JP6692001B2 - 表面空間における器官の動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号を再構築するためのシステム及び方法 - Google Patents

表面空間における器官の動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号を再構築するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面空間における器官の動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号を再構築するためのシステム及び方法に関する。そのような方法は、特に、機能的活動マップの形式で画像を生成することを可能とする。本発明は、特に、その高い精度及びノイズに対するロバスト性の点で既知の方法とは異なる。
一つの好ましいが非限定的である例示的な実施形態によれば、本発明は、脳に適合するように記載されるであろう。しかしながら、本発明は、この器官のみに限定され得ず、例えば、胸又は腎臓に適用されてもよい。
本発明は、特に磁気共鳴イメージング(略語「MRI」としても知られる)、より詳しくは、機能的磁気共鳴イメージング(fMRI)に基づく。これらの技術は、ヒト又は動物の器官に関する貴重な情報を迅速に得ることを可能とする。この情報は、診断を行い、疾患治療に関する治療上の決定を行おうとする医師にとって特に重要である。本発明は、機能的磁気共鳴イメージングと共に使用されることが好ましいが、この種のイメージング又はこの取得プロトコルのみに限定され得ない。その目的のため、本発明は、非限定的な例として陽電子放出断層撮影(PET)のような、場合によっては皮質の任意の機能的信号を調べようとする任意の他のプロトコルにおいて有利に使用されてもよい。
そのような技術を実施するため、非限定的な例として図1及び図2によって示される核磁気共鳴イメージング装置1が一般的に使用される。核磁気共鳴イメージング装置1は、患者の身体の1つ又は幾つかの部分、非限定的な例として、脳、心臓又は肺のデジタル画像12の多数の系列を伝達してもよい。その目的のため、前記装置は、当の身体の部分に高周波の電磁波の組み合わせを印加し、非限定的に核磁気共鳴イメージングにおける水素のような、特定の原子によって再放出された信号を測定する。したがって、前記装置は、画像化されたボリュームの各基本ボリューム(一般的にボクセルと称される)において、磁気的な特性を決定すること、その結果、生物学的組織の化学組成、したがってそれらの性質を決定することを可能とする。核磁気共鳴イメージング装置1はコンソール2を使用して制御される。したがって、ユーザは、装置1を制御するためにパラメータ11を選択することができる。前記装置1によって作成された情報10から、ヒト又は動物の身体の一部の多数のデジタル画像系列12が得られる。
画像12の系列は、任意に、サーバ3に保存され、患者の医療記録13を形成することができる。そのような記録13は、組織の活動を示す機能的な画像、又は組織の特性を反映する解剖学的な画像などの異なる種類の画像を備えることができる。画像12の系列は、専用の処理ユニット4を使用して解析される。前記処理ユニット4は、画像を収集するために外界と通信する手段を含む。前記通信手段は、処理ユニット4が、適切なマン・マシン・インターフェースを使用して、磁気共鳴イメージングによって得られた画像12に基づく、場合によってコンテンツの形式でフォーマットされた1つ又は幾つかの生理的信号の推定を、図式、音又は他のレンダリングを提供する出力手段5を介して、解析システムのユーザ6、特に医師又は研究者に最終的に伝達することを更に可能とする。本明細書全体を通して、「出力手段」は、単独で又は組み合わせて使用され、磁気共鳴イメージング解析システムのユーザ6に対して、再構築された生理的信号の、例えば、図式、音等の表示を出力することを可能とする任意の装置を表す。そのような出力手段5は、非網羅的に、1つ又は幾つかの画面、スピーカ又は他のマン・マシン・インターフェースからなってもよい。したがって、解析システムの前記ユーザ6、場合によって医師は、診断の是非の確認、ユーザが適切と考える治療行為の決定、研究活動の深化等を行うことができる。任意に、このユーザ6は、パラメータ16を使用して処理ユニット4又は出力手段5の作動を設定することができる。したがって、例えば、ユーザは、表示閾値を定義すること、又はユーザが例えば図式による表示を望む再構築された信号を選択することができる。図2に関して記載された代替案では、先に記載されたイメージングシステムは前処理ユニット7を更に含み、前処理ユニット7は、画像の系列を解析し、そこから実験信号15を推定し、処理ユニット4に実験信号15を伝達し、その結果、処理ユニット4はこのタスクから解放される。さらに、生理的信号の再構築を行うため、処理ユニット4は、一般に、記憶手段に事前にロードされたプログラムの形式で再構築法を実施する1つ又は幾つかの計算器又はプロセッサ等の処理手段を含む。記憶手段は処理手段と協働する。
したがって、磁気共鳴イメージングによる、1つ又は幾つかの実験データ、有利に1つ又は幾つかの実験信号の取得は、所与のスライス面で規則的に平行六面体のボリュームをサンプリングすることによって行われ得る。得られた二次元画像は、スライスの厚さに相当する厚みを有するピクセル(ボクセルと称される)から形成される。したがって、そのようなイメージング技術は、例えば組織の特性を反映することを可能とする解剖学的な画像、及び、例えば組織の活動を示すことを可能とする機能的な画像の両方を取得することを可能とする。
fMRIでは、ニューロンの活動の測定は間接的である。実際に、どんな装置及び/又は技術も、そのような測定を保証するように適合及び/又は調整されていない。しかしながら、研究は、脳の活動、より詳しくは、ニューロンの活動が血流及びその組成に直接的な影響を及ぼすことを実証した。したがって、fMRIを使用する方法は、局所的な脳の血行動態の変化すなわち灰白質内の血行動態の変化を、灰白質が活性化している場合に記録するステップを含んでもよい。前記活性化は、前記灰白質部分を表すボクセルがとる値に影響を及ぼす。したがって、そのようなニューロンの活動が血液中に引き起こす変化が最終的に推定されてもよい。さらに、BOLD(血中酸素濃度依存性)信号、すなわち、脳のニューロンの活動に応じた血液中の酸素化ヘモグロビン濃度の局所的及び一時的な変化を反映する信号が調べられてもよい。したがって、BOLD信号の調査は、血液中における、反磁性を有する酸素化ヘモグロビン(「オキシヘモグロビン」とも称される)の、今度は常磁性を有する脱酸素化ヘモグロビン(「デオキシヘモグロビン」としても知られる)に対する比率の解析に基づく。その常磁性により、脱酸素化ヘモグロビンはMRI信号を低下させる。実際に、ニューロンの領域が活性化される場合、局所的なエネルギーの需要、すなわち、追加の栄養素及び酸素の需要が増加する。それから、この需要の増加を満たすため、血流は、酸素の需要より、比較的に著しく、そのようなニューロンの領域で増加する。したがって、デオキシヘモグロビン濃度の減少、その結果として、BOLD信号の上昇が、活性化された領域で観測される。そのようなニューロンの活性化に固有の発展は、関数によって、すなわち血行動態応答関数(HRS)によって説明され得る。そのような血行動態応答関数は、時間の関数としてBOLD信号の変化を観測することを可能とする。図3は前記血行動態応答関数を示す。そのような関数は主に4つの段階に分解される。図3によれば、t=0は、ニューロンが活性化される瞬間に相当する。BOLD信号は、最初にわずかな低下(参照符号(1)によって曲線上に示される)を示し、ニューロンの活性化の約5秒後〜6秒後、最大ピーク(参照符号(2)によって曲線上に示される)に達するまで急激に上昇し、その後、約10秒〜15秒の間、ベースライン未満まで新たに低下し(参照符号(3)によって曲線上に示される)、そして、約25秒に、ベースラインに戻る(参照符号(4)によって曲線に示される状況)。
