JP6662666B2 - 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席 - Google Patents

複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席 Download PDF

Info

Publication number
JP6662666B2
JP6662666B2 JP2016051143A JP2016051143A JP6662666B2 JP 6662666 B2 JP6662666 B2 JP 6662666B2 JP 2016051143 A JP2016051143 A JP 2016051143A JP 2016051143 A JP2016051143 A JP 2016051143A JP 6662666 B2 JP6662666 B2 JP 6662666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leg
web
front leg
absorbing device
vehicle seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016051143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017165203A (ja
Inventor
徹 川西
徹 川西
板東 舜一
舜一 板東
Original Assignee
天龍エアロコンポーネント株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 天龍エアロコンポーネント株式会社 filed Critical 天龍エアロコンポーネント株式会社
Priority to JP2016051143A priority Critical patent/JP6662666B2/ja
Publication of JP2017165203A publication Critical patent/JP2017165203A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6662666B2 publication Critical patent/JP6662666B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T50/00Aeronautics or air transport
    • Y02T50/40Weight reduction

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本発明は複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置に係り、詳しくは、上下に延びて前方定着部位に至る前脚が備えられた乗物用座席の急減速作用時前脚下端部衝撃吸収装置に関するものである。加えて、それを備えた複合材製乗物用座席も提供しようとするものである。
乗物用の座席は少なくとも移動中床にしっかりと固定できるようになっている。すなわち、移動中の座席は原則として不動状態にあって、シートベルトを着用している搭乗者に少々の大きな減速力が作用しても座席は乗客とともに前移動することはない。言い換えれば、シートベルトを介して着座者を座席から前方へ飛び出させない機能を持ち合わせている。
座席の安定を図るために脚構造体は金属製部品が適用され、強度は十分であり剛性も高く与えられる。航空機用座席の場合には軽金属が使用され、アルミ鍛造品をNC加工するなどした削り出し品であることが多い。なお、ペイロードの増大、航続距離の拡大、離着陸距離の短縮といった観点から、機体ならびに装備品にはますますの軽量化が求められている。
特許文献1である特表2009−537383には、座席脚部を軽量構造とすべく構成品の一部を繊維強化プラスチック製とすることが開示されている。もう少し述べれば、金属製剛体である補強棒部材などとともに全体的な構造強化と軽量化のためにハニカムコア板が採用されており、その表裏の当て板兼補強板としてFRPが適用されている。
ところで、脚構造体のほとんどの部位をFRP化しようとすると、前脚および後脚だけでは耐えきれず、少なくともトラス構造としておくことが必要となる。その場合には、前脚、後脚および前脚の上端から後脚の下端へ延びるブレースを入れるか、ブレースを前脚の下端から後脚の上端に延びるかたちのいずれかとなる。これらはブレースを一本だけ介在させた形態であるが、座席の左側から見たとき、前者はN形に、後者は逆N形となる(以下、N形脚、逆N形脚という。)。
N形脚は特許文献2である特開平10−075848号公報に、逆N形脚は特許文献3である特開平6−016194号公報に記載されているが、これらは金属脚である。これをFRPに置き替えようとするなら、FRPの性質を熟知し、それを利用することが重要である。すなわち、引張力・圧縮力やせん断力の強弱、曲げ耐力の大小といったことを考慮せねばならない。
N形脚および逆N形脚のいずれを採用するにしても、座席の後部分は背後の搭乗者の足や脚を納めるスペースを確保すべく、後脚を垂直にしておくことは好ましくない。したがって、後脚は前述した特許文献3のように「く」の字状とされる。図18の(a)にはN形脚が示され、ブレース51の後半部位の下り傾斜部分51aと後脚上部を形成する上り傾斜部分51bとを組み合わせた後脚52の例となっている。同図(b)はブレース53の後半部位の上り傾斜部分53aと後脚下部を形成する下り傾斜部分53bとを組み合わせた後脚54の例であって、逆N形脚となっている。
