JP6670660B2 - 減容処理装置及び減容処理方法 - Google Patents

減容処理装置及び減容処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6670660B2
JP6670660B2 JP2016076414A JP2016076414A JP6670660B2 JP 6670660 B2 JP6670660 B2 JP 6670660B2 JP 2016076414 A JP2016076414 A JP 2016076414A JP 2016076414 A JP2016076414 A JP 2016076414A JP 6670660 B2 JP6670660 B2 JP 6670660B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rod member
shearing
rod
radioactive waste
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016076414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017187385A (ja
Inventor
龍彦 石飛
龍彦 石飛
勇己 矢代
勇己 矢代
公彦 松尾
公彦 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2016076414A priority Critical patent/JP6670660B2/ja
Publication of JP2017187385A publication Critical patent/JP2017187385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6670660B2 publication Critical patent/JP6670660B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)

Description

本開示は、少なくとも1つのロッド部材を有する放射性廃棄物体を減容処理する減容処理装置及び減容処理方法に関する。
原子炉設備では、炉心から取り出された放射線量率の高い使用済燃料集合体は、例えば制御クラスタ集合体(RCCA)やバーナブルポイズン集合体(BPRA)等のような燃料内挿物組立体とともに、プール内の貯蔵ラックに収容される。ここで燃料内挿物組立体は、上部支持体(制御棒スパイダ)と、上部支持体から吊り下げられるように設けられた複数のロッド部材(制御棒)とを備えてなるが、このような放射性廃棄物体を処理する際に、ロッド部材のような長尺物については減容処理が必要とされている。
この種の放射性廃棄物体の減容処理に関する技術の一例として、特許文献1がある。この文献では、使用済燃料集合体のチャネルボックスを保管ラックから取り出し、ハウジング内に収容した状態でレーザ加工ヘッドから出力されるレーザ光によって接断することにより、チャネルボックスを減容している。これにより、ハウジング内でレーザ加工を行うことにより、プール内での水汚染やアシストガスの残りによる環境汚染を防止しながら、チャネルボックスの迅速な切断ができるとされている。
特許第2522576号公報
しかしながら特許文献1のようなレーザ加工を利用した減容処理では、レーザ加工ヘッド及び走査駆動部からなる水中レーザ加工手段、アシストガスの排ガス回収手段、及び水浄化手段の付帯設備が必要であるため、装置が大型化しやすく、設置スペースが限られた環境への導入が難しい。またレーザ加工では、少なからず水汚染が発生するため、より一層の低減が求められている。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、周辺汚染を抑制しながら、限られたスペースで放射線廃棄物体を効率的に減容可能な減容処理装置及び減容処理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る減容処理装置は、
少なくとも1つのロッド部材を有する放射性廃棄物体を減容処理する減容処理装置であって、
プール内の貯蔵ラックから取り出された前記放射性廃棄物体を内部に収容しながら搬送可能な搬送ユニットと、
前記搬送ユニットで搬送された前記放射性廃棄物体から分離された前記少なくとも1つのロッド部材を細断処理する細断ユニットと、
を備え、
前記搬送ユニットは、
前記貯蔵ラックに接続可能な下端部と、
前記下端部を介して前記貯蔵ラックから取り出された前記放射性廃棄物体を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容された前記放射性廃棄物体から前記少なくとも1つのロッド部材を剪断することにより分離する第1の剪断部と、
を備え、
前記細断ユニットは、
前記下端部に接続可能であり、前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を受け入れる受入部と、
前記受入部に受け入れられたロッド部材を固定する固定部と、
前記固定されたロッド部材を更に剪断する第2の剪断部と、
前記第2の剪断部で剪断されたロッド部材を収納する収納容器と、
を備える。
上記(1)の構成によれば、減容処理の対象となる放射性廃棄物体は、搬送ユニットの内部に収容された状態で細断ユニットに搬送されるため、外部に曝されることなく、減容処理が可能である。搬送ユニットに収容された放射性廃棄物体は、第1の剪断部によって剪断されることによりロッド部材が分離され、該分離されたロッド部材は、自重によって細断ユニットに受け入れられる。細断ユニットでは、受け入れられたロッド部材が固定部によって安定的に固定された状態で、第2の剪断部により更に剪断され、細断化される。細断化されたロッド部材は収納容器に収納される。
このように本構成では、周辺環境への汚染が極めて少ない剪断処理によって放射性廃棄物体を好適に減容することができる。また剪断処理は、例えばレーザ加工等に比べて周辺設備が小型で済むため、設置スペースも効果的に節約できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
前記第1の剪断部は、前記複数のロッド部材の少なくとも2つを同時に剪断する。
上記(2)の構成によれば、第1の剪断部で少なくとも2つのロッド部材を同時に剪断することで、細断ユニットにおける細断作業をより効率的に行うことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記細断ユニットは、同時に剪断された前記複数のロッド部材を整列するための整列機構を更に備え、
前記固定部は前記整列機構によって整列された前記複数のロッド部材を固定する。
上記(3)の構成によれば、第1の剪断部で同時に複数のロッド部材が剪断されることにより、細断ユニットに複数のロッド部材が受け入れられる際に、整列機構によって各ロッド部材が整列される。これにより、第2の剪断部で更に剪断される際に、各ロッド部材の姿勢を揃えることができるため、細断処理を好適に行うことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、軸対称に配置された複数のロッド部材を含み、
