JP6653596B2 - 医療デバイス - Google Patents

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本発明は、体外から挿入した線材を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すための医療デバイスに関する。
生体内の生体組織を結紮したり保持するために、生体外から縫合糸などの線材を挿入して、生体内で生体組織の遠位側を囲むようにこの線材を折り返す手技が知られている。このような手技は、例えば静脈瘤の治療においても用いられる。
静脈は、血液の逆流を防ぐための静脈弁を備えている。下肢の静脈弁は、下肢の筋肉によって収縮し、血液を重力に逆らって心臓へ戻すためのポンプとしての役割をも有する。
静脈弁が正常に動作しなくなると、静脈において血液の逆流が発生し、静脈が拡大して静脈瘤の原因となる。静脈瘤は、立った状態で高い圧力を受ける下肢の表在静脈である大伏在静脈や小伏在静脈に発生しやすい。表在静脈の静脈弁が正常に動作しなくなると、通常は表在静脈から深部静脈へ流れ込む血液が、逆に深部静脈から表在静脈へ流れ込む。これにより、表在静脈が拡大して、蛇行した静脈瘤の原因となる。
このような下肢静脈瘤の治療方法として、静脈瘤が発生している静脈を縫合糸(線材)により高位で結紮して逆流を防ぐ結紮術が知られている。縫合糸により静脈瘤を結紮する際には、まず、皮膚を切開し、切開部から縫合糸を挿入して静脈瘤の遠位側(奥側)まで到達させる。この後、静脈瘤の遠位側に縫合糸を通して折り返すことで、静脈瘤を囲むように縫合糸のループを設け、静脈瘤を結紮可能となる。
また、体外から挿入した縫合糸を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すことができるデバイスも知られている。例えば特許文献1には、子宮動脈から血液供給を受けている疾患を治療するために、子宮動脈の近傍に挿入して子宮動脈を縫合糸で結紮するためのデバイスが記載されている。このデバイスは、遠位部が近接および離間可能な2本の管状部材を有している。一方の管状部材は、他方の管状部材に向かって延びる鋭利な端部を有し、他方の管状部材は、鋭利な端部を受け入れる開口部を有している。鋭利な端部を開口部から離した状態で、2つの管状部材の間に子宮動脈を配置し、子宮動脈よりも遠位側で鋭利な端部を開口部に重ねる。これにより、子宮動脈の遠位側で2つの管状部材の内腔が連通する。この内腔に縫合糸を通すことで、子宮動脈の遠位側を縫合糸が囲むように折り返すことができる。この後、縫合糸を残してデバイスを体内から抜去し、縫合糸を結ぶことで子宮動脈を結紮できる。
米国特許第6602251号明細書
特許文献1に記載のデバイスは、2本の管状部材を生体内で近接および離間させる必要があり、比較的広い動作範囲が必要であるため、生体への影響が大きく侵襲性が比較的高い。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、低侵襲かつ容易に、体外から挿入した線材を生体内で血管、気管、心臓またはリンパ管に対して線材の挿入方向の奥側に通して血管、気管、心臓またはリンパ管を囲むように折り返すことができる医療デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する医療デバイスは、操作する近位側から生体内に挿入する遠位側まで設けられ、体外から挿入する線材を生体内で血管、気管、心臓またはリンパ管に対して前記線材の挿入方向の奥側に通して前記血管、気管、心臓またはリンパ管を囲むように折り返すためのデバイスであって、一方向へ曲がることが可能な管状の屈曲部が設けられ、前記屈曲部よりも遠位側または前記屈曲部の遠位部に近位側から延在する第1のルーメンが開口する遠位開口部が設けられ、前記屈曲部よりも近位側または前記屈曲部の近位部に近位側から延在する前記第1のルーメンまたは前記第1のルーメンとは異なる第2のルーメンが開口する近位開口部が設けられたシャフト部と、前記シャフト部の前記屈曲部よりも遠位側または前記屈曲部の遠位部に先端部が連結され、前記屈曲部の少なくとも一部の内部を通り、基端側における牽引または押し込み操作により前記屈曲部を屈曲させる操作ワイヤと、を有する。
上記のように構成した医療デバイスは、操作ワイヤの操作により屈曲部が屈曲し、遠位開口部と近位開口部を近づけることができる。このため、1本のシャフト部のみを生体に挿入し、生体内で生体組織を囲むように屈曲部を屈曲させ、シャフト部の第1または第2のルーメンに近位側から線材を挿入し、当該線材を遠位開口部および近位開口部の一方から突出させて他方へ渡すことができる。これにより、低侵襲かつ容易に、体外から挿入した線材を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すことができる。
