JP6676087B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、排気浄化装置1は、ハニカム担体11と、ケース部材12と、を備える。
ハニカム担体11は、断面が円形の円柱状である。ただし、ハニカム担体は柱状であればよく、例えば径方向断面が、楕円や複数の円弧を有する形状であってもよい。
各セルの形状は、断面が正方形の四角柱状であるが、例えば多角形状であってもよい。
ハニカム担体11の気孔(細孔)径や気孔(細孔)率については、その隔壁が排気中のPMを濾過する濾過材として機能する範囲内で、適宜設定される。
このケース部材12は、例えばSUS等の金属から構成される。
保持部材13としては、耐熱性、耐振性及びシール性を有する材質が用いられる。具体的には、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、セラミックガラス繊維等のセラミック繊維の他、金属メッシュ等が用いられる。
同様に、緩衝部材14bに対応して、その位置を規制するためのセット部材15bが設けられている。セット部材15bは一部がケース部材12に固定され他部に形成された位置規制部151bが緩衝部材14bに接触して緩衝部材14bの移動を規制するように構成されている。
尚、緩衝部材14a及びセット部材15aの一部を外側から覆うように端部リング部材16aが嵌装されている。同様に、緩衝部材14b及びセット部材15bの一部を外側から覆うように端部リング部材16bが嵌装されている。
図2は、図1の排気浄化装置の緩衝部材の近傍を示す部分拡大図である。
図1及び図2において、対応部には同一の符号を附してある。
また、図1及び図2の実施形態では、セット部材15a、15bはケース部材12とは、同じ材質の別部材で構成され、溶接部152a、152bでケース部材12と溶接されている。
セット部材15bは筒状部分153bから更に排気の下流側に延び出した部分がRを描いて縮径している。この縮径している部分から更にハニカム担体11の中心軸Xに向かう部分が、緩衝部材14bに接触して緩衝部材14bの移動を規制する位置規制部151bを形成している。
上述の通り、位置規制部151bの内径側への延長部分が緩衝部材14bの外周面側に形成された凹部141bに略隙間なく嵌入している。このように嵌入している部分のハニカム担体11の中心軸Xに向かう先端部が、ハニカム担体11の外周面11Pよりも内周側の位置に達している。
図1及び図2の装置では、ハニカム担体11の流入側端面110a及び流出側端面110bの各周縁部にハニカム担体11の中心軸X方向の移動を規制するように環状の緩衝部材14a、14bが設けられている。更に、緩衝部材14a、14bの移動を規制するようにセット部材15a、15bが設けられている。セット部材15a、15bはそれらの一部分がケース部材12に固定され且つ緩衝部材14a、14bに接触して位置規制する位置規制部151a、151bを有する。緩衝部材14a、14bは、セット部材15a、15bの位置規制部151a、151bが嵌入する凹部141a、141bが外周側に形成されている。
従って、緩衝部材14a、14bは、凹部141a、141bにセット部材15a、15bの位置規制部151a、151bが嵌入することによって、十分な規制力で位置規制される。このため、溶接などの耐久性に問題のある手法を用いることなく、緩衝部材14a、14bの位置を所定位置に維持することができ、排気浄化装置1として耐久性に優れる。また、溶接などを行うことなく、セット部材15a、15bの位置規制部151a、151bを緩衝部材14a、14bの凹部141a、141bに嵌入させるため、溶接などを行う工程が省かれて生産効率が良い。
図3において、図1及び図2との対応部は同一の符号により示し、それら対応部については図1及び図2を参照しての説明を援用する。
図3の実施形態において、図1及び図2の実施形態との相違点は、セット部材15bが、位置規制部151bにハニカム担体11に向けて突出した突出部154bを有する点である。尚、図3では見えないセット部材15aも、位置規制部151aにハニカム担体11に向けて突出した突出部154aを有するが、図3の部分から容易に推定される対応部については、以下、適宜説明を省略する。緩衝部材14b側の凹部141bには、突出部154bが嵌り合う凹陥部141bbが形成されている。この場合にも、位置規制部151a、151bのうち緩衝部材14a、14bの凹部141a、141bに嵌入する嵌入部155a、155bのうちの少なくとも一部がハニカム担体11の外周面11Pよりも内周側の位置に達している。
