以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の気体混合装置10を備えた混合気供給装置15の概要を模式的に示した図である。なお、図1には、混合気供給装置15によって形成された混合気が供給される燃焼器80も示している。図2は、混合気供給装置15の一部の断面を拡大して模式的に示した図である。
ここでは、混合気供給装置15の一部に気体混合装置10が備えられた構成を例示して説明する。なお、気体混合装置10が備えられる構成は、図1に示された構成に限られるものではない。
まず、混合気供給装置15の構成について説明する。
混合気供給装置15は、燃料(ガス燃料)と空気を混合して混合気を形成する。混合気供給装置15は、図1に示すように、気体混合装置10、ファン20と、ミキサ30と、燃料供給管40と、筒体50と、全圧検出部60と、燃料流量調整部70とを備える。
ファン20は、図2に示すように、ケーシング21を備え、このケーシング21内には、例えば、回転羽根22が設けられている。さらに、ファン20は、回転羽根22を回転させるモータ23を備える。ファン20のケーシング21には、ファン20の内部に空気などを吸引する吸引口24、吸引した空気などを排出する吐出口25が形成されている。なお、ファン20は、例えば、シロッコファンやターボファンなどで構成される。
気体混合装置10は、ファン20の吐出口25と、後述する燃焼器80のケーシング81との間に設けられている。そして、ファン20の吐出口25は、気体混合装置10を介して、燃焼器80の混合気導入空間82に連通している。
ミキサ30は、内部に通路31を有する筒体で構成される。ミキサ30の一端32は、ファン20の吸引口24に接続されている。具体的には、ミキサ30の通路31が吸引口24を介してファン20の内部と連通するように、ミキサ30の一端32は、例えば、ファン20のケーシング21に接続されている。そのため、ミキサ30を通過した空気と燃料の混合気は、ファン20の内部に吸引され、さらに混合される。
通路31は、例えば、空気流れ方向(図2に示す矢印方向)に流路断面積が徐々に減少してスロート部33を有するベンチュリ構造を有している。そして、スロート部33の下流の通路31は、例えば、流れ方向に流路断面積が徐々に増加している。
燃料供給管40は、燃料供給源41から供給された燃料(ガス燃料)をミキサ30の通路31に供給する。燃料供給管40の一端40aは、図2に示すように、通路31のスロート部33の内部に連通している。
また、燃料供給管40において、図1に示すように、燃料流量調整部70よりもミキサ30側、および燃料流量調整部70よりも燃料供給源41側には、燃料供給管40の燃料の流れを遮断する遮断弁42、43が介在している。また、例えば、遮断弁43と燃料供給源41との間には、燃料供給管40を流れる燃料の流量を検出する燃料流量計44が介在している。
ミキサ30の他端34に連結された筒体50は、図2に示すように、例えば、円筒状の両端開口の筒体である。ミキサ30側と異なる側の筒体50の開口端部には、整流板51が備えられている。すなわち、整流板51は、筒体50における、空気流れ方向の上流側の開口端部に備えられる。
整流板51は、ファン20の送風に伴って筒体50内に吸引される空気の流れを整流する。整流板51は、例えば、多孔質体、ハニカム構造体、パンチングメタルなどの平板で構成される。
全圧検出部60は、筒体50内に吸引された燃焼用空気の全圧を検出する。全圧検出部60は、図1および図2に示すように、例えば、管状のプローブ61と、このプローブ61で検出した全圧を燃料流量調整部70に伝達する伝達管62を備える。プローブ61は、図2に示すように、燃焼用空気の流れ方向に対向して開口する全圧検出口63を有する。そして、全圧検出口63では流れがせき止められ、全圧が検出される。
プローブ61は、例えば、筒体50の中心軸上に全圧検出口63の中心が位置するように配置される。プローブ61は、空気の流れを阻害しないように、管径が小さいことが好ましい。また、ここでは、一つのプローブ61を備えた一例を示しているが、複数のプローブ61を備えてもよい。
複数のプローブ61を備える場合、例えば、筒体50の中心軸上に全圧検出口63の中心が位置するように配置されたプローブ61と、このプローブ61よりも半径方向外側に配置された他のプローブ61とを備えてもよい。すなわち、筒体50の中心軸上に一つのプローブを備えるとともに、筒体50の中心軸から半径方向外側に離れた位置に他のプローブ61を備えてもよい。
なお、複数のプローブ61を備える場合、各プローブ61に連通する伝達管62を下流側で一つの集合管とし、この集合管を燃料流量調整部70に連通させてもよい。この場合、複数のプローブ61で検出された全圧の平均圧が燃料流量調整部70に伝達される。
燃料流量調整部70は、図1に示すように、燃料供給管40に介在する。燃料流量調整部70は、全圧検出部60において検出された全圧に基づいて、一次圧で供給された燃料を二次圧に調整してミキサ30側に排出する。燃料流量調整部70は、例えば、均圧弁、ゼロガバナなどによって構成される。すなわち、全圧検出部60において検出された全圧が信号圧として、均圧弁やゼロガバナに伝達される。
