[実施形態の概要]
実施形態に係る無線端末は、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)伝送向けのDRX(Discontinuous Reception)動作を行う制御部を備える。前記制御部は、H−SFN(Hyper System Frame Number)に基づくMBMS受信機会を用いて前記DRX動作を行う。
前記MBMS伝送は、SC−PTM(Single Cell Point-To-Multipoint)伝送であり、前記MBMS受信機会は、SC−PTM受信機会であってもよい。
前記SC−PTM受信機会は、SC−MCCH(Single Cell Multicast Control Channel)受信機会及びSC−MTCH(Single Cell Multicast Traffic Channel)受信機会のうち少なくとも一方を含んでもよい。
前記制御部は、前記MBMS受信機会を含む特定のH−SFNを、所定値を用いて決定し、前記所定値は、自無線端末が受信するMBMSサービスに対応付けられた値を含んでもよい。
前記制御部は、前記MBMS受信機会を含む特定のH−SFNの期間内で、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)の監視が可能な状態を継続してもよい。
前記制御部は、前記H−SFNに基づくMBMS受信機会が適用されることを示す情報を自無線端末が基地局から受信した場合に、前記H−SFNに基づくMBMS受信機会を適用してもよい。
実施形態の変更例に係るコアネットワーク装置は、省電力動作が設定された無線端末が受信するMBMSサービスに対応付けられた識別子を無線アクセスネットワーク装置に通知する制御部を備える。
ここで、コアネットワーク装置とは、コアネットワークに設けられる装置(エンティティ)である。LTEシステムの場合、コアネットワーク装置とは、例えばMME(Mobility Management Entity)である。但し、コアネットワーク装置は、MMEとは異なる装置であってもよい。
また、無線アクセスネットワーク装置とは、無線アクセスネットワークに設けられる装置(エンティティ)である。LTEシステムの場合、無線アクセスネットワーク装置とは、eNB(evolved Node-B)又はMCE(Multi-Cell/Multicast Coordinating Entity)である。
その他の実施形態に係るネットワーク装置は、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)伝送向けのDRX(Discontinuous Reception)動作を無線端末が行う移動通信システムにおけるネットワーク装置である。前記ネットワーク装置は、前記DRX動作におけるMBMS受信機会として、H−SFN(Hyper System Frame Number)に基づく前記MBMS受信機会を決定する制御部を備える。
ここで、ネットワーク装置とは、コアネットワーク又は無線アクセスネットワークに設けられる装置(エンティティ)である。LTEシステムの場合、ネットワーク装置とは、eNB、MME、MCE、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)、GCS−AS(Group Communication Service Application Server)、又はSCS(Service Capability Server)等である。
[実施形態]
以下において、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムの構成について説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成を示す図である。図2は、MBMSに係るネットワーク構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved-UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、無線端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node-B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても用いられる。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving-Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
また、E−UTRAN10は、MCE(Multi-Cell/Multicast Coordinating Entity)11を含む。MCE11は、M2インターフェイスを介してeNB200と接続され、M3インターフェイスを介してMME300と接続される(図2参照)。MCE11は、MBSFN無線リソース管理・割当等を行う。具体的には、MCE11は、MBSFN伝送のスケジューリングを行う。これに対し、SC−PTM伝送のスケジューリングはeNB200により行われる。
EPC20は、MBMS GW(MBMS Gateway)21を含む。MBMS GW21は、M1インターフェイスを介してeNB200と接続され、Smインターフェイスを介してMME300と接続され、SG−mb及びSGi−mbインターフェイスを介してBM−SC22と接続される(図2参照)。MBMS GW21は、eNB200に対してIPマルチキャストのデータ伝送及びセッション制御等を行う。
