JP6690449B2 - パワーコンディショナ及びその運転方法並びに分散型電源システム - Google Patents

パワーコンディショナ及びその運転方法並びに分散型電源システム Download PDF

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Description

本発明はパワーコンディショナ及びその運転方法並びに分散型電源システムに関する。
太陽光発電等の発電設備と、蓄電池とを併用する電源システムは、既に数多く提案されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
例えば、特許文献1,2には、系統連系するパワーコンディショナにおいて、系統電圧が上昇し、上昇抑制の制御状態となった場合に、発電電力を蓄電池に充電することが開示されている。
また、特許文献2,3には、上昇抑制時の蓄電池充電に備えて予め蓄電池に空き容量を設けることが開示されている。例えば、特許文献2によれば、系統電圧の上昇抑制となる時期を予測し、その前に蓄電池の残量を減らしておくことにより、確実に、蓄電できる態勢を整える。特許文献3によれば、系統電圧が上昇して閾値を超過する時期及び超過する時間の長さを予測し、その時期から、少なくともその時間の長さ分、時を遡って、蓄電池から負荷に放電させる。
特開2004−180467号公報 特開2012−139019号公報 特開2013−5584号公報 特開2013−172495号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、系統電圧の上昇によりパワーコンディショナによる上昇抑制が必要となる場合に備えて、蓄電池を常日頃からどのような状態に維持しておくべきか、についての適切かつ精度の高い制御指針が示されていない。「予測」では、当然に、精度を欠く。例えば、蓄電池の充電余力を多く確保しすぎると、多くの放電電力が必要となった場合には、蓄電量が不足する。逆に、蓄電池の充電余力が不足気味であると、発電電力の受け入れ能力が不足する。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、蓄電池と接続されるパワーコンディショナにおいて、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
開示の一表現によるパワーコンディショナは、太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナであって、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより上昇抑制時の満充電までの充電余力を調整する制御部を有するパワーコンディショナ、である。
また、本開示の一表現による分散型電源システムは、共通の変圧器の傘下にある複数の需要家によって構成される分散型電源システムであって、各需要家に、太陽光発電パネルと、蓄電池と、前記太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナと、を備え、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、複数の前記パワーコンディショナの間で、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、分散型電源システムである。
また、本開示の一表現によるパワーコンディショナの運転方法は、太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナの運転方法であって、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、比較結果に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、満充電までの充電余力を調整し、前記測定値が前記閾値に達すると、前記蓄電池を、満充電まで充電する、パワーコンディショナの運転方法である。
本発明によれば、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することができる。
分散型電源システムの構成例を示す単線接続図である。 図1のいずれか1つの需要家における、パワーコンディショナを中心とした周辺機器との接続図である。 パワーコンディショナの内部構成のバリエーションを示すための接続図である。 パワーコンディショナの内部構成のバリエーションを示すための他の接続図である。 パワーコンディショナの内部構成のバリエーションを示すための、さらに他の接続図である。 蓄電池の残量の上限値を設定する観点から、第2実施形態に係るパワーコンディショナを中心とした周辺機器との接続図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナであって、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより上昇抑制時の満充電までの充電余力を調整する制御部を有するパワーコンディショナ、である。