さらに、比率に対応するBOLD信号には、前記BOLD信号の測定に対する絶対的な尺度はない。さらに、前記BOLD信号の振幅は、非限定的に、装置及び/又は機能的イメージングシステムに固有の特徴、使用される取得パラメータ、又は通過される組織の種類、特に前記組織の局所的な水分濃度等の多くの因子に依存する。BOLD信号の観測中にこれらの因子の全てによって導入される不確実性を減少させるため、信号の値とベースラインの値との差のベースラインの値に対する比率に相当する信号変化の割合(また略語「PSC」を使用して称される)が、BOLD信号を特徴づけるために一般的に使用される。fMRIでは、SCP値は、一般的に0.1%〜5%となり、変化が個体の規模で見えることを特に困難にする。実際、信号対雑音比の向上がない場合、前記信号は前記BOLD信号の小さな変化を覆い隠しがちである。さらに、前記実験データボリュームが取得される場合、空間及び時間分離能はfMRIにおいて比較的限定される。さらに、実際に、そのような実験データボリュームは、おおよその精度を有し、さらに情報の損失を強制的に引き起こす。
その結果、それらの取得の後、データボリュームの形式の実験信号は、一般的に、ボクセルに基づく手法によってそれらの取得空間において後処理及び解析される。しかしながら、そのようなボクセルに基づく手法には幾つかの欠点がある。これらの手法の主な欠点は、脳、より一般的に調べる器官の構造上の特徴及び/又は解剖学的な特徴に対して、あまりにも重要性を認めず、関心を払わないことである。その結果、得られた情報は常に信頼できるというわけではない。なぜなら、例えば互いに溝の反対側から生じる皮質のBOLD信号に関係するそのような情報は、場合によって「混ぜられている」かもしれないからである。実際、fMRIで観測される低い比率「BOLD信号対雑音のコントラスト」により、これらの技術において、ノイズを除去するステップ又は関心対象の信号を増強するステップを用いることを強いられる。そのようなノイズ除去ステップを行うための最も一般的な方法は、ローパスフィルタを使用して、取得された実験データをろ波するステップである。その結果、直接的に近接するボクセルに含まれるデータから平均されたデータが生成される。しかしながら、「グリッド」におけるボクセルの近接は、常に、皮質の非常に複雑な構造における実際の近接に相当するというわけではない。図4は、ヒト脳の皮質表面の溝を表すボクセルグリッドの例を示す。図4によれば、そのようなボクセルグリッドGVは、同一サイズの30個の正方形によって図4に表される30個のボクセルを有する。前記ボクセルグリッドGVは脳の溝の断面を示す。図4によれば、溝は、脳の凹状のしわを示す幾何学的な構造であり、その近くに、白質MB、灰白質MG及び脳脊髄液LCRという3種類の組織が見られる。さらに、ボクセルグリッドGVにおいて、2つのボクセルV1及びV2は、それぞれ、溝の両側から生じる情報I1、I1’及びI2、I2’を組み合わせている。しかしながら、測地線領域において、すなわち表面に沿って、前記情報I1、I1’及びI2、I2’は別のものである。幾何学では、計量又は距離を備えた空間の2点間の最短経路又は最短経路が幾つかある場合にはそれらのうちの1つは測地線である。したがって、図4によれば、それぞれ情報I1、I2から情報I1’、I2’に向かう最短経路は溝の底部を通る。反対に、ボクセル領域では、情報I1、I1’及びI2、I2’はそれぞれ同じボクセルV1、V2に見られる。
皮質表面に基づく方法又はアプローチ(「SBM(surface−basedmethod)」とも称される)は、常に本来の空間の幾何学的形状を考慮に入れるために、本来の表面空間における皮質の信号、ここでは皮質表面における皮質の信号を調べることによって、この問題を解決することができる。皮質表面に垂直な機能的な単位での皮質(「皮質柱」としても知られる)の解剖学的な構成、大域的に前記皮質柱に付き添う脳の微小血管の構成、及び皮質の厚さに近い取得解像度(約3ミリメートル)を考慮に入れると、実際に、BOLD信号に関して、皮質を表面に擬することができる。この擬することを可能とする全ての既知のSBMアプローチの中で、2つのアプローチ及び2種類の方法、すなわち、幾何学的と称されるもの、及び更に発展した解剖学的な情報に基づくと称されるものが際立っている。
概念的に非常に簡単な幾何学的な方法は、一般的に、補間法、すなわち有限個の点から曲線を構築することを可能とする数学的演算、例えば、最近隣内挿法、トライリニア補間、もしくは楕円フィルタを用いた畳み込み、又は頂点を含むボクセルの値の表面メッシュの各頂点への非常に簡単な割り当てに基づく。これらの手法は、それぞれ、それらの手法の簡単さによって与えられた利点にもかかわらず、主に画像に固有の特徴と使用される表面射影法(surfaceprojection method)との間の密接な関係に関連して、幾つかの欠点を有する。したがって、幾何学的なアプローチは、例えば空間的な近接関係を維持するだろうが、ニューロンの活性化の規模のような密接に関連する情報の損失も引き起こすだろう。使用される幾何学的なアプローチに関係なく、このアプローチは、一般的に、脳脊髄液(CSF)、白質(WM)及び/又は灰白質(GM)から得られる信号に関する情報における相違を観測しない。このことは、ニューロンの活性化が灰白質GMのみに位置するので、皮質の信号に関する欠陥となる。さらに、そのような幾何学的な方法は、セグメンテーション誤差及び/又は解剖学的及び機能的な再調整誤差に対してロバスト性を欠く。
表面アプローチの原理を基にした、解剖学的な情報に基づく方法は、今度は、特に皮質の解剖学的な特性を考慮に入れて、機能的信号の最初の特性を出力するために、それらの信号の本来の空間でそれらの信号を表そうとする。この目的のために、そのような解剖学的な情報に基づく方法は、調べられる器官の、少なくとも解剖学、場合によっては生理学に関する追加情報、又は、使用される、イメージングモダリティ、特に取得モダリティに固有の特徴に関する追加情報を導入する。
様々な研究者が、調べられる器官の解剖学及び生理学に関する事前情報、又は使用されるイメージングモダリティ特に取得モダリティに固有の特徴に関する事前情報を考慮に入れて、機能的イメージング解析システムによって取得された1つ又は幾つかの実験データを、生理的信号が定義されている領域の幾何学的形状を表す表面空間に再射影して前記生理的信号を得る方法を使用して、解剖学的な情報に基づく方法を発展させた。様々な研究者の中で、Kiebel氏、Grova氏、Warnking氏、又はOperto氏さえもこの仕事に従事した。一般的に、「射影」という用語は、適した数学的方法、例えば最小二乗法を用いた第1の空間又は座標系から第2の空間又は座標系への推移として定義される。したがって、本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「再射影」は、1つ又は複数の生理的信号が得られる器官の幾何学的形状を表す空間又は表面座標系内に、ここでは、脳に関する好ましい例示的な適用の範囲内で、皮質表面内に、空間又は座標系を再度位置付ける目的で行われる空間又は座標系の任意の変化を表す。
また、現在使用されている方法は、多くの欠点を有し、非常に頻繁に、情報の実質的な損失をもたらすとともに、潜在的に、不完全な又はそれどころか大抵無関係の生理的信号の出力をもたらす。実際に、前記方法は、ボクセルの形式で機能的磁気共鳴イメージングによって取得された画像の解像度と、主として皮質表面を構築し、生理的信号に関する情報を含む皮質柱の寸法との差を考慮するだろう。すなわち、ボクセルは、一般的に、約数ミリメートル、より詳しくは2ミリメートル又は3ミリメートルの寸法を有するのに対して、皮質柱は1ミリメートルの約10分の1の寸法を有する。最後に、ボクセルは、さらに同時に幾つかの皮質柱からの情報を含んでもよい。さらに、機能的磁気共鳴イメージングによって取得される実験データは、「機能的ボリューム」としても知られるが、一般に三次元画像に相当する。先に明示されたように、ボクセルの形式の各実験データは、唯一の実験信号の値と関連している。しかしながら、ボクセルは、2つの組織間の境界に位置してもよく、そのような境界の位置と関連する信号は、それ故、異なる組織の特性を有する2つの実体の磁気共鳴現象を反映する。したがって、ボクセルは、潜在的に、それぞれ異なる組織から得られた信号又は情報を含み、それらを無差別に混ぜているかもしれない。
