JP6678523B2 - 試算装置及び試算方法 - Google Patents

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本発明は、電力供給装置を有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を試算する試算装置及び試算方法に係り、特に、電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を試算する試算装置及び試算方法に関する。
近年、住宅や施設等の建物において分散電源や蓄電池等を設置するケースが増加している。また、分散電源を有する建物において当該建物内で消費される分以上の電力を発電した場合に、その余剰電力を系統電源に逆潮流させることで当該余剰電力を買い取ってもらうことがある。かかる場合、建物の保有者は、余剰料金の買い取り料金に相当する金銭を取得することになる。
一方、上記の金銭的利益を得る目的で分散電源や蓄電池を既存の建物や将来建設予定の建物に導入する場合には、余剰電力及びその買い取り料金を予測して採算性等を検討することになる。こうした理由から、余剰電力の買い取り料金を予測する技術が開発されてきており、その一例としては、特許文献1に記載の技術が挙げられる。
特許文献1に記載の技術は、販売対象の住宅において発生する余剰電力の買い取り料金を予測するものである。具体的に説明すると、特許文献1に記載の技術では、販売対象の住宅の立地条件や当該住宅の仕様、住宅内に設置される設備の仕様等に基づいて上記の買い取り料金(特許文献1では「売電料金」)を試算する。
ところで、近年、余剰電力の買い取り制度が見直され、以前は買い取り可能な余剰電力が太陽光発電装置の発電電力に限定されていたところ、太陽光発電装置以外の装置(具体的には燃料電池発電装置等)を発生源とする余剰電力の買い取りも検討されている。このように買い取り可能な余剰電力の発生源が多様化すると、当該余剰電力の買い取り単価が当該余剰電力の発生源の種類に応じて複数設定されることになる。こうした状況に対応する技術としては、特許文献2に記載の技術が挙げられる。
特許文献2に記載の技術によれば、余剰電力の供給源が分散電源のみであるときと、供給源が分散電源及び蓄電池の双方であるときとで、余剰電力の買い取り単価が異なるケースにおいて当該買い取り単価の違いを考慮して買い取り料金を計算する。つまり、特許文献2に記載の技術では、分散電源からの供給電力と蓄電池からの供給電力との間で余剰電力に対する電力買い取り単価を異ならせて買い取り料金を計算する。これにより、余剰電力の供給源に応じて適正な単価が設定され、結果として買い取り料金が適切に計算されるようになる。
特開2010−282546号公報 特開2012−63821号公報
ところで、分散電源や蓄電池等の電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を試算する際、特許文献2のように余剰電力の供給源に応じて電力買い取り単価が相違する場合には、その相違を考慮して試算する必要がある。より具体的に説明すると、余剰電力の供給源に応じて変化する電力買い取り単価に基づいて余剰電力の買い取り料金を試算する際には、当該買い取り料金を最大化させる上で適当な電力買い取り単価を選定し、選定された単価に対応する供給源からの余剰電力が極力多く発生するような状況を想定して買い取り単価を試算するのが望ましい。
しかし、特許文献2に記載の技術は、実際に発生した余剰電力の買い取り料金(すなわち、買い取り料金の実績値)を計算するものであり、電力買い取り単価の違いを考慮して買い取り料金を最大化させるようなケースを想定して当該買い取り料金を試算するものではない。その一方で、余剰電力の供給源毎に電力買い取り単価が異なる状況で当該単価の違いを考慮して余剰電力の買い取り料金を試算する技術については、その開発に対するニーズが高まってきている。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物が有する複数種類の電力供給装置の各々に対して設定された余剰電力の買い取り単価が互いに異なる場合に、当該買い取り単価の相違を考慮して余剰電力の買い取り料金を適切に試算することが可能な試算装置及び試算方法を提供することである。
前記課題は、本発明の試算装置によれば、電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算する試算装置であって、(A)前記建物における消費電力を特定する消費電力特定部と、(B)前記電力供給装置の供給電力を前記電力供給装置別に特定する供給電力特定部と、(C)前記電力供給装置別に設定された優先順位及び電力買い取り単価を記憶する記憶部と、(D)前記消費電力特定部により特定された前記消費電力と、前記供給電力特定部により特定された前記電力供給装置別の前記供給電力とに基づいて、前記余剰電力を前記電力供給装置別に算出する余剰電力算出部と、(E)該余剰電力算出部により算出された前記電力供給装置別の前記余剰電力と、前記記憶部に記憶された前記電力供給装置別の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出する買い取り料金算出部と、を有し、(F)前記余剰電力算出部は、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記電力供給装置別の前記優先順位に応じて利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出することにより解決される。
上記のように構成された本発明の試算装置では、電力供給装置を複数種類有する建物における消費電力を特定し、各電力供給装置の供給電力を電力供給装置別に特定する。一方、電力供給装置別に設定された優先順位及び電力買い取り単価を記憶している。そして、特定された消費電力と、特定された電力供給装置別の供給電力とに基づいて、余剰電力を電力供給装置別に算出する。この際、電力供給装置別の供給電力のうち、どの装置の供給電力を利用して消費電力を賄うのかを各電力供給装置の優先順位に応じて決定し、その決定内容に則って各電力供給装置の余剰電力を算出する。その後、算出された電力供給装置別の余剰電力と、電力供給装置別の電力買い取り単価と、に基づいて買い取り料金を算出する。以上のように本発明の試算装置では、電力供給装置間の電力買い取り単価の相違を各電力供給装置の優先順位に反映させ、当該優先順位に応じて各電力供給装置の余剰電力を算出する。この結果、電力買い取り単価の相違を考慮して余剰電力の買い取り料金を試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記記憶部は、より低い前記電力買い取り単価が設定された前記電力供給装置に対する前記優先順位がより高くなるように決められた前記電力供給装置別の前記優先順位を記憶しており、前記余剰電力算出部は、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記優先順位がより低い前記電力供給装置から順に利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出すると、好適である。
上記の構成では、建物での消費電力を賄うために、より優先順位が高い電力供給装置(換言すると、余剰電力の電力買い取り単価がより安価な電力供給装置)の供給電力を利用する。このような構成によれば、電力買い取り料金が最も高く設定された電力供給装置の余剰電力が極力多く発生するようなケースを想定して買い取り料金を試算することが可能となる。すなわち、上記の構成によれば、買い取り料金を最大化させることが可能なケースを想定して当該買い取り料金を試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記消費電力特定部は、燃料電池発電装置及び太陽光発電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、前記供給電力特定部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記供給電力を特定し、前記記憶部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々に対して設定された前記優先順位及び前記電力買い取り単価を記憶し、前記余剰電力算出部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記余剰電力を算出し、前記買い取り料金算出部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記余剰電力と、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出すると、より好適である。