また、EPC20は、BM−SC(Broadcast Multicast Service Center)22を含む。BM−SC22は、SG−mb及びSGi−mbインターフェイスを介してMBMS GW21と接続され、SGiインターフェイスを介してP−GW23と接続される(図2参照)。BM−SC22は、TMGI(Temporary Mobile Group Identity)の管理・割当等を行う。
さらに、EPC20の外部のネットワーク(すなわち、インターネット)には、GCS AS(Group Communication Service Application Server)31が設けられる。GCS AS31は、グループ通信用のアプリケーションサーバである。GCS AS31は、MB2−U及びMB2−Cインターフェイスを介してBM−SC22と接続され、SGiインターフェイスを介してP−GW23と接続される。GCS AS31は、グループ通信におけるグループの管理及びデータ配信等を行う。
(無線プロトコルの構成)
図3は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタックを示す図である。
図3に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、HARQ(Hybrid ARQ)による再送処理等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))、及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモードであり、そうでない場合、UE100はRRCアイドルモードである。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
(無線フレームの構成)
図4は、LTEシステムの無線フレームの構成を示す図である。LTEシステムにおいて、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図4に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するためのPDCCHとして用いられる領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するためのPDSCHとして使用できる領域である。また、下りリンクにおいて、MBSFN伝送向けのサブフレームであるMBSFNサブフレームが設定され得る。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するためのPUCCHとして用いられる領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するためのPUSCHとして使用できる領域である。
(下りリンクのチャネル構成)
図5は、LTEシステムの下りリンクのチャネルの構成を示す図である。
図5(a)は、論理チャネル(Downlink Logical Channel)とトランポートチャネル(Downlink Transport Channel)との間のマッピングを示す。
図5(a)に示すように、PCCH(Paging Control Channel)は、ページング情報、及びシステム情報変更を通知するための論理チャネルである。PCCHは、トランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel)にマッピングされる。
BCCH(Broadcast Control Channel)は、システム情報のための論理チャネルである。BCCHは、トランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Control Channel)及びDL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされる。
CCCH(Common Control Channel)は、UE100とeNB200との間の送信制御情報のための論理チャネルである。CCCHは、UE100がネットワークとの間でRRC接続を有していない場合に用いられる。CCCHは、DL−SCHにマッピングされる。
DCCH(Dedicated Control Channel)は、UE100とネットワークとの間の個別制御情報を送信するための論理チャネルである。DCCHは、UE100がRRC接続を有する場合に用いられる。DCCHは、DL−SCHにマッピングされる。
DTCH(Dedicated Traffic Channel)は、データ送信のための個別論理チャネルである。DTCHは、DL−SCHにマッピングされる。
SC−MTCH(Single Cell Multicast Traffic Channel)は、SC−PTM伝送のための論理チャネルである。SC−MTCHは、SC−PTM伝送を用いてネットワークからUE100にデータを送信するための1対多チャネル(point-to-multipoint downlink channel)である。
