発明の詳細な説明
本発明の特徴は、データセンターおよびデータセンターネットワークに関する。特に、実施形態は、エネルギー効率のよいデータセンターおよびデータセンターネットワークに関する。
〔背景技術〕
近年、ウェブサーチ、科学計算、社会ネットワーク、ファイルストレージおよび分配されたファイルシステムなどの、現代のデータセンターに収容されたサービスとアプリケーションには前例のない成長がみられる。今日のデータセンターは、何十万ものサービスのホストを務め、スイッチ、ルータおよび高速リンクを介して相互に接続され、非常に重要なデータセンター内のネットワーク構造を選択しており、これは、それがデータセンターの拡張性、コスト、エラー耐性、軽快さ、および電力消費に影響を与えるからである。
効率のよいデータセンターネットワークを設計するためにこの10年間に著しい研究努力が捧げられてきた。しかしながら、主要な関心事は、データセンターの電力消費と、地球温暖化とデータセンターの電気代とへの影響とを増加させてきた。米国の環境保護機関(EPA)は、米国でのデータセンターの電力使用が、2000年から2006年までで、610億キロワット時近くになり、米国の総電力需要の1.5%を占めていることを報告している。
サービスの着実に増加する数と、データセンター内の指数関数的に増加するトラフィックを考えると、従来のデータセンターネットワーク構造は、リンク応募過多と非効率な負荷バランシングのような実行制限を被る。
〔発明の概要〕
特徴によれば、データセンターネットワークは、第1のサーバグループのうちの各サーバへの接続のための第1の光ポートグループと、第2のサーバグループのうちの各サーバへの接続のための第2の光ポートグループと、上記第1の光ポートグループと第1の下位光通信路との間で光通信信号を伝送するように配置された、第1の下位受動光伝送素子と、上記第2の光ポートグループと第2の下位光通信路との間で光通信信号を伝送するように配置された、第2の下位受動光伝送素子と、上位受動光伝送素子であって、上記上位受動光伝送素子は、(i)上記第1の下位光通信路と上位光通信路との間で光通信信号を伝送するように、および、(ii)上記第2の下位光通信路と上記上位光通信路との間で光通信信号を伝送するように、配置されている受動光伝送素子と、を含む。
データセンターネットワークは、上記第1のサーバグループのうちのサーバ間に受動光通信路を形成する第1のイントラグループ受動光ネットワークと、上記第2のサーバグループのうちのサーバ間に受動光通信路を形成する第2のイントラグループ受動光ネットワークと、を含み、上記第1および第2のイントラグループ受動光ネットワークは、上記上位受動光伝送素子を含まない。ようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1のイントラグループ受動光ネットワークは、上記第1のサーバグループのうちの任意のサーバから光信号を受信するように、かつ、上記第1のサーバグループのうちの各他のサーバにその光信号を送信するように配置された、スターリフレクタを有するようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1のイントラグループ受動光ネットワークは、上記第1の下位光通信路に、ファイバーブラッググレーティングを含み、該ファイバーブラッググレーティングは、上記第1のサーバグループから、第1波長および第2波長の信号を受信し、上記第1の下位光通信路に沿って第1波長の信号を送信し、上記第1のサーバグループのうちのサーバに第2波長の信号を反射するようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1のイントラグループ受動光ネットワークは、受動ポリマー光バックプレーンを含むようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1、第2および第3の下位受動光伝送素子のそれぞれが、スタースプリッタ/カプラまたはアレイ導波管ルータからなるグループから選択されるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1の下位光通信路、上記第2の下位光通信路、および上記上位光通信路のそれぞれを介して伝送される信号は、時分割多重化および周波数分割多重化のうちの少なくとも1つを行われるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1の下位通信路は、上記第1の下位受動光伝送素子と上記上位受動光伝送素子との間の直接の接続であり、上記第2の下位通信路は、上記第2の下位受動光伝送素子と上記上位受動光伝送素子との間の直接の接続であるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1の下位光通信路、上記第2の下位光通信路、および上記上位通信路によって運ばれる信号は、時分割多重化されるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1および第2の下位光通信路によって運ばれる信号は、時分割多重化され、上記上位通信路によって運ばれる信号は、時分割多重化および周波数分割多重化されるようであってもよい。
データセンターネットワークは、第1のグループのサーバと第2のグループのサーバとの間に、インターグループ受動光通信路を含み、上記インターグループ受動光通信路は、第1および第2の受動光伝送素子を含むが、第3の受動光伝送素子を含まないようであってもよい。
データセンターネットワークは、N個のサーバグループのうちの各サーバへの接続のためのN個の光ポートグループであって、上記N個の光ポートグループは、第1の光ポートグループおよび第2の光ポートグループを含み、上記N個のサーバグループは、第1のサーバグループおよび第2のサーバグループを含んでいる、N個の光ポートグループと、第1および第2の中間受動光伝送素子であって、上記第1および第2の中間受動光伝送素子のそれぞれが、光信号のためのN個の入力ポートおよび光信号のためのN個の出力ポートを有し、上記第1および第2の中間受動光伝送素子は、入力ポートで受信された各信号が、信号の波長に基づいて出力ポートに伝送されるように配置されている、第1および第2の中間受動光伝送素子と、を有しており、各入力ポートに対して、N個の識別可能な波長の入力信号は、N個の出力ポートのうちの異なるものに伝送され、上記第1の中間受動光伝送素子の各入力ポートおよび各出力ポートは、サーバグループのうちの1つに関連した下位受動光伝送素子、上記上位受動光伝送素子、または、上記第2の中間受動光伝送素子のうちの1つに接続され、上記第2の中間受動光伝送素子の各入力ポートおよび各出力ポートは、サーバグループのうちの1つに関連した下位受動光伝送素子、上記上位受動光伝送素子、または、上記第1の中間受動光伝送素子のうちの1つに接続され、上記第1および第2の下位光通信路は、上記第1および第2の中間受動光伝送素子のうちの少なくとも1つを含むようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1の下位光通信路は、上記第1の下位受動光伝送素子を介して上記第1のサーバグループのうちのサーバから光信号を受信するとともに、信号の各目的地に基づいて各波長で信号を再送信する、第1の伝送サーバと、上記第1の伝送サーバから、上記上位受動光伝送素子へ、信号を伝送する、上記第1の伝送サーバに関連した第1の中間受動光伝送素子、または、上記第1の伝送サーバ以外の伝送サーバに関連した第2の受動光伝送素子を含んでいるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第2の下位光通信路は、上記第2の下位受動光伝送素子を介して上記第2のサーバグループのうちのサーバから光信号を受信するとともに、信号の各目的地に基づいて各波長で信号を再送信する、第2の伝送サーバと、上記第2の伝送サーバから、上記上位受動光伝送素子へ、信号を伝送する、上記第2の伝送サーバに関連した第2の中間受動光伝送素子、または、上記第2の伝送サーバ以外の伝送サーバに関連した中間受動光伝送素子を含んでいるようであってもよい。
データセンターネットワークは、上記第1の伝送サーバは、各下位受動光伝送素子を介して、少なくとも2つのサーバグループから信号を受信するようであってもよい。
データセンターネットワークは、第1の複数の光ポートグループを含む各サーバへの接続のための第1の光ポートセットであって、上記第1の複数の光ポートグループは上記第1の光ポートグループを含んでいる、第1の光ポートセットと、第2の複数の光ポートグループを含む各サーバへの接続のための第2の光ポートセットであって、上記第2の複数の光ポートグループは上記第2の光ポートグループを含んでいる、第2の光ポートセットと、を含んでおり、上記第1の光ポートセットは、第1の光ポートセットリンクグループを含み、上記第1の光ポートセットリンクグループの各光ポートは、インターセット通信路と光通信しており、上記第2の光ポートセットは、第2の光ポートセットリンクグループを含み、上記第2の光ポートセットリンクグループの各光ポートは、上記インターセット通信路と光通信しており、データセンターネットワークは、上記第1の光ポートグループの光ポートに接続されたサーバと、上記第1の光ポートセットリンクグループの光ポートに接続されたサーバと、の間で信号を伝送するように配置された第1イントラセット通信路を含み、データセンターネットワークは、上記第2の光ポートグループの光ポートに接続されたサーバと、上記第2の光ポートセットリンクグループの光ポートに接続されたサーバと、の間で信号を伝送するように配置された第2イントラセット通信路を含むようであってもよい。
特徴によれば、データセンターネットワークは、複数の光ラインターミナルカードを含む光ラインターミナルスイッチであって、上記光ラインターミナルカードは、それぞれ、複数の光ラインターミナルポートを有する、光ラインターミナルスイッチと、上記複数の光ラインターミナルポートの各光ラインターミナルポートに接続された複数のサブネットワークとを含み、上記サブネットワークのうちの少なくとも1つは、上記のネットワークであるようであってもよい。
〔図面の簡単な説明〕
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下にさらに説明される。
図1は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図2は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図3aないし図3cは、いくつかの実施形態に係るイントラグループ通信の配置を示す図である。
図4aおよび図4bは、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図5は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図6は、図5に係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
図7aは、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図7bは、図7aに係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
図8は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図9は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図10は、いくつかの実施形態に係るネットワークを示す図である。
図11は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図12は、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図13aは、いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図13bは、図13aに係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
図14は、いくつかの実施形態に係るネットワークを示す図である。
図15aは、n=4でのFat−Treeデータセンター接続形態を示す図である。
図15bは、n=4およびk=1でのBCubeデータセンター接続形態(BCube1)を示す図である。
図15cは、Fat−TreeおよびBCube接続形態に対する、図11および図12に係る典型的な配置に対するコストベンチマーキングを示す図である。
図15dは、Fat−TreeおよびBCube接続形態に対する、図11および図12に係る典型的な配置に対する電力消費ベンチマーキングを示す図である。
〔発明の詳細な実施形態〕
図1は、いくつかの実施形態に係るデータセンターネットワークを示す。図1のデータセンターネットワーク100は、第1のサーバグループのうちの各サーバへの接続のための第1の光ポートグループ110aと、第2のサーバグループのうちの各サーバへの接続のための第2の光ポートグループ110bと、第1の下位受動光伝送素子120aと、を含む。第1の下位受動光伝送素子120aは、上記第1の光ポートグループ110aと第1の下位光通信路130aとの間で光通信信号を伝送するように配置されている。第2の下位受動光伝送素子120bは、上記第2の光ポートグループ110bと第2の下位光通信路130bとの間で光通信信号を伝送するように配置されている。上位受動伝送素子170は、
1.上記第1の下位光通信路130aと上位光通信路180との間で光通信信号を伝送(ルート決定)(routing)するように、および、
2.上記第2の下位光通信路130bと上記上位光通信路180との間で光通信信号を伝送(ルート決定)(routing)するように、
配置されている。
ここで用いられるときには、用語「上位」および「下位」は、階層またはネットワーク接続形態を指し、素子の物理的な位置には関係しない。
信号は、第1の光ポートグループ110aのそれぞれに関連した各第1のデータ接続部111aによって、第1の光ポートグループ110aと、第1の下位受動光伝送素子120aと、の間で、運ばれてもよい。同様に、第2のデータ接続部111bは、第2の光ポートグループ110bと、第2の下位受動光伝送素子と、の間で、信号を運ぶように提供されてもよい。いくつかの実施形態において、データ接続部111a、111bは、第1/第2の光ポートグループと、第1/第2の下位受動光伝送素子と、の間でのデータ接続部が、完全に光学的であって、受動素子のみを含んでいるような、受動光接続部であってもよい。データ接続部111a、111bは、光ファイバーを含んでもよい。例えば、各光ファイバーは、各第1の光ポートグループ110aと、第1の下位受動光伝送素子120aと、の間で延びてもよい。
上記記述で用いられるときには、「間」は、通信が、アップリンク、ダウンリンクまたは両方であることができることを意味し、例えば、上位光通信路180からサーバポート110へ、サーバポート110から上位光通信路180へ、またはその両方である。アップリンクおよびダウンリンクのための送信は、同じ通信路を介して、または、別々の通信路を介して、送られてもよい。アップリンクおよびダウンリンクの通信路を有するいくつかの例では、各アップリンクおよびダウンリンクのネットワークが提供されてもよい。別々のアップリンクおよびダウンリンクのネットワークは、図1に示す構成のように、類似または同一の構成を有してもよい。
上位通信路180は、さらなるスイッチング素子と接続して、さらなる信号分配を可能にしてもよい。このさらなるスイッチング素子は、受動的でも非受動的でもよい。上位光通信路180は、光ラインターミナル(OLT)ポートと接続されてもよい。いくつかの実施形態において、OLTカードは、別々の光ネットワークにそれぞれ接続された、複数のOLTポートを含んでもよい。各光ネットワークは、図1に示すものと類似の構成であって、各光ネットワークの各上位光通信路180が、OLTカードの各OLTポートに接続された構成を有してもよい。さらに、OLT胴体は複数のOLTカードを含んでもよく、1つのOLTスイッチは複数のOLT胴体を含んでもよい。この配置は、OLTスイッチ内の同じまたは異なるOLTカードにおけるOLTポート間の通信を可能にしてもよい。このような配置において、図1の第1の光ポートグループ110aの光ポートに接続されたサーバは、第1の下位受動光伝送素子120aと、上位受動光伝送素子170とを介して、OLTスイッチの第1のOLTカードに接続されてもよく、また、OLTスイッチと、サーバの各光ネットワークとを介して、OLTスイッチの第2のOLTカードに接続された他のサーバと通信してもよい。
