JP6682505B2 - 高速核分裂原子炉および核分裂原子炉の操作方法 - Google Patents

高速核分裂原子炉および核分裂原子炉の操作方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願とのクロスリファレンス〕
本発明は、米国仮出願62/043,210、名称「バナジウム合金構造材料を有する、核物質増殖・燃焼ナトリウム高速炉」、出願日2014年8月28日の優先権を主張し、これは特に、それが開示および教示する全てについてここに盛り込まれる。
〔背景技術〕
ナトリウム高速炉などの高速スペクトル核分裂原子炉(「高速中性子原子炉」)は、一般に、燃料集合体装置の装置位置のアレイを形成する原子炉心を含む原子炉容器と、他の原子炉支持装置とを含む。核分裂性核燃料が中性子衝突に付されて分裂反応が起こる。増殖高速中性子原子炉では、燃料親核燃料から核分裂性核燃料を増殖させる「高速中性子」によって、核分裂連鎖反応が持続する。原子炉心を通って液体冷却材が流れ、原子炉心に発生する核分裂反応から熱エネルギーを吸収する。その後、冷却材が熱交換器および蒸気発生器に流れ、熱エネルギーを蒸気に転送し、そうして、電気を生成するタービンを駆動する。このような原子炉の設計は、原子炉心の安定性、効率的な熱の発生、長期間の構造完全性などを含む、所望の動作パラメータを達成するための、材料、構造および制御システムの組み合わせに関係している。
〔発明の要約〕
記載の技術は、装置位置のアレイを有する原子炉心を含む高速核分裂原子炉を提供する。原子炉心におけるいくつかの装置位置は、核分裂性および燃料親の核燃料集合体装置を含む。原子炉心における1つ以上の他の装置位置は、原子炉心内のドップラー反応度係数の陰性(negativity)を増幅するドップラー反応度増大装置を含む。いくつかの実施例では、ドップラー反応度増大装置は、原子炉心内の冷却材温度係数を減少させることもできる。したがって、ドップラー反応度増大装置は、より安定な原子炉心に寄与する。
1つの実施例では、ドップラー増大装置は、バナジウムまたはバナジウム合金を含み、例えば、V−20Ti、V−10Cr−5Ti、V−15Cr−5Ti、V−4Cr−4Ti、V−4Cr−4Ti NIFS Heats 1&2、V−4Cr−4Ti US Heats 832665&8923864、V−4Cr−4i Heat CEA−J57などである。他の実施例では、他の材料および、チタン合金などの合金を用いてもよい。バナジウムまたはバナジウム合金(ここでは「vanaloys」と称する)は、構造材料(例えば、ピン・クラッディングや集合体ダクト)として用いられてもよい。
この要約は、詳細な説明で以下にさらに述べる簡素化された型における概念の選択を導入するために提供されるものである。この要約は、特許請求される主題のキーとなる特徴または本質的な特徴を確認することを意図せず、また、特許請求される主題の範囲を限定することも意図しない。
ここでは、他の実施例も記載される。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、ドップラー反応度増大成分を含む高速原子炉心を有する一例的な核分裂原子炉の部分切り取り斜視図である。
図2は、バナジウム(V−51)の中性子散乱断面のデータチャートである。
図3は、チタン(Ti−48)の中性子散乱断面のデータチャートである。
図4は、種々の高速中性子原子炉の中性子フラックスと比較された、バナジウムとナトリウムの中性子散乱断面を含むデータチャートである。
図5は、高速原子炉心の装置位置に挿入される1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心内の一例的な反応度係数を示す図である。
図6は、時間との相関関係としての個々の反応度係数の統合に基づいた、経時的な、一例的な累積反応度係数挿入を示す図である。
図7は、ドップラー反応度増大集合体装置を含んで、原子炉心装置の位置のアレイを有する一例的な高速原子炉心を示す断面図である。
図8Aおよび図8Bは、反応度制御ダクトの型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す側面図および断面図である。
図9Aおよび図9Bは、ドップラー増大集合体装置の型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す側面図および断面図である。
図10は、原子炉心内のドップラー反応度を増大させる一例的な操作を示す図である。
〔発明の詳細な実施形態〕
高速原子炉心は、分裂反応での核燃料(例えばウラン)の利用効率を高めるように設計される。高速炉は、例えば典型的な軽水炉と比べて、天然ウランで潜在的に利用可能ないっそう多くのエネルギーを捕捉できる。高速原子炉心で用いられる高エネルギー中性子ゆえ、高速原子炉心でのエネルギーの生成は激しい。しかしながら、高速炉における高い燃焼度とエネルギー強度はまた、軽水炉と比べて大きな程度にまで、核燃料集合体装置における構造材料を圧迫する。
高速炉の特定の分類で、核物質増殖・燃焼高速炉と呼ばれるもの(その一種が高速炉である)は、それが消費する核分裂性核燃料をより多く生成することができる。例えば、ウラン−238核やトリウム−232燃料のように、燃料親核原子炉燃料から、それが燃焼するよりも多くの核分裂性核燃料を増殖させるのに十分なほどに、中性子経済は十分高い。「燃焼」は、「燃焼度」または「燃料利用率」と呼ばれ、核燃料からどれくらいのエネルギーが抽出されるかの尺度を表す。典型的には、燃焼度が高いほど、核分裂反応が終わったあとの核廃棄物の量が減少する。
高速炉の他の特定の分類は、核分裂反応に用いられる核燃料のタイプに基づく。金属核高速炉は、金属燃料を用いており、これは、セラミック燃料式の高速炉の場合よりも高い熱伝導率と、より高速な中性子スペクトルという利点を有する。金属燃料は、高い核分裂性原子密度を示し、通常は合金にされるが、実施例によっては、純粋なウラン金属も用いられる。高速炉では、金属燃料として、ウランと白金の中性子捕獲によって生成されるマイナーアクチノイドを用いることができる。金属アクチノイド燃料は、典型的には、ジルコニウム、ウラン、金属、およびマイナーアクチノイドの合金である。
図1は、ドップラー反応度増大装置(例えばドップラー反応度増大装置104)を1つ以上含む高速原子炉心102を有する一例的な核分裂原子炉100の部分切り取り斜視図である。高速原子炉心102内の他の成分は、核燃料集合体装置(例えば核燃料集合体装置106)と、可動反応度制御集合体装置(例えば可動反応度制御集合体装置108)とを含む。図面を簡素化するために、一例的な核分裂原子炉100の特定の構造、例えば、冷却材循環ループ、冷却材ポンプ、熱交換器、原子炉冷却材システムなどは省いてある。したがって、一例的な核分裂原子炉100は、図1に示していない追加の構造を含んでもよいことを理解すべきである。
核分裂原子炉100の実施例は、望みに応じて、任意の用途用のサイズにすることができる。例えば、核分裂原子炉100の種々の実施例は、望みに応じて、低電力(〜5メガワット熱)からおよそ1000メガワット熱)の用途や、高電力(およそ1000メガワット熱およびそれを越えるもの)の用途に用いることができる。
高速原子炉心102の構造要素のいくつかは、超硬合金、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)または炭素複合材料、セラミックスなどから形成することができる。これらの材料は、高速原子炉心102が典型的に作動する高温を扱えるように選択することができる。これらの材料の構造の特徴は、耐クリープ性、機械的加工性、耐食性などを含めて、選択に関係してもよい。このような構造要素は、高速原子炉心102内の装置位置のアレイを規定する。
高速原子炉心102は、冷却材(液体ナトリウムなど)のプールを含む原子炉容器110に配置されている。例えば、種々の実施例において、原子炉冷却材システム(図示せず)が、原子炉容器110に配置された液体ナトリウムのプールを含んでいる。このような場合、高速原子炉心102は、原子炉容器110の液体ナトリウム冷却材のプールに沈められる。原子炉容器110は、原子炉容器110からのリークという起こりそうもない場合に液体ナトリウム冷却材の消失を防ぐのに役立つ格納容器116によって囲まれている。代替の実施例では、冷却材は、冷却材ループを通って、核分裂原子炉100全体を流れることができる。
高速原子炉心102は、中央コア領域112内に、核燃料集合体装置、反応度制御集合体装置、ドップラー反応度増大装置などの種々の原子炉心装置を受ける、装置位置のアレイを含む。原子炉容器110の最上部の近くに、およそ位置114の位置に、容器内処理システム(図示せず)が位置し、該システムは、高速原子炉心102内の装置位置の中および/または外で、個々の原子炉心装置をシャッフルするように構成されている。ある原子炉心装置は、高速原子炉心102内の装置位置から取り外し可能であってもよいし、他の原子炉心装置は、高速原子炉心102内の装置位置から取り外し可能でなくてもよい。
高速原子炉心102は、核分裂点火装置と、より大きい核分裂爆燃燃焼波伝搬領域とを含むことができる。核分裂点火装置は、核分裂性核燃料の分裂反応のための熱中性子を提供する。より大きい核分裂爆燃燃焼波伝搬領域は、トリウム(Th)またはウラン(U)燃料を含んでもよく、高速中性子スペクトル分裂増殖の一般的な原理に基づいて機能する。
一つの実施例では、核燃料集合体装置内の核燃料は、核分裂性核燃料集合体装置または燃料親核燃料集合体装置内に含まれてもよい。核分裂性核燃料集合体装置または燃料親核燃料集合体装置の違いは、事実上、核燃料の濃縮レベルであり、該濃縮レベルは、高速原子炉心102内で、経時的に変化することができる。構造的には、ある実施例では核分裂性核燃料集合体装置または燃料親核燃料集合体装置は同一であってもよい。高速原子炉心102内の核燃料集合体装置106は、燃料ピンなどの、核燃料集合体装置106内へ編成される複数の燃料成分を囲む固体の六角形の管を含むことができる。ある実施例では、六角形でない管も用いてもよい。核燃料集合体装置106の管は、冷却材が、燃料ピンを過ぎ、隣接管壁間の隙間ギャップを通って流れることを可能にする。それぞれの管はまた、個々の集合体が開口するのを可能ににし、燃料束の構造支持を提供し、処理負荷を処理ソケットから注入口ノズルへ伝送する。燃料ピンは、典型的には、放射性物質が冷却材流に入るのを防ぐライナーおよびクラッディング(およびときには追加の障壁)に囲まれた複数の核燃料棒(ウラン、白金、トリウムなど)からなる。高速原子炉心102内の核燃料集合体装置106の個々のピンは、ピンに挿入される最初の核燃料棒材料とピン内の増殖の状況とに応じて、核分裂性核燃料または燃料親核燃料を含むことができる。
分裂処理をリアルタイムに制御し、核分裂連鎖反応を能動的に保つ必要性のバランスを取り、また、核分裂連鎖反応が制御を越えて加速するのを防ぐために、容器内処理システムによって、可動反応度制御集合体装置108が、中央コア領域112に挿入および/またはそこから取り外されるようにすることもできる。核分裂連鎖反応の状況は、実効増倍率kで表され、kは、連鎖反応の連続サイクル中の分裂現象のトータル数を示す。原子炉が定常状態のとき(すなわち、個々の分裂現象がそれぞれ、正確に1つの、次の分裂現象のトリガーとなる)、kは1に等しい。k>1のときは、原子炉は超臨界であり、反応速度は加速する。k<1のときは、原子炉は未臨界であり、分裂速度は減少する。中央コア領域112内の状態は経時的に変化する。したがって、状態が変化するのにつれて、核分裂連鎖反応の増倍率を調整するために、可動反応度制御集合体を用いてもよい。
可動反応度制御集合体装置108は、分裂処理が起きている間に能動的に中央コア領域112内に挿入されうるおよび/または取り外されうる、非常に効果的な中性子吸収機械構造である。可動反応度制御集合体装置は、その吸収断面積で測ったとき、核分裂反応のエネルギー範囲において中性子を吸収するのに十分に高い中性子捕獲断面積の化学成分を含む。したがって、可動反応度制御集合体装置108は、高速原子炉心102内で分裂反応を起こすのに利用可能な中性子の数に影響を与え、それによって、高速原子炉心102内の核分裂性核燃料の分裂速度を制御する。高速炉100の可動反応度制御集合体装置に用いられる一例的な材料は、限定されないが、炭化ホウ素や、銀、インジウムおよびカドミウムの合金や、または、ハフニウム水素化物である。中央コア領域112内の分裂反応と相互作用する可動反応度制御集合体装置108の部位(および可動反応度制御集合体の数)を制御することによって、原子炉の臨界を維持できるように増倍率を調整することができる。したがって、可動反応度制御集合体装置108は、核分裂反応を制御するための調整可能なパラメータを表す。
ドップラー反応度増大装置104は、高速原子炉心102の核分裂反応内のドップラー反応度係数を変えることができる1つ以上の材料を含む。例えば、ドップラー反応度増大装置104は、高速原子炉心102内のドップラー反応度係数の陰性を増幅することができる。ある実施例では、ドップラー反応度増大装置104はまた、高速原子炉心102内の冷却材温度係数を減少させることもできる。ドップラー反応度係数は、反応度の燃料温度係数とみなすこともでき、核燃料の温度変化の程度あたりの反応度の変化を表す。ドップラー反応度係数は、ドップラー幅効果から発生しまたはこれにより引き起こされ、このドップラー幅効果は、高速原子炉心102内の中性子と燃料核種との相対速度の分布により引き起こされるスペクトル線の幅に関連する。ドップラー反応度係数は、核分裂原子炉100のスペクトルを変えることによって修正される。高速中性子は、ドップラー幅効果が発生するレベルで、より低いエネルギーへと散乱する。ほぼ全てのドップラー幅が、10keVより低い値で発生する。例えば、反応環境温度が上昇すると、0.8〜3keVのエネルギー範囲においてウラン−238を原料とする金属の捕捉共鳴が、実質的なドップラー幅を示す。したがって、ドップラー幅エネルギー範囲内の中性子フラックスを増加させることによって、燃料親核燃料から核分裂性核燃料への転換が高められる。
ある実施例では、核分裂原子炉100は、0.1MeVと等しいかそれより大きい平均中性子エネルギーを有する高速スペクトル核分裂原子炉である。
ある実施例では、ドップラー反応度増大装置104の1つ以上の材料が、高速原子炉心102の燃料親核燃料のドップラー幅エネルギー範囲内のエネルギーを有する中性子に対する弾性散乱を高めることによって、大きな正の寄与を行う。このようにして、核燃料の一次ドップラー幅エネルギー範囲のエネルギーを有する中性子は、中央コア領域112内で弾性散乱する。したがって、ウラン−238を原料とする金属燃料については、0.8〜3keVのエネルギー範囲において散乱する中性子の数が多いほど、転換または増殖反応の可能性に対するドップラー幅の寄与が大きくなる。
バナジウムは、ウラン−238を原料とする燃料のドップラー幅エネルギー範囲と重なる中性子散乱断面によって特徴付けられる一例的な成分である。あるバナジウム合金(vanaloys)もまた、ウラン−238を原料とする燃料のドップラー幅エネルギー範囲と重なる中性子散乱断面によって特徴付けられる一例的な成分であり、限定されないが、V−20Ti、V−10Cr−5Ti、V−15Cr−5Ti、V−4Cr−4Ti、V−4Cr−4Ti NIFS Heats 1&2、V−4Cr−4Ti US Heats 832665&8923864、およびV−4Cr−4i Heat CEA−J57を含む。チタンおよびチタン合金は、同様の効果を有するが、効果はあまり大きくはないことがわかった。質量で少なくとも10%のバナジウムまたはチタンを有する合金は、負のドップラー反応度係数フィードバックを増加させることによって、実質的なドップラー反応度増大の利点を提供することができるが、質量で50%以上のバナジウムまたはチタンを有するバナジウムを原料とするまたはチタンを原料とする合金のように、30%以上のバナジウムまたはチタンを有する合金のほうが、一般に、より良い結果を生む。
図2のデータチャート200に示すように、バナジウムは、10keV付近またはそれより小さいところで、3つの大きな共鳴(204)と、尾部206とを有する、中性子散乱断面202によって特徴付けられる。領域208は、ウラン−238を原料とする燃料の一次ドップラー幅領域を示す。少なくとも1つの共鳴と、一次ドップラー幅領域208を有する関連する尾部206との、重なりに注目されたい。チタンおよびチタン合金は、ウラン−238を原料とする燃料のドップラー幅エネルギー範囲内の中性子散乱を高めることができる。図3のデータチャート300に示すように、チタンは、10keVの真上付近の大きな共鳴304と、10keVより小さい、大きな尾部306とを有する、中性子散乱断面302によって特徴付けられる。領域308は、ウラン−238を原料とする燃料の一次ドップラー幅領域を示す。一次ドップラー幅領域308を有する、重なる尾部306に注目されたい。したがって、バナジウム、チタン、およびこれらの合金のうちのあるものは、ドップラー反応度増大装置に使用される一例的な材料である。
図4は、種々の高速中性子原子炉の中性子フラックスと比較された、バナジウム(402)とナトリウム(404)の中性子散乱断面を含むデータチャート400である。HT9ステンレス鋼を用いる高速炉の中性子フラックスを、FAST REACTOR-Sデータ406に示し、また、FAST REACTOR-S原子炉心のHT9ステンレス鋼のうちのいくつかまたは全部がバナジウムまたはバナジウム合金に置き換えられた、高速炉の中性子フラックスを、FAST REACTOR-Vデータ406に示す。中性子フラックスは、単位時間および体積あたりに全ての中性子によって進んだ合計長さ、または、それとほぼ同等であり、単位時間に単位面積を通って進む中性子の数である。いずれの場合も、中性子フラックスが大きいほど、中性子が核燃料原子と衝突する可能性が高くなる。
ナトリウム冷却式の高速中性子原子炉における4つの主要反応度係数が、時間順に記載されており、これらは、ドップラー、軸方向、ナトリウム、半径方向である。反応度係数は、種々の寄与者から得られる核燃料の温度変化の程度あたりの反応度の変化をパラメータ化した。すでに述べたように、ドップラー反応度係数は、ドップラー幅から得られる核燃料の温度変化の程度あたりの反応度の変化をパラメータ化する。軸方向反応度係数は、コア軸方向燃料拡張の原因となる核燃料クラッディングの温度変化の程度あたりの反応度の変化をパラメータ化する。ナトリウム反応度係数は、拡張/放出の原因となる冷却材の温度変化の程度あたりの反応度の変化をパラメータ化する。(冷却材反応度係数は、ナトリウム反応度係数のもっと一般的なバージョンを表す。)半径方向反応度係数は、コア半径方向燃料拡張の原因となる集合体ダクトの温度変化の程度あたりの反応度の変化をパラメータ化する。負の実質/合計の反応度係数は、温度が上昇すると反応度が減少するように、核燃料の温度が上昇すると反応度に負のフィードバックを行い、それによって、核分裂原子炉の安定化に寄与し、核分裂反応の自己安定化に寄与する。
図5は、高速原子炉心の装置位置に挿入される1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心内の一例的な反応度係数500を示す図である。反応度係数を、時間順に、左から右へ記載している。ドップラー反応度増大装置を有さない高速原子炉心と比べて、1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心では、ドップラー反応度係数が増大している。さらに、ドップラー反応度増大装置を有さない高速原子炉心と比べて、1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心では、ナトリウム反応度係数が減少している。しかしながら、すでに述べたように、時間順に、それぞれの反応度係数が反応に寄与している。したがって、図6では、それぞれの時刻での累積反応度係数の「挿入」を考慮している。
表1は、FAST REACTOR-SとFAST REACTORVとの間の、ナトリウム冷却式の高速中性子原子炉における4つの主要反応度係数の変化を示す一例的なデータを示す。
Figure 0006682505
図6は、時間との相関関係としての個々の反応度係数の統合に基づいた、経時的な、一例的な累積反応度係数挿入600(「実質反応度の挿入」)を示す図である。1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心では、ドップラー反応度係数の組み合わせが増加し、ナトリウム反応度係数が減少しているので、実質反応度の挿入は、それぞれの時刻で負のままであり、燃料温度が上昇すると負の反応度フィードバックを行い、分裂反応の安定性の向上に寄与する。
図7は、ドップラー反応度増大集合体装置を含んで、原子炉心装置の位置(例えば装置位置704)のアレイを有する一例的な高速原子炉心702を示す断面図700である。高速原子炉心は典型的には、図7の一例的な炉心に示したのよりも多い装置位置および装置を有するが、説明と図示とを容易にするために、数を減らした装置位置および装置を示していることを理解すべきである。それぞれの装置は、アレイ内の、構造が規定された装置位置に挿入されている。中央原子炉心領域の境界には、装置位置704における交換式の放射線反射体装置のような反射体装置や、恒久的な放射線反射体材料714が配置されており、中央原子炉心領域に戻ってくる中性子を反射する。
図8Aおよび図8Bは、反応度制御ダクトの型の一例的なドップラー反応度増大装置800を示す側面図および断面図である。ある実施例では、ドップラー反応度増大装置800の反応度制御ダクトの型の外部構造壁804は、10keVに近い中性子散乱断面の共鳴ピークを有するドップラー反応度増大材料で形成されており、それゆえ、核燃料(例えば燃料親核燃料ウラン−238)のドップラー幅エネルギー範囲での弾性中性子散乱を高めるのに寄与する。一例的なドップラー反応度増大材料は、限定されないが、バナジウム、バナジウム合金、チタン、およびチタン合金を含む。外部構造壁804は、液体ナトリウムのような液体冷却材が流れるのを可能にする通路を形成する。ドップラー反応度増大装置800は、原子炉心の装置位置の中に移動およびそこから外へ移動(例えば、中に挿入される、または、そこから取り外される)してもよいが、ドップラー反応度増大装置800は、原子炉心に固定されていてもよい。
図9Aおよび図9Bは、ドップラー増大集合体装置の型の一例的なドップラー反応度増大装置900を示す側面図および断面図である。ある実施例では、ドップラー反応度増大装置900の反応度制御ダクトの型の外部構造壁904は、ステンレス鋼(例えばHT9)から形成され、10keVに近い中性子散乱断面の共鳴ピークを有するドップラー反応度増大材料のコアを取り囲んでおり、それゆえ、核燃料(例えば燃料親核燃料ウラン−238)のドップラー幅エネルギー範囲での弾性中性子散乱を高めるのに寄与する。一例的なドップラー反応度増大材料は、限定されないが、バナジウム、バナジウム合金、チタン、およびチタン合金を含む。ある実施例では、コアは、液体ナトリウムのような液体冷却材が流れるのを可能にする(通路908などの)1つ以上の通路を含む。ドップラー反応度増大装置900は、原子炉心の装置位置の中に移動およびそこから外へ移動(例えば、中に挿入される、または、そこから取り外される)してもよいが、ドップラー反応度増大装置800は、原子炉心に固定されていてもよい。
図10は、原子炉心内のドップラー反応度を増大させる一例的な操作1000を示す図である。構築操作1002は、耐熱材料から形成される個々の装置位置のような、規定された装置位置のアレイを有する核分裂原子炉心を構築する。ある実施例では、核分裂原子炉心は、液体金属燃料式の、液体ナトリウム冷却式の、高速中性子核物質増殖・燃焼核分裂炉システムに存在する。別の構築操作1004は、装置の構造要素としてドップラー増大材料を含むドップラー反応度増大装置を構築するが、ドップラー反応度増大装置は、追加的にまたは代替的に、非構造材料としてのドップラー増大材料を含んでもよい。
挿入操作1006は、ドップラー反応度増大装置を高速炉の核分裂原子炉心の装置位置に挿入する。運転操作1008は、高速炉を運転して、高速炉の核分裂炉心の燃料親核燃料の幅の範囲内において、ドップラー反応度増大装置から中性子を弾性散乱させる。取り外操作1010は、(例えばメンテナンスのために、)ドップラー反応度増大装置を核分裂原子炉心の装置位置から取り外す。したがって、ある実施例ではドップラー反応度増大装置は可動であってもよく、他の実施例ではドップラー反応度増大装置は原子炉心内に固定されていてもよい。
上記の説明、例、およびデータは、本発明の一例的な実施形態の構造と使用との完全な説明を提供する。本発明の精神と範囲から離れることなく本発明の多くの実施例を行うことができるので、本発明は、以降に添付した請求項に存在する。さらに、記載の請求項から離れることなく、さらに他の実施例において、種々の実施形態の構造的特徴を組み合わせてもよい。
ドップラー反応度増大成分を含む高速原子炉心を有する一例的な核分裂原子炉の部分切り取り斜視図である。 バナジウム(V−51)の中性子散乱断面のデータチャートである。 チタン(Ti−48)の中性子散乱断面のデータチャートである。 種々の高速中性子原子炉の中性子フラックスと比較された、バナジウムとナトリウムの中性子散乱断面を含むデータチャートである。 高速原子炉心の装置位置に挿入される1つ以上のドップラー反応度増大装置を有する高速原子炉心内の一例的な反応度係数を示す図である。 時間との相関関係としての個々の反応度係数の統合に基づいた、経時的な、一例的な累積反応度係数挿入を示す図である。 ドップラー反応度増大集合体装置を含んで、原子炉心装置の位置のアレイを有する一例的な高速原子炉心を示す断面図である。 反応度制御ダクトの型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す側面図である。 反応度制御ダクトの型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す断面図である。 ドップラー増大集合体装置の型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す側面図である。 ドップラー増大集合体装置の型の一例的なドップラー反応度増大装置を示す断面図である。 原子炉心内のドップラー反応度を増大させる一例的な操作を示す図である。

Claims (37)

  1. 複数の装置位置を有するアレイ構造を含む高速中性子原子炉心と、
    上記高速中性子原子炉心の第1の装置位置に挿入されている核燃料集合体装置であって、規定のエネルギー範囲内に制約されたドップラー幅によって特徴付けられる核燃料を含む核燃料集合体装置と、
    上記高速中性子原子炉心の第2の装置位置に挿入されているドップラー反応度増大装置であって、上記規定のエネルギー範囲内に少なくとも1つの共鳴を有する中性子散乱断面によって特徴付けられる散乱材料から少なくとも部分的に形成されており、上記散乱材料は質量で少なくとも10%のバナジウムまたはチタンを有する合金から形成されており、中空であって、核燃料を含ま
    上記ドップラー反応度増大装置(800)の外部構造壁(804)はドップラー反応度増大材料で形成され、または、上記ドップラー反応度増大装置(900)の外部構造壁(904)はドップラー反応度増大材料のコアを取り囲んでおり、
    上記外部構造壁(804、904)の内側に配置された中空部位(908)は、液体冷却材が流れるのを可能にする通路として機能する、
    ドップラー反応度増大装置と、
    を有することを特徴とする高速核分裂原子炉。
  2. 上記散乱材料は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  3. 上記散乱材料は、チタンまたはチタンを原料とする合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  4. 上記ドップラー反応度増大装置は、上記散乱材料から少なくとも部分的に形成されている外部構造壁を有する制御ダクトを含むことを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  5. 上記制御ダクトは、液体冷却材がこの制御ダクトを通って流れることを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の高速核分裂原子炉。
  6. 上記ドップラー反応度増大装置は、上記散乱材料のコアを取り囲む外部構造壁を有する集合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  7. 上記散乱材料のコアは、液体冷却材が上記ドップラー反応度増大装置を通って流れることを可能にするように構成されている1つ以上の通路を含むことを特徴とする請求項6に記載の高速核分裂原子炉。
  8. 上記高速中性子原子炉心は、液体ナトリウム冷却材のプールに浸されていることを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  9. 上記高速核分裂原子炉は、0.1MeVと等しいまたはそれより大きい平均中性子エネルギーで作動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  10. 上記高速核分裂原子炉内の分裂反応中には、ドップラー反応度係数、軸方向反応度係数、冷却材反応度係数および半径方向反応度係数、の時間順に基づく累積値は、負のままであることを特徴とする請求項1に記載の高速核分裂原子炉。
  11. 複数の装置位置を有するアレイ構造を含む高速中性子原子炉心と、
    上記高速中性子原子炉心の第1の装置位置に挿入されている核燃料集合体装置と、
    上記高速中性子原子炉心の第2の装置位置に挿入されているドップラー反応度増大装置であって、散乱材料から少なくとも部分的に形成されており、上記散乱材料は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金から少なくとも部分的に形成されており、中空であって、核燃料を含ま
    上記ドップラー反応度増大装置(800)の外部構造壁(804)はドップラー反応度増大材料で形成され、または、上記ドップラー反応度増大装置(900)の外部構造壁(904)はドップラー反応度増大材料のコアを取り囲んでおり、
    上記外部構造壁(804、904)の内側に配置された中空部位(908)は、液体冷却材が流れるのを可能にする通路として機能する、
    ドップラー反応度増大装置と、
    を有することを特徴とする高速核分裂原子炉。
  12. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金から少なくとも部分的に形成されている外部構造壁を有する制御ダクトを含むことを特徴とする請求項11に記載の高速核分裂原子炉。
  13. 上記制御ダクトは、液体冷却材がこの制御ダクトを通って流れることを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項12に記載の高速核分裂原子炉。
  14. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金のコアを取り囲む外部構造壁を有する集合体を含むことを特徴とする請求項11に記載の高速核分裂原子炉。
  15. バナジウムまたはバナジウム合金のコアは、液体冷却材が上記ドップラー反応度増大装置を通って流れることを可能にするように構成されている1つ以上の通路を含むことを特徴とする請求項14に記載の高速核分裂原子炉。
  16. 上記高速中性子原子炉心は、液体ナトリウム冷却材のプールに浸されていることを特徴とする請求項11に記載の高速核分裂原子炉。
  17. 上記高速核分裂原子炉は、0.1MeVと等しいまたはそれより大きい平均中性子エネルギーで作動するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の高速核分裂原子炉。
  18. 上記高速核分裂原子炉内の分裂反応中には、ドップラー反応度係数、軸方向反応度係数、冷却材反応度係数および半径方向反応度係数、の時間順に基づく累積値は、負のままであることを特徴とする請求項11に記載の高速核分裂原子炉。
  19. 複数の装置位置を有するアレイ構造を含む高速中性子原子炉心を構築する工程と、
    規定のエネルギー範囲内に制約されたドップラー幅によって特徴付けられる核燃料を含む核燃料集合体装置を、上記高速中性子原子炉心の第1の装置位置に挿入する工程と、
    散乱材料から少なくとも部分的に形成されているドップラー反応度増大装置であって、上記散乱材料は質量で少なくとも10%のバナジウムまたはチタンを有する合金から形成されており、中空であって、核燃料を含ま
    上記ドップラー反応度増大装置(800)の外部構造壁(804)はドップラー反応度増大材料で形成され、または、上記ドップラー反応度増大装置(900)の外部構造壁(904)はドップラー反応度増大材料のコアを取り囲んでおり、
    上記外部構造壁(804、904)の内側に配置された中空部位(908)は、液体冷却材が流れるのを可能にする通路として機能する、
    ドップラー反応度増大装置を、上記高速中性子原子炉心の第2の装置位置に挿入する工程と、
