以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、端末および基地局の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる無線通信システム)
図1Aは、実施の形態にかかる無線通信システムの一例を示す図である。図1Bは、図1Aに示した無線通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。図1A,図1Bに示すように、実施の形態にかかる無線通信システム100は、基地局110と、端末120,130と、を含む。
無線通信システム100は、他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用するシステムである。所定帯域は、無線通信システム100を含む複数の無線通信システムによって共用される帯域である。一例としては、所定帯域は、アンライセンスドバンド(免許不要帯域)である。アンライセンスドバンドとしては、一例としては、WLAN(Wireless Local Area Network:無線構内通信網)などにおいて利用されているISM(Industry−Science−Medical)帯(2.4[GHz]帯)や5[GHz]帯などがある。
基地局110は、他の無線通信システムとの間で共用する所定帯域を用いて、基地局110(自局)に接続する端末120,130との間で無線通信を行う。また、基地局110は、たとえば無線通信システム100(自システム)が占用する帯域と、他の無線通信システムとの間で共用する所定帯域と、を用いて端末120,130との間でキャリアアグリゲーションによる無線通信を行ってもよい。
無線通信システム100においては、たとえば、端末120,130が所定帯域により基地局110への無線信号を同時に送信する上りリンクのユーザ多重が行われる。このとき、端末120,130は、所定帯域に含まれる各帯域のうちのそれぞれ異なる帯域により基地局110への無線信号を送信する。また、たとえばマルチユーザMIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output:マルチユーザ多元入力多元出力)を用いる場合は、端末120,130は、同じ帯域により基地局110への無線信号を送信する。
基地局110は、制御部111と、受信部112と、を備える。制御部111は、端末120,130へ、端末120,130の間で共通の所定タイミングを算出するためのパラメータを送信する。受信部112は、端末120,130によって送信された各無線信号を受信する。たとえば、受信部112は、端末120,130によって送信された各無線信号に含まれる自局宛のデータ信号を受信する。
端末120は、検出部121と、送信部122と、を備える。ここでは端末120の構成について説明するが、端末130の構成も端末120と同様である。検出部121は、所定帯域の無線信号を検出する処理を、端末120,130の間で共通の所定タイミングにおいて開始する。これにより、端末120,130が所定帯域の無線信号を検出する処理を開始するタイミングを合わせることができる。所定タイミングは、たとえば基地局110が端末120,130へ送信したパラメータに基づいて算出することができる。検出部121は、検出結果を送信部122へ通知する。
送信部122は、検出部121から通知される検出結果に基づいて、所定帯域の無線信号が検出されない状態が所定時間連続したタイミングにおいて、所定帯域に含まれる各帯域のうちの自端末に対応する帯域での無線信号の送信を開始する。所定時間は、端末120,130の間で共通の時間である。これにより、端末120,130が無線信号の送信を開始するタイミングを合わせることができる。
図1A,図1Bに示した構成によれば、端末120,130が、他の無線通信システムとの共用帯域の空きの検出を開始する所定タイミングと、無線信号を送信するまでの所定時間と、を合わせることができる。これにより、端末120,130での無線信号の送信タイミングを合わせ、共用帯域における端末120,130の間の送信衝突を回避することができる。このため、共用帯域における上りリンクの周波数方向のユーザ多重またはマルチユーザMIMOによる空間方向のユーザ多重が可能になり、スループットの向上を図ることができる。
<所定帯域の無線信号の検出>
検出部121による所定帯域の無線信号の検出は、たとえば、所定帯域における搬送波の空きを検出するCCA(Clear Channel Assessment:クリアチャネル評価)であって、たとえばキャリアセンスである。
たとえば、所定帯域における無線信号の検出は、所定帯域における電波の受信電力(受信エネルギー)を検出し、検出した受信電力と所定電力とを比較することにより無線信号を検出する処理である。または、所定帯域における無線信号の検出は、所定帯域における電波に基づいて無線信号の所定のパターン(たとえばプリアンブル)を検出することにより無線信号を検出する処理であってもよい。
また、所定帯域の無線信号を検出する処理は、たとえば、所定帯域の全部における無線信号を検出する処理である。または、所定帯域の無線信号を検出する処理は、所定帯域のうちの、自端末が無線信号を送信する帯域のみにおける無線信号を検出する処理であってもよい。
<所定タイミングの算出>
基地局110から送信されたパラメータに基づいて端末120,130が所定タイミングを算出する構成について説明したが、基地局110は該パラメータを送信しなくてもよい。この場合は、端末120,130は、たとえば端末120,130の間で共有する情報に基づいて所定タイミングを算出することができる。また、この場合は、基地局110は制御部111を備えていなくてもよい。
端末120,130の間で共有する情報は、たとえば基地局110のセルの識別情報(たとえばセルID)を含む情報とすることができる。また、端末120,130の間で共有する情報は、無線信号を検出する処理を行うサブフレームの識別情報(たとえばサブフレーム番号)を含む情報とすることができる。
(アンライセンスドバンドの帯域)