図1の配置は、データセンターでの使用に適した階層ネットワークを提供する。この配置は、受動光素子を用いて、第1のサーバグループと、上位光通信路との間の信号の伝送を可能にし、能動素子をほとんどまたは全く必要としない。従来のデータセンター構造は、アクセススイッチ、集約スイッチおよびコアスイッチなどの、高価で電力消費の多い素子に基づいており、これらは、データセンターの総電力消費の20%を占める。図1の配置に係る実施形態は、電力消費の多いアクセススイッチおよび集約スイッチを、光学的で受動的なスイッチで置き換えることを可能にする。さらに、いくつかの実施形態において、ネットワークの接続性が改良され、これは、イントラグループおよびインターグループ通信が、より高いレベルのスイッチの間を進行する必要が無いからである。
光ポートグループ110a、110bの各ポートは、サーバに接続されていてもよい。各グループ内のサーバは、ラックの一部、ラック全体、またはラックグループを形成してもよい。ここで、サーバグループは、同じ光ポートグループ内の光ポートに接続されたサーバである。ポートの個数は、図1に示した数に限定されると考えるべきではなく、これは、示したポートの個数より多い、少ない、または同数のものを持ってもよいからである。光ポートグループ110a、110bから受動光伝送素子120a、120bへの接続部111a、111bは、光ファイバーまたは他の形式の導波管であってもよい。図1に示していない追加の導波管があってもよく、例えば、ポートは、別々のアップリンクおよびダウンリンクの接続部を有してもよく、冗長性のために余分の接続部を有してもよい。
光通信路130a、130b、180のそれぞれは、単一モードのファイバーまたはマルチモードのファイバーなどの光ファイバーであってもよい。いくつかの実施形態において、ファイバーは、〜1.55μm、1.30μmの波長または2μmより大きい波長で用いられるように設計されてもよいが、この点について特に限定されない。光通信路130a、130b、180は、伝送素子間を直接接続してもよく、ここで、直接の接続とは、他の光素子が接続されていないもののことである。2つの素子に接続された単一の光ファイバーは、直接の接続の例である。あるいは、接続は、非直接でもよく、ここで、1つ以上の受動光素子または能動素子が、終点間で接続されてもよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の下位光通信路のそれぞれ、および、上位光通信路は、受動光経路であっても(すなわち、経路に能動素子が無く、受動光素子だけを含んでも)よい。
受動光伝送素子120a、120b、170は、能動スイッチのMUX/DEMUXに例えられることができ、これは、これらが、複数の信号/経路を1つの信号/経路に結合する、あるいは、1つの信号/経路を複数の信号/経路に分離するからである。受動光伝送素子120a、120b、170は、単向性であってもよい。このような場合、双方向の通信を許可するために、アップリンクおよびダウンリンクの通信に対して個々のネットワークが提供されてもよく、アップリンクおよびダウンリンクのネットワークは、類似の構成であって、ダウンリンクのネットワークにおける分割素子と、アップリンクのネットワークにおける結合/カップリング素子を有する構成を有してもよい。受動光伝送素子120a、120b、170は、必要とされるやり方で、信号を導くのに適した任意の受動光素子であってもよい。例えば、各受動光伝送素子は、スターカプラ、スターリフレクタ、または、アレイ化導波管案内ルータ(arrayed waveguide guiding router)(AWGR)であってもよい。
図1の受動光ネットワークは、時分割多重化(TDM)を用いて実行されてもよい。この場合、期間は、グループ110a−b内の各ポートとの通信のために割り当てられてもよい。アップリンク方向では、すなわち、サーバから上記通信路170への通信では、サーバは、上位および/または下位通信路120a、120b、170のような共用送信チャンネルにアクセスするために競い合う。ネットワークでのメディアアクセスを増強するために、種々の帯域幅割り当てアルゴリズムを用いてもよい。例えば、静的な帯域幅割り当てアルゴリズムでは、サーバは、その帯域幅を使う必要があるかどうかにかかわらずに、規定済みの帯域幅を割り当てられてもよい。さらなる例では、動的な帯域幅割り当てアルゴリズムは、需要、サービス要件の品質、およびリソースの利用可能性に基づいて動的に帯域幅を割り当てる。複数の競合する信号が、対応する下位光通信路130a−bについて同じグループ内でサーバから通信されるのを、TDMの使用によって回避してもよい。さらに、TDMの使用により、特定のサーバへ信号を伝える(アドレス指定)(addressing)ことを許可してもよく、これによって、各サーバは、信号を受信すべきサーバに割り当てられた期間に、信号を聞く(すなわち、受信して処理する)だけでよく、これによって、サーバまたはサーバの通信構成要素が眠ることを許可し、したがって、エネルギー節約の機会を提供する。同様に、上位光通信路180について同じまたは異なるグループの異なるサーバからの競合する信号を、TDMが回避する。TDMが使用されるときには、受動光伝送素子120a、120b、170は、光スプリッタおよび/または光カプラであってもよい(例えばスターカプラまたはスターリフレクタ)。
TDMの代替は、波長分割多重化(WDM)である。WDMは、いくつかの実施形態の光ネットワークにて実行されてもよく、また、多重波長の使用によって、サーバ間でのリソースの共用を回避してもよい。この場合、光信号の波長は、信号のソースおよび/または目的地に基づいて選択される。TDMと同様に、WDMは、異なる信号が共通の通信路を共用することを許可し、また、信号を「伝える」(アドレス指定)(addressing)ための手段を提供する。WDMが使用されるときには、受動光伝送素子120a、120b、170は、信号の波長に応じて異なる経路に信号を伝送するアレイ導波管グレーティングルータ(AWGR)であってもよい。
さらなる代替によれば、TDMとWDMの組み合わせを用いてもよい。これはここではハイブリッドTDM−WDMと称され、ハイブリッドTDM−WDM配置では、光スプリッタ/カプラの組み合わせとAWGRとを用いてもよい。いくつかの例では、波長は、異なるネットワークまたは同じネットワークの異なる部位に位置する複数のサーバによって、動的に割り当てられて共用されることができる。異なる波長を動的に調整する能力は、サーバを他のTDM−PONに結合させることを可能にし、これは、低い負荷で帯域幅の活用を増強することができ、また、高い負荷で混雑を回避してもよい。
図1の配置に係るいくつかの実施形態において、ネットワークは、ハイブリッドTDM−WDM光ネットワークであってもよく、マルチキャリアジェネレータ(多重搬送波生成器)を用いてもよい。サーバの最後では、上流の送信のためのOLTから受信された搬送波信号を直接変調するために、低コストのマルチモードのトランシーバを用いることができる。これにより、OLTでの高価なレーザーダイオードの個数を減らすことができ、また、サーバでのレーザーダイオードが不要になる。
図2は、いくつかの実施形態における配置を示す。この配置は図1の配置と似ている。図1の素子に加えて、サーバ/光ポートの各グループ110a、110bは、関連するイントラグループ受動光ネットワーク190a、190bを有する。イントラグループ受動光ネットワーク190a、190bは、上位受動光伝送素子170を介して通信を伝送せずに、グループ内のサーバ間の通信を可能にする。いくつかの例では、イントラグループ受動光ネットワーク190a、190bは、グループに関連する下位受動光伝送素子を介して通信を伝送せずに、グループ内のサーバ間の通信を可能にする。これは、イントラグループ通信の効率を改良する。
データセンター内のインターラックおよびイントララックのトラフィックの和居合いは、典型的には、データセンターのタイプとアプリケーションの実行とに応じて20−80%である。いくつかの実施形態において、グループは、ラックと一致する。したがって、OLTスイッチを介して伝送することに頼らないイントラグループ通信を提供することは、OLTに過負荷を与えることを回避するのに役立ってもよく、これは、もしそうでなければ、全てのタイプのトラフィックのボトルネックとなりうる。したがって、図2に係る実施形態は、光/電気/光の変換、待機、緩衝および処理から生じる望まれない遅延と電力消費とを回避しえる。
図2は、ネットワークにおける第1および第2のサーバグループ140a、140bのサーバを示す。
イントラグループ受動光ネットワークの実施形態を図3aないし図3cに示す。これらの実施形態は、各ラックに対する、より高い帯域幅を許可し、混雑を減らす。
OLTを介したまたは上位受動光伝送素子を介した伝送無しで、イントラグループ通信を改良するために、種々の方法を用いることができる。図3aないし図3cは、このようなイントラグループ通信を提供する配置の例を示す。図3aないし図3cのそれぞれにおいて、各サーバ140との接続のために、光ポートグループ110が提供されている。ポート110は、光接続部111を用いて、下位伝送素子120に接続されている。伝送素子120は、光経路130を介して、すでに述べた上位伝送素子などのさらなる伝送素子120へ信号を伝送するように、および、今度は、信号をOLTポートに伝送するように、設計される。
図3aは、各サーバが、光ポート110との光接続のための第1のトランシーバと、構成要素350への光経路351を介する接続のための第2のトランシーバと、を有するような配置を示す。構成要素350は、グループにおける1つのサーバからグループにおける全てのサーバへの信号を反射するように配置され、いくつかの実施形態においては、この素子は受動スターリフレクタである。これにより、各サーバは、同じグループの他の全てのサーバに送信できる。光経路351および構成要素350を介するイントラグループ通信は、チャンネルアクセスを調整および裁定する媒体アクセス制御(MAC)プロトコルに従って制御されてもよい。いくつかの実施形態は、構成要素350を介する通信のために、時分割多重化アクセス(TDMA)を利用してもよい。
図3bの配置では、下位光経路130にファイバーブラッググレーティング(FBG)360が接続されている。FBG360は、選択された波長を反射するが、他の全ての通過を可能にする。反射された波長は、イントララック通信を可能にし、また、送信された波長は、OLTおよび他のグループと通信してもよい。いくつかの実施形態において、各サーバグループに対して専用の波長が割り当てられることができ、ここで、1つの波長がイントラグループ通信に用いられ、他の波長がOLTおよび/または他のグループ通信に用いられる。1つ以上のグループのためのイントラグループ通信のために、同じ波長が割り当てされてもよく、これは、その波長を持つ信号はグループの外へ伝搬しないからである。全てのグループがイントラグループ通信に対して同じ波長を有する場合、ネットワークに渡る均一性が改良され、また、信号処理に利用可能な波長が効率的に用いられる。
いくつかの実施形態において、各サーバ140は、少なくとも2つの波長を用いて、下位受動光伝送素子120を介して通信するように配置され、1つの波長はFBG360によって反射されてイントラグループ通信に用いられ、1つの波長はFBG360によって送信されてグループ外の終点との(例えば、OLTポートまたは他のグループのサーバとの)通信に用いられる。追加の波長も用いてもよく、それぞれは、イントラグループ通信またはグループ外の素子との通信に割り当てされる。いくつかの実施形態において、異なる各波長を反射するために、2つ以上のFBG360を用いてもよい。
いくつかの配置において、単一のトランシーバが複数の搬送波(例えば、1つはイントラグループ通信用で、1つはグループ外の素子との通信用である)を生成できるようにするために、OFDM技術を用いてもよい。
いくつかの配置において、グループ内の各サーバ140には、FBG360によって送信される波長でグループ外の素子と通信するための信号を生成する第1のトランシーバと、FBG360によって反射される波長でイントラグループ通信をするための信号を生成する第2の多重波長トランシーバと、が備えられてもよい。この通信は、TDMAを用いて実行されてもよい。この配置は、OFDMトランシーバを用いずに実行されてもよく、そのため、コストを下げてもよい。
図3bは、FBG360を用いて表されている。しかしながら、信号の波長に基づいて、受信された信号を選択的に反射または送信する任意の受動光素子が、代替的に用いられてもよい。
図3cの配置では、各ポート/サーバ110はバックプレーン370を含み、いくつかの実施形態において、このバックプレーン370は受動ポリマーバックプレーンであり、また、(J. Beals IV, N. Bamiedakis, A. Wonfor, R. Penty, I. White, J. DeGroot Jr, et al., "A terabit capacity passive polymer optical backplane based on a novel meshed waveguide architecture," Applied Physics A, vol. 95, pp. 983-988, 2009に記載のもののような、)マルチモードポリマー導波管を持った受動バックプレーンであってもよい。いくつかの実施形態において、このようなバックプレーンは、非遮断性の、導波管あたり10Gb/sの速度を有する完全な環状接続性(full mesh connectivity)を提供し、1Tb/sの総容量を示す。バックプレーンは、サーバと一体化されていてもよいし、サーバから離れていてもよい。
図3cの配置では、MACは不要であり、これにより、MACが必要な配置と比べて、複雑さを減らしてもよい。
いくつかの実施形態において、大きなグループでの、例えば大きなラックでの通信を可能にするために、再生を実行してもよい。再生は、バックプレーン自体について、例えば、光から電気へ変換し、次いで、電気信号を再生し、最後に、電気から光へ変換するような、専用の再生器を用いて行ってもよい。いくつかの実施形態において、再生は、サーバ内のトランシーバと、再生を実行するための加工電子工学とを用いて行ってもよい。再生のためのサーバ内のトランシーバの使用により、バックプレーンに実装された専用の再生器を有する配置と比べてコストを下げうる。いくつかの実施形態において、再生は、純粋に光学的に、例えば、光増幅器を用いることによって行ってもよい。
図4aは、本発明のいくつかの実施形態に係る配置を示す。4つの各サーバグループとの接続のために、4つの光ポートグループ110a−dが設けられており、ここで、各光ポートグループ110a−dは、光接続部111a−dによって、各下位受動光伝送素子120a−dに接続されている。各下位受動光伝送素子120a−dは、光通信路130a−dを介して、上位受動光伝送素子170に接続されている。上位受動光伝送素子170は、今度は、上位光通信路180を介して構成要素300に接続されている。
図4aは、4つのポートグループ110a−dを示しているが、より多いまたはより少ないポートグループが備えられてもよい。いくつかの実施形態において、4つの光ポートグループ110a−dは、4つのグループの間に分配された128個のサーバに対する接続部を有する。これらのサーバは、均等に(各グループに32個)分配されてもよいし、あるいは、他の根拠に基づいて、例えばスペースの制限および/またはネットワークの要件に応じて、分配されてもよい。実施形態は、より多いまたはより少ない光ポートグループを有してもよい。
いくつかの実施形態において、光構成要素300は、例えばOLTカード内の、OLTポートであってもよい。いくつかの実施形態において、接続性は、TDM構造に基づいており、そこでは、波長対が用いられ、その波長のうちの1つは上流通信用であり、その波長のうちの1つは下流通信用である。この実施形態においては、受動光伝送素子の波長選択性は不要であり、また、受動光伝送素子120a−dおよび170は、受動スタースプリッタおよび/またはスターカプラであってもよい。この配置は、多重波長トランシーバを要せずに実行されてもよく、それゆえ、コストと複雑さが減少されうる。
