JP6684027B2 - 付着物収集装置及び付着物解析システム - Google Patents

付着物収集装置及び付着物解析システム Download PDF

Info

Publication number
JP6684027B2
JP6684027B2 JP2016200095A JP2016200095A JP6684027B2 JP 6684027 B2 JP6684027 B2 JP 6684027B2 JP 2016200095 A JP2016200095 A JP 2016200095A JP 2016200095 A JP2016200095 A JP 2016200095A JP 6684027 B2 JP6684027 B2 JP 6684027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
adhering matter
collecting device
gas
inspection object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016200095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018063123A (ja
Inventor
峻 熊野
峻 熊野
益之 杉山
益之 杉山
釜堀 政男
政男 釜堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2016200095A priority Critical patent/JP6684027B2/ja
Publication of JP2018063123A publication Critical patent/JP2018063123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6684027B2 publication Critical patent/JP6684027B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、検査対象物に付着した付着物を回収する付着物収集装置及び付着物解析システムの技術に関する。
工業分野や環境分野等で、検査対象物に付着した付着物の物質を分析することの重要性が高まってきている。特に、環境分野では環境汚染の状態を把握するために、付着物を迅速、リアルタイム、高感度に計測する分析装置が求められている。また、工業分野では生産プロセスの管理や品質管理を目的として、工業製品に付着した付着物成分を迅速、リアルタイム、高感度に計測する分析装置が求められている。
例えば、特許文献1には、「微粒子を連続で回収濃縮しながら、リアルタイムで分析する方法を提供する。認証対象2に付着する検出対象物質のガス及び/又は微粒子を送気部5からの気流で剥離させ、剥離した試料を吸引し、微粒子捕集部10で濃縮して捕集し、イオン源部21で試料のイオンを生成し、質量分析部23で質量分析する。得られた質量スペクトルから検出対象物質に由来する質量スペクトルの有無を判定し、その結果を表示部27に表示することで、認証対象2に付着した検出対象物質を連続的にリアルタイムで迅速かつ低誤報で検出する」分析装置及び分析方法が開示されている(要約参照)。
また、特許文献2には、「対象を認証する認証部と、前記対象に対して少なくとも2つの異なる方向から噴射気流を発生させる送気部と、前記対象から剥離したガス及び/又は微粒子を回収する回収口と、前記対象から剥離したガス及び/又は微粒子を吸引する吸気部と、前記送気部の噴射気流及び前記吸気部の吸引を制御する流量制御部と、前記吸引したガス及び/又は微粒子に含まれる検出対象物質を濃縮して捕集する微粒子捕集部と、前記微粒子捕集部から導入される前記検出対象物質を分析する分析部と、前記分析部で分析した結果から前記検出対象物質の有無を判定する分析判定制御部と、を備える」分析装置が開示されている(要約参照)。
特許文献1,2では空気流によって付着物の剥離を試みているのに対し、特許文献3に記載の技術では、検査対象物にドライアイス微粒子を吹き付けることで剥離向上させたハンドヘルド型の付着物回収装置を開示している。液化炭酸ガスボンベを搭載し、高速ガス気流として炭酸ガスを噴射することで、断熱膨張によりドライアイス微粒子を作製して検査対象物に衝突させている。
国際公開第2012/063796号 国際公開第2016/027320号 米国特許第8353223号明細書
ガスの気流を用いて検査対象物に付着した付着物の剥離回収を試みると、付着力の小さい付着物しか剥離することができない。そして、剥離効率を向上させるためには、気流の速度を非常に大きくするか、特許文献3に記載の技術のように、サンドブラストや、ドライアイスパウダのように固体粒子を検査対象物に衝突させることになる。しかし、これらの手法は、検査対象物に対する侵襲性が高まるという課題がある。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、低浸襲かつ高効率な付着物の剥離を行うことを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、検査対象物を接触させる接触部と、前記検査対象物が前記接触部から離れた後、前記接触部に向けて気流を噴射する噴射部と、前記噴射部によって噴射された気流を回収する回収部とを有することを特徴とする。
その他の解決手段については、実施形態中に適宜記載する。
本発明によれば、低浸襲かつ高効率な付着物の剥離を行うことができる。
第1実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図を示す図(その1)である。 第1実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図を示す図(その2)である。 第1実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図を示す図(その3)である。 第1実施形態で用いられる認証システムの構成例を示す図である。 接触面に転写された付着物を示す図である。 分析装置で検出されたシグナルの時間変化を示す図である。 第1実施形態で用いられる認証システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 接触面を上から見た場合の一例を示す図(その1)である。 接触面を上から見た場合の一例を示す図(その2)である。 接触面を上から見た場合の一例を示す図(その3)である。 第2実施形態で用いられる噴射ノズルの形状の例を示す図(その1)である。 第2実施形態で用いられる噴射ノズルの形状の例を示す図(その2)である。 第3実施形態に係る付着物収集装置を示す図である。 第4実施形態に係る付着物収集装置を示す図である。 第5実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。 第6実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。 第6実施形態で用いられる配管の概略断面図を示す図である。 第7実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。 第8実施形態に係る付着物収集装置の概略図である。 第9実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図である。 第10実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図(その1)である。 第10実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図(その2)である。 第10実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図(その3)である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。以下の実施形態と、既知の技術との組み合わせや置換による変形例も本発明の範囲に含まれる。なお、実施形態を説明するためのすべての図面において、同一機能を有するものは、同一符号を付し、説明を繰り返すことは省略する。
