JP6691417B2 - 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置 - Google Patents

符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6691417B2
JP6691417B2 JP2016076909A JP2016076909A JP6691417B2 JP 6691417 B2 JP6691417 B2 JP 6691417B2 JP 2016076909 A JP2016076909 A JP 2016076909A JP 2016076909 A JP2016076909 A JP 2016076909A JP 6691417 B2 JP6691417 B2 JP 6691417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color space
color
signal
conversion
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016076909A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017188809A (ja
Inventor
幸大 菊地
幸大 菊地
岳士 梶山
岳士 梶山
英一 宮下
英一 宮下
渓 小倉
渓 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Broadcasting Corp filed Critical Japan Broadcasting Corp
Priority to JP2016076909A priority Critical patent/JP6691417B2/ja
Publication of JP2017188809A publication Critical patent/JP2017188809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6691417B2 publication Critical patent/JP6691417B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置に関し、特に、原画像による、3つの色素信号(コンポーネント信号)からなる色空間を、それとは別の色空間に変換し、これにより得られた変換信号を圧縮して符号化する符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置に関するものである。
従来より、R、G、Bの各色成分のサンプル比が等しいR、G、B 4:4:4の画像や動画像
等を圧縮する場合には、人間の視覚特性に基づいた、YCbCr等の色空間の他、自然画像が
有する特有の色成分の統計的相関に基づいた色空間(下記特許文献1を参照)に変換することができることが知られている。
すなわち、上記R、G、B 4:4:4画像の圧縮は、圧縮処理の前処理として走査線やフレー
ム等のデータの一部を削除する削除処理(色間引き処理と称する場合もある)を行うことがないので、R、G、Bの3色成分の解像度が等しい状態で他の色空間に変換することができる。
この変換される色空間として、上述した視覚特性に基づく色空間であるYCbCr等の色空
間も好適に使用されているが、符号化効率が良い反面、変換時丸め誤差が大きい点が難点とされており、原画像を良好に保持するという点では問題がある。
一方、上述した統計的相間に基づく色空間であるYCoCg等の色空間は、視覚特性に基づ
く色空間以上に符号化効率の点で優れ、また、変換時丸め誤差も小さくできる、または無くすことができる点で利点がある、とされている。
ところで、上記統計的相間に基づく色空間に属するYCoCgの色空間は、原画像が、評価
画像、すなわち、理想的な照明光により照明された被写体の撮影画像から変換される場合を基準として設計された変換式となっている。
以下に、R、G、B 4:4:4の色空間の信号成分を、YCoCgの色空間の信号成分に変換する変換式(1)を示す。

………(1)
このようなYCoCgの色空間においては、4:4:4圧縮を行った場合にも高画質で伝送や記録を行うことが可能である。
特許第3753782号
しかし、理想的ではない照明下での撮影画像においては、照明条件により、R、G、B
成分のうち特定成分のS/Nが劣化する場合があり、このように特定成分にノイズが多く含
まれている場合に、例えば上述したYCoCgの色空間への色変換を行うと、この特定成分の
ノイズが、変換後の各成分に伝搬する。このノイズは画像に対して冗長な高周波成分となるため符号化後の画質が大幅に劣化する。
このことを下式(2)に基づいて説明する。
すなわち、下式(2)は、B成分のS/Nが劣化した場合における色空間YCoCgへの変換式を示すものであり、BはBの信号成分、BはBのノイズ成分を示すものである。
下式(2)によれば、Bのノイズ成分であるBが、色差成分Cgのみならず、輝度成分Y、および色差成分Coにも伝搬してしまう。