先に明示されたように、この欠点を克服するために使用可能な手法は、補間アプローチ等の既知の方法を使用して皮質表面に実験データを射影することからなってもよい。しかしながら、そのような方法は、一般的に、ノイズに対するロバスト性を欠き、時間次元を考慮に入れない。さらに、既に先に述べられたように、機能的磁気共鳴イメージングによって取得されたデータ、要するに関心対象の生理的信号は、非常に頻繁に、高いノイズレベルによって「汚される」。関心対象の領域では、例えば神経細胞の機能的な活動の有無は、信号の時間次元によって検出される。けれども、表面射影法が行われて終了し、生理的信号が推定された場合に限り、機能的な活性化を検出しようと続く第2の方法の実施中、そのような時間次元の処理が行われる。けれども、時間次元を汚すノイズは、システムによる実験データの取得過程に固有の初期過程に起因する。したがって、実験データ及び/又は生理的信号の再射影の間に、ノイズに関係する誤差及び偏りも前記方法の間に伝播する。したがって、現在の方法は、ただ部分的に有効な解決策を提供する。したがって、実際に、現在の方法が実験データの時間次元にほとんど対処しない又は十分に対処していないため、表面空間への再射影で得られた生理的信号に関する情報は妥当性を欠く。
本発明は、既知の解決策によって提起された欠点の全て又は幾つかを解消することを可能とする。
本発明によって提供される多くの利点の中で、
−調べられた器官の活性領域の特徴とは無関係に、生理的信号の再構築を可能とする方法を提案し、
−空間的にも時間的にもノイズに対するロバスト性をかなり改善することによってより良い結果を得ることで、再構築された生理的信号の質を高め、最終的に機能的な活性化の検出の質を高めることを可能とし、
−機能的データと解剖学的データと間の任意の再調整誤差、補正されていない歪み誤差、及び/又は解剖学的ボリュームのセグメンテーション誤差にかかわらず、生成された情報のロバスト性を高めること、
を可能とすることに言及できる。
その目的のため、特に、表面空間おける器官の動脈/組織/静脈系の生理的信号を再構築するための方法が提供され、前記方法は、機能的イメージング解析システムの処理ユニットの処理手段によって実施され、前記方法は、前記器官のボクセルと称される基本ボリュームを含む関心対象の領域の実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づいて前記生理的信号を再構築するステップを備える。本発明によれば、そのような方法の前記生理的信号を再構築するステップは、
−当のボクセルに対する動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られている、前記表面空間における実験データの直接確率分布を割り当てること、
−実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前空間確率分布を一緒に割り当てること、
−前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前時間確率分布を一緒に割り当てること、
によって、逆問題を解くための方法に従って、前記メッシュの頂点における前記生理的信号に対する事後周辺分布を評価することからなる。
本発明は、表面空間における器官の動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号を再構築するための方法を更に提供し、前記方法は、機能的イメージング解析システムの処理ユニットの処理手段によって実施され、前記方法は、ボクセルと称される基本ボリュームを含む関心対象の領域の実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づいて生理的信号を再構築するステップを備える。本発明によれば、前述のように、そのような方法の前記生理的信号を再構築するステップは、
−当のボクセルに対する動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られ、基本ボリュームにおける実験データと前記表面空間における前記生理的信号とを関係づける直接モデルの作用素を割り当てること、
−実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することにより、空間正則化作用素を一緒に割り当てること、
−前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、時間正則化作用素を一緒に割り当てること、
によって、逆問題を解くための方法に従って、前記メッシュの頂点における前記生理的信号に対するコスト関数を評価することからなる。
迅速で特に有効な診断及び簡単な検査を可能とするため、本発明による生理的信号を再構築するための方法は、機能的イメージングによる信号の取得に基づいて前記実験データを生成するステップを更に備えてもよい。
有利に、機能的イメージング解析システムが前記システムのユーザへの再構築された生理的信号の出力手段を備える場合、前記出力手段は処理ユニットと協働し、本発明による方法は、適切なフォーマットでの再構築された生理的信号の出力をトリガする後続ステップを備えてもよい。
機能的イメージングによって得られ及び取得された実験信号の質、そして最終的に、得られた結果の質を改善するため、本発明による方法は、実験データ及び/又は表面メッシュを前処理にする事前ステップを更に備え、前記ステップは、実験データ及び/又は表面メッシュをそれぞれ補正及び/又は再調整するように設けられてもよい。
有利に、機能的イメージング解析システムが前記システムのユーザへの出力手段を備える場合、前記出力手段は処理ユニットと協働し、本発明による方法は、関心対象の領域の各ボクセルに対するメッシュの1つ又は幾つかの頂点における再構築された生理的信号の出力をトリガし、機能的活動マップの形式で画像を生成する後続ステップを更に備えてもよい。
第2の目的によれば、本発明は、外界と通信する手段及び処理手段を備え、記憶手段と協働する処理ユニットに関する。有利に、通信手段は外界から実験データを受け取るように構成され、記憶手段は処理手段によって実行可能又は解釈可能な命令を備え、前記処理手段による前記命令の解釈又は実行は、本発明の第1又は第2の目的に従う方法の実施をもたらす。
診断を行おうとする医師を支援するため、本発明による処理ユニットの通信手段は、再構築された生理的信号を、ユーザがそれを回収するのに適した出力手段に適切なフォーマットで、伝達することができる。
第3の目的によれば、本発明は、本発明による処理ユニットと、前記処理ユニットによって実施される本発明の第1の目的に従う方法に従って、ユーザに生理的信号を出力し得る出力手段とを備える機能的イメージング解析システムに関する。
最後に、第4の目的によれば、本発明は、本発明による処理ユニットの処理手段によって解釈可能又は実行可能である1つ又は幾つかの命令を備えるコンピュータプログラム製品に関する。前記処理ユニットは、記憶手段を更に備えるか又はそのような記憶手段と協働し、前記プログラムは前記記憶手段にロード可能である。前記処理手段による前記命令の解釈又は実行は本発明の第1又は第2の目的に従う方法の実施をもたらす。
他の特徴及び利点は、以下の説明を読み、それに付随する図を検討することでより明らかとなるであろう。
先に説明された図1は、場合によって磁気共鳴による、医用イメージング解析システムの代替的な実施形態を提示する。 先に説明された図2は、場合によって磁気共鳴による、医用イメージング解析システムの代替的な実施形態を提示する。 先に説明された図3は、血行動態応答関数の例を示す。 先に説明された図4は、ヒト脳の皮質表面の溝を示す部分的なボクセルグリッドの例を示す。 図5は、本発明による方法の単純化されたフローチャートを概略的に示す。 図6Aは、本発明による方法を使用して生成及び出力された静的テクスチャの例を示す。 図6Bは、本来又は基準の信号に対応する静的テクスチャの例を示す。 図6Cは、従来技術による方法を使用して生成及び出力された静的テクスチャの例を示す。 図7は、同じ頂点における生理的信号の時間経過の4つの例の一組を示す。4つの例は、それぞれ、本来又は基準の生理的信号、前記頂点を含むボクセルにおけるノイズを含む生理的信号、本発明の方法による再射影で得られた生理的信号、及び従来技術による方法によって再構築された生理的信号である。 図8Aは、本発明による方法を使用して再構築された生理的信号から生成されて出力された機能的活動マップの例を示す。 図8Bは、本来又は基準の信号に対応する生理的信号から生成されて出力された機能的活動マップの例を示す。 図8Cは、従来技術による方法を使用した再射影で得られた生理的信号から生成されて出力された機能的活動マップの例を示す。