図2は、アンライセンスドバンドの帯域の一例を示す図である。無線通信システム100においては、たとえばアンライセンスドバンド200が使用される。図2に示す例では、アンライセンスドバンド200は20[MHz]幅の帯域である。
アンライセンスドバンド200は、無線通信システム100と他のシステムとの間で共用される帯域である。他のシステムは、たとえばWLANや、無線通信システム100と異なるLTEまたはLTE−Aの無線通信システムなどである。
アンライセンスドバンド200には、サブバンド#1,#2が含まれる。以下、基地局110が、端末120の上りリンクの送信にサブバンド#1を割り当て、端末130の上りリンクの送信にサブバンド#2を割り当てた場合について説明する。
(キャリアセンスおよび各信号の送受信のタイミング)
図3は、キャリアセンスおよび各信号の送受信のタイミングの一例を示す図である。図3において、横軸(t)は時間を示している。
基準タイミング301は、基地局110のセルにおいて共通の基準タイミングである。図3に示す例では、基準タイミング301は、基地局110がサブバンド#1,#2で信号を送受信するタイミングである。ただし、基準タイミング301は、基地局110がサブバンド#1,#2で信号を送受信するタイミングと異なるタイミングであってもよい。
セル共通オフセット302は、基地局110のセルにおいて共通のオフセットであって、基準タイミング301(所定タイミング)を算出するためのパラメータである。図3に示す例では、セル共通オフセット302は、基準タイミング301とキャリアセンス開始タイミング303との間のオフセットである。
キャリアセンス開始タイミング303は、端末120,130がキャリアセンスを開始するタイミングである。また、キャリアセンス開始タイミング303は、基準タイミング301と、セル共通オフセット302と、から一意に決定されるタイミングである。
図3に示す例では、キャリアセンス開始タイミング303は、基準タイミング301からセル共通オフセット302だけ遡ったタイミングである。ただし、キャリアセンス開始タイミング303は、たとえば基準タイミング301からセル共通オフセット302だけ進んだタイミングであってもよい。
規定アイドル時間304は、帯域が空いていると判断するための基準時間である。たとえば、端末120,130は、キャリアセンスを行い、規定アイドル時間304の間アイドル状態(I)が連続した場合に、帯域が空いていると判断する。
送信開始予定タイミング305は、キャリアセンスによって帯域が空いていると判断した場合に端末120,130が無線信号の送信を開始するタイミングである。たとえば、送信開始予定タイミング305は、キャリアセンス開始タイミング303から規定アイドル時間304だけ進んだタイミングである。
図3に示した例では、端末120は、キャリアセンス開始タイミング303においてキャリアセンスを開始し、規定アイドル時間304の間アイドル状態(I)が連続したため、送信開始予定タイミング305において無線信号の送信を開始している。このとき、端末120は、まずダミー信号311を送信し、その後にデータ信号312を送信する。
また、端末130も同様に、キャリアセンス開始タイミング303においてキャリアセンスを開始し、規定アイドル時間304の間アイドル状態(I)が連続したため、送信開始予定タイミング305において無線信号の送信を開始している。このとき、端末130は、まずダミー信号321を送信し、その後にデータ信号322を送信する。
これにより、基地局110におけるデータ信号312,322の受信タイミングを基準タイミング301に合わせることができる。また、送信開始予定タイミング305からデータ信号312,322の送信開始までの間に、他の通信装置が無線信号を送信すること(割り込み)を防止することができる。他の通信装置は、たとえば無線通信システム100と異なる無線通信システムの通信装置である。
図3に示した例では、端末120,130がそれぞれダミー信号311,321を送信する場合について説明したが、端末120,130はダミー信号311,321に代えてプリアンブルを送信してもよい。端末120,130が送信する各プリアンブルは、所定パターンの無線信号であって、たとえばそれぞれデータ信号312,322のプリアンブルである。
また、図3に示した例では、セル共通オフセット302が基準タイミング301とキャリアセンス開始タイミング303との間のオフセットである場合について説明した。ただし、これに限らず、セル共通オフセット302は、たとえば基準タイミング301と送信開始予定タイミング305との間のオフセットであってもよい。
この場合は、端末120,130は、基準タイミング301からセル共通オフセット302だけ遡ったタイミングを送信開始予定タイミング305として算出する。そして、端末120,130は、算出した送信開始予定タイミング305から規定アイドル時間304だけ遡ったタイミングをキャリアセンス開始タイミング303として算出し、キャリアセンスを開始する。
また、セル共通オフセット302は、たとえば所定期間ごと(たとえばサブフレームごとや複数のサブフレームごと)に異なる長さにしてもよい。これにより、たとえば隣接セルの通信装置と同一のタイミングにより端末120,130が無線信号を送信することによる衝突が連続して発生することを回避することができる。
また、セル共通オフセット302は、基地局110のセルに固有の値(たとえばセル番号)に基づいて決定されるオフセットとしてもよい。これにより、隣接セルの通信装置との衝突を抑えることができる。
たとえば、基地局110は、サブフレーム番号およびセル番号の少なくともいずれかに基づいてセル共通オフセット302を決定する。一例としては、基地局110は、下記(1)式に基づいてセル共通オフセット302を決定する。
上記(1)式において、offsetは決定対象のセル共通オフセット302である。c(i)は疑似乱数系列である。u,v,w,Lは、無線通信システム100において予め定義されている定数である。c(i)には、たとえば3GPPのTS36.211に規定されているGold sequenceを用いることができる。たとえば、c(i)には、下記(2)式を用いることができる。
