以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機は、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン(演出スイッチ)15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路(図示せず)が形成され、この案内通路における遊技球の出口開口の近傍位置(内レール42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁43が配設されている。この遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61,62,63,64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、外レール41と略上下方向に対向する天板部22が一体形成されており、上記の案内通路の延長上において、天板部22と外レール41との間で遊技球が右側領域PA2へ通過可能な導入通路44が形成されている
。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口52は、普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。普通電動役物522は、第2始動口52へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口52は、普通電動役物522が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物522が開放されると、第2始動口52への入球容易性が高まる。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52の普通電動役物522を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、大入賞口54に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。本例において大入賞口54は、遊技領域PAにおける右側領域PA2に設けられている。そのため、特別遊技状態(大当り遊技状態)においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
一般入賞口61〜63は、左打ちに対応した盤面領域である左側領域PA1に配設され、左側領域PA1を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口61〜63は、遊技球の入球を検出するための左側一般入賞口スイッチ611を備えている。この左側一般入賞口スイッチ611は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口61〜63の共通センサ(シングルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口61〜63への遊技球の入球も検出が可能である。一方、一般入賞口64は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、右側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口64は、遊技球の入球を検出するための右側一般入賞口スイッチ641を備えている。なお、各一般入賞口61〜64への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物542が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・変動停止する装飾図柄や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702とが設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。特図保留表示部701,702には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り21は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り21には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、遊技盤20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)80が設けられている。この盤ランプ80には、一般入賞口61〜63の近傍に配置された稲妻形の入賞報知ランプ81〜83や、一般入賞口64の近傍に配置された星形の入賞報知ランプ84などが含まれる。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ80(入賞報知ランプ
81〜84を含む)を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。R
AM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、左側一般入賞口スイッチ611、右側一般入賞口スイッチ641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド523および特別電動役物ソレノイド543に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、
ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、
ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。このとき、発射ハンドル12を所定量未満で操作したときは、遊技球は右側領域PA2へ到達せず、左側領域PA1を流下する。この左側領域PA1には、遊技球を第1始動口51や一般入賞口61〜63へ向けて流下させるための左側流路が形成されている。一方、発射ハンドル12を所定量以上で操作したときは、遊技球は右側領域PA2に到達し、右側領域PA2を流下する。この右側領域PA2には、遊技球を第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口64へ向けて流下させるための右側流路が形成されている。このように左側領域PA1又は右側領域PA2を流下する遊技球は、これら左側領域PA1又は右側領域PA1にて振り分けられた経路に応じて、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61〜64のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合はアウト口29へ流下される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口61〜64のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9へ払い出される。本実施形態において、遊技球が1個入球した際に獲得可能な賞球数は、第1始動口51及び第2始動口52は3個、一般入賞口61〜64は5個、大入賞口54は15個である。また、遊技球が第1始動口51又は第2始動口52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の変動開始条件)が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口54の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、大当り中の特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が4回(4ラウンド)に設定された4R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技が設けられている。
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が所定
の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(特別遊技)が比較的早期に発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、電チューサポート機能が作動する。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口52への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物522の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口52への入球容易性も高まるため、第2始動口52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、左側一般入賞口スイッチ611、左側一般入賞口スイッチ641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチ521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチ531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、左側一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出
制御コマンド(「左側一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、右側一般入賞口スイッチ641にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「右一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための
第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。そして
、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、図6に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。なお、本実施形態において、「特定大当り」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる大当り、「通常大当り」とは特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない大当り、「時短有大当り」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる大当り、「時短無大当り」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(およ
び電チューサポート機能)を作動させることのない大当りである。本例における大当り種別は、(1)大当りの規定ラウンド数と、(2)確率変動機能の有無(特定大当り又は通常大当り)と、(3)変動時間短縮機能の有無(時短有大当り又は時短無大当り)と、の組合せにより特定される。
図6(A)は第1特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第1特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、4種類の停止図柄(大当り図柄)「A1」,「B1」,「C1」,「D1」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口54の作動パターン)も付記している。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「A1」〜「D1」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A1」には16R特定時短有大当り、図柄「B1」には4R特定時短有大当り、図柄「C1」には2R特定時短有大当り、図柄「D1」には4R通常時短無大当りがそれぞれ対応付けられている。
図柄A1,B1は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A1については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。図柄B1については、特別遊技の規定ラウンド数は4ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。
図柄C1は、上記の「確変大当り」と比較して大入賞口54の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約0.05秒である。
図柄群D1は、特別遊技の終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)へ移行させる、いわゆる「通常大当り」を示す通常図柄であり、その特別遊技の終了後に、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも付与されない。特別遊技の規定ラウンド数は4ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。
一方、第1特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H1」が一義的に割り当てられている。また、第1特別図柄停止図柄テーブル(小当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)「K1」が一義的に割り当てられている。なお、小当りの場合には、遊技状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
図6(B)は第2特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第2特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、3種類
の停止図柄(大当り図柄)「A2」,「B2」,「D2」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口54の作動パターン)も付記している。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「A2」,「B2」,「D2」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A2」には16R特定時短有大当り、図柄「B2」には8R特定時短有大当り、図柄「D2」には4R通常時短無大当りがそれぞれ対応付けられている。
図柄A2,B2は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A2については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。図柄B2については、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。
図柄群D2は、特別遊技の終了後の遊技状態を通常状態(低確率状態)へ移行させる、いわゆる「通常大当り」を示す通常図柄であり、その特別遊技の終了後に、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも付与されない。特別遊技の規定ラウンド数は4ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。
また、第2特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H2」が一義的に割り当てられている。
ここで、本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と4R大当り(4R特定時短有図柄、4R通常時短無図柄)と2R大当り(2R特定時短有図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>4R大当り>2R大当りとなっている。そして、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、20%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口51に入賞するよりも第2始動口52に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。なお、本実施形態では、各大当り遊技のラウンドにおける開放時間を30秒など固定時間としてが(全てのラウンドを「長開放ラウンド」としたが)、同一の大当り遊技中に所定のラウンドでは、開放時間を0.05秒に短くする「短開放ラウンド」を設けるようにして、同一のラウンド数であっても実質的に出玉獲得できるラウンド数を少なくした大当りを有していてもよい。
(変動パターン)
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図7に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範
囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、数種類の変動パターンテーブルおよび数種類の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には、遊技状態の他、作動保留球数に応じたハズレ変動パターンテーブル、当り図柄の種類に応じた変動パターンテーブル(16R大当り用テーブル、4R大当り用テーブル、2R大当り用テーブルなど)、特定の変動(大当り後の数回転以内、ST期間の終了時の変動など)であることをもとに参照される特殊変動パターンテーブル(限定頻度テーブル等)を有する場合もあり、変動パターンテーブルの種類によっては、100種類以上の変動パターンを含む場合が存在する。
ここで、本実施形態では、上記の変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。ここで、通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(非時短状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7(A))を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。短縮変動状態βとは、遊技状態が確変状態(時短状態)のときに選択される短縮変動パターンテーブル(図7(B))を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、前述のように、通常変動パターンテーブルと、短縮変動パターンテーブルとを保持する。各変動パターンテーブルは、当否抽選の結果(大当り・小当り・はずれ)に応じて異なり得るものとなっている。また、本例では、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで共通にしているが、これに限定されず、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なるものとしてもよい。以下に、各変動パターンテーブルについて詳述する。
(通常変動パターンテーブル)
図7(A)は、通常変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。まず、はずれ用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPX2(5秒)、変動パターンPX3(10秒)、変動パターンPX4(20秒)、変動パターンPX5(60秒)、変動パターンPX6(120秒)、変動パターンPX7(180秒)のいずれかが選択される。一方、大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPY4(20秒)、変動パターンPY5(60秒)、変動パターンPY6(120秒)、変動パターンPY7(180秒)のいずれかが選択される。このように遊技状態が通常状態である場合に、当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
(短縮変動パターンテーブル)
図7(B)は、短縮変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。まず、はずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、変動パターンPX1(3秒)、変動パターンPX2(5秒)、変動パターンPX3(10秒)、変動パターンPX4(20秒)、変動パターンPX5(60秒)、変動パターンPX6(120秒)、変動パターンPX7(180秒)のいずれかが選択される。なお、該はずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、上記のはずれ用の通常変動パターンテーブルと比較して、変動パターンPX1(3秒)、PX2(5秒)の選択される割合が高く設定されており、平均的な変動時間値が短縮されるようになっている。一方、大当り・小当り用の短縮変動パターンテーブルでは、変動パターンPY4(20秒)、変動パターンPY5(60秒)、変動パターンPY6(120秒)、変動パターンPY7(180秒)のいずれかが選択される。このように遊技状態が確変状態である場合に、当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
ここで、変動時間「3秒」は超短縮変動に対応付けられ、変動時間「5秒」は短縮変動に対応付けられ、変動時間「10秒」は通常変動に対応付けられ、変動時間「20秒」はNリーチ(ノーマルリーチ)に対応付けられ、変動時間「60秒」は弱SPリーチ(弱スーパーリーチ)に対応付けられ、変動時間「120秒」は中SPリーチ(中スーパーリーチ)に対応付けられ、変動時間「180秒」は強SPリーチ(強スーパーリーチ)に対応付けられている。なお、以下では、超短縮変動の変動パターンPX1、短縮変動の変動パターンPX2及び通常変動の変動パターンPX3をまとめて「非リーチ種別」の変動パターンと称することがある。なお、各変動パターンの大当り期待度は、非リーチ種別<Nリーチ<弱SPリーチ<中SPリーチ<強SPリーチの順に高くなるように設定されている。なお、前述の説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように構成してもよい。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、図示省略するが、短縮変動パターンテーブルにおいて、第2特別図柄の保留記憶数が0となるときの変動においては、第2特別図柄(保留記憶数=0)のはずれ用の変動パターンテーブル(例えば、変動時間=10秒の選択率100%)を使用し、当該変動中での電チュー(第2始動口52)への遊技球の入球確率を高め、第2特別図柄での変動を途切れさせないようにしてもよい。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはず
れ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では、変動時間短縮機能の作動により、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、主制御基板100のメインCPU101の処理負荷軽減のため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」としたり、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当りした際の遊技状態(通常中または時短中など)によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるととも
に、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,4R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄A1,A2)又は4R大当り(図柄B1,B2,D1,D2)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口54を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄C1)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口54を最大で約0.05秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口54の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物522を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物522を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物522を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能の全てが作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」又は「潜伏確変遊技状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長
」、と表現することもできる。また、本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機を採用しているため、特定大当り(確変大当り)に当選した場合は、その特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り終了後に再度ST回数が設定される)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり、特定大当り(確変大当り)に当選した場合には特別遊技の終了後はST回数を限度として一律に確変状態となり、通常大当り(非確変大当り)に当選した場合には特別遊技の終了後は通常状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
また、遊技状態制御手段165は、特別遊技が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、前述したように、変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。なお、各変動パターン選択状態については既に説明しているため、ここでは重複説明を省略する。本実施形態では、大当り図柄のいずれが選択された場合でも、(1)特別遊技の終了直後、変動回数がST期間(100回)内にあるときは短縮変動状態βに滞在し、(2)ST回数の終了後、すなわち、その実行回数として101回目以降は通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、通常変動状態αに滞在することになる。そして、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図3では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停
