JP6678971B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機では、演出手段により所定の演出が行われていることがある。そして、例えば下記特許文献1のように、遊技者が、演出の設定を、複数の候補の中から選択できるようにされている遊技機も存在する。
特開2012−16578号公報
ところで、演出の設定を選択できる遊技機においては、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。
本発明の課題は、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機であって、
前記演出制御手段は、
遊技者が遊技を行っているときには、前記演出手段により所定の遊技演出を実行可能であり、
前記遊技演出を行わないときには、前記演出手段により所定の待機演出を実行可能であり、
前記遊技演出を、基本演出設定および特殊演出設定を含む複数の演出設定の候補のうち、設定された前記演出設定に基づいて実行可能であり、
前記演出設定が前記特殊演出設定に設定された状態で前記遊技演出を実行した後の前記待機演出では、前記表示手段に、前記演出設定が前記基本演出設定でないことを示す特定表示を表示可能であり、
前記待機演出として、複数の単位待機演出を所定の順序で実行可能な標準待機演出と、前記単位待機演出のひとつである特定単位待機演出にて前記特定表示を表示可能な特定待機演出とを実行可能であり、
前記特定待機演出では、前記特定単位待機演出を、前記標準待機演出のときよりも長い時間、実行可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。 (A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。 特図1変動パターン判定テーブルの一例である。 特図2変動パターン判定テーブルの一例である。 先読み判定テーブルの一例である。 大当たり遊技制御テーブルの一例である。 遊技状態の説明図である。 演出モードの具体例を示す説明図である。 特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。 特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。 特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 操作演出の一例を示す説明図である。 客待ち演出の具体例を示す説明図である。 キャラモードの設定変更について示す説明図である。 キャラモードの設定変更に係る選択中画像について示す説明図である。 特定待機演出(簡易初期化待機演出)について示す説明図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 電源投入時処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検出処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特別電動役物処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 客待ち演出処理のフローチャートである。 客待ち演出処理のフローチャートである。 キャラモード選択処理のフローチャートである。 簡易キャラモード選択処理のフローチャートである。 通常キャラモード選択処理のフローチャートである。 敵キャラクタに関する演出設定を選択可能な変更例を説明するための図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。さらに、下部装飾体36の上面には、通常ボタン40の横の箇所に、セレクトボタン42が設けられている。セレクトボタン42は、例えば、4方向(上下左右)の選択を可能とする十字キーである。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2〜図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲート13を通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図(識別図柄の一例)といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(electro luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6〜図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170等に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やアクチュエータ類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40a、特殊ボタン検出スイッチ41a、セレクトボタン検出スイッチ42aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。セレクトボタン検出スイッチ42aは、セレクトボタン42が押下操作されたこと(具体的には、上下左右のいずれかが方向の押下操作されたこと)を検出する。各検出スイッチ40a,41a、42aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m,盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m,枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図15を用いて説明する。なお、図8〜図15に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
3−1−2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図11〜図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
また、図11〜図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動と言う。
また、リーチ後にすぐに特図変動演出が終わる大当たりに係る特図変動パターンを「リーチ即大当たり変動」という。一方、リーチ後にすぐに特図変動演出が終わるハズレに係る特図変動パターンのことを「即ハズレ変動」という。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3−3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
図14に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A〜C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
なお、図14に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図11(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
3−4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(図11〜図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図9(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図9(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。すなわち、時短状態は、電チュー12Dによる入球がサポートされる入球サポート状態である。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16〜図22を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。ここで説明する演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態(客待ち状態)であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出(以下、待機演出ということもある)が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A―1)に示すように、表示部50aにおいて、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定(音量調整等)を行うための案内等がなされる選択待機画像G200が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定がある。その他、表示部50aの輝度設定などが含まれていてもよい。また、図16(A―2)に示すように、選択待機画像G200とは異なるデモムービー画像G203等も表示されることがある。デモムービー画像G203は、パチンコ遊技機PY1における主人公等が登場する等、パチンコ遊技機PY1の特徴等を用いた演出が可能な画像である。これにより、客待ち演出モードにおける興趣性を高め、パチンコ遊技機PY1を、設置された遊技場で目立たせること等が可能となっている。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1〜第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される高確率低ベース演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4−2−1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
4−2−2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4−2−3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C−2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
4−2−4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタ)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%として、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4−2−5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図11および図12)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
4−3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
4−3−1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4−4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4−4−1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
4−4−2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41等を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41等を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G3が表示される。操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、ここでは特殊ボタン41を用いた操作演出について詳述したが、SPリーチの1つであるボタンSUリーチでは、通常ボタン40を用いた操作演出が実行される。
4−4−3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−5.客待ち演出
パチンコ遊技機PY1は、客待ち演出モードが設定されているときに、客待ち演出を行うことが可能である。客待ち演出は、電源投入後の特図変動が開始される前や、特図変動後に所定時間、次の特図変動が開始されなかった場合等に行われることがある。客待ち演出は、例えば、特図変動後の次の特図変動が所定時間、行われなかった場合、図23に示すように行われることがある。
図23(A)には、表示部50aにおいて、特図変動演出における演出図柄EZの停止表示が、昼間通常用背景画像G102にてなされた状態(図柄停止画像GZT)を示している。なお、左上部の領域では小図柄KZも併せて停止表示されている。この図柄停止画像GZTは、大当たり判定の結果を示唆可能な画像であり、特図変動演出の最後に表示されることがある画像である。また、本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図変動に伴って行われる演出に関する設定を遊技者が設定可能な仕様のものである。具体的に、本形態においては、演出に関する設定のうち、演出に登場するキャラクタに関する設定であるキャラモードを変更可能である。そして、表示部50aの下方には、現在設定されているキャラモードを表示するキャラモード表示KHが表示されている。このキャラモード表示KHにより、遊技者は、現在のキャラモードがどのモードなのかを知ることが可能である。キャラモード表示KHは、図柄停止画像GZTだけでなく、特図変動演出中にも表示されていてもよい。なお、図23(A)の例において、キャラモード表示KHは、複数あるキャラモードのうちのひとつである第1キャラモードに設定されていることを示している。なお、本形態において、キャラクタの設定に関するキャラモードは、上記の図16に係る演出モードと同じく演出に関する設定ではあるが、遊技者がある程度、自由にカスタマイズ可能な点において異なる。
図23(B)には、選択待機画像G200が表示された状態を示している。選択待機画像G200は、通常ボタン40を押下操作すれば、キャラモードを設定できる画像に移行することを示す待機画像である。また選択待機画像G200は、セレクトボタン42の左方向ボタン又は右方向ボタンを押下操作すれば設定音量を変更できること等を示す待機画像でもある。さらに、選択待機画像G200では、停止表示された演出図柄EZ及び小図柄KZ、キャラモード表示KHも併せて示されている。つまり、選択待機画像G200は、図柄停止画像GZTに加え、ボタン操作により演出に係る設定を変更できることを示す画像が表示されたものである。具体的に、選択待機画像G200は、図柄停止画像GZTの前面に重なる態様で、ボタン操作により演出に係る設定を変更できることを示す表示がなされたものである。
