JP6695272B2 - ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法 - Google Patents

ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6695272B2
JP6695272B2 JP2016521335A JP2016521335A JP6695272B2 JP 6695272 B2 JP6695272 B2 JP 6695272B2 JP 2016521335 A JP2016521335 A JP 2016521335A JP 2016521335 A JP2016521335 A JP 2016521335A JP 6695272 B2 JP6695272 B2 JP 6695272B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate
ppm
carbonate
siloxane
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016521335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016532734A5 (ja
JP2016532734A (ja
Inventor
アレクサンダー、マイアー
クラウス、ホルン
トーマス、プフィングスト
セバスティアン、ベッツェル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Covestro Deutschland AG
Original Assignee
Covestro Deutschland AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Covestro Deutschland AG filed Critical Covestro Deutschland AG
Publication of JP2016532734A publication Critical patent/JP2016532734A/ja
Publication of JP2016532734A5 publication Critical patent/JP2016532734A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6695272B2 publication Critical patent/JP6695272B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/18Block or graft polymers
    • C08G64/186Block or graft polymers containing polysiloxane sequences
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/04Aromatic polycarbonates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/06Preparatory processes
    • C08G77/08Preparatory processes characterised by the catalysts used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/42Block-or graft-polymers containing polysiloxane sequences
    • C08G77/445Block-or graft-polymers containing polysiloxane sequences containing polyester sequences
    • C08G77/448Block-or graft-polymers containing polysiloxane sequences containing polyester sequences containing polycarbonate sequences
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/50Phosphorus bound to carbon only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/14Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups
    • C08G77/16Polysiloxanes containing silicon bound to oxygen-containing groups to hydroxyl groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

