JP6665997B2 - 微小気泡担持複合体、微小気泡担持複合体の製造方法、微小気泡担持複合体の動態制御方法、及び医薬組成物 - Google Patents

微小気泡担持複合体、微小気泡担持複合体の製造方法、微小気泡担持複合体の動態制御方法、及び医薬組成物 Download PDF

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本発明は、微小気泡担持複合体、微小気泡担持複合体の製造方法、微小気泡担持複合体の動態制御方法、及び医薬組成物に関する。
音波はその波長よりも小さな物体に対して音響放射力と呼ばれる作用力(Bjerknes force)を発生することが知られている。これを利用して、微小気泡と呼ばれる気体を内包した粒子を超音波診断における造影剤として用いる技術が実用化されている。更には、微小気泡を薬物送達システム(DDS)に応用する研究や、微小気泡の動態を能動的に制御する方法についての研究が進められている。微小気泡の動態を制御する手法に関しては、例えば、微小気泡が凝集体を形成すると超音波照射による動態制御性が向上するという知見に基づき超音波照射の条件の検討がなされている(例えば、非特許文献1参照)。
江田廉ら「超音波照射による微小気泡の凝集現象解析と赤血球の影響」、生体医工学、Vol.50, No.1, pp.138-148, 2012
上記のように、微小気泡自体の動態を制御する技術の応用や制御性の向上については種々検討がなされているが、微小気泡とは別の物体の動態を制御するために微小気泡を利用するという観点からの検討はいまだなされていない。また、対象となる物体の動態を能動的に制御することができれば、例えば、体外で調製した細胞を体内に注入する造血幹細胞移植、免疫細胞療法等の細胞移植治療の技術や、水中の有害物質を除去する技術の発展に寄与すると考えられる。そこで本発明は、音響放射力によって動態を制御可能な微小気泡担持複合体、微小気泡担持複合体の製造方法、微小気泡担持複合体の動態制御方法、及び医薬組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>被着体と、前記被着体に付着した微小気泡と、を有し、音響放射力によって動態が制御可能な微小気泡担持複合体。
<2>前記被着体は投影面積円相当径が1μm〜100μmである、<1>に記載の微小気泡担持複合体。
<3>前記微小気泡はシェルを有し、かつ前記シェルの内部に気体を内包した構造を有する、<1>又は<2>に記載の微小気泡担持複合体。
<4>被着体と、微小気泡と、分散媒とを混合する工程を含む、微小気泡担持複合体の製造方法。
<5>被着体と、微小気泡と、分散媒とを混合して得られる混合物に超音波を照射する工程をさらに含む、<4>に記載の微小気泡担持複合体の製造方法。
<6><1>〜<3>のいずれか1項に記載の微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む、微小気泡担持複合体の動態制御方法。
<7><1>〜<3>のいずれか1項に記載の微小気泡担持複合体を含む、医薬組成物。
本発明によれば、音響放射力によって動態を制御可能な微小気泡担持複合体、微小気泡担持複合体の製造方法、微小気泡担持複合体の動態制御方法、及び医薬組成物が提供される。
微小気泡担持複合体の作製に使用した超音波照射装置の構造を示す図である。 微小気泡粒子の細胞への付着の度合いを示す図である。 微小気泡担持複合体の移動の様子を示す図である。 微小気泡担持複合体の平均移動距離を示す図である。 微小気泡担持複合体の平均移動距離を示す図である。
以下に本発明の実施形態の具体例を示すが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<微小気泡担持複合体>
本発明の実施態様に係る微小気泡担持複合体は、被着体と、前記被着体に付着した微小気泡と、を有する。微小気泡担持複合体は、被着体の表面に微小気泡が付着していることにより、音響放射力によってその動態が制御可能となっている。
本明細書において「付着している」とは、本発明の目的が達成される程度に微小気泡が被着体に接触して離れない状態であることを意味し、その具体的態様は特に制限されない。また、本発明の目的が達成された後は微小気泡が被着体から分離可能であっても、分離不可能であってもよい。
本明細書において「音響放射力によって動態が制御可能である」場合には、音響放射力を付与した状態と音響放射力を付与しない状態とで微小気泡担持複合体の動態が異なるあらゆる場合が含まれる。従って、音響放射力を付与しない状態では動かない微小気泡担持複合体に音響放射力を付与して動かす場合のほか、音響放射力を付与しない状態では一定の動きを示す微小気泡担持複合体に音響放射力を付与してその動きを変化、停止又は抑制する場合も「音響放射力によって動態が制御可能である」場合に含まれる。