図23(C)には、ホールコード対応画像G201が表示された状態を示している。ホールコード対応画像G201は、主人公キャラを示すと共に、ホールコード情報に対応した遊技場の名称を示す待機画像である。ホールコード情報は、各遊技場に対応した所定桁数の数字を入力されたことにより表示可能な情報である。
図23(D)には、新規登録画像G202が表示された状態を示している。新規登録画像G202は、携帯端末連係機能を利用するための新規登録を促す待機画像である。この新規登録画像G202では、右側に2次元コードが表示される。そのため、表示されている2次元コードを携帯端末で読み込めば、本パチンコ遊技機PY1の関連情報を示すインターネットサイトにすぐにアクセスすることが可能である。そして、そのインターネットサイトで必要事項を入力すれば、新規登録を完了させることができる。なお新規登録を完了しなければ、本パチンコ遊技機PY1の関連情報を示すインターネットサイトで、パスワードが発行されないようになっている
図23(E)には、デモムービー画像G203が表示された状態を示している。本形態のデモムービー画像G203は、本パチンコ遊技機PY1における主人公キャラと敵キャラとの戦いを示す待機画像である。このデモムービー画像G203は、遊技場でどの遊技機で遊技しようかと迷っている遊技者に、本パチンコ遊技機PY1を適切にアピール可能なものとなっている。
そして、本形態では、図23に示すように、特図変動演出が終了し、演出図柄EZの停止表示が所定時間、継続した場合(図23(A))、選択待機画像G200を表示する(図23(B))。また、選択待機画像G200を所定時間、表示した場合、次に、ホールコード対応画像G201を表示する(図23(C))。さらに、ホールコード対応画像G201を所定時間、表示した場合、次に、新規登録画像G202を表示する(図23(D))。加えて、新規登録画像G202を所定時間、表示した場合、次に、デモムービー画像G203を表示する(図23(E))。そして、デモムービー画像G203を所定時間、表示した場合、次に、選択待機画像G200を表示する(図23(B))。
すなわち、図23に示すように、本形態の客待ち演出は、特図変動が行われない期間において、選択待機画像G200を表示可能な選択待機演出、ホールコード対応画像G201を表示可能なホールコード対応待機演出、新規登録画像G202を表示可能な新規登録待機演出、デモムービー画像G203を表示可能なデモムービー待機演出を、この順で繰り返して実行することが可能である。この、選択待機演出、ホールコード対応待機演出、新規登録待機演出、デモムービー待機演出を、この順で繰り返して実行することを、以下、客待ちループ演出ということがある。なお、客待ち演出中に特図変動が開始された場合には、客待ち演出を終了し、特図変動演出(遊技演出)を実行可能である。
図24は、キャラモードの設定について説明するための図である。図24(A)は、客待ち演出にて選択待機画像G200が表示された状態を示している。また、図24(A)の例では、キャラモード表示KHに示されているように、演出に関する設定であるキャラモードは、第1キャラモードに設定されている。そして、図24(A)の状態にて通常ボタン40が押下操作されたことに基づいて、図24(B)に示す選択中画像GS1が表示される。なお、本形態では、選択待機画像G200の表示中の他、ホールコード対応画像G201、新規登録画像G202、デモムービー画像G203の表示中に通常ボタン40が押下操作されたときにも、選択中画像GS1を表示可能である。
本形態では、設定可能なキャラモードが3つ(第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモード)存在する。これら第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモードから選択可能なキャラモードは、味方キャラクタに関する設定である。そして、選択中画像GS1が表示された状態では、所定のボタン操作により、第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモードの中から1つのキャラモードを選択し、設定することが可能である。なお、キャラモードではなく、「終了」が選択された場合には、キャラモードを変更せずに選択中画像GS1を非表示として選択待機画像G200へと移行する。
選択中画像GS1にていずれかのキャラモードが選択された場合には、図24(C)に示す選択終了画面GS2が表示される。選択終了画面GS2では、キャラモードが、選択されたモードに設定されたことが示される。なお、図24(C)の例は、第2キャラモードに設定変更された状態を示している。
図25に、選択中画像GS1の詳細を示す。図25に示すように、選択中画像GS1には、第1キャラモードを示す第1キャラ領域F1、第2キャラモードを示す第2キャラ領域F2、第3キャラモードを示す第3キャラ領域F3が設けられている。そして、キャラモードの設定の際には、セレクトボタン42の左方向ボタン又は右方向ボタンの操作により、カーソルKを所望のキャラモードを示す領域へと移動させ、通常ボタン40の操作により決定する。また、キャラモードの変更を行わない場合の選択肢として「終了」を示す終了領域ENも設けられている。なお、選択中画像GS1が表示されたときのカーソルKの初期位置は、キャラモードの初期設定である第1キャラモードを示す第1キャラ領域F1である。
第1キャラ領域F1、第2キャラ領域F2、第3キャラ領域F3には、それぞれのキャラモードに対応する味方キャラクタが示されている。そして、本形態では、SPリーチ専用演出としてのバトル演出において、設定されているキャラモードに対応する味方キャラクタが、敵キャラクタとバトルを行う。これにより、本形態では、好みの味方キャラクタを選択して遊技を行うことができるようになっている。なお、本形態では、前述したように、キャラモードの初期設定は、第1キャラモードとなっている。このため、第2キャラモードおよび第3キャラモードは、初期設定とは異なる特殊設定であり、特殊キャラモードである。
また、パチンコ遊技機PY1は、上記の客待ち演出とは異なる態様の客待ち演出として、特定待機演出を行うことも可能である。前述したように、本形態では、キャラモードを、初期設定である第1キャラモードと、それ以外の特殊キャラモードとに設定可能である。そして、特定待機演出は、キャラモードが特殊キャラモードに設定されている際に行われることがある。
特定待機演出について、図26により説明する。図26(A)には、図柄停止画像GZTを示している。図26(A)の例では、キャラモード表示KHに示されているように、キャラモードが、特殊キャラモードである第2キャラモードに設定されている。このように、特殊キャラモードに設定されている状態において特定待機演出が行われた場合、図26(B)に示すように、特定表示GTが表示される。特定表示GTは、図柄停止画像GZTの前面に重なる態様で表示される。
特定表示GTは、特殊キャラモード表示GT1と、キャラモード初期化表示GT2とを含んで構成されている。特殊キャラモード表示GT1は、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを示すことが可能な表示である。つまり、特殊キャラモード表示GT1は、キャラモードが初期設定ではないことを示すことが可能な表示である。
キャラモード初期化表示GT2は、特殊キャラモードに設定されているキャラモードを、初期化できる選択が可能な表示である。具体的に、キャラモード初期化表示GT2は、図26(B)に示すように、キャラモードを初期化するか否かを問いかける表示とともに、初期化を実行する旨を示す「はい」により表せられる初期化選択肢表示GYと、特殊キャラモードを維持する旨を示す「いいえ」により表せられる維持選択肢表示GNと、セレクトボタン42および通常ボタン40を用いた選択方法を示す表示がなされている。つまり、キャラモード初期化表示GT2には、キャラモードを初期設定に変更する選択肢である初期化選択肢表示GYと、キャラモードを特殊キャラモードのまま維持する選択肢である維持選択肢表示GNが設けられている。
そして、キャラモード初期化表示GT2が表示されている特定待機演出では、セレクトボタン42の左方向ボタン又は右方向ボタンの操作により、カーソルKを初期化選択肢表示GYまたは維持選択肢表示GNへと移動させ、通常ボタン40の操作により決定することが可能である。初期化選択肢表示GYが選択された場合、キャラモードを初期設定である第1キャラモードへと変更する。この場合、図26(C)に示すように、キャラモードが初期化された旨を示す初期化完了画像GUを表示する。また、キャラモードの初期化に伴い、キャラモード表示KHは、第1キャラモードを示す表示に切り替わる。なお、維持選択肢表示GNが選択された場合には、特段の表示を行うことなく、客待ちループ演出へと移行することとすればよい。
すなわち、特定表示GTを表示する特定待機演出は、キャラモードが初期設定のモードではないことを示すとともに、初期設定のキャラモードに簡単に設定変更可能な簡易初期化待機演出である。よって、以下、特定待機演出を簡易初期化待機演出ということがあり、簡易初期化待機演出で表示されている画像を簡易初期化画像GKSということがある。なお、キャラモード初期化表示GT2が表示されたときのカーソルKの初期位置は、キャラモードを初期設定である第1キャラモードへと変更する初期化選択肢表示GYである。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図27〜図34に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されると、遊技用ROM103から図27に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図27に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、後述する電源投入時処理(S001)を行う。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.電源投入時処理]
図28に示すように、電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ119が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ119がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図34参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図34のステップS2802参照)と比較する(S015)。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常でないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
一方、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことをサブ制御基板120に通知するためのRAMクリア通知コマンドをセットして(S020)、ステップS021に進む。
ステップS021では、遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンドをセットする処理を行う。本処理では、所定時間(本形態では3秒)経過後にサブ制御基板120に出力する電源投入コマンドをセットする。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの所定時間をタイマにセットして、そのタイマにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマの値が「0」になったとき、所定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S101)にてサブ制御基板120に出力されるようになっている。電源投入コマンド設定処理(S021)の後、ステップS022ではその他の初期設定として、例えば遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行って、本処理を終える。
[3.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図29に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図27の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。始動口センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(図33参照)におけるステップS2206で設定される期間である。また、この特別電動役物処理における遊技状態設定処理(ステップS2221)では、VフラグがONであれば、確変フラグをONにする。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
次に、遊技制御用マイコン101は、後述する電源断監視処理(S108)を実行し、さらに、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S109)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図27参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[3−1.始動口センサ検出処理]
始動口センサ検出処理(S104)では、図30に示すように、まず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。ゲート通過処理では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上でないことを条件に、普通図柄保留球数に「1」を加算するとともに、普図関係乱数を取得し、その値を遊技用RAM104の普図保留記憶部106のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、特図2に係る特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数及び特図変動パターン乱数の各値を取得し(つまり図8(B)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特図2保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた特図2保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
続いて遊技制御用マイコン101は、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、特図1に係るに係る特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数及び特図変動パターン乱数の各値を取得し(つまり図8(B)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた特図1保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
