以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図においては、同等の機能を有する構成要素に同一の符号を付している。
<フィルタアセンブリの構成>
まず、図3〜図5を参照して、再生対象となるフィルタアセンブリの構成について説明する。図3は、使用済みのフィルタアセンブリ1000の断面図を示している。図4は、フィルタアセンブリ1000のフィルタ1300の拡大断面図を示している。図5(a)はコンバータ1200の排気ガス流入面1300aを示し、図5(b)はフィルタ1300の排気ガス流出面1300bを示している。
フィルタアセンブリ1000は、図3に示すように、筒状ハウジング1100と、コンバータ1200と、フィルタ1300と、環状のステフナ1410,1420と、筒状のインシュレータ(断熱カバー)1500とを有する。
筒状ハウジング1100は、ステンレス等からなる金属製の筒状の部材である。筒状ハウジング1100は、コンバータ1200およびフィルタ1300を格納する。
図3に示すように、筒状ハウジング1100の外周面には中心軸方向に沿って、環状のフランジ部1110とフランジ部1120が設けられている。詳しくは、フランジ部1110とフランジ部1120は筒状ハウジング1100の外周面に溶接されている。フランジ部1110の内側(すなわち、フランジ部1120側)にはステフナ1410が配置され、フランジ部1120の内側(すなわち、フランジ部1110側)にはステフナ1420が配置されている。
フランジ部1110およびステフナ1410には、鉄もしくはステンレス等の金属からなり、対応する位置に複数のボルト孔(図示せず)が設けられている。同様に、フランジ部1120およびステフナ1420には、対応する位置に複数のボルト孔(図示せず)が設けられている。フィルタアセンブリ1000が車両に取り付けられる際、フランジ部1110とステフナ1410はボルト孔に挿通されたボルトにより、車両側のフランジ部およびガスケットとともに締結される。フランジ部1120とステフナ1420についても、ボルト孔に挿通されたボルトにより排気側の部材(図示せず)とともに締結される。
ステフナ1410,1420を設けることでボルトの締結圧がフランジ部1110,1120に均等に加わり、気密性が確保される。これにより、フィルタアセンブリが車両に取り付けられた状態において、フィルタを通過していない排気ガスが外部に漏れ出すことが防止ないし抑制される。
ステフナ1410とステフナ1420との間には、筒状ハウジング1100の外周面を被覆するように筒状のインシュレータ1500が設けられている。
このインシュレータ1500はステンレス等の金属製であり、内周面の少なくとも一部には断熱材(図示せず)が設けられており断熱カバーとして機能する。インシュレータ1500は、円筒状の部材を軸方向に沿って分割した半割部材を、筒状ハウジング1100を囲むように配置し、ボルトとナットで2つの半割部材を互いに接続したものとして構成されている。インシュレータ1500は、筒状ハウジング1100との間の摩擦力により、筒状ハウジング1100の外周面を摺動しないように設けられている。
ところで、新品のフィルタアセンブリを製造する際には、ステフナ1410,1420を筒状ハウジング1100にセットする。そして、セットされたステフナ1410,1420を挟み込むように、フランジ部1110とフランジ部1120を筒状ハウジング1100の外周面に溶接する。
次に、コンバータ1200について説明する。このコンバータ1200は、図3および図5(a)に示すように、酸化触媒を担持する複数の触媒担持壁1210を有し、これら複数の触媒担持壁1210により、複数の流路FCが形成されている。流路FCを通過する排気ガスに含まれる炭化水素や一酸化炭素は、触媒担持壁1210に担持された酸化触媒により、無害の二酸化炭素と水に変化する。なお、酸化触媒として、ディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:DOC)等が使用される。
次に、フィルタ1300について説明する。このフィルタ1300は、ディーゼルエンジンの排気ガスに含有される粒子状物質(PM)を捕集するように構成されている。図3および図4に示すように、フィルタ1300は、セラミック製の複数のセル壁1310により複数の流路が形成されている。これら複数の流路には、封止流路SFC1と、封止流路SFC2とがある。封止流路SFC1は、排気ガス流入側が開放され、排気ガス流出側が目封じ部1330で封止されている。反対に、封止流路SFC2は、排気ガス流出側が開放され、排気ガス流入側が目封じ部1320で封止されている。
封止流路SFC1および封止流路SFC2間は、セル壁1310の細孔(図示せず)により連通している。図4に示すように、粒子状物質PMはセル壁1310を通過できないため外部に漏れ出ない。フィルタアセンブリ1000は粒子状物質PMを燃焼させる機能を有してもよい。しかし、粒子状物質PMの燃え残りがアッシュ(灰分)Aとして封止流路SFC1の奥に堆積する。粒子状物質PMが除去された排気ガスは、セル壁1310を通過して、封止流路SFC2の開放端から外部に流出する。
フィルタ1300は、図4に示すように、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスが流入する排気ガス流入面1300aと、粒子状物質が除去された排気ガスが流出する排気ガス流出面1300bとを有する。図5(b)は、排気ガス流出面1300bの一部を示している。なお、以降の説明においては、排気ガス流入面1300aと排気ガス流出面1300bを総称して、「排気ガス通過面」という。
図3に示すように、フィルタアセンブリ1000では、前述のコンバータ1200は、排気ガス流入面1300a側にフィルタ1300に隣接して設けられている。
なお、上記のフィルタアセンブリ1000の構成は一例に過ぎず、他の構成のフィルタアセンブリ(例えば、コンバータを有しないもの)を再生対象としてもよい。
<<フィルタアセンブリの再生方法>>
次に、図1および図2のフローチャートに沿って、実施形態に係るフィルタアセンブリ1000の再生方法について説明する。
まず、ディーゼルエンジンを搭載したトラックなどの車両から使用済みのフィルタアセンブリ1000を取り外す(ステップS1)。
ステップS1の後、温度分布測定によりフィルタ1300を検査する(ステップS2)。以下、本ステップを第1検査工程または洗浄前検査工程ともいう。本ステップでは、使用済みのフィルタアセンブリ1000のフィルタ1300を、そのフィルタ1300の排気ガス通過面(排気ガス流入面1300aまたは排気ガス流出面1300b)の温度分布に基づいて検査する。この検査により、フィルタ1300の目詰まりや溶損の有無等について検査することができる。なお、本ステップの検査方法については後ほどさらに詳しく説明する。
ステップS2の検査の結果が良である場合(S3:Yes)、筒状ハウジング1100からステフナ1410,1420とインシュレータ1500を取り外す(ステップS4)。このように、ステップS2の検査を行ってから本ステップを実行することで、検査結果が良でなくフィルタを廃棄する場合に本ステップの取り外し作業が無駄になることを回避できる。
なお、ステップS4において、ステフナ1410,1420は、そのままではフランジ部1110,1120と干渉し筒状ハウジング1100から外せないので、切断して分割することにより筒状ハウジング1100から取り外す。また、インシュレータ1500は、2つの半割部材を締結するボルトとナットを外すことにより筒状ハウジング1100から取り外す。
一方、ステップS2の検査の結果が良でない場合(S3:No)、フィルタアセンブリを廃棄する(ステップS5)。
