JP6690449B2 - パワーコンディショナ及びその運転方法並びに分散型電源システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1,2には、系統連系するパワーコンディショナにおいて、系統電圧が上昇し、上昇抑制の制御状態となった場合に、発電電力を蓄電池に充電することが開示されている。
本開示の一表現によるパワーコンディショナは、太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナであって、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより上昇抑制時の満充電までの充電余力を調整する制御部を有するパワーコンディショナ、である。
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
なお、ここで言う充電余力とは、さらに充電できる余地(予備力)のことであり、空き容量とも言える。
このようなパワーコンディショナは、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することができる。
この場合、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力は大きくなるので、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
この場合、測定値が閾値に近くなるほど上限値が低くなる所望の関係を容易に構築することができる。
この場合、過去の実績に基づいて、より実情に即した適切な上限値を設定することができる。
この場合、系統電圧の平均値が閾値に近づく動きをすると、上限値がリアルタイムに下がるので、迅速に、上限値の調整を行うことができる。なお、系統電圧の平均値が逆の動きをすれば、上限値がリアルタイムに下がる。
この場合、上限値を設定するか否かを需要家のユーザの判断に委ねることができる。すなわち、発電できる電力を無駄なく蓄えることを優先するか、蓄電池を満充電にしておくことを重視するか、ユーザがその好みにより、選択することができる。
逆潮電力の大小は、上昇抑制時に蓄電池の充電に回す電力と関係するので、逆潮電力をも考慮して上限値を設定することが可能である。
蓄電池を充電してもなお、余剰電力があって測定値が上昇する場合、このような制御によって電圧の上昇を抑制することができる。
すなわち、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力を大きくすることで、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
このような分散型電源システムは、系統電圧の上昇を考慮して、各蓄電池を最適な状態に維持することができる。
このようなパワーコンディショナの運転方法によれば、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することができる。
以下、本発明の実施形態の詳細について、図面を参照して説明する。
図1は、分散型電源システムの構成例を示す単線接続図である。この分散型電源システム100は、共通の変圧器200の傘下にある複数の需要家101,102,103(数は一例である。)によって構成されているものとする。各需要家101,102,103は、太陽光発電パネル1、蓄電池2、及び、パワーコンディショナ3を装備している。変圧器200は、高圧配電線201に接続され、例えば交流6600Vを単相3線式の202/101Vに降圧する。各需要家101,102,103は低圧配電線202に接続されている。変圧器200から見た距離は、近い方から、需要家101,需要家102,需要家103の順になる。
図2は、図1のいずれか1つの需要家における、パワーコンディショナ3を中心とした周辺機器との接続図である。図において、パワーコンディショナ3の直流側ポートP1及びP2は、それぞれ、太陽光発電パネル1及び蓄電池2と接続されている。パワーコンディショナ3の交流側ポートP3は、需要家内の分電盤4を介して、商用電力系統20(図1で言えば低圧配電線202)と接続されている。分電盤4には、需要家内の家電機器等の負荷5が接続されている。分電盤4と商用電力系統20とを繋ぐ単相3線の2つの電圧線には、電流センサ6,7が設けられている。
Wmax=−0.3Vs+36.6 ・・・(1)
この式により、測定値Vsが閾値に近くなるほど、上限値Wmaxが低くなる所望の関係を容易に構築することができる。
Vs=102のとき、Wmax=6(100%)
Vs=104のとき、Wmax=5.4(90%)
Vs=106のとき、Wmax=4.8(80%)
である。
このようなパワーコンディショナ3は、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池2を最適な状態に維持することができる。
これにより、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力は大きくなるので、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
(i)進相無効電力制御
(ii)出力制御(有効電力抑制)
を、(i)、(ii)の順に、又は、(i)を省いて(ii)のみを行って、系統電圧の上昇を抑制することができる。