[3−2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[3−3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、図31に示すように、特図表示器81および大入賞装置(第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
特別図柄待機処理(S1302)では、始動口センサ検出処理(図30参照)にて取得した大当たり乱数等の乱数値を所定の判定テーブル(図10,図11,図12参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を報知するための特別図柄の変動表示を開始して、特別動作ステータスを「2」にセットする。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。
特別図柄変動中処理(S1304)では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したら特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。
特別図柄確定処理(S1306)では、停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、特別電動役物処理を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする。このときに大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1306)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば確変フラグをOFFする。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば時短フラグをOFFする。また、特別動作ステータスを「4」にする際に、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
特別電動役物処理(S1307)では、当選した大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図19参照)に従って第1大入賞口14及び第2大入賞口15を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。特別電動役物処理(S1307)については後に詳述する。
[3−3−1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理(S1302)では、図32に示すように、まず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ち待機フラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ち待機フラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。
特図2大当たり判定処理(S1402)では、大当たり乱数値を読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて、大当たりの当否判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、当たり種別乱数値を読み出して、当たり種別判定テーブル(図10(B)参照)に基づいて当たり種別を判定する。そして、当たり種別に応じた特図停止図柄データを遊技用RAM104に設けた特図バッファにセットする。当否判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データを特図バッファにセットする。
特図2変動パターン選択処理(S1403)では、変動パターン乱数値を読み出して、特図変動パターン判定テーブル(図12参照)に基づいて変動パターンを選択する。なおこの処理では、上述した当否判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(図10(C)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの変動パターンにするのかを決定する。
なお図12に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、リーチになる場合にそのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決まる(図12の備考欄参照)。SPリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、SPリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
図32に戻り、特図2変動パターン選択処理(S1403)に続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン101は、客待ち待機フラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ち待機フラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。特図1大当たり判定処理(S1408)は、特図2大当たり判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン選択処理(S1409)は、特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン101は、客待ち待機フラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ち待機フラグをOFFして(S1414)本処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく本処理を終える。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たりに当選しやすくなっている。
[3−3−2.特別電動役物処理]
特別電動役物処理(S1307)では、図33に示すように、まず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口15を開放させる第16ラウンドを開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。第16ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第16ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第16ラウンドにおける第2大入賞口15の開放中および第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口15の閉塞直前に第2大入賞口15へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域16への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターンに従って大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第16ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにVAT開閉部材15kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞することがほぼできないようにVAT開閉部材15kが開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口15に入賞できたとしても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するVAT開閉部材15kの開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図33)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図14参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口14又は第2大入賞口15)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。なお、ラウンドカウンタは、ラウンド遊技の実行回数をカウントするためのカウンタであり、大当たり遊技の実行開始時に「16」にセットされるものとする。
一方ステップS2213でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図31)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
遊技状態設定処理(S2221)では、VフラグがONか否かを判定し、ONであれば確変フラグ及び時短フラグをONするとともに、VフラグをOFFする。そして、確変カウンタ及び時短カウンタに「160」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる。一方、VフラグがONでなければ、時短フラグをONするとともに、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確高ベース状態になる。
[3−4.電源断監視処理]
電源断監視処理(S108)では、図34に示すように、まず電源断信号の入力の有無を判定し(S2801)、入力がなければ(S2801でNO)処理を終了する。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン101に入力される信号である。ステップS2801において電源断信号の入力があれば(S2801でYES)、チェックサムを算出して遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納するとともに(S2802)、電源断フラグをONし(S2803)、その後はメイン側タイマ割り込み処理(図29)に戻ることなくループ処理をする。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更すること等が可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図35〜図45に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、演出用ROM123から図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。
[1.サブ制御メイン処理]
図35に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。続いて、電源断信号がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、演出用RAM124の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4001でYES)、つまり、電源断信号がONで演出用RAM124の内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4011)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4011でYES)、主制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、サブ制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4003)、ステップS4004に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4011でNO)、演出用RAM124をクリアすることなく、ステップS4004に進む。なお、演出用RAM124を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、これらのステップは、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数更新処理を実行する(S4005)。乱数更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数、演出図柄の停止態様を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、コマンドに従い画像表示装置50を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出等)を実行する。なお、画像制御基板140による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板120は、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力したり、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モード、キャラモードの制御など)が実現される。演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[2.受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)は、ストローブ信号(STB信号)がONになると、すなわち主制御基板100から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力されると、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。図36に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、主制御基板100から送信されてきた各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する(S4101)。