図5は、本発明による表面空間における器官の動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号を再構築する方法200を概略的に示す。先に明示されたように、そのような方法200は、有利に、非限定的な例として、図1及び図2と関連して記載されたような、磁気共鳴イメージング解析システム、又はより一般的に機能的イメージング解析システムの処理ユニット4の処理手段によって実施される。本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「生理的信号の再構築」は、機能的イメージングによって先に取得された1つ又は幾つかの実験データからの生理的信号の生成を表す。さらに、本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「表面空間」は、関心対象の器官の動脈/組織/静脈の動態系の幾何学的形状を表す空間として定義される。脳に関して記載される好ましい例示的な適用の範囲内で、「皮質表面」とも称されるそのような表面空間は、「皮質」としても知られる皮質リボンに取られる表面からなる。本発明による方法200は、有利に、前記器官の基本ボリューム(ボクセルと称される)の実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づいて前記生理的信号を再構築するステップ300を備える。
念のために記載すると、本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「ボクセル」(用語「volumetric pixel」の短縮)は、三次元のビットマップデジタル画像の解像度を評価することを可能とする。そのようなボクセルは、三次元ピクセルと見なされてもよい。全ての例において、そのようなボクセルは、閉じた表面が6つの面から形成される直方体と見なされてもよい。さらに、本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「表面メッシュ」は、好ましくは有限で明確な釣り合いのとれた要素による、前記表面空間の任意の幾何学的モデリングを表す。代替的には、そのような表面メッシュは、パラメータで表された表面又は陰関数曲面、例えば「レベルセット」として知られている数学上の関数による前記表面空間の幾何学的モデリングからなってもよい。したがって、好ましいが非限定的な例として、「表面メッシュ」は、辺(すなわち、2つの頂点によって範囲を定められた3次元上の線分)によって互いに接続された頂点で形成され、このため、1組の面を形成する立体(3D)網状構造として定義される。好ましいが非限定的な本例の範囲内で、脳と関連して、前記頂点は、有利に、皮質リボン上、内又は近辺に位置する三次元空間上の点からなってもよい。
本発明による方法200は、生理的信号を再構築するための処理300を備える。処理300は、主に、メッシュの頂点におけるBOLD信号のような再構築しようとする前記生理的信号に対する1つ又は幾つかの事後周辺分布を割り当て及び/又は評価するステップ270からなる。そのような処理300は、厳密に言えば、前記信号の値を計算するステップ280を更に備える。そのような事後周辺分布を評価するため、図1及び図2と関連して先に記載されたような機能的イメージング解析システムの処理ユニット4を手動又は自動で設定する必要がある。この設定は、好ましくは、1つ又は幾つかの設定パラメータに基づいて、処理ユニット4の処理手段のおかげで、処理ユニット4自体によって行われ得る。また、その設定は1つ又は幾つかの事後周辺分布のライブラリの形成を含み、ライブラリは、前記ユニットのプログラムのメモリ及び/又はデータメモリ(一般的に記憶手段と称される)にあらかじめ設置され及び記憶される。本発明は、前記ライブラリが外部演算ユニットによって使用又はそれどころか出力されるように拡張され得ることを提供する。該外部演算ユニットは、1つ又は複数の設定パラメータに基づいて前記設定を行うことができ、前記ライブラリを伝達するために処理ユニットと協働することができる。
したがって、本発明による方法200は、手動又は自動での割り当て270前に行われる設定ステップ240、250、260を備えてもよい。それらのうち、次のもの、すなわち、
−当のボクセルに対する動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られている、前記表面空間における実験データの直接確率分布を割り当てること240、
−実験データの1つ又は幾つかの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の1つ又は幾つかの特性に関する事前情報を導入することによって前記生理的信号の事前空間確率分布を割り当てること250、
−前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することによって前記生理的信号の事前時間確率分布を割り当てること260、
が必要かつ十分である。
本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「直接確率分布」という用語は、有利に、「尤度関数」としてみなされてもよい。
さらに、本発明は、本発明による生理的信号を再構築する方法200が、調べられる器官の表面空間を表す表面メッシュの割り当てを可能とするように設けられた設定ステップ210も備えることを提供する。
設定ステップは考慮される適用領域に依存し得る。さらに、設定ステップ210、240、250、260の前に、本発明による生理的信号を再構築する方法200は、有利に、それぞれ
−調べられる器官の表面空間を表す表面メッシュを割り当てること210、
−当のボクセルに対する動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られている、前記表面空間における実験データの直接確率分布を割り当てること240、
−実験データの1つ又は幾つかの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の1つ又は幾つかの特性に関する事前情報を導入することによって前記生理的信号の事前空間確率分布を割り当てること250、
−前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することによって前記生理的信号の事前時間確率分布を割り当てること260、
についてのユーザによる特定を確認する検査ステップ211、241、251、261を備えてもよい。
そのような検査ステップ又は演算211、241、251、261は、有利に、機能的イメージング解析システムの先に言及された1つ又は幾つかの設定ステップ又はカスタマイズステップによって初期化又は更新されるブール表示器の値を検査することからなり得る。該機能的イメージング解析システムの処理ユニットは、本発明による、又は、機能的イメージング解析システムのそのような設定又はそのようなカスタマイズを保証することができる処理ユニットによって実施される任意の他の技術による、生理的信号を再構築するための方法を実施する。
全ての割り当てがあらかじめ設定されている場合(図5において211−y、241−y、251−y、261−yによって表された状況)、処理ユニットは本発明による方法200の後続ステップを実施する。そうでなければ、実験データの直接確率分布があらかじめ設定されていない場合(図5において参照符号241−nによって表された状況)、本発明による方法200は、例えば、しかし非限定的に、1つ又は複数の実験データを含む表面空間の解剖学的構造、再構築される生理的信号の性質、1つ又は複数の実験データの取得パラメータ等に関する事前情報に基づいて前記直接確率分布を構築するステップ242を備える。そのような構築は、好ましくは、1つ又は幾つかの構築パラメータに基づいて、処理ユニット4の処理手段を使用して、処理ユニット4自体によって行われ得る。その構築は1つ又は幾つかの直接確率分布のライブラリの形成も含み、ライブラリは前記ユニットのプログラムメモリにあらかじめ設置され及び記憶され、その前記直接確率分布の1つが選択され得る。同様に、前記生理的信号の事前空間又は事前時間確率分布があらかじめ設定されていない場合(図5において参照符号251−n、261−nによって表された状況)、本発明による方法200は、それぞれ事前空間確率分布及び事前時間確率分布を構築するステップ252、262を備える。同様に、表面メッシュがあらかじめ設定されない場合(図5において参照符号211−nによって表される状況)、本発明による方法200は、調べられる器官に関する解剖学的な情報から、前記表面空間を表す表面メッシュを構築するステップ212を備える。代替的又は付加的に、前記生理的信号に対する事後周辺分布があらかじめ設定されていない又は割り当てられていない場合(図5に示されない状況)、本発明は、本発明による方法が、前記事前周辺分布を構築するステップを備えてもよいことを提供する。