それぞれの形態について大きい負の前方Gを作用させた状態でのFEM解析によると、N形脚は逆N形脚に比べて作用するせん断力(黒矢印)とモーメント(影つき円弧矢印)は全般的に小さく、反面、軸力(ハッチング矢印)は大きい。したがって、FRP成形品とする場合、その得失を考慮すればN形脚が好ましいと言える。前方定着部位1Fに至る前脚2は概ね垂直とされるが、後脚は大きく傾斜して後方定着部位1Rに向かうブレースの後半部分と、ブレース中間部位から座面後縁の支持桁に向かう上り傾斜部分とからなる構造としておくことになる。
ところで、座席は固定されているから胴体着陸したときなどは搭乗者に大きな減速Gが作用し、座席自体の慣性力とあいまって搭乗者も座席も大きく前のめりとなるから、脚構造体には大きな力が作用する。脚構造は法令に定めるGに耐えるべく設計されるが、とりわけ剛強さが要求されるのは言うまでもなく前脚である。この前脚の変形をダンパーなどによって許容し、衝撃を和らげる対策が施されることもある。
例えば特開2015−214204にはリクライニングを操作するアクチュエータのマウント部にスリット付きリンクプレートを介在させ、このスリットとして上下に長い溝孔を形成させるようにしている。詳しく説明はしないが、リンクプレートに前向きの力が作用したとき溝孔を利用してマウントアームが伸び、衝撃を吸収できる機構となっている。この外に、特開2010−000995や特開2012−091540にも、衝撃吸収することができる航空機用座席が開示されている。
特表2009−537383 特開平10−75848号公報 特開平6−16194号公報 特開2015−214204 特開2010−000995 特開2012−091540
ところで、高強度なFRP成形品を得るためにはプリプレグの積層工程やオートクレーブによる加熱・加圧・養生工程が必要となり、金属品からの削り出しに比べれば多大の製作時間を要する。それと同時に、高価な成形金型も必要となる。前脚・後脚・ブレースからなるトラス構造の脚体を一体成形するとなると、製作の時間短縮は図られても、金型の大型化が余儀なくされる結果、製作費がますます嵩むことになるのは避けられない。
以上の実情から分かるように、航空機の座席における脚構造体は現在のところオールFRP製もしくは大部分FRP製とするところまでには至っていない。座席の一つひとつの軽量化は、例えば500席を装備する大型旅客機においてその重量軽減効果が著しい。ましてや、総複合材製やそれに近い形態の座席を搭載することになれば、航続距離の増大、離着陸距離の短縮、ペイロードの増加といった航空機では重要な性能向上がもたらされることになる。これは自動車や船舶などの乗物においてもほぼ同じことが言える。
ちなみに、座席の脚構造体をFRP製とした場合も、衝撃吸収機能を持たせようとするとき、金属製脚での衝撃吸収原理や機構をそのまま導入することや少々改変を施して反映させることも不可能に近い。前脚・後脚の構造や形状が金属製とは大きく異なったものとなるからである。したがって、脚構造体をFRP化した場合は部材形状の選定の時点から衝撃吸収を念頭においておかなければならないという新しい課題に直面する。
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、前脚、後脚における主部材の完全なFRP化により座席の可及的な軽量化を図った場合に直面する衝撃吸収を可能にした構造を案出したうえで、引張や圧縮・せん断・曲げモーメントの負担の大小を考慮し部位ごとの適宜な強度付与によるFRP成形品でありながらも、そのフェールセーフ的な円滑な局部破壊を誘発させ大破壊に至らせない機構を折り込めること、前脚の破壊中の衝撃吸収作用に不安定性を伴いにくくすること、破壊に伴う破砕片などが搭乗者に及びにくくすること、また、その破砕片が搭乗者に触れたとしても危害を与えることが可及的に少なくなること、衝撃吸収機構の前脚への装着が簡便かつ確実になされ、平常時は前脚下端のシートトラックへの固定機能を維持しつつ非常時には緊急の部分破壊を許容させることができることを実現した複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席を提供することである。
本発明は、略垂直状態にあって前方定着部位に至る前脚が備えられている乗物用座席の脚構造体における前脚衝撃吸収装置に適用される。その特徴とするところは、主として図1を参照して、座席の左右をX方向と、前後をY方向と、上下をZ方向とした場合、ウェブ部16をYZ面内に配してI形断面した複合材製前脚2の下端部位を保持する左半体31および右半体32を備える。その左半体および右半体のいずれにもI形断面におけるZX面内に位置する2つのフランジ部17,17のそれぞれの下端部を嵌着させる保持ガイド33A,33Bが設けられるとともに、左半体および右半体のいずれかにはウェブ部16の下端を乗載させるウェブ部破砕面34が形成されている。
左半体31および右半体32にはウェブ部16の左面または右面に接触させるべくフランジ部間に嵌着される保持舌片35,36がウェブ部の片面ごとに対応して設けられるとともに、ウェブ部破砕面34からのウェブ屑16aをX方向へ放出させる排屑口37がウェブ部破砕面の傍らに形成されている。
保持ガイド33A,33Bごとの下部にはウェブ部16との一体性を失った後のフランジ部17を折曲させる変向面38ならびに変向されたフランジ曲折帯状物17b(図2(b)を参照)もしくは曲折片を二手に別けてY方向へ排出させる導出口39が設けられている。