[3.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、通常ボタン検出スイッチ40a、特殊ボタン検出スイッチ41a、セレクトボタン検出スイッチ42aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ54や枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4306)や他の処理で作成したランプデータをランプ制御回路151に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ54や枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで各可動装置55,56,58を駆動させるべく、駆動データ(可動装置55,56,58の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、可動装置55,56,58を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[4.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)、客待ち演出処理(S4302)を順次行う。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。続いて、スイッチ処理(S4304)および設定音量変更処理(S4305)を行う。なお、スイッチ処理(S4304)は、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示部50aの表示内容等を設定する処理であり、設定音量変更処理(S4305)は、スピーカ52から出力される音の大きさを設定する処理である。
その後、ランプ処理(S4306)を行う。ランプ処理(S4306)では、ランプデータ(盤ランプ54や枠ランプ53の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4307)を行う。音声制御処理(S4307)では、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御回路161への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声が、設定されている音量でスピーカ52から出力される。
次に、後述するキャラモード選択処理(S4308)を行う。なお、キャラモード選択処理(S4308)は、主に、特図変動演出のキャラモードの設定変更を行う処理である。また、キャラモード選択処理(S4308)では、キャラモードの設定変更の他、簡易初期化画像GKSの表示に関する所定の判定も行われることがある処理である。
そして、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4309)、本処理を終える。
[4−1.受信コマンド解析処理]
図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。変動演出終了コマンドを受信した画像制御基板140は、演出図柄EZを確定的に停止表示する(つまり変動速度が零の状態で表示する)。なお、演出図柄EZを確定的に停止表示することを、確定停止といい、確定停止のタイミングを図柄確定時という。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していればオープニング演出選択処理(S4406)を行う。オープニング演出選択処理(S4406)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれラウンド演出選択処理(S4408)を行う。ラウンド演出選択処理(S4408)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出(開放遊技演出)のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か判定する(S4411)。判定結果がNOであればステップS4414に進む。これに対して、判定結果がYESであれば、客待ちタイマに第1待機時間(本形態では30秒)をセットするとともに(S4412)、客待ちフラグの値を「1」にセットして(S4413)、ステップS4414に進む。ここで客待ちタイマとは、客待ち演出として順次表示する各種の画像(選択待機画像G200、ホールコード対応画像G201、新規登録画像G202、デモムービー画像G203、特定表示GT、図23、図26参照)の表示タイミングを計るカウンタである。なお、サブ制御基板120が客待ちコマンドを受信してから次に変動開始コマンドを受信するまでの期間(つまり主制御基板100において客待ち待機フラグがONである期間)を客待ち状態中という。
また客待ちフラグとは、客待ち状態の段階を示すフラグである。詳細には、図41中の表に示すように、客待ちフラグが「0」であれば客待ち状態中でないこと(つまり非客待ち中)を示す。また、客待ちフラグが「1」であれば、演出図柄EZが完全に止まった図柄停止画像GZTを表示している段階(つまり客待ち状態が開始された段階)であることを示す。また、客待ちフラグが「2」であれば選択待機画像G200を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「3」であればホールコード対応画像G201を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「4」であれば新規登録画像G202を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「5」であればデモムービー画像G203を表示している段階であることを示す。また、客待ちフラグが「6」であれば簡易初期化画像GKS(特定表示GT)を表示している段階であることを示す。
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4414)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4415)を行う。V通過報知演出開始処理(S4415)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域16への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示部50aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域16への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機PY1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ52から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4416)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[4−1−1.変動演出開始処理]
図40に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S5001)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(図32のステップS1403,S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(図10参照)。なお、ここで演出制御用マイコン121が取得した図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン121は、演出図柄変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S5002)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄抽選の結果として停止表示される特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄EZの組み合わせ(例えば「2・2・2」等)が決定される。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出パターンの選択を行う(S5003)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図11、図12参照)などに応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、例えばリーチの種類(ノーマルリーチを行うのか、SPリーチを行うのか)や疑似連の回数に加えて、SPリーチに属する演出を複数設けている場合にどの演出を実行するのか等までを含めた変動演出の詳細が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の演出時間、演出図柄EZの変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、操作演出(通常ボタン40、特殊ボタン41等を用いた演出)の有無、操作演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出の選択を行う(S5004)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S5005)。ステップS5005でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて変動演出を行う。
続くステップS5006では、客待ちタイマの値が「0」より大きいか否かを判定し、「0」より大きければ(S5006でYES)、客待ちタイマの値を「0」にクリアする(S5007)。次いで演出制御用マイコン121は、客待ちフラグが非客待ち中に対応する値「0」でないか否かを判定し(S5008)、「0」でなければ(S5008でYES)、客待ちフラグを「0」にクリアする(S5009)。さらに続いて、演出制御用マイコン121は、変動後フラグが「OFF」であるか否かを判定し(S5010)、「OFF」であれば(S5010でYES)、変動後フラグを「ON」にして(S5011)、本処理を終える。つまり、変動後フラグは、少なくとも1回の変動演出が開始された後にはONとなっている。
[4−2.客待ち演出処理]
図38に示すように演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4301)に次いで客待ち演出処理(S4302)を行う。図41及び図42に示すように、客待ち演出処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン121は、客待ちタイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S7001でYES)。客待ちタイマの値が「0」より大きくなければ(S7001でNO)、本処理を終えるが、客待ちタイマの値が「0」より大きければ(S7001でYES)、客待ちタイマの値を減算して(S7002)、客待ちタイマの値が「0」であるか否かを判定する(S7003)。「0」でなければ(S7003でNO)、客待ち演出の画像を切替えるタイミングではないため、本処理を終える。一方、「0」であれば(S7003でYES)、客待ちフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S7004)。
ステップS7004において客待ちフラグの値が「1」であると判定された場合、図柄停止画像GZT(演出図柄EZが停止表示された状態)から選択待機画像G200への切替タイミングであるため、選択待機画像G200を表示させるための選択待機画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7005)。ここでセットされた選択待機画像表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aに選択待機画像G200(図23(B)参照)を表示させる。これにより、本形態では客待ち演出が開始される。
選択待機画像G200は、通常ボタン40の操作でキャラモードの設定画面である選択中画像GS1に切り替わり(図24)、セレクトボタン42の左右の操作で音量調整が可能であることを示す画像である。選択待機画像G200は、停止表示されている演出図柄EZの前に重ねて表示される。つまり、図柄停止画像GZTに重ねて表示される。よって、選択待機画像G200が表示されている表示部50a(選択待機画面)では、遊技者からは演出図柄EZが一部欠けた状態で見えていることとなる。
ステップS7005に続いて、演出制御用マイコン121は、選択待機画像G200の表示時間である第2待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7006)。そして客待ちフラグの値を、選択待機画像G200に応じた値「2」にセットし(S7007)、本処理を終える。
ステップS7004の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S7008)。この判定結果がYESであれば、選択待機画像G200からホールコード対応画像G201への切替タイミングであるため、ホールコード対応画像G201を表示させるためのホールコード対応画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7009)。ここでセットされたホールコード対応画像表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにホールコード対応画像G201(図23(C)参照)を表示させる。
ホールコード対応画像G201は、主人公キャラクタの画像と、パチンコ遊技機PY1が設置されているホールの名前と遊技者への挨拶文の画像とを含んでいる。ホールコード対応画像G201は、表示部50aの全域で演出図柄EZよりも手前に表示される。よって、ホールコード対応画像G201を表示している表示部50a(ホールコード対応画面)では、演出図柄EZは非表示となる。
ステップS7009に続いて、演出制御用マイコン121は、ホールコード対応画像G201の表示時間である第3待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7010)。そして客待ちフラグの値を、ホールコード対応画像G201に応じた値「3」にセットして(S7011)、本処理を終える。
ステップS7008の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「3」であるか否かを判定する(S7012)。この判定結果がYESであれば、ホールコード対応画像G201から新規登録画像G202への切替タイミングであるため、新規登録画像G202を表示させるための新規登録画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7013)。ここでセットされた新規登録画像表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aに新規登録画像G202(図23(D)参照)を表示させる。
新規登録画像G202は、携帯端末連係機能を利用するための新規登録の方法を説明する画像である。新規登録画像G202は、表示部50aの全域で演出図柄EZよりも手前に表示される。よって、新規登録画像G202を表示している表示部50a(新規登録画面)では、演出図柄EZは非表示となる。