本発明による生理的信号を再構築する方法の先に記載されたステップは、確率的アプローチと関連して記載されたが、相変わらず決定論的アプローチの実施に関係している。したがって、前記生理的信号に対する1つ又は幾つかの事後周辺分布を評価するステップ270は、決定論的アプローチに従って、前記生理的信号を再構築するための1つ又は幾つかのコスト関数を評価するステップ270からなってもよい。同様に、割り当て270の前に手動又は自動で実施される設定ステップ240、250、260は、決定論的アプローチに従って、
−考慮されるボクセルに対する動脈/組織/静脈の動態系の生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られ、基本ボリュームにおける実験データと前記表面空間における前記生理的信号とを関係づける直接モデルの作用素を割り当てること240、
−実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の1つ又は幾つかの特性に関する事前情報を導入することによって空間正則化作用素を割り当てること250、
−前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することによって時間正則化作用素を割り当てること260、
からなってもよい。
直接確率分布と同様に、実験データの直接モデルの作用素があらかじめ設定されていない場合(図5において参照符号241−nによって表される状況)、本発明による方法200は、例えば、しかし非限定的に、1つ又は複数の実験データを含む表面空間の解剖学的構造、再構築される生理的信号の性質、1つ又は複数の実験データの取得パラメータ等に関する事前情報に基づいて、直接モデルの前記作用素を構築するステップ242を備える。そのような構築は、好ましくは、1つ又は幾つかの構築パラメータに基づいて、処理ユニット4の処理手段を使用して、処理ユニット4自体によって行われ得る。その構築は直接モデルの1つ又は幾つかの作用素のライブラリの形成も含み、ライブラリはプログラムメモリ及び/又はデータメモリ(一般的に記憶手段と称される)にあらかじめ設置され及び記憶され、その前記直接モデルの前記作用素の1つが選択され得る。同様に、前記生理的信号の事前空間又は時間正則化作用素があらかじめ設定されていない場合(図5において参照符号251−n、261−nによって表される状況)、本発明の方法200は、それぞれ空間正則化作用素又は時間正則化作用素を構築するステップ252、262を備える。
それぞれ決定論的及び確率的アプローチに従って生理的信号を再構築するそのような方法200の第1及び第2の例示的な実施は、有利にしかし非限定的に、本発明による生理的信号のための方法200を説明することを可能とする図5と関連して、本明細書の残りの部分に記載されるだろう。その目的のため、機能的ボリュームの形式の実験データVが各瞬間tに取得される。
決定論的アプローチに従う第1の例示的な実施によれば、経験的な直接モデルは、一方で、特に、表面メッシュの頂点nにおける皮質の生理的信号Aが、各瞬間tに、重みωgeodesic(n,m)に従って、前記表面メッシュの頂点nに近接する頂点mに影響を及ぼすように、皮質柱のニューロンの活動のそれに近接する皮質柱への伝播を表すことで、BOLD信号の生理学的な振舞いを反映するように選択及び定義されている。該重みは、近接する頂点を隔てる測地線距離すなわち表面に沿った距離に反比例する。さらに、前記経験的な直接モデルは、他方で、特に、表面メッシュの頂点nにおける皮質の生理的信号Aが、各瞬間tに、重みωnormal(ν,n)に従って、前記頂点nを囲むボクセルνに影響を及ぼすように、すなわち表面に垂直にボクセルνに影響を及ぼすように、部分体積効果を表すことで、磁気共鳴イメージングシステムによる1つ又は幾つかの実験データの取得中に生じる物理的現象をモデル化するように選択及び定義されている。該重みは、灰白質で最大となり、いったん前記ボクセルが白質及び脳脊髄液に配置されると、前記ボクセルと灰白質との間の距離に反比例する。したがって、垂直及び測地線重みモデルの形式の直接モデルは、次の方程式系
Figure 0006692001
の形式で書くことができる。
したがって、本発明による方法は、重みωgeodesic(n,m)及びωnormal(ν,n)が知られ、基本ボリュームνにおける実験データVと前記表面空間における前記生理的信号Aとを関連付けるサイズNν×Nnの行列の形式の直接モデルMの作用素を割り当てる設定ステップ240を備える。ここで、Nνは、機能的ボリュームとしても知られる、実験データVに含まれるボクセルνの数であり、Nnは表面メッシュの頂点の数である。
さらに、本発明による方法200は、実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することによって、再構築される生理的信号の空間正則化作用素Espatial(A)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ250を備える。ここで、λDは空間正則化係数であり、Aは、再構築される生理的信号の行列であり、Dは、
Figure 0006692001
の形式で書かれた空間正則化行列である。ここで、δi,jはクロネッカーの記号であり、
Figure 0006692001
は表面メッシュの辺の端における2つの頂点間の測地線距離であり、
Figure 0006692001
は正規化項であり、
Figure 0006692001
は表面メッシュの辺ciの端における2つの頂点に相当し、
Figure 0006692001
は、それぞれ、頂点
Figure 0006692001
に直接に近接する頂点の数に相当する。
さらに、本発明による方法200は、前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、時間正則化作用素Etemporal(A)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ260を備える。ここで、λTは時間正則化係数であり、Aは、再構築される生理的信号の行列であり、Tは、
Figure 0006692001
の形式で書かれた時間正則化行列である。ここで、ΔTは、2つの機能的ボリュームの2つの取得の間の時間間隔である。
さらに、本発明による方法200は、前記メッシュの頂点における前記生理的信号Aに対するコスト関数E(V,A)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ270を含む。ここで、
Figure 0006692001
は、ガウスノイズを仮定し、Mを直接モデルの作用素とし、R-1をノイズの共分散行列として、生理的信号Aに適用される直接モデルと実験データVとの間の偏差の尺度となるデータに対応する尤度項であり、
Figure 0006692001
は、あらかじめ設定された空間正則化作用素であり、
Figure 0006692001
は、あらかじめ設定された時間正則化作用素である。
最後に、最適化の目的で、本発明による方法200は、前記メッシュの頂点における前記生理的信号Aに対する前記コスト関数E(V,A)を評価するステップ280を含む。前記コスト関数E(V,A)を評価するそのようなステップ280は、生理的信号Aに従うそのようなコスト関数E(V,A)を最小化することからなり、全エネルギー勾配を最小化し又は0にさえして、次の方程式
Figure 0006692001
を解くことからなる。