図3の実施形態によれば、図1及び図2を参照して説明した実施形態における作用効果に加えて、突出部154bが緩衝部材14bの凹部141bと強く係合して緩衝部材14bの変形、脱落をより強固に防止することができる。
図4において、図1、図2及び図3との対応部は同一の符号により示し、それら対応部については図1、図2及び図3を参照しての説明を援用する。
図4の実施形態において、図1、図2及び図3の実施形態との相違点は、セット部材15bbがケース部材12と同一部材である点である。この場合にも、位置規制部151a、151bのうち緩衝部材14a、14bの凹部141a、141bに嵌入する嵌入部155a、155bのうちの少なくとも一部がハニカム担体11の外周面11Pよりも内周側の位置に達している。
ケース部材12自体の部分がセット部材15bbを構成しているため、部品点数が少なくなり、溶接個所も少なくなるため、生産効率が一層向上する。
図3及び図4の実施形態における突出部154b(154a)は、その尖頭部がハニカム担体11に向けて(図示の部分で上側である上流側に向けて)突出しているが、突出部の突出方向はこれに限られず、図3及び図4のものとは逆方向の態様を採ることもできる。この点については図7Aから図7Eを参照して説明する他の実施形態に関連して後述する。
図5の緩衝部材14a(14b)は、断面視では図1から図4のような形態をとるが、平面視、即ち、ハニカム担体11の中心軸X方向視では、概略環状を成し、一箇所の空隙S0で分断されている。
また、図6の緩衝部材14aa(14bb)は、断面視では図1から図4のような形態をとるが、平面視、即ち、ハニカム担体11の中心軸X方向視では、概略環状を成し、二箇所の空隙S1、S2で分断されている。
緩衝部材として図5や図6のような、分断された緩衝部材14a(14b);14aa(14bb)を適用した実施形態によれば、組付け時における緩衝部材の変形が容易であるため、生産効率が良く、且つ、空隙の部位で変形を吸収して熱間加工時のセット部材15a、15bやケース部材12の歪みを低減することができる。
この場合は、分断による空隙の存在により、組付け時に、セット部材15a、15bにおける位置規制部151a、151bの変形が容易であるため、生産効率が良く、且つ、分断されて生じている空隙の部位で変形を吸収して熱間加工時のセット部材15a、15bやケース部材12の歪みを低減することができる。
図7Aは、本発明の更に他の実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置のセット部材に緩衝部材を嵌め込んだ様子を示す部分断面斜視図である。
図7Bは、図7Aにおける断面部分を拡大して示す図である。
図7Cは、図7Aの状態にあるセット部材を端部リング部材に溶接した様子を示す部分断面斜視図である。
図7Dは、図7Cにおける断面部分を拡大して示す図である。
図7Eは、図7Dの状態にある端部リング部材をケース部材に溶接した様子を示す部分断面図である。
また、図7Aから図7Eは、内燃機関の排気浄化装置の当該実施形態における製造工程を部分的に表している。
詳細には、図示のセット部材15dは自己に対応する弧状(部分環状)のセット部材と対をなして円環状を呈する。
また、緩衝部材14dは、自己に対応する弧状(部分環状)の緩衝部材と対をなして円環状を呈する。
即ち、図7Aのセット部材15dと緩衝部材14dは、全体で円環体をなすセット部材と緩衝部材の一つの部分であり、図6に表わされたように分断された円環体の一方の部分である。
図7A及び図7Bに示されたように、セット部材15dは、緩衝部材14dの内周側に接しているが、その下側(下流側)が緩衝部材14dの底面側に回り込んで径方向外側に曲がって拡径している。一方、セット部材15dの上側(上流側)は、緩衝部材14dにその内周面から径方向外側に向けて形成された一条の凹溝である凹部141dに向けて曲がり凹部141dに嵌入している。この嵌入している部分が本例における嵌入部155dである。セット部材15dのうち緩衝部材14dに接触して緩衝部材14dの移動を規制する部分が位置規制部151dである。本例の場合は、セット部材15dの略全体が位置規制部151dとして機能する。
詳細には、図7A及び図7Bの弧状(部分環状)のセット部材15dと緩衝部材14dとで嵌合体が、対応する端面どうしを突き合わせるようにして、一対で一つの環状体を構成する。次いで、図7Cに表されたように、この環状体の外周側を囲むように端部リング部材16dが配置される。この配置で、図7Dに示されたように、当該環状体のセット部材15dと端部リング部材16dとが溶接部152ddで溶接されている。
