JP6655235B2 - 無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置 - Google Patents

無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置 Download PDF

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Description

本発明は、特に上肢の回復訓練において効果的な訓練実施を実現する無水平負荷式上肢自重能動又は受動免荷訓練装置に関するものである。
脳卒中患者の麻痺側運動機能の回復はADL(Activities of Daily Life)及びQOL(Quality of Life)の向上に密接しており、片麻痺側上肢の麻痺自体を改善させる効果的な運動療法の開発は非常に重要な課題である。そこで、上肢挙上能力回復が十分でない状態のまま作業療法を行うと、上肢を支えている肩に負担がかかり、このことが原因で肩に痛みが生じてしまい、十分な量と質の訓練を確保することも困難となる。このような事態を防ぐために肩の負担を軽減すべく、上肢の免荷が要求されている。免荷とは、荷重をかけないという意味であり、これを片麻痺上肢回復訓練では被験者自身の上肢の重力を軽減し、使用者が対象物を容易に扱えるようにするために用いる。
この種の訓練装置として、例えば特許文献1に開示されるようなものが知られている。
特開2012−61101号公報
訓練中の上肢の自重負荷をキャンセルするために、上肢の任意の位置と姿勢において水平運動方向にも負荷ならないような上肢自重の上下免荷を能動的に行うことができれば、より有効且つ効率的な上肢回復訓練を実施することができる。
また、この種の上肢回復訓練において、日常動作に直結する前腕の回内及び回外動作等の回旋動作は重要であり、前腕の回内及び回外動作のリハビリテーションも必要になる。前腕の筋力が十分でないために回内及び回外動作ができない患者に対応するという要請があるが、従来の訓練装置ではそのような機能を備えていないのが実情であった。
本発明は、上肢能動免荷システムにおいて水平方向にも効果的に免荷を図り、より機能性に優れた訓練方法を実現する無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置を提供することを目的とする。
本発明の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置は、被験者の上肢を吊下支持し、その上肢の自重を免荷するように被験者が前記上肢の回復訓練を実施するのを補助する訓練装置において、前記上肢に対する鉛直方向の免荷機能を有する上肢自重能動免荷装置と、これに付帯して前記上肢に対する水平方向の免荷機能を有する水平免荷装置とを備え、前記上肢自重能動免荷装置は前記上肢の動きに合せて、前記上肢を支持するワイヤの巻取り及び繰出しを仮想コンプライアンス制御するように構成され、前記水平免荷装置は、前記上肢の水平方向移動に追従して前記ワイヤが鉛直状態を維持するように、前記上肢自重能動免荷装置を、又は前記水平免荷装置自体を水平移動させて水平免荷することを特徴とする。
本発明によれば、上肢の回復訓練において被験者は、高効率能動免荷を行うことができる。ユニットで被験者の上肢自重を軽減・キャンセルすることにより被験者はより高効率で、より多くの回数の回復訓練を行うことができる。
また、本発明によれば、装置の機能性を向上し、より効果的なリハビリテーションを実現することができる。
本発明に係る上肢自重能動免荷を原理的に説明するための上肢運動の例等を示す図である。 本発明に係る上肢上下運動の免荷方法の態様を概略示す図である。 本発明に係る上肢自重能動免荷装置の外観を示す図である。 本発明に係る上肢自重能動免荷装置内部の主要構成例を示す分解斜視図である。 本発明に係る上肢自重能動免荷装置においてワイヤに水平方向の力成分が発生する使用態様の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における上肢自重能動免荷装置及び水平免荷装置の動作を概略的に示す上面図である。 本発明の第1の実施形態における上肢自重能動免荷装置及び水平免荷装置を備えてなる訓練装置の例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態における上肢自重能動免荷装置及び水平免荷装置を備えてなる訓練装置の例を示す斜視図である。 本発明に係るガイドローラの構成例を示す図である。 本発明に係るガイドローラの別の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における湾曲型スライダ機構の湾曲曲線の半径算出方法を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施形態における湾曲型スライダ機構の湾曲曲線の角度算出方法を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施形態における湾曲型スライダ機構の湾曲曲線の角度算出方法を模式的に示す図である。 