JP6674766B2 - 馬用飼料添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は馬用飼料添加剤に関する。詳しくは、馬の赤血球に関する臨床検査値を増強することができる馬用飼料添加剤及び該飼料添加剤を用いた馬用飼料に関する。
競走馬をはじめとする馬では、競争能力等のパフォーマンスの向上を目的として品種改良が行われてきている。一方、近年では、品種改良だけでなく飼養管理の重要性も高まってきている。例えば、馬の健康や能力の向上を目的とした様々な馬用飼料添加剤や馬用飼料が開発されている(特許文献1〜4)。
ところで、構成脂肪酸として中鎖脂肪酸を含むトリアシルグリセロールは、各種哺乳動物の母乳脂質中に含まれていることが知られている栄養素であり、ヒト臨床の現場においては1960年代から利用されている。例えば、前記トリアシルグリセロールを摂取させて体脂肪量を低減するために用いることが知られている(特許文献5)。
特許第4702678号公報 特許第3232384号公報 特許第4115338号公報 特許第5490355号公報 国際公開第2003/007932号
特許文献5は、前記トリアシルグリセロールを、ヒトなどの動物において体脂肪量を低減するために用いることを記載している。しかしながら、特許文献5は、前記トリアシルグリセロールを、病気に罹患していない馬(健康な馬)のパフォーマンス向上といった目的で用いることについては何ら記載していない。
本発明者は、構成脂肪酸として中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを健康な馬のパフォーマンス向上へ活用することについて鋭意検討したところ、特定種類の中鎖脂肪酸を構成脂肪酸として有するトリアシルグリセロールが、病気に罹患していない馬の赤血球に関する臨床検査値を増強させることを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の態様に関するものである。

1.食用油脂を含む、馬用飼料添加剤であって、前記食用油脂が、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する、前記添加剤。

2.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されている、前記1に記載の馬用飼料添加剤。

3.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数8及び/又は10の中鎖脂肪酸のみから構成されている、前記1又は2に記載の馬用飼料添加剤。

4.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの含有量が、前記食用油脂の全トリアシルグリセロール量に対して70質量%以上である、前記1〜3のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤。

5.赤血球に関する臨床検査値を増強させるための、前記1〜4のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤。

6.前記赤血球に関する臨床検査値が、赤血球数、ヘモグロビン量又はヘマトクリット値のいずれかである、前記1〜5のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤。

7.食用油脂を含む、馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤であって、前記食用油脂が、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する、前記増強剤。

8.前記赤血球に関する臨床検査値が、赤血球数、ヘモグロビン量又はヘマトクリット値のいずれかである、前記7に記載の増強剤。

9.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されている、前記7又は8に記載の増強剤。

10.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数8及び/又は10の中鎖脂肪酸のみから構成されている、前記7〜9のいずれか1項に記載の増強剤。

11.前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの含有量が、前記食用油脂の全トリアシルグリセロール量に対して70質量%以上である、前記7〜10のいずれか1項に記載の増強剤。

12.前記7〜11のいずれか1項に記載の馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤を含む、馬のパフォーマンス向上剤。

13.前記1〜6のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤、前記7〜11のいずれか1項に記載の馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤、又は、前記12に記載の馬のパフォーマンス向上剤を含む、馬用飼料。

14.前記1〜6のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤、前記7〜11のいずれか1項に記載の馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤、又は、前記12に記載の馬のパフォーマンス向上剤が、馬の1日当たりの摂取カロリーの1.0〜17.5%に相当する量で含有されている、前記13に記載の馬用飼料。