上記(2)式において、x1(n),x2(n)のそれぞれはm−sequenceと呼ばれる系列であり、初期値は下記(3)式により与えられる。
たとえば、基地局110は、v,w,cinitの少なくともいずれかに、サブフレーム番号を代入することにより、サブフレーム番号に基づくセル共通オフセット302を決定することができる。または、基地局110は、v,w,cinitの少なくともいずれかに、セル番号を代入することにより、セル番号に基づくセル共通オフセット302を決定することができる。
または、基地局110は、v,w,cinitの少なくともいずれかに、サブフレーム番号およびセル番号を代入することにより、サブフレーム番号およびセル番号に基づくセル共通オフセット302を決定することができる。たとえば、基地局110は、上記(1)式〜(3)式において、vにサブフレーム番号を代入し、cinitにセル番号を代入し、w=0、L=64、u=12としてセル共通オフセット302を決定することができる。
また、セル共通オフセット302は、乱数に基づいて決定されるオフセットとしてもよい。これにより、たとえば隣接セルの通信装置と同一のタイミングにより端末120,130が無線信号を送信することによる衝突が連続して発生することを回避することができる。たとえば、基地局110は、下記(4)式によりセル共通オフセット302を決定することができる。
セル共通オフセット=a×単位時間 …(4)
上記(4)式において、aは{0,1,…A}からランダムに選択された乱数である。Aは、無線通信システム100におけるサブフレーム長未満の値である。
(基地局によるセル共通オフセットの通知)
図4は、基地局によるセル共通オフセットの通知の一例を示す図である。図4に示すように、たとえば、基地局110は、自セルに接続している端末120,130に対してセル共通オフセットを通知する。セル共通オフセットの通知には、たとえばPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)などの下りリンクの共通の制御チャネルを用いることができる。
また、セル共通オフセットの通知には、たとえばRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)などの上位層の制御情報を用いてもよい。また、セル共通オフセットの通知には、たとえばPBCH(Physical Broadcast Channel:物理報知チャネル)などの報知チャネルを用いてもよい。
また、基地局110は、端末120,130においてセル共通オフセットを算出可能なパラメータを端末120,130に通知することにより、セル共通オフセットを端末120,130に間接的に通知してもよい。この場合は、端末120,130は、基地局110から通知されたパラメータに基づいてセル共通オフセットを算出する。
(各端末の送信開始タイミング)
図5Aは、各端末の送信開始タイミングの一例を示す図である。図5Aにおいて、図3に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。サブフレーム境界511,512は、基地局110から端末120への下りリンクの受信におけるサブフレームの境界である。サブフレーム境界521,522は、基地局110から端末130への下りリンクの受信におけるサブフレームの境界である。
たとえば、基地局110は、端末120,130に対する下り信号を同一のタイミング(基準タイミング301)により送信している。これに対して、基地局110と端末120との間の伝搬遅延T1と、基地局110と端末130との間の伝搬遅延T2と、の違いにより、サブフレーム境界511,512とサブフレーム境界521,522とは異なるタイミングとなる。
たとえばサブフレーム境界512は、基準タイミング301から伝搬遅延T1だけ進んだタイミングとなる。データ信号送信開始タイミング531は、端末120がデータ信号312の送信を開始するタイミングであって、基準タイミング301から伝搬遅延T1だけ遡ったタイミングである。
端末120は、サブフレーム境界512から伝搬遅延T1×2だけ遡ったタイミングをデータ信号送信開始タイミング531として特定することができる。そして、端末120は、データ信号送信開始タイミング531においてデータ信号312の送信を開始することで、基地局110におけるデータ信号312の受信タイミングを基準タイミング301と合わせることができる。
また、サブフレーム境界522は、基準タイミング301から伝搬遅延T2だけ進んだタイミングとなる。データ信号送信開始タイミング532は、端末130がデータ信号322の送信を開始するタイミングであって、基準タイミング301から伝搬遅延T2だけ遡ったタイミングである。端末130は、サブフレーム境界522から伝搬遅延T2×2だけ遡ったタイミングをデータ信号送信開始タイミング532として特定することができる。そして、端末130は、データ信号送信開始タイミング532においてデータ信号322の送信を開始することで、基地局110におけるデータ信号322の受信タイミングを基準タイミング301と合わせることができる。
また、端末120は、伝搬遅延T1×2を、基地局110から受信するタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)に基づいて特定することができる。たとえば、基地局110は、基地局110と端末120との間の伝搬遅延T1を測定し、測定した伝搬遅延T1の2倍の値を示すタイミングアドバンスを端末120へ送信する。これに対して、端末120は、基地局110から受信したタイミングアドバンスの値を伝搬遅延T1×2として特定することができる。
また、端末130は、伝搬遅延T2×2を、基地局110から受信するタイミングアドバンスに基づいて特定することができる。たとえば、基地局110は、基地局110と端末130との間の伝搬遅延T2を測定し、測定した伝搬遅延T2の2倍の値を示すタイミングアドバンスを端末130へ送信する。これに対して、端末130は、基地局110から受信したタイミングアドバンスの値を伝搬遅延T2×2として特定することができる。