本発明に係るワイヤ及びこれに付設される支持バンドの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における上肢自重能動免荷装置及び水平免荷装置の回転軸が重なった状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態における上肢自重能動免荷装置及び水平免荷装置を備えてなる訓練装置の例を示すそれぞれ斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るプーリの配置構成例を示すそれぞれ部分拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係るスライダ機構まわりの構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る上下スライダまわりの構成例を示すそれぞれ斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る旋回変位センサまわりの構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る水平変位センサまわりの構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る水平変位センサまわりの構成例を示すそれぞれ斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る前腕回転筋力補助装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る前腕回転筋力補助装置を備えた訓練装置の構成例を示す全体斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る前腕回転筋力補助装置における前腕ホルダ等の構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る前腕回転筋力補助装置における前腕固定方法を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る前腕回転筋力補助装置の固定板を示す斜視図である。 被験者の前腕における尺骨茎状突起まわりを示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る歪拡大機構の構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る歪拡大機構の構成例を示す正面図及び側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る歪拡大機構における作用を示すそれぞれ正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る安全装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る安全装置の構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態におけるリハビリテーションの流れの例を示すそれぞれ斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明による無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置の好適な実施の形態を説明する。
本発明装置は無水平負荷式上肢自重能動免荷訓練装置及び無水平負荷式上肢自重受動免荷訓練装置に係り、ここで先ず、上肢自重能動免荷について原理的に説明する。図1(A)のように上肢運動を行う際には上肢自重(Mg)が働く。また、上肢は図1(B)〜図1(D)に示すように3次元の空間上で前後運動、上下運動及び伸展屈曲運動等の上肢運動を行う。
上肢自重能動免荷の能動とは、他からの働きかけを待たずに自ら上肢を動かすことである。上肢自重能動免荷の免荷とは荷重及び負荷を軽減・キャンセルすることである。この能動免荷を行うことで被験者は高効率能動免荷を行うことができる。また、ユニットで被験者の上肢自重を軽減・キャンセルすることで被験者はより高効率でより多くの回数の回復訓練を行うことができる。
本発明に係る上肢の片麻痺回復訓練をする際の上肢上下運動の免荷方法において、図2のように無水平負荷式上肢自重能動免荷訓練装置10(以下、単に訓練装置という)から1本のワイヤ1で上肢を吊下支持し、上下運動を行うことで能動免荷を行う。ワイヤを用いることによって、上肢を動かすのに十分なスペースの3次元空間の確保ができる。また、被験者の上肢自重等の種々の個人差の違いに対応できる。
(第1の実施形態)
訓練装置は、上肢自重能動免荷装置とこれに付帯する水平免荷装置を備え、上肢自重能動免荷装置は主に鉛直方向についての免荷機能を有し、また水平免荷装置は主に水平方向についての免荷機能を有する。先ず、上肢自重能動免荷装置について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る訓練装置10の上肢自重能動免荷装置11の外観を示すが、図3では後述する水平免荷装置12Aの一部も図示される。上肢自重能動免荷装置11の基本的機能として被験者の上肢上下運動を補助し、モータを動力源としてワイヤ1の巻取りあるいは繰出しを行うことで上肢を能動的に免荷する。第1の実施形態において、図2の二点鎖線により示すように被験者の上方に設置された架台フレーム100に訓練装置10が装架されて使用される。
本発明では、訓練中の上肢の自重負荷をキャンセルするために、上肢自重の免荷を上肢の任意の位置と姿勢に、水平運動方向にも負荷ならないように能動的に実現できる訓練装置10を開発し、訓練中の上肢自重を能動免荷して上肢の麻痺改善を意図する。本発明において、被験者の上肢を、始終垂直な姿勢で上下運動するワイヤ1によって吊るすことにより、上肢の免荷を行う。被験者の上肢の運動に合せてのワイヤ1の巻取りと繰出しにより上肢の免荷を可能にする。上肢を免荷するに当たりワイヤ1を用いるのは、上肢を自由に動かせる空間の確保することと、上肢の運動に伴う装置の慣性抵抗が無視できることにある。
上肢能動免荷装置11では上肢の免荷を実現するに当たり、所謂、仮想コンプライアンス制御を用いる。仮想コンプライアンス制御は外力の作用した方向に逃げるような動作をする制御で、計測された力に対し仮想的に設定した慣性・粘性・弾性を満たすように速度を制御する。被験者の上肢が上下に運動するときに、それと同じ方向にワイヤ1の長さを調整することにより、上肢の負担を軽減する。これらの制御を行うには、ワイヤ1にかかる張力や上肢の速度が必要であり、ワイヤ1にかかる張力はワイヤ駆動装置に設けた力覚センサによって計測する構成とした。上肢の速度に関しては、上肢の位置を算出して微分することによって求める。位置を検出するためにワイヤ駆動装置の回転軸にはエンコーダを取り付け、ワイヤ1の方向を検出する。