なお、例えば、上昇抑制がかかる時間の長さを過去情報から学習できれば、充電余力は、その場合の電力量を充電できればよい。過去情報は、パワーコンディショナ3に記憶してもよいし、需要家内の図示しないHEMS(Home Energy Management System)から情報を得るようにすることも可能である。例えば、太陽光発電パネル1の出力が定格5kWで、上昇抑制が過去情報から最大30分であれば、5kW×0.5時間=2.5kWhを超える充電余力を残しておく必要は無い。
また、例えば、季節によっては太陽光発電が行われない早朝に蓄電池2を放電させて負荷5の電力を賄うことを想定すると、早朝の電力消費量が過去情報から把握できる場合は、その分を、蓄電池2に蓄電しておくべき電力量とすることが好ましい。例えば0.5kWhを日常的に消費する需要家であれば、上限値Wmaxに、この0.5kWhを含めることが好ましい。
Wmax=(−0.3Vs+36.6)+0.5 ・・・(2)
但し、Wmax≧(6−2.5)である。ここで、(6−2.5)は蓄電池の容量から過去情報に基づく経験的な最大充電余力を減じた値である。
なお、図2に示したパワーコンディショナ3の内部構成は一例であり、その他種々の内部構成があり得る。
図3,図4,図5は、パワーコンディショナ3の内部構成のバリエーションを示すための接続図である。図2と同様の部分には同一符号を付している。
図6は、蓄電池の残量の上限値を設定する観点から、第2実施形態に係るパワーコンディショナ3を中心とした周辺機器との接続図である。
図2との違いは、パワーコンディショナ3のリモコン装置である表示・操作部39に、所定の機能を追加的に持たせる点である。表示・操作部39は、制御部36と通信可能(有線/無線のいずれでも可)に接続されている。
このようにして、上限値を設定するか否かを需要家のユーザの判断に委ねることができる。すなわち、発電できる電力を無駄なく蓄えることを優先するか、蓄電池を満充電にしておくことを重視するか、ユーザがその好みにより、選択することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 蓄電池
3 パワーコンディショナ
3a,3b パワーコンディショナ
4 分電盤
5 負荷
6,7 電流センサ
20 商用電力系統
31 DC/DCコンバータ
32 DC/DCコンバータ
33 DCバス
34 コンデンサ
35 インバータ
36 制御部
37,38 電圧センサ
39 表示・操作部
100 分散型電源システム
101,102,103 需要家
101m,102m,103m 電力メーター
200 変圧器
201 高圧配電線
202 低圧配電線
P1,P2 直流側ポート
P3 交流側ポート
Claims (10)
- 太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナであって、
系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、上昇抑制時の満充電までの充電余力を前記上限値に応じて調整する制御部を有するパワーコンディショナ。 - 前記制御部は、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど前記上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、請求項1に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、前記上限値を求める演算に、前記測定値に負の係数を乗じて正の定数を加算する演算を含む請求項2に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、過去の所定期間における前記系統電圧の測定値の平均値を、前記閾値と比較する請求項1〜請求項3に記載のパワーコンディショナ。
- 前記制御部は、前記平均値が前記閾値に近づくほど、前記上限値が低くなるように、リアルタイムに制御する請求項4に記載のパワーコンディショナ。
- 前記上限値の設定を実行するか否かを通知し、回答を得る機能を有する請求項1〜請求項5に記載のパワーコンディショナ。
- さらに前記商用電力系統への逆潮電力に基づいて、前記上限値を設定する請求項1に記載のパワーコンディショナ。
- 前記蓄電池が満充電に達し、かつ、前記測定値が上昇する場合は、進相無効電力制御及び出力制御の少なくとも一方を行う請求項1に記載のパワーコンディショナ。
- 共通の変圧器の傘下にある複数の需要家によって構成される分散型電源システムであって、各需要家に、
太陽光発電パネルと、
蓄電池と、
前記太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナと、を備え、
系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、複数の前記パワーコンディショナの間で、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、分散型電源システム。 - 太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナの運転方法であって、
系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、
比較結果に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、満充電までの充電余力を前記上限値に応じて調整し、
前記測定値が前記閾値に達すると、前記蓄電池を、満充電まで充電する、
パワーコンディショナの運転方法。
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