ステップS4の後、フィルタ1300を洗浄する(ステップS6)。以下、本ステップを洗浄工程ともいう。洗浄工程では、ステップS4でステフナ1410,1420とインシュレータ1500が取り外されたフィルタアセンブリ1000(すなわち、筒状ハウジング1100、コンバータ1200およびフィルタ1300)を洗浄槽に入れ、洗浄槽内の洗浄液を循環させることによりフィルタ1300を洗浄する。
ステップS6の洗浄工程の後、洗浄したフィルタ1300を濯ぐ(ステップS7)。以下、本ステップを濯ぎ工程ともいう。濯ぎ工程では、洗浄槽の上方に設置されたシャワーノズルから洗浄槽内のフィルタ1300に散水することにより、フィルタ1300を濯ぐ。なお、散水後、残った洗浄液やアッシュをエアブローで吹き飛ばし、その後、仕上げに流水で濯ぐようにしてもよい。
ステップS7の濯ぎ工程の後、フィルタ1300を乾燥させる(ステップS8)。以下、本ステップを乾燥工程ともいう。乾燥工程によりフィルタ1300を乾燥させることにより、後段の検査工程(ステップS9,S11)を実施することが可能となる。なお、乾燥方法の詳細は別途説明する。
ステップS8の乾燥工程の後、乾燥されたフィルタ1300を差圧測定により検査する(ステップS9)。以下、本ステップを第2検査工程ともいう。第2検査工程では、フィルタ1300の排気ガス流入面1300a側の圧力と、排気ガス流出面1300b側の圧力との間の差分(差圧)を測定することにより、フィルタ1300の目詰まりの有無を検査する。
差圧測定による検査の結果が良である場合(S10:Yes)、温度分布測定によるフィルタ検査(ステップS11)に進む。一方、検査結果が良でない場合(S10:No)、洗浄不足が疑われるため、ステップS6の洗浄工程に戻り、フィルタ1300を再度洗浄する。
ステップS10の後、ステップS9の検査結果が良であったフィルタ1300に対して温度分布測定による検査を行う(ステップS11)。以下、本ステップを第3検査工程ともいう。なお、第2検査工程と第3検査工程を総称して洗浄後検査工程ともいう。本ステップにより、フィルタ1300の目詰まりや溶損の有無について検査することができる。なお、本ステップにおけるフィルタの検査方法は、第1検査工程における検査方法と同様である。
温度分布測定による検査の結果が良である場合(S12:Yes)、ステップS14に進み、検査結果が良でない場合(S12:No)、フィルタアセンブリを廃棄する(ステップS13)。
第3検査工程の検査結果が良である場合、洗浄済みのフィルタを格納した筒状ハウジング1100にステフナとインシュレータをセットする(ステップS14)。以下、本ステップをセット工程ともいう。本ステップでステフナ(正確には後述の結合ステフナ)を交換することで、フィルタを通過していない排気ガスがフィルタアセンブリの外部に漏れることを防止ないし抑制できる。なお、ステフナの交換については、ステフナ配置方法として後ほど詳しく説明する。
上記の工程フローを経て、使用済みのフィルタアセンブリ1000を再生することができる。再生されたフィルタアセンブリ(後述の再生フィルタアセンブリ1000R)は、市場に再生品として供給されたり、トラック等の車両に取り付けられる。
本実施形態に係るフィルタアセンブリ再生方法によれば、洗浄され、乾燥されたフィルタ1300に対して、差圧測定による検査および温度分布測定による検査を行うことで、フィルタの検査精度を向上させて、再生されたフィルタアセンブリの不具合を可及的に回避することができる。すなわち、差圧測定による検査のみでは、フィルタ目詰まりは検知できるものの、フィルタ1300の封止流路SFC1,SFC2が溶損により貫通していることを検知することが困難である。また、温度分布測定による検査のみでは、排気ガス通過面内で一様に目詰まりが発生している状態を検知することが困難な場合がある。しかし、上記のように差圧測定による検査と温度分布測定による検査を両方実施することで、フィルタの良否判定の精度を向上させることができる。
なお、上記のフィルタアセンブリの再生方法は一例に過ぎない。例えば、筒状ハウジング1100からステフナ1410,1420およびインシュレータ1500を取り外す工程(ステップS4)は、ステップS1とステップS2の間に行ってもよい。あるいは、ステップS4はステップS14の直前に行ってもよい。
また、第2検査工程および第3検査工程の実施順序は入れ替えてもよい。
また、フィルタ洗浄後の検査(ステップS9,S11)を行わない場合、濯ぎ工程(ステップS7)の後、セット工程(ステップS14)を行ってもよい。
また、上記フィルタアセンブリ再生方法において対象としたフィルタアセンブリ1000の構成は一例に過ぎず、他の構成のフィルタアセンブリを対象としてもよい。例えば、後述のフィルタアセンブリ1000Aのようにコンバータを有しないものを再生対象としてもよい。
<<フィルタ検査システム>>
次に、図6を参照して、前述のフィルタアセンブリ再生方法における第1検査工程(ステップS2)および第3検査工程(ステップS11)で使用されるフィルタ検査システム10について説明する。
本実施形態に係るフィルタ検査システム10は、図6に示すように、温度変更装置11と、測定装置12とを備えている。
まず、フィルタ検査システム10の温度変更装置11について説明する。
温度変更装置11は、フィルタ1300の温度が周囲温度から所定の温度以上、高くまたは低くなるように、フィルタ1300を加熱または冷却するように構成されている。
フィルタ1300の一部が溶損している場合、溶損部分の温度変化量は溶損していない他の部分の温度変化量と異なる。すなわち、フィルタ1300の一部が溶融して溶け落ちている場合、その部分では目封じ部1320,1330の欠損等により封止流路SFC1,SFC2が貫通することになる。その結果、温風または冷風が溶損により形成された貫通流路を通り抜けるため、温度変化量が正常な非欠損領域に比べて大きくなる。
また、フィルタ1300の一部溶融により溶け落ちたものが封止流路SFC1,SFC2の開放端を閉塞することもある。この場合、閉塞部分には温風または冷風が流れないため、温度変化量が他の正常な領域に比べて小さくなる。
上記のように、溶損によって封止流路SFC1,SFC2の両端が開放されるにせよ、閉塞されるにせよ、他の正常部分に比べて温度変化量が異なることになる。なお、温風による加熱の場合に限らず、電熱機器によるフィルタの加熱によっても上記と同様のことがいえる。
検査効率の観点からは、温風または冷風を用いてフィルタ1300を加熱または冷却することが好ましい。すなわち、温度変更装置11は、フィルタ1300の排気ガス通過面(本実施形態では、排気ガス流入面1300a)に向けて温風または冷風を供給することでフィルタ1300を加熱または冷却する。この場合、温度変更装置11として、例えばスポットエアコンが適用可能である。温風または冷風を利用することで、短時間で効率良くフィルタ1300を加熱または冷却することができる。これにより、検査効率をさらに向上させることができる。なお、効率は劣るものの、ホットプレート等の電熱機器を用いてフィルタ1300を加熱してもよい。
温度変更装置11は、周囲温度が基準温度以上の場合、冷風を供給し、周囲温度が基準温度未満の場合、温風を供給するようにしてもよい。例えば、夏の時期であれば、フィルタ1300に冷風を供給し、冬の時期であれば、フィルタ1300に温風を供給する。これにより、フィルタ1300と周囲との温度差を生じやすくすることができる。つまり、良否判定に必要な温度差が生じるまでの時間を短縮することができ、その結果、検査効率をさらに向上させることができる。
本実施形態では、図6に示すように、温度変更装置11は、コンバータ1200に向けて温風または冷風を供給する。これにより、コンバータ1200の複数の流路FCにより整流された風がフィルタ1300に当たるため、フィルタ1300を均一に加熱または冷却することができる。その結果、フィルタ検査の検査精度(判定精度)を向上させることができる。
次に、フィルタ検査システム10の測定装置12について説明する。
測定装置12は、図6に示すように、撮像部121と、表示部122と、記憶部123と、判定部124とを有する。