図4は、図3に示した上肢自重能動免荷装置11内部の主要構成例を示す分解斜視図であり、その構成について外略説明する。上部のベース板13にはワイヤ巻取機構を有する筐体14が、回転軸15を介して鉛直軸まわりに回転可能に支持される。筐体14は、回転軸15に取り付けられる上板16と、この上板16の両側方から下方に向かって延設される一対の側板17を有する。これらの側板17の間にサーボモータ18が搭載支持され、その出力軸18aが側板17に設けた軸受部19によって支持される。側板17からは水平方向に一対のアーム20が延出し、これらのアーム20の先端に設けた軸受部21によって、その支軸を介してワイヤ巻取用のプーリ22が回転可能に支持される。サーボモータ18の出力軸18aとその支軸の間はタイミングベルト23で接続され、サーボモータ18が作動することで、プーリ22が回転する。なお、サーボモータ18にはロータリエンコーダが付随しており、その回転速度あるいは回転数が常時管理され、これによりワイヤ1の移動離等を把握することができる。
アーム20の先端の軸受部21から上方に向かってそれぞれ鉛直部24が延設され、その上端は上板16に固定された支持部25に固定支持される。鉛直部24の上部付近には幅細部24aが形成され、この幅細部24aは一般部に比べて脆弱な部位となっている。鉛直部24に荷重が加わった場合に、鉛直部24は撓み易くなり、このような撓み量を増幅させる機能を持つ。幅細部24aにはその撓み量を計測する力覚センサとしての歪みゲージ26が貼着され、プーリ23に巻回されたワイヤが引っ張られることで、その支軸を介してアーム20が撓む。アーム20は、張力が大きくなる程その撓み量が大きくなり、歪みゲージ26はその際、より微細な撓みを検出することができる。
上記の場合、サーボモータ18及びそのロータリエンコーダ、歪みゲージ26等は制御部に接続されており、それらからの情報に基づいて制御部は、ワイヤ1を巻き取りあるいは繰り出すべくサーボモータ18を駆動制御する。具体的には上肢が上方に上がる場合、歪みゲージ26で読み取った力の変化に伴い速度を追従させ、ワイヤ1を巻き取る。上肢が下方に下がる場合、歪みゲージ26で読み取った力の変化に伴い速度を追従させ、ワイヤ1を繰り出す。本発明においてワイヤ1のかかる巻取りあるいは繰出し動作が可能な所謂、仮想コンプライアンス制御を用いる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る水平免荷装置12Aについて説明する。上肢自重能動免荷装置11において、ワイヤ1を図5のように斜め方向の位置で鉛直免荷を行うときに水平方向の力が発生する。その力を利用して、上肢自重能動免荷装置11を平滑に運動させることで免荷する。具体的には、スライダ機構内での摩擦をゼロにすることで水平免荷を行い、上肢自重能動免荷装置11を水平移動させる。
ここに水平免荷とは、水平負荷を免除することを意味する。この水平免荷では、上肢自重能動免荷装置11が平面移動することで免荷が行われる。第1の実施形態の水平免荷装置12Aでは図6の上面図で概略示すように、スライダ機構を用いて水平免荷装置12Aの旋回動作と水平免荷装置12Aにおける上肢自重能動免荷装置11の回転及びスライド動作を可能にする。
水平免荷装置12Aの具体的構成については後述するが、この水平免荷装置12Aによれば免荷する範囲を拡大することができる。また、上肢自重能動免荷装置11を動かす際に滑らかな運動を行なわせ、更に鉛直方向(上下方向)だけでなく、水平方向(平面)についても免荷を行うことができる。
図7及び図8は、本発明の第1の実施形態における上肢自重能動免荷装置11及び水平免荷装置12Aを備えてなる訓練装置10の例を示している。図7の水平免荷装置12Aは直線型のスライダ機構を持ち、図8の水平免荷装置12Aは湾曲型のスライダ機構を持つ。先ず、図7に示される直線型のスライド機構を持つ水平免荷装置12Aにおいて、ガイドレールとして機能する直線状のコース27と、図3を参照して上肢自重能動免荷装置11の上部に取り付けられたスライダ28及び複数のガイドローラ29等とを含み、このスライダ機構により上肢自重能動免荷装置11は水平免荷装置12Aに沿ってスライドする。
コース27は、その断面において上に凹状とした断面概略コ字型とされる部位を持つように板材を結合あるいは折曲成形してなり、図7に示されるように長尺の中空箱型を呈する。架台フレーム100(図2、図6等参照)の適所に固定されるブラケット30を介して、コース27を装架することができる。この場合、コース27は回転軸31を介して鉛直軸まわりに回転可能に支持される。コース27の内側には少なくとも相互に対向する平滑な内側面と平滑な底面とを有し、これらの内側面及び底面がガイドローラ29等に対するガイド面として機能する。コース27の中空内部にスライダ28及び複数のガイドローラ29等の部材が収容され、それらが脱落しないようにするためにコース27の両端にはストッパ32が付設される。
ガイドローラ29は例えば図9Aに示されるように、上肢自重能動免荷装置11における上部のベース板13(図4参照)に固定されたスライダ28上で鉛直軸のまわりに回転可能に支持される。この例では4つのガイドローラ29が四角形(正方形)の角部に配設され、各ガイドローラ29はコース27の内側面に対して適度な間隙を持ちつつ接触するようになっている。また、スライダ28の両側部においてベアリングローラ33が水平軸のまわりに回転可能に支持され、この例では4つのベアリングローラ33がガイドローラ29に隣接配置される。各ベアリングローラ33は、コース27の底面上で転動回転するようになっている。
