JP6669347B2 - 通年開花ルピナス - Google Patents

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Description

[0001]本出願において挙げられるすべての公報は、参照によって本明細書に組み込む。一般的にルピナス(lupin又はlupine)として知られるルピヌス(Lupinus)は、マメ科、ファバケアエ(Fabaceae)の顕花植物の属である。ルピヌス属は、ポリフィルス(polyphyllus)、アルボレウス(arboreus)、スルフレウス(sulphureus)、並びにノートカテンシス(nootkatensis)を含む200を超える種を含む。ルピヌス・ポリフィルス(タヨウハウチワマメ(large−leaved lupine)又は主に栽培においてガーデンルピナスとしても知られている)は、アラスカ南部及びブリティッシュコロンビアから、東はアルバータ及びワイオミング西部まで、南はユタ及びカリフォルニアまでの北米西部原産のルピナスの種であり、一般的に川及び小川沿いに生育し、湿潤な環境を好む。
[0002]ルピナスは、播種、挿し穂及び組織培養物から増殖させることができる。ルピナスの播種、挿し穂及び組織培養発芽プロトコルは当該技術分野において周知である。
[0003]ルピナスは、重要で有益な鑑賞植物である。したがって、鑑賞植物育種家の継続的な目標は、新規の特性、例えば、色、生長習性及び強さを有する植物を開発することである。この目標を達成するために、育種家は、優れたルピナス品種をもたらす形質を有する植物を選抜及び開発しなければならない。
[0004]関連分野の先行する例及びそれらの例に関連する限界は、説明のためのものであり、排他的なものではないことが意図される。関連分野の他の制限は、明細書を読めば当業者に明白になる。
[0005]本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図は、一部の例の実施形態及び/又は特徴を説明しているが、唯一又は排他的な例の実施形態及び/又は特徴を説明するものではない。本明細書中で開示されている実施形態及び図は、限定ではなく説明のためであると考慮されることが意図される。
[0006]特許又は出願ファイルは、カラーで作成された1つ以上の図及び/又は1つ以上の写真を含む場合もある。カラーの図(複数可)及び/又は写真(複数可)を伴う本特許又は特許出願公開の写しは、要求及び必要な料金の支払時に特許庁によって提供される。
[0013]以下の実施形態及びそれらの態様は、システム、ツール及び方法と併せて記載されており、例示的であることを意図し、範囲を限定するものではない。様々な実施形態において、上記課題のうちの1つ又は複数が低減又は解消され、他の実施形態は他の改良を対象とする。
[0014]一実施形態によると、通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型YRF対立遺伝子を含むルピナス植物であって、通年開花特性をもたらす前記劣性ホモ接合型YRF対立遺伝子を含む前記ルピナス植物の代表的な種子のサンプルがNCIMB番号42735として寄託されている、ルピナス植物が提供される。前記ルピナスの植物は、通年開花並びに望ましい花色及び優れた増殖能力の範囲を有する優れた鑑賞用ルピナス植物の開発を可能にする育種系統としてさらに重要である。
[0015]別の実施形態は、通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型YRF対立遺伝子を含むルピナス植物であって、前記通年開花特性が、短い及び長い日長の日に開花するルピナス植物を含む、ルピナス植物を開示する。
[0016]別の実施形態は、通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型YRF対立遺伝子を含むルピナス植物であって、前記通年開花特性が、花を分化させるための春化又は低温を必要としないルピナス植物を含む、ルピナス植物を開示する。
[0017]別の実施形態は、本対象出願において開示されているルピナス植物のプロトプラスト又は細胞から作り出される組織培養物であって、前記細胞又はプロトプラストが、花粉、胚珠、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、葉、葯、子葉、胚軸、雌蕊、根、根端、花、種子、葉柄、莢及び茎からなる群から選択される植物部位から作り出される、組織培養物に関する。
[0018]上記の例示的態様及び実施形態に加えて、さらなる態様及び実施形態が以下の説明の研究によって明白になる。
ルピナス「ザページズ(The Pages)」(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー(West Country)「マスターピース(Masterpiece)」(青の二色の品種)(中央)及びルピナスステアケース(STAIRCASE)ブルー(右)の植物を比較している2017年3月に撮影された写真である。植物はすべておよそ7か月経ったものである。 ルピナスギャラリー(Gallery)ホワイト及びイエロー(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー「グラディエーター(Gladiator)」(オレンジの品種)(中央)及びルピナスステアケースデュプリン(Dupline)オレンジ(右)の植物を比較している2017年3月に撮影された写真である。植物はすべておよそ7か月経ったものである。 ルピナスギャラリーレッド(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー「レッドラム(Red Rum)」(赤い品種)(中央)及びルピナスステアケースレッド(右)の植物を比較している2017年3月に撮影された写真である。植物はすべておよそ7か月経ったものである。 ルピナスウエストカントリー(青の矢印を起点とした奥側)及びルピナスステアケース品種(前面側)の植物を比較している2017年3月に撮影された写真である。植物はおよそ7か月経ったものである。 通年開花特性を有する高性品種であるルピナスステアケースレッド(左)及び通年開花特性を有する矮性品種であるルピナスケルピー(KELPIE)デュプリンレッド(右)の植物の2017年3月に撮影された写真である。植物はおよそ7か月経ったものである。 サンタポーラ、カリフォルニアで栽培されたステアケースシリーズの植物を示す2016年10月に撮影された写真である。植物はおよそ13週経ったものである。
[0019]本明細書中の説明及び表において、多くの用語が使用される。そのような用語に与えられる範囲を含む、明細書及び請求項の明瞭で一貫した理解を可能にするために、以下の定義を提供する。
[0020]対立遺伝子。対立遺伝子は、遺伝子に対する任意の1つ又は複数の代替的形態である。
[0021]総状花序。本明細書中で使用される場合、「総状花序」とは、花及びその植物の花を含む花柄の部分を指す。
[0022]遺伝子。本明細書中で使用される場合、「遺伝子」とは、核酸のセグメントを指す。
[0023]長い日長。本明細書中で使用される場合、12時間未満の夜の長さを指す。「長日」としても知られている。
[0024]植物の形態。植物の形態とは、直立性から半開張性、開張性に及ぶ植物の輪郭又は外形を指す。
[0025]後代。本明細書中で使用される場合、1つ又は複数の親系統の子孫は、少なくとも一方の植物が本明細書中で開示されるルピナス植物を含む2つのルピナス植物の交雑から作り出されるFルピナス植物を含み、後代は、以下に限定されるものではないが、反復親系統とのそれに続くF、F、F、F、F、F、F、F及びF10世代の交雑種をさらに含む。
[0026]RHS。RHSは、植物業界において使用されるカラーチャートを公表している王立園芸協会(Royal Horticultural Society)に対する頭字語を指す。本明細書において言及されるすべてのRHSカラーは、RHS2007版からのものである。
