JP6696424B2 - 雑音抑圧システムと雑音抑圧方法及びプログラム - Google Patents

雑音抑圧システムと雑音抑圧方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、雑音抑圧技術に関し、特に、入力信号に含まれる雑音成分を抑圧して所望の信号を抽出するシステムや用途等に好適な雑音抑圧システムと雑音抑圧方法及びプログラムに関する。
所望の信号と雑音とが混在する入力信号から所望の信号を取得する技術開発が進んでいる。例えば、特許文献1には、入力音声信号に含まれる雑音を抑圧して仮推定音声を求め、音声の標準パタンを用いて仮推定音声を補正することにより、音声の情報を欠落させることなく、高い精度で雑音成分を除去可能とする構成が開示されている。特許文献1の技術は、標準パタンを構成する確率分布が仮推定音声を出力する確率と、該標準パタンを構成する確率分布の平均値とを用いた期待値演算処理により求めた仮推定音声の期待値を、仮推定音声の補正値としている。
なお、特許文献2と非特許文献1は、後の実施形態の説明で参照される。このうち、特許文献2には、ノイズを除去する方法が開示されている。そのノイズ除去方法は、まず周波数別の第1の信号対雑音比を求め、第1の信号対雑音比に基づいて周波数別の重みを求め、周波数別の重みを周波数領域信号に重み付けして求めた重み付き周波数領域信号に基づいて周波数別の推定雑音を求める。続いてノイズ除去方法は、周波数領域信号と周波数別の推定雑音とに基づいて第2の信号対雑音比を求め、第2の信号対雑音比に基づいて抑圧係数を定め、抑圧係数を周波数領域信号に重み付けする。
特許第4765461号公報 特許第4282227号公報
Handbook of Speech Processing, 44章, Spectral Enhancement Methods, Springer, 2008年, pp.873-902
上記特許文献1においては、音声の標準パタンを用いて仮推定音声を補正することにより音声の情報の欠落を防いでいるが、雑音の大きさの変動等により、雑音抑圧の精度が低下する場合がある。
本発明は、上述の課題に鑑みて創案されたものであって、その目的は、所望の信号に雑音が混在した入力信号に対して、雑音の大きさが変動した場合でも雑音抑圧の精度の低下を回避し高精度に雑音成分を抑圧する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の1つの側面によれば、雑音抑圧システムは、以下の構成により提供される。雑音抑圧システムは、信号と雑音が混在した入力信号から推定した信号と雑音に関する事前SN比(Signal to Noise ratio)の推定値に対して、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデルに基づき、補正を施し、事前SN比の期待値を取得する事前SN比推定・期待値計算部を有する。更に雑音抑圧システムは、前記事前SN比の期待値を用いて雑音抑圧係数を計算する雑音抑圧係数計算部と、前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗じることで前記入力信号に含まれる雑音を抑圧する雑音抑圧部を有する。
本発明の別の側面によれば、雑音抑圧方法は、信号と雑音が混在した入力信号から推定した前記信号と前記雑音に関する事前SN比の推定値に対して、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデルに基づき、補正を施して事前SN比の期待値を取得する。更に、雑音抑圧方法は、前記事前SN比の期待値を用いて、雑音抑圧係数を計算し、前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗ずることで、前記入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する。
本発明の別の側面によれば、以下の処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。その処理は、信号と雑音が混在した入力信号から推定した前記信号と前記雑音に関する事前SN比の推定値に対して、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデルに基づき、補正を施して事前SN比の期待値を取得する処理である。更に、その処理は、前記事前SN比の期待値を用いて、雑音抑圧係数を計算する処理と、前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗ずることで、前記入力信号に含まれる雑音成分を抑圧する処理である。本発明によれば、該プログラムを記録したコンピュータで読み出し可能な記録媒体(non-transitory computer readable recording medium)が提供される。
本発明によれば、所望の信号に雑音が混在した入力信号に対して、雑音の大きさが変動した場合でも雑音抑圧の精度の低下を回避し高精度に雑音成分を抑圧することができる。
本発明の第1の実施形態に係る雑音抑圧システムの構成を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る雑音抑圧システムの構成を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る第1の事前SN比推定部の構成を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る事前SN比の期待値計算部の構成を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係る雑音抑圧システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る雑音抑圧システムの構成を例示する図である。 本発明の第3の実施形態に係る第1の音声と第1の雑音の推定部の構成を例示する図である。 本発明の第3の実施形態に係る事前SN比の期待値計算部の構成を例示する図である。 本発明の第4の実施形態に係る雑音抑圧システムの構成を例示する図である。 本発明の第4の実施形態に係る事前SN比の期待値計算部の構成を例示する図である。 木構造化された音声モデルを説明するための模式図である。 本発明の実施形態の基本概念を説明するための図である。
以下では、本発明の実施形態に共通する基本概念を説明し、つづいて各実施形態について説明する。なお、以下の説明において、括弧内の参照符号は、本発明の基本概念をより明確とするために一例として示したものであって、本発明を限定するために解釈されるべきものでないことは勿論である。また、第1〜4の実施形態の構成を示すブロック図において、ブロック間の矢印の方向は、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
図12は、各実施形態に共通な基本概念を模式的に例示した図である。図12を参照すると、本発明の一態様である雑音抑圧システム(10)は、事前SN比推定・期待値計算部(11)、雑音抑圧係数計算部(12)、雑音抑圧部(13)を備える。事前SN比推定・期待値計算部(11)は、信号と雑音が混在した入力信号から推定される信号と雑音のSN比の推定値(事前SN比推定値)に補正を施し事前SN比の期待値(RsnE)を取得する。その補正は、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデル、に基づく。更に、雑音抑圧係数計算部(12)は、事前SN比の期待値(RsnE)を用いて雑音抑圧係数(W)を計算する。更に、雑音抑圧部(13)は、雑音抑圧係数(W)を入力信号に乗ずることで入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、信号の推定値を出力する。雑音抑圧システム(10)の各部の処理・機能の少なくとも一部又は全部は、雑音抑圧システム(10)を構成するコンピュータ上で実行されるプログラムにより実現するようにしてもよい。
本発明の好ましい形態の一つによれば、雑音抑圧システム(図1の100)は、第1の事前SN比推定部(図1の101)、記憶部(図1の105)、事前SN比の期待値計算部(図1の102)を備える。第1の事前SN比推定部(101)は、信号と雑音が混在した入力信号を入力し、入力信号から信号と雑音とを推定し、推定した信号と雑音に関する事前SN比を推定する。記憶部(105)は、予め用意された事前SN比モデル(Msn)を記憶する。事前SN比の期待値計算部(102)は、第1の事前SN比推定部(101)で推定された事前SN比を、記憶部(105)に記憶された事前SN比モデルを用いて補正することで事前SN比の期待値(RsnE)を計算する。雑音抑圧係数計算部(図1の103)は、事前SN比の期待値(RsnE)を用いて雑音抑圧係数(W)を計算する。雑音抑圧部(図1の104)は、雑音抑圧係数(W)を、入力信号に乗ずることで入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、信号の推定値を出力する。なお、第1の事前SN比推定部(101)、記憶部(105)、及び、事前SN比の期待値計算部(102)は、図12の事前SN比推定・期待値計算部(11)に対応する。
