JP6660029B2 - 調節弁の開度異常検出装置、開度異常検出方法 - Google Patents

調節弁の開度異常検出装置、開度異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体や気体のプロセスラインにおける流量調節弁や圧力調節弁等の調節弁の開度異常検出装置、及び開度異常検出方法に関する。
従来、バルブ駆動制御やプロセスオートメーション、その他の一般産業用機器の駆動制御においては、ポジショナーを用い、そのポジショナーを調節弁に取り付けることによって、弁の制御を可能にしている。
例えば、調節弁の開度異常を検知する方法として、一般的には、調節弁のポジショナーから出力される開度信号(実開度%)を調節計からの指令開度に対する偏差として解析するか、あるいはポジショナーから開度異常信号を取得することによって行われる。これらの指令開度の出力や開度信号入力等は、一般的な計装制御システムにより管理される。
しかしながら、調節弁のポジショナーには、開度信号出力の無い仕様も多く、そのオプション付きのポジショナーへの交換や計装制御システムとの接続を行うために、配線工事や、関係するソフトウェアの改造等が必要となり、コストアップやその構築に時間を費やすことが余儀なくされる。
例えば特許文献1には、ラジエータをバイパスして流れる冷却水の流量の流量調整手段の異常の有無を診断する異常診断手段について開示されている。しかしながら、間接データである冷却水温の変化量から冷却系の異常診断を行っているため、流量調整手段の異常診断の精度が低いという問題がある。
特開2004−076689号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、新たな計装機器の設置や工事を要することなく、流量調節弁や圧力調節弁等の調節弁の開度異常を高い精度で検出することができる開度異常検出装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、調節弁に対する指令開度とラインを流れる液体や気体の特性とにより導出される理論近似値に基づく理論値と、その液体の流量又は気体の圧力の実測値とを比較することにより、調節弁の開度異常を高い精度で検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]本発明の第1の発明は、液体プロセスラインに設けられる流量を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出装置であって、前記調節弁に対する指令開度と該指令開度に対する前記液体プロセスラインを流れる液体の流量とにより導出される理論近似式のデータを予め保有し、該理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、該液体の流量の実測値とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する開度異常検出部を備える、調節弁の開度異常検出装置である。
[2]本発明の第2の発明は、気体プロセスラインに設けられる圧力を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出装置であって、前記調節弁が接続された反応容器の圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷の指示値の平均値と圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め保有し、該理論近似式に基づいて求められる所定の操業負荷の指示値での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する開度異常検出部を備える、調節弁の開度異常検出装置である。
[3]本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記理論値と前記実測値との差が、所定の閾値の範囲を超えた場合に、前記調節弁に開度異常が発生していると判断する、調節弁の開度異常検出装置である。
[4]本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記調節弁の開度異常を検出したとき、該開度異常を認知させる警報を発する異常警報部をさらに備える、調節弁の開度異常検出装置である。
[5]本発明の第5の発明は、液体プロセスラインに設けられる流量を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出方法であって、前記調節弁に対する指令開度と該指令開度に対する前記液体プロセスラインを流れる液体の流量とにより導出される理論近似式のデータを予め作成し、前記理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、該液体の流量の実測値とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する、調節弁の開度異常検出方法である。
