JP6697611B2 - 高活性nk細胞、およびその利用 - Google Patents
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Description
[1] 下記(1)および(2)の特徴を備えるNK細胞、またはその集団:
(1)CD16陽性、CD56高発現性、かつCD57陰性である。
(2)NKG2C陽性、NKG2A陰性〜低発現性、およびCD94陽性である。
[2] CD16高発現性であるNK細胞の集団、およびCD16低発現性であるNK細胞の集団を含む、1に記載の集団。
[3] CD16高発現性である、1に記載のNK細胞、またはその集団。
[4] CD16低発現性である、1に記載のNK細胞、またはその集団。
[5] さらに下記(3)の特徴を備える、1〜4のいずれか1項に記載のNK細胞、またはその集団:
(3)該NK細胞をエフェクター細胞(E)とし、K562細胞を標的細胞(T)として混合比(E:T)1:1で共培養した場合の細胞傷害活性が50%以上である。
[6] 下記を含む、1〜5のいずれか1項に記載のNK細胞またはその集団の調製方法:
初代NK細胞の集団を、IL−2を含む培地、または無血清培地で培養する工程。
[7] 初代NK細胞の集団が、CD3陽性細胞を除去する工程を経たものである、6に記載の調製方法。
[8] 1〜5のいずれか1項に記載のNK細胞の集団、および医薬として許容される添加物を含む、医薬組成物。
[9] NK細胞の集団、および治療上有効量の抗体を含む、医薬組成物。
[10] NK細胞の集団が、1〜5のいずれか1項に記載のNK細胞の集団である、9に記載の医薬組成物。
[11] 抗体が、抗体依存性細胞傷害(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity、ADCC)を誘導可能なものである、9または10に記載の医薬組成物。
[12] 抗体の少なくとも一部がNK細胞に結合している、9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
本発明は、下記(1)の特徴を備えるNK細胞、またはその集団を提供する:
(1)CD16陽性、CD56高発現性、かつCD57陰性である。
上記のNK細胞、またはその集団は、また下記(2)の特徴を備える:
(2)NKG2C陽性、NKG2A陰性〜低発現性、およびCD94陽性である。
上記のNK細胞、またはその集団は、さらに下記(3)の特徴を備えていてもよい:
(3)該NK細胞をエフェクター細胞(E)とし、K562細胞を標的細胞(T)として混合比(E:T)1:1で共培養した 場合の細胞傷害活性 が50%以上である。
細胞集団とは、複数個の細胞、例えば1×105cells以上の細胞で構成される一群をいう。NK細胞の集団は、50%を超える純度(純度(%)=NK細胞の個数/全細胞の個数×100)でNK細胞を含む集団である。NK細胞は、ヒトの抹消血中では、通常リンパ球の10〜30%を占める。すなわち、末梢血中での純度は50%以下であることは明らかである。したがって、NK細胞の集団は、天然には存在しないといえる。NK細胞の集団はまた、様々な細胞密度に調製することができる。例えば、1×105cells/mL以上に調製することができる。
本発明により提供されるNK細胞、またはその集団は、CD16高発現性であるか、またはCD16低発現性である。また、本発明により提供されるNK細胞の集団は、CD16高発現性であるNK細胞の集団、およびCD16低発現性であるNK細胞の集団の双方を含んでいてもよい。双方を含む細胞集団は、フローサイトメトリー法でCD16に関して解析すると、二峰性となる。また、本発明により提供されるNK細胞、またはその集団は、CD56高発現性である。CD56は、NK細胞のマーカーとして有用な抗原であることが知られている。さらに本発明により提供されるNK細胞、またはその集団は、CD57の発現はみられない。CD57は、Stage5(活性化型、あるいは成熟型)のマーカーとして知られている。
a:CD56bright,CD94+++,KIR-,CD16-,perforin+-,
b:CD56dim,CD94++,KIR-,CD16+-,perforin+,
c:CD56dim,CD94+,KIR+-,CD16+,perforin++,
d:CD56dim,CD94+-,KIR+,CD16++,CD57+,perforin+++
本発明によって提供されるNK細胞はまた、NKG2C陽性、NKG2A陰性〜低発現性、およびCD94陽性である。NKG2A陰性〜低発現性CD94の発現は、NK細胞の大部分に見られる。CD94は、NKG2ファミリーの分子の一つとジスルフィド結合して、MHCクラスI分子に対する受容体を形成する。NKG2Cは主にNK細胞に発現しており、NK細胞の活性化に関与し、CD94/NKG2Cヘテロダイマーが活性化受容体として機能することが知られている。CD94/NKG2Aヘテロダイマーは、MHCクラスIに対する抑制性受容体である。NKG2A陰性〜低発現性は、NKG2A陰性である場合、NKG2Aのごく弱い発現がある場合、およびNKG2A低発現性である場合を含む。