15.前記1〜6のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤を含む馬用飼料、前記7〜11のいずれか1項に記載の馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤、前記12に記載の馬のパフォーマンス向上剤、又は、前記13若しくは14に記載の馬用飼料を馬に給餌する工程を含む、馬の飼育方法。
後述の実施例で示されるように、本発明によれば、病気に罹患していない馬の赤血球に関する臨床検査値を増強することができる。
したがって、本発明は、品種改良に頼ることなく、飼養管理によって健康な馬のパフォーマンスを向上させる手段を提供することができる。
図1は、LCT又はMCTの摂取による、「赤血球数」、「ヘモグロビン量」及び「ヘマトクリット値」の変化率を、摂取前を100%として表した図である。
[馬用飼料添加剤]
本発明の一態様は、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する食用油脂を含む馬用飼料添加剤である。以下、当該馬用飼料添加剤について説明する。
[構成脂肪酸]
本発明の馬用飼料添加剤は、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロール(即ち、油脂)を有効成分として含有する食用油脂を含む。当該中鎖脂肪酸の炭素数は、より好ましくは8〜12、さらに好ましくは、8及び/又は10の組み合わせであることが適当である。当該トリアシルグリセロールは、構成脂肪酸を炭素数6〜12、より好ましくは8〜12、さらに好ましくは、8及び/又は10等の中鎖脂肪酸のみとするトリアシルグリセロールであってもよい。さらに、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸と他の脂肪酸を含む混酸基トリアシルグリセロールであってもよい。ここで、各々の中鎖脂肪酸のグリセリンへの結合位置は、特に限定されない。また、混酸基トリアシルグリセロールである場合には、構成脂肪酸の一部に炭素数6〜12以外の脂肪酸を含んでいてもよく、例えば、炭素数が14以上の長鎖脂肪酸を含んでいてもよい。
また、本発明において用いられる中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールは、例えば、トリオクタノイルグリセロールとトリデカノイルグリセロールとの混合物等、複数の異なる分子種の油脂が混ざり合った混合物であってもよいし、液体状、固体状、または粉末体状など、その形態は問わない。
ここで、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸は、直鎖状の飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明で使用され得る中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールとしては、構成脂肪酸が炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみからなるトリアシルグリセロール(以下「MCT」とも表す。)が好ましく、特に、構成脂肪酸が炭素数8及び/又は10の中鎖脂肪酸のみからなるトリアシルグリセロールがより好ましい。
本発明で使用され得る中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールは、従来公知の方法で製造できる。例えば、炭素数6〜12の脂肪酸とグリセロールとを、触媒下、好ましくは無触媒下で、また、好ましくは減圧下で、50〜250℃、より好ましくは120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることにより製造できる。
ここで、触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、通常のエステル交換に用いられる酸触媒又は塩基触媒等を使用することができる。減圧下とは、例えば、0.01〜100Pa、好ましくは、0.05〜75Pa、より好ましくは、0.1〜50Paである。このとき系内の水分は少ない方が好ましく、更に好ましくは0.2重量%以下である。
本発明における食用油脂とは、馬へ給餌することができる油脂をいう。当該食用油脂は、有効成分であると上述した炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有したものであればよく、この他に、馬への給餌が可能であり、かつ、本発明の効果を損なわない範囲で、他の油脂などを含有させたものであってもよい。他の油脂としては、通常の食用油、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品種改良によって低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂、分別油脂等があげられる。
食用油脂に含まれる、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの量(含有量)は、当該食用油脂の全トリアシルグリセロール量に対して、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。含有量が70質量%以上であると、より高い配合効果を得ることができる。なお、含有量の上限値は100質量%である。
本発明の馬用飼料添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述の食用油脂以外の成分、例えば、デキストリン、澱粉等の賦形剤、乳化剤、ビタミン、ミネラル等の他の品質改良剤、又は、公知の馬用飼料に添加される栄養補助剤等を含有させたものであってもよい。前記添加剤は、液体状、固体状、または粉末体状など、その形態は問わない
本発明の馬用飼料添加剤の有効成分である「構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロール」は、馬の赤血球に関する臨床検査値を増強することができる。
馬の赤血球に関する臨床検査値としては、赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値や赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)が挙げられる。これらのなかでも、赤血球数、ヘモグロビン量及びヘマトクリット値を増強させるために本発明を好適に用いることができる。
馬の赤血球に関する臨床検査値は、獣医学分野で血液の臨床検査に一般的に用いられている検査方法を用いて測定することができる。
[馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤]
前述のとおり、本発明の馬用飼料添加剤の有効成分として使用しうる「構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロール」は、馬の赤血球に関する臨床検査値を増強させることができる。
したがって、本発明の一態様は、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する食用油脂を含む、馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤である。
当該増強剤の有効成分である「構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロール」や「食用油脂」の定義は、馬用飼料添加剤ついて上述したとおりである。
[馬のパフォーマンス向上剤]
前述の「馬の赤血球に関する臨床検査値」は、酸素を肺から各組織へ運搬する機能を有する赤血球の状態の指標である。これらの値の上昇は、馬の運動負荷への抵抗性や持久力等の向上、ひいては馬のパフォーマンスの向上を意味する。
したがって、本発明の一態様は、前述の「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」を含む、馬のパフォーマンス向上剤である。
「馬のパフォーマンス」とは、赤血球の状態が関わる馬のあらゆる能力をいい、例えば競走馬では競争能力、農耕馬では運搬能力等があげられる。
当該パフォーマンス向上剤の有効成分である「構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロール」や「食用油脂」の定義は、馬用飼料添加剤について上述したとおりである。