ステップS7013に続いて、演出制御用マイコン121は、新規登録画像G202の表示時間である第4待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7014)。そして客待ちフラグの値を、新規登録画像G202に応じた値「4」にセットして(S7015)、本処理を終える。
ステップS7012の判定結果がNOである場合、図42に示すように、客待ちフラグの値が「4」であるか否かを判定する(S7016)。この判定結果がYESであれば、新規登録画像G202からデモムービー画像G203への切替タイミングであるため、デモムービー画像G203を表示させるためのデモムービー画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7017)。ここでセットされたデモムービー画像表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにデモムービー画像G203(図23(E)参照)を表示させる。
デモムービー画像G203は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦っているシーンの画像である。デモムービー画像G203は、表示部50aの全域で演出図柄EZよりも手前に表示される。よって、デモムービー画像G203を表示している表示部50a(デモ画面)では、演出図柄EZは非表示となる。
ステップS7017に続いて、演出制御用マイコン121は、デモムービー画像G203の表示時間である第5待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7018)。そして客待ちフラグの値を、デモムービー画像G203に応じた値「5」にセットして(S7019)、本処理を終える。
ステップS7016の判定結果がNOである場合、続いて、客待ちフラグの値が「5」であるか否かを判定する(S7020)。この判定結果がYESであれば、デモムービー画像G203から選択待機画像G200への切替タイミングであるため、選択待機画像G200を表示させるための選択待機画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7021)。そして、選択待機画像G200の表示時間である第2待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットするとともに(S7022)、客待ちフラグの値を、選択待機画像G200に応じた値「2」にセットする(S7023)。
ステップS7020の判定結果がNOである場合、客待ちフラグの値は「6」である。つまり、簡易初期化画像GKSへの切替タイミングであるため、簡易初期化画像GKSを表示させるための簡易初期化画像表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S7024)。ここでセットされた簡易初期化画像表示コマンドを受信した画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aに簡易初期化画像GKS(図26(B)参照)を表示させる。
簡易初期化画像GKSは、セレクトボタン42と通常ボタン40とを用い、特殊キャラモードに設定されているキャラモードを、初期設定である第1キャラモードに設定するか否かの選択が可能な画像である。つまり、簡易初期化画像GKSにおいて、初期化選択肢表示GYが選択された場合には、キャラモードが特殊キャラモードから第1キャラモードに変更される。一方、維持選択肢表示GNが選択された場合には、キャラモードが特殊キャラモードのまま維持される。簡易初期化画像GKSは、停止表示されている演出図柄EZの前に特定表示GTが重ねて表示されてなるものである。つまり、特定表示GTが図柄停止画像GZTに重ねて表示される。よって、簡易初期化画像GKSでは、遊技者からは演出図柄EZ(つまり図柄停止画像GZT)が一部欠けた状態で見えていることとなる。
ステップS7024に続いて、演出制御用マイコン121は、簡易初期化画像GKSの表示時間である第6待機時間(本形態では30秒)を、客待ちタイマにセットする(S7025)。なお、本形態では、客待ちフラグが「6」であるとき、客待ちタイマが0になったとしても、客待ち演出処理(S4302)において客待ちフラグが変更されることはない。つまり、簡易初期化画像GKSを表示する簡易初期化待機演出は、第6待機時間を超えて実行され続けることがあり得る。
[4−3.キャラモード選択処理]
図38に示すように演出制御用マイコン121は、客待ち演出(S4302)の後、スイッチ状態取得処理(S4303)等を行って、キャラモード選択処理(S4308)を行う。図43に示すように、キャラモード選択処理(S4308)ではまず、演出制御用マイコン121は、客待ちフラグが非客待ち中に対応する値「0」でないか否かを判定する(S8001)。客待ちフラグが「0」であり非客待ち中であれば(S8001でNO)、本処理を終了する。
一方、客待ちフラグが「0」以外であり客待ち中であれば(S8002)、簡易初期化画像GKSが表示中であるか否かを判定する(S8002)。簡易初期化画像GKSが表示中であれば(S8002でYES)、簡易キャラモード選択処理(S8003)を行い、簡易初期化画像GKSが非表示であれば(S8002でNO)、通常キャラモード選択処理(S8004)を行う。
簡易キャラモード選択処理(S8003)または通常キャラモード選択処理(S8004)に続いて、変動後フラグがONであるか否かを判定する(S8005)。変動後フラグがONであれば、特殊キャラモードフラグがONであるか否かを判定する(S8006)。特殊キャラモードフラグは、キャラモードが特殊キャラモードであることを示すフラグである。具体的には、特殊キャラモードフラグは、キャラモードが初期設定である第1キャラモードであるときにはOFFとされ、特殊キャラモードである第2キャラモードまたは第3キャラモードであるときにはONとされる。
特殊キャラモードフラグがONであれば(S8006でYES)、客待ちフラグが「6」以外であるか否かを判定する(S8007)。客待ちフラグが「6」であれば(S8007でNO)、本処理を終了する。客待ちフラグが「6」以外であれば(S8007でYES)、すなわち客待ちフラグが「1」〜「5」のいずれかであれば、客待ちタイマに第6待機時間をセットするとともに(S8008)、客待ちフラグの値を「6」にセットして(S8009)、本処理を終える。
また、変動後フラグがONでない場合(S8005でNO)、または、特殊キャラモードフラグがONでない場合(S8006でNO)には、客待ちフラグが「6」であるか否かを判定する(S8010)。客待ちフラグが「6」以外であれば(S8010でNO)、すなわち客待ちフラグが「1」〜「5」のいずれかであれば、本処理を終了する。客待ちフラグが「6」であれば(S8010でYES)、客待ちタイマに第1待機時間をセットするとともに(S8011)、客待ちフラグの値を「1」にセットして(S8012)、本処理を終える。
[4−3−1.簡易キャラモード選択処理]
簡易キャラモード選択処理(S8003)では、表示されている簡易初期化画像GKSにおいて、初期化を実行する旨を示す「はい」により表せられる初期化選択肢表示GY、特殊キャラモードを維持する旨を示す「いいえ」により表せられる維持選択肢表示GNの選択に係る処理を行う。
図44に示すように、簡易キャラモード選択処理(S8003)ではまず、演出制御用マイコン121は、「はい」により示される初期化選択肢表示GYが選択されたか否かを判定する(S8101)。初期化選択肢表示GYが選択された場合(S8101でYES)、キャラモードを第1キャラモードに設定し(S8102)、特殊キャラモードフラグをOFFする(S8103)。さらに、変動後フラグをOFFして(S8104)、本処理を終える。
初期化選択肢表示GYが選択されていない場合(S8101でNO)、「いいえ」により示される維持選択肢表示GNが選択されたか否かを判定する(S8105)。維持選択肢表示GNが選択された場合(S8105でYES)、変動後フラグをOFFして(S8104)、本処理を終える。一方、初期化選択肢表示GYが選択されず(S8101でNO)、維持選択肢表示GNについても選択されない場合(S8105でNO)、本処理を終了する。
[4−3−2.通常キャラモード選択処理]
通常キャラモード選択処理(S8004)では、選択中画像GS1におけるキャラモードの選択に係る処理を行う。すなわち、選択中画像GS1に設けられた、第1キャラモードを示す第1キャラ領域F1、第2キャラモードを示す第2キャラ領域F2、第3キャラモードを示す第3キャラ領域F3の選択に係る処理を行う。
図45に示すように、通常キャラモード選択処理(S8004)ではまず、演出制御用マイコン121は、キャラモードの設定画面である選択中画像GS1が表示中であるか否かを判定する(S8201)。選択中画像GS1が表示中である場合(S8201でYES)、ステップS8204に進む。選択中画像GS1が非表示である場合(S8201でNO)、通常ボタン40が操作されたか否かを判定する(S8202)。通常ボタン40の操作がない場合(S8202でNO)、本処理を終えるが、選択中画像GS1の非表示中に通常ボタン40の操作がなされた場合には(S8202でYES)、キャラモードの設定画面である選択中画像GS1を表示して(S8203)、ステップS8204に進む。
ステップS8204では、第1キャラモードが選択されたか否かを判定する。具体的には、カーソルKが第1キャラモード示す第1キャラ領域F1を示している状態で、通常ボタン40により決定が入力操作されたか否かを判定する(S8204)。第1キャラモードが選択された場合(S8204でYES)、キャラモードを第1キャラモードに設定する(S8205)。また、特殊キャラモードフラグがONである場合には(S8206でYES)これをOFFし(S8207)、さらに変動後フラグをOFFして(S8208)、本処理を終了する。
ステップS8204の判定結果がNOである場合、続いて、第2キャラモードが選択されたか否かを判定する(S8209)。具体的には、カーソルKが第2キャラモード示す第2キャラ領域F2を示している状態で、通常ボタン40により決定が入力操作されたか否かを判定する(S8209)。第2キャラモードが選択された場合(S8209でYES)、キャラモードを第2キャラモードに設定する(S8210)。また、特殊キャラモードフラグがOFFである場合には(S8211でYES)これをONし(S8212)、さらに変動後フラグをOFFして(S8208)、本処理を終了する。
ステップS8209の判定結果がNOである場合、続いて、第3キャラモードが選択されたか否かを判定する(S8213)。具体的には、カーソルKが第3キャラモード示す第3キャラ領域F3を示している状態で、通常ボタン40により決定が入力操作されたか否かを判定する(S8213)。第3キャラモードが選択されていない場合(S8213でNO)、本処理を終えるが、第3キャラモードが選択された場合(S8213でYES)、キャラモードを第3キャラモードに設定する(S8214)。また、特殊キャラモードフラグがOFFである場合には(S8211でYES)これをONし(S8212)、さらに変動後フラグをOFFして(S8208)、本処理を終了する。なお、キャラモードの設定画面である選択中画像GS1の表示中に終了領域ENにより示される「終了」が選択された場合、選択中画像GS1を非表示とする。また、どの選択肢も選択されずに一定時間が経過した場合にも、選択中画像GS1を非表示とする。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つは、客待ち演出において表示可能な特定表示GTにある。
前述したように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、特図変動演出のキャラモードを、複数の中から選択して設定することが可能である。具体的には、第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモードの中から選択可能である。このキャラモードの設定は、選択中画像GS1において行うことができる。すなわち、図24において説明した通り、選択中画像GS1が表示されているときに、カーソルKを所望の領域に合わせて通常ボタン40により決定操作を行うことで、キャラモードを変更可能である。選択中画像GS1は、選択待機演出、ホールコード対応待機演出、新規登録待機演出、デモムービー待機演出が繰り返して実行される客待ちループ演出中に通常ボタン40の操作を行うことで、表示させることができる。
また、キャラモードが初期設定である第1キャラモード以外の特殊キャラモード(第2キャラモード、第3キャラモード)に設定された場合、通常キャラモード選択処理(S8004、図45参照)において、特殊キャラモードフラグがONとされる(S8212)。さらに、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)において、特殊キャラモードフラグがONであれば(S8006でYES)、変動後フラグがONであることを条件に(S8005でYES)、客待ちフラグが「6」とされる。このため、客待ち演出処理 (S4302、図41、図42参照)において、表示部50aに、特定表示GTを含む簡易初期化画像GKSが表示される(S7024)。
特定表示GTは、図26に示すように、特殊キャラモード表示GT1を含んで構成されている。特殊キャラモード表示GT1は、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを示すことが可能な表示であり、キャラモードが初期設定である第1キャラモードではないことを示すことが可能な表示である。
また、変動後フラグは、変動演出開始処理(S4402、図40)においてONとなるフラグである(S5011)。つまり、変動後フラグは、少なくとも1回、特図変動表示がなされた後には、ONとなっている。すなわち、前に遊技を行っていた遊技者が特殊キャラモードで遊技をした場合、その次の遊技者は、特定表示GTにより、初期設定ではない特殊キャラモードに設定されていることを容易に把握することが可能である。
前の遊技者が特殊キャラモードに設定して遊技を終了した後、次の遊技者がこれに気付かずに遊技を開始してしまうことは好ましくない。前の遊技者が設定したキャラモードは、必ずしも、次の遊技者の望むものではないことがあるからである。また、キャラモードについて複数の設定がある場合、初期設定が最も、一般的な遊技者に対し、そのパチンコ遊技機PY1の魅力を感じさせることができるモードである傾向がある。このため、特殊キャラモードに設定されていることを知らずに遊技を行った遊技者は、パチンコ遊技機PY1の魅力を十分に堪能できない可能性があり、遊技興趣を低下させてしまうおそれがあるからである。
このような問題に対し、本パチンコ遊技機PY1では、キャラモードが特殊キャラモードに設定されている場合には、特定表示GTにより、遊技者に容易に把握させることが可能である。よって、遊技者が望むキャラモードで遊技できることを適切に補助し、高い遊技興趣を提供することが可能である。
