JP6685044B2 - 電気回路 - Google Patents

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Description

本発明は、電源や信号線を含む電気回路系から発生する電磁ノイズを低減可能な電気回路に関する。
電磁ノイズの影響を考える際にはノーマルモードとコモンモードという概念を使う必要がある。電気回路は、電源と負荷とを結ぶ2本の信号線を電流が往復することを基本としており、往路の信号線を流れる電流と復路の信号線を流れる電流は逆方向で同じ大きさになっている。このような電流の流れ方をノーマルモードという。これに対し、何らかの原因で各線に同一の電圧が加わることで、2本の信号線に同一方向同位相の電流が流れる場合をコモンモードという。
電気回路において、信号電流はノーマルモードである。一方、電磁ノイズは環境に存在しており、対象となる電気回路に同一の電圧を加える性質を持つことから、コモンモードに含まれる。このようないわゆるコモンモードノイズは、コモンモードの信号がノーマルモードに変換された不要な信号であると一般的に説明される。
ノーマルモードとコモンモードは次のように定式化することができる。通常の伝送理論では、電源と負荷との間で往路のみ信号線(分布定数線)があるとし復路はグランドとする1本線回路、又は往路・復路ともに信号線がある2本線回路の下で議論が行われる。しかし、回路は周囲の環境(例えば回路ケース)との相互作用があり、電磁ノイズの影響を考える際にはこの相互作用の考慮が不可欠である。そこで、ここでは環境との相互作用を考えるために、図15に示すような3本目の分布定数線路を加えた回路について定式化を行う(非特許文献1、2参照)。
各信号線を流れる電流をそれぞれi1、i2、i3、各信号線の電位をそれぞれu1、u2、u3であるとしたとき、信号線の位置z、時間tにおけるノーマルモード電圧vnとノーマルモード電流inはそれぞれ以下の式で表される。
n(z,t)=u1(z,t)−u2(z,t) (1)
n(z,t)=(i1(z,t)−i2(z,t))/2 (2)
これは通常測定される電圧と電流である。
一方、コモンモード電圧vcとコモンモード電流icはそれぞれ以下の式で表される。
c(z,t)=u12(z,t)−u3(z,t) (3)
c(z,t)=(i12(z,t)−i3(z,t))/2 (4)
ここで、u12(z,t)=(u1(z,t)+u2(z,t))/2、i12(z,t)=i1(z,t)+i2(z,t)である。この式の意味するところは、コモンモード電圧とコモンモード電流は、1−1´線と2−2´線を一つの系(コモン)とみなし、3−3´線の電位u3(z,t)と電流i3(z,t)との差を見ているということである。
そして、式(1)〜(4)から以下のようなコモンモード電位及びノーマルモード電位に対する電信方程式を導き出すことができる。
ここで、Pは電位係数(電気容量の逆数)、Lは誘導係数である。
これらの電信方程式のポイントは、Pnc(=Pcn=1/2(P11−P22)−P13+P23)とLnc(=Lcn=1/2(L11−L22)−L13+L23)の存在である。PncとLncの存在は、ノーマルモードとコモンモードは一般に結合しており、これによりノーマルモードとコモンモードとの間では信号の共鳴が発生するため、ノーマルモードにはコモンモードノイズが発生することを意味している。
つまり、コモンモードとノーマルモードの共鳴を無くし、コモンモードノイズの発生を防ぐには、PncとLncをゼロにすればよい。その方法のひとつとして、回路を幾何学的に対称化する方法がある(非特許文献3参照)。具体的には、正負2つの電源(信号源)を用いて負荷を駆動する。2つの電源の連結部に3本目の分布定数線路を接続し、この線を正負の信号線の中間線上に配置する構造にして、負荷も正負で全く同じにする。このように完全に上下対称な電気回路とすることで3本の線を強くカップルし、外界からのカップリングを少なくすることができる。このような構造は実際に加速器や音響機器などで採用され、ノイズの低減に成功している。
Hiroshi Toki and Kenji Sato, "Three Conductor Transmission Line Theory and Origin of Electromagnetic Radiation and Noise", Journal of the Physical Society of Japan, 2009, Vol. 78, 094201 Shuji Kitora, Masayuki Abe, and Hiroshi Toki, "Electromagnetic noise in electric circuits: Ringing and resonance phenomena in the common mode", AIP Advances, 2014, Vol. 4, 117119 Kenji Sato and Hiroshi Toki, "Synchrotron magnet power supply network with normal and common modes including noise filtering", Nuclear Instruments and Methods, 2006, Vol. 565, p.351-357
コモンモードノイズ抑制のために完全に上下対称な電気回路を構成すると、単電源の場合と比べて製品コストが大きく上昇する。本発明の目的は、低いコストでコモンモードノイズを抑制可能な電気回路を提供することにある。