いくつかの実施形態において、選択性は、図4bに例示するようなハイブリッドTDM−WDM構造に基づいて、そこでは、4つのサーバグループと通信するために4つの波長対が用いられており、各波長対は、各ポートグループ110a−dに関連しており、また、アップリンクのための波長とダウンリンクのための波長とを有している。各波長対は、異なる線スタイルで描かれている。この実施形態においては、受動光伝送素子170は、各波長対を、対応する光経路130a−dに沿って伝送するAWGRであってもよく、また、今度は各光経路が、受動スターカプラおよび/またはスプリッタであってもよい、受動光伝送素子120a−dを介して、波長対を、サーバへの接続のためのポートグループへ、伝送する。各サーバグループ内の特定のサーバからまたはそこへの通信のために、TDMを用いてもよい。上位通信路180によって4つ全ての波長対が運ばれてもよい。
図4bの配置は、混雑を減らし得、各サーバグループに対してより多くの帯域幅を容易にする。図1に関して述べた通り、サーバでのレーザーダイオードの必要性を回避するために、マルチキャリアジェネレータを用いることができる。
図4aおよび図4bに係る実施形態は、図1および図3aないし図3cに関して述べたような、イントラグループ受動光ネットワークを含んでもよい。これは、OLTポート300を介してイントラグループのトラフィックを送る必要性を回避してもよい。
図4aおよび図4bに係る実施形態は、調整可能なレーザーを要することなく実行し得、したがってコストが下がる。図4bに係るいくつかの実施形態において、各サーバは、そのグループに関連した波長を生成する単一波長レーザーを有する。
図4aおよび図4bに係る実施形態は、比較的簡素な配線配置で実行し得、セットアップとネットワークの維持とを容易にする。
図5に係る実施形態は、上位受動光伝送素子170より下の階層にあるサーバグループ110a−dと他の任意のサーバグループ110a−dとの間で伝送するインターグループ通信路を含むインターグループ通信を可能にする。図5の配置500によれば、これらのインターグループ通信路は、受動通信路であってもよい。図5の配置に係る実施形態は、上位受動光伝送素子170を介して伝送されないインターグループ通信路を提供し、これは、上位受動光伝送素子が接続する光構成要素300(例えばOLTスイッチ)での電力消費と負荷とを減らし得るが、これは、インターグループ通信が、上位受動光伝送素子170および光構成要素300を介して伝送されることを必要としないからである。図5の配置に係るいくつかの実施形態においては、上位受動光伝送素子170はAWGRであってもよい。
インターグループ通信路は、送信および受信するサーバが属するサーバ110a−dに関連した各下位受動光伝送素子120a−dを介している。図5の配置は、2つの中間受動光伝送素子540a−bを示し、これらは、複数の入力ポートからの光信号を複数の出力ポートへ伝送してもよく、出力は、入力信号の波長と、入力信号を受信した入力ポートと、に依存する。中間受動光伝送素子540a−bは、例えば、AWGRであってもよい。
中間受動光伝送素子540a−bは、各接続素子を介して、下位受動光伝送素子120a−dに接続されてもよく、図5においては接続素子530a−bによって概要的に示されている。サーバグループ110a−dからのトラフィック(光信号)は、中間受動光伝送素子540a−b(例えばAWGR)の入力に接続された下位受動光伝送素子120a−d(例えばスターカプラ)の出力ポートである。そのポートに受動絶縁装置550a−dを設置することによって、サーバグループ110a−dからのトラフィック(光信号)は、中間受動光伝送素子540a−bの出力に接続された他のスターカプラポートを通ることを、遮断されてもよい。
図5の実施形態において、各サーバ(例えばサーバのネットワークインターフェースカード)は、固定された、調整されたレシーバのアレイと、波長の検出と選択とのための調整可能なレーザーとを有している。他の実施形態において、スペクトルスライス(spectrum slice)LEDのような、レーザー以外の多重波長ソースが用いられてもよい。図5の配置は4つの波長を利用しており、そのため、レシーバは少なくとも4つの識別可能な波長を受信するように配置されており、また、少なくとも4つの識別可能な波長の信号を出力するための調整可能なレーザーが配置されている。
図5の配置では、4つのサーバグループ110a−dが、2つの中間受動光伝送素子540a−bを介して接続されている。この例では、各中間受動光伝送素子540a−bは、サーバグループ110aのうちの2つから入力を受信する。より詳細には、第1の中間受動光伝送素子540aは、各下位受動光伝送素子120a、120bを介して、第1のサーバグループ110aおよび第2のサーバグループ110bから入力を受信する。図5では、第1のサーバグループ110aからの入力は、第1の中間受動光伝送素子540aの第1の入力ポートi1で受信され、また、第2のサーバグループ110bからの入力は、第1の中間受動光伝送素子540aの第4の入力ポートi4にて受信される。同様に、第2の中間受動光伝送素子540bは、それぞれ第2の入力ポートi2および第4の入力ポートi4にて、各下位受動光伝送素子120c、120dを介して、第3のサーバグループ110cおよび第4のサーバグループ110dから入力を受信する。
また、第1および第2の中間受動光伝送素子540a、bのそれぞれは、具体的にはそれぞれ第2の入力ポートi2および第3の入力ポートi3にて、上位受動光伝送素子170から入力を受信する。また、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bのそれぞれは、他の中間受動光伝送素子540a−bから入力を受信する。具体的には、第1の中間受動光伝送素子540aは、第3の入力ポートi3にて、第2の中間受動光伝送素子540bから入力を受信し、第2の中間受動光伝送素子540bは、第1の入力ポートi1にて、第1の中間受動光伝送素子540aから入力を受信する。
したがって、図5の実施形態において、各サーバグループは、中間受動光伝送素子540a−bのうちの1つの、入力ポートに接続されている。さらに、上位受動光伝送素子170は、中間受動光伝送素子540a−bのそれぞれの、入力ポートに接続されている。中間受動光伝送素子540a−bは、それぞれ、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方の、入力ポートに接続されている。
図5の配置では、各中間受動光伝送素子540a−bは、2つのサーバグループ110a−dに接続された各入力ポート、上位受動光伝送素子170に接続された各入力ポート、および、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方に接続された各入力ポートを有する。
各中間受動光伝送素子540a−bは、サーバグループ110a−dに接続された2つの出力ポートを有しており、ここで、出力ポートに接続されたサーバグループ110a−dは、入力ポートに接続されたサーバグループ110a−dとは異なる。また、各中間受動光伝送素子540a−bは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポート、および、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方に接続された出力ポートを有する。
図5の実施形態において、第1の中間受動光伝送素子540aは、(第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートに接続された第1のサーバグループ110aおよび第2のサーバグループ110bとは異なる)第3のサーバグループ110cおよび第4のサーバグループ110dにそれぞれ接続された出力ポートo1、o4を有する。また、第1の中間受動光伝送素子540aは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポートo3、および、第2の中間受動光伝送素子540bに接続された出力ポートo2を有する。
同様に、第2の中間受動光伝送素子540bは、(第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートに接続された第3のサーバグループ110cおよび第4のサーバグループ110dとは異なる)第1のサーバグループ110aおよび第2のサーバグループ110bにそれぞれ接続された出力ポートo1、o4を有する。また、第2の中間受動光伝送素子540bは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポートo3、および、第1の中間受動光伝送素子540aに接続された出力ポートo2を有する。
図6は、図5の配置において、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bにおいて入力信号を出力ポートへ伝送することを示す。
図6は、各ポートに入力される波長と、対応する出力とを示す。下付き文字は波長を示し、上付き文字は入力ポートを示す。第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートは、図6では左に示されているが、図5では右側に示されていることに注意されたい。中間受動光伝送素子540a、540bを通る信号の概要の経路は、入力と出力とを接続する線によって示されている。各波長を表すのに、異なる線種が用いられており、λ1は実線であり、λ2は破線であり、λ3は点線であり、λ4は短く密集した破線である。各波長を表す線種は、図6のその波長に対応する入力カラムの下に示されている。
各出力ポートにおける信号は、信号(下付き文字)の波長と、信号が受信された入力ポート(上付き文字)とに依存する。例えば、第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートi1で受信された波長1の信号は、表示されたλ1 1であり、出力ポートo1で出力される。同様に、入力ポートi3で受信された波長2の信号は、表示されたλ2 3であり、出力ポートo4で出力される。図6の配置において、各出力ポートは4つの異なる入力信号に関連しており、各入力信号は、特定の、唯一の、波長と入力ポートとの組み合わせを表している。各出力ポートは、入力ポートのそれぞれからの1つの信号に関連しており、各信号は、異なる波長に関連しており、それによって、出力ポートにおける4つの信号のそれぞれは、異なる波長であって、かつ、その出力における、他の信号とは異なる入力ポートに関連している。この結果として、任意の出力ポートに対して、関連する出力信号において、繰り返される下付き文字や繰り返される上付き文字は無い。
図6の各入力ポートに対し、4つの異なる波長(または同等に周波数)の入力信号は、それぞれの、異なる出力ポートに伝送される。
図5および図6の配置は、n個の異なる波長だけを用いてn+1個の信号の目的地がアドレス指定される(addressed)ことを許可し、ここで、本例ではnは4である。これが可能なのは、信号のソースはそれ自体をアドレス指定する必要がないからである。ここで、信号のソースと目的地は、サーバグループ110a−dおよび上位受動光伝送素子170(または、上位受動光伝送素子170を越えて、上位光通信路180および光構成要素300)であると考えられる。
例えば、第1のサーバグループ110aから第2のサーバグループ100bへ信号を送るために、第1のグループ110aの送信サーバは、波長2に調整すべきである。これは、第1の下位受動光伝送素子120aを介して、λ2 1に対応して、第1の中間受動光伝送素子540aの第1の入力ポートi1にて、受信されるであろう。図6からわかるように、これは、第1の中間受動光伝送素子540aの出力ポートo2にて出力され、その後、λ2 1に対応して、第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートi1に伝送される。信号は、その後、第2の中間受動光伝送素子540bの出力ポートo4にて出力され、その後、第2の下位受動光伝送素子120bを介して、第2のサーバグループ110bへ通される。
さらなる例として、第1のグループ110aのサーバは、波長3に調整することによって、光構成要素300と通信してもよい。これは、λ3 1に対応して、第1の中間受動光伝送素子540aによって、入力ポートi1にて、受信されるであろうし、また、出力ポートo3から出現するであろう。出力o3から、信号は、上位受動光伝送素子170へ伝送され、また、続いて、上位光通信路180を介して光構成要素300へ伝送される。
表1は、図5および図6の配置に従い、ソースから目的地へ信号を送るのに用いられる波長を示す。ボールド体(太活字)の下線は、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bの両方を通るルートを示すのに用いられる。この実施形態において、各インターグループの経路は、中間受動光伝送素子540a−bのうちの少なくとも1つを含む。さらに、この実施形態において、ソースと目的地とが、同じ中間受動光伝送素子540a−bの入力に両方とも接続されているサーバグループ110a−dであるときにのみ、ルートは、両方の中間受動光伝送素子540a−bを通る(例えば、第1および第2のサーバグループ110a、110bは、両方とも、第1の中間受動光伝送素子540aの入力に接続されており、第1のサーバグループ110aから第2のサーバグループ110bへの信号は、またはその逆も同様だが、両方の中間受動光伝送素子540a−bを通る)。
各下位受動光伝送素子120a−dと、上位受動光伝送素子170との間の、光経路を、下位光通信路130a−dと称する。図5では、対応する下位受動光伝送素子に最も近い下位光通信路130a−dの部分がラベルされているが、経路は、中間受動光伝送素子540a−bも含み(図5の実施形態においては、各下位光通信路130a−dに、1つの中間受動光伝送素子540a−bがある)、下位光通信路130a−d、中間受動光伝送素子540a−bおよび上位受動光伝送素子170の間の接続部および中間光素子も同様である。したがって、中間受動光伝送素子540a−bのようないくつかの素子は、2つ以上の下位光通信路130a−dの間に共用されてもよい。
図5に係る配置は、各サーバグループ110a−dと上位受動光伝送素子170との間の各通信路を提供しうる。上位受動光伝送素子170より上の階層に接続された光構成要素300がOLTカードまたは類似のスイッチング構成要素である場合は、上位受動光伝送素子170と光構成要素300とを介して、追加のインターグループ通信路が設けられてもよい。このように、いくつかの実施形態において、光構成要素300を介して、または、目的地サーバの位置に基づいて送信のために波長が選択される中間受動光伝送素子を直接通って、インターラック通信が提供されてもよい。代替のルート(例えばOLTスイッチを介して)は、高いトラフィック負荷でのマルチパス伝送および負荷バランスを容易にし、これは、OLTスイッチを介する伝送に関連する遅延と電力消費にもかかわらず、有利でありうる。
図5の配置において、上位受動光伝送素子170はAWGRであってもよい。
中間受動光伝送素子540a−bでの衝突を回避するために、サーバグループ110a−dへのリソースを割り当てるためのMACが設けられてもよい。
イントラグループ通信は、任意の適切な方法によって容易にされてもよい。受動方法は、より低い電力消費を提供するが、非受動方法も用いられてもよい。図3a、図3bおよび図3cに関して記載された配置は、図5の配置におけるイントラグループ通信に用いられてもよい。
光構成要素300が、例えば他の光ネットワークに接続されたOLTスイッチであれば、波長は光ネットワーク間で再利用されるが、これは、第1のOLTポートに接続された第1のネットワークにおける光信号は、第2のOLTポートに接続された第2のネットワークを直接通らないであろうからである。
図5の実施形態におけるいくつかの例において、各サーバグループ110a−dは、ラックまたはサーバであってもよい。