SC−MCCH(Single Cell Multicast Control Channel)は、SC−PTM伝送のための論理チャネルである。SC−MTCHは、1又は複数のSC−MTCHのためのMBMS制御情報をネットワークからUE100に送信するための1対多チャネル(point-to-multipoint downlink channel)である。SC−MCCHは、SC−PTMを用いてMBMSを受信する又は受信に興味を持つUE100にのみ用いられる。また、SC−MCCHは、1つのセルに1つのみ存在する。
MCCH(Multicast Control Channel)は、MBSFN伝送のための論理チャネルである。MCCHは、ネットワークからUE100へのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるMCH(Multicast Channel)にマッピングされる。
MTCH(Multicast Traffic Channel)は、MBSFN伝送のための論理チャネルである。MTCHは、MCHにマッピングされる。
図5(b)は、トランポートチャネル(Downlink Transport Channel)と物理チャネル(Downlink Physical Channel)との間のマッピングを示す。
図5(b)に示すように、BCHは、PBCH(Physical Broadcast Channel)にマッピングされる。
MCHは、PMCH(Physical Multicast Channel)にマッピングされる。MCHは、複数のセルによるMBSFN伝送をサポートする。
PCH及びDL−SCHは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)にマッピングされる。DL−SCHは、HARQ、リンクアダプテーション、及び動的リソース割当をサポートする。
PDCCHは、PDSCH(DL−SCH、PCH)のリソース割り当て情報及びDL−SCHに関するHARQ情報等を運搬する。また、PDCCHは、上りリンクのスケジューリンググラントを運ぶ。
(無線端末の構成)
図6は、実施形態に係るUE100(無線端末)の構成を示す図である。
図6に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、上述した各種の処理及び後述する各種の処理を実行する。
(基地局の構成)
図7は、実施形態に係るeNB200(基地局)の構成を示す図である。
図7に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、上述した各種の通信プロトコル及び後述する各種の処理を実行する。
バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNBと接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に用いられる。
(DRXの概要)
以下において、DRXの概要について説明する。図8は、UE100のDRX動作を示す図である。実施形態において、RRCアイドルモードのDRXを想定する。
図8に示すように、UE100は、消費電力を削減するために、DRX動作を行うことが可能である。DRX動作を行うUE100は、PDCCHを間欠的に監視する。通常、サブフレーム中のPDCCHは、当該サブフレーム中のPDSCHのスケジューリング情報(無線リソース及びトランスポートフォーマットの情報)を運搬する。PDCCHを監視しない期間(スリープ期間)においてUE100の受信機をオフにすることが可能であるため、UE100の消費電力が削減される。なお、図8において、UE100がPDCCHを監視すべき「On Duration」を図示しているが、RRCアイドルモードのDRXにおいては、「On Duration」ではなく、「Paging Occasion(PO)」に相当するサブフレームが設定されることに留意すべきである。
DRX動作において、UE100は、主に着信を通知するためのページングを受信するためにPDCCHを間欠的に監視する。UE100は、ページング用のグループ識別子(P−RNTI)を用いてPDCCHをデコードし、ページングチャネルの割り当て情報を取得する。UE100は、当該割当情報に基づいて、ページングメッセージを取得する。UE100におけるPDCCH監視タイミングは、UE100の識別子(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)に基づいて定められる。PDCCH監視タイミングの算出について具体的に説明する。
DRX動作におけるPDCCH監視タイミング(PDCCH監視サブフレーム)は、Paging Occasion(PO)と称される。POは、ページングの受信機会に相当する。
UE100及びeNB200は、Paging Occasion(PO)、及び、Paging Occasionを含みうる無線フレームであるPaging Frame(PF)を下記のように計算する。
PFのシステムフレーム番号(SFN)は、下記の式(1)から求められる。
SFN mod T = (T div N) * (UE_ID mod N) …(1)