[0027]短い日長。本明細書中で使用される場合、12時間以上の夜の長さを指す。「短日」としても知られている。
[0028]単一遺伝子転換された(転換体)。単一遺伝子転換された(転換体)植物とは、戻し交雑と呼ばれる植物育種技術によって開発された植物を指し、最初の交雑又は遺伝子操作により品種に移入された単一遺伝子に加えて、品種の本質的にすべての所望の形態的及び生理的特性が戻し交雑技術により取り戻される。
[0029]春化。春化とは、開花を刺激するために植物(又は種子)を低温へ人為的に曝露することを指す。
[0030]通年開花。本明細書中で使用される場合、同じタイプ及び草齢の市販のルピナスと比較した場合に一年中開花する植物を指し、植物開花に関して本出願において開示されている本明細書でYRFと呼ばれる変異対立遺伝子に関して劣性ホモ接合型である。通年開花形質を含む植物は、いかなる低温処理又は春化もなしに、日長にかかわらず開花する。通年開花ルピナスは、USDAゾーン3から9に対して耐性がある。
[詳細な説明]
[0031]あらゆる新規の望ましい植物生殖質の開発には多数の工程がある。植物育種は、現在の生殖質の課題及び欠点の分析及び定義、計画目標の確立並びに特定の育種目的の定義から始める。次の工程は、計画目標を満たす形質をもっている生殖質の選抜である。目標は、親の生殖質の望ましい形質の改良された組み合わせを組み合わせることである。生殖質の重要な形質としては、花色、特定の植物特性、高い生長力、病害及び昆虫に対する抵抗力、良好な茎及び根、日照り及び熱に対する耐性並びに良好な商業的植物及び花の品質を挙げることができる。
[0032]本出願は、通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型変異対立遺伝子YRFを含むルピナス植物であって、前記ルピナス植物が短い及び長い日長の日に開花し、開花するために低温又は春化を必要とせず、通年開花特性をもたらす前記劣性ホモ接合型変異対立遺伝子を含むルピナス植物の代表的な種子のサンプルがNCIMB番号42735として寄託されている、ルピナス植物を開示する。前記ルピナスの植物は、通年開花並びに望ましい花色及び優れた増殖能力の範囲を示す優れた鑑賞用ルピナス植物の開発を可能にする育種系統としてさらに重要である。
[0033]本出願において開示されている新規のルピナスは、通年開花を示す点で特有である。特に、本明細書に記載されている植物は、いかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花する一方で、市販のルピナス品種の成長速度及び形態を保持する。本出願において開示されている新規の通年開花ルピナスは、様々な色及び特性に関して安定である。
[0034]本出願はまた、通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型YRF対立遺伝子を含むルピナス植物であって、前記植物がいかなる低温処理又は春化もなしに、日長にかかわらず開花し、前記劣性ホモ接合型対立遺伝子を含むルピナス植物の代表的な種子のサンプルがNCIMB番号42735として寄託されている、ルピナス植物を開示する。
[0035]本出願において開示されている通年開花ルピナスは、以下のセクションにおいて記載されるとおり一貫性及び安定性を示した。本出願において開示されている通年開花ルピナスを、植物種の一貫性に細心の注意をはらい十分な数の世代、無性生殖的及び有性生殖的に生殖し継続的に一貫性を観察しながら増やした。
ラッセルハイブリッドルピナスの由来
[0036]市販のラッセルハイブリッドルピナスである、ルピヌス・ポリフィルスハイブリッドは、1820年代に北米から英国に持ち込まれたと考えられていた。ルピヌス・ポリフィルスは、元々基本的な色、薄ピンクから紫青色の花であり、開花している総状花序に大きな隙間があったため、ラッセルハイブリッドであるルピヌス・ラッセリ・ホート(russellii hort)が品種改良された。2012年10月に公開された米国農務省(United States Department of Agriculture)、「Big Leaf Lupine」を参照のこと。数十年にわたり、元のルピヌス・ポリフィルスよりも密集した総状花序及び多くの色を有するラッセルハイブリッド植物が選抜された。
[0037]ルピヌス・ポリフィルス(Lupinus polyphyllus)ハイブリッド(ラッセルの株)の種苗は、歴史的に、花を生じさせ公衆への植物販売にふさわしくなるために、春化及び長い日長の両方を必要としてきた。このため、ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセルの株)は、冬の低温への曝露に耐え、翌年に開花させるために必要とされる春化の効果を受けることができるように、植物が大きくなり定着することを可能にするよう初夏(又は少なくとも夏の終わりまで)に植えられる。ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセルの株)は、最も過酷な温度からのみ保護される容器で越冬させられ、その後、日長が長くなるにつれて晩春又は初夏に自然に開花することができる。ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセルの株)は春化処理されない限り、晩春及び夏の長日に曝露された場合でも、予想可能な形で作物全体にわたって均一に開花することはない。
1.通年開花特性を有するルピナス植物の開発及び発見
[0038]本出願において開示されている通年開花ルピナスの開発は、春化を行わずに短い日長により開花するであろうラッセルルピナス植物を開発するための育種計画によるものであった。ラッセルルピナス(Russel Lupine)に特有の開花をした育種個体群内で研究すると、2009年の初めに個体群の他の植物と比較して非常に早期に開花する個々の植物が特定された。この植物を「ベリーアーリーフラワー(Very Early Flower)」と名づけた。
[0039]2009年4月に、個々の植物を異なる花色を有する他の同胞のクローンと交雑した。5〜10の種子を2009年7月の各交雑から採取した。その後、翌年の試験のために2009年9月に採取した種子を播いた。さらに、「ベリーアーリーフラワー」が夏までの長い期間、開花し続けたことを確認した。この第2の形質は、植物が早期の開花だけでなく、開花させるために低温処理又は春化を必要としない新規の生殖成長を生じることを示した。
通年開花ルピナス植物特性の遺伝メカニズム及び遺伝形質の決定
[0040]2010年3月に、F世代の開花は、どのF植物も2009年初めに特定された親系統の長期開花形質を示さなかったため、特性が劣性遺伝形質であることを確認した。このF個体群からの植物を自家受粉のために選抜し、およそ200の種子を2010年7月に採取した。
[0041]2011年3月に、F植物のおよそ50(又は25%)が10℃よりも高く維持された温室の夜温により開花した。これは、通年開花特性に遺伝性があったこと、及び通年開花特性が劣性形質であったことを裏づけた。さらに、表現型が安定し、さらに、この形質が異なる花色を有する植物に見られたため、花色による影響はない。
[0042]2012年の夏の間、育種家は6つを選抜し、それを夏の夜温が23℃に達する東京にある育種家の住居のバルコニーで18cmの鉢で栽培した(下記表1を参照)。育種家は、2012年7月まで植物が開花し続けたことを確認し、これは、毎晩の温度が急速に高くなるため日本では5月下旬までに開花を終える一般的なルピナス株よりもはるかに長い。

[0043]育種家はまた、バルコニーで栽培した植物が生育期にわたって1植物当たり12もの総状花序を作り出し、これは、他のルピナス植物(例えば、「ミナレット(Minaretto)」)に対して通常観察される一般的な6の総状花序数をはるかに上回ることも確認した。