実施形態に係る医療デバイスを示す平面図である。 実施形態に係る医療デバイスの遠位部の斜視図である。 実施形態に係る医療デバイスの屈曲部を屈曲させた状態を示す平面図である。 血管を結紮する方法を説明するための平面図であり、(A)はシャフト部を生体内に挿入した際の状態、(B)は屈曲部を屈曲させた状態を示す。 血管を結紮する方法を説明するための平面図であり、(A)は線材を遠位開口部から近位開口部へ渡す際の状態、(B)は線材を遠位開口部から近位開口部へ渡してループを設けた状態を示す。 血管を結紮する方法を説明するための平面図であり、屈曲部を伸ばした状態を示す。 血管を結紮する方法を説明するための平面図であり、(A)はシャフト部を生体内から引き抜いている状態、(B)はシャフト部から線材を完全に引き抜いた状態、(C)は線材を縫合糸に置き換えている状態を示す。 血管を結紮する方法を説明するための平面図であり、(A)は1つ目の結び目を設けた状態、(B)は2つ目の結び目を設けた状態、(C)は余分な縫合糸を切断した状態を示す。 医療デバイスの第1の変形例により血管を結紮する他の方法を説明するための平面図であり、(A)はシャフト部を生体内に挿入した際の状態、(B)は屈曲部を屈曲させた状態を示す。 医療デバイスの第2の変形例を示す平面図である。 医療デバイスの第3の変形例を示す平面図である。 医療デバイスの第4の変形例を示す平面図である。 医療デバイスの第5の変形例を示す平面図である。 医療デバイスの第6の変形例を示す平面図である。 医療デバイスの第7の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の実施形態に係る医療デバイス10は、血管の治療(処置)に用いられ、特に、静脈瘤における血流の逆流を防止するために、静脈瘤を結紮するための縫合糸60(線材)を、血管の遠位側に通すために用いられる。なお、本明細書では、デバイスの生体内に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
医療デバイス10は、図1、2に示すように、長尺なシャフト部20と、シャフト部20を操作するための操作ワイヤ30と、操作ワイヤ30が固定される操作部材40と、シャフト部20に挿入可能な線材50とを備えている。
シャフト部20は、近位側に位置する管状の近位シャフト21と、近位シャフト21の外周面に固定される2つの補助管体22と、近位シャフト21の遠位側に位置する管状の屈曲部23と、屈曲部23の遠位側に位置する管状の遠位シャフト24とを備えている。近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24は、内部に共通の主ルーメン21A(第1のルーメン、第2のルーメン)が連通している。
近位シャフト21は、直線状の管体である。近位シャフト21は、屈曲部23から所定長さ近位側に、内周面から外周面へ主ルーメン21Aが開口する近位開口部26を有している。近位開口部26は、線材50を通すことができる大きさである。近位シャフト21は、屈曲部23よりも曲げ剛性が高く、生体内へ挿入する際に、略直線形状を維持できる。近位シャフト21は、近位側の端部に、線材50を導入するために主ルーメン21Aが開口して導入用開口部25を有している。近位シャフト21は、直線状でもよいが、ある程度湾曲してもよい。
屈曲部23は、近位シャフト21の遠位側であって遠位シャフト24の近位側に位置する管体である。屈曲部23は、近位シャフト21および遠位シャフト24と共通する主ルーメン21Aが内部を有している。屈曲部23は、直線状に伸びた状態と、屈曲した状態(図3を参照)となることができる。屈曲部23は、レーザー加工により複数のスリットが設けられており、曲げ剛性が周方向によって異なる。屈曲部23は、シャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側への曲げ剛性が低い。したがって、屈曲部23は、近位開口部26が設けられる側へ曲がりやすい。なお、スリットの形状は、屈曲部23の曲げ剛性を方向によって異ならせることができるのであれば、特に限定されない。スリットとは、外周面から内周面へ貫通する孔の形態であっても、貫通しない溝の形態であってもよい。
遠位シャフト24は、屈曲部23の遠位側に連結された直線状の管体である。遠位シャフト24は、近位シャフト21および屈曲部23と共通する主ルーメン21Aを内部に有している。遠位シャフト24は、屈曲部23よりも曲げ剛性が高く、生体内へ挿入する際に、略直線形状を維持できる。遠位シャフト24の遠位側の端部は、主ルーメン21Aが開口する遠位開口部27を有している。遠位シャフト24は、直線状であるが、ある程度湾曲してもよい。
近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24は、同一の管体からレーザー加工により近位開口部26および屈曲部23のスリットを有することで、一体的に切り出すことができる。なお、近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24は、別部材で構成されて連結させてもよい。
2つの補助管体22は、近位シャフト21の外周面に固着された管体である。2つの補助管体22は、操作ワイヤ30を摺動可能に収容する副ルーメン22Aが有する。2つの補助管体22は、屈曲前および屈曲後の両方の屈曲部23が位置する動作面Aを挟んで面対称に配置される。2つの補助管体22の遠位側の端部は、近位開口部26の近位側で、近位開口部26を挟むように配置される。補助管体22の遠位側の端部は、シャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側に偏って配置されている。このため、補助管体22の遠位側の開口部から導出される操作ワイヤ30は、近位開口部26から主ルーメン21A内に円滑に導入される。補助管体22の近位側の端部は、近位シャフト21の操作部材40が配置される位置よりも遠位側に位置している。補助管体22の軸心は、近位シャフト21の軸心と平行であるが、内部の操作ワイヤ30が摺動可能であれば、平行でなくてもよい。補助管体22は、操作ワイヤ30を中心軸X方向に沿って牽引または押し込む際に、操作ワイヤ30が撓むことを抑制し、力の伝達性を向上させる。さらに、補助管体22は、操作ワイヤ30を、シャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側に維持する。