止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、大当り演出制御手段227、入賞演出制御処理228を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)の移行制御を実行する。本実施形態では、2種類の遊技演出モードとして、通常演出モード、確変演出モードが設定されており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。通常
演出モードは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、通常変動状態が選択されている場合に設定され、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、短縮変動状態βが選択されている場合に設定され、その背景画像として「確変背景」が表示される。ここで、詳細後述するが、遊技演出モード(通常演出モード、確変演出モード)のいずれに滞在している場合においても、上記背景画像の他に、画面上に設定された特定演出表示領域705にはメータ画像が表示され(図15、図25等を参照)、一般入賞口61〜64への遊技球の入球に基づきメータ画像のレベルを更新するメータ演出が実行される。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。本例において、特別図柄の作動保留球が生起されると、通常の表示態様の保留画像が表示される一方、後述の先読み予告演出(保留変化先読み演出)が実行される場合には、この先読みの対象となった保留画像が通常の表示態様から特殊な表示態様に変化する。なお、保留画像の詳細については後述する(具体的には図8を参照)。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき実行される。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
ここで、図8を参照しながら、本実施形態における保留画像について説明する。図8は、本実施形態における保留画像の説明に供する模式図である。既述したように、演出表示装置70の画面内の所定領域には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示するための第1保留表示部701と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する保留画像を
表示するための第2保留表示部702とが設けられている。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると丸印「○」の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。そのため、第1保留表示部701は、第1特別図柄の保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X11,X12,X13,X14を有してなり、第2保留表示部702は、第2特別図柄の保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X21,X22,X23,X24を有してなる。保留表示領域X11,X21は保留1の保留画像に対応し、保留表示領域X12,X22は保留2の保留画像に対応し、保留表示領域X13,X23は保留3の保留画像に対応し、保留表示領域X14,X24は保留4の保留画像に対応する。また、各保留表示部701,702の間には、保留消化表示領域703が設けられており、最先の保留1が消化されたときに、当該保留1の保留画像が保留消化表示領域703へ移動して、当該変動に対応した保留画像として表示される(当該変動停止まで表示される)。すなわち、保留消化表示領域703は、今回消化された保留画像(保留0の保留画像)を表示するためのエリアとなっている。
第1保留表示部701では、第1特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X11から順に1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が追加表示され、また、第1特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域X10に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X11〜X14に表示された保留画像(保留1〜保留4の保留画像)が1個ずつ右側へシフトされる。同様に、第2保留表示部702では、第2特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X21から順に1個ずつ保留画像が追加表示され、また、第2特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域X20に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X22〜X24に表示された保留画像(保留1〜保留4の保留画像)が1個ずつ左側へシフトされる。
保留変化先読み演出では、上記の事前判定の結果に基づき、保留表示部701,702に表示される保留画像のうち、先読み抽選の対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)の表示態様を、通常態様(白色表示)から特殊態様(特殊な色彩表示)に変化させる演出が行われる。本例では、保留画像の表示態様(表示色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類を用意している。以下では、通常の表示態様である白色表示(デフォルト)の保留画像を「通常保留画像」とも称し、特殊な表示態様である青色表示、緑色表示、赤色表示、金色表示および虹色表示の保留画像を「特殊保留画像」とも称する。なお、図面上では、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類の表示態様を、その保留画像を示す白丸印「〇」の中に上記色彩の名称を付記することで表現している。この保留変化先読み演出で用いられる上記6種類の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。なお、「虹色」の保留画像は、大当たり当選が確定となる保留画像を意味する。従って、「虹色」の保留画像が出現した場合又は保留画像が「虹色」に変化した場合には、該保留画像(作動保留球)に係る図柄変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、本例では、上記6種類の保留画像(通常保留画像、特殊保留画像)の他に、SPリーチの発展先を予告する特別保留画像(特別な表示態様の保留画像)が用意されている。この特別保留画像は、例えば白丸の中に「特」という文字が表示された保留画像であり、変動表示において特殊SPリーチ演出に発展することを予告する。この特別保留画像については、本実施形態の第1変形例のところで詳述する。なお、保留変化先読み演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段224は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「強SPリーチ」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば、「強SPリーチA,B…」など)が定まる。
図9は、変動演出パターンテーブルを示す模式図である。図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には変動演出パターン乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。図示の変動演出パターンテーブルには、特別図柄の各変動パターンに対して、一又は複数の変動演出パターンが対応付けられている。そして、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対して、複数種の変動演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように乱数の値(判定値数)が割り振られている。具体的に、はずれの変動パターンに関しては、変動パターンPX1に対して変動演出パターンPEX11、変動パターンPX2に対して変動演出パターンPEX21、変動パターンPX3に対して変動演出パターンPEX31、変動パターンPX4に対して変動演出パターンPEX41〜42、変動パターンPX5に対して変動演出パターンPEX51〜53、変動パターンPX6に対して変動演出パターンPEX61〜63、変動パターンPX7に対して変動演出パターンPEX71〜73が対応付けられている。一方、大当りの変動パターンに関しては、変動パターンPY4に対して変動演出パターンPEY41〜42、変動パターンPY5に対して変動演出パターンPEY51〜53、変動パターンPY6に対して変動演出パターンPEY61〜63、変動パターンPY7に対して変動演出パターンPEY71〜73が対応付けられている。
ここで、各変動演出パターンは、リーチ演出及び擬似連続変動演出を含む変動演出の内容を特定するものとなっている。本実施形態では、図柄の変動演出として、非リーチ演出(短縮変動演出、通常変動演出)、Nリーチ演出、Lリーチ演出、SPリーチ演出、擬似連続変動演出などが設定されている。Nリーチ演出は、3列ある装飾図柄のうち2列(典型的には左列、右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(いわゆるリーチ状態)において、残り1列(典型的には中列)の装飾図柄が停止したならば大当りとなる演出である。Lリーチ演出とは、上記のNリーチ演出よりもリーチ状態が形成されてからの変動時間が延長された演出である。SP演出とは、上記のNリーチやLリーチよりも大当り期待度の高いリーチ演出であり、演出内容が途中で発展して例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。擬似連続変動演出(略して「疑似連」とも称する)とは、装飾図柄の1回の変動表示の間に、図柄を仮停止表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この疑似連続変動演出は、三列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止した後に再度変動を開始する再変動表示を1回以上実行するように構成されている。疑似連は、リーチ演出を含む変動表示においては、リーチ状態が形成される前段階で実行表示され、疑似連の回数が多くなるほど、大当り期待度の高いリーチ演出の発生が期待できるようになっている。図中、「擬似1」とは1回の再変動表示が行われること、「擬似2」とは2回の再変動表示が行われること、「擬似3」とは3回の再変動表示が行われることを意味する。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変
動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される(図示の例では、便宜上、演出モードに依存しない共通の変動演出パターンテーブルのみを用意している)。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。詳細は後述するが、本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT(擬似連続変動示唆図柄)」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告
演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出制御手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口54の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
入賞演出制御手段228は、遊技球が各種入賞口に入球したことを契機として実行される入賞演出の演出内容を決定する。本実施形態では、入賞演出として、通常状態における入賞演出、確変状態における入賞演出、及び特別遊技状態における入賞演出が設定されている。なお、入賞演出の具体的な内容については後述する。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[遊技システム]
続いて、上記構成の遊技機(ぱちんこ遊技機)PMを備えた遊技システムSについて説明する。図10は、遊技システムSの概略的な構成を示す模式図である。
遊技システムSは、遊技店に設置された1以上の遊技機(ぱちんこ遊技機)PMと、遊技者の所持する情報端末機JTと、インターネット等に代表される通信ネットワーク(公衆通信回線)TNと、サーバSVとを有して構成される。遊技者は、自身の情報端末機JTを操作してサーバSVに会員登録することで、この遊技システムSにより提供されるサービス(「遊技情報提供サービス」と称する)を利用可能となる。
遊技機PMは、当該遊技機PMで実行された遊技の履歴(遊技履歴)の情報を記憶可能に構成されており、この遊技履歴の情報が含まれた二次元コードの生成及び表示が可能となっている。ここで、遊技履歴とは、例えば、特別図柄の変動表示の回数、大当りの回数、連荘の回数、ミニゲームにより付与されるポイントなど、遊技に関する各種の履歴を意味する。なお、遊技機PMにおける遊技情報提供サービスは、主として演出制御基板20
0にて実行される。
情報端末機JTは、携帯電話、スマートデバイス、ノート型パソコンなど、Webブラウザを利用可能な電子機器であり、通信ネットワークTNを介してサーバSVとの通信を確立することができる。情報端末機JTは、二次元コードの読み取りが可能なカメラ機能を搭載しているものとする。情報端末機JTは、遊技機PMに表示される二次元コードに基づき、遊技機PMから遊技履歴情報を取得することができる。
通信ネットワークTNは、携帯電話網、インターネット、LAN、専用回線(CATV回線)等で構成され、通信基地局を介して、情報端末機JTとサーバSVとを通信接続する。
サーバSVは、Webサイトを構築するWebサーバとしての機能を有し、通信ネットワークを介して、情報端末機JTとの通信を確立することで、情報端末機JTからの要求に応じた種々の情報のやりとり(例えば、情報端末機JTが取得した情報を蓄積する等)など、様々なサービスを提供する。
遊技者は遊技機PMで遊技を開始する場合、情報端末機JTによりサーバSVにアクセスする。サーバSVは、情報端末機JTからのアクセスを受け付けると、情報端末機JTの固有情報(製造番号やユーザID)を取得して、この固有情報に対応付けられた遊技履歴情報を取得する。サーバSVは、パスワードを発行して、このパスワードを情報端末機JTに送信する。遊技者は、サーバSVから取得したパスワードを遊技機PMのメニュー画面から入力してログインする。遊技機PMは、パスワードを認証して、この認証が成功すると、演出のカスタマイズが可能となるとともに、これから遊技者により行われる遊技に対する遊技履歴の蓄積・更新を許可する。例えば、演出のカスタマイズを実施するには、メニュー画面において、「カスタマイズ設定メニュー」を選択する。カスタマイズ設定メニューから「ナビキャラ設定」の項目を選択すると、顔や体格など特徴の異なる複数のナビキャラ(詳細後述)が表示され、その中から好みのナビキャラを選択することができる。このように遊技者は、演出のカスタマイズを実施することで、背景、キャラクタ(ナビキャラ)、BGM、楽曲などの演出要素を好みのものに変更することができる。また、演出のカスタマイズでは、保有するポイントに応じた種類の演出要素を変更することができる。そのため、累積されたポイントが増加するごとに、カスタマイズ可能な項目が増えることになる。なお、遊技情報提供サービスに会員登録していない遊技者であっても、この非会員の遊技者向けに、遊技機PMに具備されたRTC(リアルタイムクロック)の計時時刻が所定の時刻(定期的又は非定期的に設定された時刻)となったときに、演出のカスタマイズが開放されることになっている(上記の「カスタマイズ設定メニュー」を選択して、演出のカスタマイズを実施することが可能となる)。また、非会員の遊技者向けに、RTCの計時時刻ではなく、総発射回数や総大当り回数などの遊技の実績値が規定値に達したときに、演出のカスタマイズを開放するように構成してもよい。この規定値を1日の遊技で達成することができる値に設定した場合は、実績値のデータを電源ON/OFFで消去してもよいし、数日間で達成することができる値に設定した場合は、電源断やRAMクリア等では消去できないようにしてもよい。なお、詳細後述するが、この遊技システムにおいて利用可能なポイントは、遊技機PMにおけるミニゲーム等にて獲得が可能である。
一方、遊技者は遊技機PMでの遊技を終了する場合、遊技機PMのメニュー画面において所定の終了操作をしてログアウトする。遊技機PMは、遊技者による所定の操作を受け付けると、固有情報と、蓄積した遊技履歴情報と、サーバSVにアクセスするためのURLとを含む二次元コードを生成して、この二次元コードを演出表示装置70の画面に表示する。遊技者は、この二次元コードを情報端末機JTにより読み取り、サーバSVにアク
セスする。サーバSVは、遊技者(情報端末機JT)の固有情報を認証する。サーバSVは、その認証が成功すると、固有情報と遊技履歴情報とを対応付けて記憶する。それによりサーバSVには、前回までの遊技履歴の情報に、今回の遊技の開始から終了までの遊技履歴の情報(今回のプレイ結果)が反映される。
遊技者は、遊技情報提供サービスを利用することで、遊技履歴の情報をサーバSVに蓄積することが可能となり、該遊技履歴の情報に基づき様々な特典を得ることができる。すなわち、遊技履歴の情報にはポイントが含まれており、遊技者は該ポイントを貯めることで、各種の特典(情報端末機JT上で利用可能な特典、遊技機PM上で利用可能な特典)を得ることができる。特典とは、賞球(出玉)獲得等の遊技利益とは直接的には関係のない利益のことである。例えば、遊技機PMの攻略情報、未公開情報、遊技機PMにおける演出のカスタマイズ、といったものが挙げられる。なお、ポイントとは、遊技者の遊技実績に応じて付与される値である。
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PMでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、演出統括手段220により制御されるナビキャラ演出及び入賞演出について順に詳述する。
[ナビキャラ演出]
図11は、ナビキャラ演出の演出例を示す模式図である。ナビキャラ演出は、画面左下のキャラ表示領域704に表示されたナビゲートキャラクタ画像(「ナビキャラ」と称する)が遊技の進行状況を解説したり、遊技や演出に関する各種情報を報知したりすることで、遊技者をナビゲートする演出である。ナビキャラは、基本的には遊技状態や演出モードに関係のない共通演出として常に表示され、例えばメッセージや動き、エフェクト効果等を適時発生させて、上記ナビゲート機能を発揮する。本実施形態では、複数種のナビキャラA,B,Cが設定されており、所定のタイミング(演出のカスタマイズ設定時、所定の変動回数毎、後述の特別演出の実行毎、演出モードの移行時など)にて発生するキャラクタ選択演出にて、遊技者が演出ボタン15などを操作して、画面上に表示された複数種のナビキャラA,B,Cの中からいずれか1つのナビキャラを選択することで、その選択されたナビキャラがキャラ表示領域704に表示される。図示の例では、複数種のナビキャラA,B,Cのうち、ナビキャラAが選択された状態を示している。なお、いずれのナビキャラA,B,Cも遊技者により選択されなかった場合は、デフォルトとして、ナビキャラAが自動的に設定されるようになっている。なお、ナビキャラ演出の具体的な演出例については、後述の入賞演出のところで再度説明する。
[入賞演出]
入賞演出とは、遊技球が各種入賞口に入球したことに関連して実行される演出である。そのため、入賞演出は、遊技球が各種入賞口に入球したことを契機として、又は、該入賞口への遊技球の入球に基づく所定の実行条件が成立したことを契機として実行される。本実施形態では、各種入賞口のうち一般入賞口61〜64又は大入賞口54への遊技球の入球に関連して実行される入賞演出を対象として説明する。
図12〜図14は、本実施形態における入賞演出の流れを説明するためのタイムチャートである。この入賞演出は、各種の遊技状態ごとに設定されており、滞在中の遊技状態に応じて演出態様が異なり得るように構成されている。ここで、遊技状態は、非特別遊技状態と特別遊技状態とに大別される。非特別遊技状態とは、特別遊技が実行されていない非大当り中の状態であり、特別遊技状態とは、特別遊技が実行されている大当り中の状態である。また、本例における非特別遊技状態は、通常状態(通常遊技状態)と確変状態(確
変遊技状態)とに区別される。遊技状態が通常状態であるときは、基本的には、左打ちにより遊技球を左側領域PA1に打ち出して第1始動口51への入球を狙うため、その結果、第1始動口51だけでなく一般入賞口61〜63への入球も見込まれる。また、遊技状態が確変状態であるときは、基本的には、右打ちにより遊技球を右側領域PA2に打ち出して第2始動口52への入球を狙うため、第2始動口52だけでなく一般入賞口64への入球も見込まれる。一方、遊技状態が特別遊技状態であるときは(通常状態又は確変状態で大当りしたときは)、基本的には、右打ちにより遊技球を右側領域PA2に打ち出して大入賞口54への入球を狙うため、大入賞口54だけでなく一般入賞口64への入球も見込まれる。このように図1に示す盤面構成を採用するうえで、いずれの遊技状態に滞在している場合であっても、一般入賞口61〜64への遊技球の入球が予定され、その入球に伴い各種の入賞演出が発生するように構成されている。それでは、図12〜図14を参照しながら、(1)通常状態における入賞演出、(2)特別遊技状態における入賞演出、(3)確変状態における入賞演出について順に説明する。
<A.通常状態における入賞演出>
まず、通常状態における入賞演出について図12を参照しながら説明する。本実施形態では、遊技状態が通常状態であるときに、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことに関連して実行される入賞演出として、(A1)遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを報知する一般入賞報知演出と、(A2)一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき所定の実行条件が成立するまでの達成状況を報知する達成状況報知演出と、(A3)所定の実行条件が成立したことに基づき実行される特別演出とが設定されている。この通常状態における入賞演出は、前述した左打ち遊技に対応すべく、複数の一般入賞口61〜64のうち、左側領域PA1に配置された一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づく入賞演出を対象とする。なお、本実施形態において、「遊技球が一般入賞口61〜63に入球する」とは、(イ)遊技球が一般入賞口61〜63に入賞すること、(ロ)左側一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球が検出されること、(ハ)主制御基板100から一般入賞口入賞コマンドを受信すること、のうちのいずれか又は複数の組合せを意味する。ここで、図15は、通常状態における入賞演出の基本画面1を示す模式図、図16は通常状態における入賞演出の基本画面2を示す模式図である。
≪A1.一般入賞報知演出≫
一般入賞報知演出は、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを報知する演出である。一般入賞報知演出は、左側一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球が検出され、主制御基板100から左側一般入賞口入賞コマンドを受信したことを契機として実行される。一般入賞報知演出としては、一般入賞口61〜63の近傍に配置された入賞報知ランプ81〜83を点灯するランプ演出や、演出表示装置70の画面上においてナビキャラの周囲にエフェクト画像を表示するエフェクト演出などが含まれる。なお、この一般入賞報知演出は、画像表示、ランプ点灯、効果音等のうちのいずれか又は複数の組合せにより構成されるものであれば、他の演出態様であってもよい。例えば、ランプ演出及びエフェクト演出の他に、ナビキャラが所定の動作を行うナビキャラアクション演出を付加してもよい。
ランプ演出は、一般入賞口61への遊技球の入球と入賞報知ランプ81〜83の点灯とを関連付けた演出である。入賞報知ランプ81〜83は、一般入賞口61〜63の近傍に配置されており、一般入賞報知演出(ランプ演出)を実行するうえで、一般入賞口61〜63と入賞報知ランプ81〜83とが1対1の対応関係をなしている。具体的に、入賞報知ランプ81は、一般入賞口61と画面左下のキャラ表示領域704との間に配置されており、一般入賞口61への遊技球の入球に基づき点灯する。入賞報知ランプ82は、一般入賞口62と画面左下のキャラ表示領域704との間に配置されており、一般入賞口62への遊技球の入球に基づき点灯する。入賞報知ランプ83は、一般入賞口63と画面左下
のキャラ表示領域704との間に配置されており、一般入賞口63への遊技球の入球に基づき点灯する。なお、図15では、入賞報知ランプ81が点灯している様子を示す。
各入賞報知ランプ81〜83は、遊技又は演出の進行状況(後述の特別演出1実行条件の達成状況)に応じて決定される所定の発光パターンに従って点灯する。発光パターンとは、入賞報知ランプ81〜83の発光態様(発光色、発光輝度、発光時間、発光回数、点滅パターンなど)を特定するためのパターンであり、特別演出1実行条件の達成状況に応じて、複数種の発光パターンのうちのいずれかが選択される。詳細後述するが、特別演出1実行条件とは、特別演出1(本例ではLIVE演出)を実行するための条件であり、規定数の遊技球が一般入賞口61〜63へ入球したことを契機として成立する。ここで、図17は、入賞報知ランプ81〜83の発光パターンテーブルを示す模式図である。本例においては、入賞報知ランプ81〜83の発光パターン(発光色)として、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」が設定されており、「青色」<「緑色」<「赤色」<「虹色」の順に、特別演出1実行条件の成立の期待度が報知される。具体的には、特別演出1実行条件の達成状況が序盤(メータカウンタ:1〜6個)であるときは「青色」の発光パターン、特別演出1実行条件の達成状況が中盤(メータカウンタ:7〜13個)であるときは「緑色」の発光パターン、特別演出1実行条件の達成状況が終盤(メータカウンタ:14〜19個)であるときは「赤色」の発光パターン、特別演出1実行条件の達成時(メータカウンタ:20個)であるときは「虹色」の発光パターンが選択される。このような発光色(発光パターン)の変化に対する視覚的効果を活用することによって、特別演出1実行条件(メータ画像)の進み具合を遊技者に対して示唆することができる。ここで、入賞報知ランプ81〜83による発光演出は、一般入賞口61〜63への入球に基づき該入賞口61〜63とキャラ表示領域704(ナビキャラ)との間で稲妻が発生するような発光態様で行われる。例えば、入賞報知ランプ81〜83を構成する複数個のLEDを下側(一般入賞口)から上側(画面)へ並ぶ順番で順次点灯(可変表示)させることで、一般入賞口61〜63からナビキャラへ向けて稲妻が走るような態様で発光する。