[0044]2013年2月に育種家は、F世代からの多くの花色及び草高(高性及び矮性)において非常に初期の系統を実現し、ハイブリッド植物の成長力を保持し、花色の純度を改良するために同胞交配によるさらなる世代に取り組んだ。
[0045]系統は、高さが標準及び低いの両方並びに多くの色に関してF世代を通じてずっと継続した。通年開花形質は安定しており、日長による著しい影響を受けなかった。F種苗は、1月に開花し始め、2016年3月のさらなる選抜を可能にした。これらの選抜した系統では、花蕾を開花させるために低温も長日も必要なかった。通年開花ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセルの株)は、一年生植物と同様に栽培することができ、これは著しい生産利益である。
[0046]当該技術分野において周知の育種及び実験技術により、通年開花ルピナス植物をホモ接合型の四倍体又は二倍体として作出することができる。さらに、通年開花形質は、様々なルピナス種、様々な色、及び様々な遺伝的背景にわたって安定して予想可能な形で導入することができる。
2.通年開花ルピナス植物の特性
[0047]図1〜5は、様々な色のルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセル株)「ザページズ」、ラッセルウエストカントリーシリーズ、及びギャラリーシリーズと比較した通年開花ルピナス植物ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセル株)ステアケース及びケルピーシリーズの植物学的特性を示す。通年開花植物及びウエストカントリー植物を、フォートコリンズ、コロラドにおいて組織培養物から栽培した。2016年8月の第2週に植物をフラスコから出し、72単位の移植用苗トレイに入れた。ギャラリーシリーズ植物及び「ザページズ」は、2016年7月の最後の週にフォートコリンズ、コロラドにある同じ施設で98単位の移植用苗トレイにおいて種子から始めた。7〜10週後に移植用苗を、種子増殖植物に関しては1ガロンの容器及び組織培養植物に関しては2ガロンの容器に移植し、温室で栽培した。春化のための追加の低温処理は行わず、植物成長調整剤も使用しなかった。人工光は使用せず、灌水は手動の散水によって行った。植物がおよそ7か月経った2017年3月に写真を撮影した。
[0048]図1に示されているのは、ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド(ラッセル株)「ザページズ」(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー「マスターピース」(中央)、及びルピナスステアケースブルー(右)間の比較である。ステアケースブルーは通年開花形質を有し、他の植物において花が発育する前の早期に開花を示す。
[0049]図2に示されているのは、ルピナスギャラリーホワイト及びギャラリーイエロー(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー「グラディエーター」(中央)、並びにルピナスステアケースデュプリンオレンジ(右)間の比較である。ステアケースデュプリンオレンジは通年開花形質を有し、他の植物において花が発育する前の早期に開花を示す。
[0050]図3に示されているのは、ルピナスギャラリーレッド(左、上からの眺め)、ルピナスウエストカントリー「レッドラム」(中央)、及びルピナスステアケースレッド(右)間の比較である。ステアケースレッドは通年開花形質を有し、他の植物において花が発育する前の早期に開花を示す。
[0051]図4は、ルピナスウエストカントリー株(青の矢印を起点とした奥側)、及びルピナスステアケース株(前面側)の上からの眺めを示す。ステアケースシリーズ植物は、通年開花形質を有し、多量の開花を示す一方で、ウエストカントリー株はいかなる花の発育も示していない。
[0052]図5は、高性品種のルピナスステアケースレッド(左)、及び「LMIRW01−0」としても知られている、矮性品種のルピナスケルピーデュプリンレッド(右)を示す。両植物とも通年開花形質を示す。
[0053]図6は、サンタポーラ、カリフォルニアで組織培養物から栽培された通年開花ルピナス植物、ルピヌス種(ラッセル株)ステアケースシリーズの植物学的特性を示す。2016年7月4日の週に植物をフラスコから出し、温室のプラグトレイに入れた。2016年8月の第3週に15cm、6インチの鉢に種苗を移植し、温室で栽培した。植物成長調整剤は使用しなかった。人工光は使用せず、灌水は手動の散水によって行った。春化のための追加の低温処理は行わなかった。2016年はカリフォルニア史上、最も暑い夏であった。植物がおよそ17週経った2016年11月の第2週に写真を撮影した。植物は、低温又は春化なしに花を発育した。
3.通年開花ルピナスの他のルピナスとの交雑 − ルピナスの種間交雑
[0054]育種の歴史及びデータによって示されるとおり、通年開花ルピナス特性は遺伝性の形質であり、他のルピナス植物に育種により導入することができる。ホモ接合型である場合、ルピナス植物は通年開花表現型を示すことになる。ルピナスの種間交雑は、当該技術分野において周知である。Bragdo、Marie、「Interspecific Crosses in Lupinus Cytology and Inheritance in Flower Color」、Hereditas、43(2):338〜356ページ、1957年7月を参照のこと。
[0055]例えば、変異対立遺伝子YRFに関して劣性ホモ接合型の通年開花ルピヌス・ポリフィルスハイブリッド植物は、前記対立遺伝子を含む種子の代表的なサンプルがNCIMB番号42735として寄託されており、このハイブリッド植物を、ポリフィルス、アルボレウス(arboreus)、スルフレウス(sulphureus)及びノートカテンシス(nootkatensis)などの他のルピヌス種と掛け合わせて、種間ハイブリッド種子及び後代のルピヌスハイブリッド植物を作ることができる。
4.通年開花ルピナスの植物学的特性
[0056]以下の説明において、色は、通常の辞書の意味の一般用語が使用される場合を除いて、王立園芸協会(Royal Horticultural Society)カラーチャート2007を参照する。以下の観察結果及び測定値は、サンタポーラ、カリフォルニアの屋外で栽培した植物を説明する。2ガロン又は14cmの苗床容器のいずれかで栽培した植物はおよそ1年経ったものであった。測定値及び数量的な値は、典型的な植物型の平均を表す。
[0057]下記表2は、ケルピー「ブルーホワイト」としても知られている「LMIBW03−0」、ケルピー「レッド」としても知られている「LMIRE05−0」、及びケルピー「イエロー」としても知られている「LMIYE06−0」のさらなる植物学的特性の一部を列記する。これらの矮性系統のすべてが通年開花特性を示し、このことは、これらの矮性系統のすべてがいかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花し、USDAゾーン3〜9に対して耐性があることを意味する。これらの矮性系統は、直立性の総状花序が頂点にある盛り上がった葉の基部を有する、小型で草本性の丈夫な多年生植物である。これらの矮性系統に関する開花面の頂部までの草高は35.0cmを超えない。葉は、植物の基部から直接出るか、又はまれに有花茎に直接生じる。葉は円形の掌状複葉であり、主に根元から出ている輪生としてか、又はまれに有花茎に沿って交互に生じる。花序は、総状花序に均等に対称的に並んだ単一の大きなちょう形花からなり、個々の花はおよそ15日間もつ。