(1)本発明の電気回路は、電源と、電源の一端に出力抵抗を介して一端が接続される第1分布定数線路と、電源の他端に一端が接続される第2分布定数線路と、第1分布定数線路の他端と第2分布定数線路の他端との間に接続される負荷抵抗と、を備える電気回路であって、第1分布定数線路と第2分布定数線路の双方と平行に配置される第3分布定数線路を更に備え、第3分布定数線路の一端が、第1抵抗を介して電源の他端に接続されることを特徴とする。このように信号伝送にかかわる2本の分布定数線路とは別の第3の分布定数線路の一端を、抵抗を介して電源に接続するという単純な構成により、低いコストでコモンモードノイズを低減することができる。
(2)第3分布定数線路は、その一端を更に、第1抵抗と同じ抵抗値の第2抵抗と出力抵抗とを介して電源の一端に接続し、第1分布定数線路と第2分布定数線路との中間線上に配置してもよい。このような単純な構成により、コモンモードノイズを劇的に低減することができる。
本発明の電気回路100の構成を示す図である。 本発明の電気回路200の構成を示す図である。 図15の構成に対する第1のシミュレーション結果を示す図である。 図15の構成に対する第2のシミュレーション結果を示す図である。 図1の構成に対する第1のシミュレーション結果を示す図である。 図1の構成に対する第2のシミュレーション結果を示す図である。 図1の構成に対する第3のシミュレーション結果を示す図である。 図2の構成に対する第1のシミュレーション結果を示す図である。 図2の構成に対する第2のシミュレーション結果を示す図である。 図2の構成に対する第3のシミュレーション結果を示す図である。 図2の構成に対する第4のシミュレーション結果を示す図である。 図2の構成にキャパシタを追加した場合の構成図である。 図12の構成に対する第1のシミュレーション結果を示す図である。 図12の構成に対する第2のシミュレーション結果を示す図である。 2本の信号線を備える回路に周辺環境として機能する3本目の線を追加する従来例を示す図である。
<第1実施形態>
本発明の電気回路100の構成を図1に示す。電気回路100は、電源e(t)、出力抵抗R、第1分布定数線路1−1´、第2分布定数線路2−2´、第3分布定数線路3−3´、負荷抵抗R、及び第1抵抗R23を備える。出力抵抗Rは、電源e(t)の出力抵抗である。第1分布定数線路1−1´は、その一端1が出力抵抗Rを介して電源e(t)の一端に接続され、他端1´が負荷抵抗Rの一端に接続される。第2分布定数線路2−2´は、その一端2が電源e(t)の他端に接続され、他端2´が負荷抵抗Rの他端に接続される。第3分布定数線路3−3´は、その一端3が第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続される。第3分布定数線路3−3´は、正負の信号線である第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´を備える2本線回路の電気的特性を把握する際に、周囲の環境との相互作用を考慮するために加えられる分布定数線路である。
信号伝送にかかわる2本の分布定数線路1−1´と分布定数線路2−2´とは別の第3の分布定数線路3−3´を設け、その一端3を第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続することで、コモンモードノイズを低減することができる。第1抵抗R23の挿入によるコモンモードノイズの低減効果は、第1抵抗R23においてノイズ成分が消費されることに一因があると推察される。基本的には第1抵抗R23の抵抗値は、大きければ大きいほどノイズ低減効果が大きいが、ある程度の大きさになると抵抗の熱ノイズの影響が無視できなくなり、また大きい値の抵抗ほど入手しにくくなるため、回路に適用する第1抵抗R23の抵抗値はそれらの事情を考慮して決定するとよい。
なお、電源e(t)は一般的には電圧源が想定されるが電流源であっても構わない。この場合、出力抵抗は電流源に並列に挿入される。
<第2実施形態>
本発明の電気回路200の構成を図2に示す。電気回路200は、電源e(t)、出力抵抗R、第1分布定数線路1−1´、第2分布定数線路2−2´、第3分布定数線路3−3´、負荷抵抗R、第1抵抗R23、及び第2抵抗R13を備える。
第1実施形態の電気回路100との相違は、第3分布定数線路3−3´について、その一端3が更に、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続され、かつ、第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との中間線上に配置されている点にある。すなわち、第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との間の距離d12と、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13と、の間でd13=d12/2の関係がある。