本実施形態の認証システムは、検査対象者の所持品や体に付着した付着物を分析することを目的とするが、カード等に付着した付着物を分析するものでもよい。本実施形態では、特に、検査対象者の指に付着した付着物を主な分析対象物とする。
[第1実施形態]
(付着物収集装置)
まず、図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図を示す図である。このうち、図1は、検査対象物である手を入れる前、図2は手を入れているところ、図3は手を抜いたところをそれぞれ示している。
図1〜図3に示すように、付着物収集装置1は筺体11、接触面(接触部)12、噴射ノズル(噴射部)13、赤外線センサ14、粗メッシュフィルタ15、認証装置(認証取得部)16を有している。
筺体11は、上部筺体11A及び下部筺体から構成され、内部に空間を有する構成となっている。図1に示すように、まず、挿入口17から検査対象者が検査対象物としての指H(手首から先)を筺体11によって形成される空間内に挿入する。
そして、図2に示すように、検査対象者は、指Hを接触面12に接触させる。その際に認証装置16によって生体認証データが取得される。
すなわち、認証装置16と、付着物収集装置1とが一体化されており、検査対象者が指Hを付着物収集装置1内の接触面12に接触させると、認証装置16が指紋等の生体認証データを取得する。この際、検査対象者の指Hに付着していた付着物が付着物収集装置1の接触面12に転写される。なお、認証装置16は、例えば、カメラであり、透明な部材で構成されている接触面を下方から撮像できる構成となっている。
続いて、検査対象者が指Hを付着物収集装置1から離したことが検知されると、図3に示すように、接触面12に向けて、噴射ノズル13からガス(気流)A1が噴射される。
本実施形態では、図2において接触面12に指Hから転写された付着物を、接触面12に対面する面に配置されている噴射ノズル13からガスA1を噴射することで剥離させる。
噴射ノズル13から噴射されたガスA1は接触面12に衝突後、回収口(回収部)18へと向かって流れ(剥離された付着物を含むガスA2)、回収される。
本実施形態では、検査対象者の指HそのものにガスA1をあてず、接触面12に転写された付着物にガスA1をあてる。このため、指Hに対する侵襲度を気にすることなく強力なガスA1や、サンドブラストや、ドライアイスパウダ等の固体微粒子を含んだガスA1を利用することができる。これにより、効率的に付着物を剥離回収することができる。
ここで、指Hを付着物収集装置1から離すというのは、少なくとも指Hが噴射ノズル13から噴射されるガスA1にあたらない位置まで離れることを意味する。すなわち、少なくとも図3における噴射ノズル13から出たガスA1を示す破線矢印の延長線上よりも紙面右側まで指Hが離れた後にガスA1が噴射される。より好ましいのは図1等における赤外線センサ14よりも紙面右側まで指Hが離れるとよい。
ここで、図1〜図3に示すように、付着物収集装置1の挿入口17付近には赤外線センサ14として赤外線発光部14aと赤外線受光部14bが設けられている。破線Rは、赤外線発光部14aから照射され、赤外線受光部14bで受光される赤外線を示す。図2に示すように、指Hが付着物収集装置1に挿入され赤外線が遮られると、赤外線センサ14が反応して指Hの挿入を検知する。
また、図3に示されるように、遮られていた赤外線が導通することによって、付着物収集装置1から指Hが離れたことが検知され、噴射ノズル13からガスA1が噴射される。
なお、赤外線発光部14aと赤外線受光部14bとは上下逆に設けてもよい。また、赤外線発光部14aと赤外線受光部14bは、指Hの挿入が検出される位置であれば斜めに設置されていてもよい。また、赤外線発光部14aと赤外線受光部14bと組の数は図1〜図3のように1組に制限されるものではなく複数組設置してもよい。
図1〜図3に示すように噴射ノズル13は、鉛直方向に対して回収口18の方向へ傾いた状態で設置されている。鉛直方向に対する角度は15〜90°程度が一般的範囲であるが、30〜45°が望ましい。噴射ノズル13の形状は丸形状だけでなく、楕円、正方形、長方形等が適用可能である。また、噴射ノズル13から噴射されたガスA1(図3参照)の流速は噴射ノズル13から遠ざかるほど低下する。ガスA1によって付着物に働く動圧は流速の2乗に比例するため、流速が早いほど付着物に働く動圧は高くなる。すなわち噴射ノズル13と付着物との距離が近いほど動圧は高まる。図1〜図3に示す構造のように噴射ノズル13が接触面12と対面する面に存在する場合、噴射ノズル13が設置されている面と接触面12との距離は、それらの間に挿入される検査対象物、例えば本実施形態では手や指Hの大きさに制限される。
筺体11は非透明でも透明でもよいが、透明の方が、検査対象者が指Hを付着物収集装置1に挿入しやすいため好ましい。
また、図1〜図3に示すように、回収口18の手前には粗メッシュフィルタ15が設けられている。粗メッシュフィルタ15は、大きな埃が回収口18に入ることを防ぐためのものである。粗メッシュフィルタ15は、例えば、ステンレス金網メッシュ(開き目0.5mm、開孔率50%)である。この粗メッシュフィルタ15は交換可能であり、埃が詰まった場合には清掃して再利用するか、新品と交換する。
図1〜図3に示す付着物収集装置1では指Hを挿入する挿入口17と回収口18が対面した状態となっているが、それに限定されるものではない。例えば、回収口18が図1〜図3の紙面奥行き方向に配置されていてもよい。すなわち、挿入口17の方向と、回収口18の方向とが直角(上下左右のどれかの方向に直角)となっていてもよい。その際は、接触面12にあたったガスが回収口18の方向へと向かうよう、噴射ノズル13が設置される。すなわち、噴射ノズル13は回収口18に向けて設置される。また、挿入口17と回収口18とがクランク状にオフセットされていてもよい。
(認証システム)
図4は、第1実施形態に係る付着物解析システムを備えた認証システムの構成例を示す図である。
認証システム100は、前記したように、検査対象者の指Hに付着した付着物の分析と、指紋認証を行うことが可能なセキュリティゲートシステムを想定している。特に、爆発物等の危険物の検知を目的としている。
図4に示すように、認証システム100は、付着物収集装置1、バルブ101、圧力コントローラ102、ガス供給源103、人感センサ111を有している。また、認証システム100は、付着物濃縮装置(濃縮部)120、分析装置(解析部)131、制御/データ処理装置(解析部、認証部)132、表示装置133、ゲート(通超制御部)134を有している。
付着物濃縮装置120は、サイクロン捕集装置(サイクロン捕集部)121、ヒータ122、1次フィルタ123、2次フィルタ124及び排気装置125を有している。