[6]本発明の第6の発明は、気体プロセスラインに設けられる圧力を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出方法であって、前記調節弁が接続された反応容器の圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷の指示値の平均値と圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め作成し、前記理論近似式に基づいて求められる所定の操業負荷の指示値での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する、調節弁の開度異常検出方法である。
本発明によれば、新たな計装機器の設置や工事を要することなく、流量調節弁や圧力調節弁等の調節弁の開度異常を高い精度で検出することができる。
開度異常検出装置を含む工場プラント等のプロセス現場における制御設備の構成の一例を示す図である。 流量調節弁への指令開度[%]に対する、プロセスラインを流れる液体の流量[L/hr]の関係を示した相関曲線のグラフ図である。 流量調節弁への指令開度[%]に対する、プロセスラインを流れる液体の流量[L/hr]の関係を示した相関曲線であり、指令開度を最大12個までに区切ってセグメントとしたときのグラフ図である。 開度異常検出部における開度異常の検出処理の流れを示すフロー図である。 水素製造設備の概略構成を示す図である。 ベッセルに対する所定の操業負荷での圧力変化を示すグラフ図である。 操業負荷に関する指示値(オペレーションロード)の平均値と圧力変化の周期時間(圧力変化周期時間)との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.流量調節弁の開度異常検出装置≫
本発明に係る調節弁の開度異常検出装置(以下、単に「開度異常検出装置」という)は、液体プロセスラインに設けられる流量調節弁の開度(弁開度)の異常(開度異常)を検出する装置である。
この開度異常検出装置においては、プロセスラインに設けられる流量調節弁に対する指令開度とその指令開度に対するプロセスラインを流通する液体の流量とにより導出される理論近似式のデータを予め保有しており、その理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、そのときの液体の流量の実測値とを比較することにより、調節弁の開度異常を検出する開度異常検出部を備えることを特徴としている。
「指令開度」とは、流量調節弁に通知される制御指令に基づく開度をいい、プロセスラインを流れる液体の量や速度等に応じて制御され、指示される開度である。また、この指令開度は、単位として「%」で表されるものであり、流量調節弁の最大の開度を100%としたとき、その最大開度に対する割合として定義される。
図1は、開度異常検出装置を含む工場プラント等のプロセス現場における制御設備の構成の一例を示す図である。図1に示すように、開度異常検出装置10は、制御設備1内に設けられており、液体が流れるプロセスライン20と電気的に接続されている。なお、図1では、開度異常検出装置10が、プロセスライン20に設けられる流量調節弁21に対して開度を指令するライン制御部30の一部として構成されている例を示している。
具体的に、開度異常検出装置10は、開度異常検出部11を備えている。
開度異常検出部11は、ライン制御部30から発せられた流量調節弁21に対する指令開度(%)とその指令開度に対するプロセスライン20を流れる液体の流量のデータをサンプリングして蓄積し、そのデータから導出される理論近似式を予め作成している。
「理論近似式」とは、上述したように、流量調節弁21に対する指令開度とそのときの液体の流量とのデータを蓄積させて得られる相関曲線から導かれる近似式をいい、指令開度を定義域とした関数であって、2次又は3次の多項式、もしくは直線近似で表わされる。このように、理論近似式は、流量調節弁21の弁開度に対する流量特性の相関性が高いことから定義することができるものである。
例えば、この理論近似式は、工場プラントで使用される従来汎用のデータ監視システムにより取得した実測値をもとに算出することができ、そのような実測値データが、流量調節弁21への指令開度に対するそのプロセスライン20の液体の流量特性となる。なお、理論近似式は、パーソナルコンピュータの汎用ソフトで容易に構築ができるため、特別なアプリケーションを特段用意する必要はない。
一方で、開度異常検出部11は、プロセスライン20のライン上に設けられている液体の流量計22により流量の実測値を取得する。