但し、Tは、ページングを監視するためのUE100のDRXサイクルであり、無線フレームの数で表される。また、Tは、eNB200がSIB(System Information Block)によりブロードキャストするデフォルトDRX値、及びNASメッセージによりUE100に設定されるUE固有DRX値のうち、何れか小さい方である。なお、UE固有DRX値が設定されていない場合、UE100は、デフォルトDRX値を適用する。また、Nは、TとnBのうち最小値である。nBは、4T, 2T, T, T/2, T/4, T/8, T/16, T/32から選択される値である。UE_IDは、「IMSI mod1024」により求められる値である。
このようにして求められたPFのうち、POのサブフレーム番号は、下記のように求められる。まず、下記の式(2)により、インデックスi_sを求める。
i_s = floor(UE_ID/N) mod Ns …(2)
但し、Nsは、1とnB/Tのうち最大値である。
次に、表1または表2からNs及びインデックスi_sに対応するPOを求める。表1はLTE FDDシステムに適用され、表2はLTE TDDシステムに適用される。表1および表2において、N/Aは非適用を表す。
このようにして計算されるPFのPO(ページング受信機会)において、UE100は、ページング(具体的には、PDCCH)を監視する。eNB200は、UE100に対するページングの送信が必要な場合、PFのPO(ページング受信機会)においてUE100宛てのページングを送信する。
次に、拡張DRX(extended DRX)について説明する。拡張DRXにおいては、非常に長いDRXサイクルをサポートするためにハイパーフレームが用いられる。
図9は、ハイパーフレーム、無線フレーム、及びサブフレームの関係を示す図である。ハイパーフレームは、H−SFN(Hyper System Frame Number)により識別される。H−SFNは、セルから報知される。無線フレームは、SFN(System Frame Number)により識別される。サブフレームは、サブフレーム番号により識別される。図9に示すように、1つのハイパーフレームは、1024個の無線フレームにより構成される。1024個の無線フレームには、0番から1023番までのシステムフレーム番号が割り振られている。また、1つの無線フレームは、10個のサブフレームにより構成される。10個のサブフレームには、0番から9番までのサブフレーム番号が割り振られている。
拡張DRXサイクルが設定されたUE100は、拡張DRXのサポートをセルがシステム情報により示す場合に、拡張DRX動作を行う。UE100は、自UEに設定された周期的なページングウィンドウ内で、上述したPOの監視を行う。ページングウィンドウは、UE固有である。ページングウィンドウは、ページングハイパーフレーム(PH)、PH内の開始点(PW_start)、及びPH内の終了点(PW_end)により定められる。
ここで、PHは、下記の式(3)を満たすH−SFNである。
H-SFN mod TeDRX,H= (UE_ID mod TeDRX,H) …(3)
但し、UE_IDは「IMSI mod 1024」である。TeDRX,Hは、UE100に設定された拡張DRXサイクル(eDRX cycle)である。
PW_startは、ページングウィンドウの最初の無線フレームを示し、下記の式(4)を満たすSFNである。
SFN = 256* ieDRX …(4)
但し、ieDRXは、「floor(UE_ID/TeDRX,H) mod 4」である。
PW_endは、ページングウィンドウの最後の無線フレームを示し、下記の式(5)を満たすSFNである。
SFN = (PW_start + L*100 - 1) mod 1024 …(5)
但し、Lは、UE100に設定されたページングウィンドウ長である。
(SC−PTMの概要)
以下において、SC−PTMの概要について説明する。図10は、一般的なSC−PTMの動作概要を示す図である。
図10に示すように、ステップS10において、eNB200は、BCCHを介してSIB20(System Information Block type 20)を送信する。UE100は、SIB20を受信する。
SIB20は、SC−PTMを用いたMBMSの送信に関する制御情報(具体的には、SC−MCCH)の取得に必要な情報を含む。例えば、SIB20は、SC−MCCHの内容が変更され得る周期を示すsc-mcch-ModificationPeriod、SC−MCCHの送信(再送)時間間隔を無線フレーム数で示すsc-mcch-RepetitionPeriod、SC−MCCHがスケジュールされる無線フレームのオフセットを示すsc-mcch-Offset、及びSC−MCCHがスケジュールされるサブフレームを示すsc-mcch-Subframeを含む。
ステップS20において、eNB200は、SC−MCCHを介してSCPTM設定(SCPTM Configuration)情報を送信する。UE100は、SCPTM設定情報を受信する。物理層において、SC−MCCHの送信にはSC−RNTI(Single Cell RNTI)が用いられる。
SCPTM設定情報は、SC−MRB(Single Cell MBMS Point to Multipoint Radio Bearer)を介して送信されるMBMSサービスに適用可能な制御情報を含む。SCPTM設定情報は、当該情報を送信するセルにおける各SC−MTCHの設定を含むsc-mtch-InfoList、及びSC−MRBを介してMBMSサービスを提供する隣接セルのリストであるscptmNeighbourCellListを含む。