なお、ここで言う充電余力とは、さらに充電できる余地(予備力)のことであり、空き容量とも言える。
系統連系時の系統電圧の測定値は、パワーコンディショナから見た商用電力系統側のインピーダンスによって異なり、電圧が普段から高めになる場合もある。この場合、電圧がさらに高くなって上昇抑制が必要な電圧の閾値に達すると、パワーコンディショナは、電圧の上昇抑制を行う。上昇抑制を行うだけでは、本来なら出力できる電力が無駄になる。そこで、このような場合に備えて残量の上限値を適切に設定しておくことで、満充電の状態とせずに待機する蓄電池は、充電余力を残しているので、パワーコンディショナから出力できる電力を蓄電池の充電に回すことができる。逆に、普段から電圧がさほど高くならない場合に、大きな充電余力を残しておくことは、非常時の備えや、夜間電力の活用等の観点からは得策ではなく、小さな充電余力とする方が好ましい。
このようなパワーコンディショナは、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することができる。
(2)また、(1)のパワーコンディショナにおいて例えば、前記制御部は、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど前記上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定することができる。
この場合、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力は大きくなるので、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
(3)また、(2)のパワーコンディショナにおいて、前記制御部は、例えば、前記上限値を求める演算に、前記測定値に負の係数を乗じて正の定数を加算する演算を含むことができる。
この場合、測定値が閾値に近くなるほど上限値が低くなる所望の関係を容易に構築することができる。
(4)また、(1)〜(3)のいずれかのパワーコンディショナにおいて、前記制御部は、過去の所定期間における前記系統電圧の測定値の平均値を、前記閾値と比較するようにしてもよい。
この場合、過去の実績に基づいて、より実情に即した適切な上限値を設定することができる。
(5)また、(4)のパワーコンディショナにおいて、前記制御部は、前記平均値が前記閾値に近づくほど、前記上限値が低くなるように、リアルタイムに制御してもよい。
この場合、系統電圧の平均値が閾値に近づく動きをすると、上限値がリアルタイムに下がるので、迅速に、上限値の調整を行うことができる。なお、系統電圧の平均値が逆の動きをすれば、上限値がリアルタイムに下がる。
(6)また、(1)〜(5)のいずれかのパワーコンディショナは、前記上限値の設定を実行するか否かを通知し、回答を得る機能を有するものであってもよい。
この場合、上限値を設定するか否かを需要家のユーザの判断に委ねることができる。すなわち、発電できる電力を無駄なく蓄えることを優先するか、蓄電池を満充電にしておくことを重視するか、ユーザがその好みにより、選択することができる。
(7)また、(1)のパワーコンディショナにおいて、前記制御部は、さらに前記商用電力系統への逆潮電力に基づいて、前記上限値を設定してもよい。
逆潮電力の大小は、上昇抑制時に蓄電池の充電に回す電力と関係するので、逆潮電力をも考慮して上限値を設定することが可能である。
(8)また、(1)のパワーコンディショナにおいて、前記制御部は、前記蓄電池が満充電に達し、かつ、前記測定値が上昇する場合は、進相無効電力制御及び出力制御の少なくとも一方を行うようにしてもよい。
蓄電池を充電してもなお、余剰電力があって測定値が上昇する場合、このような制御によって電圧の上昇を抑制することができる。
(9)一方、他の観点からは、これは、共通の変圧器の傘下にある複数の需要家によって構成される分散型電源システムであって、各需要家に、太陽光発電パネルと、蓄電池と、前記太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナと、を備え、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、複数の前記パワーコンディショナの間で、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、分散型電源システムである。
系統連系時の系統電圧の測定値は、パワーコンディショナから見た商用電力系統側のインピーダンスによって異なり、電圧が普段から高めになる場合もある。この場合、電圧がさらに高くなって上昇抑制が必要な電圧の閾値に達すると、パワーコンディショナは、電圧の上昇抑制を行う。上昇抑制を行うだけでは、本来なら出力できる電力が無駄になる。そこで、このような場合に備えて残量の上限値を適切に設定しておくことで、満充電の状態とせずに待機する蓄電池は、充電余力を残しているので、パワーコンディショナから出力できる電力を蓄電池の充電に回すことができる。逆に、普段から電圧がさほど高くならない場合に、大きな充電余力を残しておくことは、非常時の備えや、夜間電力の活用等の観点からは得策ではなく、小さな充電余力とする方が好ましい。