そして、開度異常検出部11では、予め作成し保有していた理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、そのときの実際に計測して得られる液体の流量の実測値とを比較することによって、その流量調節弁21の開度異常を検出する。より具体的には、理論値と実測値とにより算出される差分(理論値−実測値)の絶対値、又は、その誤差率(理論値−実測値/理論値×100)が、所定の閾値の範囲を超えた場合に、その流量調節弁21に開度異常が発生していると判断して検知する。
このような開度異常検出装置10においては、開度異常が生じていない正常なプロセス時において指令開度に対する実計測値のデータをサンプリングし、蓄積されたサンプリングデータに基づいて理論近似式を導出しておくことが重要となる。そして、その予め導出しておいた理論近似式による理論値と、特定の時点における実測値を比較するようにしているため、データをサンプリングしたその現場の流量調節弁21に開度異常が生じれば、予め作成した理論近似式に基づいて、細かな異常であってもより緻密に変化を把握することができ、高い精度で開度異常を検出することができる。
また、新たな計装機器の設置や工事等を要することなく、効率的に流量調節弁21の開度異常を検出することができる。
なお、開度異常検出装置10においては、発警報システム(異常警報部)を接続して設けることができる。発警報システムは、流量調節弁21に開度異常が発生していると判断される場合に、その異常を知らせるシステムである。発警報システムとしては、特に限定されず、例えば汎用のデータ監視システムとLANネットワークで接続された作業者個人のPCにより構成でき、アラーム音を発する態様や、PC画面上に警報画面を表示させる態様等、種々の方法により発警報することができる。
より具体的に、液体としてのメタノールが流通するプロセスラインに設けられる流量調節弁21の開度異常を検出する装置に関して、その異常検出の流れを説明する。なお、開度異常検出装置10が適用されるプロセスラインを流通する液体としては、メタノールに限られず、その他の化合物溶液や、純水、プロセス凝集水等の液体であってもよい。
流量調節弁21の開度異常検出装置10を含む工場プラント等の現場における制御設備の構成の一例は、図1に示した通りである。図1に示すように、開度異常検出装置10は、プロセスライン20に設けられる流量調節弁21に対して開度を指令するライン制御部30の一部として構成されている。なお、プロセスライン20においては、配管(ライン)を流れるメタノールの流量を調整する流量調節弁21と、その配管を流れるメタノールの流量を測定する流量計22とが設けられている。
本発明に係る開度異常検出装置10は、開度異常検出部11を備えている。図4は、開度異常検出部11における、開度異常の検出処理の流れを示すフロー図である。
(ステップS1)
図4のフロー図に示すように、先ず、ステップS1として、所定の期間において指令開度に対するプロセスライン20を流れるメタノールの流量に関するデータを収集する。
図1に示すように、プロセスライン20にメタノールが流通している所定の期間において、プロセスライン20の配管上に設けられた流量計22により、配管内を流れるメタノールの流量計測値[L/min]が測定され、その流量計測値に関する電気信号(s1)がライン制御部30に送られる。ライン制御部30は、受信した流量計測値に対応する流量調節弁21への指令開度[%]、すなわち流量計測値に対応する理論開度に関する情報の電気信号(s2)を、汎用のデータ監視システム40に送信する。データ監視システム40は、取得した情報を収集するとともに、その情報の電気信号(s3)を作業者の個人PC41に送信する。なお、データ監視システム40における情報収集のサンプリング時間はおよそ1分程度であり、個人PC41におけるサンプリング時間間隔は数分間おきに実行すればよい。
一方、ライン制御部30においては、受信した流量計測値に基づいて、その配管上に設けられた流量調節弁21の開度がその流量計測値に対応する開度となるように、その流量調節弁21に対して指令開度に関する電気信号(s4)を送信する。
(ステップS2)
次に、ステップS2として、サンプリングした情報に基づいて理論近似式を導出し、その理論近似式を予め保有して、特定の指令開度に対する理論流量値(理論値)を算出可能とする。
具体的に、データ監視システム40においては、サンプリングした情報に基づいて、指令開度に対するメタノールの流量(流量計測値)の関係のデータをテーブル化する。例えば、図2に示すように、横軸を指令開度[%]とし、縦軸を液体流量[L/hr]としたときの相関曲線を作成してテーブル化する。この図2に示すような相関曲線によれば、2次の多項式として理論近似式を導出することができる。