前記第1の剪断部は、前記複数のロッド部材のうち互いに対向する一対のロッド部材を同時に剪断するように構成されている。
上記(4)の構成によれば、第1の剪断部により同時に剪断される複数のロッド部材として、対向する一対のロッド部材を選択することで、剪断実施時に生じる衝撃を効果的に相殺できる。これにより、第1の剪断部による剪断作業時に搬送ユニットが衝撃によって振動することを効果的に抑制できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記搬送ユニットは、
前記貯蔵ラックに収容された前記放射性廃棄物体を掴むグリッパと、
前記グリッパを昇降させるグリッパ昇降駆動機構と、
を含み、
前記第1の剪断部は、前記グリッパを回転させながら、前記複数のロッド部材を順に剪断する。
上記(5)の構成によれば、第1の剪断部によるロッド部材の剪断を、グリッパを回転させながら順に行うことで、放射性廃棄物体から複数のロッド部材の分離を迅速に行うことができ、良好な作業効率が得られる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれか一つの構成において、
前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を前記受入部に導く第1のシュータと、
前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を前記受入部を迂回して前記収納容器に導く第2のシュータと、
前記第1のシュータ及び前記第2のシュータを切り替えるための切換機構と、
を備え、
前記切換機構は、前記少なくとも1つのロッド部材のうち長軸ロッド部材が前記第1のシュータに導かれ、前記長軸ロッド部材より短い短軸ロッド部材が前記第2のシュータに導かれるように切り換えられる。
上記(6)の構成によれば、第1の剪断部によって剪断されたロッド部材が、第2の剪断部で更に剪断を行うことで細断化する必要があるか否かに応じて、第1のシュータ及び第2のシュータを切換機構により切り換えることで、第1の剪断部によって剪断されたロッド部材の収納容器までの経路を可変としている。これにより、第2の剪断部による細断化が不要な短軸ロッド部材は、第2のシュータに導かれることにより、第2の剪断部を迂回して収納容器に導かれる。その結果、第2の剪断部の無駄な動作が回避されることによって動作頻度が抑えられ、全体の作業効率を向上できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)のいずれか一つの構成において、
前記第2の剪断部は、前記収納容器の水平幅より短くなるように前記ロッド部材を剪断する。
上記(7)の構成によれば、第2の剪断部によってロッド部材を収納容器の水平幅より短くなるように剪断することで、細断化されたロッド部材を寝かせた姿勢で、収納容器に収納できる。これにより、限られた容積を有する収容容器内に細断化されたロッド部材を効率的に収納でき、好適な減容化を達成できる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る減容処理方法は、
少なくとも1つのロッド部材を有する放射性廃棄物体を減容処理する減容処理方法であって、
搬送ユニットの下端部をプール内の貯蔵ラックに接続して、前記貯蔵ラックから前記放射性廃棄物体を取り出すことにより、前記搬送ユニットの内部に収容する収容工程と、
前記搬送ユニットを前記貯蔵ラックから分離して搬送し、前記下端部を細断ユニットに接続する搬送工程と、
前記搬送ユニットの内部に収容された前記放射性廃棄物体から前記少なくとも1つのロッド部材を剪断することにより分離する第1の剪断工程と、
前記分離されたロッド部材を前記細断ユニットで固定する固定工程と、
前記固定されたロッド部材を剪断する第2の剪断工程と、
前記剪断されたロッド部材を収納容器に収納する収納工程と、
を備える。
上記(8)の方法によれば、減容処理の対象となる放射性廃棄物体は、搬送ユニットの内部に収容された状態で細断ユニットに搬送されるため、外部に曝されることなく、減容処理が可能である。搬送ユニットに収容された放射性廃棄物体は、第1の剪断工程によって剪断されることによりロッド部材が分離され、該分離されたロッド部材は、自重によって細断ユニットに受け入れられる。細断ユニットでは、受け入れられたロッド部材が固定工程によって安定的に固定された状態で、第2の剪断工程により更に剪断され、細断化される。細断化されたロッド部材は収納容器に収納される。
このように本方法では、周辺環境への汚染が極めて少ない剪断処理によって放射性廃棄物体を好適に減容することができる。また剪断処理は、例えばレーザ加工等に比べて周辺設備が小型で済むため、設置スペースも効果的に節約できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の方法において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
前記第1の剪断工程では、前記複数のロッド部材のうち少なくとも2つを同時に剪断し、
前記同時に剪断されたロッド部材を鉛直方向に沿って整列させる整列工程を更に備え、
前記固定工程では、前記整列されたロッド部材をそれぞれ固定する。
上記(9)の方法によれば、第1の剪断工程で少なくとも2つのロッド部材を同時に剪断することで、細断ユニットにおける細断作業をより効率的に行うことができる。また、第1の剪断工程で同時に複数のロッド部材が剪断されることにより、細断ユニットに複数のロッド部材が受け入れられる際に、整列工程によって各ロッド部材が整列される。これにより、第2の剪断工程で更に剪断される際に、各ロッド部材の姿勢を揃えることができるため、細断処理を好適に行うことができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)の方法において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、軸対称に配置された複数のロッド部材を含み、
前記第1の剪断工程は、前記複数のロッド部材のうち互いに対向する一対のロッド部材を同時に剪断する。
上記(10)の方法によれば、第1の剪断工程により同時に剪断される複数のロッド部材として、対向する一対のロッド部材を選択することで、剪断実施時に生じる衝撃を効果的に相殺できる。これにより、第1の剪断工程による剪断作業時に搬送ユニットが衝撃によって振動することを効果的に抑制できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(8)から(10)のいずれか一つの方法において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
前記第1の剪断工程は、前記放射性廃棄物体を回転させながら前記複数のロッド部材を順に剪断する。
上記(11)の方法によれば、第1の剪断工程によるロッド部材の剪断を、放射性廃棄物体を回転させながら順に行うことで、放射性廃棄物体から複数のロッド部材の分離を迅速に行うことができ、良好な作業効率が得られる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(8)から(11)のいずれか一つの方法において、