エフェクト演出は、遊技球が一般入賞口61〜63へ入球したときに、画面上に視覚効果を高めるためのエフェクト画像を表示させる演出である。本例におけるエフェクト演出では、画面上のナビキャラの周囲にエフェクト画像が所定の表示態様で表示される。このエフェクト演出は、上記のランプ演出と同期したかたちで実行される(例えば、入賞報知ランプ81〜83が点灯した直後にエフェクトが発生する)。つまり、ランプ演出とエフェクト演出とを連係させることで、画面上のナビキャラが一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき発生した稲妻(稲妻形のランプの発光)に打たれたような感覚を遊技者に与え、一般入賞口61〜63への入球を遊技者に対して強く印象付けさせることができる。なお、エフェクト画像の表示色を、入賞報知ランプ81〜83の発光色と同一に設定することで、ランプ演出とエフェクト演出とをより一層関連付けることができる。
なお、遊技状態が通常状態であるときに(本来左打ちをすべき状況であるときに)、遊技球が右側領域PA2の一般入賞口64に入球した場合は、遊技者が右打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が実行される。注意報知演出では、例えば、ナビキャラが左打ちを指示するメッセージを画面上に表示する、或いは、一般入賞口64の近傍に配置された入賞報知ランプ84が特殊な発光態様で点灯(例えば高輝度で高速又は瞬間的に点滅)することで、遊技球を左側領域PA1へ向けて発射すべきこと(左打ち)が遊技者に報知される。なお、注意報知演出として、例えばスピーカ11から「左打ちして下さい」という音声(左打ち指示音声)を出力させてもよい。
≪A2.達成状況報知演出≫
達成状況報知演出は、特別演出1実行条件の達成状況を報知する演出である。換言すれば、達成状況報知演出は、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき実行条件判定
情報を更新する演出である。ここで、実行条件判定情報とは、特別演出1実行条件が成立するか否かを判定するため、遊技球が一般入賞口61〜63へ1球入球することに対応して所定数だけ更新される情報(入球数対応情報)である。ここで、所定数とは、遊技球の1球の入球に対して、固定値「1」が設定されるものでも(つまり、1:1の対応関係)、「2」以上の複数値が設定されるものであっても(つまり、1:複数値の対応関係)、更には抽選や遊技状況等に応じて変化する可変値であってもよい。本例における達成状況報知演出は、特別演出1実行条件の達成状況を所定の演出画像の表示態様に応じて報知するメータ演出を構成要素として含んでいる。メータ演出は、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを契機として、画面に表示されたメータ画像(メータを模した画像)のレベルを変化させる演出である。
本実施形態では、メータ画像のメータ数を管理すべく、一般入賞口61〜63への遊技球の入球数を計数するためのメータカウンタC1を具備しており、遊技球が一般入賞口61〜63に入球する毎に、メータカウンタC1のカウント値を更新する。そのため、メータ画像のメータ数は、メータカウンタC1のカウント値に基づいて更新される。つまり、メータ画像のメータ数は、メータカウンタC1のカウント値に対応するものとなる。なお、メータカウンタC1は、一般入賞口61〜63の入球数を計数の対象としており、一般入賞口64の入球数は計数の対象とはしない。すなわち、メータ画像のメータ数は、一般入賞口61〜63の入球数に基づき更新されるが、一般入賞口64の入球数は関係しない。メータカウンタC1は、特別演出1実行条件が成立したとき(変動表示中であれば当該変動表示の終了時)にゼロクリアされる。そして、メータカウンタC1は、次の変動表示の開始時(特別演出の開始時)から計数を開始(再開)する。
メータ画像は、演出表示装置70の画面下に設けられた特定演出表示領域705に表示され、その近傍のキャラ表示領域704に表示されたナビキャラにより特別演出1実行条件の達成状況(メータ画像の更新状況)が適時解説されるようになっている。メータ画像は、横長の帯形に形成されており、その内側には目盛(予め設定された規定の目盛数:20目盛)が付されている。このメータ演出では、遊技球が一般入賞口61〜63のいずれかに1個入球するごとにメータ数が1目盛だけ増加し、一般入賞口61〜63への遊技球の入球数が規定数(本例では20個)に達することで、該メータ数が規定の目盛数まで増加すると(一般入賞口への20回の入賞が発生してメータ画像の表示態様が最終段階に達すると)、特別演出実行条件1が成立することになる。なお、メータ演出の演出例については後述する(具体的には図19を参照)。
本実施形態では、特別演出1実行条件が成立した場合に、この特別演出1実行条件の成立時から特別演出1が開始されるわけではなく、この特別演出1実行条件が成立した後、所定の開始条件(特別演出1開始条件)が成立したときに、特別演出1が開始される。特別演出1開始条件は、所定の実行可能タイミングが到来したことを契機として成立する。本例における実行可能タイミングは、特別演出1実行条件が成立したときを基準として、主制御基板100から変動開始コマンドを最初に受信したとき(次の変動表示の開始時)である。そのため、特別演出1実行条件が成立した時点での変動表示(当該変動表示の途中)では特別演出は開始されず、次回の変動表示が開始されるタイミングで特別演出1が開始される。なお、特別演出1実行条件を達成したときの変動表示が、大当り発生の変動表示であった場合は、その特別遊技の終了直後の変動表示(特別遊技の終了後の1回目の変動表示)の開始時に特別演出が開始される。但し、特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態となる場合には、その特別遊技の終了直後の変動表示ではなく、確変状態が終了した直後の変動表示(確変状態から通常状態へ移行した直後の変動表示)の開始時に特別演出1が開始される。その理由としては、特別演出1は、遊技状態が通常状態であるときに実行される特別演出であり、遊技状態が確変状態であるときは別の特別演出(特別演出2)が用意されているからである。
≪A3.特別演出1≫
特別演出1は、図16に示すように、演出表示装置70の画面上において楽曲公演のPV映像を再生表示する演出(「LIVE演出」とも称する)である。この特別演出1では、画面に表示されたナビキャラの種類に対応する楽曲(本例では楽曲1曲分)のPV映像が表示される。そのため、本例における特別演出は、楽曲1曲分に相当する3〜5分程度の演出尺に設定されている。特別演出1は、前述した遊技演出モード(通常演出モード、確変演出モード)とは別に、所定の実行条件(特別演出1実行条件)が成立したことを契機として一定期間だけ設定される特別演出モードとしての演出である。そのため以下においては、特別演出1を行う演出モードを「特別演出モード」ともいう。なお、特別演出モードは、遊技演出モードとは異なり、変動演出等の演出抽選には関係のないモードである。そのため、特別演出モードが設定されている場合でも、内部的には遊技演出モードが設定されており、該遊技演出モードに応じた演出抽選が実行される。なお、特別演出モードが設定されている場合は、画像のレイヤ構造として、通常演出モードの背景画像よりも特別演出1の演出画像を上位のレイヤに位置付けるとともに、音声については、変動演出の音声チャンネルと特別演出の音声チャンネルとのうち、特別演出に対応した音声チャンネルを出力することで、特別演出モードに滞在中はLIVE演出に対応した背景画像の表示および音声出力が実行されるようになっている。
特別演出1には、前述のように特別演出1実行条件が成立して所定の実行可能タイミングが到来したことを契機として実行される通常LIVE演出の他に、詳細後述するが、特別演出1の実行中に特別演出1実行条件が再度成立したことを契機として実行される特殊LIVE演出とが含まれる。本実施形態では、特別演出1として再生表示されるPV映像を特定するための複数種のLIVE演出パターン(通常LIVE演出パターン、特殊LIVE演出パターン)が用意されている。
図18(A)は、通常LIVE演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。通常LIVE演出パターンテーブルには、ナビキャラの種類ごとに複数種の通常LIVE演出パターン(つまり、一のナビキャラに対して複数種のPV映像)が設定されており、画面に表示されたナビキャラの種類に応じて複数種の通常LIVE演出パターンの中からいずれかが選択される。本実施形態では、予め定められた規定の順序に従って、複数種の通常LIVE演出パターンの中からいずれかの通常LIVE演出パターンが選択される。例えば、画面上にナビキャラAが表示されている場合は、それに対応する通常LIVE演出パターンPA1〜PA9が選択対象であり、通常LIVE演出パターンPA1→通常LIVE演出パターンPA2→…→通常LIVE演出パターンPA8→通常LIVE演出パターンPA9→通常LIVE演出パターンPA1…の順に、当該演出パターンが選択される。ここで、通常LIVE演出パターンは別の方法により選択されるものでもよく、例えば、乱数抽選(ランダムな選択)や遊技者のボタン操作などにより選択されるものであってもよい。なお、通常LIVE演出の演出例については後述する(具体的には図19を参照)。
特別演出1は、前述したように、特別演出1実行条件が成立したときの次の変動表示から開始される。そのため、特別演出1は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され得る。このとき、特別演出1は装飾図柄の変動表示(変動演出)よりも優先的に表示されるようになっており、特別演出1は画面の略中央に大きく表示される一方で、装飾図柄の変動表示は画面の端の方に縮小表示される(具体的には図16等を参照)。また、これに関連して、特別演出1の実行中は、通常通り、装飾図柄の変動表示に付随した演出(リーチ演出、擬似連演出、予告演出など)に対する演出抽選は実行されるが(各演出パターンは決定されるが)、この付随演出自体は基本的には画面上には表示されない、或いは、簡略的に表示される。すなわち、本例においては装飾図柄の変動表示は画面端に縮小表示されるが
、これに対する付随演出については本来の演出態様では表示されず、その代わりとして画面上に簡略的に表示されるだけである。例えば、装飾図柄の変動表示中に擬似連が発生する場合は、この疑似連の回数を予告的に報知する情報(擬似2であれば「×2」、擬似3であれば「×3」、擬似4であれば「×4」)を表示する。また、激熱のリーチ演出(本例では、強SPリーチ演出)が発生する場合には、該リーチ演出の発生を予告的に報知する情報(「激熱リーチ発生!?〇〇秒後」)を表示する。このとき、上記の高期待度演出(リーチ演出)を見たい場合は、遊技者は所定のボタン操作によって、現在の画面表示(PV映像が流れている画面)を通常の画面表示(リーチ演出が出現する画面)に切り替えることで、すなわち、特別演出モードを終了することで、該高期待度演出を画面中央に表示させて、大当り発生への期待感を存分に味わうことができるようになっている。なお、変形例として、特別演出1の実行中は、装飾図柄の変動表示(付随演出を含む)をワイプ画面(小窓縮小画面)にて通常通りに表示させてもよい。
特別演出1の実行中においても、内部的にはメータカウンタC1により遊技球の一般入賞口61〜63への入球数を計数して、特別演出1実行条件の成否が判定される。但し、特別演出1の実行中は、メータ演出(達成状況報知演出)を実行せず、画面上にはメータ画像を非表示とする。このように特別演出1が実行されているときは、メータ画像自体は画面上に表示されていなくとも、遊技球を一般入賞口61〜63へ規定数だけ入球させることで、特別演出1実行条件は成立し得る。ここで、メータ演出を非表示とする場合は、一般入賞報知演出(ランプ演出、エフェクト演出)の実行をキャンセル又は実行頻度を下げる、或いは、目立たない演出態様(ランプの輝度を下げる、エフェクトを縮小表示する)に補正する。その理由としては、特別演出1の実行中に異質な演出が割り込むことで、特別演出1の演出効果が低下するのを未然に防止するためである。
このとき、特別演出1の実行中に、再び特別演出1実行条件が成立した場合は、上記の実行可能タイミングの到来とは関係なく、現在実行中の特別演出1と連続的に繋がるかたちで次回の特別演出1(特殊LIVE演出)が開始される(現在実行中の特別演出1が終了した時点で次回の特別演出が開始される)。つまり、現在実行中の特別演出1と、新たに実行される次回の特別演出1(特殊LIVE演出)とが、途切れることなくシームレスに繋がった一連の演出として構成される。特別演出1の実行中に特別演出1実行条件が成立した場合は、前述した特殊LIVE演出が実行されることになる。特殊LIVE演出は、通常LIVE演出とは異なり、特別な楽曲(プレミアムな楽曲)のPV映像の他に、アンコール演出を含んで構成される。すなわち、特殊LIVE演出の導入時には、通常LIVE演出の導入時には現出されることのないアンコール演出が実行される。アンコール演出は、例えば、LIVE会場の観客が「アンコール」を連呼する画像を表示することで、アンコール公演(次の特別演出1)が発生することを告知する演出である(具体的には図20を参照)。
図18(B)は、特殊LIVE演出パターンテーブルの一例を示す模式図である。特殊LIVE演出パターンテーブルには、ナビキャラの種類ごとに複数種の特殊LIVE演出パターン(つまり、一のナビキャラに対して複数種のアンコール画像及びPV映像)が設定されており、画面に表示されたナビキャラの種類に応じて複数種の特殊LIVE演出パターンの中からいずれかが選択される。本実施形態では、予め定められた規定の順序に従って、複数種の特殊LIVE演出パターンの中からいずれかの特殊LIVE演出パターンが選択される。例えば、画面上にナビキャラAが表示されている場合は、それに対応する特殊LIVE演出パターンPA11〜PA13が選択対象であり、特殊LIVE演出パターンPA11→特殊LIVE演出パターンPA12→特殊LIVE演出パターンPA13→特殊LIVE演出パターンPA11…の順に、当該演出パターンが選択される。ここで、特殊LIVE演出パターンは別の方法により選択されるものでもよく、例えば、乱数抽選(ランダムな選択)や遊技者のボタン操作などにより選択されるものであってもよい。
なお、特殊LIVE演出の演出例については後述する(具体的には図20を参照)。
(大当り発生との関係)
特別演出1の実行中において、大当りが発生した場合は、その特別遊技における大当り演出(ラウンド演出)が大当り専用のLIVE演出に差し替わり、遊技状態が通常状態(又は確変状態)であるときには現出されることのない大当り専用のLIVE演出が実行される。大当り専用のLIVE演出では、例えば、未発表の楽曲や発売前の楽曲などのPV映像が再生される。なお、その変形例として、特別演出1の実行中に大当りが発生した場合は、特別演出1を途中(大当り時点)で中断させることなく、その大当り発生の前後において該特別演出1(LIVE演出)を継続させるように構成してもよい。このとき、大当り発生による大当り遊技への移行又は大当り後の確変遊技状態への移行に基づく発射方向の変更を促す表示(大入賞口54や電チューへの入球を促すための「右打ち」表示)や、遊技者の所有する遊技価値を記憶した媒体の回収を促す表示(「プリペイドカードを忘れずにお取りください」)を、所定のタイミング(非特別演出中と同様のタイミング)で、演出表示装置70に画像表示させるようにする。
(エラー報知との関係)
特別演出1の実行中において、遊技機PMに所定のエラーが発生した場合は、この特別演出1よりもエラー報知演出を優先的に表示する。例えば、画像表示のレイヤ構造(レイヤによる積層構造)において、特別演出1よりもエラー報知演出のレイヤ番号(優先順位)を高く設定することで、特別演出1とエラー報知演出とが重複して実行される場合は、LIVE演出の画像にエラー報知演出の画像を重畳表示することで、LIVE演出よりもエラー報知演出を優先して実行する(つまり、エラー報知演出(優先度の高いレイヤに属する演出)については遊技者に目立つかたちで表示し、LIVE演出(優先度の低いレイヤに属する演出)については最低限の表示のみ又は全く表示されない)。ここで、遊技機PMに発生したエラーが解除された場合は、画面上にLIVE演出のやり直しの有無を遊技者によるボタン操作にて選択させる画像を表示して、LIVE演出を最初からやり直すか否かを選択可能に構成してもよい。なお、ランプ点灯、出力音についても、画像表示のレイヤ構造に準じることが好ましい。ここで、遊技機PMに生じるエラーには、賞球払い出しにおけるエラーと、その他のエラーとがある。賞球払い出しにおけるエラーとしては、通信線異常が規定されている。通信線異常の状態とは、払出制御基板400との通信で異常を検出した場合である。通信線異常は、払出制御基板400との通信が正常に行えたときに解除される。なお、この賞球払い出しにおけるエラー中には、遊技球の発射および新たな賞球の払い出しが禁止されるとともに、特別図柄の変動が禁止される。一方、その他のエラーとしては、扉・枠開放、磁気センサ異常、電波センサ異常、断線短絡電源異常などがある。扉・枠開放は、外枠1に対してガラス枠5、前枠2もしくは裏セット盤30が開いている場合、ガラス枠5の開放を検出する扉開放スイッチ、前枠2の開放を検出する枠開放スイッチ、裏セット盤30の開放を検出する裏セット開放スイッチに断線や故障が生じた場合にエラーとなる。この扉・枠開放は、遊技機に異常がないかを確認し、ガラス枠5、前枠2および裏セット盤30を閉鎖した場合に解除される。磁気センサ異常および電波センサ異常は、磁気センサが磁気を検出した場合、電波センサが電波を検出した場合、および磁気センサや電波センサの断線、短絡、故障が生じた場合に発生する。磁気センサ異常および電波センサ異常は、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。断線短絡電源異常は、電波センサおよび遊技盤面に設けられた各種スイッチの断線、短絡、故障が生じた場合に発生する。断線短絡電源異常は、遊技機に異常がないかを確認し、電源を再投入した場合に解除される。このとき、扉・枠開放、磁気センサ異常および電波センサ異常の場合には、そのエラー中の処理として、特別図柄の変動が禁止される。また、断線短絡電源異常の場合には、そのエラー中の処理として、遊技球の発射が禁止されるともに、特別図柄の変動が禁止される。
続いて、通常状態における入賞演出の演出例について説明する。図19及び図20は、通常状態における入賞演出の演出例を示す模式図である。
まず、図19を用いて、第1の演出例(アンコール演出無しの場合)について説明する。図中(A)に示すように、遊技状態が通常状態であるとき、演出表示装置70の画面(メータ表示領域705)にはメータ画像が表示される。このメータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。メータ画像は全20目盛に設定されており、これは一般入賞口61〜63への遊技球の入球数に対応させたものであり、一般入賞口61〜63へ規定数(20個)の入球があった場合、メータ画像のメータ数が満タン状態となり、特別演出1実行条件が成立することになる。なお、遊技の開始時は、メータ数は「0」である。
図中(B)に示すように、遊技球が一般入賞口61〜63に入球すると、メータ画像のメータ数が1つ増加する。また、遊技球が一般入賞口61〜63に入球すると、一般入賞報知演出として、この入球した一般入賞口61〜63の近傍に配置された入賞報知ランプ81〜83が点灯するとともに(図15を参照)、画面上のナビキャラの周囲にエフェクトが表示される。図中(C)には、一般入賞口61〜63への入球数が10個となることで、メータ画像のメータ数が「10」となった状態を示している。
図中(D)に示すように、一般入賞口61〜63への遊技球の入球数が規定数(20個)に達することで、メータ画像のメータ数が満タン状態となると、特別演出1実行条件が成立することになる。このとき、画面上のナビキャラから、特別演出1実行条件が成立したことを報知する「条件達成!」という吹き出し画像が表示される。なお、特別演出1実行条件が成立しても、今回の変動表示(当該変動表示)から特別演出1は実行されず、次回の変動表示が開始されるまで(特別演出1開始条件を満たすまで)、特別演出1の実行が待機状態となる。
図中(E)に示すように、当該変動表示が終了してはずれ図柄が停止表示される。このときメータカウンタC1のカウント値がクリア(ゼロリセット)され、画面からメータ画像の表示が消去される。なお、特別演出1が開始されるまで(次の変動表示が開始されるまで)の残り時間をカウントダウン表示してもよい。
図中(F)に示すように、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信して特別演出1開始条件が成立することで、次回の変動表示が開始すると、特別演出1(通常LIVE演出)の表示が開始される。今回の特別演出1では、予め定められた規定の順番に従って、通常LIVE演出パターンPA1(楽曲A1)に基づくPV映像が再生される。この楽曲A1は、ナビキャラAと関連する楽曲(例えばナビキャラのテーマソングや持ち歌など)である。ここで、装飾図柄の変動表示は、画面の端の方に縮小表示され、特別演出1(LIVE演出)との競合が回避されている。なお、画面上に特別演出1のPV映像が表示されているときは、メータ画像は非表示となるが、メータカウンタC1は有効であり、特別演出1の実行中においても、遊技球が一般入賞口61〜63に入球する毎に、メータカウンタC1のカウント値が更新される。但し、前述したように、特別演出1の実行中に、遊技球が一般入賞口61〜63に入球しても、一般入賞報知演出(ランプ演出、エフェクト演出)は実行しない又は実行頻度下げる(例えば5回の入賞で1回だけ実行可能)。なお、特別演出1(LIVE演出)の実行中は、保留画像の表示態様を特定の表示態様(例えば、LIVE演出と関連性のあるオブジェクト画像としてマイク画像や音符画像など)に変化させてもよい。また、特別演出1(LIVE演出)の実行中は、保留画像の表示態様を簡略化(装飾の少ない画像に変化)させてもよい。
図中(G)に示すように、当該変動表示においてリーチ発生を予告すべく、「激熱リー
チ発生10秒前」という表示が出現する。このとき、遊技者は画面の切り替え(特別演出1を継続するか否か)を選択することができる。すなわち、主画面として、特別演出1(通常LIVE演出)の表示画面を継続するか、或いは、特別演出1を中断して装飾図柄の変動表示(激熱リーチ)の画面に復帰するかを、遊技者のボタン操作により選択させる。図示の例では、特別演出1の継続を選択した場合を示している。
図中(H)に示すように、特別演出1が終了すると、元の表示画面に戻り、画面中央に装飾図柄の変動表示が表示されるとともに、画面の特定演出表示領域705にメータ画像が表示される。そして、遊技球が一般入賞口61〜63に入球するごとにメータ値が増加して、特別演出1実行条件及び特別演出1開始条件が成立するたびに、新たな特別演出1(LIVE演出)が実行される。
続いて、図20を用いて、第2の演出例(アンコール演出ありの場合)について説明する。なお、この第2の演出例は、前述の図19(A)〜(F)の続きとして記載されている。
まず、図中(A)に示すように、前述の図19(A)〜(F)と同様の過程を経て、画面上には特別演出1として通常LIVE演出(楽曲A1のPV映像)が表示されている。図中(B)に示すように、遊技球が一般入賞口61〜63に入球すると、画面にエフェクトが表示される。前述のとおり、特別演出1の実行中においてメータ画像は非表示とされる。但し、メータカウンタC1は一般入賞口61〜63への遊技球の入球数を計数しており、遊技球を規定数だけ入球させることにより、特別演出1実行条件を成立させることができる。なお、メータ画像を非表示とすることで、特別演出1実行条件の達成状況が不明確となる可能性があるため、例えば、ナビキャラが達成状況を解説するようにしてもよい。例えば、「達成度○○%」とか、「あと〇〇個入れるとアンコール公演があるよ!」というメッセージなどが好適である。但し、本例では、入賞報知ランプ81〜83が特別演出1実行条件の達成状況に応じた発光色(発光パターン)で点灯するため、遊技者は入賞報知ランプ81〜83の発光色を確認することで、特別演出1実行条件の達成状況を視覚的に認識することが可能である。
図中(C)に示すように、PV映像の再生が完了することで、今回の特別演出1が終了する。本例では、今回の特別演出1(LIVE演出)の実行中において、一般入賞口61〜63への遊技球の入球数が規定数「20」に達して、特別演出1実行条件が再度成立しているものとする。なお、特別演出1の実行中に、特別演出1実行条件が成立した場合には、新たな特別演出1(アンコール公演)の発生を予告する表示(例えば「次回公演まで〇〇秒」)を行ってもよい。
図中(D)に示すように、今回の特別演出1が終了すると、特別演出1実行条件が成立したことに基づき、実行可能タイミングの到来を待たず、そのまま次の特別演出1が開始される。それにより、先の特別演出1と後の特別演出1(複数回の特別演出)がシームレスに繋がった一連の演出(LIVE演出)として構成される。新たな特別演出1では、始めに、観客が「アンコール」という言葉を連呼することで、アンコール公演の実施を要求するアンコール演出が開始される。それにより、希少価値の高いPV映像(アンコール公演)が発生することへの期待感が高められる。
図中(E)に示すように、アンコール演出が終了すると、そのアンコール公演でしか見ることのできないプレミアム楽曲のPV映像が再生される。
図中(F)に示すように、当該変動表示において擬似連(擬似2)の発生を報知すべく、「×2」という表示が出現する。それにより擬似連(擬似2)の実行中であることが遊
技者に教示される。なお、図示例では、装飾図柄として「1・2・1」が仮停止表示中である。
図中(G)に示すように、当該変動表示において疑似連(擬似3)の発生を報知すべく、「×3」という表示が出現する。それにより擬似連(擬似3)の実行中であることが遊技者に教示される。なお、図示例では、装飾図柄として「5・5・6」が仮停止表示中である。
図中(H)に示すように、新たな特別演出1(2回目の特別演出)が終了すると、元の表示画面に戻り、画面中央に装飾図柄の変動表示が表示されるとともに、画面の特定演出表示領域705にメータ画像が表示される。そして、遊技球が一般入賞口61〜63に入球するごとにメータ値が増加して、特別演出1実行条件及び特別演出1開始条件が成立するたびに、新たな特別演出1(LIVE演出)が実行される。
<B.特別遊技状態における入賞演出>
次に、特別遊技状態における入賞演出について図13を参照しながら説明する。本実施形態では、遊技状態が特別遊技状態であるときに、遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球したことを契機として実行される入賞演出として、(B1)遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球したことを報知する入賞報知演出と、(B2)該特別遊技において遊技者の獲得した賞球数(出玉)を報知する獲得賞球数報知演出と、(B3)該特別遊技において利益状態が昇格したことを報知する昇格演出とが設定されている。この特別遊技状態における入賞演出は、特別遊技及び左打ち遊技に対応すべく、大入賞口54への遊技球の入球に基づく入賞演出と、複数の一般入賞口61〜64のうち、右側領域PA2に配置された一般入賞口64への遊技球の入球に基づく入賞演出を対象とする。なお、本実施形態において、「遊技球が大入賞口54に入球する」とは、(イ)遊技球が大入賞口54に入賞すること、(ロ)大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球が検出されること、(ハ)主制御基板100から大入賞口入賞コマンドを受信すること、のうちのいずれか又は複数の組合せを意味する。ここで、図21は、特別遊技状態における入賞演出の基本画面を示す模式図である。
≪B1.入賞報知演出≫