なお、相関係数が高ければ(例えば0.9以上)、その近似式を理論近似式として採用することができる。また、図3に示すように、折れ線近似とすることもでき、例えば指令開度を最大12個までに区切ってセグメント(線分)を作成することもできる。
(ステップS3)
次に、ステップS3として、予め作成し保有している理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、そのときのメタノールの流量の実測値とを比較する。
開度異常検出部11においては、ステップS2にて得られた理論近似式に基づいて所定の指令開度に対する理論流量値を求め、その理論流量値と、そのときに流量計22により実際に計測されるメタノールの流量の実測値との比較を行う。そして、その比較に基づいて流量調節弁21の開度異常の有無を検出する。
開度異常検出部11における開度異常の判定方法としては、例えば図2や図3のように得られた、開度指令に対する理論流量値と、流量計22により計測される実測値とを比較したときの流量の「差」が、予め設定した閾値の範囲を超えているか否かを判断する。ここで、理論流量値と実測値との差とは、差分の絶対値であってもよく、あるいはその理論流量値と実測値との誤差率(理論流量値に対する差分の絶対値の割合)であってもよい。
(ステップS4)
そして、ステップS4として、理論流量値と実測値との差が所定の閾値を超えた場合(「YES」の場合)に、流量調節弁21に開度異常が発生していると判定する。
例えば、理論流量値と実測値とを比較したときに、その差の絶対値が閾値としての±5L/minの範囲内であるか否か、あるいは、その差が理論流量値に対する割合で閾値としての±5%の範囲内である否かを判断する。そして、その差が、予め設定した閾値の範囲内であれば流量調節弁21に開度異常は発生していないと判定し、その閾値の範囲を超える場合には流量調節弁21に開度異常が発生していると判定する。なお、閾値は、例示した値に限定されず、任意の値を設定することができる。
なお、理論流量値と実測値との差が所定の閾値の範囲内であれば(「NO」の場合)、開度異常の発生していないと判定され、ステップS3に戻り繰り返される。
(ステップS5)
ステップS5として、ステップS4にて開度異常が発生していると判定されたときに、流量調節弁21の開度異常を認知させる警報を発する。
例えば、開度異常が発生していると判定されたときには、開度異常検出装置10(開度異常検出部11)に接続された発警報システムから、その検出された流量調節弁21の開度異常を認知される警報を発するようにすることができる。警報としては、制御設備1内にいる作業員に知らせるためのサイレンであってもよく、また、開度異常検出装置10に接続された作業者のPC41に警告メッセージ(警告画面)を表示させるものであってもよい。
このように、本発明に係る開度異常検出装置10は、開度異常検出部11を備え、流量調節弁21に対する指令開度とその指令開度に対する液体プロセスラインを流れるメタノールの流量とにより導出される近似式のデータを予め作成して保有し、その理論近似式に基づいて求められる所定の指令開度での理論流量値(理論値)と、そのときのメタノールの流量の実測値とを比較することで流量調節弁21の開度異常を検出するようにしている。このことにより、新たな計装機器の設置や工事を要することなく、流量調節弁21の開度異常を高い精度で検出することができる。
≪2.圧力調節弁の開度異常検出装置≫
次に、本発明に係る開度異常検出装置として、気体プロセスラインに設けられる圧力調節弁の弁開度の異常を検出する装置について説明する。以下では、水素製造設備に設けられる開度異常検出装置を具体例として挙げて説明するが、プロセスラインを流通する気体としては、水素に限られない。
図5は、水素製造設備の概略構成を示す図である。図5に示すように、水素製造設備5においては、複数の水素精製ベッセル(以下、単に「ベッセル」ともいう)52が並列し、粗水素ガスが流通する粗水素ガスライン53から各ベッセル52に粗水素ガスが流入する配管に圧力調節弁54が設けられている。また、各ベッセル52には、精製水素ガスの吐出側に、ベッセル内圧力監視用の圧力伝送器55がそれぞれ設けられており、その吐出した精製水素ガスを精製水素ガスライン57へ移送する配管上には自動弁56が設けられている。
水素製造設備5においては、開度異常検出装置50が設けられており、各ベッセル52に流入する粗水素ガスの圧力を調節する各圧力調節弁54に接続されている。そして、その開度異常検出装置50においては、圧力調節弁54の開度異常を検出する開度異常検出部51を備えている。
水素製造設備5においては、精製水素ガスの供給先の設備で消費される水素ガス量の条件に基づき、当該水素製造設備5を構成するベッセル52に対する操業負荷の指示値であるオペレーションロード[%]と呼ばれる要素により、ベッセル52からの精製水素ガスの吐出量が調整されている。水素製造設備5においては、そのオペレーションロードの指令に基づいてベッセル52内の圧力をコントロールするために、ベッセル52に流入させる粗水素ガスの圧力を調整する圧力調節弁54の開度を決定している。