被着体の種類は特に制限されず、微小気泡を付着させない状態では音響放射力によりその動態が制御されないものであっても、微小気泡を付着させない状態でも音響放射力によりその動態が制御されるが、微小気泡を付着させることにより制御性が向上するものであってもよい。被着体として具体的には、例えば、細胞(生物から採取した細胞及び人工的に作製した細胞を含む)、樹脂、炭素質等の有機物の粒子、ガラス、セラミックス、金属、鉱物等の無機物の粒子などが挙げられる。被着体は、必要に応じて表面処理を施してもよい。
被着体の大きさは特に制限されず、微小気泡が付着した状態で音響放射力によりその動態が制御されうるものであれば特に制限されない。例えば、被着体の投影像の面積が最大となるときの当該面積と等しい面積の円の直径(投影面積円相当径)が100μm以下であってよく、50μm以下であってよく、20μm以下であってよい。また、例えば、被着体の投影面積円相当径が1μm以上であってよく、2μm以上であってよく、5μm以上であってよい。
本明細書において「微小気泡」とは、直径が50μm以下である気泡を意味する。微小気泡はシェル(殻)を有していなくても、シェルを有し、かつその内部に気体を内包した構造を有する粒子(以下、微小気泡粒子ともいう)であってもよい。
微小気泡の大きさは特に制限されず、被着体に付着させると微小気泡担持複合体の動態が音響放射力により制御可能となるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、直径が10μm以下であってよく、1μm以下であってよく、0.5μm以下であってよい。また、例えば、直径が10nm以上であってよく、50nm以上であってよく、100nm以上であってよい。微小気泡の大きさは、顕微鏡による観察、動的光散乱法等の公知の方法により測定することができる。
被着体への微小気泡の付着性、微小気泡の作製後の安定性等の観点からは、微小気泡は微小気泡粒子であることが好ましい。微小気泡が微小気泡粒子である場合、シェルの材質は特に制限されない。例えば、天然高分子、合成高分子、リン脂質、界面活性剤等が挙げられる。シェルの構造は単層でも、2層以上であってもよい。シェルの内部に内包される気体としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素(フッ素化炭化水素等)、炭酸ガス、空気などが挙げられる。
微小気泡粒子は公知の方法で作製してもよく、マイクロカプセル、マイクロバブル等と称して市販されている製品を利用してもよい。バブルリポソームと呼ばれるリン脂質からなるシェルを有する粒子(リポソーム)に気体を封入した直径が500nm程度の微小気泡粒子を利用してもよい。バブルリポソームの詳細については、例えば、丸山一雄ら「バブルリポソームと超音波を用いた薬物・遺伝子送達システム」(YAKUGAKU ZASSI 127(5) 781−787(2007)等を参照できる。
微小気泡粒子は、必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理の種類は特に制限されず、表面処理の目的、被着体の種類等に応じて選択できる。例えば、表面をポリエチレングリコール(PEG)等で修飾したり、被着体との付着を促す物質を担持させたり、帯電させたりしてもよい。
被着体に対する微小気泡の付着量は、特に制限されず、被着体の材質、被着体の大きさ、微小気泡担持複合体の所望の動態制御性の程度等に応じて調節できる。一般には、被着体に対する微小気泡の付着量が多いほど、音響放射力による動態制御性が高まる傾向にある。
<微小気泡担持複合体の製造方法>
微小気泡担持複合体の製造方法は、被着体と、微小気泡と、分散媒とを混合する工程を含む。混合の方法には、(1)被着体と、微小気泡と、分散媒とを一工程で混合する方法、(2)被着体と分散媒との混合物に微小気泡を混合する方法(被着体と分散媒との混合物中で微小気泡を作製する方法を含む)、及び(3)微小気泡と分散媒との混合物に被着体を混合する方法のいずれも包含される。前記製造方法によって製造される微小気泡担持複合体の詳細及び好ましい態様は、上述したとおりである。
分散媒の種類は特に制限されず、純水、生理食塩水、有機溶媒等が挙げられ、被着体及び微小気泡の種類等に応じて選択できる。分散媒は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。必要に応じて乳化剤、分散剤等の添加剤を添加してもよい。
微小気泡担持複合体の製造方法は、必要に応じて被着体、微小気泡及び分散媒の混合物を撹拌する工程、被着体、微小気泡及び分散媒の混合物に超音波を照射する工程、被着体、微小気泡及び分散媒の混合物を加熱又は冷却する工程等をさらに含んでもよい。
被着体への微小気泡の付着量を増加させる観点からは、被着体、微小気泡及び分散媒の混合物に超音波を照射する工程を含むことが好ましい。超音波を照射することで微小気泡の付着量が増加する理由は明らかではないが、超音波を照射することで微小気泡同士の凝集が促進されるためと考えられる。
被着体、微小気泡及び分散媒の混合物に超音波を照射する場合の音圧は、微小気泡の被着体への付着が促進され、かつ微小気泡の崩壊が抑制される範囲内で行うことが好ましい。例えば、照射する超音波の音圧を1kPa−pp〜1000kPa−ppの範囲内として行うことができる。
<微小気泡担持複合体の動態制御方法>