[0058]下記表3は、ケルピー「ブルーイエロー」としても知られている「LMIBY04−0」、並びにケルピー「ローズホワイト」及び「デュプリンレッド」としても知られている「LMIRW01−0」のさらなる植物学的特性の一部を列記する。これらの矮性系統のすべてが通年開花特性を示し、このことは、これらの矮性系統のすべてがいかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花し、USDAゾーン3〜9に対して耐性があることを意味する。これらの矮性系統は、直立性の総状花序が頂点にある盛り上がった葉の基部を有する、小型で草本性の丈夫な多年生植物である。これらの矮性系統に関する開花面の頂部までの草高は35.0cmを超えない。葉は、植物の基部から直接出るか、又はまれに有花茎に直接生じる。葉は円形の掌状複葉であり、主に根元から出ている輪生としてか、又はまれに有花茎に沿って交互に生じる。花序は、総状花序に均等に対称的に並んだ単一の大きなちょう形花からなり、個々の花はおよそ15日間もつ。





[0059]下記表4は、ステアケース「パープル」としても知られている「16ST−9」、ステアケース「ラベンダー−ブルー」としても知られている「16ST−15」、及びステアケース「ブルー」としても知られている「16ST−10」のさらなる植物学的特性の一部を列記する。これらの高性系統のすべてが通年開花特性を示し、このことは、これらの高性系統のすべてがいかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花し、USDAゾーン3〜9に対して耐性があることを意味する。これらの高性系統は、直立性の総状花序が頂点にある盛り上がった葉の基部を有する、小型で草本性の丈夫な多年生植物である。葉は、植物の基部から直接出るか、又はまれに有花茎に直接生じる。葉は円形の掌状複葉であり、主に根元から出ている輪生としてか、又はまれに有花茎に沿って交互に生じる。花序は、総状花序に均等に対称的に並んだ単一の大きなちょう形花からなり、個々の花はおよそ15日間もつ。





[0060]下記表5は、ステアケース「ブルーイエロー」としても知られている「16ST−14」、ステアケース「オレンジイエロー」としても知られている「LSDOR04−0」(米国特許出願第62/604,473号)及びステアケース「ローズホワイト」としても知られている「LSDRW03−0」(米国特許出願第62/604,472号)のさらなる植物学的特性の一部を列記する。これらの高性系統のすべてが通年開花特性を示し、このことは、これらの高性系統のすべてがいかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花し、USDAゾーン3〜9に対して耐性があることを意味する。これらの高性系統は、直立性の総状花序が頂点にある盛り上がった葉の基部を有する、小型で草本性の丈夫な多年生植物である。葉は、植物の基部から直接出るか、又はまれに有花茎に直接生じる。葉は円形の掌状複葉であり、主に根元から出ている輪生としてか、又はまれに有花茎に沿って交互に生じる。花序は、総状花序に均等に対称的に並んだ単一の大きなちょう形花からなり、個々の花はおよそ15日間もつ。






[0061]下記表6は、ステアケース「レッド」としても知られている「LSTRE04−0」(米国特許出願第62/604,475号)、ステアケース「スカイブルー」としても知られている「LSTBL01−0」(米国特許出願第62/604,474号)、及びステアケース「イエロー」としても知られている「LSTYE05−0」(米国特許出願第62/604,476号)のさらなる植物学的特性の一部を列記する。これらの高性系統のすべてが通年開花特性を示し、このことは、これらの高性系統のすべてがいかなる低温処理又は春化もなしに、及び/又は日長にかかわらず開花し、USDAゾーン3〜9に対して耐性があることを意味する。これらの高性系統は、直立性の総状花序が頂点にある盛り上がった葉の基部を有する、小型で草本性の丈夫な多年生植物である。葉は、植物の基部から直接出るか、又はまれに有花茎に直接生じる。葉は円形の掌状複葉であり、主に根元から出ている輪生としてか、又はまれに有花茎に沿って交互に生じる。花序は、総状花序に均等に対称的に並んだ単一の大きなちょう形花からなり、個々の花はおよそ15日間もつ。





[さらなる実施形態]
相補性アッセイを使用した通年開花ルピナス劣性対立遺伝子の特徴付け
[0062]本出願のルピナスの通年開花に関与する劣性対立遺伝子は、相補性アッセイを使用して特定することができる。この相補性アッセイは当該技術分野において周知である。例えば、劣性対立遺伝子によって決定される変異体の状態をどのように決定することができるのかを説明しているGriffithsら、「An Introduction to Genetic Analysis」第7版、W.H. Freeman(2000年)を参照のこと。
通年開花ルピナスを用いた育種
[0063]鑑賞植物育種の目標は、新規で類のない優れた観賞用品種及びハイブリッドを開発することである。育種家は、初めに2つ以上の親系統を選抜し、交雑し、その後、自殖及び選抜を繰り返して、多くの新規の遺伝子の組み合わせを作り出す。育種家は、理論上、交雑、選抜、自殖及び突然変異により数十億の様々な遺伝子の組み合わせを形成することができる。したがって、育種家は、全く同じ親からでも、遺伝学的に同じで同じ形質を有する品種を開発することはない。
[0064]毎年、植物育種家は、次の世代に進めるための生殖質を選抜する。この生殖質を特有の様々な地理的、気候及び土壌条件下で栽培し、その後、生育期の間及びその終わりにさらに選抜を行う。育種家の選抜はDNAレベルで制御されておらず、何百万の様々な起こり得る遺伝子の組み合わせが生じる独特の環境で行われるため、開発される品種は予測できない。当該技術分野において通常の技術の育種家は、場合によって非常に大ざっぱで概括的な様式の予測を除いて、自分が開発している最終的に得られる系統を予測することはできない。同じ育種家が、同じ元の親及び同じ選抜技術を使用しても同じ品種を2度作出することはできない。この不確実性により、優れた新規のルピナス品種を開発するために多額の研究資金を支出することになる。
[0065]育種計画は、2つ以上の品種又は様々な広範なベースのソースからの望ましい形質を組み合わせ育種プールとし、その育種プールから所望の表現型の自殖及び選抜によって品種が開発される。系統育種は、一般的に自家受粉植物の改良のために使用される。好適な相補的形質をもつ2種類の親を交雑してFを作り出す。1つ又はいくつかのFを自殖させることによってF個体群を作り出す。最良の個体の選抜をF個体群において開始してもよく、その後Fにおいて開始し、最良のファミリーの最良の個体が選抜される。遺伝率が低い形質に対する選抜の有効性を向上させるためにファミリーの反復試験をF世代において開始することができる。同系交配の進んだ段階(すなわち、F及びF)において、最良の系統又は表現型的に類似した系統の混ざったものが新品種として販売できるか試験される。
他のルピナス植物を開発するための通年開花ルピナスの使用
[0066]通年開花ルピナスなどのルピナスは、観賞用及び切り花市場において販売するために開発される。ただし、上記ルピナス植物はまた、新規のルピナス植物及び品種を開発するために使用できる育種材料のソースを提供することができる。当該技術分野において既知で、ルピナス植物育種計画に使用される植物育種技術としては、循環選抜、集団選抜、集団育種法、ハイブリダイゼーション、集団選抜、戻し交雑、系統育種、自然受粉育種、制限断片長多型増強選抜、遺伝子マーカー増強選抜、倍加半数体の作製、突然変異誘発及び形質転換が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こうした技術の組み合わせが使用されることも多い。植物育種計画におけるルピナス品種の開発には、一般にホモ接合型品種の開発及び評価が必要とされる。新品種を評価するために利用することができる多くの分析方法がある。最も古く最も慣行的な分析の方法は表現型の形質の観察であるが、遺伝子型分析も使用することができる。
さらなる育種法