本発明は、特異的ポリカーボネートとヒドロキシアリール末端ポリシロキサンから開始するポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法に関する。
本発明はさらに、本発明による方法によって得られたポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物、ならびに射出成形および押出用途へのこれらの共縮合物の使用に関する。
ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物が、低温衝撃強さまたは低温ノッチ付き衝撃強さ、耐薬品性および屋外耐候性、ならびに老化特性および難燃性に関して優れた特性を有することが知られている。これらの特性に関して、場合によってはこれらの共縮合物が従来のポリカーボネート(ビスフェノールAに基づくホモポリカーボネート)より優れている。
これらの共縮合物の工業的調製は、通常はホスゲンを用いた界面法を介して、モノマーから開始する。炭酸ジフェニルを用いた溶融エステル交換法(melt transesterification process)を介したこれらのシロキサン共縮合物の調製も知られている。しかしながら、これらの方法は、そのために使用される工業プラントが標準的ポリカーボネートの調製に使用されるので、高いプラントサイズを有するという欠点を有する。これらのプラントでの特異的ブロック共縮合物の調製は、これらの生成物がより小体積であるためにしばしば経済的に引き合わない。さらに、共縮合物の調製に要求される供給原料、例えば、ポリジメチルシロキサンは、プラントまたは溶媒回路の汚れをもたらし得るので、プラントを傷める。さらに、ホスゲンなどの毒性供給原料が調製に要求される、またはこれらの方法が高エネルギー需要を必然的に伴う。
界面法を介したポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共重合体の調製は、文献から既知であり、例えば、米国登録特許第3189662号明細書、米国登録特許第3419634号明細書、ドイツ公開特許第334782号明細書および欧州特許第122535号明細書に記載されている。
触媒の存在下でのビスフェノール、炭酸ジアリールおよびシラノール末端ポリシロキサンからの溶融エステル交換法によるポリシロキサンカーボネートブロック共重合体の調製は、米国特許第5227449号明細書に記載されている。使用されるシロキサン化合物は、シラノール末端基を有するポリジフェニル−またはポリジメチル−シロキサンテロマーである。しかしながら、シラノール末端基を有するこのようなジメチルシロキサンは、シラノール末端基を有するジフェニルシロキサンと対照的に、酸性または塩基性媒体中で鎖長の減少と共に自己縮合する傾向が増加するので、その結果としてこれが形成する共重合体への組み込みが結果としてより困難となることが知られている。この方法で形成される環状シロキサンは、ポリマーのままであり、電気/電子工学部門での適用において並外れた崩壊効果を有する。
米国特許第5504177号明細書は、ビスフェノールおよび炭酸ジアリールを用いた炭酸末端シリコーンからの溶融エステル交換を介したブロックコポリシロキサンカーボネートの調製を記載している。シロキサンとビスフェノールおよび炭酸ジアリールの不適合性が大きいために、シロキサンのポリカーボネートマトリックスへの均質な組み込みは、溶融エステル交換法を用いて、するにしても、極めてかろうじて達成され得るにすぎない。さらに、モノマーから開始するブロック共縮合物の調製は極めて要求が厳しい。
欧州特許第770636号明細書は、特異的触媒を用いて、ビスフェノールAおよび炭酸ジアリールから開始するブロックコポリシロキサンカーボネートを調製するための溶融エステル交換法を記載している。この方法の欠点も同様に、モノマーから開始する共重合体の合成の要求が厳しいことである。
米国特許第5344908号明細書は、溶融エステル交換法を介して調製したOH末端BPAオリゴカーボネートを、有機溶媒および掃酸剤の存在下で、塩素末端ポリオルガノシロキサンと反応させる2段階法を介した、シリコーン−ポリカーボネートブロック共重合体の調製を記載している。このような2段階法も同様に要求が厳しく、工業規模プラントでかろうじて行われ得るにすぎない。
これら全ての方法の欠点は、シリコーン−ポリカーボネートブロック共重合体の合成の少なくとも1つのステップでの有機溶媒の使用、供給原料としてのホスゲンの使用および/または共縮合物の不十分な品質である。より具体的には、モノマーから開始する共縮合物の合成は、界面法と、特に溶融エステル交換法の両方で、極めて要求が厳しい。例えば、溶融法の場合、モノマーの蒸発、したがって除去を防ぐために、低い相対過小圧力(underpressure)および低温を使用しなければならない。モル質量が高いオリゴマーが形成した後の反応段階でのみ、低圧および高温を使用することができる。これは、反応を数段階にわたって行わなければならないこと、したがって、反応時間が長いことを意味する。
上記欠点を回避するために、商業的なポリカーボネートから開始する方法も知られている。これは、例えば、米国特許第5414054号明細書および米国特許第5821321号明細書に記載されている。ここでは、従来のポリカーボネートを反応性押出法で特異的ポリジメチルシロキサンと反応させる。これらの方法の欠点は、押出機中での短い滞留時間内に共縮合物を調製することを可能にする高度に活性のエステル交換触媒の使用である。これらのエステル交換触媒は生成物中に残り、するにしても、不十分にしか不活性化され得ない。そのため、こうして調製された共縮合物から作成された射出成形品は、不十分な老化特性、より具体的には、不十分な熱老化特性を有する。さらに、特異的な、したがって高価なシロキサンブロックを使用することが必要となる。
ドイツ特許第19710081号明細書は、オリゴカーボネートおよび特異的ヒドロキシアリールシロキサンから開始する溶融エステル交換法で言及される共縮合物を調製する方法を記載している。オリゴカーボネートの調製もこの出願に記載されている。しかしながら、比較的小体積の特異的共縮合物を調製するためのオリゴカーボネートの工業規模での調製は極めて高価であり、不便である。これらのオリゴカーボネートは、比較的低い分子量および比較的高いOH末端基濃度を有する。しばしば、これらのオリゴカーボネートは、その鎖長が短いために、フェノール性OH濃度が1000ppmより上である。このような生成物は通常は商業的に入手可能でないので、共縮合物を調製するために特異的に製造しなければならないだろう。しかしながら、小体積の前駆体を製造するのに工業規模のプラントを運転するのは不経済である。さらに、このような前駆体は、これらの生成物中に存在する不純物、例えば、残留溶媒、残留触媒、未反応モノマー等のために、ポリカーボネートに基づく高分子量の商業製品よりもはるかに反応性である。これらの理由のために、このようなブロック共縮合物の調製に適した対応する前駆体または芳香族オリゴカーボネートは商業的に入手可能でない。さらに、ドイツ特許第19710081号明細書に記載されている方法は、短い反応時間内でのブロック共縮合物の調製を可能にしない。オリゴカーボネートの調製とブロック共縮合物の調製の両方が、合計で1時間を優に超える滞留時間で数段階にわたって行われる。さらに、OH末端基および他の不純物、例えば、触媒残渣成分の濃度の高さが最終生成物の色の悪さにつながるため、得られた材料は共縮合物の調製に適していない。
上記出願のいずれも、原則として商業的に入手可能な従来のポリカーボネートから開始し、高品質のポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を与える方法を記載していない。
本文脈における高品質とは、共縮合物が、射出成形または押出法で加工することができ、Ubbelohde粘度計を用いて25℃において5g/lの濃度でジクロロメタン中で測定される、好ましくは少なくとも1.26、より好ましくは少なくとも1.27、特に好ましくは少なくとも1.28の相対溶液粘度を有することを意味する。さらに、対応する生成物が高い溶融安定性を有さなければならない。さらに、生成物が、褐変または黄化などのいかなる変色も有するべきでない。
商業的に入手可能なポリカーボネートは、低い反応性しか有さず、上記オリゴカーボネートまたはポリカーボネート前駆体と対照的に、極めて溶融安定性である。換言すれば、これらは慣用的な加工条件下で配合することができる、または制限なくかつ特性の変化なしに射出成形もしくは押出で加工することができる。したがって、当業者であれば、安定剤または失活剤も含有し得るこれらのポリカーボネートが、その高い安定性のために、共重合体の調製に適していないと推測する。
そのため、概説した先行技術から進めると、対処すべき課題は、ホスゲンなどの毒性供給原料を要しない、言及される共縮合物を調製するための安価な方法を開発することであった。モノマーから、すなわち、低分子量ビスフェノールおよび有機炭酸エステル、例えば、炭酸ジフェニルから開始するこのような共縮合物の調製は、極めて要求が厳しく、対応する工業規模のプラントでの高価な標準的ポリカーボネート合成またはコポリカーボネート合成を要するので、さらなる目的はこれを回避することであった。代わりに、本発明による方法は、原則として商業的に入手可能なポリカーボネートから開始する共縮合物の調製を可能にするものである。このような方法は、例えば、文献、例えば、米国特許第5414054号明細書に原則として記載されているエステル交換法である。しかしながら、界面法に匹敵する品質の共縮合物を与える方法は知られていない。そのため、対処するさらなる課題は、材料が射出成形および押出用途に適するように、高品質のポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を与える方法を開発するというものであった。さらに、この方法は、短い反応時間内にブロック共重合体を与えるものである。典型的には、溶融エステル交換法によるポリカーボネートの形成は、滞留時間が長い(例えば、それぞれの標的粘度が得られるまで1時間超)数段階で進行する。対照的に、ブロック共重合体は、短い反応時間内に適当な標的粘度で調製するものである。
さらに、安価に調製可能なシロキサン成分がブロック共縮合物の調製に使用される。しばしば、シロキサンブロックの調製に、白金またはルテニウム触媒下での数反応段階が必要とされる。これは、これらのシロキサンブロックの調製の費用を相当増加させ、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物生成物の変色をもたらす。そのため、本発明による方法では、ルテニウムおよび/または白金触媒を必要とする方法を介して調製する必要がなく、得られた共縮合物生成物の特性に有害となり得る不純物を含有しないシロキサンブロックを使用することが目的である。このような不要な不純物は、例えば、一般的に強塩基、ヒドロキシ−またはハロゲンイオンアミンの塩、および重金属であり得る。
驚くべきことに、特異的OH末端基濃度および特異的ヒドロキシアリール末端ポリシロキサンを有する特定の再配列構造を含有する特定のポリカーボネートを特定の条件下で高品質ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物に変換することができる方法を開発することが可能となった。驚くべきことに、対応するポリカーボネートが、本発明による方法に適したものとなるために特定の再配列構造を有する必要があることがさらに分かった。本発明による方法はさらに、先行技術の方法と比べて、溶媒を要求せず、その後の精製ステップをほとんどまたは全く要求しないという利点を有する。
そのため、本発明は、式(1):
[式中、
はH、Cl、BrまたはC〜C−アルキル、好ましくはHまたはメチル、特に好ましくはHであり、
およびRは同一または異なり、それぞれ互いに独立に、アリール、C〜C10−アルキルおよびC〜C10−アルキルアリールから選択され、好ましくはRおよびRはメチルであり、
Xは単結合、−CO−、−O−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C12−シクロアルキリデン、または、ヘテロ原子を含有するさらなる芳香環と縮合していてもよいC〜C12−アリーレンであり、Xは好ましくは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C12−シクロアルキリデン、−O−または−CO−であり、Xはより好ましくは単結合、イソプロピリデン、C〜C12−シクロアルキリデンまたは酸素、最も好ましくはイソプロピリデンであり、
nは1〜500、好ましくは10〜400、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは20〜60の数字であり、
mは1〜10、好ましくは1〜6、特に好ましくは2〜5の数字であり、
pは0または1、好ましくは0であり、
n×mの値は好ましくは12〜400の間、より好ましくは15〜200の間である。]
の少なくとも1種のヒドロキシアリール末端シロキサン(シロキサン成分)を、好ましくは触媒の存在下、280℃〜400℃、好ましくは300℃〜390℃、より好ましくは320℃〜380℃、最も好ましくは330℃〜370℃の温度および0.001mbar〜50mbar、好ましくは0.005mbar〜40mbar、特に好ましくは0.02〜30mbar、最も好ましくは0.03〜5mbarの圧力で、溶融物の少なくとも1種のポリカーボネートと反応させる、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法を提供する。
好ましくは、ポリカーボネートは、ゲル浸透クロマトグラフィーおよびBPA(ビスフェノールA)標準によって測定される16000〜28000g/mol、好ましくは17000〜27000g/mol、特に好ましくは18000〜26500g/molの重量平均分子量、ならびに250ppm〜1000ppm、好ましくは300〜900ppm、特に好ましくは350〜800ppmの量のフェノール性OH基を有する。
好ましい実施形態では、ポリカーボネートが、Ubbelohde粘度計を用いて25℃において5g/lの濃度でジクロロメタン中で測定される、1.16〜1.30、好ましくは1.17〜1.28、より好ましくは1.18〜1.27の相対溶液粘度(イータrel)を有する。
本発明による方法を通して、対応するブロック共縮合物を短い反応時間内に得ることができる。本文脈における「短い反応時間」とは、低分子量ポリカーボネート(溶融状態から)を標的粘度を有し、シロキサン成分を組み込んだブロック共縮合物に縮合するのに要する反応時間を意味する。反応時間は、好ましくは1時間未満、特に好ましくは50分未満、最も好ましくは40分未満である。特に好ましくは、ブロック共重合体が、反応物質および任意の触媒の溶融および混合を段階として数えないで、3段階未満、特に好ましくは2段階未満を有する方法で調製される。個々の段階とは、例えば、特定の温度および圧力での反応の実施を意味する(例えば、それぞれ特定の滞留時間を有する200℃および100mbarの1段階、50mbarおよび250℃の第2の段階、ならびに10mbarおよび300℃の第3の段階)。