左半体31および右半体32のそれぞれにはウェブ部16にあてがわれ、かつ左半体、ウェブ部、右半体を一体的に固縛するボルト40b(図2(a)を参照)のための取付孔40aを形成した保持舌片35,36が、保持ガイド33A,33Bと一体をなして設けられている。
左半体31および右半体32には、ウェブ部破砕面34の下方もしくは排屑口37の下方で面当接する左右の半体合接部42が形成されている。
左半体および右半体のいずれか一方もしくは両方に、フランジ部にあてがわれかつ左半体もしくは右半体とフランジ部とを一体固縛するボルトのための取付孔43aが形成された舌状片部43が、保持ガイド33Aまたは33Bの上方に設けられている。
上記いずれでも規定した前脚装着破壊衝撃吸収装置を備える複合材製乗物用座席が得られる。
本発明によれば、大きい減速Gが作用した場合には、前脚に作用する上下方向の力を利用してフランジ部よりは脆い資質のウェブ部を圧砕や圧壊させることができる。加えて、両半体の保持ガイドによりフランジ部を装填したかたちでホールドすることができ、大減速G下では、圧砕等されたウェブ部からフランジ部を容易に分離させ、前脚軸力を利用して衝撃破壊力を耐久性や剛性の高いフランジ部に及ぼし、以後の曲折変形により衝撃エネルギを吸収させることができる。一方、フランジ部が保持ガイドによって保持された状態での平常時の前脚はシートトラックなどとの一体性が優れ、極めて高い安定性が確保される。
フランジ部間に嵌着された保持舌片がウェブ部の片面ごとに対応して当接されるので、平常時は撃吸収装置がウェブ部を介しても前脚下端をホールドすることが可能となり、前脚の左右方向へのブレを拘束してシートトラックなどとのさらなる一体性が図られる。一方、大減速G下では、ウェブ部破砕面の傍らに形成されている排屑口からウェブ屑をX方向(左右方向)へ放出させることができる。ウェブ屑は圧砕されたものであり、搭乗者の足元に飛散することはあっても危害を及ぼすほどのものでない。
保持ガイドごとの下部には導出口が設けられており、ウェブ部との一体性を失ったフランジ部を変向面により曲折帯状化させ、前後二手に別けてY方向へ排出させることができる。このフランジ曲折片もしくは曲折帯状物は着座者の足元に及ぶことがなく、また巻き込み状となって導出されるから、先端部がむき出し状態で足や脚に当たることも可及的に少なくなる。
左半体および右半体のそれぞれには、ウェブ部にあてがわれ、取付孔を形成した保持舌片が保持ガイドと一体をなして形成されているので、左半体、ウェブ部、右半体を取付孔に挿通させたボルトによって一体的に固縛しておくことができる。平常時はボルトがウェブ部を傷つけることはないが、大減速G下ではボルトがウェブ部にせん断力を作用させ、ウェブ部の圧砕作用を助長するように機能する。
ウェブ部破砕面の下方もしくは排屑口の下方で面当接する左右の半体合接部が形成されているので、左半体と右半体とは座席の左右方向において強固な一体化が図られ、前脚下端を厳格にホールドさせておくことができる。
左半体や右半体のいずれか一方もしくは両方に取付孔が形成された舌状片部が保持ガイドの上方に設けられているので、取付孔にボルトを挿入すればフランジ部にあてがわれかつ左半体もしくは右半体とフランジ部とを一体固縛することができ、左半体または右半体は座席の前後方向においても強固な一体化を実現する。フランジ部における前脚短縮の損壊を抑制するようにボルトが力を及ぼすので、フランジ部の変形の遅速化をもたらし、ウェブ部との分離をより一層促進する。
上記いずれでも規定した前脚装着破壊衝撃吸収装置を備えた複合材製乗物用座席とすることができる。したがって、前脚において可及的安全に衝撃吸収させることができる。
衝撃吸収装置は脚構造体中に大きく嵩張ることはなく、事後的に装着することも可能となる。
本発明に係る前脚装着衝撃吸収装置に前脚下端部を臨ませるときの分解斜視図。 衝撃吸収装置とフランジ部曲折機構であって、(a)はウェブ部の破損機構を示す断面図、(b)はフランジ部の曲折機構を示す断面図。 衝撃吸収装置の左側面外観であって、(a)は座席の左側面における前脚下端部の写真、(b)は左半体と右半体によって挟持された前脚の下端部の斜視図。 左半体および右半体の対面状態で、(a)は前脚を右半体に臨ませ左半体を取りつけようとする直前の状態の斜視図、(b)は逆の方向から見た左半体および右半体の斜視図。 バゲッジバーを支持している脚構造体の背後からの斜視図。 航空機用座席の一例であって、(a)は左側面図、(b)は連座席とした場合の斜視図。 脚構造体と座席底部フレームであって、(a)は正常装着状態図、(b)は大きな減速力が作用して前脚で衝撃を吸収した状態図。 衝撃吸収の進行とフランジ部のはぎ取り曲折変遷図。 本発明が適用される複合材製乗物用座席の脚構造体の左側面外観図。 前脚・後脚用のI形構造であって、(a)はラミネート構成プレス成形品のフランジ部への一部幅配置図、(b)はフランジ部への全幅配置図。 ラミネート構成プレス成形品の部位ごとの組み合わせ前の配置図。 ラミネート構成プレス成形品の部位ごとの組み合わせ配置で、(a)は前脚用の斜視図、(b)は後脚用の斜視図。 前脚の注入成形品および後脚の注入成形品の左側面外観図。 (a)は注入成形品に内蔵されたラミネート構成プレス成形品の組み合わせ斜視図、(b)は前脚成形品の端部に破損容易処理を施されたラミネート構成プレス成形品の斜視図。 前脚におけるラミネート構成プレス成形品の組み合わせであって、(a)は基本形の正面図、(b)は衝撃吸収容易化処理のある改良品の正面図、(c)は(b)の側面図。 異なる後脚を備えた脚構造ユニットの左側面外観図。 注入成形品に内蔵された異なる例のラミネート構成プレス成形品の組み合わせ斜視図。 (a)はN形脚の場合の負荷作用図、(b)は逆N形脚の場合の負荷作用図。