このように構成することで、コモンモードノイズを、抵抗が一つの場合と比べ劇的に低減することができる。この低減効果は、まず第1抵抗R23及び第2抵抗R13においてノイズ成分が消費されることに一因があると推察される。それに加え、第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との中間線上に配置するとともに、第3分布定数線路3−3´と第1分布定数線路1−1´との間、及び第3分布定数線路3−3´と第2分布定数線路2−2´との間に、それぞれ同じ抵抗値の第1抵抗R23、及び第2抵抗R13を挿入することで、回路が幾何学的に対称化されることにも一因があると推察される。すなわち、正負の信号線である第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´とが、それぞれ第1抵抗R23と第2抵抗R13を介して第3分布定数線路3−3´に接続されることで、第3分布定数線路3−3´に擬似的なグランド電位が形成され、この第3分布定数線路3−3´が第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との中間線上に配置されることで、幾何学的に完全に上下対称な電気回路が構成される。これにより3本の線を強くカップルし、外界からのカップリングを少なくすることができるため、劇的にノイズを低減することができると推察される。
なお、第1抵抗R23及び第2抵抗R13の抵抗値は、大きければ大きいほどノイズ低減効果が大きいが、ある程度の大きさになると抵抗の熱ノイズの影響が無視できなくなり、また大きい値の抵抗ほど入手しにくくなるため、回路に適用する抵抗値はそれらの事情を考慮して決定するとよい。
本発明の電気回路における各構成要素は、必要に応じ併合・分割を行っても構わない。また、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、第3分布定数線路3−3´の他端は図面上は解放端となっているが、本発明の効果に影響が生じない形で(例えば大きな値の抵抗を介するなどにより)第1分布定数線路1−1´や第2分布定数線路2−2´と接続しても構わない。また、ここでは回路を1次元(線)で構成した場合について例示したが、2次元(面)もしくは3次元(立体)で構成した場合にも回路の対称化によってノイズを低減することが可能である。
本発明における電気回路によりコモンモードノイズを低減できることを計算機シミュレーションにより確認を行った。具体的には、マクスウェル方程式から導き出した電信方程式と電磁場の輻射とを同時に記述する新しい電信方程式(参考文献参照)に、回路を構成する各パラメータを代入し、時間領域差分法(Finite-difference time-domain method;FDTD法)を用いた計算アルゴリズム(出願済の特願2015−195118号に記載)により、電源e(t)から入力した1つのパルスが負荷抵抗Rにおいてどのように現れるかを計算した。
〔参考文献〕Hiroshi Toki and Kenji Sato, "Multiconductor Transmission-Line Theory with Electromagnetic Radiation", Journal of the Physical Society of Japan, 2012, Vol. 81, 014201
<比較例1>
図15の構成、すなわち第1抵抗R23を挿入することなく第3分布定数線路3−3´の一端3を電源e(t)の他端に接続した構成における第1のシミュレーション結果を図3に示す。横軸が電源e(t)からパルスを入力されてからの時間、縦軸が電圧であり、電源e(t)から入力されたパルスを黒塗りで、負荷抵抗Rに出現したパルスを白抜きでそれぞれ示している。すなわち、時刻0で立っている最初のパルスが電源e(t)から入力されたパルスであり、以降のパルスが、一定の時間を経て負荷抵抗Rに出現したパルス(電位差V12)である。シミュレーションに用いた各パラメータ値は、各分布定数線路の長さL=1m、出力抵抗R=負荷抵抗R=318.835Ω(分布定数線路の特性インピーダンス)、第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との間の距離d12=0.1m、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13=0.12m、電源e(t)から入力されるパルス電圧=1V、パルス幅=1.0×10-9秒である。
電源からパルスが入力されると、出力抵抗と分布定数線路を経て減衰したパルスが負荷抵抗Rに到達する。これに続いて到達する小さなパルスが、第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´を往路復路とする2本線回路と、第3分布定数線路3−3´により擬似的に形成された周囲の環境と、の相互作用により発生したコモンモードノイズである。この2本線回路に閉じて考えると、RとRを同じ値にしてインピーダンス整合がとられているため反射が生じないが、第3分布定数線路3−3´、すなわち周囲の環境の存在によりコモンモードノイズが反射され、負荷抵抗Rにおいて周期的に繰り返し出現する。
<比較例2>
図15の構成、すなわち第1抵抗R23を挿入することなく第3分布定数線路3−3´の一端3を電源e(t)の他端に接続した構成における第2のシミュレーション結果を図4に示す。比較例1との相違は、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13が0.05mに変更されていることのみであり、言い換えれば比較例2は、第3分布定数線路3−3´に対して第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´とが線対称に配置されている場合である。シミュレーションに用いた各パラメータ値についても比較例1との相違はこの点のみである。図4から、線対称に配置されていない場合の図3に示した結果と概ね同程度に、コモンモードノイズが周期的に繰り返し出現することがわかる。すなわち、図15の構成では第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置するか否かで結果に顕著な差異は生じないことがわかる。
<実施例1>