なお、図4に示す認証システム100は一例であり、必ずしもこの構成に限定されるわけではない。
付着物収集装置1における噴射ノズル13(図1参照)は、噴射ノズル13にガスを供給する噴射ノズル用配管(不図示)に接続されている。この噴射ノズル用配管は付着物収集装置1の外部のバルブ101へと配管101aを介して接続されている。なお、各噴射ノズル13に繋がる配管それぞれが付着物収集装置1の外部へと伸びてバルブ101(配管101a)へと接続されてもよいし、付着物収集装置1内で複数の噴射ノズル13に接続された噴射ノズル用配管が一つにまとまり、それから付着物収集装置1の外部へと出ていきバルブ101(配管101a)に接続されてもよい。
バルブ101は配管101bを介して、圧力コントローラ102と接続し、圧力コントローラ102は配管102aを介してガス供給源103に接続されている。ガス供給源103は例えばコンプレッサである。ガス供給源103において、ガスは0.7MPa程度までガス圧が高められている。噴射ノズル13に供給されるガスのガス圧は圧力コントローラ102で調節される。バルブ101は通常閉状態となっており、0.1秒程度開放することで圧縮されたガスがパルス的に噴射ノズル13へ供給される。1回の分析につきガス噴射回数は1回とは限らず、1回の分析でバルブ101が複数回開閉され、複数回の噴射が行われてもよい。また、バルブ101とガス供給源103の間に空気溜まりが設けられるとよい。例えば、バルブ101を通過する流量が60L/minであった場合、0.1秒間で100mLのガスが噴射ノズル13から排出される。複数回噴射する場合は、その分だけガスが排出される。このとき、空気溜まり(アキュムレータ)を設けておくと、バルブ101からガス供給源103の間の内圧が下がってしまうことを抑制することができる。すなわち、必要量の圧縮空気を空気溜まりに溜めておくことで、バルブ101からガス供給源103の間の内圧が下がることを防止し、噴射ノズル13から安定したガスを噴射することができる。
一方、回収口18から回収された付着物は、サイクロン捕集装置121へ送られる。
サイクロン捕集装置121は、付着物を分離濃縮するために利用される。
噴射した気流によって剥離した付着物を効率的に回収するためには回収口18から大流量で吸引する必要がある。一方で、代表的な分析装置131である質量分析計やイオンモビリティ分析装置は一般的に1L/min以下の試料流量しか吸引しない。回収口18における吸気量が100L/minとし、濃縮を行わずに分析装置131が1L/minしか吸引しないとすると、試料濃度が1/100になってしまう。そこで、付着物収集装置1と分析装置131に間に付着物濃縮装置120を設置することで、ガスから付着物を分離濃縮する。このようにすることで、分析装置131に吸引されるガスに含まれる付着物を濃縮させ、分析装置131における感度を向上させることができる。特に、付着物濃縮装置120にサイクロン捕集装置121を使用することで、高効率に付着物の濃縮を行うことができる。
サイクロン捕集装置121は遠心力を利用して、ある一定以上の粒径及び密度の試料をサイクロン捕集装置121の下部へと捕集する。例えば、あるサイクロン捕集装置121の設定条件において、粒径1μm以上の付着物はサイクロン捕集装置121内を回転運動し、遠心力によりサイクロン捕集装置121内の外周側に分離される。回転運動の半径は下方に向かって減少する。サイクロン捕集装置121の外周側に分離された付着物以外の付着物は、気流と共に中央の排気管から排気装置125によって排出される。
サイクロン捕集装置121での回転運動によりガスから分離される付着物の最小粒径(分離限界粒径)は、サイクロン捕集装置121の構成や排気装置125の排気流量によって変化する。サイクロン捕集装置121の下部に捕集された付着物は、そのままヒータ122へと沈降する。
ヒータ122は1次フィルタ123を備えている。沈降してきた付着物は、ヒータ122に設けられた1次フィルタ123に捕集され、加熱される。付着物はそこで気化し、気化した付着物のガスは2次フィルタ124を通過して分析装置131へと導入される。2次フィルタ124は1次フィルタ123にかからなかった付着物が分析装置131に入ることを防ぐ目的で設置されている。分析装置131が質量分析計である場合、分析装置131に気化しない固体状のものが入ると、イオン化の過程において、イオンを生じさせるための電子ビームに固体状のものがあたってしまう。すると、電子ビームが散乱、吸収される等して、目的の物質のイオン化効率が下がってしまう。質量分析計以外の分析装置131でも同様である。このような理由により、2次フィルタ124が設けられている。
ちなみに、付着物が1次フィルタ123に到達し、ヒータ122によって加熱されるときは、エアノズル13(図1〜図3参照)における噴射は停止している。
例えば、爆薬微粒子は、通常、粒径5〜100μm程度であるため、爆薬微粒子を回収することを目的としているのであれば、この粒径の微粒子を回収するのがよい。爆薬微粒子だけでなく、指H等の検査対象物に付着しているものであれば、化学剤、有害物質、危険物質、可燃物質、生物剤、ウィルス、菌、遺伝子、環境物質等を検出対象にしてもよい。
剥離した付着物を濃縮できればサイクロン捕集装置121に限定されるものではない。サイクロン捕集装置121を用いない場合、付着物濃縮装置120の効果を高めるためには、付着物濃縮装置120の吸引流量は噴射ノズル13から噴射されるガスの流量よりも大きいことが望ましい。例えば、噴射ノズル13から噴射されるガスの噴射流量が2L/minであった場合、サイクロン捕集装置121の吸引流量は2L/min以上であることが望ましい。例えば、サイクロン捕集装置121の吸引流量が100L/minで、サイクロン捕集装置121から分析装置131への流量が1L/minであるならば、サイクロンに捕集された微粒子は100倍濃縮されることになる。
ヒータ122は、例えば200℃で付着物を加熱する。ヒータ122の温度は捕集する付着物が気化できる温度であればよく、ヒータ122の温度は分析対象物の成分によって変化させてもよい。なお、ユーザは1次フィルタ123、2次フィルタ124を取り外すことができ、適宜、清掃して再利用したり、新品と交換したりすることができる。これらの交換は手動で行うこともできるが、所定の自動交換装置が1次フィルタ123、2次フィルタ124を交換してもよい。1次フィルタ123、2次フィルタ124は、粒径1μm以上の微粒子を捕捉できる濾過精度であればよい。例えば、1次フィルタ123、2次フィルタ124として、濾過精度1〜50μmのステンレスフィルタを用いることができる。また、ヒータ122と分析装置131を繋ぐ配管も加熱されている。これはヒータ122によって気化した分子が配管内壁へと吸着されるのを防ぐためである。ヒータ122と分析装置131の間の配管はなくてもよく、ヒータ122と分析装置131が直結していてもよい。