また、設定可能なキャラモードが複数存在する場合、キャラモードが初期設定である第1キャラモードではないことを示す特殊キャラモード表示GT1だけでは、具体的にどのモードであるのか判別できないこともあり得る。すなわち、初期設定である第1キャラモードではなく、特殊キャラモードであることを示す特殊キャラモード表示GT1においては、現在設定されているキャラモードが、第2キャラモードであるのか、第3キャラモードあるのかが判別できないおそれがある。
そこで、本形態では、図26(B)等に示すように、現在設定されているキャラモードを示すキャラモード表示KHがなされている。このため、遊技者は、キャラモード表示KHにより、現在のキャラモードを正確に把握することが可能である。なお、図26(B)に示すように、キャラモードが初期設定ではないことを示すことが可能な特定表示GTにおける特殊キャラモード表示GT1は、キャラモード表示KHよりも目立つ態様で表示されている。このため、キャラモード表示KHを見落とした遊技者に対しても、特定表示GTや、そこに含まれている特殊キャラモード表示GT1により、現在設定されているキャラモードが初期設定ではないモードであることを確実に気付かせることが可能となっている。特殊キャラモード表示GT1や、またこれを含む特定表示GTを、キャラモード表示KHよりも目立たせる態様としては、表示部50aに占める表示領域を大きくする第1の表示態様、および、表示部50aの中央により近い位置に表示する第2の表示態様の少なくとも一方を満たすこととすればよい。本形態においては、第1の表示態様および第2の表示態様のどちらも満たす態様で、特殊キャラモード表示GT1や、これを含む特定表示GTを表示している。
また、通常キャラモード選択処理(S8004、図45)に係る通常のキャラモードの変更手順は、客待ちループ演出中に通常ボタン40の操作を行い、選択中画像GS1を表示させ、選択中画像GS1においてカーソルKを移動させることで行うものである。すなわち、通常手順によるキャラモードの変更には、少なくとも2回、通常ボタン40等の操作手段に対する操作入力が必要である。
このように、キャラモードを複数の選択肢から選んで設定可能なパチンコ遊技機PY1においては、様々なキャラモードで遊技を行えることで多彩な演出を楽しめる一方、キャラモードの設定変更のための操作によって円滑な遊技を妨げられ、遊技興趣が低下してしまうおそれがある。特に、前の遊技者により設定されたキャラモードが望むものではない場合に、次の遊技者が初期設定に戻すための操作が煩雑になってしまうことは、ストレスとなり、遊技興趣の低下につながり得る。
これに対し、特定表示GTは、図26に示すように、キャラモード初期化表示GT2を含んで構成されている。キャラモード初期化表示GT2には、キャラモードを初期設定に変更する選択肢である初期化選択肢表示GYと、キャラモードを特殊キャラモードのまま維持する選択肢である維持選択肢表示GNが設けられている。また、本形態では、キャラモード初期化表示GT2におけるカーソルKの初期位置は、初期化選択肢表示GYとなっている。このため、特定表示GTが表示されているときの簡易キャラモード選択処理(S8003、図44)に係る手順においては、初期設定に戻したい遊技者は、1回の操作入力だけで、初期設定への変更が可能である。このように、特定表示GTでは、新たに遊技を開始する遊技者が所望のキャラモードに変更する手間を、通常手順によるキャラモードの変更よりも少なくすることが可能となっている。すなわち、特定表示GTでは、特殊キャラモードに設定されたキャラモードを初期設定に戻す際の操作が、通常手順によるキャラモードの変更よりも簡易なものとなっている。
また、すでに設定されている特殊キャラモードを維持して遊技を開始する遊技者については、維持選択肢表示GNを選択すればよい。さらに、その維持選択肢表示GNの選択についても、簡易なものとなっている。そして、簡易キャラモード選択処理(S8003、図44参照)において、初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNのいずれかが選択された場合(S8101でYES、または、S8105でYES)、変動後フラグはOFFとされる。また、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)において、変動後フラグがOFFされると(S8005)、客待ちフラグが「1」へと変更される(S8012)。
つまり、特定表示GTにおいて、遊技者が、特殊キャラモードを維持するか否かの入力操作を行った際には、その後、客待ちループ演出へと移行し、特定表示GTが非表示となる。一般的に、客待ちループ演出は、特定表示GTのなされる簡易初期化待機演出よりも、興趣性等を高めることが可能な演出である。すなわち、例えば、新規登録待機演出では、携帯端末連係機能を使用し、パチンコ遊技機PY1に付随する様々なサービス等を受けることが可能となる。また、デモムービー待機演出では、パチンコ遊技機PY1におけるバトルシーン等の、迫力のある映像が表示されたりする。よって、一度、特殊キャラモードの維持に対する遊技者の意思表示が入力操作によりなされた場合には、特定表示GTを非表示として客待ちループ演出を行うことで、興趣性の向上が可能である。
なお、変動後フラグは、少なくとも1回、特図変動表示がなされた後には、ONとなっている。そして、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)では、変動後フラグがONであり(S8005でYES)、特殊キャラモードフラグがONであれば(S8006でYES)、客待ちフラグが「6」とされる。このため、特定表示GTが非表示とされた後であっても、特殊キャラモードで特図変動演出が1回でも実行された後の客待ち演出では、特定表示GTが表示される。よって、例えば、第1の遊技者が特殊キャラモードで遊技を行い、次の第2の遊技者が特定表示GTにて維持選択肢表示GNを選択して遊技を行った後の、さらに次の第3の遊技者に対して、特定表示GTを表示可能である。すなわち、第2の遊技者が特殊キャラモードでの遊技意思を示した後であっても、さらに次の第3の遊技者に対しては、キャラモードが初期設定のモードではないことを示すとともに、初期設定のキャラモードに簡単に設定変更可能な特定表示GTを見せることが可能である。よって、第3の遊技者が、特殊キャラモードに設定されていることに気付かずに遊技を開始してしまうことを抑制可能である。
また、特定表示GTにおいて初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNのいずれかが選択され、特定表示GTが非表示となった後であっても、客待ちループ演出中に通常ボタン40の操作を行い、選択中画像GS1を表示させることで、通常手順によるキャラモードの変更が可能である。よって、例えば、遊技者が、特定表示GTにおける初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNの選択を誤ってしまった場合にも、その後、すぐに好みのキャラモードに設定することが可能となっている。
また、特定表示GTは、キャラモードが初期設定ではないことを示すことが可能な表示であり、遊技者が特殊キャラモードであることを把握できずに遊技を開始してしまうことを抑制する観点から、表示されている時間は長い方が好ましい。そこで、本形態では、特定表示GTを表示する時間を、客待ちループ演出における単位待機演出の切り替え時間(選択待機演出等の実行時間)よりも長くすべく、特図変動演出、または、特定表示GTに係る所定の操作入力がなされるまで、特定表示GTを表示し続けることとしている。これにより、遊技者が特定表示GTを見落としてしまうことを抑制可能となっている。
さらには、特定表示GTは、遊技者が特殊キャラモードであることを把握できずに遊技を開始してしまうことを抑制する観点から、ある程度、目立つことが好ましい。そこで、本形態においては、特定表示GTが表示されている間は、その後方に重なる態様で表示された図柄停止画像GZTを、他の画像に切り替えることなく表示し続けることとしている。これにより、特定表示GTの後方に重なる画像が次々に切り替わることにより、その特定表示GTの後方に重なる画像に意識を向けてしまった遊技者が、特定表示GTを見落としてしまうことを抑制可能となっている。
なお、本形態の簡易初期化待機演出では、特定表示GTの後方に重なる画像を図柄停止画像GZTとして説明した。しかし、特定表示GTの後方に重ねて表示する画像は、例えば、客待ちループ演出における他の画像(デモムービー画像G203等)であってもよい。客待ちループ演出に係る画像を特定表示GTの後方に重ねて表示することで、特定表示GTが表示されている状態が客待ち状態であることを適切に示すことが可能だからである。
ただし、図柄停止画像GZTは、他の客待ちループ演出における他の画像(デモムービー画像G203等)よりも、他の遊技者が遊技中ではないことを、最も的確に示すことが可能な表示であり得る。すなわち、本形態の客待ちループ演出においては、図23に示すように、まず、図柄停止画像GZTを表示する演出がなされる。その後、客待ちループ演出では、選択待機画像G200を表示する選択待機演出、ホールコード対応画像G201を表示するホールコード対応待機演出、新規登録画像G202を表示する新規登録待機演出、デモムービー画像G203を表示するデモムービー待機演出の4つが順に繰り返し行われる。ここで行われる選択待機演出においても、図柄停止画像GZTは表示されている。つまり、図柄停止画像GZTを表示する客待ち演出は、そして、図柄停止画像GZTは、客待ち演出の開始初期に表示される画像であるとともに、客待ちループ演出において、最も長く表示されている画像でもあるからである。よって、特定表示GTを図柄停止画像GZTに重ねて表示する簡易初期化待機演出により、遊技者には、特定表示GTが表示されている状態が客待ち演出であることを適切に示すことが可能となっている。
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1の演出制御用マイコン121は、遊技者が遊技を行っているときには特図変動演出等が可能である。また、特図変動演出を、第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモードを含む複数のキャラモードの候補のうち、設定されたキャラモードに基づいて実行可能である。キャラモードの初期設定は第1キャラモードであり、第2キャラモードおよび第3キャラモードは特殊キャラモードである。また、特殊キャラモードで特図変動演出を実行した後の客待ち演出においては、表示部50aに、特定表示GTを表示可能である。特定表示GTは、特殊キャラモード表示GT1と、キャラモード初期化表示GT2とを含んで構成されている。特殊キャラモード表示GT1は、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを示すことが可能な表示であり、キャラモードが初期設定ではないことを示すことが可能な表示である。これにより、遊技者が、初期設定である第1キャラモードではないキャラモードに設定されていることに気付かずに遊技を開始してしまうことを抑制可能である。よって、パチンコ遊技機PY1の興趣性をより向上させることが可能である。
また、特定表示GTにおいては、通常ボタン40等の操作によって、キャラモードを初期設定に変更するか特殊キャラモードを維持するかの選択が可能である。そして、いずれかの選択操作が行われた後には、特定表示GTを非表示とすることが可能である。これにより、客待ちループ演出等、特定表示GTよりも興趣性の高い演出を行うことが可能である。
また、客待ちループ演出では、図柄停止画像GZTを表示する客待ち開始時の演出、選択待機演出、ホールコード対応待機演出等の複数の単位待機演出を所定の順序で実行可能である。この単位待機演出のうち、客待ち開始時の演出、選択待機演出は、図柄停止画像GZTを表示する図柄停止待機演出である。また、簡易初期化待機演出においては、図柄停止画像GZTに重ねて特定表示GTを表示する。すなわち、簡易初期化待機演出は、図柄停止待機演出にて特定表示GTを表示可能な演出である。そして、客待ちループ演出では、所定の時間で図柄停止待機演出から他の単位待機演出に移行するのに対し、簡易初期化待機演出については、客待ちループ演出における図柄停止待機演出よりも長時間、実行可能である。これにより、特定表示GTの表示状態が客待ち状態であることを適切に示すことが可能であるとともに、遊技者の特定表示GTの見落とし等を抑制可能である。
また、特定表示GTが表示される簡易初期化待機演出において、通常ボタン40等への操作入力により、初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNのいずれかが選択可能である。初期化選択肢表示GYが選択された場合、キャラモードを、特殊キャラモードから初期設定である第1キャラモードへと変更するする制御がなされる。一方、維持選択肢表示GNが選択された場合、キャラモードを、特殊キャラモードのままで維持する制御がなされる。そして、初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNのどちらかが選択された後には、特図変動演出が開始されるまで、客待ちループ演出を実行可能である。すなわち、一度でも特殊キャラモードの維持に対する遊技者の意思表示が入力操作によりなされた場合には、客待ちループ演出を行うことで、興趣性の向上が可能である。
また、特定表示GTにおいて特殊キャラモードの維持に対する遊技者の意思表示が入力操作によりなされた場合には、遊技者は、現在設定されているキャラモードについて適切に把握している可能性が高い。よって、特定表示GTを非表示としてもよいと判断できるため、客待ちループ演出を行うことで、興趣性の向上が可能である。
また、特定表示GTにおいて特殊キャラモードの維持に対する遊技者の意思表示が入力操作によりなされた後であっても、さらに特殊キャラモードが維持された状態で特図変動演出が行われた後には、特定表示GTが表示される簡易初期化待機演出を実行可能である。その次の遊技者に対して、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを適切に示すことが可能だからである。
また、特定表示GTにおいて特殊キャラモードの維持に対する遊技者の意思表示が入力操作によりなされた後の客待ちループ演出では、通常ボタン40の操作に基づいて、選択中画像GS1を表示させ、通常手順によるキャラモードの変更が可能である。これにより、例えば、遊技者が、特定表示GTにおける初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNの選択を誤ってしまった場合にも、その後、すぐに好みのキャラモードに設定することが可能となっている。
また、表示部50aには、現在設定されているキャラモードを示すキャラモード表示KHがなされる。このため、遊技者は、キャラモード表示KHにより、現在設定されているキャラモードが特殊キャラモードであることを正確に把握することが可能である。よって、遊技者は、現在設定されている特殊キャラモードが好みのキャラモードであるかを容易に把握することが可能である。