図5および図6の記載は、4つの識別可能な波長、4つのサーバグループ110a−dおよび2つの中間受動光伝送素子540a−bを有する特定の実施形態に関する。しかしながら、より多いまたはより少ない波長、サーバグループ110a−dおよび/または中間受動光伝送素子540a−bを有する他の配置も可能である。同様に、中間受動光伝送素子540a−bの入力ポートおよび出力ポートの個数は、4より大きいまたは4より小さいようであってもよく、また、中間受動光伝送素子540a−bの間で異なっていてもよい。図7aおよび図7bは、追加の波長を用いて追加のサーバを有する実施形態を示す。
図7aは、8個のサーバグループ110aおよび上位受動光伝送素子170の間の通信を可能にするために、8個の識別可能な波長を用いるように各サーバが配置されているネットワークを示す。構成要素は図5のものと類似であり、ここでは詳細に再度記述しない。図7aのグループ間の信号の伝送は、受動光伝送素子のみを用いて達成されてもよい。
図5のように、図7aの配置は、2つの中間受動光伝送素子540a−bを含み、これらのそれぞれは、8個の入力ポート(i1ないしi8とラベルされている)および8個の出力ポート(o1ないしo8とラベルされている)を有する。第1の中間受動光伝送素子540aは、4つの各サーバグループ110a−dと接続された4つの入力ポートを有し、これらは、上位受動光伝送素子170と接続された1つの入力ポートと、第2の中間受動光伝送素子540bの出力ポートと接続された3つの入力ポートである。第1の中間受動光伝送素子540aは、入力ポートに接続されたサーバグループ110a−dとは異なる、4つの各サーバグループ110e−hと接続された4つの出力ポートを有し、これらは、上位受動光伝送素子170と接続された1つの出力ポートと、第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートと接続された3つの出力ポートである。
第2の中間受動光伝送素子540bは、第1の中間受動光伝送素子540aと同様に配置され、各サーバグループ110e−hと接続された4つの入力ポート(第1の中間受動光伝送素子540aの出力ポートと接続されたサーバグループ)と、各サーバグループ110a−dと接続された4つの出力ポート(第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートと接続されたサーバグループ)と、を有する。第2の中間受動光伝送素子540bも、上位受動光伝送素子170と接続された1つの入力ポートおよび1つの出力ポートと、第1の中間受動光伝送素子540aと接続された3つの入力ポートおよび3つの出力ポートを有する。
図7bは、図7aの配置における第1および第2の中間受動光伝送素子540a−dの出力ポートに対する入力信号の伝送を示す。図6と同様に、図7bは、各ポートに入力される波長と、対応する出力ポートとを示す。下付き文字は波長を示し、上付き文字は入力ポートを示す。第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートは、図7bでは左に示されているが、図7aでは右側に示されている。
表2は、図7aおよび図7bの配置に従い、ソースから目的地へ信号を送るのに用いられる波長を示す。ボールド体(太活字)の下線は、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bの両方を通るルートを示すのに用いられ、二重のボールド体(太活字)の下線は、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bを、1回より多く通るルートを示す。この実施形態において、各インターグループ経路は、中間受動光伝送素子540a−bのうちの少なくとも1つを含む。さらに、この実施形態において、ソースと目的地とが、同じ中間受動光伝送素子540a−bの入力に両方とも接続されているサーバグループ110a−hであるときにのみ、ルートは、両方の中間受動光伝送素子540a−bを通る(例えば、第1および第2のサーバグループ110a、110bは、両方とも、第1の中間受動光伝送素子540aの入力に接続されており、第1のサーバグループ110aから第2のサーバグループ110bへの信号は、またはその逆も同様だが、両方の中間受動光伝送素子540a−bを通る)。
図5と同様に、下位受動光伝送素子は120a−hで示し、下位受動光伝送素子は120a−hと中間受動光伝送素子540a−bとの間の接続部は530a−hとラベルする。明瞭さのため、下位光通信路130は図7aには示していない。
図5の実施形態のように、下位受動光伝送素子120a−hへの入力に、受動絶縁装置が用いられてもよいが、明瞭さのため、図7aには示していない。
図8は、他の実施形態に係る配置700を示す。示された配置によれば、各サーバへの接続のための12個の光ポートグループ110a−1、110a−2、110b−1、110b−2、110c−1、110c−2、110d−1、110d−2、110e−1、110e−2、110f−1、110f−2が設けられている。ここで、これらの参照符号のすべては、全部で110x−yと略記され、そのため、図8に示された配置では、x∈{a,b,c,d,e,f}およびy∈{1,2}である。同様の略記は、図8の他の参照符号にも用いられている。各ポートグループは、下位受動光伝送素子120x−yに関連している。下位受動光伝送素子120x−yは、伝送サーバ730xに接続されている。図8の配置では、2つの下位受動光伝送素子120x−yが、各伝送サーバ730xに接続されて(に関連して)いる。同じ伝送サーバに接続された下位受動光伝送素子120x−yは、下位受動光伝送素子120x−yのセットを形成し、同様に、対応するサーバグループ110x−yは、サーバグループ110x−yのセット(ここではサーバセットとも称する)を形成する。
下位受動光伝送素子120x−yのそれぞれと、関連する伝送サーバ730xとの間に、ファイバーブラッググレーティング720x−y(FBG)が設けられてもよい(ここでは、サーバは、対応する下位受動光伝送素子120xを介してそれが接続されている、伝送サーバ730aに「関連」しており、それゆえ、グループ110a−1および110a−2のサーバは、図8の伝送サーバ730aに関連している)。図3bに関して記載したように、FBGは、特定の波長(まあは狭い範囲の波長)の光を反射し、他の波長の光を通過させる。FBGにより反射された光は、送信サーバと同じグループのサーバのそれぞれに送信される。したがって、FBGは、伝送サーバ730xを用いずに(すなわち、伝送サーバ730xを介して信号を伝送せずに)、イントラグループ通信を可能にし、これは、伝送サーバ730xの負荷を減少させうる。
FBG720x−yにより反射された波長は、起源であるサーバと同じグループのサーバによってのみ受信されるので、また、そのグループからまたは他のグループへ伝搬しないので、そのグループの全てに対して同じ波長が用いられてもよい。これにより、そのサーバの全てに対するトランシーバの設計を簡素化して統一することができる。これは反射された波長に対する一方通行の通信なので、送信と受信とに同じ波長が用いられてもよい。
イントラグループ通信について、図3aまたは図3bに関して述べた配置のような、代替の配置が用いられてもよい。光素子300がスイッチング素子である場合、イントラグループ通信は、上位受動光伝送素子170および光素子300を介して、追加的にまたは代替的に伝送されてもよい。しかしながら、これは、光素子300への負荷を増やす恐れがあり、また、下位受動光伝送素子120xと上位受動光伝送素子170との間のネットワークのトラフィックを増やす恐れがある。
インターグループ通信については、サーバは、インターグループ通信波長を用いることの許可を得るために、関連する伝送サーバ730xにメッセージを送り、それによって、チャンネルアクセスでの衝突を回避し、競争を管理する。伝送サーバ730xは、それが関連するサーバから制御メッセージを受信する。制御メッセージは、制御メッセージを送るサーバが接続を希望している目的地を特定する。伝送サーバ730xには、(目的地サーバグループ110x−yと関連する伝送サーバ730xを介して)他のサーバグループ110x−yを上位受動光伝送素子170に接続するための調整可能なトランスミッタが設けられている。伝送サーバは、また、それが関連するサーバグループ110x−y間で信号を通してもよい(例えば、伝送サーバ730aは、グループ110a−1、110a−2のサーバ間で信号を通してもよい)。
インターグループ通信は、下位受動光伝送素子120xおよびFBG720を介して、そのサーバのグループに関連する伝送サーバ730xへ信号を送るサーバによって達成される。伝送サーバ730xへ到達させるために、信号は、FBG720x−yによって送信される波長で送られる。伝送サーバは、信号を受信し、(おそらくは、例えばヘッダまたはアドレスフィールドなどに変化を加えて、)伝送サーバ730xに関連する中間受動光伝送素子740xへ送信する。中間受動光伝送素子740xは、伝送サーバ730aから受信した信号を、その信号の波長に基づいて伝送してもよい。中間受動光伝送素子740xはAWGRであってもよい。
図8の配置では、各伝送サーバ730xは、1つの、関連する中間受動光伝送素子740xを有するが、他の実施形態において、各伝送サーバは、複数の中間受動光伝送素子740xを有してもよく、または、複数の伝送サーバ730xが、単一の中間受動光伝送素子740xに関連してもよい。
中間受動光伝送素子740xのそれぞれは、各他の中間受動光伝送素子740xに接続され、さらに、上位受動光伝送素子170に接続されている。図8では、中間受動光伝送素子740xと上位受動光伝送素子170との間の接続は、明瞭さを改良するために、異なる線種を用いて示されており、異なる線種の使用には特に何の意味もない。関連する伝送サーバ730xから中間受動光伝送素子740xによって受信された信号は、その信号の波長に基づいて伝送される。したがって、図8の配置において、各伝送サーバには、少なくとも6個の識別可能な波長の信号を生成することができる調整可能なレーザーが設けられており、各波長は、関連する中間受動光伝送素子740xによって、異なって伝送される。
第1の中間受動光伝送素子740xによって送信される信号は、他の中間受動光伝送素子740によって、または、上位受動光伝送素子170によって、受信される。
信号の目的地が、上位光通信路180および光素子300である場合は、伝送サーバ170xは、上位受動光伝送素子170に関連して波長を決定し、また、その関連する中間受動光伝送素子740xを介して、上位受動光伝送素子170へ、また、続いて、上位光通信路180および光素子300へ、その波長で信号を送信する。例えば、第1のグループ110a−1と上位光通信路180との間の通信については、下位光通信路130a−1は、下位受動光伝送素子120a−1と上位受動光伝送素子170との間であり、また、伝送サーバ730xと、中間受動光伝送素子740aとを含む。図8の配置に係るいくつかの実施形態において、上位受動光伝送素子170はAWGRであってもよい。
信号の目的地が、送信サーバとは異なるセットのサーバである場合、送信サーバは、関連する下位受動光伝送素子720x−yを介して、その関連する伝送サーバ730xへ、信号を送る。伝送サーバ730xは、その後、目的地サーバのセットに関連して波長を決定し、また、その関連する中間受動光伝送素子740xを介して、目的地サーバのセットに関連する、受動光伝送素子740xへ、その波長で信号を送信する。その信号は、その後、目的地サーバのセットに関連する伝送サーバ720xへ提供される。その伝送サーバ720xは、その後、目的地サーバのグループ110x−yを決定し、また、その目的地サーバのグループ110x−yに関連する下位受動光伝送素子720x−yを介して、目的地サーバへ、信号を送信する。
例えば、もし、送信サーバが第1のグループ110a−1にあって、目的地サーバが第2のグループ110b−1にあれば、送信サーバは、関連する第1の下位受動光伝送素子120a−1を介して、関連する第1の伝送サーバ730aへ、信号を送る。伝送サーバ730aは、目的地サーバが第2の伝送サーバ730bに関連するセットにあることを決定し、また、第2の中間受動光伝送素子740bに信号を送るのに必要な波長を決定する。その波長の信号が第1の中間受動光伝送素子740aに送られ、それは、第2の中間受動光伝送素子740bに対する波長に基づいて信号を伝送し、それは、目的地サーバが第2のグループ110b−1にあることを決定し、また、第2の下位受動光伝送素子120b−1を介して、第2のグループ110b−1へ、信号を送信する。
信号の目的地が、異なるグループのサーバではあるが、送信サーバと同じセットである場合、送信サーバは、関連する下位受動光伝送素子720x−yを介して、その関連する伝送サーバ730xへ、信号を送る。伝送サーバ730xは、その後、目的地サーバのグループ110xを決定し、また、目的地サーバのグループ110x−yに関連する下位受動光伝送素子120x−yへ、信号を送信する。例えば、送信サーバがグループ110a−1にあって、目的地サーバがグループ110a−2にある場合には、送信サーバは、関連する第1の下位受動光伝送素子120a−1を介して、関連する第1の伝送サーバ730aへ、信号を送る。伝送サーバ730aは、目的地サーバがグループ110a−2にあることを決定し、また、関連する下位受動光伝送素子120a−2を介して、グループ110a−2のサーバへ、信号を送信する。
伝送サーバ730xのそれぞれは、グループおよび/またはセット内のサーバのアドレスと、各セットに割り当てられた波長とのデータベースを維持して、それによって、他のサーバセットに関連する伝送サーバ730xに信号を送ることを容易にしてもよい。伝送サーバ730xは、インターラック通信を容易にするために、波長変換を行ってもよい。インターラック通信は、中間受動光伝送素子740xを介して(伝送サーバ730x間で)受動的に行われてもよく、これは、図8の配置において伝送サーバ730x間には完全な環状接続性(full mesh connectivity)が存在するからである。あるいは、インターラック通信は、光素子300を介して行われてもよく、ここで、光素子300は、OLTスイッチなどのスイッチング素子である。したがって、冗長的な伝送が提供されてもよく、また、この冗長的な伝送が、ネットワークの一部の混雑または失敗に関連する問題を改善してもよい。
いくつかの実施形態において、各伝送サーバ730xは、各目的地(すなわち、他の伝送サーバまたは上位受動光伝送素子)に対して、対応する波長を生成するように、そして、各目的地に関連する波長が異なったものとなるように、配置されている。各目的地は、他の信号ソース(すなわち、他の伝送サーバまたは上位受動光伝送素子)のそれぞれから信号を受信するようになっている。目的地で受信された信号の波長は、ソースのそれぞれに対して識別可能である。表2は、図8の配置におけるソースと目的地との間で用いられる波長割り当ての例を示し、ここでは、7個のソースと7個の目的地との間の通信のために、6個の波長が用いられ、これらの波長は1,2,3,4,5および6として示されている。他の波長割り当ても可能である。さらに、追加の波長を用いてもよい。
わかるように、図8の配置において、異なるセットにおけるサーバ間のインターグループ通信のための通信路は、2つの中間受動光伝送素子740xを介している。同じセットにおける2つのサーバ間のインターグループ通信については、通信路は、そのセットに関連する伝送サーバ730xを介するが、中間受動光伝送素子740xのうちのいずれをも含まない。サーバと上位受動光伝送素子170との間の通信については、通信路は、1つの中間受動光伝送素子740xを含んでいる。イントラグループ通信については、通信路は、中間受動光伝送素子740xのうちのいずれをも、また、伝送サーバ730xのうちのいずれをも、含まない。
各サーバグループ110x−yは、2つの波長を割り当てられてもよく、これらの波長は、そのグループのサーバと、そのグループ110x−yに接続部する伝送サーバ730xとの間における、1つがアップリンク送信用であり、1つがダウンリンク送信用である。伝送サーバは、グループ内のサーバのアドレスと、各グループに割り当てられた波長とのデータベースを維持してもよい。いくつかの例において、各サーバは、伝送サーバ730xが関連するグループ110x−y内のサーバのデータベースを維持してもよく、加えて、各サーバは、他のサーバが位置しているセットのデータベースを維持してもよく、それによって、信号は、目的地サーバのセットに関連する伝送サーバ730xに送られてもよく、また、そのセットに関連する伝送サーバ730xは、正しいグループを確認すること、および、正しいグループ110x−yに信号を送ることについて、責任を有してもよい。