上記の構成では、燃料電池発電装置及び太陽光発電装置を電力供給装置として有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算することが可能である。つまり、上記の構成では、燃料電池発電装置及び太陽光発電装置の間の電力買い取り単価の違いを考慮した上で余剰電力の買い取り料金を適切に試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記消費電力特定部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び蓄電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、前記供給電力特定部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記供給電力を特定し、前記記憶部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々に対して設定された前記優先順位及び前記電力買い取り単価を記憶し、前記余剰電力算出部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記余剰電力を算出し、前記買い取り料金算出部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記余剰電力と、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出すると、さらに好適である。
上記の構成では、燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置を電力供給装置として有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算することが可能である。つまり、上記の構成では、燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置の各々に対して設定された電力買い取り単価の違いを考慮した上で余剰電力の買い取り料金を適切に試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記消費電力特定部は、運転モードが可変な運転モード可変型の発電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、前記運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する前記運転モードにて運転したときのコストを算出するコスト算出部と、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に前記一定の電力のうちの一部が前記余剰電力として買い取られることで得られる利益額を算出する利益額算出部と、が備えられており、該利益額算出部により算出された前記利益額が前記コスト算出部により算出された前記コストを上回っているとき、前記買い取り料金算出部は、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した際に前記建物において発生する前記余剰電力の前記買い取り料金を算出すると、より一層好適である。
上記の構成では、運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する運転モードにて運転したときのコストと、同じ運転モードにて運転モード可変型の発電装置が運転した場合に発電電力の一部が余剰電力として買い取られることで得られる利益額と、を算出する。そして、コストよりも利益額の方が上回っているとき、運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する運転モードにて運転した際に建物において発生する余剰電力の買い取り料金を算出する。このような構成であれば、運転モード可変型の発電装置の運転モードとしてより合理的なモードを特定し、特定された運転モードにて上記発電装置が運転するケースでの余剰電力の買い取り料金を試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記消費電力特定部は、発電時に発生する排熱を回収可能な前記運転モード可変型の発電装置を有する前記建物における前記消費電力を特定し、前記利益額算出部は、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に前記一定の電力のうちの一部が前記余剰電力として買い取られることで得られる前記利益額と、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に発生する前記排熱を回収することで得られる第二の利益額と、前記利益額及び前記第二の利益額を合算して得られる合計利益額と、を算出し、前記利益額算出部により算出された前記合計利益額が前記コスト算出部により算出された前記コストを上回っているとき、前記買い取り料金算出部は、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した際に前記建物において発生する前記余剰電力の前記買い取り料金を算出すると、尚一層好適である。
上記の構成では、運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する運転モードにて運転した場合に発電電力の一部が余剰電力として買い取られることで得られる利益額と共に、運転モード可変型の発電装置が上記運転モードにて運転した場合に発生する排熱を回収することで得られる第二の利益額を算出する。そして、上記2つの利益額を合算した値(合計利益額)が、運転モード可変型の発電装置を上記の運転モードにて運転させたときのコストよりも上回っているとき、運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する運転モードにて運転した際に建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、算出する。このような構成であれば、運転モード可変型の発電装置が排熱回収型の発電装置である場合に、排熱回収による利益を考慮した上でより合理的な運転モードを特定し、特定された運転モードにて上記発電装置が運転するケースでの余剰電力の買い取り料金を試算することが可能となる。
また、上記の試算装置において、前記利益額算出部は、前記第二の利益額を算出するにあたり、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に発生する前記排熱を回収する際の回収率を、前記一定の電力の大きさに応じて決定し、決定した前記回収率に基づいて前記第二の利益額を算出すると、益々好適である。
上記の構成では、運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する運転モードにて運転した場合に発生する排熱を回収する際の回収率を、当該発電モードにおける発電電力の大きさに応じて決定する。そして、決定した回収率に基づいて排熱回収分の利益額(第二の利益額)を算出する。このような構成であれば、回収率が発電電力の大きさに応じて変動するケースにおいて、適切な回収率に基づいて排熱回収分の利益額を算出することが可能となる。
また、前述の課題は、本発明の試算方法によれば、電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算する試算方法であって、(A)コンピュータが、前記建物における消費電力を特定するステップと、(B)コンピュータが、前記電力供給装置の供給電力を前記電力供給装置別に特定するステップと、(C)コンピュータが、前記電力供給装置別に設定された優先順位及び電力買い取り単価を記憶する記憶部から前記優先順位及び前記電力買い取り単価を読み出すステップと、(D)コンピュータが、特定された前記消費電力と、特定された前記電力供給装置別の前記供給電力とに基づいて、前記余剰電力を前記電力供給装置別に算出するステップと、(E)コンピュータが、算出された前記電力供給装置別の前記余剰電力と、前記記憶部に記憶された前記電力供給装置別の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出するステップと、を有し、(F)前記余剰電力を算出するステップにおいて、コンピュータは、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記電力供給装置別の前記優先順位に応じて利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出することにより解決される。