入賞報知演出は、遊技球が大入賞口54に入球したことを報知する大入賞報知演出と、遊技球が一般入賞口64に入球したことを報知する一般入賞報知演出とを含む。大入賞報知演出は、遊技球が大入賞口54に入球したとき(大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球が検出され、主制御基板100から大入賞口入賞コマンドを受信したとき)に実行される演出である。また、一般入賞報知演出は、遊技球が一般入賞口64に入球したとき(右側一般入賞口スイッチ641にて遊技球の入球が検出され、主制御基板100から右側一般入賞口入賞コマンドを受信したとき)に実行される演出である。
大入賞報知演出は、ナビキャラの周囲に演出効果を高めるためのエフェクト画像を第1表示態様で表示するエフェクト演出から構成される。このエフェクト画像の第1表示態様としては、例えば「赤色」の表示色が設定されている。一方、一般入賞報知演出は、ナビキャラの周囲に演出効果を高めるためのエフェクト画像を第2表示態様で表示するエフェクト演出から構成される。このエフェクト画像の第2表示態様としては、例えば「青色」の表示色が設定されている。このように入賞報知演出ごとにエフェクト画像の表示態様(表示色)を異ならせることで、エフェクト画像が表示されたときの表示態様(赤色又は青色)に応じて、遊技球が大入賞口54へ入球したのか、一般入賞口64へ入球したのかを判別可能としている。なお、エフェクトの形状や大きさなどを異なるものとしてもよい。ここで、特別遊技状態における入賞報知演出(大入賞報知演出、一般入賞報知演出)には、ランプ演出は含まれていない。その理由としては、特別遊技(ラウンド遊技)の実行中
は、大当り中であることを報知する大当り専用のランプ演出(ほぼ全ての演出ランプ10,80のLEDを発光させる演出)が実行されるため、入賞報知用のランプ演出よりも大当り専用のランプ演出の方を優先するためである(たとえ、入賞報知用のランプ演出を重複して実行しても、大当り専用の派手なランプ演出と渾然一体となり、入賞報知演出としての演出効果を発揮できないからである)。なお、図示省略するが、大入賞口54(特別電動役物542)の内部には、遊技球が該大入賞口54に入球したことを報知する入賞報知ランプ(LED)が配設されている。この入賞報知ランプは、特別電動役物542の扉部材が開放したときに点灯することで(遊技者が視認可能な態様で点灯することで)、遊技球の狙い位置を遊技者に示唆することが好適である。
ここで、遊技状態が特別遊技状態であるときは、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射すべきこと(右打ち)を遊技者に促す右打ち報知画像が表示される。これに反して、遊技球が左側領域PA1を流下して一般入賞口61〜63に入球した場合、すなわち、遊技球が左側領域PA1へ向けて発射された場合は、遊技者が左打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が実行される。注意報知演出では、例えば、ナビキャラが右打ちを指示するメッセージを画面上に表示する、或いは、一般入賞口61〜63の近傍に配置された入賞報知ランプ81〜83やその他の演出ランプLPが特殊な発光態様で点灯(例えば高輝度で高速又は瞬間的に点滅)することで、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射すべきこと(右打ち)が遊技者に報知される。なお、注意報知演出として、例えばスピーカ11から「右打ちして下さい」という音声(右打ち指示音声)を出力させてもよい。
≪B2.獲得賞球数報知演出≫
獲得賞球数報知演出は、特別遊技の実行中において、大入賞口54又は一般入賞口64への遊技球の入球に基づき払い出された賞球数(獲得賞球数)を遊技者に対して報知する演出である。本実施形態では、遊技者が獲得する獲得賞球数として、主獲得賞球数、及び、副獲得賞球数を報知対象とする。
主獲得賞球数とは、現在実行中の1回の特別遊技において、大入賞口54への遊技球の入球に基づき現在までに獲得できた賞球数(実際に獲得できた賞球数)を意味する。なお、主獲得賞球数には、特別遊技の各ラウンドにおける規定カウント数(本例では10個)以内での遊技球の入球に基づき払い出される賞球数は含まれるが、該規定カウント数を超える遊技球の入球(超過入賞)に基づき払い出される賞球数は含まれない。なお、本例では、画面上に、この主獲得賞球数と併せて、主獲得可能賞球数が付記的に表示される。主獲得可能賞球数とは、現在実行中の1回の特別遊技において、大入賞口54への遊技球の入球に基づき遊技者が獲得可能な賞球数を意味する。つまり、主獲得可能賞球数は、1回の特別遊技の各ラウンドにおいて規定カウント数の遊技球を全て入球できた場合に得られる賞球数である。このとき、主獲得可能賞球数は、特別遊技の種類(本例では、16R特別遊技、4R特別遊技、2R特別遊技)に応じて異なるものとなる。本例では前述したように、大入賞口54への「1球」の入球に対して「15個」の賞球が払い出される設定である。そのため、例えば、特別遊技の規定ラウンド数が16ラウンドである場合、主獲得可能賞球数は、16ラウンド(規定ラウンド数)×10カウント(規定カウント数)×15個(単位賞球数)=2400個となる。このように主獲得賞球数と主獲得可能賞球数とを併せて表示することで、今回の特別遊技において獲得可能な賞球数のMAX値に対して、現在どれ位の賞球数を獲得できているのかを明確に教示することができる。
副獲得賞球数とは、現在実行中の1回の特別遊技において一般入賞口64への遊技球の入球に基づき遊技者が現在までに獲得できた賞球数(実際に獲得できた賞球数)を意味する。そのため、特別遊技の実行中に遊技球が一般入賞口61〜63に入球して賞球が払い出されたとしても、この賞球数は副獲得賞球数には加算されない。なお、大入賞口54へ
の遊技球の入球に基づく賞球数であっても、各ラウンドにおける規定カウント数を超える入球(超過入賞)に基づき払い出される賞球数である場合は、上記の主獲得賞球数には加算されず、副獲得賞球数に加算されることになる。ここで、超過入賞(俗に「オーバー入賞」とも呼ばれる)とは、特別遊技における各ラウンドにおいて、予め定められた規定カウント数(10球)を超過した遊技球が大入賞口54へ入球する現象をいう。なお、超過入賞(オーバー入賞)は、偶発的に発生する場合の他、例えば、変則打ちをすることで、10球目と11球目とをほぼ同時に大入賞口54へ入球させるといった、遊技者による意図的な操作によっても発生する場合がある。
獲得賞球数報知演出では、図21に示すように、各ラウンド遊技の実行中において、主獲得賞球数、主獲得可能賞球数、及び副獲得賞球数が画面上に表示される。例えば、或る特別遊技の実行中において、現在までの主獲得賞球数が2000個、主獲得可能賞球数が2400個である場合は、「GET2000pt/2400pt」という獲得情報が画面に表示される。また、副獲得賞球数が10個である場合は、「おまけGET10pt」という獲得情報が画面に表示される。
本実施形態では、大当り中の獲得賞球数を管理すべく、主獲得賞球数を計数するための主獲得賞球数カウンタCSと、副獲得賞球数を計数するための副獲得賞球数カウンタCHとを具備している。特別遊技の実行中に大入賞口54又は一般入賞口64に遊技球が入球することで、主制御基板100から大入賞口入賞コマンド又は右側一般入賞口入賞コマンドを受信する毎に、主獲得賞球数カウンタ又は副獲得賞球獲カウンタを更新して、画面上に表示される獲得情報(主獲得賞球数又は副獲得賞球数)を更新する。本例では、大入賞口54への1球の入球に対して「15個」の賞球が払い出されるため、主獲得賞球数は「15個」単位で更新される。一方、一般入賞口64への1球の入球に対して「5個」の賞球が払い出されるため、副獲得賞球数は「5個」単位で更新される。但し、大入賞口54へ規定カウント数を超える入球(超過入賞)があった場合は、副獲得賞球数は「15個」単位で更新されることになる。主獲得賞球数カウンタ及び副獲得賞球数カウンタは、特別遊技の開始時に計数が開始され、特別遊技の終了時にゼロリセットされる。なお、獲得賞球数報知演出は、獲得賞球数そのものを直接的に報知するのではなく、獲得賞球数に対応した個数のオブジェクト画像(例えば、獲得賞球100個に対して1個のオブジェクト画像)を表示することで、獲得賞球数を間接的に報知するものであってもよい。
≪B3.昇格演出≫
昇格演出とは、大当りが発生した場合に、その特別遊技の開始前又は開始時に当該大当りに係る利益態様(便宜上「仮の利益態様」とする)を示唆又は報知した後、その特別遊技の実行中において当該大当りに係る現実の利益態様が仮の利益態様よりも利益度合いが高いか否かを示唆又は報知する演出である。つまり、特別遊技の開始前又は開始時に示唆又は報知された当該大当りの利益態様が真実(そのとおりの利益態様)なのか、虚偽(高い利益態様)なのかを示唆又は報知して、その一連の過程を通じて当該大当りの利益態様が昇格(変化)するか否かを見せる演出である。
本例における昇格演出は、大入賞口54又は一般入賞口64への遊技球の入球に基づきメータ画像のレベルが変化するメータ演出を含んで構成される。この昇格演出(メータ演出)は、通常状態における達成状況報知演出(メータ演出)と同様に、メータ画像が画面下の特定演出表示領域705に表示される。
本実施形態では、メータ画像のメータ数を管理すべく、大入賞口54への遊技球の入球数を管理するためのメータカウンタC3と、一般入賞口64への遊技球の入球数を管理するためのメータカウンタC4とを具備しており、遊技球が大入賞口54又は一般入賞口64に入球する毎に、メータカウンタC3又はメータカウンタC4のカウント値を更新する
。なお、昇格演出(メータ演出)の演出例については後述する(具体的には図23、図24を参照)。
本実施形態では、複数種の昇格演出として、第1の昇格演出(ラウンド昇格演出)と、第2の昇格演出(確変昇格演出)とを具備している。ここで、図22は、大当り種別と昇格演出との関係を模式的に示す図である。本例では、大当り種別及び大当り図柄(装飾図柄の停止図柄)などに応じて、昇格演出の種類や実行の可否などが定まるように構成されている。
本例における装飾図柄の大当り図柄(停止図柄)は、基本的には、「1・1・1」、「3・3・3」、「5・5・5」、「7・7・7」、「9・9・9」といった確変大当りを示す確変確定図柄(奇数図柄)と、「2・2・2」、「4・4・4」、「6・6・6」、「8・8・8」といった確変大当り又は通常大当りを示す不確定図柄(偶数図柄)とに区別される。以下では、説明の便宜上、上記の奇数図柄のうち、「3・3・3」及び「7・7・7」を第1の奇数図柄とも称し、「1・1・1」、「5・5・5」及び「9・9・9」を第2の奇数図柄とも称する。なお、図22では、説明の便宜上、各種の大当り種別のうち、基本的に昇格演出には関係のない2R確変大当り(2R特定時短有大当りC1)の記載を省略している。
まず、第1特別図柄で大当りとなる場合は、その特別遊技の実行中に、ラウンド確定演出又はラウンド昇格演出が実行され得る。ラウンド確定演出とは、特別遊技の開始前又は開始時に大当りの規定ラウンド数を確定的に報知する演出である。本例おいては、大当りの規定ラウンド数が16ラウンドであることを報知する16ラウンド確定演出と、大当りの規定ラウンド数が4ラウンドであることを報知する4ラウンド確定演出とが用意されている。ラウンド昇格演出とは、特別遊技の実行中における規定ラウンド数以前のラウンド遊技において、規定ラウンド数以降のラウンド遊技が継続される可能性を示唆する演出(「ラウンドアップ演出」とも称される)である。
具体的には、第1特別図柄で16R確変大当り(16R特定時短有大当りA1)に当選した場合に、大当り図柄として第1奇数図柄が選択されたときは16ラウンド確定演出が実行され、大当り図柄として第2奇数図柄が選択されたときはラウンド昇格演出(昇格成功演出)が実行される。また、第1特別図柄で4R確変大当り(4R特定時短有大当りB1)に当選した場合は、大当り図柄として第2奇数図柄が選択され、確変昇格演出(昇格失敗演出)が実行される。一方、第1特別図柄で4R非確変大当り(4R通常時短無大当りD1)に当選した場合は、大当り図柄として偶数図柄が選択され、4ラウンド確定演出が実行される。なお、規定ラウンド数が16ラウンドとなる大当り遊技において短開放ラウンドを複数設けることで、規定ラウンド数が8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド等といった複数種類の大当り遊技をさらに設けるよう設計することも可能であり、この場合は、ラウンド表示器77において16ラウンドが報知されている場合であっても、このようなラウンド昇格により、実際にどれだけの出玉が獲得できるかに注目させることが可能な仕様にできる。
続いて、第2特別図柄で大当りとなる場合は、その特別遊技の実行中に、確変確定演出又は確変昇格演出が実行され得る。確変確定演出とは、特別遊技の開始前又は開始時に、その特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態となること(確率変動機能が作動すること)を確定的に報知する演出である。確変昇格演出とは、特別遊技の実行中において、その特別遊技の終了後の遊技状態が確変状態となる可能性を示唆する演出である。
具体的には、第2特別図柄で16R確変大当り(16R特定時短有大当りA2)に当選した場合は、大当り図柄として第1奇数図柄が選択され、確変確定演出が実行される。ま
た、第2特別図柄で4R確変大当り(4R特定時短有大当りB2)に当選した場合に、大当り図柄として第2奇数図柄が選択されたときは確変確定演出が実行され、大当り図柄として偶数図柄が選択されたときは確変昇格演出(昇格成功演出)が実行される。一方、第2特別図柄で4R非確変大当り(4R通常時短無大当りD2)に当選した場合は、大当り図柄として偶数図柄が選択され、確変昇格演出(失敗演出)が実行される。
続いて、特別遊技状態における入賞演出の演出例について説明する。図23は、ラウンド昇格演出の演出例を示す模式図であり、図24は、確変昇格演出の演出例を示す模式図である。
本実施形態では、大当り演出の内容を規定するため、その大当り種別などに応じて、複数種の大当りボーナスモードが設定されている。具体的に、16R確変大当り(16R特定時短有大当り)に当選した場合は、大当りボーナスモードとして「無双ボーナスモード」が設定される。また、4R確変大当り(4R特定時短有大当り)に当選した場合は、大当りボーナスモードとして「幻闘ボーナスモード」が設定される。また、4R通常大当り(4R通常時短無大当り)に当選した場合は、大当りボーナスモードとして「激闘ボーナスモード」が設定される。特別遊技中は、画面上において、今回当選した大当りボーナスモードの名称を表示することで(図21を参照)、いずれの大当りボーナスモード(確変の有無及び規定ラウンド数)に当選したのかを遊技者に対して明確に報知する。但し、特別遊技中に昇格演出が実行される場合は、該昇格演出の結果が報知されるまでは、真の大当りボーナスモードの名称を表示することなく、偽の大当りボーナスモードの名称を表示することで、真の大当りボーナスモードを遊技者に対して秘匿にする場合がある(詳細は次述の演出例にて説明する)。
(ラウンド昇格演出)
まず、図23を参照しながら、ラウンド昇格演出の演出例について説明する。
図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示において大当り図柄「5・5・5」が停止表示されて、大当りが発生する。本例では、第2の奇数図柄が停止表示されることで、確変に当選したことは確定しているのであるが、該大当り図柄からのみでは4R確変大当りか16R確変大当りかを判別不能(規定ラウンド数を判別不能)である。なお、このとき、メータ数は「14」まで増加しているが、この現在のメータ数は特別遊技移行に伴いリセットされることなく、メータカウンタC1にて次の通常状態まで引き継がれる(次の通常状態では、メータ数を「14」から開始する)。
図中(B)に示すように、特別遊技の第1ラウンドが開始される。このとき、画面上には、大当りボーナスモードとして「幻闘ボーナスモード」が表示されることで、4R確変大当りに当選している可能性(規定ラウンド数が4ラウンドである可能性)が高いことが示唆される。それと同時に、画面上には昇格演出用のメータ画像が表示され、ラウンド昇格演出が開始される。このメータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。この目盛はラウンド昇格の期待度に対応したものであり、メータ数が増加するほど昇格成功の期待度が向上する。
図中(C)に示すように、遊技球が大入賞口54に入球すると、画面上に表示された主獲得賞球数が更新される。また、遊技球が大入賞口54に入球することで、メータ画像のレベルが増加する。
図中(D)に示すように、遊技球が一般入賞口64に入球すると、画面上に表示された副獲得賞球数が更新される。また、遊技球が一般入賞口64に入球することで、メータ画像のレベルが増加する。本例では、遊技球が大入賞口54に入球するよりも一般入賞口6
54に入球した場合の方が、メータ画像のレベルが増加する設定となっている。
図中(E)に示すように、大入賞口54への規定カウント数(10球)を超える遊技球の入球があると、画面上に表示された副獲得賞球数が更新される。すなわち、遊技球が大入賞口54に入球した場合、これが規定カウント数内での入賞の場合は該賞球数が主獲得賞球数に加算され、規定カウント数を超える超過入賞(オーバー入賞)の場合は該賞球数が副獲得賞球数に加算される。なお、超過入賞が発生した場合は、超過入賞したことを報知する超過入賞報知演出を実行するように構成してもよい。超過入賞報知演出としては、例えば、特殊な効果音を出力させたり、特殊な画像を表示させたりすることが好適である。
図中(F)に示すように、特別遊技の第4ラウンドが開始する。第4ラウンドは、ラウンド昇格が成功したか否かを報知する昇格報知ラウンドとして設定されている。画面上には、第1ラウンド〜第3ラウンドまでの入球数の結果がメータ画像のレベル(表示態様)に反映されており、このメータ画像の最終表示態様によりラウンド昇格の期待度が示唆される。図示の例では、メータ画像のレベルが「80%」まで到達しており、ラウンド昇格(後半12ラウンド獲得)への期待感が高まる。このとき、画面上に「ボタンを押して結果を見みよう!」という吹き出し画像が表示される。
図中(G)に示すように、遊技者が画面の指示に従って演出ボタンを操作すると、昇格演出の演出結果として、画面中央に「ラウンドアップ成功」という文字が表示されるとともに、大当りボーナスモードの表示が「幻闘ボーナス」から「無双ボーナス」へ変化し、ラウンド昇格(ラウンドアップ)に成功していることが報知される。つまり、特別遊技が当該第4ラウンドで終了することなく、第5ラウンド以降も継続することが確定する。
図中(H)に示すように、そのまま特別遊技が継続して、次の第5ラウンドが開始される。このとき、主獲得可能賞球数が、全4ラウンドで獲得可能な賞球数である「600」から全16ラウンドで獲得可能な賞球数である「2400」に変化し、真の主獲得可能賞球数(16ラウンド分の賞球数)が教示される。
なお、図示省略するが、ラウンド昇格に失敗する場合(真に4R確変大当りに当選していた場合)は、第4ラウンド(図中(G)のタイミング)において、画面中央に「ラウンド昇格失敗」という文字が表示されるとともに、「幻闘ボーナス」が継続して表示され、後半12ラウンドの獲得に失敗していたことが報知される。その場合には、第4ラウンドの終了後、第5ラウンドが開始されることなく、大当り終了デモを経て、今回の大当りが終了する。
但し、実際には、当否抽選時において大当りの種類(特別遊技の規定ラウンド数、すなわち、残り12ラウンドの継続の有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、16R確変大当りに当選している場合はラウンド昇格成功となることが予め確定されており、4R確変大当りに当選している場合はラウンド昇格失敗となることが予め確定されている。なお、ラウンド昇格演出のより好適な例では、16R大当りの大当り遊技として、大当り図柄(特別図柄、装飾図柄)に応じて実質出玉獲得ラウンド数の異なる複数種の大当り遊技(実質8ラウンド、実質12ラウンド、実質16ラウンド)で行うことがあげられる。これによれば、ラウンド表示器77より、ラウンド昇格演出の結果が先ばれすることを防止可能となったり、複数回のラウンド昇格演出の実行が可能となる。
(確変昇格演出)
続いて、図24を参照しながら、確変昇格演出の演出例について説明する。
図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示において大当り図柄「6・6・6」が停止表示されて、大当りが発生する。本例では、偶数図柄が停止表示されることで、該大当り図柄からのみでは、確変大当りか、通常大当りかを判別不能である。なお、このとき、メータ数は「14」まで増加しているが、この現在のメータ数は特別遊技移行に伴いリセットされることなく、メータカウンタC1にて次の通常状態まで引き継がれる(次の通常状態では、メータ数を「14」から開始する)。
図中(B)に示すように、特別遊技の第1ラウンドが開始される。このとき、画面上には、大当りボーナスモードとして「激闘ボーナスモード」が表示されることで、4R通常大当りに当選している可能性(非確変大当りである可能性)が高いことが示唆される。それと同時に、画面上には昇格演出用のメータ画像が表示され、確変昇格演出が開始される。このメータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。この目盛は確変昇格の期待度に対応したものであり、メータ数が増加するほど昇格成功の期待度が向上する。
図中(C)に示すように、遊技球が大入賞口54に入球すると、画面上に表示された主獲得賞球数が更新される。また、遊技球が大入賞口54に入球することで、メータ画像のレベルが増加する。
図中(D)に示すように、遊技球が一般入賞口64に入球すると、画面上に表示された副獲得賞球数が更新される。また、遊技球が一般入賞口64に入球することで、メータ画像のレベルが増加する。本例では、遊技球が大入賞口5に入球するよりも一般入賞口64に入球した場合の方が、メータ画像のレベルが増加する設定となっている。
図中(E)に示すように、遊技球が一般入賞口61〜63に入球すると、画面上において、遊技者が左打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が表示される。なお、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき払い出される賞球数は、副獲得賞球数カウンタC2の計数外であり、画面上の副獲得賞球数は更新されない。
図中(F)に示すように、特別遊技の第4ラウンドが開始する。第4ラウンドは、確変昇格が成功したか否かを報知する昇格報知ラウンドとして設定されている。画面上には、第1ラウンド〜第3ラウンドまでの入球数の結果がメータ画像のレベル(表示態様)に反映されており、このメータ画像の最終表示態様によりラウンド昇格の期待度が示唆される。図示の例では、メータ画像のレベルが「80%」まで到達しており、確変昇格への期待感が高まる。このとき、画面上に「ボタンを押して結果を見みよう!」という吹き出し画像が表示される。
図中(G)に示すように、遊技者が画面の指示に従って演出ボタン15を操作すると、昇格演出の演出結果として、画面中央に「確変獲得成功」という文字が表示されるとともに、大当りボーナスモードの表示が「激闘ボーナス」から「幻闘ボーナス」へ変化し、確変昇格に成功していることが報知される。つまり、今回の特別遊技の終了後に、遊技状態が確変状態へ移行することが確定する。
図中(H)に示すように、大当り終了デモが開始され、画面に「確変演出モード突入」の文字が表示されることで、今回の特別遊技の終了後の遊技演出モードとして確変演出モードに移行することが教示される。
なお、図示省略するが、確変昇格に失敗する場合(真に4R通常大当りに当選していた場合)は、第4ラウンド(図中(G)のタイミング)において、画面中央に「確変昇格失
敗」という文字が表示されるとともに、「激闘ボーナス」が継続して表示され、確変獲得に失敗していたことが報知される。その場合には、今回の特別遊技の終了後、遊技状態が通常状態へ移行する。
但し、実際には、当否抽選時において大当りの種類(確変の有無)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、4R確変大当りに当選している場合は確変昇格成功となることが予め確定されており、4R通常大当りに当選している場合は確変昇格失敗となることが予め確定されている。
なお、特別遊技状態における昇格演出として、上述したメータ演出以外にも、ルーレット演出などの他の遊技演出を適用してもよい。本例におけるルーレット演出は、例えば、画面に「一般入賞口に〇個入賞すればルーレットが回転するよ!」という表示をしておき、遊技球を一般入賞口64に所定数入球させる毎に、ルーレット(ルーレットを模した画像)が回転し、該ルーレットの停止位置に応じて、複数の選択肢の中からいずれかを演出結果(昇格成功/昇格失敗)として報知する演出である。このルーレット演出は、特別遊技中(大当り中)であれば、一般入賞口64への所定数の遊技球の入球を条件に、何度でも繰り返し実行されてもよく、例えば、昇格失敗が連続しながらも、最終的には昇格成功となるような演出を展開させてもよい。
また、特別遊技状態における入賞演出として、上述した昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)以外にも、保留内連荘が成立していることを示唆又は報知する保留内連荘演出を適用してもよい。保留内連荘とは、或る先行の作動保留球が消化された結果(当否判定の結果)として大当りとなる場合に、その特別遊技の終了時までに存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球(大当り保留)が存在することをいう。本例では、先行の作動保留球が大当りとなることを前提とし、後続の作動保留球内に特定保留が含まれる場合の他、後続の作動保留球が全てはずれ保留である場合でも、保留内連荘演出(保留内連荘の可能性を示唆する演出)を実行することが好適である。なお、これに限定されず、保留内連荘演出が発生した場合、保留内連荘が確定的となる構成を採用してもよい。
<C.確変状態(時短・入球容易状態期間中)における入賞演出>
次に、確変状態における入賞演出について図14を参照しながら説明する。本実施形態では、遊技状態が確変状態であるときに、遊技球が一般入賞口64に入球したことを契機として実行される入賞演出として、(C1)遊技球が一般入賞口64に入球したことを報知する一般入賞報知演出と、(C2)一般入賞口64への遊技球の入球に基づき所定の実行条件が成立するまでの達成状況を報知する達成状況報知演出と、(C3)所定の実行条件が成立したことに基づき実行される特別演出とが設定されている。この確変状態における入賞演出は、前述した右打ち遊技に対応すべく、複数の一般入賞口61〜64のうち、右側領域PA2に配置された一般入賞口64への遊技球の入球に基づく入賞演出を対象とする。なお、本実施形態において、「遊技球が一般入賞口64に入球する」とは、(イ)遊技球が一般入賞口64に入賞すること、(ロ)右側一般入賞口スイッチ641にて遊技球の入球が検出されること、(ハ)主制御基板100から一般入賞口入賞コマンドを受信すること、のうちのいずれか又は複数の組合せを意味する。ここで、図25は、通常状態における入賞演出の基本画面1を示す模式図、図26は通常状態における入賞演出の基本画面2を示す模式図である。
≪C1.一般入賞報知演出≫
一般入賞報知演出は、遊技球が一般入賞口64に入球したことを報知する演出である。一般入賞報知演出は、右側一般入賞口スイッチ641にて遊技球の入球が検出され、主制御基板100から右側一般入賞口入賞コマンドを受信したことを契機として実行される。