分析装置131として、例えば、イオントラップ質量分析計、四重極フィルタ質量分析計、三連四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、磁場型質量分析計等の各種質量分析計が適用可能である。又は、イオンモビリティ分析装置等が使用されてもよい。イオンモビリティ分析装置と質量分析計を連結させたものが使用されてもよい。また、蛍光や赤外線、紫外線等の各種光源を利用した分析装置131が用いられてもよい。質量分析計を分析装置131として利用した場合、制御/データ処理装置132では、計測された質量スペクトルを解析し、この質量スペクトルから付着物の成分の同定や濃度を特定する。事前に、物質の分析データが格納されたデータベースが作成されており、判定のための閾値が制御/データ処理装置132に設定されている。検出された成分の濃度が規定閾値を上回っていた場合、制御/データ処理装置132は陽性判定を行う。その場合、表示装置133に検出した成分の有無を表示してもよい。表示装置133には結果を表示せずに、遠隔地の監視センタや監視員に通知する構成としてもよい。この分析結果と連携して、検査対象者の通過をコントロールするゲート134の開閉が行われる。また、図示しない監視カメラによる記録、生体認証データの記録等が行われてもよい。質量分析計に限らず、イオンモビリティ分析装置等その他の分析装置131においてもデータベースと照合することで付着物の分析が行われる。
制御/データ処理装置132は、付着物の陽性・陰性判定を行うこと以外に、人感センサ111から信号を受信し、検査対象者が接近しているか否かを判定する。また、制御/データ処理装置132は、認証装置16から信号を受信し、その認証を行う。さらに、制御/データ処理装置132は、赤外線センサ14から信号を受信し、その信号を基に噴射ノズル13からガスA1(図1〜図3参照)を噴射させる。具体的には、赤外線センサ14において赤外線が遮断から導通へ変化したことを検知すると、制御/データ処理装置132は、バルブ101を開弁することで、噴射ノズル13からガスA1を噴射する。
ちなみに、分析装置131と、制御/データ処理装置132とが一体の装置であってもよい。
なお、ガス供給源103、圧力コントローラ102、バルブ101等は、制御/データ処理装置132と回路的に接続されている。例えば、制御/データ処理装置132は、ガス供給源103の残量を常時モニタし、残量が少なくなった場合はアラームを発生させる。
(接触面に転写された付着物)
図5は、接触面に転写された付着物を示す図である。適宜、図1〜図3を参照する。
図5はプラスチック爆薬が付着した指Hを、接触面12であるポリカーボネートプレートに接触させた後のポリカーボネート画像である。図5の符号201は、プラスチック爆薬が付着した指Hを、接触面12であるポリカーボネートプレートに接触させた後のポリカーボネートの画像を示している。そして、符号202は、そのポリカーボネートプレートに、噴射ノズル13からガスを噴射して粒子が剥離した後の画像である。
符号201と、符号202とを比較すると、ガスの噴射前後で付着量が変化していることが分かる。すなわち、噴射ノズル13から噴射されるガスによって、接触面12に付着した付着物が剥離されていることが分かる。
(シグナル)
図6は、分析装置で検出されたシグナルの時間変化を示す図である。
ここでは、まず、プラスチック爆薬を付着させた指Hを接触面12(図1〜図3参照)であるポリカーボネートプレートに接触させることで、ポリカーボネートプレートに爆薬粒子を転写した。その後、ポリカーボネートプレートにガスA1(図1〜図3参照)を噴射することで、爆薬粒子をポリカーボネートプレートから剥離させた。そして、図4の付着物濃縮装置120を経て、分析装置131へと爆薬微粒子が送られ、分析装置131における分析において得られたシグナルである。
図6において、横軸は時間を示し、縦軸は信号強度(任意単位)を示す。
ここでは、時間0のタイミングでガスA1を噴射している。そして、ガスA1によって剥離した爆薬が回収、加熱気化されて、分析装置131で検出されたシグナルが符号211として確認できる。噴射から約3秒程度でシグナルがピークを迎えている。
(処理手順)
図7は、第1実施形態で用いられる認証システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。適宜、図1〜図4を参照する。
まず、検査対象者である人が装置に近づくと、人感センサ111からの信号を基に制御/データ処理装置132が人の接近を検知し(S101)、サイクロン捕集装置121の吸引を開始させる(S102)。なお、サイクロン捕集装置121の吸引は常に行っていてもよいが、電力消費の低減、及び無用な埃の混入を防ぐため、図7に示すように人感センサ111によって駆動の有無をコントロールするのが望ましい。
続いて、検査対象者が指Hを付着物収集装置1の挿入口17から挿入する(S111)。
このとき、制御/データ処理装置132は、赤外線センサ14における赤外線の遮断を検知することで、指Hの挿入を検知する(S112)。
そして、認証装置16が接触面12の画像を撮像する等して、生体認証データとしての指紋データを取得する(S131)。ポリカーボネート等の接触面12が、抵抗膜方式や、静電容量方式等のタッチパネルであれば、検査対象者が接触面12に接触したことをタッチパネルが検知したタイミングで、認証装置16が指紋データを取得すればよい。
そして、制御/データ処理装置132が、認証装置16によって取得された指紋情報で認証処理を行い(S132)、ステップS161へ処理を進める。
一方、ステップS112の後、赤外線センサ14による検知によって、制御/データ処理装置132は指Hが引き抜かれたか否かを判定する(S141)。
ステップS141の結果、指Hが引き抜かれていない場合(S141→No)、制御/データ処理装置132はステップS141へ処理を戻す。
ステップS141の結果、指Hが引き抜かれた場合(S141→Yes)、制御/データ処理装置132は、バルブ101を開弁させる等して、噴射ノズル13からガスA1を噴射させる(S142)。
ガスA1によって、接触面12から剥離された付着物は、回収口18から回収され(S151)、サイクロン捕集装置121によって濃縮され(S152)、ヒータ122によって加熱される(S153)。
そして、分析装置131によって回収された付着物が分析される(S154)。
そして、制御/データ処理装置132は、ステップS154の分析の結果、爆薬微粒子が検出されたか、もしくは、ステップS132の認証処理の結果、認証不成功であったか否かを判定する(S161)。
ステップS161の結果、爆薬微粒子が検出されたか、もしくは、認証不成功であった場合(S161→Yes)、制御/データ処理装置132は、不許可判定を行い、ゲート134を閉じさせ(ゲート134を閉じたままとし)(S162)、処理を終了する。
また、ステップS161の結果、爆薬微粒子が不検出かつ認証成功であった場合(S161→No)、制御/データ処理装置132は、許可判定を行い、ゲート134を開け(S163)、処理を終了する。
このような構成とすることにより本実施形態で用いられる認証システム100は、原子力発電所等の重要施設等の出入り口以外のセキュリティゲート、空港や船等の搭乗ゲート、駅の自動改札機、手荷物検査場、預入荷物検査場のゲート、アミューズメント施設等の入退場ゲート等に適用することができる。
本実施形態で用いられる認証システム100は、検査対象物として検査対象者の指Hを想定しているが、指Hに限定されるものではない。ICカード、磁気カードやネームカードを保持可能なカードホルダ、携帯電話、携帯端末、チケット、パスポート等手荷物を検査対象として扱うことが可能である。
前記したように本実施形態は、認証装置16(図1〜図3参照)を有していることで、主にセキュリティゲートでの認証と付着物検査を同時に行うことができる。検査対象者はゲート134を通過するためには、指HやIDカード等を付着物検査装置の接触面12(図1〜図3参照)に接触させることで認証を得る。その接触の際に付着物が指HやIDカード等から接触面12に転写される。したがって、検査対象者はゲート134を通過するための行為を行うだけであり、付着物検査のために追加で新たな行為をしない。このように、本実施形態によれば、検査対象者への負荷なく付着物の検査が可能である。