コース27は、架台フレーム100の任意位置で回転軸31を介して鉛直軸まわりに回転可能であり、図7の矢印Pのように回転軸31のまわりに水平面上で旋回することができる(旋回機構)。また、スライダ28がガイドローラ29等によりガイドされながらコース27内でスライドすることで、スライダ28の下方に支持された上肢自重能動免荷装置11は図7の矢印Sのように、水平移動することができる(スライダ機構)。この場合、上肢自重能動免荷装置11は更に、ベース板13に対して筐体14が回転軸15(図4参照)を介して鉛直軸まわりに回転可能であり、図7の矢印Tのように回転軸15のまわりに回転することができるようになっている。
ここで、図9Bに示すようにスライダ28上に、片側3つずつの計6個のガイドローラ29を配設することもできる。この場合、片側それぞれの中央のガイドローラ29(29A)の2点でコース27の内側面に正接させ、その他のガイドローラ29はコース27に対してクリアランスを設けるようにする。上肢自重能動免荷装置11のワイヤ1からの張力に基づきスライダ28が付勢されると、4つのガイドローラ29がコース27に正接し、これにより図9Bの矢印のような力のモーメントが発生することで、コース27を旋回させることができる。そして、コース27が旋回する際に動作上の死点が発生するのを防ぐことができる。
次に、図8に示される湾曲型のスライダ機構を持つ水平免荷装置12Aにおいて、対応する部材には同一符号を用いるものとし、ガイドレールとして機能する湾曲状のコース27と、上肢自重能動免荷装置11の上部に取り付けられたスライダ28及び複数のガイドローラ29等とを含み、このスライダ機構により上肢自重能動免荷装置11は水平免荷装置12Aに沿ってスライドする。
コース27は、上に凹状とした断面概略コ字型とされる部位を持つように板材を結合あるいは折曲成形してなり、図8に示されるように湾曲した長尺の中空箱型を呈する。架台フレーム100(図2、図6等参照)の適所に固定されるブラケット30を介して、コース27を装架することができる。この場合、コース27は回転軸31を介して鉛直軸まわりに回転可能に支持される。コース27の内側には少なくとも相互に対向する平滑な内側面と平滑な底面とを有し、これらの内側面及び底面がガイドローラ29等に対するガイド面として機能する。コース27の中空内部にスライダ28及び複数のガイドローラ29等の部材が収容され、それらが脱落しないようにするためにコース27の両端にはストッパ32が付設される。
上記に加えて、ガイドローラ29あるいはベアリングローラ33等の基本構成は、直線型のスライダ機構を持つ水平免荷装置12Aと実質的に同様である。
また、装置動作に関して、コース27は、架台フレーム100の任意位置で回転軸31を介して鉛直軸まわりに回転可能であり、図8の矢印Pのように回転軸31のまわりに水平面上で旋回することができる。また、スライダ28がガイドローラ29等によりガイドされながらコース27内でスライドすることで、スライダ28の下方に支持された上肢自重能動免荷装置11は図8の矢印Sのようにスライドして、水平移動することができる。この場合、上肢自重能動免荷装置11は更に、ベース板13に対して筐体14が回転軸15(図4参照)を介して鉛直軸まわりに回転可能であり、図8の矢印Tのように回転軸15のまわりに回転することができるようになっている。
湾曲型のスライダ機構を持つ水平免荷装置12Aでは特に、その湾曲曲線の半径及び角度が重要である。湾曲型を設計するにあたり、スライダ28の部品本体の回転を防ぐためにガイドローラ29が曲がり切らなければならない。従って、図10のような方法でその曲線の半径を求める。この半径を決定するに当たり、コース27の内側面とスライダ18本体が最接近する場面を想定して計算を行った。図10におけるA,r,bは設計の段階で決定しているので既知の数値となる。また、xは導入値であり、安全面を考慮してx=3.5(mm)とする。この結果、小径円の半径を52(mm)、大径円の半径を172(mm)とするのが好適である。
また、曲線の角度は、動作上の死点をつくらないためには、上肢自重能動免荷装置11の回転軸15と水平免荷装置12Aの回転軸31とが重なったとき、ガイドローラ29が不安定である必要がある。本実施形態において、当該曲線の中心角度は図11(A)及び(B)に示すように45°が好適である。
この点につき、湾曲曲線の円弧の中心角を決定する上で、ガイドローラ29を不安定にするために、回転軸15及び回転軸31が重なったときにガイドローラ29がその円弧の角度の中間地点を超えず且つその中間地点付近で正接している状態になるようにする。図11の場合の他に円弧の中心が変わる角度を30°、40°、50°及び60°として、図12(A)〜(D)はそれぞれの角度で回転軸が重なったときの装置を上から見た図である。それぞれの角度で比較すると、45°のとき21.2°と中間地点を超えずに中間地点により近づいた。従って、円弧の中心角は図11に示したように45°とする。
第1の実施形態の訓練装置10は上記のように構成され、架台フレーム100に搭載された訓練装置10の実使用において、図13(A)のようにワイヤ1の下端には上肢を乗せてこれを支持するための支持バンド2が付設される。被験者は図13(B)のように支持バンド2に上肢を乗せて、所定のプログラムあるいはメニューに従って、上肢の回復訓練を行う。その際、最も基本的な態様として、上肢自重能動免荷装置11は主に鉛直方向についての免荷機能を奏し、被験者は高効率に回復訓練を行うことができる。
訓練状況に応じて、図5に示したようにワイヤ1を斜め方向の位置で鉛直免荷を行うときに水平方向の力が発生する場合がある。ワイヤ1からの張力に付勢された上肢自重能動免荷装置11が回転軸15のまわりに回転すると共に、水平免荷装置12Aのコース27も回転軸31のまわりに旋回する。更に、上肢自重能動免荷装置11は、コース27内のスライダ機構を介して水平免荷装置12Aの下方で、ワイヤ1の張力方向に水平移動する。このように上肢自重能動免荷装置11を水平移動させることで、ワイヤ1が鉛直状態に維持される。上肢自重能動免荷装置11による鉛直方向の免荷機能に加えて、水平免荷装置12Aにより上肢自重能動免荷装置11を水平移動させて水平免荷機能を奏し、これらの機能により極めて高い効率で質の良い回復訓練を実施することができる。