近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24の構成材料は、例えば、ステンレス、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白銀(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、形状記憶合金などの金属材料、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどの高分子材料が好適に使用できる。形状記憶合金は、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される材料であり、例えば、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。
近位開口部26の中心軸X方向の長さL1は、特に限定されないが、例えば2〜20mm、好ましくは4〜15mm、より好ましくは5〜10mmである。近位開口部26から屈曲部23までの長さL2は、特に限定さないが、例えば2〜30mm、好ましくは2〜25mm、より好ましくは2〜20mmである。屈曲部23の中心軸X方向の長さL3は、特に限定されないが、例えば5〜60mm、好ましくは10〜50mm、より好ましくは15〜40mmである。遠位シャフト24の中心軸X方向の長さL4は、特に限定されないが、例えば1〜20mm、好ましくは1〜15mm、より好ましくは2〜10mmである。
近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24の内径は、特に限定されないが、例えば0.5〜5mm、好ましくは0.5〜4mm、より好ましくは0.5〜3mmである。近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24の外径は、等しくてもよいが、異なってもよい。近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24の外径は、特に限定されないが、例えば1〜5mm、好ましくは1〜4mm、より好ましくは1〜3mmである。近位シャフト21、屈曲部23および遠位シャフト24の内径は、等しくてもよいが、異なってもよい。シャフト部20の全体の中心軸X方向の長さは、適用する生体組織により適宜設定させることが好ましいが、例えば5〜100mm、好ましくは10〜80mm、より好ましくは10〜60mmである。
屈曲部23が屈曲した際の曲率半径r(図3を参照)は、特に限定されないが、例えば1〜15mm、好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜10mmである。曲率半径rは、屈曲部23の部位によって異なってもよい。例えば、曲率半径rは、屈曲部23の近位部よりも遠位部で大きくすることができる。または、曲率半径rは、屈曲部23の遠位部よりも近位部で大きくすることができる。
補助管体22の内径は、操作ワイヤ30を摺動可能に収容できるのであれば、特に限定されないが、例えば0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.8mm、より好ましくは0.2〜0.5mmである。補助管体22の外径は、特に限定されないが、例えば0.2〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1mmである。
操作ワイヤ30は、略平行の2本のワイヤ31を備えている。2本のワイヤ31は、1本の線素材を遠位部で折り返して構成されるが、2本の線素材を並べて構成されてもよい。また、操作ワイヤ30は、2本のワイヤ31が設けられずに、1本のワイヤのみが設けられてもよい。各ワイヤ31の遠位側の端部は、遠位シャフト24の屈曲部23よりも遠位側の固定部28に対して固着されている。固定部28は、シャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側の動作面A上に位置している。2本のワイヤ31は、固定部28から主ルーメン21A内を近位側へ延在し、近位開口部26でシャフト部20の外部へ導出される。近位開口部26から導出されたワイヤ31は、補助管体22の副ルーメン22A内に遠位側から収容される。ワイヤ31の近位側の端部は、補助管体22の近位側の端部から導出され、操作部材40に固定されている。
操作ワイヤ30の外径は、特に限定されないが、例えば0.1〜1mm、好ましくは0.1〜0.7mm、より好ましくは0.1〜0.5mmである。