このように、本実施形態で用いられる認証システム100は、重要な施設等で出入り口において検査対象者の危険物所持の有無や痕跡を調べるゲート開閉用認証機器等に適用することができる。このため、本実施形態で用いられる認証システム100は、検査対象者の指Hに付着した付着物が爆発物等の危険物であるかどうかを迅速又はリアルタイムに分析する役割を果たすことができる。
なお、図7に示す処理手順では、ゲート134が通常状態で閉状態となっており、爆薬微粒子が検出されず、かつ、認証成功である場合にゲート134が開状態となることを想定している。しかしながら、これに限らず、通常状態でゲート134が開状態となっており、危険物が検出されるか、認証が確認されなかった場合にゲート134を閉じるという手順としてもよい。
また、前記したように分析装置131による分析の結果や、認証結果を表示装置133に表示することで結果を検査対象者に知らせてもよい。あるいは、分析装置131による分析の結果や、認証結果を遠隔地の警備員に知らせるようにしてもよい。例えば、検査対象者には許可・不許可のみの情報を与え、警備員には許可・不許可となった理由まで含めて通知してもよい。
図8〜図10は接触面を上から見た場合の一例を示す図である。本実施形態で用いられる方法は、ガスを衝突させることで付着物を剥離させる方法である点から、指Hが接触面12のある一定箇所に接触する方が剥離の効率が高くなる。
図8における接触面12a(12)の符号221や、図9における接触面12b(12)の符号222には、指Hの載置場所が描かれている。
生体認証として指紋認証を利用している場合、図8、図9に示すように指Hを載置する場所を明示しておくことで、検査対象者が置く指Hの位置を制限することが可能である。これにより、付着物剥離の確実性を向上させることができる。
また、符号221や、符号222に示す位置に指Hが載置されない場合、エラー等を報知して、認証処理が行われないように設定しておくことも可能である。このようにすることで、検査対象者が接触させる指Hの位置を制限することが可能である。
また、図10に示すように接触面12c(12)に、暗証番号を入力するためのデバイス223を設置することも可能である。また、接触面12cがディスプレイであれば、その時々によって表示されている暗証番号を入力するための画像を変更してもよい。
検出対象である爆発物の分子はその多くが負に帯電しやすい性質を持っている。したがって接触面12が負に帯電しやすいテフロン(登録商標)等の素材である場合、指Hから付着物が接触面12に転写されづらい。
そのため、検出対象の爆薬微粒子の多くが負に帯電しやすい性質を有している場合、接触面12が正に帯電する素材とするとよい。しかし、検出対象の爆薬微粒子の多くが負に帯電しやすくても、少数の爆薬微粒子は正に帯電する場合がある。従って、正に帯電している爆薬微粒子、負に帯電している爆薬微粒子の双方が転写するよう、接触面12は帯電しにくい素材であることが望ましい。
爆薬微粒子が正に帯電しやすい場合は、その逆となる。
[第2実施形態]
図11及び図12は、第2実施形態で用いられる噴射ノズルの形状の例を示す図である。
図11は、噴射ノズル13として多数の丸穴噴射ノズル13aが設置されている例であり、図12は、噴射ノズル13として複数のスリット噴射ノズル13bが設置されており、1つのスリット噴射ノズル13bが広範な噴射領域をカバーしているものである。丸穴噴射ノズル13aや、スリット噴射ノズル13bは、上部筺体11A(図1〜図3参照)に備えられている。すなわち、丸穴噴射ノズル13aや、スリット噴射ノズル13bは、筺体11(図1〜図3参照)内の空間における天面に備えられている。
ちなみに、図11及び図12における指Hは、指Hの挿入時における噴射ノズル13に対する位置関係を示すものである。
なお、指Hが付着物収集装置1(図1〜図3参照)から抜き出された後、丸穴噴射ノズル13aや、スリット噴射ノズル13bからガスが噴射される。
図11における丸穴噴射ノズル13aの、すべてが同時に噴射しなくてもよく、丸穴噴射ノズル13aのうちのいくつかをグループとし、そのグループ毎にタイミングをずらして噴射してもよい。図12におけるスリット噴射ノズル13bも同様である。
このように、噴射ノズル13をグループに分けて、グループ毎にガスを噴射することで、噴射を何回かに分ける場合、複数の噴射ノズル13それぞれにバルブ101を設置したり、噴射ノズル13のグループ毎にバルブ101を設置したりする。
このように複数の噴射ノズル13を設けることで、付着物の剥離効率を向上させることができる。特に、図11及び図12に示すように、指Hを含む検査対象者の手が挿入されていた位置の全面にガスが噴射されるようにすることで、付着物の剥離効率を向上させることができる。さらに、図12に示すスリット噴射ノズル13bを設けることで、広範な領域の剥離を可能とする。
[第3実施形態]
図13は、第3実施形態に係る付着物収集装置を示す図である。
これまでは、付着物収集装置1に手全体を入れる構成を示しているが、付着物収集装置1のサイズは手全体を挿入することに制限されるわけではない。
例えば、図13に示すように、付着物収集装置1a(1)が指1本分のサイズであってもよい。図13では指Hと付着物収集装置1aのサイズ関係を示すため、付着物収集装置1aの概観のみを示し、その他の構成の図示を省略している。
なお、図13では、指1本分のサイズとしているが、指2本分等とすることも可能である。
第3実施形態に示すように、付着物収集装置1のサイズを小さくすることで、付着物収集装置1aの設置場所を小さくすることができる。
[第4実施形態]
図14は、第4実施形態に係る付着物収集装置を示す図である。
図14に示す付着物収集装置1b(1)は、接触面12の上部にカメラ(撮像部)21が設置されているものである。それ以外の構成は図1〜図3に示す構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。このカメラ21によって撮影された画像を基に、制御/データ処理装置132(図4参照)が指Hを接触させた位置を認識し、その部分(位置)に向けてガスA1が噴射される。このような構成の場合、指Hが接触した位置によって噴射ノズル13の方向を変化させることが可能である。なお、カメラ21は、接触面12が撮像できれば、必ずしも、図14に示す位置に備えられていなくてもよい。筺体11が透明な部材であれば、上部の筺体11の上に備えられてもよいし、下部の筺体11の下に備えられ、接触面12を下方から撮像してもよい。また、カメラ21は、上部の筺体11を貫通した形でもよい。
このような構成とすることで、指Hを接触した箇所に対し、ガスが噴射されるので、付着物の剥離効率を向上させることができる。
また、図14に示すようにカメラ21が設置された場合、接触面12の表面状態を監視することが可能である。すなわち、大量の検査を行うと、接触面12が汚れてくるおそれがある。このような場合、カメラ21によって撮影された画像からクリーニングの要・不要の判断が可能となる。この場合、カメラ21によって撮影された画像が表示装置133(図4参照)に表示されることで、ユーザがクリーニングの要・不要を判断してもよい。あるいは、カメラ21によって撮影された画像が白黒反転等されることで、接触面12の汚れが強調され、この強調された汚れの画像を基に、制御/データ処理装置132が接触面12のクリーニングの要・不要を判定してもよい。