いくつかの例において、グループ110x−yのサーバは、そのサーバと、関連する伝送サーバ730xとの間の通信のために、他のセットのサーバと同じ波長対を用いてもよい。これにより、サーバグループ110x−y間の均一性が改良されてもよく、また、利用可能な波長の効率的な使用が導かれてもよい。いくつかの例において、伝送サーバ730xは、それが関連する各サーバグループ110x−yに対し、異なるポートを有してもよく、また、この場合、サーバグループ110x−yと伝送サーバとの間の通信は、その伝送サーバ370xに関連するグループセット内の各グループ110x−yにおける同じ波長対を用いてもよく、これは、伝送サーバ370xと各サーバグループ110x−yとの間のネットワークが光学的に分離されている(すなわち、光信号は、1つのこのようなネットワークから他のものへ伝搬しない)からである。
いくつかの実施形態において、伝送サーバは、最新情報とその接続性の状況を交換し、そのデータベースを更新してもよい。このような最新情報は、上位受動光伝送素子170を使用するか回避するかして、上述の通信路を用いる伝送サーバ730x間で交換されてもよい。
各伝送サーバには、識別可能なアップリンク(出て行く)通信路およびダウンリンク(入ってくる)通信路が設けられてもよい。アップリンク通信路およびダウンリンク通信路は、類似のまたは実質的に同じ配置を有してもよい。例えば、中間受動光伝送素子740xは2つのAWGRを含んでもよく、1つはアップリンク通信用であり、1つはダウンリンク通信用である。
サーバグループは、スーパーセットにて配置されてもよく、図8の配置はスーパーセット710a、710b、710cを示し、それぞれが、2つのサーバセット(すなわち、4つのサーバグループ110x−y)を有している。図8の配置において、スーパーセット710a、710b、710cにてサーバを配置することは、サーバとサーバグループとの間の接続に、概要的なレベルでは影響を与えないが、サーバを物理的に配置するのに便利でありうる。例えば、各スーパーセットは、サーバのラックに対応する。サーバセットがスーパーセットにて配置されている場合に、各スーパーセットのセットの個数は特に限定されない。
図8の配置において、各サーバセットは、2つのサーバグループ110x−yを含むが、より多いまたはより少ないサーバグループが各セットに含まれてもよい。
図8の配置に係る実施形態は、インターグループ通信を管理する伝送サーバ730xを用いることによって、調整可能なレーザーの個数を減らすことができうる。
イントラグループ通信の目的のために、各グループ110x−yは、N個のサーバを含むTDM PONであってもよく、ここでNはTDM PONの分割比である。典型的な実施形態において、各グループ110x−yは8個のサーバを含んでもよく、また、各セットは2個のグループ110x−yを含んでもよい。さらに、各スーパーセットは、2個のセットを含んでもよい。このような配置では、スーパーセットは32個のサーバを含む。スーパーセットがラックの場合、各ラックは32個のサーバを含むことになる。
他の例では、各セットのグループの個数は2個であってもよく、スーパーセットはそれぞれ1つだけセットを有する(すなわち、セットとスーパーセットが同じである)。各グループが18個のサーバを有する場合も、結果として、32個のサーバのスーパーセットとなり、各スーパーセットに関連するただ1つの伝送サーバ730xを有する。また、スーパーセットがラックに対応する場合は、32個のサーバのラックとなる。各スーパーセットに2個のセットを持ち各グループに4個のサーバを持つ例と比較して、この配置は、配線の複雑さと中間受動光伝送素子のような構成要素の個数とを減らしうるが、伝送サーバ730xの負荷が増加しうる。他の実施形態において、各ラックは、より多いまたはより少ないサーバを有してもよい。
いくつかの例において、各グループは同じ個数のサーバを有し、各セットは、同じ個数のグループを有し、各スーパーセットは、同じ個数のセットを有する。このような配置は、ネットワークの均一性を改良する。しかしながら、他の実施形態において、グループセットおよびスーパーセットは、様々な個数のサーバ/グループ/セットを有してもよい。
各グループ/セット/スーパーセットに設置されてもよいサーバの個数の上記例では、伝送サーバ730xはサーバの合計数にはカウントされなかった。伝送サーバ730xは、伝送動作を本質的に行う専用の素子であってもよい。しかしながら、他の配置においては、伝送サーバ730xは、他の動作を行ってもよく、また、いくつかの実施形態において、伝送サーバ730xは、上述の伝送機能を実行するのに加えて、グループ110x−yのサーバと類似の機能を行う。
図8の実施形態において、サーバグループ110x−yの各サーバは、2個しか波長を生成する必要が無く、1つはアップリンク用であり、1つはダウンリンク用である。これにより、グループ110x−yのサーバで2つより多い波長で放つことができる調整可能なレーザーを要しなくなるので、コストを下げることができうる。
図9は他の実施形態を示す。図9の実施形態において、2つ以上の光ポート/サーバセット810a−dが設けられている。図9には、4つのポート/サーバセット810a−dが描かれている。各セットは2つ以上の光ポート/サーバグループ110a−d、820a−d、830a−d、840a−dを含み、図9の各セットには4つのグループがある。第1のサーバグループ110aは、第1のサーバセット810aに設けられている。図9の配置800では、第1のサーバセットに、追加の3つのサーバセット820a、830a、840aが設けられている。同様に、第2のサーバグループ110bは、第2のサーバセット810bに設けられている。図9の第2のサーバセット810bには、追加の3つのサーバセット820b、830b、840bが示されている。
図9の実施形態において、イントラセット通信路370a−dが設けられている。イントラセット通信路370a−dは、同じセット内のサーバの任意の対の間の通信を可能にする。サーバ対は、同じセット内の同じグループまたは異なるグループにあってもよい。以下の記述では、イントラセット通信路370a−dは、例えば図3に示すような、光バックプレーンであるとする。しかしながら、他の配置も可能であり、例えば、イントラセット通信は、図3aの配置を用いて達成されてもよい。いくつかの実施形態において、イントラセット通信路370a−dは、イントラグループ通信にも用いられてもよい。いくつかの実施形態において、別々のイントラセット通信路が設けられてもよい。例えば、イントラセット通信は、(図3cのような)光バックプレーンを用いて実行されてもよく、また、イントラグループ通信は、追加的にまたは代替的に、(図3aおよび図3bのような)スターリフレクタまたはFBGを利用してもよい。
第1のサーバグループ110aは、データ接続部111aによって、第1の下位受動光伝送素子120aと光学的に接続されている。第1の下位受動光伝送素子120aは、第1の下位光通信路130によって、上位受動光伝送素子170と接続されている。上位受動光伝送素子170は、上位光通信路180と光学的に接続されている。したがって、光信号は、データ接続部111、第1の下位受動光伝送素子120a、第1の下位光通信路130および上位受動光伝送素子170を介して、上位光通信路180と第1のサーバグループのサーバとの間で送信されてもよい。同様に、第2のサーバグループ110bは、データ接続部、第2の下位受動光伝送素子120b、第2の下位光通信路130bおよび上位受動光伝送素子170によって、上位光通信路180と光学的に接続されている。第3のサーバグループ110cおよび第4のサーバグループ110dを、上位光通信路180と接続する、類似の配置が設けられている。上位光通信路180へのリンクを提供するサーバグループ110a−dは、ここでは、「外部リンクサーバグループ」(外部的にリンクされたサーバグループ)と称されてもよく、これは、それらが、上位受動光伝送素子170より下の階層にあるネットワークセルの外部のネットワーク素子との通信を可能にするからである。
外部リンクサーバグループ110a−dと上位光通信路180との間の通信路は、図1に関して述べたものと類似であってもよい。
いくつかの実施形態において、上位受動光伝送素子170への/からの信号は、同じ波長を有してもよく、これによって、波長は、信号のソースまたは目的地であるサーバのグループに依存しなくなる。いくつかの配置において、上位受動光伝送素子170は、スターカプラおよび/またはスタースプリッタであってもよい。上位光通信路180と、外部リンクサーバグループ110a−dとの間で信号を運ぶのに、TDMを用いてもよい。このような配置によれば、2つの波長が用いられてもよく、1つはサーバからのアップリンク用であり、1つはサーバへのダウンリンク用であり、同じ波長が、サーバセット810a−dの全てに対して用いられている。
いくつかの実施形態において、上位受動光伝送素子170により受信された信号は、信号を送信した、外部リンクサーバグループ110a−dに依存した波長を有してもよい。すなわち、上位受動光伝送素子170に信号を送るときに、各外部リンクサーバグループは、異なる波長の光を用いてもよい。同様に、上位光通信路180から上位受動光伝送素子170に到着する信号は、目的地サーバグループ110a−dに依存した波長を有してもよい。いくつかの配置において、上位受動光伝送素子170は、信号の波長に基づいて信号を受動的に伝送してもよい。いくつかの実施形態において、上位受動光伝送素子170は、AWGRであってもよい。いくつかの配置において、上位光通信路180と、外部リンクサーバグループ110a−dとの間で信号を運ぶのに、WDMを用いてもよい。これにより、利用可能な帯域幅が増加しうる。この配置によれば、各セット810a−dに対し、2個の識別可能な波長(図9の配置では8個の波長)が用いられてもよく、各セット810a−dに対し、1つの波長はアップリンク用のために用いられ、1つの波長はダウンリンク用のために用いられる。いくつかの実施形態において、いくつかの外部リンクサーバグループ110a−dは、上位受動光伝送素子170を介して通信するときに同じ波長を利用してもよく、一方、他の外部リンクサーバグループ110a−dは、異なる波長を利用してもよく、すなわち、同じ波長が外部リンクサーバグループ110a−dの間で共用されてもよい。このような実施形態において、WDMとTDMとのハイブリッドが用いられてもよい。
第1の下位受動光伝送素子120aは、第1のグループ110aのサーバのそれぞれからの信号を結合してもよく、また、第1の下位光通信路130aに沿って信号を伝送してもよい。第1の下位受動光伝送素子120aは、スターカプラであってもよい。同様に、第1の下位光通信路130aから第1の下位受動光伝送素子120aによって受信された信号は、第1のグループ110aのサーバのそれぞれに伝送されてもよく、いくつかの実施形態において、第1の下位受動光伝送素子120aは、スタースプリッタであってもよい。第2、第3および第4の下位受動光伝送素子120b−dは、第1の下位受動光伝送素子120aと類似であってもよい。
いくつかの実施形態において、第1、第2、第3および第4のグループ110a−dのサーバと、上位光通信路180との間の通信は、完全に受動的であってもよい。
図9の配置において、各サーバセット810a−dのうちの1つのサーバグループ110a−dは、上位光通信路180までの/からの通信路を有する。他のサーバグループ820a−d、830a−d、840a−d(ここではセットリンクグループと称する)は、インターセット(セット間)通信路850ab、850ac、850ad、850bc、850bd、850cd(ここでは850xyと総称する)を提供する。
各セットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dは、異なるサーバセット810a−dにて、他のセットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dと光学的に接続されている。例えば、第1のサーバセット810aにおけるセットリンクグループ820aは、第4のサーバセット810dにおけるセットリンクグループ820dとリンクされている。セットリンクグループにおけるサーバ間の接続は、データ接続部821a、(サーバグループ820aに関連する)セットリンク受動光伝送素子822a、インターセット光通信路850ad、(サーバグループ840dに関連する)他のセットリンク受動光伝送素子、および、グループ840dのうちの個々のサーバとグループ840dに関連するセットリンク受動光伝送素子とのデータ接続部を介する。したがって、セットリンクグループ820aは、セットリンクグループ840dとリンクする。リンクされたセットリンクグループの対の間の通信は、受動光通信であってもよい。
同様に、図9の配置において、第1のサーバセット810aにおけるセットリンクグループ830aは、第3のサーバセット810cにおけるセットリンクグループ830cとリンクされており、第1のサーバセット810aにおけるセットリンクグループ840aは、第2のサーバセット810bにおけるセットリンクグループ820bとリンクされている。
セットリンクサーバグループにおけるデータ接続部とセットリンク受動光伝送素子との配置は、第1のサーバグループ110aにおけるデータ接続部111aと下位受動光伝送素子110aとの配置と類似であってもよく、インターセット通信路850xyは、下位受動光伝送素子120a−dと上位受動光伝送素子170とを接続するよりもむしろ、異なるセットにおいてセットリンク受動光伝送素子の対を接続する。セットリンク受動光伝送素子822aは、スターカプラであってもよい。
いくつかの実施形態において、サーバセット810a−dの任意の対に対し、リンクされるセット810a−dの対のうちの各セット810a−dにおいて、少なくとも1つのセットリンクグループ850xyがあり、それによって、各リンクが、サーバセット810a−dの各対に対して存在する。
図9の配置において、各サーバセット810a−dは、各インターセット通信路850xyと、そのインターセット通信路850xyに関連したセットリンクグループの各対と、を介して、各他のサーバセット810a−dとリンクされている。いくつかの実施形態において、インターセット通信のための代替の経路が、上位通信路180に接続されたスイッチング素子を介して提供されてもよい。
図9の配置において、第1のセット810aにおける第1のサーバグループ110aから第2のセット810bにおける第2のサーバグループとの通信は、イントラセット通信路370aを介して、第2のセット810bに(すなわち、第2のセットのセットリンクグループ820bに)リンクされた第1のセット810aのセットリンクサーバグループ840aのサーバへ信号を送る、第1のグループ110aの送信サーバによって行われてもよい。信号は、グループ840aのサーバによって受信され、そのサーバは、その信号を、第2のセットのグループ820bのサーバへ、インターセット通信路850xyを介して再送信する。信号は、そのグループ840aに関連するデータ接続部およびセットリンク受動光伝送素子、インターセット通信路850ab、および、第2のサーバセット810bのグループ820bに関連するセットリンク受動光伝送素子およびデータ接続部、を介して送られる。信号は、第2のサーバセット810bのイントラセット通信路370bを介して、第2のグループ110bの目的地サーバへ再送信される。同様に、信号は、類似の方法を用いて、ただし第2のセット810bのイントラセット通信路730bに関するアドレス指定を変えて、第1のセット810aの第1のグループ110aのサーバから、第2のセット810bの任意のグループ110b、820b、830bまたは840bのサーバへ、送られることができる。目的地サーバがグループ820bにある場合は、同じ伝送が用いられてもよいが、第2のセット810bのイントラセット通信路370bの使用は不要であるとしてもよく、ここで、目的地サーバは、グループ820bに関連するセットリンク受動光伝送素子から直接、信号を受信することができる。信号のソースが、リンクしているグループ820aまたは830aのサーバである場合には、同様のアプローチが用いられてもよい。信号のソースが、リンクしているグループ840aのサーバである場合は、同じアプローチが用いられてもよいが、第1のグループのイントラセット通信路370aの使用は不要であるとしてもよい。任意の異なるセット810a−dのサーバの任意の対の間で通信路を提供するために、同様のアプローチが用いられてもよい。
