JP6698689B2 - 磁気作動を利用した認証・ロック解除システム及び方法 - Google Patents

磁気作動を利用した認証・ロック解除システム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、認証・ロック解除装置、特に磁気作動式認証・ロック解除システムに関する。
〔関連出願の説明〕
本願は、2014年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/098,098号明細書の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
認可小火器オペレータの迅速かつ信頼性のある認証(本人確認)は、現行のスマートガン技術がまだ十分に取り組まれていないという課題を反映している。嵩張ったバッテリー、専用電子部品、及び多くの場合不十分な処理電力は、軍事用途、警察、及び個人の自己防衛に用いられるスマートガン技術の価値を大幅に減じている。
本発明の目的は、少なくとも上述の問題及び/又は欠点を解決するとともに少なくとも以下に説明する利点を提供することにある。
したがって、本発明の目的は、認証・ロック解除システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、磁気的に作動される認証・ロック解除システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、ユーザによって保持され又は握られる器具中に組み込み可能な認証・ロック解除システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、小火器中に組み込み可能な認証・ロック解除システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、ユーザによって着用されるようになったロック解除機構を提供することにある。
本発明の別の目的は、ロック機構内の磁石の位置及び分極によって定められる磁気キーを利用する認証・ロック解除システムを提供することにある。
本発明の別の目的は、磁気ロック解除機構がロック解除範囲内に入ったときに器具をロック解除する磁気作動式ロック機構を提供することにある。
本発明の別の目的は、磁気ロック解除機構を組み込んだ手袋を提供することにある。
本発明の別の目的は、器具が磁気キーを組み込んだ手袋を着用しているユーザによって保持されたときに器具をロック解除する磁気作動式ロック機構体を提供することにある。
本発明の追加の利点、追加の目的、及び追加の特徴は、一部は以下の説明に記載され、一部は以下の説明を検討すると当業者には明らかになり、又は本発明の実施から学習可能である。本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲の記載に具体的に記載されているように具体化できるとともに達成できる。
以下の図面を参照して本発明を詳細に説明し、図中、同一の参照符号は、同一の要素を示している。
本発明の一実施形態としての磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の一実施形態としての磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の一実施形態としてのシステムに用いられる取り外し可能な磁石を備えたプレートの平面図である。 本発明の一実施形態に従ってプレート140をガイド150にどのように取り付けるかを示す斜視図及び側面図である。 本発明の一実施形態に従ってプレート140をガイド150にどのように取り付けるかを示す斜視図及び側面図である。 本発明の別の実施形態としての磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の別の実施形態としての磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の追加の実施形態に従って永続的ロック機構体を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の追加の実施形態に従って永続的ロック機構体を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の追加の実施形態に従って永続的ロック機構体を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の追加の実施形態に従って永続的ロック機構体を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の追加の実施形態に従って永続的ロック機構体を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の別の実施形態に従って弛緩式グリップ機構を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の別の実施形態に従って遅延式ロック機構を利用した磁気作動式認証・ロック解除システム100の概略断面図である。 本発明の一実施形態に従って応従性部材として使用できる機械式ばねの斜視図である。 本発明の一実施形態に従ってロック解除機構のために使用できる着用可能なコンポーネントの斜視図である。 本発明の一実施形態に従って本発明のロック機構体を組み込んだ小火器の略図である。 本発明の一実施形態に従って本発明のロック機構を組み込んだ小火器を握っているユーザの斜視図である。 本発明の一実施形態に従って本発明のロック機構を組み込んだ小火器を握っているユーザの斜視図である。 本発明の一実施形態に従って回転アライメントを示す磁石の考えられる種々の形状及び形態の実施例の略図である。 本発明の追加の実施形態に従って図6の磁気ディスク800を利用した機構がどのように作動するかを示す略図である。 本発明の追加の実施形態に従って図6の磁気ディスク800を利用した機構がどのように作動するかを示す略図である。 本発明の追加の実施形態に従って図6の磁気ディスク800を利用した機構がどのように作動するかを示す略図である。 本発明の一実施形態に従って3対の磁気ディスクを備えた機構を示す略図である。 本発明の一実施形態に従って図7A〜図8に示されているピン810及び他のコンポーネントをプレート900にどのようにして取り付けることができるかの実施例を示す略図である。
当業者であれば理解されるように、本明細書において説明する本発明は、具体的に説明する実施形態とは別の形態で実施できる。本発明は、かかる全ての変形例及び改造例を含む。