この場合、図14に示されるように上肢自重能動免荷装置11の回転軸15と水平免荷装置12Aの回転軸31とが重なっても、訓練装置10の円滑作動が確保され、訓練中に適正な免荷機能が保証される。
(第2の実施形態)
次に、本発明による訓練装置における第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態の場合と実質的に同一又は対応する部材には同一符号を用いて説明する。図15(A),(B)は、本発明の第2の実施形態に係る訓練装置10全体を模式的に示している。この訓練装置10は、上肢自重能動免荷装置11とこれに付帯する水平免荷装置12Bとを備え、上肢自重能動免荷装置11は主に鉛直方向についての免荷機能を有し、また水平免荷装置12Bは主に水平方向についての免荷機能を有する。
上肢自重能動免荷装置11の基本的構成及びその作用等については、第1の実施形態の場合と同様であり、ここではその説明を省略する。上肢自重能動免荷装置11の基本的機能として被験者の上肢上下運動を補助し、この場合、第2の実施形態では第1の実施形態の場合と反対にワイヤ1が上肢自重能動免荷装置11の上方に引き出される。
図15(A)において、訓練装置10が設置される床200等に固定支柱34が立設され、固定支柱34の上部に上肢自重能動免荷装置11が固定される。上肢自重能動免荷装置11には水平免荷装置12Bが付帯して配置される。水平免荷装置12Bにおいて、固定支柱34の上部には回転関節を介して、鉛直方向に延びる可動支柱35が鉛直軸のまわりに回転可能(図15(A)、矢印T)に支持される。可動支柱35の上端部からアーム36が水平方向に延出し、アーム36は固定支柱34、即ち鉛直軸のまわりに旋回可能(図15(A)、矢印P)である。このように水平免荷装置12Bは旋回機構を持つ。
固定支柱34及び可動支柱35に沿って、図15(B)のA部、B部、C部、D部、E部及びF部において複数のプーリが配設され、これらのプーリによりワイヤ1及び後述するアイドルワイヤ37が張架される。
A部において図16(A)のようにワイヤ1(基端側)の上肢自重能動免荷装置11からの引出し部付近にプーリ38が可動支柱35に固定支持される。上肢自重能動免荷装置11から引き出されたワイヤ1は、プーリ38を通って上方へ延びる。
B部において図16(B)のように可動支柱35の途中に、ワイヤ1及びアイドルワイヤ37の連結用のプーリ39が浮動可能に配設される。ワイヤ1はプーリ39に係着し、プーリ39に巻回されたアイドルワイヤ37は可動支柱35に沿って上方へ延びる。
ここで、アイドルワイヤ37は無端ループ状に構成され、そのループの一端側がプーリ39に巻回される。アイドルワイヤ37はプーリ39から、後述するようにアーム36の先端まで延設される。
C部において図16(C)のように可動支柱35の上端部に、一対のプーリ40が固定支持される。ループを形成するアイドルワイヤ37はそれぞれ、各プーリ40を通ってアーム36に沿って延出する。
D部においてアーム36の先端にプーリ41が固定支持され、このプーリ41にアイドルワイヤ37のループの他端側が巻回される。
E部において、即ちアーム36の途中に図16(D)にも示すように、水平スライダ機構を構成する水平スライダ42が配置される。水平スライダ42は図17に示すようにアーム36との間で凹凸構造式に係合し、アーム36の下側でその長手方向に沿ってスライド移動可能(図15(B)、矢印S)である。
水平スライダ42には一対のプーリ43が固定支持され、ループを形成する一方のアイドルワイヤ37が、各プーリ43を通って下方へ延出する。
F部において、プーリ43から垂下されたアイドルワイヤ37の先端(下端)には、図16(D)にも示すようにプーリ44に巻回される。プーリ44にはワイヤ1(先端側)が係着し、ワイヤ1の下端には第1の実施形態の場合と同様に、上肢を乗せてこれを支持するための支持バンド2が付設される。
ワイヤ1下端の上下動をより良く鉛直方向に保証する場合、水平スライダ42に図18(A),(B)のように上下スライダ45を水平方向と垂直するように設置する。上下スライダ45の下端にワイヤ1の下端(又はプーリ44の回転軸)を固定する。
回転エンコーダを用いて、図19のように可動支柱35の上端部にアーム36の旋回変位センサ80と、図20のように上下スライダ45の下端に支持されたプーリ44の回転軸と繋がた水平スライダ42の水平変位センサ81(図21(A),(B)をも参照)を設置する。これらの変位センサと、上肢自重能動免荷装置11にあるサーボモータ18に具備した回転エンコーダによるプーリ44の上下変位センサ82(図4参照)とを合わせて、前腕の位置センシングシステムを構成する。
第2の実施形態の訓練装置10は上記のように構成され、架台フレーム100に搭載された訓練装置10の実使用において、被験者は支持バンド2に上肢を乗せて、所定のプログラムあるいはメニューに従って、上肢の回復訓練を行う。被験者が上肢を上下動する際、アイドルワイヤ37の長さ(周長)は一定であるため、水平スライダ42から垂下されたアイドルワイヤ37の長さ変化は、そのままプーリ39の上下動距離、即ちワイヤ1(基端側)の長さ変化となる。上肢自重能動免荷装置11は基本的な態様として、鉛直方向についての免荷機能を奏し、被験者は高効率に回復訓練を行うことができる。