………(2)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、取得された第1の色空間画像を4:4:4圧
縮して伝送や記憶をさせる場合に、第1の色空間の中の特定成分のS/Nが劣化していたと
しても、変換された色空間の各成分に伝搬しないようにして、符号化効率を改善することができる符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置を提供することを目的とするものである。
前述した本発明の目的は、以下のように構成された符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置により達成される。
すなわち、本発明の符号化装置は、
複数の色要素信号が形成する第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理を行う符号化装置であって、
前記第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の種類と大きさに基づく被判定値αを求める被判定値演算手段と、
求められた前記被判定値αを所定の判定閾値と比較し、その比較結果に基づいて、色空間変換に用いる変換式を選択する変換式選択手段と、
選択された変換式を用い、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する色空間変換手段と、
変換した第2の色空間の信号成分について、所定の符号化技術を用い、4:4:4のデータ
圧縮を行って符号化信号を生成する符号化信号生成手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
また、前記第1の色空間から得られた画像がR,G,B 4:4:4の画像であり、前記2つの色
差成分がR-GおよびB-Gの2つの色差成分であることが好ましい。
また、前記色差成分R-Gの指標は、色要素信号Rの所定ブロック毎の分散値と色要素信
号Gの所定ブロック毎の分散値との差の総和であるAR−Gで表され、前記色差成分B-G
の指標は、色要素信号Bの所定ブロック毎の分散値と色要素信号Gの所定ブロック毎の分散値との差の総和であるAB−Gで表され、
前記被判定値αは、下式(A)で表され、

この被判定値αの値と所定の判定閾値Athとを比較し、その比較結果に基づいて、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する変換式を選択することが好ましい。
また、前記被判定値αと前記判定閾値Athとの比較結果において、
|α|<Athの場合は、YCoCgの色空間に変換するための第1の変換式を選択し、
α≦−Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Bのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第2の変換式を選択し、
α≧Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Rのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第3の変換式を選択するように、設定されていることが好ましい。
また、前記第2の変換式および前記第3の変換式の一般式が下式(B)で表されることが好ましい。

………(B)
ただし、Yr + Yg + Yb = 1 であり、 C1r + C1g + C1b = 0 であり、
C2r + C2g + C2b = 0である。
また、R、G、Bのうち1つの成分に対応する係数が全て0 (Yr=C1r=0、またはYb=C1b=0、またはYg=C1g=0)である。
また、前記第1の変換式が、下式(C)で表され、
前記第2の変換式が、下式(D)で表され、
前記第3の変換式が、下式(E)で表される、ことが好ましい。

………(C)

………(D)