また、端末120がダミー信号311を送信する期間は、たとえば、送信開始予定タイミング305からデータ信号送信開始タイミング531までの期間とすることができる。また、端末130がダミー信号321を送信する期間は、たとえば、送信開始予定タイミング305からデータ信号送信開始タイミング532までの期間とすることができる。
図5Bは、各端末の送信開始タイミングの変形例を示す図である。図5Bにおいて、図5Aに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図5Bにおいては、マルチユーザMIMOを用いる場合について説明する。この場合は、端末120,130は、アンライセンスドバンド200のうちの同じ帯域を用いることができる。
たとえば、基地局110が、端末120の上りリンクの送信にサブバンド#1を割り当て、端末130の上りリンクの送信にもサブバンド#1を割り当てた場合について説明する。この場合は、図5Bに示すように、端末130は、サブバンド#1において、キャリアセンスを行い、ダミー信号321およびデータ信号322の送信を行う。また、基地局110は、サブバンド#1において、端末130からのダミー信号321およびデータ信号322の受信を行う。
(端末による処理)
図6は、端末による処理の一例を示すフローチャートである。ここでは端末120による処理について説明するが、端末130による処理についても同様である。端末120は、上りリンクのデータ信号を送信する際に、たとえば図6に示す各ステップを実行する。
まず、端末120は、セル共通オフセットに基づいてキャリアセンス開始タイミングを算出する(ステップS601)。つぎに、端末120は、ステップS601によって算出したキャリアセンス開始タイミングまで待機する(ステップS602)。
つぎに、端末120は、mを初期化(m=0)する(ステップS603)。mは、単位時間のキャリアセンスの実行回数をカウントするためのカウント値である。つぎに、端末120は、mがM−Nと等しいか否かを判断する(ステップS604)。Mは、セル共通オフセットである。Nは、規定アイドル時間である。また、MおよびNの単位は、ともにキャリアセンスの単位時間である。
ステップS604において、mがM−Nと等しい場合(ステップS604:Yes)は、キャリアセンスによりチャネルの空きが検出されても、基地局110の次の基準タイミング301までにデータ信号の送信を開始できないと判断することができる。この場合は、端末120は、一連の処理を終了する。
ステップS604において、mがM−Nと等しくない場合(ステップS604:No)は、端末120は、nを初期化(n=0)する(ステップS605)。nは、キャリアセンスによってチャネル(帯域)のアイドル状態が連続して検出された回数をカウントするためのカウント値である。
つぎに、端末120は、単位時間のキャリアセンスを実行する(ステップS606)。また、端末120は、mをインクリメント(m=m+1)する。つぎに、端末120は、ステップS606のキャリアセンスの結果に基づいて、チャネルがアイドル状態か否かを判断する(ステップS607)。なお、ステップS607でアイドル状態か否かを判断する対象のチャネルは、たとえば端末120が割り当てられたサブバンド(サブバンド#1)のみであってもよいし、アンライセンスドバンド200の全体であってもよい。
ステップS607において、チャネルがアイドル状態でない場合(ステップS607:No)は、端末120は、ステップS604へ戻る。チャネルがアイドル状態である場合(ステップS607:Yes)は、端末120は、nをインクリメント(n=n+1)する(ステップS608)。
つぎに、端末120は、nがNと等しいか否かを判断する(ステップS609)。nがNと等しくない場合(ステップS609:No)は、端末120は、ステップS606へ戻る。nがNと等しい場合(ステップS609:Yes)は、端末120は、上りリンクで信号を送信し(ステップS610)、一連の処理を終了する。ステップS610において、たとえば、端末120は、図3に示したように、まずダミー信号を送信し、その後にデータ信号を送信する。
図6に示した例では、端末120が信号を送信する際にキャリアセンス開始タイミングを算出する処理について説明したが、端末120は、セル共通オフセットに基づいてキャリアセンス開始タイミングを予め算出しておいてもよい。
(実施の形態にかかる基地局)
図7Aは、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。図7Bは、図7Aに示した基地局における信号の流れの一例を示す図である。図7A,図7Bに示すように、基地局110は、アンテナ701と、RF部702と、上りリンクベースバンド信号処理部703と、伝搬遅延測定部704と、上りリンク送信タイミング制御部705と、下りリンクベースバンド信号生成部706と、を備える。
アンテナ701は、端末120,130から無線送信された信号を受信してRF部702へ出力する。また、アンテナ701は、RF部702から出力された信号を端末120,130へ無線送信する。なお、アンテナ701は1本のアンテナに限らず複数のアンテナであってもよい。たとえば、マルチユーザMIMOを行う場合は、アンテナ701は、マルチユーザMIMOに対応する複数のアンテナとすることができる。
RF部702は、アンテナ701から出力された上りリンクの信号のRF受信処理を行う。RF部702によるRF受信処理には、たとえば、増幅、RF(Radio Frequency:高周波)帯からベースバンド帯への周波数変換、アナログ信号からデジタル信号への変換などが含まれる。RF部702は、RF受信処理を行った信号を上りリンクベースバンド信号処理部703へ出力する。
また、RF部702は、下りリンクベースバンド信号生成部706から出力された下りリンクの信号のRF送信処理を行う。RF部702によるRF送信処理には、たとえば、デジタル信号からアナログ信号への変換、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換、増幅などが含まれる。RF部702は、RF送信処理を行った信号をアンテナ701へ出力する。