(2−1)KIR(s)(Killer cell Immunoglobulin−like Receptor(s))陽性である。
(2−2)NKp44陽性、NKp30高発現性、およびNKp46高発現性からなる群より選択されるいずれか1つ、好ましくはいずれか2つ、好ましくはすべてを満たす。
非特許文献3:Luetke-Eversloh M., M. Killig, C. Romagnani. 2013. Signatures of human NK cell development and terminal differentiation. Front. Immunol. 4: 499.PubMedGoogle Scholar
本発明により提供されるNK細胞、またはその集団は、高い細胞傷害活性を発揮しうる。細胞傷害活性とは、特に記載した場合を除き、対象細胞(エフェクター細胞、E)の標的細胞(T)に対する溶解能を指す。細胞傷害活性は、エフェクター細胞により死に至った標的細胞の百分率(%)で表すことができ、次式により求められる。
本発明は、上記のNK細胞またはその集団の、下記を含む調製方法を提供する:
初代NK細胞の集団を、IL−2を含む培地で培養する工程。
本発明の調製方法において、初代NK細胞の集団は、被験者から採取された血球細胞から単核球を分離する工程によって得ることができる。血球細胞は、末梢血、臍帯血、骨髄および/またはリンパ節から採取される場合がある。血球細胞は末梢血からアフェレーシス法により採取される場合がある。
初代NK細胞の集団を培養するために用いる細胞培養用培地は、KBM501培地(コージンバイオ株式会社。IL−2を1,750JRU/ml含む。ヒトNK細胞Primary Culture用)、CellGro SCGM培地(セルジェニックス、岩井化学薬品株式会社)、X−VIVO15培地(ロンザ、タカラバイオ株式会社)、コスメディウム008 (コスモバイオ。IL−2を1,750JRU/ml含む。ヒトNK細胞Primary Culture用)、CTS AIM V Medium GibcoTM CTSTM AIM VTM Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック。T細胞および樹状細胞を増殖・操作するための既知組成の無血清培地)、CTS OpTmizer T Cell Expansion Basal Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック。ヒトTリンパ球の成長および増殖用)、IMDM、MEM、DMEM、RPMI−1640等を含むが、これらに限定されない。
本発明は、NK細胞の集団、および医薬として許容される添加物を含む、医薬組成物を提供する。本発明はまた、NK細胞の集団、および治療上有効量の抗体を含む、医薬組成物を提供する。医薬として許容される添加物としては、例えば等張化剤、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、凍結保護剤、抗生物質等を例示できる。具体的には、水、エタノール、塩化ナトリウム、ブドウ糖、アルブミン等が挙げられる。本発明の医薬組成物に含まれるNK細胞の集団は、上記の、本発明によって提供されるNK細胞の集団であることが好ましい。また本発明の医薬組成物に含まれるNK細胞の集団は、CD16高発現性であってもよく、いずれの場合であっても、細胞傷害活性が高いNK細胞の集団であることがより好ましい。
健常人ボランティアから採血を実施、フィコール(GEヘルスケア, 17144002)を用いて得た末梢血単核球を分取した。得られた末梢血単核球にCD3 beads※1を添加・懸濁し、4℃, 15分間インキュベート後、分離バッファー1※2を加えてよく懸濁し、300 x g、10分間、遠心分離を行った。上清を除去し、1 mLの分離バッファーに懸濁し、分離バッファー 2 mLをあらかじめ添加して湿らせたLDカラム(ミルテニーバイオテク, 130-042-901)に添加して、LDカラムからの溶出液を回収した。さらに分離バッファー 1 mLをLDカラムに添加し、溶出液を回収した。その後2回カラムをwashし、回収された液中の細胞数をカウントし、総細胞数を算出した。500 x g、5分間、遠心分離を行い、上清を除去後、5 x 105 細胞/mLとなるようにNK培地I※3に懸濁した。一部の細胞をフローサイトメーター測定用に回収し(ここで回収した細胞を「Primary NK」と表す。)、残りの細胞を培養した。培養は、6ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック, 140675)または、T-75フラスコ(サーモフィッシャーサイエンティフィック, 156499)を用いて、CO2インキュベーターで行った(37℃, 5% CO2)。培養5日目および9日目に培養液の一部を取り細胞数をカウントし、細胞密度が5 x 105 細胞/mLになるようにNK培地Iを添加した。14日目に細胞を回収し(ここで回収した細胞を「Day 14」と表す。)、一部の細胞を用いてフローサイトメーターで細胞表面抗原の測定を行った。残りの細胞は、STEM-CELLBANKER GMP grade(タカラバイオ, CB045)に懸濁後、-80℃で保存した。