微小気泡担持複合体の動態制御方法は、上述した微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む。より具体的には、液体中に存在する微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することで、微小気泡担持複合体の液体中における動態を制御することを含む。微小気泡担持複合体に音響放射力を付与する方法としては、超音波を照射する方法が挙げられる。超音波を照射する方法は特に制限されず、微小気泡担持複合体の使用態様、所望の動態等に応じて選択できる。
微小気泡担持複合体に音響放射力を付与する場所は、特に制限されない。例えば、微小気泡担持複合体を導入した生体内、被着体が有害物質等の除去対象として含まれる水中等が挙げられる。
<医薬組成物>
医薬組成物は、上述した微小気泡担持複合体を含む。医薬組成物は、その使用態様に応じて微小気泡担持複合体以外の成分を含んでいてもよい。微小気泡担持複合体以外の成分としては、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、緩衝剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、懸濁化剤、乳化剤、緩衝剤、溶剤等を挙げることができる。
医薬組成物の形態は特に制限されず、用途に応じて選択できる。例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、懸濁剤、シロップ、乳剤、リモナーデ剤等の経口投与に適した形態、注射用アンプル剤、注射用凍結乾燥粉末剤、経肺投与用乾燥粉末剤などが挙げられる。
医薬組成物の使用方法は特に制限されず、経口投与、静脈内投与等が挙げられる。特に、造血幹細胞移植、人工多能性幹細胞移植、免疫細胞療法等の細胞移植を伴う治療方法では、カテーテル等を用いた移植方法よりも侵襲性の低い手法で目的の場所に細胞を移送する方法として有用である。
医薬組成物の使用量は特に制限されず、治療対象である疾病の種類、治療方法、患者の状態等に応じて選択できる。本明細書において「治療」には、治療対象である疾病の症状を消失させることのほか、重症化の抑制、症状の軽減又は緩和も含まれる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
シェル部がポリエチレングリコール(PEG)で修飾され、かつPEGの末端にトランスフェリン(TF)が共有結合したマイクロリポソーム(TF−BLs)に下記の方法で気体を封入して微小気泡粒子を作製した。
まず、容積5mLの容器に2mLのTF−BLs懸濁液(脂質濃度:1mg/mL)を入れ、内部の空気を7.5mLのパーフルオロプロパンガスで置換及び加圧し、42kHzの超音波を5分間照射して、TF−BLs中にパーフルオロプロパンガスを封入して微小気泡粒子を作製した。得られた微小気泡粒子の大きさは約500nmであった。
TF−BLsは、気体を封入する前に、波長484nmの励起光を照射すると波長501nmの蛍光を発するようにDiOで染色した。
被着体としては、トランスフェリン受容体を有するマウス由来のColon−26細胞(10μm〜15μm)を用いた。細胞は、波長548nmの励起光を照射すると波長570nmの蛍光を発するようにテトラメチルローダミンで染色した。
超音波照射装置として、図1に示すような円筒形容器の上面と下面にそれぞれ超音波トランスデューサー(セラミック製円盤状、直径29mm、中心周波数1MHz)を互いに対向するように配置したものを作製した。容器内の体積は27.5mL(内径45mm、高さ14mm)であった。容器の側面には懸濁液の導入口、排出口、排気口を設けた。2つのトランスデューサーを駆動させた状態で閉じた容器内の音圧の3次元的な分布は直接測定できないため、一方のトランスデューサーより得られる実測値をもとに計算した。具体的には、一方のトランスデューサーを容器から外した状態で、もう一方のトランスデューサーにより生じる3次元的な音圧をハイドロホンで測定し、トランスデューサーに印加した電圧と容器内の音圧の最大ピークとを測定した。両方のトランスデューサーが駆動している状態では、定常波が発生するために実際の音圧の最大値は実測値の数倍大きいと考えられる。
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に上述の微小気泡粒子(脂質濃度:0.33mg/mL)と、細胞(濃度:0.77×10個/mL)とを懸濁させた懸濁液を上述の円筒形容器に入れた。これに定常波の超音波(音圧100kPa−pp)を30秒間照射してから懸濁液を取り出し、実施例1のサンプル(超音波を照射しながら微小気泡粒子を細胞に付着させた微小気泡担持複合体)を作製した。
<実施例2>
実施例1と同じ懸濁液をビーカーに入れ、30秒間撹拌して実施例2のサンプル(超音波を照射せずに微小気泡粒子を細胞に付着させた微小気泡担持複合体)を作製した。
<微小気泡粒子の細胞への付着量の評価>