操作ワイヤ30の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、ステンレス、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白銀(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、形状記憶合金などの金属材料、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどの高分子材料、合成繊維、天然繊維等が好適に使用できる。形状記憶合金は、熱処理により形状記憶効果や超弾性が付与される材料であり、例えば、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系またはこれらの組み合わせなどが好ましく使用される。
操作部材40は、操作ワイヤ30をシャフト部20の中心軸Xに沿って進退移動させるために、術者が手で操作する部材である。操作部材40は、近位シャフト21の外周面に摺動可能に配置される管体である。なお、操作部材の形状は、特に限定されない。また、操作部材は、シャフト部20に連結されなくてもよい。また、操作部材は設けられなくてもよい。この場合、術者は、操作ワイヤ30の近位部を把持して操作できる。
線材50は、シャフト部20の主ルーメン21A内に挿入可能な線状の部材である。線材50は、近位部に縫合糸60(他の線材)を係合できる係合部51を有している(図7(C)を参照)。係合部51は、例えば近位部にて外径が大きい。なお、縫合糸60を固定できるのであれば、係合部51の形状は限定されず、例えば、縫合糸60を通すことができる貫通孔や、縫合糸60を引っ掛けることができる折り返しであるフックであってもよい。また、係合部は、設けられなくてもよい。
線材50の外径は、主ルーメン21A、近位開口部26および遠位開口部27を通ることができれば、特に限定されないが、例えば0.05〜0.5mm、好ましくは0.05〜0.4mm、より好ましくは0.05〜0.3mmである。線材50の長さは、シャフト部20の長さを超える長さであり、例えば300〜2000mm、好ましくは500〜1000mm、より好ましくは500〜1000mmである。
線材50の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、上述した操作ワイヤ30に適用可能な材料を使用できる。
縫合糸60は、汎用の縫合糸を使用できるが、汎用の縫合糸でなくてもよい。縫合糸60の構成材料は、柔軟性がある材質であることが好ましく、例えば、上述した操作ワイヤ30に適用可能な材料を使用できる。
次に、本実施形態に係る医療デバイス10を用いて静脈瘤を有する血管200(図4(A)を参照)を結紮する方法を説明する。
まず、血管200の周囲に、生理食塩水や麻酔薬などの液体を注射器等で注入し、血管200と周囲の生体組織との間で液性剥離を生じさせる。液性剥離とは、注入する液体の圧力を利用して、生体組織間を剥離することを意味する。これにより、血管200と周囲の生体組織との間に液体が満たされた状態となる。なお、この方法は、TLA麻酔(Tumescent local anesthesia)の処置方法として公知の技術である。次に、注射器を生体から抜き、注射器を穿刺した部位に、屈曲部23を直線状に伸ばしたシャフト部20を遠位シャフト24から挿入する。また、このとき、注射器に接続される穿刺針がシャフト部20の内腔に配置されている場合は、液性剥離後に針を抜去すると、シャフト部20が生体内に残るため、シャフト部20を再挿入することなく、操作を継続することができる。
次に、超音波エコーによりシャフト部20の生体内に挿入した部位を確認しつつ、図4(A)に示すように、シャフト部20の遠位開口部27を血管200よりも遠位側へ到達させる。このとき、近位開口部26は、血管200が位置する側を向き、かつ血管200よりも近位側に位置している。血管200は、動作面Aを貫通している。シャフト部20の近位開口部26から遠位側の部位は、注射器により注入された液体内に位置することが好ましい。これにより、屈曲部23を屈曲させて、遠位開口部27を近位開口部26に近接させる動作が円滑となる。
次に、超音波エコーによりシャフト部20の位置を確認しつつ、操作部材40を近位シャフト21に対して近位側へ移動させると、操作部材40に固定された操作ワイヤ30が近位側へ移動する。操作ワイヤ30は、中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側の固定部28に対して、屈曲部23よりも遠位側で固定されている。さらに、操作ワイヤ30は、屈曲部23の近位側にて、補助管体22によってシャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側に維持されている。このため、操作ワイヤ30を近位側へ牽引すると、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と同じ側に、収縮力が作用する。これにより、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と同じ側に位置される各々のスリットの隙間が閉じるように変形し、または中心軸Xを挟んで反対側のスリットの隙間が開くように変形し、屈曲部23が、近位開口部26が設けられる側と同じ側に屈曲する。これにより、図4(B)に示すように、シャフト部20は、血管200の周囲を囲むように変形する。このとき、近位開口部26の少なくとも一部は、遠位開口部27における主ルーメン21Aの延在方向(延長方向)に位置する。なお、主ルーメン21Aの延在方向は、遠位開口部27における遠位シャフト24の内周面を遠位側へ延長した空間が位置する方向を意味する。