最後に、前記コスト関数E(V,A)を評価するステップ280は、図1及び/又は図2と関連して記載されたような機能的イメージング解析システムの処理ユニット4の処理手段による線形共役勾配アルゴリズムの実施によって、次の系
Figure 0006692001
を解くことからなる。
確率的アプローチに従う第2の例示的な実施によれば、経験的な直接モデルは、一方で、特に、表面メッシュの頂点nの皮質の生理的信号Aが、各瞬間tに、重みωgeodesic(n,m)に従って、前記表面メッシュのその近接する頂点mに影響を及ぼすように、皮質柱のニューロンの活動のそれに近接する皮質柱への伝播を表すことで、BOLD信号の生理学的な振舞いを反映するように選択及び定義されている。該重みは、近接する頂点を隔てる測地線距離(すなわち表面に沿った距離)に反比例する。さらに、前記経験的な直接モデルは、他方で、特に、表面メッシュの頂点nにおける皮質の生理的信号Aが、各瞬間tに、重みωnormal(ν,n)に従って、前記頂点nを取り囲むボクセルνに影響を及ぼすように、すなわち、表面に垂直にボクセルνに影響を及ぼすように、部分体積効果を表すことで、磁気共鳴イメージングシステムによる1つ又は幾つかの実験データの取得中に生じる物理的現象をモデル化するように選択及び定義されている。該重みは、灰白質で最大となり、いったん前記ボクセルが白質及び脳脊髄液に配置されると、前記ボクセルと灰白質の間の距離に反比例する。したがって、垂直重み及び測地線モデルの形式の直接モデルは、次の方程式系
Figure 0006692001
の形式で書くことができる。
したがって、本発明による方法は、考慮されるボクセルνに対する重みωgeodesic(n,m)及びωnormal(ν,n)が知られている、前記表面空間における実験データVのサイズNν×Nnの行列の形式の確率分布Mを割り当てる設定ステップ240を備える。ここで、Nνは、機能的ボリュームとしても知られる、実験データVに含まれるボクセルνの数であり、Nnは表面メッシュの頂点の総数である。
さらに、本発明による方法200は、実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前空間確率分布Pspatial(A)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ250を備える。ここで、λDは空間正則化係数であり、1/Zspatialは正規化項であり、Aは、再構築される生理的信号の行列であり、Dは次の形式
Figure 0006692001
で書かれた空間正則化行列である。ここで、δi,jはクロネッカーの記号であり、
Figure 0006692001
は、表面メッシュの辺の端における2つの頂点間の測地線距離であり、
Figure 0006692001
は、空間正則化項Aであり、
Figure 0006692001
は表面メッシュの辺ciの端における2つの頂点に相当し、
Figure 0006692001
は、それぞれ、頂点
Figure 0006692001
の直接に近接する頂点の数に相当する。
さらに、本発明による方法200は、前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前時間確率分布Pspatial(A)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ260を備える。ここで、λTは時間正則化係数であり、1/Ztemporalは正規化項であり、Aは、再構築される生理的信号の行列であり、Tは、
Figure 0006692001
の形式で書かれた時間正則化行列である。ここで、ΔTは2つの機能的ボリュームの2つの取得の間の時間間隔である。
さらに、本発明による方法200は、前記メッシュの頂点における前記生理的信号Aに対する事後周辺分布p(A|V)を、
Figure 0006692001
のように割り当てる設定ステップ270を備える。ここで、
Figure 0006692001
は尤度関数に対応し、
Figure 0006692001
は事前空間確率分布に対応し、
Figure 0006692001
は事前時間確率分布に対応し、前記尤度関数、事前空間確率分布及び事前時間確率分布は、事前に定数の係数を除いて割り当てられる。
最後に、最適化の目的で、本発明による方法200は、前記メッシュの頂点における前記生理的信号Aに対する事後周辺分布p(A|V)を評価するステップ280を備える。前記事後周辺分布p(A|V)を評価するそのようなステップ280は、
Figure 0006692001
又は、
Figure 0006692001
のように、最大事後確率推定を適用することによって、生理的信号Aに従う事後周辺分布p(A|V)を最大化することからなる。最後に、事後周辺分布p(A|V)を評価するステップ280は、図1及び/又は図2と関連して記載されるような機能的イメージング解析システムの処理ユニット4の処理手段による線形共役勾配アルゴリズムの実施によって、次の系
Figure 0006692001
を解くことからなる。
さらに、生理的信号を再構築する方法200は、機能的イメージングによる信号の取得に基づいて前記実験データを生成するステップ230を備えてもよい。機能的イメージング、より詳しくは磁気共鳴イメージングによる、1つ又は幾つかの実験データ、有利に信号の取得は、所与のスライス面において平行六面体のボリュームを規則的にサンプリングすることによって行われ得る。二次元で得られる「画像」としても知られる実験データは、スライスの厚みに相当する厚みを有してボクセルと称されるピクセルで形成される。MRI、より詳しくはfMRIでは、そのような取得は、例えば、エコー時間TE、繰り返し時間TR、傾斜角α、又は反転時間TIのような取得パラメータによって定められる1つ又は幾つかのシーケンスを使用して行われ得る。好ましいが非限定的な例として、プラナーエコー取得シーケンス(「エコープラナー法」又は「EPI」としても知られる)を使用することができる。代替的には、全てのイメージングシステムにおいて一般に提供されるグラジエントエコーシーケンスを使用することができる。
さらに、特に図1及び図2と関連して記載された例において先に明示されたように、本発明による機能的イメージング解析システムは、前記システムのユーザ6への再構築された生理的信号の出力手段5を備え、前記出力手段5は処理ユニット4と協働してもよい。そのような出力手段5は、有利に、図式、音等のレンダリングを可能にし、例えば、画面又はスピーカを備えてもよい。したがって、代替的又は付加的に、本発明による方法200は、有利に、適切なフォーマットでの再構築された生理的信号の出力をトリガする後続ステップ290を備えてもよい。脳に関する好ましいが非限定的である例示的な適用によれば、再構築された生理的信号は有利にBOLD信号である。例えば、再構築された1つ又は複数の生理的信号は、有利に、1つ又は幾つかの動態表面データの形式をとってもよい。実際に、各瞬間に、すなわち実験データに対応する各瞬間に生理的信号が再構築される表面メッシュの各頂点に対して、例えば図1及び図2と関連して先に記載されたような機能的イメージングによる解析信号の出力手段は、その頂点におけるその瞬間の前記生理的信号の値に対応する値を出力することができる。したがって、前記生理的信号の前記1つ又は複数の値は、種々の形式で、特に、非限定的な例として、1つ又は幾つかの時間経過、1つ又は幾つかの動的又は静的テクスチャのような種々の種類の1つ又は幾つかの図式表示で、前記機能的イメージング解析システムの出力手段によって出力され得る。