[0067]少なくとも1つの親として本出願において開示されているルピナス植物を使用して作り出されるあらゆる植物も実施形態である。こうした方法は当該技術分野において周知であり、さらに一般的に使用される育種法のいくつかを本明細書に記載する。育種法の説明は、いくつかの参照書物の1つにおいて見出すことができる(例えば、Allard、「Principles of Plant Breeding」(1999年);Vainstein、「Breeding for Ornamentals: Classical and Molecular Approaches」、Kluwer Academic Publishers(2002年);Callaway、「Breeding Ornamental Plants」、Timber Press(2000年);及びBragdo, Marie、「Inter−specific Crosses in Lupinus: Cytology and Inheritance of Flower Color」、Institute of Genetics and Plant Breeding、Agricultural College of Norway、Vollebekk、ノルウェー(1956年9月28日)。
[0068]ルピナス植物育種計画に使用できる育種工程としては、例えば、系統育種、戻し交雑、突然変異育種及び循環選抜を挙げることができる。これらの工程と併せて、RFLP増強選抜、遺伝子マーカー増強選抜(例えば、SSRマーカー)及び倍加半数体の作製などの技術が利用されてもよい。
[0069]本明細書中で使用される場合、「植物」という用語は、花粉、胚珠、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、胚珠、葯、子葉、胚軸、雌蕊、根、根端、種子、花、葉柄、莢、苗条又は茎などの、ルピナス植物を再生することができる植物細胞、植物プロトプラスト、植物細胞組織培養物、植物の一部又は植物体内において無傷の植物カルス、植物塊及び植物細胞を含む。
系統育種
[0070]系統育種は、2つの遺伝子型、例えば、通年開花ルピナスと、通年開花ルピナスの表現型がないか、又はそれを補う1つ若しくは複数の望ましい特性を有する別の異なるルピナスとの交雑から開始する。2つの元の親がすべての所望の特性をもたらさない場合、育種個体群に他のソースが含まれていてもよい。系統法では、連続する子の世代で優れた植物を自殖させ、選抜する。後の子の世代において、ヘテロ接合型の状態が自家受粉及び選抜の結果として均一な品種に取って変わる。系統育種法では一般に、5以上の連続する子の世代の自殖及び選抜が行われる:FからF;FからF;FからF;FからFなど。十分な量の同系交配の後、後に続く子の世代が開発品種の種子を増やすのに役立つことになる。開発品種は、その遺伝子座の約95%以上においてホモ接合型対立遺伝子を含むことが好ましい。
戻し交雑
[0071]戻し交雑は、単純に遺伝する遺伝性の高い形質に関する遺伝子を望ましいホモ接合型品種又は反復親である純系に導入するために使用されてきた。導入される形質のソースは供与親と呼ばれる。最初の交雑の後、供与親の表現型をもつ個体を選抜し、反復親に対して交雑を繰り返す(戻し交雑される)。結果として生じる植物は、反復親の特質と供与親から導入された望ましい形質を有することが予想される。
[0072]戻し交雑転換体を作り出すために使用されることに加えて、戻し交雑は系統育種と組み合わせて使用することもできる。先に論述したとおり、戻し交雑は、供与親である1つの品種からの1つ又は複数の特に望ましい形質を、全般的に優良な商業的特性を有するが、対象の望ましい形質(複数可)が欠如している反復親と呼ばれる開発品種に導入するために使用することができる。しかしながら、同じ手順は、後代を反復親の遺伝子型の方へ向かわせるが、同時に、初期の段階で戻し交雑を止め、自殖及び選抜を続行することによって非反復親の多くの構成要素を保持させるよう使用することができる。例えば、ルピナス植物を別の品種と交雑して第1世代の後代植物を作り出すことができる。第1世代の後代植物を、その後、その一方の親品種に対して戻し交雑してBC又はBCを作り出すことができる。新たに開発した品種が多くの反復親の特質を有するが、非反復親の所望の特質のいくつかを有するよう後代を自殖させ、選抜する。このアプローチは、新規のルピナス品種に使用するための反復親の価値及び強さを活用する。
[0073]したがって、別の実施形態は、通年開花ルピナスの植物を所望の形質を含む供与植物と交雑するステップと、所望の形質を含むF後代植物を選抜するステップと、選抜されたF後代植物を通年開花ルピナスの植物に対して戻し交雑するステップとを含む、通年開花ルピナスの戻し交雑転換体を作製する方法である。この方法は、通年開花ルピナスの分子マーカープロファイルを得るステップと、分子マーカープロファイルを使用して所望の形質と通年開花ルピナスの分子マーカープロファイルを有する後代植物を選抜するステップをさらに含んでもよい。
循環選抜及び集団選抜
[0074]循環選抜は、植物の個体群を改良するための植物育種計画に使用される方法である。通年開花ルピナスは、循環選抜計画に使用するのに適している。この方法は、個々の植物が互いに他家受粉して後代を形成することを必要とする。後代を栽培し、任意の数の選抜法によって優れた後代を選抜する。この後代としては、個々の植物、半同胞後代、完全同胞後代及び自殖後代が挙げられる。選抜した後代は互いに他家受粉させて別の個体群の後代を形成する。この個体群を植えて、再び優れた植物を選抜して互いに他家受粉させる。循環選抜は周期的なプロセスであるため、所望の回数だけ繰り返すことができる。循環選抜の目的は、個体群の形質を改良することである。改良された個体群を、その後、合成品種の作出を含む商業用又は育種用の新品種を得るための育種材料のソースとして使用することができる。合成品種は、いくつかの選抜品種の異系交雑によって形成された後代である。
[0075]集団選抜は、分子マーカー増強選抜とともに使用される場合に有用な技術である。集団選抜では、個体の種子が表現型又は遺伝子型に基づいて選抜される。これらの選抜した種子を、その後、一緒にし、次の世代を栽培するために使用する。集団育種法には、大きな区画において植物の個体群を栽培すること、植物を自家受粉させること、種子をまとめて採取すること及びその後、まとめて採取した種子のサンプルを使用して次の世代を植え付けることが必要とされる。さらに、自家受粉にかわりに、管理された受粉が育種計画の一部として使用されてもよいだろう。
[0076]集団選抜及び循環選抜は、自家又は他家受粉植物のいずれかの個体群を改良するために使用することができる。ヘテロ接合型個体の遺伝学的に変わりやすい個体群は、いくつかの異なる親の異系交雑によって特定されるか、又は作り出される。最良の植物を、個体の優位性、秀逸な後代又は優れた組み合わせ能力に基づいて選抜する。選抜した植物を異系交雑して新しい個体群を作り出し、その新しい個体群においてさらなる選抜のサイクルを継続する。
突然変異育種
[0077]突然変異育種は、新しい形質を通年開花ルピナスに導入する別の方法である。自然に起こるか、又は人工的に誘発された突然変異は、植物育種家にとって多様性の有用な源である場合がある。人工的な突然変異誘発の目標は、所望の特性の突然変異の率を高めることである。突然変異率は、温度、長期の種子保管、組織培養条件、X線、ガンマ線(例えば、コバルト60若しくはセシウム137)、中性子(原子炉におけるウラン235による核分裂の生成物)、ベータ線(リン32又は炭素14などの放射性同位元素から放射される)又は紫外線(2500〜2900nmが好ましい)などの照射或いは化学変異原(例えば、塩基類似体(5−ブロモ−ウラシル))、関連化合物(8−エトキシカフェイン)、抗生物質(ストレプトニグリン)、アルキル化剤(硫黄マスタード、ナイトロジェンマスタード、エポキシド、エチレンアミン、スルファート、スルホナート、スルホン、ラクトン)、アジド、ヒドロキシルアミン、亜硝酸或いはアクリジンを含む様々な手段によって高めることができる。突然変異誘発により一旦所望の形質が観察されたら、その形質は、その後、従来の育種技術によって既存の生殖質に組み込むことができる。突然変異育種の詳細については、Vainstein、「Breeding for Ornamentals: Classical and Molecular Approaches」、Kluwer Academic Publishers(2002年)に見出すことができる。さらに、他のルピナス植物において作り出された突然変異は、そのような突然変異を含む通年開花ルピナスの戻し交雑転換体を作り出すために使用することができる。