また、カメラ21が分光装置、例えばラマン分光装置であれば、付着物Hから接触面12に転写された付着物を分析することができる。ガスA1による剥離の前に付着物を分光装置によって分析し、付着物を剥離回収した後に、付着物の分析を改めて分析装置131で分析する。このようにすることで、2種類の装置による付着物の分析が可能となり、分析精度を向上させることが可能となる。
なお、クリーニングのために付着物収集装置1b、特に接触面12が加熱できるようになっていると、付着物収集装置1bを分解等せずに、汚れを蒸発させることでクリーニングを行うことができる。
[第5実施形態]
図15は第5実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。
図15では、ガス供給に関わる部分のみを示している。また、図15では、説明上必要な構成のみ符号を示している。
これまでの実施形態ではガスのみによる付着物の剥離を想定しているがが、第5実施形態では、微粒子を含んだガスが接触面12に噴射される。このように、微粒子を噴射することで、ガスのみを噴射する場合に比べ、噴射された微粒子(噴射微粒子)が付着物に衝突することで剥離効率を向上させることができる。
図15に示す認証システム100a(100)では、噴射微粒子としてドライアイスパウダ(ドライアイス微粒子)を使用した例を示している。
すなわち、ガス供給源103としての炭酸ガス供給源103aが噴射ノズル13に接続されることによって炭酸ガスが噴射ノズル13から噴射される。炭酸ガス供給源103aは液化炭酸ガスボンベが用いられるのがよい。噴射の際の断熱膨張によって炭酸ガスの温度が低下し、炭酸ガスがドライアイスパウダとなる。ドライアイスパウダは接触面12に衝突した後に気化(昇華)するため、ドライアイスパウダが付着物収集装置1や、サイクロン捕集装置121や、分析装置131内に残らない。
ドライアイスパウダの気化を促進するため、接触面12が加熱できるようになっていることが望ましい。
[第6実施形態]
図16は、第6実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。
図16では、ガス供給に関わる部分のみを示している。また、図16では、説明上必要な構成のみ符号を示している。
図16に示す認証システム100b(100)は、ガス供給源103として炭酸ガス供給源103aの他に、もう1種類のガス供給源103bを有している。ここでは、もう1種類のガスが窒素ガスである場合について説明するが、これ以外のガスが用いられてもよい。
図17に示すように、炭酸ガス供給源103aには、圧力コントローラ102a(102)及びバルブ101a(101)が接続されている。同様に、ガス供給源103bには、圧力コントローラ102b(102)及びバルブ101b(101)が接続されている。
そして、バルブ101a及びバルブ101bの下流で、炭酸ガス供給源103aに接続する配管と、ガス供給源103bに接続する配管とは合流している。
図17は、図16の符号Bにおける配管の概略断面図を示す図である。
図17に示すように、炭酸ガスが通流する配管301の周りに窒素ガスが通流する配管302が設けられている。そして、図17に示すように、炭酸ガスが通流する配管301と、窒素ガスが通流する配管302は、噴射ノズル13の手前で合流する。すると、炭酸ガスの流れA3が窒素ガスの流れA4にのるため(窒素ガスに押しだされるため)、ガスの気流強度を向上させることができる。
これにより、剥離効率の向上が可能となる。
なお、前記したように、炭酸ガス以外のガスとして窒素ガスが最もよいが、コンプレッサ等を利用して大気ガスを炭酸ガス以外のガスとして利用することも可能である。
[第7実施形態]
図18は、第7実施形態で用いられる認証システムの概略構成図である。
図18では、ガス供給に関わる部分のみを示している。また、図18では、説明上必要な構成のみ符号を示している。
図18に示す認証システム100c(100)は、固体微粒子を貯留している微粒子供給源104を有している。そして、ガス供給源103からガスが噴射されるのに伴い、ガス供給源103から高圧ガスが送り込まれると、ベンチュリ効果によって微粒子供給源104に貯留されていた微粒子がガスに引き込まれる。そして、微粒子供給源104に貯留されていた微粒子は、ガスとともに噴射ノズル13から噴射される。
なお、ここでの微粒子とは砂等の固形物(サンドブラスト)である。
第6実施形態のようにドライアイスパウダを利用する場合、高圧炭酸ガスが必要となり、法令等の点で設置できない場合がある。一方で、固体微粒子を貯留する本実施形態では、その問題はない。また、固体微粒子をサンドブラストとすることで、固体微粒子が容易に入手可能となる。
[第8実施形態]
図19は、第8実施形態に係る付着物収集装置の概略図である。
図19に示す付着物収集装置1c(1)は、第1〜第7実施形態に示す付着物収集装置1のように接触面12の対面に噴射ノズル13が設置されているのではなく、接触面12の横側の面に(接触面12の側方に)噴射ノズル13が設置されている。このように、接触面12の側方に噴射ノズル13が設置可能とすることで、図19に示すように上部筺体11Aが省略可能となる。
そして、図19に示す付着物収集装置1cは、第1〜第7実施形態に示す付着物収集装置1と異なり、上部筺体11A(図1〜図3参照)が設置されていない。すなわち、付着物収集装置1cの上部が開放されている。
このように、上部筺体11Aが省略されることにより、付着物収集装置1cは、指Hを接触面12に接触させやすくなり、ユーザビリティを向上させることができる。
なお、噴射ノズル13は、図19に示すように、接触面12に対して垂直に設置されていなくてもよい。また、付着物収集装置1cにおいて、筺体11上部が備えられていてもよい。
[第9実施形態]
図20は第9実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図である。図20において、図1〜図3と同様の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
図20に示す付着物収集装置1d(1)は、接触面12としてプッシュ式のボタン(押しボタン)22が設置されている。すなわち、ボタン22の上面が接触面12となっている。ボタン22を押下しなければ、検査対象者は認証を得ることができない。そして、検査対象者が、ボタン22を押下すると、指Hから付着物がボタン22表面へと転写される。以後、第1〜第8実施形態と同様、検査対象者が指Hを付着物収集装置1から離したことが検知されると、ボタン22に向けて、噴射ノズル13からガス(気流)A1が噴射される。第9実施形態に係る付着物収集装置1dによれば、第1〜8実施形態に比べて検査対象者が接触する場所が限定されるため、ガス噴射、もしくは微粒子を含むガスを噴射する位置が限られる。従って、接触面12(ボタン22)へのガスの衝突の確実性が上がり、効率的に付着物を剥離回収することができる。
さらに、ボタン22を押下することにより、指Hが接触面12(ボタン22)に強く押しつけられるため、付着物の転写が強く行われることになる。
[第10実施形態]
図21〜図23は、第10実施形態に係る付着物収集装置の概略断面図である。
第1〜9実施形態では、指Hが付着物収集装置1に挿入されている間はガスが噴射されないように設定されていたが、図21〜図23に示す付着物収集装置1e(1)は、指Hが挿入されている間もガスが噴射されるものである。