上りリンクベースバンド信号処理部703は、RF部702から出力された上りリンクの信号のベースバンド信号処理を行う。そして、上りリンクベースバンド信号処理部703は、ベースバンド信号処理により得られたデータに含まれる測定用信号を伝搬遅延測定部704へ出力する。上りリンクベースバンド信号処理部703から伝搬遅延測定部704へ出力される測定用信号には、たとえば端末120,130からの上りのRS(Reference Signal:参照信号)やRACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル)プリアンブルが含まれる。
伝搬遅延測定部704は、上りリンクベースバンド信号処理部703から出力された測定用信号に基づいて、基地局110と端末120,130との間の各伝搬遅延を測定する。たとえば、伝搬遅延測定部704は、端末120から送信されたRSやRACHプリアンブルに基づいて、基地局110と端末120との間の伝搬遅延を測定する。また、伝搬遅延測定部704は、端末130から送信されたRSやRACHプリアンブルに基づいて、基地局110と端末130との間の伝搬遅延を測定する。
そして、伝搬遅延測定部704は、端末120,130のそれぞれについて、測定した伝搬遅延値に基づくタイミングアドバンスを下りリンクベースバンド信号生成部706へ出力する。タイミングアドバンスは、たとえば測定した伝搬遅延の2倍の値を示す情報である。
上りリンク送信タイミング制御部705は、端末120,130から基地局110への上りリンクにおける送信タイミングを制御する。たとえば、上りリンク送信タイミング制御部705は、キャリアセンス開始タイミングと基準タイミングとの間のセル共通オフセットを決定し、決定したセル共通オフセットを下りリンクベースバンド信号生成部706へ通知する。上りリンク送信タイミング制御部705が決定するセル共通オフセットは、たとえば図3に示したセル共通オフセット302である。
下りリンクベースバンド信号生成部706は、基地局110から端末120,130への下りリンクのベースバンド信号を生成する。下りリンクベースバンド信号生成部706が生成する信号には、伝搬遅延測定部704から出力されたタイミングアドバンスと上りリンク送信タイミング制御部705から通知されたセル共通オフセットとが含まれる。下りリンクベースバンド信号生成部706は、生成した信号をRF部702へ出力する。
図1A,図1Bに示した制御部111は、たとえばアンテナ701、RF部702、上りリンク送信タイミング制御部705および下りリンクベースバンド信号生成部706により実現することができる。図1A,図1Bに示した受信部112は、たとえばアンテナ701、RF部702および上りリンクベースバンド信号処理部703により実現することができる。
図7Cは、基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。図7A,図7Bに示した基地局110は、たとえば図7Cに示す通信装置730によって実現することができる。通信装置730は、プロセッサ731と、主記憶装置732と、補助記憶装置733と、ネットワークインタフェース734と、無線機735と、アンテナ736と、を備える。プロセッサ731、主記憶装置732、補助記憶装置733、ネットワークインタフェース734および無線機735は、バス739によって接続される。
プロセッサ731は、通信装置730の全体の制御を司る。プロセッサ731は、たとえばCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)により実現することができる。主記憶装置732は、たとえばプロセッサ731のワークエリアとして使用される。主記憶装置732は、たとえばRAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)により実現することができる。
補助記憶装置733は、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助記憶装置733には、通信装置730を動作させる各種のプログラムが記憶される。補助記憶装置733に記憶されたプログラムは、主記憶装置732にロードされてプロセッサ731によって実行される。
ネットワークインタフェース734は、たとえば、無線や有線によって通信装置730の外部(たとえば基地局110の上位装置やコアネットワーク)との間で通信を行う通信インタフェースである。ネットワークインタフェース734は、プロセッサ731によって制御される。
無線機735は、アンテナ736を用いて、無線により他の通信装置(たとえば端末120,130)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線機735は、プロセッサ731によって制御される。
図7A,図7Bに示したアンテナ701は、たとえばアンテナ736により実現することができる。図7A,図7Bに示したRF部702は、たとえば無線機735により実現することができる。
図7A,図7Bに示した上りリンクベースバンド信号処理部703、伝搬遅延測定部704、上りリンク送信タイミング制御部705および下りリンクベースバンド信号生成部706は、たとえばプロセッサ731により実現することができる。
(実施の形態にかかる端末)
図8Aは、実施の形態にかかる端末の一例を示す図である。図8Bは、図8Aに示した端末における信号の流れの一例を示す図である。図8A,図8Bにおいては端末120の構成について説明するが、端末130の構成についても同様である。
図8A,図8Bに示すように、端末120は、アンテナ801と、RF部802と、下りリンクベースバンド信号処理部803と、上りリンク送信タイミング制御部804と、上りリンクベースバンド信号生成部805と、を備える。
アンテナ801は、基地局110から無線送信された信号を受信してRF部802へ出力する。また、アンテナ801は、RF部802から出力された信号を基地局110へ無線送信する。
RF部802は、アンテナ801から出力された上りリンクの信号のRF受信処理を行う。RF部802によるRF受信処理には、たとえば、増幅、RF帯からベースバンド帯への周波数変換、アナログ信号からデジタル信号への変換などが含まれる。RF部802は、RF受信処理を行った信号を下りリンクベースバンド信号処理部803へ出力する。