操作ワイヤ30は、2本のワイヤ31を備えるため、屈曲部23の屈曲方向が正確であり、遠位開口部27と近位開口部26の位置を正確に一致させることができる。遠位開口部27が設けられる遠位シャフト24の遠位側の端部は、近位開口部26に入り込んでもよい。この場合、遠位開口部27の全体が、近位開口部26に入り込んでもよく、または一部のみが入り込んでもよい。また、遠位シャフト24の遠位側の端部は、近位開口部26の縁部と接触してもよいが、接触しなくてもよい。また、遠位開口部27を有している遠位シャフト24の遠位側の端部は、近位開口部26の近傍のシャフト部20の外周面に接触してもよいが、接触しなくてもよい。したがって、近位開口部26と遠位開口部27は、ある程度離れて位置してもよい。すなわち、シャフト部20が血管200を囲んだ状態とは、シャフト部20が血管200の周囲を360度にわたって囲んだ状態のみならず、360度未満で囲んだ状態をも含む。
次に、図5(A)に示すように、導入用開口部25から主ルーメン21A内に線材50を挿入する。また、線材50の先端は遠位開口部27まであらかじめ挿入されていてもよい。線材50は、係合部51が設けられる側と反対側から挿入される。なお、係合部51が設けられる側から挿入されてもよい。続いて、線材50を押し込むと、線材50の遠位側の端部が、遠位開口部27が突出する。さらに線材50を押し込むと、線材50の遠位側の端部が近位開口部26から主ルーメン21A内に移動する。このとき、近位開口部26が、遠位開口部27における主ルーメン21Aの延在方向に位置するため、遠位開口部27から近位開口部26へ線材50を渡すことが容易である。また、遠位開口部27の少なくとも一部が、近位開口部26に入り込んでいれば、遠位開口部27から近位開口部26へ線材50を渡すことがさらに容易である。また、遠位シャフト24の遠位側端部が、近位開口部26の縁部またはシャフト部20の外周面と接触していれば、遠位開口部27から近位開口部26へ線材50を安定して渡すことできる。
次に、線材50をさらに押し込むと、図5(B)に示すように、線材50の遠位側の端部が、主ルーメン21Aを通って導入用開口部25から導出される。なお、必ずしも、線材50の遠位側の端部が導入用開口部25から導出されるまで、線材50を押し込まなくてもよい。後述するように、線材50を残してシャフト部20を抜去した際に、線材50の両端部が生体の外に配置される位置まで、線材50の遠位側の端部が到達すればよい。
次に、操作部材40を遠位側へ移動させると、図6に示すように、固定部28が操作ワイヤによって遠位側へ向かう力を受け、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と同じ側に伸長力が作用する。これにより、屈曲部23が伸びた状態へ戻る。なお、屈曲部23は、完全に伸びた状態とならなくてもよい。また、屈曲部23が、外力が作用しない自然状態で直線状であり、弾性的に変形して屈曲している場合には、屈曲部23が直線状に戻ろうとする復元力も作用し、屈曲部23が直線状の形状に戻りやすい。
次に、線材50を残してシャフト部20を近位側へ移動させると、図7(A)、(B)に示すように、線材50が遠位開口部27および近位開口部26から外部へ引き出され、血管200に引っ掛かっている線材50のみが生体内に残される。なお、線材50の両端部は、生体外に位置している。次に、線材50の係合部51に係合するように縫合糸60を線材50に対して締結する。この後、図7(C)に示すように、線材50の係合部51が設けられる側の反対側の端部を牽引すると、血管200に引っ掛かっている線材50を縫合糸60に置き換えることができる。縫合糸60の両端部が生体外に位置するまで線材50を牽引した後、線材50から縫合糸60を切り離す。
次に、図8(A)、(B)に示すように、生体外で作った結び目を生体内に送り込み、血管200を結紮する。なお、生体外で作った結び目を生体内に送り込む方法は、公知の方法である。結び目の形態は限定されず、公知の種々の形態を適用できる。この後、図8(C)に示すように縫合糸60の余分な部分を切り取り、血管200の結紮が完了する。続いて、必要に応じて上述した方法を繰り返し、血管200を、異なる複数の位置で結紮する。必要な個所で血管200を結紮した後、手技が完了する。
以上のように、実施形態に係る医療デバイス10は、図1〜3に示すように、体外から挿入した線材50を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すためのデバイスであって、一方向へ曲がることが可能な管状の屈曲部23が設けられ、遠位側の端部に近位側から延在する主ルーメン21A(第1のルーメン)が開口する遠位開口部27が設けられ、屈曲部23よりも近位側または屈曲部23の近位部に近位側から連通する主ルーメン21A(第2のルーメン)が開口する近位開口部26が設けられたシャフト部20と、シャフト部20の屈曲部23よりも遠位側に先端部が連結され、屈曲部23の少なくとも一部の内部を通り、基端側における牽引により屈曲部23を屈曲させる操作ワイヤ30と、を有する。
