仮想PGW50)、仮想MTC−IWF70A、仮想SCS80Aの機能は、図28に示すネットワークノード(MME30A、SGW40A、PGW50)、MTC−IWF70A、SCS80Aの機能と同様であるため、詳細な説明は省略される。
図37は、第7の実施形態のシステムにおけるネットワークノード(MME30、SGW40、PGW50)、MTC−IWF70、SCS80の機能を提供する仮想マシンを運用可能な通信装置90を示す図である。
通信装置90は、例えば、サーバ、スイッチ、ルータ等である。通信装置90は、仮想ネットワークにおける仮想ネットワークノード(例えば、仮想SGW、仮想PGW、仮想MME等)の機能を提供する仮想マシンを運用する。
通信装置90は、仮想ネットワーク機能(VNF:Virtual Network Function)220を構築可能な制御部910を含む。制御部910は、VNFを仮想マシン上で運用することで、仮想ネットワークノードの機能を提供する。このような制御部910は、例えば、ハイパーバイザ(Hypervisor)等、コンピュータの仮想化を実行可能な制御プログラムにより構成されてもよい。
上記のとおり、第7の実施形態では、端末が属するグループを示す情報を設定したPagingを所定の端末に送信した場合に、SCS80が当該所定の端末に対応するUser−Plane上のパケットを送信タイミングまで保持する。したがって、複数端末へ一斉に情報を配信する場合など、SCS80を設けてタイミングを調整しながら複数の端末10へ配信を行うことにより、S−GW40がMME30に対して集中的にページングメッセージの送信要求を行うことがなくなり、当該MME30の負荷上昇を抑制することが可能である。
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態は、MMEが、所定のポリシーに基づいて端末に送信するPagingメッセージに、“制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含める場合の実施形態である。なお、第8の実施形態の技術は、第1乃至第7の各実施形態にも適用可能である。なお、第8の実施形態において、基地局20の構成例は、図5に示す第1の実施形態の基地局20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
端末10は、受信したPagingメッセージに、“制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”が含まれている場合、送信する制御信号に所定の情報を格納する。
所定の情報は、例えば、端末の優先度を示す情報である。所定の情報は、例えば、LAPI(Low Access Priority Indicator)である。所定の情報は、例えば、delayTolerantAccessフラグである。
第8の実施形態の通信システムにおいて、基地局20は、端末10から受信した制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報が格納されていることに応じて、当該端末10がMME30に送信する制御信号(Service Request)の転送の優先度を下げる。基地局20は、例えば、端末10から受信した制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグが格納されていることに応じて、当該制御信号を破棄する。当該制御信号が破棄されると、当該端末10は制御信号(Service Request)の送信が不可能になる。したがって、第8の実施形態の通信システムのMME30は、端末10からの制御信号(Service Request)の受信数を減らすことが可能となり、当該MME30の負荷の上昇を抑えることが可能となる。
第8の実施形態の通信システムは、図2に例示する第1の実施形態の通信システムと同様であるので、詳細な説明は省略される。
図38は、第8の実施形態におけるMME30の構成例である。図38に例示するように、MME30は、制御部380と、処理部381とを含む。なお、処理部381は、図3に示す処理部301と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部380は、所定のポリシーに基づいて、端末に送信するPagingメッセージの所定のフィールドに、当該端末が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示を含める機能を備える。
制御部380は、所定のポリシーに基づいて、例えば、端末に送信するPagingメッセージに、“当該端末が送信する制御信号に当該端末の優先度を示す情報を格納させるための指示”を含める。制御部380は、例えば、所定のポリシーに基づいて、当該端末に送信するPagingメッセージに、“制御信号にLAPI(Low Access Priority Indicator)を格納させるための指示”を含める。制御部360は、例えば、所定のポリシーに基づいて、当該端末に送信するPagingメッセージに、“制御信号にdelayTolerantAccessフラグを格納させるための指示”を含める。
また、制御部380は、端末の属性が所定の属性であることに応じて、当該端末に送信するPagingメッセージに、“当該端末が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含める。制御部380は、例えば、端末がMTCデバイスであることに応じて、当該端末に送信するPagingメッセージに、“当該端末が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含める。制御部380は、ネットワーク全体の混雑状況、あるいはMMEの負荷状況に応じて、当該端末に送信するPagingメッセージに、“当該端末が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含める。
なお、制御部380と処理部381の他の機能は、図3に例示する第1の実施形態のMME30と同様であるので、詳細な説明は省略される。
図39は、第8の実施形態におけるPagingパケット(“Paging F (S1AP)”)のフォーマット例を示す。図39に例示するように、“Paging F (S1AP)”は、端末属性フィールドF1を含む。端末属性フィールドF1は、“端末10が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含めるためのフィールドである。端末属性フィールドF1には、例えば、“制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納させるための指示”が含まれる。
なお、端末属性フィールドF1は、例えば、“Paging F (S1AP)”のメッセージ内の所定の位置に設定される。端末属性フィールドF1が設定される位置は、例えば、“Paging F”のヘッダ部分であってもよいし、“Paging F”のペイロード部分であってもよい。なお、端末属性フィールドF1が設定される位置は、これらに限られず、どのような位置であってもよい。