また、RF部802は、上りリンクベースバンド信号生成部805から出力された上りリンクの信号のRF送信処理を行う。RF部802によるRF送信処理には、たとえば、デジタル信号からアナログ信号への変換、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換、増幅などが含まれる。RF部802は、RF送信処理を行った信号をアンテナ801へ出力する。
下りリンクベースバンド信号処理部803は、RF部802から出力された下りリンクの信号のベースバンド信号処理を行う。そして、下りリンクベースバンド信号処理部803は、ベースバンド信号処理により得られた制御情報を上りリンク送信タイミング制御部804へ出力する。
下りリンクベースバンド信号処理部803から上りリンク送信タイミング制御部804へ出力される制御情報には、たとえば、下りリンク受信タイミング、基地局110からのタイミングアドバンス、基地局110からのセル共通オフセットなどの情報が含まれる。下りリンク受信タイミングは、たとえば図5Aに示したサブフレーム境界511,512のタイミングである。タイミングアドバンスは、たとえば図5Aに示した伝搬遅延T1の2倍の値を示す情報である。セル共通オフセットは、たとえば図3,図5Aに示したセル共通オフセット302である。
上りリンク送信タイミング制御部804は、下りリンクベースバンド信号処理部803から出力された制御情報に基づいて、キャリアセンスの開始タイミングおよび上りの送信開始タイミングを決定する。
上りリンク送信タイミング制御部804が決定するキャリアセンスの開始タイミングは、たとえば図5Aに示したキャリアセンス開始タイミング303である。たとえば、上りリンク送信タイミング制御部804は、下りリンク受信タイミングに基づくサブフレーム境界と、タイミングアドバンスが示す伝搬遅延と、セル共通オフセットと、に基づいてキャリアセンス開始タイミングを決定する。そして、上りリンク送信タイミング制御部804は、決定したキャリアセンス開始タイミングを上りリンクベースバンド信号生成部805へ通知する。
上りリンク送信タイミング制御部804が決定する送信開始タイミングは、たとえば図5Aに示したデータ信号送信開始タイミング531である。たとえば、上りリンク送信タイミング制御部804は、下りリンク受信タイミングに基づくサブフレーム境界と、タイミングアドバンスが示す伝搬遅延と、に基づいてデータ信号送信開始タイミングを決定する。そして、上りリンク送信タイミング制御部804は、決定したデータ信号送信開始タイミングを上りリンクベースバンド信号生成部805へ通知する。
上りリンクベースバンド信号生成部805は、上りリンク送信タイミング制御部804から通知された各タイミングに基づいて、キャリアセンスの制御および上りリンクのベースバンド信号の生成を行う。そして、上りリンクベースバンド信号生成部805は、生成した信号をRF部802へ出力する。
たとえば、上りリンクベースバンド信号生成部805は、上りリンク送信タイミング制御部804から通知されたキャリアセンス開始タイミングによりキャリアセンスを行うようにRF部802を制御する。そして、上りリンクベースバンド信号生成部805は、キャリアセンスの結果、規定アイドル時間(図5Aに示した規定アイドル時間304)だけアイドル状態が検出されると、無線信号の送信を開始する。
たとえば、上りリンクベースバンド信号生成部805は、まずダミー信号(図5Aに示したダミー信号311)を送信する。そして、上りリンクベースバンド信号生成部805は、上りリンク送信タイミング制御部804から通知されたデータ信号送信開始タイミングによりデータ信号(図5Aに示したデータ信号312)を送信する。
図1A,図1Bに示した検出部121および送信部122は、たとえばアンテナ801、RF部802、上りリンク送信タイミング制御部804および上りリンクベースバンド信号生成部805により実現することができる。
図8Cは、端末のハードウェア構成の一例を示す図である。図8A,図8Bに示した端末120は、たとえば図8Cに示す通信装置830によって実現することができる。通信装置830は、プロセッサ831と、主記憶装置832と、補助記憶装置833と、ユーザインタフェース834と、無線機835と、アンテナ836と、を備える。プロセッサ831、主記憶装置832、補助記憶装置833、ユーザインタフェース834および無線機835は、バス839によって接続される。
プロセッサ831は、通信装置830の全体の制御を司る。プロセッサ831は、たとえばCPUにより実現することができる。主記憶装置832は、たとえばプロセッサ831のワークエリアとして使用される。主記憶装置832は、たとえばRAMにより実現することができる。
補助記憶装置833は、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助記憶装置833には、通信装置830を動作させる各種のプログラムが記憶される。補助記憶装置833に記憶されたプログラムは、主記憶装置832にロードされてプロセッサ831によって実行される。
ユーザインタフェース834は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどによって実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどによって実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース834は、プロセッサ831によって制御される。
無線機835は、アンテナ836を用いて、無線により他の通信装置(たとえば基地局110)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線機835は、プロセッサ831によって制御される。