上記の方法によれば、建物が有する複数種類の電力供給装置の各々に対して設定された余剰電力の買い取り単価が互いに異なる場合に、当該買い取り単価の相違を考慮して余剰電力の買い取り料金を試算することが可能となる。
本発明によれば、建物が有する複数種類の電力供給装置の各々に対して設定された余剰電力の買い取り単価が互いに異なる場合に、当該買い取り単価の相違を考慮して余剰電力の買い取り料金を試算することが可能となる。これにより、建物の保有者にとってより有利な条件で余剰電力が買い取られる場合、つまり、買い取り料金を最大化させることができるケースを想定して当該買い取り料金を試算することが可能となる。
余剰電力の買い取り料金を試算するために用いられる入力画面の一例を示す図である。 余剰電力の買い取り料金の試算結果が表示された出力画面の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る試算装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る試算装置の機能についての説明図である。 記憶部に記憶されている情報についての説明図である。 余剰電力の買い取り料金を試算する処理の流れを示す図である(その1)。 余剰電力の買い取り料金を試算する処理の流れを示す図である(その2)。 運転モード評価処理の流れを示す図である(その1)。 運転モード評価処理の流れを示す図である(その2)。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る試算装置及び試算方法について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、後述する各種画面(例えば、図1に図示の入力画面や図2に図示の出力画面)のデザインやレイアウト等については、あくまでも一例であり、ユーザの嗜好や機器仕様に応じて自由に設定してもよい。
また、以下では、既存の住宅を建物の一例に挙げて説明することとする。ただし、住宅は建物の一例に過ぎず、本発明は、他の建物(例えば商業ビル、工場内の建屋、店舗や公共施設等)にも適用可能なものである。
<<本実施形態に係る試算装置の概要>>
先ず、本実施形態に係る試算装置(以下、本装置1)の概要について説明する。本装置1は、コンピュータによって構成され、本実施形態では、住宅販売会社の従業員(以下、単に従業員)が利用するパソコンによって構成されている。
具体的に説明すると、従業員は、住宅の販促ツールとして本装置1を用いる。より詳しく説明すると、従業員が勤める営業所に住宅購入予定者(以下、商談相手)が来店したとき、従業員は、その商談相手に対して販売対象の住宅の仕様等について紹介する。この際、従業員は、本装置1を用いて住宅内でのエネルギー使用料金、すなわち光熱費を確認し、その光熱費を商談相手に提示する。
また、従業員は、太陽光発電装置等の自家発電装置や蓄電池等の蓄電装置を販売対象の住宅に設置すべき設備として商談相手に薦める。この際、従業員は、本装置1を用いて上記の装置を導入したときのメリットを確認し、そのメリットを商談相手に提示する。厳密に説明すると、従業員は、上記の自家発電装置や蓄電装置をはじめとする電力供給装置を住宅用設備として導入した場合に得られる金銭的メリットの額を商談相手に提示する。より具体的に説明すると、住宅用設備として導入された電力供給装置の供給電力の一部又は全部を電力会社や電力需要者等に買い取ってもらったときの買い取り料金(いわゆる売電料金)が、上記金銭的メリットの額として提示される。
なお、本実施形態では、燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置が住宅に設置する電力供給装置の候補として挙げられている。これらの装置は、互いに種類が異なる電力供給装置に相当し、それぞれが異なる電力供給方式にて電力を供給する。各電力供給装置について説明すると、太陽光発電設備は、一般的な太陽光パネル及び付属機器によって構成されており、住宅の屋根や外壁に取り付けられる。蓄電装置は、一般的な蓄電池及び付属機器によって構成されており、発電装置や系統電源から供給される電力を蓄電し、蓄電された電力を住宅内の電力消費機器(負荷)に向けて放電する。
燃料電池発電装置は、一般的な家庭用燃料電池及び付属機器によって構成されている。また、本実施形態の燃料電池発電装置(つまり、従業員が紹介する燃料電池発電装置)は、排熱回収型の燃料電池発電装置であり、発電時に発生する燃焼ガスの排熱を回収する。さらに、本実施形態の燃料電池発電装置は、運転モードが可変な運転モード可変型の発電装置に相当し、具体的には3種類の運転モードの中から一つを選択し、選択された運転モードに従って運転する。なお、運転モードについては後に説明する。
次に、本装置1の利用方法について概説する。本装置1には、光熱費や売電料金を試算するためのコンピュータプログラム(以下、試算プログラム)がインストールされており、本装置1の利用に際して当該試算プログラムが起動する。試算プログラムが起動すると、本装置1のディスプレイに図1に図示の入力画面が描画される。図1は、光熱費や売電料金を試算するために用いられる入力画面の一例を示す図である。
そして、従業員は、上記の入力画面を通じて必要な各種情報を入力する。具体的には、販売対象の住宅の仕様や商談相手のライフスタイル(生活パターン)等に関する情報を図1に図示の入力画面上で入力する。また、商談相手が電力供給装置の設置を希望した場合、従業者は、当該電力供給装置の種類や性能等を入力画面上で入力する。なお、入力情報の内容については、図1に図示された内容に限定されず、同図に図示された内容以外の内容が含まれてもよい。
入力完了後、従業員が入力画面中に設けられた試算実行ボタン(図1中、「試算実行」と記されたボタン)をクリックすると、本装置1が、入力情報に基づいて販売対象の住宅における光熱費を試算するためのデータ処理を実行する。また、入力画面にて電力供給装置の設置が選択されて当該装置の種類や性能等が入力された場合、本装置1は、設置される電力供給装置の供給電力を計算するデータ処理を実行する。さらに、計算された電力供給装置の供給電力が住宅における消費電力を上回って余剰電力が発生する場合、本装置1は、当該余剰電力及びその買い取り料金(すなわち、売電料金)を試算するデータ処理を実行する。なお、以上の各データ処理は、上述した試算プログラムに規定されている。
そして、上記の各データ処理が実行された後、本装置1のディスプレイには図2に図示の出力画面が描画され、当該出力画面において各種の試算結果が表示される。具体的に説明すると、同図に示すように、販売対象の住宅における所定期間(例えば1年間)の光熱費の試算結果が出力画面に表示される。また、電力供給装置の設置を希望した場合には、光熱費中、電力供給装置の供給電力によって賄われる分の金額の試算結果(すなわち、電気料金の削減量)が出力画面に表示される。さらに、電力供給装置の供給電力が住宅における消費電力を上回って余剰電力が発生する場合には、所定期間の売電料金の試算結果が出力画面に表示される。なお、図2は、光熱費や売電料金の試算結果を表示するための出力画面の一例を示す図である。
従業員は、ディスプレイに表示された各種の試算結果を見て販売対象の住宅における光熱費や売電料金等を把握し、その内容を販売対象の住宅に関する情報として商談相手に報告する。なお、本実施形態では、住宅の販促ツールとして本装置1を用いることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、既存の住宅に対するリフォーム工事を当該住宅の居住者に対して薦める際の営業ツールとして本装置1を用いてもよい。また、本実施形態では、本装置1が住宅販売会社の従業員によって利用されることとしたが、これに限定されるものではなく、住宅購入やリフォーム工事を検討している者によって本装置1が利用されてもよい。この場合、住宅購入やリフォーム工事を検討している者が所有する端末によって本装置1が構成されてもよい。あるいは、クラウドサービス用のサーバが本装置1として機能し、住宅購入やリフォーム工事を検討している者が自己の所有端末を通じて上記サーバにアクセスすることで本装置1の機能を利用してもよい。
<<本実施形態に係る試算装置の構成について>>
次に、本装置1の構成について図3を参照しながら説明する。図3は、本装置1のハードウェア構成を示す図である。本装置1は、前述したようにコンピュータによって構成され、より具体的には従業員が利用するパソコンによって構成されている。当該パソコンのハードウェア構成は、一般的なパソコンと同様の構成となっており、図3に示すように、CPU1a、ROMやRAMからなるメモリ1b、ハードディスクドライブ1c、キーボードやマウス等からなる入力機器1d、ディスプレイ等からなる出力機器1eを備える。