すなわち、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力を大きくすることで、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
このような分散型電源システムは、系統電圧の上昇を考慮して、各蓄電池を最適な状態に維持することができる。
(10)また、方法の観点からは、これは、太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナの運転方法であって、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、比較結果に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、満充電までの充電余力を調整し、前記測定値が前記閾値に達すると、前記蓄電池を、残量が前記上限値に達するまで充電する、パワーコンディショナの運転方法である。
この場合、(1)のパワーコンディショナと同様のことが言える。
このようなパワーコンディショナの運転方法によれば、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池を最適な状態に維持することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態の詳細について、図面を参照して説明する。
《分散型電源システム》
図1は、分散型電源システムの構成例を示す単線接続図である。この分散型電源システム100は、共通の変圧器200の傘下にある複数の需要家101,102,103(数は一例である。)によって構成されているものとする。各需要家101,102,103は、太陽光発電パネル1、蓄電池2、及び、パワーコンディショナ3を装備している。変圧器200は、高圧配電線201に接続され、例えば交流6600Vを単相3線式の202/101Vに降圧する。各需要家101,102,103は低圧配電線202に接続されている。変圧器200から見た距離は、近い方から、需要家101,需要家102,需要家103の順になる。
各需要家101,102,103の太陽光発電パネル1によって発電された電力は、パワーコンディショナ3を介して各需要家内の負荷(家電等)で消費されるとともに、余剰電力は、受電点となる電力メーター101m,102m,103mを超えて低圧配電線202への逆潮(売電)が可能である。逆潮された電力は、分散型電源システム100と同じ低圧配電線202に接続されている他の需要家(図示せず。)への供給電力となる。
ここで、系統連系している各需要家101,102,103における系統電圧は、変圧器200からの線路長が長くなるほど高くなる。例えば、100V供給での普段の実際の系統電圧は、需要家101が102V、需要家102が104V、そして、需要家103が106Vというような差が生じる。このように系統電圧が異なるのは、各需要家101,102,103から見た低圧配電線202のインピーダンスが線路長によって異なってくるからである。
電気事業法では、100V供給の場合は101V±6Vから外れないこと、200V供給の場合は202V±20Vから外れないこと、と規定している。従って、100V供給の場合で、系統電圧の上昇を考えると、107Vが閾値となり、これを超えてはならない。パワーコンディショナ3は、系統電圧が閾値に達すると、自発的に、上昇抑制を行い、系統電圧が閾値を超えることを防止する。普段の系統電圧からすると、需要家101は閾値まで5V、需要家102は閾値まで3V、そして、需要家103は閾値まで1V、となっている。つまり、相対的に言えば、需要家103は最も閾値に近く、従って閾値に達しやすく、他方、需要家101は最も閾値から遠く、従って、閾値に達しにくい。
《パワーコンディショナ:第1実施形態》
図2は、図1のいずれか1つの需要家における、パワーコンディショナ3を中心とした周辺機器との接続図である。図において、パワーコンディショナ3の直流側ポートP1及びP2は、それぞれ、太陽光発電パネル1及び蓄電池2と接続されている。パワーコンディショナ3の交流側ポートP3は、需要家内の分電盤4を介して、商用電力系統20(図1で言えば低圧配電線202)と接続されている。分電盤4には、需要家内の家電機器等の負荷5が接続されている。分電盤4と商用電力系統20とを繋ぐ単相3線の2つの電圧線には、電流センサ6,7が設けられている。
パワーコンディショナ3は、太陽光発電パネル1と接続されるDC/DCコンバータ31と、蓄電池2と接続されるDC/DCコンバータ32と、2つのDC/DCコンバータ31,32に対して共通の直流電路対となるDCバス33と、DCバス33の2線間に設けられた平滑用のコンデンサ34と、DCバス33を介して2つのDC/DCコンバータ31,32と接続されたインバータ35と、制御部36と、インバータ35と分電盤4とを繋ぐ電路の一方側の電圧線−中性線間の系統電圧及び他方側の電圧線−中性線間の系統電圧をそれぞれ検出する電圧センサ37及び38と、を備えている。ここでは、インバータ35は、202Vの2線出力である。