実施例1及び実施例2で得られたサンプルをスライドガラス上に配置し、光学顕微鏡(Olympus BX53)と水銀ランプ(Olympus U−HGLGPS)を用いて観察した。観察には、2種の蛍光フィルター(Olympus U−FGWA及びU−FBN)を使用した。
まず、緑色のフィルターを用いて得られた微小気泡粒子の画像をグレースケールに変換し、赤色のフィルターを用いて得られた細胞の画像を判別分析法により二値化した。次いで、得られた二つの画像を位置が等しくなるように重ね合わせた。結果を図2に示す。
図2の右側の画像は実施例1(超音波照射あり)のサンプルより得られたものであり、左側の画像は実施例2(超音波照射なし)のサンプルより得られたものである。図2よりわかるように、いずれのサンプルにおいても微小気泡粒子が細胞に付着していた。また、実施例1のサンプルの方が、実施例2のサンプルよりも細胞に付着している微小気泡粒子の量が多く、かつ均等に付着していた。
<微小気泡粒子担持複合体の動態制御性の評価>
微小気泡粒子担持複合体の動態制御性を確認するため、工業用顕微鏡(Olympus BXFM)の対物レンズ側に作業スペースを設けた。蛍光ミラーユニット(Olympus U−MWIG3及びU−MNIBA3)と水銀ランプ(Olympus SHI−130OL)を顕微鏡に取り付けた。懸濁液のサンプルは、幅2mm、厚さ0.3mmのポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEGMA)製流路内に封入した。流路は水で湿らせるため、凹型超音波トランスデューサー(直径15mm、中心周波数5MHz)を水タンクの底部に設置して超音波照射下の微小気泡粒子担持複合体の挙動を観察した。トランスデューサーの表面と流路との間の距離は、流路内の懸濁液が音場の焦点領域内となり、かつトランスデューサーの焦点距離(60mm)となるように設定した。
実施例1で作製したサンプルについて、超音波(ビーム径2.0mm、最大音圧300kPa−pp)を照射しながらその動態を観察した。結果を図3に示す。超音波照射開始から6秒以内に視野中の8個以上の微小気泡担持複合体が移動する様子が観察された。
次に、実施例1で作製したサンプル、実施例2で作製したサンプル、及び微小気泡粒子を付着させていない細胞のそれぞれについて上記と同じ条件で超音波を5秒間照射し、照射前後の平均移動距離(μm)を測定した。結果を図4に示す。グラフ中のエラーバーは標準誤差(n=56)を表す。
図4に示す結果より、微小気泡粒子を付着させていない細胞(Cell only)は超音波を照射しても移動しなかったのに対し、実施例1(Cell+MB+US)及び実施例2(Cell+MB)で作製したサンプルは超音波を照射することで移動することがわかった。また、超音波を照射しながら微小気泡粒子を細胞に付着させた実施例1のサンプルの方が、実施例2のサンプルよりも移動距離が大きかった。
次に、実施例1で作製したサンプルについて超音波の音圧をそれぞれ100kPa−pp、200kPa−pp、300kPa−ppとして2秒間照射し、照射前後の平均移動距離(μm)を測定した。結果を図5に示す。グラフ中のエラーバーは標準誤差(n=48)を表す。
図5に示す結果より、照射する超音波の音圧が大きいほど微小気泡粒子担持複合体の移動距離が大きくなる傾向にあることがわかった。
以上の実施例の結果より、本発明の微小気泡担持複合体は音響放射力によって動態が制御可能であることがわかった。

Claims (7)

  1. 被着体と、前記被着体に付着した直径が0.5μm以下である微小気泡と、を有し、微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む微小気泡担持複合体の動態制御方法に用いるための微小気泡担持複合体を含む、医薬組成物
  2. 前記被着体は投影面積円相当径が1μm〜100μmである、請求項1に記載の医薬組成物
  3. 前記微小気泡はシェルを有し、かつ前記シェルの内部に気体を内包した構造を有する、請求項1又は請求項2に記載の医薬組成物
  4. 被着体と、直径が0.5μm以下である微小気泡と、分散媒とを混合する工程を含む、微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む微小気泡担持複合体の動態制御方法に用いるための微小気泡担持複合体の製造方法。
  5. 被着体と、直径が0.5μm以下である微小気泡と、分散媒とを混合して得られる混合物に超音波を照射する工程をさらに含む、請求項4に記載の微小気泡担持複合体の製造方法。
  6. 被着体と、前記被着体に付着した直径が0.5μm以下である微小気泡と、を有する微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む、微小気泡担持複合体の動態制御方法(但し、人間を治療する方法を除く)。
  7. 被着体と、前記被着体に付着した直径が0.5μm以下である微小気泡と、を有し、微小気泡担持複合体に音響放射力を付与することを含む微小気泡担持複合体の動態制御方法に用いるための微小気泡担持複合体を含む、水中の有害物質除去剤。
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