図1の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´を第1抵抗R23を介して電源e(t)に接続した構成における第1のシミュレーション結果を図5に示す。図1の構成は図15の構成に第1抵抗R23を加えたものであり、シミュレーションに用いた各パラメータ値は、追加した第1抵抗R23の抵抗値が100Ωであること以外は比較例1と同じである。図5と図3、4との対比から、第3分布定数線路3−3´を第1抵抗R23を介して電源e(t)に接続することで、コモンモードノイズの大きさを半分以下に低減できることがわかる。なお、図5は比較例1、2との比較のために縦軸の目盛を粗くしていることで、3パルス目以降のコモンモードノイズが消失しているように見えるが、実際には2.5×10-2V以下の大きさで周期的に出現している。
<実施例2>
図1の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´を第1抵抗R23を介して電源e(t)に接続した構成における第2のシミュレーション結果を図6に示す。実施例1との相違は、第1抵抗R23の値を1.0×10Ωとした点のみであり、シミュレーションに用いた各パラメータ値についても実施例1との相違はこの点のみである。図6と図5との対比から、第1抵抗R23の抵抗値を10倍にすることで、コモンモードノイズの大きさを実施例1の1/105程度(2.5×10-7V程度)に大幅に低減できていることがわかる。なお、図6以下においてはコモンモードノイズが小さいため、縦軸の目盛を細かくしている。
<実施例3>
図1の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´を第1抵抗R23を介して電源e(t)に接続した構成における第3のシミュレーション結果を図7に示す。実施例2との相違は、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13が0.05mに変更されていることのみであり、言い換えれば実施例3は、第3分布定数線路3−3´に対して第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´とが線対称に配置された場合である。シミュレーションに用いた各パラメータ値についても実施例2との相違はこの点のみである。図7と図6との対比から、コモンモードノイズの大きさが実施例2の場合より3倍程度になっている。すなわち、図1の構成では第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置しても、中間線上に配置しない場合と比べて特段の効果を奏しないことがわかる。もっとも、実施例1と比較すれば、第1抵抗R23の抵抗値を10倍にしたことで、コモンモードノイズの大きさを3/105程度(7.5×10-7V程度)に大幅に低減できている。
<実施例4>
図2の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´の一端3について、第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続するとともに、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続した構成における第1のシミュレーション結果を図8に示す。図2の構成は、図1の構成に第2抵抗R13を加えたものであり、シミュレーションに用いた各パラメータ値は、追加した第2抵抗R13の抵抗値が1.0×105Ωであること以外は実施例2と同じである。すなわち、実施例4は各分布定数線路の並び順に関しては図2ではなく図1と同様のケースである。図8と図6との対比から、第2抵抗R13が追加されているか否かでコモンモードノイズの大きさに顕著な差異は生じないことがわかる。
<実施例5>
図2の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´の一端3について、第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続するとともに、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続した構成における第2のシミュレーション結果を図9に示す。実施例4との相違は、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13が0.08mに変更されていることのみであり、シミュレーションに用いた各パラメータ値についても実施例4との相違はこの点のみである。実施例5は各分布定数線路の並び順に関しても図2と同様のケースである。図9と図8との対比から、第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置しない場合には各分布定数線路の位置関係にかかわらず、結果に顕著な差異は生じないことがわかる。
<実施例6>
図2の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´の一端3について、第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続するとともに、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続した構成における第3のシミュレーション結果を図10に示す。実施例5との相違は、第1分布定数線路1−1´と第3分布定数線路3−3´との間の距離d13が0.05mに変更されていることのみであり、言い換えれば実施例6は、第3分布定数線路3−3´に対して第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´とが線対称に配置された場合である。シミュレーションに用いた各パラメータ値についても実施例5との相違はこの点のみである。図10と図9との対比から、第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置することで、コモンモードノイズの大きさを実施例5の1/10程度(1.0×10-10V程度)に劇的に低減できることがわかる。