[0078]さらなる方法としては、微粒子銃を介した送達、DNA注入、エレクトロポレーションなどの遺伝子直接導入法を使用して植物組織に導入される発現ベクターが挙げられるが、これに限定されるものではない。発現ベクターは、微粒子銃装置による微粒子銃を介した送達を使用することによって、又はアグロバクテリウム(Agrobacterium)を介した形質転換を使用することによって植物組織に導入されるのがより好ましい。対象のルピナス植物の原形質を用いて得られた形質転換体植物は、本出願の実施形態の範囲内であることが意図される。
単一遺伝子転換体
[0079]本出願の実施形態の文脈においてルピナス植物という用語が使用される場合、ルピナス植物という用語は通年開花ルピナスのあらゆる単一遺伝子転換体も含む。単一遺伝子転換された植物という用語は、本明細書中で使用される場合、戻し交雑と呼ばれる植物育種技術によって開発されたルピナス植物を指し、この場合、品種に導入された単一遺伝子に加えて、品種の本質的にすべての所望の形態的及び生理的特性が戻し交雑技術により取り戻される。戻し交雑法は、改良するため、又は特性を植物に導入するために本出願の一実施形態とともに使用することができる。「戻し交雑すること」という用語は、本明細書中で使用される場合、雑種後代を反復親に戻す繰り返しの交雑、すなわち、反復親に対する1、2、3、4、5、6、7、8回以上の戻し交雑を指す。所望の特性の遺伝子をもたらす親のルピナス植物は、非反復親又は供与親と呼ばれる。この術語は、非反復親は、戻し交雑プロトコルにおいて1回使用されるため、再び現れないという事実を指す。非反復親の遺伝子(複数可)が導入される親のルピナス植物は、戻し交雑プロトコルにおいていくつかの循環に使用されるため反復親として知られる(Poehlman & Sleper(1994年))。典型的な戻し交雑プロトコルでは、対象の元の品種(反復親)を導入する対象の単一遺伝子をもつ第2の品種(非反復親)に対して交雑する。この交雑の結果として生じる後代を、その後、再び反復親に対して交雑する。非反復親の単一導入遺伝子に加えて、転換された植物に本質的にすべての反復親の所望の形態的及び生理的特性が取り戻されたルピナス植物が得られるまでこのプロセスを繰り返す。
[0080]適した反復親の選択は、戻し交雑手順の成功にとって重要な工程である。戻し交雑プロトコルの目標は、元の品種の1つの形質若しくは特性を変えるか、又は置換することである。この目標を達成するために、元の品種の本質的にすべての残りの所望の遺伝的、したがって所望の生理的な及び形態的な構成を保持しながら、反復品種の単一遺伝子が非反復親の所望の遺伝子により改変されるか、又は置換される。特定の非反復親の選択は戻し交雑の目的によって左右されることになる。主要な目的の1つは、いくつかの商業的に重要な形質(複数可)を植物に加えることである。厳密な戻し交雑プロトコルは、変えられる特性又は形質により左右され、適切な検定プロトコルを決定することになる。戻し交雑法は、導入される特性が優性対立遺伝子の場合、簡略化されるが、劣性対立遺伝子も導入することができる。劣性対立遺伝子の導入の場合には、所望の特性が首尾よく導入されたどうかを判定するための後代検定を取り入れる必要がある場合もある。
[0081]新品種の開発において通例では選抜されないが戻し交雑技術によって改良され得る多くの単一遺伝子の形質が特定されている。こうした形質は、当該技術分野において周知である。
新しい形質又は遺伝子座の通年開花ルピナスへの導入
[0082]通年開花ルピナスは、新しい遺伝子座又は形質が遺伝子移入され得る遺伝的性質の新しい基盤である。直接形質転換及び戻し交雑は、そのような遺伝子移入を達成するために使用することができる2つの重要な方法である。戻し交雑転換体及び単一遺伝子座転換体という用語は、戻し交雑計画の産物を指すために互換的に使用される。
通年開花ルピナスの戻し交雑転換
[0083]通年開花ルピナスの戻し交雑転換は、反復親として利用される通年開花ルピナスを用いた戻し交雑によりDNA配列が導入された場合に生じる(Allard、「Principles of Plant Breeding」(1999年))。天然に生じるDNA配列及びトランスジェニックのDNA配列の両方を戻し交雑技術により導入することができる。戻し交雑転換は、少なくとも2回の交雑、少なくとも3回の交雑、少なくとも4回の交雑、少なくとも5回の交雑などを含む少なくとも2回以上の戻し交雑において形質又は遺伝子座転換を有する植物を作り出すことができる。戻し交雑転換を達成するのに必要な戻し交雑の数を減らすために、分子マーカーに補助された育種又は選抜が利用されてもよい。例えば、わずか2回の戻し交雑において戻し交雑転換を行うことができることを実証しているOpenshaw, S. J.ら、Marker−assisted Selection in Backcross Breeding、Proceedings Symposium of the Analysis of Molecular Data、Crop Science Society of America、コーヴァリス、オレゴン州(1994年8月)を参照のこと。
[0084]戻し交雑転換法の複雑さは、導入される形質の種類(単一遺伝子又は連結していない遺伝子と比較して近接して連結された遺伝子)、形質の発現レベル、遺伝の種類(細胞質又は核)及び交雑に含まれる親の種類により決まる。分類するのが比較的容易な単一遺伝子の形質に対して、戻し交雑法は効果的で管理が比較的容易であることが当業者に理解されている。Allard、「Principles of Plant Breeding」(1999年)を参照のこと。戻し交雑転換により導入することができる所望の形質としては、不稔性(核及び細胞質)、稔性回復、耐乾性、窒素利用、観賞的特徴、耐病性(細菌性、真菌性又はウイルス性)、昆虫抵抗性及び除草剤抵抗性が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、例えば、FRT部位、Lox部位又は他の部位特異的な遺伝子組入れ部位などの遺伝子移入部位自体を、戻し交雑によって挿入して、1つ又は複数の対象の遺伝子を特定の植物品種に直接挿入するために利用してもよい。一部の実施形態において、通年開花ルピナスに戻し交雑され得る遺伝子座の数は、少なくとも1、2、3、4若しくは5個及び/又は6、5、4、3若しくは2個を超えない。単一遺伝子座がいくつかの導入遺伝子、例えば、同じ発現ベクター中の除草剤抵抗性に関する導入遺伝子も含む耐病性に関する導入遺伝子を含有する場合もある。除草剤抵抗性に関する遺伝子は、選択マーカーとして及び/又は表現型形質として使用することができる。組入れ系に特異的な部位の単一遺伝子座転換は、転換される遺伝子座における複数の遺伝子の組入れを可能にする。
[0085]戻し交雑転換は、優性対立遺伝子又は劣性対立遺伝子の導入のいずれかにより生じる場合もある。対象の形質を含む後代の選抜は、優性対立遺伝子と関連付けられた形質の直接的な選抜によって達成される。戻し交雑により導入された導入遺伝子又は遺伝子は、一般に優性の単一遺伝子形質として機能し、分類するのが比較的容易である。劣性対立遺伝子により導入される形質に関する後代の選抜には、どの植物が劣性対立遺伝子をもっているのかを判定するために第1の戻し交雑世代を栽培し、自殖させる必要がある。劣性形質は、対象の遺伝子座の有無を判定するために後に続く戻し交雑世代において追加の後代検定が必要な場合もある。通常、最後の戻し交雑世代を自殖させて導入される遺伝子(複数可)に関して純粋な育種後代を得るが、転換された形質に対する選抜とともに反復親に対してさらに戻し交雑することによって安定して遺伝子移入された形質を有する戻し交雑転換体も維持することができる。