このように嵌め合わされた緩衝部材14d及びセット部材15dには、それらの外周側に端部リング部材16dが嵌装される。上述のように、端部リング部材16dは、その下方側で溶接部152ddによりセット部材15dと結合され、その上方側で溶接部152dによりケース部材12と結合される。
従って、図7Aから図7Eの実施形態においては、セット部材15dに緩衝部材14dの凹部141dを確実に抱え込ませることができ、より強固に緩衝部材14dを保持することができる。このため、ハニカム担体11側から応力が加わっても、緩衝部材14dの変形や脱落を効果的に防止することができる。また、製造時の作業性も良好である。
図8では、本発明の実施形態において、ハニカム担体の排気の流れにおける上流側と下流側とに対象的に配される端部リング部材、セット部材及び緩衝部材のうち、下流側に配される各部材の様子が表されている。
上流側に配される端部リング部材、セット部材及び緩衝部材は、図8のように下流側に配される各対応する部材と対象的な様相を呈するため、下流側における構成について詳述し、上流側については説明を省略する。
図8の実施形態においても、図7Eの実施形態と同様に、セット部材15eの外周側に緩衝部材14eが嵌め合わされる。この状態で、環状の緩衝部材14eの内周面側に径方向外側に向けて一定の深さに形成された周状の凹部141eに、これに対応するセット部材15eの周状の位置規制部151eが嵌合する。図8の端部リング部材16eは筒状をなす筒状部161eを有する。上述のように一体に嵌め合わされた概略環状のセット部材15e及び緩衝部材14eの嵌合体に対して、端部リング部材16eがそれらの外周側に嵌装される。
セット部材15eは、延長部156eの延長端近傍位置で端部リング部材16e(その筒状部161e)に溶接され、溶接部152eが形成される。
図8の実施形態では、溶接部152eが緩衝部材14eから離隔しているため、端部リング部材16eとセット部材15eとの溶接が容易であり、且つ、緩衝部材14eは溶接による熱害を受けにくい。
図9Aでは、本発明の実施形態において、ハニカム担体の排気の流れにおける上流側と下流側とに対象的に配される端部リング部材、セット部材及び緩衝部材のうち、下流側に配される各部材の様子が表されている。
上流側に配される端部リング部材、セット部材及び緩衝部材は、図9Aのように下流側に配される各対応する部材と対象的な様相を呈するため、下流側における構成について詳述し、上流側については説明を省略する。このような説明の省略は、後述する図9B及び図9Cについても同様である。
図9Aの状態においても、セット部材15fの外周側に緩衝部材14fが嵌め合わされる。この状態で、環状の緩衝部材14fの内周面側に径方向外側に向けて一定の深さに形成された周状の凹部141fに、これに対応するセット部材15fの周状の位置規制部151fが嵌合する。
尚、図9Aの加工工程では、内燃機関の排気浄化装置は未完成の状態にある。即ち、図9Aでは、セット部材15fと緩衝部材14fとの嵌合体に対し、その外周側に嵌装される端部リング部材16fは、当該嵌合体に未だ接触していない状態にある。
上述した図8の例では、この状態で被位置規制部142eは、その内周側の突端がセット部材15eのU字状部分の対向面に接触して、緩衝部材14e(その被位置規制部142e)がセット部材15eに隙間なく嵌っていた。このため緩衝部材14eはセット部材15eによって十分強固に自己の位置が保持される。従って、セット部材15eに対して緩衝部材14eが周方向に回転してしまうという不具合が生じることがない。
図9Aの状態では、緩衝部材14f(その被位置規制部142f)とセット部材15fとの間には隙間Gがあるため、緩衝部材14fに対するセット部材15fの位置保持力が不十分である。従って、セット部材15fに対して緩衝部材14fが周方向に回転してしまうおそれがある。
図9Bでは、セット部材15fと緩衝部材14fとの嵌合体に対し、その外周側に位置していた端部リング部材16fの周壁に後述する押圧力を与えて縮径する方向に塑性変形させ凸部17を形成した場合におけるこの凸部17を含む断面を表している。端部リング部材16fの周壁に形成された凸部17は、緩衝部材14fの対向部(図9Aの状態で突出部143fであった部位)に向けて凸状をなす。従って、端部リング部材16fの周壁に形成された凸部17が緩衝部材14fの突出部143fを押圧するため、緩衝部材14f(その被位置規制部142f)がセット部材15fの断面U字状の凹所に押し込められる。この結果、図9Aの隙間Gは、緩衝部材14fの被位置規制部142fで埋め合わされ、緩衝部材14fがセット部材15fに密着する。このため、緩衝部材14fに対するセット部材15fの位置保持力が十分なものとなる。従って、セット部材15fに対して緩衝部材14fが周方向に回転してしまうおそれがなくなる。