なお、上記のパソコンに外付けされたプリンタが出力機器1eとして更に備えられていてもよい。また、ハードディスクドライブ1c以外の記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ等)がハードディスクドライブ1cの代わりに、あるいはハードディスクドライブ1cと共に備わっていてもよい。
また、ハードディスクドライブ1cには上述の試算プログラムが格納されている。この試算プログラムがCPU1aに読み取られて実行されることにより、本装置1を構成しているパソコンが試算装置として機能するようになる。
本装置1の機能について説明すると、本装置1は、入力画面にて入力された情報に基づいて、販売対象の住宅において単位時間あたりに消費される電力、ガス量及び水道水量を特定し、その特定結果から上記住宅での年間光熱費を試算する。なお、本実施形態では年間光熱費を試算することとしたが、光熱費の試算単位については任意に設定することが可能であり、例えば、1日、1週間又は1カ月を単位として光熱費を試算してもよい。
また、本装置1は、入力画面にて電力供給装置の設置が選択されて当該装置の種類や性能等が入力されると、当該入力情報に基づいて、電力供給装置が単位時間あたりに供給する電力(供給電力)を特定する。そして、本装置1は、電力供給装置によって供給された電力量に相当する金額を電気料金の削減量として試算する。なお、本実施形態では、電力供給装置の供給電力から試算される電気料金の削減量が1年単位の削減量(すなわち、年間削減量)となっている。電気料金の削減量を試算する際の単位(期間)については任意に設定することが可能であるが、光熱費の試算単位と合わせるのが望ましい。
さらに、本装置1は、電力供給装置の供給電力が住宅における消費電力を上回って余剰電力が発生して当該余剰電力が買い取られるケースにおいて、その買い取り料金、すなわち売電料金を試算する。なお、本実施形態では、売電料金が1年単位の料金(すなわち、年間売電料金)となっている。売電料金を試算する際の単位(期間)については任意に設定することが可能であるが、光熱費の試算単位と合わせるのが望ましい。
次に、本装置1の構成を機能面、特に売電料金を試算する機能の観点から改めて説明する。本装置1は、図4に図示の機能部を備えており、具体的には、入力情報取得部11と、記憶部12と、消費電力特定部13と、供給電力特定部14と、余剰電力算出部15と、売電料金算出部16と、コスト算出部17と、利益額算出部18と、出力部19とを有する。図4は、本装置1の機能についての説明図である。
上記の各機能部は、本装置1を構成するコンピュータのハードウェア機器(具体的には、CPU1a、メモリ1b、ハードディスクドライブ1c、入力機器1d及び出力機器1e)がソフトウェアとしての試算プログラムと協働することで実現される。以下、それぞれの機能部について説明する。
入力情報取得部11は、光熱費や売電料金を試算するのに必要な情報として、図1に図示した入力画面を通じて入力される情報を取得する。具体的に説明すると、入力情報取得部11は、販売対象の住宅の立地条件に関する情報と、住宅の仕様や住宅内の部屋に関する情報と、住宅に設置される設備に関する情報と、を入力情報として取得する。
入力情報の詳細について図1を参照しながら説明すると、販売対象の住宅の立地条件に関する情報(以下、立地条件情報)は、図1に図示した入力画面中、最上段のエリアで入力される情報であり、具体的には、販売対象の住宅の所在地、及び当該所在地が属する地域区分(住宅事業建築主判断基準にて定められた地域区分)等が立地条件情報として入力される。
住宅の仕様に関する情報(以下、建物仕様情報)は、入力画面中、立地条件情報の入力エリアの直下に位置するエリアで入力される情報であり、具体的には、住宅の断熱等性能等級(住宅の品質確保の促進等に関する法律にて定められた等級)、屋根形状、延床面積、空調様式(全館空調であるか否か)等が建物仕様情報として入力される。
住宅内の部屋に関する情報(以下、部屋情報)は、入力画面中、建物仕様情報の入力エリアの直下に位置するエリアで入力される情報であり、具体的には、各部屋の広さ、各部屋の暖房様式、各部屋の主な利用者等が部屋情報として入力される。
住宅に設置される設備に関する情報(以下、設備情報)は、入力画面中の下部で入力される情報であり、具体的には、各設備について設置の有無、及び、設置される設備の性能や台数等が設備情報として入力される。
設備情報について詳しく説明すると、本実施形態では、電力供給装置である燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置の各々に関する情報が入力されることになっている。より厳密に説明すると、太陽光発電装置に関する設備情報として当該装置の設置の有無を入力し、設置有りの場合には各方位別の発電容量をさらに入力する。また、燃料電池発電装置に関する設備情報として、排熱回収型の燃料電池発電装置の設置の有無を入力し、設置有りの場合には当該発電装置の発電容量をさらに入力する。また、蓄電装置に関する設備情報として当該装置の設置の有無を入力し、設置有りの場合には蓄電装置の容量及び設置台数をさらに入力する。
なお、本実施形態では、上述の設備情報の他に、HEMS(Home Energy Management System)に関する設備情報としてHEMS導入の有無を入力することになっている。
記憶部12は、光熱費や売電料金を試算する上で必要となる各種情報を記憶している。ここで、記憶部12に記憶されている情報について図5を参照しながら説明する。図5は、記憶部12に記憶されている情報についての説明図である。
記憶部12には、図5に示すように光熱費試算用情報D1と売電料金試算用情報D2とが記憶されている。光熱費試算用情報D1としては、上述した入力情報とエネルギー使用量との対応関係、各種エネルギー使用料金の単価、光熱費試算に用いられる演算式やパラメータ又は数理モデル等が該当する。
売電料金試算用情報D2としては、図5に示すように、供給電力特定用情報D21、電力買い取り単価D22及び優先順位D23が該当する。これらの情報は、設備情報が入力される複数種類の電力供給装置、すなわち燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置の各々に対して用意されている。また、燃料電池発電設備については、上記の3つの売電料金試算用情報D2に加え、回収率決定用情報D24がさらに用意されている。
供給電力特定用情報D21は、各電力供給装置の供給電力を特定する際に用いられる情報であり、具体的には、入力画面にて入力された設備情報(厳密には、電力供給装置の性能や台数等)と供給電力との対応関係を示す情報である。電力買い取り単価D22は、各電力供給装置の供給電力を余剰電力として買い取るときの買い取り単価を示している。なお、本実施形態では、燃料電池発電装置、蓄電装置、太陽光発電装置の順に電力買い取り単価が高くなっており、燃料電池発電装置の電力買い取り単価が最も安くなっている。そして、記憶部12は、上記の如く設定された各電力供給装置別の電力買い取り単価D22を記憶している。
優先順位D23は、複数種類の電力供給装置が設置された住宅においてどの装置の供給電力を優先的に自家消費するか(つまり、住宅における消費電力を賄うために利用するか)を決めるために設定された情報である。なお、本実施形態では、より低い電力買い取り単価が設定された電力供給装置に対する優先順位D23がより高くなるように各電力供給装置別の優先順位D23が設定されている。つまり、本実施形態では、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池発電装置の順に優先順位D23が高くなっており、燃料電池発電装置の優先順位D23が最も高くなっている。そして、記憶部12は、上記の如く設定された各電力供給装置別の優先順位D23を記憶している。
回収率決定用情報D24は、排熱回収型の燃料電池発電装置が発電した際に発生する排熱の回収率を決定するために参照される情報である。より詳しく説明すると、一般的に、排熱回収型の燃料電池発電装置が発電する電力(発電電力)の大きさが大きくなるほど、排熱の回収率が下がる傾向にある。本実施形態では、このような傾向(対応関係)を数式化して記憶部12に記憶している。より具体的に説明すると、排熱回収型の燃料電池発電装置の発電電力の大きさをGとし、当該大きさGの電力を発電している時点での回収率をTとすると、両者の対応関係は、下記の関係式(m1)にて表現される。
T=f(G) (m1)
そして、記憶部12は、上記の関係式(m1)を回収率決定用情報D24として記憶している。
消費電力特定部13は、販売対象の住宅における消費電力を特定する。より詳しく説明すると、消費電力特定部13は、入力情報取得部11が取得した入力情報(具体的には立地条件情報、建物仕様情報、部屋情報及び設備情報)と、記憶部12に記憶された光熱費試算用情報D1とに基づいて消費電力を特定する。