前記少なくとも1つのロッド部材は、長軸ロッド部材、及び、前記長軸ロッド部材より短い短軸ロッド部材を含み、
前記短軸ロッド部材は第2の剪断工程で剪断されることなく前記収納容器に収納される。
上記(12)の方法によれば、第2の剪断工程による細断化が不要な短軸ロッド部材は、第2の剪断工程で剪断されることなく収納容器に収容される。その結果、第2の剪断工程の無駄な動作が回避されることによって動作頻度が抑えられ、全体の作業効率を向上できる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(8)から(12)のいずれか一つの方法において、
前記第2の剪断工程では、前記収納容器の水平幅より短くなるように前記ロッド部材が剪断される。
上記(13)の方法によれば、第2の剪断工程によってロッド部材を収納容器の水平幅より短くなるように剪断することで、細断化されたロッド部材を寝かせた姿勢で、収納容器に収納できる。これにより、限られた容積を有する収容容器内に細断化されたロッド部材を効率的に収納でき、好適な減容化を達成できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、限られたスペースで燃料内挿物組立体を効率的に減容できる。
本発明の一実施形態に係る減容処理装置で減容処理される放射性廃棄物体Aを概略的に示す斜視図である。 図1の放射性廃棄物体が使用済燃料とともに収容された貯蔵ラックの保管状況を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る減容処理装置の搬送ユニットが貯蔵ラックに接続された状態を示す模式図である。 図3の搬送ユニットが細断ユニットと接続された状態を示す模式図である。 図2の第1の剪断部がロッド部材を剪断分離する様子を側方から概略的に示す図である。 図5に示した第1の剪断部の横断面図である。 図4に示した整列機構を概略的に示す図である。 図4に示した細断ユニットの詳細を示す図である。 図8に示した受入部、固定部及び第2の剪断部を詳細に示す図である。 図9に示した受入部、固定部及び第2の剪断部の動作を説明するための図である。 図9に示した受入部、固定部及び第2の剪断部の動作を説明するための図である。 図9に示した受入部、固定部及び第2の剪断部の動作を説明するための図である。 図4に示した細断ユニットから取り出された収納容器の貯蔵搬送ユニットを示す図である。 図4に示した細断ユニットから取り出された収納容器を貯蔵する貯蔵ラックを示す図である。 貯蔵ラックRに収納された収納容器及びその内容物を示す図である。 本発明の一実施形態に係る減容処理方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る減容処理方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
はじめに図1を参照して、本発明の少なくとも一実施形態に係る減容処理装置1によって減容処理が実施される対象である放射性廃棄物体Aについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る減容処理装置1で減容処理される放射性廃棄物体Aを概略的に示す斜視図であり、図2は図1の放射性廃棄物体Aが使用済燃料とともに収容された貯蔵ラックRの保管状況を示す模式図である。
図1に示すように、少なくとも1つのロッド部材Lを有する放射性廃棄物体Aは、例えば、原子炉において、燃料集合体に挿入して使用される制御クラスタ集合体(RCCA)やバーナブルポイズン集合体(BPRA)に代表される燃料内挿物組立体である。
放射性廃棄物体Aは、上部支持体(制御棒スパイダ)Sと、上部支持体Sに吊り下げられた複数のロッド部材(制御棒)Lとから構成されている。上部支持体Sは、軸部S1と、軸部S1から軸部S1の径方向に放射状に張り出す支持部S2とから構成されている。軸部S1には後述するグリッパ24(グリッパヘッド241)が挿入可能な軸穴S1aが軸方向に沿って開口するように設けられ、支持部S2には複数のロッド部材Lが軸部S1を中心として対称(軸対称)に配置され、該複数のロッド部材Lが等間隔に吊り下げられている。
複数のロッド部材Lは、例えば、ステンレス製の管L1に制御材(中性子吸収材)L2が充填され、その上端部L3は中実に構成されている(図5参照)。尚、図1では、複数のロッド部材Lとして共通の長さを有する複数の長軸ロッド部材が例示されているが、このような長軸ロッド部材だけでなく、長軸ロッド部材より短尺な短軸ロッド部材が含まれていてもよい。
図2に示すように、放射性廃棄物体Aは、貯蔵ラックRに使用済燃料とともに貯蔵された状態で、冷却用のプール内に保管されている。プールPは、例えば、原子炉の炉心から取り出された使用済燃料を保管・冷却するための使用済燃料プールであり、原子炉建屋内に設けられている。プールPは、放射性廃棄物体Aから放出される強い放射能を遮蔽(水遮蔽)するために十分な水深を有している。例えば、使用済燃料貯蔵プールの水深は、12メートル強である。
続いて上述の放射性廃棄物体Aを減容処理するために使用される、本発明の少なくとも一実施形態に係る減容処理装置1の構成について説明する。図3は本発明の少なくとも一実施形態に係る減容処理装置1の搬送ユニット2が貯蔵ラックRに接続された状態を示す模式図であり、図4は図3の搬送ユニット2が細断ユニット3と接続された状態を示す模式図である。
減容処理装置1は、搬送ユニット2と、細断ユニット3とを備える。搬送ユニット2は、プールP内の貯蔵ラックRから取り出された放射性廃棄物体Aを内部に収容した状態で搬送するためのユニットであり、細断ユニット3は、搬送ユニット2で搬送された放射性廃棄物体Aから分離された少なくとも1つのロッド部材Lを細断処理するためのユニットである。
搬送ユニット2は、図3に示されるように、貯蔵ラックRの上端部近傍に設置された設置ガイド(スペーサ)Gを介して接続可能に構成されている。設置ガイドGは、搬送ユニット2を貯蔵ラックRに接続するためのインターフェイスであり、例えば図2に示されるように、プールPの縁に設けられたデッキDからオペレータOPが設置ガイドGに接続された綿ロープROを操作することで、貯蔵ラックR上の所定位置に予め吊り込み設置される。
搬送ユニット2は、その上部がクレーン装置26によって吊り下げ支持されることにより、サイト内を任意に移動可能に構成されている。搬送ユニット2には、後述するように、その内部に放射性廃棄物体Aを収納することができるように構成されており、放射性廃棄物体Aを収納した状態で移動することにより、放射性廃棄物体Aを細断ユニット3まで搬送可能に構成されている。
搬送ユニット2は、下端部21、収容部22及び第1の剪断部23を備える。下端部21は、貯蔵ラックRに設置された設置ガイドGを介して接続可能に構成されている。収容部22は、搬送ユニット2が設置ガイドGを介して貯蔵ラックRに接続された際に、下端部21を介して貯蔵ラックRから取り出された放射性廃棄物体Aを収容可能に構成されている。下端部21及び収容部22は、放射性廃棄物体Aの全体を収容するために必要な容積を有する内部空間が形成されるように角筒状の下部フレーム42で構成されている。これにより、搬送ユニット2は、収容部22に取り込まれた放射性廃棄物体Aを外部から隔離した状態で搬送可能に構成されている。