本発明の別の形態によれば、予め用意された事前SN比モデルの代わりに、予め用意された音声モデルと予め用意した雑音モデルを用いて事前SN比モデルを推定するようにしてもよい。例えば、雑音抑圧システム(図6の300)は、第1の音声と第1の雑音の推定部(図6の305)、記憶部(図6の307)、記憶部(図6の308)、事前SN比の期待値計算部(図6の306)を備える。第1の音声と第1の雑音の推定部(305)は、信号と雑音が混在した入力信号を入力し、入力信号から信号と雑音とを推定する。記憶部(307)は、予め用意された音声モデル(M)を記憶する。記憶部(308)は、予め用意された雑音モデル(M)を記憶する。事前SN比の期待値計算部(306)は、第1の音声と第1の雑音の推定部(305)で推定された信号と雑音とを入力し、信号の雑音に対する事前SN比を、記憶部(307、308)にそれぞれ記憶された音声モデルと雑音モデルとを用いて補正し、事前SN比の期待値(RsnE)を計算する。雑音抑圧係数計算部(図6の303)は、事前SN比の期待値(RsnE)を用いて雑音抑圧係数(W)を計算する。雑音抑圧部(図6の304)は、雑音抑圧係数(W)を、入力信号に乗ずることで入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、信号の推定値を出力する。なお、第1の音声と第1の雑音の推定部(305)、記憶部(307、308)、及び、事前SN比の期待値計算部(306)は、図12の事前SN比推定・期待値計算部(11)に対応する。
あるいは、本発明の別の形態によれば、雑音抑圧システム(図9の400)は、信号と雑音が混在した入力信号を入力し、入力信号から信号と雑音とを推定する、第1の音声と第1の雑音の推定部(図9の405)と、予め用意された音声モデルを記憶する記憶部(図9の407)を備える。更に雑音抑圧システム(400)は、事前SN比の期待値計算部(図9の406)を備える。事前SN比の期待値計算部(406)は、第1の音声と第1の雑音の推定部(図9の405)で推定された信号と雑音とを入力し、雑音に基づき雑音モデル(M)を生成し、信号の雑音に対する比(事前SN比)を、音声モデルと雑音モデルを用いて補正する。これにより、事前SN比の期待値計算部(406)は、事前SN比の期待値(RsnE)を計算する。雑音抑圧係数計算部(図9の403)は、事前SN比の期待値を用いて雑音抑圧係数を計算する。雑音抑圧部(図9の404)は、雑音抑圧係数を、入力信号に乗ずることで入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、信号の推定値を出力する構成としてもよい。なお、第1の音声と第1の雑音の推定部(405)、記憶部(407)、及び、事前SN比の期待値計算部(406)は、図12の事前SN比推定・期待値計算部(11)に対応する。以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施の形態について詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明は、かかる構成に限定されるものでないことは勿論である。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る雑音抑圧システム100の構成を例示する図である。図1を参照して、本発明の第1の実施形態としての雑音抑圧システム100について説明する。図1に示すように、雑音抑圧システム100は、第1の事前SN比推定部101と、事前SN比の期待値計算部102と、雑音抑圧係数計算部103と、雑音抑圧部104と、事前SN比モデル(Msn)を記憶する記憶部105と、を含む。
事前SN比と事後SN比は、以下のように区別して定義される。
事前SN比=所望の信号パワー/雑音パワー
事後SN比=(所望の信号と雑音の混合信号パワー)/雑音パワー
第1の事前SN比推定部101は、所望の信号と雑音が混在する入力信号Xを入力とする。第1の事前SN比推定部101は、入力信号Xに含まれる所望の信号パワーと雑音パワーの比(事前SN比)Rsn1を推定し、推定した事前SN比Rsn1を出力する。なお、入力信号Xは、所望の信号と雑音が混在する混合信号の周波数スペクトル(周波数振幅スペクトル、周波数パワースペクトル等)であり、時間領域の信号を離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)等により周波数領域の信号(実部と虚部を含む複素信号)に変換したものである。また、以後の実施形態において表記される入力信号Xも同様である。
事前SN比の期待値計算部102は、第1の事前SN比推定部101から出力される事前SN比Rsn1と、記憶部105に予め格納された事前SN比モデルMsnと、を入力とする。事前SN比モデルMsnは事前SN比のパタンからなる。事前SN比の期待値計算部102は、事前SN比Rsn1と、事前SN比モデルMsnとを比較し、事前SN比Rsn1を、事前SN比モデルMsnによって補正した値を、事前SN比の期待値RsnEとして出力する。
雑音抑圧係数計算部103は、事前SN比の期待値計算部102から出力される事前SN比の期待値RsnEを入力する。雑音抑圧係数計算部103は、事前SN比の期待値RsnEを用いて雑音抑圧係数Wを計算し、該雑音抑圧係数Wを出力する。
雑音抑圧部104は、雑音抑圧係数計算部103から出力される雑音抑圧係数Wと、入力信号Xと、を入力とする。雑音抑圧部104は、雑音抑圧係数Wを入力信号Xに乗じることにより、入力信号Xに含まれる雑音成分を抑圧し、所望の信号の推定値Sを出力する。
第1の実施形態において、第1の事前SN比推定部101、事前SN比の期待値計算部102、雑音抑圧係数計算部103、雑音抑圧部104、記憶部105を1つにまとめて単一の装置内に実装してもよい。あるいは、それぞれがネットワーク等の通信手段を介して相互接続される分散システムとして構成してもよい。また、第1の事前SN比推定部101と、事前SN比の期待値計算部102と、雑音抑圧係数計算部103の処理・機能の少なくとも一部は、コンピュータ上で実行されるプログラムで実現するようにしてもよい。また、雑音抑圧部104と、記憶部105(読み出し制御、書き込み制御)の処理・機能の少なくとも一部は、コンピュータ上で実行されるプログラムで実現するようにしてもよい。他の実施形態についても同様である。
第1の実施形態によれば、事前SN比Rsn1を雑音の大きさの変動を考慮した事前SN比モデルMsnにより補正する。事前SN比の期待値RsnEを用いて計算した雑音抑圧係数Wを入力信号Xに乗じることにより、所望の信号成分を除去せずに、雑音の大きさが変動しても高精度に雑音成分を抑圧することができる。
[第2の実施形態]
次に、図2乃至図5を参照して、本発明の第2の実施形態に係る雑音抑圧システム200について説明する。なお、図5は、第2の実施形態の雑音抑圧システムの処理を示すフローチャートである。
(全体構成)
図2は、第2の実施形態に係る雑音抑圧システム200の構成を例示する図である。第2の実施形態に係る雑音抑圧システム200は、所望の信号と雑音とが混在する混在信号から所望の信号を取得(抽出)する。以下の例では、所望の信号を音声信号として説明するが、所望の信号は、音声信号にのみ限定されるものでないことは勿論である。
雑音抑圧システム200は、第1の事前SN比推定部201と、事前SN比の期待値計算部202と、雑音抑圧係数計算部203と、雑音抑圧部204と、事前SN比モデル(事前SN比のパタン)Msnを予め記憶保持する記憶部205とを含む。
第1の事前SN比推定部201は、所望の信号と雑音が混在する入力信号Xを入力とする。そして、第1の事前SN比推定部201は、入力信号Xに含まれる所望の信号パワーと雑音パワーの比(事前SN比)Rsn1を推定し、推定したRsn1を出力する。
事前SN比の期待値計算部202は、第1の事前SN比推定部201から出力される事前SN比Rsn1と、記憶部205に予め記憶保持されている事前SN比モデルMsnを入力とする。事前SN比の期待値計算部202は、推定した事前SN比Rsn1と、事前SN比モデルMsnとを比較し、事前SN比モデルMsnにより補正された値の事前SN比の期待値RsnEを出力する。
雑音抑圧係数計算部203は、事前SN比の期待値計算部202の出力RsnEを入力とする。事前SN比の期待値RsnEを用いて雑音抑圧係数Wを計算し、Wを出力する。
雑音抑圧部204は、雑音抑圧係数計算部203から出力される雑音抑圧係数Wと、入力信号Xとを入力とする。雑音抑圧部204は、雑音抑圧係数Wを入力信号Xに乗じることにより、入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、所望の信号の推定値Sを出力する。
以下、図2の雑音抑圧システム200の各部についてさらに詳述する。
(第1の事前SN比推定部)
まず、図2の第1の事前SN比推定部201の処理について説明する。所望の信号と雑音が混在する入力信号Xを、以下の(式1)のようにモデル化する。