BV421標識抗ヒトCD56抗体(Biolegend, 318328)、PerCP/C5.5標識抗ヒトCD3抗体(Biolegend, 300430)、APC標識抗ヒトNKp30抗体(Biolegend, 325209)、PE標識抗ヒトNKp44抗体(Biolegend, 325107)、FITC標識抗ヒトNKp46抗体(Biolegend, 331921)、PE-Cy7標識抗ヒトNKG2D抗体(Biolegend, 320811)、PE-Cy7標識抗ヒトCD16抗体(Biolegend, 302015)、APC標識抗ヒトCD69抗体(Biolegend, 310910)、FITC標識抗ヒトCD94抗体(Biolegend, 305504)、FITC標識抗ヒトCD14抗体(Biolegend, 325604)、PE標識抗ヒトNKG2C抗体(R&D, FAB138P)、APC標識抗ヒトNKG2A抗体(Milteni Biotec, 130-098-809)、PerCP Cy5.5標識抗ヒトCD94抗体(Biolegend, 305514)、APC標識抗ヒトCD57抗体(Biolegend, 359610)を1μg/mLの濃度で4℃、30分間染色後、遠心分離(500 xg, 5分間, 4℃)し、上清を除去し、PBS(和光純薬工業)に懸濁後、フローサイトメーター(BD LSRFortessa, BDバイオサイエンス社)を用いて測定を行い、FlowJoソフトウェア(TreeStar)で解析した。
※2: 0.5%ヒトAB型血清 (コスモバイオ, 12181301, を56℃で30分の非働化処理したもの)、2mM EDTA(サーモフィッシャーサイエンティフィック, 15575-020)を含むPBS
※3: 5%ヒトAB型血清(コスモバイオ, 12181301, を56℃で30分の非働化処理したもの)を添加したコスメディウム008(コスモバイオ, COS-008)
実施例1に記載の方法で細胞の調製を行った。培養開始時の細胞と培養終了時(培養14日目)の細胞の一部を回収し、フローサイトメーターで細胞表面抗原の測定を行った。
回収した約1x105個の細胞をBV421標識抗ヒトCD56抗体、PerCP/C5.5標識抗ヒトCD3抗体、PE-Cy7標識抗ヒトCD16抗体、APC標識抗ヒトCD69抗体、FITC標識抗ヒトCD14抗体を1μg/mLの濃度で4℃、30分間染色後、遠心分離(500 xg, 5分間, 4℃)し、上清を除去し、適量のPBSに懸濁後、フローサイトメーター(BD LSRFortessa, BDバイオサイエンス社)を用いて測定を行い、FlowJoソフトウェアで解析した。CD3陰性CD56陽性の細胞をNK細胞とし、CD16とCD56で展開してNK細胞上のCD16の発現を解析した。
実施例1に記載の方法を一部改変して細胞の調製を行った。具体的には、分離バッファー2※4を使用し、NK培地II※5を用いて培養を行った。培養開始時の細胞と培養終了時(培養14日目)の細胞の一部を回収し、実施例2に記載の方法で測定および解析を行った。
※5: 5%のCTSを添加したコスメディウム008培地(コスモバイオ, COS-008)
《K562(標的細胞)の調製》
K562細胞(ヒト慢性骨髄性白血病細胞株)を10%FBS(ニチレイバイオサイエンス, 171012-500ML)および100ユニットのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン(ナカライテスク, 26253-84)を含むRPMI1640培地(和光純薬工業, 189-02025)(以下、10%FBS/RPMI1640とする))にて1x106cells/ mlの濃度で調製した。調製したK562細胞に、DiOC18 (Sigma, D4292-20MG) を終濃度が30μMとなるように添加し、37℃で10分間反応させた。遠心分離(400 xg, 5分間, 室温)後、上清を除去し、10%FBS/RPMI1640を添加、懸濁した。この洗浄工程を3回繰り返し、最終的に10%FBS/RPMI1640を用いて2x 106 cells/mLとなるように調製した。