また、表示部50aにおいて、特定表示GTは、キャラモード表示KHよりも、表示部50aに占める表示領域を大きくする第1の表示態様、および、表示部50aの中央により近い位置に表示する第2の表示態様の少なくとも一方を満たす態様で表示される。このため、特定表示GTをキャラモード表示KHよりも目立たせることが可能であり、特定表示GTの見落としを適切に抑制可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機PY1では、通常ボタン40等への操作入力に基づいて、選択中画像GS1を表示させ、キャラモードを変更することが可能である。この通常手順によるキャラモードの変更に対し、特殊キャラモードに設定されているときに表示される特定表示GTにおいては、通常手順によるキャラモードの変更時における通常ボタン40等への操作入力の回数よりも少ない操作入力の回数で、キャラモードを、初期設定である第1キャラモードへと変更可能である。すなわち、特定表示GTの表示中においては、通常手順によるキャラモードの変更よりも簡易な簡易選択操作入力に基づいて、キャラモードを、初期設定の第1キャラモードへと変更可能である。よって、例えば、前の遊技者により設定されたキャラモードが望むものではない場合に、次の遊技者が初期設定に戻すための操作が煩雑になることを抑制可能であり、これにより、遊技興趣を高く維持可能である。
また、簡易選択操作入力の有効期間においては、表示部50aに特定表示GTが表示される。これにより、簡易選択操作入力が可能な期間を、遊技者に適切に示すことが可能である。
また、特定表示GTは、客待ち状態であるときの客待ち演出にて表示される。具体的に、特定表示GTは、客待ち演出のひとつである簡易初期化待機演出にて表示される。これにより、遊技者は、パチンコ遊技機PY1での遊技を開始する際に、前の遊技者によって設定された特殊キャラモードが望むものではない場合における簡易選択操作入力が可能となる。
8.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記形態においては、特定表示GTを、客待ち状態のときに実行する簡易初期化待機演出にて表示することとして説明した。しかし、特定表示GTは、例えば、特図変動演出が行われている非客待ち状態であるときに表示してもよい。また、客待ち状態であるとき、非客待ち状態であるときの両方において特定表示GTを表示してもよい。
また例えば、上記形態においては、特定表示GTを、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを示すことが可能な特殊キャラモード表示GT1と、特殊キャラモードに設定されているキャラモードを初期化できる選択が可能なキャラモード初期化表示GT2との両方を含むものとして説明した。しかし、例えば、特殊キャラモード表示GT1とキャラモード初期化表示GT2とのいずれか一方だけであってもよい。すなわち、例えば、キャラモード初期化表示GT2だけであっても、キャラモードが特殊キャラモードに設定されていることを示すことは可能だからである。また、上記形態において、キャラモード初期化表示GT2には、初期化選択肢表示GY、維持選択肢表示GNの両方が設けられている。しかし、例えば、初期化選択肢表示GYのみであってもよい。
また例えば、上記形態においては、設定可能なキャラモードの候補である第1キャラモード、第2キャラモード、第3キャラモードを、それぞれ異なる味方キャラクタに関するモードとして説明した。しかし、設定可能なキャラモードの候補は、例えば、味方キャラクタに限られるものではない。例えば、複数の候補となるキャラモードを、それぞれ異なる敵キャラクタに関するモードとしてもよい。すなわち、例えば、図47に示すような敵キャラモードの設定画面において、それぞれ異なる敵キャラクタの選択肢領域E1、E2、E3を設け、カーソルKにより設定可能としておくことが考えられる。そして、SPリーチのバトル演出において、設定された敵キャラモードに係る敵キャラクタとバトルを行うことが考えられる。また、複数の候補の中から設定可能な演出設定としては、上記形態に係るキャラモードの他、特定の演出が実行される頻度や、特定の演出における大当たり期待度等が、演出設定の複数の候補ごとに異なる態様も考えられる。
また例えば、上記形態では、設定可能なキャラモードの候補として、初期設定である基本キャラモードとしての第1キャラモード、特殊キャラモードとしての第2キャラモードおよび第3キャラモードの、合計で3つのキャラモードについて説明した。しかし、設定可能な演出設定の候補には、初期設定としての基本演出設定と、基本演出設定以外の特殊演出設定とが少なくとも含まれていればよく、特殊演出設定の数は当然、上記形態の2つに限られるものではない。
また、上記形態では、味方キャラクタに関するキャラモードだけを複数の候補の中から設定可能な例について説明した。すなわち、複数の候補の中から設定可能な演出設定が1つである場合の例について説明した。しかし、複数の候補の中から設定可能な演出設定は複数、存在してもよい。すなわち、例えば、味方キャラクタに関する演出設定を複数の候補の中から設定可能であり、さらに、敵キャラクタに関する演出設定を複数の候補の中から設定可能であってもよい。そして、このように複数の候補の中から設定可能な演出設定の組が複数、存在する場合には、そのうちの少なくとも1つでも特殊演出設定に設定されている場合に、特定表示GTを表示することとしてもよい。また、複数の候補の中から設定可能な演出設定が複数、存在する場合には、初期化選択肢表示GYが選択された場合には、すべての演出設定について、初期設定である基本演出設定に変更することとすることが好ましい。複数の候補の中から設定可能な演出設定の数が多いほど、通常手順による演出設定の変更によってすべての演出設定を基本演出設定に戻す手間がかかってしまうからである。
また、複数の候補の中から設定可能な演出設定が複数、存在する場合において、初期化選択肢表示GYが選択されたときには、そのうちの特定の演出設定のみ、初期設定である基本演出設定に変更することとしてもよい。すなわち、例えば、初期化選択肢表示GYの選択時に基本演出設定に変更可能な初期化演出設定と、初期化選択肢表示GYの選択時に特殊演出設定を維持可能な特殊維持演出設定とを設ける場合である。具体的には、例えば、味方キャラクタに関する演出設定、敵キャラクタに関する演出設定をそれぞれに複数の候補の中から設定可能であり、味方キャラクタに関する演出設定を初期化演出設定とし、敵キャラクタに関する演出設定を特殊維持演出設定とし、そのどちらも特殊演出設定に設定されている場合において、初期化選択肢表示GYが選択されたときには、味方キャラクタに関する演出設定については基本演出設定に変更し、敵キャラクタに関する演出設定については特殊演出設定を維持することとしてもよい。またこの場合、初期化演出設定が特殊演出設定に設定されている場合には、特定表示GTを表示し、特殊維持演出設定のみが特殊演出設定に設定されており、初期化演出設定が特殊演出設定に設定されていない場合には、特定表示GTを表示しないこととしてもよい。
また例えば、初期化選択肢表示GYの選択時に基本演出設定に変更可能な初期化演出設定と、初期化選択肢表示GYの選択時に特殊演出設定を維持可能な特殊維持演出設定とを設ける場合、これら初期化演出設定と特殊維持演出設定とをそれぞれ、異なる遊技状態に関する演出設定としてもよい。そして、初期化演出設定と特殊維持演出設定とをそれぞれ異なる遊技状態に関する演出設定とする場合、特殊維持演出設定を設定可能な遊技状態を、初期化演出設定を設定可能な遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とすることが好ましい。第1の遊技状態と、第1の遊技状態よりも遊技者に有利な第2の遊技状態があるパチンコ遊技機において、遊技者が遊技を終了する際に設定されている可能性が高い遊技状態は、第2の遊技状態ではなく、第1の遊技状態である。一般的な遊技者であれば、有利な第2の遊技状態に設定されているときに遊技を終了することは少ないからである。よって、次の遊技者が遊技を開始する際の遊技状態である頻度が高い第1の遊技状態に関する演出設定を初期化演出設定とすることで、遊技を開始する際に、演出設定の初期化を簡易に行える。これにより、遊技者が望まない特殊演出設定に設定されている状態で遊技を開始することを抑制可能である。
具体的に、上記形態の例においては、遊技状態として「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」、「大当たり遊技状態」がある。そして、例えば、「低確率低ベース遊技状態」におけるキャラモードを、味方キャラクタに関する第1キャラモード(基本キャラモード)、第2キャラモード(特殊キャラモード)、第3キャラモード(特殊キャラモード)の中から選択して設定可能とする。また、「高確率高ベース遊技状態」における演出設定を、敵キャラクタに関する複数の候補の中から選択できるようにする。例えば、「大当たり遊技状態」において、図47に示す敵キャラ選択中画像GS10を表示部50aに表示し、その後の「高確率高ベース遊技状態」における演出設定を設定可能とする。敵キャラ選択中画像GS10には、第1敵キャラモードを示す第1敵キャラ領域E1、第2敵キャラモードを示す第2敵キャラ領域E2、第3敵キャラモードを示す第3敵キャラ領域E3が設けられており、カーソルKによって選択可能となっている。なお、カーソルKの初期位置としての初期設定は、例えば、第1敵キャラモード(基本敵キャラモード)としておくことができる。つまり、第2敵キャラモード、第3敵キャラモードは特殊敵キャラモードである。そして、「高確率高ベース遊技状態」では、「大当たり遊技状態」で表示されていた敵キャラ選択中画像GS10にて選択された敵キャラモードにて演出を行う。すなわち、第1敵キャラモード、第2敵キャラモード、第3敵キャラモードのうちから選択された敵キャラモードに係る敵キャラクタが、味方キャラクタとバトルを行う演出を行う。その後、一般的には、遊技者は、「低確率低ベース遊技状態」へと移行したときに遊技を終了する。そこで、「低確率低ベース遊技状態」におけるキャラモードが、第1キャラモードに設定されていない場合には、特定表示GTを表示することとすればよい。これにより、次に遊技を行う遊技者は、特定表示GTにより、遊技を開始する際のキャラモードが基本キャラモードではないことを容易に把握できるとともに、基本キャラモードへの設定変更を簡易的に行うことが可能である。
また、上記形態では、現在設定されている演出設定を示すキャラモード表示KHが表示されることとして説明した。しかし、キャラモード表示KHは必ずしも表示されなくてもよい。例えば、キャラモード表示KHは、特殊演出設定のときだけ表示することとしてもよい。特殊演出設定であるときに限りキャラモード表示KHを表示することとしても、キャラモード表示KHが非表示であるときには基本演出設定であることを示すことが可能であるからである。また例えば、キャラモード表示KHは、特定表示GTの表示中には、非表示としてもよい。具体的には、例えば、キャラモード表示KHは、簡易初期化待機演出が実行されていない間、すなわち、非客待ち状態であるときの特図変動演出がなされている間や、客待ちループ演出が行われている間に表示することとしてもよい。特に、特図変動演出が行われているときには、特定表示GTのような目立つ表示は、他の演出を阻害してしまうおそれがある。また、遊技中の遊技者は、現在の演出設定を適切に把握している可能性がある。よって、非客待ち状態であるときには目立ちにくいキャラモード表示KHを表示し、客待ち状態であるときには目立ちやすい特定表示GTを表示することとしてもよい。
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。また例えば、演出に関する設定には、演出制御用マイコンによって制御可能な設定であればよい。すなわち、例えば、スピーカより発せられる演出音の大きさに関する設定、液晶ディスプレイ等における画面表示に関する設定(例えば、明るさに関する照度や輝度等に関する設定)も、演出に関する設定になり得る。そして、例えば、演出設定が基本演出設定であれば、演出音の大きさに関する設定や画面表示に関する設定が初期設定以外の設定であっても、特定表示を行わないこととしてもよい。これらについては、遊技を開始すれば、遊技者の望む設定でないことが容易に把握可能であるからである。また、演出音の大きさに関する設定や画面表示に関する設定については、最適な設定が、遊技機の設置環境によって左右される傾向が強く、前の遊技者の設定内容が、最適なものである可能性が高い。よって、特定表示において初期化が選択された場合においても、演出音の大きさに関する設定や画面表示に関する設定については、現状の設定を維持することが好ましいことがある。
また例えば、上記形態では、特定表示GTが表示されることにより、特定表示GTの後方に重ねて表示される図柄停止画像GZTが一部、欠けた状態となることとして説明した。しかし、特定表示GTは、後方に重ねて表示される図柄停止画像GZTが薄く見える程度に、透過可能な表示であることとしてもよい。図柄停止画像GZTがより鮮明に見えることで、客待ち状態であることをより正確に示すことが可能だからである。
また実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
また実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。
また実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われていないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
また実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
9.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A9の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B4の総称である。
発明A1:
所定の表示手段(画像表示装置50)を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出制御手段は、
遊技者が遊技を行っているときには、前記演出手段により所定の遊技演出(特図変動演出等)を実行可能であり、
前記遊技演出を行わないときには、前記演出手段により所定の待機演出(客待ち演出)を実行可能であり、
前記遊技演出を、基本演出設定(第1キャラモード)および特殊演出設定(第2キャラモード、第3キャラモード)を含む複数の演出設定の候補のうち、設定された前記演出設定に基づいて実行可能であり、
前記演出設定が前記特殊演出設定に設定された状態で前記遊技演出を実行した後の前記待機演出では、前記表示手段に、前記演出設定が前記基本演出設定でないことを示す特定表示(特定表示GT)を表示可能であることを特徴とする遊技機。