Figure 0006696424
・・・・(式1)
ただし、X(f,t)は、所望の信号と雑音が混在する混合信号の周波数スペクトル(周波数振幅スペクトル、周波数パワースペクトル等)である。時間領域の信号に対して例えば離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)等により周波数領域の信号に変換したものであり(実部と虚部を含む複素信号)、絶対値演算により振幅成分、振幅成分の2乗演算によりパワー成分が得られる。fは周波数のインデックス(周波数インデックスは、例えばDC(直流)成分(インデックス:0)からナイキスト周波数までとなる)、tは時間(離散時間)のインデックスである。また、時間のインデックスtにおけるX、S、Nは、周波数方向の成分を要素に持つベクトルである。
右辺のSは、所望の音声成分の周波数スペクトルである。
またNは、雑音成分の周波数スペクトルである。
図3は、第1の事前SN比推定部201の構成を例示する図である。図3を参照すると、第1の事前SN比推定部201は、第1の雑音推定部2011と、第1の音声推定部2012と、事前SN比推定部2013とを含む。
第1の雑音推定部2011は、入力信号Xを入力とし、入力信号Xに含まれる雑音成分を推定し、第1の推定雑音Nを出力する。
第1の音声推定部2012は、入力信号Xと、第1の推定雑音Nとを入力とし、第1の推定音声Sを出力する。
事前SN比推定部2013は、第1の推定音声Sと第1の推定雑音Nとを入力とし、推定事前SN比Rsn1(=S/N)を出力する。なお、時間のインデックスtにおけるS、Nは周波数方向の成分を要素に持つベクトルである。
(第1の雑音推定部)
第1の雑音推定部2011では、入力信号Xに含まれる雑音成分を推定し、第1の推定雑音Nを出力する。

Figure 0006696424
・・・・(式2)
ただし、NE[]は雑音推定演算子(noise estimator)であり、入力信号Xに含まれる雑音成分の推定には、公知の手法である最小統計法(minimum statistics)や重み付き雑音推定法等を用いることができる。なお、式2の右辺は、雑音推定演算子NE[]によってベクトルXの成分ごとに計算され、ベクトルXの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=NE[x](yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルXの第i成分)を意味する。
(第1の音声推定部)
第1の音声推定部2012では、入力信号Xに含まれる雑音成分を抑圧することにより、入力信号Xに含まれる音声成分を推定し、第1の推定音声Sを出力する。

Figure 0006696424
・・・・(式3)
ただし、NS[]は雑音抑圧演算子(Noise Suppressor)であり、例えば、非特許文献1に記載のスペクトル減算(SS: Spectral Subtraction)法を用いることができる。式3の右辺は、雑音抑圧演算子NS[]によってベクトルX、ベクトルNの成分ごとに計算され、ベクトルX、ベクトルNの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=NS[X,N](yは出力ベクトルの第i成分、X、NはベクトルX、ベクトルNの第i成分)を意味する。
この他、ウィナーフィルタ(WF: Wiener Filter)法、MMSE STSA (Minimum Mean Square Error Short Time Spectral Amplitude) 法、MMSE LSA(Minimum Mean Square Error Log Spectral Amplitude)法等を用いることができる。
(事前SN比推定部)
事前SN比推定部2013は、第1の音声推定部2012からの第1の推定音声S(入力信号Xに含まれる音声成分)と、第1の雑音推定部2011からの第1の推定雑音Nとを入力とし、音声信号と雑音のSN比(=S/N)を推定し、この値を、事前SN比Rsn1として出力する。

Figure 0006696424
・・・・(式4)
式4の右辺は、ベクトルS、ベクトルNの成分ごとに計算され、ベクトルS、ベクトルNの成分に対応して出力され、例えば、S/Nは、(S12/N11,S12/N11,・・・,S1n/N1n)のように出力される。ベクトルの成分に対応して出力されとは、y=x/z(yは出力ベクトルの第i成分、x、zはベクトルS、ベクトルNの第i成分)を意味する。
ただし、事前SN比推定部2013において、(式4)の右辺の分母の第1の推定雑音Nは、入力信号Xと第1の推定音声Sを用いて再推定した雑音成分N’(=X−S)を用いてもよい。この場合、事前SN比Rsn1は、以下の(式5)で与えられる。