収容部22の内部には、グリッパ24、グリッパ昇降駆動機構25、及び、ガイドレール431が設けられている。グリッパ24は、搬送ユニット2が設置ガイドGを介して貯蔵ラックRに接続された際に、貯蔵ラック内に収容されている放射性廃棄物体Aを掴みながら、グリッパ昇降駆動機構25によってガイドレール431上を上下方向に沿って移動可能に構成されている。
尚、ガイドレール431上にはグリッパ24をガイドするための複数のグリッパガイド432が設けられている。グリッパガイド432は、ガイドレール431に等間隔に複数(例えば、8本程度)取り付けられている。グリッパガイド432は、例えば、車輪で構成され、グリッパ24(後述するシャフト243)を支持し、グリッパ24が昇降する際のガイドとなる。
グリッパ24は、グリッパヘッド241、グリッパクランプ242、及びシャフト243を有している。グリッパヘッド241は、放射性廃棄物体Aの上端を掴む(グリップする)ための部分であり、グリッパ24の下部部分を占めている。グリッパヘッド241は、放射性廃棄物体Aの軸部S1に設けられた軸穴S1aに挿入され、放射性廃棄物体A(上部支持体S)の上端部がグリッパヘッド241に連結される。グリッパクランプ242は、放射性廃棄物体A(上部支持体S)の上端部を掴んで該放射性廃棄物体Aを収容部22に収容したグリッパ24をその状態で保持する(クランプする)ための部分であり、グリッパ24の中央部部分を占めている。シャフト243は、グリッパ24を昇降可能に支持するための部分であり、グリッパ24の上部部分を占めている。
グリッパ昇降駆動機構25は、原動機251、原動機251で駆動されるワイヤリール252及びワイヤリール252に巻き付けられたワイヤ253を含んで構成されている。ワイヤ253は、グリッパ24のシャフト243の上端に連結され、原動機251でワイヤリール252を駆動してワイヤ253を巻き上げるとグリッパ24が上昇し、ワイヤリール252を回転させてワイヤリール252からワイヤ253を繰り出すとグリッパ24が下降する。
これにより、グリッパ24が貯蔵ラックRに収容された放射性廃棄物体Aを掴んだ状態で、原動機251でワイヤリール252を駆動してワイヤ253を巻き上げると、グリッパ24とともに放射性廃棄物体Aが上昇し、放射性廃棄物体Aが収容部22に収容される。
第1の剪断部23は、収容部22に収容された放射性廃棄物体Aから少なくとも1つのロッド部材Lを剪断し、放射性廃棄物体Aから該少なくとも1つのロッド部材Lを分離するように構成されている。このような第1の剪断部23による剪断作業は、図4に示されるように、搬送ユニット2が細断ユニット3に接続された状態で行われる。第1の剪断部23で分離されたロッド部材Lは、自重で落下することにより搬送ユニット2の下端部21を通過し、該下端部21に接続された細断ユニット3に受け渡される。
ここで図5は図2の第1の剪断部23がロッド部材Lを剪断分離する様子を側方から概略的に示す図であり、図6は図5に示した第1の剪断部23の横断面図である。
第1の剪断部23は、水平方向に対向するように配置された少なくとも一対の固定刃44及び可動刃45を有する。固定刃44及び可動刃45は、放射性廃棄物体Aが有するロッド部材Lの両側に配置されており、それぞれ鋭利な先端を有している。そして、不図示のアクチュエータによって可動刃45が固定刃44に向けて駆動されることにより、ロッド部材Lが径方向に沿って剪断されるように構成されている。
本実施形態に係る第1の剪断部23は、図6に示すように、複数のロッド部材Lの少なくとも2つを同時に剪断するように、固定刃44及び可動刃45が配置されている。これにより、第1の剪断部23で複数のロッド部材Lを同時に効率的に剪断できる。
特に本実施形態では、固定刃44及び可動刃45は、複数のロッド部材Lのうち軸対象に配置され互いに対向する一対のロッド部材Lを同時に切断するように配置されている。このように、第1の剪断部23により同時に剪断される複数のロッド部材Lとして、対向する一対のロッド部材Lを選択することで、剪断実施時に生じる衝撃を効果的に相殺できる。これにより、第1の剪断部23による剪断作業時に搬送ユニット2が衝撃によって振動することを効果的に抑制できる。
本実施形態ではグリッパ24は、グリッパ24で放射性廃棄物体Aを掴んだ状態で、放射性廃棄物体Aの中心軸を基準にアクチュエータ(不図示)からの駆動力によって旋回可能に構成されている。第1の剪断部23は、グリッパ24で掴んだ放射性廃棄物体Aに対して一対のロッド部材Lを剪断した後、グリッパ24を回転させることにより隣接する他の一対のロッド部材Lを順に剪断する。このように第1の剪断部23によるロッド部材Lの剪断を、グリッパ24を回転させながら順に行うことで、放射性廃棄物体Aから複数のロッド部材Lの分離を迅速に行うことができ、良好な作業効率が得られる。
続いて図4を参照して、細断ユニット3の構成について説明する。細断ユニット3はプール内の貯蔵ラックRから離れた底部に固定的に設置されており、その上部がクレーン装置26によって搬送された搬送ユニット2の下端部21に対して接続可能に構成されている。
細断ユニット3は、受入部31、固定部32、第2の剪断部33及び収納容器34を備える。受入部31は、上述したように搬送ユニット2の第1の剪断部23で剪断されることで分離されたロッド部材Lを受け入れるように構成されている。本実施形態では特に、受入部31は、第1の剪断部23で剪断されて自重落下するロッド部材Lを整列させるための整列機構38を備える。整列機構38は、横断面が矩形であって、上方から下方に向けて横断面積が漸次(徐々に)小さくなる漏斗状に形成されている。そのため、第1の剪断部23で剪断されて自重落下するロッド部材Lは、整列機構を通過することにより姿勢が揃えられる。
また整列機構38は、図7に示されるように、例えば、整列機構38の下方側横断面の対向する二辺のそれぞれの略中央に直交するように設けられた一対のピストンシリンダ381と、整列機構38の上方側開口の対向する二辺のそれぞれの略中央に直交するように設けられた二対のピストンシリンダ382と、を備える。ピストンシリンダ381及び382は、それぞれ不図示のアクチュエータにより軸方向に沿って往復動されることにより、整列機構38に自重落下することで姿勢がおおまかに整えられたロッド部材の姿勢を、更に好適なものに調整する。
特に第1の剪断部23で複数のロッド部材Lが剪断される場合、これらのロッド部材Lが自重落下する際に周辺部材との衝突等によって各々の姿勢にバラツキが生じやすいが、このような整列機構38によって整列されることにより所定の姿勢に揃えるため、後述の細断化処理を好適に実施できる。
尚、第1の剪断部23で単一のロッド部材Lを剪断した場合においても、整列機構38によって同様にロッド部材Lの姿勢を揃えられることは当然である。