図21は、指Hが付着物収集装置1eに挿入されていない状態を示している。そして、図22は、指Hが付着物収集装置1eに挿入された状態を示している。
図22に示すように、指Hが付着物収集装置1eに挿入されている間は、侵襲性の低いガスA5を指Hに直接衝突させる(第1の噴射)。浸襲性の低いガスA5とは、気流強度が弱いガスや、ドライアイスパウダ等といった浸襲性の高い粒子を混合していないガスである。指Hに衝突した後のガスA6は回収口18から回収される。
そして制御/データ処理装置132は、図23に示すように、指Hが付着物収集装置1eから離れたことを確認すると、ドライアイスパウダ等の侵襲性の強い微粒子を含んだガスA1を噴射させる(第2の噴射)。浸襲制の強いガスA1とは、気流強度が強いガスや、ドライアイスパウダ等の侵襲性の強い微粒子を含んだガスである。そして、指Hに衝突した後のガスA2は回収口18から回収される。
すなわち、図21〜図23に示す付着物収集装置1eは、指Hの有無によってガスの特性を変化させることを特徴としている。
このように、図21〜図23に示す付着物収集装置1eは、指Hが付着物収集装置1eに挿入されている間は侵襲性の低いガスA5によって指Hから直接付着物を剥離させることを試みる。そして、指Hが付着物収集装置1eから離れた後、付着物収集装置1eは、剥離効率の高いガスA1を接触面12に衝突させるものである。付着力の弱い付着物であれば指Hに直接噴射したガスA5によって剥離可能である。このような構成とすることにより、剥離量を向上させることができる。
図21〜図23では噴射ノズル13を1つしか示していないが、侵襲性の低いガスA5と高いガスA1とで異なる噴射ノズル13を用意してもよい。このとき、侵襲性の高いガスA5を噴射する噴射ノズル13には微粒子供給源104(図18参照)や、炭酸ガス供給源103a(図15参照)が接続されてもよい。また、侵襲性の低いガスA5と高いガスA1とで同一の噴射ノズル13を利用する場合、炭酸ガスや微粒子の混合がバルブ101等でコントロールされてもよい。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各装置131,132等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図4に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1,1a〜1e 付着物収集装置
11 筺体
12,12a〜12c 接触面(接触部)
13,13a,13b 噴射ノズル(噴射部)
14 赤外線センサ
14a 赤外線発光部
14b 赤外線受光部
15 粗メッシュフィルタ
16 認証装置(認証取得部)
17 挿入口
18 回収口(回収部)
21 カメラ(撮像部)
22 ボタン
100,100a〜100c 認証システム
101,101a,101b バルブ
102,102a,102b 圧力コントローラ
103,103b ガス供給源
103a 炭酸ガス供給源
104 微粒子供給源
111 人感センサ
120 付着物濃縮装置(濃縮部)
121 サイクロン捕集装置(サイクロン捕集部)
131 分析装置(解析部)
132 制御/データ処理装置(解析部、認証部)
133 表示装置
134 ゲート(通行制御部)
A1,A2,A5,A6ガス(気流)
H 指(検査対象物)

Claims (20)

  1. 検査対象物を接触させる接触部と、
    前記検査対象物が前記接触部から離れた後、前記接触部に向けて気流を噴射する噴射部と、
    前記噴射部によって噴射された気流を回収する回収部と
    を有することを特徴とする付着物収集装置。
  2. 前記接触部には、前記検査対象物を接触させる位置が示されている目印を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  3. 前記噴射部は、前記検査対象物が挿入される位置の全面に噴射されるよう配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  4. 前記噴射部から噴射される気流には、微粒子が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  5. 前記微粒子は、ドライアイス微粒子である
    ことを特徴とする請求項4に記載の付着物収集装置。
  6. 前記微粒子は、固体微粒子である
    ことを特徴とする請求項4に記載の付着物収集装置。
  7. 前記固体微粒子は、サンドブラストである
    ことを特徴とする請求項6に記載の付着物収集装置。
  8. 前記噴射部は、前記検査対象物が前記付着物収集装置に挿入されている間に第1の噴射を行い、前記検査対象物が前記付着物収集装置から抜き出された後に第2の噴射を行い、
    前記第1の噴射よりも、前記第2の噴射の方が前記気流の強度が大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  9. 前記噴射部は、前記検査対象物が前記付着物収集装置に挿入されている間に第1の噴射を行い、前記検査対象物が前記付着物収集装置から抜き出された後に第2の噴射を行い、
    前記第1の噴射には微粒子が含まれず、前記第2の噴射には前記微粒子が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  10. 前記検査対象物は指であり、
    前記付着物収集装置は、指1つが挿入される大きさである
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  11. 前記接触部を撮像する撮像部
    を有することを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  12. 前記噴射部が、前記接触部の側方に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  13. 上部が開放されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の付着物収集装置。
  14. 前記接触部が、押しボタンに設けられており、
    前記押しボタンが、前記検査対象物によって押下され、前記検査対象物が、前記押しボタンから離れた後、前記噴射部が、前記押しボタンに向けて気流を噴射する
    ことを特徴とする請求項1に記載の付着物収集装置。
  15. 検査対象物を接触させる接触部と、
    前記検査対象物が前記接触部から離れた後、前記接触部に向けて気流を噴射する噴射部と、
    前記噴射部によって噴射された気流を回収する回収部と、
    回収された前記気流に含まれる物質の解析を行う解析部と、
    を有することを特徴とする付着物解析システム。
  16. 通行制御部を有し、
    前記解析部による解析の結果、所定の物質が検出された場合、前記通行制御部は、通行を許可しない
    ことを特徴とする請求項15に記載の付着物解析システム。
  17. 認証取得部と、認証部と、を備え、
    前記認証取得部は、
    前記検査対象物が前記接触部に接触した際に、前記検査対象物から認証情報を取得し、
    前記認証部が、
    前記認証取得部によって取得された認証情報を基に、前記検査対象物の認証処理を行う
    ことを特徴とする請求項15に記載の付着物解析システム。