燃焼器80は、図1に示すように、ケーシング81と、バーナ83とを備える。
ケーシング81内の下方側には、気体混合装置10を通過した燃料と空気の混合気を導入する混合気導入空間82を備える。この混合気導入空間82の上方に、バーナ83が備えられる。なお、図示しないが、混合気導入空間82には、導入された混合気の流れを整流する整流板がバーナ83の上流側に設けられている。この整流板としては、上述した整流板51と同様の部材が使用される。
バーナ83の出口には、混合気導入空間82に導入された混合気を燃焼領域87に噴出する燃料噴出孔84を有する。バーナ83は、燃料噴出孔84から噴出された混合気に着火する着火装置86を備える。なお、着火装置86は、例えば、イグナイタなどで構成される。火炎85は、図1に示すように、燃料噴出孔84の下流側に形成する。
次に、第1の実施の形態の気体混合装置10について説明する。
ここで、混合気供給装置15におけるファン20の吐出口25の流路断面において、燃料濃度分布を有することがある。燃料濃度分布を有するとは、ファン20の吐出口25の出口断面において、燃料濃度の濃淡を有し、燃料と空気の混合が均一でないことをいう。特に、混合気の流量が少ないときには、燃料と空気の混合が不均一な状態になりやすい。
また、ファン20の吐出口25の出口断面においては、速度分布を有することもある。速度分布を有するとは、ファン20の吐出口25の出口断面において、混合気の流速が均一でないことをいう。
そこで、図1に示した混合気供給装置15では、例えば、ファン20の吐出口25の下流に、気体混合装置10を備えることで、混合気の混合促進を図っている。
図3は、第1の実施の形態の気体混合装置10の断面を模式的に示した図である。図4は、図3のA−A断面を示す図である。
図3に示すように、気体混合装置10は、混合管90と、混合促進板100とを備える。
混合管90は、筒状の配管で構成される。すなわち、混合管90内の流路93の断面形状は、円形である。この配管において、流路断面形状は、例えば、入口91から出口92に亘って一様である。なお、ここでは、流路93の断面形状として、円形を例示したが、流路93の断面形状は、楕円であってもよい。
混合管90の入口91は、例えば、ファン20の吐出口25に連結されている。この場合、ファン20の吐出口25の流路断面形状と、混合管90の入口91の流路断面形状とが同じであることが好ましい。これによって、吐出口25から混合管90内に混合気がスムーズに流れ、流れの圧力損失が抑制される。
混合管90の出口92は、燃焼器80のケーシング81に接続され、混合気導入空間82に連通している。
混合管90の入口91から、例えば、燃料濃度分布を有する、燃料と空気の混合気が供給される。すなわち、混合管90の入口91から、例えば、ファン20の吐出口25から吐出された、燃料と空気の混合が不十分な混合気が供給される。
ここで、図4に示すように、混合管90の中心軸Oに沿って水平面Pで混合管90を区画したときの上部側を上半側といい、下部側を下半側という。また、ここでは、説明の便宜上、上半側の混合管90を上半側混合管90aといい、下半側の混合管90を下半側混合管90bという。
混合管90には、混合管90内の流路93の一部を遮断する一つの混合促進板100が設けられている。この混合促進板100は、図3および図4に示すように、下半側混合管90bの内壁面から対向する内壁面側である上半側に突出している。
図4に示すように、混合気の流れ方向に見たとき、混合促進板100は、例えば、弓型形状を有している。具体的には、混合促進板100は、例えば、下半側混合管90bの底部の内壁面に沿って接触する内壁面接触部100aと、水平面Pに平行な平面部100bとを有している。なお、内壁面接触部100aは、底部の内壁面に沿って湾曲している。
また、混合促進板100は、例えば、図4において、中心軸Oを通る鉛直線に対して線対称な形状である。なお、混合促進板100の厚さは、混合気の流れによって変形しない程度の厚さであればよい。混合促進板100の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜3mm程度である。
ここで、図5は、図3のA−A断面における燃料濃度分布の一例を模式的に示した図である。なお、図5には、混合促進板100の流路断面における燃料濃度分布を構成する燃料濃度層C1〜C4の一例が模式的に示されている。
混合管90に導入される混合気の燃料濃度分布は、図5に示すように、例えば、混合促進板100の流路断面において、中心軸Oを通る直線(ここでは鉛直線)の方向に燃料濃度分布を有していることが好ましい。さらに、この燃料濃度分布の方向が、図5に示すように、例えば、混合促進板100の平面部100bに対して垂直となる方向であることが好ましい。換言すれば、流路断面における燃料濃度分布は、混合促進板100の平面部100bにほぼ平行な複数の燃料濃度層C1〜C4が、中心軸Oを通る直線(ここでは鉛直線)の方向に積層されたような状態となる。
なお、各燃料濃度層C1〜C4における燃料濃度は異なる。また、各燃料濃度層C1〜C4における燃料濃度の濃淡は、特に限定されるものではなく、いずれの燃料濃度層の燃料濃度が最も高くてもよい。
混合促進板100の下流側に形成される渦流れは、例えば、図3に示した渦流れEのように、混合促進板100の平面部100bよりも上半側混合管90a側の流れを巻き込む。そのため、平面部100bに対して垂直方向に燃料濃度分布を有する流れにおいては、混合気における燃料と空気の混合がより促進されやすい。
なお、上記した燃料濃度分布の方向は、流路断面において、混合促進板100の平面部100bに対して垂直となる方向であることに限定されるものではない。燃料濃度分布の方向が、流路断面において、混合促進板100の平面部100bに対して垂直ではない方向であっても、混合促進板100を備えることで、混合気における燃料と空気の混合は促進される。
ここで、混合促進板100が設けられているところの流路93の開口率は、0.60〜0.85であることが好ましい。この開口率とは、混合促進板100が設けられていないところの流路93の流路断面積S1に対する、混合促進板100が設けられているところの流路93の流路断面積S2の割合(S2/S1)である。
混合促進板100が設けられているところの流路93の開口率を、上記した範囲とすることで、混合気の圧力損失の増加を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
例えば、図4に示した弓型形状の混合促進板100において、開口率を大きくする場合には、平面部100bの位置は、図4に示した位置よりも下半側(中心軸Oから離れる側)となる。一方、図4に示した弓型形状の混合促進板100において、開口率を小さくする場合には、平面部100bの位置は、図4に示した位置よりも上半側(中心軸Oに近づく側)となる。
ここで、図3に示すように、混合管90の入口91から混合促進板100までの中心軸O方向の距離をLとし、混合管90内の流路断面に係る代表長さをDとしたとき、L/Dの値が0〜2であることが好ましい。混合管90が図4に示すような円管で構成される場合、混合管90の流路断面に係る代表長さDは、混合管90の内径(口径)となる。なお、L/Dの値が0の場合、混合促進板100は、混合管90の入口91に配置される。
そして、混合促進板100は、このL/Dの範囲を満たすように、混合管90内に設けられる。なお、距離Lは、図3に示すように、混合管90の入口91から、混合促進板100の入口91側の表面100cまでの距離である。
L/Dの値を上記した範囲とすることで、気体混合装置10の大型化を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
また、混合促進板100から混合管90の出口92までの中心軸O方向の距離をMとしたときに、M/Dの値が3〜5であることが好ましい。なお、距離Mは、図3に示すように、混合促進板100の入口91側の表面100cから、混合管90の出口92までの距離である。そして、混合管90の長さは、上記したL/Dの値およびM/Dの値に基づいて設定される。
M/Dの値を上記した範囲とすることで、気体混合装置10の大型化を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
次に、気体混合装置10を備えた混合気供給装置15の作用について説明する。
ファン20が作動すると、外気が整流板51を通り筒体50内に吸引される。筒体50内は、負圧となる。なお、ここでいう負圧とは、大気圧を0気圧としたゲージ圧で大気圧より低い圧力をいう。吸引された空気は、ミキサ30に導かれる。
遮断弁42、43が開かれ、燃料供給源41から燃料が燃料供給管40を通りミキサ30内に導入される。燃料が燃料供給管40を通過する際、燃料流量調整部70によって流量が調整され、燃料流量計44によって流量が計測される。
燃料流量調整部70では、プローブ61、伝達管62を介して伝達された筒体50内の全圧を信号圧として流量が調整される。ここで、前述したように、燃料流量調整部70は、内部にダイヤフラムを備えた均圧弁やゼロガバナによって構成される。信号圧は、このダイヤフラムに作用して、燃料流量調整部70から排出される燃料の二次圧を、信号圧に応じた圧力に調整するための圧力である。
このように、燃料流量調整部70において筒体50の全圧を信号圧として使用し、空気流量の変動に応じて燃料流量を変動させているため、燃焼器80に供給する燃料と空気の混合比、すなわち当量比を一定に維持している。
ミキサ30内に導入された空気および燃料は、ミキサ30内の通路31を通過する際に混合し、所定の空気比、換言すると所定の当量比の混合気となる。この混合気は、吸引口24からファン20内に流入する。
ファン20内に流入した混合気は、ファン20の吐出口25から気体混合装置10の混合管90内に吐出される。混合管90内に導入された混合は、混合促進板100が設けられた流路93を通過する際、流れが絞られる。そして、混合促進板100が設けられた流路93を通過した流れは、流路93内に広がりながら、混合促進板100の下流側に渦流れを形成する。なお、図3に、混合促進板100の下流側に形成される渦流れEの様子を模式的に示している。
この渦流れEは、例えば、上半側混合管90a側の流れも巻き込むように形成される。そのため、混合気における燃料と空気の混合が促進される。
そして、混合気は、混合を促進させながら混合管90内を流れ、燃焼器80の混合気導入空間82に流入する。
なお、混合気導入空間82に導入された混合気は、バーナ83内を通り燃料噴出孔84から燃焼領域87に噴出する。燃焼領域87に噴出した混合気は、着火装置86によって着火され、燃焼して火炎85を形成する。
上記した第1の実施の形態の気体混合装置10によれば、混合管90内の所定の位置に一つの混合促進板100を備えることで、混合管90内に導入された、燃料濃度分布を有する混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。また、気体混合装置10では、混合促進板100を一つ備えることで、混合の促進が図れるため、従来のように複数の抵抗体を備える場合に比べて、流れの圧力損失を抑制することができる。
すなわち、気体混合装置10においては、混合管90内の所定の位置に一つの混合促進板100を備えることで、流路抵抗の上昇を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
ここで、上記した第1の実施の形態では、混合促進板100を下半側に設けた一例を示したが、この構成に限られるものではない。例えば、混合促進板100を上半側に設けてもよい。図6は、第1の実施の形態の気体混合装置10において、上半側に混合促進板100が設けられた場合の、図3のA−A断面に相当する断面を示す図である。
図6に示すように、混合促進板100は、上半側混合管90aの内壁面から対向する内壁面側である下半側に突出している。また、図6に示すように、混合気の流れ方向に見たとき、混合促進板100は、例えば、弓型形状を有している。具体的には、混合促進板100は、例えば、上半側混合管90aの上部の内壁面に沿って接触する内壁面接触部100aと、水平面Pに平行な平面部100bとを有している。なお、内壁面接触部100aは、上部の内壁面に沿って湾曲している。
ここで、混合促進板100を下半側に設けた場合と同様に、流路断面において、中心軸Oを通る直線の方向に燃料濃度分布を有している場合、この燃料濃度分布の方向は、例えば、混合促進板100の平面部100bに対して垂直となる方向であることが好ましい。このように、平面部100bに対して垂直方向に燃料濃度分布を有する流れにおいて、混合気における燃料と空気の混合をより促進することができる。
ここで、混合促進板100が設けられているところの流路93の開口率の範囲は、下半側に混合促進板100が設けられた場合の開口率の範囲と同じである。
上半側に混合促進板100が設けられた場合、例えば、図6に示した弓型形状の混合促進板100において、開口率を大きくする場合には、平面部100bの位置は、図6に示した位置よりも上半側(中心軸Oから離れる側)となる。一方、図6に示した弓型形状の混合促進板100において、開口率を小さくする場合には、平面部100bの位置は、図6に示した位置よりも下半側(中心軸Oに近づく側)となる。
なお、L/Dの値およびM/Dの値の範囲は、下半側に混合促進板100が設けられた場合のこれらの値の範囲と同じである。
混合促進板100を上半側に設ける場合においても、混合促進板100を下半側に設ける場合と同様の作用効果が得られる。
ここで、上記した実施の形態では、混合促進板100の平面部100bにおける表面を平面構造とした一例を示したが、これに限られるものではない。
例えば、平面部100bの表面において流れが乱れるように、平面部100bの表面を凹凸構造にしてもよい。凹凸構造として、例えば、平面部100bの表面に複数の突起部を設けてもよい。また、凹凸構造として、例えば、平面部100bの表面に、厚さ方向に複数段の凹凸を備えてもよい。このように平面部100bの表面を凹凸構造にすることで、平面部100bの表面において流れが乱され、混合気における燃料と空気の混合をより促進することができる。
なお、凹凸構造は、これに限られるもではなく、平面部100bの表面において流れを乱すことができる構造であればよい。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態の気体混合装置11における、図3のA−A断面に相当する断面を示す図である。
なお、第2の実施の形態の気体混合装置11は、第1の実施の形態の気体混合装置10と、混合管の断面形状が異なる。第2の実施の形態におけるその他の構成は、第1の実施の形態のそれらに対応する構成と同じである。ここでは、この異なる形状について主に説明する。また、第1の実施の形態の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図7に示すように、混合管110は、筒状の配管で構成される。混合管110の断面形状は、例えば、矩形などの多角形である。なお、図7には、断面形状が矩形の混合管110を示している。すなわち、混合管110内の流路93の断面形状は、矩形である。この配管において、流路断面形状は、例えば、入口91から出口92に亘って一様である。
ここで、図7に示すように、混合管110の中心軸Oに沿って水平面Pで混合管110を区画したときの上部側を上半側といい、下部側を下半側という。また、ここでは、説明の便宜上、上半側の混合管110を上半側混合管110aといい、下半側の混合管110を下半側混合管110bという。
混合管110には、混合管110内の流路93の一部を遮断する一つの混合促進板120が設けられている。この混合促進板120は、図7に示すように、下半側混合管110bの内壁面から対向する内壁面側である上半側に突出している。
図7に示すように、混合気の流れ方向に見たとき、混合促進板120は、例えば、矩形形状を有している。混合促進板120は、下半側混合管110bの底部の内壁面に沿って接する内壁面接触部120aと、水平面Pに平行な平面部120bとを有している。内壁面接触部120aは、3つの面が下半側混合管110bの底部の内壁面に接している。
また、混合促進板120は、例えば、図7において、中心軸Oを通る鉛直線に対して線対称な形状である。なお、混合促進板120の厚さは、第1に実施の形態における混合促進板100の厚さと同じである。
ここで、流路断面において、中心軸Oを通る直線の方向に燃料濃度分布を有している場合、この燃料濃度分布の方向は、例えば、混合促進板120の平面部120bに対して垂直となる方向であることが好ましい。
混合促進板120の下流側に形成される渦流れは、例えば、図3に示した渦流れEのように、混合促進板120の平面部120bよりも上半側混合管90a側の流れを巻き込む。そのため、平面部120bに対して垂直方向に燃料濃度分布を有する流れにおいては、混合気における燃料と空気の混合がより促進されやすい。
なお、上記した燃料濃度分布の方向が、流路断面において、混合促進板120の平面部120bに対して垂直となる方向であることに限定されるものではない。燃料濃度分布の方向が、流路断面において、混合促進板120の平面部120bに対して垂直ではない方向であっても、混合促進板120を備えることで、混合気における燃料と空気の混合は促進される。
ここで、混合促進板120が設けられているところの流路93の開口率は、0.60〜0.85であることが好ましい。なお、開口率の定義は、前述したとおりである。また、混合促進板120が設けられているところの流路93の開口率を、上記した範囲とすることで、混合気の圧力損失の増加を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
L/Dの値およびM/Dの値の範囲は、第1の実施の形態におけるこれらの値の範囲と同じであり、これらの範囲とする理由も第1の実施の形態における理由と同じである。ここで、混合管110が図7に示すような矩形の管で構成される場合、混合管110の流路断面に係る代表長さDは、混合管110内の流路93の流路断面における対角線の長さWである。なお、ここでは、矩形には、長方形以外にも、正方形も含む。また、流路断面形状が矩形の場合、2本の対角線が引けるが、これらの対角線の長さは等しい。そして、混合促進板100は、このL/Dの範囲を満たすように、混合管90内に設けられる。
なお、Lは、混合管110の入口から、混合促進板120における混合管110の入口側の表面120cまでの距離である。Mは、混合促進板120の表面120cから、混合管110の出口までの距離である。
ここで、気体混合装置11を備えた混合気供給装置15の作用は、第1の実施の形態における作用と同様である。
すなわち、ファン20内に流入した混合気は、ファン20の吐出口25から気体混合装置11の混合管110内に吐出される。混合管110内に導入された混合は、混合促進板120が設けられた流路93を通過する際、流れが絞られる。そして、混合促進板120が設けられた流路93を通過した混合気は、流路93内に広がりながら、混合促進板120の下流側に渦流れを形成する。
この渦流れは、図3に示した渦流れEと同様に、例えば、上半側混合管110a側の流れも巻き込むように形成される。そのため、混合気における燃料と空気の混合が促進される。
そして、混合気は、混合を促進させながら混合管110内を流れ、燃焼器80の混合気導入空間82に流入する。
上記した第2の実施の形態の気体混合装置11によれば、混合管110内の所定の位置に一つの混合促進板120を備えることで、混合管110内に導入された、燃料濃度分布を有する混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。また、気体混合装置11では、混合促進板120を一つ備えることで、混合の促進が図れるため、従来のように抵抗体を複数備える場合に比べて、流れの圧力損失を抑制することができる。
すなわち気体混合装置11においては、混合管110内の所定の位置に一つの混合促進板120を備えることで、流路抵抗の上昇を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができる。
ここで、上記した第2の実施の形態では、混合促進板120を下半側に設けた一例を示したが、この構成に限られるものではない。例えば、混合促進板120を上半側に設けてもよい。図8は、第2の実施の形態の気体混合装置11において、上半側に混合促進板120が設けられた場合の、図3のA−A断面に相当する断面を示す図である。
図8に示すように、混合促進板120は、上半側混合管110aの内壁面から対向する内壁面側である下半側に突出している。図8に示すように、混合気の流れ方向に見たとき、混合促進板120は、例えば、矩形形状を有している。混合促進板120は、上半側混合管110aの上部の内壁面に沿って接する内壁面接触部120aと、水平面Pに平行な平面部120bとを有している。内壁面接触部120aは、3つの面が上半側混合管110aの上部の内壁面に接している。
ここで、混合促進板120を下半側に設けた場合と同様に、流路断面において、中心軸Oを通る直線の方向に燃料濃度分布を有している場合、この燃料濃度分布の方向は、例えば、混合促進板120の平面部120bに対して垂直となる方向であることが好ましい。このように、平面部120bに対して垂直方向に燃料濃度分布を有する流れにおいて、混合気における燃料と空気の混合をより促進することができる。
ここで、混合促進板120が設けられているところの流路93の開口率の範囲は、下半側に混合促進板120が設けられた場合の開口率の範囲と同じである。
なお、L/Dの値およびM/Dの値の範囲は、下半側に混合促進板120が設けられた場合のこれらの値の範囲と同じである。また、混合促進板120を上半側に設けた場合における混合気の流れは、上記した混合促進板120を下半側に設けた場合と同様である。
混合促進板120を上半側に設ける場合においても、混合促進板120を下半側に設ける場合と同様の作用効果が得られる。
なお、前述した混合促進板100の平面部100bと同様に、混合促進板120の平面部120bの表面を、平面部120bの表面において流れが乱れるように、凹凸構造にしてもよい。
(他の実施の形態)
ここで、上記した実施の形態では、下半側混合管90b、110bの内壁面から上半側に突出した混合促進板100、120、または上半側混合管90a、110aの内壁面から下半側に突出した混合促進板100、120について例示したが、混合促進板100、120の配置位置はこれに限られない。
例えば、図4において、混合促進板100を混合管90の中心軸Oを中心として、時計回りに90度回転させた位置に混合促進板100を配置してもよい。この場合、混合促進板100は、上半側混合管90aの内壁面および下半側混合管90bの内壁面の双方から対向する内壁面側に向かって突出する。なお、回転させる角度は任意に設定できる。
例えば、図7において、混合促進板120を、矩形の混合管110の長辺側の内壁面から対向する内壁面側に向かって突出させてもよい。この場合、混合促進板120は、上半側混合管110aの内壁面および下半側混合管110bの内壁面の双方から対向する内壁面側に向かって突出する。
すなわち、これらの混合促進板100、120においては、平面部100b、120bは、水平面とはならない。
ここで、流路断面が円形の混合管90の場合、流路断面において、混合管90の中心軸Oを通る1本の直線の方向に燃料濃度分布を有しているとき、混合促進板100の平面部100bがこの直線(燃料濃度分布方向)に対して垂直となるように、混合促進板100を配置することが好ましい。
混合促進板100の下流側に形成される渦流れは、例えば、図3に示した渦流れEのように、混合促進板100と対向する内壁面側の流れを巻き込む。そのため、平面部100bに対して垂直方向に燃料濃度分布を有する流れにおいては、燃料と空気の混合がより促進されやすい。
流路断面が矩形の混合管110の場合においても、同様のことが言える。すなわち、流路断面において、混合管110の中心軸Oを通る1本の直線の方向に燃料濃度分布を有している場合、混合促進板120の平面部120bがこの直線方向(燃料濃度分布方向)に対して垂直となるように、混合促進板120が配置されたときには、上記した渦流れによる混合促進の効果が得られる。
なお、上記した燃料濃度分布の方向が、流路断面において、混合促進板100、120の平面部100b、120bに対して垂直となる方向であることに限定されるものではない。燃料濃度分布の方向が、流路断面において、混合促進板100、120の平面部100b、120bに対して垂直ではない方向であっても、混合促進板100、120を備えることで、混合気における燃料と空気の混合は促進される。
また、上記した実施の形態では、混合管110の流路断面形状が円形または矩形の場合について例示したが、混合管110の流路断面形状は、これらに限られるものではない。
混合管110の流路断面形状は、例えば、楕円などであってもよい。流路断面形状が楕円の場合、混合管110の流路断面に係る代表長さDは、短軸の長さである。この場合においても、L/Dの値およびM/Dの値の範囲は、流路断面形状が円形の場合におけるこれらの値の範囲と同じである。
(圧力損失および混合度の比較)
ここで、混合促進板を備えた本実施の形態の気体混合装置10と、オリフィスを備えた従来の気体混合装置において、圧力損失および混合度を比較した。ここでは、混合気における燃料と空気の混合促進の度合いを評価するために、混合度という指標を用いて評価した。なお、混合度の定義等については、後に詳しく説明する。
ここでは、図3を参照して、数値解析を行った解析モデルについて説明する。混合管90において、内径(流路93の直径)を100mm、長さ(全長)を1100mmとした。混合を促進するための混合促進部材として、混合促進板またはオリフィスを使用した。
混合促進板として、第1の実施の形態において説明した弓型形状の混合促進板100を使用した。なお、混合促進板100は、図3および図4に示すように、下半側混合管90bに設けた。オリフィスとしては、中央に所定の直径の貫通孔を有するオリフィスを使用した。混合促進板100およびオリフィスともに、厚さが1.2mmの金属製の板を使用した。混合促進部材は、L/Dが1となる位置に配置した。
数値解析では、混合促進板100またはオリフィスが設けられているところの流路93の開口率を変えて解析を行った。なお、開口率を変えるために、混合促進板100においては、前述したように平面部100bの位置を上下させて突出高さを調整した。一方、オリフィスにおいては、開口率を変えるために、中央の開口径を調整した。
数値解析において、混合気を、メタンと空気の混合気とした。混合管90の入口91において、混合気に燃料濃度分布および速度分布を与えた。図9は、混合管90の入口91における、混合管90の中心軸Oを通る鉛直方向における相対燃料濃度を示す図である。図10は、混合管90の入口91における、混合管90の中心軸Oを通る鉛直方向における相対速度を示す図である。
なお、鉛直方向位置Hが0mmとは、混合管90の中心軸Oを通る鉛直線が、下半側混合管90bの内壁面と交わる位置である。また、鉛直方向位置Hが100とは、混合管90の中心軸Oを通る鉛直線が、上半側混合管90aの内壁面と交わる位置である。
すなわち、図9に示した相対燃料濃度は、前述した、流路断面において混合管90の中心軸Oを通る1本の直線(鉛直線)の方向(鉛直方向)に燃料濃度分布を有しているときに相当する。そして、数値解析における混合促進板100は、平面部100bがこの鉛直線に対して垂直となるように配置されている。
図9に示すように、燃料濃度は、2段の分布を有している。そして、鉛直方向位置Hが0mm以上50mm未満までの燃料濃度を1とし、鉛直方向位置Hが50mm以上100mm以下の燃料濃度を1.07とした。なお、図9に示す相対燃料濃度は、鉛直方向位置Hが0mm以上50mm未満までの燃料濃度を1としたときの濃度比で示されている。
また、図10に示すように、鉛直方向位置Hが0mmにおける速度を1とした。そして、相対速度を上半側に向かって単調に増加させ、鉛直方向位置Hが100mmにおける速度を1.4とした。なお、図10に示す相対速度は、鉛直方向位置Hが0mmにおける速度を1としたときの速度比で示されている。
また、ここでは、相対速度の影響を調べるため、混合促進板100を使用する場合において、図10に示した相対速度とは異なる相対速度を有する場合についても、数値解析を行った。図11は、混合管90の入口91における、混合管90の中心軸Oを通る鉛直方向における異なる相対速度を示す図である。
図11に示す相対速度は、図10に示した相対速度と、鉛直方向位置Hに対する分布の傾きが正反対である。すなわち、図11に示す相対速度は、上半側に向かって単調に減少している。鉛直方向位置Hが100mmにおける速度を1とし、鉛直方向位置Hが0mmにおける速度を1.4とした。
なお、図11に示す相対速度は、鉛直方向位置Hが100mmにおける速度を1としたときの速度比で示されている。図11における鉛直方向位置Hが100mmにおける速度を、図10における鉛直方向位置Hが0mmにおける速度と等しくなるように設定した。
まず、混合促進板100またはオリフィスが設けられているところの流路93の開口率を変化させたときの混合管90における混合気の圧力損失を解析した。
図12は、混合促進板100またはオリフィスが設けられているところの流路93の開口率を変化させたときの混合管90における混合気の圧力損失の数値解析の結果を示す図である。なお、図12において、図10に示す相対速度を相対速度A、図11に示す相対速度を相対速度Bと示す。
なお、ここでいう混合気の圧力損失は、混合気が、混合管90の入口91から流入して混合管90の出口92から流出するまでに生じる圧力損失である。
図12に示すように、混合促進板100およびオリフィスのいずれを備えたときでも、開口率の増加に伴う圧力損失の変化は、同様の傾向を示している。また、混合促進板100における結果から、開口率の増加に伴う圧力損失の変化は、相対速度Aの場合と相対速度Bの場合とで、同様の傾向を示している。
混合促進板100を備えた場合、開口率が0.60以上で、圧力損失は500Pa以下である。圧力損失が500Pa以下の場合、本実施の形態における気体混合装置10に備えられるファン20の能力を変更することなく、作動可能である。すなわち、混合促進板100を備えた場合、開口率を0.60以上とすることで、流路抵抗の増加を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進させることができる。
そこで、開口率が0.7の場合について、混合度の数値解析を行った。また、M/Dが1、M/Dが4の場合について、数値解析を行った。
図13は、開口率が0.7、M/Dが4の場合における混合度の数値解析の結果を示す図である。
混合度(%)は、次の式(1)によって定義される。
(1−(Coutmax−Coutmin)/(Cinmax−Cinmin))×100 …式(1)
ここで、Cinmaxは、混合管90の入口91における最大燃料濃度(%)、Cinminは、混合管90の入口91における最小燃料濃度(%)である。Coutmaxは、混合管90の出口92における最大燃料濃度(%)、Coutminは、混合管90の出口92における最小燃料濃度(%)である。
なお、混合度が大きいほど、混合気における燃料と空気の混合が促進されていることを意味する。
図13に示すように、混合促進板100を備える場合は、オリフィスを備える場合よりも混合度が高い。なお、混合促進板100における結果から、相対速度Aの場合と相対速度Bの場合において、混合度は、ほぼ同程度であることがわかる。
ここで、開口率が0.7、M/Dが1の場合についても混合度の数値解析を行ったが、混合促進板100およびオリフィスのいずれを備えたときにおいても、混合度は、M/Dが4の場合のときと比べて低かった。すなわち、開口率が0.7のときでも、M/Dが1の場合には、混合気における燃料と空気の混合が促進されていないことがわかる。
(NOx濃度の比較)
ここで、混合促進板を備えた本実施の形態の気体混合装置10と、オリフィスを備えた従来の気体混合装置から供給された混合気を燃焼器で燃焼させて、排ガス中のNOx濃度を測定した。なお、混合促進部材を備えない場合についても、排ガス中のNOx濃度を測定した。
NOx濃度の測定には、図1に示す気体混合装置10を備えた混合気供給装置15および燃焼器80を使用した。混合管90の内径(流路93の直径)を100mm、長さ(全長)を500mmとした。
混合促進板100およびオリフィスともに、厚さが1.2mmの金属製の板を使用した。混合促進板100またはオリフィスが設けられているところの流路93の開口率を0.85とした。混合促進板100およびオリフィスは、L/Dが1となる位置に配置した。すなわち、開口率を0.85、M/Dを3とした。また、混合促進部材を備えない場合、開口率は1である。
燃料は、メタンを使用した。燃焼器80の混合気導入空間82に供給される混合気の当量比を0.77とした。なお、ここでいう当量比は、混合気導入空間82に供給される燃料流量と空気流量とに基づいて算出され、燃料と空気が完全に混合したものと想定したときの値である。
混合管90の出口92、すなわち混合気導入空間82の入口における混合気の温度は、室温とした。
ここで、ミキサ30に供給された空気と燃料の混合気は、ファン20の内部を通り、 混合管90内に流入する。混合管90内に流入する際の、混合管90の入口91における混合気の平均流速は、18m/sとした。
燃焼器80の出口において採取した排ガスを各種排ガス分析装置によって分析した。ここで、CO、CO2は、非分散赤外分析法、HCは水素炎イオン化検出法、NOxは、化学発光法、O2は、磁気圧法によって分析した。なお、水素炎イオン化検出法で分析されるHCは、THC(全炭化水素)である。
なお、混合促進部材を備える場合および混合促進部材を備えない場合において、混合気の当量比、混合気導入空間82の入口における混合気の温度、混合管90の入口91における混合気の平均流速、排ガスのガス分析方法などの実験条件は同じとした。
測定の結果、NOx濃度は、混合促進板100を備えた場合、15ppm、オリフィスを備えた場合、23ppm、混合促進部材を備えない場合、23ppmであった。なお、NOx濃度は、O2を0%換算としている。また、いずれの場合も、排ガス中における未燃焼成分は検出下限界以下であり、高い燃焼効率が得られた。
ここで、混合気の当量比を0.77に設定しているため、混合気の混合度が高いほど、局所的な火炎温度の上昇が抑えられ、NOxの排出は抑制できる。すなわち、混合気の混合度が高いほど、火炎温度が高温となる当量比1付近の燃焼が抑制され、NOx濃度は低くなる。
上記したNOx濃度の測定結果から、混合促進板100を備えた場合におけるNOx濃度は、最も低かった。このことから、混合促進板100を備えた場合には、他の仕様の場合と比べて、混合気の混合度が高いものと考えられる。すなわち、混合促進板100を備えた場合には、混合気における燃料と空気の混合が促進されていると考えられる。
NOx濃度の測定結果から、開口率が0.85、M/Dが3の条件においても、混合促進板100を備える場合は、オリフィスを備える場合よりも混合度が高いと考えられる。
上記した混合度の数値解析およびNOx濃度の測定から、本実施の形態における、混合促進板100が設けられているところの流路93の開口率、L/Dの値、M/Dの値を前述した範囲とすることで、流路抵抗の上昇を抑制しつつ、混合気における燃料と空気の混合を促進することができることがわかる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。