[0086]さらに、本明細書に記載される上記のプロセス及び他の類似のプロセスは、プロセスの終わりに、遺伝子移入された形質又は遺伝子座を有する通年開花ルピナスを異なるルピナス植物と交雑すること、及び結果として生じた第1世代の後代ルピナス種子を採取することを含むステップを加えることによって第1世代の後代ルピナス種子を作り出すために使用されてもよい。
通年開花ルピナスを使用する分子技術
[0087]新規の分子生物学的技術の出現により、特定の機能を有する遺伝要素の単離及び特徴付けが可能になった。従来の植物育種は、主に新規の生殖質のソースであったが、分子の技術の進歩により、育種家が新規で大いに望まれる商業的特質を有する品種を得られるようになった。形質転換などの分子技術は、鑑賞植物を育種する際に評判がよく、当該技術分野において周知である。Vainstein、「Breeding for Ornamentals: Classical and Molecular Approaches」、Kluwer Academic Publishers(2002年)を参照のこと。
分子マーカーを用いた育種
[0088]質的形質を選抜するための育種プロセスの過程においても分子マーカーを使用することができる。例えば、戻し交雑育種計画の過程において、対象の対立遺伝子を含有する植物を選抜するために、対立遺伝子と近接して連結されたマーカー又は実際の対象の対立遺伝子内の配列を含有するマーカーを使用することができる。マーカーはまた、反復親のゲノムを選択するため使用されてもよく、供与親のゲノムに対して使用されてもよい。この手順を使用することで、選抜植物に依然として残る供与親のゲノムの量を最小限にすることができる。この手順を使用した戻し交雑計画において必要とされる、反復親に戻す交雑の数を減らすこともできる。選抜プロセスにおける分子マーカーの使用は、遺伝子マーカー増強選抜と呼ばれることが多い。分子マーカーはまた、交雑による遺伝子プロファイルを追跡する手段を提供することによって、植物の親品種又は祖先などの生殖質の特定のソースを確認及び排除するために使用することができる。アイソザイム電気泳動、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA法(RAPD)、アービトラリリーポリメラーゼ連鎖反応(AP−PCR)、DNA増幅フィンガープリント法(DAF)、配列特徴付け増幅領域(SCAR)、増幅断片長多型(AFLP)、単純反復配列(SSR)及び一塩基多型(SNP)などの技術の使用により特定されるマーカーを含む分子マーカーは、通年開花ルピナスを利用した植物育種法に使用することができる。Vainstein、「Breeding for Ornamentals: Classical and Molecular Approaches」、Kluwer Academic Publishers(2002年)を参照のこと。
SSR及び第1世代の後代による遺伝子マーカープロファイル
[0089]表現型の観察に加えて、植物は植物の遺伝子型によっても特定することができる。植物の遺伝子型は、同じ品種の植物若しくは関連する品種を特定することができるか、又は系統を判定若しくは確認するために使用することができる遺伝子マーカープロファイルにより特徴付けることができる。遺伝子マーカープロファイルは、すべてが当該技術分野において周知である制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA法(RAPD)、アービトラリリーポリメラーゼ連鎖反応(AP−PCR)、DNA増幅フィンガープリント法(DAF)、配列特徴付け増幅領域(SCAR)、増幅断片長多型(AFLP)、単純反復配列(SSR)(マイクロサテライトとも呼ばれる)及び一塩基多型(SNP)などの技術によって得られる。
組織培養
[0090]品種のさらなる繁殖は、組織培養及び再生によって行うこともできる。鑑賞植物及びルピナスの各種組織の組織培養物及び組織培養物からの植物の再生は周知であり、広く公開されている。例えば、Valla Rego, Lucianaら、Crop Breeding and Applied Technology、1(3):283〜300ページ(2001年);Komatsuda, Tら、Crop Sci.、31:333〜337ページ(1991年);Stephens, P. A.ら、Theor. Appl. Genet.、82:633〜635ページ(1991年);Komatsuda, T.ら、Plant Cell、Tissue and Organ Culture、28:103〜113ページ(1992年);Dhir, Sら、Plant Cell Reports、11:285〜289ページ(1992年);Pandey, P.ら、Japan J. Breed.、42:1〜5ページ(1992年);及びShetty, K.ら、Plant Science、81:245〜251ページ(1992年)を参照されたい。したがって、別の実施形態は、増殖及び分化した場合に本出願に記載されている通年開花ルピナスの生理的及び形態的な特徴を有するルピナス植物をもたらす細胞を提供することである。
[0091]再生とは、組織培養物からの植物の発生を指す。「組織培養物」という用語は同じ若しくは異なる種類の単離細胞、又は、植物の一部へと組織化されたそのような細胞の集まったもの含む組成物を示す。組織培養物の例示的種類は、花粉、胚珠、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、胚珠、葯、子葉、胚軸、雌蕊、根、根端、花、種子、葉柄、莢、苗条又は茎などの、植物体又は植物の一部内において無傷の組織培養物を生じることができるプロトプラスト、カルス、植物塊及び植物細胞である。植物組織培養物を準備し維持するための手段は当該技術分野において周知である。
[0092]いくつかの例示的態様及び実施形態を上で述べてきたが、当業者は特定の改変、変更、追加及びそれらのサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以降に導入される請求項は、請求項の真の趣旨及び範囲内にあるすべてのそのような改変、変更、追加及びサブコンビネーションを含むものと解釈されることが意図される。
[0093]1つ又は複数の態様は、その態様の趣旨又は必須の特性から逸脱することなくその他の特定の形態で具現化されてもよい。記載した実施形態は、あらゆる点で説明のためものに過ぎず、限定するものではないと考慮されるべきである。したがって、実施形態の範囲は、前述の説明によってではなくむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。請求項の等価の意味及び範囲内にあるすべての変更は、請求項の範囲内に包含されるべきである。
実施形態の前述の解説は、例示及び説明の目的のために提示した。前述のものは、実施形態を本明細書中で開示した形態(複数可)に限定する意図はない。前述の詳細な説明では、開示の合理化のために、例えば、実施形態の様々な特徴が1つ又は複数の実施形態としてまとめられている。この開示方法は、特許請求される実施形態が、各請求項において明確に挙げられているよりも多くの特徴を必要とすることを意図していることを示すものと解釈されるべきではない。むしろ、添付の請求項が示すとおり、発明の態様は、前述の開示した一実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴におけるものある。したがって、添付の請求項はこの詳細な説明に組み込まれ、それぞれの請求項は、個々の好適な実施形態として自立している。