訓練状況に応じて、ワイヤ1を斜め方向の位置で鉛直免荷を行うときに水平方向の力が発生する場合がある。この際、水平免荷装置12Bにおいてワイヤ1(先端側)からの張力(上下スライダ45が設置される場合は上下スライダ45と共)に付勢されたアーム36が可動支柱35のまわりに旋回すると共に、水平スライダ42がアーム36に沿ってワイヤ1の張力方向に水平移動する。このように水平スライダ42を水平移動させることで、ワイヤ1が鉛直状態に維持される。その上、上下スライダ45が設置される場合、水平スライダ42から支持された上下スライダ45の下端にワイヤ1の下端(又はプーリ44の回転軸)を固定することで、恒に鉛直方向に上下動を行うことが保証できる。更に、旋回変位センサ80、水平変位センサ81と上下変位センサ82を用いて、前記前腕の位置と位置変位をセンシングできる。上肢自重能動免荷装置11による鉛直方向の免荷機能に加えて、水平免荷装置12Bにより水平免荷機能を奏し、これらの機能により極めて高い効率で質の良い回復訓練を実施することができる。
第2の実施形態の訓練装置10では特に、上肢自重能動免荷装置11が固定支柱34に固定され、つまり装置動作における可動部分は実質的に水平免荷装置12Bのアーム36及び水平スライダ42(又は水平スライダ42と上下スライダ45)である。装置動作における慣性質量を小さくでき、初動時を始めとしてその後の装置動作の円滑且つ的確性をより向上することができる。
ここで、上述した本発明に係る水平免荷装置12A及び水平免荷装置12Bは、受動免荷訓練装置にも適用することができる。この場合、特に上肢自重能動免荷装置11に代わって、バネ定数が一定又は可変としたバネ、あるいはバネ免荷式モータを代替使用し、これにより受動免荷の訓練装置10が構成される。
この訓練装置10の場合においても、受動的ではあるが、被験者の上肢自重を軽減・キャンセルすることで、上記実施形態の場合と同様に被験者はより高効率でより多くの回数の回復訓練を行うことができる。
なお、上肢の訓練内容により旋回機構の旋回角度がゼロか相当小さいとき、第1又は第2の実施形態における旋回機構の旋回関節に、止まり機構(例えば止まりネジ機構)を設けて、旋回を止めて訓練を行うこともできる。
(第3の実施形態)
次に、本発明による訓練装置10における第3の実施形態について説明する。第3の実施形態において訓練装置10には後述する前腕回転誘発・筋力補助装置が付帯する。ここで、リハビリテーションの目的は日常生活が送れるようにするものである。日常動作において、食事、歯磨き及び顔を洗う等の行為は顔まで手を挙げることが多い。更に、顔を洗う等の動作では手を顔まで持ってくる際、手のひらを顔に向けるため前腕の回旋動作、即ち特に回内及び回外動作が必要になってくる。そのため腕の回内及び回外動作のリハビリテーションも必要になってくる。そこで、前腕の筋力が十分でないと回内及び回外動作ができないので、目標回旋動作の誘発と患者の意志に沿って回旋アシストを行う必要もある。
そこで、第3の実施形態では特に、前腕の回旋動作に含まれる回内・回外動作、前腕の回旋アシスト、前腕の回旋伸張反射、前腕の目標回旋動作の誘発、前腕姿勢に対する適応性及び安全性等の要求仕様に対応すべく、訓練装置10に更なる機能が付加され、即ち前腕回転筋力補助装置を備える。
図22は、本実施形態における前腕回転誘発・筋力補助装置50を示している。本装置は前腕の姿勢に適応することができるようになっている。前腕回転筋力補助装置50は、上肢自重能動免荷装置11側のワイヤ1が固定された支持ピン51を介して、装置全体が支持される。ここで図23は、第3の実施形態に係る前腕回転誘発・筋力補助装置50を備えた訓練装置10を示す。なお、この例では前述した第2の実施形態に係る旋回変位センサ80、水平変位センサ81及び上下変位センサ82を含んで構成される前腕の位置センシングシステムが適用される。
前腕回転誘発・筋力補助装置50において、ピン51は、上肢自重能動免荷装置11から延設された支持具52に対してベアリング53を介して、鉛直軸Vのまわりに回転可能である。ピン51の下部には懸架フレーム54が固着支持され、懸架フレーム54も鉛直軸Vのまわりに回転可能である。懸架フレーム54は概して円弧(半円)もしくは門型状を呈し、円弧状等の場合図示のように上部に段部54aが突設される。
懸架フレーム54の両下端部にはベアリング56が装着され、このベアリング56を介してガイドフレーム55が、水平軸Hのまわりに回転可能に支持される。ガイドフレーム55は円環状もしくはリング状に形成され、その内側に内輪57を回転可能に収容支持する。ガイドフレーム55にはその円周方向に沿って所定間隔で複数のベアリング58が装着され、各ベアリング58の外輪がガイドフレーム55の内周面から適度に突出する。内輪57は図24に示されるようにリング状を呈して形成され、その外周面に沿ってガイド溝57aが形成されている。このガイド溝57aには上記のようにガイドフレーム55の内周面から突出するベアリング58の外輪が係合する。即ち、ベアリング58がガイド溝57a上を相対的に走行移動することで、内輪57が回転自在である。
内輪57には概して筒状の前腕ホルダ59が内嵌し、内輪57に一体的に固定される。前腕ホルダ59は被験者の前腕を固定保持するものであり、図25にも示されるように内部に挿入された被験者の前腕mを両側から押圧して固定する一対の固定板60を有している。上記のように被験者の前腕を鉛直軸V及び水平軸Hのまわりに回転可能に支持する回転支持機構を備えると共に、内輪57を介して前腕の回内及び回外動作を可能にする前腕保持機構を有する。
固定板60にはアジャストスクリュー61が略直交方向に取り付けられ、一方、前腕ホルダ59にはアジャストスクリュー61と螺合するローレットナット62が回転自在に装着される。なお、固定板60の内側面には、図26のようにアジャストスクリュー61のスクリューヘッド61a突出しないように座ぐり等を設けるとよい。
ローレットナット62を回転することで、アジャストスクリュー61を介して、固定板60が前腕ホルダ59の略径方向に進退し、一対の固定板60が被験者の前腕mを両側から押圧固定する。この場合、ローレットナット62の回転量を適宜調節して、固定板60の前腕mに対する押圧力を最適に設定することができる。