制御部36は、2つのDC/DCコンバータ31,32及びインバータ35のスイッチング動作を制御する。また、制御部36は、電圧センサ37,38の検出出力及び、電流センサ6,7の検出出力を、受け取っている。この制御部36は、例えば、マイクロコンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部36の記憶装置(図示せず。)に格納される。
太陽光発電パネル1による発電中のDC/DCコンバータ31は、MPPT(Maximun Power Point Tracking)制御を行い、必要な昇圧を行う。インバータ35は、DC/DCコンバータ31から出力される電圧・電流を、商用電力系統20の電圧・電流と振幅及び位相が一致するように変換し、系統連系を実現する。太陽光発電パネル1の発電電力は需要家内の負荷5に消費されると共に、余剰電力は売電することができる。
また、DC/DCコンバータ32については、DCバス33の電圧を降圧するように動作させれば、蓄電池2の充電を行うことができる。従って、太陽光発電の発電電力は、需要家内の負荷5での消費、逆潮(売電)、蓄電池2の充電、の3用途に活用することができる。また、蓄電池2の電圧を昇圧してDCバス33に送り込むようにDC/DCコンバータ32を動作させれば、インバータ35による直流/交流の変換を経て、需要家内の負荷5に給電することもできる。なお、インバータ35は双方向性があり、交流から直流への変換も可能である。例えば、太陽光発電が行われていない夜間に、商用電力系統20からインバータ35及びDC/DCコンバータ32を経て、蓄電池2の充電を行うことも可能である。
ここで、図1に戻り、系統電圧と、蓄電池2の充電との関係について説明する。前述のように、需要家101,102,103における普段の系統電圧の測定値は同じではなく、パワーコンディショナ3の上昇抑制の閾値に近い測定値の需要家103もある。そこで、系統電圧の測定値と閾値とを比較し、その近接の度合いをみる。例えば、閾値と測定値との差、又は、閾値に対する測定値の比率をみる。そして、差が0に近いか又は比率が100%に近いほど、上昇抑制に引っかかる可能性が高いとみて、蓄電池2の充電余力を多く残しておく。ここで言う充電余力とは、残量(SOC:State of charge)を%で表すと、(100−残量)[%]である。
なお、蓄電池2の残量については、蓄電池2に付随する図示しないBMS(Battery Management System)から制御部36が情報を得ることができる。また、DC/DCコンバータ32が充放電に伴う電流の出入りを積算することによっても情報を得ることは可能である。
図1の例では、蓄電池2の容量が6kWhとすると、例えば、需要家101の蓄電池2は、残量の上限値6kWh(すなわち100%(満充電)の状態)とする。需要家102の蓄電池2は、残量の上限値5.4kWh(90%充電の状態)とする。需要家103の蓄電池2は、残量の上限値4.8kWh(80%充電の状態)とする。
上記の数値例は、残量の上限値をWmax[kWh]、系統電圧の測定値をVs[V]とすると、例えば以下のような、測定値Vsに負の係数を乗じて正の定数を加算する一次関数の演算式により得られる。
max=−0.3Vs+36.6 ・・・(1)
この式により、測定値Vsが閾値に近くなるほど、上限値Wmaxが低くなる所望の関係を容易に構築することができる。
すなわち、式(1)において、
Vs=102のとき、Wmax=6(100%)
Vs=104のとき、Wmax=5.4(90%)
Vs=106のとき、Wmax=4.8(80%)
である。
上記の式(1)による残量の決め方は一例に過ぎない。普遍的な表現をすれば、系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、蓄電池2の残量の上限値を設定することにより上昇抑制時の満充電までの充電余力を調整することになる。
なお、系統電圧の測定値Vsを測定するタイミングは、電流センサ6,7が電流値0を検出するとき、すなわち、パワーコンディショナ3から出力される電力と、負荷5で消費する電力とが互いに一致しているときが好ましい。
このように残量の上限値を適切に設定しておくことで、満充電の状態とせずに待機する蓄電池2(需要家101を除く。)は、充電余力を残しているので、パワーコンディショナ3から出力できる電力を蓄電池2の充電に回すことができる。逆に、普段から電圧がさほど高くならない場合に、大きな充電余力を残しておくことは、非常時の備えや、夜間電力の活用等の観点からは得策ではなく、小さな充電余力とする方が好ましい。
このようなパワーコンディショナ3は、系統電圧の上昇を考慮して、蓄電池2を最適な状態に維持することができる。
また、上述の「上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、蓄電池2の残量の上限値を設定する」とは、具体的には、相対的に、測定値が閾値に近いほど残量の上限値を低く設定し、逆に、測定値が閾値から遠いほど残量の上限値を高く設定することである。