上記のように構成した医療デバイス10は、操作ワイヤ30の操作により屈曲部23が屈曲し、遠位開口部27と近位開口部26を近づけることができる。このため、1本のシャフト部20のみを生体に挿入し、生体内で生体組織を囲むように屈曲部23を屈曲させ、シャフト部20の主ルーメン21Aに近位側から線材50を挿入し、当該線材50を遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させて他方へ渡すことができる。これにより、低侵襲かつ容易に、体外から挿入した線材50を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すことができる。
また、近位開口部26の少なくとも一部は、屈曲部23が屈曲した状態において遠位開口部27における主ルーメン21Aの延在方向に位置している。これにより、線材50を遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させて他方へ挿入することが容易となり、作業性が向上する。
また、操作ワイヤ30は、シャフト部20の屈曲部23よりも遠位側の、当該シャフト部20の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側に先端部が固定されており、屈曲部23の内部を貫通している。これにより、操作ワイヤ30を牽引する操作により、遠位開口部27が近位開口部26に近づくように屈曲部23を屈曲させることができる。
また、屈曲部23が屈曲した状態において、シャフト部20の遠位開口部27が設けられる部位と近位開口部26が設けられる部位とが屈曲部23側においてなす角度θが鋭角である。これにより、遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させた線材50を、他方へ挿入することが容易となり、作業性が向上する。
また、医療デバイス10は、主ルーメン21Aに挿入可能な線材50を有する。これにより、体外から挿入した線材50を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すことができる。
また、本発明は、前述の医療デバイス10を使用して生体組織に線材50を係合させるための処置方法をも提供する。当該方法は、屈曲部23が屈曲する前の伸びた状態のシャフト部20の遠位部を生体内に挿入し、シャフト部20の遠位側の端部を目的の生体組織よりも遠位側へ到達させるステップと、操作ワイヤ30を牽引または押し込むことで屈曲部23を屈曲させ、シャフト部20によって生体組織を囲むステップと、シャフト部20の主ルーメン21Aに近位側から線材50を挿入し、当該線材50を遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させて他方へ挿入してシャフト部20に沿って近位側へ移動させるステップと、屈曲部23を伸ばして屈曲を減少させるステップと、線材50を生体内に残してシャフト部20を生体内から抜去するステップと、を有する。当該処置方法は、1本のシャフト部20のみを生体に挿入し、生体内で生体組織を囲むように屈曲部23を屈曲させ、シャフト部20の主ルーメン21Aに近位側から線材50を挿入し、当該線材50を遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させて他方へ渡すことができる。また、線材50の先端は遠位開口部27まであらかじめ挿入されていて、当該線材50を遠位開口部27および近位開口部26の一方から突出させて他方へ渡してもよい。これにより、低侵襲かつ容易に、体外から挿入した線材50を生体内で生体組織の遠位側を囲むように折り返すことができる。
また、上記処置方法は、シャフト部20の遠位側の端部を目的の生体組織よりも遠位側へ到達させるステップの前に、目的の生体組織の周囲に液体を注入するステップを有する。これにより、目的の生体組織の周囲にシャフト部20が動作可能な範囲が設けられ、シャフト部20により生体組織を囲む動作が容易となり、作業性が向上する。また、シャフト部20が液体内を動作するため、生体組織に接触し難くなり、低侵襲である。
また、生体内に残された線材50の端部に縫合糸60を固定し、線材50の縫合糸60が固定されていない側を牽引して線材50を生体内から抜去することで、縫合糸60を生体組織の遠位側を囲むように線材50を折り返すステップを有する。これにより、デバイスとして使用しやすい線材50を生体組織の遠位側に通した後、用途に適した縫合糸60に置き換えることができる。このため、例えばシャフト部20の主ルーメン21A内で推し進めることが困難な柔らかい縫合糸60であっても、生体組織の遠位側に通してループを設けることができ、適用できる縫合糸60の範囲が広い。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、医療デバイス10により線材50に囲まれる生体組織は、血管に限定されず、生体内のあらゆる組織が対象となり、例えば、消化器官、気管、心臓、リンパ管等の臓器であってもよい。線材10により囲む生体組織が、周囲の生体組織と接合されていない場合には、液性剥離を生じさせるために注射器等により液体を注入する必要はない。また、医療デバイス10の用途は、生体組織の結紮に限定されず、例えば臓器等の生体組織を生体内(例えば、体腔内)でワイヤによって保持したり、挙上操作(支持して持ち上げる操作)を行うこともできる。したがって、線材は、結ばれなくてもよい。