[馬用飼料]
本発明の「馬用飼料添加剤」は、粗飼料へ配合して馬用飼料とすることができる。
本発明の「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」及び「馬のパフォーマンス向上剤」は、それぞれ単独で馬へ給餌してもよいが、粗飼料と組み合わせて馬用飼料とすると、ボディコンディションニングスコア(BCS)、毛並み、糞の状態、トレーニング後の状態、給餌量、摂取状況等をより向上させることができるので好ましい。
したがって、本発明の一態様は、上述の「馬用飼料添加剤」、「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」又は「馬のパフォーマンス向上剤」を含む馬用飼料である。
粗飼料としては、馬用飼料に一般的に用いられているものを特に制限はなく用いることができる。一般的には、粗飼料は、牧草(チモシー、アルファルファ、ヘイキューブ、オーチャードグラス、イタリアンライグラス等)を含んでいる。
また本発明の馬用飼料は、必要に応じ、穀類(大麦、エンバクやトウモロコシ等)、ビタミンや、ミネラル等の任意成分を更に含んでいてもよい。
馬用飼料に含まれる、上述の「馬用飼料添加剤」、「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」又は「馬のパフォーマンス向上剤」の量(含有量)は、馬の1日当たりの摂取カロリーの好ましくは1.0〜17.5%、より好ましくは3.0〜15.0%、さらに好ましくは5.0〜12.5%に相当する量であることが好ましい。含有量が1.0〜17.5%であると、より高い配合効果を得ることができる。
なお、「馬用飼料添加剤」、「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」又は「馬のパフォーマンス向上剤」のカロリーは、通常公知の方法に従い算出することができる。例えば、修正アトウォーター法、ボンベ熱量計法、カロリーアンサー法等が挙げられる。
本発明の馬用飼料は、上述の「馬用飼料添加剤」、「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」又は「馬のパフォーマンス向上剤」を粗飼料へ添加し、混合することにより製造することができる。
[馬の飼育方法]
本発明の更なる態様は、上述の飼料添加剤を含む馬用飼料、増強剤、パフォーマンス向上剤、又は、馬用飼料を馬に給餌する工程を含む、馬の飼育方法である。
給餌手段に特別な制限はなく、例えば飼料を飼い葉桶に入れて馬に与える等の一般的な給餌手段であってよいが、上述の「馬用飼料添加剤」、「馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤」又は「馬のパフォーマンス向上剤」の量が、馬の1日当たりの摂取カロリーの1.0〜17.5%となるように給餌することが好ましい。
給餌対象となる馬は、病気に罹患していない馬(健康な状態にある馬)である限り特に制限はない。ここで、病気とは、赤血球に関する臨床検査値が、健康な馬における対応する臨床検査値よりも低い状態(例えば、貧血症)をいう。病気への罹患の有無は獣医師により判断される。既に健康な状態にある馬の赤血球に関する臨床検査値を有意に増強できる点が、本発明の重要な特徴の1つである。
給餌対象馬の種類に制限はないが、本発明は、競走馬(特に軽種馬)へ好適に用いることができる。
また、給餌対象馬の年齢に制限はなく、馬のライフステージ全体で本発明を適用することができる。競走馬の場合、生産牧場で生まれた後、育成牧場で馴至・育成され、その後トレーニングセンターで競走馬生活を送るが、本発明は育成牧場で飼育されている育成馬(一般的には1歳〜2歳半)へ好適に用いることができる。
次に、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
油脂のトリアシルグリセロール組成の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS、vol70、11、1111−1114(1993)準拠)を用いて行った。
油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行った。
<食用油脂>
〔MCT〕:本発明の「構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する食用油脂」として、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸が、オクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸の割合(質量比)がオクタン酸:デカン酸=75:25である炭素数8及び10の中鎖脂肪酸のみから構成されているトリアシルグリセロール(日清オイリオグループ株式会社社内製、商品名:MCT−O.D.O)(以下、「MCT」ともいう)を用いた。
上記MCTにおける、炭素数8又は10の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの量(含有量)は、当該MCTの全トリアシルグリセロール量に対して100質量%であった。
〔LCT〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸が、パルミチン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)及びその他であり、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸の割合(質量比)がパルミチン酸:オレイン酸:リノール酸:その他=約4:61:20:15であるキャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社社内製、商品名:日清キャノーラ油)(以下、「LCT」ともいう)を用いた。
LCTは、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有しないトリアシルグリセロールであり、比較例に該当する。
<給餌方法>
競走馬の育成牧場において、病気に罹患していないと判定された2歳の育成馬へ、一般的な馬用飼料(牧草(チモシ等)などの粗飼料にエン麦、ふすま、とうもろこし、米糠などの濃厚飼料およびビタミン、ミネラルなどの微量栄養成分を適宜配合した飼料)に200グラムの食用油脂を混合したものを、3週間摂取させて試験を行った。
食用油脂としてLCTを用いた群(LCT群:牡馬10頭及び牝馬10頭)は比較例に該当し、MCTを用いた群(MCT群:牡馬10頭及び牝馬10頭)は実施例に該当した。
各群において、馬用飼料に配合した食用油脂の量(200g)は、馬の1日当たりの摂取カロリーの7%に相当する量であった。なお、カロリーの計算は、修正アトウォーター法で測定した。
試験期間は3週間とし、試験開始前と試験終了後に採血して各種臨床検査を行った。
血液の臨床検査結果の統計解析は反復測定(Repeated-Measures ANOVA)を行った。有意な群内変動が観察された場合は、続けて対応のあるt検定(paired t-test)を行い、交互作用(Interaction)が観察された場合は、Turkey-kramer法にて多重比較を行った(p<0.05)。各群の試験前後の臨床検査結果を以下の表1に示す。
表1の臨床検査項目中、総蛋白及びアルブミンはいずれも馬の栄養状態の指標であるところ、LCT群とMCT群ともに、試験前後で有意な差は観察されなかった。これは、MCTが馬の栄養状態に対して有害作用を及ぼさないことを示すとともに、馬の状態が健康であること(群間に変わりがないこと)を示すものである。
一方、赤血球に関する臨床検査項目である「赤血球数」、「ヘモグロビン量」及び「ヘマトクリット値」では、試験開始時を100%としたときの変化率において、MCT群がLCT群よりも有意に高い改善を示した(図1)。
この試験結果は、MCTが、馬の赤血球に関する臨床検査値を増強させたことを示すものである。そして、健康な状態の馬において、これらの赤血球に関する臨床検査値を増強できたことは、MCTが、馬の運動負荷への抵抗性や持久力等の向上、ひいては馬のパフォーマンスの向上に対して貢献できることを容易に理解するものである。
本発明は、馬に関わる産業分野で利用することができる。