これにより、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しやすいほど、充電余力は大きくなるので、蓄電池の充電余力を上手に活用することができる。逆に、上昇抑制が必要な電圧の閾値に達しにくいほど、必要とされる機会の少ない充電余力は小さく抑え、蓄電池の残量を高めに維持して、蓄電池の能力を有効に活用することができる。
なお、系統電圧の測定値の求め方としては、例えば、制御部36は、過去の所定期間、例えば前日の所定期間における測定値の平均値に基づいて上限値を設定するようにしてもよい。この場合、前日の実績に基づいて、より実情に即した適切な上限値を設定することができる。
また、制御部36は、測定値の所定期間における平均値が閾値に近づくほど、上限値が低くなるように、リアルタイムに制御することもできる。この場合、系統電圧の平均値が閾値に近づく動きをすると、上限値がリアルタイムに下がるので、迅速に、上限値の調整を行うことができる。なお、この場合、系統電圧の平均値が逆の動きをすれば、上限値がリアルタイムに上がる。
なお、図2において、制御部36は、電流センサ6,7を逆方向(分電盤4から商用電力系統20へ)流れる電流の検出出力及び、電圧センサ37,38の検出出力に基づいて、商用電力系統への逆潮電力を求めることができる。そこで、制御部36は、さらに当該逆潮電力に基づいて、上限値を設定してもよい。この逆潮電力の大小は、上昇抑制時に蓄電池2の充電に回す電力と関係するので、逆潮電力をも考慮して上限値を設定することが可能である。
また、もし、蓄電池2が満充電に達してもなお、系統電圧の測定値が上昇する場合には、制御部36は、
(i)進相無効電力制御
(ii)出力制御(有効電力抑制)
を、(i)、(ii)の順に、又は、(i)を省いて(ii)のみを行って、系統電圧の上昇を抑制することができる。
(補足1)
なお、例えば、上昇抑制がかかる時間の長さを過去情報から学習できれば、充電余力は、その場合の電力量を充電できればよい。過去情報は、パワーコンディショナ3に記憶してもよいし、需要家内の図示しないHEMS(Home Energy Management System)から情報を得るようにすることも可能である。例えば、太陽光発電パネル1の出力が定格5kWで、上昇抑制が過去情報から最大30分であれば、5kW×0.5時間=2.5kWhを超える充電余力を残しておく必要は無い。
(補足2)
また、例えば、季節によっては太陽光発電が行われない早朝に蓄電池2を放電させて負荷5の電力を賄うことを想定すると、早朝の電力消費量が過去情報から把握できる場合は、その分を、蓄電池2に蓄電しておくべき電力量とすることが好ましい。例えば0.5kWhを日常的に消費する需要家であれば、上限値Wmaxに、この0.5kWhを含めることが好ましい。
上記の(補足1)、(補足2)の事項に配慮すると、前掲の式(1)に代えて、以下の式(2)を採用してもよい。
max=(−0.3Vs+36.6)+0.5 ・・・(2)
但し、Wmax≧(6−2.5)である。ここで、(6−2.5)は蓄電池の容量から過去情報に基づく経験的な最大充電余力を減じた値である。
《パワーコンディショナの変形例》
なお、図2に示したパワーコンディショナ3の内部構成は一例であり、その他種々の内部構成があり得る。
図3,図4,図5は、パワーコンディショナ3の内部構成のバリエーションを示すための接続図である。図2と同様の部分には同一符号を付している。
まず、図3におけるパワーコンディショナ3が、図2と異なるのは、蓄電池2とDCバス33との間に、DC/DCコンバータが設けられていない点である。蓄電池2の電圧がDCバス33の電圧と同一又は概ね同一である場合は、このような構成も可能である。
次に、図4におけるパワーコンディショナ3が、図2と異なるのは、太陽光発電パネル1とDCバス33との間に、DC/DCコンバータが設けられていない点である。太陽光発電パネル1から、インバータ35への直接の入力電圧として十分な高い電圧が得られる場合は、このような構成も可能である。この場合、MPPT制御は、制御部36の制御によりインバータ35が行う。
さらに、図5は、太陽光発電パネル1及び蓄電池2に対してそれぞれ、別々のパワーコンディショナ3a及び3bを設けた例である。各パワーコンディショナ3a,3bには、インバータ及び、必要により、その直流側にDC/DCコンバータが設けられる。この場合、パワーコンディショナ3aは、太陽光発電の発電電力を交流電力として出力することのみを担当する。パワーコンディショナ3bは、太陽光発電の発電電力又は必要により商用電力系統20の電力を蓄電池2に充電すること、及び、蓄電池2を放電させて負荷5に給電すること、を担当する。蓄電池2の放電による電力は逆潮できないため、蓄電池放電時のパワーコンディショナ3bは、電流センサ6,7の検出出力及び系統電圧の測定値に基づいて、逆潮とならないように、負荷5の消費電力を超える電力供給を防止する。
《パワーコンディショナ:第2実施形態》
図6は、蓄電池の残量の上限値を設定する観点から、第2実施形態に係るパワーコンディショナ3を中心とした周辺機器との接続図である。