また、操作ワイヤ30の屈曲部23に収容されている部位は、弾性的に変形可能であり、外力が作用しない自然状態において、屈曲部23が屈曲可能な方向に屈曲してもよい。この場合、操作ワイヤ30は、直線状に延びた状態では、弾性的に変形した状態となる。操作部材40を遠位側へ移動させて操作ワイヤ30を遠位側へ押し込んだ状態とすると、固定部28が遠位側へ移動し、屈曲部23および操作ワイヤ30が伸びた状態となる(図1を参照)。したがって、操作ワイヤ30が自然状態において屈曲する構造であっても、屈曲部23を伸びた状態とすることができる。また、操作部材40を近位側へ移動させて操作ワイヤ30を牽引すると、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と同じ側に収縮力が作用し、屈曲部23が屈曲する(図3を参照)。このとき、操作ワイヤ30が自己の弾性力により元の屈曲した状態に戻ろうとする力が作用し、屈曲部23を良好に屈曲させることができる。
また、屈曲部23は、外力が作用しない自然状態において、屈曲部23が屈曲可能な方向に屈曲してもよい。したがって、屈曲部23は、直線状に延びた状態では、弾性的に変形した状態となる。操作部材40を遠位側へ移動させて操作ワイヤ30を遠位側へ押し込んだ状態とすると、固定部28が遠位側へ移動し、屈曲部23が伸びた状態となる(図1を参照)。したがって、屈曲部23が自然状態において屈曲する構造であっても、屈曲部23を伸びた状態とすることができる。また、操作部材40を近位側へ移動させて操作ワイヤ30を牽引すると、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と同じ側に収縮力が作用し、屈曲部23が屈曲する(図3を参照)。このとき、屈曲部23が自己の弾性力により元の屈曲した状態に戻ろうとする復元力が作用し、屈曲部23を良好に屈曲させることができる。また、操作ワイヤ30および屈曲部23の両方が、自然状態において屈曲する構造であってもよい。
また、本実施形態では、線材50を血管200に引っ掛けた後、線材50を縫合糸60に置き換えているが、医療デバイス10により、線材50の代わりに縫合糸60(線材)を用い、線材50用いずに、血管200の遠位側を囲むように縫合糸60を折り返すこともできる。
また、本実施形態では、遠位開口部27から近位開口部26へ線材50を渡しているが、近位開口部26から遠位開口部27へ線材50を渡してもよい。
また、図9(A)に示す第1の変形例のように、医療デバイスは、遠位側の端部にリング71が設けられた線材70と、折り返されたフック81が設けられた線状の牽引具80を有してもよい。なお、以降では、上述した実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。線材70は、リング71が遠位開口部27の近傍に位置するように、主ルーメン21Aに収容される。牽引具80は、フック81が近位開口部26の近傍に位置するように、主ルーメン21Aに収容される。この状態で、エコー画像を確認しつつ、シャフト部20を生体内へ挿入し、操作部材40を操作して屈曲部23を屈曲させ、遠位開口部27を近位開口部26に近づける。続いて、図9(B)に示すように、線材70および牽引具80の近位部を操作して、フック81をリング71に引っ掛かる。この後、牽引具80を牽引することで、線材70を血管200の遠位側を囲むように折り返すことができる。このように、線材70を押し込むのではなく、牽引することで線材70を血管200に引っ掛けるため、押し込む場合と比較して強い力を線材70に作用させることができ、作業性が向上する。また、線材70に牽引具80を引っ掛けて牽引する場合、線材70は押し込まなくても移動するため、シャフト部20の遠位開口部27が設けられる部位と近位開口部26が設けられる部位とが屈曲部23側においてなす角度θは、鋭角であっても鈍角であってもよい。なお、線材70は、遠位部にリング71ではなく折り返されたフックが設けられてもよい。また、線材70の遠位部にリングではなくフックが設けられる場合、牽引具80は、遠位部にフック81ではなくリングが設けられてもよい。
また、図10に示す第2の変形例のように、操作ワイヤ30を摺動可能に収容する補助管体は、設けられなくてもよい。この場合、操作ワイヤ30は、近位開口部26から近位側へ向かって外部へ導出されずに、シャフト部の近位側の端部の導入用開口部25から導出される。なお、操作ワイヤ30は、近位開口部26から近位側へ向かって外部へ導出されてもよい。操作ワイヤ30の近位部には、術者が把持するための操作部が設けられてもよいが、設けられなくてもよい。
また、図11に示す第3の変形例のように、シャフト部90は、遠位開口部27と連通する近位シャフト91と、近位開口部93が設けられる第2の近位シャフト92とが異なってもよい。近位シャフト91の内部には第1のルーメン91Aが設けられ、第2の近位シャフト92の内部には第2のルーメン92Aが設けられる。これにより、近位シャフト91の内部の操作ワイヤ30および線材50が、第2の近位シャフト92の内部の線材50と干渉せず、線材50を円滑に移動させることができる。近位開口部93は、第2の近位シャフト92の遠位側の端部に設けられるが、内周面から外周面へ貫通するように側面に設けられてもよい。
また、図12に示す第4の変形例のように、操作ワイヤ30の遠位側の端部がシャフト部100に固定される固定部104の位置は、遠位シャフト24でなくてもよく、屈曲部102の内周面の遠位部であってもよい。また、近位開口部103は、遠位開口部27が近接可能であれば、近位シャフト101ではなく、屈曲部102の近位部に設けられてもよい。