Claims (10)

  1. 食用油脂を含む、馬用飼料添加剤であって、前記食用油脂が、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有し、前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されている、前記添加剤。
  2. 前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数8及び/又は10の中鎖脂肪酸のみから構成されている、請求項1に記載の馬用飼料添加剤。
  3. 前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの含有量が、前記食用油脂の全トリアシルグリセロール量に対して70質量%以上である、請求項1又は2に記載の馬用飼料添加剤。
  4. 赤血球に関する臨床検査値を増強させるための、請求項1〜のいずれか1項に記載の馬用飼料添加剤。
  5. 前記赤血球に関する臨床検査値が、赤血球数、ヘモグロビン量又はヘマトクリット値のいずれかである、請求項に記載の馬用飼料添加剤。
  6. 食用油脂を含む、馬の赤血球に関する臨床検査値の増強剤であって、前記食用油脂が、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールを含有する、前記増強剤。
  7. 前記赤血球に関する臨床検査値が、赤血球数、ヘモグロビン量又はヘマトクリット値のいずれかである、請求項に記載の増強剤。
  8. 前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されている、請求項又はに記載の増強剤。
  9. 前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの構成脂肪酸が、炭素数8及び/又は10の中鎖脂肪酸のみから構成されている、請求項のいずれか1項に記載の増強剤。
  10. 前記中鎖脂肪酸を有するトリアシルグリセロールの含有量が、前記食用油脂の全トリアシルグリセロール量に対して70質量%以上である、請求項のいずれか1項に記載の増強剤。
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