図9Cは、図9Bの本発明の実施形態をハニカム担体11(図1、図2参照)の中心軸X方向で見た図である。
筒状の端部リング部材16fの外周を周方向に4等分する領域ごとに対応して一定の厚みを持った円弧状の割り型21,22,23,24が配置される。割り型21は両端部に内周に向けて突出した各押圧部211、212を有する。同様に、割り型22は押圧部221、222を有し、割り型23は押圧部231、232を有し、割り型24は押圧部241、242を有する。割り型21,22,23,24は図示しない駆動機構によって縮径する方向に変位するように構成されて、全体として押圧用治具20を構成する。
1…排気浄化装置
11…ハニカム担体
11P…外周面
12…ケース部材
13…保持部材
14a、14b…緩衝部材
15a、15aa、15b、15bb、15d、15e、15f…セット部材
16a、16b、16d、16e、16f…端部リング部材
17…凸部
110a…流入側端面
110b…流出側端面
141a、141b、141e、141f…凹部
142e…被位置規制部
151a、151b…位置規制部
154b…突出部
155a、155b…嵌入部
156e…延長部
161e…筒状部
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関の排気を浄化する排気浄化装置であって、
排気の流入側端面から流出側端面まで延びて排気の流路となる複数のセルが多孔質の隔壁により区画形成された柱状のハニカム担体と、
前記ハニカム担体を収納する筒状のケース部材と、
前記ハニカム担体と前記ケース部材との間に前記ハニカム担体の外周を囲むように設けられた保持部材と、
前記ハニカム担体の前記流入側端面及び流出側端面のうち少なくとも一方側の端面の周縁部に前記ハニカム担体の中心軸方向の移動を規制するように設けられた緩衝部材と、
前記ケース部材に固定され自己の位置規制部が前記緩衝部材に接触して前記緩衝部材の移動を規制するセット部材と、を備え、
前記緩衝部材は、前記セット部材の前記位置規制部が嵌入する凹部が形成され、
前記セット部材は、前記位置規制部に前記凹部内に形成された凹陥部と嵌り合う突出部を有する、
内燃機関の排気浄化装置。 - 前記セット部材の前記位置規制部のうち、ハニカム担体の緩衝部材の凹部に嵌入する嵌入部の少なくとも一部が、前記ハニカム担体の外周面よりも内周側の位置に達している、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記セット部材の前記位置規制部は、前記ハニカム担体の径方向の断面視で、自己の外周端から前記ハニカム担体の中心軸に向かって前記ハニカム担体の外周面よりも内周側に延び、更に外側に向かって折り返されている請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記緩衝部材とセット部材との嵌合体に対しその外周側に嵌装される筒状部を有する端部リング部材を備え、
前記セット部材は、前記ハニカム担体の径方向の断面視で、前記端部リング部材の筒状部の内周面に沿って前記ハニカム担体から離隔する方向に延びた延長部を有する請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記緩衝部材は前記ハニカム担体の中心軸方向視で環状を成し、少なくとも一箇所が分断されている、請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記セット部材は、前記ケース部材と同一部材である、請求項1から3、5の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記セット部材は、前記位置規制部が前記ハニカム担体の中心軸方向視で環状を成し、少なくとも一箇所が分断されている、請求項1から5の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記ハニカム担体はガソリンパティキュレートフィルタである、請求項1から7の何れか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記端部リング部材の周壁の少なくとも一部には、前記緩衝部材に向けて凸状をなす凸部が設けられている請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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