固定部32は、受入部31に受け入れられたロッド部材Lを固定するための機構を備えており、例えば不図示のアクチュエータによって可動なシリンダ機構からなる。固定部32は、受入部31にロッド部材Lが受け入れられた際にロッド部材Lの姿勢を固定することにより、受入部31に受け入れられたロッド部材は安定的に固定された状態で、後述の第2の剪断部33により更に剪断され、細断化される。
第2の剪断部33は、受入部31に受け入れられ、固定部32で固定されたロッド部材Lを更に剪断するように構成され、収納容器34は、第2の剪断部33で剪断されたロッド部材Lを収納するように構成されている。
つぎに図8を参照し、細断ユニット3を更に詳細に説明する。ここで図8は図4に示した細断ユニット3の詳細を示す図である。
図8に示すように、幾つかの実施形態に係る細断ユニット3は、第1のシュータ35、第2のシュータ36、及び切換機構37を備えている。
第2のシュータ36は、第1の剪断部23で放射性廃棄物体Aから剪断され、放射性廃棄物体Aから分離されたロッド部材Lを迂回して収納容器34に導くように構成されている。第2のシュータ36は、シンブルプラグ等の長軸ロッド部材Lよりも短いロッド部材(短軸ロッド部材(不図示))を収納容器34に導くためのものであり、第1のシュータ35の外側に設けられている。
切換機構37は、第1のシュータ35及び第2のシュータ36を切り換えるためのものであり、少なくとも1つのロッド部材Lのうち長軸ロッド部材が第1のシュータに導かれ、長軸ロッド部材より短い短軸ロッド部材が第2のシュータ36に導かれるように切り換えられる。
上述した幾つかの実施形態に係る細断ユニット3によれば、第1の剪断部23によって剪断されたロッド部材Lが、第2の剪断部33で更に剪断を行うことで細断化する必要があるか否かに応じて、第1のシュータ35及び第2のシュータ36を切換機構37により切り換えることで、第1の剪断部23によって剪断されたロッド部材Lの収納容器34までの経路を可変としている。これにより、第2の剪断部33による細断化が不要な短軸ロッド部材は、第2のシュータ36に導かれることにより、第2の剪断部33を迂回して収納容器34に導かれる。その結果、第2の剪断部33の無駄な動作が回避されることによって動作頻度が抑えられ、全体の作業効率を向上できる。
幾つかの実施形態に係る第2の剪断部33は、収納容器34の水平幅より短くなるようにロッド部材Lを剪断するように構成されている(図9参照)。
上述した幾つかの実施形態に係る第2の剪断部33によれば、第2の剪断部33によってロッド部材Lを収納容器34の水平幅より短くなるように剪断することで、細断化されたロッド部材Lを寝かせた姿勢で、収納容器34に収納できる(図12参照)。これにより、限られた容積を有する収納容器34内に細断化されたロッド部材Lを効率的に収納でき、好適な減容化を達成できる。
つぎに、図9を参照し、受入部31、固定部32及び第2の剪断部33を詳細に説明する。ここで図9は、図8に示し受入部31、固定部32及び第2の剪断部33を詳細に示す図である。
図9に示すように、幾つかの実施形態に係る細断ユニット3は、受入部31を構成するロッドガイド311、固定部32を構成するロッドプッシャ321、第2の剪断部33を構成する固定刃331及び可動刃332のほかに、ロッド部材Lを一時停止させるストッパ391を備えている。
ロッドガイド311は、第1のシュータ35を通り導かれたロッド部材L(長軸ロッド部材)を第2の剪断部33に導くためのものであり、ロッド部材Lが通る通路が設けられている。また、ロッドガイド311は、通路を挟んで対向するように一対のガイド面が設けられ、ロッドガイド311の下端部に通路出口となるゲートが設けられている。
ロッドプッシャ321は、第2の剪断部33(可動刃332)の直上となる位置に設けられている。ロッドプッシャ321は、ロッドガイド311に設けられた通路を通るロッド部材を拘束するように、ロッドガイド311に設けられた通路に進退可能である。ロッドプッシャ321は、ロッド拘束用シリンダ322で作動され、ロッドプッシャ321が任意のタイミングで進退するように構成されている。
固定刃331は、ロッドガイド311に設けられた通路の中程に固定され、可動刃332は、通路を挟んで固定刃331と対向する位置に設けられている。可動刃332は、ロッド剪断用シリンダ333で作動され、可動刃332が固定刃331に対して任意のタイミングで進退するように構成されている。
ストッパ391は、ロッドガイド311の下端部に設けられている。ここで、固定刃331からストッパ391までの長さは、ロッド部材Lの剪断長さとなるので、収納容器34の水平幅より短くなるように設定されている。
ストッパ391は、ゲートを開閉するように、ロッドガイド311に設けられた通路に進退可能である。ストッパ391は、ロッドゲートシリンダ392により作動され、ストッパ391がゲートを任意のタイミングで開閉するように進退可能に構成されている。
つぎに、図10から図12を参照し、受入部31、固定部32及び第2の剪断部33の動作を説明する。ここで図10から図12は、図9に示した受入部31、固定部32及び第2の剪断部33の動作を説明するための説明図である。
上述した幾つかの実施形態に係る細断ユニット3は、ストッパ391が進出し、ロッドガイド311に設けられたゲートを閉鎖した状態で、第1のシュータ35を通り導かれたロッド部材Lをロッドガイド311に設けられた通路に受け入れる(図9参照)。
つぎに、ロッド拘束用シリンダ322が作動され、図10に示すように、ロッドプッシャ321がロッドガイド311に設けられた通路に進出し、ロッドプッシャ321がロッド部材Lをロッドガイド311に設けられたガイド面に押し付ける。これにより、ロッド部材Lはロッドガイド311に設けられたガイド面とロッドプッシャ321に拘束される。
つぎに、ロッドゲートシリンダ392が作動され、ストッパ391が退去し、ロッドガイド311に設けられたゲートが開放される。
つぎに、ロッド剪断用シリンダ333が作動され、可動刃332が固定刃331に対して進出し、図11に示すように、ロッド部材Lを剪断(細断)する。これにより細断されたロッド部材LBは、ロッド部材Lから分離され、収納容器34内に収納される。
つぎに、ロッドゲートシリンダ392が作動され、図12に示すように、ストッパ391が進出し、ロッドガイド311に設けられたゲートが閉鎖される。つぎに、ロッド拘束用シリンダ322が作動され、ロッドプッシャ321がロッドガイド311に設けられた通路から退去する。これにより、ロッド部材Lが開放され、ロッド部材Lが自重によってストッパ391まで落下する。
以下、この動作を繰り返すことにより、ロッド部材Lが剪断(細断)され、細断されたロッド部材LBが収納容器34内に収納される。
そして、収納容器34には一体分の放射性廃棄物体Aから分離され、細断されたロッド部材LBが収容され、その上に、残りの上部支持体Sが収納される。
幾つかの実施形態に係る減容処理装置1では、一体分の放射性廃棄物体Aが1つの収納容器34に収納される。例えば、放射性廃棄物体Aが貯蔵ラックRに占める容積に対して収納容器34の体積は4分の1であり、放射性廃棄物体Aは4分の1まで減容することができる。
尚、収納容器の容量は、一体分の放射性廃棄物体Aを収納しても空間が残るように設定されるが、一体分の放射性廃棄物体Aを減容するとその分だけ放射線量が高まることを考慮したものであり、放射線量を考慮しなければさらなる減容が可能である。