撮像部121は、赤外線イメージセンサを用いて構成されており、温度変更装置11により加熱または冷却されたフィルタ1300の排気ガス通過面の温度分布を測定する。本実施形態では、測定装置12は、フィルタ1300の排気ガス流出面1300bの温度分布が測定する。
表示部122は、液晶または有機EL等のディスプレイから構成され、撮像部121により測定された温度分布(サーモグラフィ)を表示する。図7および図8は、表示部122に表示された、排気ガス流出面1300bの温度分布を示す画面の例を示している。図7は正常なフィルタ1300の場合であり、図8は異常なフィルタの場合を示している。正常なフィルタの場合、排気ガス通過面の温度分布は一様であるのに対し、異常なフィルタの場合、排気ガス通過面の温度分布には溶損を示すスポット領域S1,S2が存在する。
記憶部123は、撮像部121により測定された温度分布を示す画像データを記憶する。記憶部123は、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブなどにより構成される。
判定部124は、撮像部121により測定された温度分布に基づいてフィルタ1300の良否を判定する。具体的には、判定部124は、温度分布が一様出ない場合にフィルタ1300が異常であると判定する。例えば、図8を参照して説明したように、他の領域よりも温度が高いまたは低いスポット領域がフィルタの温度分布内に存在する場合に、フィルタ1300が異常であると判定する。判定部124によりフィルタの良否を判定することで、客観的で均一な良否判定を行うことができる。
なお、異常判定を行う場合のスポット領域の数は、再生フィルタアセンブリに対する基準に応じて適宜設定してもよい。また、スポット領域が存在する場合に限らず、フィルタの温度分布が斑模様になっている場合に当該フィルタが異常であると判定してもよい。
判定部124は、例えば、CPU上で所定のプログラムを実行することで実現される。その他、判定部124は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によりハードウェアで実現されてもよい。
なお、判定部124は、ディープラーニング等の機械学習により構築された学習済みモデルを用いてフィルタの良否を判定するように構成されてもよい。また、判定部124によらず、人が表示部122に表示された温度分布を見てフィルタの良否判定を行ってもよい。この場合、測定装置12は、判定部124を備えなくてもよい。
以上説明したフィルタ検査システム10によれば、フィルタの温度が周囲温度から所定値以上離れるようにフィルタを加熱または冷却し、加熱または冷却されたフィルタの排気ガス通過面の温度分布を測定する。これにより、正確に且つ短時間で効率良くフィルタ1300を検査することができる。また、チェック棒を用いる従来の検査に比べて、検査担当者による検査結果のばらつきを低減することができる。
なお、本実施形態に係るフィルタ検査システム10は、筒状ハウジング1100に格納されたフィルタ1300を検査するのに限られず、筒状ハウジング1100から取り出されたフィルタ1300を検査するのに用いられてもよい。
また、本実施形態に係るフィルタ検査システム10は、図1および図2のフローチャートに沿って説明したフィルタアセンブリ1000の再生方法以外の場面における検査に用いられてもよい。例えば、新品のフィルタの出荷前検査に使用されてもよい。
(フィルタ検査システムの変形例)
図9を参照して、本実施形態の変形例に係るフィルタ検査システム10Aについて説明する。
本変形例に係るフィルタ検査システム10Aは、コンバータを有しないフィルタアセンブリ1000Aを検査対象とする点で前述のフィルタ検査システム10と異なる。すなわち、図9に示すように、フィルタアセンブリ1000Aは筒状ハウジング1100Aを有し、この筒状ハウジング1100Aはフィルタ1300を格納するが、コンバータ1200は格納しない。
本変形例に係るフィルタ検査システム10Aは、図9に示すように、温度変更装置11と、測定装置12と、整流装置13とを備えている。温度変更装置11および測定装置12については、フィルタ検査システム10と同様なので詳しい説明は省略する。
整流装置13は、図9に示すように、温度変更装置11とフィルタアセンブリ1000A(フィルタ1300)との間に設けられ、温度変更装置11から供給される温風または冷風を整流する。例えば、この整流装置13は、構造的には、コンバータ1200と同様に複数の直線状の流路を有するものとして構成される。その他、整流装置13としては、公知の風の整流手段を用いてよい。
本変形例に係るフィルタ検査システム10Aによれば、前述の実施形態の場合と同様、正確に且つ短時間で効率良くフィルタを検査することができる。また、整流装置13を備えることで、フィルタアセンブリがコンバータを有しない場合であっても、良否判定の精度を落とすことなく、フィルタの検査を行うことができる。
<<フィルタ検査方法>>
次に、図10のフローチャートを参照して、本実施形態に係るフィルタ検査方法について説明する。本方法は、図1および図2を参照して説明したフィルタアセンブリの再生方法のステップS2,S11で実施される。
まず、温度変更装置11が、フィルタ1300の温度が周囲温度から所定の温度以上、高くまたは低くなるように、フィルタ1300を加熱または冷却する(ステップS21)。例えば、温度変更装置11は、フィルタ1300の排気ガス通過面に温風または冷風を10秒程度供給する。なお、供給時間は温風または冷風の風量およびその温度に依存する。例えば、温風または冷風の温度は、周囲温度から3℃〜20℃(例えば5℃)離れた温度とする。
次に、測定装置12が、ステップS21で加熱または冷却されたフィルタ1300の排気ガス通過面の温度分布を測定する(ステップS22)。
次に、判定部124が、ステップS22で測定された温度分布に基づいてフィルタ1300の良否を判定する(ステップS23)。
上記のフィルタ検査方法によれば、正確に且つ短時間で効率良くフィルタ1300を検査することができる。
以上説明したフィルタ検査システムおよびフィルタ検査方法によれば、正確に且つ短時間で効率良くフィルタを検査することができる。また、本実施形態に係るフィルタ検査方法をフィルタアセンブリ再生方法に適用することで、フィルタアセンブリ再生方法が効率化されるとともに信頼性の高い再生フィルタアセンブリを提供することができる。すなわち、信頼性の高い再生フィルタアセンブリを効率良く提供することができるようになる。
<<フィルタ乾燥システム>>
次に、図11および図12を参照して、前述のフィルタアセンブリ再生方法における乾燥工程(ステップS8)で使用されるフィルタ乾燥システムについて説明する。図11は、本実施形態に係るフィルタ乾燥システム20の概略的構成を示す側面断面図である。図12は、収容装置21の蓋部212の平面図である。
本実施形態に係るフィルタ乾燥システム20は、以下に詳しく説明するように、洗浄され濯がれたフィルタ1300を短時間で効率良く乾燥させることができるように構成されている。
フィルタ乾燥システム20は、図11に示すように、収容装置21と、加熱装置22と、排出装置23、温度センサー241,242と、判定部25とを備えている。以下、各構成要素について順に説明する。
収容装置21は、内部にフィルタ1300が配置される筒状(円筒、角筒)の本体部211と、本体部211の開口端に取り付けられる蓋部212とを有する。本実施形態では、筒状の本体部211は中心軸が鉛直方向に沿うように配置されており、本体部211の開口端は上方に開口している。ここでは、収容装置21として円筒状のドラム缶を用いる。なお、収容装置21の形状は、これに限定されず、例えば角筒状あるいは箱状であってもよい。
本体部211の側面には、図11に示すように、側方開口部211aが設けられている。この側方開口部211aを通って加熱装置22の温風が本体部211内部に供給される。