  18. 通行制御部を有し、
    前記解析部による解析の結果、所定の物質が検出された場合、もしくは、前記認証処理
    の結果、認証に失敗した場合、前記通行制御部は、通行を許可しない
    ことを特徴とする請求項17に記載の付着物解析システム。
  19. 前記回収部と、前記解析部との間に、回収された前記気流に含まれる物質の濃縮を行う濃縮部
    を有することを特徴とする請求項15に記載の付着物解析システム。
  20. 前記濃縮部は、サイクロン捕集部を
    有することを特徴とする請求項19に記載の付着物解析システム。
JP2016200095A 2016-10-11 2016-10-11 付着物収集装置及び付着物解析システム Expired - Fee Related JP6684027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200095A JP6684027B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 付着物収集装置及び付着物解析システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016200095A JP6684027B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 付着物収集装置及び付着物解析システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018063123A JP2018063123A (ja) 2018-04-19
JP6684027B2 true JP6684027B2 (ja) 2020-04-22

Family

ID=61967643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016200095A Expired - Fee Related JP6684027B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 付着物収集装置及び付着物解析システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6684027B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3811050A4 (en) * 2018-06-21 2022-04-13 Genomic Health, Inc. SYSTEMS AND METHODS FOR PREANALYTIC SUBSTRATE PROCESSING
JP7306899B2 (ja) * 2019-07-11 2023-07-11 株式会社日立製作所 付着物取集装置及び付着物分析システム

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL115830A0 (en) * 1994-11-03 1996-01-19 Thermedics Detection Inc Apparatus for collecting vapor or particles
JP2003106954A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd 土壌状態測定システムの測定部
JP2005338044A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Hitachi Ltd 危険物微粒子採取装置
JP4884893B2 (ja) * 2006-09-07 2012-02-29 三菱重工業株式会社 危険物検出装置
JP4904591B2 (ja) * 2007-07-17 2012-03-28 清水建設株式会社 石綿発塵量の測定装置
US8353223B2 (en) * 2008-05-14 2013-01-15 Implant Sciences Corporation Trace particle collection system
US20120139736A1 (en) * 2009-08-28 2012-06-07 Yasutaka Suzuki Detector and entry control system
CN105223043B (zh) * 2010-11-11 2017-12-19 株式会社日立制作所 微粒捕获装置
JP5914164B2 (ja) * 2012-05-23 2016-05-11 株式会社日立製作所 微粒子検出装置及びセキュリティゲート
JP5905438B2 (ja) * 2013-11-22 2016-04-20 東京電力株式会社 特定物質検出のための接触検査方法とこの検査に用いる入力装置
JP6200577B2 (ja) * 2014-03-24 2017-09-20 株式会社日立製作所 物質検査システム及び物質検査方法
WO2016027320A1 (ja) * 2014-08-20 2016-02-25 株式会社日立製作所 分析装置
JP6462385B2 (ja) * 2015-02-03 2019-01-30 光環科技股▲ふん▼有限公司 薄型生体認証装置の光学結像装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018063123A (ja) 2018-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5981578B2 (ja) 微粒子捕集及びガス化装置
EP2450689B1 (en) Sample collecting method and sample collecting apparatus
US8614582B2 (en) Method of simultaneously screening a plurality of people
JPWO2006097990A1 (ja) 付着物検査装置及び付着物検査方法
US11371915B2 (en) Adhering substance collecting device and inspection system
JP5945108B2 (ja) 付着物検査装置及び検査方法
JP6684027B2 (ja) 付着物収集装置及び付着物解析システム
WO2016027320A1 (ja) 分析装置
WO2011024293A1 (ja) 探知装置及び通行制御システム
CN111902710B (zh) 微粒分析装置、微粒分析系统以及清洗方法
JP5044530B2 (ja) 付着物検査装置及び付着物検査方法
JP4714257B2 (ja) 付着物検査装置
JP6691011B2 (ja) 分析システム及びクリーニング方法
JP7306899B2 (ja) 付着物取集装置及び付着物分析システム
JP5973760B2 (ja) 検査装置
US10989632B2 (en) Method for preparing standard sample for gas flow type analysis system
WO2021245870A1 (ja) 微粒子回収システム及び微粒子回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6684027

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees