JP6679474B2 - ゼブラフィッシュの個体識別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゼブラフィッシュの個体識別方法、及びゼブラフィッシュの個体識別装置に関する。
ゼブラフィッシュ(Danio rerio)は、成体の体長が4〜5cm程度のコイ科の小型淡水魚である。ゼブラフィッシュは飼育が容易であり、多産であり、世代交代期間が短い、という遺伝学に適した特徴を有する。さらにゼブラフィッシュは、遺伝子操作や機能解析が容易である。また、ゼブラフィッシュの発生や器官形成のメカニズムの多くは、ヒトを含む高等脊椎動物との間で共通性が高い。そのためゼブラフィッシュは、医学、生理学、生物科学などの領域で実験動物(モデル動物)として広く用いられている。
モデル動物でもあるゼブラフィッシュは、群れを作り生活する。したがって、ゼブラフィッシュをモデル動物として用いて研究を行う場合、研究精度の向上のため、群れを作り生活するゼブラフィッシュの各個体を識別することが求められる。
動物の個体識別方法としては、体内又は体表にマーカーやマイクロチップなどの標識を埋入又は付着させる方法が一般的である。しかし、ゼブラフィッシュは小型であるため、標識の埋入や付着は困難である。仮に標識を埋入又は付着できたとしても、遊泳中にゼブラフィッシュから標識が脱離する場合がある。さらに、標識を侵襲的に埋入又は付着する方法は、魚体に対するダメージが大きい。また、標識を検知するための装置が必要となり、標識の検知操作も煩雑である。
よって、ゼブラフィッシュをモデル動物として用いる際、非侵襲的でかつ簡便、確実に個体を識別する方法が求められていた。
本発明は、2匹以上のゼブラフィッシュの各個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様を側面観察し、観察した縞模様から各個体の特徴を決定し、決定した特徴に基づいて各個体を識別する、ゼブラフィッシュの個体識別方法に関する。
また本発明は、2匹以上のゼブラフィッシュの各個体を側面観察した画像データから尻びれ及び尾ひれの縞模様の情報を取得する、縞模様情報の取得手段と、
取得した縞模様の情報から各個体の特徴を決定する、縞模様特徴の決定手段と、
決定した縞模様の特徴に基づいて各個体を判別する、個体判別手段、
を備える、ゼブラフィッシュの個体識別装置に関する。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明のゼブラフィッシュの個体識別方法の好ましい実施態様を説明するフローチャートである。図1(B)は、本発明のゼブラフィッシュの個体識別方法のより好ましい実施態様を説明するフローチャートである。 ゼブラフィッシュの尾ひれの特徴的な縞模様の具体例を模式的に示す。 図3(A)は、尾ひれの縞模様の位置を特定するために、尾ひれを区分する方法の説明図である。図3(B)は、尻びれの縞模様の位置を特定するために、尻びれを区分する方法の説明図である。 本発明のゼブラフィッシュの個体識別装置の処理構成例を概念的に示す図である。 図5(A)は、実施例1の個体0w-1-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図5(B)は、実施例1の個体0w-1-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図5(C)は、実施例1の個体0w-1-3の左側面を撮影した図面代用写真である。図5(D)は、実施例1の個体0w-1-4の左側面を撮影した図面代用写真である。 図6(A)は、実施例1の個体0w-1-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図6(B)は、実施例1の個体0w-1-6の左側面を撮影した図面代用写真である。図6(C)は、実施例1の個体0w-1-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図6(D)は、実施例1の個体0w-1-8の左側面を撮影した図面代用写真である。 図7(A)は、実施例1の個体4w-1-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図7(B)は、実施例1の個体4w-1-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図7(C)は、実施例1の個体4w-1-3の左側面を撮影した図面代用写真である。図7(D)は、実施例1の個体4w-1-4の左側面を撮影した図面代用写真である。 図8(A)は、実施例1の個体4w-1-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図8(B)は、実施例1の個体4w-1-6の左側面を撮影した図面代用写真である。図8(C)は、実施例1の個体4w-1-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図8(D)は、実施例1の個体4w-1-8の左側面を撮影した図面代用写真である。 図9(A)は、実施例1の個体8w-1-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図9(B)は、実施例1の個体8w-1-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図9(C)は、実施例1の個体8w-1-3の左側面を撮影した図面代用写真である。図9(D)は、実施例1の個体8w-1-4の左側面を撮影した図面代用写真である。 図10(A)は、実施例1の個体8w-1-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図10(B)は、実施例1の個体8w-1-6の左側面を撮影した図面代用写真である。図10(C)は、実施例1の個体8w-1-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図10(D)は、実施例1の個体8w-1-8の左側面を撮影した図面代用写真である。 図11(A)は、実施例2の個体0w-2-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図11(B)は、実施例2の個体0w-2-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図11(C)は、実施例2の個体0w-2-3の左側面を撮影した図面代用写真である。 図12(A)は、実施例2の個体0w-2-4の左側面を撮影した図面代用写真である。図12(B)は、実施例2の個体0w-2-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図12(C)は、実施例2の個体0w-2-6の左側面を撮影した図面代用写真である。 図13(A)は、実施例2の個体0w-2-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図13(B)は、実施例2の個体0w-2-8の左側面を撮影した図面代用写真である。図13(C)は、実施例2の個体0w-2-9の左側面を撮影した図面代用写真である。 図14(A)は、実施例2の個体4w-2-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図14(B)は、実施例2の個体4w-2-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図14(C)は、実施例2の個体4w-2-3の左側面を撮影した図面代用写真である。 図15(A)は、実施例2の個体4w-2-4の左側面を撮影した図面代用写真である。図15(B)は、実施例2の個体4w-2-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図15(C)は、実施例2の個体4w-2-6の左側面を撮影した図面代用写真である。 図16(A)は、実施例2の個体4w-2-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図16(B)は、実施例2の個体4w-2-8の左側面を撮影した図面代用写真である。図16(C)は、実施例2の個体4w-2-9の左側面を撮影した図面代用写真である。 図17(A)は、実施例2の個体8w-2-1の左側面を撮影した図面代用写真である。図17(B)は、実施例2の個体8w-2-2の左側面を撮影した図面代用写真である。図17(C)は、実施例2の個体8w-2-3の左側面を撮影した図面代用写真である。 図18(A)は、実施例2の個体8w-2-4の左側面を撮影した図面代用写真である。図18(B)は、実施例2の個体8w-2-5の左側面を撮影した図面代用写真である。図18(C)は、実施例2の個体8w-2-6の左側面を撮影した図面代用写真である。 図19(A)は、実施例2の個体8w-2-7の左側面を撮影した図面代用写真である。図19(B)は、実施例2の個体8w-2-8の左側面を撮影した図面代用写真である。図19(C)は、実施例2の個体8w-2-9の左側面を撮影した図面代用写真である。
本発明は、非侵襲的で、簡便かつ確実に個体を識別できる、ゼブラフィシュの個体識別方法を提供する。
また本発明は、簡便かつ確実に個体を識別できる、ゼブラフィシュの個体識別装置を提供する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、ゼブラフィッシュの尻びれと尾ひれに、各個体特有の縞模様が形成されることを見出した。そして、各個体間の尻びれと尾ひれの縞模様の違いを指標とすることで、非侵襲的で、簡便かつ確実に、ゼブラフィッシュの各個体を識別できることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明によれば、魚体にダメージを与えることなく、非侵襲的にゼブラフィシュの個体を識別できる。さらに本発明によれば、簡便かつ確実に、ゼブラフィシュの個体を識別できる。
本発明のゼブラフィッシュの個体識別方法は、図1(A)に示すように、ゼブラフィッシュの各個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様を側面観察し(S11)、観察した縞模様から各個体の特徴を決定し(S12)、決定した特徴に基づいて各個体を識別する(S13)。
ゼブラフィッシュの体表には、尻びれ及び尾ひれの他に、背びれや胴部にも縞模様が存在する。しかし、ゼブラフィッシュの背びれや胴部には、各個体間で特徴的な縞模様は確認できなかった。よって、背びれや胴部の縞模様の違いを指標としたゼブラフィッシュの個体識別は困難であった。
これに対して、後述の実施例で示すように、ゼブラフィッシュ個体間の尻びれ及び尾ひれの縞模様の違いを指標とすることで、非侵襲的で、簡便かつ確実に個体を識別することができる。
本発明のゼブラフィッシュの個体識別方法のより好ましい実施態様としては、図1(B)に示すように、ゼブラフィッシュの各個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様に加えて、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状を側面観察する(S21)。そして、観察した縞模様とひれ形状から各個体の特徴をさらに決定し(S22)、決定した縞模様とひれ形状の特徴に基づいて各個体を識別する(S23)。尻びれ及び尾ひれの縞模様に加えて、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状の違いを指標とすることで、個体数が多く、尻びれや尾ひれの縞模様のみでは個体識別が難しい場合であっても、確実に個体を識別することができる。
以下、本発明の好ましい実施態様について説明する。しかし、本発明はこれらに制限するものではない。
まず、ゼブラフィッシュの尻びれ及び尾ひれの縞模様、又は尻びれ及び尾ひれの縞模様と、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状を側面観察する。縞模様とひれ形状の側面観察は、目視で行ってもよい。あるいは、ゼブラフィッシュの側面の画像を撮影し、撮影した画像を観察してもよい。さらには、後述する個体識別装置を用いて、ゼブラフィッシュ側面の画像を解析し、縞模様とひれ形状の特徴づけを行ってもよい。
本発明において、生きたままのゼブラフィッシュをひれが開いた状態で観察できるよう、遊泳方向の転換は可能であるが、奥行き方向には移動できず、幅方向に遊泳推進可能な水槽にゼブラフィッシュを1匹ずつ投入し、水槽中で自由遊泳する最中に側面観察することが好ましい。
その他、縞模様とひれ形状の側面観察の方法としては、水槽の一定方向に水流を負荷してゼブラフィッシュを一定方向に遊泳させ、一定方向に遊泳しているゼブラフィッシュの側面観察を行う方法、水槽中で自由遊泳するゼブラフィッシュの画像撮影を連続的に行い、縞模様とひれ形状の側面観察に適した画像を選択し側面観察を行う方法、複数の画像撮影装置により多方面からゼブラフィッシュを一括して撮影し、側面観察に適した画像を選択し、側面観察を行う方法、等が挙げられる。
さらには、ゼブラフィッシュに麻酔等をかけて一時的に保定し、側面観察してもよい。しかし、本発明においては、ゼブラフィッシュにダメージを与えないよう、無麻酔の条件下で遊泳中のゼブラフィッシュの側面観察を行うことが好ましい。
次に、観察した尻びれ及び尾ひれの縞模様から、各個体の特徴を決定する。なお、背びれにも縞模様が存在する。しかし、尻びれ及び尾ひれと比べ、背びれの大きさは小さく、他の個体との区別可能な明確な縞模様も確認できない。そこで本発明では、ゼブラフィッシュのひれのうち、尻びれと尾ひれの縞模様を指標として個体の識別を行う。
個体の識別の指標となる、尻びれ及び尾ひれの縞模様としては、縞の枝分かれの有無、縞の分断の有無、縞の本数、縞の湾曲の有無、縞の幅の変化の有無が挙げられる。このうち、他の個体との相違が容易に判別でき、かつ縞模様観察時のひれの開き具合が多少異なっていても観察が容易であるため、縞の枝分かれの有無と、縞の分断の有無を指標とすることが好ましい。
個体の識別の指標となる縞模様について、図2に示す、ゼブラフィッシュの尾ひれに特徴的な縞模様の具体例を参照して説明する。しかし、本発明はこれらに限定するものではない。なお、個体の識別の指標の説明のため、図2には特徴的な縞のみを記載し、その他の縞については記載を省略した。また本発明において、尻びれの縞模様についても、尾ひれの縞模様の具体例と同様に定義する。
特徴的な縞模様として、縞の本数(図2(A)参照)、縞分岐(図2(B)参照)、縞断絶(図2(C)参照)、縞結合(図2(D)参照)、縞斑点化(図2(E)参照)、縞湾曲(図2(F)参照)、縞拡幅(図2(G)参照)、縞狭幅(図2(H)参照)が挙げられる。
縞の本数については、はっきり認識できる縞の本数を確認する。尾ひれの縞の本数を確認する場合、図2(A)に示すように、ゼブラフィッシュの胴部から延びる縞の本数を確認することが、識別工程の簡略化の観点から好ましい。
本明細書における「縞分岐」とは、前述の「縞の枝分かれ」の1態様である。「縞分岐」とは、図2(B)に示すように、頭側から延びる1本の縞が、尾側にかけて2本以上に枝分かれしている状態を指す。
本明細書における「縞断絶」とは、前述の「縞の分断」の1態様である。「縞断絶」とは、図2(C)に示すように、頭側から尾側にかけて伸びる縞の1か所以上で分断している状態を指す。
本明細書における「縞結合」とは、前述の「縞の枝分かれ」の1態様である。「縞結合」とは、図2(D)に示すように、頭側から別々に延びる2本の縞が、尾側にかけて1本に結合している状態を指す。
本明細書における「縞斑点化」とは、前述の「縞の分断」の1態様である。「縞斑点化」とは、図2(E)に示すように、頭側から尾側にかけて斑点状に縞が伸びている状態を指す。
本明細書における「縞湾曲」とは、図2(F)に示すように、頭側から尾側にかけて伸びる縞の途中で弓なりに曲がっている状態を指す。
本明細書における「縞拡幅」とは、図2(G)に示すように、縞の途中でその太さが変化し、縞の頭側の太さと比較して縞の尾側の太さが太くなっている状態を指す。
本明細書における「縞狭幅」とは、図2(H)に示すように、縞の途中でその太さが変化し、縞の頭側の太さと比較して縞の尾側の太さが細くなっている状態を指す。
前述の、「縞の枝分かれ」(具体的には、「縞分岐」、「縞結合」)、「縞の分断」(具体的には、「縞断絶」、「縞斑点化」)、「縞湾曲」、「縞拡幅」、及び「縞狭幅」のいずれかの特徴を有する縞については、このような縞が存在する尻びれ又は尾ひれ中の位置についても特定することが好ましい。縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、及び縞斑点化の有無だけでは個体の識別が難しい場合、識別する個体数が多い場合、より正確な個体の識別を行う場合には、各個体特有の特徴的な縞について、尻びれ又は尾ひれにおけるその位置をさらなる指標とすることが有効である。さらに、それぞれの個体で特徴のある縞模様の位置を特定することで、個体識別の再現率を向上させ、より正確な個体識別を可能とする。
尻びれ又は尾ひれにおける「縞分岐」、「縞結合」、「縞断絶」、「縞斑点化」、「縞湾曲」、「縞拡幅」、及び「縞狭幅」の位置の特定方法について、図3(A)及び(B)を参照して具体的に説明する。しかし、本発明はこれに制限するものではない。
尾ひれについては図3(A)に示すように、まず、尾ひれの胴体部に続く縞を「主縞」とし、それ以外の縞の内上部端側の縞を「上部端縞」、下部端側の縞を「下部端縞」と大まかに区分する。そして、「縞分岐」、「縞結合」、「縞断絶」、「縞斑点化」、「縞湾曲」、「縞拡幅」、又は「縞狭幅」を有する縞が、「主縞」、「上部端縞」、及び「下部端縞」のいずれかであるかを決定する。さらに、図3(A)に示すように尾ひれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と大まかに区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定する。このようにして、尾ひれの縞模様の位置を決定することができる。
尻びれについては、「縞分岐」、「縞結合」、「縞断絶」、「縞斑点化」、「縞湾曲」、「縞拡幅」、又は「縞狭幅」を有する縞が、胴体部から完全に遊離している縞のうち、胴体部から何番目の縞であるかを決定する。そして、図3(B)に示すように尻びれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と大まかに区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定する。このようにして、尻びれの縞模様の位置を決定することができる。
次に、必要に応じて、観察した背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状から、各個体の特徴を決定する。
特徴的なひれ形状としては、ひれの欠損の有無が挙げられる。
本発明において、他の個体との相違が容易に判別でき、かつ縞模様観察時のひれの開き具合が多少異なっていても観察が容易であるため、縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、及び縞斑点化の有無の少なくとも1つから、ゼブラフィッシュの各個体の特徴を優先的に決定することが好ましい。分岐した縞、断絶した縞、結合した縞、及び斑点化した縞については、ひれ中での位置についても特定することがより好ましい。
また、縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、及び縞斑点化の有無だけでは個体の識別が難しい場合、識別する個体数が多い場合、より正確な個体の識別を行う場合等には、縞の本数、縞湾曲の有無、縞拡幅の有無、縞狭幅の有無、ひれの欠損の有無の少なくとも1つからゼブラフィッシュの各個体のさらなる特徴を決定することがより好ましい。湾曲した縞、拡幅している縞、狭幅した縞については、ひれ中での位置についても特定することがより好ましい。
前記方法により決定した特徴に基づいて、ゼブラフィッシュの各個体を識別する。
決定した特徴に基づく各個体の識別は、常法により行うことができる。例えば、各個体の識別に際して、各個体の縞模様、又は縞模様とひれ形状を観察して、個体識別の基準となる各個体の特徴を決定する。縞模様のうち、「縞の枝分かれ」(具体的には、「縞分岐」、「縞結合」)、「縞の分断」(具体的には、「縞断絶」、「縞斑点化」)、「縞湾曲」、「縞拡幅」、及び「縞狭幅」」のいずれかの特徴を有する縞については、必要により、このような縞が存在する尻びれ及び尾ひれ中の位置についても特定する。その後、各個体を一定期間飼育し、再度各個体の縞模様、又は縞模様とひれ形状を観察して特徴を決定する。必要により、縞模様のうち、「縞の枝分かれ」、「縞の分断」、「縞湾曲」、「縞拡幅」、及び「縞狭幅」」のいずれかの特徴を有する縞については、その位置も特定する。そして、個体識別の基準とする最初に決定した特徴(具体的には、縞模様の種類、特徴的な縞模様の位置、ひれの形状)と、一定期間の飼育後に決定した特徴とを照合し、その照合結果に基づいて各個体を識別することができる。
本発明によれば、2匹以上のゼブラフィッシュの各個体を、非侵襲的で、簡便かつ確実に識別できる。本発明の方法により識別できるゼブラフィッシュの個体数の上限は、通常100匹程度、好ましくは80匹以下、より好ましくは60匹以下、より好ましくは40匹以下、より好ましくは24匹以下、より好ましくは16匹以下、より好ましくは10匹以下、より好ましくは7匹以下である。
例えば、同一の親から同日(24時間以内)に生まれた、2匹以上のゼブラフィッシュであっても、本発明により各個体を識別できる。
また、前述のように、ゼブラフィッシュは群れを作り生活するという習性をもつ。そのため、通常2匹以上のゼブラフィッシュを同じ水槽で飼育する、群飼育が行われる。このような場合であっても、本発明により各個体を識別できる。
本発明のゼブラフィッシュの個体識別装置は、2匹以上のゼブラフィッシュの各個体を側面観察した画像データから尻びれ及び尾ひれの縞模様の情報を取得する、縞模様情報の取得手段と、取得した縞模様の情報から各個体の特徴を決定する、縞模様特徴の決定手段と、決定した縞模様の特徴に基づいて各個体を判別する、個体判別手段、を備える。
本発明のゼブラフィッシュの個体識別装置について、図4を参照して説明する。しかし、本発明はこれに制限するものではない。
図4は、本発明で好ましく用いることができるゼブラフィッシュの個体識別装置(以下単に、「識別装置」ともいう)100の処理構成例を概念的に示す。図4に示す識別装置100は、ひれ情報取得部11、ひれ特徴決定部12、ひれ特徴照合部13、個体判定部14、標準画像データベース15、及び識別画像データベース16を有する。
図4に示す識別装置100はいわゆるコンピュータであり、例えば、バスで相互に接続される、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース等を有する。メモリは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、可搬型記憶媒体等である。入出力インタフェースは、表示装置や入力装置等のようなユーザインタフェース装置と接続される。入出力インタフェースは、ネットワークを介して他のコンピュータと通信を行う通信装置等と接続されてもよい。
側面観察したゼブラフィッシュのひれの画像データが、可搬型記録媒体、他のコンピュータ等から入出力インターフェースを経由して、ひれ情報取得部11に入力される。そして、ひれ情報取得部11は、入力された画像データから、尻びれ及び尾ひれの縞模様の情報を取得する。ひれ情報取得部11は、縞模様の情報に加えて、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状の情報を取得することが好ましい。
ひれ特徴決定部12では、ひれ情報取得部11で取得した縞模様、又は縞模様及びひれ形状の情報から、個体識別の指標となり得る各個体の特徴を決定する。必要により、縞模様のうち、「縞の枝分かれ」、「縞の分断」、「縞湾曲」、「縞拡幅」、及び「縞狭幅」」のいずれかの特徴を有する縞については、その位置も特定する。個体識別の指標となり得る特徴については、前述の通りである。
ひれ特徴決定部12で決定された各個体の特徴は、前記画像データとともに、標準画像データベース15又は識別画像データベース16に格納される。
ひれ特徴照合部13では、標準画像データベース15に格納される複数の画像データ及び各個体のひれの特徴の情報と、識別画像データベース16に格納される複数の画像データ及び各個体のひれの特徴の情報とを照合し、各々とのマッチングを行う。
マッチング方法は、SAD(Sum of Absolute Differences)法、SSD(Sum of Squared Differences)法、NCC(Normalized Cross Correlation)法、POC(Phase-Only Correlation)法など、常法より適宜選択することができる。
個体判定部14は、ひれ特徴照合部13による照合結果に基づいて、各個体の識別を行う。そして、各個体の識別結果は、常法に従い出力される。
以下、識別装置100の動作例について、図1を参照して説明する。
識別装置100は、ひれ情報取得部11により、側面観察したゼブラフィッシュのひれの画像データを取得する(S11又はS21)。そしてひれ特徴決定部12により、取得した画像データから、縞模様、又は縞模様及びひれ形状の特徴を決定する(S12又はS22)。なおここで言う「縞模様」には、縞模様の種類の他、特徴的な縞の位置についても含まれる。ここで決定したひれの特徴は、画像データと共に、標準画像データベース15に格納される。
続いて、各個体を一定期間飼育し、再度各個体の画像データの取得とひれの特徴の決定を同様に行う。ここで決定したひれの特徴は、画像データと共に、識別画像データベース16に格納される。
そして、標準画像データベース15に格納された情報と識別画像データベース16に格納された情報とをひれ特徴照合部13にて照合し、照合結果に基づいて個体判定部14にて各個体の識別を行う(S13又はS23)。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のゼブラフィッシュの個体識別方法、及びゼブラフィッシュの個体識別装置を開示する。
<1>2匹以上のゼブラフィッシュの各個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様を側面観察し、観察した縞模様、好ましくは縞模様の種類及び特徴的な縞の位置、から各個体の特徴を決定し、決定した特徴に基づいて各個体を識別する、ゼブラフィッシュの個体識別方法。
<2>遊泳方向の転換は可能であるが、奥行き方向には移動できず、幅方向に遊泳推進可能な水槽にゼブラフィッシュを1匹ずつ投入し、水槽中でゼブラフィッシュが自由遊泳する最中に側面観察する、前記<1>項に記載の方法。
<3>水槽の一定方向に水流を負荷してゼブラフィッシュを一定方向に遊泳させ、一定方向に遊泳しているゼブラフィッシュの側面観察を行う、前記<1>項に記載の方法。
<4>水槽中で自由遊泳するゼブラフィッシュの画像撮影を連続的に行い、縞模様とひれ形状の側面観察に適した画像を選択し側面観察を行う、前記<1>項に記載の方法。
<5>複数の画像撮影装置により多方面からゼブラフィッシュを一括して撮影し、側面観察に適した画像を選択し、側面観察を行う、前記<1>項に記載の方法。
<6>無麻酔の条件下で遊泳中のゼブラフィッシュの側面観察を行う、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の方法。
<7>前記特徴が、縞の枝分かれの有無、及び縞の分断の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の方法。
<8>前記特徴が、縞の枝分かれの有無、縞の分断の有無、縞の本数、縞の湾曲の有無、及び縞の幅の変化の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の方法。
<9>前記特徴が、縞の本数、縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、縞斑点化の有無、縞湾曲の有無、縞拡幅の有無、及び縞狭幅の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の方法。
<10>前記の縞の枝分かれ、縞の分断、縞の湾曲、若しくは縞の幅の変化を有する縞、又は縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、若しくは縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<8>又は<9>項に記載の方法。
<11>尾ひれの胴体部に続く縞を主縞とし、それ以外の縞の内上部端側の縞を上部端縞、下部端側の縞を下部端縞と区分し、尾ひれにおける縞分岐、縞結合、縞断絶、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞が、主縞、上部端縞、及び下部端縞のいずれかであるかを決定し、尾ひれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定することにより、前記の縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<10>項に記載の方法。
<12>尻びれにおける縞分岐、縞結合、縞断絶、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞が、胴体部から完全に遊離している縞のうち、胴体部から何番目の縞であるかを決定し、尻びれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定することにより、前記の縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<10>項に記載の方法。
<13>各個体の背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状を側面観察し、観察した形状から各個体の特徴をさらに決定し、前記の縞模様の特徴とひれ形状の特徴に基づいて各個体を識別する、前記<1>〜<12>のいずれか1項に記載の方法。
<14>前記形状の特徴が、ひれの欠損の有無である、前記<13>項に記載の方法。
<15>縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、及び縞斑点化の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つから、各個体の特徴を優先的に決定する、前記<1>〜<14>のいずれか1項に記載の方法。
<16>縞の本数、縞湾曲の有無、縞拡幅の有無、縞狭幅の有無、ひれの欠損の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つから、各個体のさらなる特徴を決定する、前記<15>項に記載の方法。
<17>前記縞模様、又は前記縞模様及び前記ひれ形状を側面観察して特徴を決定し、各個体を一定期間飼育した後に再度各個体の縞模様、又は縞模様及びひれ形状を側面観察して特徴を決定し、最初に決定した特徴と一定期間の飼育後に決定した特徴とを照合し、照合結果に基づいて各個体を識別する、前記<1>〜<16>のいずれか1項に記載の方法。
<18>同一の親から同日(24時間以内)に生まれた、2匹以上のゼブラフィッシュを識別する、前記<1>〜<17>のいずれか1項に記載の方法。
<19>同じ水槽で飼育されている2匹以上のゼブラフィッシュを識別する、前記<1>〜<18>のいずれか1項に記載の方法。
<20>100匹以下、好ましくは80匹以下、より好ましくは60匹以下、より好ましくは40匹以下、より好ましくは24匹以下、より好ましくは16匹以下、より好ましくは10匹以下、より好ましくは7匹以下のゼブラフィッシュを識別する、前記<1>〜<19>のいずれか1項に記載の方法。
<21>2匹以上のゼブラフィッシュの各個体を側面観察した画像データから尻びれ及び尾ひれの縞模様、好ましくは縞模様の種類及び特徴的な縞の位置、の情報を取得する、縞模様情報の取得手段と、
取得した縞模様の情報から各個体の特徴を決定する、縞模様特徴の決定手段と、
決定した縞模様の特徴に基づいて各個体を判別する、個体判別手段、
を備える、ゼブラフィッシュの個体識別装置。
<22>前記特徴が、縞の枝分かれの有無、及び縞の分断の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<21>項に記載の装置。
<23>前記特徴が、縞の枝分かれの有無、縞の分断の有無、縞の本数、縞の湾曲の有無、及び縞の幅の変化の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<21>又は<22>項に記載の装置。
<24>前記特徴が、縞の本数、縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、縞斑点化の有無、縞湾曲の有無、縞拡幅の有無、及び縞狭幅の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つである、前記<21>〜<23>のいずれか1項に記載の装置。
<25>前記決定手段により、縞の枝分かれ、縞の分断、縞の湾曲、若しくは縞の幅の変化を有する縞、又は縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、若しくは縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<23>又は<24>項に記載の装置。
<26>尾ひれの胴体部に続く縞を主縞とし、それ以外の縞の内上部端側の縞を上部端縞、下部端側の縞を下部端縞と区分し、尾ひれにおける縞分岐、縞結合、縞断絶、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞が、主縞、上部端縞、及び下部端縞のいずれかであるかを決定し、尾ひれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定することにより、前記の縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<25>項に記載の装置。
<27>尻びれにおける縞分岐、縞結合、縞断絶、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞が、胴体部から完全に遊離している縞のうち、胴体部から何番目の縞であるかを決定し、尻びれを頭部から尾ひれにかけて頭側、中央部、尾側縞と区分し、縞の枝分かれ部位、縞の分断部位、縞の湾曲部位、又は縞幅が変化する部位が、頭側、中央部、尾側のいずれにあるかを決定することにより、前記の縞分岐、縞断絶、縞結合、縞斑点化、縞湾曲、縞拡幅、又は縞狭幅を有する縞について、その位置を特定する、前記<25>項に記載の装置
<28>前記画像データから、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状の情報を取得する、ひれ形状情報の取得手段と、取得したひれ形状の情報から各個体の特徴を決定する、ひれ形状特徴の決定手段、をさらに備える、前記<21>〜<27>のいずれか1項に記載の装置。
<29>前記形状の特徴が、ひれの欠損の有無である、前記<28>項に記載の装置。
<30>前記縞模様特徴の決定手段、又は前記縞模様特徴の決定手段及びひれ形状特徴の決定手段において、縞分岐の有無、縞断絶の有無、縞結合の有無、及び縞斑点化の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つから、各個体の特徴を優先的に決定する、前記<21>〜<29>のいずれか1項に記載の装置。
<31>前記縞模様特徴の決定手段、又は前記縞模様特徴の決定手段及びひれ形状特徴の決定手段において、縞の本数、縞湾曲の有無、縞拡幅の有無、縞狭幅の有無、ひれの欠損の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つから、各個体のさらなる特徴を決定する、前記<30>項に記載の装置。
<32>一定期間飼育前のゼブラフィッシュについて決定した特徴の情報を格納するデータベースと、一定期間飼育後のゼブラフィッシュについて決定した特徴の情報を格納するデータベースとをさらに備え、
前記個体判別手段が、2つのデータベースに格納された各情報を照合し、照合結果に基づいて各個体を識別する、前記<21>〜<31>のいずれか1項に記載の装置。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
同じ親から同時に生まれ成長したゼブラフィッシュ成魚雄(7ヵ月齢、体長3cm〜5cm程度)8匹を使用し、下記に示す方法により各個体の識別を行った。
無色透明アクリル製の水槽(内寸:奥行き24mm程度、幅144mm程度、水深:8cm程度)に、ゼブラフィッシュを1匹ずつ投入した。ここで用いた水槽は奥行きがゼブラフィッシュの体長(3cm〜5cm程度)以下のため、基本的に幅方向(横方向)にのみ遊泳推進し、適宜遊泳方向の転換は可能になっている。
1匹ずつ水槽に投入したゼブラフィッシュを自由に遊泳させ、頭部が水槽の正面に向かって左側で、各ひれが開き体全体が良く観察できる状態で、高感度デジタルカメラEX-ZR1000(商品名、CASIO社製)を用い、シャッタースピード1/400秒にて撮影した。なお、撮影の際は室内の一般照明の他、カメラ斜め後方から追加照明を点灯し照度を確保した。さらに、観察に適した状態の撮影画像を得るために、1匹あたり2枚から10枚ほど撮影した。また、好ましい状態の画像が得られない可能性を鑑み、頭部が水槽の正面に向かって右側の画像も同様に撮影した。
他の7匹のゼブラフィッシュについても同様に撮影した。
その後、8匹のゼブラフィッシュを同じ水槽で群飼育を行った。そして、4週間後と8週間後に、同様に撮影を行った。
撮影した画像のうち、ひれ部の形状や模様を観察しやすい画像をそれぞれの個体及び撮影日について1枚選抜した。さらに、ひれ部の形状や模様の観察と、個体の識別を容易にするよう、Microsoft(登録商標)Picture Manager(Microsoft社製)を用い、適宜回転、トリミング、コントラスト調整、ホワイトバランス調整を行った。
選抜した画像を用いて、下記のように個体の識別を行った。
まず個体識別の基準となる初回撮影時のひれの形状と縞模様の特徴を、下記表1に示す項目より7つ以上決定した。
なお、ひれの形状や縞模様の判断に迷う場合、その特徴は採用しないものとした。さらに、表1に示す特徴のうち、縞分岐(Nos.2、10)、縞断絶(Nos.3、11)、縞結合(Nos.4、12)、及び縞斑点化(Nos.5、13)は判別が容易で確度が高いため、積極的に見出し採用するようにした。
初回撮影時の画像から決定した、8匹の各個体の特徴を表2及び3に示す。また、各個体の特徴の決定に用いたゼブラフィッシュ側面の初回撮影時の画像を図5及び6に示す。なお、前述の特徴の内、Nos.2〜8及び10〜16については、個体識別の指標となる縞が存在する尻びれ及び尾ひれ中の位置を特定した。特定した位置については、図5及び6において矢印で示した。
下記表における各個体の表記方法について、「0w-1-1」とあるのは、本実施例(実施例1)の初回撮影時に、一番目に撮影した個体を意味する。そして、初回撮影時に二番目、三番目、・・・の順に撮影した個体をそれぞれ「0w-1-2」、「0w-1-3」、・・・と表記する。
4週間後と8週間後に撮影した画像を用いて、前記と同様にひれの形状及び縞模様の特徴を決定した。但し、4週間後と8週間後の画像については、その特徴を尻びれ及び尾ひれの縞分岐(Nos.2、10)、縞断絶(Nos.3、11)、縞結合(Nos.4、12)、及び縞斑点化(Nos.5、13)から優先して2つ以上決定した。
4週間後と8週間後の画像から決定した、8匹の各個体の特徴を表4及び5に示す。また、各個体側面の4週間後と8週間後の画像を図7〜10に示す。なお、前述の特徴の内、Nos.2〜8及び10〜16については、個体識別の指標となる縞が存在する尻びれ及び尾ひれ中の位置を特定した。特定した位置については、図7〜10において矢印で示した。
下記表における各個体の表記方法について、「4w-1-1」とあるのは、4週間後の撮影時に、一番目に撮影した個体を意味する。そして、4週間後の撮影時に二番目、三番目、・・・の順に撮影した個体をそれぞれ「4w-1-2」、「4w-1-3」、・・・と表記する。8週間後の各個体の表記方法も同様である。
初回撮影時の画像から決定したの各個体の特徴と、4週間後及び8週間後に撮影した画像から決定したの各個体の特徴とを照合し、2つ以上の特徴が合致し、かつその他の特徴が矛盾しない場合に、同一個体と判定し、各個体の識別を行った。
各個体の識別方法の詳細とその結果を下記に示す。
(1−1)個体4w-1-1の識別
個体4w-1-1の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)と縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-2の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-1は個体0w-1-2と同一個体であると識別した。
(1−2)個体4w-1-2の識別
個体4w-1-2の特徴として、尾ひれにおいて縞断絶と縞狭幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-5の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-2は個体0w-1-5と同一個体であると識別した。
(1−3)個体4w-1-3の識別
個体4w-1-3の特徴として、尻びれにおいて縞分岐(2か所)と縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-6の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-3は個体0w-1-6と同一個体であると識別した。
(1−4)個体4w-1-4の識別
個体4w-1-4の特徴として、尻びれには欠損がなく、縞の本数が4本であること、尾ひれには欠損がなく、胴部から延伸する縞の本数が3本であること、及び背びれには欠損がないことを見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-1の特徴のうち6項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-4は個体0w-1-1と同一個体であると識別した。
(1−5)個体4w-1-5の識別
個体4w-1-5の特徴として、尻びれにおいて縞断絶があること、尾ひれにおいて縞拡幅があり、欠損がなく、胴部から延伸する縞の本数が3本であることを見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-4の特徴のうち4項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-5は個体0w-1-4と同一個体であると識別した。
(1−6)個体4w-1-6の識別
個体4w-1-6の特徴として、尻びれにおいて縞断絶と、尾ひれにおいて縞分岐を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-8の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-6は個体0w-1-8と同一個体であると識別した。
(1−7)個体4w-1-7の識別
個体4w-1-7の特徴として、尻びれにおいて縞斑点化と、尾ひれにおいて縞分岐と縞狭幅(2か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-3の特徴のうち4項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-7は個体0w-1-3と同一個体であると識別した。
(1−8)個体4w-1-8の識別
個体4w-1-8の特徴として、尻びれにおいて縞結合と、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)を見出した。さらに、尾ひれには欠損がなく、胴部から延伸する縞の本数が3本であることを見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-7の特徴のうち5項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-1-8は個体0w-1-7と同一個体であると識別した。
(2−1)個体8w-1-1の識別
個体8w-1-1の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)と縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-1の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-1は個体0w-1-1と同一個体であると識別した。
(2−2)個体8w-1-2の識別
個体8w-1-2の特徴として、尻びれにおいて縞分岐(2か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-6の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-2は個体0w-1-6と同一個体であると識別した。
(2−3)個体8w-1-3の識別
個体8w-1-3の特徴として、尻びれにおいて縞結合と、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-7の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-3は個体0w-1-7と同一個体であると識別した。
(2−4)個体8w-1-4の識別
個体8w-1-4の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)と縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-2の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-4は個体0w-1-2と同一個体であると識別した。
(2−5)個体8w-1-5の識別
個体8w-1-5の特徴として、尻びれにおいて縞断絶と、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-8の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-5は個体0w-1-8と同一個体であると識別した。
(2−6)個体8w-1-6の識別
個体8w-1-6の特徴として、尻びれにおいて縞断絶と縞斑点、尾ひれにおいて縞拡幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-4の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-6は個体0w-1-4と同一個体であると識別した。
(2−7)個体8w-1-7の識別
個体8w-1-7の特徴として、尾ひれにおいて縞断絶と縞狭幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-5の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-7は個体0w-1-5と同一個体であると識別した。
(2−8)個体8w-1-8の識別
個体8w-1-8の特徴として、尻びれにおいて縞斑点化(2か所)、尾ひれにおいて縞分岐と縞狭幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-1-3の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-1-8は個体0w-1-3と同一個体であると識別した。
以上のように、初回撮影時の8個体と、4週間後又は8週間後の8個体とを、重複することなく識別することができた。
なお、図5〜10に示すように、ゼブラフィッシュの胴部には、各個体間で特徴的な縞模様は確認できなかった。よって、胴部の縞模様を指標としたゼブラフィッシュの個体識別は困難であった。
下記表6に、本実施例における各個体の識別結果をまとめて示す。
実施例2
実施例1とは異なる、同じ親から同時に生まれ成長したゼブラフィッシュ成魚雄(5ヵ月齢、体長3cm〜5cm程度)9匹を使用し、実施例1と同様の方法により各個体の側面を撮影した。
その後、9匹のゼブラフィッシュを同じケージで群飼育を行った。そして、4週間後と8週間後に、実施例1と同様の方法により各個体の側面を撮影した。
撮影した画像のうち、ひれ部の形状や模様を観察しやすい画像をそれぞれの個体及び撮影日について1枚選抜した。さらに、ひれ部の形状や模様の観察と、個体の識別を容易にするよう、Microsoft(登録商標)Picture Manager(Microsoft社製)を用い、適宜回転、トリミング、コントラスト調整、ホワイトバランス調整を行った。
選抜した画像を用いて、実施例1と同様に、初回撮影時のひれの形状と縞模様の特徴を、前記表1に示す項目より7つ以上決定した。さらに、4週間後と8週間後に撮影した画像を用いて、実施例1と同様にひれの形状及び縞模様の特徴を決定した。
初回撮影時の画像から決定した、9匹の各個体の特徴を表7及び8に示す。また、各個体の特徴の決定に用いたゼブラフィッシュ側面の初回撮影時の画像を図11〜13に示す。前述の特徴の内、Nos.2〜8及び10〜16については、個体識別の指標となる縞が存在する尻びれ及び尾ひれ中の位置を特定した。特定した位置については、図11〜13において矢印で示した。
なお、下記表7及び8における各個体の表記方法について、「0w-2-1」とあるのは、本実施例(実施例2)の初回撮影時に、一番目に撮影した個体を意味する。そして、初回撮影時に二番目、三番目、・・・の順に撮影した個体をそれぞれ「0w-2-2」、「0w-2-3」、・・・と表記する。
さらに、4週間後と8週間後の画像から決定した、9匹の各個体の特徴を表9及び10に示す。また、各個体側面の4週間後と8週間後の画像を図14〜19に示す。前述の特徴の内、Nos.2〜8及び10〜16については、個体識別の指標となる縞が存在する尻びれ及び尾ひれ中の位置を特定した。特定した位置については、図14〜19において矢印で示した。
なお、下記表9及び10における各個体の表記方法について、「4w-2-1」とあるのは、4週間後の撮影時に、一番目に撮影した個体を意味する。そして、4週間後の撮影時に二番目、三番目、・・・の順に撮影した個体をそれぞれ「4w-2-2」、「4w-2-3」、・・・と表記する。8週間後の各個体の表記方法も同様である。
初回撮影時の画像から決定したの各個体の特徴と、4週間後及び8週間後に撮影した画像から決定したの各個体の特徴とを照合し、2つ以上の特徴が合致し、かつその他の特徴が矛盾しない場合に、同一個体と判定し、各個体の識別を行った。
各個体の識別方法の詳細とその結果を下記に示す。
(1−1)個体4w-2-1の識別
個体4w-2-1の特徴として、尻びれにおいて縞分岐と、尾ひれにおいて縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-8の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-1は個体0w-2-8と同一個体であると識別した。
(1−2)個体4w-2-2の識別
個体4w-2-2の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐と縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-1の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-2は個体0w-2-1と同一個体であると識別した。
(1−3)個体4w-2-3の識別
個体4w-2-3の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(3か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-5の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-3は個体0w-2-5と同一個体であると識別した。
(1−4)個体4w-2-4の識別
個体4w-2-4の特徴として、尾ひれにおいて縞断絶と縞拡幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-3の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-4は個体0w-2-3と同一個体であると識別した。
(1−5)個体4w-2-5の識別
個体4w-2-5の特徴として、尻びれにおいて縞分岐と縞断絶、尾ひれにおいて縞分岐を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-4の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-5は個体0w-2-4と同一個体であると識別した。
(1−6)個体4w-2-6の識別
個体4w-2-6の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(3か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-7の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-6は個体0w-2-7と同一個体であると識別した。
(1−7)個体4w-2-7の識別
個体4w-2-7の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-2の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-7は個体0w-2-2と同一個体であると識別した。
(1−8)個体4w-2-8の識別
個体4w-2-8の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(3か所)と縞結合を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-6の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-8は個体0w-2-6と同一個体であると識別した。
(1−9)個体4w-2-9の識別
個体4w-2-9の特徴として、尻びれにおいて縞断絶と縞斑点化を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-9の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体4w-2-9は個体0w-2-9と同一個体であると識別した。
(2−1)個体8w-2-1の識別
個体8w-2-1の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(4か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-5の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-1は個体0w-2-5と同一個体であると識別した。
(2−2)個体8w-2-2の識別
個体8w-2-2の特徴として、尻びれにおいて縞分岐、尾ひれにおいて縞断絶を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-8の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-2は個体0w-2-8と同一個体であると識別した。
(2−3)個体8w-2-3の識別
個体8w-2-3の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(3か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-2の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-3は個体0w-2-2と同一個体であると識別した。
(2−4)個体8w-2-4の識別
個体8w-2-4の特徴として、尻びれおいて縞断絶と縞斑点化を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-9の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-4は個体0w-2-9と同一個体であると識別した。
(2−5)個体8w-2-5の識別
個体8w-2-5の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐と縞断絶と縞拡幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-3の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-5は個体0w-2-3と同一個体であると識別した。
(2−6)個体8w-2-6の識別
個体8w-2-6の特徴として、尻びれにおいて縞分岐、尾ひれにおいて縞分岐(3か所)を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-7の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-6は個体0w-2-7と同一個体であると識別した。
(2−7)個体8w-2-7の識別
個体8w-2-7の特徴として、尻びれにおいて縞分岐、尾ひれにおいて縞分岐と縞拡幅を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-4の特徴のうち2項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-7は個体0w-2-4と同一個体であると識別した。
(2−8)個体8w-2-8の識別
個体8w-2-8の特徴として、尻びれには欠損がなく、縞の本数が3本であった。また、尾ひれには欠損がなく、胴部から延伸する縞の本数が3本であり、縞断絶が存在した。さらに、背びれには欠損がなかった
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-1の特徴のうち6項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-8は個体0w-2-1と同一個体であると識別した。
(2−9)個体8w-2-9の識別
個体8w-2-9の特徴として、尾ひれにおいて縞分岐(2か所)と縞湾曲を見出した。
これらの特徴を初回撮影時の各個体の特徴と照合すると、個体0w-2-6の特徴のうち3項目が一致した。さらに、他の特徴についても画像間で照合すると、各ひれの縞模様及び形状に矛盾が無かった。
したがって、個体8w-2-9は個体0w-2-6と同一個体であると識別した。
以上のように、初回撮影時の9個体と、4週間後又は8週間後の9個体とを、重複することなく識別することができた。
なお、図11〜19に示すように、ゼブラフィッシュの胴部には、各個体間で特徴的な縞模様は確認できなかった。よって、胴部の縞模様を指標としたゼブラフィッシュの個体識別は困難であった。
下記表11に、本実施例における各個体の識別結果をまとめて示す。
上記実施例で示したように、ゼブラフィッシュ個体間の尻びれ及び尾ひれの縞模様の相違を指標とすることで、非侵襲的で、簡便かつ確実に個体を識別することができる。
さらに、尻びれ及び尾ひれの縞模様に加えて、背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状の違い、特徴的な縞の位置も指標とすることで、個体数が多い場合であっても、個体識別の精度が向上する。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
11 ひれ情報取得部
12 ひれ特徴決定部
13 ひれ特徴照合部
14 個体判定部
15 標準画像データベース
16 識別画像データベース
100 個体識別装置

Claims (14)

  1. 水槽中を遊泳する複数のゼブラフィッシュ(Danio rerio)の個体識別方法であって、
    水槽側部からゼブラフィッシュの各個体の側面画像を撮影して側面画像データを取得し、
    得られた各個体の側面画像データから、各個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様の特徴を決定して各個体の特徴データを得、
    得られた特徴データに基づき、複数のゼブラフィッシュから各個体を識別する、
    ゼブラフィッシュの個体識別方法。
  2. 前記の各個体を一定期間飼育した後に、前記各個体の側面画像を撮影して側面画像データを取得し、
    一定期間飼育したに取得した前記側面画像データから得られる個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様の特徴を、一定期間飼育する前に決定した前記各個体の特徴データと照合し、個体を識別する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記尻びれ及び尾ひれの縞模様の特徴データが、縞の枝分かれの有無、縞の分断の有無、縞の本数、縞の湾曲の有無、及び縞の幅の変化の有無からなる群より選ばれる少なくとも1つのデータである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記の縞の枝分かれ、縞の分断、縞の湾曲、又は縞の幅の変化を有する縞について、その位置を特定する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記各個体の特徴データが、各個体の背びれ、尻びれ及び尾ひれの形状の特徴データをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記形状の特徴データが、ひれの欠損の有無のデータである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記各個体の側面画像データから、尻びれ及び尾ひれの縞模様、又は尻びれ及び尾ひれの縞模様並びに背びれ、尻びれ及び尾ひれのひれ形状の特徴を決定して各個体の特徴データとし、
    各個体を一定期間飼育した後に再度各個体の側面画像を撮影して側面画像データを取得し、
    一定期間飼育後の側面画像データから得られる個体の尻びれ及び尾ひれの縞模様、又は尻びれ及び尾ひれの縞模様並びに背びれ、尻びれ及び尾ひれのひれ形状の特徴を前記各個体の特徴データと照合し、照合結果に基づいて各個体を識別する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 同一の親から同日に生まれた、2匹以上のゼブラフィッシュを識別する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 同じ水槽で飼育されている2匹以上のゼブラフィッシュを識別する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ゼブラフィッシュが水槽中で自由遊泳する最中に、各個体の側面画像を撮影する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 無麻酔の条件下で遊泳中のゼブラフィッシュの側面画像を撮影する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 遊泳方向の転換は可能であるが、奥行き方向には移動できず、幅方向に遊泳推進可能な水槽にゼブラフィッシュの側面の画像を1匹ずつ投入し、水槽中でゼブラフィッシュが自由遊泳する最中にゼブラフィッシュの側面画像を撮影する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 水槽の一定方向に水流を負荷してゼブラフィッシュを一定方向に遊泳させ、一定方向に遊泳しているゼブラフィッシュの側面画像を撮影する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記側面画像データに対して、回転、トリミング、コントラスト調整、及びホワイトバランス調整からなる群より選ばれる少なくとも1種の画像処理を行う、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
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