蓋部212は、図12に示すように、内側表面212aと外側表面212bを有する環状の部材である。例えば、ドラム缶の蓋を加工することで形成される。蓋部212の内方端部には、筒状ハウジング1100のフランジ部1110のボルト孔に対応するボルト孔212hが複数設けられている。蓋部212は、後述のアダプタ232とともに本体部211の開口端を閉塞するように構成されている。
図11に示すように、収容装置21は、筒状ハウジング1100(フィルタ1300)を収容する。本実施形態では、収容装置21は、フィルタ1300を縦向きに(すなわち、封止流路SFC1,SFC2の方向が鉛直方向になるように)収容する。より詳しくは、排気ガス流入面1300aがコンバータ1200を挟んで蓋部212の内側表面212aに対向する。
筒状ハウジング1100は、蓋部212に固定されている。より詳しくは、筒状ハウジング1100のフランジ部1110が蓋部212を挟んで排出装置23のアダプタ232にボルト・ナット(図示せず)で固定されている。すなわち、蓋部212は、筒状ハウジング1100のフランジ部1110と、アダプタ232のフランジ部232aとにより挟み込まれている。
なお、筒状ハウジング1100は、上記以外の態様で蓋部212に固定されてもよい。例えば、ロープ等の懸垂線により、蓋部212から筒状ハウジング1100を吊り下げられてもよい。
加熱装置22は、収容装置21の内部の温度を上昇させるための装置である。この加熱装置22は、例えば、温風を供給するヒーターであり、フィルタ1300の排気ガス流出面1300bに温風を供給する。温風の温度や風量を上げることで乾燥時間を短縮することができる。
図11に示すように、加熱装置22は、収容装置21の外部に配置され、本体部211の側方開口部211aを介して収容装置21の内部に温風を供給する。より詳しくは、加熱装置22は排気ガス流出面1300bに温風を供給する。
本実施形態では、図11に示すように、収容装置21は、側方開口部211aから収容装置21の内部に供給された温風の風向を上方に変える風向変更部213をさらに有する。これにより、収容装置21の外部からの温風をより多くフィルタ1300に当てることができ、フィルタの乾燥効率を向上させることができる。
なお、加熱装置22は、収容装置21の内部に配置されてもよい。この場合、フィルタ1300から滴下した水滴が加熱装置22の上に落ちないように加熱装置22を配置することが好ましい。
また、加熱装置22は、温風ヒーターに限られず、対流式ストーブなどであってもよい。この場合、収容装置21の内部に対流式ストーブを配置することが好ましい。この際、上記と同様に本体部211の側面に側方開口部211aを設けてもよいし、あるいは、本体部211の底面に開口部を設け、この開口部を閉塞しないように本体部211を台座(図示せず)の上に設置してもよい。
排出装置23は、図11に示すように、吸引部231と、アダプタ232と、接続管233とを有する。
吸引部231は、フィルタ1300内の空気を吸引し、収容装置21の外部に排出する。本実施形態では、吸引部231は、フィルタ1300の排気ガス流入面1300a側からフィルタ1300内の空気を吸引する。
吸引部231は、フィルタ1300内の空気を、駆動ガスを利用して吸引するエジェクターにより構成されており、駆動ガス(圧縮空気等)を導入する導入管231aと、吸引したガスを吐出する吐出管231bとを有する。フィルタ1300から吸引されたガスには、洗浄液に由来する物質が含まれることがある。吸引部231としてエジェクターを用いることで、真空ポンプ等を用いる場合と比較して、このような物質によりポンプが損傷する事態を回避できるという利点がある。なお、本発明は、吸引部231としてエジェクターを用いる場合に限らず、真空ポンプ、ブロワーを適用してもよい。
アダプタ232は、蓋部212の外側表面212bに取り付けられる椀状の部材である。アダプタ232には円形のフランジ部232aが設けられている。このフランジ部232aには、蓋部212のボルト孔212hに対応するボルト孔(図示せず)が設けられている。フランジ部232aのボルト孔と、蓋部212のボルト孔212hと、筒状ハウジング1100のフランジ部1110のボルト孔とが連通してボルト・ナットにより締結される。
接続管233は、吸引部231とアダプタ232を接続する。椀状のアダプタ232を介して集められた空気が接続管233を通り、吸引部231を経て外部に排出される。
温度センサー241,242は、温度を計測するセンサーである。より詳しくは、温度センサー241は、吸引部231により吸引される空気の温度T1を測定し、温度センサー242は、収容装置21の内部の空気の温度T2を測定する。温度センサー241,242の種類は特に限定されるものではなく、加熱装置22から供給される温風の上限温度(例えば200℃)まで計測できるものであればよい。
図11に示すように、温度センサー241は接続管233に設けられ、温度センサー242は蓋部212の内側表面212aに設けられている。なお、温度センサー241,242の配置はこれに限定されるものではない。例えば、温度センサー241は、アダプタ232の内側に、あるいは吸引部231に設けられてもよい。ただし、接続管233内を流れる際に空気の温度が低下することを考慮すると、温度センサー241はフィルタ1300に近い部位に設けられることが好ましい。また、温度センサー242は、蓋部212以外にも、例えば、本体部211の内周面に設けられてもよい。
ここで、温度センサー241,242による乾燥工程の完了判定方法について説明する。フィルタ1300の乾燥が進むにつれて、吸引部231により吸引される空気の温度T1は上昇する。より詳しくは、フィルタ1300の乾燥が進むにつれて、フィルタ1300から吸引される空気中の水分が減り、それにより気化熱の除熱作用が低下してゆくため、温度センサー241で測定される温度T1は上昇する。
そして、フィルタ1300の乾燥がほぼ完了すると、吸引部231により吸引される空気の温度T1は収容装置21内の温度T2にほぼ達する。したがって、温度センサー241で測定される温度T1と、温度センサー242で測定される温度T2をモニターすることで、フィルタ1300の乾燥が完了したかどうかを判定できる。
本実施形態では、判定部25が、温度T1が温度T2にほぼ達すると、フィルタ1300の乾燥が完了したと判定する。この判定部25は、例えば、CPU上で所定のプログラムを実行することで実現される。その他、判定部25は、FPGA、ASIC等によりハードウェアで実現されてもよい。フィルタの乾燥が完了したかどうかの判定は判定部25でなく、人が行ってもよい。
なお、乾燥工程の完了を判定する上で温度センサー242は必須ではなく、所要の判定精度に応じて省略することも可能である。温度センサー242を省略する場合、判定部25は、温度T1が所定の温度にほぼ達すると、フィルタ1300の乾燥が完了したと判定する。所定の温度としては、例えば、加熱装置22から供給される温風の温度、あるいは外気温に所定値を加えた温度等を使用する。
以上説明したように、本実施形態に係るフィルタ乾燥システム20では、加熱装置22により、フィルタ1300を収容する収容装置21内の温度を上昇させるとともに、排出装置23により、フィルタ1300内の空気を吸引し収容装置21の外部に排出する。これにより、洗浄され濡れたフィルタを短時間で効率良く乾燥させることができる。
また、フィルタ1300を乾燥させることで、フィルタ1300に対して洗浄後の検査(前述のステップS9,S11)を行うことができるようになる。その結果、再生されたフィルタアセンブリが車両に取り付けられた後に目詰まり等の不具合が発覚することを防止ないし抑制することができる。