上記の場合、固定板60にアジャストスクリュー61と平行なガイドロッド63が取り付けられる。このガイドロッド63を付設することにより、固定板60が回転することなく進退するようにしている。
また、図26に示されるように固定板60の所定の角部には、切欠60aが設けられている。ここで、図27に示されるように前腕mの手首には尺骨茎状突起m1がある。切欠60aを設けることで固定板60が尺骨茎状突起m1に当たるのを避け、これにより固定板59が前腕mを適正且つ安定して固定することができる。
更に、固定板60の内側面(前腕m側)にパッド64を貼着するとよい。パッド64により被験者に不快感を与えることなく、前腕を適正に押圧固定することができる。
前腕ホルダ59は内輪57を介して、ガイドフレーム55の内側で回転可能に保持される。本実施形態では前腕ホルダ59は、前腕の回転を補助すべくモータにより回転付勢されるようになっている。ガイドフレーム55の上部には図22に示されるようにアシストモータ65が搭載される。なお、アシストモータ65として、エンコーダを付帯して持つステッピングモータ等で構成される。アシストモータ65の出力軸65aにはタイミングプーリ66が取り付けられ、このタイミングプーリ66と前腕ホルダ59とがタイミングベルト67により連結される。前腕ホルダ59の前端部において、図24のように周方向に沿ってタイミングベルト67と噛合する歯68が刻設されている。このようにタイミングプーリ66及び前腕ホルダ59間に巻回されたタイミングベルト67を介して、アシストモータ65の駆動力で前腕ホルダ59を回転付勢する回転付勢機構を有する。
本実施形態における前腕の回転補助方法として、被験者の回内及び回外動作の力量を検出する歪拡大機構を有し、この歪拡大機構に歪ゲージが用いられる。具体的な構成例として図28〜図30を参照して、タイミングプーリ66にはアシストモータ65の出力軸65aと平行にピン69が植設され、このピン69の先端と出力軸65aとの間が歪拡大メカニズム70により連結される。歪拡大メカニズム70において一対の歪ゲージ71が用いられ、麻痺患者が出す微小な力でも精確に検出することができる。即ち、図30の矢印のように軸回転力が作用することで、一対の歪ゲージ71のうち一方が伸長すると共に他方が収縮する。歪ゲージ71の検出信号は、装置に搭載されたCPUへ送出され、CPUはその検出信号を処理して、アシストモータ65に対して駆動信号を送出するようになっている。
アシストモータ65のアシスト制御は、エンコーダを用いて行われる。この場合、前腕の回転のアシストするにあたりエンコーダのカウントデータを用いて前腕が回転した方向と同一方向に回転するように制御される。この制御において、計測された被験者の力量に対して仮想的に設定した慣性、粘性及び弾性を満たすように制御目標角速度が導出、設定される。
前腕回転誘発・筋力補助装置50には作動上の安全装置が付設される。この安全装置は、回転支持機構の回転軸まわりの回転量を規制する。図31に示すように懸架フレーム54の段部54aにはベアリング53に隣接して、支持具52に当接可能なピン72が植設される。装置の作動時、ピン72が支持具52に当接することで、懸架フレーム54、従って前腕回転筋力補助装置50が回転軸である鉛直軸Vのまわりに所定角度以上回転するのを規制する。
また、図32に示すようにガイドフレーム55にはベアリング56を囲繞するようにストッパ73が取り付けられる。装置の作動時、ストッパ73が懸架フレーム54に当接することで、ガイドフレーム55が回転軸である水平軸Hのまわりに所定角度以上回転するのを規制する。
本発明の前腕回転誘発・筋力補助装置50は上記のように構成されており、次のその主な作用等について説明する。
本実施形態に係る被験者のリハビリテーションでは、共同運動を分離してから随意複合運動(協調運動)の訓練をする必要がある。本実施形態のリハビリテーションでは、共同運動の分離はできており随意複合運動の訓練をする被験者を対象とする。
本実施形態における回復訓練の要求仕様は以下の通りとする。
1)上肢の上下運動ができる
2)前腕の回内・回外ができる
3)随意複合運動の訓練ができる
4)前腕の回旋伸張反射による目標回内・回外の誘発ができる
5)患者さんの意志に沿ってアシストする
6)リハビリと同時に評価もできる
7)安全にリハビリが行える
本実施形態における片麻痺上肢複合運動機能回復訓練では、上記要求仕様よりリハビリテーション方法を考案し、その典型的な一例を示す。図33は、リハビリテーションの流れの例を示し、図33(A)において被験者Mは机の手前に手を置き、図33(B)において机の奥に置いてある棒の上端に手を置き、図33(C)においてく顔の前に手を移動する。この動作が所定回数繰り返される。
上記リハビリテーションにおいて、前腕回転誘発・筋力補助装置50は懸架フレーム54が鉛直軸Vのまわりに回転可能であり、ガイドフレーム55が水平軸Hのまわりに回転可能である。従って、被験者は、回転支持機構により支持された前腕ホルダ59を介して、リハビリテーションの動作中に前腕の姿勢に有効に適応することができ、前腕を円滑に移動することができる。
前腕回転誘発・筋力補助装置50は被験者が前腕の目標回旋の逆方向に他動的にアシストモータ65が作動し、前腕ホルダ59をその逆方向に急加速に回転させることで前腕の回旋伸張反射を引起して、目標の回内又は回外動作を適正に誘発することができる。
また、前腕回転誘発・筋力補助装置50は被験者が前腕の回内及び回外動作を行う際、前腕ホルダ59からタイミングプーリ66を介して、被験者が出す微小な力量が歪ゲージ71で検出される。その検出信号に基づきアシストモータ65が作動し、前腕ホルダ59を所定方向に回転させることで前腕の回転を適正にアシストすることができる。
更に、前腕回転誘発・筋力補助装置50の作動時、安全装置により必要以上の動作が規制されることで、リハビリテーションにおける高い安全性が確保される。