………(E)
また、本発明の復号化装置は、
上述したいずれかの符号化装置から、前記符号化信号と、この符号化信号に付随する、前記符号化装置において選択された変換式の情報を取得し、取得された該符号化信号および該変換式の情報に基づき、第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理された信号を復号化する復号化装置であって、
データ圧縮された符号化信号を復号化して復号化信号を得る復号化信号生成手段と、
得られた該復号化信号に対し逆変換式を用いて逆変換して、前記第1の色空間の信号成分を得る色空間逆変換手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
さらに、本発明の符号化・復号化装置は、
複数の色要素信号が形成する第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理を行う符号化装置であって、
前記第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の種類と大きさに基づく被判定値αを求める被判定値演算手段と、
求められた前記被判定値αを所定の判定閾値と比較し、その比較結果に基づいて、色空間変換に用いる変換式を選択する変換式選択手段と、
選択された変換式を用い、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する色空間変換手段と、
変換した第2の色空間の信号成分について、所定の符号化技術を用いて4:4:4のデータ
圧縮を行って符号化信号を生成する符号化信号生成手段と、
データ圧縮された符号化信号を復号化して復号化信号を得る復号化信号生成手段と、
得られた該復号化信号に対し、逆変換式を用いて逆変換して、前記第1の色空間の信号成分を復元する色空間逆変換手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
本発明の符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置によれば、第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の種類および大きさに基づく被判定値αを求め、この後、求められた上記被判定値αを所定の判定閾値と比較し、その比較結果に基づいて、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する変換式を選択するようにしており、ノイズ成分の種類および大きさに応じて、このノイズ成分の伝搬が抑制されるような変換式を選択しているので、1つの変換式を用いて種々の第1の色空間の信号成分から第2の色空間の信号成分を構築していた従来技術と比べ、特定の色成分のS/Nが劣化している原画像が得られた場合であっても、簡易にノイズ伝搬を抑制するこ
とができる。
これにより、種々のノイズ態様の画像のいずれについても、符号化効率が良好な第2の色空間を構築することができ、この後、第1の色空間の信号成分を復元したときにも、画
質が良好なものとすることができる。
本発明の実施形態に係る符号化装置、復号化装置および符号化・復号化装置の構成を示すブロック図である。 各画像を色空間YCoCgにおいて4:4:4圧縮をした場合のS/Nの変化((a)はITE評価画像(Books)、(b)は室内の理想的な照明下における自然画像、(c)は屋外における理想的ではない太陽光照明下における自然画像(Expressway))を示すグラフである。 本実施形態における変換式(Bのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第2の変換式)を用いて変換された色空間(YCC)において4:4:4圧縮をした場合のS/Nの変化((a)はITE評価画像(Books)、(b)は室内の理想的な照明下における自然画像、(c)は屋外における、理想的ではない太陽光照明下における自然画像(Expressway))を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る符号化装置において、色空間変換式の選択が行なわれる流れを示す概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る符号化装置、復号化装置および符号化・復号化装置を図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の符号化装置10は、複数の色要素信号(例えば、R,G,B色成分信号)が形成する第1の色空間(例えば、R,G,B 4:4:4色空間)を第2の色空間(下述する例ではYCoCg色空間またはYCC色空間)に変換して圧縮処理を行うものである。
その構成は、第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分(例えば、R-GおよびB-Gの2つの色差成分であることが好ましい)を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の大きさに基づく被判定値αを求める(例えば、図4に示す変換式判定手法を参照のこと)被判定値演算手段11と、この求められた被判定値αを所定の判定閾値Athと比較し、その比較結果に基づいて、色空間変換に用いる変換式を選択する(例えば、図4に示す変換式判定手法を参照のこと)変換式選択手段12と、選択された変換式を用い、第1の色空間の信号成分を第2の色空間の信号成分に変換する色空間変換手段13と、変換した第2の色空間の信号成分について、所定の符号化技術(例えば、AVC/H.264、JPEG-XR、JPEG等)を用いてデータ圧
縮を行って符号化信号を生成する符号化信号生成手段14と、を備えている。
一方、本実施形態の復号化装置20は、符号化装置10から送信された、符号化信号と、この符号化信号に付随する、符号化装置10において決定された変換式の情報を取得し、取得された符号化信号および該変換式の情報に基づき、圧縮処理された信号成分を伸張処理し、この後、第2の色空間(下述する例ではYCoCg色空間およびYCC色空間とされている)を、逆変換式(後述する逆変換式(9)、(11)、(13)等)により逆変換して第1の色空間(例えば、R,G,B 4:4:4色空間)の信号成分を復元するものである。
その構成は、データ圧縮された符号化信号を復号化して復号化信号を得、圧縮されていたデータを伸張して第2の色空間の信号成分を得る復号化信号生成手段21と、得られた第2の色空間の信号成分に対して逆変換行列を用いて逆変換して、第1の色空間の信号成分を復元する色空間変換手段22と、を備えたものとなっている。
さらに、本実施形態に係る符号化・復号化装置30は、上記符号化装置10および復号化装置20を一体化した装置である。
なお、上記色差成分R-Gは、色要素信号Rの所定ブロック毎の分散値と色要素信号Gの
所定ブロック毎の分散値との差(対応するブロック毎の分散値の差の総和)であるAR−Gで表され、上記色差成分B-Gは、色要素信号Bの所定ブロック毎の分散値と色要素信号
Gの所定ブロック毎の分散値との差(対応するブロック毎の分散値の差の総和)であるAB−Gで表されることが好ましく、また、被判定値αは、下式(A)で表されることが好ましい。
また、このαの値と所定の判定閾値Athとを比較し、その比較結果に基づいて、第1の色空間を第2の色空間に変換することが好ましい。
また、上記被判定値αと判定閾値Athとの比較において、
|α|<Athの場合は、YCoCgの色空間に変換するための第1の変換式を選択し、
α≦−Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Bのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第2の変換式を選択し、
α≧Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Rのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第3の変換式を選択するように、設定されていることが好ましい。
ここで、上記第2の変換式および上記第3の変換式の一般式が下式(B)で表されるように設定することが好ましい。