一般入賞報知演出としては、一般入賞口64の近傍に配置された入賞報知ランプ84を点灯するランプ演出や、演出表示装置70の画面上においてナビキャラの周囲にエフェクト画像を表示するエフェクト演出などが含まれる。なお、この一般入賞報知演出は、画像表示、ランプ点灯、効果音等のうちのいずれか又は複数の組合せにより構成されるものであれば、他の演出態様であってもよい。
ランプ演出は、一般入賞口64への遊技球の入球と入賞報知ランプ84の点灯とを関連付けた演出である。具体的に、入賞報知ランプ84は、一般入賞口64と画面との間に配置されており、一般入賞口64への遊技球の入球に基づき点灯する。入賞報知ランプ84は、遊技又は演出の進行状況(後述の特別演出2実行条件の達成状況)に応じて決定される所定の発光パターンに従って点灯する。発光パターンとは、入賞報知ランプ84の発光態様(発光色、発光輝度、発光時間、発光回数、点滅パターンなど)を特定するためのパターンであり、特別演出2実行条件の達成状況に応じて、複数種の発光パターンのうちのいずれかが選択される。詳細後述するが、特別演出2実行条件とは、特別演出2(本例では音楽ゲーム)を実行するための条件であり、規定数の遊技球が一般入賞口64へ入球したことを契機として成立する。ここで、図27は、入賞報知ランプ84の発光パターンテーブルを示す模式図である。本例においては、入賞報知ランプ84の発光パターン(発光色)として、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」が設定されており、「青色」<「緑色」<「赤色」<「虹色」の順に、特別演出2実行条件の成立の期待度が報知される。具体的には、特別演出2実行条件の達成状況が序盤(メータカウンタC2:1〜6個)であるときは「青色」の発光パターン、特別演出2実行条件の達成状況が中盤(メータカウンタC2:7〜13個)であるときは「緑色」の発光パターン、特別演出2実行条件の達成状況が終盤(メータカウンタC2:14〜19個)であるときは「赤色」の発光パターン、特別演出2実行条件の達成時(メータカウンタC2:20個)であるときは「虹色」の発光パターンが選択される。このような発光色(発光パターン)の変化に対する視覚的効果を活用することによって、特別演出2実行条件(メータ画像)の進み具合を遊技者に対して示唆することができる。
エフェクト演出は、遊技球が一般入賞口64へ入球したときに、画面上に視覚効果を高めるためのエフェクト画像を表示させる演出である。本例におけるエフェクト演出では、画面上のナビキャラの周囲にエフェクト画像が所定の表示態様で表示される。このエフェクト演出は、上記のランプ演出と同期したかたちで実行される(例えば、入賞報知ランプ84が点灯した直後にエフェクトが発生する)。なお、エフェクト画像の表示色を、入賞報知ランプ84の発光色と同一に設定することで、ランプ演出とエフェクト演出とをより一層関連付けることができる。
なお、遊技状態が確変状態であるときに(本来右打ちをすべき状況であるときに)、遊技球が左側領域PA1の一般入賞口61〜63に入球した場合は、遊技者が左打ちすることのないよう注意を喚起する演出(注意報知演出)が実行される。注意報知演出では、例えば、ナビキャラが右打ちを指示するメッセージを画面上に表示する、或いは、一般入賞口61〜63の近傍に配置された入賞報知ランプ81〜83が特殊な発光態様で点灯(例えば高輝度で高速又は瞬間的に点滅)することで、遊技球を右側領域PA2へ向けて発射すべきこと(右打ち)が遊技者に報知される。なお、注意報知演出として、例えばスピーカ11から「右打ちして下さい」という音声(右打ち指示音声)を出力させてもよい。
≪C2.達成状況報知演出≫
達成状況報知演出は、特別演出2実行条件の達成状況を報知する演出である。換言すれば、達成状況報知演出は、一般入賞口64への遊技球の入球に基づき実行条件判定情報を更新する演出である。ここで、実行条件判定情報とは、特別演出2実行条件が成立するか否かを判定するため、遊技球が一般入賞口64へ1球入球することに対応して所定数だけ
更新される情報(入球数対応情報)である。ここで、所定数とは、遊技球の1球の入球に対して、固定値「1」が設定されるものでも(つまり、1:1の対応関係)、「2」以上の複数値が設定されるものであっても(つまり、1:複数値の対応関係)、更には抽選や遊技状況等に応じて変化する可変値であってもよい。本例における達成状況報知演出は、特別演出2実行条件の達成状況を所定の演出画像の表示態様に応じて報知するメータ演出を構成要素として含んでいる。メータ演出は、遊技球が一般入賞口64に入球したことを契機として、画面に表示されたメータ画像(メータを模した画像)のレベルを変化させる演出である。なお、確変状態における達成状況報知演出を、通常状態における達成状況報知演出と同様にメータ演出として構成せず、例えばミッション演出などの他の遊技演出から構成してもよい。ミッション演出は、特別演出2実行条件が成立するための条件として、その演出が特定の態様を呈すべきことを内容とする指令を遊技者に提示する演出である。本例におけるミッション演出では、その指令として、確変状態移行後の所定回数の変動表示期間中(例えば、ST期間中の最初の10回転や1分間)に、遊技球を一般入賞口64に所定数入球させることができたらミッション成功(条件成立)となり、遊技球を一般入賞口64に所定数入球させることができなければミッション失敗(条件不成立)となる。
本実施形態では、メータ画像のメータ数を管理すべく、一般入賞口64への遊技球の入球数を計数するためのメータカウンタC2を具備しており、遊技球が一般入賞口64に入球する毎に、メータカウンタC2のカウント値を更新する。そのため、メータ画像のメータ数は、メータカウンタC2のカウント値に基づいて更新される。つまり、メータ画像のメータ数は、メータカウンタC2のカウント値に対応するものとなる。なお、メータカウンタC2は、一般入賞口64の入球数を計数の対象としており、一般入賞口61〜63の入球数は計数の対象とはしない。すなわち、メータ画像のメータ数は、一般入賞口64の入球数に基づき更新されるが、一般入賞口61〜63の入球数は関係しない。メータカウンタC2は、特別演出2実行条件が成立したとき(変動表示中であれば当該変動表示の終了時)にゼロクリアされる。なお、メータカウンタC2は、前述のメータカウンタC1とは異なり、規定数までカウントアップすると、次の確変状態が発生するまでは、遊技球が一般入賞口64に入球しても、該入球数を計数しない。その理由としては、特別演出2は、後述するような演出内容(ミニゲーム)及び本実施形態がST機を採用した遊技性であることから、1回の確変状態中(ST期間中)に1回限り実行されるものであることが好ましく、メータカウンタ2のカウント値が規定数まで達して特別演出2実行条件が成立した場合は、その後、入球数を計数する意味がないからである。但し、カウントアップの途中で、大当り等が発生して、次の確変状態に移行した場合は、メータカウンタC2は、大当り前のカウント値から継続して一般入賞口64への遊技球の入球数を計数して、該確変状態中(ST期間中)に1回を限度として特別演出2は実行され得るよう制御する。メータカウンタC2は大当りに基づいてリセットしてもよいが、確変大当りを獲得した場合にリセットしないようにすることで、ST期間中に早期に大当りを連続した場合であっても、特別演出2の実行を受けやすくすることが可能になる。
メータ画像は、演出表示装置70の画面下に設けられた特定演出表示領域705に表示され、その近傍のキャラ表示領域704に表示されたナビキャラにより特別演出2実行条件の達成状況(メータ画像の更新状況)が適時解説されるようになっている。メータ画像は、横長の帯形に形成されており、その内側には目盛(予め設定された規定の目盛数:20目盛)が付されている。このメータ演出では、遊技球が一般入賞口64に1個入球するごとにメータ数が1目盛だけ増加し、一般入賞口64への遊技球の入球数が規定数(本例では20個)に達することで、該メータ数が規定の目盛数まで増加すると(一般入賞口64への20回の入賞が発生してメータ画像の表示態様が最終段階に達すると)、特別演出2実行条件が成立することになる。なお、メータ演出の演出例については後述する(具体的には図29を参照)。
特別演出2実行条件が成立した場合は、特別演出2の演出パターン(音楽ゲームパターン)を遊技者に選択させるための音楽ゲーム選択演出が実行される。音楽ゲーム選択演出は、遊技者が演出ボタン15などを操作して、画面上に表示された複数種の音楽ゲームの楽曲(音楽ゲームパターン)の中からいずれか1つの音楽ゲームの楽曲(音楽ゲームパターン)を選択することにより、音楽ゲームの楽曲(音楽ゲームパターン)を決定する演出である(具体的には図29(E)を参照)。この音楽ゲーム選択演出は、特別演出2実行条件の成立時に現存する特別図柄の作動保留球が全て「非リーチ種別」の作動保留球であることを条件として実行される。その理由としては、特別演出2実行条件の成立時にリーチ種別の作動保留球が存在する場合には、該リーチ種別の作動保留球が消化されたときの変動表示にて、該リーチ演出に関連した別のボタン演出(演出ボタンを使用する演出)が実行される可能性があるため、そのタイミングで音楽ゲーム選択演出を表示させると、これらボタン演出同士が画面上で競合してしまう可能性があるからである。そして、特別演出2開始条件は、特別演出2の演出パターンである音楽ゲームの楽曲(音楽ゲームパターン)が選択されたことを契機として成立する。その結果、次述する特別演出2では、遊技者による選択結果に応じた音楽ゲームが開始される。
≪C3.特別演出≫
特別演出2は、演出表示装置70の画像表示やスピーカ11の音声などにより指定されたタイミングで演出ボタンを操作するミニゲームである。本例における特別演出は、スピーカ11から出力される楽曲のリズムに合わせて、演出ボタンをタイミング良く操作することで得点を獲得するミニゲーム(音楽ゲーム)として構成される。
音楽ゲームは、図26に示すように、画面上にオブジェクト画像(音符画像)が右側から左側へ順次流れるように移動表示され、遊技者がスピーカ11から出力される楽曲のリズムに合わせて、オブジェクト画像が基準ライン上を通過するときに演出ボタン15をタイミング良く操作することで、所定のポイントを獲得できるミニゲームである。この音楽ゲームで獲得したポイント(今回の遊技で獲得したポイント)は、前回の遊技までに獲得したポイントに加算され、そのポイントに応じた特典を得ることができる。この特典としては、遊技機PMの攻略情報、未公開情報、特典映像や音楽の配信の他、遊技機PMにおける演出のカスタマイズなど、出玉等の直接的な遊技利益とは関係のない特典が付与される。なお、音楽ゲームの演出例については後述する(具体的には図29を参照)。
図28は、音楽ゲームパターンテーブルの一例を示す模式図である。音楽ゲームパターンテーブルには、特別演出2の演出パターンとして、音楽ゲームの楽曲(音楽ゲームの内容)を特定するための複数種の音楽ゲームパターンが設定されている。本例では、複数種の楽曲X1〜X7に対応する複数種のゲーム演出パターンPG1〜7が設定されている。音楽ゲームは、楽曲の種類(ゲーム演出パターン)に応じて異なる難易度(ゲームの難易度)が設定されており、難易度の高い楽曲(ゲーム演出パターン)を選択するほど、当該ゲームを順調に進めることができれば、相対的に高ポイントの獲得が可能である。特別演出2の演出パターンとして何れの音楽ゲームパターンを選択するかは、前述したように、特別演出2実行条件の成立時における音楽ゲーム選択演出にて、遊技者によるボタン操作で決定される。
なお、変形例としては、連荘の回数に応じて遊技者が選択可能となる音楽ゲームパターン(音楽ゲームの楽曲)を増加させて、連荘を重ねるごとに音楽ゲームパターンの選択の幅が広がるように構成してもよい。「連荘」とは、特定遊技状態にて所定の大当りに当選した場合、その特別遊技の終了後の遊技状態として、再び特定遊技状態が継続することをいう。ここで、特定遊技状態とは、通常状態よりも特別遊技への移行確率が高められた状態であり、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、電チューサポート機
能のうちの少なくとも一の機能が作動した状態のことである。
(装飾図柄の変動表示との関係)
特別演出2(音楽ゲーム)は、装飾図柄表示部700を利用して画面中央に大きく表示される前述の特別演出1(LIVE演出)とは異なり、画面の限られた領域(特定演出表示領域705)を使用して表示される。そのため、装飾図柄の変動表示を、通常通り、画面中央の装飾図柄表示部700に大きく表示するとともに、それと同時並行して特別演出2(音楽ゲーム)を特定演出表示領域705に表示しても、これら装飾図柄表示部700及び特定演出表示領域705は互いに独立した位置関係となっているため、該装飾図柄の視認性が低下するおそれはない。但し、当否判定の結果を装飾図柄の変動表示及び停止表示により明確に報知できるよう、画像のレイヤ構造として、特別演出の表示画像よりも装飾図柄の変動表示を含む変動演出の表示画像を上位のレイヤに配置することで、装飾図柄の視認性を優先している。ここで、特別演出2の実行中において、装飾図柄の変動演出及びその付随演出(リーチ演出や予告演出など)は、通常通りの制御処理にて、各変動ごとに演出抽選を行い、画面上には通常の表示態様にて表示される。すなわち、変動演出パターン(サブ変動パターン)に規定されたタイムスケジュールに沿って、装飾図柄の変動表示、リーチ演出、予告演出などが特別演出2(音楽ゲーム)とは独立したかたちで実行される。ただし、特別演出2の実行期間中は、リーチ演出および予告演出の決定時(抽選時)に演出ボタン15を使用した演出を実行しないよう、抽選テーブルを切り替えたり、選択された演出を差し替えるように制御することが望ましい。
(再度の条件成立)
特別演出2は、確変状態に滞在している期間中(本例ではST期間中)、1回のみ実行される。すなわち、一の確変期間(ST期間)毎に、特別演出2を1回だけ実行可能である。そのため、一の確変期間中に特別演出2を実行した場合は、当該確変期間中に特別演出2実行条件が再度成立しても、特別演出2は再度実行されない。但し、確変期間ごとに特別演出2は実行可能であるので、或る確変期間中において特別演出2を実行した場合でも、その後、大当り発生により特別遊技が実行され、再び確変状態へ移行したときは、特別演出2実行条件の成立に基づき、当該確変期間中に特別演出2は実行され得る。
続いて、確変状態における入賞演出の演出例について説明する。図29は、確変状態における入賞演出の演出例を示す模式図である。
図中(A)に示すように、遊技状態が確変状態であるとき、演出表示装置70の画面(メータ表示領域)にはメータ画像が表示される。このメータ画像は、横長の帯状に表示され、その内側には目盛が付されている。メータ画像は全20目盛に設定されており、これは一般入賞口64への遊技球の入球数に対応させたものであり、一般入賞口64へ規定数(20個)の入球があった場合、メータ画像のメータ数が満タン状態となり、特別演出2実行条件が成立することになる。なお、遊技の開始時は、メータ数は「0」である。
図中(B)に示すように、遊技球が一般入賞口64に入球すると、メータ画像のメータ数が1つ増加する。また、遊技球が一般入賞口64に入球すると、一般入賞報知演出として、この入球した一般入賞口64の近傍に配置された入賞報知ランプ84が点灯するとともに(図25を参照)、画面上のナビキャラの周囲にエフェクトが表示される。図中(C)には、一般入賞口64への入球数が10個となることで、メータ画像のメータ数が「10」となった状態を示している。
図中(D)に示すように、一般入賞口64への遊技球の入球数が規定数(20個)に達することで、メータ画像のメータ数が満タン状態となると、特別演出2実行条件が成立する。このとき、画面上のナビキャラから「条件達成!」という吹き出し画像が表示される
。なお、特別演出2実行条件が成立しても、次述する特別演出2開始条件を満たすまで、特別演出2の実行が待機状態となる。
図中(E)に示すように、画面上には、第2特別図柄の作動保留球として4個の保留画像(未消化の保留画像)が表示されている。この4個の作動保留球は、事前判定の結果(先読み判定の結果)、全て非リーチ種別に属するものとなっている。従って、特別演出2実行条件の成立時に、非リーチ種別の作動保留球のみが存在することを契機として、音楽ゲームの楽曲を選択する音楽ゲーム選択演出が表示される。画面上には複数の楽曲X1〜X7の曲目が表示されており、遊技者は演出ボタン15を操作することで、複数の楽曲X1〜X7の中から好きな楽曲を選択することができる。なお、音楽ゲーム選択演出の選択肢として、楽曲を選択しないこと(音楽ゲームを実行しないこと)を含めてもよい。そして、このような音楽ゲーム選択演出において、音楽ゲームの楽曲(特別演出2の演出パターン)が決定したことを契機として、特別演出2開始条件が成立することになる。
図中(F)に示すように、特別演出2開始条件の成立に伴い、特別演出2が開始される。特別演出2が開始されると、音楽ゲームの楽曲がスピーカ11から出力されるとともに、この楽曲のリズムに合わせてオブジェクト画像(音符画像)が右側から左側へ順次流れるように画面上に移動表示される。なお、確変状態における特別演出2は、通常状態における特別演出1とは異なり、装飾図柄の変動表示は、画面のほぼ中央にて通常通り表示される。
図中(G)に示すように、スピーカ11から出力される楽曲のリズムに合わせて、オブジェクト画像が基準ライン上を通過するときに、遊技者が演出ボタンをタイミング良く操作することで、所定のポイントを獲得できる。演出ボタン15の操作入力のタイミングは、オブジェクト画像の中心が基準ライン上を通過するタイミングとの時間差(ずれ)に基づき判定され、オブジェクト画像が基準ライン上を通過するたびに、その判定結果が画面上に表示される。その判定結果として、操作入力のタイミングが最適範囲であれば「GREAT」、許容範囲であれば「GOOD」、非許容範囲であれば「BAD」が表示される。そして、その判定結果に応じたポイントが遊技者に付与される。例えば、判定結果が「GREAT」である場合は2点、「GOOD」である場合は1点、「BAD」である場合は0点である。
なお、特別演出2の実行中に大当りが発生した場合は、特別演出2の途中であっても該特別演出2を終了して、その大当り遊技(特別遊技)に移行することになるが、その場合には大当り発生の褒美(特別賞)としてフルポイント(全てのオブジェクト画像に対して2点を獲得したときのポイント)が付与される。そのため、音楽ゲームを順調に進めてきた遊技者(高ポイント獲得により所定の特典を期待していた遊技者)に不満感を残すことがない。また、特別演出2は、選択した楽曲により音楽ゲーム難易度が異なる(高難度のものほど、獲得可能な総ポイント数が多い)ため、選択した楽曲の種類によっては、特別演出2の実行中に大当りが発生することによって獲得できるポイント数が高くなることで、音楽ゲームが苦手な遊技者や、音楽ゲームには興味がないがポイントは獲得したい遊技者にとっても、特別演出期間中に大当りが引けるか否かという点で期待感を持たせることが可能になる。
図中(H)に示すように、全てのオブジェクト画像が移動表示され、音楽ゲームが終了すると、今回獲得できた累計ポイントが表示される。累計ポイントは、遊技者の保有するポイントに加算され、遊技者は該ポイントに応じた特典を得ることが可能となる。このように、遊技者は、該ポイントと引き換えに様々な特典を得ることもできるし、該ポイントを使用せずに次回以降の遊技に持ち越すこともできる。遊技者が獲得したポイントは、遊技者所有の情報端末機JTに移行され、遊技情報提供サービスに使用されるものを想定し
ているが、遊技情報提供サービスを利用していない遊技者(非会員の遊技者)にとっても有効に機能させるために、遊技情報提供サービスを不実行の場合は、電源投入などのタイミングから獲得した累計ポイントを基に、遊技待機デモ中に表示可能なメニュー画面よりポイントに応じた演出カスタマイズを実行可能とするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ミニゲームとして、音楽ゲームを例示したが、例えば、クイズゲーム、シューティングゲーム、アクションゲーム等の他のミニゲームを採用してもよい。
(電源断時の復帰処理)
次に、遊技状態が非特定遊技状態(通常状態又は確変状態)であるとき、入賞演出中に電源断が発生した場合の復帰処理について概説する。特別演出1又は特別演出2の実行中に電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機PMへの電力供給が遮断された場合)、演出制御基板200では特別演出1,2の進行状況を管理していないため(該特別演出1,2の実行開始を画像制御基板300側に指示するだけで、該特別演出1,2の進行状況は画像制御基板300側で管理しているため)、演出制御基板200において該特別演出1,2に関する情報はバックアップされない。そして、電源断の復帰時には、演出制御基板200のサブメインCPU201や画像制御基板300のサブサブCPU301がリセットされ、主制御基板100からの電源断復帰用の演出制御コマンド(電源断時のデータを含むコマンド)に基づき、特別演出1又は特別演出2を再開することなく、通常の変動演出に戻る(装飾図柄の変動表示を速やかに再開する)。なお、演出制御基板200において、特別演出モードを演出抽選に係る遊技演出モードとして管理する場合は、電源断復帰後、特別演出モードに戻ることができる。
一方、特別演出1及び特別演出2の非実行中に電源断した場合、すなわち、条件達成報知演出(メータ演出)の実行中に電源断した場合(例えば、停電等により遊技機PMへの電力供給が遮断された場合)は、演出制御基板200において、一般入賞口61〜64への遊技球の入球数はメータカウンタC1,C2にて管理されているため、電源断時処理にて該メータカウンタC1,C2の情報(カウント値)はRAMにバックアップされ、電源断の復帰時に該カウント値が引き継がれることで、メータ演出を電源断前の状態に復帰させたうえで再開することができる。なお、遊技店舗における、営業が終了したことに基づきリセットする手間を省くために、電源断が発生した場合、メータカウンタC1,C2の情報(カウント値)をバックアップせずに完全に消去してもよい。その場合には、電源断の復帰後、メータ演出を実行するときは、メータカウンタC1,C2の初期値として、「0」を設定してもよいし、「0〜19」の数値範囲の中からランダム値を設定してもよい。電断復帰後にメータカウンタC1,C2のカウント値を「0」としないことによれば、特別演出を早期に獲得できるようになるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
<主制御基板側の処理>
次に、図30〜図45のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図30〜図31は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値
として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発
生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図32は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物542を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされ
ることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、左側一般入賞口スイッチ611、右側一般入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図33を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監
視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」
)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S
26〜S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫
次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図33は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S104)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、左側一般入賞口スイッチ処理を実行する(S105)。左側一般入賞口スイッチ入力処理では、左側一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力したか否かを判定する。左側一般入賞口スイッチ611からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを示す左側一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、左側一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、左側一般入賞口スイッチ611からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、右側一般入賞口スイッチ処理を実行する(S106)。右側一般入賞口スイッチ入力処理では、右側一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力したか否かを判定する。右側一般入賞口スイッチ641からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口64に入球したことを示す右側一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、右側一般入賞口入賞コマンドを生成して、
これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、右側一般入賞口スイッチ641からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図34は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマン
ド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図35は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図34を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図36は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別
図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄の種類(大当り・小当り図柄A1〜D1,A2〜B2,D2,K1の8パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計32パターンの中のいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポ
ート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物542の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、4ラウンド、2ラウンド)、大入賞口54の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図37は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図38を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図38は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S4