幾つかの実施形態に係る収納容器34は、プールP内の貯蔵ラックRに収納可能な大きさに設定される(図14参照)。このようにすれば、減容され、収納容器34に収納された放射性廃棄物体Aの仮保管が可能となり、収納容器34を保管するための貯蔵ラックを設ける必要がない。
上述した幾つかの実施形態に係る減容処理装置1によれば、減容処理の対象となる放射性廃棄物体Aは、搬送ユニット2の内部に収容された状態で細断ユニット3に搬送されるため、外部に曝されることなく、減容処理が可能である。搬送ユニット2に収容された放射性廃棄物体Aは、第1の剪断部23によって剪断されることによりロッド部材Lが分離され、該分離されたロッド部材Lは、自重によって細断ユニット3に受け入れられる。細断ユニット3では、受け入れられたロッド部材Lが固定部32によって安定的に固定された状態で、第2の剪断部33により更に剪断され、細断化される。細断化されたロッド部材Lは収納容器34に収納される。
このように本装置では、周辺環境への汚染が極めて少ない剪断処理によって放射性廃棄物体Aを好適に減容することができる。また剪断処理は、例えばレーザ加工等に比べて周辺設備が小型で済むため、設置スペースも効果的に節約できる。
図13は、図4に示した細断ユニット3から取り出された収納容器34の貯蔵搬送ユニット6を示す図であり、図14は、図4に示した細断ユニット3から取り出された収納容器34を貯蔵する貯蔵ラックRを示す図である。図15は、貯蔵ラックRに収納された収納容器34及びその内容物を示す図である。
図13に示すように、幾つかの実施形態に係る細断ユニット3は、その側方に収納容器34を搬出する搬出装置5を備えており、側方に搬出された収納容器34は、貯蔵搬送ユニット6で貯蔵ラックRに搬送される。
貯蔵搬送ユニット6は、収納容器34を掴むクランプ61と、クランプ61に接続されたワイヤ62を巻き上げるウインチ63とを備えている。
図13に示すように、細断ユニット3が側方に搬出した収納容器34は、貯蔵搬送ユニットで吊り上げられ、図14に示すように、プール内の貯蔵ラックRに搬送され、貯蔵ラックR内に収容される。
上述したように、放射性廃棄物体Aが貯蔵ラックRに占める容積に対して収納容器34の体積が4分の1の場合には、図15に示すように、一体分の放射性廃棄物体Aの収納空間に4つの収納容器34が収納される。
図16及び図17は、本発明の一実施形態に係る減容処理方法を示すフローチャートである。
図16に示すように、幾つかの実施形態に係る減容処理方法は、少なくとも1つのロッド部材Lを有する放射性廃棄物体Aを減容処理する減容処理方法である。
図16に示すように、幾つかの実施形態に係る減容処理方法は、収容工程(ステップS1)、搬送工程(ステップS3)、第1の剪断工程(ステップS5)、固定工程(ステップS7)、第2の剪断工程(ステップS9)、及び収納工程(ステップS11)を備えている。
収容工程(ステップS1)は、搬送ユニット2の下端部21をプールP内の貯蔵ラックRに接続して、貯蔵ラックRから放射性廃棄物体Aを取り出すことにより、搬送ユニット2の内部に収容する工程であり(図3参照)、搬送工程(ステップS3)は、搬送ユニット2を貯蔵ラックRから分離して搬送し、下端部21を細断ユニット3に接続する工程である(図4参照)。第1の剪断工程(ステップS5)は、搬送ユニット2の内部に収容された放射性廃棄物体Aから少なくとも1つのロッド部材Lを剪断することにより、放射性廃棄物体Aから該少なくとも1つのロッド部材Lを分離する工程である。固定工程(ステップS7)は、放射性廃棄物体Aから分離されたロッド部材Lを細断ユニット3で固定する工程であり、第2の剪断工程(ステップS9)は、固定工程(ステップS7)で固定されたロッド部材Lを剪断する工程である。そして、収納工程(ステップS11)は、剪断されたロッド部材Lを収納容器34に収納する工程である。
上述した幾つかの実施形態に係る減容処理方法によれば、減容処理の対象となる放射性廃棄物体Aは、搬送ユニット2の内部に収容された状態で細断ユニット3に搬送されるため、外部に曝されることなく、減容処理が可能である。搬送ユニット2に収容された放射性廃棄物体Aは、第1の剪断工程(ステップS5)によって剪断されることによりロッド部材Lが分離され、該分離されたロッド部材Lは、自重によって細断ユニット3に受け入れられる。細断ユニット3では、受け入れられたロッド部材Lが固定工程によって安定的に固定された状態で、第2の剪断工程により更に剪断され、細断化される。細断化されたロッド部材Lは収納容器34に収納される。
このように本方法では、周辺環境への汚染が極めて少ない剪断処理によって放射性廃棄物体Aを好適に減容することができる。また剪断処理は、例えばレーザ加工等に比べて周辺設備が小型で済むため、設置スペースも効果的に節約できる。
図17に示すように、幾つかの実施形態に係る減容処理方法は、第1の剪断工程(ステップS5)と固定工程(ステップS7)との間に整列工程(ステップS6)を更に備えている。整列工程(ステップS6)は、第1の剪断工程(ステップS5)で同時に剪断されたロッド部材Lを鉛直方向に沿って整列させる工程であり(図8参照)、固定工程(ステップS7)では、整列工程(ステップS6)で整列されたロッド部材Lをそれぞれ固定する。
上述した幾つかの実施形態に係る減容処理方法によれば、第1の剪断工程(ステップS5)で同時に複数のロッド部材Lが剪断されることにより、細断ユニット3に複数のロッド部材Lが受け入れられる際に、整列工程(ステップS6)によって各ロッド部材Lが整列される。これにより、第2の剪断工程(ステップS9)で更に剪断される際に、各ロッド部材Lの姿勢を揃えることができるため、細断処理を好適に行うことができる。
幾つかの実施形態に係る減容処理方法では、短軸ロッド部材Lは第2の剪断工程(ステップS9)で剪断されることなく収納容器34に収納される。
上述した幾つかの実施形態に係る減容処理方法によれば、第2の剪断工程(ステップS9)による細断化が不要な短軸ロッド部材Lは、第2の剪断工程(ステップS9)で剪断されることなく収納容器34に収容される。その結果、第2の剪断工程(ステップS9)の無駄な動作が回避されることによって動作頻度が抑えられ、全体の作業効率を向上できる。
幾つかの実施の形態に係る第1の剪断工程では、複数のロッド部材Lのうち少なくとも2つを同時に剪断する。
上述した幾つかの実施形態に係る第1の剪断工程によれば、第1の剪断工程(ステップS5)で少なくとも2つのロッド部材Lを同時に剪断することで、細断ユニット3における細断作業をより効率的に行うことができる。
幾つかの実施形態に係る第1の剪断工程(ステップS5)では、複数のロッド部材Lのうち互いに対向する一対のロッド部材Lを同時に剪断する。
上述した幾つかの実施形態に係る第1の剪断工程(ステップS5)によれば、第1の剪断工程(ステップS5)により同時に剪断される複数のロッド部材Lとして、対向する一対のロッド部材Lを選択することで、剪断実施時に生じる衝撃を効果的に相殺できる。これにより、第1の剪断工程(ステップS5)による剪断作業時に搬送ユニット2が衝撃によって振動することを効果的に抑制できる。
幾つかの実施形態に係る第1の剪断工程(ステップS5)では、放射性廃棄物体Aを回転させながら複数のロッド部材Lを順に剪断する。