………(4)
ただし、Yr + Yg + Yb = 1 であり、 C1r + C1g + C1b = 0 であり、
C2r + C2g + C2b = 0である。
また、R、G、Bのうち1つの成分に対応する係数が全て0 (Yr=C1r=0、またはYb=C1b=0、またはYg=C1g=0)である。
また、この場合において、
第1の変換式が、下式(5)であり、
第2の変換式が、下式(6)であり、
第3の変換式が、下式(7)である、ことが好ましい。

………(5)

………(6)

………(7)
ところで、第2の色空間としてYCoCgの色空間を採用した場合には、自然画像の色相関
が満足されており、変換時の丸め誤差を抑制する設計となっているので、符号化効率が向上し、第1の色空間における原信号の特徴を保持することが容易である。また、加算器とビットシフタのみで実装することが可能であるから、装置の製作が容易という利点も有する。
しかしながら、一部の画像、例えば、屋外において太陽光によって照明された風景を撮影したような画像(例えば、頻繁に評価画像のサンプルとして用いられる、ある風景画像(Expressway))においては、特定成分のS/Nが大幅に低下し、色相関が保たれなくなる
ため、符号化後の画質が極端に劣化する傾向があり、改善すべき問題とされていた。
このことを、図2(a)、(b)、(c)に示すグラフにより説明する。なお、グラフの縦軸のPSNR(Peak signal-to-noise ratio)は、ピーク比のS/Nを示すものである(本願
明細書および図に示す他のPSNRにおいて同じ)。
すなわち、図2(a)、(b)、(c)に示すグラフは、いずれも各画像を色空間YCoCgにおいて4:4:4圧縮(JPEG 4:4:4圧縮)をした場合のPSNRの変化を示すものであり、その画像が、(a)はITE評価画像(Books)、(b)は室内の理想的な照明下における自
然画像、(c)は屋外における理想的ではない太陽光照明下における自然画像(Expressway))である。
このグラフは、通常、テレビ、ビデオ画像信号のJPEG圧縮等に使用される色空間YCbCr
で行った場合と比較して、PSNRが改善されているか、あるいは劣化しているかを判定するものであるが、画像(a)、(b)がYCbCrに対して改善されているのに対して、画像(
c)はYCbCrに対して大幅に劣化していることが明らかである。
したがって、YCoCgは、上記(a)、(b)等の画像に対しては有効であるが、上記(
c)等の画像に対しては有効ではないことが理解できる。
このことは、YCoCgの色空間への変換は、評価画像(理想的な照明下での被写体)を元
に設計された変換式(上述した式(5))を用いており、実際の撮影においては、光源条件によっては特定成分(多くの場合はB成分であるが、R成分の場合もある)のS/Nが劣
化する場合があることが要因になっており、各成分のノイズ(例えばB成分のノイズBn)が変換後の全成分に伝搬することが要因となっている。
このことを、下式(8)を用いて説明する。

………(8)
なお、色空間を復元するときに用いる逆変換式を下式(9)に示す。

………(9)
なお、上式(8)において、BはBの信号成分、BはBのノイズ成分を示すものであるが、Bの輝度成分Y、色差成分Cgおよび色差成分Coのいずれにも、このノイズ成分Bが、各々1/4、−1/2、−1/4を乗じた状態で伝搬してしまう。
すなわち、色差成分Cgのみならず、輝度成分Yや色差成分Coも冗長な高周波成分が伝搬してしまう。
そこで、本実施形態においては、Bのノイズ成分が大きいときには、下式(10)に示す変換式を用いて、第2の色空間YCCに変換するようにしている。