本明細書において引用する各刊行物、参考文献、特許出願又は特許明細書を参照により引用し、このことは、その記載内容全体が本明細書の一部として読者によって読まれて考慮されるべきであることを意味している。本明細書において引用する刊行物、参考文献、特許出願又は特許明細書が本明細書において繰り返されないということは、簡潔にする理由であるに過ぎない。
本明細書又は参照により引用する任意の文献に言及される製品に関する製造業者の取扱説明書、説明書、製品仕様及び製品印刷物を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の実施に採用することができる。
本発明は、例示の実施形態であることが意図されている本明細書において説明する特定の実施形態によっては範囲が制限されることはない。機能的に均等な製品及び方法は、本明細書において説明する本明細書の範囲に含まれることが明らかである。
本明細書で用いられる選択された用語に関する定義が提供され、本明細書全体にわたって適用できる。別段の既定がなければ、本明細書において用いられる他の全ての科学的及び技術的用語は、本発明の属する当業者には一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
本発明は、電子部品又は電源を必要としない磁気認証・ロック解除機構の使用により、本発明の認証・ロック解除装置においてこれらの欠点に取り組んでいる。説明する機構は、小火器には限定されず、電子部品が設けられていない場合において迅速かつ信頼のあるオペレータ認証を必要とする任意の用途で使用できる。
本発明は、磁気ロック・ロック解除機構を利用した磁気作動式認証・ロック解除システムに関する。本発明は、これが小火器の内部安全装置を稼動させたり稼動解除したりするために用いられる小火器中に組み込むのに特に適している。かくして、例示目的で、本発明を主として小火器との関連で説明する。しかしながら、本発明は、オペレータがグリップ(握り)、ハンドル、又はスティック型コントローラを握ることを必要とする任意の器具中に組み込むからであることが理解されるべきである。
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態による磁気作動式認識・ロック解除システム100の概略断面図である。図1Aは、このシステム100をデフォルトロック形態にある状態で示し、図1Bは、このシステム100をロック解除形態にある状態で示しており、これらについては以下に詳細に説明する。
システム100は、ロック機構110及びロック解除機構120を含む。ロック機構は、好ましくは、ロック機構110のコンポーネントを保持するケーシング130を含む。かかるコンポーネントは、好ましくは、案内レール150に取り付けられていて1つ又は2つ以上の取り外し可能な磁石160a〜160cを保持するプレート140及びこのプレート140を外力がない場合にデフォルトロック位置に保つ1つ又は2つ以上の応従性部材170を含む。取り外し可能な磁石160a〜160cを備えたプレート140の平面図が図1Cに示されている。一体化要素220がプレート140に取り付けられており、この機能については以下に詳細に説明する。
ケーシング130は、好ましくは、衝撃、腐食性液体及び極端な温度に対して耐性のある材料、例えばポリマー2で作られる。ケーシング130の好ましい寸法は、幅が15mm〜20mmであり、高さが最大10mmまでであり、長さが50mm〜70mmである。プレート140は、好ましくは、ネオジム磁性材料をポリマーバインダと混合したもので構成されている。プレート140の好ましい寸法は、幅が15mm〜20mmであり、高さが1mm〜3mmであり、長さが45mm〜65mmである。磁石160a〜160cの好ましい寸法は、直径が10mm〜12mm、高さが1mm〜3mmである。磁石160a〜160cは、好ましくは、プレート140の状態にインサート成形される。
ロック解除機構120は、好ましくは、1つ又は2つ以上の磁化領域もしくは磁気領域190a〜190cを含む着用可能なコンポーネント180を含む。磁気領域190a〜190cは、着用可能なコンポーネントを適当な場所のところで構成する材料を磁化することにより又は着用可能なコンポーネント180内に形成されたインサート内に位置決めされる取り外し可能な磁石200a〜200cによって実現できる。着用可能なコンポーネント180は、適切には手袋であるが、磁化可能な任意形式の着用可能な装備品又は磁石200a〜200cを取り外し可能に取り付けることができ又は挿入することができる任意形式の着用可能な装備品であっても良い。
磁石160a〜160c及び磁石200a〜200cは、磁石のN極(N)及びS極(S)の配置場所を示すために文字“N”及び“S”でラベル表示されている。図1A及び図1Bの実施形態では、プレート140に取り付けられた各磁石160a〜160cに関し、着用可能なコンポーネント180上には対応した磁気領域190a〜190c又は磁石200a〜200cが設けられている。着用可能なコンポーネント180上の磁石200a〜200c又は磁気領域190a〜190cの配置場所を、本明細書では、「インターフェース箇所」210a〜210cと称する。磁石160a〜160cの位置は、着用可能なコンポーネント180を着用しているユーザがロック機構体110を組み込んだ器具を握ったときにインターフェース箇所210a〜210cが磁石160a〜160cと整列するようなものである。
図1A及び図1Bの実施形態では、磁石160a〜160cの極及びこれらに対応した磁気領域/磁石、190a〜190c/200a〜200cの極は、これらが、ロック解除機構120がロック機構110に密接しかつ磁石160a〜160cがインターフェース箇所210a〜210cと整列しているときにはこれらが互いに反発するように配向されている。磁石160a〜160c及び磁気領域190a〜190c又は磁石200a〜200cの強度は、着用可能なコンポーネント180を着用しているユーザがロック機構体110を組み込んだ器具を握りかつ磁石160a〜160cがインターフェース箇所210a〜210cと整列したとき、ロック機構110とロック解除機構120との間の距離がロック解除範囲内に収まっていれば、磁石によって生じる反発力が図1Bに示されているようにプレート140を内方に押してこれを応従性部材170に押し付けるように選択されている。システム100との関連で「ロック解除範囲」という表現は、ロック・ロック解除機構110/120中の磁石及び/又は磁気領域によって生じる磁気反発力がプレート140を内方に押してこれを応従性部材170に押し付けるのに十分に強いロック解除機構120とロック機構体110との間の距離として定義される。