本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「時間経過」は、時間の関数として振幅曲線によって表現される、関心対象の頂点又はボクセルのような所定の点における生理的信号の時間発展を表す。図7は、特に、同じ頂点におけるそのような時間経過の幾つかの例101、102、103、104の一組100を示す。曲線101は、特に、ある頂点における本来又は基準の生理的信号の時間経過を示す。曲線102は、今度は、前記頂点を含むボクセルにおけるノイズを含む同じ生理的信号の時間経過の図式表示を示す。今度は、曲線103は、特に、同じ頂点における本発明による方法によって再構築された生理的信号の時間経過を示す。最後に、曲線104は、同じ頂点における従来技術による方法によって再構築された生理的信号の時間経過の図式表示を示す。図7の曲線102に関して記載された例によって示されるように、fMRIによって取得された実験データから、ユーザは、主に著しいノイズの存在のため、「肉眼で」生理的信号に関する任意の妥当な情報を抽出することができない。信号の関心対象の変化が非常に小さいため、ノイズは、低いノイズレベルでも、信号に干渉するのに十分であり、生理的信号に関する妥当な情報を得ることを妨げる。図7の曲線103と関連して記載された例によって示されるように、本発明による方法は、図7の曲線104によって証明されるように、再構築された生理的信号の質を、従来技術による方法によって再構築された同じ生理的信号の出力と比較して、改善することを可能とするのみならず、追加の処理を伴わずに、前記再構築された生理的信号に含まれる妥当な情報を読み取る可能性もユーザに提供する。例えば、実験データに含まれるノイズを低減することにより、そのような方法は、一方で血行動態応答関数との畳み込みで得られる実験の範例101を、他方で表面メッシュの関心対象の種々の頂点における前記方法によって再構築された生理的信号の時間経過を表示することによって、ユーザが、前記再構築された生理的信号と、血行動態応答関数との畳み込みで得られた実験の範例との間の相関関係を検出することを可能とする。図7によって証明されるように、図7の曲線103によって示される、本発明による方法によって再構築された生理的信号の時間経過は、本発明による方法が、生理的信号間の空間的相関を提供することを可能とすると同時に、ノイズの影響を減少させ、前記再構築された生理的信号の関心対象の変化の可視性を改善することを可能とするので、前記図7の曲線102によって示される実験の生理的信号の時間経過よりもずっと「明瞭」である。
さらに、本発明の意味において及び本明細書全体を通して、「静的テクスチャ」は、瞬間tに表面メッシュのそれぞれの頂点で生理的信号がとる値の全てとして定義される。同様に、「動的テクスチャ」は、時間的に一連の複数の瞬間tの静的テクスチャとして定義される。図6Aから図6Cは、特に、そのような静的テクスチャの幾つかの例の一組100を示す。最初に、図6Aは、特に、脳及びBOLD信号に関して、本発明による方法を使用して再構築された生理的信号Sの静的テクスチャを示す。同様に、図6Bは、同じく脳及びBOLD信号に関して、同じ本来又は基準の生理的信号Sの静的テクスチャの図式表示を示す。最後に、図6Cは、特に、脳及びBOLD信号に関して、従来技術による方法によって再構築された生理的信号Sの静的テクスチャを示す。図6Aによれば、図6Bと関連して記載される実験BOLD信号、及び従来技術による方法によって再構築されたBOLD信号と比較して、本発明による方法により再構築及び出力されたBOLD信号は、より良く空間的に定められ、前記BOLD信号の振幅は従来技術より明らかにより良く回復している。
代替的又は付加的に、機能的イメージング、より具体的に機能的磁気共鳴によって得られ及び取得される1つ又は幾つかの実験データ又は信号の質だけでなく、再構築された生理的信号の質及びロバスト性も改善させるため、本発明による方法200は、実験データを前処理する1つ又は幾つかの事前ステップ(図示されていない)も備え、前記ステップは、前記実験データを補正するように設けられてもよい。
実際に、磁気共鳴イメージングは、他の全ての医用イメージング技術のように、アーティファクト情報を免れない。アーティファクトは、いかなる解剖学的又は物理的な実体も表さない観測可能な像である。非常に頻繁に、特定の取得又は再構築パラメータを修正することによって、アーティファクトを回避又は最小化しようとする。そのようなアーティファクトは、実際に、様々な種類のものであるかもしれない。さらに、機能的磁気共鳴イメージング取得システム、より一般に機能的イメージングも、得られた実験データに影響を及ぼすかもしれない。実際に、一般的に画像の形式のfMRI実験データは、非限定的に、取得の継続期間、信号対雑音比、取得されるボリュームのサイズ、空間分解能又は時間分離能等の任意の相互に依存する基準間の折合いから結果として生じる。
非限定的な例として、1つ又は幾つかの実験データを補正するそのようなステップは、
−剛体変換(ユークリッド空間の3つの軸に沿った3つの平行移動及び3つの回転)に対応する6つのパラメータを推定するステップと、トライリニア補間法、サイン補間法、又はB−スプライン補間法を使用して、推定されたデータを変換するステップとを備える連続する2つのステップを使用して、患者がシーケンスの取得中に十分にじっとしていない場合、特に頭部の動きを補正する(再位置合わせ)ステップ、
−時間補間ステップを使用して、時間のずれ、又はスライス間の時間再調整(「スライスタイミング」としても知られる)を補正し、同じ実験データの全てのスライスが同時に取得されるとみなすことを可能とするステップ(実際に、実験データのスライスの取得は同時に行われておらず、前記取得の継続期間は繰り返し時間TRに依存し、同じスライスに含まれる信号は時間のずれを明らかに示すかもしれない)、
−実験データ(「機能データ」としても知られる)と被験者の解剖学的データを整合させることを可能とする解剖学的及び機能的再調整ステップ、
−一般に磁気共鳴の実験信号に影響する、磁気共鳴イメージング装置内で印加される磁界B1の不均一性による幾何学的な偏り及び歪みを補正するステップ、
からなってもよい。
さらに、先に明示されたように、本発明は、本発明による方法が、表面メッシュを前処理する事前ステップ(図示されていない)を備え、前記ステップが、前記表面メッシュを再調整するように設けられてもよいことを提供する。実際に、最終的に生理的信号を再構築するため、実験データと表面メッシュを整合させる必要があるかもしれない。したがって、表面メッシュは、有利に、1つ又は複数の実験データの座標系に再配置されてもよい。非限定的な例として、前記表面メッシュを再調整するステップは、先に記載された再調整ステップ、例えば剛体再調整ステップに類似する1つ又は幾つかの再調整ステップを備えてもよい。
本発明は、更に、関心対象の領域の生理的信号の再構築をもたらす方法200に関する。「関心対象の領域」は、関心対象の少なくとも1のボクセルにわたって広がる任意の領域を表す。それにもかかわらず、関心対象の領域は、単一のボクセルに限定され得ず、有利に手動又は自動で選択される複数のボクセルを含んでもよい。本発明によれば、前記生理的信号は、特に図5に関して先に記載されたような本発明による方法200を使用して、1つ又は幾つかの実験データから、前記関心対象の領域に関係する少なくとも2つの頂点において、前記頂点のそれぞれに対して、再構築されてもよい。前記方法200は、図1及び/又は図2に従う、機能的イメージング解析システム、より詳しくは磁気共鳴イメージングシステムの処理ユニット4の処理手段によって実施される。
さらに、特に図1及び図2と関連して記載された前記例で先に明示されたように、本発明による機能的イメージング解析システムは、前記システムのユーザ6への再構築された生理的信号の出力手段5を備え、前記出力手段5は処理ユニット4と協働してもよい。そのような出力手段5は、有利に、図式、音等のレンダリングを可能にし、例えば画面又はスピーカを備えてもよい。したがって、代替的又は付加的に、本発明による方法200は、有利に、関心対象の領域の各ボクセルに対するメッシュの1つ又は幾つかの頂点における再構築された生理的信号の出力をトリガし、適切なフォーマットで、機能的活動マップの形式で、前記生理的信号の再構築に基づいて画像を生成する後続ステップを含んでもよい。そのような機能的活動マップの生成は、本発明の第1の目的に従う生理的信号を構築する方法に続く第2の方法によって実施され、例えば一般線形モデル(「GLM」と略記される)を使用する方法に基づく。脳と関連する好ましい例示的な適用の範囲内で、そのような機能的活動マップは、BOLD信号の再構築に基づくニューロンの活性化の検出を可能とする。図8A、図8B及び図8Cは、好ましいが非限定的である例示的な適用の範囲内で、ここでは脳に関して、生成された機能的活動マップの3つの例を示す。図8Aは、本発明による方法を使用して再構築されたBOLD信号から生成されて出力されたニューロンの活動マップを示す。図8Bは、今度は、本来又は基準のBOLD信号に基づくニューロンの活動マップを示す。最後に、図8Cは、従来技術による方法を使用して再構築されたBOLD信号から生成されて出力されたニューロンの活動マップを示す。図8Aによれば、ニューロンの活動マップの活性領域Aは、図8Bによって表される基準座標系に照らして図8A及び図8Cを比較することにより示されるように、従来技術による方法によって得られるものよりも、ずっとはっきりと見え、ずっと良好に得られる。