従来より遊技機では、例えば特開2012−16578号公報に記載のように、遊技者が、演出の設定を、複数の候補の中から選択できるようにされていることがある。しかしながら、演出の設定を、複数の候補の中から選択できるようにされている場合には、遊技興趣の向上のため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2012−16578号公報に記載の遊技機に対して、「演出設定が特殊演出設定に設定された状態で遊技演出を実行した後の待機演出では、表示手段に、演出設定が基本演出設定でないことを示す特定表示を表示可能である」という点で相違している。前の遊技者が特殊演出設定に設定して遊技を行った後において、その特殊演出設定は、必ずしも、次の遊技者が望む演出設定ではない可能性がある。また一般的に、基本演出設定はその遊技機の魅力を十分に堪能可能な設定となっている傾向があることから、演出設定が特殊演出設定に設定されていることを知らずに遊技した遊技者には、遊技機の魅力に関して誤解が生じる可能性もある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、演出設定が基本演出設定でないことを示す特定表示により、遊技者が、基本演出設定でないことを知らないまま遊技してしまうことを抑制可能である。これにより、本構成の遊技機は、「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
遊技者による操作入力が可能な操作手段(通常ボタン40等)を備え、
前記演出制御手段は、前記特定表示の表示中における前記操作手段への操作入力に基づいて、前記特定表示を非表示とすることが可能である(特定表示GTを含む簡易初期化画像GKSの表示中(S8002でYES)の簡易キャラモード選択処理(S8003、図44参照)では、操作入力がなされたことに基づいて変動後フラグがOFFとされ(S8104)、これにより、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)では、変動後フラグのOFFに伴い(S8005でNO)客待ちフラグが、簡易初期化画像GKSに対応する「6」からそれ以外に変更される)ことを特徴とする遊技機。
特定表示は、基本演出設定でないことを遊技者に示すために、それ自体が興趣性の高いものではないことがある。そして、本遊技機では、遊技者が、自身の意思で、特定表示を非表示とすることが可能である。よって、特定表示よりも興趣性の高いその他の画像へと切り替えること等が可能となる。
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記待機演出として、複数の単位待機演出を所定の順序で実行可能な標準待機演出(客待ちループ演出)と、前記単位待機演出のひとつである特定単位待機演出(図柄停止画像GZTを表示する図柄停止待機演出)にて前記特定表示を表示可能な特定待機演出(簡易初期化待機演出)とを実行可能であり、
前記特定待機演出では、前記特定単位待機演出を、前記標準待機演出のときよりも長い時間、実行可能であることを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、特定表示の表示状態が待機演出を行っている状態であることを適切に示すことが可能であるとともに、遊技者の特定表示の見落とし等を抑制可能である。
発明A4:
発明A3に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特定表示の表示中における前記操作手段への操作入力に基づいて、前記演出設定を前記特殊演出設定から前記基本演出設定へと変更する演出設定変更制御(簡易キャラモード選択処理(S8003、図44)にて「はい」が選択された場合に第1キャラモードに設定する(S8102))と、前記特殊演出設定を維持する演出設定維持制御(簡易キャラモード選択処理(S8003、図44)にて「いいえ」が選択された場合には第1キャラモードに設定しない)とを含む選択制御が可能であり、
前記選択制御の実行後には、その後に前記遊技演出を開始するまで、前記標準待機演出を実行可能である(変動後フラグがOFFとされ(S8104)、これにより、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)では、変動後フラグのOFFに伴い(S8005でNO)客待ちフラグが、簡易初期化画像GKSに対応する「6」から選択待機画像G200に対応する「1」へと変更される(S8012))ことを特徴とする遊技機。
標準待機演出は、特定表示よりも興趣性が高い傾向にある。また、選択制御は、遊技者による操作手段への操作入力に基づいて行われるため、基本演出設定ではないことに対する遊技者の意思表示に相当する。よって、本構成の遊技機では、選択制御を実行した後には、標準待機演出を行うことで、興趣性の向上が可能である。
発明A5:
発明A4に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記選択制御の実行後には、その後に前記遊技演出を開始するまで、前記特定表示を表示しない(キャラモード選択処理(S4308、図43参照)において、変動後フラグがOFFの状態では(S8005でNO)、客待ちフラグが「6」にならない)ことを特徴とする遊技機。
選択制御の実行後には、遊技者は、現在設定されている演出設定について適切に把握している可能性が高く、特定表示を表示しなくてもよいと判断可能である。よって、それ自体は興趣性の高いものではないことがある特定表示を表示せずに、他の表示を適切に、遊技者に見せることが可能となる。
発明A6:
発明A4または発明A5に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記演出設定維持制御の実行後、前記演出設定が前記特殊演出設定に設定されたまま前記遊技演出が行われた後には、前記特定待機演出を実行可能である(変動演出開始処理(S4402、図40参照)において変動後フラグがONとされ(S5011)ることで、キャラモード選択処理(S4308、図43参照)では、変動後フラグのONに伴い(S8005でYES)客待ちフラグに簡易初期化画像GKSに対応する「6」がセットされる(S8009))ことを特徴とする遊技機。
選択制御に係る操作手段への操作入力を行った第1の遊技者が特殊演出設定に設定された状態で遊技を行った後の、さらにその次に遊技を行う第2の遊技者は、第1の遊技者と同じではない可能性がある。つまり第2の遊技者は、基本演出設定ではないことに対する意思表示を、操作手段への操作入力によって行っていない可能性がある。本構成の遊技機では、そのような第2の遊技者に対して、特定表示を表示可能な特定待機演出により、演出設定が基本演出設定でないことを適切に示すことが可能である。
発明A7:
発明A4から発明A6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記選択制御の実行後、前記標準待機演出を実行中であるときには、前記操作手段への操作入力に基づいて、前記演出設定を複数の候補の中から選択可能とする演出設定選択可能状態を取り得る(通常キャラモード選択処理(S8004、図45参照)において、通常ボタン40の操作に基づいて(S8202でYES) キャラモードの設定画面である選択中画像GS1(図24(B))を表示する(S8203))ことを特徴とする遊技機。
選択制御に係る操作手段への操作入力は、遊技者の誤りである可能性がある。そのような場合にも、本構成の遊技機では、操作手段への操作入力に基づいて演出設定選択可能状態となり得ることで、演出設定の変更が可能となる。
発明A8:
発明A1から発明A7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記演出設定が前記特殊演出設定に設定されているときには、前記表示手段に、前記演出設定が前記特殊演出設定であることを示す特殊演出設定表示(キャラモード表示KH)を表示可能であることを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、遊技者が現在の演出設定を容易に把握可能である。
発明A9:
発明A8に記載の遊技機であって、
前記表示手段は、
前記特定表示を、前記特殊演出設定表示よりも前記表示手段の表示領域に占める面積が大きな第1の態様(表示部50aに占める表示領域を大きくする第1の表示態様)、および、前記特殊演出設定表示よりも前記表示領域の中央に近い位置に表示する第2の態様(表示部50aの中央により近い位置に表示する第2の表示態様)の少なくとも一方を満たす態様で表示可能であることを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、特定表示を特殊演出設定表示よりも目立たせることが可能であり、特定表示の見落としを適切に抑制可能である。
発明B1:
演出手段(画像表示装置50等)を用いて所定の演出を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
遊技者による操作入力が可能な操作手段(通常ボタン40等)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出制御手段は、
遊技者が遊技を行っているときには、前記演出手段により所定の遊技演出(特図変動演出等)を実行可能であり、
前記遊技演出を、基本演出設定(第1キャラモード)および特殊演出設定(第2キャラモード、第3キャラモード)を含む複数の演出設定の候補のうち、設定された前記演出設定に基づいて実行可能であり、
前記演出設定を、前記操作手段への所定の選択操作入力に基づいて変更可能(通常キャラモード選択処理(S8004、図45)を実行可能)であり、
前記演出設定が前記特殊演出設定に設定されているときには、前記選択操作入力よりも簡易な、前記操作手段への所定の簡易選択操作入力に基づいて、前記演出設定を前記基本演出設定へと変更可能(簡易キャラモード選択処理(S8003、図44)では、「はい」が選択されたことにより(S8101でYES)キャラモードを第1キャラモードに設定(S8102))であることを特徴とする遊技機。
従来より遊技機では、例えば特開2012−16578号公報に記載のように、遊技者が、演出の設定を、複数の候補の中から選択できるようにされていることがある。しかしながら、演出の設定を、複数の候補の中から選択できるようにされている場合には、遊技興趣の向上のため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2012−16578号公報に記載の遊技機に対して、「簡易選択操作入力に基づいて、演出設定を基本演出設定へと変更可能」という点で相違している。演出設定を複数の候補の中から設定可能な遊技機においては、多彩な演出が可能になる一方、演出設定の変更のための選択操作入力が煩雑になってしまう傾向にある。そして、特に、前の遊技者により設定された特殊演出設定が、次の遊技者にとって望むものではない場合、基本演出設定へと変更するための操作が煩雑になってしまうことは、遊技者にとってストレスとなり、遊技興趣の低下につながり得る。このような問題に対し、本構成の遊技機では、演出設定が特殊演出設定であるときには、選択操作入力よりも簡易な簡易選択操作入力に基づいて、演出設定を基本演出設定へと変更可能である。このため、前の遊技者により設定された特殊演出設定が、次の遊技者にとって望むものではない場合にも、基本演出設定への変更をストレスなく容易に可能である。つまり、多彩な演出が可能な複数の演出設定を搭載して興趣性の向上を可能としつつ、他の遊技者が設定した演出設定を基本演出設定へと変更する際に生じるストレスを軽減可能となる。よって、演出設定の変更にストレスを感じさせることなく多彩な演出を楽しむことが可能となる。これにより、本構成の遊技機は、「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記簡易選択操作入力は、前記特殊演出設定に設定された前記演出設定を前記基本演出設定に変更するために要する前記操作手段への操作入力の回数が、前記選択操作入力よりも少ない(通常キャラモード選択処理(S8004、図45)に係る通常手順によるキャラモードの変更には、少なくとも2回、通常ボタン40等の操作手段に対する操作入力が必要であるのに対し、簡易キャラモード選択処理(S8003、図44)に係る手順においては、初期設定に戻したい遊技者は、1回の操作入力だけで、初期設定への変更が可能)ことを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、簡易選択操作入力において、特殊演出設定から基本演出設定への変更のために要する操作手段への操作入力の回数が、選択操作入力よりも少ないことで、簡易選択操作入力を行う遊技者のストレスをより低減可能である。
発明B3:
発明B1または発明B2に記載の遊技機であって、
前記演出手段は所定の表示手段(画像表示装置50)を含むものであり、
前記演出制御手段は、
前記演出設定が前記特殊演出設定に設定されているときには、前記表示手段に、前記演出設定が前記基本演出設定でないことを示す特定表示(特定表示GT)を表示可能であり、
前記簡易選択操作入力を、前記特定表示の表示中に行うことが可能である(キャラモード選択処理(S4308、図43参照)において、特定表示GTを含む簡易初期化画像GKSの表示中に(S8002でYES)簡易キャラモード選択処理(S8003、図44参照)を行う)ことを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、簡易選択操作入力が可能な期間を、遊技者に適切に示すことが可能である。
発明B4:
発明B3に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記遊技演出を行わないときには、前記演出手段により所定の待機演出を実行可能であり、
前記特定表示を、前記待機演出にて表示可能であることを特徴とする遊技機。
本構成の遊技機では、遊技者は、遊技を開始する際に、前の遊技者によって設定された特殊演出設定が望むものではない場合における簡易選択操作入力が可能となる。
PY1…パチンコ遊技機
50…画像表示装置
50a…表示部
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
GS1…選択中画像
GT…特定表示
GT1…特殊キャラモード表示
GT2…キャラモード初期化表示
GY…初期化選択肢表示
GN…維持選択肢表示

Claims (1)

  1. 所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出制御手段を備える遊技機であって、
    前記演出制御手段は、
    遊技者が遊技を行っているときには、前記演出手段により所定の遊技演出を実行可能であり、
    前記遊技演出を行わないときには、前記演出手段により所定の待機演出を実行可能であり、
    前記遊技演出を、基本演出設定および特殊演出設定を含む複数の演出設定の候補のうち、設定された前記演出設定に基づいて実行可能であり、
    前記演出設定が前記特殊演出設定に設定された状態で前記遊技演出を実行した後の前記待機演出では、前記表示手段に、前記演出設定が前記基本演出設定でないことを示す特定表示を表示可能であり、
    前記待機演出として、複数の単位待機演出を所定の順序で実行可能な標準待機演出と、前記単位待機演出のひとつである特定単位待機演出にて前記特定表示を表示可能な特定待機演出とを実行可能であり、
    前記特定待機演出では、前記特定単位待機演出を、前記標準待機演出のときよりも長い時間、実行可能であることを特徴とする遊技機。
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