プレート140が内方に押されて応従性部材170に押し付けられると、一体化要素220が器具コンポーネント230に係合する。一般に、一体化コンポーネント220は、ロック機構体110が収納された器具に器具コンポーネント230を介して係合して器具の動作状態を変更するためのコンポーネントである。小火器との関連で言えば、器具コンポーネント230は、小火器の安全装置を稼動させたり稼動解除したりする安全機構であるのが良く、一体化要素220は、適切には、プレート140が磁気反発力に応答して動くときに器具コンポーネント230が動くようにするプレート140に取り付けられた1本又は2本以上のピン又は他の物体である。小火器内の安全機構との関連において、図1Aに示された器具コンポーネント230の位置は、「セーフティオン(safety on )」(ロック)に対応し、図1Bに示されている器具コンポーネントの位置は、「セーフティオフ(safety off)」(ロック解除)に対応している。以下に説明する本発明の他の用途では、器具コンポーネント230及び一体化コンポーネント220の具体化は、ロック機構体110が収納されている器具の形式で決まるであろう。
ロック解除機構120内で用いられている磁石及び/又は磁気領域200/190の数、これらの位置、及びこれらの極性(N/S)をひとまとめに「キー」として特徴付けることができる。システム100では、ロック解除機構120によって使用されるキーを「アンロックキー」と呼ぶが、これは、ロック解除機構120がロック機構110に密接しかつロック機構110内の磁石160a〜160cがインターフェース箇所210a〜210cと整列しているときに、ロック機構110及びロック解除機構120内の各相手方の磁気領域/磁石190a〜190c/200a〜200cが互いに反発するよう差し向けられていることを条件とする。これは、応従性部材が3つ全ての磁石対(例えば、200a/160a,200b/160b,200c/160c)からの反発力が器具コンポーネント230をロック解除位置に動かすのに十分な量だけプレート140を動かすのに必要とされるよう選択されているからである。
応従性部材170は、適切には、ばねで具体化され、この場合、ばねのばね定数は、3つ全ての磁石対(例えば、200a/160a,200b/160b,200c/160c)からの反発力が器具コンポーネント230をロック解除位置に動かすのに十分な量だけプレート140を動かすのに必要とされるよう選択される。かくして、アンロックキーを備えたロック解除機構120のみ(すなわち、ロック機構110内に設けられていてインターフェース箇所と整列した対応の磁石と同一の極性を持つ同数の磁石又は磁気領域200/190)がプレート140が器具コンポーネント230に係合するのに十分な量だけプレート140を動かすのが良い。
例えば、ロック解除機構体120内の1つ又は2つ以上の磁石及び/又は磁気領域がロック機構体110内の対応の磁石と同一の方向に差し向けられている場合(例えば、S極が磁石160bに向くように磁石200bが配向されている)、磁石200bと磁石160bとの間に働く引き付け力は、プレート140がロック解除位置までずっと動くのを阻止し、というのは、反発形態に差し向けられている他の2つの磁石対(200a/160a及び200c/160c)が器具コンポーネント230に係合するのに十分な量だけプレート140を動かすのに足るほど大きな反発力を生じさせないからである。加うるに、案内レール150は、好ましくは、プレート140を傾動することがないよう保持するようになっている。これは、更に、アンロックキーがロック解除機構120内で用いられていない場合、プレート140が下方に動くのを阻止することになる。
図1D及び図1Eは、プレート140及び案内レール150のそれぞれ斜視図及び側面図であり、本発明の一実施形態に従って案内レール150及びプレート140をどのように構成すればプレート140が実質的に傾動することがないようにすることができるかを示す図である。案内レール150は、好ましくは、プレート140の4つのコーナー部の各々に形成された穴151を貫通している。好ましい実施形態では、プレート140の幅よりも長いスリーブ152が角穴151中に挿入され、案内レール150は、これらスリーブ152を貫通している。これにより、非対称の力がプレート140に加えられたときにプレート140に対する追加の安全性が提供される。
図1A〜図1Cに示されているシステム100は、磁気反発力を用いてプレート140を下方に動かして器具コンポーネントに係合させるよう設計されている。図2A及び図2Bは、本発明の別の実施形態に従ってプレート140を動かすのに磁気引き付け作用を利用する磁気作動式認証・ロック解除システム300の概略断面図である。システム300の作動原理は、システム300が磁気反発作用に代えて磁気引き付け作用を用いるようになっていることを除き、システム100の作動原理と全体として同一である。
かくして、システム300では、ロック解除機構120のためのアンロックキーは、ロック機構110内の相手方の磁石160a〜160cの極配向状態と逆の磁石200a〜200c及び/又は磁気領域190a〜190cの各々の極配向状態に対応している。このアンロックキーにより、ロック解除機構120内の磁石の各々は、ロック解除機構120がロック解除範囲内に位置しかつ磁石160a〜160cがインターフェース箇所210a〜210cと整列している場合、ロック機構体110内の相手方の磁石を引き付けることになる。システム300では、ロック解除範囲は、ロック・ロック解除機構110/120中の磁石及び/又は磁気領域によって生じる磁気反発力が、器具コンポーネント230に係合して器具コンポーネント230をロック解除位置(図2Bに示されている)に動かすのに十分な量だけプレート140を引くのに足るほど強力であるロック解除機構120とロック機構体110との間の距離として定義される。
応従性部材170は、3つ全ての磁石対(例えば、200a/160a,200b/160b,200c/160c)からの引き付け力が器具コンポーネント230をロック解除位置に動かすのに十分な量だけプレート140を上方に引き上げるのに必要とされるよう選択されているからである。応従性部材170は、適切には、ばねで具体化され、この場合、ばねのばね定数は、3つ全ての磁石対(例えば、200a/160a,200b/160b,200c/160c)からの引き付け力が器具コンポーネント230をロック解除位置に動かすのに十分な量だけプレート140を動かすのに必要とされるよう選択される。かくして、システム100と同様、アンロックキーを備えたロック解除機構120のみ(この場合、ロック機構110内に設けられている対応の磁石とは逆の極性を有していてインターフェース箇所210a〜210cと整列した磁石160a〜160cを含む同数の磁石又は磁気領域200/190)がプレート140が器具コンポーネント230に係合するのに十分な量だけプレート140を動かすのが良い。