以下に、本発明に係る複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、その説明の前に衝撃吸収装置が適用される複合材製乗物用座席における脚構造体から詳細に紹介する。それは、オールFRP製の座席が未だ提案も、出現もなされるところでないからである。
図6(a)は、略垂直状態にあって床面における前方定着部位1F(前方接床部とも称し、図示しないアンカー等によって固定される箇所)に至る前脚2が備えられる一方、下方傾き状態で後方定着部位1R(後方接床部において図示しないアンカー等によって固定される箇所)に向かう後脚3が備えられた乗物用座席4の脚構造体5の一例である。
この脚構造体5は、図6(b)に示すように、自席4Mと隣席4Nとをそれぞれの座面4S(同図(a)を参照)の前縁直下で支持する前方横材6(前ビームともいう。)から下方へ延びる複合材製の前脚2、および前方横材6から後方に向けて下り傾斜し後方定着部位1Rに至る複合材製下り斜脚部3Aと、この下り斜脚部の略中間部位から後方に向けて上り傾斜し自席4Mと隣席4Nとを座面4Sの後縁直下で支持する後方横材7(後ビームともいう。)に向けて延びる上り斜脚部3Bとで形成される複合材製の後脚を有している。前脚および後脚の複合材はいずれも炭素繊維熱可塑性樹脂とされるが、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)をマトリックスとする複合材である。これは耐衝撃性、疲労特性、長期耐熱性が高く、耐薬品性、自己消火性も持ちあわせており、その融点は280℃程度であって、後述するハイブリッド成形にも好適なものである。
後脚3は図6(a)に示したように斜脚形態であるから、座面4Sの前後寸法に拘束されることが少なく、定着部位1F,1Rの前後間隔を長くとりやすくなっている。なお、前ビーム6および後ビーム7はパイプ状である。図中の8はバックレスト、9はアームレスト、10はバゲッジバーである。
この例においては、下り斜脚部3Aは後方定着部位1Rまで直接延び、上り斜脚部3Bは下り斜脚部3Aの略中間部位において下り斜脚部3Aと一体成形されている。したがって、後脚3は一部品化されることになり、脚構造体5は前脚と後脚の二つの部品から構成される。なお、図7(a)に示すように、定着部位1F,1Rは床に敷設されたシートトラック11やスプレッダ12の上に設けられたり、直接床面に配置されたりする所定の座席脚固定位置である。ここで述べる脚構造体5は、上記した前方横材6と後方横材7を架橋する前後方向ビームと一体化しないから、結局は成形型の大型化が回避される。この点については、次に少し触れる。
複合材製前脚2と複合材製後脚3は、上でも述べたが、図7(a)に示したように、前方横材6または後方横材7を介して一体的構造脚として組み立てられる。これは図9にも示すとおりであり、脚構造体5を簡単かつ容易に形成することができる。各横材とは接着により、定着部位ではシートトラックフィッティング13のボルト締結作業等によればよく、後処理工程が極めて少ない利点がある。ちなみに、前方横材6と後方横材7を架橋する前後方向ビーム(次に述へる符号14に相当する部材)と一体になった複合材成形品とはしていなく、成形型の大寸法化を回避する配慮が払われている。すなわち、前方横材6と後方横材7を架橋しての前後方向の一体化は、座席底部フレーム14等の別材によっている(図7(a)参照)。
前脚2および後脚3のそれぞれは、座席4の左右をX方向と、前後をY方向と、上下をZ方向とした場合(図6(b)を参照)、せん断荷重を負担するウェブ部16をYZ面内に配した図10に示すようなI形構造とされる。引張・圧縮軸力を負担し剛性を増強させるフランジ部17(座席の左右方向に伸びる垂直面内に位置する)における反ウェブ部側の全幅もしくは一部に、連続炭素繊維補強のラミネート構成プレス成形樹脂体18が配される。なお、成形樹脂体の断面は濃く表示され、図10(a)は左右に並列に存在させた部分的なものであり、同図(b)ではフランジ部17の全幅に及んでいる。
フランジ部17における残余域およびウェブ部16(いずれも断面は薄く表示)はコンパウンド樹脂の注入・固化により造形される。すなわち、図11に示すように、連続繊維の積層により補強されたプレス成形のプリフォーム品2P1 ,2P2 ,3P1 ,3P2 ,3P3 を予め製作しておく。前脚2の場合にはプリフォーム品2P1 ,2P2 を図12(a)のように組み合わせて図示しない金型内に配置し、後脚3の場合は、プリフォーム品3P1 ,3P2 ,3P3 を図12(b)のように組み合わせて図示しない金型内に配置する。プリフォーム品の裏部位等を埋めつつウェブ部を形成するようにコンパウンド樹脂を注入し、その固化成形により図13に示したごとくラミネート構成プレス成形樹脂体18と注入コンパウンド樹脂体19との一体化を図り、リブ20を伴って前脚2や後脚3の造形がなされる。