図8A,図8Bに示したアンテナ801は、たとえばアンテナ836により実現することができる。図8A,図8Bに示したRF部802は、たとえば無線機835により実現することができる。図8A,図8Bに示した下りリンクベースバンド信号処理部803、上りリンク送信タイミング制御部804および上りリンクベースバンド信号生成部805は、たとえばプロセッサ831により実現することができる。
(無線通信システムの変形例)
基地局110が端末120,130にセル共通オフセットを通知する構成について説明したが、基地局110は端末120,130にセル共通オフセットを通知しない構成としてもよい。この場合に、端末120,130は、たとえば、基地局110のセル内で共通に認識しているパラメータを用いてセル共通オフセットを算出する。これにより、基地局110が端末120,130にセル共通オフセットを通知しなくても、端末120,130が共通のセル共通オフセットを算出することができる。
図9Aは、変形例にかかる基地局の一例を示す図である。図9Bは、図9Aに示した基地局における信号の流れの一例を示す図である。図9A,図9Bにおいて、図7A,図7Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図9A,図9Bに示すように、変形例にかかる基地局110は、図7A,図7Bに示した構成において、上りリンク送信タイミング制御部705を省いた構成としてもよい。
図10は、変形例にかかる端末における信号の流れの一例を示す図である。図10において、図8A,図8Bに示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。変形例にかかる端末120の構成は、図8Aに示した端末120の構成と同様である。ただし、図10に示すように、変形例にかかる端末120においては、下りリンクベースバンド信号処理部803から上りリンク送信タイミング制御部804へ出力される制御情報にセル共通オフセットが含まれない。
上りリンク送信タイミング制御部804は、たとえばサブフレーム番号およびセル番号の少なくともいずれかに基づいて、セル共通オフセットを算出する。これにより、端末120,130が同一のセル共通オフセットを算出し、端末120,130の無線信号の送信タイミングを合わせることができる。
以上説明したように、無線通信システム、端末および基地局によれば、共用帯域における上りリンクのユーザ多重を可能にし、スループットの向上を図ることができる。
たとえば、従来、LTEにおいて、トラフィックの増大に対応するために、免許不要帯域を利用して、専用帯域(Licensed band)からのデータオフロードを行うことが提案されている。免許不要帯域は、たとえばアンライセンスドバンド(Unlicensed band)あるいは共用帯域(Shared band)と呼ばれる。
たとえば、応答信号(ACK/NACK)などの制御情報を専用帯域で送信し、データをアンライセンスドバンドで送信するLicensed−Assisted Carrier Aggregation方式が検討されている。
アンライセンスドバンドにおいては、LTE−uシステム間の共存に加えて、WLANなど他の無線システムとの共存が求められる。日本や欧州の電波法では、無線信号を送信する前に、無線チャネルが他の無線システムによって使用されていない(アイドル状態である)ことをキャリアセンスにより確認することが求められている。
アンライセンスドバンドにおいて実用化されているWLANでは、一つのユーザ(ステーション)が全帯域幅を用い、時間方向のユーザ多重が行われる。これに対して、ライセンスドバンドで実用化されてきたLTEは、時間方向だけでなく、周波数方向でもユーザ多重が行われる。さらにはMIMOによる空間方向のユーザ多重も行われてもよい。
すなわち、LTEでは、同一帯域においてユーザ多重が行われるが、アンライセンスドバンドにおけるアップリンク送信に関する実現方法が確立されていない。たとえば、WLANのように端末ごとに規定アイドル時間での未使用(アイドル状態)を確認してからランダムバックオフ(Random Backoff)を行う場合について説明する。この場合は、バックオフ期間が長い端末が、短い端末からの無線信号をキャリアセンスで検出してしまい無線信号を送信できなくなるケースが発生する。
たとえば、端末がアンライセンスドバンドの全帯域(たとえば20[MHz]幅)でのキャリアセンスを行う場合は、端末が送信を行う予定以外のサブバンドも含めて検出が行われる。このため、他の端末が他サブバンドで送信した無線信号によりチャネルがビジー状態と判断され易く、無線信号を送信できなくなるケースが発生する。
また、端末が無線信号の送信を行う予定のサブバンドにおいてのみキャリアセンスを行う場合も、他の端末が隣接サブバンドで送信した無線信号によって発生する漏えい電力のために、チャネルがビジー状態と判断される場合がある。このため、無線信号を送信できなくなるケースが発生する。
また、マルチユーザMIMOを用いる場合は、同じ帯域で空間多重を行うため、多重相手の端末の信号によってチャネルがビジー状態と判断される場合があり、無線信号を送信できなくなるケースが発生する。
これに対して、上述した実施の形態によれば、たとえば、同一セル内の各端末について上りリンクの送信開始時間が同じになるようにすることができる。たとえば、セルごとの基準タイミングからの共通オフセットに基づいてキャリアセンスの開始タイミングや無線信号の送信開始タイミングを決定することで、上りリンクの送信開始時間が同じになるようにすることができる。
これにより、アンライセンスドバンドにおいて、端末ごとにキャリアセンスを行うとともに、各端末における無線信号の送信タイミングを同一にすることができる。このため、同一セル内におけるアップリンクのユーザ多重を可能にし、スループットを向上させることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用する無線通信システムにおいて、
基地局と、