追加のロック/ロック解除機構の実施形態
永続的ロック機構
この実施形態では、1つ又は2つ以上の無効キー組み合わせがロック機構110を永続的にロックすることになる。永続的ロックを解除するため、ロック機構110は、これが収納されていてリセットされる器具から取り出されなければならない。ロック機構110の取り出し、リセット、及び再収納では、特殊工具及び特定のロック解除機構形態についての知識が必要である。この手順は、適正な工具及び知識を持っていない人による認可されていない使用ができないよう保護する(例えば、本発明を組み込んだ拳銃を使って遊んでいてロック機構110をロック解除するために磁石の種々の組み合わせを試している子どもがロック機構をアンロックして拳銃を発砲させるよりもロック機構110を永続的にロックする方が高い可能性を有する)。この実施形態は、パームロック(perm-lock )を無効磁気分極によりパームロックが器具を永続的にロックするようなインターフェース箇所に置くことによって具体化されるのが良い。
かかるパームロックは、一体化要素220の背後に設けられた(外方への移動方向に)圧縮ばねキャッチ231で適切に具体化できる。磁力が加えられない場合、プレート140は、一体化要素220が図2Cに示されているようにばねキャッチ231の前に配置された休止位置にある。正確な逆のキー組み合わせが利用された場合、磁石200a〜200c(図2C及び図2Dには示されていない)及び磁石160a〜160cの引き付け力は、プレート140を外方に動かし、一体化要素220は、図2Dに示されているようにばねキャッチ231を越えて移動する。この時点で、ばねキャッチ231は、一体化要素220が内方に動くのを制止することによってプレート140を定位置にロックする。これは、マッチングした磁気キーの反発力が加えられた場合でもプレート140の内方への運動を阻止する。
この機構をロック解除するためには、ばねキャッチ231は、機械的に後退させられなければならず、それによりプレート140がその休止位置に動くことができる。ばねキャッチ231は、一体化要素220が外方に移動してこの後ろにロックしたときにキャッチ231を押し戻すことができる任意形式の可撓性材料232に取り付けられるのが良い。図2C及び図2Dの実施形態では、可撓性材料232は、ばね233である。
図2E〜図2Gは、可撓性材料232が曲げ金属プレート234である実施形態を示している。図2Eは、プレート140を休止位置にある状態で示している。図2Fは、プレート140をこれが磁石200a〜200c(図2E〜図2Gには示されていない)の引き付け力によって外方に動かされているときの中間位置にある状態で示している。図2Gは、プレート140を一体化要素220がばねキャッチ231をいったん通り過ぎたときのロック位置にある状態で示している。
弛緩式グリップ機構
ロック機構110をいったんロック解除すると、この実施形態は、ロック解除機構120内の1つ又は2つ以上の磁石がロック機構110をロック解除モードに維持した状態でロック解除範囲を越えて動くようにすることができる。本発明を組み込んだ拳銃を用いた射撃戦における爆破係が拳銃に対する完全な握り状態を常時維持することができない場合がある。この実施形態により、爆破係は、拳銃を安全モードに不用意に戻さず握りを弛めることができる。
この実施形態の別の用途は、キルスイッチ(kill-switch)としての使用である。長時間にわたってグリップを握っているオペレータは、握りを定期的に変更したくなる場合がある。この実施形態により、少なくとも1対のマッチングした磁石がロック解除範囲内に位置したままである限り、握りを弛めることができる。この実施形態は、しっかりとした握りが維持されることが必要なインターフェース箇所のところにプッシュロック(push-lock)を置き、そして握りを弛緩させることができるインターフェース箇所のところにロックを置くことによって実現できる。ロックは、器具がアンロックするのを阻止するに過ぎず、それ以外に作用を発揮しないので、オペレータは、器具がいったんロック解除されるとロックを含むインターフェース箇所のところで握りを弛めることができる。オペレータがプッシュロックを備えている任意のインターフェース箇所に対する握りを弛めた場合、器具は、再びロックすることになり、その理由は、プッシュロックが一体化要素をデフォルトロック位置に押し戻すからである。
弛緩式グリップ機構は、ばねのうちの1つをラッチ磁石対で置き換えることによって具体化できる。ラッチ磁石対は、当該技術分野においては周知であり、磁石が互いにある距離を置いたところに位置しているときに反発力をもたらし、磁石を無理やりこれらの反発状態の先へ動かしたときに引き付け力をもたらす。図2Hは、図1A〜図1Cのシステム100を利用していて器具コンポーネント230をロック解除位置に動かすのに磁気反発力を利用している弛緩式グリップ機構の一実施形態を示している。図2Hの実施形態では、ロック機構110内の磁石のうちの2つの下側は、ラッチ磁石対の一方の磁石235として具体化され、ラッチ磁石対の反対側の第2の磁石236は、磁石235から真向かいに配置される。ラッチ磁石対235,236は、通常は磁石160bの下側に取り付けられるばね170に置き換わっている。
器具が保持されているとき、器具がロック及びロック解除機構110/120内の磁石全ての合力は、ばね170及びラッチ磁石対235/236の対向した力に打ち勝つのに十分強力である。ロック機構体110とロック解除機構120との間のある特定の距離のところでは(プレート140をロック解除位置に維持するのに必要とされる距離の範囲内)、ラッチ磁石対235/236は、互いに引き付け合う。
ラッチ磁石対235/236の引き付け力は、プレート140をロック解除位置に維持しながら圏外(out of range)に位置することが許容される着用可能な器具内の所定の磁石の組み合わせ磁力よりも強力であってはならない。例えば、ラッチ磁石対235/236の引き付け力がシステム100内の2つの磁石の合力に等しい場合、システム100内の2つの磁石は、圏外に位置する場合がある。全ての磁石が圏外にある場合、機械式ばね170の合力は、ラッチ磁石対235/236の引き付け力よりも強く、したがって、プレート140をロック位置に押し戻す。