よって、各脚は、補強部材としての連続繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた強化プラスチック成形材料の積層成形法と、コンパウド樹脂の注入成形法とからなるハイブリッド成形法とを経た造形物となる。このハイブリッド成形法によれば大型のオートグレーブや長時間のキュアリングも必要でなくなるから、量産の迅速化も果たされる。もう少し詳しく述べれば、フランジ部17の強度の主体をなすのはすでに触れた例えば炭素繊維強化PPS樹脂とし、その繊維は一方向強化材(UD uni direction)や織物材( cloth)とすることによりフランジ部の耐力が高く発揮できるものになる。なお、コンパウンド樹脂溶融体の加圧注入時には、注入コンパウンド樹脂体19とラミネート構成プレス成形樹脂体18とはそれぞれの樹脂の相互融着により両者の絡みが高度に進み、境界のない一体化がなされる。
ラミネート構成プレス成形を左右に分離させた部分的なものは、図11に示すように前脚2と、後脚3の下り斜脚部3Aの後方定着部位側および上り斜脚部3Bであり、全幅は後脚3の下り斜脚部3Aの前方横材側とされている。すなわち、プレス成形のプリフォーム品3P1 は全幅構造用であり、プレス成形のプリフォーム品2P1 ,2P2 ,3P2 ,3P3 は部分幅構造用とされる。ちなみに、プリフォーム品2P1 ,2P2 は後述する図15からも分かるように対称的な曲がりを呈しており、プリフォーム品3P2 の2つは先端のテーパ部23を除き同一形状品、プリフォーム品3P3 の2つは同一形状品となっている。
ラミネート構成プレス成形樹脂体18によるプレス成形のプリフォーム品は、前方横材6または後方横材7さらには後方定着金具締結用ピン穴箇所22を外囲して曲がるヘアピン状の成形品となっている。なお、一列配置であっても、フランジ部17の反ウェブ部側の左縁および右縁寄りに分散させた二列配置であっても、荷重負荷を考慮して積層数を変えるなどしてメリハリの効いた補強筋とすることができる。これらによる脚構造体5の前脚2、後脚3を造形する注入成形の直前ではすでに示した図12のような配置形態であって、注入成形後の前脚・後脚は図13のような外観となる。なお、図14(a)に示すように、前脚2にあっては上半部がプリフォーム品2P1 ,2P2 の二列分離配置とされ、下半部は二列合体配置とされている。この図は脚構造体として組上げたときの補強筋全景を示している。
図12に示すように、複合材製前脚2は二列並行配置であり、前方定着部位およびそれに近接する部位において密接一体化されており、とりわけ横剛性の強化が図られる。すなわち、図14(a)および図15(a)に示すように、V字形もしくは松葉状にすることにより左右方向の剛性が向上したものとなる。また、後述するが、衝撃吸収装置30(図9を参照)を脚端に取りつけた場合、近接状態にあるラミネート構成プレス成形樹脂体18で形成される補強筋を一体的に除去対象とすることができ、衝撃吸収装置30の構造の複雑化を軽減することもできる。
図9に戻って、前脚2の前方定着部位1Fの近傍におけるフランジ部17aは、前面・後面ともに後方定着部位1Rを中心とした半径r1 ,r2 の円弧状とされる。急減速時に座席が前倒れしようとすると、前脚2の長さを縮めるようにして衝撃が吸収される。その際に、この円弧部位26によって前脚2の下端が衝撃吸収装置30の破壊作用部に対して常時直角などの一定姿勢に保たれ、衝撃吸収作用の確実性を上げることができるようにしている。コンパウド樹脂は硬化すると比較的脆く、ウェブ部16は衝撃力によって瞬時に飛散するが、衝撃の吸収は、CFRPフランジの繊維破壊および層間剥離で始まる曲がり変形で達成される。このように衝撃吸収作用を発揮させるにおいて、脚構造体の複合材化は極めて利便性の高いことが分かる。
ところで、図14(b)に示すように、前脚2のフランジ部17の下端部の厚みは定着部1Fに向けて漸減され、繊維破壊および層間剥離のきっかけを与えやすくしておくとよい。この厚み漸減部27によって衝撃吸収開始時に大きな応力を作用させることができる。さらには、厚みが定着部位1Fに向けて漸減されているフランジ部17には平面視矢尻状のテーパ28も施され、先端になるにつれて作用する応力のさらなる増大化もきたしやすくしておくことができる。先端になるにつれて断面積が小さくなるから応力のなだらかな増大化は前脚2によるフェールセーフ効果を助長し、しかもフランジ先端部から始めさせるためにも極めて都合がよい。
このように先端部を平面方向と板厚さ方向の両方で尖らせることで、フランジ先端部からの破壊をより一層スムーズにする。図7(a)は平常時の座席の状態、同図(b)は前脚2が縮まった様子を示す。見た目には座面の傾斜が大きくないようでも、その衝撃吸収作用は大きい。図8(a)ないし(c)から分かるように、フランジ部17が前脚から剥がれて前側フランジ部17Fと後側フランジ部17Rとが、後で触れるがフランジ曲折帯状物17bとして突き出されるかのように挙動する。
ところで、図16に示すように、下り斜脚部3Aを前方横材6に連結される前方斜脚要素3Fとこの前方斜脚要素にピン29で連結されて後方定着部位1Rへ向かう後方斜脚要素3Rとで形成し、上り斜脚部3Bは後方斜脚要素3Rの前端部位において一体という格好で後脚3を形成することもできる。この場合には、後脚3は前方斜脚要素3Fの直線状リンクと、後方斜脚要素3Rと上り斜脚部3Bからなる「く」字状リンク3Mの二部品化されることになる。ピン連結部においては言うまでもなくモーメントの発生はなく、前方斜脚要素3Fに要求されるビーム剛性は低いもので済ませておくことができる。
図17は、図16の構成とした場合の連続繊維積層によるプレス成形プリフォーム品3Q1 ,3Q2 ,3Q3 ,3Q4 ,3Q5 の配置状態、ならびに図12(a)の場合と同様の前脚用プリフォーム品2P1 ,2P2 の一体品を示す。注入成形品に内蔵されたラミネート構成プレス成形品を斜視的に示すと、図14(a)と同様な図17のようになる。以上述べたいずれの構成によるも、所要の強度を有しながらも軽量化が図られ、製作容易かつ迅速、部品点数の最小化、製作治具の簡素化や低廉化、大量生産の容易化といった多くの利点がもたらされる。