………(10)
このYCC変換式(10)は、上記YCoCg変換式の特徴を保持するように、すなわち、丸め誤差が抑制され、実装の容易さが担保されるように設定された上で、B成分のノイズが輝度信号Yおよび色差信号Cに伝搬しないように設定されている。
すなわち、上式(10)から明らかなように、輝度成分Yにおいて、B成分(B成分およびB成分のいずれも)の係数は0であるから、B成分と輝度成分Y(=R+G)の相関が排除されることになる。これにより、B成分は色差成分Cに集中し、輝度成分Yと色差成分Cに伝搬されず、輝度成分Yと色差成分Cは、R成分およびG成分のみから生成されることになる。
なお、上式(10)により変換された色空間を復元するときに用いられる逆変換式を下式(11)に示す。

………(11)
また、図3(a)、(b)、(c)に示すグラフは、上述した図2(a)、(b)、(c)に示すグラフと同様に、いずれも上記変換式(10)を用いて変換された色空間YCCの画像において4:4:4圧縮(JPEG 4:4:4圧縮)をした場合のPSNRの変化を示すものであり、その画像が、(a)はITE評価画像(Books)、(b)は室内の理想的な照明下に
おける自然画像、(c)は屋外における理想的ではない太陽光照明下における自然画像(Expressway))である。
このグラフは、色空間YCbCr で行った場合と比較して、PSNRが改善されているか、あるいは劣化しているかを判定するものであるが、画像(a)、(b)においては本実施形態のもの(Proposed)が色空間YCbCrや色空間YCoCg に対して劣化しているものの、画像(
c)においては本実施形態のもの(Proposed)が色空間YCbCrや色空間YCoCgに対して大幅に改善されていることが明らかである。
このように、Bのノイズ成分が大きいときには、上記変換式(10)を用いて、第2の色空間YCCに変換することが有効であることが明らかである。
一方、本実施形態においては、Rのノイズ成分が大きいときには、下式(12)に示す変換式を用いて、第2の色空間YCCに変換するようにしている。
………(12)
このYCC変換式(12)は、上記色空間YCoCg変換式の特徴を保持するように、すなわち、丸め誤差が抑制され、実装の容易さが担保されるように設定された上で、R成分のノイズが輝度信号Yおよび色差信号Cに伝搬しないように設定されている。
すなわち、上式(12)から明らかなように、輝度成分Yにおいて、R成分(R成分およびR成分のいずれも)の係数は0であるから、B成分と輝度成分Y(=B+G)の相関が排除されることになる。これにより、R成分は色差成分Cに集中し、輝度成分Yと色差成分Cに伝搬されず、輝度成分Yと色差成分Cは、B成分およびG成分のみから生成される。
なお、上式(12)により変換された色空間を復元するときに用いられる逆変換式を下式(13)に示す。