14)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図39を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図40を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図41〜図42を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図39は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図40は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装
置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図41〜図42は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図43〜図45は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物542が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演
出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S505)、特別電動役物542の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S508)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「64H」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パ
ターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物542が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物542の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物542が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物542の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S539)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図46〜図63のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメイ
ンCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図46は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図47を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図47は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
次いで、ミニゲーム選択制御処理を実行する(S617)。ミニゲーム選択制御処理では、確変状態において特別演出2として実行されるミニゲームの演出パターン(音楽ゲームパターン)を選択する。このミニゲーム選択制御処理(S617)の詳細は図57を用いて後述する。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S618)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。本例における演出ボタン監視制御処理は、例えば、音楽ゲーム選択演出(図29を参照)、ナビキャラ選択演出(図11を参照)、大当り中の昇格演出(図23、図24を参照)など、各種の遊技演出処理にて実行される。この演出ボタン監視制御処理(S618)の詳細は図58を用いて後述する。
次いで、特別演出1制御処理を実行する(S619)。この特別演出1制御処理では、
特別演出実行条件1及び特別演出開始条件1が成立している場合、特別演出1の演出内容(LIVE演出パターン)を決定し、特別演出1の実行開始を画像制御基板300へ指示すべく画像制御コマンドを要求する。この特別演出1制御処理(S619)の詳細は図55を用いて後述する。
次いで、特別演出2制御処理を実行する(S620)。この特別演出2制御処理では、特別演出実行条件2及び特別演出開始条件2が成立している場合、特別演出2の演出内容(音楽ゲームパターン)を決定し、特別演出2の実行開始を画像制御基板300へ指示すべく画像制御コマンドを要求する。この特別演出2制御処理(S620)の詳細は図59を用いて後述する。
次に、デバイス管理処理を実行する(S621)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S622)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S622)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S622)の詳細は図48を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S623)。コマンド解析直後の場合(S623:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S623:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S624)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図48は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格
納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。この保留情報管理処理(S633)の詳細は図49を用いて後述する。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)及び特別演出開始1条件判定処理(S637)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は図50を用いて後述する。また、特別演出1開始条件判定処理(S637)では、特別演出1実行条件が成立している場合に、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンド(次の変動表示の開始を指示するコマンド)であれば、特別演出1開始条件が成立していると判定する(特別演出1の実行可能タイミングが到来していると判定する)。この特別演出1開始条件判定処理(S637)の詳細は図54を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S638)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS638:YES)には、大当り演出内容決定処理(S639)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S639)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。この大当り演出内容決定処理(S639)の詳細は図51を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S640)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS640:YES)には、小当り演出内容決定処理(S641)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S641)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に入賞口入賞関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S642)。ここで、この入賞口入賞関連コマンドには、第1始動口入賞コマンド、第2始動口入賞コマンド、作動ゲート入賞コマンド、大入賞口入賞コマンド、左側一般入賞口入賞コマンド、右側一般入賞口入賞コマンドが含まれる。この入賞口入賞関連コマンドが格納されている場合(S642:YES)には、入
賞演出内容決定処理(S643)へ移行する。この入賞演出内容決定処理(S643)の詳細は図52を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S644)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S644:YES)には、エラー演出内容決定処理(S645)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S645)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプLPの発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S638:NO、S640:NO、S642:NO、S644:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(保留情報管理処理)
次に、保留情報管理処理(S634)について説明する。図49は、保留情報管理処理(S634)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に図柄記憶数コマンドが格納されているか否かを判定する(S671)。図柄記憶数コマンドが格納されている場合(S671:YES)には、この図柄記憶数コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数情報を取得する(S672)。続いて、上記S612で取得した作動保留球数情報に基づき、第1保留球数カウンタ又は第2保留球数カウンタを更新する(S673)。これにより、演出制御基板200側で管理する特別図柄の作動保留球数情報が、主制御基板100側で管理する特別図柄の作動保留球数情報と一致することになる。次いで、上記S673で更新された第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの数値に基づき、当該処理で決定した保留画像の個数を画像制御基板300側に指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
一方、図柄記憶数コマンドが格納されていない場合(S671:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に事前判定コマンドが格納されているか否かを判定する(S675)。事前判定コマンドが格納されている場合(S675:YES)には、この事前判定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる事前判定結果情報を取得する(S676)。続いて、この事前判定結果情報を作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域)に格納する(S677)。
続いて、入賞時先読み演出判定処理を実行する(S680)。この入賞時先読み演出判定処理(S680)では、各種の先読み演出(例えば、保留変化先読み演出など)を対象として、先読み抽選を個別に実行し、その先読み演出の実行の可否とともに先読み演出パターンを決定する。次いで、上記S680にて決定された各種の先読み演出パターン番号を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。図50は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S701)。変動開始コマンドが格納されている場合(S701:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加情報指定コマンド、図柄指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン(変動時間)、特別図柄(停止図柄)、変動付加時間、遊技状態などを示す情報を取得する(S702)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
続いて、変動演出パターン抽選処理を実行する(S703)。この変動演出パターン抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に変動パターン情報)に基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。また、変動演出パターンに対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次いで、停止図柄抽選処理を実行する(S704)。この停止図柄抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に特別図柄情報)と、上記S703で選択された変動演出パターンとに基づき、装飾図柄停止パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を特定した停止図柄パターンをそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された停止図柄パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
続いて、予告抽選処理を実行する(S705)。この予告抽選処理では、上記S703で選択された変動演出パターンのシナリオに基づき、該シナリオ(装飾図柄の変動表示の過程)に沿って規定された各予告演出に対応する予告抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、前述のデバイス管理処理(S621)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。
そして、このような演出シナリオ抽選(S703〜S705)によって、装飾図柄の変動開始〜変動停止までの一連の演出表示過程のシナリオが決定されるとともに、当該表示過程中の各段階において発生する予告演出およびリーチ演出の具体的内容が決定される。
次いで、サブメイン情報記憶手段260に設定された先読み情報格納領域の更新処理として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された事前判定情報(先読み抽選に供する保留球情報)を下位の保留記憶領域(第1記憶領域〜第3記憶領域)にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S706)。
続いて、消化時先読み演出判定処理を実行する(S707)。この消化時先読み演出判定処理では、各種の先読み演出(例えば、保留変化先読み演出など)を対象として、先読み抽選を個別に実行し、その先読み演出の実行の可否とともに先読み演出パターンを決定する。
そして、上記S703〜S707で取得した各種の演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S710)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S701:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S708)。変動停止コマンドが格納されている場合(S708:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S709)。
そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S710)。一方、変動停止コマンドが格納されていない場合(S708:NO)は、そのまま処理を終了する。
ここで、演出制御処理(コマンド解析処理:図48)の順番から言えば、上記の変動演出内容決定処理(S636)の後、特別演出開始条件判定処理(S637)を説明すべきであるが、説明の便宜上、この特別演出開始条件判定処理(S637)については後述する。
(大当り演出内容決定処理)
次に、大当り演出内容決定処理(S639)について説明する。図51は、大当り演出内容決定処理(S639)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S721)。開始デモコマンドが格納されている場合(S721:YES)には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(S722)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(S723)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタのカウント値に「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタのカウント値を「1」加算する。
次いで、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(S724)。この大当り演出パターン選択処理では、不図示の大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。大当り演出パターンには、大当りボーナスモードの種類、大当り演出中のラウンド数表示、右打ち指示表示、保留内連荘報知などの演出表示の他、昇格演出(ラウンド昇格演出、確変昇格演出)の実行の有無、及び該昇格演出の演出内容などが規定されている。ここで決定された大当り演出パターン番号(開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号、終了デモパターン番号)は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶される。
そして、上記S724でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した開始デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、大当り開始デモ演出の開始を設定する(S725)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S726)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(S7
26:YES)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数を示す情報などを取得する(S727)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、上記S727で取得した情報に基づき、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(S728)。
そして、上記S724でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタの数値とともに、サブメイン情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、各回のラウンド演出の開始を設定する(S729)。
次いで、サブメイン情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S730)。終了デモコマンドが格納されている場合(S730:YES)には、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(S731)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。
続いて、特別遊技(ラウンド遊技)の終了に伴い、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタをクリアする(S732)。また、大当り終了デモにて獲得賞球数報知演出の最終結果表示を行わせるため、サブメイン情報記憶手段260の主獲得賞球数カウンタ及び副獲得賞球数カウンタの値を画像制御コマンドとして記憶したあと、主獲得賞球数カウンタ及び副獲得賞球数カウンタの値をクリアする。
次いで、上記S724でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した終了デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(S735)。そして、上記S723,S725,S728,S729,S732,S733,S734,S735等で取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S736)。
(入賞演出内容決定処理)
次に、入賞演出内容決定処理(S643)について説明する。図52は、入賞演出内容決定処理(S643)の詳細を示すフローチャートである。
まず、一般入賞報知演出制御処理を実行する(S751)。この一般入賞報知演出制御処理(S751)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、遊技球が一般入賞口61〜64に入球したことを報知する一般入賞報知演出を実行する。具体的には、遊技状態が通常状態である場合に、左側一般入賞口入賞コマンドを受信していれば、入賞報知ランプ81〜83を点灯させるなどの一般入賞報知演出を実行し、遊技状態が確変状態(又は特別遊技状態)である場合に、右側一般入賞口入賞コマンドを受信していれば、入賞報知ランプ84を点灯させるなどの一般入賞報知演出を実行する。なお、遊技状態が通常状態である場合に、右側一般入賞口入賞コマンドを受信していれば、遊技者に左打ちを指示する注意報知演出を実行し、遊技状態が確変状態(又は特別遊技状態)である場合に、左側一般入賞口入賞コマンドを受信していれば、遊技者に右打ちを指示する注意報知演出を実行する。
続いて、大入賞報知演出制御処理を実行する(S752)。この大入賞報知演出制御処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンドが格納されていれば、遊技球が大
入賞口54に入球したことを報知する大入賞報知演出を実行する。
次いで、通常メータ演出制御処理を実行する(S753)。この通常メータ演出制御処理(S753)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、左側一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、左側一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、メータカウンタC1のカウント値を更新する。そして、メータカウンタC1のカウント値が規定値(本例では「20」)に達していれば、特別演出1実行条件が成立しているものと判定する。この通常メータ演出制御処理(S753)の詳細は図53を用いて後述する。
続いて、確変メータ演出制御処理を実行する(S753)。この確変メータ演出制御処理(S754)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、右側一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、右側一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、メータカウンタC2のカウント値を更新する。そして、メータカウンタC2のカウント値が規定値(本例では「20」)に達していれば、特別演出2実行条件が成立しているものと判定する。この確変メータ演出制御処理(S754)の詳細は図56を用いて後述する。
次いで、獲得賞球数報知演出制御処理を実行する(S755)。この獲得賞球数報知演出制御処理(S755)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンド又は右側一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンド又は右側一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、今回の特別遊技において遊技者の獲得した賞球数(出玉)を報知すべく、主獲得賞球数カウンタCS又は副獲得賞球数カウンタCHを更新する。この獲得賞球数報知演出制御処理(S755)の詳細は図60を用いて後述する。
続いて、昇格メータ演出制御処理を実行する(S756)。この昇格メータ演出制御処理(S756)では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に、大入賞口入賞コマンド又は右側一般入賞口入賞コマンドが格納されているか否かを判定し、大入賞口入賞コマンド又は右側一般入賞口入賞コマンドが格納されていれば、昇格演出用のメータカウンタC3,C4のカウント値を更新する。
(通常メータ演出制御処理)
次に、通常メータ演出制御処理(S753)について説明する。図53は、通常メータ演出制御処理(S753)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S761)。遊技状態が通常状態である場合(S761:YES)は、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したか否か、すなわち、主制御基板100からの左側一般入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S762)。左側一般入賞口入賞コマンドを受信している場合(S762:YES)は、条件達成フラグAがオンであるか否かを判定する(S763)。条件達成フラグAとは、特別演出1実行条件が成立した場合に設定されるフラグである。条件達成フラグAがオフである場合(S763:NO)、すなわち、特別演出1実行条件が成立していなければ、メータカウンタC1のカウント値を1加算する(S764)。
続いて、特別演出1を実行中であるか否かを判定する(S765)。特別演出1を実行中ではない場合(S765:NO)は、画面上のメータ画像(メータ数)を更新すべく、メータカウンタC1のカウント値を指示する画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S766)。一方、特別演出1の実行中である場合(S765:YES)は、S766をスキップする。すなわち、前述し
た通り、特別演出1(LIVE演出)の実行中は、メータカウンタC1のカウント値は更新するが、メータ画像を非表示とするため、メータカウンタC1のカウント値を画像制御基板300側に指示する必要がないからである。
次いで、メータカウンタC1のカウント値が予め設定された規定数に到達しているか否かを判定する(S767)。メータカウンタC1のカウント値が規定数に達している場合(S767:YES)は、特別演出1実行条件が成立したと判定し、条件達成フラグAをオンする(S768)。そして、メータカウンタC1をゼロクリアして処理を終了する(S769)。