上記した各形態の説明から分かるように、本発明の前脚装着衝撃吸収装置が適用される複合材製乗物用座席においては、その脚構造体が複合材製(炭素繊維強化熱可塑性複合材)前脚と複合材製後脚からなるようにしていることから座席の軽量化が図られ、したがって機体の軽量化はペイロードの増大、航続距離の拡大、離着陸距離の短縮を可能にする。このようなN型構造では、脚構造体の各部位に作用するせん断やモーメントが例えば逆N型よりは軽減される。ちなみに、フランジ部には連続炭素繊維補強のラミネート構成プレス成形樹脂体が含まれているから引張・圧縮などの軸力に対抗する力は十分に確保しておくことができる。なお、後脚は斜め形態であるから、座面の前後寸法に拘束されることが少なく、定着部位間の間隔を長くとりやすくもなる。
前脚が樹脂成形品化されているから、大きな衝撃が作用した場合フェールセーフ思想に則った破損や破壊現象を利用する衝撃吸収方法やそのための装置の導入が図り易くなる。すなわち、複合材品をI形構造としておくから、剛強でない箇所では破壊させ、剛強な箇所では変形させるといったように異なる二つの衝撃吸収形態が採られ、安全性の確保レベルを上げやすくなる。なお、ウェブ部にラミネート構成プレス成形樹脂を単独もしくは混成させておくことも可能である。その場合、衝撃吸収の先行破壊を図る意味で、フランジ部におけるよりは少量とし、ウェブ部とフランジ部の間に意図的な強弱を与えておけばよい。
複合材製脚構造は目新しい製造法であるゆえに説明が長くなったが、その脚構造体を対象とした本発明に係る前脚装着衝撃吸収装置30について、以下に詳細に説明する。それは金属製であり、FRP製では機能達成が困難であって硬度においてFRPを凌ぐ必要があるからである。図3(a)は座席の左側面における前脚下端部ならびに衝撃吸収装置30の写真である。これは、ウェブ部16をYZ面内に配してI形断面した複合材製前脚2の下端部位を保持する左半体31および右半体32からなる。図3(b)に示すように、前脚2の下端部は左半体31と右半体32によって挟持されるがごとくホールドされる。図1に示したように、これらの左半体31と右半体32のいずれにもZX面内に位置する2つのフランジ部17,17のそれぞれの下端部を嵌着させる左右分割式の保持ガイド33A,33Bが設けられるとともに、ウェブ部16の下端を乗載するウェブ部破砕面34も形成される。
左半体および右半体にはウェブ部16の左面または右面に接触させるべくフランジ部間に嵌着される保持舌片35,36が、ウェブ部16の片面ごとに対応して設けられるとともに、ウェブ部破砕面34からのウェブ屑16aをX方向へ放出させる排屑口37がウェブ部破砕面の傍らに形成される。保持ガイド33A,33Bの下部には、ウェブ部16との一体性を失った後のフランジ部17を折曲させる変向面38ならびに変向されたフランジ曲折帯状物17b(図2(b)を参照)もしくは曲折片を二手に別けてY方向へ排出させる導出口39が設けられている。図2(a)にもこれらの構成が別の断面で表されている。
図4(a)は左半体31および右半体32を対面させ、前脚2を右半体に臨ませて左半体を取りつけようとする直前の状態を表している。ちなみに、同図(b)は左半体31および右半体32を逆の方向から見た斜視図で、形が単純でないので参考までに示した。図1のごとく、フランジ部間に嵌着された保持舌片35,36はウェブ部16の片面ごとに対応して面接触されるので(図2(b)を参照)、平常時は撃吸収装置30がウェブ部16を介しても前脚下端を所定の姿勢に保つことが可能となり、前脚の左右方向への振れを拘束してシートトラックなどとの強固な一体性が図られる。一方、大減速G下では、ウェブ部破砕面34の傍らに形成されている排屑口37からウェブ屑をX方向(左右方向)へ放出させることができる。ウェブ部破砕面から出るウェブ屑は圧砕されたものであり、搭乗者の足元に飛散することがあっても、危害を与えるほどの破片となることはない。
保持ガイド33A,33Bごとの下部には導出口39が設けられているので、ウェブ部との一体性を失ったフランジ部を変向面38により曲折した帯状物化させ、前後二手に別けて(Y方向へ)導出させることができる。このフランジ曲折片もしくは曲折帯状物17bは座席の前後方向ヘ現れるので着座者の足元に及ぶことはなく、また図8のように巻き込み状となって導出されるから、先端部がむき出し状態で足や脚に当たることは可及的に少なくなる。
左半体31および右半体32のそれぞれの保持舌片35,36はウェブ部16にあてがわれるもので、ボルト40b(図2(a)を参照)のための取付孔40a(図1を参照)が形成されて、保持ガイド33A,33Bと一体をなし、左半体31、ウェブ部16、右半体32を一体的に固縛できるようにしている。したがって、左半体、ウェブ部、右半体は取付孔に挿通させたボルト40bによって固縛され、平常時はボルトがウェブ部16を傷つけることはないが、大減速G下ではボルトがウェブ部に局所的な大きいせん断力を作用させる結果、ウェブ部の圧砕作用を助長させるようにも機能する。
図1に戻って、左半体31および右半体32には、ウェブ部破砕面34の下方もしくは排屑口37の下方で相互に面当接する左右の半体合接部42が形成されている。これでもって、左半体と右半体とは座席の左右方向において強固な一体化が図られ、前脚2の下端を確実にホールドさせておくことができる。