    を有することを特徴とする核分裂原子炉の操作方法。
  20. 上記散乱材料は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 上記散乱材料は、チタンまたはチタンを原料とする合金を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウム合金から少なくとも部分的に形成されている外部構造壁を有する制御ダクトを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  23. さらに、上記制御ダクトを通して液体冷却材を流す工程を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウム合金のコアを取り囲む外部構造壁を有する集合体を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  25. バナジウムまたはバナジウム合金のコアは、液体冷却材が上記ドップラー反応度増大装置を通って流れることを可能にするように構成されている1つ以上の通路を含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. さらに、上記ドップラー反応度増大装置の1つ以上の通路を通して液体冷却材を流す工程を含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. さらに、液体ナトリウム冷却材のプールに上記高速中性子原子炉心を浸す工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  28. さらに、0.1MeVと等しいまたはそれより大きい平均中性子エネルギーで核分裂原子炉を運転する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  29. 上記高速核分裂原子炉内の分裂反応中には、ドップラー反応度係数、軸方向反応度係数、冷却材反応度係数および半径方向反応度係数、の時間順に基づく累積値は、負のままであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  30. 複数の装置位置を有するアレイ構造を含む高速中性子原子炉心と、
    上記高速中性子原子炉心の第1の装置位置に挿入されている核燃料集合体装置と、
    上記高速中性子原子炉心負のドップラー反応度フィードバックを増幅し、かつ、正の冷却材温度反応度フィードバックを減少させ、中空であって、核燃料を含ま
    上記ドップラー反応度増大装置(800)の外部構造壁(804)はドップラー反応度増大材料で形成され、または、上記ドップラー反応度増大装置(900)の外部構造壁(904)はドップラー反応度増大材料のコアを取り囲んでおり、
    上記外部構造壁(804、904)の内側に配置された中空部位(908)は、液体冷却材が流れるのを可能にする通路として機能する、
    ドップラー反応度増大装置とを有することを特徴とする高速核分裂原子炉。
  31. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金から少なくとも部分的に形成されている外部構造壁を有する制御ダクトを含むことを特徴とする請求項30に記載の高速核分裂原子炉。
  32. 上記制御ダクトは、液体冷却材がこの制御ダクトを通って流れることを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項31に記載の高速核分裂原子炉。
  33. 上記ドップラー反応度増大装置は、バナジウムまたはバナジウムを原料とする合金のコアを取り囲む外部構造壁を有する集合体を含むことを特徴とする請求項30に記載の高速核分裂原子炉。
  34. バナジウムまたはバナジウム合金のコアは、液体冷却材が上記ドップラー反応度増大装置を通って流れることを可能にするように構成されている1つ以上の通路を含むことを特徴とする請求項33に記載の高速核分裂原子炉。
  35. 上記高速中性子原子炉心は、液体ナトリウム冷却材のプールに浸されていることを特徴とする請求項30に記載の高速核分裂原子炉。
  36. 上記高速核分裂原子炉は、0.1MeVと等しいまたはそれより大きい平均中性子エネルギーで作動するように構成されていることを特徴とする請求項30に記載の高速核分裂原子炉。
  37. 上記高速核分裂原子炉内の分裂反応中には、ドップラー反応度係数、軸方向反応度係数、冷却材反応度係数および半径方向反応度係数、の時間順に基づく累積値は、負のままであることを特徴とする請求項30に記載の高速核分裂原子炉。
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