遅延式‐ロック実施形態
この実施形態は、握りがいったん解除され、かつ対向した磁石の全て相互間の距離がロック解除範囲の外側にあると、器具を即座にはロックしない。その代わりに、器具は、所定の遅延後にロックする。代表的な形態では、この遅延は、好ましくは、1〜5秒であるが、これよりも短い又は長い遅延もまた可能である。遅延は、ゆっくりと動くピストンもしくはモータ又は同様な効果を達成する任意他の機械式、磁気的、電磁的又は電気的タイマ要素によって具体化できる。タイマ要素は、一体化要素220に取り付けられるのが良く、このタイマ要素は、ロック位置のその動きを遅くし又はタイマ要素は、ロックに取り付けられてロックの運動を遅くしても良く、あるいは、タイマ要素は、所望の遅延を達成するために器具内の1つ又は2つ以上の他の要素に取り付けられても良い。
遅延式ロックは、適切には、1つ又は2つ以上のばね170をプルダンパ(pull damper)又はプッシュダンパ(push damper)で置き換えることによって具体化できる。ばね170を圧縮することによってプレート140をロック位置に動かす実施形態では、プルダンパ237が図1A〜図1Cのシステム100に基づいている図2Iの実施形態に示されているように用いられる。ばね170を伸長させる(引き伸ばす)ことによって、プレート140をロック位置に動かす実施形態300では、プッシュダンパが用いられる。一方向ダンパ(引くか押すかのいずれか)により、ロック解除位置へのプレート140の迅速な運動が可能であるが、ロック位置へのプレート140の動きを減衰させる(遅延させる)ことが可能である。
互換性がありダミーのロック機構
器具(例えば、拳銃、ライフル、又は、グリップ若しくはハンドル付きの任意他の器具)は、互換性のあるロック機構110を用いるよう設計されているのが良い。例えば、SWATチームは、全ての着装武器に遅延式ロック実施形態を用い、特定の状況に入る前にライフルについて弛緩式グリップ実施形態を用いる決断をすることができる。準備の際、隊員は、器具内のロック機構110を彼らが使用したいと思うロック機構に交換することができる。
加うるに、ダミーロック機構を用いて器具を永続的にロック解除モードにすることができ、それにより、アンロックキーを必要としないで操作が可能である。例えば、ダミーロック機構が拳銃内で用いられる場合、拳銃を任意のオペレータによって発砲することができる。
ロック機構110の互換性はまた、状況的要件に応じて種々のアンロックキーの使用を可能にする。パトロール中の警察官は、自分しか自分の小火器及び他の機器を使用することができないよう個人用アンロックキーを用いたいと考える場合がある。警察官がパートナーと一緒に又はチームで外出している場合、パートナー又はチームは、チームアンロックキーを用いる場合があり、小火器及び機器の共同利用が可能である。
磁石/磁気領域
ロック機構110及びロック解除機構120内で用いられる磁石及び/又は磁気領域は、任意の寸法及び形状のものであって良い。ロック及びロック解除機構110/120内で用いることができる磁石の形式としては、永久磁石、電磁石、エレクトレット磁石、磁化強磁性体又はその一部分、超伝導磁性体、軟磁性体、又は任意他の形式の磁石が挙げられるが、これらには限定されない。
ロック及びロック解除機構110/120内の磁石のために使用できる材料の種類としては、焼結NdFeB(ネオジム鉄ホウ素)、ボンドNdFeB(ネオジム鉄ホウ素)、SmCo(サマリウムコバルト)、AlNiCo(アルミニウムニッケルコバルト)、セラミック(フェライト)、ゴム入り磁石、着用可能な材料(例えば、磁化可能な布又は布と織編された材料)又は任意他の種類の材料が挙げられるが、これらには限定されない。
ロック及びロック解除機構110/120内で使用できる磁石の考えられる形状としては、ディスク、ロッド、プレート、ブロック、球、リング、管、任意形状の布、又は任意他の形状が挙げられるが、これらには限定されない。
ロック及びロック解除機構110/120内で使用できる磁石の考えられる磁化形式としては、軸方向磁化、直径方向磁化、半径方向磁化、長さ全体の磁化、幅全体の磁化、厚さ全体の磁化又は任意他の形式の磁化が挙げられるが、これらには限定されない。
各磁石は、2つの考えられる曲配向状態(N極又はS極)を有しているので、システム100,300で用いるのに役立つ考えられるキーの数を2mとして計算することができ、“m”は、ロック及びロック解除機構110/120内で用いられる磁石の数である。例えば、ロック及びロック解除機構110/120内に3つの磁石及び/又は磁気領域を用いるシステム100(例えば、図1A及び図1Bに示されているシステム)は、8つのキー(23=8)を符号化することができ、4個の磁石を用いたシステム100は、16個のキー(24=16)を符号化することができ、5個の磁石を用いたシステム100は、32個のキー(25=32)を符号化することができる。
応従性部材
応従性部材170は、好ましくは、ばねで具体化される。使用できるばねの形式としては、機械式ばね、ガス/油圧ばね及び磁気ばねが挙げられるが、これらには限定されない。機械式ばねは、ばねが所望の機能を実行することができるようにする任意の材料又は形状のものであって良い。本発明で使用できる機械式ばねとしては、圧縮ばね、時計ばね、引張りばね、ねじりばね、クリップ、ベルビル(Belleville)ワッシャ(皿座金)又は任意他の形式の機械式ばねが挙げられるが、これらには限定されない。図3は、応従性部材170として使用できる機械式ばねの幾つかの例を示している。
使用できるガス/油圧ばねとしては、緩衝装置なしのガス又は油圧ばね及び緩衝装置付きのガス又は油圧ばねが挙げられるが、これらには限定されない。磁気ばねは、任意形式、任意材料、任意形状、又は上述した磁化方式又はばねが所望の機能を実行することができるようにする他の材料又はコンポーネントと任意の組み合わせ関係をなす任意他の形式、材料、形状又は磁化方式のものであって良い。
着用可能なコンポーネント
種々の形式の着用可能なコンポーネント180を用いてアンロックキーを形成するよう構成される磁気領域190又は磁石200を保持することができ、着用可能なコンポーネントとしては、指、掌周りの手又は身体の他の部分に着用されるリング、手袋、半手袋、指なし手袋又は任意他の形式の装備品が挙げられるが、これらには限定されない。図4は、ロック解除機構120内に使用できる着用可能なコンポーネントの例を示している。
着用可能なコンポーネント180はまた、組み合わせ可能である。例えば、リングを手袋と一緒に用いてロック機構110を含むグリップの互いに反対側にインターフェース箇所210を提供することができる。インターフェース箇所は、着用可能なコンポーネント180内又はこの上の様々な場所に配置できる。手袋は、例えば、掌、親指、及び1本又は2本以上の他の指内にインターフェース箇所を有することができる。これにより、種々の具体化例が、(a)特定の握り要件を満たし、(b)インターフェース箇所210の追加により利用可能なキーの範囲を増やし、かつ/あるいは(c)特定の場所でのインターフェース箇所の配置によるカスタマイゼーションを提供することができる。
電気接点を着用可能なコンポーネント180中に組み込むのが良く、これら電気接点は、オペレータがロック機構110を組み込んだ器具を握るやいなやかかる器具に電力を供給するためにオペレータが着用する着用可能な電源に接続される。これにより、器具内のバッテリーを充電することができ又はそれどころか器具内に別個の電源を必要とすることなく、器具内の電気コンポーネント、電磁コンポーネント、又は電子コンポーネントの電源をパワーアップすることができる。バッテリーがサイズ、重量、及び容量の制限に起因してピストルに問題をもたらすので、電気を着用可能なコンポーネント、例えば手袋を介して器具に供給する外部電源がスマートガン又はオペレータによって握られるとともに動作するのに電力を必要とする任意形式の機器にとって有利な場合がある。
着用可能なコンポーネント180と着用可能な電源との接続は、衣服又は防弾チョッキに縫い込まれ又は取り付けられた導電性材料又は電源コードにより容易に実施できる。着用可能なコンポーネント180は、電気の流れを可能にするようあらかじめ配線され又は導電性材料で作られる(又は、導電性材料と一体化される)のが良い。
警察官及び軍人は、手袋及び電力を必要とする多くの器具を着用する場合が多いので、オペレータによって着用されて着用可能なコンポーネント180を介して器具に電力を供給してこれら器具を充電し又は操作するための中央電源は、必要とするバッテリが少ないので、電力管理を単純化するとともに器具を軽量化することができる。
安全性を高めるため、着用可能なコンポーネント180は、オペレータの認証のために一体化されたセンサ及び電子部品を有する場合がある。例えば、オペレータ認証付きの手袋は、生物計測センサ(例えば、指紋リーダ)及び/又はキー入力情報が認可オペレータとして着用者を認証した場合にのみ正確なアンロックキー(例えば、電気手段、電磁手段、又は電子手段を介して)提供する。この場合、多くの他の「スマート」デバイスをこれらデバイス内に電子コンポーネントを必要としないで具体化できる。これとは異なり、電子コンポーネントは、着用可能なコンポーネント180中に一体化される。
例えば、手袋中に組み込まれた電子、電気、及び電磁コンポーネントは、オペレータが手袋を嵌めたときにオペレータを認可ユーザとして認証することが可能である。しかる後、手袋は、オペレータが握った器具(例えば、グリップ内の磁石からの特定の磁気グリップシグナチャ付きのピストル)を検出し、この情報に基づいて、手袋内の電磁石を分極して拳銃の発砲を可能にする正確なアンロックキーを提供する。
小火器の利用
本発明は、オペレータがグリップ、ハンドル、スティックを握り又は一般的に言って物品の表面(より適切に言えば平坦な表面)を手で持つことを必要とする器具又は機械を非認可操作から保護することができる。器具コンポーネント230は、種々の形式の安全機構(機械式、電気式、電気機械式など)と結合し又はこれらで作動するよう選択されるのが良い。
本発明は、小火器への使用に特に適している。ロック機構110は、例えば、小火器のグリップ中に一体化されるとともに小火器の内部安全装置に連結されるのが良い。デフォルト位置では、小火器はロックされている。ロック解除機構は、警察官の手袋中に一体化されるのが良い。小火器の安全装置は、小火器のグリップがアンロックキー(適正な位置にある正確な分極状態の正確な数の磁石)付きの着用可能なコンポーネント180、例えば手袋を着用した人によって握られた場合にのみロック解除することになる。アンロックキーなしで小火器を操作しようとしても失敗することになる。
図5A〜図5Cは、本発明を組み込んだ小火器400を示している。ロック機構110は、小火器400のグリップ410内に一体化されている。通常、ロック機構110は、外部からは見えず、その理由は、ロック機構が図5B及び図5Cで理解できるようにグリップ410内に配置されているからである。しかしながら、説明の目的上、グリップ410は、図5Aでは部分断面図で示されており、したがって、グリップ410内のロック機構110の位置が目に見えるようになっている。
ロック機構110は、磁石160a〜160cがグリップ410の後部420に向くよう位置決めされている。オペレータは、小火器400を操作するためにアンロックキーを符号化する磁石200a〜200cを組み込んだ着用可能なコンポーネント180、例えば手袋430を着用する。手袋430は、図5B及び図5Cに示されているが、図5Aには説明の目的上、磁石200a〜200cだけが示されている。手袋430は、磁石200a〜200cと一緒になって、ロック解除機構120を構成する。
手袋430を着用したオペレータが小火器400を発砲するよう小火器400を手に持って小火器400を握ると、磁石200a〜200cは、図5A及び図5Cに示されているように磁石160a〜160cと整列する。上述したように、これにより、プレート140は、ロック解除位置に動き、それにより一体化要素220が器具コンポーネント230に係合する。小火器400との関連で説明すると、器具コンポーネント230は、プレート140がロック解除位置にあるとき、「セーフティオフ」位置に配置される小火器の安全機構である。オペレータが小火器400を下に置き又は自分の握りを弛めて磁石200a〜200cがもはや磁石160a〜160cと整列しないようになったとき又は磁石相互間の距離がもはやロック解除範囲内にはない場合、プレートは、そのデフォルト位置に戻り、器具コンポーネント230は、「セーフティオン」位置に戻る。
図5B及び図5Cには、磁石200a〜200cが説明の目的上、手袋430の表面に取り付けられた状態で示されている。しかしながら、磁石200a〜200cは、手袋430内に配置されるインサート内に配置されても良い。上述したように、手袋430に取り付けられる磁石を用いるのではなく、手袋を磁化可能な材料(例えば、手袋材料中に織編される磁化可能な布又は磁化可能な材料)で作り、手袋430の適当な領域を磁化してアンロックキーを符号化することによって磁気領域を手袋430上の適当な位置に作っても良い。