Figure 0006696424
・・・・(式5)
式5の右辺も段落0053と同様に、ベクトルX,ベクトルSの成分ごとに計算される。また、第1の音声推定部2012において、WF法、MMSE STSA法、又は、MMSE LSA法を用いる場合には、第1の音声推定部2012において、事前SN比を求めることができる。このため、第1の音声推定部2012で推定された事前SN比を、第1の事前SN比推定部201の出力(事前SN比Rsn1)としてもよい。この場合、図3の事前SN比推定部2013は不要となる。
事前SN比Rsn1は、以下の(式6)の周波数のインデックスf毎の値のほかにも、例えば、(式7)の複数の周波数のインデックスfをまとめた周波数帯域B(例えば、メル周波数帯域)毎の値や、(式8)の全てのfをまとめた値等を用いて計算してもよい。なお、時間のインデックスtにおける事前SN比Rsn1は、周波数のインデックスfや周波数帯域Bの数に相当する分、存在する。したがって、tにおける事前SN比Rsn1は周波数方向の成分を要素に持つベクトルである。

Figure 0006696424
・・・・(式6)

Figure 0006696424
・・・・(式7)

Figure 0006696424
・・・・(式8)
(事前SN比の期待値計算部)
図4は、図2の事前SN比の期待値計算部202の構成を例示する図である。図4を参照すると、事前SN比の期待値計算部202は、特徴量変換部2021と、期待値計算部2022と、特徴量逆変換部2023と、を含む。
特徴量変換部2021は、第1の事前SN比推定部201から出力される事前SN比Rsn1を入力とし、事前SN比Rsn1の特徴量Fsn1を出力する。
期待値計算部2022は、特徴量Fsn1と予め用意した事前SN比モデル(事前SN比のパタン)Msnとを入力とし、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを出力する。
特徴量逆変換部2023は、特徴量FsnEを入力とし、事前SN比の期待値RsnEを出力する。
(特徴量変換部)
特徴量変換部2021では、事前SN比Rsn1を特徴量Fsn1に変換し、特徴量Fsn1を出力する。特徴量としては、例えば、以下の(式9)の対数値、あるいは、(式10)に示すように、対数値をコサイン変換(Discrete Cosine Transform(DCT):離散コサイン変換)した値(ケプストラム)等を用いることがきる。

Figure 0006696424
・・・・(式9)
なお、式9に示すlogは自然対数とする。以降で示されるlogも同様である。なお、logは自然対数の他に常用対数を用いることもできる。なお、式9の右辺は、ベクトルRsn1の成分ごとに対数計算され、ベクトルRsn1の成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=logx(yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルRsn1の第i成分)を意味する。

Figure 0006696424
・・・・(式10)
ただし、C[]はコサイン変換演算子(DCT演算子)である。式10の右辺は、ベクトルlogRsn1の成分ごとにコサイン変換され、ベクトルRsn1の成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、z=C[x](zは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルRsn1の第i成分)を意味する。また、式10の対数演算については式9における計算と同様である。
なお、特徴量Fsn1は、時間のインデックスt毎に計算できるが、過去の時間(例えばt−1)の特徴量との差分をとり、一次差分特徴量を用いてもよい。あるいは、さらに差分をとり、二次差分特徴量を用いるようにしてもよい。時間のインデックスtにおける特徴量Fsn1は、ケプストラムの次元数や一次差分特徴量、二次差分特徴量の数だけ存在するため、多次元のベクトルである。
(期待値計算部)
期待値計算部2022では、特徴量Fsn1と、記憶部205に予め記憶されている事前SN比モデルMsnと、を入力とし、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを出力する。以下では、一例として、事前SN比モデルMsnをG個のガウス分布から構成される混合ガウス分布モデル(GMM:Gaussian Mixture Model)として説明する。ただし、本発明は以下の例に限定されるものでないことは勿論である。
事前SN比モデルMsnを、平均値μsn,g、分散σ sn,gのG個(G>1)のガウス分布が重みwsn,gで混合された混合ガウス分布モデルとする。ただし、gはガウス分布のインデックス(g=0、1、・・・、G-1)である。
期待値計算部2022では、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを、以下の(式11)のように、事前SN比モデルMsnの平均値μsn,gの重み付け和として計算する。

Figure 0006696424
・・・・(式11)
(式11)において、重みであるP(g|Fsn1)は、特徴量Fsn1に対する事後確率である。P(g|Fsn1)は、例えば(式12)のように計算する。

Figure 0006696424
・・・・(式12)
(式12)において、P(Fsn1|g)は、事前SN比モデルMsnのガウス分布gが特徴量Fsn1を出力する確率であり、以下の(式13)のように計算される。
Figure 0006696424
・・・・(式13)
ただし、特徴量Fsn1と平均値μsn,gは、ともにD次元の列ベクトル、分散σ sn,gはD×Dの行列とする。det[]は行列式演算子である。また、Tは転置を表し、{Fsn1−μsn,gTはD次元の行ベクトルとなる。なお、次元数を示すDの値は、入力信号の種別に応じて適宜変えることができる。音声信号を含む場合は、10次元以上が望ましい。
記憶部105に予め記憶保持される事前SN比モデルMsnは、平均値μsn,gと分散σ sn,gを使用して表現されており、該分散σ sn,gには、音声信号の変動や雑音の大きさの変動が含まれている。このため、(式11)において、重みとして用いる事後確率P(g|Fsn1)は雑音の大きさの変動が考慮された値となる。
事前SN比モデルMsnは、予め大量の入力信号に対する特徴量Fsn1を用いて作成すればよい。混合ガウス分布モデルの場合、事前SN比モデルMsnは、例えば、期待値最大化(expectation maximization)アルゴリズム等を用いて学習(作成)すればよい。
あるいは、事前SN比モデルMsnは、音声のモデルMと雑音のモデルMを組み合わせることにより作成することができる。音声のモデルMと雑音のモデルMの組み合わせ方法については、次の実施の形態(図8の期待値計算部3062の説明参照)で説明する。
(特徴量逆変換部)
特徴量逆変換部2023では、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを変換し、事前SN比の期待値RsnEを出力する。特徴量変換部2021において、(式9)の対数値を用いた場合には、(式14)により逆変換し、(式10)に示すように、対数値をコサイン変換した値を用いた場合には、(式15)により逆変換すればよい。

Figure 0006696424
・・・・(式14)

Figure 0006696424
・・・・(式15)
ただし、exp[]は指数演算子であり、C−1[]は逆コサイン変換演算子(Inverse Discrete Cosine Transform (IDCT):逆離散コサイン変換演算子)である。なお、式14の右辺は、exp関数としてexp[FsnE]と表すことができ、ベクトルFsnEの成分ごとに計算され、(eFsnE1,eFsnE2,・・・,eFsnEn)のようにベクトルの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=exi(yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルFsnEの第i成分)を意味する。また、式15の右辺は、exp関数としてexp[C−1[FsnE]]として表すことができる。C−1[FsnE]は、逆コサイン変換されたベクトルFsnEの成分ごとに計算され、ベクトルFsnEの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、z=C−1[x](zは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルFsnEの第i成分)を意味する。また、式15の指数演算については式14における計算と同様である。
ここで、(式15)に、(式11)を代入すると、次式が得られる。

Figure 0006696424
・・・・(式16)
逆コサイン変換C−1は線形変換であることから、事前SN比モデルMsnの平均値μsn,gに対して逆コサイン変換した値C−1[μsn,g]を、記憶部205に予め記憶保持しておく。事前SN比モデルMsnの平均値μsn,gが変化しない限り、(式16)において、記憶部205の演算結果C−1[μsn,g]を利用することで、逆コサイン変換の演算は不要となる。
(雑音抑圧係数計算部)
雑音抑圧係数計算部203では、事前SN比の期待値RsnEを用いて、雑音抑圧係数Wを計算して出力する。例えばウィナーフィルタ法による雑音抑圧係数は、事前SN比の期待値RsnEを用いて、次式のように計算できる。

Figure 0006696424
・・・・(式17)
式17の右辺は、ベクトルRsnEの成分ごとに計算され、例えば、{(RsnE1/(1+RsnE1),(RsnE2/(1+RsnE2),・・・,(RsnEn/(1+RsnEn))のようにベクトルの成分に対応して出力される。ベクトルの成分に対応して出力されるとは、y=x/(1+x)(yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルRsnEの第i成分)を意味する。
なお、雑音抑圧係数計算部203において、事前SN比の期待値RsnEを用いて雑音抑圧係数を計算するにあたり、MMSE STSA法、MMSE LSA法等他の雑音抑圧法を用いてもよいことはもちろんである。
雑音抑圧係数計算部203において、雑音抑圧係数の計算に、事後SN比(所望の信号と雑音の混合信号と雑音の比)を用いる雑音抑圧法の場合、入力信号Xと第1の事前SN比推定部201における第1の推定雑音Nから、事後SN比(X/N)を算出して、雑音抑圧係数の計算に用いればよい。
(雑音抑圧部)
雑音抑圧部204では、雑音抑圧係数Wを入力信号Xに乗じることにより、入力信号Xに含まれる雑音成分を抑圧し、所望の信号の推定値Sを出力する。

Figure 0006696424
・・・・(式18)
すなわち、事前SN比の期待値RsnEを所望の信号の推定値Sと雑音の推定値Nの比で近似すると、W≒S/(S+N)と近似され、X≒S+Nから、W×Xは所望の信号の推定値Sとなる。
図5は、図2乃至図4を参照して説明した第2の実施形態の処理手順(動作)を説明するためのフローチャートである。
(ステップS601)
第1の事前SN比推定部201は、所望の信号と雑音が混在する入力信号Xに含まれる所望の信号と雑音の比Rsn1を推定する。
(ステップS602)
事前SN比の期待値計算部202は、第1の事前SN比推定部201によって推定された事前SN比Rsn1と、記憶部205の事前SN比モデルMsnとを比較し、事前SN比モデルMsnにより補正した値である事前SN比の期待値RsnEを計算する。
(ステップS603)
雑音抑圧係数計算部203は、事前SN比の期待値RsnEを用いて雑音抑圧係数Wを計算する。
(ステップS604)
雑音抑圧部204は、雑音抑圧係数Wを入力信号Xに乗じることにより、入力信号に含まれる雑音成分を抑圧し、所望の信号の推定値Sを得る。
本実施形態によれば、事前SN比Rsn1を雑音の大きさの変動を考慮した事前SN比モデルMsnにより補正する。補正された事前SN比の期待値RsnEを用いて計算した雑音抑圧係数により、所望の信号成分を除去せずに、雑音の大きさが変動しても高精度に雑音成分を抑圧することができる。
[第3の実施形態]
次に、図6、図7、図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る雑音抑圧システムについて説明する。図2の第2の実施形態に係る雑音抑圧システム200と、図6の第3の実施形態に係る雑音抑圧システム300を比較すると、
・図2の第1の事前SN比推定部201が、図6の第1の音声と第1の雑音の推定部305に置き換えられている点、
・図2の事前SN比の期待値計算部202が、図6の事前SN比の期待値計算部306に置き換えられている点、
・図2の記憶部205に記憶保持される事前SN比モデルMsnが、図6では、記憶部307、308にそれぞれ記憶保持される音声モデルMと雑音モデルMである点が、
第2の実施形態と異なる。なお、図6等では、単に、説明を容易化するため、音声モデルMと雑音モデルMを別々の記憶部に記憶保持する構成としたが、音声モデルMと雑音モデルMを同一の記憶部に記憶保持する構成としてもよいことは勿論である。
図6の雑音抑圧係数計算部303、雑音抑圧部304の動作は、それぞれ図2の雑音抑圧係数計算部203、雑音抑圧部204の動作とそれぞれ同じである。図2の第2の実施形態と同一部分については重複を回避するため適宜省略し、以下では、本実施形態について、第2の実施形態との相違点について説明する。すなわち、以下では、第1の音声と第1の雑音の推定部305、事前SN比の期待値計算部306、音声モデルMと雑音モデルMについて説明する。
第1の音声と第1の雑音の推定部305は、所望の信号と雑音が混在する入力信号Xを入力とする。そして、入力信号Xに含まれる第1の所望の信号(音声)の推定値Sと第1の雑音の推定値Nを出力する。
事前SN比の期待値計算部306は、第1の音声と第1の雑音の推定部305から出力される第1の所望の信号(音声)の推定値Sと、第1の雑音の推定値N、記憶部307に予め記憶保持されている音声モデル(音声のパタン)Mを入力とする。更に、事前SN比の期待値計算部306は、記憶部308に予め記憶保持されている雑音モデル(雑音のパタン)Mを入力とする。事前SN比の期待値計算部306は、所望の信号(音声)の推定値Sと雑音の推定値Nと、音声モデルMと雑音モデルMと、を比較し、事前SN比の期待値RsnEを出力する。
(第1の音声と第1の雑音の推定部)
図7は、第1の音声と第1の雑音の推定部305の構成を例示する図である。第1の音声と第1の雑音の推定部305は、第1の雑音推定部3051、第1の音声推定部3052を含む。
第1の雑音推定部3051は、入力信号Xを入力とし、第1の推定雑音Nを出力する。
第1の音声推定部3052は、入力信号Xと、第1の推定雑音Nとを入力とし、第1の推定音声Sを出力する。図7の第1の雑音推定部3051と第1の音声推定部3052の動作は、それぞれ、図3の第1の雑音推定部2011と第1の音声推定部2012の動作と同じであるため、説明を省略する。ただし、第1の音声と第1の雑音の推定部305の出力のうち、第1の推定雑音Nには、入力信号Xと第1の推定音声Sを用いて、再推定した雑音成分N’を用いてもよい((式5)の右辺分母参照)。
(事前SN比の期待値計算部)
図8は、事前SN比の期待値計算部306の構成を例示する図である。事前SN比の期待値計算部306は、特徴量変換部3061sと、特徴量変換部3061nと、期待値計算部3062と、特徴量逆変換部3063と、を含む。
特徴量変換部3061sは、第1の推定音声Sを入力とし、第1の推定音声Sの特徴量Fs1を出力する。
特徴量変換部3061nは、第1の推定雑音Nを入力とし、第1の推定雑音Nの特徴量Fn1を出力する。
期待値計算部3062は、特徴量Fs1と、特徴量Fn1と、予め用意した音声モデルMと、雑音モデルMを入力とし、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを出力する。
特徴量逆変換部3063は、特徴量FsnEを入力とし、事前SN比の期待値RsnEを出力する。特徴量逆変換部3063の動作は、図4の特徴量逆変換部2023の動作と同じであるため、説明を省略する。
(特徴量変換部)
特徴量変換部3061sは、第1の推定音声Sを入力とし、入力した第1の推定音声Sを変換して特徴量Fs1を出力する。特徴量としては、(式19)の対数値、あるいは、(式20)に示すように、対数値をコサイン変換(離散コサイン変換)した値(ケプストラム)等を用いることができる。

Figure 0006696424
・・・・(式19)
なお式19の右辺は、なお、式19の右辺は、ベクトルSの成分ごとに対数計算され、ベクトルSの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=logx(yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルSの第i成分)を意味する。

Figure 0006696424
・・・・(式20)
また、式20の右辺は、のベクトルlogSの成分ごとにコサイン変換され、ベクトルSの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、z=C[x](zは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルSの第i成分)を意味する。また、式20の対数演算については式19における計算と同様である。
特徴量変換部3061nは、第1の推定雑音Nを入力とし、入力した第1の推定雑音Nを変換して特徴量Fn1を出力する。特徴量としては、(式21)の対数値、あるいは、(式22)に示すように、対数値をコサイン変換(離散コサイン変換)した値(ケプストラム)等を用いることができる。

Figure 0006696424
・・・・(式21)
なお式21の右辺は、なお、式21の右辺は、ベクトルNの成分ごとに対数計算され、ベクトルNの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、y=logx(yは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルNの第i成分)を意味する。

Figure 0006696424
・・・・(式22)
また、式22の右辺は、ベクトルlogNの成分ごとにコサイン変換され、ベクトルNの成分に対応して出力される。式20の右辺は、ベクトルlogNの成分ごとにコサイン変換され、ベクトルNの成分に対応して出力される。ここでベクトルの成分に対して出力されるとは、z=C[x](zは出力ベクトルの第i成分、xはベクトルNの第i成分)を意味する。また、式22の対数演算については式21における計算と同様である。
なお、特徴量Fs1とFn1は、時間のインデックスt毎に計算できるが、過去の時間(例えばt−1)の特徴量との差分をとり、一次差分特徴量を用いてもよいし、さらに差分をとり二次差分特徴量を用いることもできる。時間のインデックスtにおける特徴量Fs1とFn1は、ケプストラムの次元数や、一次差分特徴量、二次差分特徴量の数だけ存在するため、多次元のベクトルである。
(期待値計算部)
期待値計算部3062は、
・特徴量変換部3061sから出力される特徴量Fs1と、
・特徴量変換部3061nから出力される特徴量Fn1と、
・記憶部307に記憶されている音声モデルMと、
・記憶部308に記憶されている雑音モデルMと、
を入力とし、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを出力する。
以下の例では、
・音声モデルをG個のガウス分布から構成される混合ガウス分布モデル、
・雑音モデルをG個のガウス分布から構成される混合ガウス分布モデル
として説明するが、本発明の第3の実施形態は、以下の例に限定されるものでないことは勿論である。
・事前SN比が、(式4)〜(式8)のように、SとNの比であること、
・特徴量が、(式9)、(式10)のように、対数値、又は、該対数値の線形変換であること、及び、
・音声と雑音の特徴量が(式19)〜(式22)のように対数値、又は、該対数値の線形変換であること、
を考慮すると、事前SN比の特徴量Fsn1は、特徴量Fs1とFn1を用いて、次のように表すことができる。

Figure 0006696424
・・・・(式23)
上記したように、この例では、音声モデルMを、平均値μs,gs、分散σ s,gsのG個のガウス分布が重みws,gsで混合された混合ガウス分布モデルとする。
また、雑音モデルMを、平均値μn,gn、分散σ n,gnのG個のガウス分布が重みwn,gnで混合された混合ガウス分布モデルとする。
ただし、gとgはガウス分布のインデックスである。
ここで、音声信号と雑音信号とが互いに独立であると仮定すると、事前SN比モデルは、平均値μsn,g(=μs,gs−μn,gn)、分散σ sn,g(=σ s,gs+σ n,gn)のG(=G×G)個のガウス分布が重みwsn,g(=ws,gs×wn,gn)で混合された混合ガウス分布モデルとなる。
期待値計算部3062では、
・(式23)の事前SN比の特徴量Fsn1(=Fs1−Fn1)と、
・音声モデルMと雑音モデルMから構成する事前SN比モデルと、
を用いて、図4の期待値計算部2022と同様にして、(式11)により、期待値の特徴量FsnEを計算して出力する。
本実施形態によれば、第2の実施形態の事前SN比モデルMsnの代わりに、音声モデルMと雑音モデルMを、記憶部(307、308)に保持しておけばよい。これにより、本実施形態は、第2の実施形態に比べて、必要な記憶容量を削減することができる。その理由は、音声モデルMのモデル数をA(A>2)、雑音モデルMのモデル数をB(B>2)としたときにA+B<ABが成立つからである。例えば、音声モデルMのモデル数が3つ、雑音モデルMのモデル数が2つとすると、これらから事前SN比モデルのモデル数を6つ構成できる。すなわち、記憶部で記憶するモデル数を削減することができる。
また、本実施形態によれば、例えば、異なる雑音環境へ対応する場合等において、雑音モデルMだけを再作成するだけで良いことから、対応を容易化している。
さらに、本実施形態によれば、例えば、雑音の特徴量Fn1に音声が瞬時的に含まれてしまう場合等のように、雑音の特徴量Fn1の信頼度が瞬時的に低い場合には、(式23)において、雑音の特徴量Fn1を雑音モデルの平均値μn,gnで代用する。これにより、音声を、雑音と間違えて抑圧してしまうという事態を未然に回避することができる。なお、雑音の特徴量Fn1が信頼できるか否かは、雑音の特徴量Fn1と雑音モデルMを比較すればよい。例えば、雑音の特徴量Fn1がμn,gn±3σn,gn(μn,gnは雑音モデルの平均値、σn,gnは標準偏差)の範囲内であれば、信頼度が高い、範囲外であれば、信頼度が低いなどとすればよい。
上記のとおり、本実施形態によれば、事前SN比の特徴量と、音声モデル及び雑音モデルから構成する事前SN比モデルを用いて、事前SN比の特徴量の期待値を計算し、事前SN比の特徴量の期待値から、雑音抑圧係数を求める。これにより、他の実施形態と同様、所望の信号成分を除去せずに、雑音の大きさが変動しても高精度に雑音成分を抑圧するという作用効果を奏する。更には、本実施形態は、記憶装置の容量の削減、異なる雑音環境への対応の容易化という新たな作用効果を奏する。
[第4の実施形態]
図9、図10を参照して、本発明の第4の実施形態に係る雑音抑圧システムについて説明する。図9を参照すると、第4の実施形態に係る雑音抑圧システムでは、
・図6の事前SN比の期待値計算部306を、図9の事前SN比の期待値計算部406で置き換えた点、
・図6において、記憶部308に予め記憶保持されている雑音モデルMが、図9では不要である点が、
第3の実施形態と異なる。
図9の、第1の音声と第1の雑音の推定部405、雑音抑圧係数計算部403、雑音抑圧部404は、それぞれ、図6の第1の音声と第1の雑音の推定部305、雑音抑圧係数計算部303、雑音抑圧部304と同じ動作である。このため、図6の第3の実施形態と同一部分については重複を回避するため適宜省略し、以下では、本実施形態について、第3の実施形態との相違点について説明する。すなわち、以下では、事前SN比の期待値計算部406、雑音モデルMについて説明する。
事前SN比の期待値計算部406は、第1の音声と第1の雑音の推定部405の出力値SとN、予め用意しておいた音声モデル(音声のパタン)Mを入力とする。推定したS、Nと、音声モデルMを用いて、事前SN比の期待値RsnEを出力する。
(事前SN比の期待値計算部)
図10は、事前SN比の期待値計算部406の構成を例示する図である。図10を参照すると、事前SN比の期待値計算部406は、特徴量変換部4061sと、特徴量変換部4061nと、期待値計算部4062と、特徴量逆変換部4063と、雑音モデル作成部4064とを含む。第1の推定雑音の特徴量Fn1から雑音モデル作成部4064で雑音モデルMを作成し(逐次的に更新し)、期待値計算部4062に入力する。特徴量変換部4061s、特徴量変換部4061n、特徴量逆変換部4063の動作は、それぞれ、図8の特徴量変換部3061s、特徴量変換部3061n、特徴量逆変換部3063の動作と同じであるため、説明を省略する。
(雑音モデル作成部)
雑音モデル作成部4064は、第1の推定雑音の特徴量Fn1を入力とし、雑音モデルMを作成して(逐次的に更新し)、出力する。以下では、説明の簡単化のため、雑音モデルを単一ガウス分布として説明する。ただし、本発明の第4の実施形態は、かかる分布に限定されるものでないことは勿論である。
雑音モデルMを、平均値μ、分散σ の単一ガウス分布とする。

Figure 0006696424
・・・・(式24)

Figure 0006696424
・・・・(式25)
ただし、AVE[]は平均値を算出する演算子、VAR[]は分散値を算出する演算子である。例えば、時間のインデックスtにおける雑音モデルMの平均値μ(t)と分散σ (t)は、それぞれ、以下の(式26)、(式27)のように、逐次更新される。

Figure 0006696424
・・・・(式26)

Figure 0006696424
・・・・(式27)
ここで、αμ、ασは、それぞれ平均値、分散値を算出するための時定数(0.0〜1.0)であり、通常0.9〜1.0の値に設定され、平均化効果を得る。なお、上記で例示した方法とは異なる方法で、雑音モデルMを作成してもよいことは勿論である。
(期待値計算部)
期待値計算部4062は、
・特徴量変換部4061sから出力される特徴量Fs1と、
・特徴量変換部4061nから出力される特徴量Fn1と、
・記憶部407に予め記憶保持されている音声モデル(音声のパタン)Mと、
・雑音モデル作成部4064からの雑音モデル(雑音のパタン)Mと、
を入力とし、事前SN比の期待値の特徴量FsnEを出力する。
期待値計算部4062の動作は、図8の期待値計算部3062の動作と基本的に同じである。
ここで、期待値計算部4062において、時々刻々と変化する雑音モデルMを音声モデルMと組み合わせて、事前SN比モデルを作成することが、計算量の観点で実現が困難である場合、例えば、以下のような工夫を施すことで、計算量を削減することができる。
まず、事前SN比モデルの平均値μsn,g(=μs,gs−μn,gn)について検討する。(式13)において、事前SN比の特徴量Fsn1と事前SN比モデルの平均値μsn,gの差分の計算を、音声モデルの平均値μs,gsと、雑音モデルの平均値μn,gnを用いて、書き換える。

Figure 0006696424
・・・・(式28)
雑音モデルMの混合分布数Gが、音声モデルMの混合分布数Gと比較して少ない場合、例えば、雑音モデルMが単一ガウス分布の場合には、以下の(式29)のようになる。