なお、左半体および右半体のいずれか一方もしくは両方に、この例では右半体32にあって、フランジ部17にあてがわれかつ右半体とフランジ部とを一体固縛するボルトのための取付孔43aが形成された舌状片部43が、保持ガイド33Bの上方に設けられる。取付孔にボルト44a(図2(b)を参照)を挿入してフランジ部17にあてがえば、右半体32とフランジ部17とを一体的に固縛することができる。右半体は座席の前後方向においても強固な一体化が図られるようになる。フランジ部における前脚短縮の損壊を抑制するようにボルト44aが力を及ぼすので、フランジ部17の変形の遅延化がもたらされ、ウェブ部との分離をより一層確実にする。
ちなみに、45はバゲッジバー乗載台であって、脚構造体を後方から前方を望んだ図5において宙に浮いた状態にあるバゲッジバー10の適所を支持しかつ固定しておくためのものである。ボルト44aによってバゲッジバー10は乗載台45の縦面部46を貫通してフランジ部17に固定され、バーに係止された手荷物などが移動しないように配慮される。
以上に説明から分かるように、大きい減速Gが作用した場合に、前脚に掛かる上下方向の力を利用してフランジ部よりは脆い資質のウェブ部を圧砕や圧壊させることができる。加えて、両半体の保持ガイドによりフランジ部を装填形態でホールドすることができ、大減速G下では、圧砕等されたウェブ部からフランジ部を容易に分離させ、前脚に働く軸力を利用して衝撃破壊力を耐久性や剛性の高いフランジ部に及ぼし、以後の曲折変形等により衝撃エネルギを吸収させることができる。一方、フランジ部が保持ガイドによって保持された状態での平常時の前脚は、シートトラックなどとの一体性が安定的に図られる。
その衝撃吸収挙動の説明は上記のとおりでるあが、フランジ部の変形の変遷は図8(a)ないし(c)といったごとくとなる。この挙動においてウェブ部の破砕もしくは粉砕が先行する。それはコンパウド樹脂体からなるウェブ部や場合によっては薄層のラミネート構成プレス成形樹脂体で内部補強されたウェブ部はフランジ部に比べればいささか脆く、所定以上の衝撃を受けると壊れやすくされているからである。フランジ部には連続炭素繊維補強のラミネート構成プレス成形樹脂材が存在するゆえ強靱であり、フランジ部の一部をなすコンパウド樹脂体が崩れても繊維強化樹脂の積層体は酷くは乱れない。したがって、図8に示したごとく積層体のまま帯状に変形しようとする。ただ積層物であるゆえ、層間剥離が生じてくれればその変形は継続的に進行するため、搭乗者が受ける衝撃はある程度和らげられることになる。図7(a)は平常時の座席の状態、同図(b)は前脚2が縮まった様子を示す。見た目には座面の傾斜が大きくないようでも、その衝撃吸収作用は大きい。また、ウェブ部の強度の設定によっても異なるが、着座者が滑り落ちるというほど酷い傾斜を生じさせるものでもない。
以上述べた本発明に係る衝撃吸収装置や複合材製乗物用座席は航空機用座席を例にして説明した。昨今は如何なる乗物においても軽量化が要求されるところであり、本発明はその構成を生かして種々の乗物などの座席に適用し、また応用することができることは言うを待たない。もちろん、先に説明した脚構造体を有する座席だけに適用可能というものでなく、前脚が略垂直状態にあって前方定着部位に至る構成のFRP脚であれば適用することができる。
2…前脚、3…後脚、4…座席、5…脚構造体、16…ウェブ部、16a…ウェブ屑、17…フランジ部、17b…フランジ曲折帯状体、17F…前側フランジ部、17R…後側フランジ部、18…連続炭素繊維補強のラミネート構成プレス成形樹脂体、19…コンパウンド樹脂体、30…衝撃吸収装置、31…左半体、32…右半体、33A,33B…保持ガイド、34…ウェブ部破砕面、35,36…保持舌片、37…排屑口、38…変向面、39…導出口、42…半体合接部、43…舌状片部、43a…取付孔。

Claims (7)

  1. 略垂直状態にあって前方定着部位に至る前脚が備えられている乗物用座席の脚構造体における前脚衝撃吸収装置において、
    座席の左右をX方向と、前後をY方向と、上下をZ方向とした場合、ウェブ部をYZ面内に配してI形断面した複合材製前脚の下端部位を保持する左半体および右半体を備え、 該左半体および右半体のいずれにも前記I形断面におけるZX面内に位置する2つのフランジ部それぞれの下端部を嵌着させる保持ガイドが設けられるとともに、前記左半体および右半体のいずれかには前記ウェブ部の下端を乗載させるウェブ部破砕面が形成されていることを特徴とする複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  2. 前記左半体および右半体には前記ウェブ部の左面または右面に接触させるべくフランジ部間に嵌着される保持舌片がウェブ部の片面ごとに対応して設けられるとともに、前記ウェブ部破砕面からのウェブ屑をX方向へ放出させる排屑口がウェブ部破砕面の傍らに形成されていることを特徴とする請求項1に記載された複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  3. 前記保持ガイドごとの下部にはウェブ部との一体性を失った後のフランジ部を折曲させる変向面ならびに変向されたフランジ曲折帯状物もしくは曲折片を二手に別けてY方向へ排出させる導出口が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  4. 前記左半体および右半体のそれぞれには前記ウェブ部にあてがわれ、かつ左半体、ウェブ部、右半体を一体的に固縛するボルトのための取付孔を形成した保持舌片が、前記保持ガイドと一体をなして形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載された複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  5. 