ロック機構110は、好ましくは、適切なツールを持ったオペレータによって取り外し可能であるようにグリップ410内に収納される。いったん取り外されると、ロック機構110のキーは、磁石160a〜160cの分極を再配置することによって変更可能である。着用可能なコンポーネント180(例えば、手袋430)内のアンロックキーをそれに応じて変更することができる(例えば、手袋430中のインサートから磁石を取り出し、これらを所望の極性が外方に向いた状態で戻し又は手袋が磁化可能な材料で作られている場合、適当な領域を磁化することによって)。
図5A〜図5Cに示されているシステムは、ロック機構110内に設けられた3つの磁石及びロック解除機構120内に設けられた3つの磁石を利用している。しかしながら、利用可能であることが望まれる考えられるキーの数に応じて任意個数の磁石を用いることができる。上述したように、3つの磁石を用いるシステムは、8個のキーを符号化することができ、4つの磁石を用いるシステムは、16個のキーを符号化することができ、5つの磁石を用いるシステムは、32個のキーを符号化することができる。使用することができる磁石の数は、物理的制約(例えば、掌のサイズ、グリップのサイズ、磁石の強度)及び用途の種類によって制限されるに過ぎない。
代表的な小火器具体化例は、3つ〜5つの磁石を用いるのが良く、このことは、5つの磁石が用いられる場合、キーが最大32個であることを意味している。ロック状態の小火器400を携帯した認可されていない人もまた、同数の磁石が同じ場所に位置決めされている着用可能なコンポーネント180を所持していると仮定すると、試行錯誤によって小火器をアンロックするための正確な組み合わせを最終的に見つけ出すことができる。しかしながら、試行錯誤によって正しいキーを見出すには時間がかかる。本発明の利点のうちの1つは、本発明を組み込んだ小火器400が認可されていない人によって直ぐには操作できないことにある。警察官又は兵士の拳銃を取ろうと手を伸ばした敵は、拳銃を即座に発砲することができないであろう。これにより、警察官又は兵士に状況に対処する時間が与えられる。
他のシステム実施形態
磁気作動式認証・ロック解除システムを本発明の範囲内に依然として属したままの状態でシステム100,300に示された形態以外の形態で具体化できる。例えば、回転アライメント方式の磁石を用いることができる。これら形式の磁石は、当該技術分野において周知であり、好ましくはマッチングした対をなして作られ、任意の1つの角度又は多くの所定の角度でのアライメントに関して優先傾向を示す。例えば、これら磁石は、90°の回転毎に優先傾向(回転止めとして感じられる)を有するのが良い。回転自己調心型磁石を事実上任意の角度及び事実上任意の数の回転止めを備えた状態で製造することができる。
図6は、回転アライメントを示す磁石の考えられる種々の形状及び形態の例を示している。磁気ディスク800は、中央に穴800cを有し、この穴により、ディスク800をプレート(図示せず)に取り付けることができ、しかもディスク800は、その中心回りに自由に回転することができる。ディスク800は、2つの突出した要素800a,800bを有する。要素800aは、圧縮ばね800eを取り付けるために用いられる。要素800bは、ピンを定位置に保持するために用いられる(図7A〜図7Cに示されているように)。参照符号800dは、ディスク800の磁気基準点を示している。
磁気ディスク800Aは、異なる形状のものであり、この磁気ディスクは、引っ張りばね800e′を用いるが、そのほかの点では、磁気ディスク800と同様に機能する。磁気ディスク800Bは、磁気ディスク800Aと同様に機能するが、異なる形状を用いている。磁気ディスク800Cは、コイルばね800e″を用いており、このコイルばねは、一端が800a′上に位置するとともにその他端がディスク800Cの回転の中心となるピン800c′上に位置した状態で取り付けられている。
図7A〜図7Cは、図6の磁気ディスク800を利用する機構がどのように作動するかを示す略図である。磁気ディスク800は、これがその中心800c回りに自由に動くことができるようプレート(図示せず)に取り付けられている。圧縮ばね800eは、その突出要素800a及びプレート(図示せず)に取り付けられている。ばね800eの力は、要素800bを押し下げてこれをピン810に設けられているウェッジ810aに当接させ、それによりピン810をデフォルトロック形態に保つ。
図7Bに示されているように、マッチングした磁石ディスク830が磁気ディスク800(例えば、拳銃のグリップを握るオペレータの手袋の中に埋め込まれている)の近傍に入るとその磁力は、磁気ディスク800を磁気ディスク800/830の両方がこれらの基準点800d,830dに沿って整列するように回転させる。この結果、ピン810は、圧縮ばね820によって上方に押される。ピン810は、今や、ロック解除形態にある。
図7Cに示されているように、マッチングした磁気ディスク830が取り外されると(例えば、オペレータがグリップを放して拳銃をホルスタ内に戻すと)、ばね800eは、磁気ディスク800を回転させてこれをその元の位置に戻す。ばね800eは、ばね820よりも非常に強力であり、したがって、この機構は、ピン810を押し下げてこれをそのデフォルトロック形態にする。
図8は、3つの対をなす磁気ディスクで具体化された機構を示す略図である。磁気ディスク800,801,802は各々、ピン810をそのデフォルトロック位置に保つ。磁気ディスク880,881,882は、オペレータがロック機構を含むグリップ又はハンドルを握ったときにこれら磁気ディスクがこれらのマッチングしたディスクと一列に並ぶように好ましくは、着用可能な装備品(例えば、手袋)内に固定状態で取り付けられている(したがって、これら磁気ディスクは、回転することができない)。マッチングした磁気ディスクの対がこれらの基準点に沿ってどのように一列に並ぶかを説明する目的のため、ディスク880,881,882が図示されており、これらをディスクと称する。しかしながら、実際には、これらは、これらディスクを着用可能な装備品内に取り付けてこれらの中心回りの運動を拘束することができる互いにことなる形状を有する。ディスクは、突出要素を備えた長方形の形状又は円形の形状を有しても良く又は歯車のように見えるものであっても良い。