供給電力特定部14は、入力画面にて設置有りと入力された電力供給装置の供給電力を特定する。より詳しく説明すると、供給電力特定部14は、記憶部12において電力供給装置別に記憶された供給電力特定用情報D21のうち、入力画面にて設置有りと入力された電力供給装置の供給電力特定用情報D21を読み出すことにより、当該装置の供給電力を特定する。なお、入力画面にて設置有りと入力された電力供給装置が複数種類ある場合、供給電力特定部14は、電力供給装置別に供給電力を特定する。
余剰電力算出部15は、消費電力特定部13により特定された消費電力と、供給電力特定部14により特定された電力供給装置の供給電力とに基づいて余剰電力を算出する。より詳しく説明すると、余剰電力算出部15は、消費電力と供給電力とを比較し、供給電力に余剰が生じる場合に当該余剰分の供給電力を余剰電力として算出する。
また、供給電力特定部14が複数種類の電力供給装置の各々の供給電力を電力供給装置別に特定した場合、余剰電力算出部15は、電力供給装置別に余剰電力を算出する。この際、余剰電力算出部15は、住宅での消費電力を賄うために電力供給装置別の供給電力を前述の優先順位D23に応じて利用したときの余剰電力を、電力供給装置別に算出する。すなわち、本実施形態において、余剰電力算出部15は、優先順位がより低い電力供給装置の供給電力から順に自家消費したとき余剰電力を、電力供給装置別に算出する。
より分かり易く説明すると、本実施形態では、前述したように、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池発電装置の順に優先順位D23が高くなっている。したがって、燃料電池発電装置の供給電力、蓄電装置の供給電力、太陽光発電装置の供給電力の順に自家消費されることになる。ここで、住宅の消費電力が燃料電池発電装置の供給電力のみによって賄われる場合、余剰電力算出部15は、燃料電池発電装置、蓄電装置及び太陽光発電装置の各々について余剰電力を算出する。なお、この場合、蓄電装置及び太陽光発電装置については、その供給電力の全量が余剰電力となる。
また、住宅の消費電力が燃料電池発電装置及び蓄電装置の双方の供給電力によって賄われる場合、余剰電力算出部15は、蓄電装置及び太陽光発電装置の各々について余剰電力を算出する。なお、この場合、太陽光発電装置については、その供給電力の全量が余剰電力となる。また、住宅の消費電力が燃料電池発電装置、蓄電装置及び太陽光発電装置の供給電力によって賄われる場合、余剰電力算出部15は、太陽光発電装置の余剰電力を算出する。
売電料金算出部16は、買い取り料金算出部に相当し、余剰電力算出部15により算出された余剰電力と、記憶部12に記憶された電力買い取り単価D22とに基づいて売電料金(すなわち、余剰電力の買い取り料金)を算出する。余剰電力算出部15が複数の電力供給装置の各々の余剰電力を電力供給装置別に算出したとき、売電料金算出部16は、電力供給装置別の余剰電力の各々に、記憶部12において電力供給装置別に記憶された電力買い取り単価D22のうち、対応する単価を乗じて得られる値(積)を合算して売電料金を算出する。なお、本実施形態において、売電料金算出部16は、1年単位で売電料金(すなわち、年間の売電料金)を算出する。
コスト算出部17は、入力画面にて燃料電池発電装置の設置が選択された場合に、当該燃料電池発電装置の運転コストを概算する。具体的に説明すると、本実施形態に係る燃料電池発電装置は、運転モード可変型の発電装置であり、3つの運転モードの中から選択された一つの運転モードに従って運転する。
燃料電池発電装置が選択可能な3つの運転モードは、負荷追従運転モード、100%出力運転モード及び80%出力運転モードである。負荷追従運転モードは、住宅内の電力負荷(消費電力)に応じて発電し余剰電力を発生させない運転モードである。100%出力運転モードは、一定の電力、厳密には燃料電池発電装置の定格出力の100%に相当する電力を発電する運転モードである。80%出力運転モードは、一定の電力、厳密には燃料電池発電装置の定格出力の80%に相当する電力を発電する運転モードである。なお、燃料電池発電装置が選択可能な運転モードの数及び種類については、上記の内容に限定されるものではなく、自由に設定することが可能である。
そして、コスト算出部17は、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転するときのコスト、具体的には、発電時に消費する燃料ガスの使用料金(ガス料金)を算出する。なお、コスト算出部17による運転コストの計算は、売電料金算出部16が売電料金を算出する前段階で実施されることになっている。より詳しく説明すると、本実施形態では、売電料金算出部16による売電料金の算出を行うか否かを判断する際の判断材料として、コスト算出部17が算出した運転コストが用いられることになっている。
利益額算出部18は、入力画面にて燃料電池発電装置の設置が選択された場合に、当該燃料電池発電装置によってもたらされる金銭的メリットを概算する。具体的に説明すると、利益額算出部18は、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転する際に得られる金銭メリットとして、個別売電料金、排熱回収分の利益額及びこれらの合計利益額を算出する。
個別売電料金とは、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転したときの発電電力のうちの一部が余剰電力として買い取られることで得られる利益額である。厳密に説明すると、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転したときの発電電力から住宅の消費電力を差し引き、その差分に燃料電池発電装置の電力買い取り単価D22を乗じることで個別売電料金が算出される。
排熱回収分の利益額は、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転した場合に発生する排熱を回収することで得られる第二の利益額である。厳密に説明すると、燃料電池発電装置が100%出力運転モード又は80%出力運転モードにて運転したときに発生する排熱量を計算し、当該排熱量に回収率を乗じて排熱回収量を算出する。その後、算出された排熱回収量に一定の利用率(排熱回収量のうち、有効に利用される割合)を乗じて排熱利用量を計算し、当該排熱利用量をガス料金に換算することで排熱回収分の利益額が得られる。
なお、排熱の回収率は、燃料電池発電装置が発電する電力の大きさに応じて変化し、その対応関係は、前述の回収率決定用情報D24が示す関係式(m1)によって規定されている。したがって、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転する際の回収率と、80%出力運転モードにて運転する際の回収率とは、互いに異なる。このため、利益額算出部18は、排熱回収分の利益額を算出するにあたり、選択された運転モードを特定し、当該運転モードにて燃料電池発電装置が運転したときの回収率を上記の関係式(m1)に基づいて特定する。
合計利益額は、個別売電料金及び排熱回収分の利益額を合算して得られる利益額である。なお、利益額算出部18による利益額の計算は、売電料金算出部16が売電料金を算出する前段階で実施されることになっている。より詳しく説明すると、本実施形態では、売電料金算出部16による売電料金の算出を行うか否かを判断する際の判断材料として、利益額算出部18が算出した利益額が用いられることになっている。
出力部19は、本装置1のディスプレイに図2に出力画面を描画し、売電料金算出部16の算出結果を売電料金の試算値として上記の出力画面に表示する。なお、本実施形態では、売電料金の試算値を出力する方法として、当該試算値を画面表示する方法を採用しているが、これに限定されるものではない。上記以外の出力方法、例えば、試算値が記載された帳票を不図示のプリンタにて印刷する方法を採用してもよい。
<<本実施形態に係る試算方法について>>
次に、本装置1を用いて、販売対象の住宅において発生する余剰電力の買い取り料金、すなわち売電料金を試算する方法について説明する。本実施形態に係る試算方法は、本装置1を構成するコンピュータにおいてCPU1aが試算プログラムを実行することによって実現される。より詳しく説明すると、試算プログラムによって規定されているデータ処理(以下、売電料金試算フロー)が実行されることにより、本装置1を構成するコンピュータが本実施形態に係る試算方法に則って売電料金を試算する。つまり、売電料金試算フローでは、本実施形態に係る試算方法が採用されており、同フロー中の各工程は、本実施形態に係る試算方法の構成要素をなしている。