上述した幾つかの実施形態に係る第1の剪断工程(ステップS5)によれば、第1の剪断工程(ステップS5)によるロッド部材Lの剪断を、放射性廃棄物体Aを回転させながら順に行うことで、放射性廃棄物体Aから複数のロッド部材Lの分離を迅速に行うことができ、良好な作業効率が得られる。
幾つかの実施形態に係る第2の剪断工程(ステップS9)では、収納容器34の水平幅より短くなるようにロッド部材Lが剪断される。
上述した幾つかの実施形態に係る第2の剪断工程(ステップS9)によれば、第2の剪断工程(ステップS9)によってロッド部材Lを収納容器34の水平幅より短くなるように剪断することで、細断化されたロッド部材Lを寝かせた姿勢で、収納容器34に収納できる。これにより、限られた容積を有する収納容器内に細断化されたロッド部材Lを効率的に収納でき、好適な減容化を達成できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含まれる。
1 減容処理装置
2 搬送ユニット
21 下端部
22 収容部
23 第1の剪断部
24 グリッパ
241 グリッパヘッド
242 グリッパクランプ
243 シャフト
25 グリッパ昇降駆動機構
251 原動機
252 ワイヤリール
253 ワイヤ
26 クレーン装置
3 細断ユニット
31 受入部
311 ロッドガイド
32 固定部
321 ロッドプッシャ
322 ロッド拘束用シリンダ
33 第2の剪断部
331 固定刃
332 可動刃
333 ロッド剪断用シリンダ
34 収納容器
35 第1のシュータ
36 第2のシュータ
37 切換機構
38 整列機構
381 ピストンシリンダ
382 ピストンシリンダ
391 ストッパ
392 ロッドゲートシリンダ
42 下部フレーム
431 ガイドレール
432 グリッパガイド
44 固定刃
45 可動刃
5 搬出装置
6 貯蔵搬送ユニット
61 クランプ
62 ワイヤ
63 ウインチ
A 放射性廃棄物体
S 上部支持体
S1 軸部
S1a 軸穴
S2 支持部
L ロッド部材
L1 管
L2 制御材(中性子吸収材)
L3 上端部
LB 細断されたロッド部材
P プール
R 貯蔵ラック
D デッキ
OP オペレータ
RO 綿ロープ
G 設置ガイド

Claims (13)

  1. 少なくとも1つのロッド部材を有する放射性廃棄物体を減容処理する減容処理装置であって、
    プール内の貯蔵ラックから取り出された前記放射性廃棄物体を内部に収容しながら搬送可能な搬送ユニットと、
    前記搬送ユニットで搬送された前記放射性廃棄物体から分離された前記少なくとも1つのロッド部材を細断処理する細断ユニットと、
    を備え、
    前記搬送ユニットは、
    前記貯蔵ラックに接続可能な下端部と、
    前記下端部を介して前記貯蔵ラックから取り出された前記放射性廃棄物体を収容可能な収容部と、
    前記収容部に収容された前記放射性廃棄物体から前記少なくとも1つのロッド部材を剪断することにより分離する第1の剪断部と、
    を備え、
    前記細断ユニットは、
    前記下端部に接続可能であり、前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を受け入れる受入部と、
    前記受入部に受け入れられたロッド部材を固定する固定部と、
    前記固定されたロッド部材を更に剪断する第2の剪断部と、
    前記第2の剪断部で剪断されたロッド部材を収納する収納容器と、
    を備えることを特徴とする減容処理装置。
  2. 前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
    前記第1の剪断部は、前記複数のロッド部材の少なくとも2つを同時に剪断することを特徴とする請求項1に記載の減容処理装置。
  3. 前記細断ユニットは、同時に剪断された前記複数のロッド部材を整列するための整列機構を更に備え、
    前記固定部は前記整列機構によって整列された前記複数のロッド部材を固定することを特徴とする請求項2に記載の減容処理装置。
  4. 前記少なくとも1つのロッド部材は、軸対称に配置された複数のロッド部材を含み、
    前記第1の剪断部は、前記複数のロッド部材のうち互いに対向する一対のロッド部材を同時に剪断するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の減容処理装置。
  5. 前記搬送ユニットは、
    前記貯蔵ラックに収容された前記放射性廃棄物体を掴むグリッパと、
    前記グリッパを昇降させるグリッパ昇降駆動機構と、
    を含み、
    前記第1の剪断部は、前記グリッパを回転させながら、前記複数のロッド部材を順に剪断することを特徴とする請求項4に記載の減容処理装置。
  6. 前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を前記受入部に導く第1のシュータと、
    前記第1の剪断部で分離されたロッド部材を前記受入部を迂回して前記収納容器に導く第2のシュータと、
    前記第1のシュータ及び前記第2のシュータを切り替えるための切換機構と、
    を備え、
    前記切換機構は、前記少なくとも1つのロッド部材のうち長軸ロッド部材が前記第1のシュータに導かれ、前記長軸ロッド部材より短い短軸ロッド部材が前記第2のシュータに導かれるように切り換えられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の減容処理装置。
  7. 前記第2の剪断部は、前記収納容器の水平幅より短くなるように前記ロッド部材を剪断することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の減容処理装置。
  8. 少なくとも1つのロッド部材を有する放射性廃棄物体を減容処理する減容処理方法であって、
    搬送ユニットの下端部をプール内の貯蔵ラックに接続して、前記貯蔵ラックから前記放射性廃棄物体を取り出すことにより、前記搬送ユニットの内部に収容する収容工程と、
    前記搬送ユニットを前記貯蔵ラックから分離して搬送し、前記下端部を細断ユニットに接続する搬送工程と、
    前記搬送ユニットの内部に収容された前記放射性廃棄物体から前記少なくとも1つのロッド部材を剪断することにより分離する第1の剪断工程と、
    前記分離されたロッド部材を前記細断ユニットで固定する固定工程と、
    前記固定されたロッド部材を剪断する第2の剪断工程と、
    前記剪断されたロッド部材を収納容器に収納する収納工程と、
    を備えることを特徴とする減容処理方法。
  9. 前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
    前記第1の剪断工程では、前記複数のロッド部材のうち少なくとも2つを同時に剪断し、
    前記同時に剪断されたロッド部材を鉛直方向に沿って整列させる整列工程を更に備え、
    前記固定工程では、前記整列されたロッド部材をそれぞれ固定することを特徴とする請求項8に記載の減容処理方法。