………(13)
このように、Bのノイズ成分が大きいときに上記変換式(10)を用いて第2の色空間YCCに変換することが有効であるのと同様に、Rのノイズ成分が大きいときには上記
変換式(12)を用いて第2の色空間YCCに変換することが有効である。
図4は、本実施形態に係る符号化装置において、色空間変換式の選択を行う手法を示す概略図である。
図4に示すように、第1の色空間により定義されるRGB 4:4:4の原画像100から2つの色差成分(R-G成分 ,B-G成分)を生成し、このうちRの分散値からGの分散値を引いた値の総和AR−Gと、Bの分散値からGの分散値を引いた値の総和AB−Gとを得る。AR−Gの測定演算はAR−G測定演算手段102により、また、AB−Gの測定演算はAB−G測定演算手段101により得る。
なお、AR−Gの測定演算およびAB−Gの測定演算においては、R,G,B3色の各色成分について、符号ブロック(例えば8×8画素)毎の分散を積分することにより得ることになる。換言すれば、上記AR−Gは、Rのノイズ成分の大きさを示唆する表示値ということになり、上記AB−Gは、Bのノイズ成分の大きさを示唆する表示値ということになる。
この後、上記測定演算により得られた上記AR−GおよびAB−Gを用いて、下式(14)により計算される被判定値αを得る。
上式(14)においては、Rのノイズ成分が大きくなり過ぎると、AR−G−AB−Gの値は絶対値の大きな正の値となるので、被判定値αも絶対値の大きな正の値となる。一方、Bのノイズ成分が大きくなり過ぎると、AR−G−AB−Gの値は絶対値の大きな負の値となるので、被判定値αも絶対値の大きな負の値となる。
前述したように、Bのノイズ成分が大きいときには、上記変換式(10)を用いて第2の色空間に変換することが有効であり、Rのノイズ成分が大きいときには上記変換式(12)を用いて第2の色空間に変換することが有効であるという結論が得られているので、被判定値αが絶対値の大きな正の値となったときには上述した変換式(12)を用いて第2の色空間への変換処理を行ない、一方、被判定値αが絶対値の大きな負の値となったときには上述した、変換式(10)を用いて第2の色空間への変換処理を行なえばよいことになる。
なお、被判定値αの絶対値が小さいときには、第2の色空間であるYCoCgに変換する、
上述した変換式(8)を用いて変換処理を行なえばよいことになる。
このような判断に基づき、本実施形態の符号化装置に関しては、色空間判定手段103において、経験則により得られた判定閾値Athを設定し、被判定値αと判定閾値Athの大小関係によって、第1の色空間から第2の色空間への変換処理を行なうための変換式
を、上式(8)、上式(10)および上式(12)のいずれにするかを選択するようになっている。
すなわち、|α|<Athの場合は、YCoCgの色空間に変換するための上式(8)を選
択し、α≦−Athの場合は、Bのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された上式(10)を選択し、α≧Athの場合は、Rのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された上式(12)を選択するように設定されている。
これにより、種々のノイズ態様の画像のいずれについても、符号化効率が良好な第2の色空間を構築することができ、この後、第1の色空間の画像信号に復元したときにも、画質が良好なものとすることができる。
下表1は、上述した本実施形態手法を用いて色空間変換式を選択する際の判定手法および画像品質の良否を示すものである。
ここで、表1中、コンテンツAはITE評価画像として知られている“Books”の画像であり、コンテンツBはITE評価画像として知られている“Stained glass”の画像であり、コンテンツCは前述した“Expressway”の画像であり、コンテンツDは畑の風景画像を示すものである。
なお、ここでは、判定閾値Athは、0.3に設定されている。
上述したコンテンツA、Bについては、いずれも被判定値αの絶対値が0.3よりも小さ
いので、色空間YCoCgが第2の色空間として選択される(変換式(8)が用いられる)。
この場合のBD-PSNRは、各々+0.35、+0.38と良好である。
また、コンテンツC、Dについては、いずれも-0.3(-Ath)よりも小さいので、変
換式(10)が選択され第2の色空間YCCへの変換がなされる。この場合のBD-PSNRは、各々+0.60、+0.93と良好である。
なお、本発明の撮像装置としては上記実施形態のものに限られるものではなく、その他
の種々の態様のものに変更が可能である。
例えば、被判定値の決定手法としては上記実施形態のものに限られるものではなく、Rのノイズ成分やBのノイズ成分の大きさを反映しうる種々の被判定値を設定することがで
きる。また、上記実施形態においては記載されていないが、Gのノイズ成分を考慮した被判定値を設定するようにしてもよい。
また、判定閾値としては、経験則に基づき、あるいは科学的根拠に基づいて得られる種々の値を適宜、設定することができる。
また、上記変換式についても、上述した3種のタイプのものに限られず、被判定値と判定閾値の大小関係によって、2種のタイプ、あるいは4種以上のタイプから選択できるようにしてもよい。
また、YCoCgの色変換式に替えて他の変換式を用いることも可能であり、例えば参考文
献1(「JPEG, JPEG-LS 及びJPEG XR における色変換の効果」:加治佐 清:鹿児島工業
高等専門学校研究報告 47(2012)17〜25)の「2.2 JPEG-LS」の項に記載された変換式を用いることも可能である。
また、ノイズ判定の具体例としても実施形態のものに限られるものではなく、例えば参考文献2(「ディジタルスチルカメラ用画像符号化方式」:佐々木 実等:テレビジョン
学会誌Vol.46, No.3, pp.300〜307 (1992 ))の「4.3(2) アクティビティ」の項に記載されたアクティビティをノイズ判定に用いることが可能である。
なお、上記符号化装置および復号化装置を1セットとして、処理を複数セット繰り返して行うようにすることもできる。
10 符号化装置
11 被判定値演算手段
12 変換式選択手段
13 色空間変換手段
14 符号化信号生成手段
20 復号化装置
21 復号化信号生成手段
22 色空間逆変換手段
30 符号化・復号化装置
100 R,G,B 4:4:4の原画像
101 AR−G測定演算手段
102 AB−G測定演算手段
103 色空間判定手段