図9の配置において、各セット810a−dのうちのグループ110a−d、820a−d、830a−d、840a−dの個数は、セット810a−dの個数に等しく、各セットに1つの外部リンクグループ110a−dがあり、残りのグループは、セットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dである。各セットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dは、異なるセット810a−dでは、他の1つのセットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dにリンクされている。目的地サーバのセット810a−dと直接接続されていないサーバからのインターセット通信は、目的地サーバのセット810a−dと直接接続されているソースサーバと同じセット810a−dのセットリンクグループ820a−d、830a−d、840a−dのサーバを用いて行われる。
サーバが、同じセットの他のサーバから信号を受信して、セットの外に(例えば、異なるセットへ、または上位受動光伝送素子へ)その信号を送信する場合、またはその逆の場合(信号がセットの外から受信されて、再送信サーバと同じセットの内部の他のサーバに再送信される場合)、再送信サーバは、リレーとして働く。グループ110a−d、820a−d、830a−d、840a−dの内部のリレーサーバの選択は、グループ110a−d、820a−d、830a−d、840a−dの内部のサーバの活用またはトラフィック負荷に基づいてもよい。
いくつかの実施形態において、各サーバセットは4つのサーバグループを含んでもよく、また、各サーバグループ110a−d、820a−d、830a−d、840a−dは8つのサーバを含んでもよい。いくつかの実施形態において、各サーバセット810a−dは、サーバのラックに対応していてもよい。
図9に係るいくつかの実施形態において、調整可能なレーザーをサーバが持つ必要性は除去されてもよい。特に、各サーバは、(その関連する下位受動光伝送素子120a−dまたはセットリンク受動光伝送素子を介して送信される信号に対し、)単一の波長を用いて通信してもよい。イントラセット通信路370a−dを介したイントラセット通信のために、追加のレーザーが必要であってもよい。いくつかの実施形態において、この追加のレーザーは、単一波長レーザーであってもよい。したがって、高価な調整可能なレーザーの使用を回避または減少させることによって、実施形態は、コスト減少を導きうる。
図9の配置における実施形態は、サーバセット810a−d間の高速な相互接続を容易にしうる。
いくつかの実施形態において、リンクされたセットリンクグループのサーバ間の通信路は、安全に受動光通信路であってもよい。いくつかの実施形態において、外部リンクグループのサーバと上位受動光伝送素子との間の通信路は、安全に受動光通信路であってもよい。
図9の実施形態は、各セットに、4つのサーバセットと4つのサーバグループとを含んでいるが、他の配置も可能である。
いくつかの実施形態において、1つ以上の非リンクサーバグループ(リンクしないサーバグループ)が、いくつかのまたは全てのセットに設けられていてもよい。非リンクサーバグループは、イントラセット通信路370a−dを介して同じセットの他のサーバグループと通信するが、他のサーバセット810a−dや上位受動光伝送素子170とはリンクされていない。非リンクサーバグループのサーバは、イントラセット通信路370a−dを介して、非リンクサーバグループと同じセットのセットリンクグループまたは外部リンクグループへ、通信を伝送することによって、他のサーバセット810a−dまたは上位受動光伝送素子170と通信してもよい。
いくつかの実施形態において、セット内の複数のグループが、同じ目的地(例えば、他のセット810a−dまたは上位光通信路180)とリンクしてもよい。これは、例えば、伝送の冗長性を改良しえ、また、混雑の影響を減少させうる。
いくつかの実施形態において、いくつかのセットは、全てのセットにリンクされているわけではない。例えば、図9の配置において、インターセット通信路850ad、850acおよび850bdは省かれてもよい(これらの通信路に接続されたサーバグループ820a、830a、830b、830c、830d、840dも省かれてもよい)。この場合、通信は、ソースと目的地セットに加えてセットを介して伝送されてもよい。例えば、第1のセット810aのグループ110aから第4のセット810dのグループ110dへの信号は、イントラセット通信路370a−dおよび残りのインターセット通信路850ab、850bc、850cdを利用して、グループ840a、820b、840b、820cおよび840cを介して伝送されてもよい。同様に、いくつかの実施形態において、1つ以上のセットは、上位受動光伝送素子170と直接リンクしていなくてもよく、このようなセットと上位受動伝送素子170との間の通信は、外部リンクグループを有するセットを介して伝送される。
図10は、いくつかの実施形態における配置を図示し、特に、図10は、多くのサブネットワーク、すなわちセル910、を有するデータセンターネットワークでの使用に適したシステムを示し、サブネットワーク910のうちの少なくとも1つは、図1ないし図9に関して記載されたような構成を有している。
図10の配置では、複数のサブネットワーク910が設けられている。サブネットワーク910は、光ネットワークであってもよく、また、受動光ネットワーク、および/または、受動構成要素および能動構成要素のハイブリッドを有するネットワークを含んでいてもよい。図10では、明瞭さのため、サブネットワークは、1つのOLTカード920にのみ接続されているように示されている。しかしながら、サブネットワークは、各OLTカード920に接続されていてもよい。
サブネットワーク910は、上位光通信路180を介して、OLTカード920のOLTポート925に接続されてもよい。OLTスイッチ900には、複数のOLTカード920が設けられていてもよい。OLTカードは、各胴体930に複数のOLTカード920を有するような、多くの胴体930に配置されていてもよい。OLTカードは、同じ胴体930において他のOLTカードと通信することができてもよく、また、同じOLTスイッチ900内の他の胴体においてOLTカードと通信することができてもよい。さらに、OLTスイッチは、他のOLTスイッチとの通信を容易にしてもよい。
図10のOLTスイッチ900は、家庭、囲い、店内のアクセスネットワークへのファイバーに用いられるOLTスイッチに類似の構成を有してもよい。
いくつかの実施形態において、各OLTカード920は8個のOLTポート925を有し、各OLTポートは、光サブネットワーク、すなわちセル910に接続されている。各OLT胴体は16個のOLTカードを含んでもよく、また、1つのOLTスイッチは8個のOLT胴体を含んでもよい。各サブネットワークにおいて128個のサーバを有する配置において、各OLTスイッチは、131、072個のサーバを接続する。したがって、このような配置においては、655,360個のサーバを接続するのに、5個のOLTスイッチで十分である。
いくつかの実施形態において、各OLTポートは、最高10Gb/sまでの送信速度を提供してもよい。128の分割比のとき、このような単一のカードポートは、128個のサーバを接続することができ、また、1つのカードは、1024個のサーバを接続することができる。このような配置においては、16個のOLTカードの単一の胴体は、16,384個のサーバへの接続を提供することができる。
いくつかの応用において、128個のサーバの間の10Gb/sのポート速度を共用することは、そのサーバのうちのいくつかのものについては不十分な容量を提供しうる。このような場合、より少ないサーバが各ポートの帯域幅を共用するように、構造が配置されてもよい。これは、より多くのOLTカードを必要としうる。より低い活用率(activity ratio)のときには、光ネットワークプロトコルは、トラフィック爆発の要求を満たすために、弾性帯域幅割り当てを行ってもよい。いくつかの実施形態において、データセンターの負荷は、例えば、時間/分の内の、より短い不活動期間に応じた睡眠が続く、長期間の毎日の負荷の変化に応じて、負荷バランシングに対する異なるサブネットワークの間で分配されてもよく、あるいは、電力発散(power shedding)による電力節約を可能にするために、より少ないサブネットワークに統合されてもよい。
図10の配置は、大きな接続性を提供するために用いられてもよく、また、「サービスとしてのインフラ」(IaaS)、「サービスとしてのプラットフォーム」(PaaS)、および「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)などのサービスを供給するための、クラウドコンピューティングのような種々の応用におけるデータセンターに適しうる。
図10の配置は、アクセスと集約のスイッチの必要性を減少させるかまたは除去するのに用いられてもよく、これは、電力消費の減少を導きうる。図10の配置は、また、リソース割り当ておよびサーバ間の相互接続速度の点で、良い性能を提供しうる。
図11は、図7aの配置を示すが、接続素子530の構成の例を示す。図11の配置において、サーバグループ110から中間受動光伝送素子540への信号は、アップリンク下位受動光伝送素子121a−hを介して伝送され、中間受動光伝送素子540からサーバグループ110への信号は、ダウンリンク下位受動光伝送素子122a−hを介して伝送される。アップリンク下位受動光伝送素子121a−hのそれぞれは、スタースプリッタであってもよい。ダウンリンク下位受動光伝送素子122a−hのそれぞれは、スターカプラであってもよい。アップリンク下位受動光伝送素子121a−hおよびダウンリンク下位受動光伝送素子122a−hは、下位受動光伝送素子120a−hの構成要素であるとみなしてもよい。
図11の配置における第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bにおける入力信号の出力ポートへの伝送は、図7bに示すようなものとしてもよい。これは表2の伝送表を導く。
図11に係るいくつかの例において、8個のサーバグループ110a−hのそれぞれは、8個のサーバを含んでもよく、その結果、セル912は64個のサーバを持つ。セル912の64個のサーバをやはり有する図5の配置に係る例は、(各グループのサーバの個数が同じと仮定して)4つのサーバグループのそれぞれにおいて16個のサーバが必要である。図11の配置におけるこの比較的多いグループ個数は、各グループ110のリソースを求めて競争するサーバの個数を減らし、したがって、波長ごとに、ポイント・ツー・ポイントのイントラセル通信のための応募過多を減らしうる。
図11で示した構造での受動光伝送素子の相互接続を最適化するために、混合整数線形計画法(MILP)モデルが用いられてもよい。いくつかの例において、セル912は、8個のサーバグループに配置された64個のサーバから成る。図11は、MILPモデルから得られた8個のサーバグループに対する調整可能なレーザーを有するセル912の組織相互接続設計を示し、図7bは、中間受動光伝送素子540a−b(例えばAWGR)に対して得られた構成を示し、表2は、インターグループおよびグループから光構成要素300への通信に対する波長割り当ての表を示す。
波長伝送表によれば、もし第1のグループ110aのサーバが、第4のグループ110dのサーバと通信する場合は、入力ポート1から出力ポート5へ、第1の中間受動光伝送素子540aを通じて伝送された波長1を用いて、光構成要素300(例えばOLTスイッチ)へ制御メッセージが送られる。この出力ポートは、(上位受動光伝送素子170を介して)光構成要素300と接続する。もしリクエストが認められたら、光構成要素300は、それぞれ、波長4および波長5を用いて、第1のサーバグループ110aおよび第4のサーバグループ110dへ、制御メッセージで応じる。第4のグループ110dの目的地サーバは、自身のレシーバを波長2に調整し、第1のグループ110aのソースサーバからデータを受信する。アイドルサーバは、デフォルトでは、自身をOLTと接続する波長に調整されてもよい。
図12は、いくつかの例に係るサーバグループ110と光素子300(例えばOLT)との間の接続を示す。接続は、石垣接続形態として接続された(AWGRなどの)受動伝送素子175、177の2層を介して確立されてもよい。多くのリンクを示すことに関連した複雑さを回避するために、図12は、セル912の詳細は示さずに、セル912から共通の受動伝送素子177(例えば上位受動伝送素子170)までのアップリンク接続を示す。図12は、下位層受動光伝送素子177と光素子300との間のアップリンク接続を示しており、類似の配置がダウンリンク接続用に用いられてもよい。本例は、各セル912が、図11に示すセル912と対応していると仮定しているが、しかしながら、図1ないし図9に関係して述べられた他の配置のうちの任意のもののような、他のセル912の配置が用いられてもよい。セル912は、図10のセル910とは異なっており、それは、セル912が、上位受動光伝送素子170を含まないからであることに注意する。図12の配置は、豊かな接続性の提供を可能にする。調整可能なレーザーがサーバに設けられている場合は、設計が柔軟になり、サーバが任意のOLTポートを結合することが、そのOLTポートのトランシーバを適切な波長に調整することによって可能になる。
いくつかの例によれば、すべての通信は、光素子300(例えばOLT)を介して調整されてもよい。需要のあるサーバは、光素子300に、目的地アドレスとリソース要件を持ったリクエスト制御メッセージを送る。もし、光素子300がリクエストを認めたら、光素子300は、そのように調整することを両方のサーバが要する波長割り当て、および、タイムスロットを、サーバに伝える、ソースおよび目的地サーバへのゲートメッセージで応じる。初めに、すべてのサーバのトランスミッタとレシーバは、自身を光素子300と接続する、指定された波長に調整されてもよい。各サーバのネットワークインターフェースカードには、固定して調整されたレシーバのアレイと、波長検出および選択のための調整可能なレーザーとが、それぞれ備えられていてもよい。セル912において各サーバに対して固定されて調整されたレシーバの個数は、サーバグループの個数と、セル912を接続する光素子300のポートの個数とによって支配されてもよい。下位層受動光伝送素子177のそれぞれへの入力ポートの個数は、セル912からの出力の個数と等しくてもよい。下位層受動光伝送素子177のそれぞれからの出力ポートの個数は、(上位層受動伝送素子175を介して)各セル912が接続される光構成要素300のポートの個数と等しくてもよい。上位層受動伝送素子175のそれぞれは、各セル912が接続される光構成要素300の個数と等しい入力ポートの個数を有していてもよい。同様に、上位層受動伝送素子175のそれぞれは、各セル912が接続される光構成要素300の個数と等しい入力ポートの個数を有していてもよい。図12に示された特定の配置に対し、もし、8個の光構成要素300とセル912とを、最大8個のサーバグループと接続することを我々が考慮するならば、8×8のAWGで十分であろう。
セル912内で、インターグループ通信は、光構成要素300を介して、または、イントラセル通信路に基づいて直接(例えば、図11の配置において中間受動光伝送素子540a−bを介して)、提供されることができる。代替のルートは、多重経路伝送および高トラフィック負荷での負荷バランシングを容易にするが、しかしながら、遅延と電力消費とを減少させるためには、できれば、光構成要素300を通じてトラフィックを送ることは回避されてもよい。サーバは、波長伝送マップに基づいて、そのサーバのトランシーバを適切な波長に調整することによって、他のグループ110のサーバと通信することができる。この設計は、光構成要素300の異なるポートに接続される他のサーバグループ110を接続するのに波長を再利用できる点で、携帯電話の無線ネットワークに類似している。
図12の配置は柔軟性を有しており、これにより、サーバが、光素子300の異なるポートに結合することが可能になりうる。これは、リソースを提供するという点で、性能を向上させうる。しかしながら、いくつかの例によれば、すべてのサーバには、コストを増加させうる、調整可能なトランシーバが備えられている。
図12に係る配置は、互いに通信すべきN+K個のエンティティ(実体)(N個のサーバグループ110と光構成要素300のK個のポート)を有する波長伝送ネットワーク(WRN)であってもよい。図12に示した特定の配置について、また、各セル912が図11に示したようなものである場合、K=4およびN=8であり、したがってN+K−1=11個の(識別可能な)波長が用いられてもよい。このような場合、下位層受動光伝送素子177と上位層受動光伝送素子175との間の各接続は、8個の非オーバーラップの(重複しない)(識別可能な)波長を運んでもよい。同様に、上位層受動伝送素子175と光構成要素920との間の各接続は、8個の非オーバーラップの波長を運んでもよい。上位層受動伝送素子175と光構成要素920との間の接続のそれぞれは、光構成要素920の異なるポートにて終結してもよい。非オーバーラップの波長の割り当ては、MILPモデルを用いて決定(例えば最適化)されてもよい。
セル912が図11の配置に従うような図12の配置のいくつかの例において、セル912は、8個より多い波長を用いるように配置されてもよく、これによって、各サーバグループに対し、複数の波長が、関連する下位層受動光伝送素子177へ導かれるようになる。このような場合、下位層受動光伝送素子と光構成要素920との間の信号の伝送は、サーバグループによって送信される波長によって制御されることができる。
(例えば、J. Baliga, R. W. A. Ayre, W. V. Sorin, K. Hinton, and R. Tucker, "Energy Consumption in Access Networks," in Optical Fiber communication/National Fiber Optic Engineers Conference, 2008. OFC/NFOEC 2008. Conference on, 2008, pp. 1-3で研究されているような)アクセスネットワークにおける現在の受動光ネットワーク(PON)は、ポイント・ツー・ポイントのファイバーリンクがPONより高いエネルギー効率となりうる場合には、1Gb/sを越える速度に対してはうまく働かない。しかしながら、例えば、図11の携帯電話構造は、Baliga, et al.に記載のPONの制限のいくつかを回避しうる。図11の配置によれば、(i)サーバグループ110(例えばサーバラック)内では、バックプレーンまたはFBGが、完全な波長速度を提供し、(ii)特定の上位光伝送素子170(例えばラックのセル912)に接続されるサーバグループ110a−110h内では、中間受動光伝送素子540a、540bが、完全な波長速度を提供し、(iii)セル間(例えば第1の上位光伝送素子170と、第2の上位光伝送素子170に接続されたサーバとの間)の通信が、光構成要素300を介して行われうる。図12の配置によれば、各セル912が、図11に示されるセル912に対応しており、(セル内の)イントラグループ通信とインターグループ通信が、上記(i)および(ii)に従う。しかしながら、インターセル通信は、上記(iii)とは異なりうる。特に、図12の配置においては、インターセル通信(第1のセル910−1のサーバと第2のセル910−2のサーバとの間の通信)は、上位光伝送素子の2層を介して伝送されてもよく、上位光伝送素子175−1ないし175−nの第1の(上位)層は、上位光伝送素子177−1ないし177−nの第2の(下位)層と、複数の光構成要素905−1ないし905−4(例えばOLTスイッチ/OLTカード/OLTポート)と、の間で信号を伝送する。上位光伝送素子177−1ないし177−nの第2の(下位)層は、特定のセル912のサーバグループと、上位光伝送素子175−1ないし175−nの第1の(上位)層と、の間で信号を伝送する。
図12に係る配置は、(例えば、例えば図11に示されるような、各セル912が単一の光構成要素300に接続されたような配置と比べて、)インターセル通信においてTDM MAC(時分割多重化メディアアクセス制御)を通じてサーバによって波長を共用することによる受動光ネットワークの制限を被りにくい。例えば、図12の配置では、応募過多が減少しうる。いくつかの配置において、上位光伝送素子の第1の層175と第2の層177の光伝送素子のそれぞれは、AWGRであってもよい。
光構成要素905は、光スイッチング素子(例えばOLTスイッチ)であってもよい。光構成要素のそれぞれは、光信号を受信するおよび/または送るための2つ以上の光ポートを有してもよい。図12のセル912のそれぞれは、サブネットワークであってもよい。各サブネットワークは、それぞれ第1のサーバグループおよび第2のサーバグループと通信するための、第1のポートグループおよび第2のポートグループを含んでもよい。いくつかの例によれば、1つ以上のサブネットワークは、例えば、第1のサブネットワークの第1および第2の光ポートグループと第1の下位層光伝送素子との間の通信の伝送が受動的であるような受動光ネットワークであってもよい。
上位層光伝送素子175と下位層光伝送素子177のそれぞれは、信号の波長と、その信号が受信される入力ポートとに基づいて光信号を伝送してもよい。各サブネットワーク(すなわち、その中のポートグループ/サーバグループ110)は、各下位層光伝送素子177と通信するように配置されていてもよい。各下位層光伝送素子177は、その対応するサブネットワークと上位層光伝送素子175のそれぞれとの間で信号を伝送するように配置されていてもよい。上位層光伝送素子のそれぞれは、下位層光伝送素子のそれぞれと能動光スイッチング素子のそれぞれとの間で信号を伝送するように配置されていてもよい。
上位層光伝送素子および下位層光伝送素子は、各ネットワークのグループと、能動光スイッチング素子のそれぞれとの間の各受動光通信路を形成してもよい。
第1のサブネットワークの第1の光ポートグループと能動光スイッチング素子のそれぞれとの間の各受動光通信路は、第1の光ポートグループと各他の能動光スイッチング素子との間の各他の受動光通信路に関連した波長とは異なる波長に関連してもよい。
図13aは、上位受動光伝送素子170より下の階層にある任意のサーバグループ110a−fと任意の他のサーバグループ110a−dとの間で伝送するインターグループ通信路を含むインターグループ通信を提供する配置を示す。図13aの配置1300によれば、これらのインターグループ通信路は、受動通信路であってもよい。図13aの配置に係る実施形態は、上位受動光伝送素子170を介して伝送されないインターグループ通信路を提供し、これは、上位受動光伝送素子が接続する光構成要素300(例えばOLTスイッチ)での電力消費と負荷とを減少させ得、これは、インターグループ通信が、上位受動光伝送素子170および光構成要素300を介して伝送される必要が無いからである。図13aの配置に係るいくつかの実施形態において、上位受動光伝送素子170はAWGRであってもよい。
インターグループ通信路は、送信サーバおよび受信サーバが属する各サーバグループ110a−fに関連した各下位受動光伝送素子121a−f、122a−fを介して、および、1つ以上の中間受動光伝送素子540a−bを介している。図13aの配置は、2つの中間受動光伝送素子540a−bを示しており、これらは、複数の入力ポートから複数の出力ポートへの光信号を伝送してもよく、出力は、入力信号の波長と入力信号を受信した入力ポートとに依存する。中間受動光伝送素子540a−bは、例えばAWGRであってもよい。
中間受動光伝送素子540a−bは、図11の配置と同様に、アップリンク下位受動光伝送素子121a−fおよびダウンリンク下位受動光伝送素子122a−fによってサーバグループに接続されてもよい。サーバグループ110a−fからのトラフィック(光信号)は、中間受動光伝送素子540a−b(例えばAWGR)の入力に接続されたアップリンク下位受動光伝送素子121a−f(例えばスターカプラ)の出力ポートに到着する。
図13aの実施形態において、各サーバ(例えばサーバのネットワークインターフェースカード)は、固定された、調整されたレシーバのアレイと、波長の検出と選択とのための調整可能なレーザーとを有している。他の実施形態において、スペクトルスライスLEDのような、レーザー以外の多重波長ソースが用いられてもよい。図13aの配置は8つの波長を利用しており、そのため、レシーバは少なくとも8つの識別可能な波長を受信するように配置されており、また、少なくとも8つの識別可能な波長の信号を出力するための調整可能なレーザーが配置されている。
図13aの配置では、6つのサーバグループ110a−fが、2つの中間受動光伝送素子540a−bを介して接続されている。この例では、各中間受動光伝送素子540a−bは、サーバグループ110aのうちの3つから入力を受信する。より詳細には、第1の中間受動光伝送素子540aは、各アップリンク下位受動光伝送素子121a、121b、121cを介して、第1のサーバグループ110aおよび第2のサーバグループ110bおよび第3のサーバグループ110cから入力を受信する。図13aでは、第1のサーバグループ110aからの入力は、第1の中間受動光伝送素子540aの第1の入力ポートi1で受信され、また、第2のサーバグループ110bからの入力は、第1の中間受動光伝送素子540aの第6の入力ポートi6にて受信され、また、第3のサーバグループ110cからの入力は、第1の中間受動光伝送素子540aの第3の入力ポートi3で受信される。同様に、第2の中間受動光伝送素子540bは、それぞれ第7の入力ポートi7、第6の入力ポートi6および第4の入力ポートi4にて、各アップリンク下位受動光伝送素子121d、121e、121fを介して、第4のサーバグループ110d、第5のサーバグループ110eおよび第6のサーバグループ110fから入力を受信する。
また、第1および第2の中間受動光伝送素子540a、bのそれぞれは、具体的にはそれぞれ第2の入力ポートi2および第5の入力ポートi5にて、上位受動光伝送素子170から入力を受信する。また、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bのそれぞれは、他の中間受動光伝送素子540a−bから入力を受信する。具体的には、第1の中間受動光伝送素子540aは、第4の入力ポートi4、第5の入力ポートi5および第7の入力ポートi7にて、それぞれ、第2の中間受動光伝送素子540bの第3の出力ポートo3、第4の出力ポートo4および第1の出力ポートo1から、入力を受信する。第2の中間受動光伝送素子540bは、第1の入力ポートi1、2の入力ポートi2および第3の入力ポートi3にて、それぞれ、第1の中間受動光伝送素子540aの第7の出力ポートo7、第6の出力ポートo6および第3の出力ポートo3から、入力を受信する。
したがって、図13aの実施形態において、各サーバグループは、中間受動光伝送素子540a−bのうちの1つの、入力ポートに接続されている。さらに、上位受動光伝送素子170は、中間受動光伝送素子540a−bのそれぞれの、入力ポートに接続されている。中間受動光伝送素子540a−bの1つ以上の出力ポートは、それぞれ、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方の、各入力ポートに接続されている。
図13aの配置では、各中間受動光伝送素子540a−bは、3つのサーバグループ110a−fに接続された各入力ポート、上位受動光伝送素子170に接続された各入力ポート、および、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方に接続された少なくとも1つ(図13aでは3つ)の各入力ポートを有する。
各中間受動光伝送素子540a−bは、サーバグループ110a−fに接続された3つの出力ポートを有しており、ここで、出力ポートに接続されたサーバグループ110a−fは、入力ポートに接続されたサーバグループ110a−fとは異なる。また、各中間受動光伝送素子540a−bは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポート、および、中間受動光伝送素子540a−bのうちの他方に接続された少なくとも1つ(図13aでは3つ)の出力ポートを有する。
図13aの実施形態において、第1の中間受動光伝送素子540aは、(第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートに接続された第1のサーバグループ110a、第2のサーバグループ110bおよび第3のサーバグループ110cとは異なる)第4のサーバグループ110d、第5のサーバグループ110eおよび第6のサーバグループ110fにそれぞれ接続された出力ポートo2、o5、o1を有する。また、第1の中間受動光伝送素子540aは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポートo4、および、第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートi3、i2およびi1にそれぞれ接続された出力ポートo3、o6およびo7を有する。
同様に、第2の中間受動光伝送素子540bは、(第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートに接続された第4のサーバグループ110d、第5のサーバグループ110eおよび第6のサーバグループ110fとは異なる)第1のサーバグループ110a、第2のサーバグループ110bおよび第3のサーバグループ110cにそれぞれ接続された出力ポートo2、o6、o7を有する。また、第2の中間受動光伝送素子540bは、上位受動光伝送素子170に接続された出力ポートo5、および、第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートi7、i4およびi5にそれぞれ接続された出力ポートo1、o3、o4を有する。
図13bは、図13aの配置において、第1および第2の中間受動光伝送素子540a−bにおいて入力信号を出力ポートへ伝送することを示す。
図13bは、各ポートに入力される波長と、対応する出力とを示す。下付き文字は波長を示し、上付き文字は入力ポートを示す。第2の中間受動光伝送素子540bの入力ポートは、図13bでは左に示されているが、図13aでは右側に示されていることに注意されたい。
各出力ポートにおける信号は、信号(下付き文字)の波長と、信号が受信された入力ポート(上付き文字)とに依存する。例えば、第1の中間受動光伝送素子540aの入力ポートi1で受信された波長1の信号は、表示されたλ1 1であり、出力ポートo1で出力される。同様に、入力ポートi3で受信された波長2の信号は、表示されたλ2 3であり、出力ポートo5で出力される。
表3は、図13aおよび図13bの配置に従い、ソースから目的地へ信号を送るのに用いられる波長を示す。
各下位受動光伝送素子120a−f、122a−fと、上位受動光伝送素子170との間の、光経路を、下位光通信路と称する。図13aでは、下位光通信路130はラベルされていない。
図13aの配置は、図5、図6,図7aおよび図7bの配置といくらかの類似性がある。図13aおよび図13bの配置は、イントラグループ通信に対し、中間受動光伝送素子540a−bを介して経路が提供される点で、すでに述べた配置と異なっている。すなわち、第1のサーバグループ110aのサーバは、アップリンク下位受動光伝送素子121a、中間受動光伝送素子540aおよび540bのそれぞれ、および、ダウンリンク下位受動光伝送素子122aを介して、同じグループ110aの他のサーバと通信してもよい。表3からわかるように、これは、波長5を用いて行われてもよく、これは、第1の中間受動光伝送素子540aの第1の入力i1から、第1の中間受動光伝送素子540aの第7の出力o7へ、伝送される。信号はその後、第2の中間受動光伝送素子540bの第1の入力i1へ、また、第2の中間受動光伝送素子540bの第2の出力o2へ、伝送される。信号はその後、対応するダウンリンク下位受動光伝送素子122aを介して、第1のサーバグループ110aへ、伝送される。