なお、遊技状態が確変状態又は特別遊技状態であるとき(S761:NO)、右側一般入賞口入賞コマンドを受信したとき(S762:NO)、条件達成フラグAがオンのとき、すなわち、特別演出1実行条件は成立しているが特別演出1開始条件が成立していない待機状態のとき(S763:YES)は、何もせずそのまま処理を終了する。ここで、変形例として、サブメインCPU201において、特別演出1の実行条件フラグAがオンである場合(S763:YES)、メータカウンタC1をゼロクリアして次のカウントを準備してもよく(S767)、その場合には、サブサブCPU301にて画像制御しているメータ表示は、特別演出1開始条件の成立に基づき特別演出1の開始指示があるまでメータ画像を実行条件達成状態で保持するよう制御する。このようにすることで、メータ数が溜まった状態における一般入賞口61〜63への入球を無駄にしないように制御することが可能となる。
(特別演出開始条件判定処理)
次に、特別演出1開始条件判定処理(S637)について説明する。図54は、特別演出1開始条件判定処理(S637)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S771)。遊技状態が通常状態である場合(S771:YES)は、条件達成フラグAがオンであるか否か、すなわち、特別演出1実行条件が成立した状態であるか否かを判定する(S772)。条件達成フラグAがオンである場合(S772:YES)は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S773)。変動開始コマンドを受信している場合(S773:YES)は、特別演出1開始条件が成立したと判定し、開始条件フラグAをオンする(S774)。開始条件フラグAとは、特別演出1開始条件が成立した場合に設定されるフラグである。つまり、本例では、特別演出1実行条件が成立した状態であり(S772:YES)、且つ、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信したこと(S773:YES)を契機として、特別演出1開始条件が成立したと判定される。そして、実行条件フラグAをオフして処理を終了する(S775)。
(特別演出1制御処理)
次に、特別演出1制御処理(S619)について説明する。図55は、特別演出1制御処理(S619)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S781)。遊技状態が通常状態である場合(S781:YES)は、開始条件フラグAがオンであるか否か、すなわち、特別演出1開始条件が成立した状態であるか否かを判定する(S782)。開始条件フラグAがオンである場合(S782:YES)は、特別演出1が実行中の状態であるか否かを判定する(S783)。特別演出1が実行中でない場合(S783:NO)は、今回の特別演出1の演出パターンとして、複数種の通常LIVE演出パターンの中から、いずれかの通常LIVE演出パターンを決定する(S784)。一方、特別演出1が実行中である場合(S783:YES)は、今回の特別演出1の演出パターンとして、複数種の特殊
LIVE演出パターンの中から、いずれかの特殊LIVE演出パターンを決定する(S785)。なお、上記S784又は上記S785で決定されたLIVE演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260のLIVE演出パターン格納領域に一時記憶される。続いて、開始条件フラグAをオフにする(S786)。そして、特別演出1の実行を開始すべく、特別演出1の演出パターン(LIVE演出パターン)を指示する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S787)。なお、特殊LIVE演出パターンの決定時においては、特別演出1として通常LIVE演出が行われている状況下であっても、サブメインCPU201からサブサブCPU301へ、特別演出1実行用のコマンドが送信される。送信されるコマンドには、コマンド受信時にサブサブCPU301ですぐに画像表示制御される即時サブ間コマンドと、所定の演出実行タイミングまで待って画像表示制御される通常サブ間コマンドがあり、特殊LIVE演出で実行する演出そのものは通常サブ間コマンドで送信され、通常LIVE演出の終了タイミングを待って開始される。特殊LIVE演出の実行が確定された際は、先述の通常サブ間コマンドが送信されるとともに、特殊LIVE演出の実行が確定したことを示唆する画像出力を実行させるための即時サブ間コマンドを合わせて送信するように制御してもよい。
(確変メータ演出制御処理)
次に、確変メータ演出制御処理(S754)について説明する。図56は、確変メータ演出制御処理(S754)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(S801)。遊技状態が確変状態である場合(S801:YES)は、遊技球が一般入賞口64に入球したか否か、すなわち、主制御基板100からの右側一般入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(S802)。右側一般入賞口入賞コマンドを受信している場合(S802:YES)は、今回の確変期間中(ST期間中)に、特別演出2を既に実行済であるか否かを判定する(S803)。その理由としては、前述したように、特別演出2は確変期間中(ST期間中)に1回を限度として実行されるからである(そのため、メータ演出も実行しない)。今回の確変期間中に特別演出2を実行していない場合(S803:NO)は、実行条件フラグBがオンであるか否か、すなわち、特別演出2実行条件が成立した状態であるか否かを判定する(S804)。条件達成フラグBとは、特別演出2実行条件が成立した場合に設定されるフラグである。実行条件フラグBがオフである場合(S804:NO)、すなわち、特別演出2実行条件が成立していなければ、メータカウンタC2のカウント値を1加算する(S805)。
続いて、画面上のメータ画像(メータ数)を更新すべく、メータカウンタC2のカウント値を指示する画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S806)。次いで、メータカウンタC2のカウント値が予め設定された規定数に到達しているか否かを判定する(S807)。メータカウンタC2のカウント値が規定数に達している場合(S807:YES)は、特別演出2実行条件が成立したと判定し、条件達成フラグBをオンする(S808)。そして、メータカウンタC2をゼロクリアして処理を終了する(S809)。
なお、遊技状態が通常状態又は特別遊技状態であるとき(S801:NO)、左側一般入賞口入賞コマンドを受信したとき(S802:NO)、今回の確変期間中に特別演出2を実行済のとき(S803:YES)、条件達成フラグBがオンのとき、すなわち、特別演出2実行条件は成立しているが特別演出2開始条件が成立していない待機状態のとき(S804:YES)は、何もせずそのまま処理を終了する。
(ミニゲーム選択制御処理)
次に、ミニゲーム選択制御処理(S617)について説明する。図57は、ミニゲーム選択制御処理(S617)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(S811)。遊技状態が確変状態である場合(S811:YES)は、実行条件フラグBがオンであるか否か、すなわち、特別演出2実行条件が成立した状態であるか否かを判定する(S812)。実行条件フラグBがオンである場合(S812:YES)は、特別図柄の作動保留球が複数個存在するか否かを判定する(S813)。特別図柄の作動保留球が複数個存在する場合(S813:YES)は、現存する全ての作動保留球が非リーチ種別であるか否かを判定する(S814)。全ての作動保留球が非リーチ種別である場合(S814:YES)は、特別演出2の演出パターン(音楽ゲームパターン)を選択するゲーム選択演出を開始すべく(遊技者による演出ボタン15の操作に応じて音楽ゲームパターンを選択可能な状態とすべく)、演出ボタン15の操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマに所定値を設定する(S815)。なお、操作有効期間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる期間である。続いて、演出ボタン有効フラグをオンする(S816)。演出ボタン有効フラグとは、演出ボタン15の操作入力が有効である状態のときに設定されるフラグである。続いて、ゲーム選択演出の開始を指示する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S817)。そして、実行条件フラグBをオフして処理を終了する(S818)。
(演出ボタン監視制御処理)
次に、演出ボタン監視制御処理(S618)について説明する。図58は、演出ボタン監視制御処理(S618)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出ボタン有効フラグがオンであるか否かを判定する(S821)。演出ボタン有効フラグがオンである場合(S821:YES)は、演出ボタン15の操作入力が有効となる操作有効期間中であるか否か、すなわち、操作有効期間タイマが「0」でないか否かを判定する(S822)。なお、操作有効期間タイマは、前述したように、特別演出2実行条件が成立し、且つ、現存する複数個の作動保留球が全て非リーチ種別である場合に、所定値(例えば「10秒」)がセットされ、後述のタイマ割込み処理(ボタン制御カウンタ更新処理:S915)が発生する毎に1ms(割込み周期に対応した1ms)ずつ減算される。ここで、操作有効期間中は、ゲーム選択演出画面(図29(E)を参照)が表示され、演出ボタン15の操作入力に基づき、複数種の音楽ゲームパターンのうちのいずれかを選択可能となる。演出ボタン15の操作有効期間中である場合(S822:YES)は、演出ボタン15の操作入力があったか否かを判定する(S823)。演出ボタン15の操作入力があった場合(S823:YES)は、演出ボタン15の操作入力情報をサブメイン情報記憶手段260の操作入力情報格納領域に保存する(S824)。この操作入力情報は、遊技者により選択された一の音楽ゲームパターンを特定するための情報を含む。続いて、演出ボタン15の操作入力情報を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S825)。
次いで、特別演出2の演出パターンとして、音楽ゲームパターンの選択操作が完了したことに伴い、特別演出2開始条件が成立したと判定し、開始条件フラグBをオンする(S826)。開始条件フラグBとは、特別演出2開始条件が成立した場合に設定されるフラグである。そして、このように演出ボタン15の操作入力があった場合、操作有効期間の経過前であっても、前記操作入力を確定して操作有効期間の終了を設定すべく、操作有効フラグをオフする(S827)。一方、操作有効期間中ではない場合(S822:NO)、すなわち、演出ボタン15の操作入力がなく、操作有効期間タイマが「0」となった場合でも、演出ボタン有効フラグをオフする(S827)。なお、演出ボタン有効フラグが
オフである場合(S821:NO)、又は、演出ボタン15の操作入力がない場合(S823:NO)は、そのまま処理を終了する。
(特別演出2制御処理)
次に、特別演出2制御処理(S620)について説明する。図59は、特別演出2制御処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(S831)。遊技状態が確変状態である場合(S831:YES)は、開始条件フラグBがオンであるか否か、すなわち、特別演出2開始条件が成立した状態であるか否かを判定する(S832)。開始条件フラグBがオンである場合(S832:YES)は、今回の特別演出2の演出パターンとして、上記S824にてサブメイン情報記憶手段260に保存された操作入力情報に対応する音楽ゲームパターンを設定する(S833)。なお、上記S833で決定された音楽ゲームパターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の音楽ゲームパターン格納領域に一時記憶される。続いて、開始条件フラグBをオフにする(S834)。次いで、特別演出2として、遊技者参加型の音楽ゲームを開始すべく(遊技者による演出ボタン15の操作に応じて音楽ゲームを進行可能な状態とすべく)、演出ボタン15の操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマに所定値を設定する(S835)。なお、前述と同様に、操作有効期間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる期間である。本例における所定値としては、音楽ゲームの設定時間(楽曲の時間)に対応した時間が設定される。続いて、演出ボタン有効フラグをオンする(S836)。前述と同様に、演出ボタン有効フラグとは、演出ボタン15の操作入力が有効である状態のときに設定されるフラグである。続いて、特別演出2の実行を開始すべく、特別演出2の演出パターン(音楽ゲームパターン)を指示する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S837)。
(獲得賞球数報知演出制御処理)
次に、獲得賞球数報知演出制御処理(S755)について説明する。図60は、獲得賞球数報知演出制御処理(S755)の詳細を示すフローチャートである。
まず、遊技状態が特別遊技状態であるか否かを判定する(S851)。遊技状態が特別遊技状態である場合(S851:YES)は、大入賞口入賞コマンドを受信したか否か、すなわち、遊技球が大入賞口54に入球したか否かを判定する(S852)。大入賞口入賞コマンドを受信している場合(S852:YES)は、現在実行中のラウンドにて、大入賞口54への遊技球の入球数が規定カウント数以内であるか否かを判定する(S853)。大入賞口54への遊技球の入球数が規定カウント数以内である場合(S853:YES)は、主獲得賞球数カウンタCSのカウント値を更新する(S854)。一方、大入賞口54への遊技球の入球数が規定カウント数を超える場合(S853:NO)、すなわち、超過入賞(オーバー入賞)が発生した場合は、S854〜S855をスキップして、副獲得賞球数カウンタCHのカウント値を更新する(S856)。
また、大入賞口入賞コマンドを受信しなかった場合(S852:NO)は、一般入賞口入賞コマンドを受信したか否か、すなわち、遊技球が一般入賞口64に入球したか否かを判定する(S855)。一般入賞口入賞コマンドを受信している場合(S855:YES)は、副獲得賞球数カウンタCHのカウント値を更新する(S856)。
次いで、画面上の獲得賞球数表示を更新すべく、主獲得賞球数カウンタCS及び副獲得賞球数カウンタCHのカウント値を指示する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S857)。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図61は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図62は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタ
イマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理で
は、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図63は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
<遊技機の作用効果>
以上、本実施形態において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)遊技球を当否判定とは関係のない一般入賞口(遊技球の入球が当否判定の契機とならず、賞球払出の契機となる一般入賞口)に所定数入球させることを条件として特別演出を実行することで、変動演出に変化がなく大当り発生までの道程が長いときでも、その演出内容に変化を持たせて、遊技の単調性を解消することができるとともに、従来にない多様性のある遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(2)始動口を狙って大当り当選するか否かが遊技者の唯一の関心事になるのを防止して、一般入賞口を狙う楽しみを遊技者に享受させることで、遊技者が積極的に遊技球を一般入賞口に入球させる機会を増大させることが期待でき、遊技者の射幸心を高めるとともに、遊技をより一層興趣性の富んだものにすることが可能になる。
(3)RTCにより計時した日時に基づき、所定の日時にのみ特別な演出を実行可能なRTC演出(所定の日時になれば自動的に行われる一斉演出)とは異なり、遊技球を一般入賞口に所定数入球させることが特別演出の実行条件となることで、遊技者の技術介入的要素を取り入れることができるとともに、実際に遊技している遊技者のみ特別演出の実行という特典が受けられるため、その結果、遊技の趣興性を向上させることが可能となる。
(4)特別演出の実行中は入賞報知演出の実行頻度を下げるか、入賞報知演出の態様を目立たないものに変更して、特別演出と入賞報知演出とが競合する事態を回避することで、両演出の演出効果が相互に希薄になるのを防止でき、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(5)特別演出の実行中に特別演出実行条件が再度成立したときに、本来であれば先の特別演出終了後に新たな開始条件の成立を待って、時間的な間隔を空けて別々に発生する2回の特別演出を連続する一連の演出として構成することで、特別演出のバリエーションを増加させて、特別演出の演出効果を高めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(6)主制御基板100からの特定の演出制御コマンド(変動開始に係る演出制御コマンド)を受信したことを契機として特別演出開始条件が成立し、次の変動表示の開始から特別演出を実行することで、中途半端な変動演出の発生を排除することができるようになるため(変動表示の途中で特別演出が開始されると、この特別演出の発生により変動演出が途中で途切れてしまう可能性があるため)、遊技演出を円滑に進めることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
以上、本実施形態において達成される作用効果を説明したが、本実施形態は以下のような改変を行っても、上記と同様の作用効果を奏する。
例えば、上述の実施形態では、従来のRTC演出(RTCの計時時刻が所定時刻となったときに複数台の遊技機が同じ演出を一斉に開始する一斉演出)のように、特別演出を変動演出(当否結果を示唆する変動演出)とは関係のない演出として構成したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、特別演出モードを上記の遊技演出モードの一つとして設定し、この特別演出自体を変動演出と兼用することで、特別演出モードの期間中(複数回の変動表示が実行されるまでの期間中)、特殊変動演出パターンテーブルを用いて、特別演出及び変動演出の演出内容(演出パターン)を抽選により決定するように構成してもよい。それにより、特殊演出モードの期間中は、他の遊技演出モード(通常演出モード、確変演出モード)においては現出されることのない特殊な変動演出(特別演出)が表示
されることになる。従って、その場合には、特別演出実行条件の成立を契機として、通常演出モード(確変演出モード)から特別演出モードへの移行制御が行われ、特別演出モードの期間が終了したときに、特別演出モードから通常演出モード(確変演出モード)への移行制御が行われる。なお、このように特別演出モードを演出抽選に係る遊技演出モードとして管理するときは、特別演出1又は特別演出2の実行中に電源断が発生した場合(例えば、停電等により遊技機PMへの電力供給が遮断された場合)、演出制御基板200において該特別演出1,2の進行状況を管理することになるため、その電源断復帰後、該特別演出モード(電源断前の状態)に戻ることが可能である。
また、上述の実施形態では、演出制御基板200が主制御基板100からの特定の演出制御コマンドとして変動開始コマンドを受信したことを契機として特別演出1開始条件が成立する構成であったが、以下のような変形例を採用することも可能である。変形例としては、(1)所定時間以上の変動パターン(変動時間)を指定する変動開始コマンドを受信したことを契機として特別演出1開始条件が成立、(2)特定の作動保留球数情報(複数個の保留を有する情報)を含む図柄記憶数コマンドを受信し、且つ、次の変動表示の開始を指示する変動開始コマンドを受信したことを契機として特別演出1開始条件が成立、(3)特定の事前判定情報(全保留が非リーチ種別)を含む事前判定コマンドを受信し、且つ、次の変動表示の開始を指示する変動開始コマンドを受信したことを契機として特別演出1開始条件が成立する。ここで、特別演出1実行条件が成立した後、特定の演出制御コマンドとして、所定時間以上の変動パターン(変動時間)を指示する変動開始コマンドを受信したことを契機として特別演出1開始条件が成立する場合には、この所定時間以上の変動表示では、特別演出1の導入演出として、遊技者によるボタン操作によって、特別演出1を実行するか否かの選択や、特別演出1の演出パターン(LIVE演出パターン)の選択を実行する。そして、その変動表示(所定時間以上の変動表示)の次の変動表示の開始時に、特別演出1(LIVE演出)を開始する。つまり、所定時間の変動パターン(変動時間)を条件とした理由は、特別演出1の導入演出として、遊技者が演出を選択する時間を十分に確保するためである。なお、所定時間以上とは、例えば、10秒以上(通常変動以上)であればよい。ここで、特別演出1実行条件が成立していない状況にて、所定時間以上の変動パターン(変動時間)を指示する変動パターンを受信した場合に、ナビキャラを変更するか否かを遊技者に問う演出(例えば、ナビキャラAをナビキャラBに変更するか否かの二者択一)を表示して、ナビキャラの変更に伴い、演出ステージ(演出抽選モード)を変更するように構成してもよい。また、特別演出1実行条件が成立した場合に、画面にテロップを表示して、遊技者が特別演出1の開始タイミングを任意に選択できる(つまり、主制御基板100からの演出制御コマンドの受信を契機とせず、特別演出1開始条件の成立タイミングを遊技者が自由に決定する)ように構成してもよい。
また、上述の実施形態では、特別演出実行条件が成立するまでの達成状況を報知する達成状況報知演出として、該達成状況をメータ画像のレベルにて報知するメータ演出を採用したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、達成状況報知演出をいわゆる双六ゲーム(すごろくゲーム)から構成してもよい。図示省略するが、本例における双六ゲームは、遊技球が一般入賞口61〜63に入球する毎に、特定演出表示領域705に表示された複数の升目(好ましくは1ルート)上を遊技者の駒が順次移動し、遊技者の駒が止まった升目上に特別演出を実行する旨の指示がある場合に、特別演出が開始される。例えば、双六の升目はエンドレスに続き、遊技者の駒が前に進めば進むほど、次の升目が画面上に新たに表示されていくため、いずれのタイミングで特別演出が実行されるのか(いつ遊技者の駒が特定の升目に止まるのか)を分かり難くすることで、特別演出発生の期待感を高めることができる。なお、例えば、200升目ごとに定期LIVE演出の実行を定めたり、不規則的な数の升目ごとに非定期LIVE演出の実行を定めたりしてもよい。また、変動演出の内容と絡めて、特定の升目上に所定の条件を発生させるように構成してもよい。具体的には、特定のSPリーチではずれた場合に、当該変動表示の停止時に特定の升目
の表示態様を変化させ(例えば、白抜き表示の升目をフラッグが表示された升目に変化させ)、その特定の升目に止まった場合にはゲリラLIVE演出が実行されるようにしてもよい。また、保留画像と双六画像とを並列的(例えば上下の位置関係)に表示して、保留変化演出と双六ゲームとを演出上リンクさせてもよい。具体的には、保留消化に伴い保留消化表示領域703に表示された該保留画像が消去されるタイミングで、該保留画像が音楽CD(コンパクトディスク)を模したオブジェクト画像に突然変化し、このオブジェクト画像が双六の升目上に飛んでいき、特定の升目上に配置されることで、遊技者の駒が該特定の升目上に止まったときに、特別演出を実行するようにしてもよい。なお、遊技者の駒は、遊技球が一般入賞口61〜63に1個入球する毎に、いつも決まった一定数だけ移動するものでも、抽選の結果により定まる数だけ移動するものでもよい。また、遊技球が一般入賞口61〜63に1個入球する毎に、画面上でサイコロ画像が転がり、その出目に応じた数だけ、遊技者の駒が移動する構成であってもよい。ここで、上記の特殊変動演出パターンテーブルは、サブメインCPU201において使用されるものであり、メインCPU101で決定されるすべての変動パターンに対して特別演出モードの変動演出(特別演出)を確保することが難しい場合は、メインCPU101によって選択される変動パターン数が限定される限定期間中(限定頻度期間)に移行することを開始条件とすることが考えられる。メインCPU101で変動パターン数が限定的になる期間に移行する例としては、小当りや遊技状態が変わらない特定の大当りの実行がなされた場合等が例示できる。
また、上述の実施形態では、メータ演出として、複数の一般入賞口61〜63に対応する一つのメータ画像のみを表示したが、この構成には限定されず、例えば、複数の一般入賞口61〜63のそれぞれに対応する複数のメータ画像を表示してもよい。具体的に、遊技球が一般入賞口61に入球した場合は第1メータ画像のメータ数を更新し、遊技球が一般入賞口62に入球した場合は第2メータ画像のメータ数を更新し、遊技球が一般入賞口63に入球した場合は第3メータ画像のメータ数を更新するような構成が好適である。
また、本実施形態では、確変突入率が80%に設定された回数切り確変機、いわゆる「ST機」と称される遊技機を採用しているが、特別演出2開始条件は、確変状態が設定される100回転のST期間のうち所定回転(例えば50回転)以上残存している状況である場合に限って成立させることが好適である。その理由としては、ST期間の終了間際(例えば残り数回転)に特別演出2開始条件が成立する場合は、このST期間中の残り時間内において特別演出2の実行時間を十分に確保できない可能性があるからである。本構成を適用するうえで、例えば、ST期間中における変動パターン選択状態として、変動表示の回数が1〜50回(ST期間の前半)では、相対的に短時間の変動パターン(非リーチ)が選択され易くし、変動表示の回数が51〜100回(ST期間の後半)では、相対的に長時間の変動パターン(Nリーチ、SPリーチ)が選択され易くすることが好ましい。それにより、ST期間の前半に特別演出2開始条件が成立すれば、少なくともST期間の後半において相対的に長時間の変動時間(すなわち、特別演出2の実行時間)を確保できる状況となり、第2特別演出がST期間の終了の前後に跨って(確変状態と通常状態とに跨って)実行されるのを回避することができる。
[第1変形例]
次に、本実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、本変形例では、通常状態における入賞演出を適用しているが、確変状態における入賞演出に適用してもよい。
本変形例における特別演出1は、装飾図柄の変動表示において実行される特殊リーチ演
出として構成される。この特別演出1は、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に対応して蓄積される実行条件判定情報(入球数対応情報)としての時間値をリーチ演出の時間値(リーチ演出の演出尺)に変換して実行される演出である。本変形例では、実行条件判定情報(入球数対応情報)としての蓄積時間が規定時間に達したことを契機として特別演出1実行条件が成立する。それでは、本変形例における達成状況報知演出及び特別演出1について順に説明する。