Claims (8)

  1. 複数の色要素信号が形成する第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理を行う符号化装置であって、
    前記第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の種類と大きさに基づく被判定値αを求める被判定値演算手段と、
    求められた前記被判定値αを所定の判定閾値と比較し、その比較結果に基づいて、色空間変換に用いる変換式を選択する変換式選択手段と、
    選択された変換式を用い、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する色空間変換手段と、
    変換した第2の色空間の信号成分について、所定の符号化技術を用い、4:4:4のデータ
    圧縮を行って符号化信号を生成する符号化信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする符号化装置。
  2. 前記第1の色空間から得られた画像がR,G,B 4:4:4の画像であり、前記2つの色差成分
    がR-GおよびB-Gの2つの色差成分であることを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
  3. 前記色差成分R-Gの指標は、色要素信号Rの所定ブロック毎の分散値と色要素信号Gの
    所定ブロック毎の分散値との差の総和であるAR−Gで表され、前記色差成分B-Gの指標
    は、色要素信号Bの所定ブロック毎の分散値と色要素信号Gの所定ブロック毎の分散値との差の総和であるAB−Gで表され、
    前記被判定値αは、下式(A)で表され、
    この被判定値αの値と所定の判定閾値Athとを比較し、その比較結果に基づいて、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する変換式を選択することを特徴とする請求項1または2記載の符号化装置。
  4. 前記被判定値αと前記判定閾値Athとの比較結果において、
    |α|<Athの場合は、YCoCgの色空間に変換するための第1の変換式を選択し、
    α≦−Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Bのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第2の変換式を選択し、
    α≧Athの場合は、R、G、Bの3つの色要素のうち、Rのノイズ成分の伝搬が抑制されるように構成された第3の変換式を選択するように、設定されていることを特徴とする請求項3記載の符号化装置。
  5. 前記第2の変換式および前記第3の変換式の一般式が下式(B)で表されることを特徴とする請求項4記載の符号化装置。

    ………(B)
    ただし、Yr + Yg + Yb = 1 であり、 C1r + C1g + C1b = 0 であり、
    C2r + C2g + C2b = 0である。
    また、R、G、Bのうち1つの成分に対応する係数が全て0 (Yr=C1r=0、またはYb=C1b
    =0、またはYg=C1g=0)である。
  6. 前記第1の変換式が、下式(C)で表され、
    前記第2の変換式が、下式(D)で表され、
    前記第3の変換式が、下式(E)で表される、ことを特徴とする請求項5記載の符号化装置。

    ………(C)

    ………(D)