さらに、本実施形態では、加熱装置22により排気ガス流出面1300b側に温風を供給するとともに、排出装置23により排気ガス流入面1300a側からフィルタ1300内の空気を吸引する。このように、フィルタ1300の一方の端面側に温風を当てるとともに、フィルタ1300の他方の端面側から空気を吸引することにより、温風がフィルタ1300の封止流路SFC1,SFC2を比較的高速で通過するため、フィルタ1300をより短時間で乾燥させることができる。
さらに、本実施形態では、上記のように、加熱装置22を収容装置21の外部に配置し、本体部211の側方開口部211aを介して収容装置21内に温風を供給するようにするとともに、収容装置21内にフィルタ1300を縦向きに配置し、下方に位置する排気ガス流出面1300bに温風を供給する。これにより、側方開口部211aから収容装置21内に供給された温風によってフィルタ1300の乾燥が促進されるとともに、フィルタ1300から滴下した水滴が加熱装置22上に落ちることを防止することができる。
(フィルタ乾燥システムの変形例1)
図13Aを参照して、本実施形態の変形例1に係るフィルタ乾燥システムについて説明する。図13Aは、本実施形態の変形例1に係るフィルタ乾燥システム20Aの概略的構成を示す側面断面図である。
フィルタ乾燥システム20Aは、フィルタ1300が収容装置21内に縦向きではなく横向きに(すなわち、封止流路SFC1,SFC2の方向が水平方向になるように)収容される点で前述のフィルタ乾燥システム20と異なる。
本変形例に係るフィルタ乾燥システム20Aは、図13Aに示すように、収容装置21Aと、加熱装置22Aと、排出装置23、温度センサー241,242と、判定部25とを備えている。収容装置21Aおよび加熱装置22A以外の構成については、フィルタ乾燥システム20と同様なので詳しい説明は省略する。
収容装置21Aは、前述の収容装置21と同様に、本体部211と、蓋部212とを有する。本変形例において、角筒状の本体部211は、中心軸が水平方向に沿うように配置されており、本体部211の開口端は、上方ではなく、側方(図13Aでは右方)に開口している。筒状ハウジング1100は横向きに蓋部212に固定される。
フィルタ1300は、排気ガス流出面1300bが本体部211の前記側方の反対側(図13Aでは左方)を向くように本体部211内に配置されている。
加熱装置22Aは、図13Aに示すように、収容装置21Aの内部に配置される。この加熱装置22Aは、前述の加熱装置22と同様に、温風ヒーター、対流式ストーブなどである。温風ヒーターの場合、加熱装置22Aは、フィルタ1300の排気ガス流出面1300bに温風を供給する。
本変形例によれば、実施形態に係るフィルタ乾燥システム20と同様の効果を得ることができる。また、収容装置21Aの内部に加熱装置22Aを配置することで、フィルタ乾燥システムを小型化することができる。
なお、上記に限定されず、加熱装置22Aを収容装置21Aの外部に配置してもよい。この場合、例えば、本体部211の側方(図13Aでは左方)に開口を設け、当該開口を介して加熱装置22Aから供給された温風を本体部211の内部に導入する。
また、筒状ハウジング1100は、本体部211の内側表面の上に横向きに配置されたり、本体部211内に設けられた台部(図示せず)の上に横向きに配置されてもよい。
実施形態および変形例1に係るフィルタ乾燥システムについて説明した。
なお、フィルタ1300は、排気ガス流出面1300bが蓋部212の内側表面212aに対向するように収容装置21,21A内に収容されてもよい。特に、フィルタアセンブリ1000Aのようにコンバータ1200を有しないフィルタアセンブリの場合は、排気ガス流出面1300bが蓋部212の内側表面212aに対向するようにフィルタ1300は本体部211内に配置されてもよい。
したがって、一般的に言えば、フィルタ1300は、排気ガス流入面1300aおよび排気ガス流出面1300bのうち一方の端面(第1の端面)が蓋部212の内側表面212aに対向するように本体部211内に配置される。換言すれば、フィルタ1300は、排気ガス流入面1300aおよび排気ガス流出面1300bのうち他方の端面(第2の端面)が下方を向くように配置される。第2の端面は第1の端面と反対側の面である。本実施形態では、第1の端面は排気ガス流入面1300aであり、第2の端面は排気ガス流出面1300bである。
また、複数のフィルタを収容装置21,21A内に収容して、それら複数のフィルタの乾燥を一度にまとめて行ってもよい。これにより、フィルタ乾燥工程をさらに効率良く行うことができる。
(フィルタ乾燥システムの変形例2)
次に、図13Bを参照して、本実施形態の変形例2に係るフィルタ乾燥システムについて説明する。図13Bは、本実施形態の変形例2に係るフィルタ乾燥システム20Bの概略的構成を示す側面断面図である。
フィルタ乾燥システム20Bは、収容装置として恒温槽を使用する点で前述のフィルタ乾燥システム20,20Aと異なる。
本変形例に係るフィルタ乾燥システム20Bは、図13Bに示すように、収容装置21Bと、加熱装置22Bと、排出装置23、温度センサー241,242とを備えている。
収容装置21Bは、恒温槽214と、キャスター部215とを有している。この恒温槽214の内部にフィルタ1300が配置される。また、恒温槽214内部の温度は、加熱装置22Bにより所定の温度(設定温度)に保たれる。キャスター部215は、恒温槽214の下面に複数設けられ、収容装置21Bを移動させる際に利用される。
恒温槽214の外壁には外気導入孔H1が設けられており、この外気導入孔H1を介して外部の空気が恒温槽214内に取り込まれる。
本変形例では、恒温槽214内には、図13Bに示すように、複数の筒状ハウジング1100(フィルタ1300)が収容されている。より詳しくは、各筒状ハウジング1100は支持台216に支持されている。この支持台216は、天板部216aと複数の脚部216bとを有する。天板部216aは、前述の蓋部212と同様に、中央領域に開口部が設けられており、この開口部の内方端部には、筒状ハウジング1100のフランジ部1110のボルト孔に対応するボルト孔(図示せず)が複数設けられている。そして、フランジ部1110が天板部216aを挟んで排出装置23のアダプタ232にボルト・ナットで固定されることで、筒状ハウジング1100は支持台216に固定されている。
本変形例では、図13Bに示すように、筒状ハウジング1100は逆さまに(すなわち、フィルタ1300がコンバータ1200の上方に位置するように)配置される。なお、これに限られず、フィルタ1300がコンバータ1200の下方に位置するように、筒状ハウジング1100を支持台216に固定してもよい。
図13Bに示すように、温度センサー241は筒状ハウジング1100(フィルタ1300)に対応付けられた排出装置23ごとに設けられている。これにより、フィルタが乾燥したかどうかをフィルタごとに判定することができる。
恒温槽214内には温度センサー242が設けられている。この温度センサー242で測定された温度T2に基づいて加熱装置22Bを制御することで、恒温槽214内の温度は所望の温度(設定温度)に保たれる。なお、温度センサー242が設けられる位置は、図13Bに示す位置に限られない。
加熱装置22Bは、恒温槽214の内壁と外壁の間に設けられた温風ヒーターである。この加熱装置22Bは、恒温槽214の内壁に設けられた空気循環孔H2を介して、温風を恒温槽214内に温風を送り込む。
排出装置23は、図13Bに示すように、収容装置21Bに収容されたフィルタごとに設けられている。各排出装置23は、前述のフィルタ乾燥システム20,20Aで説明したように吸引部231、アダプタ232および接続管233を有しており、対応付けられたフィルタの内部の空気を吸引し、収容装置21Bの外部に排出するように構成されている。
本変形例では、図13Bに示すように、吸引部231は恒温槽214の外部に設けられており、接続管233が恒温槽214の側壁を貫通し、吸引部231とアダプタ232を接続している。なお、吐出ガスが恒温槽214の外部に排出される構成であれば、これに限られるものでなく、吸引部231が恒温槽214内に配置されてもよい。