健常人ボランティアから実施例1に記載の方法で得られた細胞を回収洗浄後、10%FBS/RPMI1640にて懸濁し、同培地で1x106cells/ mlの濃度で調製した。調製した細胞懸濁液をPE-Cy7標識抗ヒトCD16抗体(1μg/mL)で4℃、30分間染色後、遠心分離(500 g, 5分間, 4℃)し、上清を除去した。細胞を10%FBS/RPMI1640で懸濁後、2x107 cells/ml の濃度で同培地を用いて調製し、フローサイトメーター(セルソーター SH800, SONY)で細胞表面抗原の測定を行い、CD16の発現程度を確認した。CD16highNK細胞とCD16dimNK細胞を同セルソーターでソーティングし、10%FBS/RPMI1640を7ml満たした15mlコニカルチューブにそれぞれ回収した。回収後、遠心分離(500 g, 5分間, 4℃)し、上清を除去後、10%FBS/RPMI1640にて懸濁し、同培地で2x106 cells/ mlの濃度で調製した。
ソーティングを行なっていないNK細胞とK562細胞の群、CD16highNK細胞とK562細胞の群、CD16dimNK細胞とK562細胞の群、それぞれのNK細胞のみの計5群と、陰性コントロールとしてK562細胞のみの群、陽性コントロールとしてK562細胞を10%ホルマリンで固定した群も用意した。NK細胞とK562細胞は、細胞比で1:1となるように96ウェルプレートに添加、混合し、37℃で2時間、共培養した。このとき、まずK562細胞をプレートに添加し、次に200μg/mlのAPC標識抗ヒトCD107a抗体※6(Biolegend, 328620)を終濃度1μg/mlとなるように添加し、最後に各NK細胞を添加した。培養後、遠心分離(500 g, 5分間, 4℃)し、上清を除去後、PBSで希釈した7-AAD溶液(Beckman Coulter, A07704)を添加、懸濁し、室温で10分間インキュベートした。フローサイトメーター(BD LSR Fortessa、BDバイオサイエンス社)を用いて測定を行い、FlowJoソフトウェアで解析した。
(エフェクター細胞とインキュベートした場合の標的細胞の細胞死−自然細胞死(陰性コントロール))/(最大細胞死(陽性コントロール)−自然細胞死(陰性コントロール))×100
対象をNKが攻撃したことを間接的に示す。
結果を図4に示した。(i)群、(ii)群とも、細胞傷害活性が50%を超えた。
《IMR32細胞(標的細胞)の調製》
IMR32細胞(ヒトMYCN増幅神経芽腫細胞株)を10%FBS/RPMI1640にて1x106cells/ mlの濃度に調製した。調製したK562細胞に、DiOC18 (Sigma, D4292-20MG) を終濃度が30μMとなるように添加し、37℃で10分間反応させた。遠心分離(400 xg, 5分間, 室温)後、上清を除去し、10%FBS/RPMI1640を添加、懸濁した。この洗浄工程を3回繰り返し、最終的に10%FBS/RPMI1640を用いて2x 106 cells/mLとなるように調製した。
健常人ボランティアから実施例1に記載の方法で得られた細胞を回収洗浄後、10%FBS/RPMI1640にて懸濁し、同培地で1x106cells/ mlの濃度に調製した。調製液をPE-Cy7標識抗ヒトCD16抗体 (1μg/mL) で4℃、30分間染色後、遠心分離(500 g, 5分間, 4℃)し、上清を除去した。細胞を10%FBS/RPMI1640で懸濁後、2x107 cells/ml の濃度に同培地で調製し、フローサイトメーター(セルソーター SH800, SONY)で細胞表面抗原の測定を行い、CD16の発現程度を確認した。CD16highNK細胞とCD16dimNK細胞を同セルソーターでソーティングし、10%FBS/RPMI1640を7ml満たした15mlコニカルチューブにそれぞれ回収した。回収後、遠心分離(500 g, 5分間, 4℃)し、上清を除去後、10%FBS/RPMI1640にて懸濁し、同培地で2x106 cells/ mlの濃度に調製した。
ソーティングを行なっていないNK細胞とK562細胞の群、CD16highNK細胞とK562細胞の群、CD16dimNK細胞とK562細胞の群、それぞれのNK細胞のみの計5群と、陰性コントロールとしてK562細胞のみの群、陽性コントロールとしてK562細胞を10%ホルマリンで固定した群も用意した。NK細胞とK562細胞は、細胞比で1:1となるように96ウェルプレートに添加、混合し、37℃で2時間、共培養した。
結果を図5に示した。Dinutuximab添加群では、さらに高い細胞傷害活性がみられた。
《細胞の調製》
実施例1の方法で得られたNK細胞を、4μg/mLの濃度のモガムリズマブ(ポテリジオ(登録商標)点滴静注20mg, 協和発酵キリン)を含むNK培地Iに懸濁し、37℃, 20分間インキュベートした。遠心分離(500 xg, 5分間, 室温)後、上清を除去し、10%FBS/RPMI1640を添加・懸濁後、遠心分離(500 xg、5分間、室温)し、上清を除去し、2 x 106 cells/mLとなるように10%FBS/RPMI1640で調製し、NK+モガムリズマブ (premix)とした。