ここで、操業負荷とは、水素製造設備を構成するベッセルに対して、そのベッセルにて製造する最終生産物である水素の製造量を決定する要素であって、ベッセルに対する製造負荷であり、操業負荷率とも称される。また、オペレーションロードとは、その操業負荷の指示値であって、ベッセルにて製造した水素ガスを供給するガス量に基づいて制御される要素であり、例えば水素ガスの最大供給量を100%としたときのその最大供給量に対する割合として定義される。
水素製造設備5を構成する各ベッセル52においては、操業負荷に応じて、粗水素ガスライン53から粗水素ガスが流入し、内部で粗水素ガスを精製して精製水素ガスとし、その精製水素ガスを精製水素ガスライン57に向けて吐出する。そのため、ベッセル52内では、所定の時間間隔において周期的に圧力が変化する。なお、この周期を「圧力変化周期」という。また、周期1サイクルの所要時間を「圧力変化周期時間」という。
本発明者の検証により、ベッセル52内の圧力変化に着目したとき、圧力変化周期1サイクルにおいて、各オペレーションロードの平均値(%)に対する圧力変化周期時間の関係に高い相関性を有することが見出された。そこで、開度異常検出装置50においては、ベッセル52に対する操業負荷に関する指示値(オペレーションロード)と、そのときのベッセル内の圧力との関係で表される圧力変化周期を利用し、それらの相関関係を近似式(理論近似式)として求める。そして、求められた理論近似式に基づく理論周期時間と、実測された実周期時間とを比較することによって、圧力調節弁54の開度異常を検出する。このように、開度異常検出装置50においては、圧力調節弁54の弁開度に関係する要素である圧力変化周期を利用する。
より具体的には、開度異常検出装置50は、圧力調節弁54が接続されたベッセル52の圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷の指示値の平均値と圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め作成して保有し、その理論近似式に基づいて求められる所定の操業負荷に関する指示値での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することにより、圧力調節弁54の開度異常を検出する。
例えば、図6は、ベッセル52に対する一定期間における所定の操業負荷での圧力変化を示すグラフ図である。開度異常検出装置50においては、先ず、図6に示すような圧力変化周期を利用して、操業負荷に関する指示値と、圧力変化周期時間とにより近似式を導出する。
(1)先ず、開度異常検出装置50は、モニタリング開始時刻から、ベッセル52内の圧力値と操業負荷に関する指示値とを計測し、目安とした圧力値(図6の例では0.3MPa)未満のデータを比較演算しながら、最小圧力値の時刻(Ti)を求める。
(2)(1)の手順と同様に、次に現れる最小圧力値の時刻(Ti+1)を求める。
(3)そして、求められた最小圧力値の時刻から、[Ti+1]−[Ti]=Tcy_1を算出し、これを圧力変化周期時間(以下、単に「周期時間」ともいう)と定義する。
(4)次に、時刻「Ti」〜「Ti+1」の区間(圧力変化周期の1サイクル)における操業負荷に関する指示値の平均値を算出する。
(5)そして、(4)の手順で算出した、圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷に関する指示値の平均値に対する周期時間(Tcy_1)の近似式を作成し、そこから理論周期時間(Tth_1)を求める。
図7は、上記の(1)〜(5)の手順により作成される、操業負荷に関する指示値の平均値と圧力変化の周期時間との関係を示すグラフ図であり、例えばサンプリング時間は1分毎とすることができる。
(6)次に、圧力調節弁の開度異常を判定するための閾値を決定する。この閾値は、作製した近似式で得られた理論周期時間(Tth_1)と、計測された実周期時間(Tcy_1)との時間差、もしくは時間差誤差率(%)に対して用意し、それぞれ「Tsh」、「Tsh_er%」とする。なお、時間差誤差率(%)は、abs(Tcy_1−Tth_1)/Tth_1×100で定義されるものである。
(7)続いて、操業負荷に関する指示値の平均値の理論周期時間(Tth_1)を近似式より求め、計測した実周期時間(Tcy_1)との時間差(abs(Tcy_1−Tth_1)が、予め決定した閾値(Tsh)の範囲に入るか否かを判断し、その閾値を超えた場合には、圧力調節弁54に開度異常が発生していると判定する。あるいは、その時間差の誤差率が、閾値(Tsh_er)の範囲に入るか否かを判断し、その閾値を超えた場合には、圧力調節弁54に開度異常が発生していると判定する。