また、図13に示す第5の変形例のように、シャフト部110は、屈曲部111の遠位側に、屈曲部111よりも曲がり難い遠位シャフトを有さなくてもよい。遠位開口部112は、屈曲部111の遠位側の端部に設けられる。
また、図14に示す第6の変形例のように、操作ワイヤ30の遠位側の端部がシャフト部120に固定される固定部121の位置は、中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と反対側であってもよい。この場合、操作ワイヤ30を牽引するのではなく、押し込むことで、固定部121が遠位側へ向かう力を受ける。これにより、屈曲部23の近位開口部26が設けられる側と反対側に設けられる各々のスリットの隙間が広がるように変形し、屈曲部23が、近位開口部26が設けられる側と同じ側に屈曲する。これにより、シャフト部120は、血管200の周囲を囲むように変形できる。
また、図15に示す第7の変形例のように、操作ワイヤ30の遠位側の端部がシャフト部130に固定される固定部132の位置は、シャフト部130の内周面ではなく外周面であってもよい。操作ワイヤ30は、屈曲部131の中心軸Xに対して近位開口部26が設けられる側と同じ側の外周面に設けられる管体である支持管133の内部に摺動可能に収容される。このような構成であっても、操作ワイヤ30を牽引することで、屈曲部131を屈曲させることができる。なお、支持管133は屈曲部131の一部であるため、このような形態も、操作ワイヤ30の一部が屈曲部131の内部を通る構成に含まれる。支持管133の数や軸心方向の長さは、限定されない。
また、屈曲部は、曲がることが可能であれば、スリットが設けられなくてもよい。また、屈曲部は、一方向へ曲がることができるのであれば、曲げ剛性が周方向によって異ならず、均一であってもよい。
また、医療デバイスは、生理食塩水や麻酔液を注入する機能を有してもよい。これにより、別途の注射器を必要とせず、血管とその周囲の生体組織との間に液体を注入して、液性剥離を生じさせることができる。このため、医療デバイスは、操作性が向上し、かつ生体への影響を低減できる。
10 医療デバイス、
20、90、100、110、120、130 シャフト部、
21、91、101 近位シャフト、
21A 主ルーメン(第1のルーメン、第2のルーメン)、
23、102、111、131 屈曲部、
24 遠位シャフト、
25 導入用開口部、
26、93、103 近位開口部、
27 遠位開口部、
30、112 操作ワイヤ、
31 ワイヤ、
28、104、121、132 固定部、
50、70 線材、
60 縫合糸(線材、他の線材)、
91A 第1のルーメン、
92A 第2のルーメン、
A 動作面、
θ 角度。

Claims (6)

  1. 操作する近位側から生体内に挿入する遠位側へ延在し、体外から挿入する線材を生体内で血管、気管、心臓またはリンパ管に対して前記線材の挿入方向の奥側に通して前記血管、気管、心臓またはリンパ管を囲むように折り返すための医療デバイスであって、
    一方向へ曲がることが可能な管状の屈曲部が設けられ、前記屈曲部よりも遠位側または前記屈曲部の遠位部に近位側から延在する第1のルーメンが開口する遠位開口部が設けられ、前記屈曲部よりも近位側または前記屈曲部の近位部に近位側から延在する前記第1のルーメンまたは前記第1のルーメンとは異なる第2のルーメンが開口する近位開口部が設けられたシャフト部と、
    前記シャフト部の前記屈曲部よりも遠位側または前記屈曲部の遠位部に先端部が連結され、前記屈曲部の少なくとも一部の内部を通り、基端側における牽引または押し込み操作により前記屈曲部を屈曲させる操作ワイヤと、を有する医療デバイス。
  2. 前記近位開口部の少なくとも一部は、前記屈曲部が屈曲した状態において前記遠位開口部における前記第1のルーメンの延在方向に位置する請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記操作ワイヤは、前記シャフト部の前記屈曲部よりも遠位側または前記屈曲部の遠位部の、当該シャフト部の中心軸に対して前記近位開口部が設けられる側と同じ側に先端部が固定されており、前記操作ワイヤは、前記屈曲部が屈曲した状態および前記屈曲部が直線状となった状態の両方において、前記先端部から前記屈曲部の内部の前記第1のルーメンを通って前記屈曲部よりも近位側まで配置されている請求項1または2に記載の医療デバイス。
  4. 前記屈曲部および前記動作ワイヤの少なくとも一方は、外力が作用しない自然状態において前記屈曲部が屈曲可能な方向に屈曲しており、前記屈曲部および前記動作ワイヤの少なくとも一方は、前記屈曲部が直線状となった状態において、弾性的に変形した状態となる請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  5. 前記屈曲部が屈曲した状態において、前記シャフト部の前記遠位開口部が設けられる部位と前記近位開口部が設けられる部位とが前記屈曲部側においてなす角度が鋭角である請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  6. 前記第1のルーメンまたは第2のルーメンに挿入可能な線材を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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