図40は、Pagingパケット(“Paging f (RRC)”)のフォーマット例を示す。図40に示すように、“Paging f (RRC)”は、端末属性フィールドf1を含む。端末属性フィールドf1は、基地局20の制御部210が、MME30から受信したPagingメッセージ(“Paging F (S1AP)”)に含まれる端末属性フィールドF1に基づいて、“端末10が送信する制御信号に所定の情報を格納させるための指示”を含めるためのフィールドである。端末属性フィールドf1には、例えば、“制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納させるためのる指示”が含まれる。
図41は、第8の実施形態における端末10の構成例である。図41に例示するように、端末10は、制御部180と、通信部181とを含む。なお、通信部181は、図3に示す第1の実施形態における通信部101と同様の構成であるため、詳細な説明は省略される。
制御部180は、Paging f (RRC)”に、端末10が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示が含まれていることに応じて、当該制御信号に所定の情報を格納する。制御部180は、例えば、Paging f (RRC)”に、“制御信号にdelayTolerantAccessフラグを格納させるための指示”が含まれていることに応じて、制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納する。
図42は、第8の実施形態の通信システムの動作例を示す。なお、図42のS8−1乃至S8−3は、図8に示す第1の実施形態の動作例のS1−1乃至S1−3と同様であるため、詳細な説明は省略される。
MME30の制御部380は、“Paging F (S1AP)”の端末属性フィールドF1に、制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示を設定する(S8−4)。制御部360は、例えば、“Paging F (S1AP)”の端末属性フィールドF1に、制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納させるための指示を含ませる。
MMEの制御部380は、処理部381を介して、Pagingメッセージ“Paging F (S1AP)”を基地局20に送信する(S8−5)。
基地局20の制御部210は、“Paging F (S1AP)”の受信に応じて、当該“Paging F (S1AP)”の端末属性フィールドF1を、“Paging f (RRC)”の端末属性フィールドf1に反映する(S8−6)。制御部210は、例えば、“Paging F (S1AP)”の端末属性フィールドf1に、制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納させるための指示を含ませる。
基地局20の通信部211は、“Paging f (RRC)”を、端末10に送信する(S8−7)。なお、通信部211は、“Paging f”を、複数の端末10に送信してもよい。
端末10の制御部180は、Paging f (RRC)”に、端末10が送信する制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示が含まれていることに応じて、当該制御信号に所定の情報を格納する(S8−8)。制御部180は、例えば、Paging f (RRC)”に、delayTolerantAccessフラグの格納を要求する指示が含まれていることに応じて、制御信号(RRC Connection Request)にdelayTolerantAccessフラグを格納する。
基地局の制御部210は、端末から受信した制御信号に所定の情報が含まれていることに応じて、当該制御信号の転送の優先度を下げるための処理を実行する(S8−9)。制御部210は、例えば、端末10から受信した制御信号に所定の情報が含まれていることに応じて、当該制御信号を破棄する。
上記のとおり、第8の実施形態の通信システムは、MME30が、所定のポリシーに基づいて端末10に送信するPagingメッセージに、“制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”を含める。そして、端末10は、受信したPagingメッセージに、“制御信号(RRC Connection Request)に所定の情報を格納させるための指示”が含まれている場合、送信する制御信号に所定の情報を格納する。したがって、基地局20は、端末10から受信した制御信号に当該所定の情報が格納されていることに応じて当該制御信号の破棄を行うと、MME30に対する制御信号(Service Request)の転送の優先度を下げることが可能となる。したがって、MME30は、端末10からの制御信号(Service Request)の受信数を減らすことが可能となり、当該MME30の負荷の上昇を抑えることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記したそれぞれの実施形態に限定されるものではない。本発明は、各実施形態の変形・置換・調整に基づいて実施できる。
また、本発明は、各実施形態を任意に組み合わせて実施することもできる。即ち、本発明は、本明細書の全ての開示内容、技術的思想に従って実現できる各種変形、修正を含む。
また、本発明は、SDN(Software−Defined Network)の技術分野にも適用可能である。
また、本発明において、端末10、基地局(eNB)20、ネットワークノード(S−GW30、P−GW40、MME50)、MTC−IWF70、SCS80のコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro−Processing Unit)等が、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を実行してもよい。端末1又は各ネットワークノードは、コンピュータ読取り可能な非一時的な記録媒体、例えばCD−R(Compact Disc Recordable)等の各種記憶媒体又はネットワークを介して、上述した各実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を取得してもよい。端末1又は各ネットワークノードが取得するプログラムや該プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な非一時的な記憶媒体は、本発明を構成することになる。なお、該ソフトウェア(プログラム)は、例えば、端末1又は各ネットワークノードに含まれる所定の記憶部に、予め記憶されていてもよい。端末1又は各ネットワークノードのコンピュータ、CPU又はMPU等は、取得したソフトウェア(プログラム)のプログラムコードを読み出して実行してもよい。したがって、端末1又は各ネットワークノードは、上述した各実施形態における端末10、基地局(eNB)20、ネットワークノード(S−GW30、P−GW40、MME50)、MTC−IWF70、SCS80の処理と同一の処理を実行する。
この出願は、2015年3月31日に出願された日本出願特願2015−070955を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。