先に記載された生理的信号の新たな再構築及び/又は前記再構築された生理的信号の出力のおかげで、本発明は、ユーザ、場合によって医師に対して、全く妥当で首尾一貫した情報、すなわち本発明による方法の使用により入手可能な情報を提供することを可能とする。この提供は、そのような処理ユニット4の処理手段が、特に、前記器官のボクセルの1つ又は幾つかの実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づく前記生理的信号の再構築を備える、関心対象のボクセル又は領域の生理的信号を再構築する方法を実施する点で、図1又は図2の処理ユニット4の適合よって可能となる。そのような実施は、有利に、場合によって処理ユニット4内に含まれ、前記処理手段と協働する記憶手段内へのコンピュータプログラム製品のロード又は記録によって可能となる。コンピュータプログラム製品は、実際に、前記処理手段によって解釈可能及び/又は実行可能な命令を備える。前記命令の解釈又は実行は、自動で、本発明による方法200の実施をもたらし又はトリガする。前記処理ユニットの外界と通信するための手段は、好ましいが非限定的な例として、BOLD信号のような生理的信号を、ユーザ6にそれを出力することができる出力手段に適したフォーマットで、伝達することができる。前記再構築された生理的信号は、有利に、例えば、図6A、図7及び図8Aによって先に表され及び示された例のような、時間経過、静的もしくは動的テクスチャ、又は機能的活動マップの形式で出力され得る。本発明によれば、伝達される情報は、より多く、首尾一貫し、再現可能で、正確である。

Claims (10)

  1. 表面空間における器官の動脈/組織/静脈系の生理的信号を再構築するための方法(200)であって、前記方法(200)は機能的イメージング解析システムの処理ユニット(4)の処理手段によって実施され、前記方法(200)は、前記器官のボクセルと称される基本ボリュームを含む関心対象の領域の実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づいて前記生理的信号を再構築するステップ(270)を備え、
    前記ステップは、
    当の前記ボクセルに対する前記動脈/組織/静脈の動態系の前記生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られている、前記表面空間における前記実験データの直接確率分布を割り当てること(240)と、
    前記実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は前記動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前空間確率分布を一緒に割り当てること(250)と、
    前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、前記生理的信号の事前時間確率分布を一緒に割り当てること(260)と、
    によって、逆問題を解くための方法に従って、前記メッシュの頂点における前記生理的信号に対する事後周辺分布を評価すること(280)からなることを特徴とする方法(200)。
  2. 表面空間における器官の動脈/組織/静脈系の生理的信号を再構築するための方法(200)であって、前記方法(200)は機能的イメージング解析システムの処理ユニット(4)の処理手段によって実施され、前記方法(200)は、ボクセルと称される基本ボリュームを含む関心対象の領域の実験データ、及び前記表面空間を表す表面メッシュに基づいて前記生理的信号を再構築するステップを備え、
    前記ステップは、
    当の前記ボクセルに対する前記動脈/組織/静脈の動態系の前記生理的信号の再構築問題に関係するパラメータが知られ、前記基本ボリュームにおける前記実験データと前記表面空間における前記生理的信号とを関係づける直接モデルの作用素を割り当てること(240)と、
    前記実験データの特徴に関する事前情報、及び/又は前記動脈/組織/静脈の動態系の特性に関する事前情報を導入することにより、空間正則化作用素を一緒に割り当てること(250)と、
    前記動脈/組織/静脈の動態系のインパルス応答に関する事前情報を導入することにより、時間正則化作用素を一緒に割り当てること(260)と、
    によって、逆問題を解くための方法に従って、前記メッシュの頂点における前記生理的信号に対するコスト関数を評価すること(270)からなることを特徴とする方法(200)。
  3. 機能的イメージングによる信号の取得に基づいて前記実験データを生成するステップ(230)を更に備える、請求項1又は2に記載の方法(200)。
  4. 前記機能的イメージング解析システムは、前記システムのユーザ(6)への前記再構築された生理的信号の出力手段(5)を備え、前記出力手段(5)は前記処理ユニット(4)と協働し、前記方法は、適切なフォーマットでの前記再構築された生理的信号の出力をトリガする後続ステップ(290)を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法(200)。
  5. 前記実験データ及び/又は前記表面メッシュを前処理する事前ステップを更に備え、前記ステップは、前記実験データ及び/又は前記表面メッシュをそれぞれ補正及び/又は再調整するように設けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法(200)。
  6. 前記機能的イメージング解析システムが前記システムのユーザ(6)への出力手段(5)を備える場合、前記出力手段(5)は前記処理ユニット(4)と協働し、
    前記関心対象の領域の各ボクセルに対する前記メッシュの1つ又は幾つかの頂点における前記再構築された生理的信号の出力をトリガし、機能的活動マップの形式で画像を生成する後続ステップを更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法(200)。
  7. 機能的イメージング解析システムの処理ユニット(4)であって、前記ユニット(4)は、外界と通信する手段及び処理手段を備え、記憶手段と協働し、
    前記通信手段は、外界から、器官の基本ボリュームからの実験データを受け取るように構成され、
    前記記憶手段は、前記処理手段によって実行可能又は解釈可能な命令を備え、前記処理手段による前記記憶手段の前記命令の解釈又は実行は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法(200)の実施をもたらす、
    ことを特徴とする処理ユニット(4)。
  8. 前記通信手段は、再構築された生理的信号を、ユーザ(6)がそれを回収するのに適した出力手段(5)に適切なフォーマットで、伝達する、請求項7に記載の処理ユニット(4)。
  9. 請求項7又は8に記載の処理ユニット(4)と、前記処理ユニット(4)によって実施される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法(200)を使用してユーザ(6)に生理的信号を出力し得る出力手段(5)とを備える機能的イメージング解析システム。
  10. 請求項7又は8に記載の処理ユニット(4)の前記処理手段によって解釈可能又は実行可能である1つ又は幾つかの命令を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記処理ユニット(4)は、記憶手段を更に備えるか又はそのような記憶手段と協働し、前記プログラムは前記記憶手段にロード可能であって、
    前記処理手段による前記命令の解釈又は実行は請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法(200)の実施をもたらすことを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
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