[0094]さらに、実施形態の説明は、1つ又は複数の実施形態並びに特定の変形形態及び改変形態の説明を含んできたが、他の変形形態及び改変形態も実施形態の範囲内にある(例えば、本開示の理解後の当業者の技術及び知識の範囲内に入り得る)。特許請求されるものと代替的な、互換的な及び/又は等価の構造、機能、範囲若しくは行為を、そのような代替的な、互換的な及び/又は等価の構造、機能、範囲若しくは行為が本明細書中で開示されているかどうかにかかわらず含めた代替実施形態を許される範囲で含む権利を、特許性のあるいかなる主題も公的に供する意図なく得ることが意図される。
[0095]実施形態を述べる文脈における(とりわけ、添付の請求項の文脈における)用語「1つの(a、an)」及び「この(the)」並びに同様のものの使用は、本明細書において別の指示があるか、又は文脈から明らかに矛盾する場合を除いて単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。「含むこと(comprising)」、「有すること」、「含むこと(including)」及び「含有すること」という用語は、別の記載がない限りオープンエンドな用語として(すなわち、「含むが、これらに限定されるものではない」ことを意味すると)解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別の指示がある場合を除いて、範囲内にあるそれぞれの個別の値を個々に言及することの省略表現法の役割を果たすことが単に意図され、それぞれ個別の値は本明細書において個々に列挙されたかのように明細書に組み込まれる。例えば、範囲10〜15が開示されている場合、11、12、13及び14も開示されている。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書において別の指示があるか、又は別に文脈が明らかに否定している場合を除いて、任意の適した順序で実施することができる。本明細書において提供されるあらゆる例又は例示的表現(例えば、「など」)の使用は、実施形態をさらに明確にすることが単に意図され、別に特許請求されない限り実施形態の範囲の限定を提示するものではない。本明細書における表現は、1つ又は複数の実施形態を実施するのに必須の特許請求されていない任意の要素を示すものと解釈されるべきではない。
[寄託情報]
[0096]グリーンフィーズボタニカルスインク(Green Fuse Botanicals, Inc.)の所有下にある本明細書に記載される系統を含むルピヌス・ポリフィルスハイブリッド種子の代表的なサンプルであって、前記種子が通年開花特性をもたらす劣性ホモ接合型対立遺伝子を含み、前記寄託がルピヌス種通年開花と呼ばれ、前記種子から栽培される前記通年開花ルピナス植物が通年開花特性を示す、サンプルが、National Collections of Industrial, Food and Marine Bacteria(NCIMB)、ファーガソンビルディング(Ferguson Building)、クレーブストーンエステート(Craibstone Estate)、バックスバーン、アバディーン、スコットランド、AB21 9YA、英国と共同で作製された。1,491の寄託日は2017年3月28日でありNCIMB番号は42735である。2017年4月4日に、1,770の種子のさらなる追加の寄託がNCIMBに行われた。少なくとも2,500の種子の寄託は、本出願の出願日前からグリーンフィーズボタニカルスインクが管理する同じ寄託物から取得された。特許が付与された場合、寄託物の公衆への提供可能性に対するすべての制限は、連邦規則法典第37巻§§1.801〜1.809のすべての要件と一致して取り消し不能なかたちで撤廃されることになる。寄託物は、寄託機関に30年間若しくは継続請求後5年間又は特許の権利行使可能期間のいずれかの長い期間保管され、その期間中必要に応じて再寄託される。

Claims (17)

  1. 通年開花特性を有するルピヌス・ポリフィルス(Lupinus polyphyllus)ハイブリッドルピナス植物であって、
    前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含み、
    前記ルピナス植物が種子の代表的なサンプルから作り出されるものであり、前記代表的なサンプルの種子がNational Collections of Industrial, Food and Marine BacteriaにNCIMB番号42735として寄託されている、ルピナス植物。
  2. 前記ルピナス植物が四倍体又は二倍体である、請求項1に記載のルピナス植物。
  3. 請求項1に記載の植物を栽培することによって作り出されるルピナス種子。
  4. 請求項3に記載のルピナス種子を栽培することによって作り出されるルピナス植物又はその植物部位であって、前記植物が、通年開花特性を有前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、ルピナス植物又はその植物部位。
  5. 前記植物部位が、細胞、種子、胚、プロトプラスト、組織培養物又は生長可能な挿し穂を含む、請求項4に記載の植物部位。
  6. 請求項1に記載の植物のプロトプラスト又は細胞から作り出される組織培養物であって、前記細胞又はプロトプラストが、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、葉、葯、子葉、胚軸、雌蕊、根、根端、花、種子、葉柄、莢及び茎からなる群から選択される植物部位から作り出される、組織培養物。
  7. 請求項6に記載の組織培養物から再生された、通年開花特性を有するルピナス植物であって、前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、ルピナス植物
  8. 2つのルピナス植物を交雑すること、及び結果として生じたルピナス種子を採取することを含む、ルピナス種子を作るための方法であって、少なくとも1つのルピナス植物が、請求項1に記載のルピナス植物である、方法。
  9. 通年開花特性を有するルピナス植物を作り出す方法であって、
    2つのルピナス植物を交雑し、結果として生じたルピナス種子又は胚を採取してF後代を作り出すことであって、少なくとも1つの親植物が請求項1に記載のルピヌス・ポリフィルスであること;
    前記F後代を前記通年開花特性を有する親と戻し交雑し、結果として生じたF種子又は胚を採取すること;及び
    後代を栽培し、通年開花特性を有する植物を選抜することを含
    前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、方法。
  10. 通年開花特性を有する、請求項9に記載の方法により作り出されるルピナス植物であって、前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、ルピナス植物
  11. 前記第2の親植物が、ルピヌス・ポリフィルス、ルピヌス・アルボレウス、ルピヌス・スルフレウス、及びルピヌス・ヌートカテンシスからなる群から選択さるルピナスである、請求項9に記載の方法。
  12. 前記F後代を自家受粉させて通年開花特性を有するF後代を作り出す、請求項9に記載の方法であって、前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、方法
  13. 前記F後代を異種交雑させて通年開花特性を有するF後代を作り出す、請求項9に記載の方法であって、前記通年開花特性が、春化なしで短い日長の日に開花することを含む、方法
  14. 矮性品種である、請求項1に記載のルピナス植物。
  15. 前記ルピナスの花序が、青、紫、ホワイト、赤、ピンク、イエロー、オレンジ又はその組み合わせ及び色合いの花を作り出す、請求項14に記載のルピナス植物。
  16. 高性品種である、請求項1に記載のルピナス植物。
  17. 前記ルピナスの花序が、青、紫、ホワイト、赤、ピンク、イエロー、オレンジ又はその組み合わせ及び色合いの花を作り出す、請求項16に記載のルピナス植物。
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