(8)開度異常が発生していると判定されると、圧力調節弁54の開度異常を認知させる警報を発生する。なお、警報を発するため、開度異常検出装置50においては発警報システム(異常警報部)を接続して設けることができる。発警報システムは、圧力調節弁54に開度異常が発生していると判断される場合に、その異常を知らせるシステムである。警報としては、水素製造設備5内にいる作業員に知らせるためのサイレンであってもよく、また、開度異常検出装置50に接続された作業者のPCに警告メッセージ(警告画面)を表示させるものであってもよい。
(9)なお、圧力調節弁54や、ベッセル52の吐出側の自動弁56に不具合が生じた場合には、図6中の破線(パターン1,2,3)で示すような圧力変化も考えられる。その場合も、警報を発するようにするとよい。
このように、本発明に係る開度異常検出装置50は、開度異常検出部51を備え、その開度異常検出部51は、ベッセル52の圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷の指示値の平均値と、圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め作成し保有している。そして、その理論近似式に基づいて求められる所定の操業負荷の指示値での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することで、流量調節弁21の開度異常を検出するようにしている。
このような開度異常検出装置50においては、正常なオペレーション時に予め、ベッセル52内の圧力変化周期1サイクルにおける操業負荷の指示値の平均値とその圧力変化周期時間とのデータをサンプリングして理論近似式を導出することが重要となる。そして、その予め導出しておいた理論近似式による理論値と、特定の時点における実周期時間とを比較するようにしているため、データをサンプリングしたその現場の圧力調節弁54に開度異常が生じれば、予め作成した理論近似式に基づいて、細かな異常であってもより精密に変化を把握することができ、高い精度で開度異常を検出することができる。
また、新たな計装機器の設置や工事等を要することなく、効率的に圧力調節弁54の開度異常を検出することができる。
1 制御設備
5 水素製造設備
10 開度異常検出装置
11 開度異常検出部
20 プロセスライン
21 流量調節弁
22 流量計
30 ライン制御部
40 データ監視システム
50 開度異常検出装置
51 開度異常検出部
52 ベッセル
53 粗水素ガスライン
54 圧力調節弁
55 圧力伝送器
56 自動弁
57 精製水素ガスライン

Claims (4)

  1. 気体プロセスラインに設けられる圧力を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出装置であって、
    前記調節弁が接続された反応容器の圧力変化周期1サイクルにおける、該反応容器にて製造され供給される最大気体供給量を100%としたときに該反応容器での製造負荷率として定義される該最大気体供給量に対する割合の値の平均値と圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め保有し、該理論近似式に基づいて求められる所定の製造負荷率での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する開度異常検出部を備える
    調節弁の開度異常検出装置。
  2. 前記理論値と前記実測値との差が、所定の閾値の範囲を超えた場合に、前記調節弁に開度異常が発生していると判断する
    請求項1に記載の調節弁の開度異常検出装置。
  3. 前記調節弁の開度異常を検出したとき、該開度異常を認知させる警報を発する異常警報部をさらに備える
    請求項1又は2に記載の調節弁の開度異常検出装置。
  4. 気体プロセスラインに設けられる圧力を調節するための調節弁の開度異常を検出する開度異常検出方法であって、
    前記調節弁が接続された反応容器の圧力変化周期1サイクルにおける、該反応容器にて製造され供給される最大気体供給量を100%としたときに該反応容器での製造負荷率として定義される該最大気体供給量に対する割合の値の平均値と圧力変化周期時間とにより導出される理論近似式のデータを予め作成し、
    前記理論近似式に基づいて求められる所定の製造負荷率での理論周期時間(理論値)と、実測された実周期時間(実測値)とを比較することにより、該調節弁の開度異常を検出する
    調節弁の開度異常検出方法。
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