このように本発明によれば、前腕回転筋力補助装置50を備えることにより訓練装置10の機能性が向上され、より効果的なリハビリテーションを実現することができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
本発明の上記各実施形態におけるスライダ機構のガイドローラ29やベアリングローラ33等の数量等は必要に応じて増減変更することができ、上記各実施形態と同様に本発明を適用可能である。
1 ワイヤ、2 支持バンド、10 訓練装置、11 上肢自重能動免荷装置、12A,12B 水平免荷装置、13 ベース板、14 筐体、15 回転軸、16 上板、17
側板、18 サーボモータ、19 軸受部、20 アーム、21 軸受部、22 プーリ、23 タイミングベルト、24 鉛直部、25 支持部、26 歪みゲージ、27 コース、28 スライダ、29 ガイドローラ、31 回転軸、32 ストッパ、33 ベアリングローラ、34 固定支柱、35 可動支柱、36 アーム、37 アイドルワイヤ、38,39,40,41,43,44 プーリ、42 水平スライダ、45 上下スライダ、50 前腕回転誘発・筋力補助装置、51 支持ピン、52 支持具、53 ベアリング、54 懸架フレーム、55 ガイドフレーム、56 ベアリング、57 内輪、58 ベアリング、59 前腕ホルダ、60 固定板、61 アジャストスクリュー、62 ローレットナット、63 ガイドロッド、64 パッド、65 アシストモータ、66 タイミングプーリ、67 タイミングベルト、68 歯、69 ピン、70 歪拡大メカニズム、71 歪ゲージ、72 ピン、73 ストッパ、80 旋回変位センサ、81 水平変位センサ、82 上下変位センサ、100 架台フレーム、200 床。

Claims (9)

  1. 被験者の上肢を吊下支持し、その上肢の自重を免荷するように被験者が前記上肢の回復訓練を実施するのを補助する訓練装置において、
    前記上肢に対する鉛直方向の免荷機能を有する上肢自重能動免荷装置と、これに付帯して前記上肢に対する水平方向の免荷機能を有する水平免荷装置とを備え
    前記上肢自重能動免荷装置は前記上肢の動きに合せて、前記上肢を支持するワイヤの巻取り及び繰出しを仮想コンプライアンス制御するように構成され、
    前記水平免荷装置は、前記上肢の水平方向移動に追従して前記ワイヤが鉛直状態を維持するように、前記上肢自重能動免荷装置を、又は前記水平免荷装置自体を水平移動させて水平免荷することを特徴とする無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  2. 前記水平免荷装置は旋回機構と水平スライダ機構を具備し、これらの機構を介して前記上肢自重能動免荷装置を支持すると共に、前記ワイヤの張力に基づき前記上肢自重能動免荷装置を水平移動させることを特徴とする請求項に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  3. 前記水平免荷装置は旋回機構と水平スライダ機構を具備し、これらの機構を介して前記ワイヤの張力に基づき、前記水平スライダ機構に固定される上下スライダ機構と共に当該水平免荷装置自体が水平移動することを特徴とする請求項に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  4. 被験者の上肢を吊下支持し、その上肢の自重を免荷するように被験者が前記上肢の回復訓練を実施するのを補助する訓練装置において、
    バネ定数が一定又は可変なバネあるいはバネ免荷式モータを含んでなる、前記上肢に対する鉛直方向の免荷機能を有する上肢自重受動免荷装置と、これに付帯して前記上肢に対する水平方向の免荷機能を有する水平免荷装置とを備え
    前記水平免荷装置は、前記上肢の水平方向移動に追従して前記上肢を支持するワイヤが鉛直状態を維持するように、前記上肢自重能動免荷装置を、又は前記水平免荷装置自体を水平移動させて水平免荷することを特徴とする無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  5. 被験者の前記上肢が前腕回転誘発・筋力補助装置を介して吊下支持され、
    前記上下スライダ機構に吊下支持される前記前腕回転誘発・筋力補助装置は、
    被験者の前腕を鉛直軸及び水平軸のまわりに回転可能に支持する回転支持機構と、
    前記回転支持機構により支持されると共に、前記前腕を回旋動作可能に保持する前腕保持機構と、
    被験者の回旋動作を誘発・アシストするように前記前腕を回転付勢する回転付勢機構と、を備えることを特徴とする請求項に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  6. 被験者の回内及び回外動作を検出する歪拡大機構を備え、
    前記回転付勢機構は、前記歪拡大機構の検出信号に基づき被験者の前記前腕を回転付勢することを特徴とする請求項に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  7. 前記回転支持機構の回転軸まわりの回転量を規制する安全装置を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  8. 被験者の前記前腕の回旋動作として、回内及び回外動作を含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
  9. 被験者の前腕の位置を検出するための旋回変位センサ、水平変位センサ及び上下変位センサを具備し、これらのセンサを介して回復訓練中の前記前腕の位置と位置変位をセンシングすることを特徴とする請求項1に記載の無水平負荷式上肢自重免荷訓練装置。
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