前記基地局に接続する複数の端末であって、前記所定帯域の無線信号を検出する処理を、前記複数の端末の間で共通の所定タイミングにおいてそれぞれ開始し、前記処理により前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記複数の端末の間で共通の所定時間連続したタイミングにおいて、前記所定帯域に含まれる各帯域のうちの同じ帯域または互いに異なる帯域での無線信号の送信をそれぞれ開始する前記複数の端末と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
(付記2)前記複数の端末のそれぞれは、前記基地局からの無線信号を自端末が受信したタイミングと、自端末と前記基地局との間の伝搬遅延を示す情報と、に基づいて前記所定タイミングを算出し、算出した前記所定タイミングにおいて前記処理を開始することを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記複数の端末のそれぞれは、
前記処理により前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記所定時間連続した場合に、自端末と前記基地局との間の伝搬遅延を示す情報に基づいて、前記所定帯域における前記基地局の受信タイミングにおいて受信されるように前記基地局へのデータ信号を送信し、
前記処理により前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記所定時間連続したタイミングから前記データ信号を送信するまでの間にダミー信号またはプリアンブルを送信する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記基地局は、前記所定タイミングを算出するためのパラメータを前記複数の端末へ送信し、
前記複数の端末のそれぞれは、所定の基準タイミングと、前記基地局から送信されたパラメータと、に基づいて算出した前記所定タイミングにおいて前記処理を開始する、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記5)前記基地局は、乱数に基づいて決定した前記パラメータを前記複数の端末へ送信することを特徴とする付記4に記載の無線通信システム。
(付記6)前記複数の端末のそれぞれは、前記複数の端末の間で共有する情報に基づいて前記所定タイミングを算出し、算出した前記所定タイミングにおいて前記処理を開始することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記7)前記複数の端末の間で共有する情報は、前記基地局のセルの識別情報を含むことを特徴とする付記6に記載の無線通信システム。
(付記8)前記複数の端末の間で共有する情報は、前記処理を行うサブフレームの識別情報を含むことを特徴とする付記6または7に記載の無線通信システム。
(付記9)前記所定帯域の無線信号を検出する処理は、前記所定帯域のうちの自端末が無線信号を送信する帯域における無線信号を検出する処理であることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記10)前記所定帯域の無線信号を検出する処理は、前記所定帯域の全体における無線信号を検出する処理であることを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の無線通信システム。
(付記11)他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用する無線通信システムの基地局において、
自局に接続する複数の端末へ、前記複数の端末の間で共通の所定タイミングを算出するためのパラメータを送信することにより、前記複数の端末に対して、前記所定帯域の無線信号を検出する処理を前記所定タイミングにおいてそれぞれ開始し、前記処理により前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記複数の端末の間で共通の所定時間連続したタイミングにおいて、前記所定帯域に含まれる各帯域のうちの同じ帯域または互いに異なる帯域での無線信号の送信をそれぞれ開始する処理を実行させる制御部と、
前記複数の端末によって送信された各無線信号を受信する受信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記12)他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用する無線通信システムの端末において、
前記所定帯域の無線信号を検出する処理を、自端末が接続する基地局に接続する他の端末との間で共通の所定タイミングにおいて開始する検出部と、
前記検出部によって前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記他の端末との間で共通の所定時間連続したタイミングにおいて、前記所定帯域に含まれる帯域での無線信号の送信を開始する送信部と、
を備えることを特徴とする端末。
(付記13)他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用する無線通信システムの基地局による処理であって、
自局に接続する複数の端末へ、前記複数の端末の間で共通の所定タイミングを算出するためのパラメータを送信することにより、前記複数の端末に対して、前記所定帯域の無線信号を検出する処理を前記所定タイミングにおいてそれぞれ開始し、前記処理により前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記複数の端末の間で共通の所定時間連続したタイミングにおいて、前記所定帯域に含まれる各帯域のうちの同じ帯域または互いに異なる帯域での無線信号の送信をそれぞれ開始する処理を実行させ、
前記複数の端末によって送信された各無線信号を受信する、
ことを特徴とする処理方法。
(付記14)他の無線通信システムとの間で所定帯域を共用する無線通信システムの端末による処理であって、
前記所定帯域の無線信号を検出する処理を、自端末が接続する基地局に接続する他の端末との間で共通の所定タイミングにおいて開始し、
前記処理によって前記所定帯域の無線信号が検出されない状態が前記他の端末との間で共通の所定時間連続したタイミングにおいて、前記所定帯域に含まれる帯域での無線信号の送信を開始する、
ことを特徴とする処理方法。