本発明により使用するためのポリカーボネートは、以下の構造(I)〜(IV):
[式中、
フェニル環は未置換であるか、あるいは、独立にC〜C−アルキルおよび/またはハロゲン、好ましくはC〜C−アルキル、より好ましくはメチルによって一置換または二置換されており、
Xは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデン、好ましくは単結合またはC〜C−アルキレン、特に好ましくはイソプロピリデンであり、
構造単位(I)〜(IV)中−−−によって示される結合はそれぞれカルボキシレート基の一部である。]
の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を有し、かつ、
構造単位(I)〜(IV)の量は合計60〜1500、好ましくは70〜1200ppm、最も好ましくは80〜850ppm(ポリカーボネート基準であり、加水分解後に測定される)である。
末端基としてフェノールを有するポリカーボネート(フェニル末端ポリカーボネート)がさらに好ましい。
ポリカーボネートがこれらの再配列構造を全くまたは少量しか含有しない場合、上記シロキサン成分との反応は、するにしても、極めて小さい程度でのみ可能である。したがって、構造(I)〜(IV)(以下で再配列構造とも呼ぶ)のいずれも含有しないポリカーボネートは、本発明による方法に適していない。再配列構造がポリカーボネートの反応性に影響を及ぼすことは現在まで知られていなかったので、これは極めて驚くべきことであった。さらに、このようなポリカーボネートを、シロキサン含有コポリカーボネートの調製に使用することができることは以前は知られていなかった。
工業規模での構造要素(I)〜(IV)を含有するポリカーボネートの調製は、原則として知られており、例えば、ドイツ特許第102008019503号明細書に記載されている。
本発明の文脈におけるポリカーボネートは、ホモポリカーボネートとコポリカーボネートの両方である。
ポリエステルカーボネートを含む、本発明により使用するためのポリカーボネートの調製の好ましい様式は、既知の溶融エステル交換法によって進行する。
本発明により適したポリカーボネート中の炭酸基の、いくらか、好ましくは最大80mol%、より好ましくは20mol%〜最大50mol%が芳香族ジカルボン酸エステル基によって置き換えられ得る。分子鎖に組み込まれたカルボン酸の酸基と芳香族ジカルボン酸の酸基の両方を含有するこのようなポリカーボネートは、厳密に言えば、芳香族ポリエステルカーボネートである。簡潔性のために、これらは、本出願では、熱可塑性芳香族ポリカーボネートという総称によって網羅される。
ポリカーボネートは、ポリエステルカーボネートを調製するための芳香族ジカルボン酸またはジカルボン酸の誘導体による、具体的には芳香族ポリカーボネート中で置き換えられる炭酸構造単位による芳香族ジカルボン酸エステル構造単位によるカルボン酸誘導体の一部の置き換えにより、ジフェノール、カルボン酸誘導体、場合により連鎖停止剤および場合により分岐剤から既知の様式で調製される。
ポリカーボネートを調製するための例として、ここでは、Schnell、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、Polymer Reviews、第9巻、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、シドニー 1964を参照する。
ポリカーボネートを調製するための本発明による方法に適したジフェノールは、先行技術で何度も記載されてきた。
適当なジフェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシルフェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス(ヒドロキシルフェニル)ジイソプロピルベンゼン、ならびにこれらのアルキル化、環アルキル化および環ハロゲン化化合物である。
好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)1−フェニルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2−メチルブタン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)2−メチルブタンおよび1,3−ビス[2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)2−プロピル]ベンゼンである。
特に好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンおよび2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。これらのおよびさらに適した他のジヒドロキシアリール化合物は、例えば、ドイツ公開特許第3832396号明細書、フランス公開特許第1561518号明細書、H.Schnell、Chemistry and Physics of Polycarbonates、Interscience Publishers、ニューヨーク 1964、28頁ff.;102頁ff.およびD.G.Legrand、J.T.Bendler、Handbook of Polycarbonate Science and Technology、Marcel Dekker New York 2000、72頁ff.に記載されている。
ホモポリカーボネートの場合、ただ1種のジフェノールが使用される;コポリカーボネートの場合、複数のジフェノールが使用される;最大の清浄度の原材料で実施するのが望ましいが、使用されるジフェノール、ならびに合成に添加される全ての他の化学物質および補助物質も、それ自体の合成、取扱いおよび保存に起因する不純物で汚染され得る。
ポリカーボネートは、少量の連鎖停止剤および分岐剤を使用して意図的および制御された様式で修飾することができる。適当な連鎖停止剤および分岐剤は文献から既知である。いくつかは、例えば、ドイツ公開特許第3833953号明細書に記載されている。好ましくは、使用される連鎖停止剤が、フェノールまたはアルキルフェノール、特にフェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソオクチルフェノール、クミルフェノール、これらのクロロ炭酸エステルまたはモノカルボン酸の酸塩化物、あるいはこれらの連鎖停止剤の混合物である。好ましい連鎖停止剤は、フェノール、クミルフェノール、イソオクチルフェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、特にフェノールである。
分岐剤として適した化合物の例は、少なくとも3個、好ましくは3個または4個の水酸基を有する芳香族または脂肪族化合物である。3個または4個以上のフェノール性水酸基を有する特に適した例は、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ−2−エン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタンである。
分岐剤として適した他の三官能性化合物の例は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌルおよび3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。
特に好ましい分岐剤は、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールおよび1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンである。
溶融エステル交換でのジヒドロキシアリール化合物との反応に適した炭酸ジアリールは、一般式(2):
[式中、
R、R’およびR’’は同一または異なり、それぞれ独立に、水素、直鎖もしくは分岐のC〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールであり、
Rはさらに−COO−R’’’(R’’’は水素、直鎖もしくは分岐のC〜C34−アルキル、C〜C34−アルキルアリールまたはC〜C34−アリールである)であってもよい。]
のものである。
好ましい炭酸ジアリールは、例えば、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニルフェニルおよび炭酸ジ(メチルフェニル)、炭酸4−エチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−エチルフェニル)、炭酸4−n−プロピルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−n−プロピルフェニル)、炭酸4−イソプロピルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−イソプロピルフェニル)、炭酸4−n−ブチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−n−ブチルフェニル)、炭酸4−イソブチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−イソブチルフェニル)、炭酸4−tert−ブチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−tert−ブチルフェニル)、炭酸4−n−ペンチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−n−ペンチルフェニル)、炭酸4−n−ヘキシルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−n−ヘキシルフェニル)、炭酸4−イソオクチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−イソオクチルフェニル)、炭酸4−n−ノニルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−n−ノニルフェニル)、炭酸4−シクロヘキシルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−シクロヘキシルフェニル)、炭酸4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニルフェニル、炭酸ジ[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]、炭酸ビフェニル−4−イルフェニル、炭酸ジ(ビフェニル−4−イル)、炭酸4−(1−ナフチル)フェニルフェニル、炭酸4−(2−ナフチル)フェニルフェニル、炭酸ジ[4−(1−ナフチル)フェニル]、炭酸ジ[4−(2−ナフチル)フェニル]、炭酸4−フェノキシフェニルフェニル、炭酸ジ(4−フェノキシフェニル)、炭酸3−ペンタデシルフェニルフェニル、炭酸ジ(3−ペンタデシルフェニル)、炭酸4−トリチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−トリチルフェニル)、炭酸(サリチル酸メチル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸メチル)、炭酸(サリチル酸エチル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸エチル)、炭酸(サリチル酸n−プロピル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸n−プロピル)、炭酸(サリチル酸イソプロピル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸イソプロピル)、炭酸(サリチル酸n−ブチル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸n−ブチル)、炭酸(サリチル酸イソブチル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸イソブチル)、炭酸(サリチル酸tert−ブチル)フェニル、炭酸ジ(サリチル酸tert−ブチル)、炭酸ジ(サリチル酸フェニル)および炭酸ジ(サリチル酸ベンジル)である。
特に好ましいジアリール化合物は、炭酸ジフェニル、炭酸4−tert−ブチルフェニルフェニル、炭酸ジ(4−tert−ブチルフェニル)、炭酸ビフェニル−4−イル−フェニル、炭酸ジ(ビフェニル−4−イル)、炭酸4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニルフェニル、炭酸ジ[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]および炭酸ジ(サリチル酸メチル)である。
炭酸ジフェニルが極めて特に好ましい。
1種の炭酸ジアリールまたは種々の炭酸ジアリールのいずれを使用することも可能である。
炭酸ジアリールを、そこから調製されたモノヒドロキシアリール化合物の残留含量と共に使用することもできる。モノヒドロキシアリール化合物の残留含量は、最大20重量%、好ましくは最大10重量%、より好ましくは最大5重量%、最も好ましくは最大2重量%となり得る。
ジヒドロキシアリール化合物(複数可)に基づいて、ジヒドロキシアリール化合物1モル当たり、一般的に1.02〜1.30molの炭酸ジアリール(複数可)、好ましくは1.04〜1.25mol、より好ましくは1.045〜1.22mol、最も好ましくは1.05〜1.20molを使用する。上記炭酸ジアリールの混合物を使用することも可能であり、この場合、ジヒドロキシアリール化合物1モル当たりの上記モル数値は、炭酸ジアリールの混合物の総量に関する。
ポリカーボネートを調製するために溶融エステル交換法に使用する触媒は、文献で既知の塩基性触媒、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物および酸化物ならびに/あるいはオニウム塩、例えば、アンモニウムまたはホスホニウム塩であり得る。合成にオニウム塩、より好ましくはホスホニウム塩を使用することが好ましい。このようなホスホニウム塩は、例えば、一般式(3):
[式中、
4〜7は同一のまたは異なる、置換されていてもよいC〜C10−アルキル、C〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C−シクロアルキル基、好ましくはメチルまたはC〜C14−アリール、より好ましくはメチルまたはフェニルであり、
は水酸化物、硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、炭酸塩、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、および式−OR(Rは置換されていてもよいC〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキル、C〜C−シクロアルキルまたはC〜C20−アルキル基、好ましくはフェニルである)のアルコキシドまたはアロキシドの群から選択されるアニオンである。]
のものである。
特に好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラニフェニルホスホニウムヒドロキシドおよびテトラフェニルホスホニウムフェノキシドであり、テトラフェニルホスホニウムフェノキシドが極めて特に好ましい。
触媒は、1モルのジヒドロキシアリール化合物基準で、好ましくは10−8〜10−3molの量、より好ましくは10−7〜10−4molの量で使用される。
重縮合の速度を増加させるために、助触媒を使用することも場合により可能である。
これらは、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルカリ塩、例えば、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの水酸化物、置換されていてもよいC〜C10−アルコキシドおよびC〜C14−アロキシド、好ましくはナトリウムの水酸化物、置換されていてもよいC〜C10−アルコキシドまたはC〜C14−アロキシドであり得る。水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノキシドまたは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの二ナトリウム塩が好ましい。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンがその塩の形態で供給される場合、例えば、原子吸光分析によって測定されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの量は、形成されるポリカーボネート基準で、1〜500ppb、好ましくは5〜300ppb、最も好ましくは5〜200ppbである。しかしながら、本発明による方法の好ましい実施形態では、アルカリ金属塩を使用しない。
ポリカーボネート合成の実行は連続式であってもバッチ式であってもよい。
本発明の文脈における「C〜C−アルキル」は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルであり;「C〜C−アルキル」はさらに、例えば、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルまたは1−エチル−2−メチルプロピルであり;「C〜C10−アルキル」はさらに、例えば、n−ヘプチルおよびn−オクチル、ピナシル(pinacyl)、アダマンチル、異性体メンチル、n−ノニル、n−デシルであり;C〜C34はさらに、例えば、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルである。同じことが、例えば、アラルキルまたはアルキルアリール、アルキルフェニルまたはアルキルカルボニル基の対応するアルキル基にも当てはまる。対応するヒドロキシアルキルまたはアラルキルまたはアルキルアリール基のアルキレン基は、例えば、上記アルキル基に対応するアルキレン基である。
「アリール」は6〜34個の骨格炭素原子を有する炭素環芳香族基である。同じことが、アラルキル基とも呼ばれるアリールアルキル基の芳香族部分、およびより複雑な基、例えば、アリールカルボニル基のアリール成分にも当てはまる。
「C〜C34−アリール」の例は、フェニル、o−、p−、m−トリル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニルまたはフルオレニルである。
「アリールアルキル」または「アラルキル」は各場合で独立に、上に定義されるアリール基によって単一、複数または完全に置換されていてもよい上に定義される直鎖、環状、分岐または未分岐アルキル基である。
上記列挙は、例として理解されるべきであり、限定として理解されるべきでない。
本発明の文脈において、ppmおよびppbは、特に明言しない限り、重量部を意味すると理解される。
言及される再配列構造は、互いに対して異なる量および比で生じる。その量は、ポリカーボネート組成物の全加水分解によって測定することができる。
再配列構造の量を測定するために、特定のポリカーボネートを全加水分解に供し、したがって式(Ia)〜(IVa)の対応する分解生成物が形成され、その量をHPLCによって測定する。(これは、例えば、以下の通りに行うことができる:ポリカーボネート試料を、ナトリウムメトキシドによって還流下で加水分解する。対応する溶液を酸性化し、濃縮乾固する。乾燥残渣をアセトニトリルに溶解し、式(Ia)〜(IVa)のフェノール性化合物をUV検出と共にHPLCによって測定する。
好ましくは、放出される式(Ia)の化合物の量は、ポリカーボネート基準で、20〜800ppm、より好ましくは25〜700ppm、特に好ましくは30〜500ppmである。
好ましくは、放出される式(IIa)の化合物の量は、ポリカーボネート基準で、0(すなわち、10ppmの検出限界未満)〜100ppm、より好ましくは0〜80ppm、特に好ましくは0〜50ppmである。
好ましくは、放出される式(IIIa)の化合物の量は、ポリカーボネート基準で、10〜800ppm、さらに好ましくは10〜700ppm、より好ましくは20〜600ppm、最も好ましくは30〜350ppmである。
好ましくは、放出される式(IVa)の化合物の量は、ポリカーボネート基準で、0(すなわち、10ppmの検出限界未満)〜300ppm、好ましくは10〜250ppm、最も好ましくは20〜200ppmである。
単純化するために、式(I)〜(IV)の構造の量を、放出される式(Ia)〜(IVa)の化合物のそれぞれの量に等しいとする。
本発明により得られるポリシロキサン−ポリカーボネート共縮合物も同様に再配列構造(I)〜(IV)を含有する。
ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物基準で、アルカリ加水分解後に放出される式(Ia)の化合物の量は、好ましくは20〜800ppm、より好ましくは25〜700ppm、特に好ましくは30〜500ppmである。好ましくは、アルカリ加水分解後に放出される式(IIa)の化合物の量は、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物基準で、0(すなわち、10ppmの検出限界未満)〜100ppm、より好ましくは0〜80ppm、特に好ましくは0〜50ppmである。好ましくは、アルカリ加水分解後に放出される式(IIIa)の化合物の量は、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物基準で、20〜800ppm、さらに好ましくは10〜700ppm、より好ましくは20〜600ppm、最も好ましくは30〜350ppmである。好ましくは、アルカリ加水分解後に放出される式(IVa)の化合物の量は、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物基準で、0(すなわち、10ppmの検出限界未満)〜300ppm、好ましくは10〜250ppm、最も好ましくは20〜200ppmである。
特定の実施形態では、含水率が0.01〜0.40重量%、好ましくは0.05〜0.35重量%のポリカーボネートが本発明による方法に使用される。
シロキサン成分の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーおよびBPA(ビスフェノールA)標準によって測定される、好ましくは3000〜20000g/mol、特に好ましくは3500〜15000g/molである。
シロキサン成分として、式(1)(RおよびR基は共にメチルであり、R基は水素であり、pは0である)のヒドロキシアリール末端シロキサンを使用することが極めて特に好ましい。
式(1)のシロキサンは、一般式(4)の直鎖α,ω−ビスアシルオキシ−ポリジアルキルシロキサンを、少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する少なくとも1種の芳香族化合物と反応させるステップを含む方法であって、一般式(4)が
[式中、
はアリール、C〜C10−アルキルまたはC〜C10−アルキルアリールであり、
およびRは同一または異なり、それぞれ互いに独立に、アリール、C〜C10−アルキルおよびC〜C10−アルキルアリールから選択され、好ましくはRおよびRは共にメチルであり、
nは1〜500、好ましくは10〜400、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは20〜60の数字である。]
であり、式(4)の化合物と芳香族化合物を、芳香族化合物中のフェノール性水酸基と式(4)の化合物中のアシルオキシ基の比が2.0未満となるようなモル比で反応させる方法によって調製することができる。
特に好ましい実施形態では、少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物が、ビスフェノール性化合物またはそのヒドロキシル官能性オリゴマーである。
好ましくは、式(1)のシロキサンの調製は、好ましくは芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、クロロベンゼンなど)および極性有機酸(酢酸および他のC3〜C6有機カルボン酸など)から選択される不活性溶媒中で行われる。反応を、好ましくは有機酸の金属塩(酢酸ナトリウムまたはカリウムなど)から選択される触媒の存在下で行うことができる。シロキサン縮合反応を触媒することが当技術分野で知られている他の触媒を使用することもできる。
本発明による方法では、式(1)のシロキサン成分が、各場合で使用されるポリカーボネート基準で、好ましくは0.5〜50重量%、より好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは2.5〜10重量%、特に2.5重量%〜7.5重量%の量で使用される。
触媒によってポリカーボネートとシロキサンを反応させることが好ましい。原則として、触媒を用いないで反応を行うことも可能であるが、その場合、高温および長い滞留時間を受け入れることが必要となり得る。
本発明による方法に適した触媒は、例えば、テトラアルキルアンモニウム触媒、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボラネート、ジメチルジフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、セチルトリメチルアンモニウムテトラフェニルボラネートおよびセチルトリメチルアンモニウムフェノキシドである。
特に適した触媒は、式(5)のホスホニウム触媒である:
[式中、R、R、RおよびRは同一のまたは異なるC〜C10−アルキル、C〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C−シクロアルキル、好ましくはメチルまたはC〜C14−アリール、より好ましくはメチルまたはフェニルであり得、Yは水酸化物、硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、炭酸塩もしくはハロゲン化物、好ましくは塩化物、または式−OR(RはC〜C14−アリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C−シクロアルキル、好ましくはフェニルであり得る)のアルコキシドもしくはアロキシドなどのアニオンであり得る。]
特に好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラニフェニルホスホニウムヒドロキシドおよびテトラフェニルホスホニウムフェノキシドであり;テトラフェニルホスホニウムフェノキシドが極めて特に好ましい。
触媒は、組成物全体基準で、好ましくは0.0001〜1.0重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは0.005〜0.3重量%、最も好ましくは0.01〜0.15重量%の量で使用される。
触媒は単独で使用しても触媒混合物として使用してもよく、物質でまたは例えば、水もしくはフェノール(例えば、フェノールとの共結晶として)中の溶液として添加することができる。
本発明による方法に適した触媒は上に言及されるものであり、これを適当なポリカーボネート、特に上記発明のポリカーボネートを含むマスターバッチによって反応に導入する、またはこれとは別にもしくはこれに加えて添加することができる。
触媒は単独で使用しても混合物として使用してもよく、物質でまたは例えば、水もしくはフェノール中の溶液として添加することができる。
好ましい実施形態では、式(1)のシロキサンとポリカーボネートの反応が、pK値が3〜7の範囲内にある(25℃)酸の少なくとも1種の有機または無機塩の存在下で行われる。適当な酸には、カルボン酸、好ましくはC〜C22カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、安息香酸、4−メトキシ安息香酸、3−メチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、p−トリル酢酸、4−ヒドロキシ安息香酸およびサリチル酸など)、ポリカルボン酸の部分エステル(コハク酸のモノエステルなど)、リン酸の部分エステル(モノ−またはジオルガノリン酸エステルなど)、分岐脂肪族カルボン酸(2,2−ジメチルプロパン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸および2−エチルヘキサン酸など)が含まれる。
有機または無機塩が、好ましくは式(5)の触媒に加えて使用され、この実施形態では、有機または無機塩が助触媒として作用する。
好ましくは、有機または無機塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、四級アンモニウム塩および四級ホスホニウム塩からなる群から選択される。有用な四級アンモニウム塩は、テトラ−(n−ブチル)−アンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウムおよびセチルトリメチルアンモニウム塩から選択される。有用な四級ホスホニウム塩は、テトラ−(n−ブチル)−ホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウムおよびセチルトリメチルホスホニウム塩から選択される。アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が特に好ましい。
有用な有機および無機塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸リチウム、オレイン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム、二カリウムおよびニリチウム塩であるまたはこれらに由来する。さらに、塩には、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムおよびそれぞれのオレイン酸塩が含まれ得る。これらの塩は単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。
特に好ましい実施形態では、塩がカルボン酸のアルカリ金属塩およびホスホニウム塩からなる群から選択される。
好ましい実施形態では、塩がカルボン酸に由来する。
有機または無機塩は、シロキサンおよび有機または無機塩の総重量基準で、好ましくは0.5〜1000ppm、より好ましくは1〜100ppm、最も好ましくは1〜10ppmの量で使用される。好ましくは、有機または無機塩は、シロキサン、ポリカーボネートおよび有機または無機塩の総重量基準で、0.0005〜5mmol/kg、より好ましくは0.001〜1mmol/kg、最も好ましくは0.001〜0.5mmol/kgの量で使用される。
好ましい実施形態では、有機または無機塩が、ナトリウム塩、好ましくはカルボン酸のナトリウム塩であり、好ましくはシロキサン中のナトリウム含量が形成されるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物の総重量基準で、0.5ppm〜100ppm、好ましくは0.8〜50ppm、より好ましくは1.0〜10ppm、特に1.3〜5ppmの範囲内にあるような量で使用される。共縮合物のナトリウム含量は、例えば、フレーム原子化を用いる原子吸光分析によって測定することができる。
好ましくは、ナトリウム塩が、得られたポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物中のナトリウム含量が形成されるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物の総重量基準で、少なくとも50ppb、好ましくは少なくとも80ppb、より好ましくは少なくとも100ppb、特に少なくとも150ppbとなるような量で使用される。
好ましい実施形態では、有機または無機塩が、ナトリウム塩、好ましくはカルボン酸のナトリウム塩であり、好ましくは得られたポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物中のナトリウム含量が形成されるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物の総重量基準で、0.1ppm〜1000ppm、好ましくは0.2〜100ppm、より好ましくは0.3〜10ppm、特に0.4〜5ppmの範囲内にあるような量で使用される。共縮合物のナトリウム含量は、例えば、フレーム原子化を用いる原子吸光分析によって測定することができる。
有機または無機塩を単独で使用しても混合物として使用してもよく、これを物質でまたは溶液として添加することができる。好ましい実施形態では、無機または有機塩が、シロキサンおよび有機または無機塩を含有する混合物の形態で添加される。好ましくは、混合物が、シロキサンと、有機または無機塩と、場合により最大30個、好ましくは最大20個の炭素原子と好ましくはO、NおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを有する1種または複数の極性有機化合物とを混合し、場合により混合物を透明になるまで、例えば、50〜300℃の温度に加熱し、次いで、室温に冷却することによって得られる。極性有機化合物は、混合物をポリカーボネートに添加する前、またはその後に、好ましくは蒸留によって除去することができる。
適当な極性有機化合物は、有機ケトン、エステルおよびアルコールからなる群から選択される。アルコール、特に最大20個の炭素原子を有する一級アルコール、例えば、1−オクタノール、1−デカノール、2−エチルヘキサノール、1−ドデカノール、1,2−オクタンジオール、ベンジルアルコール、エチルヘキシルグリセリンおよびオレイルアルコールが特に好ましい。好ましくは、極性有機化合物が、300℃未満の沸点(1.013barで)を有する。ブロックコポリカーボネートを調製する方法は、連続式またはバッチ式で、例えば、攪拌槽、薄膜蒸発装置、攪拌槽カスケード、押出機、混練機および単純ディスク型反応器で行うことができる。供給原料を開始から一緒にブレンドし、溶融してもよい。さらに、供給原料を互いに別々に添加してもよい。例えば、本発明により使用するためのポリカーボネートを最初に溶融することができ、本発明により使用するためのシロキサン成分を後で添加することができる。これは、例えば、適当なポンプを用いた液体計量によってまたはポリカーボネート上に散布される顆粒を介して行うことができる。触媒は、いつでも、好ましくは反応開始時または溶融後に、自由形態またはマスターバッチの形態で添加することができる。溶融は、空気下で行うことができるが、好ましくは窒素もしくはアルゴンなどの保護ガス雰囲気下、または同様に好ましくは減圧下で行うことができる。
反応は、上に指定される温度および圧力下で行われる。反応混合物をせん断することが好ましい。これは、槽内での急速な攪拌または静的ミキサなどの適当な混合要素、押出機スクリューの混合要素等によって行うことができる。高速混合が遅い混合より好ましい。反応を、水、フェノール、直鎖および環状低分子量シロキサン、炭酸ジフェニル、ビスフェノールAおよびビスフェノールAオリゴマー(オリゴカーボネート)などの低分子量成分が有効に除去されるように行う。
反応物質を好ましくは減圧下で溶融する。プラント構成によると、溶融段階中、大気圧、好ましくは穏やかな真空、すなわち、200mbarより低い、特に好ましくは100〜200mbar、最も好ましくは100mbar未満の絶対圧力を印加することができる。しかしながら、反応物質を標準圧力、好ましくは保護ガス雰囲気、例えば、窒素下で溶融することもできる。溶融は、好ましくは250〜400℃の範囲、より好ましくは280〜380℃の範囲、最も好ましくは300〜360℃の範囲の温度で行う。反応または縮合段階のために、上に言及される温度および圧力を適用する。
可能であれば、溶融物の直接スピニングおよびその後の造粒によって、またはそれによってスピニングが空気中もしくは液体、通常は水の下で行われる排出押出機もしくはギヤポンプの使用を通して、顆粒を得る。押出機を利用する場合、場合により静的ミキサを使用してまたは押出機中の側方押出機によって、添加剤をこの押出機の上流の溶融物に添加することができる。
好ましくは、本発明による方法によって得ることができるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物は、Ubbelohde粘度計を用いて25℃において5g/lの濃度でジクロロメタン中で測定される、1.26〜1.40、より好ましくは1.27〜1.38、特に好ましくは1.28〜1.35の相対溶液粘度を有する。好ましくは、本発明による方法によって得ることができるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物は、Ubbelohde粘度計を用いて25℃において5g/lの濃度でジクロロメタン中で相対溶液粘度を測定することによって決定される26000〜40000g/mol、より好ましくは27000〜38000g/mol、最も好ましくは28000〜35000g/molの重量平均分子量を有する。
添加剤および/または充填剤および補強剤を本発明による方法によって得ることができるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物に添加することが可能である。添加剤を好ましくは0重量%〜5.0重量%、より好ましくは0重量%〜2.0重量%、最も好ましくは0重量%〜1.0重量%の量で使用する。添加剤は標準的なポリマー添加剤、例えば、欧州特許出願公開第0839623号明細書、国際公開第96/15102号パンフレット、欧州特許出願公開第0500496号明細書または「Plastics Additives Handbook」、Hans Zweifel、第5版2000、Hanser Verlag、Munichに記載されている以下である:難燃剤、UV安定剤、ガンマ安定剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、流動性向上剤、熱安定剤、無機顔料、離型剤または加工助剤。充填剤および/または補強剤を0重量%〜50重量%、好ましくは0重量%〜20重量%、より好ましくは0重量%〜12重量%、特に0重量%〜9重量%の量で使用することができる。
これらの添加剤、充填剤および/または補強剤を個々にまたは任意の所望の混合物もしくは複数の異なる混合物でポリマー溶融物に添加することができ、添加剤を純物質もしくはポリカーボネート中マスターバッチとしてポリマーの遮断の過程で直接(例えば、側方押出機などの側方ユニットを介して)、または調合ステップで顆粒の溶融後に、特異的に供給することができる。添加剤またはその混合物を、固体形態で、すなわち、粉末として、または溶融物としてポリマー溶融物に添加することができる。計量された添加の別の方法は、添加剤または添加剤混合物のマスターバッチまたはマスターバッチの混合物の使用である。
好ましい実施形態では、ポリマー組成物が熱安定剤または加工安定剤を含む。ホスファイトおよびホスホナイト、およびホスフィンも優先的に適している。例としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル))ペンタエリスリチルジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチルジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチルジホスファイト、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリアルキルフェニルホスフィン、ビスジフェニルホスフィノエタンまたはトリナフチルホスフィンがある。トリフェニルホスフィン(TPP)、Irgafos(登録商標)168(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)およびトリス(ノニルフェニル)ホスファイトまたはこれらの混合物が特に好ましい。
アルキル化モノフェノール、アルキル化チオアルキルフェノール、ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノンなどのフェノール系酸化防止剤を使用することがさらに可能である。Irganox(登録商標)1010(ペンタエリスリチル3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−ブチルフェニル)プロピオネート;CAS:6683−19−8)およびIrganox1076(登録商標)(2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカノキシカルボニルエチル)フェノール)を用いることが特に好ましい。
適当なUV吸収剤は、例えば、欧州特許出願公開第1308084号明細書、ドイツ公開特許第102007011069号明細書およびドイツ公開特許第10311063号名刺書に記載されている。
特に適当な紫外線吸収剤は、ヒドロキシベンゾトリアゾール、例えば、2−(3’,5’−ビス(1,1−ジメチルベンジル)2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)234、BASF SE、Ludwigshafen)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(tert−オクチル)フェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)329、BASF SE、Ludwigshafen)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(2−ブチル)5’−(tert−ブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標)350、BASF SE、Ludwigshafen)、ビス(3−(2H−ベンズトリアゾリル)2−ヒドロキシ−5−tert−オクチル)メタン(Tinuvin(登録商標)360、BASF SE、Ludwigshafen)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)5−(ヘキシルオキシ)フェノール(Tinuvin(登録商標)1577、BASF SE、Ludwigshafen)ならびにベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(Chimasorb(登録商標)22、BASF SE、Ludwigshafen)および2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)ベンゾフェノン(Chimassorb(登録商標)81、BASF SE、Ludwigshafen)、2−シアノ−3,3−ジフェニル−2−プロペン酸、2,2−ビス[[(2−シアノ−1−オキソ−3,3−ジフェニル−2−プロペニル)オキシ]メチル]1,3−プロパンジイルエステル(9CI)(Uvinul(登録商標)3030、BASF AG Ludwigshafen)、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)オキシ]フェニル−4,6−ジ(4−フェニル)フェニル−1,3,5−トリアジン(Tinuvin(登録商標)1600、BASF SE、Ludwigshafen)またはテトラエチル−2,2’−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビスマロネート(Hostavin(登録商標)B−Cap、Clariant AG)である。これらの紫外線吸収剤の混合物を使用することも可能である。
本発明のポリマー組成物は、場合により離型剤を含んでもよい。本発明の組成物に特に適した離型剤は、ペンタエリスリチルテトラステアレート(PETS)またはグリセリルモノステアレート(GMS)である。
さらに、他のポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスチレン、スチレン共重合体、芳香族ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−シクロヘキサンジメタノール共重合体(PETG)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン、ポリ−またはコポリアクリレートおよびポリ−またはコポリメタクリレート、例えば、ポリ−またはコポリメチルメタクリレート(PMMAなど)、およびスチレンとの共重合体、例えば、透明ポリスチレン−アクリロニトリル(PSAN)、ゴム変性ビニル(コ−)ポリマー、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン、環状オレフィンに基づくポリマー(例えば、TOPAS(登録商標)、Ticonaの商品)を本発明により得ることができるブロック共縮合物に添加することも可能である。
本発明による方法によって得ることができるブロック共縮合物を、熱可塑性ポリカーボネートについて既知の様式で、任意の所望の成形品に加工することができる。
本文脈において、本発明の組成物は、例えば、ホットプレス、スピニング、ブロー成形、熱成形、押出または射出成形によって製品、成形品または成形物品に変換することができる。多層系の使用も対象となる。適用は、例えば、共押出または多成分射出成形により、基礎構造の成形と同時に起こってもよいし、これにすぐ続いてもよい。しかしながら、適用は、例えば、膜による積層または溶液によるコーティングによって、成形準備ができた基礎構造上であってもよい。
基層および任意の上層/任意の上層(多層系)で構成されたシートまたは成形品は、(共)押出、直接スキニング、直接被覆、インサート成形、フィルムインサート成形、または当業者に知られている他の適当な方法によって製造することができる。
射出成形法は当業者に知られており、例えば、「Handbuch Spritzgiessen」、Friedrich Johannnaber/Walter Michaeli、Munich;Vienna:Hanser、2001.ISBN3−446−15632−1または「Anleitung zum Bau von Spritzgiesswerkzeugen」、Menges/Michaeli/Mohren、Munich;Vienna:Hanser、1999、ISBN3−446−21258−2に記載されている。押出法は当業者に知られており、例えば、共押出については、特に、欧州特許出願公開第0110221号明細書、欧州特許出願公開第0110238号明細書および欧州特許出願公開第0716919号明細書に記載されている。アダプターおよびノズル法の詳細については、Johannaber/Ast:「Kunststoff−Maschinenfuhrer」、Hanser Verlag、2000およびGesellschaft Kunststofftechnik:「Coextrudierte Folien and Platten:Zukunftsperspektiven,Anforderungen,Anlagen and Herstellung、Qualitatssicherung」、VDI−Verlag、1990を参照されたい。
本発明の方法によって得ることができるポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物は、既知の芳香族ポリカーボネートが現在使用されている場合はどこでも、また改善した離型特性および低温での高い靭性および改善した耐薬品性と相まった優れた流動性が、例えば、大型外部自動車部品および外で使用するためのスイッチ箱、およびシート、キャビティシート、電気および電子部品ならびに任意のメモリを製造するためにさらに要求される場合はどこでも有用である。例えば、ブロック共縮合物を、コンピュータハウジングおよびマルチメディアハウジング、携帯電話ケース用にIT部門で、ならびに洗濯機などの家庭部門で、ならびにスポーツ部門で、例えば、ヘルメット用材料として使用することができる。
本発明を実施例によって以下に詳細に記載するが、ここに記載される測定法は、反対の記載がない場合は、本発明における全ての対応するパラメータについて使用される。
メルトボリュームフローレート(melt volume flow rate)(MVR)の測定:
メルトボリュームフローレート(MVR)は、他の条件が記載されていない限り、ISO1133(300℃;1.2kg)により測定する。
溶液粘度(イータrel)の測定:
相対溶液粘度(ηrel;イータrelとも呼ぶ)を、Ubbelohde粘度計を用いて25℃において5g/lの濃度でジクロロメタン中で測定した。
再配列構造(Ia)〜(IVa)の測定:
ポリカーボネート試料を、還流下でナトリウムメトキシドによって加水分解する。対応する溶液を酸性化し、濃縮乾固する。乾燥残渣をアセトニトリルに溶解し、式(Ia)〜(IVa)のフェノール性化合物をUV検出と共にHPLCによって測定する。構造(Ia)〜(IVa)を、核磁気共鳴分光法(NMR)によって明確に特徴付ける。
抽出可能なシロキサン含量の測定:
抽出可能なシロキサン含量を、n−ヘキサン中での共縮合物の沈殿によって測定した。この目的のために、生成物5gをジクロロメタン60mlに溶解し、室温で攪拌しながら、n−ヘキサン750mlに徐々に滴加した。この過程で、共縮合物が析出および沈降する。対照的に、組み込まれていないシロキサンは溶液中に残る(シロキサン成分はn−ヘキサンに可溶性である)。沈殿したポリマーを濾別し、乾燥させる。沈殿したブロック共縮合物および沈殿前の共縮合物の1H NMRスペクトルを記録する。0ppmのジメチルシロキサンシグナルの低下を、1.67ppmのイソプロピリデン基についてのシグナルと比べて評価する。
使用する材料:
PC1:溶液粘度が1.205で、メルトボリュームフローレートMVRが59cm/10分(ISO1033により300℃および負荷1.2kgで測定)であるフェノールに基づく末端基を有する直鎖ビスフェノールAポリカーボネート。このポリカーボネートは、UV安定剤、離型剤または熱安定剤などのいずれの添加剤も含有しない。ポリカーボネートを、ドイツ特許第102008019503号明細書に記載される溶融エステル交換法によって調製した。
PC2:メルトボリュームフローレート(MVR)が61.9cm/10分(ISO1033により300℃および負荷1.2kgで測定)であるフェノールに基づく末端基を有する直鎖ビスフェノールAポリカーボネート。このポリカーボネートは、溶液粘度が約1.205である。このポリカーボネートは、UV安定剤、離型剤または熱安定剤などのいずれの添加剤も含有しない。ポリカーボネートを、ドイツ特許第102008019503号明細書に記載される溶融エステル交換法を介して調製した。
PC3:溶液粘度が1.203で、メルトボリュームフローレート(MVR)が57.2cm/10分(ISO1033により300℃および負荷1.2kgで測定)であるtert−ブチルフェノールに基づく末端基を有する直鎖ビスフェノールAポリカーボネート。ポリカーボネートを界面法を介して調製した。Bayer MaterialScience製のMakrolon(登録商標)OD2015を使用する。
PC4−ドイツ特許第19710081号明細書によるオリゴカーボネート
ドイツ特許第19710081号明細書で使用されているものは工業規模で調製されたポリカーボネートではなく、特異的に調製されたオリゴカーボネートであるが、ブロック共縮合物を、ドイツ特許第19710081号明細書に記載された条件に基づき比較例のために調製する。
スターラーおよび短経路分離器を備えた三口ガラスフラスコ中で、ビスフェノールA150.0g(0.65mol)、炭酸ジフェニル146.6g(0.68mol)をテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート0.027g(0.00004mol)と混和する。混合物を150℃で溶融する。約100mbarの真空および180℃で、フェノールを留去する。真空を90分間にわたって段階的に10mbarまで改善し、温度を250℃に上昇させる。形成するフェノールをさらに30分間250℃および10mbarで留去する。これにより、溶液粘度が1.098であるオリゴカーボネート128gが得られる。
シロキサン成分:
使用するシロキサンは式(1)(すなわち、R=H、R、R=メチル、p=0)(n=33.7およびm=3.7、ヒドロキシ含量11.9mgKOH/gおよび粘度358mPa・s(23℃))のヒドロキノン末端ポリジメチルシロキサンである。
重量平均分子量は、ビスフェノールA標準を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるMw=9100g/molであり、検出を1050cm−1でIR検出器によって行った。
シロキサン成分は以下の手順によって調製することができる:
サーモスタットヒーター、スターラー、温度計および還流冷却器を備えた反応フラスコ中で、29Si NMRによって測定される平均鎖長が31.8個のジメチルシロキシ単位およびアシルオキシ末端基が230mmolのα,ω−ビスアシルオキシポリジメチルシロキサン250gを、105℃で穏やかに加熱還流しながら、ビスフェノールA35.1g(150mmol)のキシレン50g、酢酸25gおよび酢酸ナトリウム0.5g中溶液に4時間にわたって滴加する。添加が完了した後、透明な溶液をさらに1時間攪拌する。次いで、溶媒および揮発性物質を160℃および3mbar圧力への真空蒸留によって除去する。冷却後、粗生成物を3ミクロンフィルタ(Seitz K300)で濾過すると透明な、無色の液体236g(理論値の83%)が得られる。
触媒:
使用する触媒は、Rhein Chemie Rheinau GmbH(Mannheim、ドイツ)製のテトラフェニルホスホニウムフェノキシドとする。この物質をフェノールとの共結晶の形態で使用し、これは約70%のテトラフェニルホスホニウムフェノキシドを含有している。以下の量は、Rhein Chemieから得た物質(フェノールとの共結晶として)に基づく。
例1(比較例)
ポリカーボネート顆粒(PC1)47.5g、シロキサン(5重量%)2.5gおよびテトラフェニルホスホニウムフェノキシド共結晶(0.1重量%)0.071gを、スターラーおよび短経路分離器を備えた250mlガラスフラスコに秤量する。装置を排気し、窒素を通気する(各3回)。混合物を、10分以内に、標準圧力下(窒素下)350℃で予熱した金属浴によって溶融する。次いで、減圧を印加する。装置内の圧力を約100mbarとする。反応混合物を、30分間攪拌しながら、この減圧に保つ。この後、窒素を通気し、ポリマー溶融物を除去する。これにより不透明な白色粉末が得られる。溶液粘度を表1に報告する。
例2(比較例)
縮合段階の装置内の圧力を80mbarとすることを除いて、例2を例1と同様に行う。
例3(比較例)
共縮合物を例1に記載されるように調製する。例1からの逸脱で、PC3を反応物質として使用する。縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。
例4(比較例)
共縮合物を例1に記載されるように調製する。例1からの逸脱で、PC4を反応物質として使用する。縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。
例5(本発明)
共縮合物を例1に記載されるように調製する。例1からの逸脱で、縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。
例6(本発明)
共縮合物を例1に記載されるように調製する。例1からの逸脱で、PC2を反応物質として使用する。縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。
比較例1および2は、縮合に通常十分なプロセスパラメータならば、分子量の増加が起こらないことを示している。したがって、ブロック共縮合物を与える反応は起こらない。結果として、ドイツ特許第19710081号明細書に記載される条件は、ビスフェノールAに基づく従来のポリカーボネートから開始する共縮合物を調製するのに不十分である。ポリカーボネート原材料は再配列構造を含有するが、選択される条件下では反応も分子量の増加もない。
比較例3は、いかなる再配列構造も含有しないポリカーボネートが分子量のわずかな変化しか示さないことを示している。本発明のプロセスパラメータは維持されているが、高分子量ブロック共縮合物を与える反応は明らかにない。
比較例4は、ドイツ特許第19710081号明細書により得られたオリゴカーボネートを用いて行った。得られた分子量は、本発明例と比べていくぶん低い。ドイツ特許第19710081号明細書では、高分子量共縮合物を調製することも可能であるが、反応時間がここに記載される反応時間と明らかに異なる。さらに、オリゴカーボネートを用いて調製した縮合物は、極めて乏しい色を示す(例4参照)。ドイツ特許第19710081号明細書によるオリゴカーボネートは、本発明の濃度の再配列構造(Ia)〜(IVa)を有さない。
対照的に、本発明例5および6は、本発明の原材料および本発明による方法を使用した場合、同時に優れた色を有する高分子量シロキサン含有ブロック共縮合物が得られることを示している。
本発明例5および6の少量の抽出可能なシロキサン含量は、シロキサン成分の組み込みにより重縮合が起こったことを証明している。対照的に、比較例は、高含量の遊離シロキサン成分または不均質な試料構造を有する。
ここに記載される本発明による方法を使用して、短い反応時間内に優れた色品質の高分子量ブロック共縮合物を調製することができることは極めて驚きであった。ごく少量の抽出可能なシロキサンは、高分子量ブロック共縮合物が形成したことを示している。
以下の例で、本発明の方法を助触媒の添加によってさらに改善することができるかどうかを調べた。
例7(本発明)
ポリカーボネート顆粒(PC1)47.5g、シロキサン(5重量%;助触媒を含まない;シロキサンのナトリウム含量は約0.1ppm)2.5gおよびテトラフェニルホスホニウムフェノキシド共結晶(0.1重量%)0.071gを、スターラーおよび短経路分離器を備えた250mlガラスフラスコに秤量する。装置を排気し、窒素を通気する(各3回)。混合物を、10分以内に、減圧下(1.5mbar)350℃で予熱した金属浴によって溶融する。反応混合物を、30分間攪拌しながら、この減圧に保つ。この後、窒素を通気し、ポリマー溶融物を除去する。これにより不透明な白色粉末が得られる。溶液粘度を表2に報告する。
例8(本発明)
共縮合物を例7に記載されるように調製する。例7からの逸脱で、攪拌下での縮合段階をほんの10分とする(30分の代わりに)。縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。これにより不透明な白色粉末が得られる。溶液粘度を表2に報告する。
例9(本発明)
共縮合物を例7に記載されるように調製する。例7からの逸脱で、シロキサンが助触媒として酢酸ナトリウムを含有する。シロキサン中のナトリウム含量を1.3ppmとする。溶液粘度を表2に報告する。
例10(本発明)
共縮合物を例9に記載されるように調製する。例9からの逸脱で、攪拌下での縮合段階をほんの10分とする(30分の代わりに)。縮合段階中の圧力を1.5mbarとする。これにより不透明な白色粉末が得られる。溶液粘度を表2に報告する。
表2から分かるように、縮合の30分後の共重合体の溶液粘度は類似である。しかしながら、10分後の溶液粘度は、酢酸ナトリウムを含有する材料で有意に高い。酢酸ナトリウムが、長引く縮合時間の後の限られた効果を有しながら、縮合段階の開始において分子量増加を加速し得ることは驚きであった。

Claims (9)

  1. 式(1):
    [式中、
    はH、Cl、BrまたはC〜C−アルキルであり、 RおよびRは同一または異なり、それぞれ互いに独立に、アリール、C〜C10−アルキルおよびC〜C10−アルキルアリールから選択され、 Xは単結合、−CO−、−O−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C12−シクロアルキリデン、または、ヘテロ原子を含有するさらなる芳香環と縮合していてもよいC〜C12−アリーレンであり、
    nは1〜500の数字であり、
    mは1〜10の数字であり、
    pは0または1である。]
    の少なくとも1種のヒドロキシアリール末端シロキサンを、280℃〜400℃の温度および0.001mbar〜50mbarの圧力で、溶融物の少なくとも1種のポリカーボネートと反応させ
    前記ポリカーボネートが250ppm〜1000ppmの量のフェノール性OH基を有することを特徴とし、

    前記ポリカーボネートが、以下の構造(I)〜(IV):
    [式中、
    フェニル環は未置換であるか、あるいは、独立にC〜C−アルキルおよび/またはハロゲンによって一置換または二置換されており、
    Xは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンであり、
    前記構造単位(I)〜(IV)中−−−によって示される結合はそれぞれカルボキシレート基の一部である。]
    の少なくとも1つ、または2つ以上を有し、かつ、
    前記構造単位(I)〜(IV)の量が、合計50〜2000ppm(ポリカーボネート基準であり、加水分解後に測定される)である、ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法。
  2. 前記構造単位(I)〜(IV)の量が合計80〜850ppm(ポリカーボネート基準であり、加水分解後に測定される)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリカーボネートが16000〜28000g/molの重量平均分子量を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ヒドロキシアリール末端シロキサンが、使用される前記ポリカーボネート基準で、2〜20重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. nが10〜100の数字であり、mが2〜5の数字であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記シロキサンと前記ポリカーボネートを、pK値が3〜7の範囲内にある(25℃)酸の少なくとも1種の有機または無機塩の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記有機または無機塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、四級アンモニウム塩および四級ホスホニウム塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. 前記1種以上の有機または無機塩が、前記シロキサンおよび前記有機および/または無機塩の総重量基準で、0.5〜1000ppmの量で使用されることを特徴とする、請求項またはに記載の方法。
  9. 0.02〜30mbarの圧力で行われることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
JP2016521335A 2013-10-08 2014-10-06 ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法 Active JP6695272B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP13187749 2013-10-08
EP13187749.0 2013-10-08
PCT/EP2014/071297 WO2015052112A1 (en) 2013-10-08 2014-10-06 Process for preparing polysiloxane-polycarbonate block cocondensates

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016532734A JP2016532734A (ja) 2016-10-20
JP2016532734A5 JP2016532734A5 (ja) 2017-11-24
JP6695272B2 true JP6695272B2 (ja) 2020-05-20

Family

ID=49301393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016521335A Active JP6695272B2 (ja) 2013-10-08 2014-10-06 ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9845378B2 (ja)
EP (1) EP3055343B1 (ja)
JP (1) JP6695272B2 (ja)
KR (1) KR102257686B1 (ja)
CN (1) CN105658698B (ja)
ES (1) ES2638216T3 (ja)
WO (1) WO2015052112A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6621739B2 (ja) * 2013-10-08 2019-12-18 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag 弱酸の塩を用いてポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法
WO2015052113A1 (en) * 2013-10-08 2015-04-16 Bayer Materialscience Ag Polysiloxane-polycarbonate block cocondensates
CN114746474A (zh) 2019-12-06 2022-07-12 出光兴产株式会社 聚碳酸酯-聚有机硅氧烷共聚物和包含该共聚物的树脂组合物
JPWO2021112259A1 (ja) 2019-12-06 2021-06-10
EP4071195A4 (en) * 2019-12-06 2023-12-06 Idemitsu Kosan Co., Ltd POLYCARBONATE/POLYORGANOSILOXANE COPOLYMER AND RESIN COMPOSITION INCLUDING THIS COPOLYMER
EP3957672A1 (en) 2020-08-20 2022-02-23 Idemitsu Kosan Co.,Ltd. Polycarbonate-polyorganosiloxane copolymer, method for producing the same, and resin composition comprising the copolymer
EP3957673A1 (en) 2020-08-20 2022-02-23 Idemitsu Kosan Co.,Ltd. Polycarbonate-polyorganosiloxane copolymer, method for producing the same, and resin composition comprising the copolymer
EP3957674A1 (en) 2020-08-20 2022-02-23 Idemitsu Kosan Co.,Ltd. Polycarbonate-polyorganosiloxane copolymer, method for producing the same, and resin composition comprising the copolymer

Family Cites Families (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3189662A (en) 1961-01-23 1965-06-15 Gen Electric Organopolysiloxane-polycarbonate block copolymers
US3419634A (en) 1966-01-03 1968-12-31 Gen Electric Organopolysiloxane polycarbonate block copolymers
NL152889B (nl) 1967-03-10 1977-04-15 Gen Electric Werkwijze ter bereiding van een lineair polycarbonaatcopolymeer, alsmede orienteerbare textielvezel van dit copolymeer.
DE8233007U1 (de) 1982-11-25 1983-03-24 Röhm GmbH, 6100 Darmstadt Polycarbonat-kunststofftafel
DE3244953C2 (de) 1982-12-04 1984-11-29 Röhm GmbH, 6100 Darmstadt Verfahren zur Herstellung einer Hohlkammerkunststofftafel
DE3334782A1 (de) 1983-04-19 1984-10-25 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von polydiorganosiloxanen mit hydroxyaryloxy-endgruppen
DE3832396A1 (de) 1988-08-12 1990-02-15 Bayer Ag Dihydroxydiphenylcycloalkane, ihre herstellung und ihre verwendung zur herstellung von hochmolekularen polycarbonaten
NO170326C (no) 1988-08-12 1992-10-07 Bayer Ag Dihydroksydifenylcykloalkaner
DE3833953A1 (de) 1988-10-06 1990-04-19 Bayer Ag Mischungen von speziellen, neuen polycarbonaten mit anderen thermoplasten oder mit elastomeren
CA1340125C (en) 1988-10-06 1998-11-10 Dieter Freitag Mixture of special new polycarbonates with other thermoplastics or with elastomers
US5227449A (en) 1990-07-02 1993-07-13 Xerox Corporation Photoconductive imaging members with polycarbonate binders
TW222292B (ja) 1991-02-21 1994-04-11 Ciba Geigy Ag
US5344908A (en) 1993-05-04 1994-09-06 General Electric Company Process for the manufacture of polycarbonate-oligomers without solvent
ES2126064T3 (es) * 1993-07-09 1999-03-16 Gen Electric Composiciones de terpolimeros de bloques de siloxano y poliestercarbonato y policarbonatos resistentes al calor.
US5414054A (en) 1994-06-01 1995-05-09 Miles Inc. Copolycarbonate having improved low-temperature impact strength
SK56097A3 (en) 1994-11-10 1998-07-08 Basf Ag 2-cyanoacrylic acid esters
DE4444868A1 (de) 1994-12-16 1996-06-20 Bayer Ag UV-geschützte, mehrschichtige Polycarbonatplatten
US5504177A (en) 1995-03-02 1996-04-02 General Electric Company Method for preparation of block copolysiloxanecarbonates
DE19539290A1 (de) 1995-10-23 1997-04-24 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Poly-(diorganosiloxan)-Polycarbonat-Blockcopolymeren
EP0839623B1 (de) 1996-10-30 2001-01-31 Ciba SC Holding AG Stabilisatorkombination für das Rotomolding-Verfahren
AU6396498A (en) * 1997-02-20 1998-09-09 Bayer Aktiengesellschaft Method for producing organofunctional siloxanes and use of same
DE19710081A1 (de) * 1997-03-12 1998-09-17 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Polysiloxan-Polysiloxan-Polycarbonat-Blockcokondensaten
US6066700A (en) 1997-03-12 2000-05-23 Bayer Aktiengesellschaft Process for the production of polysiloxane/polycarbonate block co-condensation products
US5821321A (en) 1997-09-16 1998-10-13 Bayer Corporation Molding composition having improved impact strength
US6723823B2 (en) * 2001-07-24 2004-04-20 General Electric Company Method of polycarbonate preparation
EP1308084A1 (en) 2002-10-02 2003-05-07 Ciba SC Holding AG Synergistic UV absorber combination
DE10311063A1 (de) 2003-03-13 2004-09-23 Basf Ag Verwendung einer Stabilisatormischung in thermoplastischen Formmassen
DE102007011069A1 (de) 2007-03-07 2008-09-11 Bayer Materialscience Ag Polycarbonatzusammensetzung enthaltend UV-Absorber
DE102008019503A1 (de) * 2008-04-18 2009-10-22 Bayer Materialscience Ag Polycarbonate mit Umlagerungsstrukturen, cyclischen und linearen Oligomeren sowie verbessertem Fließverhalten
WO2011120198A1 (en) * 2010-04-01 2011-10-06 Bayer Materialscience Ag Melt polycarbonate having improved heat ageing resistance and manufacturing method thereof
BR112014025273B1 (pt) * 2012-04-10 2020-12-22 Momentive Performance Materials Gmbh processos para preparar um polidialquilsiloxano hidroxiarilóxi-funcional linear e um copolímero de bloco de polidiorganosiloxano/poliorgano
WO2015052113A1 (en) * 2013-10-08 2015-04-16 Bayer Materialscience Ag Polysiloxane-polycarbonate block cocondensates
EP3099731B1 (en) * 2014-01-30 2017-11-22 Covestro Deutschland AG Polysiloxane-polycarbonate block cocondensates with improved rheological properties

Also Published As

Publication number Publication date
ES2638216T3 (es) 2017-10-19
KR20160067853A (ko) 2016-06-14
EP3055343A1 (en) 2016-08-17
WO2015052112A1 (en) 2015-04-16
US20160244558A1 (en) 2016-08-25
US9845378B2 (en) 2017-12-19
CN105658698B (zh) 2018-09-18
CN105658698A (zh) 2016-06-08
JP2016532734A (ja) 2016-10-20
EP3055343B1 (en) 2017-05-31
KR102257686B1 (ko) 2021-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6621739B2 (ja) 弱酸の塩を用いてポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法
JP6675978B2 (ja) 反応性押出しによるシロキサン含有ブロックコポリカーボネートの製造
JP6695272B2 (ja) ポリシロキサン−ポリカーボネートブロック共縮合物を調製する方法
KR102270558B1 (ko) 개선된 레올로지 특성을 갖는 폴리실록산-폴리카르보네이트 블록 공축합물
US9845379B2 (en) Polysiloxane-polycarbonate block cocondensates
KR102454155B1 (ko) 상용화제를 사용한 실록산-함유 블록 코폴리카르보네이트의 제조

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171006

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190809

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6695272

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250