sc-mtch-InfoListは、1又は複数のSC-MTCH-Infoを含む。各SC-MTCH-Infoは、SC−MRBを介して送信される進行中のMBMSセッションの情報(mbmsSessionInfo)、当該MBMSセッションに対応するG−RNTI(Group RNTI)、及びSC−MTCHのためのDRX情報であるsc-mtch-schedulingInfoを含む。mbmsSessionInfoは、MBMSサービスを識別するTMGI及びセッションID(sessionId)を含む。G−RNTIは、マルチキャストグループ(具体的には、特定グループ宛てのSC−MTCH)を識別するRNTIである。G−RNTIは、TMGIと1対1でマッピングされる。
sc-mtch-schedulingInfoは、onDurationTimerSCPTM、drx-InactivityTimerSCPTM、schedulingPeriodStartOffsetSCPTMを含む。schedulingPeriodStartOffsetSCPTMは、SC-MTCH-SchedulingCycle及びSC-MTCH-SchedulingOffsetを含む。
ここで、SC−PTM伝送向けのDRXについて説明する。SC−PTM伝送向けのDRXは、上述したDRXとは独立した動作である。SC−PTM伝送向けのDRXが設定されたUE100は、RRCコネクティッドモード又はRRCアイドルモードにおいて、対応するG−RNTIを用いてPDCCHを間欠的に監視する。onDurationTimerSCPTM又はdrx-InactivityTimerSCPTMが動作中(runnning)である場合、アクティブ時間となる。UE100は、アクティブ時間においてPDCCHを監視する。また、UE100は、「[(SFN * 10) + subframe number] modulo (SC-MTCH-SchedulingCycle) = SC-MTCH-SchedulingOffset」が満たされる場合、onDurationTimerSCPTMを開始させる。UE100は、PDCCHがDL送信を示す場合、drx-InactivityTimerSCPTMを開始させる。
ステップS30において、eNB200は、SC−MTCHを介してマルチキャストデータ(MBMSデータ)を送信する。物理層において、eNB200は、G−RNTIを用いてPDCCHを送信した後、PDSCHを介してマルチキャストデータを送信する。UE100は、マルチキャストデータを受信する。
このようなSC−PTMの動作において、sc-mcch-ModificationPeriodは最大10.24秒(rf1024)である。また、SC−MCCHの内容変更の通知(change notification)は、当該通知用のRNTIであるSC−N−RNTIを用いてPDCCHにより行われるが、このPDCCHはSC−MCCHと同じサブフレームでのみ送信される。よって、UE100は、少なくとも10.24秒に1回は、SC−N−RNTIを用いるPDCCHを監視しなければならない。
また、SC-MTCH-SchedulingCycleは最大1.024秒(sf1024)である。よって、UE100は、少なくとも1.024秒に1回は、G−RNTIを用いるPDCCHを監視しなければならない。
ここで、拡張DRX動作を行うUE100がSC−PTM受信を行うケースを想定する。この場合、UE100に拡張DRXが設定されているにもかかわらず、UE100が頻繁にPDCCHを監視しなければならない。したがって、拡張DRXによる省電力化の効果を得ることが難しい。
(実施形態に係る動作)
以下において、実施形態に係る動作について説明する。
実施形態に係るUE100は、RRCアイドルモードにおいてSC−PTM伝送向けのDRX動作を行う。UE100は、SC−PTM伝送向けのDRX動作において、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会を決定する。このように、拡張DRXに対応した新たなSC−PTM受信機会を導入することにより、拡張DRXによる省電力化の効果を得つつ、SC−PTM受信を可能とすることができる。
H−SFNに基づくSC−PTM受信機会は、UE100に拡張DRXが設定されている場合にのみ適用されることが好ましい。但し、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会は、UE100に拡張DRXが設定されていない場合にも適用可能としてもよい。例えば、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会は、UE100にPSM(Power Saving Mode)が設定されている場合に適用されてもよい。PSMの詳細については後述する。
実施形態において、SC−PTM受信機会は、SC−MCCH受信機会及びSC−MTCH受信機会のうち少なくとも一方を含む。言い換えると、UE100は、SC−PTM伝送向けのDRX動作において、H−SFNに基づくSC−MCCH受信機会及び/又はSC−MTCH受信機会を決定する。
実施形態において、UE100は、SC−PTM受信機会を含む特定のH−SFNを、所定値(M、N)を用いて決定する。例えば、UE100は、下記の式(6)を満たす特定のH−SFNにおいてSC−PTM受信(SC−MCCH受信及び/又はSC−MTCH受信)を行う。
H-SFN mod M = N …(6)