図8の実施形態では、各ディスク対(800d/880d,801d/881d,802d/882d)上の基準点は、ディスク対がいったん一列に並んで磁石の範囲内に位置すると、ディスク800,801,802は各々、約45°の反時計回りの移動を行うようにされている。これにより、ピン810は、そのデフォルトロック位置からロック解除位置に動き、それにより一体化要素220を上方に押してこれが例えば拳銃をSAFEモードからFIREモードにすることができる器具に特有の機構を稼動させる。磁気ディスクの対のうちの1つがマッチしない磁気シグナチャを有する場合(すなわち、これらがマッチングした対をなす磁石ではない場合)、磁気ディスクのうちの1つ800,801,802は、そのデフォルト位置のままであり、それによりピン810がそのロック解除位置に動かない。
図9は、図7A〜図8に示されているピン810及び他のコンポーネントをプレート900にどのようにして取り付けることができるかの例を示している。磁気ディスク800は、磁気ディスク800の自由回転運動を可能にするが、他の運動を可能にすることがないピン904を介してプレート900に取り付けられている。他の磁気ディスクは、同様な仕方でプレート900に取り付けられている。
ばね800eは、受け具901に取り付けられ、この受け具は、プレート900に取り付けられ(例えば、プレートに接着され、プレートに螺着され、など)又はプレート900中に成形されている。ばね800eの他端は、突出要素800aに連結されている。ピン810は、これが垂直方向にのみ動くことができるようプレートに取り付けられている。要素902a,902b(及びその他)は、ピンをプレート900に取り付け、垂直運動以外の運動を制限する。要素902a,902bは、適切にクランプされる。ばね820は、受け具903に取り付けられ、この受け具は、プレート900に取り付けられ(例えば、プレートに接着され、プレートに螺着され、など)又はプレート900中に成形されている。ピン810は、ピン810の垂直運動を可能にする形状であればどのような形状のものであっても良い。
他の用途
法の執行及び軍事用途において、本発明を種々の器具内にくみこむことができる。これら器具としては、個人用小火器(上述したように、例えば、サイドアーム、ショットガン、ライフル、サブマシンガン)、重火器(マシンガン)、テーザー銃、手榴弾、車(例えば、ドアを開き又はトランスミッションレバーをパーク(park)からドライブ(drive)に動かすため、正確なキーを備えた手袋を用いなければならない)、ラジオ、及び他の機器が挙げられる。自分の車から飛び降りて被疑者を足で追跡する警察官は、ショットガン又はライフルが本発明を組み込んでいる場合、認可されていない人がその警察官の車からショットガン又はライフルを掴み出して、これを用いてその警察官に対抗するという恐れを抱く必要はない。その警官の車両が本発明を組み込んでいる場合、認可されていない人がその警察官の車両内に入ることもなく、車で走り去ることもない。
本発明のもう1つの考えられる用途は、コードレスキルスイッチとしての用途である。本発明のロック機構110は、オペレータがグリップを放し又は手を表面から放したときに機械が即座に又はある時間後に作動を停止するように機械の内部制御装置に連結されているのが良い。一般に、本発明は、オペレータがグリップ、ハンドル又はスティック型コントローラを握り又は操作するのを必要とする任意の器具に組み込まれるのが良い。例としては、ドアハンドル(例えば、家、安全装置、車などのための)、車両制御装置(例えば、サイクリックイン型ヘリコプター、モータサイクルのスロットル)及び任意他の形式のスティック型コントローラが挙げられる。
上述の実施形態及び上述の利点は、例示に過ぎず、これらは本発明を限定するものと解されてはならない。本発明の教示を他形式の装置に容易に利用することができる。本発明の説明は、例示であって、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。多くの代替例、改造例、及び変形例が当業者には明らかであろう。特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更を行うことができる。

Claims (6)

  1. 器具用のロック解除・ロックシステムであって、
    前記器具をロックしたりロック解除したりするよう作動可能な器具コンポーネントを含み、
    前記器具内に位置決めされたロック機構を含み、前記ロック機構は、
    前記器具コンポーネントに機械的に係合するようになった一体化要素を有する第1の支持構造体と、
    前記第1の支持構造体内に設けられた少なくとも2つの磁気領域と、を含み、
    第2の支持構造体を含むロック解除機構体を含み、前記第2の支持構造体は、前記第1の支持構造体内の各磁気領域についてそれぞれ対応した磁気領域を有する手袋を備えた着用可能なコンポーネントを含み
    前記第1及び前記第2の支持構造体内の前記磁気領域は、前記第2の支持構造体が第1の支持構造体から所定の距離の範囲内に位置しているとき、磁気引き付け力又は磁気反発力が前記器具コンポーネントを作動させるのに十分な距離だけ前記ロック機構を動かすようになっており、
    前記手袋は、ユーザによって着用されるようになっており、前記ロック機構を動かす前記引き付け力又は前記磁気反発力は、前記ユーザが前記手袋を着用している間に前記器具を握ったときに生じる、システム。
  2. 前記第1の支持構造体内の前記磁気領域の極性と前記第2の支持構造体内の前記磁気領域の極性は、前記第2の支持構造体が前記第1の支持構造体から所定の距離の範囲内に位置しているときに磁気反発力を発生させるよう構成されている、請求項1記載のシステム。
  3. 前記第1の支持構造体内の前記磁気領域の極性と前記第2の支持構造体内の前記磁気領域の極性は、前記第2の支持構造体が前記第1の支持構造体から所定の距離の範囲内に位置しているときに磁気引き付け力を発生させるよう構成されている、請求項1記載のシステム。
  4. 前記器具は、小火器から成り、前記ロック機構は、前記小火器内に位置決めされている、請求項1記載のシステム。
  5. 前記第1の支持構造体に取り付けられた少なくとも1つの応従性部材を更に含み、前記少なくとも1つの応従性部材は、前記第2の支持構造体が前記第1の支持構造体を動かすのに必要な前記所定の距離の範囲内にはないとき、前記第1の支持構造体をデフォルトロック位置に維持する、請求項1記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1つの応従性部材は、ばねから成る、請求項記載のシステム。
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