  10. 前記少なくとも1つのロッド部材は、軸対称に配置された複数のロッド部材を含み、
    前記第1の剪断工程は、前記複数のロッド部材のうち互いに対向する一対のロッド部材を同時に剪断することを特徴とする請求項8に記載の減容処理方法。
  11. 前記少なくとも1つのロッド部材は、複数のロッド部材を含み、
    前記第1の剪断工程は、前記放射性廃棄物体を回転させながら前記複数のロッド部材を順に剪断することを特徴とする請求項8に記載の減容処理方法。
  12. 前記少なくとも1つのロッド部材は、長軸ロッド部材、及び、前記長軸ロッド部材より短い短軸ロッド部材を含み、
    前記短軸ロッド部材は第2の剪断工程で剪断されることなく前記収納容器に収納されることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の減容処理方法。
  13. 前記第2の剪断工程では、前記収納容器の水平幅より短くなるように前記ロッド部材が剪断されることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の減容処理方法。
JP2016076414A 2016-04-06 2016-04-06 減容処理装置及び減容処理方法 Active JP6670660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076414A JP6670660B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 減容処理装置及び減容処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076414A JP6670660B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 減容処理装置及び減容処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017187385A JP2017187385A (ja) 2017-10-12
JP6670660B2 true JP6670660B2 (ja) 2020-03-25

Family

ID=60044816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016076414A Active JP6670660B2 (ja) 2016-04-06 2016-04-06 減容処理装置及び減容処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6670660B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2687048C1 (ru) * 2018-06-14 2019-05-07 Акционерное общество "Концерн по производству электрической и тепловой энергии на атомных станциях" (АО "Концерн Росэнергоатом") Способ разделки на фрагменты длинномерных элементов ядерного реактора и устройство для его осуществления

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017187385A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5782320B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
EP3790024A1 (en) Remote dismantling system for nuclear power plant and nuclear power plant having same
US4643845A (en) Method of cutting high-activity solid waste
US9721686B2 (en) Handoff methods and assemblies for refueling a nuclear reactor
JP6670660B2 (ja) 減容処理装置及び減容処理方法
KR101534675B1 (ko) 원자로 압력용기 원격 해체 작업용 로봇 시스템
CN108665989B (zh) 核电站乏燃料相关组件剪切缩容方法
WO2023159299A1 (en) Systems, tools and methods for disassembling and segmenting a calandria nuclear reactor
JP4256349B2 (ja) 原子炉の解体および撤去装置、並びに解体および撤去方法
US3827579A (en) Irradiated fuel processing system
JP2010223923A (ja) 使用済制御棒の水中減容システム
JP5905947B2 (ja) 原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法
CA3066142A1 (en) System and method for volume reduction of nuclear reactor components
EP2782697B1 (en) Apparatus for vertically segmenting a boiling water reactor control rod blade
CN104919533A (zh) 核燃料组件搬运装置
EP2979802A1 (en) Treatment apparatus for waste steam generator and installation method thereof
JP4500224B2 (ja) 使用済制御棒の減容システム、及びその方法
JP6473775B2 (ja) 原子力プラントにおける炉内構造物の搬出方法
RU2287194C1 (ru) Способ демонтажа дефектных отработавших тепловыделяющих сборок
KR102002713B1 (ko) 드럼 절단 장치
JP5111587B2 (ja) 放射性廃棄物の保管方法
JP3770886B2 (ja) 新型転換炉の圧力管解体方法
CN110998747A (zh) 用于把反应堆长形元件分解成短段的方法
JPS61288200A (ja) 稼動の任を解いた原子炉の解体機
JP6230964B2 (ja) 燃料デブリ取出し装置と燃料デブリ取出し方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190730

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6670660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150