Figure 0006696424
・・・・(式29)
すなわち、事前SN比の特徴量Fsn1に雑音モデルの平均値μを加えたものに対して、音声モデルMの平均値μs,gsとの差分を計算することになる。このため、事前SN比モデルの平均値を算出する計算が不要になる。
次に、事前SN比モデルの分散σ sn,g(=σ s,gs+σ n,gn)について検討する。
音声モデルMとして、例えば図11に示すような、木構造化された音声モデルを予め準備しておく。図11の例では、1層目の混合ガウス分布1−1は2つのガウス分布からなり、1層目の2つのガウス分布はそれぞれ2層目の混合ガウス分布2−1、2−2からなり、2層目の混合ガウス分布2−1(2−2)の2つの分布はそれぞれ3層目の混合ガウス分布3−1、3−2(3−3、3−4)からなる。
そして、上位層から、(式13)の計算結果に応じて、木構造を探索することで、全ての事前SN比モデルの分散σ sn,gを計算する必要はなくなる。
また、雑音の分散σ n,gnが余り変化しない場合には、事前SN比モデルの分散σ sn,gの計算頻度を減らすことにより、雑音抑圧の精度を維持しながら、計算量を削減することができる。
本実施形態によれば、雑音モデルMを入力信号Xから作成するため、事前に雑音モデルを準備することは不要である。
また、本実施形態によれば、雑音モデルMを逐次更新することで、入力信号Xに含まれる雑音に適した雑音モデルを使用することができる。その結果、第3の実施形態に比べて、高精度に雑音を抑圧することができる。
別の実施形態として、マイクユニットに上記実施形態に記載した雑音抑圧システムを適用してもよい。
さらに、本発明は、上記した実施形態の雑音抑圧システムの機能を実現する雑音抑圧プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、コンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明によって提供される。本発明によれば、実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)が、提供される。
本発明は、上記実施形態に制限されるものでなく、例えば実施形態を各種組み合わせた構成としてもよい。また、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、単体の装置に適用してもよい。
なお、上記の特許文献、非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
この出願は、2014年7月16日に出願された日本出願特願2014−145753を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100、200、300、400 雑音抑圧システム
101、201 第1の事前SN比推定部
102、202、306、406 事前SN比の期待値計算部
103、203、303、403 雑音抑圧係数計算部
104、204、304、404 雑音抑圧部
105、205 事前SN比モデル(記憶部)
305、405 第1の音声と第1の雑音の推定部
307、407 音声モデル(記憶部)
308 雑音モデル(記憶部)
2011、3051 第1の雑音推定部
2012、3052 第1の音声推定部
2013 事前SN比推定部
2021、3061s、3061n、4061s、4061n 特徴量変換部
2022、3062、4062 期待値計算部
2023、3063、4063 特徴量逆変換部
4064 雑音モデル作成部

Claims (10)

  1. 信号と雑音が混在した入力信号から推定した信号と雑音に関する事前SN比の推定値の特徴量である第一の特徴量を取得する第一の取得手段と、
    複数の周波数の情報を含む、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデル、に基づき前記第一の特徴量を補正することで、前記事前SN比の期待値を取得する第二の取得手段と、
    前記事前SN比の期待値を用いて雑音抑圧係数を計算する雑音抑圧係数計算部と、
    前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗じることで前記入力信号に含まれる前記雑音の成分を抑圧する雑音抑圧部と、
    を備えた、ことを特徴とする雑音抑圧システム。
  2. 前記第二の取得手段は、
    推定した前記信号と前記雑音から前記事前SN比を推定する事前SN比推定部と、
    予め用意された事前SN比モデルを記憶する記憶部と、
    前記事前SN比推定部で推定された前記事前SN比を、前記記憶部に記憶された前記事前SN比モデルを用いて補正することで、前記事前SN比の期待値を計算する事前SN比の期待値計算部と、
    を備えた、ことを特徴とする請求項1記載の雑音抑圧システム。
  3. 前記第二の取得手段は、
    前記入力信号から前記信号と前記雑音とを推定する推定部と、
    予め用意された信号モデルと雑音モデルとを記憶する記憶部と、
    前記信号の前記雑音に対する前記事前SN比を、前記記憶部に記憶された前記信号モデルと前記雑音モデルとを用いて補正することで、前記事前SN比の期待値を計算する事前SN比の期待値計算部と、
    を備えた、ことを特徴とする請求項1記載の雑音抑圧システム。
  4. 前記第二の取得手段は、
    前記入力信号から前記信号と前記雑音とを推定する推定部と、
    予め用意された信号モデルを記憶する記憶部と、
    前記推定部で推定された前記信号と前記雑音とを入力し、前記雑音に基づき雑音モデルを生成し、前記信号の前記雑音に対する前記事前SN比に対して、前記記憶部に記憶された前記信号モデルと、生成した前記雑音モデルとを用いて補正を施し前記事前SN比の期待値を計算する事前SN比の期待値計算部と、
    を備えた、ことを特徴とする請求項1記載の雑音抑圧システム。
  5. 前記記憶部が、前記信号モデルとして、木構造化された信号モデルを記憶保持する、ことを特徴とする請求項3又は4記載の雑音抑圧システム。
  6. 信号と雑音が混在した入力信号から推定した信号と雑音に関する事前SN比の推定値の特徴量である第一の特徴量を取得し、
    複数の周波数の情報を含む、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデル、に基づき前記第一の特徴量を補正することで、前記事前SN比の期待値を取得し、
    前記事前SN比の期待値を用いて雑音抑圧係数を計算し、
    前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗ずることで、前記入力信号に含まれる前記雑音の成分を抑圧する、ことを特徴とする雑音抑圧方法。
  7. 記憶部に、予め用意された前記事前SN比モデルを記憶しておき、
    推定された前記信号の前記雑音に対する前記事前SN比を推定し、
    前記事前SN比の期待値の取得にあたり、
    前記推定された前記事前SN比を、前記記憶部に記憶された前記事前SN比モデルを用いて補正した値を、前記事前SN比の期待値として出力する、ことを特徴とする請求項6記載の雑音抑圧方法。
  8. 記憶部に、予め用意された前記信号モデルと前記雑音モデルとを記憶しておき、
    前記入力信号から前記信号と前記雑音とを推定し、
    前記事前SN比の期待値の取得にあたり、
    推定された前記信号の前記雑音に対する前記事前SN比を、前記記憶部に記憶された前記信号モデルと前記雑音モデルとを用いて補正した値を、前記事前SN比の期待値として出力する、ことを特徴とする請求項6記載の雑音抑圧方法。
  9. 記憶部に、予め用意された前記信号モデルを予め記憶しておき、
    前記入力信号から前記信号と前記雑音とを推定し、
    前記事前SN比の期待値の取得にあたり、
    推定された前記雑音に基づき雑音モデルを生成し、
    推定された前記信号の前記雑音に対する前記事前SN比を、前記記憶部に記憶された前記信号モデルと、前記生成した雑音モデルと、を用いて補正した値を、前記事前SN比の期待値として出力する、ことを特徴とする請求項6記載の雑音抑圧方法。
  10. 信号と雑音が混在した入力信号から推定した前記信号と前記雑音に関する事前SN比の推定値の特徴量である第一の特徴量を取得する処理と、
    複数の周波数の情報を含む、事前SN比モデル、又は、信号モデルと雑音モデルに基づき前記第一の特徴量を補正することで、前記事前SN比の期待値を取得する処理と、
    前記事前SN比の期待値を用いて、雑音抑圧係数を計算する処理と、
    前記雑音抑圧係数を前記入力信号に乗ずることで、前記入力信号に含まれる前記雑音の成分を抑圧する処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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