インターグループ通信の例として、第1のサーバグループ110aから第6のサーバグループ110fへの信号は、波長1で、第1のグループのサーバから送信され、また、アップリンク下位受動光伝送素子121aを介して、第1の中間受動光伝送素子540aの第1の入力へ伝送され、第1の中間受動光伝送素子540aの第1を第1の中間受動光伝送素子540aの第1の出力に残す。信号はその後、ダウンリンク下位受動光伝送素子122fに到着し、また、その後、第6のサーバグループ110fに到着する。
この配置によれば、光バックプレーン、FBGまたはイントラグループ通信のための他の別個の機構を設ける必要が無い。したがって、グループの構成が簡素化されうる。図13aおよび図13bに係る配置でイントラグループ通信のための別個の機構が設けられた場合は、中間受動光伝送素子540a−bを介してイントラグループ通信路を設けることは、イントラグループ通信の冗長性を生み、これは、システムの堅牢性を改良し得、および/または、イントラグループ帯域幅の増加を可能にしうる。
図13aおよび図13bの配置に係る例は、n+1個の異なる波長を用いて、n+1個の信号目的地がアドレス指定されることを許可する。いくつかの例によれば、(n+1)2−1個のファイバー(すなわち、識別可能な経路)が必要とされうる。図13aおよび図13bの例は、上位受動光伝送素子170から上位受動光伝送素子170まで戻る経路を含まず(いくつかの例において、OLTなどの光構成要素は、ネットワーク910を介してそれ自身と通信する必要は無い)、したがって、表3から分かるように、経路の個数は(n+1)2より小さい。示した例ではパラメータnは6である。示した例では、信号のソースと目的地は、サーバグループ110a−fおよび上位受動光伝送素子170(または、上位受動光伝送素子170を越えて、上位光通信路180および光構成要素300)であると考えられる。このような例によれば、6個のサーバグループ(n=6)を有する配置は、7個の波長を用いて、48個の接続部/経路を有する。
図5および図7a配置のように、下位受動光伝送素子120a−h、122a−hへの入力に、受動絶縁装置が用いられてもよいが、図13aには示していない。
図14は、いくつかの例に係るネットワークを示す。この配置は、(図14に概要的に示される)セル/サブネットワークと、下位層伝送素子177および上位層伝送素子175との配置に関し、図12のものと類似している。図14は、下位層受動伝送素子177と光素子305との間のアップリンク接続を示しており、類似の配置がダウンリンク接続用に用いられてもよい。上位層伝送素子175のそれぞれは、複数の光構成要素305と接続されている。光構成要素305のそれぞれは、第1の光スイッチング素子セット307と、第2の光スイッチング素子セット308とを含んでもよく、ここで、第1の光スイッチング素子セット307は、第2の光スイッチング素子セット308より高いスイッチング速度を有している。例えば、第1の光スイッチング素子セット307はOLTスイッチであってもよく、第2の光スイッチング素子セット308は光スイッチであってもよい。
第1の光スイッチセットおよび第2の光スイッチセットは、コモディティスイッチ1415を通じて、制御管理システム1410に接続されていてもよい。コアルータ1420は、光構成要素305間の通信を提供する。コモディティスイッチ1415、コアルータ1420およびコントローラ1410は、大量のサーバを接続する光構成要素305(例えばOLTスイッチ)の間の通信を容易にしうる。コントローラ1410は、データフローパターンに基づいて(例えば、フローサイズおよびフローの存続期間に関して)、リソースに沿って、インターセルフローを分類し、それらに経路を割り当てる。例えば、フローがマウスフローであ伝送された場合(例えば、フローがCパケットより少なく、ここで、Cは所定のパラメータである)、コントローラは、リソースを割り当てて、また、コントローラは、通信サーバが当該波長に調整する必要がある適切な波長を選択し、それによって、その通信サーバが、効率的な育成を通じて同じOLTポート/スイッチに結合するようにグループ分けされることができる。したがって、コアルータ1420を越える(traversing)フローに対する通信間接費が回避され得または減少され得、また、電力節約が達成されうる。サーバが全波長を用いる必要がある場合のような象(エレファント)フロー(例えば、フローが、期間の総トラフィックの1%を越える量を占める場合、または、フローが、期間のトラフィックの平均値プラス標準偏差の3倍よりも大きいサイズを持つ場合)に対し、コントローラは、OLTトラフィックを送るのを回避する異なるPONセルにおける通信エンティティの間の経路を確立するための光スイッチを通じて回路を確立してもよい。
コントローラ1410は、データフローを、第1の能動光スイッチング素子セット307または第2の能動光スイッチング素子セット308における光スイッチング素子に割り当てることによって、サブネットワーク間のデータフローの信号の伝送を制御するように配置されていてもよい。割り当ては、フローのサイズおよび/または存続期間に基づいていてもよい。
コントローラ1410は、フローをマウスフローまたは象フローとして分類してもよく、また、その分類に基づいて割り当てを行ってもよい。
サブネットワーク910の構成は特に限定されない。例えば、サブネットワークのそれぞれは、図1ないし図9の任意のものに関して概要を説明された構成を有してもよい。サブネットワークが受動光ネットワークである場合、各サーバグループのサーバは、特定の光構成要素305と選択的に通信するために、調整可能なレーザー/トランシーバを有する必要があってもよい。サブネットワーク912が(図8の配置などの)能動素子を含む場合、いくつかのサーバは、調整可能なレーザー/トランシーバを要しなくてもよい。
(上位層光伝送素子から)第1の能動光スイッチング素子セットへの接続は、第2の能動光スイッチング素子セットへの接続から離れていてもよい。しかしながら、簡素化のため、これらは図14には別個に示されていない。
図14の配置に係るいくつかの例によれば、各セル/サブネットワーク912は、イントラセル通信のためのN−1個の識別可能な波長を用いてもよく、ここで、Nは、サーバグループ110の個数である。もし、上位層光伝送素子が接続される、第1の能動光スイッチング素子セット307および第2の能動光スイッチング素子セットのポートの個数が、それぞれS、Kであれば、用いられる波長の総個数は、(N−1)+K+S個になりうる。第1の能動光スイッチング素子セット307および第2の能動光スイッチング素子セット308のポートに対し、セル912におけるサーバグループ110と通信するのに、(N−1)+K+S個の波長のうちのN個の波長だけを用いてもよい。例えば、各セルに4個のサーバグループがあり、第1の能動光スイッチング素子セットおよび第2の能動光スイッチング素子セットのそれぞれにおいて4個のスイッチング素子に接続されている場合、3+4+4=11個の波長が用いられてもよい。これは、セル912の個数から独立していてもよい。
図11および図12に示されるものと一致する構造に応じて配置されたデータセンターの電力消費とコストを、最も一般的なデータセンター構造と比較するベンチマーク的研究がなされているFat−TreeおよびBCube(A. Hammadi and L. Mhamdi: Review: A survey on architectures and energy efficiency in Data Center Networks, Computer Communication, vol. 40, pp. 1-21, 2014.) 。
異なる組織構成として、図15aに示すようなFat−Tree構造、および、図15bに示すようなBCube構造に対して、電力消費とコストが評価された。それぞれ3,456個および27,648個のサーバへの接続性を提供するための、24個および48個のポッドを有するFat−Tree構造が考慮された。それぞれ512,4096個および32768個のサーバへの接続性を提供するための、n=8に対してk=2、3および4を有するBCube構造が評価された。各セル910に対する8個のラックにおいて配置された64個のサーバを有する図11および図12の構造の電力消費が評価された。
表4は、ベンチマーク評価に用いられる装置の電力消費とコストを示す。発明者は、10Gb/sの速度をサポートするOLT PONのための電力消費の仕様(specification)を提供した研究や供給メーカーを全く承知していない。GPON NEC CM7700S OLT(J. Baliga, R. W. A. Ayre, W. V. Sorin, K. Hinton, and R. Tucker, "Energy Consumption in Access Networks," in Optical Fiber communication/National Fiber Optic Engineers Conference, 2008. OFC/NFOEC 2008. Conference on, 2008, pp. 1-3)は、アクセスネットワーク(20km)でのPON構造の典型的な距離に対する1Gデータ速度をサポートし、1ポートあたり12.5Wを消費する。この評価の目的のために、リニアな電力プロフィールを仮定して、10Gb/sのOLTポートの電力消費が推定された(電力プロフィールは、最近は直線趨勢(linear trend)より下で増加していることに注意されたい)。このようにして、10Gb/sのOLTポートが125Wを消費すると推定された。控えめな推定として、データセンターにおける制限された送信距離による電力消費の減少は考慮されなかった。図15cおよび図15dは、Fat−tree構造およびBCube構造と比較して、図11および図12の配置のいくつかの例に沿った構造を展開することによって達成しうる電力消費とコストの節約量を示す。Fat−tree構造およびBCube構造の高いエネルギー消費とコストは、主に、相互接続のためのスイッチの膨大な数によるものである。これらのスイッチは、ここにおける例に沿ったいくつかの配置における受動光素子によって除去および置き換えられてもよい。それゆえ、典型的なPON構造は、それぞれ3,456個および32,768個のサーバに対するFat−tree構造およびBCube構造と比較して、45%および80%、電力消費を減少させ得、また、35%および72%、コストを減少させた。
BCube構造は、最も高い電力消費とコストを有するが、これは、それが、全てのレベルとの接続性を確立するのに必要な複数のトランシーバをサーバが備えているような、サーバ中心構造だからである。レベルが増加するにつれて、構造は、スケールアップして、より多くのサーバをホストすることができ、また、どのレベルでも各サーバはスイッチとの接続部を有する必要があるのでトランシーバの個数が増加し、したがって、電力消費が増加する。
Fat−tree構造はスイッチ中心構造であり、図15cおよび図15dの節約量は(BCube構造と比較して)低いが、これは、それが、「ラックの最上部」(Top of Rack)(ToR)スイッチと接続するための単一のトランシーバを有するサーバを有するように設計されているからである。Fat−tree構造と比較して、例示したPON構造により達成される節約量は、サーバの個数が増加するにつれて減少する。これは、ポッドの個数が増加するときに、24個のポッドと48個のポッドのFat−tree構造を形成するのに用いられるスイッチの電力消費とコストが直線的には増加しないからである。
上述の通り、いくつかの実施形態は、イントラグループ通信のための完全な受動相互接続を提供し、いくつかの実施形態は、インターグループ通信のための完全な受動相互接続を提供し、いくつかの実施形態は、イントラグループ通信とインターグループ通信の両方のための完全な受動相互接続を提供する。実施形態は、データセンターの異なるトラフィックパターンに対応する、拡張可能、低コスト、高エネルギー効率で高い容量の相互接続のインフラを提供しうる。
上記の記載では、ポートグループおよびサーバグループ110a−dは、交換可能に言及される。ポートへ信号を送ることまたはそこから信号を受信することは、そのポートに付いているサーバへ信号を送ることまたはそこから信号を受信することと同等であることが理解されるべきである。さらに、サーバがポートに接続されているときにネットワークが動作可能になるような、本来の場所にはサーバが無い、ネットワークが提供されてもよいことに注意する。
ここで用いられるときには、用語「トランシーバ」は、信号/データを送信および受信することができる構成要素または構成要素の集まりを記述する。トランシーバは、光トランシーバであってもよく、信号/データを運ぶ光を用いてもよい。
ここで用いられるときには、用語「受動スイッチング素子」は、素子に電力を供給することを要せずに、規定された場所へ信号を伝送することができる素子である。
ここで用いられるときには、用語「能動」は、電力を用いる構成要素、すなわち、動作するのに電力供給が必要な構成要素を示すのに用いられる。能動構成要素と、能動構成要素と受動構成要素とのハイブリッドとを含めて、受動的でないすべてを含むには、ここでは「非受動」が用いられる。
この明細書の説明と請求項とを通して、「を含む」(comprise、contain)との文言、および、それらのバリエーションは、「含むけれど限定されない」を意味し、それらは、他の部分、添加物、成分、整数またはステップを排除することを意図しないし、排除しない。この明細書の説明と請求項とを通して、単数は、文脈がそれ以外のことを要求していない限り、複数を包含する。特に、不定冠詞が用いられた場合は、明細書は、文脈がそれ以外のことを要求していない限り、単数と同様に複数を考慮しているものと理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態または例と接続して記載された、特徴、整数、特性、化合物またはグループは、それと矛盾しない限り、ここに記載の他の任意の態様、実施形態または例に適用可能であると理解されるべきである。(任意の付随する請求項、要約書および図面を含めて、)この明細書に記載の特徴の全て、および/または、そのように記載された任意の方法または処理のステップの全ては、このような特徴および/またはステップが相互に排他的であるような組み合わせを除いて、任意の組み合わせにて組み合わせられてもよい。本発明は、前述の実施形態の詳細な内容に限定されるものではない。本発明は、(任意の付随する請求項、要約書および図面を含めて、)この明細書に記載の特徴の、任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせへと、または、そのように記載された任意の方法または処理のステップの、任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせへと、拡張する。
この出願と関係してこの明細書と同時にまたはそれより前にファイルされてこの明細書における公共の見分に対して公開されている全ての書類および文献に、読者の注目が向けられており、また、このような全ての書類および文献の内容は、参照によりここに盛り込まれる。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るイントラグループ通信の配置を示す図である。
いくつかの実施形態に係るイントラグループ通信の配置を示す図である。
いくつかの実施形態に係るイントラグループ通信の配置を示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図5に係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図7aに係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークまたはサブネットワークを示す図である。
図13aに係る実施形態において使用に適した受動光伝送素子による伝送を示す図である。
いくつかの実施形態に係るネットワークを示す図である。
n=4でのFat−Treeデータセンター接続形態を示す図である。
n=4およびk=1でのBCubeデータセンター接続形態(BCube1)を示す図である。
Fat−TreeおよびBCube接続形態に対する、図11および図12に係る例示的な配置に対するコストベンチマーキングを示す図である。
Fat−TreeおよびBCube接続形態に対する、図11および図12に係る例示的な配置に対する電力消費ベンチマーキングを示す図である。