<実施例7>
図2の構成、すなわち第3分布定数線路3−3´の一端3について、第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続するとともに、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続した構成における第4のシミュレーション結果を図11に示す。実施例6との相違は、第1抵抗R23の抵抗値及び第2抵抗R13の抵抗値を1.0×10Ωとした点のみであり、シミュレーションに用いた各パラメータ値についても実施例6との相違はこの点のみである。図11と図10との対比から、第1抵抗R23の抵抗値及び第2抵抗R13の抵抗値を10倍にすることで、コモンモードノイズの大きさを実施例6の1/10程度(1.0×10-11V程度)に低減できていることがわかる。
<実施例8>
図12は、図2の構成の現実的な系を想定して、第1抵抗R23及び第2抵抗R13のそれぞれに対して並列に第1キャパシタC23及び第2キャパシタC13を追加した場合の構成図である。この構成における第1のシミュレーション結果を図13に示す。シミュレーションに用いた各パラメータ値は、第1キャパシタC23及び第2キャパシタC13の静電容量が共に2×10-12Fである以外は実施例5と同様である。この静電容量の値は、実際の抵抗に寄生する浮遊容量の値を想定したものである。図13と図9との対比から、第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置しない場合には現実的な系においてノイズが非常に大きくなることがわかる。
<実施例9>
図12の構成、すなわち図2の構成の現実的な系を想定して、第1抵抗R23及び第2抵抗R13のそれぞれに対して並列に第1キャパシタC23及び第2キャパシタC13を追加した構成における第2のシミュレーション結果を図14に示す。シミュレーションに用いた各パラメータ値は、第1キャパシタC23及び第2キャパシタC13の静電容量が共に2×10-12Fである以外は実施例6と同様である。図14と図10との対比から、第3分布定数線路3−3´を第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´の中間線上に配置することで、現実的な系においてもノイズを大きく低減できることがわかる。
以上の比較例及び実施例から、(1)信号伝送にかかわる2本の分布定数線路1−1´と分布定数線路2−2´とは別の第3の分布定数線路3−3´を設け、その一端3を第1抵抗R23を介して電源e(t)の他端に接続することで、コモンモードノイズを低減することができること、第1抵抗R23の抵抗値が大きいほどノイズを低減できることが確認された。更に(2)第3分布定数線路3−3´について、その一端3を更に、第1抵抗R23と同じ抵抗値の第2抵抗R13と出力抵抗Rとを介して電源e(t)の一端に接続し、かつ、第1分布定数線路1−1´と第2分布定数線路2−2´との中間線上に配置することで、劇的にコモンモードノイズを低減することができること、第1抵抗R23及び第2抵抗R13の抵抗値が大きいほどノイズを低減できることが確認された。
電源や信号線において電磁ノイズの発生を抑える必要がある場合、例えば、医療用加速器やその他の医療機器の電源、PLC(Power Line Communication:家庭用電源線を用いたインターネット接続)などに利用することができる。
1、2、3 分布定数線路の一端
1´、2´、3´ 分布定数線路の他端
e(t) 電源 V12 負荷抵抗に現れる電位差
出力抵抗 R 負荷抵抗
23 第1抵抗 R13 第2抵抗
23、C13 キャパシタ
13 第1分布定数線路と第3分布定数線路との距離
23 第2分布定数線路と第3分布定数線路との距離

Claims (2)

  1. 電源と、
    前記電源の一端に出力抵抗を介して一端が接続される第1分布定数線路と、
    前記電源の他端に一端が接続される第2分布定数線路と、
    前記第1分布定数線路の他端と前記第2分布定数線路の他端との間に接続される負荷抵抗と、
    を備える電気回路であって、
    前記第1分布定数線路と前記第2分布定数線路の双方と平行に配置される第3分布定数線路を更に備え、
    前記第3分布定数線路の一端が、第1抵抗を介して前記電源の他端に接続される
    ことを特徴とする電気回路。
  2. 前記第3分布定数線路は、その一端が更に、前記第1抵抗と同じ抵抗値の第2抵抗と前記出力抵抗とを介して前記電源の一端に接続され、前記第1分布定数線路と前記第2分布定数線路との中間線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電気回路。

JP2016095138A 2016-05-11 2016-05-11 電気回路 Expired - Fee Related JP6685044B2 (ja)

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