前記左半体および右半体には、前記ウェブ部破砕面の下方もしくは排屑口の下方で面当接する左右の半体合接部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載された複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  6. 前記左半体および右半体のいずれか一方もしくは両方に、前記フランジ部にあてがわれかつ左半体もしくは右半体とフランジ部とを一体固縛するボルトのための取付孔が形成された舌状片部が、前記保持ガイドの上方に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された複合材製乗物用座席の前脚装着破壊衝撃吸収装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載された前脚装着破壊衝撃吸収装置を備えた複合材製乗物用座席。
JP2016051143A 2016-03-15 2016-03-15 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席 Active JP6662666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051143A JP6662666B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051143A JP6662666B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017165203A JP2017165203A (ja) 2017-09-21
JP6662666B2 true JP6662666B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=59909415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051143A Active JP6662666B2 (ja) 2016-03-15 2016-03-15 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6662666B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017165203A (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8376275B2 (en) Energy absorbing structure for aircraft
US5069318A (en) Self-stabilized stepped crashworthy stiffeners
US10525659B2 (en) Vehicle component with at least one sandwich part
US9487168B2 (en) Automobile bumper beam
KR20140012973A (ko) 차량 골격 부재
US7997534B2 (en) Connecting structure for an aircraft or spacecraft and method for producing the same
KR20110086581A (ko) 에너지 흡수소재
JP4420830B2 (ja) 衝撃吸収部材
US20130004696A1 (en) Components made of thermoplastic composite materials
JP5771019B2 (ja) 車両用シートバックフレーム構造
JP4483409B2 (ja) シート
JP4462978B2 (ja) 自動車のエネルギー吸収構造
US9340171B2 (en) Deformation element, in particular for bumpers on motor vehicles
JP6662666B2 (ja) 複合材製乗物用座席の前脚装着衝撃吸収装置およびそれを備えた複合材製乗物用座席
CN109421915A (zh) 能量吸收地板下机体
JP6700122B2 (ja) 繊維強化樹脂製のサイドシル構造
JP2010023706A (ja) 車体構造
US9545989B2 (en) Aircraft fuselage structure comprising an energy absorbing device
JP6706102B2 (ja) 複合材製乗物用座席の脚構造成形法
JP5771020B2 (ja) 車両用シートバックフレーム構造
JPH07224875A (ja) 衝撃エネルギー吸収装置
US7846540B2 (en) Impact-absorbing composite structure
WO2018079562A1 (ja) 車両の衝撃吸収構造
JP6112686B2 (ja) 自動車の車体構造
JP2012510396A (ja) 航空機又は宇宙船のシェル構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6662666

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250