ここで、式(3)に示したPHの算出式とは異なり、式(6)は、UE100に固有の値(IMSI等)を用いていないことに留意すべきである。
M及びNは、SIB20又はSC−MCCHによりeNB200からUE100に設定(ブロードキャスト/マルチキャスト)される。
或いは、M及びNは事前設定されていてもよい。例えば、M=256、N=0と事前設定される場合、拡張DRXにおけるページング受信機会と同様なSC−PTM受信機会とすることができる。
実施形態において、SC−MCCH受信機会用のMSC−MCCH及びNSC−MCCHと、SC−MTCH受信機会用のMSC−MTCH及びNSC−MTCHとが別々に設定されてもよい。この場合、SC−MTCH受信機会用のMSC−MTCH及びNSC−MTCHは、TMGI(G−RNTI)毎に別々に設定されてもよい。すなわち、SC−MTCH受信機会用のMSC−MTCH及びNSC−MTCHは、自UEが受信するMBMSサービス(MBMSセッション)に対応付けられた値であってもよい。
実施形態において、UE100は、決定した特定のH−SFN(ハイパーフレーム)の期間内で、PDCCHの監視が可能な状態であるアクティブ状態を継続する。その間、UE100は、上述したような一般的なSC−PTMの動作に従ってSC−PTM受信機会(SC−MCCH受信機会及び/又はSC−MTCH受信機会)を決定してもよい(図10参照)。或いは、決定した特定のH−SFN(ハイパーフレーム)の期間内で、上述したようなページングウィンドウが設定されてもよい(式(4)及び式(5)等参照)。
なお、UE100がSC−PTM受信機会でPDCCHを受信した場合(データ送信が行われた場合)、通常のRRCコネクティッドモードのDRXと同様に、オン期間(On Duration)が伸びていく。そして、UE100は、Inactivity time中にPDCCHが来なければ、OFF(スリープ状態)になれる。ここで、連続的にSC−MTCHが送信されている場合を想定すると、特定のH−SFNが終了して次のH−SFNとなっても、SC−MTCHが送信され続けていることも考えられる。このような場合は、データ受信が完了するまで受信動作が優先され、Inactivity timeの経過後にOFFとなった時点から通常の動作(OFF/スリープ状態)に戻ってもよい。
実施形態において、eNB200は、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会が適用されることを示す情報をSIB又はSC−MCCHにより送信してもよい。UE100は、当該情報をeNB200から受信した場合に、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会を適用する。なお、eNB200がM及びNをUE100に設定する場合、M及びNを、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会が適用されることを示す情報とみなしてもよい。
ここでは、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会をUE100が決定する動作について主として説明した。しかしながら、eNB200も同様の動作を行い、UE100(マルチキャストグループ)のSC−PTM受信機会に合わせてSC−PTMの送信を行う。
(動作フローの一例)
以下において、実施形態に係る動作フローの一例について説明する。上述した動作と重複する動作については説明を省略する。
図11は、実施形態に係るUE100及びeNB200の動作フローの一例を示す図である。
図11に示すように、ステップS101において、eNB200は、BCCHを介してSIB20を送信する。UE100は、SIB20を受信する。
SIB20は、SC−MCCHの取得に必要な情報を含む。SIB20は、上述した情報に加えて、SC−MCCH受信機会用のMSC−MCCH及びNSC−MCCHを含む。SIB20は、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会が適用されることを示す情報(H-SFN based reception apply)をさらに含んでもよい。
ステップS102において、UE100は、MSC−MCCH及びNSC−MCCHを用いて、H−SFNに基づくSC−MCCH受信機会を決定する。具体的には、UE100は、SC−MCCH受信機会を含む特定のH−SFNを決定する。
ステップS103において、eNB200は、SC−MCCH受信機会において、SC−MCCHを介してSCPTM設定情報を送信する。UE100は、SC−MCCH受信機会においてSCPTM設定情報を受信する。
SCPTM設定情報は、上述した情報に加えて、TMGI(G−RNTI)に対応付けられたMTMGI及びNTMGIを含む。MTMGI及びNTMGIは、SC−MTCH受信機会の決定に用いられる。例えば、MTMGI及びNTMGIは、各SC-MTCH-Infoに含まれる。図11の例において、SCPTM設定情報は、TMGI1に対応するMTMGI1及びNTMGI2、TMGI2に対応するMTMGI2及びNTMG2、…を含む。SCPTM設定情報は、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会が適用されることを示す情報(H-SFN based reception apply)をさらに含んでもよい。