上述した恒温槽214の構成は一例に過ぎない。内部にフィルタが配置可能であり、内部の温度が所定の温度に保たれる恒温槽であれば、上記の構成に限られない。
なお、図示しないが、フィルタ乾燥システム20Bは、前述の判定部25と同様の判定部を備えてもよい。この場合、判定部は、複数の温度センサー241および温度センサー242に通信可能に接続されており、あるフィルタに対応する温度T1が恒温槽214内の温度T2にほぼ達すると、当該フィルタの乾燥が完了したと判定する。このようなフィルタごとの乾燥完了の判定は、判定部で自動的に行うことに限られず、人が行ってもよい。
以上説明した変形例2によれば、少なくとも1つのフィルタ1300を収容する収容装置21B内の温度を加熱装置22Bにより上昇させるとともに、排出装置23によりフィルタ1300内の空気を吸引し、収容装置21B(恒温槽214)の外部に排出する。これにより、洗浄され濡れた少なくとも1つのフィルタを短時間で効率良く乾燥させることができる。
また、変形例2によれば、収容装置21Bの内部に加熱装置22Bが設けられるため、フィルタ乾燥システムを小型化することができる。あるいは、同じ大きさのフィルタ乾燥システムであれば、より多くのフィルタの乾燥処理を一度に行うことができる。
また、変形例2によれば、複数のフィルタの乾燥処理をまとめて実行することができるため、フィルタ乾燥工程をさらに効率良く行うことができる。
以上、実施形態およびその変形例1,2に係るフィルタ乾燥システムについて説明した。
上記実施形態および変形例では、筒状ハウジング1100が収容装置21,21A,21B内に配置されていたが、筒状ハウジング1100に代えて筒状ハウジング1100Aが収容装置21内に配置されてもよい。
また、筒状ハウジング(フィルタ)の配置形態については、上記のように縦向きや横向きに限られず、斜め方向に配置されるようにしてもよい。
また、筒状ハウジングからフィルタを容易に取り出せる場合には、筒状ハウジングからフィルタを取り出し、フィルタ単体を収容装置21の内部に配置してもよい。
<<フィルタ乾燥方法>>
次に、図14Aおよび図14Bのフローチャートを参照して、本実施形態に係るフィルタ乾燥方法について説明する。本方法は、図1および図2を参照して説明したフィルタアセンブリの再生方法のステップS8で実施される。
なお、以下の説明では、実施形態に係るフィルタ乾燥システム20を用いる場合のフィルタ乾燥方法を説明するが、変形例に係るフィルタ乾燥システム20Aを用いる場合も同様である。
まず、収容装置21の蓋部212にフィルタ1300および排出装置23を取り付ける(ステップS81)。本実施形態では、蓋部212を挟むようにフィルタアセンブリ1000と排出装置23のアダプタ232を配置した後、フィルタアセンブリ1000のフランジ部1110のボルト孔と、蓋部212のボルト孔212hと、アダプタ232のフランジ部232aのボルト孔とを連通させ、ボルトとナットでフィルタ1300、蓋部212およびアダプタ232を互いに締結する。
その後、フィルタ1300が本体部211内に収容されるように、蓋部212を収容装置21の本体部211に取り付ける(ステップS82)。
ステップS82の後、加熱装置22を動作させて、フィルタ1300を収容する収容装置21の内部の温度を上昇させる(ステップS83)。本実施形態では、加熱装置22としての温風ヒーターを動作させて、収容装置21内に温風を供給する。
ステップS83の後、排出装置23を動作させて、フィルタ1300内の空気を吸引し、収容装置21の外部に排出する(ステップS84)。本実施形態では、導入管231aを介して圧縮空気等の駆動ガスをエジェクターに供給する。本ステップにより、本体部211内の熱気がフィルタ1300内を比較的高速で通過するため、効率良くフィルタ1300を乾燥させることができる。
ステップS84の後、排出装置23により吸引された空気の温度が収容装置21の内部の温度に達したか否かを判定する(ステップS85)。本実施形態では、判定部25が、温度センサー241により測定された温度T1が温度センサー242により測定された温度T2に達したか否かを判定する。温度T1が温度T2にほぼ達した場合(S85:Yes)、フィルタ1300の乾燥が完了したと判定し、ステップS86に進む。
なお、収容装置21の内部の温度として、温度センサー242で計測された温度でなく、加熱装置22から供給される温風の温度等の所定の温度を使用してもよい。
ステップS86では、加熱装置22の動作を停止する。
ステップS86の後、収容装置21の内部の温度が所定の温度まで低下したか否かを判定する(ステップS87)。所定の温度は、例えば、外気温に所定値を加えた温度である。
収容装置21の内部の温度が所定の温度まで低下したと判定された場合(S87:Yes)、排出装置23の動作を停止する(ステップS88)。このように加熱装置22の動作を停止させ、排出装置23をしばらくの間動作させることで、加熱されたフィルタの温度を速やかに低下させることができる。
本実施形態に係るフィルタ乾燥方法によれば、洗浄されたフィルタを短時間で効率良く乾燥させることができる。
なお、上記のフィルタ乾燥方法は一例に過ぎない。例えば、ステップS83とステップS84は逆順で行ってもよい。また、ステップS87の判定に代えて、ステップS86を実行してから所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過した場合にステップS88を行うようにしてもよい。
変形例2に係るフィルタ乾燥システム20Bをフィルタ乾燥方法については、以下のように上記の方法とほぼ同様である。
まず、筒状ハウジング1100を支持台216に固定する。これにより、筒状ハウジング1100と排出装置23が接続される。その後、加熱装置22Bを動作させて、恒温槽214内の温度を所定の温度まで上昇させる。なお、恒温槽214内の温度が高いほど、フィルタの乾燥に要する時間は短くなる。一方、温度が高すぎると、触媒にダメージを与えるおそれがある。したがって、恒温槽214内の温度は、適当な範囲(例えば160℃〜180℃)内の温度とすることが好ましい。
その後、排出装置23を動作させて、フィルタ1300内の空気を吸引し、収容装置21Bの外部に排出する。フィルタ1300内の空気が外部に排出されることにより、フィルタ1300を短時間で効率良く乾燥させることができる。
その後、前述のステップS85と同様の判定を行う。すなわち、温度センサー241により測定された温度T1が温度センサー242により測定された温度T2に達したか否かを判定する。温度T1が温度T2にほぼ達した場合、そのフィルタの乾燥が完了したと判定する。恒温槽214内に収容されたすべてのフィルタの乾燥が完了したと判定されると、加熱装置22Bの動作を停止する。なお、乾燥完了後も、加熱されたフィルタの温度を速やかに低下させるために、恒温槽214内の温度が所定の温度に低下するまで排出装置23を動作させ続けてよい。
以上説明した本実施形態に係るフィルタ乾燥システムおよびフィルタ乾燥方法によれば、洗浄されたフィルタを短時間で効率良く乾燥させることができる。
また、本実施形態に係るフィルタ乾燥方法をフィルタアセンブリ再生方法に適用することで、フィルタの乾燥工程が短縮されるため、フィルタアセンブリ再生方法を効率化することができる。さらに、フィルタを乾燥させることにより洗浄後検査工程を実施することが可能となるため、信頼性の高い再生フィルタアセンブリを提供することができるようになる。
<<ステフナ配置方法>>
次に、図15のフローチャートを参照して、実施形態に係るステフナ配置方法について説明する。このステフナ配置方法は、フィルタ1300を格納する筒状ハウジング1100に設けられたフランジ部1110とフランジ部1120間に環状のステフナ(正確には、ステフナ相当品としての結合ステフナ)を配置するための方法である。本方法は、図1および図2を参照して説明したフィルタアセンブリの再生方法のステップS14で実施される。