NK細胞1に対してHut 78細胞を5(細胞数比)とする群、NK細胞1に対してHut 78細胞を5(細胞数比)とした上で終濃度4μg/mLとなるようにモガムリズマブを添加した群、NK+モガムリズマブ (premix) 1に対してHut 78細胞を5(細胞数比)とした群の、計3群を用意した。細胞比1:5で96ウェルプレートに添加、混合し、37℃で2時間共培養した。陰性コントロールとして、Hut 78細胞のみの群、陽性コントロールとしてHut 78 を10%ホルマリンで固定した群も用意した。2時間の共培養後、遠心分離(500 xg, 5分間, 室温)し、上清を除去し、PBSで6倍に希釈した7-AAD溶液(Beckman Coulter, A07704)を60μL/ウェルで添加、懸濁し、室温で10分間インキュベートした。フローサイトメーター(BD LSRFortessa, BDバイオサイエンス社)を用いて測定を行い、FlowJoソフトウェアで解析した。
上記Hut78での実験に即して行った。条件が異なるのは、使用した細胞株がIMR32である点、使用した抗体がdinutuximabである点、NK細胞と腫瘍細胞の細胞数比が1:10である点、である。
結果を図6に示した。モガムリズマブに関しては、NK+モガムリズマブ(premix)群で最も高い細胞傷害活性がみられた。多くの抗体医薬はNK細胞の抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性をその作用機序の一つとしているが、予めNK細胞と抗体医薬とを混合しておくことの有効性が示唆された。
実施例1に記載の方法で得られたNK細胞をSTEM-CELLBANKER GMP grade(タカラバイオ, CB045)を用いて凍結した後、解凍してNK培地IIを用いて37℃のCO2インキュベーターで終夜培養を行った。細胞を1mM EDTA(サーモフィッシャーサイエンティフィック, 15575-020)を含むPBSで剥がし、丸底の96ウェルプレート(IWAKI)に1x105個ずつ分注し、遠心分離(500 x g, 5分間, 室温)後、上清を除去し、100μLのモガムリズマブ溶液(終濃度: 0μg/mL、1μg/mL、10μg/mL、100μg/mL、1,000μg/mL)を添加、懸濁し、室温で1時間インキュベートした。遠心分離(500 x g, 5分間, 室温)後、上清を除去し、300μLのPBSで3回洗浄操作を行った(500 x g, 5分間, 室温)。次に、染色用の抗体溶液(BV421標識抗ヒトCD56抗体、PerCP/C5.5標識抗ヒトCD3抗体、PE-Cy7標識抗ヒトCD16、PE標識抗ヒトIgG Fc抗体(SouthernBiotech, 2043-09)を添加、懸濁し4℃で30分間反応させた。遠心分離(500 x g, 5分間, 室温)後、上清を除去し、100μLのPBSを添加、懸濁し、フローサイトメーター(BD LSRFortessa, BDバイオサイエンス社)を用いて測定を行い、FlowJoソフトウェアで解析した。
Claims (4)
- 抗体が結合したNK細胞の集団を含む医薬組成物であって、NK細胞の集団が、健常人由来末梢血単核球から、CD3ビーズ(CliniMACS CD3, ミルテニーバイオテク社, カタログ番号130-017-601)、LDカラム(ミルテニーバイオテク,130-042-901)及び分離バッファー(0.5%ヒトAB型血清 (非働化処理したもの)、2mM EDTAを含むPBS)を用いてCD3陽性細胞を除去した細胞集団を、NK培地I(5%ヒトAB型血清(非働化処理したもの)を添加したコスメディウム008(コスモバイオ,COS-008))で14日間培養して得られ、下記(1)および(3)の特徴を備えるNK細胞の集団である、医薬組成物:
(1)CD16陽性、CD56高発現性、かつCD57陰性である。
(3)該NK細胞をエフェクター細胞(E)とし、K562細胞を標的細胞(T)として混合比(E:T)1:1で共培養した場合の細胞傷害活性が50%以上である。 - NK細胞の集団が、CD56陽性であり、かつCD57陰性であるNK細胞を60%以上含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- (1)および(3)の特徴を備えるNK細胞が、さらに下記(2)の特徴を備える、請求項1または2に記載の医薬組成物:
(2)NKG2C陽性、NKG2A陰性〜低発現性、およびCD94陽性である。 - 抗体依存性細胞傷害(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity、ADCC)を誘導するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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