ステップS104において、UE100は、自UEが受信するMBMSサービス(MBMSセッション)に対応するTMGIのMTMGI及びNTMGIを用いて、H−SFNに基づくSC−MTCH受信機会を決定する。具体的には、UE100は、SC−MTCH受信機会を含む特定のH−SFNを決定する。ここでは、UE100が受信するMBMSサービスのTMGIがTMGI1であると仮定して説明を進める。
ステップS105において、eNB200は、TMGI1に対応するSC−MTCH受信機会において、TMGI1に対応するSC−MCCHを介してマルチキャストデータを送信する。UE100は、TMGI1に対応するSC−MTCH受信機会において、TMGI1に対応するSC−MCCHを介してマルチキャストデータを受信する。
図12は、実施形態に係るUE100の受信判定フローの一例を示す図である。
図12に示すように、ステップS201において、UE100は、現在のH−SFN(This H-SFN)が式(6)を満たすか否かを確認する。現在のH−SFNとは、UE100が受信したSIB1に含まれるH−SFNであってもよい。現在のH−SFNが式(6)を満たさない場合(ステップS201:No)、UE100は、そのH−SFNの期間(ハイパーフレーム)内でスリープ状態を継続する。
一方、現在のH−SFNが式(6)を満たす場合(ステップS201:Yes)、ステップS202において、UE100は、そのH−SFNの期間(ハイパーフレーム)内でSC−PTM受信を行う。
[変更例]
上述した実施形態において、eNB200は、RRCアイドルモードの拡張DRX(又はPSM)が設定されており、かつSC−PTM受信を行うUE100が自セル内に存在することを把握していることが好ましい。また、eNB200は、そのようなUE100が受信するMBMSサービス(MBMSセッション)に対応する識別子(TMGI)を把握していることが好ましい。
本変更例に係るコアネットワーク装置は、RRCアイドルモードの省電力動作(すなわち、拡張DRX又はPSM)が設定されたUE100が受信するMBMSサービスに対応付けられた識別子(TMGI)を無線アクセスネットワーク装置に通知する。コアネットワーク装置は、例えばMME300であるが、MME300とは異なる装置であってもよい。無線アクセスネットワーク装置は、eNB200又はMCE11である。識別子は、TMGIに限らず、TMGIに対応付けられたグループ識別子であってもよい。グループ識別子は、G−RNTIであってもよい。
図13は、本変更例に係る動作フローの一例を示す図である。
図13に示すように、ステップS301において、MME300は、拡張DRXの設定(eDRX configuration)をUE100に通知する。UE100は、拡張DRXを設定する。
ステップS301の前又は後において、MME300は、どのUE100がどのMBMSサービスを受信しているのかを下記の何れかの方法で把握する。
第1の方法は、UE100→GCS AS31→MME300のルートで情報を伝達する方法である。なお、GCS AS31に代えて、SCS(Service Capability Server)を用いてもよい(第2及び第3の方法においても同様)。SCSとは、M2Mアプリケーションを実装する装置である。UE100は、拡張DRXが設定された場合、GCS AS31にその旨を通知する。GCS AS31は、MME300に対して、拡張DRXが設定されたUE100に対応するTMGI(又はグループ識別子)をMME300に通知する。GCS AS31は、MME300に直接通知してもよいし、BM−SC22及び/又はMTC−IWFを経由して通知してもよい(第2の方法においても同様)。MTC−IWFとは、3GPPネットワークへの接続要求及びControl Plane 要求信号の認証等を実装する装置である。
第2の方法は、GCS AS31→MME300のルートで情報を伝達する方法である。GCS AS31は、TMGIに属するUE100のリスト(IMSIのリスト等)をMME300に通知する。
第3の方法は、UE100→MME300のルートで情報を伝達する方法である。UE100は、所定のタイミングで、自UEが受信する(又は興味のある)MBMSサービスのTMGIをMME300に通知する。所定のタイミングとは、拡張DRXを設定される前のタイミング、拡張DRXを設定される途中のタイミング、又は拡張DRXを設定された後のタイミングである。
ステップS302において、MME300は、拡張DRXが設定されたUE100がマルチキャストグループ中に存在するか否かを確認する。
存在する場合(ステップS302:Yes)、ステップS303において、MME300は、該当するマルチキャストグループに対応するTMGI又はグループ識別子(Group ID)を含む拡張DRX設定インディケーション(eDRX config. indication)をMCE11に通知する。MCE11は、拡張DRX設定インディケーションをeNB200に転送してもよい。或いは、MME300は、MCE11を介さずに、S1インターフェイスを介して拡張DRX設定インディケーションをeNB200に通知してもよい。
ステップS304において、eNB200又はMCE11は、H−SFNに基づくSC−PTM受信機会を適用するか否かをマルチキャストグループ(TMGI)毎に判断する。ここで、eNB200又はMCE11は、拡張DRXが設定されたUE100が存在するマルチキャストグループ(TMGI)に対してH−SFNに基づくSC−PTM受信機会を適用すると判断することができる。そのような判断をMCE11が行う場合、判断結果をMCE11からeNB200に通知してもよい。