なお、以下では筒状ハウジング1100をステフナの配置対象として説明するが、前述の筒状ハウジング1100Aが配置対象であってもよい。
まず、筒状ハウジング1100のフランジ部1110,1120をレーザ洗浄する(ステップS141)。これにより、錆等が除去されてフランジ部1110,1120の平坦性を確保することができ、排気ガス漏れを防止ないし抑制できる。また、レーザクリーナ(レーザ錆取り装置)を用いたレーザ洗浄によれば、錆取り剤やカップブラシを用いる場合に比べて、セラミック製のフィルタを傷つけること防止できるとともに、洗浄中にフィルタ内部に異物が入ることでフィルタの性能が低下することを防止できる。
次に、環状のステフナ1600を分割して複数の部分ステフナ1600L,1600Rを形成する(ステップS142)。以下、本ステップを部分ステフナ形成工程ともいう。図16は分割前のステフナ1600の平面図を示し、図17は部分ステフナ1600L,1600Rの平面図を示している。図16に示すように、金属製のステフナ1600には8つのボルト孔BH1〜BH8が設けられている。各ボルト孔はフランジ部1110,1120に設けられたボルト孔に対応する位置に設けられている。なお、ボルト孔の数は一例に過ぎず、他の数であってもよい。
本実施形態では、図16および図17に示すように、切断線CLに沿ってステフナ1600を2分割して部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600Rを形成する。切断後、金属やすり等を用いて切断面のバリを除去することが好ましい。なお、ステフナ1600を2分割する場合に限られず、3つ以上に分割して3つ以上の部分ステフナを形成してもよい。
次に、筒状ハウジング1100の外周面を囲うように複数の部分ステフナ1600L,1600Rを環状に組み合わせ、治具2000を介して互いに仮接続する(ステップS143)。以下、本ステップを仮接続工程ともいう。ここでは、筒状ハウジング1100の外周面に中心軸方向に沿って設けられたフランジ部1110とフランジ部1120との間における外周面を囲うように部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rを環状に組み合わせ、治具2000を介して互いに仮接続する。
なお、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rを組み合わせる際、元のステフナ1600が復元するように、各々のおもて面とうら面を揃えることが好ましい。
仮接続工程で使用する治具2000は、上側挟込部2100と、下側挟込部2200と、を備えている。ここで、治具2000について、図18(a),(b)および図19(a),(b)を参照して説明する。図18(a)および図18(b)は、上側挟込部2100の平面図および側面図をそれぞれ示している。図19(a)および図19(b)は、下側挟込部2200の平面図および側面図をそれぞれ示している。
上側挟込部2100は、図18(a),(b)に示すように、接続部材2110と、この接続部材2110に設けられたボルト2120とを有する。ボルト2120は、板状の接続部材2210の主面と直交するように設けられている。本実施形態では、ボルト2120は接続部材2110の貫通孔に挿通され、接続部材2110に固定されている。
下側挟込部2200は、図19(a),(b)に示すように、接続部材2210と、ナット2220とを有する。ナット2220は、ボルト2120と螺合可能なものである。
接続部材2110には、位置合わせ孔AH1,AH2が設けられている。また、接続部材2210には、位置合わせ孔AH3,AH4,AH5が設けられている。ボルト2120が位置合わせ孔AH4に挿通された状態において、平面視で(すなわち、接続部材2110,2210の厚さ方向に見て)、位置合わせ孔AH1と位置合わせ孔AH3が重なり、且つ位置合わせ孔AH2と位置合わせ孔AH5が重なる。このように重なった位置決め用孔に位置決めピンLP(後述)が挿通される。
図18(a),図19(a)に示すように、接続部材2110,2210の平面形状は、部分ステフナ1600L,1600Rの形状と同じ弧状であることが好ましい。このように接続部材2110,2210の形状を部分ステフナ1600L,1600Rの形状と合わせることで、接続部材2110,2210が部分ステフナ1600L,1600Rの接続部分を挟み込んだときに、接続部材2110,2210から部分ステフナ1600L,1600Rに満遍なく十分に圧力が加わる。これにより、部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600R間の平坦化をさらに図ることができる。
なお、部分ステフナ1600L,1600Rの作製用とは別に用意したステフナ(図示せず)を切断して接続部材2110,2210としてもよい。これにより、ステフナのボルト孔を、ボルト2120を挿通するための貫通孔や位置合わせ孔AH1〜AH5として利用できる。また、接続部材2110,2210の平面形状を部分ステフナ1600L,1600Rの形状と同じ弧状とすることができる。
また、接続部材2110,2210の大きさ(長さ)や位置合わせ孔の数などは、対象のステフナの大きさやボルト孔の数などに応じて適宜変更し得る。ステフナ1600のボルト孔の数(例えば10個)が多い場合、接続部材2110,2210を長くしたり、位置合わせ孔の数を増やしたりしてもよい。
上記の治具2000を用いた仮接続工程について、図20(a),(b)を参照して説明する。図20(a),(b)は、筒状ハウジング1100の外周面を囲うように組み合わせされた部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600Rが治具2000を介して互いに仮接続された状態を示している。図示するように、2つの治具2000により部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600Rが仮接続されている。
仮接続工程では、部分ステフナ形成工程で形成された複数の部分ステフナのうち互いに隣接する第1の部分ステフナおよび第2の部分ステフナ(ここでは、部分ステフナ1600Lおよび1600R)に対し、第1の部分ステフナおよび第2の部分ステフナ間を挟み込むように上側挟込部2100および下側挟込部2200を配置する。この際、本実施形態では、上側挟込部2100のボルト2120が、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rが組み合わされることで再形成されたボルト孔BH1(BH5)および下側挟込部2200の接続部材2210の位置合わせ孔AH4に挿通される。
上記のように上側挟込部2100および下側挟込部2200を配置した後、ボルト2120にナット2220を螺合することにより、接続部材2110、部分ステフナ1600L,1600Rおよび接続部材2210が締結される。このようにして、接続部材2110と接続部材2210を介して第1の部分ステフナと第2の部分ステフナが仮接続される。
ところで、ボルト2120にナット2220を螺合する際、締め付けトルクが小さすぎると、部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600R間を十分に平坦化することができない。一方、締め付けトルクが大きすぎると、接続部材2110,2210がボルト2120を中心に反ってしまい、やはり部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600R間を十分に平坦化することができない。よって、締め付けトルクは、適当な範囲内の大きさ(例えば20N・m程度)とすることが望ましい。
なお、図20(a)および図20(b)に示すように、ボルト2120にナット2220を螺合する前に、接続部材2110に設けられた位置合わせ孔と、部分ステフナ1600L,1600Rに設けられた位置合わせ孔と、接続部材2210に設けられた位置合わせ孔とを連通させ、この連通孔に位置決めピンLPを挿通してもよい。具体的には、図20(b)の左側の位置決めピンLPは、位置合わせ孔AH2と、ボルト孔BH6と、位置合わせ孔AH5とに挿通されている。また、右側の位置決めピンLPは、位置合わせ孔AH1と、ボルト孔BH4と、位置合わせ孔AH3とに挿通されている。左側の位置決めピンLPは、位置合わせ孔AH2と、ボルト孔BH6と、位置合わせ孔AH5とに挿通されている。
このように位置合わせ孔に位置決めピンLPを挿通した状態で、ボルト2120にナット2220を螺合することで、治具2000の取付位置の精度を向上させることができる。その結果、後述の結合ステフナ1600Bのさらなる平坦化、および真円化を図ることができる。
上記のようにして仮接続工程を行った後、複数の部分ステフナ1600L,1600Rを接合して環状の結合ステフナ1600Bを構成する(ステップS144)。以下、本ステップを接合工程ともいう。具体的には、図21に示すように、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rを溶接により接合して環状の結合ステフナ1600Bを構成する。図21は、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rとの隙間を溶接した状態を示す側面図である。符号WPは溶接部分を示している。
溶接手法としては、例えばCO2溶接等の半自動溶接を用いる。なお、溶接部分WPにさび止めの塗装を行ってもよい。また、部分ステフナの接合手法は溶接に限られず、金属用接着剤などを用いてもよい。
接合工程の後、結合ステフナ1600Bから治具2000を取り外す(ステップS145)。結合ステフナ1600Bの変形を避けるため、溶接部分WPが冷却してから、治具2000を取り外すことが好ましい。例えば、溶接後5分以上経過してから治具2000を取り外す、
図22は、治具2000が取り外された結合ステフナ1600Bの平面図を示している。結合ステフナ1600Bは、筒状ハウジング1100の外周面を囲うように配置されている。
結合ステフナ1600Bは、交換前のステフナ1410,1420と同様に、フランジ部1110,1120のボルト孔に対応するボルト孔を有する。図23に示すように、結合ステフナ1600Bは2つ作製され、一方はフランジ部1110に隣接し、他方はフランジ部1120に隣接するように配置される。
治具2000を取り外した後、図23に示すように、筒状ハウジング1100に新しいインシュレータ1700を配置する。具体的には、2つの半割部材(図示せず)を、フランジ部1110とフランジ部1120の間における筒状ハウジング1100の外周面を囲むように配置し、ボルトとナットで互いに締結する。図23は、再生されたフィルタアセンブリ1000Rの断面図である。なお、新品のインシュレータ1700を使用する代わりに、ステップS4で取り外された使用済みのインシュレータ1500を再利用してもよい。
ここで、図23を参照して、上記の方法により再生された再生フィルタアセンブリ1000Rの構成について説明する。
再生フィルタアセンブリ1000Rは、筒状ハウジング1100と、この筒状ハウジング1100内に格納された洗浄済みのフィルタ1300Rと、フランジ部1110とフランジ部1120との間に配置された環状の結合ステフナ1600Bと、筒状ハウジング1100の外周面を被覆するインシュレータ1700と、を備える。再生フィルタアセンブリ1000Rは、図23に示すように、コンバータ1200をさらに備えてもよい。
結合ステフナ1600Bはフランジ部1110,1120にそれぞれ隣接するように2つ設けられており、インシュレータ1700は、これらの結合ステフナ1600B間に設けられている。結合ステフナ1600Bは、複数の部分ステフナ1600L,1600Rが1つの環状のステフナを構成するように組み合わされ接合されたものとして構成されている。
結合ステフナ1600Bにおいては、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rが結合ステフナ1600Bのボルト孔BH1,BH5を通る切断面で接合されている。
以上説明した本実施形態に係るステフナ配置方法によれば、洗浄済みのフィルタ1300Rを格納する筒状ハウジング1100に新たなステフナ(結合ステフナ1600B)を配置することができる。これにより、再生フィルタアセンブリ1000Rが車両に取り付けられた状態において、車両側のフランジ部とフランジ部1110との間に介装されたガスケットに均等に十分な圧力がかかり、気密性を確保することが可能になる。その結果、フィルタ1300を通過しておらず粒子状物質を含む排気ガスが外部に漏れ出すことを防止ないし抑制することができる。
このため、本実施形態に係るステフナ配置方法をフィルタアセンブリ再生方法に適用することで、信頼性の高い再生フィルタアセンブリを提供することができる。
また、本実施形態に係るステフナ配置方法によれば、治具2000を介して部分ステフナ1600L,1600Rを仮接続して、部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600R間の平坦化を図った状態で、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rを接合する。これにより、再生フィルタアセンブリが車両に取り付けられたときに結合ステフナ1600Bとフランジ部1110,1120との間に隙間が発生して気密性が低下する事態を防止ないし抑制することができる。
また、上記の部分ステフナ形成工程においては、図16および図17に示すように、切断線CLがステフナ1600のボルト孔BH1,BH5を通過するようにステフナ1600を分割する。このようにすることで、仮接続工程(ステップS143)において部分ステフナ1600L,1600Rに治具2000を取り付ける際に、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rが組み合わされることで再形成されたボルト孔BH1,BH5にボルト2120を挿通し、治具2000の接続部材2110および接続部材2210が表裏両面から均等に十分な圧力(面圧)で部分ステフナ1600L,1600Rを押圧することができる。その結果、部分ステフナ1600Lおよび部分ステフナ1600Rの表面の段差がさらに低減し、さらなる平坦化を図ることができる。
上記のステフナ配置方法は一例に過ぎず、種々の変更を加えてもよい。例えば、フランジ部のレーザ洗浄工程(ステップS141)は図15に示すフローチャートの任意のステップの後で行ってもよい。
上記の例では、ボルト2120は、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rが組み合わされることで形成されたボルト孔BH1,BH5に挿通されたが、これに限らない。すなわち、接続部材2110が部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rとの間の境界を跨ぐならば、ボルト2120は他のボルト孔に挿通されてもよい。
上記の例では、ボルト2120とナット2220を用いて接続部材2110,2210および部分ステフナ1600L,1600Rを締結したが、これに限らず、クランプ機構やクリップ等による締結力を用いて接続部材2110および接続部材2210を両面から押圧し、部分ステフナ1600Lと部分ステフナ1600Rの平坦化を図ってもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態や変形例に限定されるものではない。異なる実施形態や変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。