変形例における達成状況報知演出は、前述した本実施形態と同様に、特別演出1実行条件の達成状況を報知する演出である。本変形例における達成状況報知演出は、特別演出1実行条件の達成状況を数値情報として報知する演出(タイムストック演出)を構成要素として含んでいる。このタイムストック演出は、遊技球を一般入賞口61〜63に入球させることで演出時間を蓄積し、この演出時間を蓄積した蓄積時間が予め設定された規定時間に到達することで、この蓄積時間を演出尺とした高期待度演出(特殊リーチ演出)を発生させるものである。そのため、規定時間としては、特殊リーチ演出の演出尺に対応する「90秒」が設定される。本実施形態では、特別演出1実行条件の達成状況として、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき蓄積された蓄積時間が、秒数などの数値情報として特定演出表示領域705に表示される(具体的には図65を参照)。
本実施形態では、蓄積時間を計時するためのタイマカウンタを具備しており、遊技球が一般入賞口61〜63に入球する毎に、所定の時間値(3秒間)が蓄積され、その蓄積時間が数値情報として表示される。そして、一般入賞口61〜63への遊技球の入球数が規定数に到達して、この蓄積時間が規定時間に達すると、特別演出1実行条件が成立する。すなわち、本変形例における特別演出1実行条件は、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき、規定時間として「90秒」が蓄積されたことを契機として成立する。
本変形例では、前述した本実施形態と同様、特別演出1実行条件が成立した場合に、この特別演出1実行条件の成立時から特別演出1が開始されるわけではなく、この特別演出1実行条件が成立した後、所定の開始条件(特別演出1開始条件)が成立したときに、特別演出1が開始される。この特別演出1開始条件は、所定の変動時間以上の変動パターンが選択されたことを契機として成立する。所定の変動時間としては、例えば90秒間のリーチ演出を包含できる変動時間として「120秒」が設定されている。すなわち、変動時間として120秒間以上を備えていれば、タイムストック演出にて蓄積された90秒の特殊SPリーチ演出を構築できるからである。ここで、前述した図7(変動パターンテーブル)に示すように、所定の変動時間以上の変動パターンとしては、(1)120秒の変動パターンPX6,PY6と、(2)180秒の変動パターンPX7,PY7とが該当する。従って、これらの変動パターンPX6〜PX7,PY6〜PY7のうちのいずれかが選択されたとき(詳細には、その変動パターンを指定する変動開始コマンドが受信されたとき)に、特別演出1開始条件が成立することになる。
特別演出1開始条件が成立すると、すなわち、主制御基板100から特定の変動パターンを指定する変動開始コマンドを受信すると、後述の変動演出パターンテーブルを参照して、この特定の変動パターンに対応する変動演出パターン(後述の特殊変動演出パターン)を決定することになる。
図64は、本変形例における変動演出パターンテーブルである。本変形例における変動演出パターンテーブルは、通常変動演出パターンテーブルと、特殊変動演出パターンテーブルとを含む。以下では、説明の便宜上、通常変動演出パターンテーブルに規定された変動演出パターンを「通常変動演出パターン」とも称し、特殊変動演出パターンテーブルに規定された変動演出パターンを「特殊変動演出パターン」とも称する。
通常変動演出パターンテーブルは、特別演出1実行条件及び特別演出1開始条件が成立していないときに設定される。すなわち、蓄積時間が規定時間に達するまで、又は、蓄積時間が規定時間に達していても所定時間以上の変動パターンが選択されるまでは、通常変動演出パターンテーブルが設定される。通常変動演出パターンの演出内容には、非リーチ演出、Nリーチ演出、弱SPリーチ演出、中SPリーチ演出、強SPリーチ演出が設定されている。なお、通常変動演出パターンテーブルは、前述した図9に示す変動演出パターンテーブルと同一の内容であるため、この通常変動演出パターンテーブルの内容については説明を省略する。
特殊変動演出パターンテーブルは、特別演出1実行条件及び特別演出1開始条件が成立している場合に限り設定される。すなわち、蓄積時間が規定時間に達し、且つ、所定時間以上の変動パターンが選択されたときに、特殊変動演出パターンテーブルが設定される。従って、特別演出1実行条件が成立した状態にて、変動パターンPX6,PX7,PY6,PY7を指定する変動開始コマンドが送られてきた場合、特殊変動演出パターンテーブルを参照して、該変動パターンPX6,PX7,PY6,PY7に対応する一の変動演出パターンを選択する。具体的に、はずれの変動パターンに関しては、変動パターンPX6に対して変動演出パターンPEX60が対応付けられ、変動パターンPX7に対して変動演出パターンPEX70が対応付けられる。一方、大当りの変動パターンに関しては、変動パターンPY6に対して変動演出パターンPEY60が対応付けられ、変動パターンPY7に対して変動演出パターンPEY70が対応付けられる。
本変形例における特別演出1は、特殊変動演出パターンPEX60〜70,PEY60〜70に規定された特殊SPリーチ演出により構成されている。すなわち、この特別演出1は、装飾図柄の変動表示においてSPリーチ発展後に現出される90秒間の特殊SPリーチ演出として構成される。ここで、SPリーチ演出を伴う装飾図柄の変動演出は、基本的には、リーチ前演出とリーチ後演出とからなり、装飾図柄の変動表示が開始されてから停止するまでの期間にて、リーチ前演出、リーチ後演出の順に各演出が実行される。このとき、リーチ後演出では、Nリーチ演出を経由した後、或いは、Nリーチ演出を経由せずに直接、SPリーチ演出に発展する。本実施形態では、SPリーチ発展後の演出尺として、上記の規定時間に対応する「90秒」が設定されている。つまり、装飾図柄の変動表示時間として設定された120秒又は180秒のうち、蓄積時間(規定時間)としての90秒が特殊リーチ演出(特別演出1)の演出尺に割り当てられている。そして、いずれの特殊変動演出パターンにおいても、SPリーチ発展後の演出尺として同一時間値の90秒が設定され、その演出内容も同一の特殊SPリーチ演出が設定されている。なお、特殊変動演出パターンごとに、90秒間の異なる演出内容を設定してもよい。
続いて、第1変形例における入賞演出の演出例について説明する。図65は、第1変形例における入賞演出の演出例を示す模式図である。
図中(A)に示すように、特定演出表示領域705において、蓄積時間を計時するためのタイマカウンタが表示される。図中(B)に示すように、遊技球が一般入賞口61〜63に入球する毎に、蓄積時間が「3秒」ずつ増加する。図中(C)に示すように、遊技球の入球数が所定数に達して、蓄積時間が規定時間(90秒)に達すると、特別演出1実行条件が成立する。なお、特別演出1実行条件が成立しても、今回の変動表示(当該変動表示)から特別演出1は実行されず、特定の変動パターン(90秒以上の変動パターン)が選択されるまでは、特別演出1の実行が待機状態となる。
図中(D)に示すように、新たに第1始動口51への遊技球の入球があり、第1特別図柄の作動保留球(4個目)が生起される。この作動保留球は、その事前判定の結果として、所定時間以上(90秒以上)の変動パターンであることが先読み的に判定されたもので
あり、それにより4個目の保留画像として特別保留画像(図8を参照)が表示される。特別保留画像とは、前述したように、SPリーチの発展先として特殊リーチ演出が出現することを予告する保留画像(白丸の中に「特」という文字が表示された保留画像)であり、その保留画像が消化された変動表示において特殊SPリーチ演出に発展することを予告する。なお、特別保留画像は、特別演出1実行条件が成立した状態で、主制御基板100から特定の事前判定コマンド(事前判定の結果として所定時間以上の変動パターンであることを指定する情報)を受信した場合に生起される。
図中(E)に示すように、特別保留画像が保留消化表示領域703にシフトして、当該保留画像に係る変動表示(当該変動表示という)が開始される。
図中(F)に示すように、当該変動表示におけるSPリーチ発展のタイミングで、「蓄積時間解放!」という文字が表示され、特殊SPリーチ演出に発展する。
図中(G)に示すように、特殊SPリーチ演出が開始されると、該リーチ演出が開始されてからの経過時間に対応して、画面上に表示された蓄積時間が減算されていくことで、遊技者のストックした蓄積時間が特殊SPリーチ演出の演出時間として消化されているような感覚を与えることができる。
図中(H)に示すように、蓄積時間が「0秒」まで減算されると、90秒間の特殊SPリーチ演出が終了して、装飾図柄が停止表示される。
以上、第1変形例によれば、本来であれば当否結果に関係のない特別演出を特殊リーチ演出(高期待度演出)として実行することで、一般入賞口への遊技球の入球に基づき変動演出(当否結果を示唆する変動演出)の内容に変化をもたらすことができるため、従来にない斬新な遊技演出を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
ここで、該第1変形例では、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき、特殊リーチ演出の演出時間を蓄積する構成であってが、この構成に限定されるものではなく、例えば、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき、演出ボタン15の操作可能回数を蓄積する構成であってもよい。ここで蓄積した演出ボタン15の操作可能回数は、大当り演出の導入時(大当り開始デモ)に実行される主獲得可能賞球数報知演出にて利用される。具体的に、主獲得可能賞球数報知演出とは、大当り開始時に、今回の特別遊技で獲得可能な賞球数(主獲得可能賞球数)を、演出ボタン15の操作回数に応じて擬似的に増加させいくように見せる演出である。つまり、大当り開始時に、予め主獲得可能賞球数の初期値として「0個」を表示しておき、蓄積した操作可能回数分だけ演出ボタン15を操作することで、それに合わせて主獲得可能賞球数が複数の段階で増加していき(「0個」→「200個」→「400個」→「800個」→・・・)、真の主獲得可能賞球数を報知するものである。但し、実際には、当否抽選時(大当り当選時)に遊技者が獲得可能な主獲得可能賞球数は予め確定しているので、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。
同様に、上述の第1変形例では、一般入賞口61〜63への遊技球の入球に基づき、特殊リーチ演出の演出時間を蓄積する構成であってが、この構成に限定されるものではなく、例えば、一般入賞口61〜64への遊技球の入球に基づき、所定の演出をストックする構成であってもよい。例えば、一般入賞口61〜63ごとに種類の異なるキャラクタ演出(キャラクタ演出A〜C)を割り当てておき、遊技球を同じ一般入賞口61〜63に所定数入球させるたびに、該一般入賞口61〜63に対応付けられたキャラクタ演出A〜Cをストックする。そして、装飾図柄の変動表示においてリーチ演出に発展した場合に、それまでにストックしたキャラクタ演出A〜Cを該リーチ演出の表示過程にて順番(ストック
した順番)に出現させる。なお、キャラクタ演出A〜Cを出現させる順番は、ストックした順番ではなく、大当り期待度の順番(大当り期待度の低いものから順に実行する)であってもよい。このとき、キャラクタ演出A〜Cが予め規定された順番通りに出現しなかった場合は、いわゆるチャンスアップとなる(大当り期待度が向上する)仕様が好適である。また、ストックされるキャラクタの数は、例えば5人までとし、6人目以降のキャラクタがストックされる場合は、1人目(最初のキャラクタ)を記憶領域から外し、残りの4人と新たなキャラクタ1人となるといった、先入れ先出しの原則のように、条件成立後も演出の変化が楽しめるように変更することも考えられる。更には、その他、ストックされる演出としては、前記キャラクタではなく、遊技者に対して演出ボタン15の操作を促す演出ボタン画像をストックし、特定の変動パターンでの演出ボタン15の操作回数を示唆するものであってもよい。このとき演出ボタン15の操作タイミングは、リーチ演出中に限られず、リーチ前予告にボタン操作をさせるように演出制御することも考えられるし、演出ボタン画像が残った状態でハズレ表示(はずれ図柄の仮停止表示)が行われた場合に復活演出が確定する等の演出制御例が挙げられる。
[第2変形例]
次に、本実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第2変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、本変形例では、通常状態における入賞演出を適用しているが、確変状態における入賞演出に適用してもよい。
第2変形例では、特別演出1実行条件が成立した後、特別演出1が開始されるまでの待機期間内における遊技演出の変形例である。本変形例では、当該待機期間内において画面に表示されている1又は複数の保留画像を利用して特別演出1の演出パターンを選択可能に構成されている。なお、特別演出1実行条件が成立するまでの過程、及び、特別演出1の実行が開始されてからの過程については、上述の本実施形態と同様であるため、本変形例では説明を割愛する。
具体的に、本変形例では、特別演出1実行条件が成立したときに存在する一又は複数の保留画像を特殊オブジェクト画像に変化させ、この特殊オブジェクト画像ごとに特別演出1の演出パターン(LIVE演出パターン)を割り当てておくことで、該保留画像に係る変動表示に絡めて、該保留画像に対応する特別演出1の演出パターンを選択可能とするものである。本変形例において、特別演出1開始条件は、特別演出1の演出パターンが決定された後、最初の変動開始コマンドが受信されたことを契機として成立する。
それでは、第2変形例における入賞演出の演出例について説明する。図66は、第2変形例における入賞演出の演出例を示す模式図である。
図中(A)に示すように、メータ数が規定数に達することで、特別演出1実行条件が成立する。この特別演出1実行条件が成立したとき、4個の保留画像(作動保留球)H1〜H4が存在している。
図中(B)に示すように、特別演出1実行条件が成立すると、保留画像H1〜H4が音楽CD(コンパクトディスク)を模したオブジェクト画像に変化する。この保留画像(オブジェクト画像)H1〜H4には、LIVE演出の楽曲のタイトル(紙面の都合上、図示省略)が付されている。遊技者は、各保留画像H1〜H4が保留消化表示領域703に在る間、演出ボタン15を操作することで、その保留画像H1〜H4に対応する楽曲A1〜A4のLIVE演出パターンを選択することができる。すなわち、各保留画像H1〜H4に対する変動表示が実行されている間(保留画像が保留消化表示領域703にシフトして
から消去されるまでの間)、その保留画像に対応する楽曲のLIVE演出パターンを選択可能である。本変形例では、保留画像H1には楽曲A1、保留画像H2には楽曲A2、保留画像H3には楽曲A3、保留画像H4には楽曲A4が割り当てられている。なお、本例では、楽曲の選択肢をより多く確保するため、保留画像が3個以上存在することを条件として、保留画像が音楽CDのオブジェクト画像に変化する。そのため、保留画像が2個以下の場合は、保留画像が3個以上となるまで待機し、保留画像が3個以上となったときに該保留画像が音楽CDのオブジェクト画像に変化する。
図中(C)に示すように、保留画像H1が保留消化表示領域703にシフトする。保留画像H1が保留消化表示領域703に在る間は、通常の変動演出とともに、楽曲A1のサンプル再生が行われ、遊技者が演出ボタン15を操作することで、保留画像H1に対応する楽曲A1を選択することができる。しかしながら、保留画像H1が保留消化表示領域703に在る間に、遊技者は演出ボタン15を操作しなかったため、保留画像H1に対応する楽曲A1はスルーされる。
図中(D)に示すように、保留画像H1に係る変動表示が終了し、次の保留画像H2が保留消化表示領域703にシフトする。保留画像H2が保留消化表示領域703に在る間は、通常の変動演出とともに、楽曲A2のサンプル再生が行われ、遊技者が演出ボタン15を操作することで、保留画像H2に対応する楽曲A2を選択することができる。
図中(E)に示すように、遊技者が演出ボタン15を操作して楽曲A2を選択することで、今回の特別演出1の演出パターンが決定し、それにより特別演出1開始条件が成立する。なお、遊技者がいずれの楽曲も選択しなかった場合は、(イ)特別演出1は実行されない、(ロ)最後尾の保留画像H4に対応する楽曲A4が強制的に選択される、(ハ)予め設定されたデフォルトの楽曲が選択される。また、特別演出1開始条件は、全ての保留画像H1〜H4が消化されたとき(画面から消去されたとき)に成立するものであってもよい。
図中(F)に示すように、特別演出1として、遊技者の選択した楽曲A2のLIVE演出が開始される。特別演出1(LIVE演出)が開始されると、保留画像が元の表示態様に戻る。
図中(G)に示すように、特別演出1(LIVE演出)がが終了すると、元の表示画面に戻り、画面中央に装飾図柄の変動表示が表示されるとともに、画面の特定演出表示領域705にはメータ画像が表示される。そして、遊技球が一般入賞口61〜63に入球するごとにメータ値が増加して、特別演出1実行条件及び特別演出1開始条件が成立するたびに、新たな特別演出1が実行される。このように本変形例では、保留数に応じて選択可能な条件数(選択肢)が異なるなど、演出のバリエーションを増やすことができる。
[第3変形例]
次に、本実施形態の第3変形例に係る遊技機について説明する。この第3変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の本実施形態では、遊技盤20が左右非対称盤面として構成されていたが、第3変形例では、遊技盤20が左右対称盤面として構成されている。図示省略するが、この左右対称盤面では、例えば、第1始動口51、第2始動口52及び大入賞口54が画面の下方に順番に配置され、遊技者は左打ち及び右打ちのいずれの打ち方をしても、同じように遊技球を各種入賞口に入球させて、特別図柄遊技を進めることができる。また、その場合は
、左側領域PA1に配置される一般入賞口の数と、右側領域PA2に配置される一般入賞口の数とが同数となるのであるが、遊技者が左打ち及び右打ちのいずれの打ち方を採用するかに応じて、遊技球が入球する一般入賞口が変わってくる。このような左右対称盤面を採用する場合は、特別演出実行条件が成立するまでの達成状況を報知する達成状況報知演出として、画面上に、左打ち用のメータ画像と右打ち用のメータ画像との両方を表示させることが好適である。すなわち、左側領域PA1の一般入賞口に遊技球が入球した場合は左打ち用のメータ画像が更新され、右側領域PA2の一般入賞口に遊技球が入球した場合は右打ち用のメータ画像が更新される。このように遊技者は遊技球を左右に打ち分けることで、いずれのメータ演出を進めるのかを選択することができる。なお、本変形例では、画面上に、左打ち用に対応するナビキャラと右打ち用に対応するナビキャラとを表示させることが好適である。各ナビキャラの表示位置は、画面の下部領域の両隅でもよいし、画面の四隅の対角位置であってもよい。その場合に、左打ち用のメータ演出の進行状況(特別演出実行条件の達成状況)を左打ち用のナビキャラが解説し、右打ち用のメータ演出の進行状況(特別演出実行条件の達成状況)を右打ち用のナビキャラが解説することが好ましい。このとき、左打ち用のメータ画像のレベルを満タン状態にすることで特別演出実行条件を成立させた場合と、右打ち用のメータ画像のレベルを満タン状態にすることで特別演出実行条件を成立させた場合とで、その後に実行される特別演出の種類を異なるものとすることで、特別演出のバリエーションを増やし、その演出効果を高めることができるとともに、遊技球を左右に打ち分ける楽しみを向上させることができる。
なお、本変形例に関連して、上述の本実施形態では、通常遊技状態用のメータ画像と、確変遊技状態用のメータ画像とを共有していたが(同じメータ画像を利用していたが)、この構成に限定されるものではなく、例えば、画面の左側に通常遊技状態用のメータ画像の表示領域を設け、画面の右側に確変遊技状態用のメータ画像の表示領域を設けて、遊技状態に応じて、各メータ画像の表示/非表示を選択的に切り替えるように構成してもよい。具体的に、遊技状態が通常状態であるときは、主として左打ち遊技が実行されるため、画面の左側にメータ画像を表示し、遊技状態が確変状態であるときは、主として右打ち遊技が実行されるため、画面の右側にメータ画像を表示することが好適である。
[第4変形例]
次に、本実施形態の第4変形例に係る遊技機について説明する。この第4変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
上述の本実施形態では、遊技盤20が左右非対称盤面として構成されていたが、第4変形例では、遊技盤20が本実施形態とは異なる形態の左右非対称盤面として構成されている。図示省略するが、本変形例における左右非対称盤面では、左側領域PA1に配置された複数の一般入賞口61〜63のうちの少なくとも1つが作動ゲート機能(遊技球の入球が普通図柄抽選の契機となる機能)を備えている。なお、その他の盤面構成については、基本的には、上述の本実施形態と同様である。このとき、作動ゲート機能を有する一般入賞口61〜63(左側領域PA1の一般入賞口61〜63)に遊技球が入球したことを契機として、普通図柄抽選が実行され当選した場合に、画面上に表示されたナビキャラにより遊技者に右打ちを指示して、右側領域PA2に配置された第2始動口52(いわゆる電チュー)に遊技球を入球させる仕様が好適である。このナビキャラによる右打ち指示は、普通図柄の変動表示が当選態様で停止する前(普通図柄の停止時よりも、少なくとも普通図柄が停止表示する前に打ち出された遊技球が第2始動口52に到達するまでの時間だけ前)に表示を開始する一方で、第2始動口52としての普通電動役物522が閉鎖する前(普通電動役物522の閉止時よりも、少なくとも普通電動役物522が閉鎖する前に打ち出された遊技球が当該閉鎖前の普通電動役物522に到達するまでの時間だけ前)に表
示を終了する。それにより、遊技者は、遊技球を第2始動口52に実質的に入球させることのできる全期間をフルに活用して、遊技を進めることができる。ここで、前述の本実施形態では、遊技状態が通常状態であるときに、普通図柄の当否判定に当選した場合、普通電動役物522(第2始動口52)を極短時間(例えば0.2秒)だけ開放させるのに対し、本変形例では、遊技状態が通常状態であるときに、普通図柄の当否判定に当選した場合、普通電動役物522(第2始動口52)を相対的に長時間(例えば5秒間)だけ開放する仕様を採用することが好適である。このとき、通常状態における普通電動役物522の開放パターンを、常に長開放パターン(例えば、5秒間)のみが選択される構成としてもよいし、長開放パターン(例えば5秒間)と短開放パターン(例えば0.2秒間)との両方を用意しておき、特定の場合(例えば、普通図柄の停止図柄(当選図柄)を複数用意しておき、特定の停止図柄で当選した場合など)に限って長開放パターンが選択される構成としてもよい。また、通常状態においては、長開放パターンになる予定であるか否かを報知する演出を実行してもよい。その一例としては、画面上に「電チューロング開放!右方向に発射してね!」といった文字や画像を出現させる。更には、通常状態においては、長開放パターンが予定されているか否かを期待させるための示唆演出を実行してもよい。従って、第4変形例では、遊技状態が確変状態(入球容易状態)であるときは無論のこと、通常状態(非入球容易状態)であるときでも、遊技領域PAへ打ち出した遊技球を第2始動口52に入球させる遊技が高い頻度で実行可能である。なお、本変形例における左右非対称盤面として、(1)左側領域PA1に作動ゲート53を配置してもよく、また、(2)左側領域PA1及び右側領域PA2の双方に作動ゲート53を配置してもよい。更には、一般入賞口61〜63のいずれかをアウト口(いわゆるアウト玉が入球する穴)とし、このアウト口内に演出制御用の通過センサを設けて、遊技球が該通過センサにて検出されたことを契機として、賞球の払い出しを伴わないで、上記の本実施形態と同様の特別演出を実行する(特別演出実行条件が成立する)ように制御してもよい。
[第5変形例]
次に、本実施形態の第5変形例に係る遊技機について説明する。この第5変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の本実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、本変形例では、通常状態における入賞演出を適用しているが、確変状態における入賞演出に適用してもよい。
上述の本実施形態では、条件達成報知演出(メータ演出)として、遊技球が一般入賞口61〜63に1個入球する毎に、メータ画像のメータ数が「1」だけ増加する構成であったが、第5変形例では、遊技球が一般入賞口61〜63に1個入球したときのメータ数の増加分(増加なしを含む)を可変に設定する。本変形例では、遊技球が一般入賞口61〜63に入球したことを検出する左側一般入賞口スイッチ611の下流側に、遊技球を振り分け可能な演出用振分部材が配設される。
図示省略するが、演出用振分部材は、演出制御基板200の役物制御手段240により作動制御され、左側一般入賞口スイッチ611を通過してきた遊技球を、第1の流路(メータ数獲得流路)と第2の流路(非メータ数獲得流路)とに選択的に振り分ける。すなわち、演出用振分部材は、左側一般入賞口スイッチ611から流下した遊技球を、第1の流路(メータ数獲得流路)へ向けて導く第1位置と、第2の流路(非メータ数獲得流路)へ向けて導く第2位置との間で作動可能である。なお、演出用振分部材は、例えば遊技の進行状況や乱数抽選等により決定される作動パターンに従って、第1位置又は第2位置に作動する。ここで、遊技球がメータ数獲得流路へ送り出された場合は、所定のメータ数(例えば1目盛分)を獲得して、メータ画像のレベルを増加させることができる。一方、遊技球が非メータ数獲得流路へ送り出された場合は、所定のメータ数を獲得することができず、メータ画像のレベルは更新されない。具体的には、遊技球が左側一般入賞口スイッチ6
11にて検出されたときの演出用振分部材の作動位置(第1位置、第2位置)に応じて、該遊技球がいずれの流路を流下したかを判定する。また、少なくとも演出用振分部材を遊技機正面から視認可能にして、遊技球がメータ数獲得流路及び非メータ数獲得流路のいずれの流路に送り出されたのか、遊技者が判別できるように構成してもよい。ここで、遊技の進行状況に合わせて、メータ数獲得流路又は非メータ数獲得流路への遊技球の振り分けを変化させてもよい。例えば、低期待度演出(非リーチ演出など)が表示されている場合や、当否判定の結果が連続して「はずれ」となる回数が所定回数以上である場合、すなわち、大当りが発生せずに遊技者が遊技に退屈している状況では、メータ数獲得流路への振分頻度を高めて、特別演出実行条件を成立しやすくしてもよい。一方、高期待度演出(激熱リーチなど)が表示されている場合や、所定回数以上の連荘状態が続いている場合、すなわち、大当り発生への遊技者の期待感が持続している状況では、非メータ数獲得流路への振分頻度を高めて、特別演出実行条件を成立し難くしてもよい。なお、メータ数獲得流路への振分頻度が向上している場合、画面上に「今がチャンス!」や「メータ上昇準備中!」といった文字情報を表示することで、遊技者に対してメータ数を獲得し易くなっていることを報知してもよい。また、演出用振分部材によるメータ数の振り分けを、「0目盛分」及び「1目盛分」の振り分けではなく、「1目盛分」及び「複数目盛分」の振り分けにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を複数同時に備え、遊技状況や抽選等に基づき実施する構成を決めるもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。