図2との違いは、パワーコンディショナ3のリモコン装置である表示・操作部39に、所定の機能を追加的に持たせる点である。表示・操作部39は、制御部36と通信可能(有線/無線のいずれでも可)に接続されている。
図6のパワーコンディショナ3における制御部36は、予め、蓄電池2の残量の上限値設定を実行するか否かを表示・操作部39に通知し、表示・操作部39に表示する。需要家のユーザは、表示を見て、「上限値を設定する」又は、「上限値を設定しない」のいずれかを選択操作する。これにより、制御部36は、ユーザが「上限値を設定する」又は、「上限値を設定しない」のどちらを希望するかの回答を得る。
このようにして、上限値を設定するか否かを需要家のユーザの判断に委ねることができる。すなわち、発電できる電力を無駄なく蓄えることを優先するか、蓄電池を満充電にしておくことを重視するか、ユーザがその好みにより、選択することができる。
なお、図3〜図5に示したパワーコンディショナ3の内部構成のバリエーションは、第2実施形態のパワーコンディショナ3にも同様に適用することができる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 太陽光発電パネル
2 蓄電池
3 パワーコンディショナ
3a,3b パワーコンディショナ
4 分電盤
5 負荷
6,7 電流センサ
20 商用電力系統
31 DC/DCコンバータ
32 DC/DCコンバータ
33 DCバス
34 コンデンサ
35 インバータ
36 制御部
37,38 電圧センサ
39 表示・操作部
100 分散型電源システム
101,102,103 需要家
101m,102m,103m 電力メーター
200 変圧器
201 高圧配電線
202 低圧配電線
P1,P2 直流側ポート
P3 交流側ポート

Claims (10)

  1. 太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナであって、
    系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値との比較に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、上昇抑制時の満充電までの充電余力を前記上限値に応じて調整する制御部を有するパワーコンディショナ。
  2. 前記制御部は、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど前記上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、請求項1に記載のパワーコンディショナ。
  3. 前記制御部は、前記上限値を求める演算に、前記測定値に負の係数を乗じて正の定数を加算する演算を含む請求項2に記載のパワーコンディショナ。
  4. 前記制御部は、過去の所定期間における前記系統電圧の測定値の平均値を、前記閾値と比較する請求項1〜請求項3に記載のパワーコンディショナ。
  5. 前記制御部は、前記平均値が前記閾値に近づくほど、前記上限値が低くなるように、リアルタイムに制御する請求項4に記載のパワーコンディショナ。
  6. 前記上限値の設定を実行するか否かを通知し、回答を得る機能を有する請求項1〜請求項5に記載のパワーコンディショナ。
  7. さらに前記商用電力系統への逆潮電力に基づいて、前記上限値を設定する請求項1に記載のパワーコンディショナ。
  8. 前記蓄電池が満充電に達し、かつ、前記測定値が上昇する場合は、進相無効電力制御及び出力制御の少なくとも一方を行う請求項1に記載のパワーコンディショナ。
  9. 共通の変圧器の傘下にある複数の需要家によって構成される分散型電源システムであって、各需要家に、
    太陽光発電パネルと、
    蓄電池と、
    前記太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナと、を備え、
    系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、複数の前記パワーコンディショナの間で、相対的に、前記測定値が前記閾値に近いほど上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を低く設定し、逆に、前記測定値が前記閾値から遠いほど前記上限値を高く設定する、分散型電源システム。
  10. 太陽光発電パネル及び蓄電池と商用電力系統との間に設けられるパワーコンディショナの運転方法であって、
    系統連系時の系統電圧について、上昇抑制が必要となる電圧の閾値と、実際の測定値とを比較し、
    比較結果に基づいて、上昇抑制時以外での前記蓄電池の残量の上限値を設定することにより、満充電までの充電余力を前記上限値に応じて調整し、
    前記測定値が前記閾値に達すると、前記蓄電池を、満充電まで充電する、
    パワーコンディショナの運転方法。
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