    ………(E)
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項記載の符号化装置から、前記符号化信号と、この符号化信号に付随する、前記符号化装置において選択された変換式の情報を取得し、取得された該符号化信号および該変換式の情報に基づき、第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理された信号を復号化する復号化装置であって、
    データ圧縮された符号化信号を復号化して復号化信号を得る復号化信号生成手段と、
    得られた該復号化信号に対し逆変換式を用いて逆変換して、前記第1の色空間の信号成分を得る色空間逆変換手段と、
    を備えたことを特徴とする復号化装置
  8. 複数の色要素信号が形成する第1の色空間を第2の色空間に変換して圧縮処理を行う符号化装置であって、
    前記第1の色空間の複数の色要素信号により形成された画像から、2つの色差成分を生成し、これら2つの色差成分に所定の演算を施してノイズ成分の種類と大きさに基づく被判定値αを求める被判定値演算手段と、
    求められた前記被判定値αを所定の判定閾値と比較し、その比較結果に基づいて、色空間変換に用いる変換式を選択する変換式選択手段と、
    選択された変換式を用い、前記第1の色空間の信号成分を前記第2の色空間の信号成分に変換する色空間変換手段と、
    変換した第2の色空間の信号成分について、所定の符号化技術を用いて4:4:4のデータ
    圧縮を行って符号化信号を生成する符号化信号生成手段と、
    データ圧縮された符号化信号を復号化して復号化信号を得る復号化信号生成手段と、
    得られた該復号化信号に対し、逆変換式を用いて逆変換して、前記第1の色空間の信号成分を復元する色空間逆変換手段と、
    を備えたことを特徴とする符号化・復号化装置。
JP2016076909A 2016-04-06 2016-04-06 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置 Active JP6691417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076909A JP6691417B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076909A JP6691417B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017188809A JP2017188809A (ja) 2017-10-12
JP6691417B2 true JP6691417B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=60046643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016076909A Active JP6691417B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6691417B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5731988A (en) * 1995-05-08 1998-03-24 Richo Company, Ltd. Method and apparatus for reversible color conversion
JP4964595B2 (ja) * 2005-09-20 2012-07-04 三菱電機株式会社 画像復号装置及び方法
JP2009100302A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Sony Corp 画像処理装置、画像処理方法、プログラム、撮像装置、及び撮像方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017188809A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Shi et al. Image and video compression for multimedia engineering: Fundamentals, algorithms, and standards
JP6255063B2 (ja) Hdr画像のための画像処理
US7483486B2 (en) Method and apparatus for encoding high dynamic range video
US8666186B1 (en) Lossy compression of high dynamic range video
Artusi et al. JPEG XT: A compression standard for HDR and WCG images [standards in a nutshell]
Narayanaperumal et al. VLSI Implementations of Compressive Image Acquisition using Block Based Compression Algorithm.
CA2423165A1 (en) System and method for progressively transforming and coding digital data
JP2008514115A (ja) 高品質広帯域多層画像圧縮符号化システム
US8660345B1 (en) Colorization-based image compression using selected color samples
KR20100016214A (ko) 비디오 카메라
US8340442B1 (en) Lossy compression of high-dynamic range image files
US20080267495A1 (en) Image compressing method and image compressing apparatus
JP2005176361A (ja) 色変換方法および色変換装置
US20080193028A1 (en) Method of high quality digital image compression
JP2010141922A (ja) ウェーブレット変換システム、方法、及びコンピュータプログラム製品
Lee et al. Lossless compression of HDR color filter array image for the digital camera pipeline
US20110110600A1 (en) Method for compressing images and a format for compressed images
JP6691417B2 (ja) 符号化装置、その復号化装置および符号化・復号化装置
JP2005124145A (ja) デジタル映像データの復号化方法
JP3732900B2 (ja) 画像圧縮装置および画像伸張装置
KR100601944B1 (ko) 색 변환 방법 및 장치
Girod Image and video compression
Safdar et al. Performance comparison of JPEG, JPEG 2000, and newly developed CSI‐JPEG by adopting different color models
Safdar et al. Performance Evaluation of JPEG, JPEG2000 and New CSI-JPEG Algorithms by Incorporating Different Color Spaces
Bazhyna Image compression in digital cameras

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20180427

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200317

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200410

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6691417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250