なお、ステップS303における通知内容は、TMGI毎のQoS(Quality of Service)であってもよい。或いは、高レイテンシを許容するTMGIを通知してもよい。この場合、eNB200又はMCE11は、高レイテンシを許容するUE100が存在するマルチキャストグループ(TMGI)に対してH−SFNに基づくSC−PTM受信機会を適用すると判断することができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、RRCコネクティッドモードの拡張DRXについて特に触れなかった。しかしながら、SC−PTMは、RRCアイドルモードUE及びRRCコネクティッドモードUEの両方が受信可能であるため、上述した実施形態に係る動作をRRCコネクティッドモードのDRXに適用してもよい。
或いは、RRCコネクティッドモードのDRXサイクルは最大で10.24秒であるため、SC-MTCH-SchedulingCycleを10.24秒(sf10240)まで拡張することにより、省電力化の効果を得つつ、SC−PTM受信を可能とすることができる。
上述した実施形態において、MBSFN伝送について特に触れなかった。しかしながら、上述した実施形態に係る動作をMBSFN伝送に適用してもよい。この場合、RRCアイドルモード(又はRRCコネクティッドモード)においてMBSFN伝送向けのDRX動作を行うUE100は、H−SFNに基づくMBSFN受信機会を決定する。例えば、UE100は、式(6)を満たすH−SFN内のMBSFNサブフレームにおいてPDCCHを監視する。なお、SC−PTM受信機会及びMBSFN受信機会をMBMS受信機会と総称することができる。
上述した実施形態において、MBMS受信機会(SC−PTM受信機会又はMBSFN受信機会)を主としてUE100が決定する一例を説明した。しかしながら、H−SFNに基づくMBMS受信機会をネットワーク装置が決定してもよい。ネットワーク装置とは、eNB200、MME300、MCE11、BM−SC22、GCS−AS、又はSCS等である(図2参照)。
MBMS受信機会をeNB200が決定する場合、eNB200は、MBMS受信機会をSIB20又はSC−MCCH等でUE100に通知する。
H−SFNに基づくMBMS受信機会をMME300が決定する場合、MME300は、H−SFNに基づくMBMS受信機会をNASシグナリングでUE100に通知する。MME300は、H−SFNに基づくMBMS受信機会を、S1シグナリングでeNB200に通知してもよいし、M3シグナリングでMCE11に通知してもよいし、(M3シグナリング・MCE経由で)M2シグナリングでeNB200に通知してもよい。
H−SFNに基づくMBMS受信機会をMCE11が決定する場合、MCE11は、H−SFNに基づくMBMS受信機会を(M3シグナリング・MME経由で)NASシグナリングでUE100に通知する。MCE11は、H−SFNに基づくMBMS受信機会を、M2シグナリングでeNB200に通知してもよいし、M3シグナリングでMME300に通知してもよい。
H−SFNに基づくMBMS受信機会をBM−SC22、GCS−AS、又はSCSが決定する場合、BM−SC22、GCS−AS、又はSCSは、H−SFNに基づくMBMS受信機会を、(MME経由で)NASシグナリングで、又は、直接インターフェース(GC1等)で、UE100に通知する。BM−SC22、GCS−AS、又はSCSは、H−SFNに基づくMBMS受信機会を、(MME経由で)S1シグナリングで、又は、(MBMS−GW経由で)M1シグナリングで、eNB200に通知してもよい。
上述した実施形態において、PSMの動作について特に触れなかった。ここでPSMについて説明する。まず、MME300とUE100との間のネゴシエーションにより、「active timer」(T3324)がMME300からUE100に設定される。UE100は、RRC接続の解放時に「active timer」を開始させる。MME300もUE100と同様にして「active timer」を管理する。UE100は、データ通信(例えば、ページング)無しに「active timer」が満了すると、PSMを適用する。そして、PSMが適用されると、UE100は、PSM用のタイマ(T3412)を開始させる。タイマ(T3412)も「active timer」と同様にネゴシエーションにより決定されてもよい。MME300もUE100と同様にしてタイマ(T3412)を管理する。UE100は、タイマ(T3412)が動作(running)している間、スリープ状態(超低消費電力動作)となる。タイマ(T3412)の最大値は、12.1日である。UE100は、タイマ(T3412)が満了した時に、TAUプロシージャを行う。
上述した実施形態において、移動通信システムとしてLTEシステムを例示した。しかしながら、本発明はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外の移動通信システムに本発明を適用してもよい。
[相互参照]
日本国特許出願第2016−010123号(2016年1月21日出願)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。