以下では、本実施形態に係る試算方法についての説明として、売電料金試算フローの流れについて説明することとする。なお、以下では、太陽光発電装置、蓄電装置及び排熱回収型の燃料電池発電装置が電力供給装置として設置された住宅を想定し、当該住宅において発生する発電電力の買い取り料金(売電料金)を試算するケースを例に挙げて説明することとする。
売電料金試算フローは、本装置1を構成するコンピュータ(具体的にはパソコン)が従業員に操作されることによって開始される。売電料金試算フローは、図6及び図7に図示された流れに従って進行する。図6及び図7は、売電料金試算フローの流れを示す図である。以下では、図6及び図7に図示された流れに沿って売電料金試算フローを説明する。
売電料金試算フローが開始されると、本装置1を構成するコンピュータのディスプレイに、図1に図示の入力画面が描画される。従業者は、入力画面を通じて、売電料金を試算する上で必要となる情報(具体的には、立地条件情報、建物仕様情報、部屋情報及び設備情報)を入力する。これにより、上記のコンピュータは、入力画面を通じて従業者が入力した情報(入力情報)を取得する(S001)。
次に、本装置1を構成するコンピュータは、住宅に設置される燃料電池発電装置が選択可能な3つの運転モードについて、運転モード評価処理を実行する(S002)。この運転モード評価処理は、3つの運転モードの中から、推奨すべき一つの運転モードを指定するための処理であり、図8及び図9に図示された流れに従って進行する。図8及び図9は、運転モード評価処理の流れを示す図である。以下、図8及び図9に図示された流れに沿って運転モード評価処理を説明する。
運転モード評価処理では、先ず、燃料電池発電装置が負荷追従運転モードにて運転したケースをシミュレーションし、当該ケースでの平均発電出力(平均発電電力)及び排熱の回収率を算出する(S021)。具体的に説明すると、本ステップS021では、ステップS001にて取得した入力情報に基づき、住宅における消費電力及び給湯負荷等を予測する。また、予測した消費電力に応じて燃料電池発電装置の発電量を予測し、厳密には1年分の年間発電量を予測する。さらに、発電に伴って発生する排熱量と、当該排熱量の回収量(排熱回収量)とを予測する。そして、予測された年間発電量、排熱量及び排熱回収量から平均発電出力及び排熱の回収率を算出する。なお、平均発電出力及び排熱回収率は下記の式(m2)、(m3)によって求められる。
平均発電出力=年間発電量÷24時間÷燃料電池発電装置の年間運転日数 (m2)
排熱の回収率=排熱回収量÷総排熱量 (m3)
次に、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの運転コスト及び利益額を算出する(S022)。本ステップS022において算出する利益額は、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの発電電力の一部が余剰電力として買い取られることで得られる利益額、すなわち個別売電料金である。なお、本ステップS022では、燃料電池発電装置の定格出力からステップS021で算出した平均発電出力を差し引いた分を余剰電力としている。
また、ステップS022において算出する運転コストは、厳密に説明すると、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの運転コストから負荷追従型運転モードにて運転したときの運転コストを差し引いた差分、すなわち運転コストの増加分である。
ステップS022にて燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの運転コスト及び利益額を算出した後、算出した運転コスト及び利益額を対比し、両者の大小関係を特定する(S023)。そして、利益額が運転コストを上回った場合、100%出力運転モードを推奨候補として設定する(S026)。
一方、運転コストが利益額を上回った場合、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの排熱回収分の利益額を算出し、これをステップS022にて算出した利益額(個別売電料金)に合算する(S024)。なお、排熱回収分の利益額を算出する過程において排熱の回収率を決定することになるが、この際、ステップS021で求めた回収率を、回収率決定用情報D24が示す関係式(m1)にて補正する。そして、補正後の回収率を、燃料電池発電装置が100%出力運転モードにて運転したときの排熱の回収率として決定し、当該回収率に基づいて排熱回収分の利益額を算出する。
合計利益額を算出した後、当該合計利益額とステップS022で算出した運転コストとを対比し、両者の大小関係を特定する(S025)。そして、合計利益額が運転コストを上回った場合、100%出力運転モードを推奨候補として設定する(S026)。
次に、燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの運転コスト及び利益額を算出する(S027)。本ステップS027は、ステップS022と同様の手順にて行われる。すなわち、本ステップ027において算出する利益額は、燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの発電電力の一部が余剰電力として買い取られることで得られる個別売電料金である。なお、本ステップS027では、燃料電池発電装置の定格出力の80%に相当する電力からステップS021で算出した平均発電出力を差し引いた分を余剰電力としている。また、本ステップS027において算出する運転コストは、燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの運転コストから負荷追従型運転モードにて運転したときの運転コストを差し引いた差分、すなわち運転コストの増加分である。
ステップS027にて燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの運転コスト及び利益額を算出した後、算出した運転コスト及び利益額を対比し、両者の大小関係を特定する(S028)。そして、利益額が運転コストを上回った場合、80%出力運転モードを推奨候補として設定する(S031)。
一方、運転コストが利益額を上回った場合、燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの排熱回収分の利益額を算出し、これをステップS027にて算出した利益額(個別売電料金)に合算する(S029)。なお、排熱回収分の利益額を算出する過程において、ステップS021で求めた回収率を、回収率決定用情報D24が示す関係式(m1)にて補正し、補正後の回収率を、燃料電池発電装置が80%出力運転モードにて運転したときの排熱の回収率として決定する。そして、決定された回収率に基づいて排熱回収分の利益額を算出する。
合計利益額を算出した後、当該合計利益額とステップS027で算出した運転コストとを対比し、両者の大小関係を特定する(S030)。そして、合計利益額が運転コストを上回った場合、80%出力運転モードを推奨候補として設定する(S031)。
以上までのステップが終了すると、その時点で100%出力運転モード及び80%出力運転モードのうちの少なくとも一方が推奨候補として設定されているかどうかを判定する(S032)。そして、上記2つの運転モードのいずれもが推奨候補でない場合、つまり、推奨候補が設定されていない場合、負荷追従運転モードを推奨モードとする(S033)。
一方、上記2つの運転モードの少なくとも一方が推奨候補である場合、推奨候補が2つであるかどうか、すなわち、100%出力運転モード及び80%出力運転モードの双方が推奨候補として設定されているかどうかを更に判定する(S034)。そして、上記2つの運転モードのうちの一方のみが推奨候補として設定されていると判定した場合、当該推奨候補が100%出力運転モードであるならば(S035でYes)、100%出力運転モードを推奨モードとする(S036)。他方、推奨候補が80%出力運転モードであるならば(S035でNo)、80%出力運転モードを推奨モードとする(S037)。
ステップS034において100%出力運転モード及び80%出力運転モードの双方が推奨候補として設定されていると判定した場合には、双方の運転モードのうちのどちらがより合理的な運転モードであるのかを更に判定する(S038)。具体的に説明すると、100%出力運転モードについて、ステップS022で算出した利益額又はステップS024で算出した合計利益額からステップS022で算出した運転コストを差し引き、その差分を求める。同様に、80%出力運転モードについて、ステップS027で算出した利益額又はステップS029で算出した合計利益額からステップS027で算出した運転コストを差し引き、その差分を求める。
そして、100%出力運転モードについて求めた差分が80%出力運転モードについて求めた差分より大きい場合、すなわち、100%出力運転モードの方がより合理的である場合、100%出力運転モードを推奨モードとする(S036)。他方、80%出力運転モードについて求めた差分が100%出力運転モードについて求めた差分より大きい場合、すなわち、80%出力運転モードの方がより合理的である場合、80%出力運転モードを推奨モードとする(S037)。
以上までのステップが完了した時点で、運転モード評価処理が終了する。
売電料金試算フローの流れについて再び図6及び図7を参照しながら説明すると、運転モード評価処理が終了した後、本装置1を構成するコンピュータは、同処理で設定された推奨モードに応じて以降のステップを実施する。具体的に説明すると、負荷追従運転モードが推奨モードとなっている場合(S003でYes)、上記のコンピュータは、売電料金試算フローを終了する。また、100%出力運転モードが推奨モードとなっている場合(S003でNo、S004でYes)、上記のコンピュータは、100%出力運転モードで燃料電池発電装置を運転したときの供給電力、すなわち発電電力を特定する(S005)。また、80%出力運転モードが推奨モードとなっている場合(S003でNo、S004でNo)、上記のコンピュータは、80%出力運転モードで燃料電池発電装置を運転したときの供給電力、すなわち発電電力を特定する(S006)。
さらに、本装置1を構成するコンピュータは、残りの電力供給装置の供給電力、具体的には太陽光発電装置の発電電力及び蓄電装置の放電電力を、それぞれ特定する(S007)。その後、上記のコンピュータは、住宅における消費電力を特定する(S008)。なお、本実施形態では、運転モード評価処理中のステップS021にて予測された消費電力を援用し、援用された当該消費電力をステップS008において特定する。
その後、前ステップで求めた燃料電池発電装置、太陽光発電装置及び蓄電装置の各々の供給電力を合算して総供給電力を求めた上で、総供給電力がステップS008にて特定した消費電力よりも上回っているかどうか、換言すると余剰電力が発生するか否かを判定する(S009)。余剰電力が発生しないと判定した場合、売電料金試算フローは終了する。
一方、余剰電力が発生すると判定した場合、本装置1を構成するコンピュータは、メモリ1b又はハードディスクドライブ1c(すなわち、記憶部12)に記憶されている各電力供給装置の優先順位D23及び電力買い取り単価D22を読み出す(S010)。
その後、本装置1を構成するコンピュータは、ステップS005〜007にて特定した各電力供給装置の供給電力と、ステップS008にて特定した住宅での消費電力とに基づいて、各電力供給装置の余剰電力を電力供給装置別に算出する(S011)。この際、上記のコンピュータは、優先順位がより低い電力供給装置の供給電力から順に自家消費したときの余剰電力を、電力供給装置別に算出する。
より具体的に説明すると、本実施形態では、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池発電装置の順に優先順位D23が高くなっている。このため、燃料電池発電装置の供給電力、蓄電装置の供給電力、太陽光発電装置の供給電力の順に自家消費されることになる。したがって、例えば、住宅の消費電力が燃料電池発電装置の供給電力のみによって賄われる場合には、燃料電池発電装置、蓄電装置及び太陽光発電装置の各々について余剰電力を算出することになる。
電力供給装置別に余剰電力を算出した後、本装置1を構成するコンピュータは、各電力供給装置の余剰電力に対して対応する電力買い取り単価D22を乗じ、その値(積)を合算することで売電料金を算出する(S012)。なお、本実施形態では、1年単位で売電料金(年間の売電料金)を算出することになっている。
その後、上記のコンピュータは、図2に図示の出力画面をディスプレイに描画し、前ステップS012の算出結果、すなわち売電料金の試算値を上記出力画面に表示する(S013)。以上までのステップが完了した時点で売電料金試算フローが終了する。
<<本実施形態の有効性について>>
本実施形態では、上述したように、販売対象の住宅における消費電力を特定し、住宅に設置される複数種類の電力供給装置の各々の供給電力を特定した上で、余剰電力を電力供給装置別に算出する。この際、電力供給装置別の供給電力のうち、どの装置の供給電力を自家消費するのかを各電力供給装置の優先順位に応じて決定し、その決定内容に則って各電力供給装置の余剰電力を算出する。その後、電力供給装置別に算出した余剰電力と、電力供給装置別に設定された電力買い取り単価と、に基づいて売電料金を算出する。このような構成により、本実施形態では、電力供給装置間の電力買い取り単価の相違を考慮した上で売電料金を試算することが可能となる。
特に、本実施形態では、余剰電力の電力買い取り単価がより安価な電力供給装置であるほど、より高い優先順位が設定されている。そして、より優先順位が高い電力供給装置の供給電力から順に自家消費される。つまり、本実施形態では、電力買い取り単価が高い電力供給装置の余剰電力を優先的に買い取らせるという条件の下で売電料金を試算する。これにより、売電料金の試算値を最大化させるケースを想定して当該売電料金を試算することが可能となる。
また、本実施形態では、電力供給装置としての燃料電池発電装置が運転モード可変型の発電装置であることとした。そして、売電料金を算出する過程において、選択可能な運転モード(具体的には3つの運転モード)のうち、どの運転モードが最も合理的であるかを評価することとした。これにより、最も合理的な運転モードにて燃料電池発電装置が運転する場合の光熱費や売電料金を試算することが可能となる。
また、本実施形態では、電力供給装置としての燃料電池発電装置が排熱回収可能な発電装置であることとした。そして、それぞれの運転モードの合理性を評価する際には、当該運転モードにて運転した場合に発生する排熱を回収することで得られる利益額(すなわち、排熱回収分の利益額)を加味することとした。これにより、各運転モードの合理性の評価結果がより妥当なものとなる。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の試算装置及び試算方法について、一例を挙げて説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、本装置1の機能が一台のコンピュータ(具体的には、従業員が利用するパソコン)によって実現されているが、これに限定されるものではない。本装置1が複数のコンピュータによって構成されており、本装置1のある機能(例えば、記憶部12に相当する機能)とそれ以外の機能とが、互いに異なるコンピュータによって実現されてもよい。
また、上記の実施形態では、余剰電力の買い取り単価が安価な電力供給装置に対して、より高い優先順位が設定されることとした。ただし、優先順位については自由に設定することができ、例えば、電力買い取り単価以外の項目(例えば、電力供給が安定している度合いを示す指標等)に応じて優先順位を設定してもよい。
また、上記の実施形態では、燃料電池発電装置、蓄電装置、太陽光発電装置の順に電力買い取り単価が高く設定されていることとした。ただし、電力買い取り単価の設定については、上記の内容に限定されるものではなく、時期や地域の違いを反映させて設定してもよく、あるいは、制度改正や社会情勢等を反映して適宜変更してもよい。
また、上記の実施形態では、販売対象の住宅に設置される電力供給装置の一例として、太陽光発電装置、燃料電池発電装置及び蓄電装置を挙げて説明した。ただし、電力供給装置は、上記の種類に限定されるものではなく、他の種類の装置(例えば、太陽光以外の自然エネルギーを利用して発電する装置やガスエンジン型の発電装置)であってもよい。
また、上記の実施形態では、電力供給装置である燃料電池発電装置が、排熱回収可能な発電装置であり、かつ、運転モード可変な発電装置であることとした。ただし、燃料電池発電装置の仕様については、特に限定されるものではなく、上記の内容とは異なる仕様であってもよい。
また、上記の実施形態では、電力供給装置である燃料電池発電装置が選択可能な運転モードを評価するにあたり、当該運転モードにて運転したときのコストや利益額を求めることとした。また、利益額については、発電に伴って発生する排熱を回収した分の利益を求めることとした。また、排熱回収分の利益を計算する過程では、排熱の回収率を決定することになるが、回収率は、発電電力の大きさに応じて変化する。このため、上記の実施形態では、発電電力の大きさに応じて回収率を決定し、決定した回収率に基づいて排熱回収分の利益を算出することとした。一方、発電電力の大きさに応じて変化するパラメータは、回収率以外にも挙げられ、例えば運転コストを計算する際に必要となる発電効率(単位量の燃料ガスの熱量に対する、当該単位量の燃料ガスを用いて発電した際の発電量の割合)等が挙げられる。したがって、運転コストを計算する過程において、発電電力の大きさに応じて発電効率を決定し、決定した発電効率に基づいて運転コストを算出してもよい。
1 本装置(試算装置)
1a CPU
1b メモリ
1c ハードディスクドライブ
1d 入力機器
1e 出力機器
11 入力情報取得部
12 記憶部
13 消費電力特定部
14 供給電力特定部
15 余剰電力算出部
16 売電料金算出部(買い取り料金算出部)
17 コスト算出部
18 利益額算出部
19 出力部

Claims (8)

  1. 電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算する試算装置であって、
    前記建物における消費電力を特定する消費電力特定部と、
    前記電力供給装置の供給電力を前記電力供給装置別に特定する供給電力特定部と、
    前記電力供給装置別に設定された優先順位及び電力買い取り単価を記憶する記憶部と、
    前記消費電力特定部により特定された前記消費電力と、前記供給電力特定部により特定された前記電力供給装置別の前記供給電力とに基づいて、前記余剰電力を前記電力供給装置別に算出する余剰電力算出部と、
    該余剰電力算出部により算出された前記電力供給装置別の前記余剰電力と、前記記憶部に記憶された前記電力供給装置別の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出する買い取り料金算出部と、を有し、
    前記余剰電力算出部は、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記電力供給装置別の前記優先順位に応じて利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出することを特徴とする試算装置。
  2. 前記記憶部は、より低い前記電力買い取り単価が設定された前記電力供給装置に対する前記優先順位がより高くなるように決められた前記電力供給装置別の前記優先順位を記憶しており、
    前記余剰電力算出部は、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記優先順位がより低い前記電力供給装置から順に利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出することを特徴とする請求項1に記載の試算装置。
  3. 前記消費電力特定部は、燃料電池発電装置及び太陽光発電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、
    前記供給電力特定部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記供給電力を特定し、
    前記記憶部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々に対して設定された前記優先順位及び前記電力買い取り単価を記憶し、
    前記余剰電力算出部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記余剰電力を算出し、
    前記買い取り料金算出部は、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記余剰電力と、前記燃料電池発電装置及び前記太陽光発電装置の各々の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の試算装置。
  4. 前記消費電力特定部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び蓄電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、
    前記供給電力特定部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記供給電力を特定し、
    前記記憶部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々に対して設定された前記優先順位及び前記電力買い取り単価を記憶し、
    前記余剰電力算出部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記余剰電力を算出し、
    前記買い取り料金算出部は、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記余剰電力と、前記燃料電池発電装置、前記太陽光発電装置及び前記蓄電装置の各々の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出することを特徴とする請求項3に記載の試算装置。
  5. 前記消費電力特定部は、運転モードが可変な運転モード可変型の発電装置を前記電力供給装置として有する前記建物における前記消費電力を特定し、
    前記運転モード可変型の発電装置が一定の電力を発電する前記運転モードにて運転したときのコストを算出するコスト算出部と、
    前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に前記一定の電力のうちの一部が前記余剰電力として買い取られることで得られる利益額を算出する利益額算出部と、が備えられており、
    該利益額算出部により算出された前記利益額が前記コスト算出部により算出された前記コストを上回っているとき、前記買い取り料金算出部は、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した際に前記建物において発生する前記余剰電力の前記買い取り料金を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の試算装置。
  6. 前記消費電力特定部は、発電時に発生する排熱を回収可能な前記運転モード可変型の発電装置を有する前記建物における前記消費電力を特定し、
    前記利益額算出部は、
    前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に前記一定の電力のうちの一部が前記余剰電力として買い取られることで得られる前記利益額と、
    前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に発生する前記排熱を回収することで得られる第二の利益額と、
    前記利益額及び前記第二の利益額を合算して得られる合計利益額と、を算出し、
    前記利益額算出部により算出された前記合計利益額が前記コスト算出部により算出された前記コストを上回っているとき、前記買い取り料金算出部は、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した際に前記建物において発生する前記余剰電力の前記買い取り料金を算出することを特徴とする請求項5に記載の試算装置。
  7. 前記利益額算出部は、前記第二の利益額を算出するにあたり、前記運転モード可変型の発電装置が前記一定の電力を発電する前記運転モードにて運転した場合に発生する前記排熱を回収する際の回収率を、前記一定の電力の大きさに応じて決定し、決定した前記回収率に基づいて前記第二の利益額を算出することを特徴とする請求項6に記載の試算装置。
  8. 電力供給装置を複数種類有する建物において発生する余剰電力の買い取り料金を、試算する試算方法であって、
    コンピュータが、前記建物における消費電力を特定するステップと、
    コンピュータが、前記電力供給装置の供給電力を前記電力供給装置別に特定するステップと、
    コンピュータが、前記電力供給装置別に設定された優先順位及び電力買い取り単価を記憶する記憶部から前記優先順位及び前記電力買い取り単価を読み出すステップと、
    コンピュータが、特定された前記消費電力と、特定された前記電力供給装置別の前記供給電力とに基づいて、前記余剰電力を前記電力供給装置別に算出するステップと、
    コンピュータが、算出された前記電力供給装置別の前記余剰電力と、前記記憶部に記憶された前記電力供給装置別の前記電力買い取り単価と、に基づいて前記買い取り料金を算出するステップと、を有し、
    前記余剰電力を算出するステップにおいて、コンピュータは、前記消費電力を賄うために前記電力供給装置別の前記供給電力を前記電力供給装置別の前記優先順位に応じて利用したときの前記余剰電力を、前記電力供給装置別に算出することを特徴とする試算方法。
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